JPH0870599A - 誘導電動機の速度センサレスベクトル制御装置 - Google Patents

誘導電動機の速度センサレスベクトル制御装置

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JPH0870599A
JPH0870599A JP6204766A JP20476694A JPH0870599A JP H0870599 A JPH0870599 A JP H0870599A JP 6204766 A JP6204766 A JP 6204766A JP 20476694 A JP20476694 A JP 20476694A JP H0870599 A JPH0870599 A JP H0870599A
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induction motor
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JP6204766A
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English (en)
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Katashige Yamada
堅滋 山田
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 速度指令値が過大になっても誘導電動機が過
回転にならないように速度を制限する。 【構成】 同一次元磁束オブザーバ4と速度適応機構7
からなる速度適応2次磁束オブザーバにより誘導電動機
1の実速度値を推定し、電動機速度推定値ωr #と電動
機速度指令値ωr * との比較誤差信号によって電流制御
部を制御してベクトル制御を行なう誘導電動機の速度セ
ンサレスベクトル制御装置であって、速度推定値ωr #
が最大速度ωr max よりも大きくなったら、過回転防止
装置21により1次トルク軸電流指令値i1b * を零にし
て加速方向のトルクを生じさせず、誘導電動機1を過回
転させない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、誘導電動機のベクトル
制御装置に係り、特に、速度センサを使用しない誘導電
動機のベクトル制御装置に関するものであり、電動機の
過回転を防止するよう工夫したものである。
【0002】
【従来の技術】誘導電動機の高性能な速度制御方式とし
て、すべり周波数制御形のベクトル制御方法が普及し、
これを速度センサ無しで制御する速度センサレスベクト
ル制御方法が知られている。
【0003】図3は、速度適応2次磁束オブザーバを使
用して誘導電動機の実速度を推定する、従来の誘導電動
機の速度センサレスベクトル制御装置の制御システムを
示すものである。
【0004】まず、図3を用いて、誘導電動機1の電動
機速度(回転角周波数ωr )の推定について説明をす
る。
【0005】誘導電動機1の電圧方程式は、電源角周波
数(ω0 )で回転する同期回転座標系からの諸量を観測
するa−b軸で表わすと、次式(1)で与えられる。
【0006】
【数1】
【0007】但し、 v1a,v1b…同期回転座標(a−b軸)上の1次励磁軸
電圧,1次トルク軸電圧(V) i1a,i1b…同期回転座標(a−b軸)上の1次励磁軸
電流,1次トルク軸電流(A) λ2a,λ2b…同期回転座標(a−b軸)上の2次励磁軸
磁束,2次トルク軸磁束(Wb) ω0 …………電源角周波数(rad/sec) ωr …………電動機速度(回転角周波数,rad/sec) ωs …………すべり角周波数(rad/sec) R1 ,R2 …1次,2次抵抗(Ω) L1 ,L2 …1次,2次インダクタンス(H) M …………相互(励磁)インダクタンス(H) Lσ…………等価漏れインダクタンス(H)(Lσ=
(L1 2 −M2 )/L2 ) s …………時間微分子(d/dt) そして、電源角周波数(ω0 )、電動機速度(ωr )、
すべり角周波数指令値(ωs * )の関係、及びすべり角
周波数指令値(ωs * )の算出は次式(2)で表わされ
る。 ω0 =ωr +ωS * ωs * =i1b * /i1a * ・τ2 ……(2) 但し、 τ2 …………2次時定数(τ2 =L2 /R2 ) 添字(*)…指令値あるいは設定値を表わす。いま、 i1a * = 一定 ……………………………………………(3) とし、上記(1)式において、(2),(3)式の条件
のもとに同期回転座標系(a−b軸)の1次電圧指令値
(v1a * ,v2b * )をデジタル電流制御器3の構成式で
ある下記(4)式で与えると次のようになる。
【0008】
【数2】
【0009】上記(4)式を満足するように制御をする
と、同期回転座標(a−b軸)上の1次電流検出値i1
は1次電流指令値i1 * (i1a * ,i1b * )どおりの電
流が流れ、同期回転座標(a−b軸)上の2次磁束λ2
(λ2a,λ2b)は、 λ2a=Mi1a(一定), λ2b=0 …………………………(5) に保たれる。
【0010】これにより、誘導電動機1のトルク(T)
は、 T=M/L2 ・(λ2a・i1b−λ2b・i1a)=M2 /L2 ・(i1a・i1b) …………………………(6) となり、同期回転座標(a−b軸)上の2次磁束λ
2 (λ2a,λ2b)と2次電流i2 (i2a,i2b)には無
関係な非干渉化制御のベクトル制御が成立する。
【0011】ところで、上記(2)式から明らかなよう
に、速度センサを用いない場合は、すべり角周波数指令
値ωs * が設定されていても電動機速度ωr が未知であ
るから、電源角周波数ω0 を決定することができない
が、該電源角周波数ω0 で回転する同期回転座標(a−
b軸)上の2次磁束λ2 (λ2a,λ2b)が上記(5)式
を満足するように、該電源角周波数ω0 を制御すること
により、同様に、非干渉化制御のベクトル制御を実現す
ることができる。すなわち、同一次元磁束オブザーバ4
と速度適応機構7からなる速度適応2次磁束オブザーバ
を用いて、上記(5)式を満足するような同期回転座標
(a−b軸)上の2次磁束λ2 (λ2a,λ 2b)を推定
し、その2次磁束推定値λ2 # (λ2a # ,λ2b # )に基
づき電動機速度ωr を推定(ωr # )することにより、
上記(2)式(ω0 =ωr # +ωs *)から電源角周波
数ω0 を求め、該電源角周波数ω0 によりデジタル電流
制御器3を制御することによって非干渉化制御のベクト
ル制御を実現することができる。
【0012】図3に示すベクトル制御システムにおける
従来の誘導電動機の速度センサレスベクトル制御方法に
おいては、誘導電動機1の実速度を速度センサを用いな
いで検出するために、誘導電動機1の1次電流(相電
流)iu,iv,iwを検出し3相−2相相数変換器1
4にて相数変換した固定子座標(d−q軸)上の1次電
流検出値i1 (i1d,i1q)とする。そしてこの1次電
流検出値i1 と、固定子座標(d−q軸)上の電動機1
次電圧指令値v1 * (v1d * ,v1q * )と、速度推定値
ωr # とを入力とする同一次元磁束オブザーバ4によ
り、固定子座標(d−q軸)上の2次磁束推定値λ2 #
(λ2d # ,λ2q # )と1次電流推定値i1 #(i1d #
1q # )とを推定し、速度適応機構7にて該1次電流推
定値i1 # (i1d # ,i1q # )と1次電流検出値i
1 (i1d,i1q)とを比較した推定誤差信号(i1 −i
1 # )に基づき次式(7)で表わされる適応調整則によ
り電動機速度推定値(ωr # )を演算推定して誘導電動
機1の速度検出としている。
【0013】 ωr # =Kp (eidλ2q # −eiqλ2d # ) +Ki ∫(eidλ2q # −eiqλ2d # )dt ………(7) 但し、 eid=i1d−i1d # :推定誤差 eiq=i1q−i1q # :推定誤差 Kp :速度推定部比例ゲイン Ki :速度推定部積分ゲイン なお、同一次元2次磁束オブザーバ4と速度適応機構7
とからなる速度適応2次磁束オブザーバによって誘導電
動機の実速度の推定を行なう誘導電動機1の速度センサ
レスベクトル制御方式については、「電気学会論文誌
D,111巻11号,平成3年」(久保田、尾崎、松
瀬、中野:「適応2次磁束オブザーバを用いた誘導電動
機の速度センサレス直接形ベクトル制御」)に掲載され
ている。
【0014】以下、上記速度適応2次磁束オブザーバを
使用して誘導電動機の実速度を推定する従来の速度セン
サレスベクトル制御方式について説明する。
【0015】図3(制御システム構成)における動作を
説明すると、いま、電動機速度指令値(ωr * )を速度
制御部(ASR)に与えると、前記速度指令値
(ωr * )と電動機速度推定値(ωr # )とが比較さ
れ、その比較誤差信号が速度制御器6により比例積分
(PI)制御されて、同期回転座標(a−b軸)上の1
次電流指令値i1 * のトルク軸成分である1次トルク軸
電流指令値(i1b * )に変換される。次に、電流制御部
(ACR)におけるデジタル電流制御器3において、同
期回転座標(a−b軸)上の1次電圧指令値v1 * (v
1a * ,v1b * )が、前記1次電流指令値i
1 * (i1a * ,i1b * )と1次電流検出値i1 (i1a
1b)が等しく(i1a * =i1a,i1b * =i1b)なるよ
うに、非干渉化制御を可能とする条件式である上記
(4)式により演算される。
【0016】同期回転座標(a−b軸)上の1次電圧指
令値v1 * (v1a * ,v1b * )は、座標変換器9により
固定子座標(d−q軸)上の1次電圧指令値v1 * (v
1d *,v1q * )に変換された後、2相−3相相数変換器
15により相数変換されてPWM制御インバータ2の三
相各相の1次電圧制御指令電圧Vu,Vv,Vwに変換
され該PWM制御インバータ2の三相各相の出力電圧を
制御する。その結果、誘導電動機1は所望の電動機速度
指令値(ωr * )に応じて速度制御される。また、電源
角周波数ω0 で回転する同期回転座標(a−b軸)と、
誘導電動機1の固定子に固定された固定子座標(d−q
軸)との間の変換を行なう座標変換器8,9に使用され
る単位ベクトル(sin θ0 ,cos θ0 )を作り出すため
の基本位相角θ0 (θ0 =ω0 t)は次のようにして求
めることができる。即ちすべり算出器5により上記
(2)式に示すように、同期回転座標(a−b軸)上の
1次励磁軸電流指令値i1a * 、1次トルク軸電流指令値
1b * 、及び誘導電動機1の2次時定数τ2 (=L2
2 )によって求められるすべり角周波数指令値(ωs
* )と、速度適応2次磁束オブザーバ(4,7)により
推定される電動機速度推定値(ωr # )とから得られる
電源角周波数(ω0 )を、基本位相角算出用積分器11
で積分することによって、基本位相角θ0 を求めること
ができる。
【0017】なお、遅れ補償要素12は、デジタル電流
制御器3内の制御遅れに合わせるため、すべり角周波数
指令値(ωs * )の立上り、立下りを緩やかにするため
のものである。
【0018】以上のように、従来の速度センサレスベク
トル制御方式は、電動機速度(ωr)を推定する演算過
程において遅れがあるため、電動機速度推定値
(ωr # )とすべり角周波数指令値(ωs * )との加算
により得られる電源角周波数ω0 (ω 0 =ωr # +ωs
* )が真値からずれてしまい、その結果、デジタル電流
制御器3における電源角周波数ω0 に基づいて演算され
る非干渉化制御を行なうための1次電圧指令値v1 *
ずれ、及び座標変換器8,9における座標変換のために
用いる基本位相角θ0 もずれ、結局、座標変換軸がずれ
て非干渉化制御のベクトル制御が成り立たなくなってし
まう虞がある。
【0019】このことは、とりもなおさず誘導電動機1
の速度制御において、トルク指令値どおりのトルクが得
られないという重大な問題を起こすことになる。
【0020】そこで本願出願人は、電動機速度の推定過
程における「遅れ」となるベクトル制御座標軸のずれを
防止することにより、完全なベクトル制御を行なうこと
ができる速度センサレスベクトル制御方式を先に出願し
た(特願平5−265976号)。
【0021】先に出願した特願平5−265976号の
技術は、次の知見を基に開発したものである。
【0022】誘導電動機1の電動機速度推定値
(ωr # )の推定過程における「遅れ」は、誘導電動機
1側からみれば、すべり算出部5で算出されるすべり角
周波数指令値(ωs * )がずれていることに相当する。
(上記(2)式、ω0 =ωr +ωs * ,ωs =i1b *
1a * ・τ2 参照)
【0023】そこで、ベクトル制御が成立するときの電
源角周波数ω0 を決定する要件、すなわち、同期回転座
標(a−b軸)上の2次磁束推定値λ2 # のトルク軸成
分(λ2b # )を零(上式(5),(6)式参照)にする
ために、該2次トルク軸磁束推定値λ2b # を積分(ωsc
=Kωi ∫λ2b # ・dt Kωi :積分ゲイン)して得ら
れたすべり角周波数修正値ωscをすべり角周波数指令値
ωs * に加える(ωs * +ωsc)ことにより、電動機速
度推定値ωr # の「遅れ」に伴う電源角周波数ω0 のず
れΔω0 を修正することができ、座標軸のずれが防止さ
れ、完全なベクトル制御が行なわれる。(次式、参照) ω0 +Δω0 =ωr # +ωs * +ωsc Δω0 =ωsc
【0024】図4は、特願平5−265976号の実施
例を示すものである。
【0025】図示制御システムにおいて、いま、速度制
御部(ASR)において、電動機速度指令値(ωr *
を与えると、該速度指令値(ωr * )と負帰還信号であ
る電動機速度推定値(ωr # )とが比較され、その比較
誤差信号が速度制御器6において比例積分(PI)制御
され、同期回転座標(a−b軸)上の1次電流指令値i
1 * の1次トルク軸電流指令値(i1b * )に変換され
る。次に、電流制御部(ACR)におけるデジタル電流
制御器3において、前記1次電流指令値i1 * の1次ト
ルク軸電流指令値(i1b * )及び1次励磁軸電流指令値
(i1a * )と、1次電流検出値i1 の1次トルク軸電流
検出値(i1b)及び1次励磁軸電流検出値(i1a)とが
比較され、i1b * =i1b、及びi1a * =i1aに制御され
るように、PWM制御インバータ2を制御する同期回転
座標軸(a−b軸)上の1次電圧指令値v
1 * (v1a * ,v1b * )が上記(4)式により演算され
る。
【0026】デジタル電流制御器3の出力である1次電
圧指令値v1 * (v1a * ,v1b * )は、座標変換器9に
より固定子座標(d−q軸)上の1次電圧指令値v1 *
(v 1d * ,v1q * )に変換された後、2相−3相相数変
換器15により相数変換されて、PWM制御インバータ
2の三相各相の1次電圧制御指令電圧Vu,Vv,Vw
に変換され、該PWM制御インバータ2の出力電圧を制
御する結果、誘導電動機1は所望の電動機速度指令値
(ωr * )に応じて速度制御される。
【0027】誘導電動機1の実際の電動機速度(ωr
としては、次のようにして推定された電動機速度推定値
ωr # を用いる。即ち誘導電動機1の固定子座標(d−
q軸)上の1次電流検出値i1 (i1d,i1q)、1次電
圧指令値v1 * (v1d * ,v 1q * )及び電動機速度推定
値(ωr # )を入力とする同一次元磁束オブザーバ4
と、該同一次元磁束オブザーバ4により推定された1次
電流推定値i1 # (i1d # ,i1q # )と2次磁束推定値
λ2 # (λ2d # ,λ2q # )及び1次電流検出値i 1 (i
1d,i1q)に基づく上記(7)式により演算する速度適
応機構7と、からなる速度適応2次磁束オブザーバを使
用して、その電動機速度推定値ωr # を推定する。
【0028】そして、実際の電動機速度(ωr )を推定
する過程における電動機速度推定値(ωr # )の「遅
れ」によって生じる電源角周波数ω0 (ω0 =ωr #
ωs *)のずれを修正するために、同一次元磁束オブザ
ーバ4により推定した固定子座標(d−q軸)上の2次
磁束推定値λ2 # (λ2d # ,λ2q # )を座標変換器10
で同期回転座標軸(a−b軸)上の2次磁束λ2 # (λ
2a # ,λ2b # )に座標変換し、該2次磁束推定値λ2 #
の2次トルク軸磁束推定値(λ2b # )をすべり角周波数
修正用積分器16にて積分しすべり角周波数修正値ωsc
(ωsc=Kωs ∫λ2b # ・dt)を求め、加算器17にて
すべり角周波数指令値ωs * に加算する。
【0029】すべり角周波数修正値ωscをすべり角周波
数指令値ωs * に加算することは、電動機速度推定値
(ωr # )のずれを、前記すべり角周波数修正値ωsc
よって修正することにより、上記(2)式により決定さ
れる電源角周波数(ω0 )のずれによる基本位相角(θ
0 )のずれを防止し、座標変換軸のずれを防止して、精
度のよい非干渉化制御のベクトル制御が成立することと
なる。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】ところで誘導電動機1
の回転数が過大になると危険であるため、電動機速度指
令値ωr * が過大になっても誘導電動機1の回転数が過
大にならないように制限(リミット制御)することが望
まれている。
【0031】速度センサを用いたベクトル制御装置で
は、PWM制御インバータの出力周波数の上限値を設定
しておき、出力周波数が上限値を越えないように出力周
波をリミット制御することにより、誘導電動機の過回転
を防止している。
【0032】一方、速度センサレスベクトル制御装置に
おいて、上述したのと同様に、PWM制御インバータ2
の出力周波数をリミット制御することにより誘導電動機
1の過回転を防止しようとすると、過回転領域では、速
度推定演算して求めた電動機速度推定値ωr # と実際の
電動機速度との間にズレが生じ、速度制御が不安定にな
ってしまうという問題が生じる。これは、PWM制御イ
ンバータ2の出力周波数を制限してしまうと電動機速度
推定値ωr * とフィードバックされた1次電流検出値
(I1d,I1q)と1次電圧指令値(V1d * ,V1q * )の
関係が正常な場合から崩れてしまい、速度推定が正常に
行われなくなるためである。
【0033】本発明は、上記従来技術に鑑み、安定した
速度制御を維持しつつ誘導電動機の過回転を防止するこ
とのできる誘導電動機の速度センサレスベクトル制御装
置を提供することを目的とする。
【0034】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の構成は、誘導電動機(1)の電動機速度指令値(ω
r * )と電動機速度推定値(ωr #)とを比較した比較
誤差信号に基づいて1次電流指令値(i1 * )を得る速
度制御器(6)と、1次電流指令値(i1 * )と1次電
流検出値(i1 )と電源角周波数(ω0 )を入力し、誘
導電動機の電流非干渉化制御を行ない1次電圧指令値
(v1 * )を出力する電流制御器(3)と、前記電流制
御器(3)の出力である1次電圧指令値(v1 * )を基
に誘導電動機を速度制御する電力変換器(2)と、1次
電流検出値(i1 )と1次電圧指令値(v1 * )と電動
機速度推定値(ω r # )をそれぞれ入力し、1次電流推
定値i1 # と2次磁束推定値λ2 # を推定する同一次元
磁束オブザーバ(4)と、前記同一次元磁束オブザーバ
(4)の出力である1次電流推定値i1 # と2次磁束推
定値λ2 # と、1次電流検出値(i1 )をそれぞれ入力
し、電動機速度推定値(ωr # )を推定演算して出力す
る速度適応機構(7)と、1次電流指令値(i1 * )の
励磁軸成分とトルク軸成分を基に該電動機のすべり角周
波数指令値(ωs * )を演算し出力するすべり算出器
(5)と、前記すべり算出器(5)の出力であるすべり
角周波数指令値(ωs * )に電動機速度推定値
(ωr # )を加算して前記電流制御器(3)の制御入力
である電源角周波数(ω0 )を出力する加算器(17)
と、を具備する誘導電動機の速度センサレスベクトル制
御装置において、前記電動機速度指令値(ωr * )があ
らかじめ設定した最大速度ωr max よりも大きくなった
ら、前記電流制御器(3)に入力する1次電流指令値
(i1 * )のうちトルク軸成分である1次トルク軸電流
指令値(i1b * )の値を制限する過回転防止装置(2
1)を備えたことを特徴とする。
【0035】
【作用】本発明では、電動機速度指令値ωr * が最大速
度ωr max よりも大きくなったら、1次電流指令値i1
* のトルク軸成分を零にして加速方向のトルクを零にし
て誘導電動機の過回転を防ぐ。
【0036】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。なお、従来技術と同一部分には同一符号を付
し重複する説明は省略する。
【0037】図1は本発明の実施例に係る誘導電動機の
速度センサレスベクトル制御装置を示す。本実施例は、
図4に示す従来の制御装置に、更に過回転防止装置21
を付加した構成となっている。
【0038】この過回転防止装置21には、速度制御器
6から1次励磁軸電流指令値i1b *が入力され、速度適
応機構7から電動機速度推定値ωr # が入力される。ま
た過回転防止装置21には、図2に示すように、電動機
速度推定値ωr # があらかじめ設定した最大速度ω
r max よりも小さいときには、入力された1次トルク軸
電流指令値i1b * をそのまま出力し(出力100%)、
電動機速度推定値ωr # が最大速度ωr max よりも大き
いときには、1次トルク軸電流指令値i1b * の値を零に
して出力する(出力0%)特性が設定されている。
【0039】したがって電動機速度推定値ωr # が最大
速度ωr max よりも小さいときには、従来と同様に、速
度指令値ωr * に応じた速度で誘導電動機1が回転す
る。
【0040】一方、電動機速度推定値ωr # が最大速度
ωr max よりも大きくなったときには、過回転防止装置
21から出力される1次トルク軸電流指令値i1b * の値
が零(出力0%)となるため、誘導電動機1では加速方
向のトルクは生じることはなく、誘導電動機1の速度は
最大速度ωr max を上限として制限される。かくて誘導
電動機1の過回転が防止される。
【0041】推定値ωr # が最大速度ωr max よりも大
きくなって、過回転防止装置21から出力される1次ト
ルク軸電流指令値i1b * の値を零にしても、オブザーバ
4に入力される、電動機速度推定値ωr # と1次電流検
出値(I1d,I1q)と1次電圧指令値(V1d *
1q * )の関係が崩れないので、速度推定演算は正確に
実行できる。つまり推定演算した電動機速度推定値ωr
# は、実際の電動機速度(最大速度ωr max )と一致
し、安定した速度制御を確保することができる。
【0042】なお電動機速度推定値ωr # が最大速度ω
r max よりも大きくなったときに、過回転防止装置21
から出力される1次トルク軸電流指令値i1b * の値を負
(マイナス)にするようなリミット特性にしておけば、
負荷側より回された場合においても過回転になるのを防
ぐことができる。例えば、本装置を電気自動車に適応し
た場合、下り坂においても誘導電動機1が過回転になる
のを防ぐことができ、車の暴走を防ぐことができる。
【0043】
【発明の効果】以上実施例と共に具体的に説明したよう
に本発明によれば、速度指令値があらかじめ設定した最
大速度よりも小さくなったら、過回転防止装置により1
次トルク軸電流指令値の値を制限して加速方向のトルク
を生じさせないようにしたため、誘導電動機の過回転を
防止することができる。
【0044】この場合、速度推定に用いる電動機速度推
定値ωr # と1次電流検出値(I1d,I1q)と1次電圧
指令値(V1d * ,V1q * )の関係が崩れないので、速度
推定演算は正確に実行でき、安定した速度制御を保持す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す構成図。
【図2】過回転防止装置のリミット特性を示す特性図。
【図3】従来技術を示す構成図。
【図4】従来技術を示す構成図。
【符号の説明】
1 誘導電動機 2 PWM制御インバータ 3 デジタル電流制御器 4 同一次元磁束オブザーバ 5 すべり算出器 6 速度制御器 7 速度適応機構 8 座標変換器 9 座標変換器 10 座標変換器 11 基本位相角算出用積分器 16 すべり角周波数修正用積分器 17 加算器 21 過回転防止装置 ωs すべり角周波数 ωs * すべり角周波数指令値 ωsc すべり角周波数修正値 ω0 電源角周波数 ωr 電動機速度 ωr * 電動機速度指令値 ωr # 電動機速度推定値 ωr max 電動機速度最大値 v1 1次電圧 v1a 1次励磁軸電圧 v1b 1次トルク軸電圧 v1 * 1次電圧指令値 v1a * ,v1d * 1次励磁軸電圧指令値 v1b * ,v1q * 1次トルク軸電圧指令値 iu ,iv ,iw 1次電流 i1 1次電流検出値 i1a,i1d 1次励磁軸電流検出値 i1b,i1q 1次トルク軸電流検出値 i1 * 1次電流指令値 i1a * 1次励磁軸電流指令値 i1b * 1次トルク軸電流指令値 i1 # 1次電流推定値 i1d # 1次励磁軸電流推定値 i1q # 1次トルク軸電流推定値 λ2 2次磁束 λ2a,λ2d 2次励磁軸磁束 λ2b,λ2q 2次トルク軸磁束 λ2 # 2次磁束推定値 λ2a # ,λ2d # 2次励磁軸磁束推定値 λ2b # ,λ2q # 2次トルク軸磁束推定値 vu ,vv ,vw 1次電圧制御指令電圧 θ0 基本位相角

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘導電動機(1)の電動機速度指令値
    (ωr * )と電動機速度推定値(ωr # )とを比較した
    比較誤差信号に基づいて1次電流指令値(i1 * )を得
    る速度制御器(6)と、 1次電流指令値(i1 * )と1次電流検出値(i1 )と
    電源角周波数(ω0 )を入力し、誘導電動機の電流非干
    渉化制御を行ない1次電圧指令値(v1 * )を出力する
    電流制御器(3)と、 前記電流制御器(3)の出力である1次電圧指令値(v
    1 * )を基に誘導電動機を速度制御する電力変換器
    (2)と、 1次電流検出値(i1 )と1次電圧指令値(v1 * )と
    電動機速度推定値(ω r # )をそれぞれ入力し、1次電
    流推定値i1 # と2次磁束推定値λ2 # を推定する同一
    次元磁束オブザーバ(4)と、 前記同一次元磁束オブザーバ(4)の出力である1次電
    流推定値i1 # と2次磁束推定値λ2 # と、1次電流検
    出値(i1 )をそれぞれ入力し、電動機速度推定値(ω
    r # )を推定演算して出力する速度適応機構(7)と、 1次電流指令値(i1 * )の励磁軸成分とトルク軸成分
    を基に該電動機のすべり角周波数指令値(ωs * )を演
    算し出力するすべり算出器(5)と、 前記すべり算出器(5)の出力であるすべり角周波数指
    令値(ωs * )に電動機速度推定値(ωr # )を加算し
    て前記電流制御器(3)の制御入力である電源角周波数
    (ω0 )を出力する加算器(17)と、 を具備する誘導電動機の速度センサレスベクトル制御装
    置において、 前記電動機速度指令値(ωr * )があらかじめ設定した
    最大速度ωr max よりも大きくなったら、前記電流制御
    器(3)に入力する1次電流指令値(i1 * )のうちト
    ルク軸成分である1次トルク軸電流指令値(i1b * )の
    値を制限する過回転防止装置(21)を備えたことを特
    徴とする誘導電動機の速度センサレスベクトル制御装
    置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005027379A (ja) * 2003-06-30 2005-01-27 Honda Motor Co Ltd モータ駆動装置
US7463005B2 (en) 2003-03-12 2008-12-09 Kabushiki Kaisha Yaskawa Denki Method and device for sensorless vector control for AC motor
CN103457532A (zh) * 2013-09-11 2013-12-18 昆山新金福精密电子有限公司 一种基于模糊自适应的无速度传感器磁链矢量控制方法
EP2197103A3 (en) * 2008-12-12 2014-01-22 Hitachi Appliances, Inc. Speed controller of magnetic motor
JP2019193445A (ja) * 2018-04-25 2019-10-31 日本電産株式会社 モータ駆動装置

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