JP3323901B2 - リニアモータ電気車の制御装置 - Google Patents

リニアモータ電気車の制御装置

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JP3323901B2 JP19955298A JP19955298A JP3323901B2 JP 3323901 B2 JP3323901 B2 JP 3323901B2 JP 19955298 A JP19955298 A JP 19955298A JP 19955298 A JP19955298 A JP 19955298A JP 3323901 B2 JP3323901 B2 JP 3323901B2
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/72Electric energy management in electromobility

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可変電圧、可変周
波数の交流を出力する電力変換器によって鉄車輪支持の
車上1次リニア誘導電動機をベクトル制御を用いて駆動
するリニアモータ電気車の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電気車の車上側に1次巻線を有し、地上
側に2次導体としてリアクションプレートを設けたリニ
ア誘導電動機によって電気車を走行する場合、電気車が
走行する走行区間によって材質の異ったリアクションプ
レートを混合して用い、鉄車輪支持の車上1次リニアモ
ータ電気車を制御することが知られている。この種の技
術は第2689186号特許公報に記載され、この場合
経済性の観点から銅のリアクションプレートとアルミの
リアクションプレートを使い分け、走行区間信号を検出
し、この区間信号に基づいてすべり周波数パターンを切
り替え、リニアモータ電気車を走行制御している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述の公知例において
は、区間検出信号に基づいてすべり周波数パターンを切
り替えるに当って、走行区間毎に区間検出手段を設けて
いる。しかしながら、この場合にはリアクションプレー
トの種類を検出する何らかの手段を設ける必要があり、
その分のコストがかかる、という課題がある。また、リ
ニアモータ電気車では、分岐器部や車庫内などリアクシ
ョンプレートを設けることができない場所がある。リニ
アモータ電車がこのリアクションプレートのない部分を
通過すると、過大な電流が流れる、という課題がある。
【0004】本発明の課題は、リアクションプレートの
状態を検出する手段を設けることなく、リアクションプ
レートの種類に拘らず推力を一定に保つと共に、リアク
ションプレートのない部分を通過したときにも、過大な
電流が流れることのないリニアモータ電気車の制御装置
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決されるた
めに、トルク電流指令値とトルク電流検出値の偏差に基
づいてすべり周波数補正量を演算し、すべり周波数指令
値を補正する手段と、励磁電流指令値と励磁電流検出値
の偏差に基づいて電圧指令補正量を演算し、電圧指令値
を補正する手段を設け、すべり周波数補正量を電圧指令
値の補正に用いる。また、励磁電流指令が変化する場合
には、すべり周波数補正量及び電圧指令補正量を零とす
るか、これらの補正量の絶対値を小さくする。
【0006】リニア誘導電動機の1次側が銅のリアクシ
ョンプレート上からアルミのリアクションプレート上に
移動したとするとき、銅とアルミではアルミの方が抵抗
が大きいので、リニア誘導電動機の等価回路で考える
と、等価回路の2次抵抗の値が急に大きくなったことに
なる。このときリニア誘導電動機の制御にベクトル制御
を用い、等価回路定数として銅のリアクションプレート
の定数で制御を行っていたとすると、アルミリアクショ
ンプレート領域に入ったとき、トルク電流指令値に比べ
てトルク電流検出値が小さくなり、偏差が生じる。この
偏差に応じてすべり周波数が大きくなるように補正する
制御を行うことによって、2次抵抗の大きいアルミリア
クションプレートの等価回路定数を用いてベクトル制御
を行った場合と等価になる。このときトルク電流指令、
励磁電流指令に変化がなければ、発生推力はリアクショ
ンプレートが切り替わった直後を除いて自動的に一定に
保たれる。逆に、アルミから銅のリアクションプレート
に移動した場合にはトルク電流指令値とトルク電流検出
値の偏差がなくなり、元の状態に戻る。また、リニア誘
導電動機の1次側がリアクションプレート上からリアク
ションプレートのない場所に移動したときには、リニア
誘導電動機の等価回路で考えると、等価回路の励磁イン
ダクタンスが小さくなり、2次抵抗の値がさらに大きく
なったことになる。このときリアクションプレートが銅
からアルミに変わったときと同様に制御すると、2次側
のインピーダンスが減少し、大きな励磁電流成分が流れ
ることになる。そこで、励磁電流検出値と励磁電流指令
値の偏差が大きくなった場合には出力電圧指令が小さく
なるように制御する。これによりリアクションプレート
のない場所を通ったときには、推力を発生することはで
きないが、過大な電流が流れないようにすることができ
る。また、励磁電流検出値の代わりに、検出の容易な1
次電流実効値検出値を用いても同様の効果を呈する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
用いて説明する。図1は、本発明の第1の実施形態によ
るリニアモータ電気車の制御装置を示す。図1におい
て、直流電源11から供給される直流は、フィルタコン
デンサ12によって平滑され、電力変換器であるパルス
幅変調(以下、PWMと称する。)インバータ1に与え
られる。PWMインバータ1は、電源となる直流電圧を
3相の可変電圧、可変周波数の交流に変換し、リニア誘
導電動機2の1次巻線に電圧を供給する。この1次巻線
とこれに対向して地上側に設けられたリアクションプレ
ート(図示せず)の間の相互作用によって電気車が走行
する。制御装置は、電流指令発生器3、電圧指令補正器
4、電圧指令演算器5、すべり周波数補正器6、すべり
周波数演算器7、加算器8、座標変換器9,10、PW
M信号演算器13からなる。電流指令発生器3は、励磁
電流指令値Id*及びトルク電流指令値Iq*を発生す
る。電圧指令補正器4は、励磁電流指令値Id*及び後
述する座標変換器10の出力である励磁電流検出値Id
の偏差に基づいて電圧指令補正信号dvを電圧指令演算
器5に出力する。電圧指令演算器5は、励磁電流指令値
Id*、トルク電流指令値Iq*、電圧指令補正信号dv
及び後述する1次周波数指令値ω1*に基づいてリニア
誘導電動機2に供給される回転磁界座標系の2つの電圧
成分の指令であるVd*、Vq*を演算する。すべり周波
数補正器6は、トルク電流指令値Iq*及びトルク電流
検出値Iqからすべり周波数指令補正信号dfを演算
し、すべり周波数演算器7に出力する。すべり周波数演
算器7は、励磁電流指令値Id*、トルク電流指令値I
q*及びすべり周波数指令補正信号dfからすべり周波
数指令値ωs*を演算し、出力する。一方、車輪15に
取り付けられた速度検出器16から出力される電気車速
度ωrは、加算器8ですべり周波数演算器7の出力であ
るすべり周波数指令値ωs*と加算され、1次周波数指
令値ω1*を生成する。この1次周波数指令値ω1*は電
圧指令演算器5及び座標変換器9、10に与えられる。
座標変換器9は、電圧指令Vd*、Vq*を入力して、1
次周波数指令値ω1*に基づいて静止座標系の3相電圧
指令Vu、Vv、Vwに変換する。座標変換器10は、
PWMインバータ1の出力電流を検出する電流検出器1
4u、14v、14wにより検出された電動機電流i
u、iv、iwを入力して、1次周波数指令値ω1*に
基づいて回転磁界座標系の励磁電流成分Id、トルク電
流成分Iqに変換する。PWM信号演算器13では、座
標変換器9の出力Vu、Vv、Vwよりオン、オフパル
スSu、Sv、Swを発生し、PWMインバータ1に与
える。
【0008】以下、本実施形態の動作について説明す
る。図2に、リニア誘導電動機の1相分の等価回路を示
す。図2において、r1は1次抵抗、l1は1次漏れイ
ンダクタンス、lmは励磁インダクタンス、l2は2次
漏れインダクタンス、r2は2次抵抗、sはリニア誘導
電動機のすべりを表す。リアクションプレートの材質が
銅からアルミに変ったとすると、銅とアルミではアルミ
の方が1.5倍ほど抵抗が高いので、2次抵抗r2が
1.5倍大きくなることになる。r2以外に2次漏れイ
ンダクタンスl2が若干変化するが、影響が小さいの
で、無視すると、その他の定数は1次、2次間のエアギ
ャップが変らなければ、変化しない。したがって、等価
回路定数でみると、リアクションプレートの材質変化に
より2次抵抗r2が変化する。このとき本実施形態で
は、後述するように、すべり周波数補正器6及びすべり
周波数演算器7の働きにより、トルク電流指令値Iq*
とトルク電流検出値Iqの偏差に基づいてすべり周波数
指令値ωs*を補正するように制御する。
【0009】すべり周波数補正器6の構成例を図3に、
すべり周波数演算器7の構成例を図4に示す。図3にお
いて、31はトルク電流指令値Iq*とトルク電流検出
値Iqの偏差を求める減算器、32は1次遅れ要素を表
し、偏差が急激に変化したときに制御が不安定になるの
を防ぐ働きをする。この1次遅れ要素の出力がすべり周
波数補正量dfとなる。33はリミッタであり、すべり
周波数補正量dfが所定値を越えないようにすることに
より、リアクションプレートが無くなって等価回路定数
が大きく変化した場合でも、制御が発散するのを防ぐ働
きをする。また、図4において、41、42はそれぞれ
係数器、除算器を表し、トルク電流指令値Iq*及び励
磁電流指令値Id*よりすべり周波数指令値ωs*を計算
する。ここで、すべり周波数補正量dfが0のとき、す
べり周波数指令値ωs*は(数1)の値となる。
【数1】 43は加算器であり、すべり周波数指令値にすべり周波
数補正量dfを加えることにより、補正したすべり周波
数指令値ωs*を出力する。このような構成において、
リアクションプレートの材質が銅からアルミに変ったと
すると、2次抵抗r2が増えるため、リニア誘導電動機
のインピーダンスが増加し、流れる電流が減少する。そ
のときトルク電流検出値Iqも減少し、トルク電流指令
Iq*との間に偏差が発生し、すべり周波数補正量df
に値が発生する。この値をすべり周波数演算器7ですべ
り周波数指令値に加えて補正することにより、すべり周
波数指令値ωs*が大きくなるので、(数1)のr2が
大きくなったのと等価な働きをする。このようにすべり
周波数が大きくなるように制御される結果、電流は銅リ
アクションプレートのときとほぼ同じ電流となる。一
方、リニア誘導電動機の推力Fは(数2)で表される。
【数2】 τ:リニア誘導電動機のポールピッチ (数2)より励磁電流Id、トルク電流Iqが一定であ
れば、推力も維持されることが分かる。つまり、dfの
補正により、アルミの場合のωs*は大きくなり、ω1*
も大きくなり、電圧指令値Vd*、Vq*が大きくなる。
これにより、アルミの場合のId、Iqと銅の場合のI
d、Iqが一致し、この結果、(数2)により推力が維
持される。逆に、アルミから銅に変った場合には、リニ
ア誘導電動機の電流が増える方向に変化するため、指令
値との偏差が小さくなり、最終的に元の状態に戻り、や
はり推力は維持される。
【0010】次に、リアクションプレート有りの場所か
ら無しの場所に変った場合には、1次巻線で発生した磁
束が2次側に鎖交しなくなるため、1次巻線が単なるイ
ンダクタンスとして働くことになる。このとき等価回路
でみると、励磁インダクタンスlmが小さくなったよう
に見える。また、l2、r2の回路も2次導体がなくな
ったことにより、r2が大きくなり、回路がオープンに
なったとみなすことができる。その結果、リアクション
プレートがなくなると、等価回路のインピーダンスが減
少して、印加電圧が同じとすると、大きな電流が流れる
ことになる。そこで、本実施形態では、後述するよう
に、電圧指令補正器4及び電圧指令演算器5の働きによ
り、励磁電流指令値Id*と励磁電流検出値Idの偏差
に基づいて値Vd*、Vq*を補正するように制御する。
【0011】電圧指令補正器4の構成例を図5に、電圧
指令演算器5の構成例を図6に示す。図5において、5
1は励磁電流指令値Id*と励磁電流検出値Idの偏差
を求める減算器、52は1次遅れ要素を表し、偏差が急
激に変化したときに制御が不安定になるのを防ぐ働きを
する。この1次遅れ要素の出力が電圧指令補正量dvと
なる。この出力にリミッタを設けることもできる。ま
た、図6において、61は電圧ベクトル演算部を表し、
(数3)で表される値を出力する。
【数3】 62は加算器であり、電圧ベクトル演算部61の出力V
q1*に電圧指令補正量dvを加えることにより、補正
した電圧指令値Vq*を出力する。このような構成にお
いて、リアクションプレート有りのところから無しのと
ころに変ったとすると、前述のようにリニア誘導電動機
のインピーダンスが減少し、流れる電流が増大する。そ
のとき電流は励磁インダクタンスlmを流れる励磁電流
のみとなるため、励磁電流検出値Idが大きく増加し、
励磁電流指令Id*との間に負の偏差が発生し、電圧補
正量dvに値が発生する。この値を電圧指令演算器5で
電圧指令値に加えて補正することにより、電圧指令値V
q*が小さくなり、電流の増加を抑えることができる。
このように電圧指令値Vq*が小さくなるように制御さ
れる結果、電流が過大になることがない。逆に、リアク
ションプレート無しから有りに変った場合には、電流の
偏差がなくなり、最終的に元の状態に戻る。
【0012】以上説明したように、本実施形態では、リ
アクションプレートの材質が変った場合にも推力が一定
に制御され、リアクションプレートが無いところを走行
した場合にも、過大な電流が流れることがないリニア誘
導電動機の制御装置を実現することができる。
【0013】図7は、本発明の第2の実施形態を示す。
図1の第1の実施形態との違いは、実効電流演算器17
により3相電流iu、iv、iwの実効値を求める点
と、電流指令発生器3から電流実効値指令Im*を出力
する点である。ここで、電流実効値指令Im*と励磁電
流指令値Id*、トルク電流指令Iq*の間には(数4)
の関係がある。
【数4】 また、電圧指令補正器4には、図1では励磁電流指令値
Id*と励磁電流検出値Idを入力するのに対し、本実
施形態では、代わりに電流実効値指令値Im*と電流実
効値検出値Imを入力し、電圧指令補正器4から電圧指
令補正量dvを出力する。リアクションプレートが無く
なったときに流れる電流は、殆ど励磁電流であるので、
励磁電流の代わりに検出が容易な電流実効値Imを用い
ることにより、励磁電流検出値Idを用いることなく、
図1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0014】図8は、本発明の第3の実施形態を示す。
図1の第1の実施形態との違いは、すべり周波数補正器
6の出力dfをすべり周波数演算器7だけでなく、電圧
指令演算器5にも与える点である。このときのすべり周
波数補正器6の別の構成例を図9に示す。図3との違い
は1次遅れ要素32の代わりに比例積分制御器92を用
いる点である。比例積分制御器92を用いることによ
り、定常状態においてトルク電流指令値Iq*とトルク
電流検出値Iqの定常誤差を0とすることができる。ま
た、比例積分制御器92の出力にリミッタを設けると、
制御の発散を防止することができる。
【0015】すべり周波数演算器7の別の構成例を図1
0に示す。図10において、101、106は加算器、
102は除算器、103は係数器、104は乗算器、1
05は1次遅れ要素、107は2次抵抗r2を発生する
定数発生器、108はリミッタである。ここで、すべり
周波数補正量dfが0のときにはすべり周波数指令値ω
s*は図4においてdf=0とした場合と同様(数1)
となる。このすべり周波数演算器7は、すべり周波数補
正量dfを入力とする1次遅れ要素105の出力を加算
器106でr2に加えることにより、r2の補正量r
2’を求め、一方、Iq*とdfを加算した加算器10
1の出力を除算器102によりId*で除算し、係数器
103を介して得た出力にその補正量r2’を乗算器1
04で掛けることによって、すべり周波数指令値ωs*
を補正する働きをする。なお、加算器101でIq*に
dfを加えているのは、r2以外の定数の変動、その他
の要因によって偏差が生じた場合にトルクの変動が小さ
くなるように補正をするためのものである。また、リミ
ッタ108は図3のリミッタ33と同じ働きをする。こ
の構成において、リアクションプレートの材質が銅から
アルミに変ったとすると、2次抵抗が増えるため、リニ
ア誘導電動機のインピーダンスが増加し、流れる電流が
減少する。そのときトルク電流検出値Iqも減少し、ト
ルク電流指令Iq*との間に偏差が発生し、図9に示し
たすべり周波数補正器6の出力のすべり周波数補正量d
fに正の値が発生する。この値dfを図10に示したす
べり周波数数演算器7に入力し、補正量を加算器106
で銅リアクションプレートの場合の2次抵抗r2に加え
ることにより、値が大きくなるように補正されたr2’
を出力する。その結果、(数1)の銅リアクションプレ
ートに相当するr2がアルミリアクションプレートに相
当するr2’に大きくなったことになる。このように、
すべり周波数が大きくなるように制御される結果、電流
は銅リアクションプレートのときとほぼ同じ電流とな
り、推力も一定に保たれる。したがって、第1の実施形
態と同様の効果を有する。
【0016】第3の実施形態における電圧指令演算器5
の一構成例を図11に示す。111、112は加算器、
113は励磁インダクタンスlmを発生する定数発生器
である。この電圧指令演算器5は、電圧指令補正量dv
を加算器112でlmに加えることでlmの補正量l
m’を求め、その値を励磁インダクタンスとして(数
3)の計算を行い、電圧指令値Vd*、Vq*を出力す
る。また、加算器111でIq*にdfを加えるのは、
上述したと同様にトルクの変動が小さくなるように補正
をするためのものである。この構成において、リアクシ
ョンプレートの無いところを走行したときには、励磁電
流検出値Idが大きくなることから、図5に示した電圧
指令補正器4の出力dvが負となる。その結果、図11
の加算器112において1mより小さい値の励磁インダ
クタンス1m’が出力されるので、電圧指令値Vd*、
Vq*が小さくなり、第1の実施形態と同様に電流の増
大を抑える効果を有する。
【0017】図12は、本発明の第3の実施形態におい
て、電気車がリアクションプレートの無いところを走行
したとしたときのリニア誘導電動機のU相電流iu及び
推力Fの時間変化を示す。ここでは、時間が0.1sの
ときにリアクションプレートの無いところに入り、0.
6sのときにリアクションプレートの有るところに移っ
たとしている。図12から明らかなように、状態が変化
したところで若干U相電流iuが変動するが、その後所
定の範囲内に収まっている。このように、本実施形態で
は、リアクションプレートの無いところを走行した場合
に過大な電流を抑えることができる。また、推力Fはリ
アクションプレートが無くなったところで0になってい
るが、リアクションプレートがあるところに戻ると、速
やかに回復している。
【0018】ここで、ベクトル制御においては、通常励
磁電流を一定に制御する必要があるため、PWMインバ
ータの起動時の電流立ち上げ時、速度に応じて励磁電流
を減らしてゆく弱め界磁制御時など励磁電流指令を変化
させるときには、ベクトル制御を行うことができずに指
令値と検出値の間に誤差が発生し、すべり周波数補正器
6、電圧指令補正器4が誤動作することがある。この場
合には、すべり周波数補正量、電圧指令補正量を0とす
るか、補正量が小さくなるようにすればよい。具体的に
は、励磁電流指令Id*が変化するときに、すべり周波
数補正器6の1次遅れ要素32(図3)、電圧指令補正
器4の1次遅れ要素52(図5)あるいはすべり周波数
演算器7の1次遅れ要素105(図10)のゲインを0
とするか、通常より小さくなるようにすればよい。
【0019】以上説明した制御装置によれば、特別にリ
アクションプレートの状態を検出することなく、通常の
電動機の制御や電力変換器を異常状態から保護するため
に必要な電動機の電流検出値を用いて、制御を行うマイ
クロプロセッサに組み込むことにより、リニアモータの
制御装置を実現することができ、別途特別な装置を設け
る必要がない。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
リアクションプレートの状態を検出する手段を設けるこ
となく、リアクションプレートの材質が変わった場合に
も推力を一定に制御することができる。また、リアクシ
ョンプレートのないところを走行した場合にも、過大な
電流が流れることがないように電流を抑制することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態によるリニアモータ電
気車の制御装置
【図2】リニア誘導電動機の等価回路を示す図
【図3】すべり周波数補正器の一構成例
【図4】すべり周波数演算器の一構成例
【図5】電圧指令補正器の一構成例。
【図6】電圧指令演算器の一構成例。
【図7】本発明の第2の実施形態
【図8】本発明の第3の実施形態
【図9】すべり周波数補正器6の別の構成例
【図10】すべり周波数演算器7の別の構成例
【図11】電圧指令演算器5の別の一構成例
【図12】電気車がリアクションプレートの無い部分を
走行したときの電流及び推力の変化を示す図
【符号の説明】 1…PWMインバータ,2…リニア誘導電動機,3…電
流指令発生器,4…電圧指令補正器,5…電圧指令演算
器,6…すべり周波数補正器,7…すべり周波数演算
器,8…加算器,9,10…座標変換器,11…直流電
源,12…フィルタコンデンサ,13…PWM信号演算
器,14…電流検出器,15…車輪,16…速度検出
器,17…実効電流演算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関澤 俊彦 茨城県ひたちなか市市毛1070番地 株式 会社日立製作所 水戸工場内 (72)発明者 安藤 正博 東京都千代田区神田駿河台四丁目6番地 株式会社日立製作所内 (56)参考文献 特開 平4−236103(JP,A) 特開 昭61−106005(JP,A) 特開 昭57−9285(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60L 13/03 H02P 5/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可変電圧、可変周波数の交流を出力する
    電力変換器と、この電力変換器によって駆動され、電気
    車の車上側に1次巻線を有し、地上側に2次導体として
    リアクションプレートを設けたリニア誘導電動機と、こ
    のリニア誘導電動機に与える励磁電流指令とトルク電流
    指令を演算する手段と、リニア誘導電動機の1次電流か
    ら励磁電流成分及びトルク電流成分を検出する手段と、
    前記励磁電流指令及びトルク電流指令よりすべり周波数
    指令値を演算する手段と、前記励磁電流指令、トルク電
    流指令及びすべり周波数指令値を含む1次周波数指令値
    より電圧指令値を演算する手段を備えたリニアモータ電
    気車の制御装置において、前記トルク電流指令値とトル
    ク電流検出値の偏差に基づいてすべり周波数補正量を演
    算し、前記すべり周波数指令値を補正する手段と、前記
    励磁電流指令値と励磁電流検出値の偏差に基づいて電圧
    指令補正量を演算し、前記電圧指令値を補正する手段を
    設け、前記すべり周波数補正量を前記電圧指令値の補正
    に用いることを特徴とするリニアモータ電気車の制御装
    置。
  2. 【請求項2】 可変電圧、可変周波数の交流を出力する
    電力変換器と、この電力変換器によって駆動され、電気
    車の車上側に1次巻線を有し、地上側に2次導体として
    リアクションプレートを設けたリニア誘導電動機と、こ
    のリニア誘導電動機に与える励磁電流指令とトルク電流
    指令を演算する手段と、リニア誘導電動機の1次電流か
    ら励磁電流成分及びトルク電流成分を検出する手段と、
    前記励磁電流指令及びトルク電流指令よりすべり周波数
    指令値を演算する手段と、前記励磁電流指令、トルク電
    流指令及びすべり周波数指令値を含む1次周波数指令値
    より電圧指令値を演算する手段を備えたリニアモータ電
    気車の制御装置において、前記トルク電流指令値とトル
    ク電流検出値の偏差に基づいてすべり周波数補正量を演
    算し、前記すべり周波数指令値を補正する手段と、前記
    励磁電流指令値と励磁電流検出値の偏差に基づいて電圧
    指令補正量を演算し、前記電圧指令値を補正する手段を
    設け、前記励磁電流指令が変化する場合には、前記すべ
    り周波数補正量及び前記電圧指令補正量を零とするか、
    これらの補正量の絶対値を小さくすることを特徴とする
    リニアモータ電気車の制御装置。
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