JP3310193B2 - 電力変換装置 - Google Patents

電力変換装置

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JP3310193B2
JP3310193B2 JP07708797A JP7708797A JP3310193B2 JP 3310193 B2 JP3310193 B2 JP 3310193B2 JP 07708797 A JP07708797 A JP 07708797A JP 7708797 A JP7708797 A JP 7708797A JP 3310193 B2 JP3310193 B2 JP 3310193B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンバータと、そ
の直流出力電圧を入力して、可変電圧・可変周波数の交
流に変換するインバータとを備えてなる誘導電動機を駆
動する電力変換装置に関する。
【0002】
【従来の技術】交流電源からコンバータにより直流を得
るシステムでは、コンバータからコンバータの出力側に
接続されるコンデンサに流れる電流に高調波が重畳する
ため、直流リンク電圧(コンデンサ端子間電圧)が脈動
する。脈動の周波数は、電源が3相の場合、電源周波数
fsoの6倍の周波数6fsoであり、電源が単相の場合、
電源周波数fsoの2倍の周波数2fsoである。そしてイ
ンバータにより直流電圧から3相交流をつくりだす場
合、直流リンク電圧の変動により、相電流のビート現象
とトルクのリプルが発生し問題となる。相電流のビート
現象とは、直流リンク電圧の変動周波数とインバータ周
波数fi の差の周波数で、相電流が振動する現象であ
り、トルクに関しては直流リンク電圧の変動の周波数で
リプルが生じる。特に、電源が単相である場合に、直流
リンク電圧の変動周波数が低いため、問題となる。電源
周波数が50Hz,60Hzの場合には、直流リンク電圧の
変動周波数は、 100Hz, 120Hzとなる。特公平7-46
918 号公報には、相電流のビート現象に関して、その原
因が相電圧に重畳する正負間のアンバランス電圧にある
として、このアンバランスを除去する制御方式が記載さ
れている。
【0003】そして、上記公報では、電流ビートに関し
て、インバータ周波数を調整する際補正係数と位相とを
微調整することでトルクリプルが抑制できる点を指摘し
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報では、補正係数と位相とを微調整することでトルクリ
プルが抑制できるという点に関しては、シミュレーショ
ンの結果からその効果を指摘するのみで、その根拠は一
切述べられていない。また、インバータ周波数に応じた
調整が必要である点を指摘しているものの、理論的な裏
付がないため調整法が不明確であり、実際の調整は困難
であるという問題がある。
【0005】そこで本発明は、上述した問題点を解決す
るためになされたもので、トルクリプルを理論的に導か
れる補償法により抑制し、又は制御対象や運転状況が変
化してもトルクリプルを確実に抑制する電力変換装置を
提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述した問題点を解決す
るために、請求項1に記載の発明は、交流を直流に変換
して出力するコンバータと、このコンバータが出力した
直流を任意の周波数の交流に変換して出力するインバー
タと、このインバータが出力した交流により駆動される
誘導電動機と、この誘導電動機のトルク変動を検出し、
磁束軸とこの磁束軸に直交するトルク軸とからなる回転
座標系上で、磁束成分電流が脈動したまま、トルク成分
電流が一定になるように、前記変動に応じて前記インバ
ータが出力する交流の電圧ベクトルを調整するベクトル
制御手段とを有してなる。
【0007】請求項2に記載の発明は、交流を直流に変
換して出力するコンバータと、このコンバータが出力し
た直流を任意の周波数の交流に変換して出力するインバ
ータと、このインバータが出力した交流により駆動され
る誘導電動機と、この誘導電動機のトルク変動を検出
し、磁束軸とこの磁束軸に直交するトルク軸とからなる
回転座標系上で、磁束成分電流が脈動したまま、トルク
成分電流が一定になるように、前記変動に応じて前記磁
束軸から前記インバータが出力する交流の電圧ベクトル
までの位相角を調整するベクトル制御手段とを有してな
る。
【0008】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の発明において、前記ベクトル制御手段は、前記磁束軸
から前記インバータが出力する交流の電圧ベクトルまで
の位相角を調整する代わりに、前記インバータの出力周
波数を調整することを特徴とする。
【0009】請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請
求項3のいずれかに記載の発明において、前記ベクトル
制御手段は、磁束成分電流が脈動したまま、トルク成分
電流が一定になるように制御する代わりに、前記誘導電
動機のトルクが一定になるように制御することを特徴と
する。
【0010】請求項5に記載の発明は、請求項1乃至請
求項3のいずれかに記載の発明において、前記ベクトル
制御手段は、磁束成分電流が脈動したまま、トルク成分
電流が一定になるように制御する代わりに、前記インバ
ータの消費電力が一定になるように制御することを特徴
とする。
【0011】請求項6に記載の発明は、請求項1乃至請
求項3のいずれかに記載の発明において、前記ベクトル
制御手段は、磁束成分電流が脈動したまま、トルク成分
電流が一定になるように制御する代わりに、前記インバ
ータへ流入する電流が一定になるように制御することを
特徴とする。
【0012】請求項7に記載の発明は、請求項1乃至請
求項3のいずれかに記載の発明において、前記ベクトル
制御手段は、磁束成分電流が脈動したまま、トルク成分
電流が一定になるように制御する代わりに、前記回転座
標系上での前記インバータの出力電流の大きさが一定に
なるように制御することを特徴とする。
【0013】請求項8に記載の発明は、交流を直流に変
換して出力するコンバータと、このコンバータが出力し
た直流を任意の周波数の交流に変換して出力するインバ
ータと、このインバータが出力した交流により駆動され
る誘導電動機と、この誘導電動機のトルク変動を検出
し、磁束軸とこの磁束軸に直交するトルク軸とからなる
回転座標系上で、トルク成分電流が一定になるように、
前記変動に応じて磁束成分電圧とトルク成分電圧とを調
整するベクトル制御手段とを有してなる。
【0014】請求項9記載の発明は、交流を直流に変換
して出力するコンバータと、このコンバータが出力した
直流を任意の周波数の交流に変換して出力するインバー
タと、このインバータが出力した交流により駆動される
誘導電動機と、この誘導電動機のトルク変動を検出し、
磁束軸とこの磁束軸に直交するトルク軸とからなる回転
座標系上で、磁束成分電流が脈動するように、前記変動
に応じて前記磁束成分電流を調整するベクトル制御手段
とを有してなる。
【0015】請求項10に記載の発明は、請求項1乃至請
求項9のいずれかに記載の発明において、前記ベクトル
制御手段による調整は、前記インバータの出力電圧の半
サイクルに含まれるパルス数が1である制御モードで行
うことを特徴とする。
【0016】請求項11に記載の発明は、請求項1乃至請
求項9のいずれかに記載の電力変換装置において、前記
ベクトル制御手段による調整は、前記インバータの出力
電圧の半サイクルに含まれるパルス数に応じて行なわな
いことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態につ
いて図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の
第1の実施の形態を示す電力変換装置の構成図である。
単相コンバータ2は電源1の単相交流を直流に変換し、
更にインバータ4は直流を交流に変換して誘導電動機6
を駆動する。電源1は、単相を想定する。この場合、単
相コンバータ2から直流コンデンサ3へ流れる電流に電
源1の電源周波数の2倍周波数の高調波が含まれるた
め、直流リンク電圧は電源周波数の2倍の周波数で脈動
する。本実施の形態ではインバータ4を動作し誘導電動
機6を駆動する制御方式としては、いわゆるベクトル制
御方式であるとする。ベクトル制御は、電流・電圧・磁
束をベクトル量として制御する方式であり、dq軸とし
て定義される回転する座標系上で制御を行う。d軸は磁
束軸と呼ばれ、q軸はトルク軸と呼ばれる。ベクトル制
御は、種々な文献:例えば電気学会発行の「電気機器工
学II」などにより公知の技術であり、多くの方式が存
在する。本実施の形態では例えば、滑り角周波数を適切
に制御することで誘導電動機6の2次磁束をd軸に一致
させる滑り周波数形ベクトル制御により制御し、電流マ
イナーループを持たない構成としている。
【0018】具体的にベクトル制御装置18の構成を説明
する。滑り角周波数演算器10は、後述する2次磁束指令
値φ2d* とトルク指令値Tm * を入力して滑り角周波数
基準ωs * を計算し、加算器101 は、速度検出器7によ
り検出されたモータ速度ωrと滑り角周波数基準ωs *
とを加算することによりインバータ角周波数ωi を算出
する。インバータ角周波数ωi は積分器11により積分さ
れ、インバータの出力電圧位相基準値θi * となる。d
軸電流指令演算器12は2次磁束指令値φ2d* を入力して
1次d軸電流指令値id * を算出する。又q軸電流指令
演算器13は、2次磁束指令値φ2d* とトルク指令値Tm
* を入力として、1次q軸電流指令値iq * を算出す
る。そしてd軸電圧指令演算器14とq軸電圧指令演算器
15は、1次d軸電流指令値id * と1次q軸電流指令値
iq * を入力して、それらの電流を流すために必要な
d,q軸電圧指令値Vd * ,Vq * を算出する。座標系
変換器16では、dq軸回転座標系上の電圧指令値Vd
* ,Vq * から電圧指令値の大きさ|V|とd軸に対す
る電圧指令ベクトル(Vd * ,Vq * )の位相角基準値
θv * (図2参照)を算出する。この電圧指令の位相角
基準値θv * は、後述する補正量Δθv と加算器102 に
より加算されてdq軸回転座標系上の出力電圧の位相角
θv となり、さらに加算器103 により出力電圧位相角基
準値θi * と加算され、出力電圧位相角θi となる。ゲ
ート制御器17は、出力電圧位相角θi に従い、インバー
タ4を駆動するゲート信号を発生する。
【0019】更に、ベクトル制御装置18はインバータ4
が1パルスで動作する場合のベクトル制御系を構成して
いる。1パルス時のベクトル制御に関しては文献(「電
圧固定モードでのベクトル制御」、H7電気学会産業応
用部門全国大会、No.196)により公知である。磁束
指令補正器9では、dq軸回転座標系上での出力電圧指
令値の大きさ|V|と後述する直流リンク電圧の大きさ
を比較し、一致するように2次磁束基準φd ref を補正
して2次磁束指令値φ2d* を出力する。
【0020】電圧検出器8は、直流リンク電圧Vdcを検
出し、変動量演算器19は、直流リンク電圧Vdcの変動量
である変動正弦波ΔVdcを算出する。補償量演算器20は
この直流リンク電圧の変動量ΔVdcと直流リンク電圧V
dcを入力する。補償量演算器20は、例えば図3のように
構成される。補償ゲイン演算器21、補償位相演算器22
は、インバータの出力角周波数ωi 、モータの角周波数
ωr 、2次磁束指令値φ2d* 、1次q軸電流指令値iq
* 、dq軸回転座標系上での出力電圧の位相角θv 、電
源周波数ωsoあるいは直流リンク電圧Vdcの変動周波数
およびモータのパラメータを入力して、補償ゲインK、
補償位相γをそれぞれ算出する。
【0021】これらの演算は、例えば、後述する(2
9),(30)式から算出したり、あるいは、各入力パラ
メータに対する表を持ち、その表から読み出し行っても
かまわない。正弦波ゲイン位相調整器23は、変動量演算
器19の出力である直流リンク電圧の変動正弦波ΔVdcに
対して、図4のように補償ゲインKによりその振幅の補
償を施し、また、補償位相γによりその位相の補償を施
す。正弦波ゲイン位相調整器23の出力は、やはり正弦波
となる。この出力正弦波は、直流リンク電圧Vdcで除算
され、インバータのdq軸上での出力電圧位相角への補
正量Δθv となる。この補正量Δθv は、座標系変換器
16の出力であるdq軸出力電圧の位相角基準値θv *
加算器102 で加算されて、dq軸回転座標系上での出力
電圧位相角θv となる。この出力電圧位相角θv は、回
転座標系d軸の固定座標a軸に対する位相の基準である
出力電圧位相角基準値θi * と加算器103 で加算されイ
ンバータの出力電圧位相角θi となる。図2は、dq軸
回転座標系上での出力電圧ベクトルの様子を表すもの
で、出力電圧ベクトル基準V* (ベクトル記号→は省略
する以下同様。)と補正後の出力電力ベクトルVを表し
ている。d軸から出力電圧ベクトル基準V* までの位相
角がθv * 、基準に重畳する位相角補正量がΔθv、前
記の両者を加算したd軸から出力電圧ベクトルVまでの
位相角がθv となる。
【0022】ゲート制御器17では、インバータの出力電
圧位相角θi を基にゲート信号を発生する。上記の構成
により、トルクリプルが抑制できる原理を以下に説明す
る。
【0023】まず初めに、直流リンク電圧Vdcが変動す
る条件下で、誘導電動機6に発生するトルクリプルを抑
制する原理を簡単に示し、その後、理論的考察によりト
リクリプルを抑制する制御方式を示す。
【0024】本実施の形態では2次磁束軸とd軸とを一
致させたdq軸回転座標系を導入する。dq軸回転座標
系は、2次磁束の回転周波数に合わせ、静止座標系上を
回転する。d軸は、磁束軸と呼ばれ、q軸は、トルク軸
と呼ばれる。直流リンク電圧Vdcに変動が無い定常状態
では、dq軸回転座標系上での各状態量は、直流量とな
る。このdq軸回転座標系上での考察は、いわゆるベク
トル制御と同様な考え方に基づくことを表している。誘
導電動機6に発生するトルクは、厳密には、外積に係数
をかけた値となるが、2次磁束とそれに直交する1次電
流成分であるトルク電流(q軸電流)Iq との積とな
り、図5(a)に示す面積になる。
【0025】仮に、図5(b)のように直流リンク電圧
Vdcが一定であるとした場合、インバータ4の出力電圧
ベクトルVはdq軸回転座標上で静止する。出力電圧ベ
クトルVが静止するため、同様に電流ベクトルI1 も静
止する。従ってq軸電流すなわちトルク電流Iq にリプ
ルが存在しないため、トルクリプルも発生しない。
【0026】しかし図5(c)のように直流リンク電圧
Vdcが変動する場合、出力電圧ベクトルVの大きさも変
動する。特に、1パルスモードと呼ばれる動作モードで
は、出力電圧の大きさを任意に制御することが不可能で
あるため、直流リンク電圧Vdcの変動は、そのまま、出
力電圧に影響を与える。インバータ4の電流は、出力電
圧に応じて流れるため、電流ベクトルI1 も変動が生じ
ることになる。このため、トルク電流Iq が変動し、ト
ルクリプルが発生する。
【0027】1パルスモードを含む全ての動作モード
で、d軸から出力電圧ベクトルの位相角θv は操作する
ことが可能である。そこで、図6のように位相角θv を
操作し、トルク電流Iq を一定に制御する。これは、d
q軸座標系上の出力電圧ベクトルVの変動の軌跡を変化
させる結果である。1パルスモードでは、出力電圧ベク
トルVの大きさは、直流リンク電圧Vdcにより一意に決
まるため、直流リンク電圧Vdcが変動する場合には、出
力電圧ベクトルVの大きさも変動し、この変動を抑制す
ることは不可能である。本方式では、直流リンク電圧V
dcの変動の影響を、すべて励磁(d軸)電流Id のリプ
ルに反映させ、トルク(q軸)電流を一定に制御する。
励磁電流Id の変動に対して2次磁束の追従特性は遅
く、2次磁束はほぼ一定となる。トルク電流も2次磁束
も変動がないために、トルクの変動を抑制することが可
能となる。
【0028】以上、トルクリプル抑制の原理を簡単に示
した。以下、理論的な考察から、図1の構成をとること
により、トルクリプルを抑制することが可能であること
を示す。一般に、誘導電動機6の特性はdq軸回転座標
系上で以下に記述される。発生トルクは、(3)式で表
される。
【0029】
【数1】
【0030】ただし、Vd :d軸1次電圧 Vq :q軸1次電圧 id :d軸1次電流 iq :q軸1次電流 φ2d:d軸2次磁束 φ2q:q軸2次磁束 ωr :モータの回転角周波数 ωs :滑り角周波数 ωi :インバータ出力角周波数 R1 :1次抵抗 R2 :2次抵抗 L1 :1次自己インダクタンス L2 :2次自己インダクタンス M:相互インダクタンス R12:R1 +R2 ・M2 /L2 2 σ:1−M2 /(L1 ・L2 ) S:ラプラス演算子 Tm :モータトルク d軸を2次磁束軸に一致するように選ぶと、q軸2次磁
束φ2qは零となり、座標の回転速度であるインバータの
出力周波数ωi は、2次磁束角周波数ωφに一致する。
従って(1)〜(3)式は次式に変換できる。
【0031】
【数2】
【0032】ただし、ωφ:2次磁束角周波数 dq軸回転座標系上での各状態量に対し、平均値には ̄
をつけて表し、変動する成分にはΔをつけて表す。ここ
で、変動する成分とは、特に直流リンク電圧Vdcの変動
周波数であるとする。図1の単相電源の場合、電源が50
Hzなら 100Hzの変動成分であり、電源が60Hzとす
ると、 120Hzの変動成分となる。
【0033】
【数3】 変動量に関する状態方程式は次式となる。
【0034】
【数4】
【0035】(8)式をd軸2次磁束の変動量Δφ2dと
トルク電流の変動量Δiq について解き、(9)式に代
入することにより、トルク変動量ΔTm をdq軸出力電
圧変動量ΔVd ,ΔVq により表すことができる。
【0036】
【数5】 (10) 式のトルク変動を零とする。この条件におけ
る、dq軸出力電圧の変動量ΔVq ,ΔVq の関係が算
出される。
【0037】
【数6】
【0038】従ってd軸出力電圧の変動量ΔVd とq軸
出力電圧の変動量ΔVq とが、(14)式のような関係を
とることにより、トルクリプルを低減することができ
る。電源角周波数をωsoとすると、その2倍の周波数2
ωsoでのトルクリプルが問題となる。したがって、d軸
出力電圧の変動量ΔVd を(16)式とすれば、q軸出力
電圧の変動量ΔVq が(17)式となる場合にトルクリプ
ルが抑制できることになる。
【0039】
【数7】 ΔVd =ΔVsin(2ωsot+ψ) (16) ΔVq =K・ΔVsin(2ωsot+ψ+γ) (17) K=|H1 (2jωso)| (18) γ=arg{H1 (2jωso)} (19) ただし、ωso:電源角周波数 j:複素数 図7,図8は、シミュレーションの結果から、dq軸出
力電圧ベクトルの変動の軌跡を描いたものである。横軸
にd軸出力電圧の変動量ΔVd を表し、縦軸にq軸出力
電圧の変動量ΔVq を描いている。図7は、トルクリプ
ルが残っている場合のdq軸出力電圧の変動軌跡であ
り、図8は、トルクリプルが抑制されている場合のdq
輸出電圧の変動軌跡である。図7,図8とも、(a)は
検出されたd軸出力電圧の変動量ΔVd に対して、(1
6)〜(19)式により求めたq軸出力電圧の変動量ΔVq
を描いたものであり、(b)は検出されたd軸出力電
圧の変動量ΔVd に対して、検出されたq軸出力電圧の
変動量ΔVq を描いたものである。(c)は、(a)と
(b)を重ね合わせたものである。トルクリプルが残る
図7では、(a)と(b)の軌跡が一致しない。これ
は、(14)式が満たされないことを表している一方、ト
ルクリプルが抑制される図8の場合、(a)と(b)の
軌跡が一致し、(14)式が満たされていることが確認で
きる。このことは、上述の解析結果が妥当であることを
表している。
【0040】次に、dq軸出力電圧の変動量ΔVq ,Δ
Vq とdq軸出力電圧ベクトルVの関係を導く。図2
は、dq軸回転座標系上でのインバータの出力電圧ベク
トルVを示している。d軸すなわち2次磁束軸を実軸、
q軸を虚軸とすると、電圧ベクトルVは、次式により表
すことができる。
【0041】
【数8】
【0042】Vdcは直流リンク電圧であり、θv はd軸
すなわち2次磁束軸から出力電圧ベクトル軸への位相角
を表す。直流リンク電圧Vdcと位相角θv を、平均値と
変動量とに分離する。添字 ̄は平均値、添字Δは変動量
を表す。
【0043】
【数9】 (20)式で示されるdq軸出力電圧ベクトルVから、ベ
クトル変動量ΔVに関して次式が成り立つ。
【0044】
【数10】 そして、(22)式で表される電圧ベクトルのベクトル変
動量ΔVを、実部と虚部とに分けてdq軸出力電圧の変
動量ΔVd ,ΔVq により表現すると(23)式となる。
【0045】
【数11】
【0046】この(23)式は、直流リンク電圧Vdcの変
動ΔVdcにより、d軸電圧、q軸電圧が影響されること
を示している。また、出力電圧の位相角θv を操作する
ことにより、d軸電圧、q軸電圧を制御することができ
ることを示している。
【0047】従って(23)式で表されるdq軸出力電圧
の変動量ΔVd ,ΔVq が(14)式で示される条件式を
満たす時、トルクリプルを抑制することができる。そこ
で(14)式に(23)式を代入して位相角θv の変動量Δ
θv についてとく。
【0048】
【数12】
【0049】ここで、直流リンク電圧の変動分ΔVdcを
(27)式と仮定すると、dq軸回転座標系上の出力電圧
ベクトルの位相角への補正量Δθv は、(24)〜(26)
式により(28)式で表すことができる。
【0050】
【数13】 そして(28)式により算出した補償量Δθv をインバー
タ4の出力電圧位相角基準値θv * に加算し、出力電圧
位相角θv を得る。
【0051】
【数14】 θv =θv * +Δθv (31) 以上により、(27)〜(30)式に基づいてインバータ4
のdq軸回転座標系における出力電圧位相θv を操作す
ると、トルクを一定に制御することが可能であることが
わかる。
【0052】また、(12)、(25)〜(30)式から確認
できるように、直流リンク電圧Vdcが変動する条件下
で、トルクリプルを抑制するためには、インバータ4の
出力角周波数ωi (2次磁束角周波数ωφ)、モータの
回転角周波数ωr 、dq軸回転座標系上での出力電圧ベ
クトル位相角θv 、トルク電流iq 、2次磁束φ2d、モ
ータパラメータ、電源周波数ωsoあるいは直流リンク電
圧の変動周波数が必要となる。したがって、トルクリプ
ルを厳密に抑制するためには、上述の状態量の変化に応
じて、適切に補正量Δθv を調整することが必要である
ことがわかる。例えば、電車制御においては、速度のみ
ならず、ノッチ指令や力行/回生のような状態を把握し
て適切な補償を行わなければならない。
【0053】図9及至図11にシミュレーション結果を示
す。本シミュレーションでは、図1に示すシステムで、
電源周波数ωsoを60Hzとしている。このため、直流リ
ンク電圧Vdcが 120Hzで脈動している。図9は、ビー
トレス制御を施さない場合の応答である。インバータ4
の出力であるU相電流Iuが大きなビートをうっている
のが確認できる。このビート分だけ、過電流になりやす
い。トルクTm に関しては、 120Hzのトルクリプルが
発生している。これに起因する振動や騒音が問題とな
る。また、トルク電流Iqと励磁電流Idは、ともに 1
20Hzで脈動している。
【0054】図10は、従来のビートレス制御方式による
結果である。インバータ周波数ωiが 120Hzの場合
に、ビート現象を抑制するように調整するため、インバ
ータ周波数ωi が 120Hzから離れるとトルクリプルが
増加している。これは、調整時の運転条件と異なった運
転状態のため、ビートレス制御の効果が劣化するためで
あり、インバータの周波数ωi の変化に限定するもので
はない。従って、あらゆる運転状態において、トルクリ
プルを抑制するためには、運転状態に応じて補償法を変
化させることが必要である。図11は、(27)〜(30)式
に示したように、運転状況に応じて、補償のパラメータ
を変化させる場合の結果である。あらゆるインバータ周
波数帯域で、トルクリプルを制御していることが判る。
この時、U相電流Iuのビートも同時に抑制されてい
る。この制御方式では、トルク電流Iq を一定に制御す
るものであり、シミュレーション結果からも、確認でき
る。この時、励磁電流Idは、特に制御を施していない
ため、 120Hzの脈動が発生している。これは、直流リ
ンク電圧Vdcの変動の影響をすべて、励磁電流Idに反
映させ、トルク電流Iq を一定に保つことを表してい
る。励磁電流Idの脈動に関わらず、2次磁束φ2 に脈
動は発生しない。これは、2次磁束φ2 の応答が遅く、
励磁電流Id の 120Hzのリプルには、反応できないこ
とを表している。トルクTm は、2次磁束φ2 とq軸電
流すなわちトルク電流Iq の積で表される。2次磁束φ
2 にも、トルク電流Iq にもリプルが存在しないことか
ら、トルクリプルが抑制される結果となっている。
【0055】従って上述した構成をとることにより、直
流リンク電圧Vdcの脈動に起因したトルクの変動を抑制
できる。また、運転状況を考慮してインバータの出力角
周波数ωi 、モータの回転角周波数ωr 、dq軸座標系
上での出力電圧ベクトル位相角θv 、トルク電流iq 、
2次磁束φ2d、モータパラメータ、電源周波数ωsoある
いは直流リンク電圧の変動周波数に応じて補償値Δθv
を調整するため、いかなる運転状況下においてもその効
果が期待できる。補償法は解析的に求められており、実
機での調整を容易にすることが可能である。
【0056】図12は、本発明の第2の実施の形態を示す
ブロック図である。本実施の形態は第1の実施の形態と
比べ、dq軸回転座標系上での出力電圧位相角θv の算
出部(すなわち、図1の加算部102 )のみが異なるた
め、この部分のみ説明する。
【0057】例えば、電車駆動システムを考える場合、
PWM方式として、例えば、非同期、出力電圧の半サイ
クルに含まれるパルス数で定まる同期9パルス、同期5
パルス、同期3パルス、同期1パルスなど様々なパルス
モードが存在する。制御対象やスイッチング素子によ
り、どの速度帯域でどのパルスモードを採用するかが決
まる。図12では、パルスモードにより前記のdq軸座標
系上での出力電圧への位相角補正を行わないことを示し
ている。例えば、あるパルスモードにおいては、切り替
えスイッチ 102aによりdq軸座標上での出力電圧への
位相角Δθv に代わり0を出力電圧位相角基準θv *
加算器 102bで加算し、dq軸座標上での出力電圧位相
角θv を求める。
【0058】このような構成をとることにより、パルス
モードごとに適切なビートレス制御を行うことが可能と
なる。従って、ビート現象としてのトルクリプルが発生
しない低速域や、あるいは出力電圧ベクトルの大きさが
自由かつ高速に制御可能なパルスモードにおいて、不必
要となるビートレス制御を切り放し、不必要な干渉を押
さえ、トルク特性の劣化を抑えることができる。
【0059】図13は、本発明の第3の実施の形態を示す
ブロック図である。本実施の形態は第1の実施の形態と
比べ、直流リンク電圧の変動量を演算する変動量演算器
19のみが異なるため、この部分のみ説明する。
【0060】例えば、50Hz/60Hzの両電源帯にまた
がり運転するような電車では、直流リンク電圧の変動の
周波数も、電源に応じて 100Hz/ 120Hzと変化す
る。このような場合図13に示すように、 100Hzのバン
ドパスフィルタ24と 120Hzのバンドパスフィルタ25を
設け、電源周波数検出器26により検出された電源の周波
数により、バンドパスフィルタの出力を切り替えスイッ
チ27により切り替える装置を示している。例えば、電源
周波数が50Hzであることを検知すると、 100Hzバン
ドパスフィルタの出力を直流リンク電圧の変動量ΔVdc
とする。
【0061】上記の構成をとることにより、電源周波数
が50Hz/60Hz切り替わる場合においても、バンドパ
スフィルタの特性を変化させ、変動の周波数成分を抽出
するため、検出の段階でゲインや位相がつくことがなく
なり、ビートレス制御の効果を維持することが可能であ
る。バンドパスフィルタは、ある特定の周波数成分のみ
を抽出するものである。 100Hz検出用に対して、 120
Hzの信号は、ゲインが落ち、位相がまわる結果とな
る。よって、電源周波数50Hzを想定したビートレス補
償装置では、電源周波数60Hzの区間で大きくトルクリ
プル抑制の効果が劣化する。
【0062】ここで、切り替えに用いる信号として、電
源周波数を示したが、直流リンク電圧の変動周波数を検
出して、これを切り替え信号に用いても同様な作用を得
る。図4は、本発明の第4の実施の形態を示すブロック
図である。本実施の形態は、第1の実施の形態と比べ、
直流リンク電圧の変動量を演算する変動量演算器19のみ
が異なるため、この部分のみ説明する。図14では、図13
に示したように電源周波数が50Hz/60Hzと切り替わ
る場合を含めて、電源周波数が微妙に変化する場合に対
しても、その変動の周波数を検知して、バンドパスフィ
ルタの周波数特性を制御することを示している。図14
は、ソフトウェアで実現した構成を示したものである。
例えば、バンドパスフィルタ29の伝達関数を(32)式と
する。そして電源周波数検出器26により検出した角周波
数[rad/s ]を倍率器28で2倍したものを、特性周波数
F[rad/s ]と設定する。Fは、直流リンク電圧の変動
周波数を設定しても同様な作用を得る。
【0063】
【数15】 また、図13と同様に、段階的な周波数に対して複数のバ
ンドパスフィルタを設置し、周波数に応じて適切な切り
替えを行ってもかまわない。
【0064】上記の構成をとることにより、電源周波数
が50Hz/60Hzと切り替わる場合を含めて、微妙な電
源周波数の変化に対しても、変動周波数に対して特性が
変化しないため、ビートレス制御の効果を維持すること
ができる。電源周波数の変動に対して、バンドパスフィ
ルタの特性を変化させず、バンドパスフィルタのQ値が
高い場合には、信号のゲイン劣化や位相回りが大きく、
この結果、高精度なトルク特性が得られない。瞬時の電
源周波数に対して、バンドパスフィルタの特性周波数を
対応させることで、常にその効果が得られることにな
る。
【0065】ここで、切り替えに用いる信号として、電
源周波数を示したが、直流リンク電圧の変動周波数を検
出して、これを切り替え信号に用いても同様な作用を得
る。図15は、本発明の第5の実施の形態を示す電力変換
装置の構成図である。本実施の形態は第1の実施の形態
と比べ、dq軸回転座標系上での出力電圧位相角への補
正量Δθv の算出部が異なるのみであるため、この部分
のみ説明する。
【0066】電流検出器5により検出されたモータの相
電流は、座標系変換器30によりdq軸座標上での電流量
に変換される。このうち、q軸電流Iq は、ベクトル制
御装置18で用いるq軸電流指令値Iq * から減算器104
により差し引かれる。このq軸電流偏差は、q軸電流抑
制器31に入力される。q軸電流抑制器31では、q軸電流
偏差を入力として、例えば、PI制御を行う。この制御
方法式をPI制御に限定するものではない。q軸電流抑
制器31の出力は、dq軸座標系上での出力電圧位相角へ
の補正量Δθv となる。
【0067】上記の構成をとることにより、q軸電流の
偏差に応じて、出力電圧位相角を操作するため、q軸電
流すなわちトルク電流を一定に制御することが可能とな
る。前述のように、2次磁束はほぼ一定に維持されるた
め、トルクリプルを抑制することが可能となる。また、
フィードバック制御であるため、外乱やモデル化誤差が
ある場合に対しても、その効果が期待できる。
【0068】図16は、本発明の第6の実施の形態を示す
電力変換装置の構成図である。本実施の形態は第1の実
施の形態と比べ、dq軸回転座標系上での出力電圧位相
角への補正量Δθv の算出部が異なるのみであるため、
この部分のみ説明する。
【0069】誘導電動機6にトルク検出器32を設置し、
このトルク検出器32により検出された発生トルクは、ト
ルク脈動検出器33に入力される。ここで、トルク検出器
32の代わりに発生するトルク推定演算するトルク推定器
を用いても同様な作用を得る。トルク脈動検出器33で
は、トルクの脈動分ΔTを演算検出し、トルク脈動抑制
器34に入力する。トルク脈動抑制器34では、トルク脈動
量ΔTを入力として、例えば、PI制御を行う。この制
御方式を、PI制御に限定するものではない。トルク脈
動制御器34の出力は、dq軸座標系上での出力電圧位相
角への補正量Δθv となる。
【0070】上記の構成をとることにより、トルク脈動
に応じて、出力電圧の位相角を操作するため、トルク脈
動を抑制することが可能となる。フィードバック制御で
あるため、外乱やモデル化誤差がある場合に対しても、
その効果が期待できる。
【0071】図17は、本発明の第7の実施の形態を示す
電力変換装置の構成図である。本実施の形態は第1の実
施の形態と比べ、dq軸回転座標系上での出力電圧位相
角への補正量Δθv の算出部が異なるのみであるため、
この部分のみ説明する。
【0072】電圧検出器8は、直流リンク電圧Vdcを検
出し、電流検出器35は直流コンデンサ3からインバータ
4に流入する電流を検出する。パワー演算器36は、イン
バータ4で消費されるパワーを演算する。例えば、直流
リンク電圧と直流コンデンサ3からインバータ4へ流れ
る電流とを掛け合わせ、インバータ4のパワーPとす
る。パワー演算器36により算出されたパワーPは、パワ
ー変動演算器37に入力され、パワーの変動分ΔPが算出
される。
【0073】算出されたパワー変動分ΔPは、パワー変
動抑制器38に入力される。パワー変動抑制器38では、パ
ワー変動分ΔPを入力として、例えば、PI制御を行
う。この制御方式を、PI制御に限定するものではな
い。パワー変動抑制器38の出力は、dq軸座標系上での
出力電圧位相角への補正量Δθv となる。
【0074】上記の構成をとることにより、インバータ
のパワー変動に応じて出力電圧の位相角を操作し、イン
バータで消費するパワーの変動を抑制することが可能と
なる。インバータで消費するパワーの大部分は、モータ
の出力である。よって、インバータで消費するパワーを
一定に制御することで、モータ出力の変動を抑制するこ
とができる。トルクリプルは、モータ出力に影響するた
め、モータ出力の変動を抑制することで、トルクリプル
を抑制することが可能となる。
【0075】図18は、本発明の第8の実施の形態を示す
電力変換装置の構成図である。本実施の形態は第1の実
施の形態と比べ、dq軸回転座標系上での出力電圧位相
角への補正量Δθv の算出部が異なるのみであるため、
この部分のみ説明する。
【0076】電流検出器35により検出された直流コンデ
ンサ3からインバータ4に流れる電流Iinv は、電流脈
動演算器39に入力される。電流脈動演算器39では、入力
量Iinv の脈動分ΔIinv を演算する。算出されたイン
バータ電流の変動量ΔIinvは、電流脈動抑制器40に入
力される。電流脈動抑制器40では、インバータへの電流
の変動量ΔIinv を入力として、例えば、PI制御を行
う。この制御方式をPI制御に限定するものでなない。
電流脈動抑制器40の出力は、dq軸座標系上での出力電
圧位相角への補正量Δθv となる。
【0077】上記の構成をとることにより、直流コンデ
ンサ3からインバータ4へ流れる電流リプルに応じてd
q軸上での出力電圧位相角を操作することで、直流コン
デンサ3からインバータ4へ流れる電流リプルを抑制す
ることが可能となる。トルクリプルの発生と同時に、イ
ンバータで消費するパワーが変動するため、インバータ
へ流入する電流も同様に脈動が生じる。このインバータ
電流の脈動を抑制することで、モータのパワー変動を抑
制する。したがって、トルクリプルを抑制することがで
きる。
【0078】図19は、本発明の第9の実施の形態を示す
電力変換装置の構成図である。本実施の形態は第1の実
施の形態と比べ、dq軸回転座標系上での出力電圧位相
角への補正量Δθv の算出部が異なるのみであるため、
この部分のみ説明する。
【0079】電流検出器5により検出されたモータの相
電流は、座標変換器30によりdq軸回転座標系上の電流
Id ,Iq に変換される。電流ベクトル長演算器41で
は、dq軸回転座標系上での電流ベクトルの大きさIを
電流Id ,Iq の2乗和の平方根より算出する。算出さ
れた電流ベクトル長Iは、電流脈動演算器42に入力さ
れ、その脈動量ΔIが算出される。電流の脈動量ΔI
は、電流脈動抑制器43に入力される。電流脈動抑制器43
では、例えば、PI制御を行う。この制御方式を、PI
制御に限定するものではない。電流脈動抑制器43の出力
は、dq軸座標系上での出力電圧位相角への補正量Δθ
v となる。
【0080】上記の構成をとることにより、dq軸回転
座標系上での電流ベクトルの大きさの変動を抑制するこ
とが可能となる。先述のように、トルク電流リプルを抑
制することで、トルクリプルが抑制できる。この時、ト
ルク電流が一定であっても、励磁電流すなわちd軸電流
が一定にはならない。しかしながら、トルク電流が一定
となる時の、励磁電流リプルは小さく、電流ベクトルの
大きさの変動分も比較的小さくなっている。したがっ
て、dq軸座標系上での電流ベクトルの大きさを一定に
なるように制御することで、トルク電流すなわちトルク
の脈動を抑制することができる。
【0081】図20は、本発明の第10の実施の形態を示す
電力変換装置の構成図である。本実施の形態は第1の実
施の形態と比べ、dq軸回転座標系上での出力電圧位相
角への補正量Δθv の算出部が異なるのみであるため、
この部分のみ説明する。
【0082】電圧検出器8により検出された直流リンク
電圧Vdcは、変動量演算器19に入力され、その変動分で
ある正弦波ΔVdcが算出される。この変動正弦波は、正
弦波ゲイン位相補償器23に入力される。ゲイン位相補償
器23では、図4に示すように、入力正弦波に対して、ゲ
インと位相を補償する。この例では、ゲインとしてK
1、位相としてγ1を補償している。正弦波ゲイン位相
補償器23の出力は、d軸出力電圧への補償量ΔVd とな
る。d軸出力電圧への補正量ΔVd は、d軸電圧基準V
d * と加算器104 で加算されて、d軸出力電圧Vd とな
る。同様に正弦波ゲイン位相補償器23にて、直流リンク
電圧Vdcの変動正弦波ΔVdcを入力として、q軸出力電
圧への補正量ΔVq を算出し、加算器105 でq軸電圧基
準Vq * と加算し、q軸出力電圧Vq となる。
【0083】上記の構成をとることにより、直流リンク
電圧の変動に応じて、d軸出力電圧とq軸出力電圧とに
補正量を重畳して、d軸出力電圧・q軸出力電圧をそれ
ぞれ独立に脈動させることが可能である。この場合、d
軸出力電圧への補正量とq軸出力電圧への補正量は、互
いに独立な振幅と位相を持つ正弦波である。前記(16)
〜(19)式によれば、直流リンク電圧の変動に対して、
dq軸電圧を適切に変動させることで、トルクリプルを
抑制できることをしめしている。したがって、d軸出力
電圧とq軸出力電圧とに独立した補償信号を重畳するこ
とにより、トルクリプルを抑制することができる。
【0084】図21は、本発明の第11の実施の形態を示す
電力変換装置の構成図である。本実施の形態は第1の実
施の形態と比べ、d軸電流指令値の算出が異なるため、
この部分のみ説明する。
【0085】ベクトル制御装置18においては、2次磁束
指令値φ2d* を入力してd軸電流指令演算器12によりd
軸電流指令値id * を生成する。直流リンク電圧は、電
圧検出器8により検出され、変動量演算器19へ入力され
る。変動量演算器19では、その変動分である正弦波ΔV
dcが算出される。この変動正弦波ΔVdcは、正弦波ゲイ
ン位相補償器23に入力される。正弦波ゲイン位相補償器
23では、図4のように、入力正弦波ΔVdcに対して、ゲ
インと位相を補償する。この例では、ゲインとしてK、
位相としてγを補償している。正弦波ゲイン位相補償器
23の出力は、d軸電流指令id * への補正量ΔId *
ある。補正量ΔId * は、d軸電流指令Id * と加算器
106 で加算され、d軸電圧指令演算器14とq軸電圧指令
演算器15への入力となる。
【0086】上記の構成をとることにより、直流リンク
電圧の変動に応じて、d軸電流指令に補正量を重畳し
て、d軸電流を脈動させることが可能である。前述のよ
うに、直流リンク電圧が変動し、かつトルク電流リプル
を抑制する場合、励磁電流は一定にならず、直流リンク
電圧と同一の周波数で脈動する。したがって、直流リン
ク電圧の変動分の正弦波ΔVdcを、ゲインと位相とで補
償した正弦波ΔId * をd軸電流指令に重畳し、故意に
d軸電流を脈動させることで、トルク電流のリプルを抑
制することが可能となる。2次磁束は、d軸電流への追
従が遅く、ほぼ一定に維持されるため、トルクリプル抑
制が期待できる。
【0087】図22は、本発明の第12の実施の形態を示す
電力変換装置の構成図である。本実施の形態は第1の実
施の形態と比べ、補正量の次元が異なるため、この部分
のみ説明する。
【0088】図22は、図15で示した第5の実施の形態に
おいて、q軸電流制御器30がdq軸上の出力電圧位相角
への補正量Δθv を生成するのに対して、インバータの
出力周波数への補正量Δωi を作成するようにする。そ
してこの補正量Δωi を加算器107 にて加算器101 の出
力ωi * と加算してインバータ角周波数ωi を生成す
る。
【0089】上記の構成をとることにより、直流リンク
電圧の変動に応じて、インバータの周波数を調整する。
これは、ベクトル制御として考える場合、dq軸回転座
標系の回転周波数を脈動させていることに相当する。前
述の理論解析から、トルクリプル抑制のためには、dq
軸回転座標系上での出力電圧位相を操作することが不可
欠であった。ここで、d軸とは2次磁束軸を意味してい
る。従って、トルクリプルを抑制するためには、2次磁
束軸から出力電圧軸までの位相角を調整することが不可
欠であると言い換えることができる。本実施の形態のよ
うに、dq軸回転座標系の回転周波数を脈動させると、
d軸と2次磁束軸が一致しなくなる。従って、ベクトル
制御としては、理想状態にないため、不必要な干渉によ
り特性が劣化する可能性がある。ただし、ベクトル制御
の制御速度が遅く、dq軸回転座標系の回転周波数の脈
動に制御が干渉しないのであれば、dq軸座標系上での
出力電圧位相角が一定となる。この場合、dq軸座標系
の回転周波数が脈動し、dq軸座標系上での出力電圧位
相角が一定であり、先述のように2次磁束の回転周波数
は一定であるために、2次磁束に対する出力電圧軸の位
相角は脈動することになる。したがって、トルクリプル
を抑制することができる。
【0090】なお本実施の形態では、第5の実施の形態
を基にしているが、第6乃至第11の実施の形態を基にし
ても、dq軸回転座標系上での出力電圧位相角を調整す
る代わりに、インバータ周波数を調整することにより、
同様な作用効果を得る。
【0091】以上説明してきたように、直流リンク電圧
が変動した状態で、dq軸上の出力電圧を操作し、q軸
電流を一定に制御すると、d軸電流が脈動するとしても
d軸電流の脈動に2次磁束が追従しないため、2次磁束
に脈動はない。従って、2次磁束とq軸電流が一定であ
るためにトルクリプルを抑制できる。
【0092】更には下記の他の効果を得ることができ
る。 (1)直流リンク電圧が変動した状態で、dq軸上の出
力電圧の位相角を操作し、q軸電流を一定に制御する
と、d軸電流が脈動するとしても、d軸電流の脈動に2
次磁束が追従しないため、2次磁束に脈動はない。従っ
て2次磁束とq軸電流が一定であるためにトルクリプル
を抑制できる。
【0093】(2)直流リンク電圧が変動した状態で、
トルクの変動をdq軸出力電圧に反映し、直接トルクを
検出し、その変動を抑制するように、出力電圧あるいは
出力電圧の位相角を調整するため、より効果的にトルク
の変動を抑制することが可能となる。
【0094】(3)直流リンク電圧が変動した状態で、
インバータで消費するパワーの変動をdq軸出力電圧に
反映し、パワーの脈動を抑制すると、インバータで消費
されるパワーは、各種損失と機械出力であるため、各種
損失に対し、機械出力は十分に大きく、また、機械出力
は速度とトルクの積であり、速度は高速に変化しないこ
とから、トルクの変動を抑制することが可能となる。
【0095】(4)直流コンデンサからインバータへ流
入する電流の脈動は、インバータで消費するパワーの変
動の影響を強く受けるもので、直流コンデンサからイン
バータへ流入する電流の脈動を抑制することで、インバ
ータで消費するパワーの脈動を抑制することが可能であ
る。先述のように、インバータで消費されるパワー変動
は、トルクリプルに大きく影響するため、直流コンデン
サからインバータへ流入する電流の脈動を抑制すること
で、トルクリプルを抑制することができる。
【0096】(5)直流リンク電圧が変動する状態にお
いてトルクリプルを抑制する場合、トルク電流リプルを
小さくすることが不可欠である。このトルク電流リプル
が抑制されている状態では、仮にインバータの動作モー
ドが1パルスモードであり出力電圧の大きさが任意に抑
制できない場合でも、励磁電流は若干脈動するものの、
脈動量は小さくなる。このため、dq軸上での電流値の
変動を抑制することにより、d軸電流とともにq軸電流
のリプルが抑制できる。よって、トルクリプルを抑制で
きる。
【0097】(6)直流リンク電圧が変動した状態で、
直流リンク電圧に応じて、d軸電圧の変動とq軸電圧の
変動とを独立に制御することで、q軸電流のリプルを抑
制することができる。先述のように2次磁束は一定とな
るため、トルクリプルを抑制できる。
【0098】(7)直流リンク電圧が変動し、インバー
タの出力電圧が自由且つ高速に制御できない条件下で
は、dq軸の電流値を一定に制御することは、不可能で
あるため、d軸電流を故意に脈動させ、q軸電流を一定
に制御することにより、先述のように2次磁束は一定と
なるため、トルクリプルを抑制できる。
【0099】(8)直流リンク電圧が変動した状態で、
運転条件が変化した場合に、トルクリプルの補償法ある
いは補償ゲイン等を変化させると、運転状況によらず、
効果的にトルクリプルを抑制することが可能である。
【0100】(9)直流リンク電圧が変動した状態で、
トルク指令が変化した場合に、トルクリプルの補償法あ
るいは補償ゲイン等を変化させる。トルク指令によら
ず、効果的にトルクリプルを抑制することが可能であ
る。
【0101】(10)直流リンク電圧が変動した状態で、
負荷である誘導電動機のパラメータが変化した場合に、
トルクリプルの補償法あるいは補償ゲイン等を変化させ
ると、誘導電動機のパラメータの変動によらず、効果的
にトルクリプルを抑制することが可能である。
【0102】(11)直流リンク電圧が変動した状態で、
力行動作と回生動作とで、トルクリプルの補償法あるい
は補償ゲイン等を変化させると、力行動作と回生動作に
よらず、効果的にトルクリプルを抑制することが可能で
ある。
【0103】(12)直流リンク電圧が変動した状態で、
dq軸座標系上での出力電圧ベクトルの位相角が変化し
た場合に、トルクリプルの補償法あるいは補償ゲイン等
を変化させると、dq軸座標系上の出力電圧ベクトルの
位相角によらず、効果的にトルクリプルを抑制すること
が可能である。
【0104】(13)直流リンク電圧が変動した状態で、
インバータの出力周波数が変化した場合に、トルクリプ
ルの補償法あるいは補償ゲイン等を変化させると、イン
バータの出力周波数によらず、効果的にトルクリプルを
抑制することが可能である。
【0105】(14)直流リンク電圧が変動した状態で、
モータの回転周波数が変化した場合に、トルクリプルの
補償法あるいは補償ゲイン等を変化させると、モータの
回転周波数によらず、効果的にトリクリプルを抑制する
ことが可能である。
【0106】(15)直流リンク電圧が変動した状態で、
電源周波数あるいは直流リンク電圧の変動周波数が変化
した場合に、トルクリプルの補償法あるいは補償ゲイン
等を変化させると、電源周波数あるいは直流リンク電圧
の変動周波数によらず、効果的にトルクリプルを抑制す
ることが可能である。
【0107】(16)直流リンク電圧が変動した状態で、
電源周波数が50Hz/60Hzと変化する場合、電源周波
数が50Hzであるか60Hzであるかを判断して、検出す
る脈動の周波数成分を変化させると、電源周波数が50H
zであっても60Hzであっても、効果的にトルクリプル
を抑制することが可能である。
【0108】(17)直流リンク電圧が変動した状態で、
電源周波数が変動する場合、電源周波数に応じて、検出
する脈動の周波数成分を変化させると、電源周波数が変
動する場合に対しても、効果的にトルクリプルを抑制す
ることが可能である。
【0109】(18)直流リンク電圧が変動した状態で、
PWM動作モードが1パルスモードである場合において
も、dq軸出力電圧の位相角を調整して、dq軸電圧を
変化させ、q軸電流を一定に制御することにより、トル
クリプルを抑制できる。
【0110】(19)直流リンク電圧が変動した状態で、
ベクトル制御によりトルクリプルを抑制する際に、イン
バータの出力周波数を調整することにより、トルクリプ
ルを抑制できる。
【0111】(20)トルクリプルが発生する原因は、イ
ンバータの出力電圧の大きさが自由に且つ高速に制御で
きない場合であるため、PWMの動作モードによって
は、これが可能な場合があり、従ってこの領域で、トル
クリプル抑制を行わないことにより、不必要な干渉を抑
え、トルク特性の劣化を防止することができる。
【0112】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、例
えば電源が単相である場合に、インバータ出力周波数が
電源の2倍周波数の付近にある場合のトルクリプルを抑
制することができる。これにより、騒音の低減、機械系
・及び電気系の故障率の低下を図ることができる。ま
た、電車に応用した場合には、乗り心地の改善効果が得
られる。
【0113】また、本発明は理論的に求めた補償量によ
り逐次補償を行うため、いかなる運転状況あるいは、各
パラメータ値が異なるような制御対象でもトルクリプル
を抑制することができるため、調整にかかる時間と労力
を大幅に削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す電力変換装置
の構成図である。
【図2】dq軸出力電圧位相角と出力電圧ベクトルの関
係図である。
【図3】補償量演算器の構成図である。
【図4】補償ゲインと補償位相の関係図である。
【図5】(a)はdq軸回転座標系上でのモータの発生
トルクを表した図、(b)は直流リンク電圧に変動が無
い場合のベクトル図、(c)は直流リンク電圧に変動が
ある場合のベクトル図である。
【図6】dq軸回転座標系上で直流リンク電圧に変動が
あり、トルクリプルを抑制する場合のベクトル図であ
る。
【図7】トルクリプルがある場合のdq軸出力電圧の変
動量の軌跡図である。
【図8】トルクリプルがない場合のdq軸出力電圧の変
動量の軌跡図である。
【図9】ビートレス制御を施さない場合のシミュレーシ
ョン結果である。
【図10】従来方法のビートレス制御方式を施す場合のシ
ミュレーション結果である。
【図11】(17)〜(20)式に示す補償を行う場合のシミ
ュレーション結果である。
【図12】本発明の第2の実施の形態を示す構成図であ
る。
【図13】本発明の第3の実施の形態を示す構成図であ
る。
【図14】本発明の第4の実施の形態を示す構成図であ
る。
【図15】本発明の第5の実施の形態を示す構成図であ
る。
【図16】本発明の第6の実施の形態を示す構成図であ
る。
【図17】本発明の第7の実施の形態を示す構成図であ
る。
【図18】本発明の第8の実施の形態を示す構成図であ
る。
【図19】本発明の第9の実施の形態を示す構成図であ
る。
【図20】本発明の第10の実施の形態を示す構成図であ
る。
【図21】本発明の第11の実施の形態を示す構成図であ
る。
【図22】本発明の第12の実施の形態を示す構成図であ
る。
【符号の説明】
1…電源 2…単相コンバータ 3…直流コンデンサ 4…インバータ 5…電流検出器 6…誘導電動機 7…速度検出器 8…電圧検出器 9…磁束指令補正器 10…滑り角周波数演算器 11…積分器 12…d軸電流指令演算器 13…q軸電流指令演算器 14…d軸電圧指令演算器 15…q軸電圧指令演算器 16…座標系変換器 17…ゲート制御器 18…ベクトル制御装置 19…変動量演算器 20…補償量演算器 21…補償ゲイン演算器 22…補償位相演算器 23…正弦波ゲイン位相調整器 24… 100Hzバンドパスフィルタ 25… 120Hzバンドパスフィルタ 26…電源周波数検出器 27…切り替えスイッチ 28…倍率器 29…バンドパスフィルタ 30…座標系変換器 31…q軸電流抑制器 32…トルク検出器 33…トルク脈動検出器 34…トルク脈動抑制器 35…検出器 36…パワー演算器 37…パワー変動演算器 38…パワー変動制御器 39…電流脈動演算器 40…電流脈動抑制器 41…電流ベクトル長演算器 42…電流脈動演算器 43…電流脈動抑制器 101 〜107 …加算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 5/408 - 5/412 H02P 7/628 - 7/632 H02P 21/00

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流を直流に変換して出力するコンバー
    タと、 このコンバータが出力した直流を任意の周波数の交流に
    変換して出力するインバータと、 このインバータが出力した交流により駆動される誘導電
    動機と、この誘導電動機のトルク変動を検出し、 磁束軸とこの磁
    束軸に直交するトルク軸とからなる回転座標系上で、磁
    束成分電流が脈動したまま、トルク成分電流が一定にな
    るように、前記変動に応じて前記インバータが出力する
    交流の電圧ベクトルを調整するベクトル制御手段とを有
    する電力変換装置。
  2. 【請求項2】 交流を直流に変換して出力するコンバー
    タと、 このコンバータが出力した直流を任意の周波数の交流に
    変換して出力するインバータと、 このインバータが出力した交流により駆動される誘導電
    動機と、この誘導電動機のトルク変動を検出し、 磁束軸とこの磁
    束軸に直交するトルク軸とからなる回転座標系上で、磁
    束成分電流が脈動したまま、トルク成分電流が一定にな
    るように、前記変動に応じて前記磁束軸から前記インバ
    ータが出力する交流の電圧ベクトルまでの位相角を調整
    するベクトル制御手段とを有する電力変換装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の電力変換装置におい
    て、 前記ベクトル制御手段は、前記磁束軸から前記インバー
    タが出力する交流の電圧ベクトルまでの位相角を調整す
    る代わりに、前記インバータの出力周波数を調整するこ
    とを特徴とする電力変換装置。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    の電力変換装置において、前記ベクトル制御手段は、 磁束成分電流が脈動したま
    ま、トルク成分電流が一定になるように制御する代わり
    に、前記誘導電動機のトルクが一定になるように制御す
    ることを特徴とする電力変換装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    の電力変換装置において、前記ベクトル制御手段は、 磁束成分電流が脈動したま
    ま、トルク成分電流が一定になるように制御する代わり
    に、前記インバータの消費電力が一定になるように制御
    することを特徴とする電力変換装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    の電力変換装置において、前記ベクトル制御手段は、 磁束成分電流が脈動したま
    ま、トルク成分電流が一定になるように制御する代わり
    に、前記インバータへ流入する電流が一定になるように
    制御することを特徴とする電力変換装置。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    の電力変換装置において、前記ベクトル制御手段は、 磁束成分電流が脈動したま
    ま、トルク成分電流が一定になるように制御する代わり
    に、前記回転座標系上での前記インバータの出力電流の
    大きさが一定になるように制御することを特徴とする電
    力変換装置。
  8. 【請求項8】 交流を直流に変換して出力するコンバー
    タと、 このコンバータが出力した直流を任意の周波数の交流に
    変換して出力するインバータと、 このインバータが出力した交流により駆動される誘導電
    動機と、この誘導電動機のトルク変動を検出し、 磁束軸とこの磁
    束軸に直交するトルク軸とからなる回転座標系上で、ト
    ルク成分電流が一定になるように、前記変動に応じて
    束成分電圧とトルク成分電圧とを調整するベクトル制御
    手段とを有する電力変換装置。
  9. 【請求項9】 交流を直流に変換して出力するコンバー
    タと、 このコンバータが出力した直流を任意の周波数の交流に
    変換して出力するインバータと、 このインバータが出力した交流により駆動される誘導電
    動機と、この誘導電動機のトルク変動を検出し、 磁束軸とこの磁
    束軸に直交するトルク軸とからなる回転座標系上で、磁
    束成分電流が脈動するように、前記変動に応じて前記磁
    束成分電流を調整するベクトル制御手段とを有する電力
    変換装置。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至請求項9のいずれかに記
    載の電力変換装置において、 前記ベクトル制御手段による調整は、前記インバータの
    出力電圧の半サイクルに含まれるパルス数が1である制
    御モードで行うことを特徴とする電力変換装置。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至請求項9のいずれかに記
    載の電力変換装置において、 前記ベクトル制御手段による調整を、前記インバータの
    出力電圧の半サイクルに含まれるパルス数に応じて行な
    わないことを特徴とする電力変換装置。
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