JP2008094981A - 多孔体の製造方法及び多孔体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明にかかるシリコーンゴム、フッ素ゴム及びエチレン−プロピレンゴムから選択されるゴムに、気孔形成剤及び加硫剤を混練してゴム組成物を得る混練工程と、ゴム組成物を加硫剤が反応する温度に設定された加硫温度で加硫して加硫ゴム組成物を得る加硫工程と、ゴムは溶解しないが気孔形成剤は溶解する溶媒で洗浄することにより気孔を形成する溶出工程と、を含む。混練工程は、加硫温度よりも低い混練温度で行なわれる。気孔形成剤は、混練温度で溶融する第1の気孔形成剤と、混練温度で溶融しない第2の気孔形成剤と、を含む。
【選択図】図1
Description
シリコーンゴム、フッ素ゴム及びエチレン−プロピレンゴムから選択されるゴムに、気孔形成剤及び加硫剤を混練してゴム組成物を得る混練工程と、
前記ゴム組成物を前記加硫剤が反応する温度に設定された加硫温度で加硫して加硫ゴム組成物を得る加硫工程と、
前記ゴムは溶解しないが前記気孔形成剤は溶解する溶媒で洗浄することにより気孔を形成する溶出工程と、
を含み、
前記混練工程は、前記加硫温度よりも低い混練温度で行なわれ、
前記気孔形成剤は、前記混練温度で溶融する第1の気孔形成剤と、前記混練温度で溶融しない第2の気孔形成剤と、を含む。
前記混練温度は、前記加硫温度より50℃以上低い温度であることが好ましい。
前記気孔形成剤中の前記第1の気孔形成剤の含有割合は、前記気孔形成剤総量に対して2〜25質量%であることができる。
前記第1の気孔形成剤及び前記第2の気孔形成剤は水溶性物質であり、前記溶媒は水であることができる。
前記第1の気孔形成剤は、融点が40〜70℃の水溶性化合物であることができる。
前記第1の気孔形成剤は、トリメチロールプロパン、ポリエチレングリコール及びエステルグリコールから選択される1種もしくは2種以上であることができる。
前記第2の気孔形成剤は、多価アルコール、糖、水溶性アルカリ金属塩及び水溶性高分子からなる群より選択される1種もしくは2種以上であることができる。
前記第2の気孔形成剤は、不純物を含むペンタエリスリトールであることができる。
多孔体の骨格を形成するゴムは、加硫剤によって架橋することによって好ましい耐熱性が得られるゴムが好ましく、特に本発明に用いられるゴムとしては、架橋することで優れた耐熱性が得られるシリコーンゴム、フッ素ゴム及びエチレン−プロピレンゴムから選択される。シリコーンゴムは、加硫方法により高温加硫型(HTV)と室温加硫型(RTV)とに大別されるが、本発明に用いられるシリコーンゴムは、高温加硫型のシリコーンゴムであって、加硫温度としては110℃以上が好ましく、例えば、ベースポリマーとしてのオルガノポリシロキサンを含むものが挙げられる。フッ素ゴムは、分子中にフッ素原子を含む合成ゴムであり、含フッ素ゴム(FKM)とも呼ばれ、例えば、含フッ素アクリレートの重合体、フッ化ビニリデン系共重合体、テトラフルオロエチレン−プロピレン共重合体(TFE-P)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体(TFE-PMVE)、含フッ素ホスファゼン系、含フッ素シリコーン系などが挙げられる。エチレン−プロピレンゴムは、エチレンとプロピレンの系に第三成分として非共役ジエン類を加えて得られる三元共重合体であるエチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体(EPDM)が好ましい。
加硫剤としては、ゴムの種類、架橋度、加硫時間、硬化速度などを考慮して硫黄、過酸化物、キノイドなど公知の加硫剤を適宜選択することができるが、特に、加硫剤の反応する温度が本発明の混練温度を超える温度であるものの中から選択されることが好ましい。特に、加硫工程で設定される加硫温度と混練温度との差が50℃以上となるように選択されることが好ましい。過酸化物の加硫剤としては、例えば、Dicumyl peroxide、2,5−dimethyl−2,5−di(t−butyl peroxy)hexane、Di−(4−methyl benzoyl)peroxideなどが挙げられる。また、加硫剤に加えて加硫促進剤を加えてもよい。なお、「加硫温度」とは、加硫工程においてゴムを加硫するために設定される加硫剤が反応する温度であって、過酸化物加硫剤の場合、1分間の半減期を得る温度を基準として適宜設定される。
気孔形成剤としては、混練温度で溶融する第1の気孔形成剤と、混練温度で溶融しない第2の気孔形成剤と、を含む。混練温度とは、ゴム、気孔形成剤及び加硫剤を混練してゴム組成物を得る混練工程におけるゴムの温度であり、多孔体の骨格部分を形成するゴムの種類や加硫剤により異なるが、混練工程の途中で加硫剤が反応しないように加硫温度よりも十分低い温度に設定される。気孔形成剤は、気孔形成剤の溶出工程で用いる溶媒との関係から、水溶性物質であることが好ましく、溶媒は水であることが好ましい。
次に、本発明の実施形態にかかる多孔体の製造方法について説明する。
(試料の作製)
(A)混練工程:
シリコーンゴム100質量部に、過酸化物加硫剤2質量部を配合し、二本ロールで混合分散させて、シリコーンゴムコンパウンドを作製した。
加硫剤を含むシリコーンゴムコンパウンド110質量部に、第1の気孔形成剤としてトリメチロールプロパン10質量部と、第2の気孔形成剤としてペンタエリスリトール390質量部と、を配合し、缶体温度(T1)110℃に設定されたニーダーで10分間混練して気孔形成剤を混合分散させたゴム組成物を得た。
(B)加硫工程:
混練工程で得られたゴム組成物を、プレス金型内で加硫温度(T2)170℃で10分間圧縮成形して厚さ2mmのシート状の加硫ゴム組成物を得た。混練温度(T1)に対する加硫温度(T2)の差(T1−T2)は、−60℃とした。
(C)溶出工程:
シート状の加硫ゴム組成物を温水を用いて水洗し、加硫ゴム組成物中から気孔形成剤を溶出させ、多孔体の試料を得た。
なお、シリコーンゴムは東レ・ダウコーニング社製「SH−851U」、過酸化物加硫剤は東レ・ダウコーニング社製「RC−4 50(化学名:2,5−dimethyl−2,5−di(tert−butylperoxy)hexane)」、トリメチロールプロパンは溶融温度61℃の三菱ガス化学社製「トリメチロールプロパン」、ペンタエリスリトールは溶融温度165〜250℃の融解ピークを持つ広栄化学社製「ペンタリット」を用いた。なお、「ペンタリット」は、モノペンタエリスリトールが96〜99%であり、不純物としてトリペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールを1〜4%含む。したがって、混練工程において、トリメチロールプロパンは混練温度(110℃)で溶融しているが、ペンタエリスリトールは溶融していない。
(評価、測定方法)
抽出工程を経て得られた多孔体を以下の測定方法及び評価方法で評価した。
(1)ゴム組成物における気孔形成剤の体積率(vol%)
まず加硫ゴム組成物の体積と質量を測定し、次に多孔体の質量を測定した。水洗前・後の質量差と気孔形成剤の比重とから気孔形成剤の体積を算出し、これを成形材料全体の体積で割って気孔形成剤の体積率(vol%)とした。その結果を表1に示した。
(2)多孔体の見掛け密度(g/cm3)
JIS A 9511に準拠して、約200×200mmの試験片を70±5℃で乾燥し、恒量となった後質量Wと容積Vとから下記式により算出した。その結果を表1に示した。
見掛け密度(g/cm3)=W/V
(3)多孔体の空隙率(vol%)
多孔体の質量Wを、多孔体原料(成形材料から気孔形成剤を除いたもの)の比重で割って、多孔体の気孔を考慮しない容積V1を算出する。算出した容積V1及びで得られた多孔体の容積Vを用いて、下記式により算出した。その結果を表1に示した。
多孔体の空隙率=100−(V1/V)×100
(4)多孔体の硬さ
JIS K 6253「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法」に準拠して、厚さ8mmの試料をタイプEデュロメータ硬さ計で測定した。
(5)多孔体の引張強さ(MPa)、伸び(%)、引裂強さ(N/mm)
多孔体の引張強さ及び伸びは、JIS K 6251「加硫ゴムの引張試験方法」に準拠して、ダンベル状3号形を用いて測定した。また、多孔体の引裂強さは、JIS K 6252「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引裂強さの求め方」に準拠して、切込み無しアングル形を用いて測定した。
(6)耐熱性
JIS K 6257「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−熱老化特性の求め方」に準拠して125℃×168時間の寸法変化率(%)を測定し、耐熱性を評価した。その結果を表1に示した。なお、表1では、「試験片の長さ方向の寸法変化率/試験片の厚さ方向の寸法変化率」で示した。
(7)圧縮残留ひずみ率(%)
JIS K 6400「軟質ウレタンフォーム試験方法」に準拠して50℃×22時間、50%圧縮してひずみ率を測定した。その結果を表1に示した。
(8)通気度(cm3/cm2・s)
JIS L 1096「通気性A法(フラジール型試験機)」に準拠して測定した。
(A)混練工程:
シリコーンゴム100質量部に、過酸化物加硫剤4質量部を配合し、二本ロールで混合分散させて、シリコーンゴムコンパウンドを作製した。
加硫剤を含むシリコーンゴムコンパウンド290質量部に、第1の気孔形成剤としてトリメチロールプロパン10質量部及びポリエチレングリコール20質量部と、第2の気孔形成剤としてペンタエリスリトール370質量部と、を配合し、缶体温度70℃に設定されたニーダーで10分間混練して気孔形成剤を混合分散させたゴム組成物を得た。
(B)加硫工程:
混練工程で得られたゴム組成物を、シリンダー温度70℃で押出成形し、加硫炉温度180℃×30分間加硫して厚さ2mmのシート状の加硫ゴム組成物を得た。混練温度(T1)に対する加硫温度(T2)の差(T1−T2)は、−110℃とした。
(C)溶出工程:
シート状の加硫ゴム組成物を温水を用いて水洗し、加硫ゴム組成物中から気孔形成剤を溶出させ、多孔体(試料)を得た。
実施例1と同様に(1)〜(8)の評価、測定を行なった。その結果を表2に示した。なお、シリコーンゴムとして、東レ・ダウコーニング社製「SE−1186U」を用いた。
(A)混練工程:
フッ素ゴム100質量部に、酸化マグネシウム3質量部と、過酸化物加硫剤2.5質量部と、TAIC2.5質量部と、を配合し、二本ロールで混合分散させて、フッ素ゴムコンパウンドを作製した。
加硫剤を含むフッ素ゴムコンパウンド180質量部に、第1の気孔形成剤としてトリメチロールプロパン10質量部と、第2の気孔形成剤としてペンタエリスリトール390質量部と、を配合し、缶体温度110℃に設定されたニーダーで10分間混練して気孔形成剤を混合分散させたゴム組成物を得た。
(B)加硫工程:
混練工程で得られたゴム組成物を、プレス金型内で170℃×10分間圧縮成形して厚さ2mmのシート状の加硫ゴム組成物を得た。混練温度(T1)に対する加硫温度(T2)の差(T1−T2)は、−60℃とした。
(C)溶出工程:
シート状の加硫ゴム組成物を温水を用いて水洗し、加硫ゴム組成物中から気孔形成剤を溶出させ、多孔体を得て、さらにオーブンで180℃×4時間の2次加硫を実施して多孔体(試料)を得た。
実施例1と同様に(1)〜(8)の評価、測定を行なった。その結果を表4に示した。また、実施例6と同様に電子顕微鏡による写真撮影を行ない、その写真を図2に示した。なお、フッ素ゴムとして住友スリーエム社製「LJ−206007」、酸化マグネシウムとして協和化学工業社製「キョウワマグ150」、過酸化物加硫剤として日本油脂社製「パーヘキサ25B」、トリアリルイソシアヌレート(TAIC)として日本化成社製「TAIC」を用いた。
(A)混練工程:
エチレン−プロピレンゴム175質量部に、ステアリン酸1質量部と、酸化亜鉛5質量部と、SRFカーボンブラック40質量部と、軽質炭酸カルシウム80質量部と、TMTD0.3質量部と、TRA0.3質量部と、CBS1.4質量部と、硫黄1.5質量部と、を配合し、二本ロールで混合分散させて、エチレン−プロピレンゴムコンパウンドを作製した。
加硫剤を含むエチレン−プロピレンゴムコンパウンド120質量部に、第1の気孔形成剤としてトリメチロールプロパン10質量部と、第2の気孔形成剤としてペンタエリスリトール390質量部と、を配合し、缶体温度110℃に設定されたニーダーで10分間混練して気孔形成剤を混合分散させたゴム組成物を得た。
(B)加硫工程:
混練工程で得られたゴム組成物を、プレス金型内で170℃×10分間圧縮成形して厚さ2mmのシート状の加硫ゴム組成物を得た。混練温度(T1)に対する加硫温度(T2)の差(T1−T2)は、−60℃とした。
(C)溶出工程:
シート状の加硫ゴム組成物を温水を用いて水洗し、加硫ゴム組成物中から気孔形成剤を溶出させ、多孔体(試料)を得た。
実施例1と同様に(1)〜(8)の評価、測定を行なった。その結果を表4に示した。なお、エチレン−プロピレンゴムとしてJSR社製「JSR EP98」、TMTDとして大内新興化学社製「ノクセラーTT」、TRAとして大内新興化学社製「ノクセラーTRA」、CBSとして大内新興化学社製「ノクセラーCZ」を用いた。
また、実施例20の試料を用いて1ヶ月間の屋外暴露試験を行った。その結果、試料の黄色度(YI値)は、4.5と小さく、光触媒作用のあるものだった。
表5に示す配合で実施例1と同様に試料を作製し、(1)〜(8)の評価、測定を行なった。その結果を表5に示した。混練工程において、第1の気孔形成剤が配合されていないため、混練温度で気孔形成剤が溶融せず、混練加工性が悪く、ペンタエリスリトールの分散状態が悪かった。
表5に示す配合で実施例1と同様に試料を作製し、(1)〜(8)の評価、測定を行なった。その結果を表5に示した。混練温度(T1)に対する加硫温度(T2)の差(T1−T2)は、−140℃とした。混練温度が第1の気孔形成剤であるトリメチロールプロパンの溶融温度より低いため、混練工程において第1の気孔形成剤が溶融せず、混練加工性が悪く、気孔形成剤の分散性も悪かった。多孔体は、密度は実施例1と同じであるが、粗密が確認され、全体に均質なものではなかった。
表5に示す配合で実施例1と同様に試料を作製し、(1)〜(8)の評価、測定を行なった。その結果を表5に示した。混練温度(T1)に対する加硫温度(T2)の差(T1−T2)は、0℃とした。混練温度が加硫温度と同じであり、混練工程中に架橋反応が始まるため、混練加工性が悪く、気孔形成剤の分散性も悪かった。多孔体は、部分的に波打ったシート状で全体に均質なものではなかった。したがって、多孔体は、密度以外の評価が不可能であった。
表5に示す配合で実施例1と同様に試料を作製し、(1)〜(8)の評価、測定を行なった。その結果を表5に示した。混練温度(T1)に対する加硫温度(T2)の差(T1−T2)は、40℃とした。混練温度が加硫温度よりも高温であり、混練工程中に架橋反応が始まるため、混練加工性が悪く、気孔形成剤の分散性も悪かった。多孔体は、部分的に波打ったシート状で全体に均質なものではなかった。したがって、多孔体は、密度以外の評価が不可能であった。
(試料の作製)
(A)混練工程:
スチレン系エラストマー90質量部に、ポリプロピレン10質量部と、高分子改質剤としてのアクリル変性PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)5質量部と、酸化防止剤0.5質量部と、高分子アクリル系滑剤1質量部と、第2の気孔形成剤としてペンタエリスリトール350質量部と、を配合し、シリンダー温度210℃に設定された二軸押出機で混練して気孔形成剤を混合分散させたゴム組成物(ペレット)を得た。
(B)成形工程:
混練工程で得られたゴム組成物を、シリンダー温度200℃で押出成形して厚さ2mmのシート状のゴム組成物を得た。
(C)溶出工程:
シート状のゴム組成物を温水を用いて水洗し、ゴム組成物中から気孔形成剤を溶出させ、多孔体(試料)を得た。
実施例1と同様に(1)〜(8)の評価、測定を行なった。その結果を表5に示した。なお、スチレン系エラストマーとしてクラレ社製「ハイブラー7125」、ポリプロピレンとして三井住友ポリオレフィン社製「三井住友ポリプロS131」、アクリル変性PTFEとして三菱レイヨン社製「メタブレンA3000」、酸化防止剤としてチバスペシャリティーケミカルズ社製「イルガノックス1010」、高分子アクリル系滑剤として三菱レイヨン社製「メタブレンL−1000」を用いた。こうして得られた多孔体は、表5に示すように、特に耐熱性と圧縮残留ひずみに劣っていた。
(試料の作製)
(A)成形工程:
表6に示す配合で、シリコーンゴム、過酸化物加硫剤、気孔形成剤としてトリメチロールプロパンをシリンダ温度110℃の射出成形機に投入し、溶融・混合して、金型温度200℃の金型内へ射出成形すると共に、加硫してゴム組成物を得た。
(B)溶出工程:
シート状のゴム組成物を温水を用いて水洗し、ゴム組成物中から気孔形成剤を溶出させ、多孔体(試料)を得た。
実施例1と同様に(1)〜(8)の評価、測定を行なった。その結果を表6に示した。混練工程がなく一軸スクリューの射出成形機で成形したため気孔形成剤や加硫剤の分散は困難であり、得られた多孔体は、全体にかなり粗密が確認された。また、得られた多孔体は、加硫剤が分散不十分であったため、表6に示すように、強度の弱い多孔体であった。
(試料の作製)
シリコーンゴム100質量部に、過酸化物加硫剤2質量部を配合し、二本ロールで混合分散させて、シリコーンゴムコンパウンドを作製した。
加硫剤を含むシリコーンゴムコンパウンド110質量部に、第1の気孔形成剤としてトリメチロールプロパン200質量部及びポリエチレングリコール200質量部を配合し、缶体温度(T1)110℃に設定されたニーダーで10分間混練して気孔形成剤を混合分散させたゴム組成物を得た。
(B)加硫工程:
混練工程で得られたゴム組成物を、プレス金型内で加硫温度(T2)170℃で10分間圧縮成形して厚さ2mmのシート状の加硫ゴム組成物を得た。混練温度(T1)に対する加硫温度(T2)の差(T1−T2)は、−60℃とした。
(C)溶出工程:
シート状の加硫ゴム組成物を温水を用いて水洗し、加硫ゴム組成物中から気孔形成剤を溶出させ、多孔体の試料を得た。
実施例1と同様に(1)〜(8)の評価、測定を行なった。その結果を表6に示した。第1の気孔形成剤は混練工程において全て溶融するため、加工時にスリップが発生しやすく、またゴムと気孔形成剤が分離していた。得られた多孔体は、かなりの粗密が確認された。
Claims (9)
- シリコーンゴム、フッ素ゴム及びエチレン−プロピレンゴムから選択されるゴムに、気孔形成剤及び加硫剤を混練してゴム組成物を得る混練工程と、
前記ゴム組成物を前記加硫剤が反応する温度に設定された加硫温度で加硫して加硫ゴム組成物を得る加硫工程と、
前記ゴムは溶解しないが前記気孔形成剤は溶解する溶媒で洗浄することにより気孔を形成する溶出工程と、
を含み、
前記混練工程は、前記加硫温度よりも低い混練温度で行なわれ、
前記気孔形成剤は、前記混練温度で溶融する第1の気孔形成剤と、前記混練温度で溶融しない第2の気孔形成剤と、を含む多孔体の製造方法。 - 請求項1において、
前記混練温度は、前記加硫温度より50℃以上低い温度である多孔体の製造方法。 - 請求項1または2において、
前記気孔形成剤中の前記第1の気孔形成剤の含有割合は、前記気孔形成剤総量に対して2〜25質量%である多孔体の製造方法。 - 請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記第1の気孔形成剤及び前記第2の気孔形成剤は水溶性物質であり、前記溶媒は水である多孔体の製造方法。 - 請求項1〜4のいずれかにおいて、
前記第1の気孔形成剤は、融点が40〜70℃の水溶性化合物である多孔体の製造方法。 - 請求項5において、
前記第1の気孔形成剤は、トリメチロールプロパン、ポリエチレングリコール及びエステルグリコールから選択される1種もしくは2種以上である多孔体の製造方法。 - 請求項1〜6のいずれかにおいて、
前記第2の気孔形成剤は、多価アルコール、糖、水溶性アルカリ金属塩及び水溶性高分子からなる群より選択される1種もしくは2種以上である多孔体の製造方法。 - 請求項7において、
前記第2の気孔形成剤は、不純物を含むペンタエリスリトールである多孔体の製造方法。 - 請求項1〜8のいずれかの方法で得られた多孔体であって、空隙率が40〜90体積%である多孔体。
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