JP2000191820A - ミクロ多孔体及びその製造方法 - Google Patents

ミクロ多孔体及びその製造方法

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JP2000191820A
JP2000191820A JP24831898A JP24831898A JP2000191820A JP 2000191820 A JP2000191820 A JP 2000191820A JP 24831898 A JP24831898 A JP 24831898A JP 24831898 A JP24831898 A JP 24831898A JP 2000191820 A JP2000191820 A JP 2000191820A
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Toru Taguchi
徹 田口
Itaru Kutsuwa
格 久津輪
Kazuhiko Yamada
一彦 山田
Shinsuke Yamada
伸介 山田
Hiroyuki Nishimura
浩之 西村
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Inoac Technical Center Co Ltd
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Inoue MTP KK
Inoac Corp
Inoac Technical Center Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 三次元連続網状骨格を有し、空孔径が30μ
m以下と非常に小さく、空孔率が60〜90%と高いミ
クロ多孔体及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン−メチルメタクリレート共重合体、シンジオタクティ
ック1,2−ポリブタジエン等の熱可塑性樹脂と、尿素
等の水溶性有機化合物及びポリエチレングリコール等の
水溶性高分子材料とを、60〜150℃の温度で、10
〜40分、通常のローター型ミキサ等によって低速で攪
拌し、混合する。その後、50〜90℃程度の温水と接
触させ、水溶性有機化合物及び水溶性高分子材料を抽出
し、三次元連続網状骨格を有するミクロ多孔体を得る。
特に、水溶性有機化合物の融点が、熱可塑性樹脂の融点
又は軟化点及び水溶性高分子材料の融点よりも高く、且
つ混合の温度がこれら融点等の間である場合に、より均
質なミクロ多孔体を容易に得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連通性の高い三次
元連続網状骨格を有し、特に、空孔径が非常に小さく、
且つ空孔率が高いミクロ多孔体に関する。また、本発明
は、特定の3種類の成分を混合した後、これを水と接触
させることにより、上記の空孔径が小さく、空孔率の高
いミクロ多孔体を容易に製造する方法に関する。本発明
のミクロ多孔体は、濾過膜等の機能性分離膜或いは止水
材、徐放材、保水材等、更には溶剤タイプのインクを用
いたスタンプ台等、有機溶剤を吸収し、保持する部材な
ど、広範な用途において使用することができる。
【0002】
【従来の技術】高分子材料と低分子材料とを混合し、加
熱下、混練した後、適宜溶媒によって低分子材料を抽出
し、除去することによって、三次元連続網状骨格構造を
有する多孔体を得る方法は既に知られている。例えば、
特開昭58−189242号公報には、高分子材料と、
その良溶媒及びこの良溶媒と相溶性のある貧溶媒の双方
に溶解或いは膨潤する気孔生成剤とを含む高分子組成物
を、連続多孔質材料からなる型内に充填し、ゲル化させ
た後、貧溶媒或いはその蒸気によって気孔生成剤を抽出
し、除去して高分子多孔体を得る方法が開示されてい
る。
【0003】また、特開平8−176336号公報に
は、シンジオタクティック1,2−ポリブタジエンに各
種の低分子材料を混合した後、アセトン、アルコール等
の溶媒を用いて低分子材料を溶解し、抽出させ、残留す
る溶媒を除去することによって三次元連続網状骨格を有
するミクロ多孔体を得る方法が記載されている。更に、
特開平8−238484号公報には、エチレンと酢酸ビ
ニルの共重合体と各種の低分子材料を混合し、高速で攪
拌した後、キシレン、トルエン、ベンゼン等の溶媒を用
いて低分子材料を溶解し、抽出させ、残留する溶媒を除
去することによって三次元連続網状骨格を有するミクロ
多孔体を得る方法が開示されている。
【0004】しかしながら、上記の従来の方法等におい
ては、多くの場合に二成分系であり、低分子材料の抽
出、除去は容易ではない。そのため、溶媒による抽出に
先立ってロール、プレス等によって押圧したり、遠心分
離機によって遠心力を加えたりして低分子材料の除去を
より確実にする必要がある。そして、このように物理
的、強制的な方法を採った場合は、均質な連通性の高い
多孔体が得られないことがある。また、従来の方法で
は、均一な三次元連続網状骨格構造を形成するために、
通常のローター型ミキサ等による低速攪拌ではなく、高
速攪拌機等によって高速で攪拌することが必要な場合も
ある。
【0005】更に、上記の各公報に記載されているよう
に、従来は、アセトン、アルコール、芳香族溶媒等の有
機溶媒によって低分子材料を抽出、除去することが多
い。そのため、作業環境の点で好ましくなく、且つ多量
に排出される廃溶媒の処理が問題となっている。また、
二成分系の場合、得られる多孔体の空孔径は、低分子材
料が固体の場合はその粒径に依存し、微細、且つ均質な
空孔を有する多孔体を得ることは相当に困難である。更
に、高分子材料との混合物は極めて粘度が高く、プレス
成形以外の成形方法には応用することができない。一
方、低分子材料が液体である場合は、空孔径は高分子材
料と低分子材料の相溶性に依存するが、低分子材料から
なる微細な連続相を形成することは一般には難しい。ま
た、この微細な連続相は非常に不安定なものでもあり、
この状態を維持しつつ、高分子材料を固化させることは
容易ではない。いずれにしても、従来の方法では、より
微細な空孔を有する多孔体を得ることは困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の従来
の問題を解決するものであり、熱可塑性樹脂からなる三
次元連続網状骨格を有するミクロ多孔体、特に、空孔径
が非常に小さく、且つ空孔率の高い多孔体を提供するこ
とを課題とする。また、本発明は、熱可塑性樹脂に、尿
素等の水溶性有機化合物及びポリエチレングリコール等
の水溶性高分子材料を混合し、水によって水溶性有機化
合物及び水溶性高分子材料を抽出し、除去することによ
り、均質なミクロ多孔体を得るための製造方法を提供す
ることを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】第1発明のミクロ多孔体
は、熱可塑性樹脂、水溶性有機化合物及び水溶性高分子
材料を混合した後、上記水溶性有機化合物及び上記水溶
性高分子材料を水によって抽出し、除去することにより
得られ、三次元連続網状骨格を有することを特徴とす
る。
【0008】また、第3発明のミクロ多孔体の製造方法
は、熱可塑性樹脂と、水溶性有機化合物及び水溶性高分
子材料を下記の体積比で含む水溶性成分と、を所定の体
積比で混合し、上記熱可塑性樹脂によって構成される三
次元連続網状骨格間に、上記水溶性成分が保持されてな
る混合体を形成した後、該混合体を水と接触させ、該混
合体から上記水溶性成分を抽出し、除去することを特徴
とする。(上記水溶性有機化合物と上記水溶性高分子材
料との体積比は35〜95/65〜5である。)
【0009】上記「熱可塑性樹脂」としては、混合時に
融解し、他の成分と均一に分散させることができるもの
を使用することができる。この熱可塑性樹脂としては、
エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下、「EVA」とい
う。)、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(以
下、「EMMA」という。)、シンジオタクティック
1,2−ポリブタジエン(以下、「1,2−PB」とい
う。)、熱可塑性ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のポリオレフィン、ポリスチレン、ポリアミ
ド、ポリエステル、ポリ塩化ビニル及びポリサルホン等
が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂は通常1種のみを
用いるが、融点又は軟化点が比較的近似しており、ある
程度の相溶性があれば2種以上を併用することもでき
る。
【0010】上記「水溶性有機化合物」としては、結晶
性であって融点を有する水又は温水に対し溶解性のある
化合物を使用することができる。この水溶性有機化合物
としては、以下の各種のものが挙げられる。
【0011】尿素、チオ尿素、ジシアノジアミド、マン
ニット、フルクトース、グルコース等の糖類、マンニト
ール、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、
アクリノール、アコニット酸、アコン酸、アセチル安息
香酸、アセチルチオ尿素、アセチレンカルボン酸、アセ
チアミドフェノール、アトロピン硫酸塩、アニス酸、ア
ニリン塩酸塩、アミノアセトアニリド、アミノ安息香
酸、アミノ吉草酸、アミノケイ皮酸、アミノ酪酸、アラ
ニン、アルサニル酸、アルブチン、アレカイジン、アロ
キサン酸、安息香酸ナトリウム、アントラニル酸、イサ
チン、イサチン=オキシム、イソカンホロン酸、イソ糖
酸、イソニコチン酸、イソニコチン酸ヒドラジド、イソ
バレルアミド、イソフタロニトリル、イソプロテレノー
ル塩酸塩。
【0012】イタコン酸、インダゾール、ウラシル、エ
チルアミン臭化水素酸塩、エピカテキン、エフェドリン
塩酸塩、エメチン塩酸塩、エルゴノビン、オイキサンチ
ン酸、オキサニル酸、オキサロ酢酸、オキシニ酢酸、オ
ピアン酸、オレイン酸カリウム、カテキン、カフェイ
ン、カルバミド酸アンモニウム、カルボノヒドラジド、
カルミン酸、ギ酸カリウム、ギ酸ナトリウム、キナ酸、
キヌクリジン、キノリノール、キノロン、キンヒドロ
ン、グアニジン炭酸塩、グリオキシム、グリコシアミジ
ン、グリコシアミン、グリシン、グルタコン酸、クロコ
ン酸、クロロ安息香酸、クロロフマール酸、クロロプロ
マジン塩酸塩。
【0013】コウジ酸、コカイン塩酸塩、コデイン=リ
ン酸塩、コハク酸、酢酸亜鉛、酢酸カリウム、酢酸ナト
リウム、酢酸鉛、サリシン、サルコシン、シアニジン=
クロリド、シアヌル酸トリメチル、ジアルル酸、ジエチ
ルアミン塩酸塩、シクロバルビタール、シチシン、ジフ
ェニル酢酸、ジメチルアミン塩酸塩、ジメチルパラバン
酸、ジメチルマロン酸、ショウノウキノン、ジリツル
酸、スクシンアミド、スクシンアミド酸、スタキドリ
ン、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸ナトリウム、
スルファジアジン、スルファメチゾール、セミカルバジ
ド塩酸塩、タウリン、タルトロン酸、テトラエチルアン
モニウム=ヨージド、テトラゾール。テトロン酸、デル
フィニジン=クロリド、テルペニル酸、テレビン酸。
【0014】トリエチルアミン塩酸塩、トリメチルアミ
ン塩酸塩、トリメチルアミンオキシド、トロピン酸、ニ
コチン酸、ニトログアニジン、ニトロテレフタル酸、ニ
トロン、ニンヒドリン、馬尿酸、ビウレット、ビオルル
酸、ヒダントイン、ヒダントイン酸、ヒドロキノン、ピ
ラゾロン、ピロカルピン塩酸塩、フェニルアルソン酸、
フェニルコハク酸、フェニル尿素、フェニルヒドラジン
塩酸塩、フェニルプロピオル酸、フェニルボロン酸、フ
タルアミド酸、フタロン酸、フラビアン酸、プリン、フ
ルミヌル酸、プロカイン塩酸塩、プロマジン塩酸塩、ブ
ロモコハク酸、ブロモフマール酸、ブロモマレイン酸、
ブロモワレリル尿素。
【0015】ヘキサメチルリン酸トリアミド、ヘキサメ
チレンテトラミン、ヘキソバルビタール、ヘスペレチン
酸、ベタイン、ペチジン塩酸塩、ヘマトキシリン、ヘミ
ン、ペラルゴニジン=クロリド、ベンジリデンマロン
酸、ベンジル酸、ベンゼンヘキサカルボン酸、ベンゼン
ペンタカルボン酸、ベンゾイミダゾール、没食子酸エチ
ル、マイトマイシンC、メサコン酸、メチルアミン塩酸
塩、メチルアルソン酸、メルカプトコハク酸、モルヒネ
塩酸塩、ヨードシアン、ロイコン酸。
【0016】上記「水溶性高分子材料」としては、水溶
性有機化合物とともに水や温水によって容易に抽出、除
去することができるものを使用することができる。この
水溶性高分子材料としては、ポリエチレングリコール、
ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール共
重合体、ポリオキシエチレンアルキルエーテル等の界面
活性剤、特にポリエチレングリコール或いはポリエチレ
ングリコール・ポリプロピレングリコール共重合体等に
アルコールを付加した非イオン系界面活性剤、ポリアミ
ンサルホン、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチル
エーテル及びポリアリルアミン等が挙げられる。
【0017】水溶性高分子材料としては、水溶性が高
く、水溶性有機化合物の抽出、除去を促進する作用に優
れるポリエチレングリコールが特に好ましい。このポリ
エチレングリコールとしては、その重量平均分子量が1
000〜30000のものを使用することができる。ま
た、混合体を水と接触させるに先立って所定の形状に成
形する場合に、プレス成形の場合は重量平均分子量が1
000〜10000、特に1000〜6000の範囲の
ものを使用することが好ましい。一方、押出成形の場合
は、10000〜30000、特に15000〜250
00の範囲の分子量の大きなものであっても、十分に均
質な成形体を容易に得ることができる。
【0018】第3発明において、熱可塑性樹脂と上記
「水溶性成分」との量比は、熱可塑性樹脂の種類によっ
て調整することが好ましい。EVA及び1,2−PBの
場合は、これらの熱可塑性樹脂を8〜45体積%とし、
水溶性成分を55〜92体積%とすることが好ましい。
一方、EMMAの場合は、このEMMAを15〜55体
積%とし、水溶性成分を45〜85体積%とすることが
好ましい。熱可塑性樹脂が下限値未満である場合、即
ち、水溶性成分が上限値を越える場合は、三次元連続網
状骨格構造が形成されず、ミクロ多孔体を得ることがで
きない。このことは、混合体を水と接触させると熱可塑
性樹脂も溶解し、水中に分散してしまうことで分かる。
一方、熱可塑性樹脂が上限値を越える場合、即ち、水溶
性成分が下限値未満である場合は、水溶性成分の抽出、
除去に時間がかかるため実用に耐えない。また、連通性
が理論上も実際も低下するため、ミクロ多孔体ではあっ
ても均質な三次元連続網状骨格構造が形成されない。
【0019】更に、水溶性有機化合物の体積比が35未
満である場合、即ち、水溶性高分子材料の体積比が65
を越える場合は、三次元連続網状骨格構造が形成されな
い。このことは、混合体を水と接触させると熱可塑性樹
脂も水中に分散してしまうことで分かる。従って、ミク
ロ多孔体を得ることができない。また、水溶性有機化合
物の体積比が95を越える場合、即ち、水溶性高分子材
料の体積比が5未満である場合は、水溶性有機化合物が
抽出、除去され難くなり、連通性及び空孔率がともに低
下し、均質な三次元連続網状骨格構造を有するミクロ多
孔体を得ることができない。尚、熱可塑性樹脂の種類に
よっては、この水溶性有機化合物と水溶性高分子材料と
の体積比が10/90〜55/45であっても、空孔径
が小さく、空孔率の高いミクロ多孔体を容易に得ること
ができる。
【0020】熱可塑性樹脂の量比は特に15〜35体積
%とすることが好ましい。即ち、混合体全量に対して水
溶性成分を65〜85体積%とすることが好ましい。更
に、水溶性成分における水溶性有機化合物の体積比は4
5〜85とすることが好ましい。即ち、水溶性高分子材
料の体積比を55〜15とすることが好ましい。
【0021】熱可塑性樹脂、水溶性有機化合物及び水溶
性高分子材料の量比を上記の好ましい範囲とすれば、水
溶性有機化合物及び水溶性高分子材料は、容易に、且つ
十分に抽出、除去される。その結果、熱可塑性樹脂から
なる均質、且つ十分な強度を有する三次元連続網状骨格
構造が形成される。また、空孔径が第2発明のように
「30μm以下」、特に10μm以下、更には5μm以
下であって、微細な連通孔を有する均質なミクロ多孔体
が得られる。更に、空孔率が第2発明のように「60〜
90%」、特に65〜85%の、多孔質であって、十分
な強度を有するミクロ多孔体を得ることができる。尚、
この空孔径は多孔体の断面を電子顕微鏡によって観察
し、撮影した写真から読み取った値である。また、空孔
率は以下のようにして求める。 空孔率(%)=(多孔体の見かけ密度/熱可塑性樹脂の
真の密度)×100 (但し、多孔体の見かけ密度は、シート状に成形した多
孔体の重量を、この多孔体の厚さと底面積を測定して求
められる体積で除した値である。)
【0022】熱可塑性樹脂、水溶性有機化合物及び水溶
性高分子材料としては、前記のように各種のものを使用
することができるが、第4発明のように、熱可塑性樹脂
と水溶性高分子材料は溶融しており、水溶性有機化合物
は固体のままであるような条件において混合することが
好ましい。このような混合は、水溶性有機化合物とし
て、熱可塑性樹脂及び水溶性高分子材料よりも融点の高
いものを使用し、且つ混合の温度を、水溶性有機化合物
の融点と、熱可塑性樹脂の融点又は軟化点及び水溶性高
分子材料の融点との間に設定することにより行うことが
できる。この条件下に混合すれば、練り効果によって水
溶性有機化合物はより微細、且つ均質なものとなり、連
通性に優れ、空孔径の小さいミクロ多孔体を得ることが
できる。
【0023】また、特に、第5発明のように、水溶性有
機化合物として、その融点が、熱可塑性樹脂の融点又は
軟化点及び水溶性高分子材料の融点よりも高いものを使
用することが好ましい。更に、混合時の温度を、水溶性
有機化合物の融点未満であって、熱可塑性樹脂の融点等
及び水溶性高分子材料の融点を越える範囲に設定するこ
とが好ましい。尚、水溶性有機化合物の融点と熱可塑性
樹脂の融点等及び水溶性高分子材料の融点との差は70
℃以下、特に50℃以下であることが好ましい。このよ
うな条件下に混合すれば、水溶性有機化合物に対する練
り効果がより高くなり、水溶性有機化合物を均一な微細
な粒子とすることができ、水溶性有機化合物の粒子径に
よらず、混合時の練り効果によって5〜15μm、特に
10μm程度の粒子径を有する微粒子とすることができ
る。それによって、より均質であり、且つ微細な連通孔
を有するミクロ多孔体を得ることができる。
【0024】この第5発明において特定される融点又は
軟化点を有する組み合わせとして第6発明のものを挙げ
ることができる。即ち、熱可塑性樹脂として、EVA、
EMMA又は1,2−PBを使用し、水溶性有機化合物
として尿素を、また、水溶性高分子材料としてポリエチ
レングリコールを用いる場合である。この組み合わせに
おいて、混合の温度をそれらの融点等の間に設定するこ
とにより、強度、耐久性等に優れ、空孔径が小さく、均
質であって、連通性の高いミクロ多孔体を得ることがで
きる。
【0025】本発明では、熱可塑性樹脂、水溶性有機化
合物及び水溶性高分子材料の混合は、ローター型ミキサ
ー、ニーダー、混練ロール、バンバリーミキサー、二軸
押出機等、通常の装置によって行うことができる。ま
た、特に高速で攪拌する必要もまったくなく、例えば、
ローター型ミキサーの場合、ローターの回転数は100
〜300rpm、特に120〜200rpm程度で十分
である。混合時の温度は60〜150℃、特に80から
140℃とすることができ、使用する熱可塑性樹脂など
の融点等によって適宜設定することができる。この温度
は、特に、前記の第4及び第5発明のように設定するこ
とが好ましい。混合時間は特に限定されないが、10〜
40分、特に15〜30分程度とすればよい。この時間
があまりに短い場合は、各成分を十分に均一に分散させ
ることができず、均質なミクロ多孔体を得ることができ
ないことがある。一方、通常、40分の攪拌、混合で十
分であり、必要以上に長時間の攪拌は、熱可塑性樹脂等
の劣化を生ずることがある。
【0026】各成分を混合した後、形成される上記「混
合体」を「水」と接触させる。この接触は水溶性成分を
十分に抽出、除去することができる限り、どのような方
法で行ってもよいが、混合体を水中に浸漬する方法が好
ましい。この方法は簡便であって、容易に、且つ確実に
水溶性成分を三次元連続網状骨格の間から抽出、除去す
ることができる。また、水の温度は水溶性成分が溶出し
易いものである場合は20〜30℃程度であってもよい
が、より速やかに、且つ確実に抽出、除去するために昇
温することが好ましい。この温度は第7発明のように
「50〜90℃」、特に60〜80℃とすることが好ま
しい。更に、浸漬時間は数分から2〜3時間程度の範囲
で適宜に設定することができるが、必要であれば特に2
0〜30℃程度の温度において数十時間浸漬することも
できる。。
【0027】また、混合体が塊状体であるよりもシート
或いはフィルムなどであるほうが、水溶性成分を、より
容易に、且つ確実に抽出、除去することができる。その
ため、混合体を用途等に合わせて予め所定の形状に成形
しておくことが好ましい。この成形は、プレス成形、押
出成形等、適宜の方法によって行うことができるが、押
出成形であれば、混合体が均一に加熱され、均質であ
り、且つ機械的強度の大きいシート等が得られるため好
ましい。特に、EMMAは押出成形性に優れるため、よ
り均質であって、強度の大きいシート等とすることがで
きる。このように混合体をシート等に成形し、且つ上記
のように温水を使用すれば、5〜20分、特に5〜15
分の短時間の浸漬によって、水溶性成分を十分に抽出、
除去することもできる。更に、比較的低温であっても長
時間浸漬すれば、同様に水溶性成分を十分に抽出、除去
することができる。
【0028】本発明では、混合時、水溶性高分子材料
が、熱可塑性樹脂と水溶性有機化合物との界面に存在
し、特に第4及び第5発明のような条件下に混合した場
合、流動性の高い水溶性高分子材料によって水溶性有機
化合物の抽出、除去が促進される。そのため、通常、混
合体を水と接触させるのみで十分な抽出、除去がなさ
れ、水との接触に先立ち、或いは水との接触の後に、混
合体に押圧力、遠心力などを加える必要はない。尚、押
圧等の操作を適宜加えることもできるが、その場合は均
質な連通孔の形成が妨げられることなどのないように留
意する必要がある。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例により更に
詳しく説明する。 (1)EVAと、水溶性成分との量比の検討 熱可塑性樹脂としてEVA(三井・デュポンポリケミカ
ル株式会社製、商品名「EVA460」、ビカット軟化
点;64℃)を使用した。これに体積比で60/40の
尿素(三菱化学株式会社製、融点;132.7℃)とポ
リエチレングリコール(三洋化成株式会社製、商品名
「PEG20000」、融点;63℃)との混合物を表
1の量比で混合した。尚、実際には、それぞれの成分の
密度によって体積を重量に換算し、重量比で混合した。
以下のすべての実験例においても同様である。
【0030】混合はローター型ミキサーによって行っ
た。試料の全量を100gとし、ローターの回転数を1
50rpmとして、125℃で、20分攪拌、混合を行
った。その後、混合体をミキサーから取り出し、125
℃に設定された押出成形機によって110×1000×
1.5mmのシートに成形した。次いで、このシートを
70℃の温水に2時間浸漬した。その後、シートを温水
から取り出し、40℃で12時間乾燥してミクロ多孔体
を得た。浸漬前後のシートの重量及び抽出率を表1に併
記する。尚、抽出率は下記の式によって求められる。 抽出率(%)=[(温水浸漬前のシートの重量−温水浸
漬後のシートの重量) /温水浸漬前のシートに含まれる水溶性有機化合物及び
水溶性高分子材料の重量]×100
【0031】
【表1】
【0032】表1の結果によれば、EVAが過少である
実験例1では、温水に浸漬したシートは、EVAも含
め、そのすべてが溶解してしまって多孔体を得ることが
できなかった。また、EVAの量比が好ましい範囲内に
ある実験例2、3及び4では、抽出率は70%を越え、
連通性の高いミクロ多孔体が得られた。但し、EVAの
量比が低い実験例2では多孔体の骨格が細く、やや強度
が不足していた。一方、EVAの量比が高い実験例4で
は抽出率が低下する傾向にあるものの、十分な連通性を
有する多孔体を得ることができた。更に、EVAが過多
である実験例5では、抽出率が60%未満であり、多孔
体の骨格の間に多量の尿素等が残存し、連通性の高い多
孔体を得ることはできなかった。
【0033】尚、熱可塑性樹脂は温水にまったく溶解せ
ず、水溶性有機化合物と水溶性高分子材料の全量が温水
に溶解するとすれば、上記の抽出率は常に100%とな
る。ところが、実際には、熱可塑性樹脂の体積比の低下
とともに、熱可塑性樹脂の一部が温水に移行するように
なり、計算上、抽出率が100%を越えることもある。
また、この熱可塑性樹脂の量比が高くなるとともに、形
成されつつある多孔体の骨格の間に水溶性成分が取り込
まれ、残存するようになり、閉じた空孔が形成される。
そのため、抽出率が低下する傾向にある。しかし、熱可
塑性樹脂の量比が特定の好ましい範囲にあれば、抽出率
は表1のように約70〜100%となり、第2発明に対
応する空孔率が60〜90%の多孔体を得ることができ
る。
【0034】(2)水溶性有機化合物と水溶性高分子材
料の量比の検討 熱可塑性樹脂として(1)の場合と同じEVAを20体
積%使用した。これに(1)の場合と同じ尿素及びポリ
エチレングリコールを80体積%混合した。この尿素と
ポリエチレングリコールとの量比を表2のように設定し
た。混合、押出成形、水への浸漬及び乾燥は(1)の場
合と同様にして行い、同じ寸法のシート状のミクロ多孔
体を得た。浸漬前後のシートの重量及び抽出率を表2に
併記する。抽出率は(1)と同様にして求めた。
【0035】
【表2】
【0036】表2の結果によれば、尿素の量比が第3発
明の下限値未満である実験例6〜9では、温水に浸漬し
たシートは、EVAも含め、そのすべてが溶解してしま
って多孔体を得ることができなかった。また、尿素の量
比が第3発明の範囲内にある実験例10〜12では、抽
出率は95%を越え、連通性の高いミクロ多孔体が得ら
れた。更に、尿素の量比が第3発明の上限値を越えてい
る実験例13では、抽出率が60%未満であり、多孔体
の骨格の間に多量の尿素等が残存し、空孔率及び連通性
の高い多孔体を得ることができなかった。
【0037】(3)EMMAと水溶性成分との量比の検
討 熱可塑性樹脂としてEMMA(住友化学工業株式会社
製、商品名「アクリフトWH202」、融点;86℃)
を使用した。これに体積比で60/40の尿素とポリエ
チレングリコールとの混合物を表3の量比で混合した。
尚、尿素とポリエチレングリコールは(1)の場合と同
じものを使用した。また、(1)の場合と同様に実際に
は、それぞれの成分の密度によって体積を重量に換算
し、重量比で混合した。以下のすべての実験例において
も同様である。
【0038】混合はラボプラストミル(株式会社東洋精
機製作所製、型式「50C150」)によって行った。
試料の全量を100gとし、ローターの回転数を150
rpmとして、125℃で、20分攪拌、混合を行っ
た。その後、混合体をミルから取り出し、ラボプラスト
ミル2軸押出成形機により、スクリュー回転数50rp
m、ダイ温度110℃の条件で、120(幅)×1.2
(厚さ)mmのシートに成形した。次いで、このシート
から100×100×1.2mmの試片を切り出し、こ
の試片を20℃の水に48時間浸漬した。その後、シー
トを水から取り出し、30℃で12時間乾燥してミクロ
多孔体を得た。(1)と同様にして求めた抽出率を表3
に併記する。
【0039】
【表3】
【0040】表3の結果によれば、EMMAが過少であ
る実験例14では、水に浸漬したシートは、EMMAも
含め、そのすべてが溶解してしまって多孔体を得ること
ができなかった。また、EMMAの量比が好ましい範囲
内にある実験例15〜18では、抽出率は95%を越
え、連通性の高いミクロ多孔体が得られた。但し、EM
MAの量比が低い実験例15では多孔体の骨格が細く、
やや強度が不足していた。
【0041】(4)各種の熱可塑性樹脂の評価 熱可塑性樹脂として1,2−PB(ジェイエスアール株
式会社製、商品名「RB810」、融点;71℃)を使
用した。また、(1)の場合と同様に水溶性有機化合物
として尿素を、水溶性高分子材料としてポリエチレング
リコールをそれぞれ用いた。この1,2−PB20体積
%と、合計量が80体積%の尿素及びポリエチレングリ
コールとを混合した。尚、尿素とポリエチレングリコー
ルとの体積比は60/40である。
【0042】混合の温度を110℃とした他は、(1)
の場合と同様にして押出成形、水への浸漬及び乾燥を行
い、同じ寸法のシート状のミクロ多孔体を得た。このシ
ートの抽出率は80%であって、得られたミクロ多孔体
の空孔径は10μm、空孔率は75%であり、強度も十
分であった。また、その断面を顕微鏡によって観察した
ところ、連通性の高い、均質な多孔体であることが分か
った。
【0043】上記の実施例において1,2−PBを25
体積%とし、尿素とポリエチレングリコールとの合計量
を75体積%とした他は同様にしてシート状のミクロ多
孔体を製造した。このシートの抽出率は100%であっ
て、得られたミクロ多孔体の空孔径は10μm、空孔率
は80%であり、強度も十分に高いものであった。ま
た、その断面を顕微鏡によって観察したところ連通性の
高い、均質な多孔体であることが分かった。
【0044】熱可塑性樹脂として更に下記の各種のもの
を使用し、これに上記と同様の尿素とポリエチレングリ
コールを80体積%及び75体積%混合した他は、
(1)の場合と同様にして攪拌、混合、押出成形、水へ
の浸漬及び乾燥を行い、同じ寸法のシート状のミクロ多
孔体を得た。尚、尿素とポリエチレングリコールとの体
積比は、いずれの場合も60/40である。
【0045】a)1,2−PB(ジェイエスアール株式
会社製、商品名「RB820」、融点;95℃) b)1,2−PB(ジェイエスアール株式会社製、商品
名「RB830」、融点;105℃) c)EVA(三井・デュポンポリケミカル株式会社製、
商品名「EVA260」、融点;41℃)
【0046】d)EVA(三井・デュポンポリケミカル
株式会社製、商品名「EVA460」、ビカット軟化
点;64℃) e)EVA(三井・デュポンポリケミカル株式会社製、
商品名「EVA560」、ビカット軟化点;66℃) f)熱可塑性ポリウレタン(日本ミラクトラン株式会社
製、商品名「P22M」、融点;64℃)
【0047】得られた多孔体はいずれも十分に強度の高
いものであり、その断面を顕微鏡によって観察したとこ
ろ連通性の高い、均質な多孔体であることが分かった。
【0048】(5)EVA、1,2−PB及びEMMA
の耐溶剤性の比較評価 (1)におけるEVAを用いたシート、(3)における
EMMAを用いたシート及び(4)における1,2−P
B(ジェイエスアール株式会社製、商品名「RB81
0」)を用いたシートについて、30×30mmの試片
を切り出した。この試片を表4に記載の有機溶剤に浸漬
した場合の膨張率を下記の式によって算出し、その耐溶
剤性を評価した。尚、試片として用いたシートは、
(1)及び(3)では熱可塑性樹脂と水溶性成分との量
比が40:60のものであり、(4)ではこの量比は2
0:80である。また、尿素とポリエチレングリコール
との量比は、いずれも40:60である。結果を表4に
示す。尚、表4において、○は溶解及び膨潤しない、△
はやや膨潤する、×は溶解する、を表わす。 膨張率(%)=(浸漬後体積−浸漬前体積)/浸漬後体
積×100
【0049】
【表4】
【0050】表4の結果によれば、熱可塑性樹脂として
EMMAを使用し、特に、圧縮成形ではなく押出成形に
よってシートを成形した場合、EVA及び1,2−PB
に比べて膨張率が小さく、耐溶剤性が高いことが分か
る。このように、EMMAからなるミクロ多孔体は、E
MMAが本来有する優れた耐溶剤性を備えるものであ
る。そのため、このミクロ多孔体をスタンプ台等、イン
クを保持、滲出させる用途に使用する場合、これまで使
用することができなかった溶剤タイプのインクにも使用
することができる。
【0051】(6)尿素以外の水溶性有機化合物の評価 熱可塑性樹脂として熱可塑性ポリウレタン(日本ミラク
トン株式会社製、商品名「P22M」、融点;64℃)
を使用した。また、水溶性有機化合物としてペンタエリ
スリトール(融点;180℃を越える)を用いた。尚、
水溶性高分子材料としては(1)の場合と同様のポリエ
チレングリコールを使用した。また、ペンタエリスリト
ールとポリエチレングリコールとの体積比は60/40
とした。
【0052】混合の温度を160℃とした他は、(1)
の場合と同様にして押出成形、水への浸漬及び乾燥を行
った。その結果、尿素に比べて抽出、除去に長時間を要
したが、抽出率が81.0%、空孔径が5〜30μm、
空孔率が55〜60%であり、実用に供し得るミクロ多
孔体を得ることができた。
【0053】更に、ペンタエリスリトールをマンニトー
ル(融点;165℃)に代え、混合の温度を140℃と
した他は、上記と同様にしてミクロ多孔体を製造した。
その結果、ペンタエリスリトールの場合と同様、尿素に
比べて抽出、除去に長時間を要したが、抽出率が84.
8%、空孔径が5〜30μm、空孔率が55〜60%で
あり、実用に供し得るミクロ多孔体を得ることができ
た。
【0054】
【発明の効果】第1発明によれば、三次元連続網状骨格
を有するミクロ多孔体が得られ、特に、この多孔体は、
第2発明のように、空孔径が小さく、空孔率の高いミク
ロ多孔体とすることができる。また、第3発明によれ
ば、第1及び第2発明のミクロ多孔体を容易に製造する
ことができ、特に、水溶性有機化合物等の抽出、除去に
有機溶媒を使用しないため、環境への悪影響、廃液の処
理等の問題もない。更に、各成分の融点及び混合の温度
を、第4及び第5発明のように特定することにより、よ
り均質な、連通性の高いミクロ多孔体を製造することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のミクロ多孔体の断面を表わす模式図で
ある。
【符号の説明】
1;ミクロ多孔体、11;三次元連続網状骨格、12;
連通する空孔。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 71/02 C08L 71/02 (72)発明者 久津輪 格 神奈川県秦野市堀山下380番地5号 株式 会社イノアック技術研究所内 (72)発明者 山田 一彦 神奈川県秦野市堀山下380番地5号 株式 会社イノアック技術研究所内 (72)発明者 山田 伸介 神奈川県秦野市堀山下380番地5号 株式 会社イノアック技術研究所内 (72)発明者 西村 浩之 神奈川県秦野市堀山下380番地5号 株式 会社イノアック技術研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂、水溶性有機化合物及び水
    溶性高分子材料を混合した後、上記水溶性有機化合物及
    び上記水溶性高分子材料を水によって抽出し、除去する
    ことにより得られ、三次元連続網状骨格を有することを
    特徴とするミクロ多孔体。
  2. 【請求項2】 空孔径が30μm以下であり、空孔率が
    60〜90%である請求項1記載のミクロ多孔体。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂と、水溶性有機化合物及び
    水溶性高分子材料を下記の体積比で含む水溶性成分と、
    を所定の体積比で混合し、上記熱可塑性樹脂によって構
    成される三次元連続網状骨格間に、上記水溶性成分が保
    持されてなる混合体を形成した後、該混合体を水と接触
    させ、該混合体から上記水溶性成分を抽出し、除去する
    ことを特徴とするミクロ多孔体の製造方法。(上記水溶
    性有機化合物と上記水溶性高分子材料との体積比は35
    〜95/65〜5である。)
  4. 【請求項4】 上記混合時に、上記熱可塑性樹脂及び上
    記水溶性高分子材料は溶融しており、上記水溶性有機化
    合物は固体のままである請求項3記載のミクロ多孔体の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 上記水溶性有機化合物の融点は、上記熱
    可塑性樹脂の融点又は軟化点及び上記水溶性高分子材料
    の融点よりも高く、且つ上記混合時の温度が、上記水溶
    性有機化合物の融点未満であり、上記熱可塑性樹脂の融
    点又は軟化点及び上記水溶性高分子材料の融点を越えて
    いる請求項3又は4記載のミクロ多孔体の製造方法。
  6. 【請求項6】 上記熱可塑性樹脂がエチレン−酢酸ビニ
    ル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体
    又はシンジオタクティック1,2−ポリブタジエンであ
    り、上記水溶性有機化合物が尿素であって、上記水溶性
    高分子材料がポリエチレングリコールである請求項3乃
    至5のいずれか1項に記載のミクロ多孔体の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記水の温度が50〜90℃である請求
    項3乃至6のいずれか1項に記載のミクロ多孔体の製造
    方法。
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