JP3840030B2 - 電気車の駆動制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リニアインダクションモータ(以下、「LIM」ともいう)を駆動源とし、リニアインダクションモータをVVVFインバータにより駆動する電気車(以下、「LIM電気車」ともいう)の駆動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ここに、LIM電気車とは、回転形の誘導電動機を駆動源とするのではなく、直進形のリニアインダクションモータ(LIM)を駆動源として走行する電気車のことを意味している。LIMは、車上側のリニアコイルと地上のレール間に敷設される地上側のリアクションプレートとによって構成される。リニアコイルは、VVVFインバータにより励磁される1次コイルとなり、リアクションプレートが2次コイルに相当する。なお、周知のごとく、VVVFというのは、電圧と周波数の比率が所定値となるように周波数の変化に応じて電圧を変化させる制御方式のことであり、直接的には可変電圧・可変周波数の意味である。LIM電気車の同一路線には、材質や形状の異なるリアクションプレートが敷設される場合がある。また、リニアコイルとリアクションプレートとの間のギャップ間隔が、乗車率に応じた車両重量や、リアクションプレートの敷設状態等により、一定には保たれない。これらが要因となり、電動機の特性が状況に応じて変動する。この特性変化は、LIMを駆動源とするLIM電気車の特徴でもある。
【0003】
図11は、従来のLIM電気車の駆動制御装置の概略構成を示すブロック図である。3相VVVFインバータ12の直流入力側に直流フィルタコンデンサ11が接続されている。VVVFインバータ12の交流出力側には、LIMの1次コイル14が接続される。車両重量は車輪17によって支持されるが、通常の回転形電動機によって駆動される電気車とは異なり、車輪自体が推力を伝達するものではない。車軸には速度検出器18が備えられ、車軸の回転周波数Nを検出する。ロータ周波数演算部20では、車軸の回転周波数Nを入力とし、それをインバータ11の電気角周波数ωRに換算し出力する。
【0004】
LIM電気車の駆動制御系への制御入力は、相電流実効値の指令値Irefと、すべり周波数指令値ωsRefである。すべり周波数指令ωsRefは、速度等の関数として予めパターン化されている。インバータ11の出力相電流Iu,Iwが電流検出器13により検出され、実効値演算部4で、相電流の実効値I1が演算される。電流制御部5は、電流実効値I1を電流実効値の指令値Irefに一致させるための電圧実効値指令V1Refを演算し、電圧指令演算部6へ送出する。すべり周波数指令ωsRefは加算器21にすべり周波数指令ωsとして入力され、ここで、ロータ周波数演算部20から出力されるロータ周波数ωRとが加算され、その和がインバータ出力周波数指令ω1として出力される。この周波数指令ω1は積分器10で積分され、各相電圧指令の位相基準θとなる。電圧指令演算部6は、位相基準θと電圧実効値指令V1Refとから、3相各相の電圧指令VuRef,VvRef,VwRefを演算し、PWM制御部7へ送出する。PWM制御部7は、各相電圧指令VuRef,VvRef,VwRefに基づき、インバータ11を構成する各スイッチング素子をPWM制御する。
【0005】
LIM電気車の場合、リアクションプレート15の形状や材質あるいはリアクションプレート15と1次コイル14との間のギャップ長の変化に対して、特性すなわちモータの等価回路が変化する。これに起因し、一般的に定常的な推力変動が生じるため、所定の車両性能すなわち加減速度を維持することが困難である。また、一定電流で最大の推力動作点を得ることが望ましいが、その動作点が変化してしまい、常に最大の推力動作点を維持することは困難である。したがって、LIMが出力し得る最大推力値に対し余裕を持った動作点で性能設計をすることになり、LIMの性能を十分に活かした設計にはなっていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明は、VVVFインバータによって駆動されるLIMを駆動源とするLIM電気車の駆動制御装置において、リアクションプレートの材質や形状の差異等に対して、推力の変動を抑制し、最大の推力動作点を維持し得るLIM電気車の駆動制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、請求項1に係る発明は、リニアインダクションモータを駆動源とし、リニアインダクションモータをVVVFインバータにより駆動する電気車の駆動制御装置において、リニアインダクションモータの1次電圧および1次電流に基づいて2次磁束軸を演算する2次磁束軸演算手段と、1次電流の、2次磁束軸に一致する励磁電流成分およびそれに直交するトルク電流成分を演算する電流成分演算手段と、トルク電流成分および励磁電流成分の比率の指令値を演算する電流成分比率指令演算手段と、電流成分演算手段によって算出されたトルク電流成分および励磁電流成分の比率が電流成分比率指令演算手段によって算出されたトルク電流成分および励磁電流成分の比率の指令値に一致するようにリニアインダクションモータのすべり周波数を制御するすべり周波数制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0008】
請求項1に係る電気車の駆動制御装置によれば、電流値を一定に維持しながら、励磁電流とトルク電流との比率を制御することにより、状況に応じて最大推力を得る動作点や、最大効率を得る動作点など任意な動作点での運転を実現することができる。また、リアクションプレートの材質や形状の差異により、2次時定数が変化する場合、すべり周波数を一定とすると、相電流実効値が一定であっても、トルク電流と励磁電流との比率が変化し、推力が変動する。特に、推力が最大となるトルク電流と励磁電流との比率の動作点で動作している場合、2次時定数の変化により、最大推力の動作点を維持できず、推力が低下する場合がある。トルク電流と励磁電流との比率を一定に制御することにより、リアクションプレートの材質や形状の差異に起因した2次時定数の変化に対して、推力変化の小さな特性を得ることができる。
【0009】
請求項2の発明では、請求項1に記載の電気車の駆動制御装置において、すべり周波数制御手段は、リニアインダクションモータのすべり周波数を所定値内に制限するリミッタ手段を含むことを特徴とするものである。
【0010】
請求項2に係る電気車の駆動制御装置によれば、すべり周波数をリミッタ部で制限することにより、所定の範囲内にすべり周波数が存在するように保証することができる。LIMの場合、1次リニアコイルと2次リアクションプレートの間に吸引力が作用するが、すべり周波数が小さくなると、吸引力が大きくなることが知られている。すべり周波数制御部により、過小なすべり周波数基準が生成される場合、これを制限することにより、過大な吸引力が作用する事態を抑制することができる。
【0011】
請求項3に係る発明は、電気車を駆動するリニアインダクションモータの2次磁束軸に一致する1次電流成分を励磁電流とし、それに直交する1次電流成分をトルク電流とし、励磁電流およびトルク電流がそれぞれ励磁電流指令およびトルク電流指令に一致するように励磁軸電圧指令およびトルク軸電圧指令を介してモータ1次電流を制御する電流制御手段と、励磁電流指令およびトルク電流指令からリニアインダクションモータのすべり周波数を演算するすべり周波数演算手段と、リニアインダクションモータのすべり周波数を制御する手段とを有するベクトル制御手段を備えたことを特徴とするものである。
【0012】
請求項3に係る電気車の駆動制御装置によれば、電流実効値を一定に維持しながら、励磁電流とトルク電流との比率を制御することが可能である。ベクトル制御部では、励磁電流およびトルク電流を、それぞれの指令値に制御するため、励磁電流とトルク電流の比率の指令値を制御することは、励磁電流とトルク電流の比率を制御することと等価となる。本実施形態の構成により、これにより、状況に応じて最大推力を得る動作点や、最大効率を得る動作点など任意な動作点での運転を実現することができる。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の電気車の駆動制御装置において、励磁軸電圧指令、トルク軸電圧指令、励磁電流指令およびトルク電流指令に基づいて2次時定数を推定する2次時定数推定手段を備え、すべり周波数演算手段は、2次時定数推定手段により推定された2次時定数に応じてすべり周波数を演算することを特徴とするものである。
【0014】
請求項4に係る電気車の駆動制御装置によれば、請求項3の発明と同様な作用を得ることができる。また、リアクションプレートの材質や形状の差異により、2次時定数が変化する場合、2次時定数の誤差を修正し、正確なトルク電流と励磁電流を把握するとともに、常時トルク電流と励磁電流との比率を一定に制御することにより、リアクションプレートの材質や形状の差異に起因した2次時定数の変化に対して、推力の変化が小さな特性を得ることが可能である。
【0015】
請求項5に係る発明は、請求項3に記載の電気車の駆動制御装置において、すべり周波数演算手段は、すべり周波数を所定値内に制限するリミッタ手段を含んでいることを特徴とするものである。
【0016】
請求項5に係る電気車の駆動制御装置によれば、すべり周波数をリミッタ部で制限することにより、所定の範囲内にすべり周波数が存在するように保証することができる。LIMの場合、1次リニアコイルと2次リアクションプレートの間に吸引力が作用するが、すべり周波数が小さくなると、吸引力が大きくなることが知られている。トルク電流と励磁電流の比率の指令値に依存して、すべり周波数が変化する。すべり周波数を所定値の中に制限することにより、過大な吸引力が作用することを抑制することが可能である。
【0017】
請求項6に係る発明は、リニアインダクションモータを駆動源とし、リニアインダクションモータをVVVFインバータにより駆動する電気車の駆動制御装置において、リニアインダクションモータの1次電流を電流指令に一致するように制御する電流制御手段と、リニアインダクションモータの1次電圧および1次電流に基づいて2次磁束軸を演算する2次磁束軸演算手段と、1次電流の、2次磁束軸に一致する励磁電流成分およびそれに直交するトルク電流成分を演算する電流成分演算手段と、トルク電流成分および励磁電流成分の比率の指令値を演算する電流成分比率指令演算手段と、トルク電流成分および励磁電流成分の比率がトルク電流成分および励磁電流成分の比率の指令値に一致するようにインバータの出力周波数を制御する手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0018】
請求項6に係る電気車の駆動制御装置によれば、電流実効値を一定に維持しながら、励磁電流とトルク電流との比率を制御することができる。これにより、第1実施形態と同様な作用を得ることができる。さらに、速度検出器を用いずに、制御できることから、コスト低減や、保守性の向上、あるいは、速度検出系に重畳するノイズ等の影響により、制御系への影響を低減することができる。
【0019】
請求項7に係る発明は、電気車を駆動するリニアインダクションモータの2次磁束軸に一致する1次電流成分を励磁電流とし、それに直交する1次電流成分をトルク電流とし、励磁電流およびトルク電流がそれぞれ励磁電流指令およびトルク電流指令に一致するように励磁軸電圧指令およびトルク軸電圧指令を介してモータ1次電流を制御する電流制御手段を有するベクトル制御手段を備えた電気車の駆動制御装置において、電流指令値を演算する電流指令演算手段と、トルク電流および励磁電流の比率の指令値を演算する電流成分比率指令演算手段と、トルク電流および励磁電流の比率の指令値と電流指令値とを入力として励磁電流指令およびトルク電流指令を演算する電流成分指令演算手段とを設けたことを特徴とするものである。
【0020】
請求項7に係る電気車の駆動制御装置によれば、電流実効値を一定に維持しながら、励磁電流とトルク電流との比率を制御することができる。これにより、第1実施形態と同様な作用を得ることができる。さらに、速度検出器を用いずに、制御できることから、コスト低減や、保守性の向上、あるいは、速度検出系に重畳するノイズ等の影響により、制御系への影響を低減することが可能になる。また、従来の回転形誘導電動機に対する速度センサレスベクトル制御の制御ブロックを流用するものであり、アルゴリズムの修正が小さく、実績や経験を活かした信頼性の高いシステムを容易に構築することができる。
【0021】
請求項8に係る発明は、請求項1、3、6および7のいずれか1項に記載の電気車の駆動制御装置において、電流成分比率指令演算手段は、トルク電流および励磁電流の比率の指令値を所定値内に制限するリミッタ手段を含むことを特徴とするものである。
【0022】
請求項8に係る電気車の駆動制御装置によれば、励磁電流とトルク電流の比率の指令値をリミッタ部で制限することにより、所定の範囲内に励磁電流とトルク電流の比率が存在するように保証することができる。LIMの場合、1次リニアコイルと2次リアクションプレートの間に吸引力が作用するが、すべり周波数が小さくなると、吸引力が大きくなることが知られている。すべり周波数が小さいことは、トルク電流に対する励磁電流の比率が小さいことと等価であり、励磁電流とトルク電流との比率を制限することにより、過大な吸引力が作用することを抑制することが可能である。特に、速度検出器が存在しない構成では、すべり周波数を直接制限することができないため、吸引力の抑制が困難である。本実施形態では、速度検出器を用いない構成のもとでも、同様な作用効果を得ることができる。
【0023】
請求項9に係る発明は、請求項1、3、6および7のいずれか1項に記載の電気車の駆動制御装置において、電流成分比率指令演算手段は、トルク電流と励磁電流との比率の指令値を、車両速度、電流値、磁束量、ギャップ長および車両重量のうちの少なくとも1つの関数として演算することを特徴とするものである。
【0024】
請求項9に係る電気車の駆動制御装置によれば、トルク電流と励磁電流の比率の指令値を、速度、電流値、磁束量、ギャップ長、応荷重などの状態量の関数として与えることにより、LIM特性の変化に応じた最適なトルク電流と励磁電流の比率の指令値を設定することができる。
【0025】
請求項10に係る発明は、請求項9に記載の電気車の駆動制御装置において、電流成分比率指令演算手段は、トルク電流および励磁電流の比率の指令値を、電気車の特性試験から求めた最大推力を出力する動作点に設定することを特徴とするものである。
【0026】
請求項10に係る電気車の駆動制御装置によれば、最大の推力動作点を得るように、速度、電流値、磁束量、ギャップ長、応荷重などの状態量の関数として、励磁電流とトルク電流との比率の指令値を与える。リアクションプレートの材質や形状の変化により、2次時定数が変化しても、トルク電流と励磁電流との比率を一定に制御することにより、推力の変化を抑制することができる。したがって、最大推力の動作点を維持し続けることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0028】
<実施形態1>
図1は、請求項1および請求項2に係る発明の実施形態を示すブロック図である。3相VVVFインバータ12の直流入力側に直流フィルタコンデンサ11が接続され、交流出力側には、LIM電気車の駆動源であるLIMの1次コイル14が接続されている。LIMは、車上側の1次コイル14と、地上に敷設される2次コイルであるリアクションプレート15とから構成される。車両重量は車輪17で支持される。車輪17の車軸には速度検出器18が備えられ、車軸の回転周波数N[rpm]が検出される。この回転周波数Nを入力とし、ロータ周波数演算部20が車軸の電気角周波数ωR[rad/s]を次式に従って演算出力する。
【0029】
【数1】
ここに、τ:ポールピッチ[m]、D:車輪直径[m]である。
【0030】
LIM電気車の駆動制御系への制御入力は、電流指令演算部28で演算された相電流実効値に対する電流指令Irefと、電流成分比率指令演算部29で演算されたトルク電流対励磁電流の比率の指令すなわち電流成分比率指令KIdqRefとである。インバータ11の出力相電流Iu,Iwが電流検出器13により検出された相電流Iu,Iwと、後述の3相電圧指令VuRef,VvRef,VwRefとから2次磁束軸演算部26により、例えば、(2)式〜(6)式に基づいて2次磁束の位相角θFを演算する。(2)〜(5)式は2次誘起電圧を演算するものである。2次誘起電圧は定常的に2次磁束に対し、進み90度の関係にあることから、ここではU相軸に対する2次磁束の位相角θFを求めるものとしている。
【0031】
【数2】
ここに、L2はLIMの2次インダクタンス、Mは相互インダクタンス、L1は1次インダクタンス、σは漏れ係数(=1−M×M/L1/L2)、sはラプラス演算子である。また、UVW軸静止座標系、ab軸静止座標系、dq軸回転座標系の相互関係を、図2に示す。u軸とa軸は一致している。d軸は、本実施形態では、2次磁束に一致するように設定され、a軸からの角度はθFとなる。
【0032】
検出されたU相電流IuおよびW相電流Iw、並びに位相角θFを入力として、電流成分演算部8は、検出電流Iu,Iwを2次磁束軸(d軸)に一致する電流成分たる励磁電流Idと、それに直交する電流成分たるトルク電流Iqとに次式により変換する。
【0033】
【数3】
【0034】
このトルク電流Iqおよび励磁電流Idは実効値演算部27で次式により実効値I1に変換され、電流制御部5に入力される。
【0035】
【数4】
【0036】
電流制御部5は、電流実効値I1を、電流指令演算部28で算出された電流指令Irefに一致させるための電圧指令V1Refを演算し、電圧指令演算部6へ送出する。電圧指令演算部6は、入力された電圧指令V1Refと後述の位相基準θとから、3相各相の電圧指令VuRef,VvRef,VwRefを次式に従って演算し、PWM制御部7へ送出する。
【0037】
【数5】
【0038】
PWM制御部7は、各相電圧指令VuRef,VvRef,VwRefに基づき、インバータ11を構成する各スイッチング素子をPWM制御する。
【0039】
他方、電流成分演算部8で求められたトルク電流Iqと励磁電流Idとの比率すなわち電流成分比率KIdq(=Iq/Id)を除算器22によって求め、これを減算器23において、電流成分比率指令演算部29からの電流成分比率指令KIdqRefから減算し、その差すなわち電流成分比率偏差ΔKIdq(=KIdqRef−KIdq)をすべり周波数制御部30に入力する。すべり周波数制御部30はその入力値からを次式に従って演算する。
【0040】
【数6】
ここに、sはラプラス演算子、Kpは比例ゲイン、Kiは積分ゲインである。
【0041】
すべり周波数基準ωs*にリミッタ部31で所定のしきい値でリミットをかけてすべり周波数指令ωsとする。なお、リミッタ部31は請求項2に係る発明の対応部分であって、次のロジックによりすべり周波数基準ωs*を所定の範囲内に制限する。
【0042】
【数7】
ここで、ωsUは所定の上限値、ωsLは所定の下限値である。
【0043】
ロータ周波数演算部20によって算出された電気角周波数ωRとリミッタ部31を通して得られたすべり周波数指令ωsとの和に相当する周波数指令ω1(=ωR+ωs)が加算器21で求められ、この周波数指令ω1は積分器10で積分されて、各相電圧指令に対する位相基準θが生成され、電圧指令演算部6に送出される。
【0044】
以上の構成により、相電流実効値を一定に維持しながら、トルク電流Iqおよび励磁電流Idの比率を制御することができる。リアクションプレート15の材質や形状の差異により、LIMの2次時定数が変化する場合、すべり周波数を一定とすると、たとえ相電流実効値I1が一定であったとしても、トルク電流Iqと励磁電流Idとの比率が変化し、推力が変動する。特に、推力が最大となるトルク電流Iqと励磁電流Idとの比率の動作点で動作している場合、2次時定数の変化により、最大推力の動作点を維持することができず、推力が低下する場合がある。トルク電流Iqと励磁電流Idとの比率を一定に制御することにより、リアクションプレート15の材質や形状の差異に起因した2次時定数の変化に対して、推力の変化が小さな特性を得ることが可能になる。これにより、加減速度の変化が一定になり、車両性能を一定に保証することができる。
【0045】
また、すべり周波数ωsをリミッタ部31で制限することにより、所定の範囲内にすべり周波数が存在するように保証することができる。LIMの場合、1次コイル14と2次リアクションプレート15との間に吸引力が作用するが、すべり周波数が小さくなると、吸引力が大きくなることが知られている。すべり周波数制御部30により、過小なすべり周波数基準ωs*が生成される場合、これをリミッタ部31で制限することにより、過大な吸引力が作用する事態を抑制することができる。さらに、過度な吸引力の増長による車両およびリアクションプレート15の機械的疲労および破損を抑制することができる。
【0046】
<実施形態2>
図3は、請求項3に係る発明の実施形態を示すブロック図である。ここでは、実施形態1と異なる部分を重点的に説明する。
【0047】
この実施形態においては、電流指令演算部28で生成された電流指令Iref、および電流成分比率指令演算部29で生成された電流成分比率指令KIdqRefは、共に電流成分指令演算部32に入力され、ここで次式に従って励磁電流指令IdRefおよびトルク電流指令IqRefをそれぞれ演算する。ただし、ここでは車両が前進力行状態にあることを仮定している。
【0048】
【数8】
【0049】
算出された励磁電流指令IdRefおよびトルク電流指令IqRefはベクトル制御部44へと入力される。ベクトル制御部44は、電流制御部45、dq/3相変換部46、すべり周波数演算部47、電流成分演算部48、加算器21、および積分器10から構成されている。本実施形態におけるベクトル制御部44は、すべり周波数形ベクトル制御方式として周知の制御方式に従って構成される。電流検出器13により検出されたLIMの相電流Iu,Iwは、電流成分演算部48において、次式に従って励磁電流Idとトルク電流Iqとに変換される。
【0050】
【数9】
【0051】
電流制御部45は、電流成分指令演算部32から入力された励磁電流指令IdRefおよびトルク電流指令IqRefと、電流成分演算部48から入力された励磁電流Idおよびトルク電流Iqに基づいて、励磁電流Idが励磁電流指令IdRefに一致し、かつトルク電流Iqがトルク電流指令IqRefに一致するようにdq軸座標系上のd軸電圧指令すなわち励磁軸電圧指令VdRefおよびq軸電圧指令すなわちトルク軸電圧指令VqRefを演算し出力する。dq軸電圧指令VdRef,VqRefは、dq/3相変換部46へ入力され、ここで、(15)式および(16)式により3相電圧指令VuRef,VvRef,VwRefが生成される。
【0052】
【数10】
【0053】
すべり周波数演算部47は、電流成分指令演算部32で生成された励磁電流指令IdRefおよびトルク電流指令IqRefに基づいて、次式に従ってすべり周波数ωsを演算する。
【0054】
【数11】
ここに、T2はLIMの2次時定数である。
【0055】
加算器21は、ロータ周波数演算部20の出力であるロータ角周波数ωRと、すべり周波数演算部47の出力であるすべり周波数ωsとを加算し、周波数指令ω1(=ωR+ωs)を出力する。周波数指令ω1は、積分器10に入力される。積分器10は周波数指令ω1を積分することにより、磁束軸(d軸)の位相基準θdqを求める。d軸の位相基準θdqは、dq/3相変換部46および電流成分演算部48に入力され、それぞれの座標変換に用いられる。
【0056】
ベクトル制御部44の出力である3相電圧指令VuRef,VvRef,VwRefに従い、PWM制御部7を介してインバータ12の出力電流が制御される。
【0057】
以上の構成により、電流実効値I1を一定に維持しながら、励磁電流Idおよびトルク電流Iqの比率を制御することが可能である。ベクトル制御部44は、励磁電流Idおよびトルク電流Iqを、それぞれの指令値IdRef,IqRefに一致させるように制御するため、励磁電流Idおよびトルク電流Iqの比率の指令値に応じてトルク電流指令IqRefおよび励磁電流指令IdRefを制御することは、励磁電流Idおよびトルク電流Iqの比率を制御することと等価となる。これにより、状況に応じて最大推力を得る動作点や、最大効率を得る動作点など任意な動作点での運転を実現することができる。また、本実施形態の構成は、従来の回転形誘導電動機に対するベクトル制御の制御ブロックを転用して実現することが可能であり、その場合、アルゴリズムの修正は僅かで済み、従来の実績や経験を活かした信頼性の高い制御システムを容易に構築することができる。
【0058】
<実施形態3>
図4は、請求項4に係る発明の実施形態を示すブロック図である。この実施形態は図3に示す実施形態と比べ、LIMの2次時定数を推定する2次時定数推定部42を新たに設け、それに関連して、若干異なる構成のすべり周波数基準演算部49としたことが相違点であり、他は同一である。
【0059】
2次時定数推定部42は、電流制御部5の出力であるd軸(励磁軸)電圧指令VdRefおよびq軸(トルク軸)電圧指令VqRef、並びに電流成分演算部48の出力である励磁電流Idおよびトルク電流Iqとを入力し、次式に従い、励磁軸誘起電圧Edを演算する。
【0060】
【数12】
ここに、L2はLIMの2次インダクタンス、Mは相互インダクタンス、L1は1次インダクタンス、σは漏れ係数(=1−M×M/L1/L2)、sはラプラス演算子である。
【0061】
LIMの2次時定数T2が正確に把握されている場合、(17)式に示すすべり周波数ωsを与えることにより、制御上のd軸(励磁軸)と実際の2次磁束とが一致する。この場合、誘起電圧はq軸(トルク軸)方向に発生するため、d軸(励磁軸)誘起電圧Edは発生しない。(18)式により演算されたd軸(励磁軸)誘起電圧が0(ゼロ)でない場合は、2次時定数T2が正確に把握されていないと判断することができる。よって、次式のように、d軸(励磁軸)誘起電圧がゼロとなるように、2次時定数T2を補正することにより、2次時定数を推定することができる。
【0062】
【数13】
ここに、Kpは比例ゲイン、Kiは積分ゲイン、sはラプラス演算子を表す。
【0063】
すべり周波数演算部49は、励磁電流指令IdRefおよびトルク電流指令IqRef、並びに2次時定数推定部42で推定された2次時定数推定値T2を入力とし、2次時定数推定値T2に応じて、次式に従ってすべり周波数指令ωsを演算する。
【0064】
【数14】
【0065】
以上の構成により、実施形態2と同様な作用効果を得ることができる。また、リアクションプレート15の材質や形状の差異により、2次時定数T2が変化する場合、すべり周波数を一定とすると、相電流実効値I1が一定であっても、実際のトルク電流Iqおよび励磁電流Idの比率が変化し、推力が変動する。特に、推力が最大となるトルク電流Iqと励磁電流Idの比率の動作点で動作している場合、2次時定数の変化により、最大推力の動作点を維持できず、推力が低下する場合がある。2次時定数の誤差を修正し、正確なトルク電流Iqと励磁電流Idを把握するとともに、常時トルク電流と励磁電流との比率を一定に制御することにより、リアクションプレート15の材質や形状の差異に起因した2次時定数の変化に対して、推力の変化が小さな特性を得ることが可能である。これにより、加減速度の変化が一定になり、車両性能を一定に保証することができる。
【0066】
<実施形態4>
図5は、請求項5に係る発明の実施形態を示すブロック図である。この実施形態はベクトル制御部44に含まれるすべり周波数演算部49の内部構成に係わるものであり、他の部分は省略して説明する。
【0067】
この実施形態におけるすべり周波数演算部49は、すべり周波数基準演算部50およびリミッタ部51からなっている。すべり周波数基準演算部50は、次式によりすべり周波数基準ωs*を演算する。
【0068】
【数15】
ここに、T2はLIMの2次時定数である。
【0069】
演算されたすべり周波数基準ωs*は、リミッタ部51へ入力される。リミッタ部51は入力されたすべり周波数基準ωs*を次のロジックにより所定範囲内の値に制限し、すべり周波数ωsとして出力する。
【0070】
【数16】
ここに、ωsUは所定の上限値、ωsLは所定の下限値である。
【0071】
以上の構成に従い、すべり周波数基準ωs*ををリミッタ部で所定範囲内に制限することにより、すべり周波数が所定範囲内に存在するように保証することができる。LIMの場合、1次リニアコイル14と2次リアクションプレート15の間に吸引力が作用するが、すべり周波数が小さくなると、吸引力が大きくなることが知られている。本実施形態では、トルク電流と励磁電流の比率の指令値に依存して、すべり周波数が変化する。すべり周波数を所定値の中に制限することにより、過大な吸引力が作用することを抑制し、それにより、過度な吸引力の増長による車両およびリアクションプレートの機械的疲労および破損を抑制することができる。
【0072】
<実施形態5>
図6は、請求項6に係る発明の実施形態を示すブロック図である。この実施形態は、実施形態1に対する変形例に相当し、実施形態1に比べ、インバータ12の出力周波数の生成に関わる部分が異なるものであるため、その部分を中心として説明し、他の部分は省略して説明する。図6の駆動制御装置には、速度検出器18、ロータ周波数演算部20、および加算器21は設けられていない。
【0073】
電流成分比率指令演算部29により生成された電流成分比率指令KIdqRefに対する実際の電流成分比率KIdqの電流成分比率偏差(=KIdqRef−KIdq)が減算器23で求められ、出力周波数制御部37に入力される。出力周波数制御部37は、入力された電流成分比率偏差をゼロにするような周波数指令ω1を制御演算する。周波数指令ω1は、積分器10を介して位相θに変換され、電圧指令演算部6に送出される。
【0074】
以上の構成により、電流実効値I1を一定に維持しながら、励磁電流とトルク電流との比率を制御することができる。これにより、実施形態1と同様な作用効果を得ることができる。さらに、速度検出器を用いずに制御できることから、コスト低減や、保守性の向上、あるいは、速度検出系に重畳するノイズ等による制御系への悪影響を低減することができる。
【0075】
<実施形態6>
図7は、請求項7に係る発明の実施形態を示すブロック図である。この実施形態は、実施形態2(図3)と比べ、ベクトル制御部52を一部変形したものである。このベクトル制御部52は、速度センサを用いずにベクトル制御を行う速度センサレスベクトル制御部としたところが特徴であり、その代わり、誘起電圧演算部41を設けると共に、周波数指令ω1を演算する出力周波数制御部53を設けている。誘起電圧演算部41は、電流制御部5で求められたdq軸電圧指令VdRef,VqRef、および検出電流Iu,Iwを入力として、d軸誘起電圧Edおよびq軸誘起電圧Eqを(23)〜(26)式のようにして演算する。
【0076】
【数17】
ここに、L2はLIMの2次インダクタンス、Mは相互インダクタンス、L1は1次インダクタンス、σは漏れ係数(=1−M×M/L1/L2)、sはラプラス演算子である。
【0077】
出力周波数制御部53は、算出されたd軸誘起電圧Edおよびq軸誘起電圧Eqに基づいて、次式により周波数指令ω1を演算する。
【0078】
【数18】
ここに、φ2*は2次磁束基準、Kpは比例ゲイン、Kiは積分ゲイン、sはラプラス演算子を表す。
【0079】
以上の構成により、電流実効値I1を一定に維持しながら、励磁電流とトルク電流との比率を制御することが可能となり、実施形態1と同様な作用効果を得ることができる。さらに、速度検出器を用いずに制御できることから、コスト低減や、保守性の向上、あるいは、速度検出系に重畳するノイズ等の影響による制御系への悪影響を低減することが可能になる。また、本実施形態は、従来の回転形誘導電動機に対する速度センサレスベクトル制御の制御ブロックを流用して実現可能であり、その場合、アルゴリズムの修正が少なく、従来の実績や経験を活かした信頼性の高いシステムを容易に構築することができる。速度センサレスベクトル制御には種々の方式が提案されており、本発明は実施形態として具体的に示した構成に限定されるものではない。
【0080】
<実施形態7>
図8は、請求項8に係る発明の実施形態を示すブロック図である。本実施形態は、各実施形態における電流成分比率指令演算部29の内部構成に関するものである。
【0081】
この実施形態における電流成分比率指令演算部29は、電流成分比率基準演算部33およびリミッタ部34から構成されている。電流成分比率基準演算部33は、トルク電流対励磁電流の比率を表す電流成分比率基準KIdqRef*を出力し、これに対し、リミッタ部34は、次のロジックに従って、所定の範囲に制限し、電流成分比率指令KIdqRefとして出力する。
【0082】
【数19】
ここで、KIdqRefUは所定の上限値、KIdqRefLは所定の下限値である。
【0083】
以上の構成により、電流成分比率指令KIdqRefをリミッタ部34で制限された値に制限し、励磁電流とトルク電流の比率が所定の範囲内に収まるように保証することができる。LIMの場合、1次リニアコイル14と2次リアクションプレート15の間に吸引力が作用するが、すべり周波数が小さくなると、吸引力が大きくなることが知られている。すべり周波数が小さいことは、トルク電流に対する励磁電流の比率が小さいことと等価と考えられる。よって、励磁電流とトルク電流の比率を制限することにより、過大な吸引力が作用することを抑制することが可能である。特に、実施形態5や実施形態6に示すような、速度検出器が存在しない構成のものでは、すべり周波数を直接制限することができないため、吸引力の抑制が困難である。本実施形態では、速度検出器を用いない構成にもかかわらず、それが存在するものと同様な作用効果を得ることができる。
【0084】
<実施形態8>
図9は、請求項9および請求項10に係る発明の実施形態を示すブロック図である。この実施形態は図3に実施形態2として示した実施形態を基本とするものである。この実施形態では、ロータ周波数演算部20から出力されるロータ周波数ωRが、電流成分比率指令演算部29へ入力される。電流成分比率指令演算部29は、ロータ周波数ωRの関数fとして、トルク電流/励磁電流の指令値すなわち電流成分比率指令KIdqRefを生成する。
【0085】
【数20】
ここに、関数fの形は特別なものに限定されるものではない。
【0086】
この実施形態のポイントは、関数fを、各ロータ周波数ωRにおいて、最大の推力を得るトルク電流/励磁電流の動作点に選定することにある。例えば、トルク電流/励磁電流をパラメータとして、各ロータ周波数、図示の例ではωRの値を、15、45、および75[rad/s]で推力特性試験を実施し、図10に示すような特性曲線を得たとする。トルク電流/励磁電流の指令値は、各速度で最大推力となるように、次式のように設定する。
【0087】
【数21】
【0088】
以上の構成により、各ロータ周波数において、最大の推力動作点を得るように、ロータ周波数ωRの関数として、励磁電流とトルク電流との比率の指令値を与えることが可能である。リアクションプレート15の材質や形状の変化により、2次時定数T2が変化しても、トルク電流と励磁電流との比率を一定に制御することにより、推力の変化を抑制することができる、したがって、最大推力の動作点を維持し続けることができる。これにより、車両性能を向上させ、高加減速運転を実現することができる。また、同一の車両性能を得るための平均電流値を低減できることから、発熱や損失を抑制することができ、機器の小型・軽量化を達成することができる。
【0089】
本実施形態では、励磁電流とトルク電流の比率の指令値を車両速度すなわちロータ周波数ωRに応じた関数とする場合を示したが、これを、電流値や、磁束量、ギャップ長、応荷重すなわち車両の重量などの関数とする場合であっても、同様の作用効果を達成することができる。また、励磁電流とトルク電流との比率の指令値を、速度や、電流値、磁束量、ギャップ長、車両荷重などの状態量のうち、いずれか1つの関数とするのではなく、2つ以上の状態量の関数とすることもできる。この場合、より広い動作点において、最大推力点を維持することができ、車両性能をより向上させ、高加減速運転をすることができる。
【0090】
【発明の効果】
本発明によれば、VVVFインバータで駆動されるリニアインダクションモータ(LIM)を駆動源とするLIM電気車の駆動制御装置において、リアクションプレートの材質や形状の差異等に対して、推力の変動を抑制し、常に最大推力の近傍の値を出力するLIM電気車の駆動制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1および請求項2に係る発明の実施形態によるLIM電気車の駆動制御装置のブロック図。
【図2】図1における複数の座標系の相互関係を説明するための説明図。
【図3】請求項3に係る発明の実施形態によるLIM電気車の駆動制御装置のブロック図。
【図4】請求項4に係る発明の実施形態によるLIM電気車の駆動制御装置のブロック図。
【図5】請求項5に係る発明の実施形態によるLIM電気車の駆動制御装置のブロック図。
【図6】請求項6に係る発明の実施形態によるLIM電気車の駆動制御装置のブロック図。
【図7】請求項7に係る発明の実施形態によるLIM電気車の駆動制御装置のブロック図。
【図8】請求項8に係る発明の実施形態によるLIM電気車の駆動制御装置のブロック図。
【図9】請求項9に係る発明の実施形態によるLIM電気車の駆動制御装置のブロック図。
【図10】請求項10に係る発明の実施形態によるLIM電気車の推力特性を説明するための特性線図。
【図11】従来技術によるLIM電気車の駆動制御装置のブロック図。
【符号の説明】
4 実効値演算部
5 電流制御部
6 電圧指令演算部
7 PWM制御部
8 電流成分演算部
10 積分器
11 直流フィルタコンデンサ
12 インバータ
13 電流検出部
14 1次コイル
15 リアクションプレート
16 レール
17 車輪
18 速度検出部
20 ロータ周波数演算部
21 加算器
22 除算器
23 減算器
26 2次磁束軸演算部
27 実効値演算部
28 電流指令演算部
29 電流成分比率指令演算部
30 すべり周波数制御部
31 リミッタ部
32 電流成分指令演算部
33 電流成分比率基準演算部
34 リミッタ部
37 出力周波数制御部
41 誘起電圧演算部
42 2次時定数推定部
44 ベクトル制御部
45 電流制御部
46 dq/3相変換部
47 すべり周波数演算部
48 電流成分演算部
49 すべり周波数演算部
50 すべり周波数基準演算部
51 リミッタ部
52 ベクトル制御部
53 出力周波数制御部
Claims (10)
- リニアインダクションモータを駆動源とし、前記リニアインダクションモータをVVVFインバータにより駆動する電気車の駆動制御装置において、前記リニアインダクションモータの1次電圧および1次電流に基づいて2次磁束軸を演算する2次磁束軸演算手段と、前記1次電流の、前記2次磁束軸に一致する励磁電流成分およびそれに直交するトルク電流成分を演算する電流成分演算手段と、トルク電流成分および励磁電流成分の比率の指令値を演算する電流成分比率指令演算手段と、前記電流成分演算手段によって算出された前記トルク電流成分および励磁電流成分の比率が前記電流成分比率指令演算手段によって算出された前記トルク電流成分および励磁電流成分の比率の指令値に一致するように前記リニアインダクションモータのすべり周波数を制御するすべり周波数制御手段とを備えたことを特徴とする電気車の駆動制御装置。
- 請求項1に記載の電気車の駆動制御装置において、前記すべり周波数制御手段は、リニアインダクションモータのすべり周波数を所定値内に制限するリミッタ手段を含むことを特徴とする電気車の駆動制御装置。
- 電気車を駆動するリニアインダクションモータの2次磁束軸に一致する1次電流成分を励磁電流とし、それに直交する1次電流成分をトルク電流とし、前記励磁電流およびトルク電流がそれぞれ励磁電流指令およびトルク電流指令に一致するように励磁軸電圧指令およびトルク軸電圧指令を介してモータ1次電流を制御する電流制御手段と、前記励磁電流指令およびトルク電流指令から前記リニアインダクションモータのすべり周波数を演算するすべり周波数演算手段と、前記リニアインダクションモータのすべり周波数を制御する手段とを有するベクトル制御手段を備えた電気車の駆動制御装置において、前記トルク電流および励磁電流の比率の指令値を演算する電流成分比率指令演算手段と、電流指令値を演算する電流指令演算手段と、前記トルク電流および励磁電流の比率の指令値と前記電流指令値とを入力として前記励磁電流指令およびトルク電流指令を演算する電流成分指令演算手段とを設けたことを特徴とする電気車の駆動制御装置。
- 請求項3に記載の電気車の駆動制御装置において、前記励磁軸電圧指令、トルク軸電圧指令、励磁電流指令およびトルク電流指令に基づいて2次時定数を推定する2次時定数推定手段を備え、前記すべり周波数演算手段は、前記2次時定数推定手段により推定された2次時定数に応じてすべり周波数を演算することを特徴とすることを特徴とする電気車の駆動制御装置。
- 請求項3に記載の電気車の駆動制御装置において、前記すべり周波数演算手段は、すべり周波数を所定値内に制限するリミッタ手段を含んでいることを特徴とする電気車の駆動制御装置。
- リニアインダクションモータを駆動源とし、前記リニアインダクションモータをVVVFインバータにより駆動する電気車の駆動制御装置において、前記リニアインダクションモータの1次電流を電流指令に一致するように制御する電流制御手段と、前記リニアインダクションモータの1次電圧および1次電流に基づいて2次磁束軸を演算する2次磁束軸演算手段と、前記1次電流の、前記2次磁束軸に一致する励磁電流成分およびそれに直交するトルク電流成分を演算する電流成分演算手段と、トルク電流成分および励磁電流成分の比率の指令値を演算する電流成分比率指令演算手段と、前記トルク電流成分および励磁電流成分の比率が前記トルク電流成分および励磁電流成分の比率の指令値に一致するように前記インバータの出力周波数を制御する手段とを備えたことを特徴とする電気車の駆動制御装置。
- 電気車を駆動するリニアインダクションモータの2次磁束軸に一致する1次電流成分を励磁電流とし、それに直交する1次電流成分をトルク電流とし、前記励磁電流およびトルク電流がそれぞれ励磁電流指令およびトルク電流指令に一致するように励磁軸電圧指令およびトルク軸電圧指令を介してモータ1次電流を制御する電流制御手段を有するベクトル制御手段を備えた電気車の駆動制御装置において、電流指令値を演算する電流指令演算手段と、前記トルク電流および励磁電流の比率の指令値を演算する電流成分比率指令演算手段と、前記トルク電流および励磁電流の比率の指令値と前記電流指令値とを入力として前記励磁電流指令およびトルク電流指令を演算する電流成分指令演算手段とを設けたことを特徴とする電気車の駆動制御装置。
- 請求項1、3、6および7のいずれか1項に記載の電気車の駆動制御装置において、前記電流成分比率指令演算手段は、前記トルク電流および励磁電流の比率の指令値を所定値内に制限するリミッタ手段を含むことを特徴とする電気車の駆動制御装置。
- 請求項1、3、6および7のいずれか1項に記載の電気車の駆動制御装置において、前記電流成分比率指令演算手段は、前記トルク電流と励磁電流との比率の指令値を、車両速度、電流値、磁束量、ギャップ長および車両重量のうちの少なくとも1つの関数として演算することを特徴とする電気車の駆動制御装置。
- 請求項9に記載の電気車の駆動制御装置において、前記電流成分比率指令演算手段は、前記トルク電流および励磁電流の比率の指令値を、電気車の特性試験から求めた最大推力を出力する動作点に設定することを特徴とする電気車の駆動制御装置。
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