JPH089697A - 誘導電動機のベクトル制御装置 - Google Patents

誘導電動機のベクトル制御装置

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JPH089697A
JPH089697A JP6139752A JP13975294A JPH089697A JP H089697 A JPH089697 A JP H089697A JP 6139752 A JP6139752 A JP 6139752A JP 13975294 A JP13975294 A JP 13975294A JP H089697 A JPH089697 A JP H089697A
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康 松本
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英俊 海田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】回転速度検出手段を使用せずに誘導電動機をベ
クトル制御で速度制御する際に、誘起電圧演算値の誤差
を小さく抑制することで、特に低速運転する際の回転速
度の不安定を排除することにある。 【構成】出力電圧トルク軸成分VT 又は誘起電圧トルク
軸成分ET が一定値VTL又はETLよりも小の際に両者の
差をゲイン倍後に一次角周波数指令値ω1 *で除算する
トルク軸出力電圧調整回路30を設け、これの出力値を
リミッタ37を介して加算器38で磁束指令値φ* に加
算することで新たな磁束指令値を得る。又は一次角周波
数指令値ω1 * か回転速度推定値N# が小の領域で磁束
指令値φ* が大となるパターンを発生する磁束発生回路
50を設け、これの出力値を新たな磁束指令値とする。
これらの新たな磁束指令値を使うことで、低速運転時の
誘起電圧演算値や一次角周波数演算値の演算誤差を小さ
く抑制し、回転速度が不安定になる恐れを回避してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、誘導電動機の回転速
度を検出する手段を省略した状態でベクトル制御により
速度制御をする誘導電動機のベクトル制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】図9は誘導電動機に速度検出手段を結合
せずに速度制御を行うベクトル制御装置の従来例を示し
た回路図であって、特開昭64−8896号公報で公開
されている回路である。この従来例回路の動作の概略を
以下に記載する。PWMインバータ2が供給する3相交
流電流を電流検出器3で検出し、この検出電流を3相2
相変換回路11で固定座標上の2相量Iα,Iβに変換
し、更に座標変換回路13で磁束軸を基準とする回転座
標上の2相量IM ,IT に変換するが、IM が磁束軸に
平行な磁化軸電流でありIT がこれと直交するトルク軸
電流である。又電圧検出器4はPWMインバータ2が出
力する3相交流電圧を検出し、この3相交流電圧を3相
2相変換回路12で固定座標上の2相量Vα,Vβに変
換し、更に座標変換回路14で磁束軸を基準とする回転
座標上の2相量VM,VT に変換するが、VM が磁束軸
に平行な出力電圧磁化軸成分でありVT がこれと直交す
る出力電圧トルク軸成分である。
【0003】誘起電圧演算回路15は前述した磁化軸電
流IM ,トルク軸電流IT ,出力電圧磁化軸成分VM
及び出力電圧トルク軸成分VT と、一次角周波数指令演
算回路16が演算する一次角周波数指令値ω1 * とを入
力して、下記の数式1と数式2とに従って誘起電圧磁化
軸成分EM と誘起電圧トルク軸成分ET とを演算する。
但し、R1 は誘導電動機一次側抵抗,Lσは誘導電動機
洩れインダクタンス,jは虚数単位である。
【0004】
【数1】
【0005】
【数2】
【0006】図10は図9の従来例回路に図示している
一次角周波数指令演算回路の構成を示した回路図であ
り、その動作を以下に記述する。絶対値演算回路61は
誘起電圧トルク軸成分ET を入力してその絶対値を演算
し、割算器64はこの絶対値を磁束指令値でφ* 除算す
ることにより、一次角周波数ω1 の大きさを得ている。
一方調節回路63はこれに入力する誘起電圧磁化軸成分
M が零となる調節動作の結果としてωMCを出力する。
減算器65は前述した割算器64が出力する一次角周波
数ω1 の大きさからこのωMCを減算する。極性判定回路
62は誘起電圧トルク軸成分ET の極性を判別してお
り、乗算器66は減算器65の演算結果に誘起電圧トル
ク軸成分ET の極性を乗じた結果を一次角周波数指令値
ω1 * として出力する。
【0007】図9の従来例回路に図示しているすべり周
波数演算回路18は、トルク軸電流IT と磁束指令値φ
* とを入力してすべり角周波数ωS を演算しており、前
述の一次角周波数指令値ω1 * からこのすべり角周波数
ωS を差し引くことで、回転速度推定値N# を得てい
る。速度調節回路21はこの回転速度推定値N# と回転
速度指令値N* との偏差を零にする調節動作を行い、そ
の結果としてトルク軸電流指令値IT * を出力する。一
方磁束調節回路22は磁束指令値φ* を入力して磁化軸
電流指令値IM * を出力する。
【0008】電流調節回路23はトルク軸電流指令値I
T * ,磁化軸電流指令値IM * と、前述したトルク軸電
流IT ,磁化軸電流IM とを入力し、その調節動作の結
果としてトルク軸電圧指令値VT * と磁化軸電圧指令値
M * を出力する。これら回転座標上のトルク軸電圧指
令値VT * と磁化軸電圧指令値VM * とは座標変換回路
24により固定座標上の2相量Vα* とVβ* とに変換
され、更に2相3相変換回路25がこの2相量を3相分
の電圧指令値にしてPWMインバータ2を制御する。
尚、積分回路17は一次角周波数指令値ω1 * から磁束
軸位置を求め、これを座標変換回路13,14,及び2
4へ与えている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】前述した図9の従来例
回路は、誘導電動機1が高速運転してるときは問題ない
が、低い回転速度で運転しているときはその誘起電圧が
小さくなるので、誘起電圧演算値(誘起電圧演算回路1
5の演算結果)の相対精度が必然的に低下してしまう。
図9の従来例回路は、相対精度が低下している誘起電圧
演算値を使って一次角周波数指令値ω1 * を演算するの
で、その演算誤差は大となる。回転速度推定値N# は誤
差が大きい前述の一次角周波数指令値ω1 * から得てい
るので、誘導電動機1が低速運転する場合は、その回転
速度が不安定になってしまう欠点がある。
【0010】そこでこの発明の目的は、回転速度検出手
段を使用せずに誘導電動機をベクトル制御で速度制御す
る際に、誘起電圧演算値の誤差を小さく抑制すること
で、特に低速運転する際の回転速度の不安定を排除する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
めにこの発明の誘導電動機のベクトル制御装置は、誘導
電動機へ交流電力を供給する電力変換手段の出力電流を
前記電動機の磁束軸と平行な磁化軸電流成分とこれに直
交するトルク軸電流成分とに分解して検出し、前記電力
変換手段の出力電圧を前記電動機の磁束軸と平行な出力
電圧磁化軸成分とこれに直交する出力電圧トルク軸成分
とに分解して検出し、これら出力電圧磁化軸成分と出力
電圧トルク軸成分とから誘起電圧演算手段は誘起電圧磁
化軸成分と誘起電圧トルク軸成分とを演算し、これら誘
起電圧磁化軸成分と誘起電圧トルク軸成分と別途設定し
ている磁束指令値とから一次角周波数指令値を演算し、
前記トルク軸電流検出値と前記磁束指令値とから得られ
るすべり周波数を前記一次角周波数指令値から差し引い
て回転速度推定値を演算し、この回転速度推定値を別途
設定する回転速度指令値に一致させる調節動作によりト
ルク軸電流指令値を求め、磁束調節手段に磁束指令値を
入力させて磁化軸電流指令値を求め、これらトルク軸電
流指令値と磁化軸電流指令値とを入力する電流調節手段
を備えて前記電力変換手段を制御する構成の誘導電動機
のベクトル制御装置において、電力変換手段の出力電圧
検出値に基づく値を入力してその絶対値を演算し、別途
設定する下限設定値からこの絶対値を減算した結果が正
値の場合は前記減算結果を一定値倍し、これを前記一次
角周波数指令値で除算する電圧調節手段を設け、前記磁
束指令値にこのトルク軸出力電圧調節手段の出力を加算
した値を新たな磁束指令値とし、前記磁束調節手段は新
たな磁束指令値を入力信号とする。
【0012】前記電圧調節手段へは出力電圧トルク軸成
分検出値,又は誘起電圧トルク軸成分検出値を入力とす
る。又は、前記一次角周波数指令値を入力して、この入
力値がしきい値を越える場合は磁束定格値を磁束指令値
として出力し、この入力値が前記しきい値以下の場合は
出力する磁束指令値と前記一次角周波数指令値との積を
前記磁束定格値と前記しきい値との積に等しくする磁束
指令値発生手段を備え、前記磁束調節手段はこの磁束指
令値発生手段が出力する磁束指令値を入力信号とする。
【0013】又は、前記誘導電動機の回転速度を入力し
て、この入力値がしきい値を越える場合は磁束定格値を
磁束指令値として出力し、この入力値が前記しきい値以
下の場合は出力する磁束指令値と前記誘導電動機の回転
速度との積を前記磁束定格値と前記しきい値との積に等
しくする磁束指令値発生手段を備え、前記磁束調節手段
はこの磁束指令値発生手段が出力する磁束指令値を入力
信号とする。
【0014】
【作用】請求項1の発明は、誘導電動機の誘起電圧演算
値及び一次角周波数演算値の誤差の大きさは、PWMイ
ンバータ出力電圧検出値のSN比で決まることや、PW
Mインバータの出力電圧が高いほど検出値のSN比が高
くなること、更に磁束を強めるとPWMインバータの出
力電圧が高くなること、などに鑑みてなされるものであ
る。
【0015】請求項2の発明は次のとおりである。低速
時では一次角周波数指令値ω1 * が小さいので誘導電動
機洩れインダクタンスLσによる電圧降下分は無視でき
ることから、誘起電圧トルク軸成分ET は下記の数式3
で表すことができる。
【0016】
【数3】ET =VT −R1 ・IT 又、一次角周波数指令値ω1 * は、誘起電圧磁化軸成分
M の調節項を省略すると下記の数式4で表される。
【0017】
【数4】ω1 * =ET ÷φ* 従って低速時でもVT のSN比を高くすることができれ
ば、誘起電圧演算値と実際値との誤差を低減することが
できるので、一次角周波数指令値ω1 * を理想的な値に
近づけることができる。ここでVT のSN比を高くする
原理を以下で説明する。
【0018】VT がVTLなる値、及びVT1なる値(ここ
でVTLとVT1はいずれも正であり且つVTL>VT1とす
る)のときの誘起電圧トルク軸成分は下記の数式5,数
式6となる。但しトルク電流の大きさは同じであるとす
る。
【0019】
【数5】ETL=VTL−R1 ・IT
【0020】
【数6】ET1=VT1−R1 ・IT このときのVT1とVTLとの電位差は下記の数式7とな
る。
【0021】
【数7】VTL−VT1=ETL−ET1=ΔET 前記の数式4と数式7から下記の数式8が導かれる。
【0022】
【数8】
【0023】従って磁束を数式8に示すΔφだけ強めれ
ば、誘起電圧がΔET だけ増加してVT1がVTLに等しく
なる。即ち低速時の出力電圧トルク軸成分VT のSN比
を高くする。請求項3の発明は、誘起電圧が高いほどP
WMインバータの出力電圧検出値のSN比が高くなるこ
とに鑑みてなされているものであって、その基本的な原
理は前述した請求項2の発明と同じである。
【0024】請求項4の発明は、次の通りである。即
ち、誘起電圧トルク軸成分ET と一次角周波数ω1 と磁
束φとの間には下記の数式9に示す関係がある。
【0025】
【数9】ET =ω1 ・φ ここで一次角周波数ω1 とその指令値ω1 * との偏差は
僅かであるし、磁束φもその指令値φ* との偏差は小で
あり、数式9から数式10が導かれる。
【0026】
【数10】ET =ω1 * ・φ* 磁束指令値φ* を磁束定格値φ0 としたときの一次角周
波数指令値ω1 * と誘起電圧トルク軸成分ET とは線型
関係である。従って磁束指令値φ* が一定のままでは、
誘導電動機1が低速のとき,即ち一次角周波数ω1 が小
さいときには誘起電圧トルク軸成分ET が前述したETL
以下になってしまう。そこで一次角周波数指令値ω1 *
が下記の数式11に示しているω1L以下のときには、磁
束指令値φ* を数式12で表されるようにする。但し磁
束指令値φ* は予め定めた値を越えないように制限はし
ておく。
【0027】
【数11】
【0028】
【数12】
【0029】磁束調節回路は数式12の磁束指令値φ*
から磁化軸電流指令値IM * を得ているので、誘導電動
機1が低速時でも誘起電圧トルク軸成分ET がETL以下
になるのを防止できるので、出力電圧トルク軸成分VT
のSN比を高くすることができる。請求項5の発明は、
一次角周波数指令値ω1 * の代わりに回転速度推定値N
#を使って出力電圧トルク軸成分VT のSN比を高くす
るものであって、その基本的な原理は前述した請求項3
の発明と同じである。
【0030】
【実施例】図1は本発明の第1実施例を表した回路図で
ある。この第1実施例回路は、図9で既述の従来例回路
に電圧調節手段としてのトルク軸出力電圧調整回路30
とリミッタ37及び加算器38を追加して構成してい
る。従って図9の従来例回路と同じ部分の動作は既に説
明済であるからその部分の記述は省略し、追加部につい
てのみ説明する。尚、この第1実施例回路では電圧検出
器4が検出する電圧信号を使用しているが、2相3相変
換回路25が出力する電圧指令値を使用しても差し支え
ないのは勿論である。
【0031】トルク軸出力電圧調整回路30は座標変換
回路14が出力する出力電圧トルク軸成分VT と、この
T の下限を設定している下限設定値VTLとを入力し、
この下限設定値VTLが出力電圧トルク軸成分VT の絶対
値よりも大である場合は、これら両者の差をゲイン倍し
た後、一次角周波数指令値ω1 * で除算した値φMCを出
力する。このφMCはリミッタ37を経て加算器38へ与
えられ、加算器38はこのφMCと磁束指令値φ* との和
を新たな磁束指令値として磁束調節回路22へ入力させ
ている。このφMCにより、出力電圧トルク軸成分VT
絶対値が下限設定値VTL以下のときは磁束が強まり、誘
起電圧トルク軸成分ET と出力電圧トルク軸成分VT
が増加する。かくして誘導電動機1が低速運転している
際の出力電圧トルク軸成分VT のSN比が高くなる。
【0032】図2は図1の第1実施例回路に図示してい
る電圧調節手段としてのトルク軸出力電圧調整回路の構
成を表した回路図であって、絶対値演算回路31,減算
器32,正値演算回路33,定数乗算器34,及び割算
器35で構成しており、前述した数式7と数式8の演算
がこのトルク軸出力電圧調整回路30で実行される。図
3は本発明の第2実施例を表した回路図である。この第
2実施例回路は前述した図1の第1実施例回路と同様
に、図9で既述の従来例回路に電圧調節手段としてのト
ルク軸出力電圧調整回路30とリミッタ37及び加算器
38を追加して構成しているが、トルク軸出力電圧調整
回路30へは誘起電圧演算回路15が出力する誘起電圧
トルク軸成分ET を入力しているところが前述した図1
の第1実施例回路とは異なっている。尚、この第2実施
例回路では電圧検出器4が検出する電圧信号を使用して
いるが、2相3相変換回路25が出力する電圧指令値を
使用しても差し支えないのは勿論である。
【0033】図4は図3の第2実施例回路に図示してい
る電圧調節手段としてのトルク軸出力電圧調整回路の構
成を表した回路図であって、絶対値演算回路31,減算
器32,正値演算回路33,定数乗算器34,及び割算
器35で構成している。誘起電圧トルク軸成分ET の下
限設定値ETLがこのET の絶対値よりも大きい場合に
は、ETLとET の絶対値ととの差をゲイン(KE )倍し
た後一次角周波数指令値ω1 * で除算した結果のφ
MCを、従来の磁束指令値φ* に加算して新たな磁束指令
値を求める。この新たな磁束指令値から磁束調節回路2
2が磁化軸電流指令値IM * を出力するのは、前述した
第1実施例回路の場合と同じである。
【0034】φMCの項を設けることで、誘起電圧トルク
軸成分ET の絶対値がETL以下のときは磁束が強まり、
誘起電圧トルク軸成分ET が増加する。よって低速時で
も出力電圧トルク軸成分VT のSN比を高くすることが
できるから、誘起電圧トルク軸成分ET 及び一次角周波
数指令値ω1 * の演算誤差を小さく抑制することができ
る。
【0035】図5は本発明の第3実施例を表した回路図
である。この第3実施例回路は図9で既述の従来例回路
に磁束発生回路50を追加した構成である。従って図9
の従来例回路と同じ部分の動作は既に説明済であるから
その部分の記述は省略し、追加部についてのみ説明す
る。尚、この第3実施例回路では電圧検出器4が検出す
る電圧信号を使用しているが、2相3相変換回路25が
出力する電圧指令値を使用しても差し支えないのは勿論
である。
【0036】図6は磁束指令値φ* を定格値φ0 とした
ときの一次角周波数指令値ω1 * と誘起電圧トルク軸成
分ET との関係を表したグラフであり、図7は一次角周
波数指令値ω1 * に対応する磁束指令曲線を表したグラ
フである。磁束指令値が一定のままでのときは、誘起電
圧トルク軸成分ET は図6の細線0→A→B→Cの経路
で変化するので、低速運転時,即ち一次角周波数ω1
小さいときには誘起電圧トルク軸成分ET がETL以下に
なってしまう。そこで図7の磁束指令曲線のように、一
次角周波数指令値ω1 * が数式11で得られるω1L以下
のときには、この磁束指令値を数式12で得られる値と
する。但しこの磁束指令値に制限は設けておくものとす
る。
【0037】図7の磁束指令曲線を、一次角周波数指令
値ω1 * で参照して磁束指令値を設定すれば、磁束指令
に制限が掛からない範囲では誘起電圧トルク軸成分ET
を図6の太線0→D→B→Cの経路での変化にすること
ができる。そこで図5の第3実施例回路に記載の磁束発
生回路50は図7に図示の磁束指令曲線を発生する構成
にすることで、低速運転時でも誘起電圧トルク軸成分E
T がETL以下になることを防ぎ(図6参照)、SN比を
高くして誘起電圧トルク軸成分ET と一次角周波数の演
算値の演算誤差を小さく抑制することができる。
【0038】図8は本発明の第4実施例を表した回路図
である。この第4実施例回路は、磁束発生回路50が発
生する磁束指令曲線を一次角周波数指令値ω1 * ではな
くて回転速度推定値N# で参照しているところが図5で
既述の第3実施例回路と異なっているが、これ以外はす
べて図5の第3実施例回路と同じでるから、その説明は
省略する。
【0039】尚、第4の実施例では回転速度推定値N#
で磁束指令曲線を参照しているが、回転速度指令値N*
で参照しても構わないことは勿論である。
【0040】
【発明の効果】回転速度検出手段を使用せずにベクトル
制御により誘導電動機を速度制御する場合は、低速運転
時に誘起電圧演算値や一次角周波数演算値に演算誤差を
生じるため、回転速度を安定させることができない不具
合があったが、本発明によれば、誘導電動機の回転速度
が低い場合でも出力電圧トルク軸成分VT のSN比を高
くして誘起電圧トルク軸成分ET と一次角周波数演算値
の演算誤差を小さく抑制しているので、低回転速度領域
でも回転速度を安定させることができる効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を表した回路図
【図2】図1の第1実施例回路に図示している電圧調節
手段としてのトルク軸出力電圧調整回路の構成を表した
回路図
【図3】本発明の第2実施例を表した回路図
【図4】図3の第2実施例回路に図示している電圧調節
手段としてのトルク軸出力電圧調整回路の構成を表した
回路図
【図5】本発明の第3実施例を表した回路図
【図6】磁束指令値φ* を定格値φ0 としたときの一次
角周波数指令値ω1 * と誘起電圧トルク軸成分ET との
関係を表したグラフ
【図7】一次角周波数指令値ω1 * に対応する磁束指令
曲線を表したグラフ
【図8】本発明の第4実施例を表した回路図
【図9】誘導電動機に速度検出手段を結合せずに速度制
御を行うベクトル制御装置の従来例を示した回路図
【図10】図9の従来例回路に図示している一次角周波
数指令演算回路の構成を示した回路図
【符号の説明】
1 誘導電動機 2 PWMインバータ 3 電流検出器 4 電圧検出器 11,12 3相2相変換回路 13,14 座標変換回路 15 誘起電圧演算回路 16 一次角周波数指令演算回路 18 すべり周波数演算回路 21 速度調節回路 22 磁束調節回路 23 電流調節回路 24 座標変換回路 25 2相3相変換回路 30 電圧調節手段としてのトルク軸出力電圧調
整回路 31 絶対値演算回路 32 減算器 33 正値演算回路 34 定数乗算器 35 割算器 37 リミッタ 38 加算器 50 磁束発生回路 EM 誘起電圧磁化軸成分 ET 誘起電圧トルク軸成分 IM * 磁化軸電流指令値 IT * トルク軸電流指令値 Lσ 誘導電動機洩れインダクタンス N* 回転速度指令値 N# 回転速度推定値 R1 誘導電動機一次側抵抗 VM 出力電圧磁化軸成分 VM * 磁化軸電圧指令値 VT 出力電圧トルク軸成分 VT * トルク軸電圧指令値 φ* 磁束指令値 ω1 * 一次角周波数指令値 ωS すべり角周波数

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】誘導電動機へ交流電力を供給する電力変換
    手段の出力電流を前記電動機の磁束軸と平行な磁化軸電
    流成分とこれに直交するトルク軸電流成分とに分解して
    検出し、前記電力変換手段の出力電圧を前記電動機の磁
    束軸と平行な出力電圧磁化軸成分とこれに直交する出力
    電圧トルク軸成分とに分解して検出し、これら出力電圧
    磁化軸成分と出力電圧トルク軸成分とから誘起電圧演算
    手段は誘起電圧磁化軸成分と誘起電圧トルク軸成分とを
    演算し、これら誘起電圧磁化軸成分と誘起電圧トルク軸
    成分と別途設定している磁束指令値とから一次角周波数
    指令値を演算し、前記トルク軸電流検出値と前記磁束指
    令値とから得られるすべり周波数を前記一次角周波数指
    令値から差し引いて回転速度推定値を演算し、この回転
    速度推定値を別途設定する回転速度指令値に一致させる
    調節動作によりトルク軸電流指令値を求め、磁束調節手
    段に磁束指令値を入力させて磁化軸電流指令値を求め、
    これらトルク軸電流指令値と磁化軸電流指令値とを入力
    する電流調節手段を備えて前記電力変換手段を制御する
    構成の誘導電動機のベクトル制御装置において、 電力変換手段の出力電圧検出値に基づく値を入力してそ
    の絶対値を演算し、別途設定する下限設定値からこの絶
    対値を減算した結果が正値の場合は前記減算結果を一定
    値倍し、これを前記一次角周波数指令値で除算する電圧
    調節手段を設け、前記磁束指令値にこのトルク軸出力電
    圧調節手段の出力を加算した値を新たな磁束指令値と
    し、前記磁束調節手段は新たな磁束指令値を入力信号と
    することを特徴とする誘導電動機のベクトル制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の誘導電動機のベクトル制
    御装置において、 出力電圧トルク軸成分検出値を前記電圧調節手段への入
    力とすることを特徴とする誘導電動機のベクトル制御装
    置。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の誘導電動機のベクトル制
    御装置において、 誘起電圧トルク軸成分検出値を前記電圧調節手段への入
    力とすることを特徴とする誘導電動機のベクトル制御装
    置。
  4. 【請求項4】誘導電動機へ交流電力を供給する電力変換
    手段の出力電流を前記電動機の磁束軸と平行な磁化軸電
    流成分とこれに直交するトルク軸電流成分とに分解して
    検出し、前記電力変換手段の出力電圧を前記電動機の磁
    束軸と平行な出力電圧磁化軸成分とこれに直交する出力
    電圧トルク軸成分とに分解して検出し、これら出力電圧
    磁化軸成分と出力電圧トルク軸成分とから誘起電圧演算
    手段は誘起電圧磁化軸成分と誘起電圧トルク軸成分とを
    演算し、これら誘起電圧磁化軸成分と誘起電圧トルク軸
    成分と別途設定している磁束指令値とから一次角周波数
    指令値を演算し、前記トルク軸電流検出値と前記磁束指
    令値とから得られるすべり周波数を前記一次角周波数指
    令値から差し引いて回転速度推定値を演算し、この回転
    速度推定値を別途設定する回転速度指令値に一致させる
    調節動作によりトルク軸電流指令値を求め、磁束調節手
    段に磁束指令値を入力させて磁化軸電流指令値を求め、
    これらトルク軸電流指令値と磁化軸電流指令値とを入力
    する電流調節手段を備えて前記電力変換手段を制御する
    構成の誘導電動機のベクトル制御装置において、 前記一次角周波数指令値を入力して、この入力値がしき
    い値を越える場合は磁束定格値を磁束指令値として出力
    し、この入力値が前記しきい値以下の場合は出力する磁
    束指令値と前記一次角周波数指令値との積を前記磁束定
    格値と前記しきい値との積に等しくする磁束指令値発生
    手段を備え、前記磁束調節手段はこの磁束指令値発生手
    段が出力する磁束指令値を入力信号とすることを特徴と
    する誘導電動機のベクトル制御装置。
  5. 【請求項5】誘導電動機へ交流電力を供給する電力変換
    手段の出力電流を前記電動機の磁束軸と平行な磁化軸電
    流成分とこれに直交するトルク軸電流成分とに分解して
    検出し、前記電力変換手段の出力電圧を前記電動機の磁
    束軸と平行な出力電圧磁化軸成分とこれに直交する出力
    電圧トルク軸成分とに分解して検出し、これら出力電圧
    磁化軸成分と出力電圧トルク軸成分とから誘起電圧演算
    手段は誘起電圧磁化軸成分と誘起電圧トルク軸成分とを
    演算し、これら誘起電圧磁化軸成分と誘起電圧トルク軸
    成分と別途設定している磁束指令値とから一次角周波数
    指令値を演算し、前記トルク軸電流検出値と前記磁束指
    令値とから得られるすべり周波数を前記一次角周波数指
    令値から差し引いて回転速度推定値を演算し、この回転
    速度推定値を別途設定する回転速度指令値に一致させる
    調節動作によりトルク軸電流指令値を求め、磁束調節手
    段に磁束指令値を入力させて磁化軸電流指令値を求め、
    これらトルク軸電流指令値と磁化軸電流指令値とを入力
    する電流調節手段を備えて前記電力変換手段を制御する
    構成の誘導電動機のベクトル制御装置において、 前記誘導電動機の回転速度を入力して、この入力値がし
    きい値を越える場合は磁束定格値を磁束指令値として出
    力し、この入力値が前記しきい値以下の場合は出力する
    磁束指令値と前記誘導電動機の回転速度との積を前記磁
    束定格値と前記しきい値との積に等しくする磁束指令値
    発生手段を備え、前記磁束調節手段はこの磁束指令値発
    生手段が出力する磁束指令値を入力信号とすることを特
    徴とする誘導電動機のベクトル制御装置。
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