JP2016065124A - 多孔体 - Google Patents
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Abstract
【課題】難燃性及び耐薬品性が良好で、かつ製造時に変色などの品質劣化が無く、しかも製造時に後工程の焼結を不要にできる多孔体の提供を目的とする。【解決手段】エチレン−テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体からなる熱可塑性フルオロカーボン樹脂と、水溶性無機塩からなる気孔形成材と、熱可塑性フルオロカーボン樹脂に不活性な水溶性高分子からなる滑材からなる混練物を、水に浸漬し、気孔形成材と滑材を水により抽出除去して連続気孔構造の多孔体とした。【選択図】なし
Description
本発明は、連続気孔構造の多孔体に関する。
連続気孔構造の多孔体は、フィルター、具体的には止水用もしくは防塵用もしくは通風用もしくは固相抽出用カートリッジに用いられる捕捉材料等に用いられている。従来の多孔体として、熱可塑性オレフィン系樹脂と、水溶解性気泡形成材と、水溶解性高分子化合物からなる滑材とを加熱状態下で混合した混合物から、水溶解性気泡形成材と水溶解性高分子化合物からなる滑材を水で抽出・除去して連続気孔構造としたもの(特許文献1)や、フッ素系樹脂と非水溶性分散媒を混合した流動体と、水溶性高分子化合物からなる滑材と、水溶性気孔形成材とを混合・混練した混合物から、水溶性高分子化合物および水溶性気孔形成材を除去し、非水溶性分散媒を除去した後にフッ素系樹脂を焼結させるものがある(特許文献2)。
しかしながら、熱可塑性オレフィン系樹脂を用いた多孔体は、難燃性が低く、かつ耐薬品性が低い問題がある。
一方、従来のフッ素系樹脂を用いた多孔体は、難燃性及び耐薬品性が良好である一方、フッ素系樹脂の溶融温度が高いために、水溶性高分子化合物からなる滑材が多孔体の製造時の熱で劣化し、成形品が変色し易かった。さらに、後工程で焼結しなければならず、手間がかかる問題があった。
一方、従来のフッ素系樹脂を用いた多孔体は、難燃性及び耐薬品性が良好である一方、フッ素系樹脂の溶融温度が高いために、水溶性高分子化合物からなる滑材が多孔体の製造時の熱で劣化し、成形品が変色し易かった。さらに、後工程で焼結しなければならず、手間がかかる問題があった。
本発明は前記の点に鑑みなされたものであって、難燃性及び耐薬品性が良好で、かつ製造時に変色などの品質劣化が無く、しかも製造時に後工程の焼結を不要にできる多孔体の提供を目的とする。
請求項1の発明は、熱可塑性フルオロカーボン樹脂と、水溶性無機塩からなる気孔形成材と、前記熱可塑性フルオロカーボン樹脂に不活性な水溶性高分子からなる滑材からなる混練物から、前記気孔形成材と前記滑材を水により抽出除去して連続気孔構造としたことを特徴とする多孔体に係る。
請求項2の発明は、請求項1において、前記熱可塑性フルオロカーボン樹脂の融点が130℃以下であり、前記滑材の融点が100℃以下であることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2において、前記熱可塑性フルオロカーボン樹脂が、エチレン−テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体であることを特徴とする。
請求項1の発明によれば、熱可塑性フルオロカーボン樹脂を使用することにより、従来の熱可塑性オレフィン系樹脂を使用する多孔体よりも、難燃性及び耐薬品性が良好なものとなる。また、滑材として水溶性高分子を使用したことにより、気孔形成材の抽出を水で行うことができ、抽出が容易である。
請求項2の発明によれば、熱可塑性フルオロカーボン樹脂の融点を130℃以下とし、滑材の融点を100℃以下とすることにより、混練物の形成時の温度を従来のフッ素系樹脂を使用する場合よりも低くすることができ、滑材が熱によって分解劣化することなく、変色の発生を抑えた良好な多孔体が得られる。
請求項3の発明によれば、熱可塑性フルオロカーボン樹脂が、エチレン−テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体であることにより、従来のフッ素系樹脂を使用する場合よりも混練物形成時の温度を低くすることができ、滑材が熱によって分解劣化することなく、変色の発生を抑えた品質の良好な多孔体が得られる。
本発明に係る多孔体は、熱可塑性フルオロカーボン樹脂と、水溶性無機塩からなる気孔形成材と、前記熱可塑性フルオロカーボン樹脂に不活性な水溶性高分子からなる滑材とからなる混練物から、前記気孔形成材と前記滑材を水により抽出除去して連続気孔構造としたものである。
前記熱可塑性フルオロカーボン樹脂としては、溶融加工可能であればよく、比較的低温で加工できるものであれば好ましい。具体的には、各種フッ素化モノマーの共重合体であって、フッ素化モノマーは、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、ペルフルオロビニルエーテル、フッ化ビニリデン、ペルフルオロ(ビニル)エーテルから選ばれる3元もしくは4元共重合体を挙げることができる。好ましくは、テトラフルオロエチレン(TFE)、ヘキサフルオロプロピレン(HFP)、フッ化ビニリデン(VDF)の3元共重合体もしくはTFE、HFP、VDF、ペルフルオロビニルエーテル(PPFVE)の4元共重合体が、低融点であることで好ましい。上記3元重合体では、TFE:HFP:VDF=30〜75:5〜40:5〜55(重量%)であり、上記4元重合体では、PPFVEを0.1〜15重量%含むとよい。これらの重合体のうち、その融点が、130℃以下のものが好ましい。使用する熱可塑性フルオロカーボン樹脂を融点が130℃以下のものとすることにより、混練物形成時の温度を従来のフッ素系樹脂を使用する場合よりも低くすることができ、滑材が熱によって分解劣化することなく、変色の発生を抑えた良好な多孔体が得られるようになる。融点は、JIS K 7122:プラスチックの転移熱測定方法に従って測定した値である。
前記水溶性無機塩からなる気孔形成材は、混練物の形成時に混練物に均一に分散し、その後の水による抽出で混練物から除去されることにより、気孔形成材が存在した部分に連続気孔を形成するものである。前記水溶性無機塩からなる気孔形成材は、水に可溶であって、かつ前記混練物を形成する際に、熱的に安定なものであればよい。例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化アンモニウム、硝酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、硫酸ナトリウム無水物、炭酸ナトリウム無水物、メタケイ酸ナトリウム無水物などが挙げられる。
前記熱可塑性フルオロカーボン樹脂に不活性な水溶性高分子からなる滑材は、混練物の粘度を低下させて混練物を所定形状に成形し易くすると共に、前記混練物から前記気孔形成材の抽出、除去を容易、かつ確実に行えるようにするものである。前記熱可塑性フルオロカーボン樹脂に不活性な水溶性高分子としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共重合体、ポリオキシエチレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共重合体のアルコール付加物、ポリアミドサルホン、ポリビニルメチルエーテル、ポリアリルアミン等を挙げることができる。特に融点が100℃以下のものが好ましい。特に、ポリエチレングリコールは、分子量が1,000〜100,000で、融点が37〜70℃であって、水溶性が高く、滑材として好適なものである。
前記熱可塑性フルオロカーボン樹脂と、前記水溶性無機塩からなる気孔形成材及び前記滑材との混合割合は、体積比(vol%)で10:90〜35:65が好ましい。前記熱可塑性フルオロカーボン樹脂が10vol%未満の場合には、多孔体の骨格を形成できなくなる。一方、35vol%を超える場合には、気孔形成材の量が少なくなるため、連通気孔構造の形成が困難になる。
また、前記水溶性無機塩からなる気孔形成材と前記滑材との混合割合は、体積比(vol%)で45:55〜95:5が好ましい。気孔形成材が45vol%未満の場合には連続気孔構造が得難くなる。一方、95vol%を超える場合には、気孔形成材の抽出性が低下して多孔体内に気孔形成材が残り、気孔が連続しなくなる。本発明は、混練物として可塑剤、柔軟剤、軟化剤、酸化防止剤、加工助剤(メタブレン登録商標)等を含むことを妨げない。ただし、上記3成分のみからなる組成物は、多孔体のための必須成分だけを含み、他の成分を含まないことで、より好ましい。
本発明に係る多孔体の製造方法は、混合・混練工程と、抽出工程とよりなる。
混合・混練工程では、前記熱可塑性フルオロカーボン樹脂と、前記水溶性無機塩からなる気孔形成材と、前記滑材とを所定の割合で混合・混練を行い、混練物を形成する。混合・混練方法は、特に限定されるものではなく、例えば、1軸式または2軸式押出機、ニーダー、加圧式ニーダー、コニーダ、バンバリーミキサ、ヘンシェル型ミキサ、ロール型ミキサ、その他の混練装置を使用することができる。前記混練速度の限定はなく、混練できればよい。混練時の温度は、前記熱可塑性フルオロカーボン樹脂及び前記滑材が溶融する温度以上である。前記熱可塑性フルオロカーボン樹脂の融点を130℃以下とし、滑材の融点を100℃以下とすることにより、混練を従来の従来のフッ素系樹脂を使用する場合よりも低温で行うことが可能となる。混練時間は、混練が良好にできる時間とされ、混練時の温度にもよるが、例えば8〜45分を挙げる。なお、混練された原料は、各種成形機、押出、射出、プレス、ローラまたはブローによって所定形状に成形される。特に押出成形または射出成形が、量産性が高いことから好ましい。
混合・混練工程では、前記熱可塑性フルオロカーボン樹脂と、前記水溶性無機塩からなる気孔形成材と、前記滑材とを所定の割合で混合・混練を行い、混練物を形成する。混合・混練方法は、特に限定されるものではなく、例えば、1軸式または2軸式押出機、ニーダー、加圧式ニーダー、コニーダ、バンバリーミキサ、ヘンシェル型ミキサ、ロール型ミキサ、その他の混練装置を使用することができる。前記混練速度の限定はなく、混練できればよい。混練時の温度は、前記熱可塑性フルオロカーボン樹脂及び前記滑材が溶融する温度以上である。前記熱可塑性フルオロカーボン樹脂の融点を130℃以下とし、滑材の融点を100℃以下とすることにより、混練を従来の従来のフッ素系樹脂を使用する場合よりも低温で行うことが可能となる。混練時間は、混練が良好にできる時間とされ、混練時の温度にもよるが、例えば8〜45分を挙げる。なお、混練された原料は、各種成形機、押出、射出、プレス、ローラまたはブローによって所定形状に成形される。特に押出成形または射出成形が、量産性が高いことから好ましい。
抽出工程では、前記混練物を水に所定時間浸漬して、前記水溶性無機塩からなる気孔形成材と前記滑材を抽出し、除去する。浸漬時間は、水に浸漬する混練物の形状、厚み、大きさなどによって最適時間が異なるが、例えば、1〜24時間を挙げる。その際、抽出、除去を完全かつ効率よく行うため、混練物の全体を水に接触させるのが好ましい。また、前記水溶性無機塩からなる気孔形成材と前記滑材の抽出を効率よく行うため、温水(例えな15〜60℃)に混練物を浸漬してもよい。
前記抽出工程の終了によって、本発明の多孔体が得られる。なお、前記抽出によって水に濡れた多孔体を乾燥させる乾燥処理を、前記抽出工程後に行ってもよい。
・実施例
以下の原料を用いて表1の体積割合で加圧型ニーダー(品名「ハイブリッドミキサー」、トーシン社製)に投入し、混練温度140℃で20分間混合・混練して、所定の混合比の樹脂混合物を得た。その樹脂混合物をコニカル押出機(品名「TEC10型2軸1軸押出機、トーシン社製」)に投入し、厚み4mm×幅100mm×長さ110mmのシート状混練物とし、次に45℃の温水に12時間浸漬し、その後に50℃の乾燥機による乾燥処理を行って実施例1〜4の多孔体を得た。実施例1〜4は、下記熱可塑性フルオロカーボン樹脂の添加量を変量した。
・熱可塑性フルオロカーボン樹脂:テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの三元共重合体、融点120℃、品名「THV221GZ」、住友スリーエム社製
・気孔形成材:塩化ナトリウム、品名「やき塩P」、日本精塩社製
・滑材:ポリエチレングリコール、分子量20,000、融点65℃、品名「PEG20000」、三洋化成社製
以下の原料を用いて表1の体積割合で加圧型ニーダー(品名「ハイブリッドミキサー」、トーシン社製)に投入し、混練温度140℃で20分間混合・混練して、所定の混合比の樹脂混合物を得た。その樹脂混合物をコニカル押出機(品名「TEC10型2軸1軸押出機、トーシン社製」)に投入し、厚み4mm×幅100mm×長さ110mmのシート状混練物とし、次に45℃の温水に12時間浸漬し、その後に50℃の乾燥機による乾燥処理を行って実施例1〜4の多孔体を得た。実施例1〜4は、下記熱可塑性フルオロカーボン樹脂の添加量を変量した。
・熱可塑性フルオロカーボン樹脂:テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの三元共重合体、融点120℃、品名「THV221GZ」、住友スリーエム社製
・気孔形成材:塩化ナトリウム、品名「やき塩P」、日本精塩社製
・滑材:ポリエチレングリコール、分子量20,000、融点65℃、品名「PEG20000」、三洋化成社製
各実施例について抽出前重量(g)、抽出後重量(g)、抽出率(%)、見掛け密度(g/cm3)、気孔率(%)の測定、難燃性評価、耐薬品性評価、耐油性評価を確認した。測定評価方法は次の通りである。また、測定結果及び評価結果を表1及び表2に示す。
抽出前重量(g)は、混練物の抽出前の重量を測定した。
抽出後重量(g)は、混練物の抽出、乾燥後の重量を測定した。
抽出率(%)は、計算式:{(抽出前の重量−抽出後の重量)÷抽出前の重量}×100(%)に基づいて計算した。
見かけ密度(g/cm3)は、JIS K7222に基づいて測定した。
気孔率(%)は、JIS K7222に準拠して測定した抽出後の見かけ密度を、熱可塑性フルオロカーボン樹脂の密度で割り、この除数を1から引き、100倍し百分率として計算した。計算式:{1−(抽出後の見かけ密度)÷(熱可塑性フルオロカーボン樹脂の密度)}×100(%)
難燃性評価は、難燃性規格UL94に基づいて行った。
抽出前重量(g)は、混練物の抽出前の重量を測定した。
抽出後重量(g)は、混練物の抽出、乾燥後の重量を測定した。
抽出率(%)は、計算式:{(抽出前の重量−抽出後の重量)÷抽出前の重量}×100(%)に基づいて計算した。
見かけ密度(g/cm3)は、JIS K7222に基づいて測定した。
気孔率(%)は、JIS K7222に準拠して測定した抽出後の見かけ密度を、熱可塑性フルオロカーボン樹脂の密度で割り、この除数を1から引き、100倍し百分率として計算した。計算式:{1−(抽出後の見かけ密度)÷(熱可塑性フルオロカーボン樹脂の密度)}×100(%)
難燃性評価は、難燃性規格UL94に基づいて行った。
耐薬品性評価は、体積変化率、重量変化率および引張強度変化率、伸び変化率を評価した。これら4種の変化率は、下記形状の試験片を薬液に300時間浸漬し、浸漬前後の各々の変化率を測定した。上記体積変化率および上記重量変化率は、縦40mm×横50mm×厚み2mmの四角形で、四隅をR=5mmに打ち抜いた試験片を用いた。引張強度変化率、伸び変化率の試験片は、JIS K 6251:2010、加硫ゴム及び熱可塑性ゴム―引張特性の求め方に記載のダンベル状2号形試験片を用いた。上記薬液は、エチレングリコール(試薬品)、次亜塩素酸ナトリウム5%溶液、フッ化水素49%溶液を用いた。変化率が10%以下の場合○、変化率が10%を超えて30%以下の場合△、変化率が30%を超える場合×とした。
耐油性評価は、耐薬品性評価同様、縦40mm×横50mm×厚み2mmの四角形の試験片を、パラフィンオイルに300時間浸漬した後、試験片横方向の寸法変化を測定し、横50mmに対する浸漬後の横方向の長さの増加量を膨潤率とした。
・比較例
オレフィン系樹脂を用いた比較例の多孔体を以下のようにして製造し、実施例と同様の項目について測定及び評価した。測定結果及び評価結果を表1及び表2に示す。
オレフィン系樹脂として品名「タフマーA4090S」(三井化学製)、融点77℃、気孔形成材として品名「やき塩P」、滑材として品名「PEG20000」(三洋化成製)を表1に示す体積割合で加圧型ニーダー(品名「ハイブリッドミキサー」、トーシン社製)に投入し、混練温度130℃で20分間混合・混練して、所定の混合比の樹脂混合物を得た。その樹脂混合物をコニカル押出機(品名「TEC10型2軸1軸押出機、トーシン社製」)に投入し、厚み4mm×幅100mm×長さ110mmのシート状成形品とし、次に45℃の温水に12時間浸漬し、その後に50℃の乾燥機による乾燥処理を行い、比較例の多孔体を得た。
オレフィン系樹脂を用いた比較例の多孔体を以下のようにして製造し、実施例と同様の項目について測定及び評価した。測定結果及び評価結果を表1及び表2に示す。
オレフィン系樹脂として品名「タフマーA4090S」(三井化学製)、融点77℃、気孔形成材として品名「やき塩P」、滑材として品名「PEG20000」(三洋化成製)を表1に示す体積割合で加圧型ニーダー(品名「ハイブリッドミキサー」、トーシン社製)に投入し、混練温度130℃で20分間混合・混練して、所定の混合比の樹脂混合物を得た。その樹脂混合物をコニカル押出機(品名「TEC10型2軸1軸押出機、トーシン社製」)に投入し、厚み4mm×幅100mm×長さ110mmのシート状成形品とし、次に45℃の温水に12時間浸漬し、その後に50℃の乾燥機による乾燥処理を行い、比較例の多孔体を得た。
表1及び表2に示すように、実施例1〜4の多孔体は難燃性、耐油性及び耐薬品性が良好であり、品質の良好なものであった。さらに、後工程として焼結が不要であり、製造も容易であった。一方、比較例の多孔体は、難燃性評価において延焼があり、また耐油性評価において膨潤が大きく、さらに耐薬品性評価において×の項目があり、難燃性、耐油性及び耐薬品性に劣っていた。
Claims (3)
- 熱可塑性フルオロカーボン樹脂と、
水溶性無機塩からなる気孔形成材と、
前記熱可塑性フルオロカーボン樹脂に不活性な水溶性高分子からなる滑材からなる混練物から、前記気孔形成材と前記滑材を水により抽出除去して連続気孔構造としたことを特徴とする多孔体。 - 前記熱可塑性フルオロカーボン樹脂の融点が130℃以下であり、
前記滑材の融点が100℃以下であることを特徴とする請求項1の多孔体。 - 前記熱可塑性フルオロカーボン樹脂が、エチレン−テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載の多孔体。
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JP2014193545A JP2016065124A (ja) | 2014-09-24 | 2014-09-24 | 多孔体 |
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---|---|---|---|---|
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-
2014
- 2014-09-24 JP JP2014193545A patent/JP2016065124A/ja active Pending
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20180515 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20181127 |