JP5499866B2 - 交流回転機の制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、交流回転機を回転駆動する電力変換手段を備えた交流回転機の制御装置に関する。
従来の交流回転機の制御装置においては、インバータをはじめとする電力変換手段によって交流回転機を駆動する際、交流回転機の相巻線に流れる相電流、あるいは、相電流を交流回転機の角周波数で回転する回転二軸座標(以下dq軸と称す)上に座標変換したdq軸上の電流に基づいて、さらには、外部から与えられる周波数指令に基づいて相巻線へ出力する電圧指令を決定するV/F一定制御をはじめとするフィードフォワード制御が行われることがある。
このフィードフォワード制御を実現するために、交流回転機の制御装置には、交流回転機の相巻線へ電圧を出力するインバータ等の電力変換手段と、フィードフォワード制御によって交流回転機の相巻線へ電圧を出力するための電圧指令を生成する電圧指令生成手段と、交流回転機の相電流を検出する電流検出手段とが備わる。このような交流回転機の制御装置の一例として、電力変換回路を過電流から保護するための電流制限機能を備え、一次電流および出力周波数から演算される第1の電流成分と電流設定値とから所定の関数演算に従って周波数補正値を演算した上で、一次周波数指令値から周波数補正値を減算し、この減算出力に従って一次電圧成分指令値を演算するものがある。この一次周波数指令値を補正する動作によって、定常運転時のみならず急加減速時にも電流制限動作が正常に動作し、電力変換回路を過電流から保護することができる(例えば、特許文献1参照)。
また、交流回転機の制御装置の他の一例として、負荷電流に応じて励磁電流指令を演算しながら、dq軸電流の各軸成分の絶対値の電流偏差を励磁電流指令で除算して微小励磁電流指令を求め、求めた微小励磁電流指令と一次周波数とに基づいてdq軸電圧指令を演算した上で、dq軸電流に基づいて周波数補正量を演算し、角速度指令から周波数補正量を減算して一次周波数を出力するものがある。この構成によって、電流の過渡応答を一定に保った上で交流回転機を高効率に駆動制御できる(例えば、特許文献2参照)。
特開平5−68398号公報(第4−5頁、第1図) 再公表WO2005−025049号(第4−5頁、第1−2図)
特許文献1で開示された技術の実施によって実現できる、電流制限動作が正常に動作し、電力変換回路を過電流から保護できることと、特許文献2で開示された技術の実施によって実現できる、電流の過渡応答を一定に保った上で交流回転機を高効率かつ安定に駆動制御できることといった2つの効果を両立することが交流回転機の制御装置として望ましい形態である。しかしながら、これらの発明で得られる効果は、ともに各々異なった方法で一次周波数指令を補正する動作によって得られるものである。このため、特許文献1で開示された技術と特許文献2で開示された技術とを単純に組み合わせた場合、両者の一次周波数指令を補正する動作が干渉し、本来各々を個別に実施することによって得られるはずの電力変換回路を過電流から保護すること、交流回転機を高効率かつ安定に駆動制御することができなくなるという問題があった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、電力変換回路を過電流から保護するために実施する一次周波数補正動作と、高効率かつ安定した駆動性能を得るために実施する一次周波数補正動作との両者の周波数補正動作が干渉することなく一次周波数の補正を行い、定常運転・急加減速運転に関係なく安定した電流制限動作を得ることによって電力変換回路を過電流から保護し、交流回転機の定常運転時には高効率かつ安定した駆動性能が得られる交流回転機の制御装置を得るものである。
この発明に係る交流回転機の制御装置は、三相電圧指令に基づいて交流回転機へ三相交流電圧を出力する電力変換手段と、交流回転機に流れる三相電流を検出する電流検出手段と、電流検出手段が検出する三相電流を回転二軸座標上の電流へ変換する電流演算手段と、周波数指令を周波数補正量に基づいて補正し、一次周波数補正値を得る周波数補正手段と、一次周波数補正値に基づいて回転二軸座標上に設定した制御座標軸の位相を演算する位相演算手段と、回転二軸座標上の電流の各軸成分の絶対値の電流偏差に基づいて微小励磁電流指令と励磁電流指令とを求め、微小励磁電流指令と励磁電流指令と一次周波数補正値とに基づいて回転二軸座標上の電圧指令を演算する電圧指令演算手段と、回転二軸座標上の電圧指令と制御座標軸の位相とに基づいて三相電圧指令を算出する電圧指令変換手段とを備え、電流演算手段は、制御座標軸の位相に基づいて三相電流を回転二軸座標上の電流へ変換し、周波数補正手段は、回転二軸座標上の電流あるいは回転二軸座標上の電流の絶対値の何れかを判定電流とし、判定電流と予め設定された電流制限値との偏差を積分することによって第1の周波数補正量を演算する第1演算部と、回転二軸座標上の電流と周波数指令とに基づいて第2の周波数補正量を演算する第2演算部と、判定電流と電流制限値との大小関係、および周波数指令と一次周波数補正値との大小関係とに基づいて、第1の周波数補正量あるいは第2の周波数補正量の何れかを周波数補正量として選択する周波数補正量選択部とを有し、周波数補正量選択部の選択において、第1の周波数補正量を選択した場合に、微小励磁電流指令と励磁電流指令とを一定値に固定するものである。
この発明は、上記構成を備えるので、電力変換回路を過電流から保護するために実施する一次周波数補正動作と、高効率かつ安定した駆動性能を得るために実施する一次周波数補正動作との両者の周波数補正動作が干渉することなく一次周波数の補正が行うことができることから、交流回転機の定常運転・急加減速運転に関係なく安定した電流制限動作が得られ、電力変換回路を過電流から保護できとともに、交流回転機の定常運転時には高効率かつ安定した駆動性能を得ることができる。
本発明の実施の形態1における交流回転機と交流回転機の制御装置とによって構成される交流回転機制御システムの構成図である。 本発明の実施の形態1における電圧指令演算手段の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1における周波数補正手段の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1における周波数補正手段のスイッチの動作を示すフローチャートである。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における、交流回転機と交流回転機の制御装置とによって構成される交流回転機制御システムの構成図を示すものである。なお、本実施の形態では、交流回転機1として主に三相誘導機を例に挙げて説明するが、この発明は「三相」や「誘導機」に限定されるものではなく、その他、他の相数(三相以外の二相回転機等)や誘導機とは異なる回転機(例えば同期機)であっても同様に適用できる。
図1において、交流回転機の制御装置10は、電力変換手段2と、電流検出手段3a、3bと、位相演算手段4と、電流演算手段5と、電圧指令演算手段6と、電圧指令変換手段7と、周波数補正手段8とによって構成されている。
次に、交流回転機の制御装置10の動作について説明する。電力変換手段2は、電圧指令変換手段7から出力される三相電圧指令Vu*、Vv*、Vw*に基づいて三相電圧Vu、Vv、Vw(三相交流電圧)を交流回転機1へ出力し、交流回転機1を駆動する。電流検出手段3a、3bは、交流回転機1の出力電流Iu、Ivを検出する。残りの一相の電流Iwは、検出した出力電流Iu、Ivに基づいて、Iw=−Iu−Ivの関係を用いて演算する。つまり、電流検出手段3a、3bは、交流回転機1に流れる三相電流を検出する。なお、電流検出手段は、図1に示すように二つの相だけに具備しても、三相全てに具備しても良い。また、図1のような各相の電流を直接検出する方法以外に、公知の技術である、電力変換器のDCリンク電流から交流回転機1の出力電流を検出する方法を用いても良い。
なお,本実施の形態では、制御座標軸を一次周波数補正値ω1(交流回転機1の一次周波数に相当)で回転する回転二軸座標(以下dq軸と称す)上で与えることとする。その際、公知のように、三相電圧あるいは三相電流をdq軸座標へ座標変換をするために、制御座標軸の位相θが必要となる。そこで、位相演算手段4は、外部から与えられる周波数指令ω*を後述の周波数補正手段8によって補正された一次周波数補正値ω1を積分して回転二軸座標上に設定した制御座標軸の位相θを求める。
位相演算手段4は、後述の電流演算手段5と電圧指令変換手段7へ制御座標軸の位相θを出力するが、電流検出手段3a、3bで検出された出力電流Iu、Iv、Iw(三相電流)の値が電力変換手段2から出力される三相電圧Vu、Vv、Vwに反映されるまでの制御演算遅れ時間を考慮し、電流演算手段5へ出力する位相と電圧指令変換手段7へ出力する位相とを異なる値にしても良い。この場合、電流演算手段5へ出力する位相をθx、電圧指令変換手段7へ出力する位相をθyとすると、θx=∫ω1dt(=θ)、θy=θx+θdのような関係となる。ここで、θdは、前述の制御演算遅れ時間に基づく位相補正量である。
電流演算手段5は、電流検出手段3a、3bで検出された交流回転機1の出力電流Iu、Iv、Iwと制御座標軸の位相θ(またはθx)とに基づいて、一次周波数補正値ω1で回転する回転二軸座標(以下dq軸と称す)上の電流Id、Iqへ座標変換する。出力電流Iu、Iv、Iwをdq軸上の電流Id、Iqへ座標変換する式を(1)式に示す。
Figure 0005499866
電圧指令演算手段6は、周波数補正手段8の出力である一次周波数補正値ω1とdq軸上の電流Id、Iqとに基づいてdq軸上の電圧指令Vd*、Vq*を演算する。公知のV/F一定制御を行う場合、一例として、(2)〜(3)式を用いて電圧指令Vd*、Vq*を演算する方法がある。
Vd*=0 ・・・(2)
Vq*=K0・ω1 ・・・(3)
ここで、K0は比例係数である。K0を、交流回転機1の定格励磁電流Id100と一次インダクタンスLsの値とを用いて、K0=Ls・Id100としても良い。また、交流回転機1の一次抵抗Rsに起因する電圧降下や電圧ブースト項Kbd、Kbq等を考慮して、(4)〜(5)式を用いて電圧指令Vd*、Vq*を演算しても良い。
Vd*=Rs・Id100−σ・ω1・Ls・Iq+Kbd ・・・(4)
Vq*=Rs・Iq+ω1・Ls・Id100+Kbq ・・・(5)
ここで、σは交流回転機1の漏れ係数である。さらに、特許文献2に開示された電流の過渡応答を一定に保ちながら回転機を駆動制御し、定常運転時に高効率かつ安定した駆動性能を得る手法に基づいて電圧指令Vd*、Vq*を与える場合は、電圧指令演算手段6を以下の通り構成する。
図2は、電圧指令演算手段6の構成を示すブロック図である。電圧指令演算手段6の各構成要素の動作について以下のとおり説明する。電圧指令演算手段6は、dq軸上の電流Id、Iqの絶対値の偏差に基づいて微小励磁電流指令ΔI0を求め、この微小励磁電流指令ΔI0を増幅することによって交流回転機1に与える励磁電流指令I0を求め、微小励磁電流指令ΔI0と励磁電流指令I0と一次周波数補正値ω1とに基づいてdq軸上の電圧指令Vd*、Vq*を演算する。電圧指令Vd*、Vq*は、励磁電流指令I0に対応する励磁電流を交流回転機1に流すための電圧指令である。なお、電圧指令演算手段6で得られる励磁電流指令I0は、定常運転時に高効率となる励磁電流になるように調整された値になる。
まず、dq軸上の電流Id、Iqの各々の絶対値を絶対値演算器(ABS)11a、11bにて求め、電流Idの絶対値と電流Iqの絶対値との偏差(回転二軸座標上の電流の各軸成分の絶対値の電流偏差)を加減算器12aにて演算する。さらに、この偏差を乗算器13aにてKwi倍し、それを後述の制限機能付積分器14の出力である励磁電流指令I0で除算して微小励磁電流指令ΔI0を求める。ただし、この除算処理に用いる励磁電流指令I0は、微小励磁電流指令ΔI0に基づいて演算される値であるため、電圧指令演算手段6の演算アルゴリズムをマイクロコンピュータ(いわゆるマイコン)に実装し、これらの処理を行わせることを考慮して、図2の構成では、前述の除算処理の代わりに、励磁電流指令I0の伝達を遅延器15aによってマイコンの1演算周期(Tsとする)分遅延させ、逆数演算器16によって励磁電流指令I0の逆数1/I0を求め、求めた逆数1/I0を乗算器13aにて乗算する構成としている。本構成は、あくまでも一例であり、同じ機能を果たす他の構成例でも良い。リミッタA17(後述の他のリミッタと動作が異なるため、リミッタAとする)は、乗算器13aが出力する微小励磁電流指令ΔI0の振幅を制限する。
ローパスフィルタ18は、後述の周波数補正手段8の出力である一次周波数補正値ω1の高周波成分を除去した低周波成分ωfを出力する。リミッタB19は、ローパスフィルタ18が出力する低周波成分ωfに基づいて励磁電流指令の上限値I0MAX、下限値I0MINを出力する。
制限機能付積分器14は、リミッタA17から得られた微小励磁電流指令ΔI0を積分演算し、リミッタB19から入力される励磁電流指令の下限値I0MINから上限値I0MAXまでの範囲内に収まるように積分演算の結果を制限して励磁電流指令I0を出力する。このように電圧指令演算手段6を制御することで、特許文献2に開示されているとおり、定常運転時に損失が少なく高効率となるように、d軸電流Idにおける損失とq軸電流Iqにおける損失とが一致するような運転点に調整される。すなわち、定常運転時において損失が少ない高効率となるように調整された値となる。
スイッチ20a、20bは、それぞれ外部から与えられるフラグflagXに基づいて、リミッタA17の出力である微小励磁電流指令ΔI0と制限機能付積分器14の出力である励磁電流指令I0の値をそのまま出力するか、あるいは、微小励磁電流指令ΔI0と励磁電流指令I0の値を一定値に固定させるかを切り換えるために設けたものである。本実施の形態において、スイッチ20a、20bは必須の構成要素ではない。しかしながら、これらのスイッチ20a、20bを電圧指令演算手段6の構成に加えることによって、dq軸上の電圧指令Vd*、Vq*が所定の電圧を超過した場合でも、微小励磁電流指令ΔI0や励磁電流指令I0の値を固定することで、電圧指令Vd*、Vq*の電圧超過を防止したり、電力変換回路(本実施の形態では電力変換手段2に相当)を過電流から保護するために実施する後述の一次周波数補正動作機能をより安定化させたりすることが可能となる。なお、スイッチ20a、20bにおける微小励磁電流指令ΔI0と励磁電流指令I0の値とを一定値に固定させる機能をマイコンに実装する際、図2の構成では、スイッチ20a、20bの出力をそれぞれ遅延器15b、15cによってマイコンの1演算周期(Tsとする)分遅延させたものを、これらのスイッチの入力に戻す構成にしている。
乗算器13bは、スイッチ20aの出力(スイッチ20aを省略する場合はリミッタA17の出力)である微小励磁電流指令ΔI0に、交流回転機1の一次インダクタンスLsの値を乗算し、d軸電圧指令Vd*として出力する。また、乗算器13cは、スイッチ20bの出力(スイッチ20bを省略する場合は制限機能付積分器14の出力)である励磁電流指令I0に、交流回転機1の一次インダクタンスの値Lsと一次周波数補正値ω1とを乗算し、q軸電圧指令Vq*として出力する。これら乗算器13b、13cの動作は(6)〜(7)式で表される。
Vd*=Ls・ΔI0 ・・・(6)
Vq*=ω1・Ls・I0 ・・・(7)
なお、(6)〜(7)式に対して、前述のような交流回転機1の一次抵抗Rsに起因する電圧降下や電圧ブースト項Kbd、Kbq等を考慮した項を加えても良い。このように電圧指令演算手段6を構成することによって、特許文献2に開示されたように、q軸電流Iqの絶対値とd軸電流Idの絶対値との偏差を負荷に応じて変化させる励磁電流指令I0で除算できる。そして、電圧指令演算手段6は、回転二軸座標上の電流の各軸成分の絶対値の電流偏差に基づいて微小励磁電流指令と励磁電流指令とを求め、求めた微小励磁電流指令と励磁電流指令と一次周波数補正値とに基づいて回転二軸座標上の電圧指令を演算するので、負荷トルクの動作点が軽負荷時から高負荷時まで変化しても、電流の過渡応答を一定に保ちながら安定した駆動性能を得ることができる。
電圧指令変換手段7は、電圧指令演算手段6の出力であるdq軸上の電圧指令Vd*、Vq*と制御座標軸の位相θ(θの代わりに前述のθyでも良い)とに基づいて三相電圧指令Vu*、Vv*、Vw*を演算し、電力変換手段2へ出力する。dq軸上の電圧指令Vd*、Vq*を三相電圧指令Vu*、Vv*、Vw*へ座標変換する式を(8)式に示す。(8)式のθの代わりに前述のθyを用いても良い。
Figure 0005499866
次に、本発明のポイントである周波数補正手段について説明する。図3は、周波数補正手段8の構成を示すブロック図である。周波数補正手段8は、所定の周波数指令ω*を一次周波数補正量に基づいて補正し、一次周波数補正値ω1(交流回転機1の一次周波数に相当)を得ることを目的としている。周波数補正手段8の各構成要素の動作について以下のとおり説明する。周波数補正手段8は、電力変換回路(電力変換手段2に相当)を過電流から保護するための一次周波数補正量(第1の周波数補正量Δω1)を演算する部分(第1演算部)と、電流が急変することを抑制しながら安定した駆動性能を得るための一次周波数補正量(第2の周波数補正量Δω2)を演算する部分(第2演算部)と、第1の周波数補正量Δω1と第2の周波数補正量Δω2との何れかを選択する部分(周波数補正量選択部)と、選択された周波数補正量に基づいて周波数指令ω*を補正し、一次周波数補正値ω1を得る部分(周波数補正部)とによって構成される。
まず、第1の周波数補正量Δω1を演算する部分(第1演算部)について説明する。第1の周波数補正量Δω1を演算する部分(第1演算部)は、判定電流演算手段21と符号関数演算器22と加減算器12b、12cと乗算器13d、13eと積分器23とによって構成される。第1の周波数補正量Δω1を演算する部分(第1演算部)は、dq軸上の電流Id、Iqあるいはdq軸上の電流Id、Iqの絶対値の何れかを判定電流(判定電流をIxとする)とし、判定電流が電力変換回路を過電流から保護するために設定された電流制限値Ilimit以下となるように、判定電流と予め設定された電流制限値との偏差を積分することによって、周波数指令ω*に対して補正すべき第1の周波数補正量Δω1を演算し、周波数指令ω*を補正するためのものである。
第1の周波数補正量Δω1を演算する動作について説明する。判定電流演算手段21では、dq軸上の電流Id、Iqに基づいて判定電流Ixを演算する。判定電流Ixとは、電力変換回路を過電流から保護するための過電流状態か否かを判定する基準となる電流を指し、本実施の形態では、q軸電流Iqの絶対値|Iq|、またはd軸電流Idとq軸電流Iqとの2乗和の平方根(三相回転機の場合、相電流実効値の√3倍に相当する量)の何れかを判定電流Ixとする。
交流回転機1(特に誘導機)の起動時に、励磁電流を流して磁束が確立した後、トルク電流(q軸電流Iqに相当)を流して起動する場合には、q軸電流Iqが急変するため、判定電流Ixにq軸電流Iqの絶対値|Iq|を選択することが適切である。また、励磁電流とトルク電流を同時に流し始めて交流回転機1を起動する場合等では、d軸電流Id、q軸電流Iq共に変動が大きく、判定電流Ixにd軸電流Idとq軸電流Iqとの2乗和の平方根√(Id+Iq)を選択するのが適切である。駆動条件によって、判定電流Ixとして使用する値を絶対値|Iq|と平方根√(Id+Iq)とを切り換えても良い。また、判定電流演算手段21の構成の簡素化のために、判定電流Ixとして使用する値を絶対値|Iq|または平方根√(Id+Iq)のどちらかに固定しても良い。
このように、判定電流演算手段21は、(9)式、(10)式の演算を行い、必要に応じてq軸電流Iqの絶対値|Iq|と、d軸電流Idとq軸電流Iqとの2乗和の平方根とを切り換えて、判定電流Ixを出力する。なお、判定電流Ixは必ず正値となる。
Ix=|Iq| ・・・(9)
Figure 0005499866
そして、加減算器12bにおいて、判定電流Ixと電力変換回路を過電流から保護するために設定された電流制限値Ilimit(正の値に設定)との偏差Ie(=Ix−Ilimit)を演算する。また、符号関数演算器22において、q軸電流Iqの符号関数出力値を演算する。符号関数演算器22は、q軸電流Iqが正の時は1を、負の時は−1を、0の時は0(あるいは1)を出力する。さらに、乗算器13dにおいて、偏差Ieと符号関数演算器22の出力とを乗算する。また、加減算器12cにおいて、乗算器13dの出力を乗算器13eにて所定の正の係数KP倍した値と、同じ乗算器13dの出力を積分器23にて所定の正の係数KI倍した後に積分した値とを加算する。この加算した値が第1の周波数補正量Δω1となる。なお、図3では、比例積分処理で第1の周波数補正量Δω1を演算しているが、乗算器13eと加減算器12cとを省略した積分演算のみで第1の周波数補正量Δω1を演算する方法を用いても良い。
ここで、後述するスイッチ20cにおいて、第1の周波数補正量Δω1を選択したと仮定した上で、選択した第1の周波数補正量Δω1に基づいて周波数指令ω*を加減算器12dで補正し、一次周波数補正値ω1を得る場合の、第1の周波数補正量Δω1を演算する部分(第1演算部)の動作と周波数指令ω*を補正する動作について説明する。
力行正転加速運転の際に、判定電流Ixが電流制限値Ilimitを越えると、極性が正の偏差Ie(=Ix−Ilimit)が加減算器12bから出力される。一方、力行正転加速運転においては、q軸電流Iqの極性も正となるので、乗算器13dの出力は正値となる。よって、乗算器13dの出力を乗算器13eおよび積分器23によって比例・積分演算して得られた第1の周波数補正量Δω1の極性は正となり、この第1の周波数補正量Δω1によって周波数指令ω*を補正する際、周波数指令ω*から第1の周波数補正量Δω1を減算するように補正する。この補正によって、一次周波数補正値ω1(=ω*−Δω1)の変化は周波数指令ω*に対して緩やかになる。
この結果、判定電流Ixとしてq軸電流Iqの絶対値|Iq|を選択した場合には、q軸電流Iqの増加が抑制され、判定電流Ixとしてd軸電流Idとq軸電流Iqとの2乗和の平方根を選択した場合には、q軸電流Iqとd軸電流Idの増加が抑制される。このような電流抑制動作によって、判定電流Ixが減少して電流制限値Ilimitを下回り、加減算器12bから出力される偏差Ieの極性が負になると、q軸電流Iqの極性は正のままであるため、乗算器13dの出力は負値となる。よって、積分器23に蓄えられた正の累積値が減少するように作用するとともに、乗算器13eからの出力も負値となるため、第1の周波数補正量Δω1は減少して零に漸近、すなわち、一次周波数補正値ω1は元の周波数指令ω*に収束する。
回生正転減速運転の際に、判定電流Ixが電流制限値Ilimitを越えると、極性が正の偏差Ie(=Ix−Ilimit)が加減算器12bから出力される。一方、回生正転減速運転においては、q軸電流Iqの極性は負となるので、乗算器13dの出力は負値となる。よって、乗算器13dの出力を乗算器13eおよび積分器23によって比例・積分演算して得られた第1の周波数補正量Δω1の極性は負となり、この第1の周波数補正量Δω1によって周波数指令ω*を補正する際、周波数指令ω*から第1の周波数補正量Δω1を加算するように補正する。この補正によって、一次周波数補正値ω1(=ω*−Δω1)の変化は周波数指令ω*に対して緩やかになる。
この結果、q軸電流Iqやd軸電流Idの増加が抑制される。このような電流抑制動作によって、判定電流Ixが減少して電流制限値Ilimitを下回り、加減算器12bから出力される偏差Ieの極性が負になると、q軸電流Iqの極性は負のままであるため、乗算器13dの出力は正値となる。よって、積分器23に蓄えられた負の累積値(の絶対値)が減少するように作用するとともに、乗算器13eからの出力も正値となるため、第1の周波数補正量Δω1の絶対値は減少し零に漸近、すなわち、一次周波数補正値ω1は元の周波数指令ω*に収束する。同様に、力行逆転加速運転時および回生逆転減速運転時にも、一次周波数補正値ω1の変化は周波数指令ω*に対して緩やかになる。
このように、第1の周波数補正量Δω1に基づいて周波数指令ω*を補正した場合、定常運転時のみならず急加減速時にも電流抑制動作が動作し、電力変換回路(電力変換手段2)を過電流から保護することができる。
次に、第2の周波数補正量Δω2を演算する部分(第2演算部)について説明する。第2の周波数補正量Δω2を演算する部分(第2演算部)は、第2の周波数補正量演算手段24と補正量リミッタ25とによって構成されており、インパクト負荷などが交流回転機1に加わった場合に、回転速度の急変によって生じる電流振幅の急変を抑制するために設けてある。第2の周波数補正量Δω2を演算する部分(第2演算部)において、第2の周波数補正量Δω2は、dq軸上の電流Id、Iqと周波数指令ω*とに基づいて、第2の周波数補正量演算手段24と補正量リミッタ25とを用いて演算される。
第2の周波数補正量演算手段24は、dq軸上の電流Id、Iqに基づいて交流回転機1の負荷変化量に応じた周波数補正量Δω2’を演算し、補正量リミッタ25は周波数指令ω*に応じて周波数補正量Δω2’の値を制限し、第2の周波数補正量Δω2を出力する。
ここで、後述するスイッチ20cにおいて、第2の周波数補正量Δω2を選択したと仮定した上で、選択した第2の周波数補正量Δω2に基づいて周波数指令ω*を加減算器12dで補正し、一次周波数補正値ω1を得る場合の、第2の周波数補正量Δω2を演算する部分(第2演算部)の動作と周波数指令ω*を補正する動作について説明する。
第2の周波数補正量演算手段24は、交流回転機1の負荷変化量に応じた周波数補正量Δω2’を以下の手順で演算する。交流回転機1において、軸トルクの増減(変化率)が判れば回転速度の増減も判断できるが、通常の交流回転機1と交流回転機の制御装置を含めた交流回転機制御システムにおいて、トルクセンサ等の軸トルクを検出する手段が備わっていることは稀である。このことを踏まえ、以下の演算では、軸トルクの代わりに交流回転機1の出力トルク推定値τ0を演算し、この出力トルク推定値τ0を用いて回転速度の増減を判断しながら、周波数指令ω*を補正し、すべり角周波数(=周波数指令ω*−回転速度)が急変しないようにする。
出力トルク推定値τ0の演算に際し、d軸電流Idから二次磁束相当値φdを(11)式の演算によって求め、q軸電流Iqと二次磁束相当値φdとから出力トルク推定値τ0を(12)式の演算によって求める。
φd=Id/(1+Tr・s) ・・・(11)
τ0=Pm・φd・Iq ・・・(12)
ここで、sはラプラス演算子、Trは交流回転機1の電気的(二次)時定数、Pmは交流回転機1の極対数である。(12)式で算出した出力トルク推定値τ0の変化に応じた周波数補正量Δω2’を(13)式の演算によって求める。なお、(13)式において、G1,G2は任意の実数である。
Δω2’=G1・s/(1+G2・s)・τ0 ・・・(13)
ただし、第2の周波数補正量Δω2が大きくなり過ぎると一次周波数補正値ω1(=ω*−Δω2)の値が小さくなり過ぎるので、交流回転機1では十分な出力トルクが発生できない現象が発生する。このような現象を回避するために、補正量リミッタ25において周波数指令ω*に応じて第2の周波数補正量Δω2’の上限値または下限値を制限する。補正量リミッタ25で制限された第2の周波数補正量Δω2に基づいて周波数指令ω*を補正することで、インパクト負荷などで回転速度が急変したときでも回転速度の変化に応じて一次周波数補正値ω1を変化させることができるので、電流振幅急変の抑制が可能となる。
また、交流回転機1がトルクを出力する場合、回転速度は、一次周波数補正値ω1からすべり角周波数を減算した値になる。このすべり角周波数は、出力トルクに比例するものと見なして、(13)式を(14)式に置き換えても良い。なお、(14)式において、G3は任意の実数である。
Δω2’=τ0・{G1・s/(1+G2・s)+G3} ・・・(14)
(14)式を用いて第2の周波数補正量Δω2’を求め、補正量リミッタ25で制限された第2の周波数補正量Δω2に基づいて周波数指令ω*を補正することによって、電流振幅急変の抑制効果に加えて、すべり角周波数に起因する交流回転機1の速度低下を補正できる効果も得られる。
次に、周波数補正手段8において重要である、第1の周波数補正量Δω1と第2の周波数補正量Δω2との何れかを選択する部分(周波数補正量選択部)について説明する。周波数補正量選択部は、スイッチ20cによって構成される。スイッチ20cは、後述のアルゴリズムで判定電流Ixと電流制限値Ilimitとの大小関係、および周波数指令ω*と一次周波数補正値ω1との大小関係とに基づいて、第1の周波数補正量Δω1と第2の周波数補正量Δω2との何れかを選択する。そして、周波数補正部である加減算器12dにおいて、スイッチ20cで選択された何れかの周波数補正量に基づいて、周波数指令ω*を補正し、一次周波数補正値ω1を得る。
第1の周波数補正量Δω1は、電力変換回路を過電流から保護するために、判定電流Ixを電流制限値Ilimit以下に抑制するための補正量であり、第2の周波数補正量Δω2は、回転速度の急変によって生じる電流振幅の急変を抑制しながら安定した駆動性能を得るための補正量である。このことから、過電流になり易い交流回転機1を起動する場合や判定電流Ixが電流制限値Ilimitを上回る程度の負荷急変時等の過渡状態においては、判定電流Ixを電流制限値Ilimit以下に抑制することを優先し、第1の周波数補正量Δω1に基づいて周波数指令ω*を補正することが望ましい。また、定常運転時に判定電流Ixが電流制限値Ilimitの範囲内に収まる程度の電流急変の場合は、電流を所定の値に固定させる必要は無く、微小励磁電流指令ΔI0を用いた方法によって、定常運転時に高効率となる励磁電流となるように調整した上で、第2の周波数補正量Δω2に基づいて周波数指令ω*を補正して電流急変を抑制することが望ましい。
このことを踏まえ、スイッチ20cにおいて、通常時は第2の周波数補正量Δω2を選択するようにし、判定電流Ixが電流制限値Ilimitを超えた場合に第1の周波数補正量Δω1を選択し、判定電流Ixが電流制限値Ilimit以下になり、かつ、第1の周波数補正量Δω1による補正動作が完了して第1の周波数補正量Δω1が零に収束、すなわち、一次周波数補正値ω1が周波数指令ω*とほぼ一致した時(あるいは一次周波数補正値ω1が周波数指令ω*を超えた時)に、再度第2の周波数補正量Δω2を選択するような切り換えを行う。
また、電圧指令演算手段6のスイッチ20a、20bに外部から与えられるフラグflagXをスイッチ20cの動作と関連性を持たせても良い。スイッチ20cが第2の周波数補正量Δω2を選択した場合は、リミッタA17の出力である微小励磁電流指令ΔI0と制限機能付積分器14の出力である励磁電流指令I0の値とをそのまま出力するようにフラグflagXを設定し、スイッチ20cが第1の周波数補正量Δω1を選択した場合は、微小励磁電流指令ΔI0と励磁電流指令I0の値とを一定値に固定させるようにフラグflagXを設定することで、周波数補正動作をより安定化させることが可能となる。
周波数指令ω*に対する第1の周波数補正量Δω1による補正動作と第2の周波数補正量Δω2による補正動作とを単純に組み合わせて、常に両者の補正動作が行われるようにすることも考えられる。しかしながら、この場合、2つの補正動作が共に周波数指令ω*に対する周波数補正であるため、判定電流Ixが電流制限値Ilimitの範囲内に収まる程度の電流急変状態で第2の周波数補正量Δω2による補正が行われている際に、さらに大きな負荷変動が生じ、判定電流Ixが電流制限値Ilimitを超えた場合、両者の周波数補正動作が干渉し、特に、両者の周波数補正動作が周波数補正量を打ち消す方向で作用した場合、本来各々を実施することによって得られるはずの効果の低下や、効果そのものが得られない可能性がある。このような効果低下現象を回避するために、スイッチ20cを設けて、第1の周波数補正量Δω1による補正動作と第2の周波数補正量Δω2による補正動作とのうち何れかの周波数補正動作の片方のみが動作するように構成される。
図4は、周波数補正手段のスイッチの動作を示すフローチャートである。図4のフローチャートに基づいて、スイッチ20cにおける第1の周波数補正量Δω1と第2の周波数補正量Δω2の選択(切換)動作を行う。なお、本フローチャートのアルゴリズムをマイコンに実装した場合は、マイコンの1演算周期Ts毎に本フローチャートの一連の動作(演算)を実施し、交流回転機1の制御装置による交流回転機1の駆動制御が終了した時点で本フローチャートの一連の動作も停止する。
まず、STEP101は、交流回転機1の制御装置によって交流回転機1を起動させたタイミングを示したものである。
STEP102で、スイッチ20cは通常時の第2の周波数補正量Δω2を選択する。
STEP103で、加減算器12bで得られた偏差Ie(=Ix−Ilimit)と0との大小関係を比較し、判定電流Ixが電流制限値Ilimitを超えた場合、すなわち、Ie>0(Ix−Ilimit>0)の場合、真(YES)と判定し、STEP104に移る。偽(NO)ならば、第2の周波数補正量Δω2を選択する(Δω2へ切り換える)STEP102へ戻る。
STEP104で、スイッチ20cは第2の周波数補正量Δω2から第1の周波数補量Δω1に切り換え、STEP105へ移る。
STEP105で、一次周波数補正値ω1の絶対値|ω1|と周波数指令ω*の絶対値|ω*|との差である(|ω1|−|ω*|)と0との大小関係を比較し、|ω1|が|ω*|と等しい、あるいは|ω1|が|ω*|を超えた場合、すなわち、(|ω1|−|ω*|)≧0の場合、周波数補正量Δω1による補正動作が完了したと判断し、真と判定し、第2の周波数補正量Δω2を選択する(Δω2へ切り換える)STEP102へ戻る。偽ならば、第1の周波数補正量Δω1を選択するSTEP104へ戻る。
ここで、一次周波数補正値ω1の絶対値|ω1|は絶対値演算器(ABS)11cにて求め、周波数指令ω*の絶対値|ω*|は絶対値演算器(ABS)11dにて求め、|ω1|と|ω*|との差は加減算器12eにて求める。また、一次周波数補正値ω1は、スイッチ20cで選択した何れかの周波数補正量が出力された結果に基づいて求まる値であるため、図3において、一次周波数補正値ω1の絶対値|ω1|は、前述したマイコン実装を考慮し、一次周波数補正値ω1の絶対値を遅延器15dによってマイコンの1演算周期Ts分遅延させた値を用いる構成とした。なお、この1演算周期Ts分遅延させるタイミングと一次周波数補正値ω1の絶対値を演算するタイミングは入れ替わっても良い。
このようにして、スイッチ20cは、第1の周波数補正量Δω1と第2の周波数補正量Δω2の選択(切換)動作を行い、周波数補正手段8は、スイッチ20cによって選択された周波数補正値に基づいて周波数指令ω*を補正し、一次周波数補正値ω1を得る。
以上のように、電力変換回路を過電流から保護するために実施する第1の周波数補正量Δω1に基づく一次周波数補正動作と、高効率かつ安定した駆動性能を得るために実施する第2の周波数補正量Δω2に基づく一次周波数補正動作との両者の周波数補正動作が干渉することなく、一次周波数(周波数指令ω*)の補正が行えることから、交流回転機の定常運転・急加減速運転に関係なく安定した電流制限動作が得られ、電力変換回路を過電流から保護できとともに、交流回転機の定常運転時には高効率かつ安定した駆動性能が得ることができる。
1 交流回転機、2 電力変換手段、3a、3b 電流検出手段、4 位相演算手段、5 電流演算手段、6 電圧指令演算手段、7 電圧指令変換手段、8 周波数補正手段、10 制御装置、11a〜11d 絶対値演算器(ABS)、12a〜12e 加減算器、13a〜13e 乗算器、14 制限機能付積分器、15a〜15d 遅延器、16 逆数演算器、17 リミッタA、18 ローパスフィルタ、19 リミッタB、20a〜20c スイッチ、21 判定電流演算手段、22 符号関数演算器、23 積分器、24 第2の周波数補正量演算手段、25 補正量リミッタ。

Claims (1)

  1. 三相電圧指令に基づいて交流回転機へ三相交流電圧を出力する電力変換手段と、
    前記交流回転機に流れる三相電流を検出する電流検出手段と、
    前記電流検出手段が検出する三相電流を回転二軸座標上の電流へ変換する電流演算手段と、
    周波数指令を周波数補正量に基づいて補正し、一次周波数補正値を得る周波数補正手段と、
    前記一次周波数補正値に基づいて前記回転二軸座標上に設定した制御座標軸の位相を演算する位相演算手段と、
    前記回転二軸座標上の電流の各軸成分の絶対値の電流偏差に基づいて微小励磁電流指令と励磁電流指令とを求め、前記微小励磁電流指令と前記励磁電流指令と前記一次周波数補正値とに基づいて前記回転二軸座標上の電圧指令を演算する電圧指令演算手段と、
    前記回転二軸座標上の電圧指令と前記制御座標軸の位相とに基づいて前記三相電圧指令を算出する電圧指令変換手段とを備え、
    前記電流演算手段は、前記制御座標軸の位相に基づいて前記三相電流を前記回転二軸座標上の電流へ変換し、
    前記周波数補正手段は、前記回転二軸座標上の電流あるいは前記回転二軸座標上の電流の絶対値の何れかを判定電流とし、前記判定電流と予め設定された電流制限値との偏差を積分することによって第1の周波数補正量を演算する第1演算部と、
    前記回転二軸座標上の電流と前記周波数指令とに基づいて第2の周波数補正量を演算する第2演算部と、
    前記判定電流と前記電流制限値との大小関係、および前記周波数指令と前記一次周波数補正値との大小関係とに基づいて、前記第1の周波数補正量あるいは前記第2の周波数補正量の何れかを前記周波数補正量として選択する周波数補正量選択部とを有し、
    前記周波数補正量選択部の選択において、前記第1の周波数補正量を選択した場合に、前記微小励磁電流指令と前記励磁電流指令とを一定値に固定する
    ことを特徴とする交流回転機の制御装置。
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