JP2005012856A - 誘導電動機の速度センサレスベクトル制御装置 - Google Patents

誘導電動機の速度センサレスベクトル制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】零速度からの運転開始時の不安定現象を改善できる速度センサレスベクトル制御装置を提供する。
【解決手段】電動機速度推定値を推定演算する速度適応2次磁束オブザーバ4と、誘導電動機1の滑り周波数指令値を演算する滑り算出器5と、滑り角周波数指令値に電動機速度推定値を加算し1次周波数を出力する加算器17と、電動機速度推定値に応じた磁束指令値を出力する関数発生器21と、関数発生器からの磁束指令値の大きさを起動直後の運転開始からの時間に応じて修正する磁束指令修正器22と、1次電圧指令値を出力する電流制御器3と、誘導電動機に電圧を出力するPWM制御インバータ2とを備えたものである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、誘導電動機の速度センサレスベクトル制御装置に係り、零速度からの運転を円滑に開始できるよう工夫したものである。
【0002】
【従来の技術】
誘導電動機の高性能な速度制御方式として、滑り周波数制御形のベクトル制御方法が普及し、これを速度センサなしで制御する速度センサレスベクトル制御方法が知られている。同一次元磁束オブザーバ(以下、単に磁束オブザーバと記載)と速度適応機構とからなる速度適応2次磁束オブザーバによって誘導電動機の実速度の推定を行なう速度センサレスベクトル制御方式については、「電気学会論文誌D,111巻11号,平成3年」(久保田、尾崎、松瀬、中野:「適応2次磁束オブザーバを用いた誘導電動機の速度センサレス直接形ベクトル制御」)に掲載されている。
まず、誘導電動機の電動機速度の推定について簡単に説明をする。
1次周波数ωで回転する回転座標系(d−q軸)で表わした誘導電動機の電圧方程式は、次式(1)で与えられる。
【0003】
【数1】
Figure 2005012856
【0004】
また、1次周波数ω、電動機速度ωr、滑り角周波数指令値ωsの関係、及び滑り角周波数指令値ωs*の算出は次式(2)で表わされる。
【数2】
Figure 2005012856
【0005】
いま、
1d =一定 ……………………………………………(3)
として、上記(1)式において、(2),(3)式の条件のもとに回転座標系(d−q軸)で表した1次電圧指令値(v1d ,v )は、下記(4)式となる。
【数3】
Figure 2005012856
【0006】
上記(4)式を満足するように制御すると、回転座標系(d−q軸)上の1次電流検出値i は1次電流指令値i (i1d ,i1q )通りの電流が流れ、2次磁束Φ(Φ2d,Φ2q)は、
Figure 2005012856
に保たれる。
これにより、誘導電動機の発生トルクτは、
Figure 2005012856
となり、回転座標系(d−q軸)上で2次磁束Φ (Φ2d,Φ2q)と2次電流i (i2d,i2q)に無関係な非干渉化されたベクトル制御が成立する。
【0007】
速度センサを用いない場合は速度適応2次磁束オブザーバを用い、上記(5)式を満足するような2次磁束Φ(Φ2d,Φ2q)を推定し、誘導電動機の1次電流(相電流)iu ,iv ,iw を検出し、変換した静止座標系(a−b軸)上の1次電流検出値i(i1a,i1b)とする。この1次電流検出値i と、静止座標系(a−b軸)上の1次電圧指令値v (v1a ,v1b )と、速度推定値ωr^(この場合の^マークは推定値を表す記号である)とを入力として、速度適応2次磁束オブザーバの構成要素である磁束オブザーバにより、2次磁束推定値Φ^(Φ2a^ ,Φ2b^ )と1次電流推定値i^(i1a^,i1b^)とを推定し、速度適応2次磁束オブザーバのもう1つの構成要素である速度適応機構で1次電流推定値i^(i1a^,i1b^)と1次電流検出値i (i1a,i1b)とを比較した推定誤差信号(i−i^)に基づき、次式(7)で表わされる適応調整則により電動機速度を演算推定する。
【0008】
Figure 2005012856
但し、
Figure 2005012856
:速度推定部比例ゲイン、 K :速度推定部積分ゲイン
【0009】
次に、上記速度適応2次磁束オブザーバを使用した従来の速度センサレスベクトル制御方式を、特許文献1により、図4を参照して説明する。
電流制御を行うディジタル電流制御器103において、1次電流指令値i と1次電流検出値iが比較され、i1q =i1q及びi1d =i1dとなるようにPWM制御インバータ102を制御する1次電圧指令値v (v1d ,v1q )が上記(4)式により演算される。
ディジタル電流制御器103の出力である、1次電圧指令値v (v1d ,v1q )は、座標変換器109により静止座標系(a−b軸)上の1次電圧指令値v (v1a ,v1b )に変換された後、2相−3相変換器115により変換されて、PWM制御インバータ102の、三相各相の1次電圧制御指令電圧vu ,vv ,vw に変換され、PWM制御インバータ102の出力電圧を制御する。その結果、誘導電動機101は所望のトルク軸電流指令値i1q に応じてトルク制御される。
【0010】
また、1次周波数ωで回転する回転座標系(d−q軸)と、誘導電動機101の固定子に固定された静止座標系(a−b軸)との間の変換を行なう座標変換器108,109に使用される単位ベクトル(sin θ ,cosθ )を作り出すための基本位相角θ(θ =ω・t)は、上記(2)式を基に、滑り算出器105で1次励磁軸電流指令値i1d 、1次トルク軸電流指令値i1q 、及び誘導電動機101の2次回路時定数T(=L/R )より求められる滑り角周波数指令値ω と、後述する減算器124出力である修正電動機速度推定値ωr^ ’を加算器117に送出して、加算器117出力として得た1次周波数ωを、基本位相角算出用積分器111で積分することによって求める。
誘導電動機101の実際の電動機速度ωrは、上述したように、上記(7)式により演算する速度適応機構107と、磁束オブザーバ104からなる速度適応2次磁束オブザーバを使用して推定する。
そして、実際の電動機速度ωrを推定する過程における、電動機速度推定値ωr^の「遅れ」によって生じる1次周波数ωのずれを修正するために、磁束オブザーバ104により推定した静止座標系(a−b軸)上の2次磁束推定値Φ^ (Φ2a^,Φ2b^)を座標変換器110で回転座標系(d−q軸)上の2次磁束Φ^ (Φ2d^,Φ2q^)に座標変換する。このうち、2次励磁軸磁束推定値Φ2d^が減算器123に入力される。
【0011】
一方、関数発生器121は、図5に示すように、電動機速度推定値ωr^に応じて、予め定めた振幅値の2次励磁軸磁束基準値Φ0d(回転座標上の値)を出力する。2次励磁軸磁束基準値Φ0dは、誘導電動機101の回転速度が0からN1 の間では一定であるが、N1 を越えると回転速度が増すにつれて漸減していく。
減算器123では、座標変換器110から送られてくる2次励磁軸磁束推定値Φ2d^と、関数発生器121から送られてくる2次励磁軸磁束基準値Φ0dとの差分演算をして2次磁束偏差値ΔΦを求める。この2次磁束偏差値ΔΦは、2次励磁軸磁束推定値Φ2d^と実際の2次励磁軸磁束値との差に対応している。一般的には2次励磁軸磁束推定値Φ2d^の方が実際の2次励磁軸磁束値よりも大きい傾向にある。
乗算器122は2次磁束偏差値ΔΦに比例係数Kp (1以下の数)を乗算し、乗算値Kp ・ΔΦを出力する。比例係数Kp を乗算することにより、乗算値Kp ・ΔΦは、2次磁束偏差値ΔΦに対応した電動機速度を示す値となる。
減算器124では、速度適応機構107で推定演算した電動機速度推定値ωr^から、乗算値Kp ・ΔΦを減算して修正電動機速度推定値ωr^ ’を出力する。この修正電動機速度推定値ωr^ ’は、2次励磁軸磁束推定値Φ2d^と実際の2次励磁軸磁束との偏差に起因する速度誤差を補正した値となっている。このように速度誤差を補正した修正電動機速度推定値ωr^’を、磁束オブザーバ104及び加算器117へ入力するようにしている。このため磁束オブザーバ104で推定演算した2次磁束推定値Φ^が、実際のモータ2次磁束と等しくなり、低速運転領域でも推定演算した修正電動機速度推定値ωr^’と実際の電動機速度とがほぼ等しくなり、精度のよい速度制御ができる。
なお減算器124は誘導電動機101を始動した時点から、モータ2次磁束が確立する遅延時間が経過した以降から、上述した減算演算を開始する。これは、モータ始動時における推定速度の修正演算は、モータ2次磁束が確立するまでの状態の把握が困難なため、正しい修正演算が得られない場合があることを考慮したからである。
また、特許文献2には、始動からの時間関数で始動補償用の一次角周波数ωを与えることによって、正の滑り角周波数を得る方式が提案されている。
【0012】
【特許文献1】
特開08−84499号公報(段落番号[0005]〜[0047]及び、図1、図2)
【特許文献2】
特開09−149667号公報(段落番号[0026]〜[0039])
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、1次電圧指令値と実際のモータ電圧値との間には誤差があり、特に出力電圧の低い低速度領域ほど誤差の割合が大きくなる。この電圧誤差に起因して2次磁束推定値にも誤差が生じる。この結果、電動機速度推定値に誤差が生じて速度制御が不安定になりやすく、2次磁束が確立するまでの間、その影響が顕著になる。
特許文献1では、2次磁束が確立するまでの状態の把握が困難なため、誘導電動機を始動した時点から、モータ2次磁束が確立する遅延時間が経過した以降から、推定速度の修正演算を行うようにしている。このため、始動開始直後には推定速度の修正が行えないため、円滑な起動の対策にはならないという問題があった。
また、特許文献2では、起動時に補償用の1次角周波数を任意の時間関数により与えて起動を補償しているが、始動時に発生する誘導電動機トルクは指令方向と同じという前提としているので、負荷に引っ張られて起動する場合がある機械には適用できないという問題があった。
【0014】
そこで、本発明は、上記従来技術に鑑み、運転開始後の所定時間だけ磁束指令を修正することにより零速度からの運転を円滑に開始できる誘導電動機の速度センサレスベクトル制御装置を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するため、請求項1に記載の発明は、1次電流指令値と1次電流検出値と1次周波数指令値を入力し、1次電圧指令値を出力する電流制御器と、前記電流制御器の出力である1次電圧指令値を基に誘導電動機に電圧を出力するPWM制御インバータと、1次電流検出値と1次電圧指令値を入力し、電動機速度推定値を推定演算して出力する速度適応2次磁束オブザーバと1次電流指令値の励磁軸成分とトルク軸成分を基に該電動機の滑り周波数指令値を演算し出力する滑り算出器と、前記滑り算出器の出力である滑り角周波数指令値に前記電動機速度推定値を加算して前記電流制御器の制御入力である1次周波数を出力する加算器と、前記誘導電動機への磁束指令値を各回転速度毎に設定され、電動機速度推定値に応じて前記磁束指令値を出力する関数発生器とを具備する誘導電動機の速度センサレスベクトル制御装置において、前記関数発生器から出力される磁束指令値の大きさを起動直後の運転開始からの時間に応じて修正する磁束指令修正器を備えたことを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、1次電流指令値と1次電流検出値と1次周波数指令値を入力し、1次電圧指令値を出力する電流制御器と、前記電流制御器の出力である1次電圧指令値を基に誘導電動機に電圧を出力するPWM制御インバータと、1次電流検出値と1次電圧指令値を入力し、電動機磁束位相を推定演算して出力する速度適応2次磁束オブザーバと、1次電流指令値の励磁軸成分とトルク軸成分を基に該電動機の滑り周波数指令値を演算し出力する滑り算出器と、電動機磁束位相の微分情報から前記滑り算出器の出力である滑り角周波数指令値を減算して電動機速度推定値を出力する減算器と、前記誘導電動機への磁束指令値を各回転速度毎に設定され、電動機速度推定値に応じて前記磁束指令値を出力する関数発生器とを具備する誘導電動機の速度センサレスベクトル制御装置において、前記関数発生器から出力される磁束指令値の大きさを起動直後の運転開始からの時間に応じて修正する磁束指令修正器を備えたことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、前記磁束指令修正器は、少なくとも、起動直後の運転開始から電動機の2次回路定数を基に設定される所定時間が経過するまでは入力する磁束指令値を電動機の定格磁束の80%程度を目安に小さくして出力し、前記所定時間経過後は前記磁束指令値に一致するように修正することを特徴としている。
【0016】
この誘導電動機の速度センサレスベクトル制御装置によれば、運転開始からの所定時間だけ、磁束指令値を小さくすることができるので、下記の理由により零速度からの起動不安定現象を改善でき、円滑な起動が実現できるようになる。
1、起動直後の電動機の滑り周波数が大きくなるので、速度あるいは位相の推定誤差の割合を小さくすることができる。
2、起動直後の電動機磁束が小さくなるので、異常トルクの発生を小さくすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態について図面に基づき詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態に係る誘導電動機の速度センサレスベクトル制御装置のブロック図である。
図1において、本実施の形態では、図4に示した従来図の磁束オブザーバ104と、速度適応機構107とを、速度適応2次磁束オブザーバ4としてまとめ、速度適応2次磁束オブザーバ4の出力である電動機速度推定値ωr^を、関数発生器21へ入力して関数発生器21から出力される磁束指令値を、新たに設けた磁束指令修正器22へ入力して、始動開始後の経過時間に応じて磁束指令値の大きさを修正出力した後、(1/M)倍の係数器6を介して励磁軸電流指令値i1d をディジタル電流制御器3へ入力するように構成している。
なお、その他の図4に示した従来図と同一構成には同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0018】
つぎに動作について説明する。
ディジタル電流制御器3は、係数器6出力である励磁軸電流指令値i1d と、トルク軸電流指令値i1q からなる1次電流指令値i とA/D変換器13で検出され、3相−2相変換器14,座標変換器8で回転座標系(d−q軸)に変換された1次電流検出値i(i1d,i1q)が一致するように、電流制御する。
ディジタル電流制御器3出力1次電圧指令値v (v1d ,v1q )は、座標変換器9、2相−3相変換器15により1次電圧制御指令電圧Vu ,Vv ,Vwに変換され、PWM制御インバータ2の出力電圧を制御する。
また、座標変換器8,9で使用される単位ベクトル(sin θ ,cosθ )用の位相角θは、滑り算出器5で作成する滑り角周波数指令値ωsと、速度適応2次磁束オブザーバ4出力である電動機速度推定値ωr^を加算器17で加算した1次周波数ωを積分器11で積分することによって求める。
【0019】
誘導電動機1の電動機速度ωrは、静止座標系(a−b軸)上の1次電流指令値i と1次電圧指令値v とから上記(7)式により速度適応2次磁束オブザーバ4で推定演算する。
一方、関数発生器21は図5に示す出力特性を有し、電動機速度推定値ωr^に応じて、予め定められた振幅値の磁束指令値Φ を出力する。磁束指令値Φ は、誘導電動機1の回転速度が0からN1 の間では一定であるが、N1 を越えると回転速度が増すにつれて漸減していく。なお、負荷耐量を上げるために0付近で磁束指令値Φ 大きくする場合もある。
【0020】
磁束指令修正器22は、例えば図3のような特性をもつ関数で構成され、この出力は係数器6で(1/M)倍(M:相互(励磁)インダクタンス)され、励磁軸電流指令値i1d が得られる。
図3に示す関数は、始動開始タイミングを時間t=0として、所定時間t1経過までは出力値Φ ’をΦ とし、その後時間経過とともに入力値である磁束指令値Φ に一致させ増加するように作成されている。必要な起動トルクの大きさを勘案することは言うまでもないが、所定時間t1は誘導電動機1の2次回路時定数T(=L /R)を基に、Φ は磁束指令値Φ の電動機の定格磁束の80%程度を目安とする。また、速度指令値が大きい場合や加速時間が短い場合など、起動後短時間で電動機速度が上昇し電圧指令値が大きくなる場合は、磁束指令値Φ を下げないようにした構成としてもよい。
【0021】
このように構成しているため本実施の形態によれば、起動直後の電動機磁束を小さく制御することで電動機の滑り周波数を大きくし、速度あるいは位相の推定誤差の割合を小さくすることができ、また、起動直後の電動機磁束が確立するまでに発生する電動機トルクを抑えめとすることができるので零速度からの起動不安定現象を改善した速度制御ができる。
【0022】
次に、本発明の第2の実施の形態について図を参照して説明する。
図2は本発明の第2の実施の形態に係る誘導電動機の速度センサレスベクトル制御装置のブロック図である。
図2において、前実施の形態と異なる点は、速度適応2次磁束オブザーバ4の演算処理を1部変更し速度適応2次磁束オブザーバ4’としたことで、積分器11と加算器17を除去し、替わりに微分器12、減算器18を追加している。
その他の図1と同一構成には同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0023】
つぎに動作について説明する。
速度適応2次磁束オブザーバ4’は、速度適応2次磁束オブザーバ4’で演算される2次磁束推定値Φ^ (Φ2a^,Φ2b^)を用いて、位相角θ^をtan−1(Φ2a^/Φ2b^)で演算出力し、座標変換器8,9,微分器12に入力する。微分器12は、速度適応2次磁束オブザーバ4’出力である位相角θ^を微分し1次周波数ωを出力し、減算器18に入力する。減算器18は、微分器12出力の1次周波数ωから滑り算出器5出力である滑り角周波数指令値ωsを減算し、電動機速度推定値ωr^を出力する。演算出力された1次周波数ωと電動機速度推定値ωr^は、それぞれディジタル電流制御器3と関数発生器21に送出される。
【0024】
以降の関数発生器21、磁束指令修正器22、係数器6以降の処理は前実施の形態と同様であって、磁束指令修正器22は図3のような特性に従って、始動開始タイミング時間t=0として、所定時間t1経過までは関数発生器21からの磁束指令値を修正し下げてΦd0とし、その後時間経過とともに関数発生器21からの入力の磁束指令値に一致するように増加させている。この場合の所定時間t1は、例えば、誘導電動機1の2次回路時定数T(=L/R)を基に、Φd0は磁束指令値Φ の定格磁束の80%程度を目安とするものである。
【0025】
このように第2の実施の形態による速度センサレスベクトル制御方法でも、速度適応2次磁束オブザーバの使用方法が変わるだけで、基本的考え方は全く変わらないので第1の実施の形態と同様な効果が得られる。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、速度センサレスベクトル制御の誘導電動機の起動時に、運転開始直後に所定時間t1だけ、磁束指令を小さくするように構成したので、零速度からの運転開始時の不安定現象を改善でき円滑な起動が実現できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る誘導電動機の速度センサレスベクトル制御装置のブロック図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る誘導電動機の速度センサレスベクトル制御装置のブロック図である。
【図3】図1に示す磁束指令修正器の出力特性を示す特性図である。
【図4】従来の誘導電動機の速度センサレスベクトル制御装置のブロック図である。
【図5】図1、図2および図4に示す関数発生器の出力特性を示す特性図である。
【符号の説明】
1 誘導電動機
2 PWM制御インバータ
3 ディジタル電流制御器
4、4’ 速度適応2次磁束オブザーバ
5 滑り算出器
6 係数器
8、9 座標変換器
11 積分器
12 微分器
13 A/D変換器
14 3相−2相変換器
15 2相−3相変換器
17 加算器
18 減算器
21 関数発生器
22 磁束指令修正器

Claims (3)

  1. 1次電流指令値と1次電流検出値と1次周波数指令値を入力し、1次電圧指令値を出力する電流制御器と、前記電流制御器の出力である1次電圧指令値を基に誘導電動機に電圧を出力するPWM制御インバータと、1次電流検出値と1次電圧指令値を入力し、電動機速度推定値を推定演算して出力する速度適応2次磁束オブザーバと1次電流指令値の励磁軸成分とトルク軸成分を基に該電動機の滑り周波数指令値を演算し出力する滑り算出器と、前記滑り算出器の出力である滑り角周波数指令値に前記電動機速度推定値を加算して前記電流制御器の制御入力である1次周波数を出力する加算器と、前記誘導電動機への磁束指令値を各回転速度毎に設定され、電動機速度推定値に応じて前記磁束指令値を出力する関数発生器とを具備する誘導電動機の速度センサレスベクトル制御装置において、 前記関数発生器から出力される磁束指令値の大きさを起動直後の運転開始からの時間に応じて修正する磁束指令修正器を備えたことを特徴とする誘導電動機の速度センサレスベクトル制御装置。
  2. 1次電流指令値と1次電流検出値と1次周波数指令値を入力し、1次電圧指令値を出力する電流制御器と、前記電流制御器の出力である1次電圧指令値を基に誘導電動機に電圧を出力するPWM制御インバータと、1次電流検出値と1次電圧指令値を入力し、電動機磁束位相を推定演算して出力する速度適応2次磁束オブザーバと、1次電流指令値の励磁軸成分とトルク軸成分を基に該電動機の滑り周波数指令値を演算し出力する滑り算出器と、電動機磁束位相の微分情報から前記滑り算出器の出力である滑り角周波数指令値を減算して電動機速度推定値を出力する減算器と、前記誘導電動機への磁束指令値を各回転速度毎に設定され、電動機速度推定値に応じて前記磁束指令値を出力する関数発生器とを具備する誘導電動機の速度センサレスベクトル制御装置において、
    前記関数発生器から出力される磁束指令値の大きさを起動直後の運転開始からの時間に応じて修正する磁束指令修正器を備えたことを特徴とする誘導電動機の速度センサレスベクトル制御装置。
  3. 前記磁束指令修正器は、少なくとも、起動直後の運転開始から電動機の2次回路定数を基に設定される所定時間が経過するまでは入力する磁束指令値を電動機の定格磁束の80%程度を目安に小さくして出力し、前記所定時間経過後は前記磁束指令値に一致するように修正出力することを特徴とする請求項1又は2記載の誘導電動機の速度センサレスベクトル制御装置。
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