JP3229216B2 - ビートレス制御装置 - Google Patents

ビートレス制御装置

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JP3229216B2 JP23677896A JP23677896A JP3229216B2 JP 3229216 B2 JP3229216 B2 JP 3229216B2 JP 23677896 A JP23677896 A JP 23677896A JP 23677896 A JP23677896 A JP 23677896A JP 3229216 B2 JP3229216 B2 JP 3229216B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は単相コンバータ・イ
ンバータシステムにより誘導電動機を制御するシステム
に係わり、特にトルクリプルを抑制するビートレス制御
装置に関わる。
【0002】
【従来の技術】単相電源から単相コンバータにより直流
を得るシステムでは、単相コンバータから直流コンデン
サに流れる電流に電源周波数fsの2倍周波数2fs成分が
多く重畳する。このため、直流リンク電圧も同様に電源
周波数[の2倍周波数2fsにより変動する。インバータ
により直流リンク電圧から3相交流をつくりだす場合、
直流リンク電圧の変動により、相電流のビート現象とト
ルクのリプルが発生し問題となる。
【0003】相電流のビート現象とは、直流リンク電圧
の変動周波数2fs と、インバータ周波数fi の差の絶
対値の周波数|2fs −fi |で、相電流が振動する現
象であり、トルクに関しては直流リンク電圧の変動周波
数2fs のリプルが生じる。
【0004】文献1(「コンバータ・インバータシステ
ムにおけるビート現象の抑制法」電気学会論文誌D部門
V01.109No. 5P.363)では、相電流のビート現象に関し
て、その原因が相電圧に重畳する周波数|2fs −fi
|成分の影響であることを解析し、該周波数成分を零に
する制御を提案している。
【0005】相電流ビート現象を抑制する具体的な構成
を図13により説明する。
【0006】図13は、従来のビートレス制御の概略構
成を示すブロック図である。
【0007】電源1の単相交流を単相コンバータ2によ
り直流に変換し、更に直流コンデンサ3を介してインバ
ータ4により交流に変換し、誘導機6を駆動するシステ
ムとなっている。滑り周波数基準の演算器17により滑
り周波数基準fs * が計算され、速度検出器7により検
出されたモータ速度frと加算されることによりインバー
タ周波数基準fi * が算出される。
【0008】電圧検出器8により検出された直流リンク
電圧Vdcは、平均値演算器13により平均値Vdc* が算
出され、変動量演算器16によりその平均値からの変動
量ΔVdcが演算される。変動量ΔVdcを平均値Vdc*
割った値がゲイン位相補償器21に入力される。ゲイン
位相補償器21では、入力となる電源周波数の2倍周波
数2fs の正弦波にゲインと位相差をつけた正弦波を出
力する。
【0009】この出力は、インバータ角周波数の補償値
Δωi であり、インバータ周波数基準fi * と2πの積
であるインバータ角周波数基準ωi * に加算され、イン
バータ角周波数ωi となる。インバータ角周波数ωi は
積分されインバータ位相角θi となり、ゲート制御器へ
の入力となる。
【0010】文献1では、電流ビートに関して、ゲイン
・位相補償器の設定法を解析的に求めている。更に、ゲ
インと位相とを微調整することでトルクリプルが抑制で
きる点を指摘している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ゲイン
と位相とを微調整することでトルクリプルが抑制できる
という点に関しては、その根拠は一切述べられていな
い。また、運転状況に応じた調整が必要である点を指摘
しているものの、理論的な裏付けがないため調整法が不
明確であり、実際の調整は困難であるという問題があ
る。
【0012】本発明の目的は、トルクリプルを理論的に
導かれる補償法により抑制し、運転状況によらず調整を
不要とするビートレス制御装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1に対応する発明は、単相交流電力を直流電
力に変換するコンバータと、該コンバータで変換された
直流電力を任意の周波数の交流電力に変換するインバー
タと、該インバータにより変換された交流電力に駆動さ
れる誘導電動機を有する電力変換装置において、前記誘
導電動機の2次磁束平均値φ2 * を求める手段と、前記
誘導電動機の2次磁束軸から出力電圧軸までの位相角ρ
を検出あるいは演算する手段と、前記2次磁束軸に直交
するトルク電流の平均値iq * を演算するトルク電流演
算手段と、前記誘導電動機に与えられる2次磁束角周波
数ωo を演算する磁束周波数演算手段と、前記コンバー
タの出力側と前記インバータの入力側の直流リンク電圧
Vdcを検出あるいは算出する手段と、該直流リンク電圧
の平均値から直流リンク電圧変動量ΔVdcを演算する手
段と、前記電動機回転周波数fr 及び電動機角周波数ω
r を検出あるいは推定する手段と、前記電動機回転周波
数fr と滑り角周波数基準fs * に基づきインバータ周
波数基準fi * を演算する手段と、該インバータ周波数
基準fi * に基づき積分によりインバータ位相角基準θ
i* を求める手段と、前記電動機回転周波数fr と、前
記電動機角周波数ωr と、前記直流リンク電圧変動量Δ
Vdcと、前記位相角ρ、ラプラス演算子と、前記直流リ
ンク電圧Vdcと、前記2次磁束角周波数ωo と、伝達関
数H2(s)と、電動機1次抵抗R1 と、電動機2次抵抗R
2 と、電動機1次自己インダクタンスL1 と、電動機2
次自己インダクタンスL2 と、相互インダクタンスMと
をそれぞれ入力し、(01) 〜(04) 式に基づきインバー
タ位相角への補償値Δθi を求める手段と、該補償値Δ
θi とインバー夕位相角基準θi * を加算してインバー
タ位相角θi とする手段と、該インバータ位相角θi に
従い前記インバータの出力電圧を制御する手段とを備え
たことを特徴とするビートレス制御装置である。
【0014】
【数7】
【0015】請求項1に係るビートレス制御装置では、
トルクの変動を抑制できる。運転状況に応じて瞬時に補
償値を演算するため、いかなる運転状況下においてもそ
の効果が期待できる。補償法は解析的に求められてお
り、実機での調整を容易にすることが可能である。
【0016】上記目的を達成するため、請求項2に対応
する発明は、単相交流電力を直流電力に変換するコンバ
ータと、該コンバータで変換された直流電力を任意の周
波数の交流電力に変換するインバータと、該インバータ
により変換された交流電力に駆動される誘導電動機を有
する電力変換装置において、前記誘導電動機の2次磁束
軸から出力電圧軸までの位相角ρを検出あるいは演算す
る手段と、前記誘導電動機に与えられる2次磁束角周波
数ωo を演算する磁束周波数演算手段と、前記コンバー
タの出力側と前記インバータの入力側の直流リンク電圧
Vdcを検出あるいは算出する手段と、該直流リンク電圧
の平均値からの直流リンク電圧変動量ΔVdcを演算する
手段と、前記電動機回転周波数fr 及び電動機角周波数
ωr を検出あるいは推定する手段と、前記電動機回転周
波数fr と滑り角周波数基準fs * に基づきインバータ
周波数基準fi * を演算する手段と、該インバータ周波
数基準fi * に基づき積分によりインバータ位相角基準
θi* を求める手段と、前記電動機回転周波数fr と、
前記電動機角周波数ωr と、前記直流リンク電圧変動量
ΔVdcと、前記位相角ρ、ラプラス演算子と、前記直流
リンク電圧Vdcと、前記2次磁束角周波数ωo と、伝達
関数H2(s)と、電動機1次抵抗R1 と、電動機2次抵抗
R2 と、電動機1次自己インダクタンスL1 と、電動機
2次自己インダクタンスL2 と、相互インダクタンスM
と、前記2次磁束平均値φ2 * と、前記トルク電流の平
均値iq * をそれぞれ入力し、(05) 〜(08) 式に基づ
きインバータ位相角への補償値Δθi を求める手段と、
該補償値Δθi とインバー夕位相角基準θi * を加算し
てインバータ位相角θi とする手段と、該インバータ位
相角θi に従い前記インバータの出力電圧を制御する手
段とを備えたことを特徴とするビートレス制御装置であ
る。
【0017】
【数8】
【0018】請求項2に係るビートレス制御装置では、
トルク電流のリプルを低減することが可能となる。前述
のように磁束変化は小さいため、トルクリプル抑制の効
果がある。請求項1に係るビートレス制御装置と比べ、
トルク電流の平均値と2次磁束の平均値を演算する必要
が無く、演算量を低減することができる。
【0019】上記目的を達成するため、請求項3に対応
する発明は、前記補償量演算手段は、前記電動機回転周
波数fr と、前記直流リンク電圧変動量ΔVdcと、前記
位相角ρ、ラプラス演算子と、前記直流リンク電圧Vdc
と、前記2次磁束角周波数ωo と、伝達関数H3(s)と、
電動機1次抵抗R1 と、電動機2次抵抗R2 と、電動機
1次自己インダクタンスL1 と、電動機2次自己インダ
クタンスL2 と、相互インダクタンスMとをそれぞれ入
力し、(09) 〜(012) 式に基づきインバータ位相角への
補償値Δθi を求めることを特徴とする請求項2記載の
ビートレス制御装置である。
【0020】
【数9】
【0021】請求項3に係るビートレス制御装置では、
請求項2に係るビートレス制御装置と同様な作用効果を
得ることができる。2次磁束の変動を考慮しないため、
請求項2に係るビートレス制御装置ほど厳密にトルク電
流の変動を抑制することはできないが、補償伝達関数の
次数が1つ下がり、計算量を減らすことができる。
【0022】上記目的を達成するため、請求項4に対応
する発明は、単相交流電力を直流電力に変換するコンバ
ータと、該コンバータで変換された直流電力を任意の周
波数の交流電力に変換するインバータと、該インバータ
により変換された交流電力に駆動される誘導電動機を有
する電力変換装置において、前記誘導電動機の2次磁束
平均値φ2 * を求める手段と、前記誘導電動機の2次磁
束軸から出力電圧軸までの位相角ρを検出あるいは演算
する手段と、前記2次磁束軸に直交するトルク電流の平
均値iq * を演算するトルク電流演算手段と、前記コン
バータの出力側と前記インバータの入力側の直流リンク
電圧Vdcを検出あるいは算出する手段と、該直流リンク
電圧の平均値からの直流リンク電圧変動量ΔVdcを演算
する手段と、前記電動機回転周波数fr 及び電動機角周
波数ωr を検出あるいは推定する手段と、前記電動機回
転周波数fr と滑り角周波数基準fs * に基づきインバ
ータ出力角周波数ωi を演算するする手段と、該インバ
ータ出力角周波数ωi を積分によりインバータ位相角基
準θi * を求める手段と、前記電動機回転周波数fr
と、前記電動機角周波数ωr と、前記直流リンク電圧変
動量ΔVdcと、前記位相角ρ、ラプラス演算子と、前記
直流リンク電圧Vdcと、前記インバータ出力角周波数ω
i と、伝達関数H2(s)と、電動機1次抵抗R1 と、電動
機2次抵抗R2 と、電動機1次自己インダクタンスL1
と、電動機2次自己インダクタンスL2 と、相互インダ
クタンスMとをそれぞれ入力し、(013) 〜(016) 式に基
づきインバータ位相角への補償値Δθi を求める手段
と、該補償値Δθi とインバー夕位相角基準θi * を加
算してインバータ位相角θi とする手段と、該インバー
タ位相角θi に従い前記インバータの出力電圧を制御す
る手段とを備えたことを特徴とするビートレス制御装置
である。
【0023】
【数10】
【0024】上記目的を達成するため、請求項5に対応
する発明は、単相交流電力を直流電力に変換するコンバ
ータと、該コンバータで変換された直流電力を任意の周
波数の交流電力に変換するインバータと、該インバータ
により変換された交流電力に駆動される誘導電動機を有
する電力変換装置において、前記誘導電動機の2次磁束
軸から出力電圧軸までの位相角ρを検出あるいは演算す
る手段と、前記コンバータの出力側と前記インバータの
入力側の直流リンク電圧Vdcを検出あるいは算出する手
段と、該直流リンク電圧の平均値からの直流リンク電圧
変動量ΔVdcを演算する手段と、前記電動機回転周波数
fr 及び電動機角周波数ωr を検出あるいは推定する手
段と、前記電動機回転周波数fr と滑り角周波数基準f
s * に基づきインバータ出力角周波数ωi を演算する手
段と、該インバータ周波数基準fi * に基づき積分によ
りインバータ位相角基準θi* を求める手段と、前記電
動機回転周波数fr と、前記電動機角周波数ωr と、前
記直流リンク電圧変動量ΔVdcと、前記位相角ρ、ラプ
ラス演算子と、前記直流リンク電圧Vdcと、前記インバ
ータ出力角周波数ωi と、伝達関数H2(s)と、電動機1
次抵抗R1 と、電動機2次抵抗R2 と、電動機1次自己
インダクタンスL1 と、電動機2次自己インダクタンス
L2 と、相互インダクタンスMと、前記2次磁束平均値
φ2 * と、前記トルク電流の平均値iq * をそれぞれ入
力し、(017) 〜(020) 式に基づきインバータ位相角への
補償値Δθi を求める手段と、該補償値Δθi とインバ
ー夕位相角基準θi * を加算してインバータ位相角θi
とする手段と、該インバータ位相角θi に従い前記イン
バータの出力電圧を制御する手段とを備えたことを特徴
とするビートレス制御装置である。
【0025】
【数11】
【0026】上記目的を達成するため、請求項6に対応
する発明は、前記補償量演算手段は、前記電動機回転周
波数fr と、前記直流リンク電圧変動量ΔVdcと、前記
位相角ρ、ラプラス演算子と、前記直流リンク電圧Vdc
と、前記インバータ出力角周波数ωi と、伝達関数H3
(s)と、電動機1次抵抗R1 と、電動機2次抵抗R2
と、電動機1次自己インダクタンスL1 と、電動機2次
自己インダクタンスL2 と、相互インダクタンスMとを
それぞれ入力し、(021) 〜(024) 式に基づきインバータ
位相角への補償値Δθi を求めることを特徴とする請求
項5記載のビートレス制御装置である。
【0027】
【数12】
【0028】請求項4,5,6のいずれかに係るビート
レス制御装置では、請求項1に係るビートレス制御装置
と同様な作用効果が得られる。これは、前述のように、
2次磁束の変動が小さいとすれば、2次磁束角周波数ω
o とインバータ角周波数基準ωi * とがほぼ一致するた
めである。2次磁束の変動を考慮しないため、実施形態
1ほど厳密にトルクの変動を抑制することはできない
が、磁束周波数演算器の必要がなくなるため、計算量を
減らすことができる。
【0029】上記目的を達成するため、請求項7に対応
する発明は、前記直流リンク電圧変動量ΔVdcを演算す
る手段および前記インバータ位相角への補償値Δθi を
求める手段を設けず、新たに、伝達関数の電源周波数の
2倍の周波数成分のゲインと位相とを演算する手段と、
前記検出あるいは椎定された直流リンク電圧の電源周波
数の2倍の周波数で変動する正弦波を抽出する手段と、
前記抽出された正弦波を算出されたゲインと位相とで補
正する手段と、前記出力正弦波を直流リンク電圧で割り
インバータ位相角基準への補償量とする手段を追加した
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のビー
トレス制御装置である。
【0030】請求項7に係るビートレス制御装置では、
請求項2に係るビートレス制御装置と同様な作用効果を
得る。請求項2に係るビートレス制御装置と比べ、補償
値の算出課程にダイナミックな演算を含まないため、過
去の演算結果を記憶する必要がなく、記憶容量を低減す
ることができる。
【0031】上記目的を達成するため、請求項8に対応
する発明は、前記インバータ位相角基準への補償量とす
る手段に対して制御周期を考慮した補正値を加算する手
段を、さらに追加したことを特徴とする請求項7記載の
ビートレス制御装置である。請求項8に係るビートレス
制御装置では、請求項7に係るビート制御装置と同様な
作用効果が得られる。制御の遅れや制御周期を考慮した
位相補償が可能であるため、制御周期が比較的大きいシ
ステム構成においても、トルクリプルの抑制効果が期待
できる。
【0032】上記目的を達成するため、請求項9に対応
する発明は、前記電源周波数の2倍の周波数成分のゲイ
ンと位相とを算出する手段の代わりに、該伝達関数の演
算に用いる変数をパラメータとしてあらかじめ算出され
た該伝達関数の電源周波数の2倍の周波数成分のゲイン
と位相とを出力する手段を追加することを特徴とする請
求項7記載のビートレス制御装置である。
【0033】請求項9に係るビートレス制御装置では、
請求項7に係るビートレス制御装置と同様な作用効果を
得ることができる。また、請求項7に係るビートレス制
御装置と比べて、テーブルを持つ分、大きな記憶領域が
必要であるものの、制御毎に補償量を演算する必要がな
いため、計算量を低減することができる。
【0034】上記目的を達成するため、請求項10に対
応する発明は、前記インバータを1パルスモードで動作
させる場合に、伝達関数の電源周波数の2倍の周波数成
分のゲインと位相とを算出する手段の代わりに、前記検
出あるいは推定されたモータ周波数と前記検出あるいは
推定された2次磁束の周波数をパラメータとしてあらか
じめ算出された該伝達関数の電源周波数の2倍の周波数
成分のゲインと位相とを出力する手段を追加したことを
特徴とする請求項7記載のビートレス制御装置である。
【0035】請求項10に係るビートレス制御装置で
は、請求項7に係るビートレス制御装置と同様な作用効
果を得ることができる。電圧軸演算器と軸位相差演算器
が不必要となる分、制御毎の演算量を低減することがで
きる。請求項7に係るビートレス制御装置と比べると、
入力パラメータの数が3つから2つに減るため、ゲイン
位相補償量参照表に必要な記憶容量を低減することがで
きる。
【0036】上記目的を達成するため、請求項11に対
応する発明は、前記インバータ位相角への補償値を疑似
微分する手段と、該疑似微分された補償値とインバー夕
周波数基準とを加算しインバータ周波数を算出する手段
を追加したことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに
記載のビートレス制御装置である。
【0037】請求項11に係るビートレス制御装置で
は、請求項1に係るビートレス制御装置と同様な作用効
果を得ることができる。更に、補償がインバータ角周波
数の演算課程で行われるため、インバータ位相角の算出
からインバータ位相角に基づくゲート制御の部分をなん
ら変更する必要がない。よって、ソフトウェアにより実
現する上では、インバータ位相角の演算以下の部分を共
有化することができる。
【0038】上記目的を達成するため、請求項12に対
応する発明は、前記算出された位相補償値を90度進ま
せる手段と、算出されたゲイン補償値に電源周波数の2
倍の角周波数を乗算する手段と、検出あるいは推定され
た直流リンク電圧の電源周波数の2倍の周波数で変動す
る正弦波を抽出する手段と、該抽出された正弦波を算出
されたゲインと位相とで補正する手段と、該出力正弦波
を直流リンク電圧で割りインバータ周波数ヘの補償量と
する手段と、該補償量とインバータ周波数基準を加算し
インバータ周波数とする手段を追加したことを特徴とす
る請求項7記載のビートレス制御装置である。
【0039】請求項12に係るビートレス制御装置で
は、請求項7に係るビートレス制御装置と同様な作用効
果を得ることができる。更に、補償がインバータ角周波
数の演算課程で行われるため、インバータ位相角の算出
からインバータ位相角に基づくゲート制御の部分をなん
ら変更する必要がない。よって、ソフトウェアにより実
現する上では、インバータ位相角演算以下の部分を共有
化することができる。
【0040】上記目的を達成するため、請求項13に対
応する発明は、前記算出された誘導電動機の2次磁束軸
から出力電圧軸までの位相角平均値とインバータ周波数
基準とモータ速度とをパラメータとするテーブルからゲ
イン補償値と位相補償値を出力するための手段を追加し
たことを特徴とする請求項7記載のビートレス制御装置
である。
【0041】請求項13に係るビートレス制御装置で
は、請求項9に係るビートレス制御装V置以上の構成を
とることで、実施形態9と同様な作用効果を得ることが
できる。更に、補償がインバータ角周波数の演算課程で
行われるため、インバータ位相角の算出からインバータ
位相角に基づくゲート制御の部分をなんら変更する必要
がない。よって、ソフトウェアにより実現する上では、
インバータ位相角の演算以下の部分を共有化することが
できる。
【0042】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
図面を参照して説明する。
【0043】<第1実施形態>図1は、請求項1に対応
する実施形態の概略構成を示すブロック図である。
【0044】単相電源1の単相交流電力例えば単相電圧
を単相コンバータ2により直流電力例えば直流電圧に変
換し、更に該直流電圧を直流コンデンサ3を介してイン
バータ4により三相交流電圧に変換して三相誘導電動機
6を駆動する。
【0045】電圧検出器8により検出された直流リンク
電圧Vdc は、変動量演算器16に入力されより直流リ
ンク電圧Vdcの平均値から直流リンク電圧変動量ΔVdc
が演算される。
【0046】電圧軸演算器9は、ゲート制御器19から
出力されるスイッチング指令により出力電圧軸を演算す
る。軸位相差演算器10は、該出力電圧軸の位相から後
述する2次磁束演算器11により演算される2次磁束軸
の位相をひくことにより、2次磁束軸から出力電圧軸ま
での位相差(2次磁束ベクトルからインバータの出力電
圧ベクトルまでの位相角)ρを演算する。
【0047】2次磁束演算器11は、電流検出器5によ
り検出された誘導電動機6の相電流と、ゲート制御器1
9から出力されるスイッチング指令を入力として、誘導
電動機6の2次磁束φ2d,φ2qを演算する。
【0048】磁束周波数演算器12は、2次磁束演算器
11により演算された2次磁束φ2dを入力して回転周波
数である磁束周波数(2次磁束角周波数)ωo を演算す
る。
【0049】平均値演算器13は、2次磁束演算器11
に演算された2次磁束φ2dの平均値φ2 * を演算する。
トルク電流演算器14は、2次磁束演算器11に演算さ
れた2次磁束φ2qと、電流検出器5により検出された電
流を入力して2次磁束軸に直交する1次電流成分、いわ
ゆるトルク電流平均値iq * を演算する。
【0050】変動量演算器16は、電圧検出器8により
検出された直流リンク電圧Vdc を入力し、直流リンク
電圧の平均値から直流リンク電圧変動量ΔVd c を演算
する。
【0051】補償量演算器15は、該直流リンク電圧V
dc 、該直流リンク電圧変動量ΔVd c 、該2次磁束磁
束周波数ωo 、該電動機回転周波数fr 、該2次磁束平
均値φ2 * 、該トルク電流の平均値iq* を入力とし
て、後述する(33) 〜(36) 式のように補償量Δθi を
算出する。
【0052】掛算器27は、該インバータ周波数基準f
i * に、2πが掛け合わされてインバータ角周波数基準
となる。インバータ角周波数基準は積分器18により積
分され、インバータ位相角基準値(インバータ位相角基
準)θi * となる。
【0053】滑り周波数演算器17は、電流指令値と実
際の電流値の電流偏差を入力し、滑り周波数基準(滑り
角周波数基準)fs * を演算し、該滑り周波数基準fs
* は加算器26により速度検出器7により検出された電
動機回転周波数fr と加算され、これによりインバータ
周波数基準fi * が算出される。
【0054】掛算器27は、該インバータ周波数基準f
i * に、2πが掛け合わされてインバータ角周波数基準
となる。インバータ角周波数基準は積分器18により積
分され、インバータ位相角基準値θi * となる。
【0055】以上の構成により、トルクリプルが抑制で
きることを以下に説明するが、始めにここで使用する記
号の定義について説明する。fr は電動機回転周波数、
ωrは電動機角周波数、ωs は滑り角周波数、ΔVdcは
直流リンク電圧変動量、ρは位相角、Vdcは直流リンク
電圧、ωo は2次磁束角周波数、ωi * はインバータ角
周波数(インバータ出力角周波数)、H1(s)は伝達関
数、R1 は電動機1次抵抗、R2 は電動機2次抵抗、L
1 は電動機1次自己インダクタンス、L2 は電動機2次
自己インダクタンス、Mは相互インダクタンス、φ2 *
は2次磁束平均値をそれぞれ表している。
【0056】一般に、誘導電動機6の特性はdq軸回転
座標系上で以下に記述される。発生トルクは、後述する
(15)式で表される。
【0057】
【数13】
【0058】
【数14】
【0059】トルク変動を零とすると、dq軸出力電圧の
変動量ΔVq ,ΔVq の関係が算出される。
【0060】 ΔTm:0 (25) ΔVq = H4(s)ΔVd (26) H4(s)= N(s) /D(s) (27) d軸出力電圧の変動量ΔVd とq 軸出力電圧の変動量Δ
Vq とが、上式のような関係をとることにより、トルク
リプルを低減することができる。
【0061】次に、dq軸出力電圧の変動量ΔVd, ΔV
q と直流リンク電圧の変動量ΔVdcおよび補償量Δθi
の関係を導く。
【0062】図2は、dq軸回転座標系上でのインバータ
の出力電圧ベクトルVvを示している。d軸すなわち2
次磁束軸を実軸、q軸を虚軸とすると、電圧ベクトルV
vは、(28)式により表すことができる。
【0063】 Vv=(2/3)1/2 Vdcej ρ (28) ここで、(2/3)1/2 は、dq軸への変換係数である。
【0064】Vdcは直流リンク電圧であり、ρは2次磁
束軸から電圧べクトル軸への位相角を表す。Vdcとρ
を、平均値と変動量とに分離する。添字* は平均値、添
字Δは変動量を表す。
【0065】 Vdc=Vdc* +ΔVdc ρ= ρ* +Δρ (29) (28)式で示されるdq軸出力電圧ベクトルVvから、変動
量ΔVvに関して(30)式が成り立つ。
【0066】 ΔVv=(2/3)1/2 (ΔVdcej ρ+jVdcejpΔρ) (30) ここで、変化量Δρは、インバータ位相角へ重畳する補
償量Δθi ,と考えることができる。
【0067】 Δθi =Δρ (31) (30)式で表される電圧べクトルの変動量ΔVvを、dq軸
出力電圧の変動量ΔVd ,ΔVq により表現する。
【0068】
【数15】
【0069】(33)式により算出した補償量Δθi をイン
バータ位相角基準値θi * に加算し、インバータ位相角
θi を得る。
【0070】 θi =θi * +Δθi (36) 以上の構成をとることで、トルクの変動を抑制できる。
運転状況に応じて瞬時に補償値を演算するため、いかな
る運転状況下においてもその効果が期待できる。補償法
は解析的に求められており、実機での調整を容易にする
ことが可能である。
【0071】<第2実施形態>図3は、請求項2に記載
の第2実施形態の概略構成を示すプロック図である。第
1実施形態と異なる点は、図1の平均値演算器13及び
トルク電流演算器14を省き、これにともない補償量Δ
θi を演算する補償量演算手段15が後述するような演
算を行う点が異なる。このため、ここではこの部分のみ
説明する。
【0072】具体的には、補償量演算手段15では、前
記電動機回転周波数fr と、電動機角周波数ωr と、前
記直流リンク電圧変動量ΔVdcと、前記位相角ρ、前記
直流リンク電圧Vdcと、前記2次磁束角周波数ωo と、
伝達関数H2 (s) と、電動機1次抵抗R1 と、電動機2
次抵抗R2 と、電動機1次自己インダクタンスL1 と、
電動機2次自己インダクタンスL2 と、相互インダクタ
ンスMとをそれぞれ入力し、(5) 〜(8) 式に基づいてイ
ンバータの位相角への補償量Δθi を求める。
【数16】
【0073】電圧検出器8により検出された直流リンク
電圧Vdc は、変動量演算器16かにより直流リンク電
圧変動量ΔVdcが演算される。2次磁束演算器11は、
電流検出器5により検出された誘導電動機の相電流とゲ
ート制御器19から出力されるスイッチング指令を入力
として、誘導電動機の2次磁束φ2d,φ2qを演算する。
【0074】電圧軸演算器9は、ゲート制御器19から
出力されるスイッチング指令により出力電圧軸を演算す
る。軸位相差演算器10では、該演算された出力電圧軸
の位相から演算された2次磁束軸の位相をひくことによ
り、2次磁束軸から出力電圧軸までの位相差ρを演算す
る。該演算された2次磁束は、磁束周波数演算器12に
より、その2次磁束角周波数ωo を演算する。
【0075】補償量演算器15では、直流リンク電圧V
dc 、直流リンク電圧変動量ΔVdc、2次磁束角周波数
ωo 、電動機回転周波数fr 、位相差(2次磁束ベクト
ルからインバータの出力電圧ベクトルまでの位相角)ρ
を入力として、補償量Δθi を算出する。補償量Δθi
は、加算器28によりインバータ位相角基準値θi*
加算され、インバータ位相角θi となる。この演算され
たインバータ位相角θi は、ゲート制御器19への入力
となり、スイッチング指令を出力する。
【0076】以上の構成により、トルクリプルが抑制で
きることを説明する。
【0077】(20)式から、トルクリプルΔTmに影響を与
える2次磁束変動量ΔΦ2dに関して、(37)式が導かれ
る。
【0078】
【数17】
【0079】d軸出力電圧の変動量ΔVd とq軸出力電
圧の変動量ΔVq とが、(40)式のような関係をとること
により、トルク電流リプルを低減することができる。
【0080】上式を第1実施形態の(26)式に置き換えて
考えることにより、(5) 〜(8) 式が導かれる。
【0081】
【数18】
【0082】以上の構成をとることで、トルク電流のリ
プルを低減することが可能となる。前述のように磁束変
化は小さいため、トルクリプル抑制の効果がある。第1
実施形態と比べ、トルク電流の平均値と2次磁束の平均
値を演算する必要が無く、演算量を低減することができ
る。
【0083】<第3実施形態>図4は、請求項3に記載
の第3実施形態の概略構成を示すブロック図である。第
1実施形態と異なる点は、図1の平均値演算器13及び
トルク電流演算器14を省き、これにともない補償量Δ
θi を演算する補償量演算手段15が後述するような演
算を行う点が異なる。このため、ここではこの部分のみ
説明する。
【0084】具体的には、補償量演算器(補償量演算手
段)15では、前記電動機回転周波数fr と、電動機角
周波数ωr と、前記直流リンク電圧変動量ΔVdcと、前
記位相角ρ、前記直流リンク電圧Vdcと、前記2次磁束
角周波数ωo と、伝達関数H3 (s) と、電動機1次抵抗
R1 と、電動機2次抵抗R2 と、電動機1次自己インダ
クタンスL1 と、電動機2次自己インダクタンスL2
と、相互インダクタンスMとをそれぞれ入力し、(9) 〜
(12)式に基づいてインバータの位相角への補償量Δθi
を求める。第1実施形態と比べ、補償量Δθi の算出部
のみ異なるため、この部分のみ説明する。
【0085】電圧検出器8により検出された直流リンク
電圧Vdc は、変動量演算器16によりその平均値から
変動した量ΔVdc が演算される。2次磁束演算器11
は、電流検出器5により検出された誘導電動機の相電流
とゲート制御器19から出力されるスイッチング指令を
入力として、誘導電動機の2次磁束を演算する。電圧軸
演算器9では、ゲート制御器19から出力されるスイッ
チング指令により出力電圧軸を算出する。軸位相差演算
器10では、演算された出力電圧軸の位相から演算され
た2次磁束軸の位相をひくことにより、2次磁束軸から
出力電圧軸までの位相差ρを算出する。演算された2次
磁束は、磁束周波数演算器12により、2次磁束角周波
数ωo が演算される。
【0086】補償量演算器15では、直流リンク電圧V
dc 、直流リンク電圧変動量ΔVdc 、2次磁束角周波
数ωo を入力として、補償量Δθi を演算する。補償量
Δθi は、加算器28によりインバータ位相角基準値θ
i * に加算され、インバータ位相角θi となる。この加
算されたインバータ位相角θi は、ゲート制御器19へ
の入力となり、スイッチング指令を出力する。
【0087】以上の構成により、トルクリプルが抑制で
きることを説明する。
【0088】前述のようにd軸2次磁束の変動は小さ
い。よって、(20)式の状態方程式中に次式の仮定を加え
る。
【0089】Δφ2d=0 (43) この場合、dq軸電流の変動量に関する状態方程式は、(2
0)式を変形し次式となる。
【0090】
【数19】
【0091】上式により、トルク電流の変動を零とする
ためのd軸電圧変動量とq軸電圧変動量の関係が得られ
た。上式に(32)式を代入することにより、直流リンク電
圧Vdcの変動量ΔVdcと補償量Δθi との関係が得られ
る。
【0092】
【数20】
【0093】以上の構成をとることで、第2実施形態と
同様な作用効果を得る。2次磁束の変動を考慮しないた
め、第2実施形態ほど厳密にトルク電流の変動を抑制す
ることはできないが、伝達関数H3(S)の次数が1つ下が
り、計算量を減らすことができる。
【0094】<第4実施形態>図5は、請求項4〜6に
対応する第4実施形態の概略構成を示すブロック図であ
る。第1実施形態と異なる点は、図1の磁束周波数演算
器12を省き、これにともない補償量Δθi を演算する
補償量演算手段15が後述するような演算を行う点が異
なる。このため、ここではこの部分のみ説明する。
【0095】具体的には、補償量演算器15では、第1
実施形態と同様に(33)〜(35), (42) 式により補償量Δ
θi を演算するが、この場合、磁束周波数演算器12によ
り算出された2次磁束の回転周波数である2次磁束角周
波数ωo が必要である。
【0096】ところが第4実施形態では、この2次磁束
角周波数ωo の代わりに、掛算器27の出力であるイン
バータ角周波数基準ωi * を用いて、補償量Δθi を演
算している点が異なる。従って、ここでは図1の磁束周
波数演算器12は不要である。
【0097】以上の構成をとることで、第1実施形態と
同様な作用効果を得ることができる。これは、前述のよ
うに、2次磁束の変動が小さいとすれば、2次磁束角周
波数ωo とインバータ角周波数基準ωi * とがほぼ一致
するためである。
【0098】ωi * =ωo (55) 2次磁束の変動を考慮しないため、第1実施形態ほど厳
密にトルクの変動を抑制することはできないが、磁束周
波数演算器12の必要がなくなるため、計算量を減らす
ことができる。
【0099】第4実施形態は、第1実施形態を基本に説
明しているが、第2実施形態および第3実施形態を基本
としても同様な作用効果が得られる。具体的には、前述
した(01)式〜(012) 式の2次磁束角周波数ωo の代わり
に、インバータ出力角周波数ωi を代入すれば、(013)
式〜(024) 式のようになり、これに基づいてインバータ
位相角への補償量Δθi を求めるようにしてもよい。
【0100】<第5実施形態>図6は、請求項7に記載
の第5実施形態の概略構成を示すブロック図である。図
1の実施形態と異なる点は、図1の平均値演算器13
と、トルク電流演算器14と、補償量演算器15と、変
動量演算器16を省き、新たに以下に述べるゲイン位相
補償量演算器20と、ゲイン位相補償器21と、変動正
弦波演算器22と、割算器30を追加したことである。
【0101】具体的には、ゲイン位相補償量演算器20
は、磁束周波数演算器12からの2次磁束角周波数ωo
と、速度検出器7からの電動機回転周波数frと、軸位
相差演算器10からの位相差ρを入力してゲイン補償値
Kと位相補償値γを演算する。
【0102】この場合のゲイン補償値Kは、第2実施形
態の(6) 式で表される補償伝達関数の直流リンク電庄の
変動周波数成分、すなわち、電源周波数の2倍の周波数
成分のゲインとする。また位相補償値γは、同補償伝達
関数の同周波数成分の位相とする。
【0103】
【数21】
【0104】変動正弦波演算器22は、電圧検出器8に
検出された直流リンク電圧Vdcを入力し、電源周波数の
2倍の周波数で変動する正弦波ΔVdcを抽出する。
【0105】ゲイン位相補償器21では、直流リンク電
圧の変動量ΔVdcである正弦波ΔVdcに、(56)式のゲイ
ン位相補償値(ゲイン補償値)Kと、(57)式の位相差
をつけた正弦波位相補償値(正弦波位相補償量)γを入
力し、出力正弦波を出力する。割算器30は該ゲイン位
相補償器21の出力正弦波を、変動正弦波演算器22か
らの直流リンク電圧Vdc で割り、インバータ位相角へ
の補償量Δθi を出力する。
【0106】以上の構成をとることで、第2実施形態と
同様な作用効果が得られるが、第2実施形態と比べ、補
償値の算出課程にダイナミックな演算を含まないため、
過去の演算結果を記憶する必要がなく、記憶容量を低減
することができる。
【0107】第5実施形態は、第2実施形態を基本に説
明しているが、第1実施形態または第3実施形態を基本
としても同様な作用効果が得られる。
【0108】<第6実施形態>図7は、請求項8に対応
する第6実施形態の概略構成を示すブロック図である。
図1の実施形態と異なる点は、図1の平均値演算器13
と、トルク電流演算器14と、補償量演算器15と、変
動量演算器16を省き、新たに以下に述べるゲイン位相
補償量演算器20と、ゲイン位相補償器21と、変動正
弦波演算器22と、割算器30と、加算器29を追加し
たことであり、図6と異なる点は加算器29を追加した
点のみが異なる。
【0109】具体的には、加算器29はゲイン位相補償
量演算器20からの出力である位相補償値γと、これに
補正値γc を加えた値をゲイン位相補償器21に入力す
るように構成した点が図6とは異なる。この場合の補正
値γc は、制御の遅れや制御周期を考慮して決定する。
【0110】以上のように、第6実施形態の構成をとる
ことで、第5実施形態と同様な作用効果が得られる。制
御の遅れや制御周期を考慮した位相補償が可能であるた
め、制御周期が比較的大きいシステム構成においても、
トルクリプルの抑制効果が期待できる。
【0111】<第7実施形態>図8は、請求項9に対応
する第7実施形態の概略構成を示すブロック図である。
図1の実施形態と異なる点は、図1の平均値演算器13
と、トルク電流演算器14と、補償量演算器15と、変
動量演算器16を省き、新たに以下に述べるゲイン位相
補償量参照表23と、ゲイン位相補償器21と、変動正
弦波演算器22と、割算器30を追加したことであり、
図6と異なる点はゲイン位相補償量演算器20を省き、
この省いた位置にゲイン位相補償量参照表23を設けた
ことである。
【0112】以上のように構成した第7実施形態は、第
5の実施形態と比べ、ゲイン補償値Kと位相補償値γの
設定法が異なるのみなので、この部分のみ説明する。
【0113】ゲイン補償値Kと位相補償値γは、ゲイン
位相補償量参照表23から運転状態にあわせて選択され
る。ゲイン位相補償量参照表23への入力は、軸位相差
演算器10により算出される2次磁束軸から出力電圧軸
までの位相角ρと、磁束周波数演算器12により算出さ
れる2次磁束の回転周波数である磁束周波数ωo と、速
度検出器7により検出される電動機回転周波数fr であ
る。
【0114】ゲイン位相補償量参照表23内には、あら
かじめ第5実施形態のように算出された補償伝達関数の
電源周波数の2倍周波数成分のゲイン位相補償量が設定
されていて、入力パラメータにより、該当する値を出力
するものである。
【0115】以上の構成をとることで、第5実施形態と
同様な作用効果を得ることができる。また、第5実施形
態と比べて、テーブルを持つ分、大きな記憶領域が必要
であるものの、制御毎に補償量を演算する必要がないた
め、計算量を低減することができる。
【0116】<第8実施形態>図9は、請求項10に記
載の第8実施形態の概略構成を示すブロック図である。
図1の実施形態と異なる点は、図1の電圧軸演算器9
と、軸位相差演算器10と、平均値演算器13と、トル
ク電流演算器14と、補償量演算器15と、変動量演算
器16を省き、新たに以下に述べるゲイン位相補償量参
照表23と、ゲイン位相補償器21と、変動正弦波演算
器22と、割算器30を追加したことであり、図6と異
なる点はゲイン位相補償量演算器20を省き、この省い
た位置にゲイン位相補償量参照表23を設けたことであ
り、図8と異なる点は電圧軸演算器9と、軸位相差演算
器10を省いた点である。
【0117】具体的には、ゲイン位相補償量参照表23
は運転状態に合せてゲイン補償値Kと位相補償値γが選
択される。ゲイン位相補償量参照表23への入力は、磁
束周波数演算器12により算出される2次磁束の回転周
波数である2次磁束角周波数ωo と、速度検出器7によ
り検出される電動機回転周波数fr である。ゲイン位相
補償量参照表23内には、あらかじめ第5実施形態のよ
うに演算された補償伝達関数の電源周波数の2倍周波数
成分のゲイン補償量と位相補償量が設定されていて、入
カパラメータにより、該当する値を出力するものであ
る。第5実施形態と比べ電庄軸演算器9と軸位相差演算
器10が不必要となる。
【0118】第8実施形態では、インバータが1パルス
モードで動作することを前提にしているため、出力電圧
の大きさは一定である。dq軸回転座標系での誘導電動機
の状態方程式(16)式より、出力電圧と2次磁束の関係
は、2次磁束角周波数ωO と電動機回転周波数fr が決
まれば一意に決まる。出力電圧の大きさが一定で、出力
電圧と2次磁束の関係が明らかであることは、2次磁束
軸から出力電圧軸までの位相角ρが一意に決まることを
示している。このため、テーブルヘの入力は、磁束周波
数とモータ周波数のみで、各補償値を一意に選ぶことが
できる。
【0119】以上述べた第8実施形態をとることで、第
5実施形態と同様な作用効果を得ることができる。電圧
軸演算器9と軸位相差演算器10が不必要となる分、制
御毎の演算量を低減することができる。
【0120】また、第7実施形態と比べると、入カパラ
メータの数が3つから2つに減るため、ゲイン位相補償
量参照表23に必要な記憶容量を低減することができ
る。
【0121】<第9実施形態>図10は、請求項11に
対応する第9実施形態の概略構成を示すブロック図であ
る。第1実施形態の図1では、トルクリプルを抑制する
ために、補償量の重畳をインバータ位相角の次元で行っ
ているのに対して、本実施形態では、インバータ角周波
数に補償している点が異なる。
【0122】具体的には、(33)〜(35), (42) 式に基づ
き補償量演算器15により算出された補償量Δθi は、
疑似微分器24に入力される。疑似微分器24では、入
力であるインバータ位相角補償量Δθi を疑似微分し、
インバータ角周波数補償量Δω,を出力する。インバー
タ角周波数補償量Δωi は加算器28により掛算器27
の出力であるインバータ角周波数基準ωi * と加算さ
れ、インバータ角周波数ωi となる。インバータ角周波
数ωi は、積分器18により積分され、この結果得られ
るインバータ位相角θi はゲート制御器19に与えられ
る。
【0123】以上のように構成をとることで、実施形態
1と同様な作用効果を得ることができる。更に、補償が
インバータ角周波数の演算課程で行われるため、インバ
ータ位相角の算出からインバータ位相角に基づくゲート
制御の部分をなんら変更する必要がない。よって、ソフ
トウェアにより実現する上では、インバータ位相角の演
算以下の部分を共有化することができる。
【0124】<第10実施形態>図11は、請求項12
に対応する第10実施形態の概略構成を示すブロック図
である。第5実施形態では、トルクリプルを抑制するた
めに、補償量の重畳をインバータ位相角の次元で行って
いるのに対して、本実施形態では、インバータ角周波数
に補償している点が異なる。
【0125】具体的には、ゲイン位相補償量演算器20
により算出された位相補償値γに加算器31により90
度を加える。同様にゲイン位相補償量演算器20により
演算されたゲイン補償値Kに掛算器32により電源の2
倍の周波数2ωsoを乗算する。
【0126】このように、ゲイン補償値Kに電源の2倍
の角周波数をかけ、位相補償値γに90度を加えること
は、正弦波を微分することと等価である。従って、第5
実施形態における補償量がインバー夕位相角の次元であ
ったので、本実施形態における補償量Δωi は、インバ
ータ角周波数の次元であると考えられる。
【0127】以上の構成をとることで、第5実施形態と
同様な作用効果を得ることができる。更に、補償がイン
バータ角周波数の演算課程で行われるため、インバータ
位相角の算出からインバータ位相角に基づくゲート制御
器19の部分をなんら変更する必要がない。よって、ソ
フトウェアにより実現する上では、インバータ位相角の
演算以下の部分を共有化することができる。
【0128】<第11実施形態>図12は、請求項13
に対応する第11実施形態の概略構成を示すブロック図
である。第7実施形態7では、トルクリプルを抑制する
ために、補償量の重畳をインバータ位相角の次元で行っ
ているのに対して、本実施形態では、インバータ角周波
数に補償している点が異なる。
【0129】ゲイン補償値Kと位相補償値γは、ゲイン
位相補償量参照表23から運転状態にあわせて選択され
る。ゲイン位相補償量参照表23への入力は、軸位相差
演算器10により演算される2次磁束軸から出力電圧軸
までの位相角ρと、磁束周波数演算器12により算出さ
れる2次磁束角周波数ωo と、速度検出器7により検出
される電動機回転周波数fr である。ゲイン位相補償量
参照表23内には、あらかじめ第5実施形態のように演
算された補償伝達関数の電源周波数の2倍周波数成分の
ゲイン位相補償量を基に、ゲインに関しては、2倍の電
源角周波数2ωsoを乗算したもの、位相に関しては90
度を加えたものを設定しておく。
【0130】ゲイン補償値に電源の2倍の角周波数をか
け、位相補償値に90度を加えることは、正弦波を微分
することと等価である。従って、第5実施形態における
位相補償量γは、インバー夕位相角の次元であったの
で、本実施形態における補償量Δωi は、インバータ角
周波数の次元であると考えられる。
【0131】以上の構成をとることで、第7実施形態と
同様な作用効果を得ることができる。更に、補償がイン
バータ角周波数の演算課程で行われるため、インバータ
位相角の算出からインバータ位相角に基づくゲート制御
の部分をなんら変更する必要がない。よって、ソフトウ
ェアにより実現する上では、インバータ位相角の演算以
下の部分を共有化することができる。
【0132】本実施形態は、第7実施形態を基本に説明
しているが、第8実施形態を基本としても同様な作用効
果が得られる。
【0133】<変形例>以上述べた実施形態は、インバ
ータ4の出力により駆動される誘導電動機6として三相
誘導電動機を例にあげて説明したが、インバータ4の出
力が単相で、誘導電動機6が単相の場合であっても同様
に実施できる。
【0134】また、以上述べた実施形態は、直流リンク
電圧を電圧検出器8で検出し、誘導電動機の2次磁束軸
から出力電圧軸までの位相角を電流検出器5、電圧軸演
算器9、2次磁束演算器11、軸位相差演算器10によ
り検出し、電動機速度を速度検出器7により検出した
が、これらを誘導電動機6に基づいて検出せずに演算に
より求めるようにしてもよい。
【0135】
【発明の効果】本発明によれば、インバータ出力周波数
が電源の2倍周波数の付近にある場合のトルクリプルを
抑制することができるビートレス制御装置を提供でき
る。このような構成のビートレス制御装置を電気車等の
乗り物に適用した場合には、乗客の乗り心地の改善、騒
音の低減、機械系・及び電気系の故障率の低下が期待で
きる。
【0136】また、本発明は理論的に求めた補償量によ
り逐次補償を行うため、いかなる運転状況あるいは、各
パラメータ値が異なるような制御対象でもトルクリプル
を抑制することができるため、調整にかかる時間と労力
を大幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態のビートレス装置の
システム構成図。
【図2】図1のインバータから出力される電庄のdq軸回
転座標系上でのベクトル図。
【図3】本発明の第2の実施の形態のビートレス装置の
システム構成図。
【図4】本発明の第3の実施の形態のビートレス装置の
システム構成図。
【図5】本発明の第4の実施の形態のビートレス装置の
システム構成図。
【図6】本発明の第5の実施の形態のビートレス装置の
システム構成図。
【図7】本発明の第6の実施の形態のビートレス装置の
システム構成図。
【図8】本発明の第7の実施の形態のビートレス装置の
システム構成図。
【図9】本発明の第8の実施の形態のビートレス装置の
システム構成図。
【図10】本発明の第9の実施の形態のビートレス装置
のシステム構成図。
【図11】本発明の第10の実施の形態のビートレス装
置のシステム構成図。
【図12】本発明の第11の実施の形態のビートレス装
置のシステム構成図。
【図13】従来のビートレス装置のシステム構成図。
【符号の説明】
1…単相電源 2…単相コンバータ 3…直流コンデンサ 4…インバータ 5…電流検出器 6…誘導電動機 7…速度検出器 8…電圧検出器 9…電圧軸演算器 10…軸位相差演算器 11…2次磁束演算器 12…磁束周波数演算器 13…平均値演算器 14…トルク電流演算器 15…補償量演算器 16…変動量演算器 17…滑り周波数演算器 18…積分器 19…ゲート制御器 20…ゲイン位相補償量演算器 21…ゲイン位相補償器 22…変動正弦波演算器 23…ゲイン位相補償量参照表 24…疑似微分器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−52383(JP,A) 特開 平4−58777(JP,A) 特公 平7−46918(JP,B2) 特公 昭61−48356(JP,B2) 電機学会論文誌D,第109巻,第5号, 1989,中村他「コンバータ・インバータ システムにおけるビート現象の抑制法」 p.363−369 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 5/408 - 5/412 H02P 7/628 - 7/632 H02P 21/00 JICSTファイル(JOIS)

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単相交流電力を直流電力に変換するコン
    バータと、該コンバータで変換された直流電力を任意の
    周波数の交流電力に変換するインバータと、該インバー
    タにより変換された交流電力に駆動される誘導電動機を
    有する電力変換装置において、 前記誘導電動機の2次磁束平均値φ2 * を求める手段
    と、 前記誘導電動機の2次磁束軸から出力電圧軸までの位相
    角ρを検出あるいは演算する手段と、 前記2次磁束軸に直交するトルク電流の平均値iq *
    演算するトルク電流演算手段と、 前記誘導電動機に与えられる2次磁束角周波数ωo を演
    算する磁束周波数演算手段と、 前記コンバータの出力側と前記インバータの入力側の直
    流リンク電圧Vdcを検出あるいは演算する手段と、 該直流リンク電圧の平均値から直流リンク電圧変動量Δ
    Vdcを演算する手段と、電動機回転周波数fr 及び電動機角周波数ωr を検出あ
    るいは演算する手段と、 前記電動機回転周波数fr と滑り角周波数基準fs *
    基づきインバータ周波数基準fi * を演算する手段と、 該インバータ周波数基準fi * を積分してインバータ位
    相角基準θi * を求める手段と、 前記電動機回転周波数fr と、前記電動機角周波数ωr
    と、前記直流リンク電圧変動量ΔVdcと、前記位相角
    ρ、ラプラス演算子と、前記直流リンク電圧Vdcと、前
    記2次磁束角周波数ωo と、伝達関数H1(s)と、前記2
    次磁束平均値φ2 * と、前記トルク電流の平均値iq
    * と、電動機1次抵抗R1 と、電動機2次抵抗R2 と、
    電動機1次自己インダクタンスL1 と、電動機2次自己
    インダクタンスL2 と、相互インダクタンスMとをそれ
    ぞれ入力し、(01) 〜(04) 式に基づきインバータ位相
    角への補償値Δθi を求める手段と、 該補償値Δθi とインバー夕位相角基準θi * を加算し
    てインバータ位相角θi とする手段と、 該インバータ位相角θi に従い前記インバータの出力電
    圧を制御する手段とを備えたことを特徴とするビートレ
    ス制御装置。 【数1】
  2. 【請求項2】 単相交流電力を直流電力に変換するコン
    バータと、該コンバータで変換された直流電力を任意の
    周波数の交流電力に変換するインバータと、該インバー
    タにより変換された交流電力に駆動される誘導電動機を
    有する電力変換装置において、 前記誘導電動機の2次磁束軸から出力電圧軸までの位相
    角ρを検出あるいは演算する手段と、 前記誘導電動機に与えられる2次磁束角周波数ωo を演
    算する磁束周波数演算手段と、 前記コンバータの出力側と前記インバータの入力側の直
    流リンク電圧Vdcを検出あるいは算出する手段と、 該直流リンク電圧の平均値からの直流リンク電圧変動量
    ΔVdcを演算する手段と、 動機回転周波数fr 及び電動機角周波数ωr を検出あ
    るいは演算する手段と、 前記電動機回転周波数fr と滑り角周波数基準fs *
    基づきインバータ周波数基準fi * を演算する手段と、 該インバータ周波数基準fi * を積分してインバータ位
    相角基準θi * を求める手段と、 前記電動機回転周波数fr と、前記電動機角周波数ωr
    と、前記直流リンク電圧変動量ΔVdcと、前記位相角
    ρ、ラプラス演算子と、前記直流リンク電圧Vdcと、前
    記2次磁束角周波数ωo と、伝達関数H2(s)と、電動機
    1次抵抗R1 と、電動機2次抵抗R2 と、電動機1次自
    己インダクタンスL1 と、電動機2次自己インダクタン
    スL2 と、相互インダクタンスMとをそれぞれ入力し、
    (05) 〜(08) 式に基づきインバータ位相角への補償値
    Δθi を求める手段と、 該補償値Δθi とインバー夕位相角基準θi * を加算し
    てインバータ位相角θi とする手段と、 該インバータ位相角θi に従い前記インバータの出力電
    圧を制御する手段とを備えたことを特徴とするビートレ
    ス制御装置。 【数2】
  3. 【請求項3】 前記インバータ位相角への補償値Δθi
    を求める手段は、前記電動機回転周波数fr と、前記直
    流リンク電圧変動量ΔVdcと、前記位相角ρ、ラプラス
    演算子と、前記直流リンク電圧Vdcと、前記2次磁束角
    周波数ωo と、伝達関数H3(s)と、電動機1次抵抗R1
    と、電動機2次抵抗R2 と、電動機1次自己インダクタ
    ンスL1 と、電動機2次自己インダクタンスL2 と、相
    互インダクタンスMとをそれぞれ入力し、(09) 〜(01
    2) 式に基づきインバータ位相角への補償値Δθi を求
    めることを特徴とする請求項2記載のビートレス制御装
    置。 【数3】
  4. 【請求項4】 単相交流電力を直流電力に変換するコン
    バータと、該コンバータで変換された直流電力を任意の
    周波数の交流電力に変換するインバータと、該インバー
    タにより変換された交流電力に駆動される誘導電動機を
    有する電力変換装置において、 前記誘導電動機の2次磁束平均値φ2 * を求める手段
    と、 前記誘導電動機の2次磁束軸から出力電圧軸までの位相
    角ρを検出あるいは演算する手段と、 前記2次磁束軸に直交するトルク電流の平均値iq *
    演算するトルク電流演算手段と、 前記コンバータの出力側と前記インバータの入力側の直
    流リンク電圧Vdcを検出あるいは算出する手段と、 該直流リンク電圧の平均値からの直流リンク電圧変動量
    ΔVdcを演算する手段と、 動機回転周波数fr 及び電動機角周波数ωr を検出あ
    るいは演算する手段と、 前記電動機回転周波数fr と滑り角周波数基準fs *
    基づきインバータ出力角周波数ωi * を演算するする手
    段と、 該インバータ出力角周波数ωi * を積分によりインバー
    タ位相角基準θi * を求める手段と、 前記電動機回転周波数fr と、前記電動機角周波数ωr
    と、前記直流リンク電圧変動量ΔVdcと、前記位相角
    ρ、ラプラス演算子と、前記直流リンク電圧Vdcと、前
    記インバータ出力角周波数ωi と、伝達関数H1(s)と、
    電動機1次抵抗R1 と、電動機2次抵抗R2 と、電動機
    1次自己インダクタンスL1 と、電動機2次自己インダ
    クタンスL2 と、前記2次磁束平均値φ2 * と、前記ト
    ルク電流の平均値iq * と、相互インダクタンスMと、
    をそれぞれ入力し、(013) 〜(016)式に基づきインバー
    タ位相角への補償値Δθi を求める手段と、 該補償値Δθi とインバー夕位相角基準θi * を加算し
    てインバータ位相角θi とする手段と、 該インバータ位相角θi に従い前記インバータの出力電
    圧を制御する手段とを備えたことを特徴とするビートレ
    ス制御装置。 【数4】
  5. 【請求項5】 単相交流電力を直流電力に変換するコン
    バータと、該コンバータで変換された直流電力を任意の
    周波数の交流電力に変換するインバータと、該インバー
    タにより変換された交流電力に駆動される誘導電動機を
    有する電力変換装置において、 前記誘導電動機の2次磁束軸から出力電圧軸までの位相
    角ρを検出あるいは演算する手段と、 前記コンバータの出力側と前記インバータの入力側の直
    流リンク電圧Vdcを検出あるいは算出する手段と、 該直流リンク電圧の平均値からの直流リンク電圧変動量
    ΔVdcを演算する手段と、 動機回転周波数fr 及び電動機角周波数ωr を検出あ
    るいは演算する手段と、 前記電動機回転周波数fr と滑り角周波数基準fs *
    基づきインバータ出力角周波数ωi を演算する手段と、 該インバータ周波数基準fi * を積分してインバータ位
    相角基準θi * を求める手段と、 前記電動機回転周波数fr と、前記電動機角周波数ωr
    と、前記直流リンク電圧変動量ΔVdcと、前記位相角
    ρ、ラプラス演算子と、前記直流リンク電圧Vdcと、前
    記インバータ出力角周波数ωi * と、伝達関数H2(s)
    と、電動機1次抵抗R1 と、電動機2次抵抗R2 と、電
    動機1次自己インダクタンスL1 と、電動機2次自己イ
    ンダクタンスL2 と、相互インダクタンスMと、をそれ
    ぞれ入力し、(017) 〜(020) 式に基づきインバータ位相
    角への補償値Δθi を求める手段と、 該補償値Δθi とインバー夕位相角基準θi * を加算し
    てインバータ位相角θi とする手段と、 該インバータ位相角θi に従い前記インバータの出力電
    圧を制御する手段とを備えたことを特徴とするビートレ
    ス制御装置。 【数5】
  6. 【請求項6】 前記補償量演算手段は、前記電動機回転
    周波数fr と、前記直流リンク電圧変動量ΔVdcと、前
    記位相角ρ、ラプラス演算子と、前記直流リンク電圧V
    dcと、前記インバータ出力角周波数ωi * と、伝達関数
    H3(s)と、電動機1次抵抗R1 と、電動機2次抵抗R2
    と、電動機1次自己インダクタンスL1 と、電動機2次
    自己インダクタンスL2 と、相互インダクタンスMとを
    それぞれ入力し、(021) 〜(024) 式に基づきインバータ
    位相角への補償値Δθi を求めることを特徴とする請求
    項5記載のビートレス制御装置。 【数6】
  7. 【請求項7】 前記直流リンク電圧変動量ΔVdcを演算
    する手段および前記インバータ位相角への補償値Δθi
    を求める手段を設けず、新たに、伝達関数の電源周波数
    の2倍の周波数成分のゲイン補償値Kと正弦波位相補償
    値とを演算する手段と、前記検出あるいは演算された直
    流リンク電圧の電源周波数の2倍の周波数で変動する正
    弦波を抽出する手段と、前記抽出された正弦波に、前記
    ゲイン補償値Kと前記正弦波位相補償値の位相差をつけ
    た正弦波を出力する手段と、前記出力正弦波を直流リン
    ク電圧で割りインバータ位相角基準への補償量とする手
    段を追加したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載のビートレス制御装置。
  8. 【請求項8】 前記インバータ位相角基準への補償量と
    する手段に対して制御周期を考慮した補正値を加算する
    手段を、さらに追加したことを特徴とする請求項7記載
    のビートレス制御装置。
  9. 【請求項9】 前記電源周波数の2倍の周波数成分のゲ
    インと位相とを算出する手段の代わりに、該伝達関数の
    演算に用いる変数をパラメータとしてあらかじめ算出さ
    れた該伝達関数の電源周波数の2倍の周波数成分のゲイ
    ンと位相とを出力する手段を追加することを特徴とする
    請求項7記載のビートレス制御装置。
  10. 【請求項10】 前記インバータを1パルスモードで動
    作させる場合に、伝達関数の電源周波数の2倍の周波数
    成分のゲインと位相とを算出する手段の代わりに、前記
    検出あるいは演算された2次磁束周波数と前記検出ある
    いは演算された2次磁束の周波数をパラメータとしてあ
    らかじめ算出された該伝達関数の電源周波数の2倍の周
    波数成分のゲインと位相とを出力する手段を追加したこ
    とを特徴とする請求項7記載のビートレス制御装置。
  11. 【請求項11】 前記インバータ位相角への補償値を疑
    似微分する手段と、該疑似微分された補償値とインバー
    夕周波数基準とを加算しインバータ周波数を算出する手
    段を追加したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載のビートレス制御装置。
  12. 【請求項12】 前記伝達関数の電源周波数の2倍の周
    波数成分のゲイン補償値Kと正弦波位相補償値とを演算
    する手段で算出された正弦波位相補償値を90度進ませ
    る手段と、前記演算されたゲイン補償値に電源周波数の
    2倍の角周波数を乗算する手段と、検出あるいは演算
    れた直流リンク電圧の電源周波数の2倍の周波数で変動
    する正弦波を抽出する手段と、該抽出された正弦波を算
    出されたゲインと位相とで補正する手段と、該出力正弦
    波を直流リンク電圧で割りインバータ周波数ヘの補償量
    とする手段と、該補償量とインバータ周波数基準を加算
    しインバータ周波数とする手段を追加したことを特徴と
    する請求項7記載のビートレス制御装置。
  13. 【請求項13】 単相交流電力を直流電力に変換するコ
    ンバータと、該コンバータで変換された直流電力を任意
    の周波数の交流電力に変換するインバータと、該インバ
    ータにより変換された交流電力に駆動される誘導電動機
    を有する電力変換装置において、 前記誘導電動機の2次磁束軸から出力電圧軸までの位相
    角ρを検出あるいは演算する手段と、 前記誘導電動機に与えられる2次磁束角周波数ωo を演
    算する磁束周波数演算手段と、 前記コンバータの出力側と前記インバータの入力側の直
    流リンク電圧Vdcを検出あるいは演算する手段と、 前記演算された2次磁束角周波数ωo と前記位相角ρと
    電動機回転周波数とをパラメータとするゲイン位相補償
    量参照表からゲイン補償値と位相補償値を出力するため
    の手段と、 前記検出あるいは演算された直流リンク電圧の電源周波
    数の2倍の周波数で変動する正弦波を抽出する手段と、 前記抽出された正弦波に、前記ゲイン補償値Kと前記正
    弦波位相補償値の位相差をつけた出力正弦波を出力する
    手段と、 前記出力正弦波を直流リンク電圧で割りインバータ位相
    角基準への補償量とする手段と、 を備えたことを特徴とする ビートレス制御装置。
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