JP2946157B2 - 誘導電動機の速度制御装置 - Google Patents

誘導電動機の速度制御装置

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JP2946157B2
JP2946157B2 JP5068398A JP6839893A JP2946157B2 JP 2946157 B2 JP2946157 B2 JP 2946157B2 JP 5068398 A JP5068398 A JP 5068398A JP 6839893 A JP6839893 A JP 6839893A JP 2946157 B2 JP2946157 B2 JP 2946157B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は誘導電動機の速度制御装
置に係り、特に、誘導電動機の速度を直接検出せずに、
誘導電動機の速度を推定し、この速度推定値に基づいて
誘導電動機の速度を制御するに好適な誘導電動機の速度
制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電流制御形インバータを用いて誘
導電動機を駆動し、この誘導電動機の速度を速度センサ
を用いずに推定する方法として、例えば、特開昭62−
23390号公報に記載されているように、誘導電動機
の出力電圧及び出力電流から電動機電流のq軸電流成分
(トルク電流成分)を検出し、この検出値と指令値との
偏差に応じて電動機の回転速度を推定する方式が知られ
ている。
【0003】速度センサを用いずに誘導電動機の回転速
度を推定する原理は、以下に説明する理論に基づいてい
る。すなわち、インバータは任意の電流値を与える電流
源と考えられる。従って、一次電流のd,q軸電流成分
Id,Iqが与えられると、一次角周波数ω1で回転す
るd−q軸上での誘導電動機の電圧、電流の方程式は次
の(1)式で表せる。
【0004】
【数1】 但し、 Vd:d軸電圧 Vq:q軸電圧 R1 :一次抵抗値 R2 :二次抵抗値 M :相互インダクタンス L2 :二次インダクタンス Lσ:漏れインダクタンス s :ラプラス演算子 φd:d軸二次磁束 φq:q軸二次磁束 ここで、電流制御形インバータを用いて誘導電動機を駆
動した場合、q軸電流Iqはq軸電流指令値Iq*によ
って制御できる。このため(1)式より、Iqは次の
(2)式で求められる。
【0005】 Iq=(ω1-ωr)(L2/M)(φd/R2) =ωs(L2/M)(φd/R2) ……………(2) ここで、ωrは回転速度である。
【0006】上記式から、一次角周波数ω1を変化させ
ることにより、滑り周波数ωsが変化し、q軸電流Iq
を制御することができる。従って、Iq*とIqの偏差
を増幅した信号によって一次角周波数ω1を制御すれ
ば、Iq*とIqを一致させることができる。このよう
な原理に従ってインバータを制御するに際して、実際に
は、q軸電流制御部の出力値を用いて一次角周波数ω1
を制御することが行なわれている。この場合、滑り周波
数ωsとq軸電流Iqは比例関係が成立するので、一次
角周波数ω1から滑り周波数ωs相当を減算した結果が
速度推定値に相当することとなる。そこで、q軸電流制
御部の出力値を速度推定値として速度制御部にフィード
バックすることによって速度センサを不要としている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来技術で
は、速度指令値と速度推定値に基づいてq軸電流指令値
Iq*を速度制御系において生成し、q軸電流指令値I
q*とq軸電流Iqとの偏差に応じて一次角周波数ω1
をq軸電流制御部において生成し、q軸電流制御部の出
力値を速度推定値として用いているため、速度推定値の
応答が、速度制御系の応答に依存し、速度制御系の応答
を高めると速度推定値の応答が下がり、速度制御系の応
答が低く制限されると言い問題点がある。すなわち、速
度制御系の応答が低いときには、誘導電動機の回転速度
が高くてもq軸電流制御部の応答を高くすれば速度制御
系の応答に追従することができる。しかし、誘導電動機
の応答を高めるには、速度制御系の応答を高くしなけれ
ばならない。ところが、速度制御系の応答が高くなる
と、インバータを駆動するための系の伝達関数が変わ
り、速度推定値の応答が低くなり、q軸電流制御部の出
力値を速度推定値として用いたのでは制御が不安定とな
る。
【0008】本発明の目的は、速度制御系及びq軸電流
制御系の出力値とは無関係な物理量から誘導電動機の速
度を推定することができる誘導電動機の速度制御装置を
提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明は、第1の装置として、交流電圧指令値に従
って誘導電動機を回転駆動するインバータと、速度指令
値と速度推定値に基づいて交流電流指令値を生成する交
流電流指令値生成手段と、インバータの出力電流を検出
する電流検出手段と、電流検出手段の検出電流と交流電
流指令値に基づいて交流電圧指令値を生成してインバー
タへ出力する交流電流制御手段と、インバータの出力電
圧を検出する電圧検出手段と、電圧検出手段の検出電圧
と電流検出手段の検出電流を基に電動機磁束と直交する
q軸電流成分とq軸電圧成分を生成する演算手段と、演
算手段により生成されたq軸電流成分とq軸電圧成分と
から速度推定値を生成して交流電流指令値生成手段へ出
力する速度推定値生成手段とを備えている誘導電動機の
速度制御装置を構成したものである。
【0010】第2の装置として、交流電圧指令値に従っ
て誘導電動機を回転駆動するインバータと、速度指令値
と速度推定値に基づいて交流電流指令値を生成する交流
電流指令値生成手段と、インバータの出力電流を検出す
る電流検出手段と、電流検出手段の検出電流と交流電流
指令値に基づいて交流電圧指令値を生成してインバータ
へ出力する交流電流制御手段と、交流電流制御手段の生
成による交流電圧指令値と電流検出手段の検出電流を基
に電動機磁束と直交するq軸電流成分とq軸電圧成分を
生成する演算手段と、演算手段により生成されたq軸電
流成分とq軸電圧成分とから速度推定値を生成して交流
電流指令値生成手段へ出力する速度推定値生成手段とを
備えている誘導電動機の速度制御装置を構成したもので
ある。
【0011】第3の装置として、PWM信号により誘導
電動機を回転駆動するインバータと、速度指令値と速度
推定値に基づいて交流電流指令値を生成する交流電流指
令値生成手段と、インバータの出力電流を検出する電流
検出手段と、電流検出手段の検出電流と交流電流指令値
に基づいて交流電圧指令値を生成する交流電流制御手段
と、交流電流制御手段の生成による交流電圧指令値に従
ってPWM信号を生成してインバータへ出力するPWM
信号生成手段と、PWM信号生成手段の生成によるPW
M信号と電流検出手段の検出電流を基に電動機磁束と直
交するq軸電流成分とq軸電圧成分を生成する演算手段
と、演算手段により生成されたq軸電流成分とq軸電圧
成分とから速度推定値を生成して交流電流指令値生成手
へ出力する速度推定値生成手段とを備えている誘導電
動機の速度制御装置を構成したものである。
【0012】前記各誘導電動機の速度制御装置を構成す
るに際しては、以下の要素を付加することができる。 (1)交流電流指令値生成手段は、速度指令値と速度推
定値との偏差を零に抑制するためのq軸電流指令値を生
成する速度制御手段と、q軸電流指令値と演算により得
られたq軸電流成分との偏差を零に抑制するためのq軸
電流制御信号を生成するq軸電流制御手段と、q軸電流
制御信号と速度推定値とを加算する加算手段と、加算手
段の出力信号とq軸電流指令値に基づいて交流電流指令
値を出力する交流電流出力手段とを備えて構成されてい
る。
【0013】 (2)交流電流指令値生成手段は、q軸電流制御信号を
含む速度推定値と速度指令値との偏差を零に抑制するた
めのq軸電流指令値を生成する速度制御手段と、q軸電
流指令値と演算により得られたq軸電流成分との偏差を
零に抑制するためのq軸電流制御信号を生成するq軸電
流制御手段と、q軸電流制御信号と速度推定値とを加算
してq軸電流制御信号を含む速度推定値を速度制御手段
へ出力する加算手段と、加算手段の出力信号とq軸電流
指令値に基づいて交流電流指令値を出力する交流電流出
力手段とを備えて構成されている。
【0014】
【作用】前記した手段によれば、インバータの出力電流
と出力電圧を基に算出されたq軸電流成分とq軸電圧成
分に従って速度推定値を求め、この速度推定値を速度制
御系へ入力することとしている。この速度推定値は速度
制御系及びq軸電流制御系の出力値とは無関係な物理量
から得られるため、速度制御系の応答に影響されること
なく誘導電動機の回転速度を推定することができる。従
って速度制御系の応答を高めることができ、高速応答の
速度制御が可能となる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。
【0016】図1は、本発明の一実施例を示す速度セン
サレスベクトル制御装置の全体構成を示す。図1におい
て、誘導電動機1はPWMインバータ2に接続されてお
り、PWMインバータ2のベクトル制御によって誘導電
動機1が回転駆動されるようになっている。PWMイン
バータ2は、交流電源からの交流電力を直流電力に変換
するコンバータ(図示省略)から直流電力を受け、交流
電流制御部22からの交流電圧指令値Vu*〜Vw*に
従って交流電力に変換し、この交流電力を電動機1に出
力するように構成されている。
【0017】すなわち、このインバータ2は、三角波発
生器及び比較器を含むPWM信号生成手段を備えてお
り、交流電流制御部22からの交流電圧指令値Vu*〜
Vw*に従ったPWM信号を生成し、このPWM信号に
従って直流電力を交流電力に変換し、三相交流電圧を誘
導電動機1に印加するように構成されている。そしてイ
ンバータ2と誘導電動機1とを結ぶ回路中にはインバー
タ2の出力電流を検出する電流検出手段としての電流検
出器3とインバータ2の出力電圧を検出する電圧検出手
段としての電圧検出器4が設けられている。電流検出器
3の検出電流は演算部19と加算器21に入力されてお
り、電圧検出器4の検出電圧は演算部19に入力されて
いる。演算部19は、電流検出器3の検出電流と電圧検
出器4の検出電圧及び基準位相信号発生部18からの磁
束位相指令θに従って電動機磁束を基準とした座標変換
を行なって、d軸磁束φd、q軸電流成分Iq、q軸電
圧成分Vqを生成する演算手段として構成されており、
d軸磁束φdが加算器7に入力され、q軸電流成分Iq
が速度推定部20及び加算器13に入力され、q軸電圧
成分Vqが速度推定部20に入力されている。
【0018】ここで、演算部19において生成されたq
軸電圧Vqは次の(3)式で表わされる。
【0019】 Vq=ω1 LσId+(R1+R2′+Lσ・s)Iq+ωr(M/L2)φd …………(3) ここで、(3)式の右辺第1項は実質的に小さいので、
(3)式は次の(4)式で近似することができる。
【0020】 Vq=(R1+R2′+Lσ・s)Iq+ωr(M/L2)φd ………(4) 但し、 R1 :一次抵抗値 R2′:一次換算二次抵抗値 Lσ :漏れインダクタンス値 M :相互インダクタンス値 L2 :二次インダクタンス値 φd:二次磁束値 速度推定部20は、後述するように、q軸電流成分Iq
とq軸電圧成分Vqとから速度推定値ωrを生成する速
度推定値生成手段として構成されており、速度推定値ω
rが加算器5に入力されている。
【0021】加算器5は速度指令値ωr*と速度推定値
ωrとの偏差に応じた信号を速度制御部6へ出力するよ
うになっている。速度制御部6は加算器5からの信号を
零に抑制するためのq軸電流指令値Iq*を生成し、生
成したq軸電流指令値Iq*を指令演算部9、滑り周波
数発生部15、減算部13へ出力するようになってい
る。すなわち、減算部5と速度制御部6は速度制御系を
形成するための速度制御手段として構成されている。減
算部13ではq軸電流指令値Iq*と演算により求めら
れたq軸電流成分Iqとの差が求められ、この差がq軸
電流制御部14に入力されている。q軸電流制御部14
は減算部13からの信号を零に抑制するためのq軸電流
制御信号を生成し、生成したq軸電流制御信号を加算器
17へ出力するq軸電流制御信号生成手段として構成さ
れている。そしてq軸電流制御部14で生成されたq軸
電流制御信号は、インバータ2に対する出力周波数指令
値ω1*を決定するための基本制御量として設定されて
いる。すなわち、滑り周波数発生部15にはq軸電流指
令値Iq*が入力されており、滑り周波数発生部15か
らはq軸電流指令値Iq*に基づいた滑り周波数ωsが
加算器17に入力されている。そして加算器17におい
て滑り周波数ωsとq軸電流制御信号とが加算され、加
算器17から出力周波数指令値ω1*が出力されるよう
になっている。この出力周波数指令値ω1*は基準位相
信号発生部18に入力されて積分され、磁束位相指令θ
として加算器11と演算部19に入力されている。
【0022】一方、減算部7には磁束指令値φd*と演
算により得られたd軸磁束φdが入力されており、減算
部7からは磁束指令値φd*とd軸磁束φdとの偏差に
応じた信号が磁束制御器8に入力されている。磁束制御
器8は減算部7からの信号を零に抑制するためのd軸電
流指令値Id*を生成し、生成したd軸電流指令値Id
*を指令演算部9と位相演算部10へそれぞれ入力する
ようになっている。指令演算部9は、誘導電動機1のト
ルクを制御するために、q軸電流指令値Iq*とd軸電
流指令値Id*に従って出力電流指令値I*を生成し、
生成した出力電流指令値I*を座標変換部12へ入力す
るようになっている。位相演算部10はq軸電流指令値
Iq*とd軸電流指令値Id*とに基づいて出力電流位
相値γを算出し、算出した出力電流位相値γを加算器1
1へ入力するようになっている。加算器11は出力電流
位相値γと磁束位相指令θとを加算して出力電流の位相
指令値を求め、この出力電流の位相指令値を座標変換部
12へ入力するようになっている。座標変換部12は、
出力電流指令値I*と出力電流位相指令値(θ+γ)に
従って、固定座標系の三相出力電流指令値Iu*〜Iw
*を求め、三相出力電流指令値Iu*〜Iw*を減算部
21へ入力するようになっている。減算部21は三相電
流出力指令値Iu*〜Iw*と電流検出器3の検出電流
Iu〜Iwとの偏差に応じた信号を交流電流制御部22
へ入力するようになっている。交流電流制御部22は減
算部21からの信号を零に抑制するための交流電圧指令
値Vu*〜Vw*を生成してインバータ2へ出力するよ
うになっている。すなわち減算部21と交流電流制御部
22は検出電流と交流電流指令値に基づいて交流電圧指
令値を生成する交流電流制御手段として構成されてい
る。そして交流電流制御部22からインバータ2に交流
電圧指令値Vu*〜Vw*が入力されると、インバータ
2は交流電圧指令値Vu*〜Vw*に出力電圧が比例す
るようにパルス幅制御される。そしてこのパルス幅制御
によって誘導電動機1の回転速度が制御されることにな
る。
【0023】次に、速度推定部20の具体的構成を図2
に従って説明する。
【0024】速度推定部20を構成するに際しては、以
下の点が考慮されている。すなわち、q軸電圧Iqが誘
導電動機1に印加されて誘導電動機が回転すると、誘導
電動機1内部で速度起電力E0が発生し、q軸電圧Vq
と速度起電力E0との差(Vq−E0)と誘導電動機1の
漏れインピーダンス要素(1/(R+Lρ・s))に応
じてq軸電流Iqが流れる。なお、抵抗Rは誘導電動機
の一次側から見た一次と二次の抵抗の合成値である。
【0025】上記の内容が考慮された速度推定部20は
4ブロック20a〜20dから構成されている。まずブ
ロック20aでは、漏れインピーダンス要素の逆モデル
として予め設定された漏れインピーダンス要素(R+L
ρ・s)とq軸電流成分Iqとを乗算して漏れインピー
ダンス電圧降下を算出するようになっている。すなわち
ブロック20aは電圧降下算出手段として構成されてい
る。ブロック20bでは、q軸電圧成分Vqと漏れイン
ピーダンス電圧降下との差(Vq−Vz)を演算して速
度起電力の推定値E1を算出するようになっている。す
なわちブロック20bは速度起電力算出手段として構成
されている。またブロック20cは、ブロック20bで
算出された速度起電力の推定値E1にL2/(M・φd)
を乗算して周波数の信号を生成するようになっている。
ブロック20dは時定数Tの一次遅れ要素を含むフィル
タ手段として構成されており、ブロック20dにブロッ
ク20cの信号が入力されると、q軸電流成分Iqなど
に含まれるリプル、ノイズ成分が除去された速度推定値
ωrが得られる。
【0026】このように、本実施例によれば、速度制御
部6及びq軸電流制御部14の出力値とは無関係なq軸
電圧成分Vqとq軸電流成分Iqに従って速度推定値ω
rを算出するようにしたため、速度制御系の応答を高く
しても速度の推定に遅れが生じるのを防止することがで
き、高い応答の速度制御系を実現することができる。
【0027】また速度推定部20を構成するに際して
は、図3に示すように、6個のブロック20b〜20g
によって構成することができる。
【0028】本実施例における速度推定部20と図2に
示す速度推定部20との相異点は、一次遅れ要素を含む
ブロック20dをブロック20bとブロック20gとの
間に設け、ブロック20aをブロック20f,20eに
分割し、ブロック20aに含まれていた微分要素(s)
を無くし、q軸電流成分Iqに含まれるリプル成分によ
る演算誤差の発生を抑えるようにしたことに特徴があ
る。そしてブロック20fは、誘導電動機1の漏れイン
ダクタンスを所定の時定数Tで除算した値から誘導電動
機の一次換算抵抗Rを減算し、この演算により得られた
値にq軸電流成分Iqを乗算する第1乗算手段として構
成されている。ブロック20eは誘導電動機1の漏れイ
ンダクタンスを時定数Tで乗算した値とq軸電流成分I
qとを乗算する第2乗算手段として構成されている。ブ
ロック20はq軸電圧成分Vqとブロック20fの出力
とを加算する加算手段として構成されている。ブロック
20dはブロック20bの出力を時定数Tを有する一次
遅れ要素で積分するフィルタ手段として構成されてい
る。ブロック20gは、ブロック20dの出力とブロッ
ク20eの出力の差から速度起電力の推定値E1を算出
する速度起電力算出手段として構成されている。ブロッ
ク20cは、ブロック20gで算出された速度起電力の
推定値E1にL2/(M・φd)を乗算し、速度起電力の
推定値E1を速度推定値ωrに変換する推定値変換手段
として構成されている。
【0029】本実施例においても、前記実施例と同様
に、速度制御部6及びq軸電流制御部14の出力値とは
無関係なq軸電圧成分Vqとq軸電流成分Iqに従って
速度推定値ωrを算出しているため、高い応答の速度制
御系を実現することができる。
【0030】また前記実施例では、速度推定部20で算
出された速度推定値ωrを減算部5にのみフィードバッ
クするものについて述べたが、図1の波線で示すよう
に、q軸電流制御部14と加算器17との間に加算器1
6を設け、速度推定部20で算出された速度推定値ωr
を加算器16に入力し、加算器16の出力を加算器17
に入力するように構成することもできる。
【0031】この場合、速度推定値ωrは速度変化(速
度起電力の変化)に対する応答遅れがほとんどないた
め、q軸電流制御部14の出力値の変化よりも早く速度
推定値ωrが変化することから、速度変化時の電流偏差
が減少し、電流のオーバシュートを防止することができ
る。
【0032】次に、本発明の他の実施例を図4に従って
説明する。
【0033】本実施例は、図1に示すq軸電流制御部1
4と加算器17との間に加算器16を設け、速度推定部
20で算出された速度推定値ωrを加算器16のみに入
力し、加算器16の出力を速度推定値として減算部5に
入力するようにしたものであり、他の構成は図1のもの
と同様であるので、同一のものには同一符号を付してそ
れらの説明は省略する。
【0034】本実施例においても、前記実施例と同様
に、速度制御部6及びq軸電流制御部14の出力値とは
無関係なq軸電圧成分Vqとq軸電流成分Iqに従って
速度推定値ωrを算出するようにしたため、応答の高い
速度制御系を実現することができる。
【0035】また、前記各実施例においては、q軸電圧
成分Vqとq軸電流成分Iqを求めるに際して、電流検
出器3の検出電流と電圧検出器4の検出電圧を基に座標
変換するものについて述べたが、電圧検出器4の検出電
圧を用いる代わりに、交流電流制御部22の出力値Vu
*〜Vw*を用いることができると共に、交流電流制御
部22の出力値Vu*〜Vw*に応じたパルス幅のPW
M信号を用い、これらの信号を基に座標変換して求めた
q軸電圧成分Vqを用いることもできる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
速度制御系及びq軸電流制御系の出力値とは無関係な物
理量に従って速度推定値を算出するようにしたため、高
い応答の速度制御系を実現することができ、誘導電動機
の応答速度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す速度センサレスベクト
ル制御装置の全体構成図である。
【図2】速度推定部の具体的構成図である。
【図3】速度推定部の他の実施例を示す具体的構成図で
ある。
【図4】本発明の他の実施例を示す全体構成図である。
【符号の説明】
1 誘導電動機 2 PWMインバータ 3 電流検出器 4 電圧検出器 5 減算部 6 速度制御部 7 減算部 8 磁束制御器 9 指令演算部 10 位相制御部 13 減算部 14 q軸電流制御部 15 滑り周波数発生部 16,17 加算器 18 基準位相信号発生部 19 演算部 20 速度推定部 21 減算部 22 交流電流制御部
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H02P 5/408 - 5/412 H02P 7/628 - 7/632 H02P 21/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電圧指令値に従って誘導電動機を回
    転駆動するインバータと、速度指令値と速度推定値に基
    づいて交流電流指令値を生成する交流電流指令値生成手
    段と、インバータの出力電流を検出する電流検出手段
    と、電流検出手段の検出電流と交流電流指令値に基づい
    て交流電圧指令値を生成してインバータへ出力する交流
    電流制御手段と、インバータの出力電圧を検出する電圧
    検出手段と、電圧検出手段の検出電圧と電流検出手段の
    検出電流を基に電動機磁束と直交するq軸電流成分とq
    軸電圧成分を生成する演算手段と、演算手段により生成
    されたq軸電流成分とq軸電圧成分とから速度推定値を
    生成して交流電流指令値生成手段へ出力する速度推定値
    生成手段とを備えている誘導電動機の速度制御装置。
  2. 【請求項2】 交流電圧指令値に従って誘導電動機を回
    転駆動するインバータと、速度指令値と速度推定値に基
    づいて交流電流指令値を生成する交流電流指令値生成手
    段と、インバータの出力電流を検出する電流検出手段
    と、電流検出手段の検出電流と交流電流指令値に基づい
    て交流電圧指令値を生成してインバータへ出力する交流
    電流制御手段と、交流電流制御手段の生成による交流電
    圧指令値と電流検出手段の検出電流を基に電動機磁束と
    直交するq軸電流成分とq軸電圧成分を生成する演算手
    段と、演算手段により生成されたq軸電流成分とq軸電
    圧成分とから速度推定値を生成して交流電流指令値生成
    手段へ出力する速度推定値生成手段とを備えている誘導
    電動機の速度制御装置。
  3. 【請求項3】 PWM信号により誘導電動機を回転駆動
    するインバータと、速度指令値と速度推定値に基づいて
    交流電流指令値を生成する交流電流指令値生成手段と、
    インバータの出力電流を検出する電流検出手段と、電流
    検出手段の検出電流と交流電流指令値に基づいて交流電
    圧指令値を生成する交流電流制御手段と、交流電流制御
    手段の生成による交流電圧指令値に従ってPWM信号を
    生成してインバータへ出力するPWM信号生成手段と、
    PWM信号生成手段の生成によるPWM信号と電流検出
    手段の検出電流を基に電動機磁束と直交するq軸電流成
    分とq軸電圧成分を生成する演算手段と、演算手段によ
    り生成されたq軸電流成分とq軸電圧成分とから速度推
    定値を生成して交流電流指令値生成手段へ出力する速度
    推定値生成手段とを備えている誘導電動機の速度制御装
    置。
  4. 【請求項4】 交流電流指令値生成手段は、速度指令値
    と速度推定値との偏差を零に抑制するためのq軸電流指
    令値を生成する速度制御手段と、q軸電流指令値と演算
    により得られたq軸電流成分との偏差を零に抑制するた
    めのq軸電流制御信号を生成するq軸電流制御手段と、
    q軸電流制御信号と速度推定値とを加算する加算手段
    と、加算手段の出力信号とq軸電流指令値に基づいて交
    流電流指令値を出力する交流電流出力手段とを備えて構
    成されている請求項1、2または3記載の誘導電動機の
    速度制御装置。
  5. 【請求項5】 交流電流指令値生成手段は、q軸電流制
    御信号を含む速度推定値と速度指令値との偏差を零に抑
    制するためのq軸電流指令値を生成する速度制御手段
    と、q軸電流指令値と演算により得られたq軸電流成分
    との偏差を零に抑制するためのq軸電流制御信号を生成
    するq軸電流制御手段と、q軸電流制御信号と速度推定
    値とを加算してq軸電流制御信号を含む速度推定値を速
    度制御手段へ出力する加算手段と、加算手段の出力信号
    とq軸電流指令値に基づいて交流電流指令値を出力する
    交流電流出力手段とを備えて構成されている請求項1、
    2または3記載の誘導電動機の速度制御装置。
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