JP2002194131A - 多孔体の製造方法及び多孔体 - Google Patents

多孔体の製造方法及び多孔体

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 均質な多孔体を得ることができる多孔体の製
造方法を提供する。 【解決手段】 粒状気孔形成材を高分子物質に分散させ
てなる成形材料を、該粒状気孔形成材の一部が溶融する
温度で充実成形体を成形する工程;及び該充実成形体
を、前記高分子物質は溶解しないが前記気孔形成材は溶
解する溶媒で洗浄することにより気孔を形成する工程を
含む。前記気孔形成材は、前記充実成形体の成形温度で
溶融する第1の粒状気孔形成材と、該成形温度で溶融し
ない第2の粒状気孔形成材の混合物であってもよいし
(混合型粒状気孔形成材)、2種以上の成分の混合物か
らなる粒状気孔形成材であってもよい(多成分型粒状気
孔形成材)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔体の製造方法
及び当該方法により製造される多孔体に関し、より詳細
には気孔率の調節が可能で、従来の射出成形機や押出し
成形機等を用いて、50容積%以上の気孔率を有する高
気孔率で且つ均質な多孔体製造することができる多孔体
の製造方法及びこれにより製造される多孔体に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】気孔率の調節が可能で、しかも安価な多
孔体の製造方法として、脱塩法が知られている。脱塩法
は、塩化ナトリウムや硫酸ナトリウムなどの粉末状の気
孔形成材(以下、このような塩の気孔形成材を「塩型気
孔形成材」という)を樹脂やゴムに添加した成形材料を
用いて、塩型気孔形成材を含む充実成形体を成形し、得
られた充実成形体を水で洗浄することにより気孔形成材
である塩を溶出して、塩型気孔形成材が存在していた部
分に気孔を形成する多孔体の製造方法である。
【0003】このような脱塩法では、気孔形成材の溶出
部分が気孔となり、しかも気孔形成材自体は成形の過程
で膨張、発泡等することはないので、気孔率に見合う量
の気孔形成材を含有させる必要がある。従って、気孔率
50%の多孔体を製造しようとする場合、気孔形成材
を、樹脂成分に対して容積率で50容積%以上添加する
必要がある。
【0004】しかし、塩型気孔形成材の含有率が50容
積%以上という成形材料を成形することは困難である。
つまり、塩型気孔形成材は融点が高いために、通常、樹
脂の成形温度では固体(粉末)のままである。このた
め、塩型気孔形成材の含有量が多くなるほど成形材料の
流動性が低下し、塩型気孔形成材50容積%以上を含有
する成形材料では、成形に必要な流動性(MFR値)を
得ることはできない。特に射出成形や押出し成形などで
は、ダイを通過する際や金型内に射出する際に液体状態
の樹脂成分は押出しまたは射出されても、粉末状の塩型
気孔形成材は十分に押し出し又は射出されない。このた
め、塩型気孔形成材を多量に含有させた成形材料を用い
たにも拘わらず、含有されている気孔形成材の量が少な
い充実成形体や、気孔形成材が成形体内部だけに含有さ
れている不均一な充実成形体が得られたりする。充実成
形体における気孔形成材の含有量の減少は気孔率の低下
をもたらすことになる。そして、不均一な充実成形体か
らは、不均一な多孔体しか得られないばかりか、成形体
表面に存在する気孔形成材が少なすぎるために、水洗段
階で気孔形成材を十分に溶出することができず、結局、
所期の気孔率よりも低い気孔率の多孔体しか得られない
ことにもなる。
【0005】一方、成形温度を上げて、樹脂成分の流動
性を高めることも考えられる。しかし、この場合であっ
ても、塩型気孔形成材は粉末状で成形材料中に存在する
こととなるため、ダイを通過する際又は金型内に射出す
る際に、気孔形成材は樹脂に比べて押し出されにくい又
は射出されにくく、結果として気孔率の高い多孔体を製
造できない。また、気孔率を上げようとすると、その
分、塩型気孔形成材の含有量を多くしなければならない
が、このことは成形材料の粘度上昇、流動性低下につな
がり、さらに成形温度を上げて粘度を調整しようとする
と、樹脂の劣化を招き、ひいては多孔体の特性の低下を
引き起こすことになる。このような理由から、気孔率の
高い多孔体を射出成形、押し出し成形により製造するこ
とは困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記脱
塩法による問題点を解決する方法として、成形温度で溶
融できる溶融型気孔形成材を用いて、多孔体を形成する
方法を提案している(特願平11−178893号)。
【0007】しかしながら、成形温度で完全に溶融する
気孔形成材を用いた場合、粒状気孔形成材を用いたにも
拘わらず、気孔形成材が完全に溶融してしまうために、
気孔の大きさが不均一で、さらには空孔の分布も不均質
な多孔体しか製造できない。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たものであり、その目的とするところは、均質な多孔体
を得ることができる多孔体の製造方法を提供するにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】粒状気孔形成材を高分子
物質に分散させてなる成形材料を、該粒状気孔形成材の
一部が溶融する温度で充実成形体を成形する工程;及び
該充実成形体を、前記高分子物質は溶解しないが前記気
孔形成材は溶解する溶媒で洗浄することにより気孔を形
成する工程を含む。
【0010】前記気孔形成材は、前記充実成形体の成形
温度で溶融する第1の粒状気孔形成材と、該成形温度で
溶融しない第2の粒状気孔形成材の混合物であってもよ
いし(混合型粒状気孔形成材)、2種以上の成分の混合
物からなる粒状気孔形成材であってもよい(多成分型粒
状気孔形成材)。
【0011】前記混合型気孔形成材としては、前記第1
の粒状気孔形成材及び第2の粒状気孔形成材が、多価ア
ルコール、糖、水溶性アルカリ金属塩、及び水溶性高分
子からなる群より選ばれる2種であることが好ましい。
【0012】前記多成分型気孔形成材としては、不純物
を含むペンタエリスリトールであることが好ましく、特
にトリペンタエリスリトール及び/又はジペンタエリス
リトールを2〜25質量%含有するペンタエリスリトー
ルであることが好ましい。
【0013】前記粒状気孔形成材は水溶性物質であり、
前記溶媒は水であることが好ましい。
【0014】前記充実成形体を作製する温度は、前記気
孔形成材が10〜80質量%溶融する温度であることが
好ましい。
【0015】前記高分子物質は、架橋により硬化して成
形体を形成するポリマーであってもよいし、熱可塑性樹
脂又は熱可塑性エラストマーであってもよい。熱可塑性
エラストマーとしては、ポリスチレン系熱可塑性エラス
トマーが好ましく用いられる。
【0016】前記充実成形体の作製は、射出成形または
押し出し成形により行なうことが好ましい。
【0017】前記成形材料における前記粒状気孔形成材
の容積率は50〜99容積%であることが好ましい。
【0018】本発明の多孔体は、上記本発明の製造方法
のいずれか作製され得る多孔体であって、密度が0.1
〜0.6g/cm3である。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の多孔体の製造方法は、粒
状気孔形成材を高分子物質に分散させてなる成形材料
を、該粒状気孔形成材の一部が溶融する温度で成形して
充実成形体を成形する工程(充実成形体の成形工程)
と、該充実成形体を、前記高分子物質は溶解しないが該
気孔形成材は溶解する溶媒で洗浄する工程(気孔形成材
溶出工程)を含む。
【0020】はじめに、本発明の多孔体の製造方法で用
いる成形材料について説明する。
【0021】本発明の方法で用いる成形材料は、粒状気
孔形成材を、多孔体の骨格を形成する高分子物質に分散
させてなるものである。
【0022】本発明で用いる粒状気孔形成材としては、
充実成形体の成形温度で一部が溶融する溶融型気孔形成
材であればよい。
【0023】ここで、成形温度とは、多孔体の骨格部分
を形成する高分子物質の種類により異なるが、後述する
ように、本発明においては、一般に100〜300℃程
度で成形される高分子物質を使用し、これらを射出成形
又は押し出し成形するのに好適な溶融粘度が得られる温
度に応じて選択される。成形材料に含まれる気孔形成材
の一部が溶融するので、高分子物質単独のときの成形温
度より低めの温度が一般に設定される。
【0024】一部が溶融する粒状気孔形成材としては、
次のような2つの態様がある。第1の態様は、成形温度
で溶融する第1の粒状気孔形成材(溶融可能気孔形成
材)と、成形温度で溶融しない気孔形成材(難溶融気孔
形成材)との混合物(「混合型粒状気孔形成材」とい
う)である。このような混合型粒状気孔形成材は、充実
成形体の成形工程で、溶融可能気孔形成材だけが溶融す
ることになる。第2の態様は、個々の粒状気孔形成材
が、成形温度では本来溶融しない2種類以上の成分から
形成されたもの(「多成分型粒状気孔形成材」という)
で、共融により個々の粒状気孔形成体の一部が成形温度
で溶融する。
【0025】具体的には、気孔形成材溶出工程で用いる
溶媒との関係から、水溶性化合物であることが好まし
く、例えば、混合型気孔形成材としては、ペンタエリス
リトール、L−エリスリトール、D−エリスリトール、
meso−エリスリトール、ピナコール等の炭素数2〜
5程度の多価アルコール(融点40〜300℃);ブド
ウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖等の単糖又は二糖(融点8
6〜185℃);尿素(融点132℃);塩化カリウ
ム、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、
硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等の水溶性アルカリ金属
塩(融点308〜1069℃);ポリエチレングリコー
ル、ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂からなる群か
ら選ばれる2種以上の組合わせが好ましく用いられる。
例えば、多価アルコールと糖の組合わせ、多価アルコー
ルとアルカリ金属塩の組合わせ、多価アルコールと水溶
性樹脂の組合わせ、糖とアルカリ金属塩の組合わせなど
が挙げられる。融点として10℃以上差がある組み合わ
せを選択することがことが好ましい。
【0026】多成分型気孔形成材の場合としては、多価
アルコール類、糖類といった同一類に属する化合物で融
点の異なる2成分以上の組合わせが好ましく用いられ
る。組合わせ例としては、ペンタエリスリトール(融点
269℃)とトリペンタエリスリトール(融点250
℃)、ペンタエリスリトール(融点269℃)とジペン
タエリスリトール(融点223℃)、ペンタエリスリト
ール(融点269℃)とピナコール(融点42〜47
℃)、ペンタエリスリトール(融点269℃)とトリペ
ンタエリスリトール(融点250℃)とジペンタエリス
リトール(融点223℃)、ブドウ糖(融点146℃)
とショ糖(融点185℃)等が挙げられる。このような
組み合わせに代えて、不純物を含むペンタエリスリトー
ルを用いることもできる。工業用に製造されているペン
タエリスリトールは、不純物として、トリペンタエリス
リトール、ジペンタエリスリトールを含み、それぞれの
純粋化合物の融点(ペンタエリスリトール269℃、ト
リペンタエリスリトール250℃、ジペンタエリスリト
ール223℃)よりも低い温度(純度により異なるが、
約170℃程度)で溶融しはじめることができる。
【0027】一部溶融とは、混合型気孔形成材の場合に
は溶融可能気孔形成材が溶融し、多成分型気孔形成材の
場合には個々の気孔形成材粒子の一部分が溶融すること
を意味するが、いずれの場合にも、気孔形成材総量の5
質量%以上、好ましくは10質量%以上で、80質量%
以下、好ましくは50質量%以下であることが好まし
い。80質量%超溶融すると、気孔形成材の形状が失わ
れた状態で均質に混合された状態となるため、高分子物
質との相分離が起こり易くなり、その結果溶媒での溶出
により形成される空孔は粒状気孔形成材が合体したよう
な巨大空孔となったり、空孔の分布が不均質となるから
である。一方、気孔形成材の溶融が5質量%未満の場合
には、従来の塩型気孔形成材を用いた脱塩法と同じで、
均質な多孔体を得ることが困難であり、気孔率の高い多
孔体を形成するためには成形可能な溶融粘度を得るため
に高温にせざるを得ず、高分子物質の劣化ひいては多孔
体の特性低下を引き起こすことになるからである。
【0028】本発明で用いられる粒状気孔形成材は、混
合型粒状気孔形成材の場合には、気孔形成材総量に対す
る溶融可能気孔形成材の混合比率に該当する分だけ溶融
することになり、多成分型粒状気孔形成材では、構成成
分の成分比率に応じておこる融点降下と成形温度との関
係で決まる。従って、成形温度に応じて、上記溶融率と
なるように、混合型粒状気孔形成材の場合には溶融可能
気孔形成材の混合比率を、多成分型粒状気孔形成材では
成分比率を選択すればよい。具体的には混合型気孔形成
材の場合、溶融可能気孔形成材と難溶融気孔形成材との
混合比率は、5:95〜80:20であることが好まし
い。多成分型気孔形成材の場合には成分の組合わせによ
り融点降下割合が異なるので、成分の組合わせから決ま
る共融点曲線などを参考に決めることができるが、不純
物としてトリペンタエリスリトール及び/又はジペンタ
エリスリトールを含むペンタエリスリトールの場合には
純度75〜98質量%(不純物の含有率が2〜25質量
%)のペンタエリスリトールが好ましく用いられる。
【0029】粒状気孔形成材の具体的形状は所望とする
多孔体に合わせて適宜選択すればよい。例えば、球状、
米粒状、短繊維状、多角形状などが挙げられる。また本
発明の粒状気孔形成材には、一般に粉末に属するような
小径粒子の気孔形成材も含まれる。
【0030】次に、本発明で用いることができる高分子
物質について説明する。
【0031】本発明で使用することができる高分子物質
としては、成形前に流体状態をつくることができるもの
であればよい。流体状態を有することにより、気孔形成
材が略均一に分散した成形材料を調製することができる
からである。液体状態を有する高分子物質としては、温
度を上げることによって溶融できる熱可塑性樹脂、熱可
塑性エラストマーは勿論、プレポリマーや液状ゴムのよ
うに成形初期には液体状態で、架橋により硬化する熱硬
化型樹脂やゴムが挙げられる。
【0032】熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポ
リスチレン、AS樹脂、ABS樹脂、EVA樹脂、エチ
レン−α−オレフィン共重合体、ポリプロピレン、ポリ
アミド6、ポリアミド6,6、ポリカーボネート、PO
Mなどが挙げられ、射出成形、押出し成形をするのに好
適な樹脂が好ましく用いられる。成形材料における高分
子物質としては、これらの熱可塑性樹脂の1種類だけで
あってもよいし、2種類以上のブレンド樹脂であっても
よい。
【0033】熱可塑性エラストマーとは、ゴム状弾性を
示すソフトセグメント及び三次元網目の結び目となるハ
ードセグメントから構成され、常温ではゴム弾性を示
し、高温で可塑化するので、射出成形、押出し成形する
ことができる。具体的には、ハードセグメントがポリス
チレンでソフトセグメントがポリブタジエン、ポリイソ
プレン、又はこれらの水素添加物であるポリスチレン系
エラストマー;ハードセグメントがポリエチレン又はポ
リプロピレンで、ソフトセグメントがブチルゴムやEP
DM(エチレン−プロピレン−ジエン三共重合体)であ
るポリオレフィン系エラストマー;ハードセグメントが
ポリアミドでソフトセグメントがポリエステル又はポリ
エーテルであるポリアミド系エラストマー;ハードセグ
メントがポリエステルでソフトセグメントがポリエーテ
ルであるポリエステル系エラストマー;ハードセグメン
トがウレタン結合を有するポリウレタン系ブロックでソ
フトセグメントがポリエステル又はポリエーテルである
ポリウレタン系エラストマーなどが挙げられ、これらの
1種、又は2種以上の混合物を高分子物質として用いて
もよい。また、これらの熱可塑性エラストマーを上記熱
可塑性樹脂と混合して用いることもできる。
【0034】熱硬化型樹脂としては、初期縮合物である
液状のプレポリマーを、本発明の高分子物質として用
い、成形に際して、架橋硬化させればよい。具体的に
は、ウレタンプレポリマー、不飽和ポリエステル樹脂、
エポキシ樹脂、ノボラック樹脂、レゾール樹脂などを用
いることができる。これらは、硬化剤とともに用いても
よいし、射出成形や押出し成形に際して動的架橋して硬
化させてもよい。
【0035】ゴムとしては、天然ゴムやエチレンプロピ
レンジエン3元共重合体(EPDM)、ブタジエンゴム
(BR)、イソプレンゴム(IR)、スチレンブタジエ
ンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム
(NBR)などの合成ゴムなどのゴム、さらには解重合
により低分子量化した液状ゴムなどが用いられる。これ
らのうち、液状ゴムが、射出成形又は押し出し成形を採
用することができるので好ましく用いられる。
【0036】高分子物質に対する気孔形成材の配合割合
は、最終的に得ようとする多孔体の気孔率に応じて選択
される。本発明の多孔体製造方法では、気孔形成材が溶
出されて、気孔形成材が存在していた部分が気孔となる
ので、充実成形体における気孔形成材の容積率が気孔率
に該当することになるからである。一方、気孔形成材の
含有割合が少なすぎると、充実成形体において粒状気孔
形成材不連続に存在することとなって、気孔形成材の溶
出工程で、成形体内部の気孔形成材を十分に溶出できな
くなる。従って、成形材料全体に対する気孔形成材の容
積率が50〜99容積%となる量、好ましくは60〜9
5容積%となる量を配合することが好ましく、気孔形成
材の密度に応じて選択すればよい。
【0037】気孔形成材として工業用ペンタエリスリト
ールを用いる場合には、高分子物質100質量部あたり
150質量部以上であることが好ましい。150質量部
未満では、容積率で50容積%程度となるため、たとえ
高分子物質中に気孔形成材を均質に分散させたとして
も、気孔形成材が連続的に分散される量としては不十分
で、空孔が連通する多孔体を得ることが困難だからであ
る。
【0038】本発明で用いる成形材料には、上記高分子
物質及び気孔形成体の他、必要により、老化防止剤、可
塑剤、熱安定剤、滑剤、増粘剤、難燃剤、抗酸化剤、紫
外線吸収剤、着色剤、帯電防止剤、強化材などの添加剤
を添加してもよい。尚、これらの添加剤は、溶媒に溶解
しないものでなければならない。溶出工程で溶出される
ものであれば、多孔体に残存できず、添加剤の役目を果
たせないからである。このような添加剤は、高分子物質
100質量部に対して50質量部以下の範囲で添加する
ことが好ましい。また、熱硬化型樹脂やゴムの場合に
は、動的架橋や熱反応により架橋硬化することもできる
が、必要に応じて、加硫剤や加硫促進剤、硬化剤、架橋
剤など、高分子物質を硬化するための架橋系化合物を添
加してもよい。
【0039】本発明で用いられる成形材料は、以上のよ
うな高分子物質、粒状気孔形成材の他に、必要に応じて
添加される添加剤を配合し、均質に混合することにより
調製できる。オーブンロール、ニーダー、インテンシブ
ミキサー、単軸スクリュー押出機、二軸スクリュー押出
機などの装置を用いて、混練、混合することにより調製
できる。また、混練に先立ち、各構成成分を、ヘンシェ
ルミキサー、V字型混合機、ボールミル、リボンブレン
ダー、タンブルミキサー等の混合機を用いて予め混合し
てもよい。
【0040】ここで、高分子物質として熱可塑性樹脂や
熱可塑性エラストマーを用いる場合には、混練、混合時
に設定する温度は、充実成形体の成形温度程度またはこ
れより低い温度とすることが好ましい。粒状気孔形成材
の溶融率が必要以上に高くなる温度で混練すると、粒状
気孔形成材の形状が損なわれてしまい、粒状気孔形成材
を用いることによって均質な多孔体を製造するという本
発明の目的が達成できなくなるからである。
【0041】本発明の製造方法の第1工程である充実成
形体製造工程は、以上のようにして調製した成形材料を
用いて、充実成形体を成形する工程である。
【0042】成形温度は、高分子物質を成形できる温度
で且つ気孔形成材の一部が溶融する温度であり、成形方
法に好適な溶融粘度が得られる温度である。ここで、高
分子物質を成形できる温度は、高分子物質の種類に応じ
て異なるが、高分子物質が熱可塑性樹脂又は熱可塑性エ
ラストマーの場合には、これらが溶融する温度であり、
高分子物質がゴムや熱硬化型樹脂の場合には架橋硬化で
きる温度であり、一般に100〜300℃の温度範囲が
好ましく用いられる。本発明の充実成形体の成形工程で
は、成形材料に含まれている気孔形成材の一部が溶融し
て、粘度低下に寄与できるので、高分子物質単独の成形
温度よりも低めの温度が設定される。
【0043】充実成形体を成形する方法としては、特に
限定しないが、例えば圧縮成形、トランスファ成形、射
出成形、押出成形、吹込成形、カレンダ加工、注型など
が挙げられ、高分子物質として熱可塑性樹脂、熱可塑性
エラストマーを用いた場合には、生産性の点から射出成
形、押出成形が好ましく用いられる。本発明で用いられ
る成形材料は、気孔形成材の含有量が高いにも拘わら
ず、成形時には気孔形成材の一部が溶融し、難溶融の気
孔形成材による粘度上昇を相殺することができるので、
従来の脱塩型気孔形成材を用いた場合のような問題(気
孔形成材の分散不良、充実成形体の不均質化等)が生じ
ないからである。
【0044】尚、射出成形の条件、押出し成形条件は、
使用する高分子物質や気孔形成材の種類や量比によって
適宜決定すればよいが、一例を挙げるならば、送出圧
力、射出速度などは次のように設定することができる。
【0045】スクリュー回転数は、成形材料が過不足な
く供給されるように一般的に100r/min程度とす
るのが好ましい。回転が速すぎると成形材料が十分に移
送されず空気の巻き込みなどが生じ得るからである。ま
たスクリュー回転時に油圧シリンダーに圧力を加えるこ
とにより成形材料の計量が安定する。加える圧力は、一
般に0.5〜1.0MPaの範囲が好ましい。充填過程
における射出速度は、成形体が薄肉の場合には高めに、
厚肉の場合には低めにするのがよい。保圧過程における
保圧力は充填時の圧力よりも低く設定するが、薄肉の成
形体では冷却固化によるヒケ収縮(シンクマーク)が小
さいので低圧に、厚肉の成形体では収縮量が大きいので
ヒケ収縮が発生しやすく比較的高圧にする必要がある。
金型温度は低いほど冷却速度が速くなり生産性が向上す
るが、流動性が低下するために充填不良が生じたり、成
形体表面の光沢が低下することがあるので、これに注意
して用いる高分子物質の種類などから金型温度は適宜決
定すればよい。
【0046】以上のようにして作製される充実成形体
は、難溶融の気孔形成材部分が粒子状を保持した状態で
含有された状態となるとともに、粒子状を保持した気孔
形成材同士が連続性を失わない程度に、気孔形成材の溶
融部分が存在したような状態になっていると考えられ
る。
【0047】次に、充実成形体を、高分子物質は溶解し
ないが気孔形成材は溶解する溶媒で洗浄する(気孔形成
材溶出工程)。
【0048】本発明で用いられる溶媒は、高分子物質お
よび気孔形成材の種類によって適宜選択され、例えば
水、グリコール、グリコールエーテル、高分子量アルコ
ール、脂肪酸、脂肪酸エステル、グリコールエステル、
鉱油、石油、アルコールエトキシレート、ポリオキシエ
チレンエステル、グリセロール、グリセロールエステル
などを挙げることができる。溶媒として有機溶剤などを
使用した場合、後処理などの付帯設備が必要となるの
で、そのような設備が不要となる水を溶媒として使用で
きるような高分子物質と気孔形成材の組み合わせを選ぶ
のが望ましい。気孔形成材として、多価アルコール、
糖、水溶性金属塩、尿素、水溶性樹脂を用いた場合、溶
媒として水を好適に使用できる。
【0049】溶媒による充実成形体の洗浄は、溶媒に充
実成形体を浸漬したり、充実成形体に溶媒を噴射したり
することによって行うことができる。
【0050】溶媒での洗浄工程により、充実成形体に含
まれていた気孔形成材が溶媒に溶解して溶出されること
となる。充実成形表面に存在していた気孔形成材が溶出
され、これにより形成される凹部から溶媒が次第に充実
成形体内部へ侵入して、成形体内部に存在する気孔形成
材が溶出される。このようにして、粒状気孔形成材が連
続的に空孔となったような連続気泡タイプの多孔体が形
成される。
【0051】以上のようにして形成される多孔体は、成
形材料に配合した気孔形成材の量に応じた気孔率を有
し、しかも溶融していない気孔形成材に基づく空孔が溶
融した気孔形成材により連通するような多孔体である。
従って、本発明の多孔体の製造方法によれば、均質で連
続気泡タイプの多孔体を得ることができる。
【0052】また、本発明の製造方法で製造される多孔
体は、気孔形成材の含有率との関係から、50〜99容
積%の高気孔率の多孔体で、高分子物質の種類にもよる
が、密度が0.1〜0.6g/cm3といった大変軽量
の多孔体であり、緩衝材、保温材、各種フィルターとし
て好適に用いることができる。また、本発明の製造方法
で作成された多孔体は、連続気泡タイプであるから、通
気性に優れ、しかも成形材料に含有される気孔形成体の
大部分が洗浄工程にて実質的に除去されることになるの
で、衛生性や人体への安全が要求されるような耳栓、化
粧用パフ材に利用することができる。
【0053】
【実施例】〔評価、測定方法〕以下に示す実施例で用い
た評価、測定方法は、以下の通りである。
【0054】成形材料における気孔形成材の容積率
(%) まず成形材料の体積と質量を測定し、つぎにこの成形材
料を水洗して気孔形成材を溶出した後の質量を測定し
た。水洗前・後の質量差と気孔形成材の比重とから気孔
成形体の体積を算出し、これを成形材料全体の体積で割
って気孔形成材の容積率(容積%)とした。
【0055】多孔体の見掛け密度(g/cm3) JIS A 9511に準拠して、約200×200mm
の試験片を70±5℃で乾燥し、恒量となった後質量W
と容積Vとから下記式により算出した。 見掛け密度(g/cm3)=W/V
【0056】多孔体の気孔率(%) で得られた多孔体の質量Wを、多孔体原料(成形材料
から溶融型気孔形成材を除いたもの)の比重で割って、
多孔体の気孔を考慮しない容積V1を算出する。算出し
た容積V1及びで得られた多孔体の容積Vを用いて、
下記式により算出した。 多孔体の気孔率=100−(V1/V)×100
【0057】気孔形成材の溶融率 示差熱分析(DTA/TG)により測定し(昇温速度1
0℃/min)、得られたDTA曲線の吸熱ピークの面
積比から、溶融しているであろう気孔形成材の溶融率を
求めた。
【0058】多孔体の顕微鏡写真 多孔体を切断し、その断面を電子顕微鏡(1000倍)
による写真撮影を行った。
【0059】〔気孔形成材の添加量及び溶融率と得られ
る多孔体との関係〕気孔形成材として、工業用ペンタエ
リスリトール(純度90%で、不純物としてジペンタエ
リスリトール及びトリペンタエリスリトールが含まれて
いる)を用いた。このペンタエリスリトールは、図1に
示すようなDTA曲線を示す。すなわち、ペンタエリス
リトールに相当すると推定される融点ピークが260℃
付近に、トリペンタエリスリトールに相当すると推定さ
れる融点ピークが240℃付近に、ジペンタエリスリト
ールに相当すると推定される融点ピークが220℃に付
近に現われただけでなく、165〜250℃にかけてブ
ロードな融解ピークが現われている。
【0060】高分子物質としては、ポリスチレン系熱可
塑性エラストマー(「ハイブラー7125」クラレ社
製)を用いた。このエラストマーは、単独で射出成形す
る場合には、一般に180〜250℃で行う。
【0061】上記ポリスチレン系熱可塑性エラストマー
100質量部に、気孔形成材を100、200、30
0、350、400、500、600質量部を添加し
て、混合機で均一に混合し、この混合物を二軸押出し機
を用いて210℃で混練した後ペレタイザーでペレット
化した。
【0062】作製したペレットを用いて、150℃、1
75℃、190℃、210℃、230℃、270℃で射
出成形し、充実成形体を作製した。冷却後、この充実成
形体を水洗し、充実成形体中のペンタエリスリトールを
溶出して多孔体を作製した。
【0063】各温度、各添加量における気孔形成材の溶
融率、得られる多孔体の性状及び空孔率との関係を、ま
とめて表1に示す。
【0064】
【表1】
【0065】150℃では、気孔形成材の溶融が0%で
あり、かつエラストマーの溶融粘度も高すぎて、射出成
形できなかった(成形不良)。
【0066】175℃では、気孔形成材が10%溶融す
るため、エラストマーの溶融粘度は高いが、成形材料と
しては、射出成形するのに必要な溶融粘度を確保するこ
とができた。しかしながら、ペンタエリスリトールの添
加量が100質量部の場合には、内部まで溶媒が進入す
るのには不十分で内部まで空孔を形成することができな
かった(溶出不良)。ペンタエリスリトールの添加量2
00質量部の場合には、内部まで溶媒が進入して連続気
泡の多孔体を形成し得る量であるが、所望とする多孔体
が得られなかった。図2に示すように、気孔部分(黒色
部分)が不均質であった。成形材料の溶融が不十分でペ
レット同士の一体化が弱かったためか、充実成形体は作
製できたが、ペンタエリスリトールを溶出して気泡を形
成すると、空孔の大きい部分で空孔が潰れてしまった
(多孔体不良)。但し、気孔形成材の添加量が300質
量部以上の場合には、成形材料の溶融粘度がさらに下が
り、成形しやすくなるため、気孔形成材の抽出後も多孔
体形状を保持することができた。
【0067】190〜230℃、すなわちペンタエリス
リトールの溶融率が30〜80%の場合には、エラスト
マーの溶融とペンタエリスリトールの液体化で射出成形
に好適な溶融粘度であり、溶融していない気孔形成材が
連続するような連続多孔体を得ることができた。得られ
た多孔体は、図3に示すように、気孔形成材に依拠する
7〜11μmの気孔が連続的に均一に分布した多孔体が
得られていた。但し、いずれの温度の場合も、ペンタエ
リスリトールの添加量が100質量部の場合には、内部
まで溶媒が進入するのには不十分で内部まで空孔を形成
することができなかった。
【0068】270℃では、気孔形成材はほぼ完全に溶
融することができた。しかしながら、気孔形成材の含有
量が100質量部の場合には、内部の気孔形成材を溶出
することができず(溶出不良)、200質量部以上では
内部の気孔形成材も溶出することができたが、充実成形
体において気孔形成材の粒形状がすでに失われ、気孔形
成材と高分子物質が所々で分離したため、巨大空孔が形
成される部分が存在するなど、均質な多孔体が得られな
かった(空孔不良)。 〔ペンタエリスリトールの純度と溶融率、及び得られる
多孔体との関係〕気孔形成材として純度が70、80、
90、95、99%のペンタエリスリトールを用いた。
高分子物質としては、ポリスチレン系熱可塑性エラスト
マー(「ハイブラー7125」クラレ社製)を用いた。
【0069】高分子物質100質量部に対して各純度の
ペンタエリスリトール350質量部(70容積%に該
当)を配合して混合機で均一に混合し、この混合物を二
軸押出し機を用いて210℃で混練した後ペレタイザー
でペレット化した。
【0070】このペレットを用いて180℃で射出成形
し、充実成形体を作製した。冷却後、この充実成形体を
水洗し、充実成形体中のペンタエリスリトールを溶出し
て多孔体を作製した。
【0071】各純度のペンタエリスリトールの溶融率及
び得られた多孔体の性状を、まとめて表2に示す。
【0072】
【表2】
【0073】純度が70%の場合、気孔形成材の100
%近くが溶融できるため、充実成形体の成形性は良好で
あったが、得られた多孔体は、空孔の大きさ、分布が不
均質であった。
【0074】純度が80%、90%の場合は、それぞれ
溶融率60%、20%であり、充実成形体の製造工程は
問題なく、得られる多孔体も均質で良好であった。
【0075】純度が95%の場合には、溶融率が15%
で、成形は可能であり、均質な多孔体を得ることができ
た。
【0076】純度が99%の場合には溶融率0%であ
り、充実成形体を成形することができなかった。
【0077】〔他の高分子物質を用いた場合の多孔体〕
気孔形成材として、純度90%のペンタエリスリトール
を用い、高分子物質として、ポリアセタール樹脂(単独
の成形温度約210℃)を用いた。
【0078】高分子物質100質量部に対して、ペンタ
エリスリトールを400部添加して、混合機で均一に混
合し、この混合物を二軸押出し機を用いて210℃で混
練した後ペレタイザーでペレット化した。このペレット
を用いて、210℃で射出成形を行った。
【0079】射出成形時のペンタエリスリトールの溶融
率は50%程度である。
【0080】作製した充実成形体を冷却後、水洗し、多
孔体を作製した。得られた多孔体は、骨格を形成する高
分子物質に起因して、ポリスチレンエラストマーを用い
た場合よりも硬度が高く、変形しにくいものであった。
この多孔体を切断し、その断面を電子顕微鏡で観察した
ところ、粒状の気孔が連続的に均質に分布していた。 〔混合型気孔形成材を用いた場合の成形性と多孔体の性
状〕気孔形成材として、表3に示すような溶融気孔形成
材と難溶融気孔形成材を混合してなる混合型気孔形成材
を用いた。また、高分子物質として、表4に示すよう
な、高分子物質を用いた。
【0081】このような成形材料を、表4に示す条件で
成形し、得られた充実成形体を水で溶出して、多孔体を
製造した。
【0082】各成形条件における溶融率、多孔体の性状
を、まとめて表3に示す。
【0083】
【表3】
【0084】いずれの混合型気孔形成材も、難溶融気孔
形成材ではほとんど溶融しないような成形温度であって
も、溶融気孔形成材の含有量に応じた溶融率が得られ、
その結果、いずれの場合も充実成形体を良好に成形する
ことができた。
【0085】また、得られた多孔体は、混合型気孔率の
含有総量に応じた気孔率を有していた。また、多孔体を
切断して、その断面を電子顕微鏡で観察したところ、い
ずれも、難溶融気孔形成材に基づくと思われる気孔が連
続的に均質に分布していた。
【0086】
【発明の効果】本発明の多孔体の製造方法は、一部溶融
する気孔形成材を用いる脱塩法であるため、成形材料に
配合する気孔形成材の含有量を調節することにより気孔
率を調節した連続気泡タイプの多孔体を得ることができ
る。
【0087】また本発明の多孔体の製造方法は、気孔形
成材が一部溶融することに基づいて、射出成形、押し出
し成形を利用しても、高気孔率の均質な多孔体を、高い
生産性で、効率的に生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】純度90%のペンタエリスリトールのDTA曲
線を示す図である。
【図2】気孔形成材の溶融が不十分な場合に製造された
多孔体の切断面の様子を撮影した電子顕微鏡写真(倍率
1000倍)である。
【図3】本発明の一実施例である良好な多孔体の切断面
の様子を撮影した電子顕微鏡写真(倍率1000倍)で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 根本 雅司 福島県西白河郡泉崎村大字泉崎字坊頭窪1 番地 株式会社朝日ラバー内 (72)発明者 目黒 彩子 福島県西白河郡泉崎村大字泉崎字坊頭窪1 番地 株式会社朝日ラバー内 (72)発明者 大谷 国彦 兵庫県明石市魚住町中尾字色田246番地3 株式会社プリンス技研内 Fターム(参考) 4F074 AA32 AA57 AA97 CB03 CB05 CB14 CB16 CB17 DA02

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒状気孔形成材を高分子物質に分散させ
    てなる成形材料を、該粒状気孔形成材の一部が溶融する
    温度で充実成形体を成形する工程;及び該充実成形体
    を、前記高分子物質は溶解しないが前記気孔形成材は溶
    解する溶媒で洗浄することにより気孔を形成する工程を
    含む多孔体の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記気孔形成材は、前記充実成形体の成
    形温度で溶融する第1の粒状気孔形成材と、該成形温度
    で溶融しない第2の粒状気孔形成材の混合物である請求
    項1に記載の多孔体の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の粒状気孔形成材及び第2の粒
    状気孔形成材は、多価アルコール、糖、水溶性アルカリ
    金属塩、及び水溶性高分子からなる群より選ばれる2種
    である請求項2に記載の多孔体の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記粒状気孔形成材は、2種以上の成分
    の混合物からなる粒状気孔形成材である請求項1に記載
    の多孔体の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記気孔形成材は、不純物を含むペンタ
    エリスリトールである請求項4に記載の多孔体の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記気孔形成材は、トリペンタエリスリ
    トール及び/又はジペンタエリスリトールを2〜25質
    量%含有するペンタエリスリトールである請求項5に記
    載の多孔体の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記気孔形成材は水溶性物質であり、前
    記溶媒は水である請求項1〜6のいずれかに記載の多孔
    体の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記充実成形体を作製する温度は、前記
    気孔形成材が10〜80質量%溶融する温度である請求
    項1〜7のいずれかに記載の多孔体の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記高分子物質は、架橋により硬化して
    成形体を形成するポリマーである請求項1〜8のいずれ
    かに記載の多孔体の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記高分子物質は、熱可塑性樹脂又は
    熱可塑性エラストマーである請求項1〜8のいずれかに
    記載の多孔体の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記高分子物質がポリスチレン系熱可
    塑性エラストマーである請求項10に記載の多孔体の製
    造方法。
  12. 【請求項12】 前記充実成形体の作製は、射出成形ま
    たは押し出し成形により行なう請求項1〜11のいずれ
    かに記載の多孔体の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記成形材料における前記粒状気孔形
    成材の容積率が50〜99容積%である請求項1〜12
    のいずれかに記載の多孔体の製造方法。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれかの方法で作
    製され得る多孔体であって、密度が0.1〜0.6g/
    cm3である高分子多孔体。
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