JP2008050400A - 記録用インク及びインクメディアセット、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【手段】少なくとも水分散性着色剤、水分散性樹脂、湿潤剤、界面活性剤、及び水を含有してなり、前記湿潤剤の前記記録用インクにおける含有量が20〜35質量%であり、前記水分散性着色剤及び前記水分散性樹脂の前記記録用インクにおける合計含有量が固形分で12〜40質量%であり、前記水分散性樹脂がフッ素系樹脂微粒子を含有し、かつ該水分散性樹脂の前記記録用インクにおける固形分含有量(A)と、前記水分散性着色剤中の顔料の前記記録用インクにおける固形分含有量(B)との比(A/B)が、0.5〜8である記録用インクである。
Description
このような水系インクを用いたインクジェット記録は、液体インクが記録用メディアへ浸透することにより定着するため、吸収特性の向上、着色成分の紙面への定着機能、着色成分の保護機能を持つインクジェット専用紙が開発されている。しかし、インクジェット専用紙は抄紙後の多段の塗布工程が経るためコストが高く、加工薬剤を多く使用しているため普通紙に比べてリサイクル性にも劣っている。そのため、普通紙上で充分な画質を得ることが望まれている。
しかし、普通紙は、インクジェット専用紙に比べてインク吸収性が劣り、また、専用紙のようにインク性能を補助しないため、(1)フェザリングの発生、(2)ブリーディングの発生、(3)濃度の低下、(4)発色性の低下、(5)耐水性の低下、(6)耐光性の低下、(7)耐ガス性の低下、(8)定着性の低下、(9)インクの裏抜けの発生、などの問題点があり、これらの問題点を解決することが普通紙を用いるインクジェット記録にとって重要課題となっている。
一方、インクの表面張力を35mN/mより高く調節し、紙への浸透を遅くすることでインクを印字面表層に留める緩浸透インクが上市されており、フェザリングの低下、印字濃度の向上、発色性の向上、裏抜けの低減に効果が高い。しかし、このような緩浸透インクは、紙への浸透性を落とした結果、普通紙に対する印字後の乾燥性が著しく悪くなり、定着性の悪化や、多色化した場合の色間のブリーディングを招いている。
そこで、緩浸透インクと超浸透インクを組合せたインクセットを用いることで色間のブリーディングを抑え、画像品位を確保する手法が開発されている。しかし、緩浸透インクを用いて両面印字を行う場合には、印字後にインクの乾燥を待つ時間が必要となり両面印字の生産性の悪化を招いている。また、インクの乾燥性を高めるために、印字前後よりヒータにて紙面を加熱しインクの乾燥を速める手段を有する印字装置も提案されており、上市されている(例えば、特許文献2等参照)。しかし、これらの提案では、加熱を行う部位を付与するため、装置が大型化、複雑化しており、また、加熱のためにエネルギーを浪費するのでインクジェット記録方式の利点が失われてしまっている。
また、特許文献4では、インク中の揮発成分蒸発した後の残留分が液体であり、かつその粘度が初期粘度の10倍以内であるインクが提案されている。しかし、この提案のインクは、染料インクであり、信頼性は高いものの、普通紙での画質が劣るものである。
また、特許文献5では、60℃環境下での水分蒸発させたときの、インク粘度が蒸発前の粘度の600倍以下であるインクが提案されている。しかし、この提案のインクも染料インクであり、水溶性高分子を添加することで、インクの信頼性と画像品質の耐久性とのバランスをとっているが、耐水性に問題がある。
また、特許文献6には、粘度が5〜15mPa・sであるインクが高画質を確保するためには必要であることが提案されている。この提案では、信頼性確保のために初期の蒸発速度を調整し、かつ粘度を調整するための粘度調整剤として特定の化合物を添加するとよいと記載されており、顔料を用いたときの上記(3)及び(4)に対する解決方法ともいえる。しかし、この提案には、用いる顔料の粒径の安定性についてはなんら記載がなく、24時間放置後の信頼性があると記載されているが、吐出させるヘッドの構成とノズル径の大きさによっては、長期間放置した場合には信頼性に劣るインク処方となる。
また、特許文献12には、顔料、糖類又はその誘導体、水酸基を5個以上持つポリオール、及び樹脂エマルジョンを含むインクにより、印字むらが改善することが開示されている。しかし、このインクでは普通紙に対する浸透性が低く、色間でのフェザリングやブリーディングの発生、定着性の悪化、乾燥時間の遅さなどの問題点がある。
また、特許文献13には、水分散性樹脂及び自己分散顔料の固形分含有量が1.0〜16質量%であるインクが開示されており、普通紙上での画質が改善することが記載されている。この提案によれば、耐水性は染料インクに比べて改善されるが、普通紙ではよく利用されるマーカーペンに対する画像保持性能は充分であるとはいえない。
また、特許文献16及び特許文献17には、高固形分のインクに対して多価アルコールアルキルエーテルを使用して浸透性を向上させることが提案されている。しかし、この提案では、固形分が増加して粘度が上昇すると充分な浸透性を得られず、画質が低下してしまうという問題がある。
しかし、これらの提案では、インク中の顔料固形分が増加することにより色相が変化してしまい、高濃度顔料では好ましい色相が得られにくく、自己分散顔料では耐水性、及び定着性が十分であるとは言い難いという課題がある。
<1> 少なくとも水分散性着色剤、水分散性樹脂、湿潤剤、界面活性剤、及び水を含有する記録用インクであって、
前記湿潤剤の前記記録用インクにおける含有量が20〜35質量%であり、
前記水分散性着色剤及び前記水分散性樹脂の前記記録用インクにおける合計含有量が固形分で12〜40質量%であり、
前記水分散性樹脂がフッ素系樹脂微粒子を含有し、かつ該水分散性樹脂の前記記録用インクにおける固形分含有量(A)と、前記水分散性着色剤中の顔料の前記記録用インクにおける固形分含有量(B)との比(A/B)が、0.5〜8であることを特徴とする記録用インクである。
<2> 水分散性着色剤が、表面に少なくとも1種の親水基を有し、分散剤の不存在下で水分散性を示す顔料である前記<1>に記載の記録用インクである。
<3> 水分散性着色剤が、ポリマー微粒子に水不溶乃至水難溶性の色材を含有させてなるポリマーエマルジョンである前記<1>に記載の記録用インクである。
<4> 水分散性着色剤が、顔料、顔料分散剤及び高分子分散安定化剤を含有する顔料分散体であり、かつ該高分子分散安定化剤が、下記構造式(1)で表されるα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル共重合体、水溶性ポリウレタン樹脂及び水溶性ポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種である前記<1>に記載の記録用インクである。
<5> 高分子分散安定化剤の重量平均分子量が20,000以下であり、かつ酸価が40〜400mgKOH/gであり、該酸価と当量以上のアルカリ溶液及びアルカリ水溶液のいずれかに溶解させて用いられる前記<4>に記載の記録用インクである。
<6> 顔料分散剤がアニオン系界面活性剤及びHLB値10〜20のノニオン系界面活性剤のいずれかである前記<4>から<5>のいずれかに記載の記録用インクである。
<7> HLB値10〜20のノニオン系界面活性剤が、ポリオキシエチレン-β-ナフチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、及びポリオキシエチレンスチレンフェニルエーテルのいずれかである前記<6>に記載の記録用インクである。
<8> フッ素系樹脂微粒子が、フルオロオレフィン単位を有するフッ素系樹脂微粒子であり、かつ該フッ素系樹脂微粒子の最低造膜温度が30℃以下である前記<1>から<7>のいずれか記載の記録用インクである。
<9> 湿潤剤が、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−ピロリドン及びN−メチル−2−ピロリドンから選択される少なくとも1種である前記<1>から<8>のいずれかに記載の記録用インクである。
<10> 界面活性剤がシリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤から選択される少なくとも1種を含有する前記<1>から<9>のいずれかに記載の記録用インクである。
<11> 25℃での粘度が5〜20mPa・sであり、かつ表面張力が35mN/m以下である前記<1>から<10>のいずれかに記載の記録用インクである。
<12> 前記<1>から<11>のいずれかに記載の記録用インクと、記録用メディアとを有するインクメディアセットであって、
前記記録用メディアが、支持体と、該支持体の少なくとも一方の面に塗工層を有してなり、かつ動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が2〜35ml/m2であり、かつ接触時間400msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が3〜40ml/m2であることを特徴とするインクメディアセットである。
<13> 前記<1>から<11>のいずれかに記載の記録用インクを容器中に収容してなることを特徴とするインクカートリッジである。
<14> 前記<1>から<11>のいずれかに記載の記録用インクに刺激を印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とするインクジェット記録方法である。
<15> 刺激が、熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種である前記<14>に記載のインクジェット記録方法である。
<16> 前記<1>から<11>のいずれかに記載の記録用インクに刺激を印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔手段を少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録装置である。
<17> 刺激が、熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種である前記<16>に記載のインクジェット記録装置である。
<18> 記録用メディア上に、前記<1>から<11>のいずれかに記載の記録用インクを用いて形成された画像を有してなることを特徴とするインク記録物である。
<19> 前記<12>に記載のインクメディアセットにおける記録用メディア上に、前記<12>に記載のインクメディアセットにおける記録用インクを用いて形成された画像を有してなることを特徴とするインク記録物である。
前記湿潤剤の前記記録用インクにおける含有量が20〜35質量%であり、
前記水分散性着色剤及び前記水分散性樹脂の前記記録用インクにおける合計含有量が固形分で12〜40質量%であり、
前記水分散性樹脂がフッ素系樹脂微粒子を含有し、かつ該水分散性樹脂の前記記録用インクにおける固形分含有量(A)と、前記水分散性着色剤中の顔料の前記記録用インクにおける固形分含有量(B)との比(A/B)が、0.5〜8である。
本発明の記録用インクにおいては、普通紙に対する画像品質、特に、いわゆる白ポチが改良され、画像濃度、彩度及び耐水性、耐光性等の画像堅牢性に優れた画像が得られ、乾燥速度、高速印字対応に優れ、ノズルからの吐出安定性が良好であり、高品質な画像が得られる。
更に、汎用印刷用紙(支持体と該支持体の少なくとも一方の面に塗工層を有してなり、動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が2〜35ml/m2であり、かつ接触時間400msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が3〜40ml/m2であるようなインク吸収性の低い記録用メディア)を使用しても、ビーディング及び乾燥性にも優れ、印刷画質様の高品位な画像形成が可能である。
前記記録用メディアが、支持体と、該支持体の少なくとも一方の面に塗工層を有してなり、かつ動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が2〜35ml/m2であり、かつ接触時間400msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が3〜40ml/m2である。
本発明のインクメディアセットにおいては、普通紙に対する画像品質、特に、いわゆる白ポチが改良され、画像濃度、彩度及び耐水性、耐光性等の画像堅牢性に優れた画像が得られ、乾燥速度、高速印字対応に優れ、ノズルからの吐出安定性が良好であり、高品質な画像が得られる。
更に、汎用印刷用紙(支持体と該支持体の少なくとも一方の面に塗工層を有してなり、動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が2〜35ml/m2であり、かつ接触時間400msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が3〜40ml/m2であるようなインク吸収性の低い記録用メディア)を使用しても、ビーディング及び乾燥性にも優れ、印刷画質様の高品位な画像形成が可能である。
また、本発明のインク記録物は、本発明の前記インクメディアセットにおける記録用メディア上に、本発明の前記のインクメディアセットにおける記録用インクを用いて形成された画像を有してなる。
本発明のインク記録物においては、普通紙に印字すると、いわゆる白ポチが改良され、画像濃度、彩度、及び画像堅牢性に優れた画像が得られ、更に、印刷用グロス紙のビーディング及び乾燥性にも優れ、乾燥速度、高速印字対応に優れ、ノズルからの吐出安定性が良好であり、鮮明で印刷物に近い画像が前記記録用メディアに保持される。
更に、記録用メディアとして、汎用印刷用紙(支持体と該支持体の少なくとも一方の面に塗工層を有してなり、動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が2〜35ml/m2であり、かつ接触時間400msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が3〜40ml/m2であるようなインク吸収性の低い記録用メディア)を使用しても、ビーディング及び乾燥性にも優れ、印刷画質様の高品位な画像形成が可能である。
本発明の記録用インクは、少なくとも水分散性着色剤、水分散性樹脂、湿潤剤、界面活性剤、及び水を含有してなり、浸透剤、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
また、前記水分散性着色剤及び前記水分散性樹脂の合計含有量は、前記記録用インク全量に対し12〜40質量%であり、15〜35質量%が好ましい。この範囲内において、文字品位の向上が図れる。前記合計含有量が12質量%未満であると、紙面上での乾燥性に劣り更に普通紙上の文字品位が低下することがあり、40質量%を超えると、ノズル面上でインクが乾燥し易くなり、吐出不良が生じることがある。
前記水分散性着色剤は、第1形態では、表面に少なくとも1種の親水基を有し、分散剤の不存在下で水分散性を示す顔料(以下、「自己分散性顔料」と称することもある)である。
前記水分散性着色剤は、第2形態では、ポリマー微粒子に水不溶乃至水難溶性の色材を含有させてなるポリマーエマルジョンである。
前記水分散性着色剤は、第3形態では、顔料、顔料分散剤及び高分子分散安定化剤を含有する顔料分散体であり、前記高分子分散安定化剤が、下記構造式(1)で表されるα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル共重合体、水溶性ポリウレタン樹脂及び水溶性ポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種である。
前記顔料としては、有機顔料、又は無機顔料を用いることができる。なお、色調調整の目的で同時に染料を含有しても構わないが、耐候性を劣化させない範囲内で使用することが可能である。
前記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、カーボンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが特に好ましい。なお、前記カーボンブラックとしては、例えば、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたものが挙げられる。
前記黒色用のものとしては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料、などが挙げられる。
また、この形態のインクは乾燥後の再分散性に優れるため、長期間印字を休止し、インクジェットヘッドのノズル付近のインクの水分が蒸発した場合も目詰まりを起こさず、簡単なクリーニング動作で容易に良好な印字が行える。
前記自己分散顔料の体積平均粒径(D50)は、インク中において0.01〜0.16μmが好ましい。
例えば、自己分散型カーボンブラックとしては、イオン性を有するものが好ましく、アニオン性に帯電したものやカチオン性に帯電したものが好適である。
前記アニオン性親水基としては、例えば、−COOM、−SO3M、−PO3HM、−PO3M2、−SO2NH2、−SO2NHCOR(ただし、Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを表す。Rは、炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基又は置換基を有してもよいナフチル基を表す)等が挙げられる。これらの中でも、−COOM、−SO3Mがカラー顔料表面に結合されたものを用いることが好ましい。
前記有機顔料としては、ブラック顔料としてのアニリンブラックが挙げられ、カラー顔料としては、アントラキノン、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジアゾ、モノアゾ、ピラントロン、ペリレン、複素環式イエロー、キナクリドン、(チオ)インジゴイドなどが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラック、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、モノアゾイエロー系顔料、ジスアゾイエロー系顔料、複素環式イエロー顔料が、発色性の面で特に優れている。
前記無機顔料粒子と色材である有機顔料又はカーボンブラックとの質量比は、3:1〜1:3が好ましく、3:2〜1:2がより好ましく。前記色材が少ないと発色性や着色力が低下することがあり、色材が多くなると透明性や色調が悪くなることがある。
このような無機顔料粒子を有機顔料又はカーボンブラックで被覆した色材粒子としては、戸田工業株式会社製のシリカ/カーボンブラック複合材料、シリカ/フタロシアニンPB15:3複合材料、シリカ/ジスアゾイエロー複合材料、シリカ/キナクリドンPR122複合材料などが一次平均粒径が小さいので、好適に用いることができる。
ここで、20nmの一次粒子径を持つ無機顔料粒子を等量の有機顔料で被覆した場合、この顔料の一次粒子径は25nm程度になる。これに適当な分散剤を用いて一次粒子まで分散できれば、分散粒子径が25nmの非常に微細な顔料分散インクを作製することができる。前記複合顔料は表面の有機顔料のみが分散に寄与するだけでなく、厚み約2.5nmの有機顔料の薄層を通して中心にある無機顔料の性質も現れてくるため、両者を同時に分散安定化できる顔料分散剤の選択も重要である。
また、前記共重合体及び前記樹脂をアルカリ溶液又はアルカリ水溶液で溶解するには、加熱撹拌すると容易に溶解できる。しかし、前記α−オレフィン−無水マレイン酸共重合体におけるオレフィン鎖が長い場合は比較的溶け難く、不溶物が残る場合があるが、適当なフィルター等で不溶物を除いて用いれば、分散安定化剤としての効果は損なわれない。
前記アルカリ溶液又はアルカリ水溶液における塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物;アンモニア、トリエチルアミン、モルホリン等の塩基性物質;トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、コリン等のアルコールアミンなどが挙げられる。
前記スチレン−(メタ)アクリル共重合体としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、JC−05(星光PMC株式会社製)、ARUFON UC−3900,ARUFON UC−3910,ARUFON UC−3920(東亞合成株式会社製)などが挙げられる。
前記水溶性ポリウレタン樹脂としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えばタケラックW−5025,タケラックW−6010,タケラックW−5661(三井武田ケミカル株式会社製)などが挙げられる。
前記水溶性ポリエステル樹脂としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、ニチゴポリエスターW−0030,ニチゴポリエスターW−0005S30WO,ニチゴポリエスターWR−961(日本合成化学工業株式会社製)、ペスレジンA−210,ペスレジンA−520(高松油脂株式会社製)などが挙げられる。
前記高分子分散安定化剤の質量平均分子量は、20,000以下が好ましく、5,000〜20,000がより好ましい。前記質量平均分子量が5,000未満であると、顔料分散体の分散安定性が低下することがあり、20,000を超えると、アルカリ溶液の溶解性が劣ったり、粘度が高くなってしまうことがある。
前記第3形態では、顔料分散剤を含有することが好ましい。前記顔料分散剤としては、アニオン系界面活性剤及びHLB値10〜20のノニオン系界面活性剤のいずれかが好適である。
前記アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えばNH4,Na,Ca等)、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩(例えばNH4,Na,Ca等)、ジアルキルサクシネートスルホン酸Na塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物Na塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩(例えばNH4、Na等)、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート塩、オレイン酸塩などが挙げられる。これらの中でも、ジオクチルスルホコハク酸Na塩、ポリオキシエチレンスチレンフェニルエーテルスルホン酸NH4塩が特に好ましい。
前記水分散性樹脂としては、造膜性(画像形成性)に優れ、かつ高撥水性、高耐水性、高耐候性を備えて、高耐水性で高画像濃度(高発色性)の画像記録に有用であることから、少なくともフッ素系樹脂微粒子が用いられる。
前記フルオロオレフィン単位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば−CF2CF2−、−CF2CF(CF2)−、−CF2CFCl−などが挙げられる。
前記ビニルエーテル単位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、下記構造式で表される化合物などが挙げられる。
このようなフッ素系樹脂微粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、大日本インキ化学工業株式会社製のフルオネートFEM−500、FEM−600、ディックガードF−52S、F−90、F−90M、F−90N,アクアフランTE−5A;旭硝子株式会社製のルミフロンFE4300、FE4500、FE4400、アサヒガードAG−7105、AG−950、AG−7600、AG−7000、AG−1100などが挙げられる。
前記併用される水分散性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、縮合系合成樹脂、付加系合成樹脂、天然高分子化合物、などが挙げられる。
前記縮合系合成樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、珪素樹脂などが挙げられる。前記付加系合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルエステル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、不飽和カルボン酸系樹脂などが挙げられる。前記天然高分子化合物としては、例えば、セルロース類、ロジン類、天然ゴムなどが挙げられる。
前記水分散性樹脂は、ホモポリマーとして使用されてもよく、また、コポリマーして使用して複合系樹脂として用いてもよく、単相構造型及びコアシェル型、パワーフィード型エマルジョンのいずれのものも使用できる。
前記単官能の(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウム塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、イソアミルアクリレート、n−へキシルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリレート、シクロへキシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、グリシジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、アクリロキシエチルトリメチルアンモニウム塩、などが挙げられる。
前記多官能の(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリブチレングリコールジメタクリレート、2,2'−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2'−ビス(4−アクリロキシプロピロキシフェニル)プロパン、2,2'−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパントリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ジトリメチロールテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、などが挙げられる。
前記芳香族ビニル単量体類としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、4−t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
前記ビニルシアノ化合物単量体類としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
前記アリル化合物単量体類としては、例えばアリルスルホン酸その塩、アリルアミン、アリルクロライド、ジアリルアミン、ジアリルジメチルアンモニウム塩等が挙げられる。
前記オレフィン単量体類としては、例えば、エチレン、プロピレン等が挙げられる。
前記ジエン単量体類としては、例えば、ブタジエン、クロロプレン等が挙げられる。
前記ビニル単量体類としては、例えば、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、塩化ビニル、ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルピロリドン、ビニルスルホン酸又はその塩、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
前記不飽和炭素を持つオリゴマー類としては、例えば、メタクリロイル基を持つスチレンオリゴマー、メタクリロイル基を持つスチレン−アクリロニトリルオリゴマー、メタクリロイル基を持つメチルメタクリレートオリゴマー、メタクリロイル基を持つジメチルシロキサンオリゴマー、アクリロイル基を持つポリエステルオリゴマー等が挙げられる。
前記水分散性樹脂の平均粒径(D50)は、分散液の粘度と関係しており、組成が同じものでは粒径が小さくなるほど同一固形分での粘度が大きくなる。インク化した時に過剰な高粘度にならないためにも水分散性樹脂の平均粒子径(D50)は50nm以上が好ましい。また、粒径が数十μmになるとインクジェットヘッドのノズル口より大きくなるため使用できない。ノズル口より小さくとも粒子径の大きな粒子がインク中に存在すると吐出性を悪化させる。そこで、インク吐出性を阻害させないために平均粒子径(D50)は200nm以下がより好ましく、150nm以下が更に好ましい。
また、前記水分散性樹脂のガラス転移温度が−40℃以下になると樹脂皮膜の粘稠性が強くなり印字物にタックが生じるため、ガラス転移温度が−30℃以上の水分散性樹脂であることが好ましい。
本発明の記録用インクは、水を液媒体として使用するものであるが、インクの乾燥を防止するため、また、分散安定性を向上するため等の目的で、下記の湿潤剤が使用される。これらは溶解性と水分蒸発による噴射特性不良の防止に対して優れた効果が得られる。
前記多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、などが挙げられる。
前記多価アルコールアリールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、などが挙げられる。
前記含窒素複素環化合物としては、例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミイダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン、などが挙げられる。
前記アミド類としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、などが挙げられる。
前記アミン類としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、などが挙げられる。
前記含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール、などが挙げられる。
前記その他の湿潤剤としては、糖を含有してなるのが好ましい。該糖類の例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類、四糖類を含む)、多糖類、などが挙げられる。具体的には、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース、などが挙げられる。ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(一般式:HOCH2(CHOH)nCH2OH(ただし、n=2〜5の整数を表す)で表わされる。)、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ酸などが挙げられる。これらの中でも、糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビットなどが挙げられる。
これら湿潤剤の中でも、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンが、保存安定性、吐出安定性の点から特に好ましい。
前記顔料と前記湿潤剤との質量比は、ヘッドからのインク吐出安定性に非常に影響がある。顔料固形分が高いのに湿潤剤の配合量が少ないとノズルのインクメニスカス付近の水分蒸発が進み吐出不良をもたらすことがある。
前記界面活性剤として、着色剤の種類や湿潤剤の組み合わせによって分散安定性を損なわず、表面張力が低く、レベリング性の高いものが好ましく、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤から選択される少なくとも1種が好適である。これらの中でも、フッ素系界面活性剤が特に好ましい。
前記フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物、などが挙げられる。これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少なく、特に好ましい。
前記パーフルオロアルキルカルボン化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルリン酸エステルの塩、などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩、などが挙げられる。
これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH4、NH3CH2CH2OH、NH2(CH2CH2OH)2、NH(CH2CH2OH)3などが挙げられる。
該市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);、メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR(いずれも、DuPont社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF−151N(オムノバ社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する均染性が著しく向上する点から、DuPont社製のFS−300、株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW及びオムノバ社製のPF−151Nが特に好ましい。
(1)アニオン性フッ素系界面活性剤
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
該市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越シリコーン株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社などから容易に入手できる。
前記含有量が0.01質量%未満であると、界面活性剤を添加した効果が無くなることがあり、3.0質量%を超えると、記録用メディアへの浸透性が必要以上に高くなり、画像濃度の低下や裏抜けが発生することがある。
前記浸透剤としては、20℃の水に対する溶解度が0.2〜5.0質量%のポリオール化合物の少なくとも1種を含有することが好ましい。このようなポリオール化合物として、脂肪族ジオールとしては、例えば、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールなどが挙げられる。
これらの中でも、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールが特に好ましい。
その他の併用できる浸透剤としては、インク中に溶解し、所望の物性に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、エタノール等の低級アルコール類、などが挙げられる。
前記アルコールアミン類としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3プロパンジオール等が挙げられる。
前記アルカリ金属元素の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
前記アンモニウムの水酸化物としては、例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物などが挙げられる。
前記アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
前記フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)としては、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトライキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−(3',5'−ジ−tert−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、などが挙げられる。
前記アミン系酸化防止剤としては、例えば、フェニル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチル−フェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ジヒドロキフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、などが挙げられる。
前記硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルβ,β’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ジラウリルサルファイドなどが挙げられる。
前記リン系酸化防止剤としては、トリフェニルフォスファイト、オクタデシルフォスファイト、トリイソデシルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト、トリノニルフェニルフォスファイトなどが挙げられる。
前記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2'−ヒドロキシ−5'−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−4'−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
前記サリチレート系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサリチレート、p−tert−ブチルフェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレートなどが挙げられる。
前記シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、エチル−2−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、ブチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレートなどが挙げられる。
前記ニッケル錯塩系紫外線吸収剤としては、例えば、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−n−ブチルアミンニッケル(II)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)トリエタノールアミンニッケル(II)などが挙げられる。
ここで、前記粘度は、例えば、粘度計(RL−500、東機産業株式会社製)を使用して、25℃で測定することができる。
前記記録用インクの表面張力としては、25℃で、35mN/m以下が好ましく、30mN/m以下がより好ましい。前記表面張力が、35mN/mを超えると、記録用メディア上のインクのレベリングが起こりにくく、乾燥時間の長時間化を招くことがある。
本発明のインクメディアセットは、本発明の前記記録用インクと、記録用メディアとを組み合わせてなる。
前記記録用メディアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、汎用印刷用紙などが好適に使用可能である。
これらの中でも、印刷画像のような非常に綺麗なインク記録物を得るためには、支持体と、該支持体の少なくとも一方の面に塗工層を有してなり、動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が2〜35ml/m2であり、かつ接触時間400msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が3〜40ml/m2の記録用メディアが用いられる。
前記動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水の該記録用メディアへの転移量は1〜5ml/m2が好ましく、接触時間400msにおける純水の該記録用メディアへの転移量は3〜10ml/m2が好ましい。
前記接触時間100msでの前記インク及び純水の転移量が少なすぎると、ビーディングが発生しやすくなることがあり、多すぎると、記録後のインクドット径が所望の径よりも小さくなりすぎることがある。
前記接触時間400msでの転移量が少なすぎると、乾燥性が不十分であるため、拍車痕が発生しやすくなることがあり、多すぎると、乾燥後の画像部の光沢が低くなりやすくなることがある。
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、木材繊維主体の紙、木材繊維及び合成繊維を主体とした不織布のようなシート状物質などが挙げられる。
(1)離解は、古紙をパルパーにて機械力と薬品で処理して繊維状にほぐし、印刷インキを繊維より剥離する。
(2)除塵は、古紙に含まれる異物(プラスチックなど)及びゴミをスクリーン、クリーナー等により除去する。
(3)脱墨は、繊維より界面活性剤を用いて剥離された印刷インキをフローテーション法、又は洗浄法で系外に除去する。
(4)漂白は、酸化作用や還元作用を用いて、繊維の白色度を高める。
前記古紙パルプを混合する場合、全パルプ中の古紙パルプの混合比率は、記録後のカール対策から40%以下が好ましい。
前記塗工層は、顔料及びバインダー(結着剤)を含有してなり、更に必要に応じて、界面活性剤、その他の成分を含有してなる。
前記無機顔料としては、例えば、カオリン、タルク、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、非晶質シリカ、チタンホワイト、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、クロライトなどが挙げられる。これらの中でも、カオリンは光沢発現性に優れており、オフセット印刷用の用紙に近い風合いとすることができる点から特に好ましい。
前記カオリンには、デラミネーテッドカオリン、焼成カオリン、表面改質等によるエンジニアードカオリン等があるが、光沢発現性を考慮すると、粒子径が2μm以下の割合が80質量%以上の粒子径分布を有するカオリンが、カオリン全体の50質量%以上を占めていることが好ましい。
前記カオリンの添加量は、前記バインダー100質量部に対し50質量部以上が好ましい。前記添加量が50質量部未満であると、光沢度において十分な効果が得られないことがある。前記添加量の上限は特に制限はないが、カオリンの流動性、特に高せん断力下での増粘性を考慮すると、塗工適性の点から、90質量部以下がより好ましい。
前記有機顔料の添加量は、前記塗工層の全顔料100質量部に対し2〜20質量部が好ましい。前記有機顔料は、光沢発現性に優れていることと、その比重が無機顔料と比べて小さいことから、嵩高く、高光沢で、表面被覆性の良好な塗工層を得ることができる。前記添加量が2質量部未満であると、前記効果がなく、20質量部を超えると、塗工液の流動性が悪化し、塗工操業性の低下に繋がることと、コスト面からも経済的ではない。
前記有機顔料には、その形態において、密実型、中空型、ドーナツ型等があるが、光沢発現性、表面被覆性及び塗工液の流動性のバランスを鑑み、平均粒子径(D50)は0.2〜3.0μmが好ましく、より好ましくは空隙率40%以上の中空型が採用される。
前記水性樹脂としては、水溶性樹脂及び水分散性樹脂の少なくともいずれかを好適に用いられる。前記水溶性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アセタール変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコールの変性物;ポリウレタン;ポリビニルピロリドン及びポリビニルピロリドンと酢酸ビニルの共重合体、ビニルピロリドンとジメチルアミノエチル・メタクリル酸の共重合体、四級化したビニルピロリドンとジメチルアミノエチル・メタクリル酸の共重合体、ビニルピロリドンとメタクリルアミドプロピル塩化トリメチルアンモニウムの共重合体等のポリビニルピロリドンの変性物;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等セルロース;カチオン化ヒドロキシエチルセルロース等のセルロースの変性物;ポリエステル、ポリアクリル酸(エステル)、メラミン樹脂、又はこれらの変性物、ポリエステルとポリウレタンの共重合体等の合成樹脂;ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリルアミド、酸化澱粉、燐酸エステル化澱粉、自家変性澱粉、カチオン化澱粉、又は各種変性澱粉、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸ソーダ、アルギン酸ソーダ、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、インク吸収性の観点から、ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アセタール変性ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエステルとポリウレタンの共重合体、などが特に好ましい。
前記水性樹脂の添加量は、前記顔料100質量部に対し、2〜100質量部が好ましく、3〜50質量部がより好ましい。前記水性樹脂の添加量は記録用メディアの吸液特性が所望の範囲に入るように決定される。
これらの中でも、ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、ポリアリルアミン塩酸塩等の低分子量のカチオン性有機化合物と他の比較的高分子量のカチオン性有機化合物、例えば、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)等とを組み合わせて使用するのが好ましい。併用により、単独使用の場合よりも画像濃度を向上させ、フェザリングが更に低減される。
ここで、前記コロイド滴定法によるカチオン当量の測定に当たっては、カチオン性有機化合物を固形分0.1質量%となるように蒸留水で希釈し、pH調整は行わないものとする。
前記多価アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリット、ソルビトール、ショ糖などが挙げられる。また、エチレンオキサイド付加物については、水溶性を維持できる範囲で、エチレンオキサイドの一部をプロピレンオキサイドあるいはブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドに置換したものも有効である。置換率は50%以下が好ましい。前記非イオン活性剤のHLB(親水性/親油性比)は4〜15が好ましく、7〜13がより好ましい。
前記塗工層液の付着量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、固形分で、0.5〜20g/m2が好ましく、1〜15g/m2がより好ましい。
前記含浸又は塗布の後、必要に応じて乾燥させてもよく、この場合の乾燥の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100〜250℃程度が好ましい。
市販の印刷用塗工紙とは、キャストコート紙、いわゆるアート紙(A0サイズ、A1サイズ)、A2サイズコート紙、A3サイズコート紙、B2サイズコート紙、軽量コート紙、微塗工紙といった商業印刷・出版印刷に用いられている塗工紙のことであり、オフセット印刷、グラビア印刷等に用いられるものである。
具体的には、オーロラコート(日本製紙株式会社製)、PODグロスコート(王子製紙株式会社製)などが挙げられる。
本発明のインクカートリッジは、本発明の前記記録用インクを容器中に収容してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材等を有してなる。
次に、インクカートリッジについて、図1及び図2を参照して説明する。ここで、図1は、本発明のインクカートリッジの一例を示す図であり、図2は図1のインクカートリッジ200のケース(外装)も含めた図である。
インクカートリッジ200は、図1に示すように、インク注入口242からインク袋241内に充填され、排気した後、該インク注入口242は融着により閉じられる。使用時には、ゴム部材からなるインク排出口243に装置本体の針を刺して装置に供給される。
インク袋241は、透気性のないアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。このインク袋241は、図2に示すように、通常、プラスチックス製のカートリッジケース244内に収容され、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いられるようになっている。
本発明のインクカートリッジは、本発明の前記記録用インク(インクセット)を収容し、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いることができ、また、後述する本発明のインクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いるのが特に好ましい。
本発明のインクジェット記録装置は、インク飛翔手段を少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば刺激発生手段、制御手段等を有してなる。
本発明のインクジェット記録方法は、インク飛翔工程を少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば刺激発生工程、制御工程等を含む。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインクジェット記録装置により好適に実施することができ、前記インク飛翔工程は前記インク飛翔手段により好適に行うことができる。また、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行うことができる。
前記インク飛翔工程は、前記本発明の記録用インクに、刺激を印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を形成する工程である。
前記インク飛翔手段は、前記本発明の記録用インクに、刺激を印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を形成する手段である。該インク飛翔手段としては、特に制限はなく、例えば、インク吐出用の各種のノズル、などが挙げられる。
なお、前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
インクカートリッジ装填部104の上面には、操作キーや表示器などの操作部105が配置されている。インクカートリッジ装填部104は、インクカートリッジ201の脱着を行うための開閉可能な前カバー115を有している。
キャリッジ133には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色の記録用インク滴を吐出する4個のインクジェット記録用ヘッドからなる記録ヘッド134を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド134を構成するインクジェット記録用ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどインクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。
一方、給紙トレイ103の用紙積載部(圧板)141上に積載した用紙142を給紙するための給紙部として、用紙積載部141から用紙142を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ143)、及び給紙コロ143に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド144を備え、この分離パッド144は給紙コロ143側に付勢されている。
この給紙部から給紙された用紙142を記録ヘッド134の下方側で搬送するための搬送部として、用紙142を静電吸着して搬送するための搬送ベルト151と、給紙部からガイド145を介して送られる用紙142を搬送ベルト151との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ152と、略鉛直上方に送られる用紙142を略90°方向転換させて搬送ベルト151上に倣わせるための搬送ガイド153と、押さえ部材154で搬送ベルト151側に付勢された先端加圧コロ155とが備えられる。また、搬送ベルト151表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ156が備えられている。
搬送ベルト151は、無端状ベルトであり、搬送ローラ157とテンションローラ158との間に張架されて、ベルト搬送方向に周回可能である。この搬送ベルト151は、例えば、抵抗制御を行っていない厚み40μm程度の樹脂材、例えば、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(ETFE)で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。搬送ベルト151の裏側には、記録ヘッド134による印写領域に対応してガイド部材161が配置されている。なお、記録ヘッド134で記録された用紙142を排紙するための排紙部として、搬送ベルト151から用紙142を分離するための分離爪171と、排紙ローラ172及び排紙コロ173とが備えられており、排紙ローラ172の下方に排紙トレイ103が配されている。
このインクジェット記録装置においては、給紙部から用紙142が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙142は、ガイド145で案内され、搬送ベルト151とカウンタローラ152との間に挟まれて搬送される。更に先端を搬送ガイド153で案内されて先端加圧コロ155で搬送ベルト151に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ156によって搬送ベルト157が帯電されており、用紙142は、搬送ベルト151に静電吸着されて搬送される。そこで、キャリッジ133を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド134を駆動することにより、停止している用紙142にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙142を所定量搬送後、次行の記録を行う。記録終了信号又は用紙142の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙142を排紙トレイ103に排紙する。
そして、サブタンク135内の記録用インクの残量ニアーエンドが検知されると、インクカートリッジ201から所要量の記録用インクがサブタンク135に補給される。
本発明のインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法により記録された記録物は、本発明のインク記録物である。
本発明のインク記録物は、記録用メディア上に本発明の前記記録用インクを用いて形成された画像を有してなる。
また、本発明のインク記録物は、本発明の前記インクメディアセットにおける記録用メディア上に、本発明の前記インクメディアセットにおける記録用インクを用いて形成された画像を有してなる。
前記記録用メディアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、普通紙、光沢紙、特殊紙、汎用印刷紙、布、フィルム、OHPシート、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記インク記録物は、高画質で滲みがなく、経時安定性に優れ、各種の印字乃至画像の記録された資料等として各種用途に好適に使用することができる。
−水溶性高分子化合物水溶液Aの調製−
・下記構造式(1)で表されるα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体(星光PMC株式会社製、T−YP112、オレフィン鎖:炭素数20〜24、酸価190mgKOH/g、重量平均分子量=10,000)・・・10.0質量部
・イオン交換水・・・72.66質量部
−表面処理ブラック顔料分散液の調製−
CTAB比表面積が150m2/g、DBP吸油量100ml/100gのカーボンブラック90gを、2.5規定の硫酸ナトリウム溶液3,000mlに添加し、温度60℃、速度300rpmで攪拌し、10時間反応させて酸化処理を行った。この反応液を濾過し、濾別したカーボンブラックを水酸化ナトリウム溶液で中和し、限外濾過を行った。
得られたカーボンブラックを水洗し、乾燥させて、固形分30質量%となるよう純水中に分散させ、充分に撹拌してブラック顔料分散液を得た。この顔料分散体の平均粒子径(D50)を測定したところ103nmであった。なお、平均粒子径(D50)の測定は、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)を用いた。
−マゼンタ顔料含有ポリマー微粒子水分散体の調製−
<ポリマー溶液Aの調製>
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー4.0g、及びメルカプトエタノール0.4gを混合し、65℃に昇温した。次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシルエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスメチルバレロニトリル2.4g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。滴下後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内にメチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50質量%のポリマー溶液Aを800g得た。
ポリマー溶液Aを28gと、C.I.ピグメントレッド122を42g、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g、及びイオン交換水13.6gを十分に攪拌した後、ロールミルを用いて混練した。得られたペーストを純水200gに投入し、充分に攪拌した後、エバポレータを用いてメチルエチルケトン及び水を留去した。次いで、粗大粒子を除くためにこの分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、顔料15質量%含有、固形分20質量%のマゼンタポリマー微粒子の水分散体を得た。得られた顔料分散体の平均粒子径(D50)を測定したところ145nmであった。なお、平均粒子径(D50)の測定は、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)を用いた。
−イエロー顔料界面活性剤分散液の調製−
・モノアゾイエロー顔料(C.I.ピグメントイエロー74、大日精化工業株式会社製)・・30.0質量部
・ポリオキシエチレンスチレンフェニルエーテル(ノニオン系界面活性剤、第一工業製薬株式会社製、ノイゲンEA−177、HLB値=15.7)・・・10.0質量部
・イオン交換水・・・60.0質量部
−マゼンタ顔料界面活性剤分散液の調製−
・キナクリドン顔料(C.I.ピグメントレッド122、大日精化工業株式会社製)・・30.0質量部
・ポリオキシエチレン−β−ナフチルエーテル(ノニオン系界面活性剤、竹本油脂株式会社製、RT-100、HLB値=18.5)・・・10.0質量部
・イオン交換水・・・60.0質量部
−シアン顔料界面活性剤分散液Aの調製−
・フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3、大日精化工業株式会社製)・・30.0質量部
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル(ノニオン系界面活性剤、第一工業製薬株式会社製、DKS NL-450、HLB値=18.3)・・・10.0質量部
・イオン交換水・・・60.0質量部
次に、一次顔料分散体に上記調製例1の水溶性高分子化合物水溶液Aを7.51質量部と、水溶性ポリエステル樹脂(ニチゴポリエスターW−0030、日本合成化学工業社製、有効成分29.9質量%、酸価100mgKOH/g、重量平均分子量7,000)を2.51質量部添加し、充分に撹拌してシアン顔料界面活性剤分散液Aを得た。この顔料分散体の平均粒子径(D50)を測定したところ78nmであった。なお、平均粒子径(D50)の測定は、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)を用いた。
−シアン顔料界面活性剤分散液Bの調製−
・フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3、大日精化工業株式会社製)・・30.0質量部
・ポリオキシエチレンスチレンフェニルエーテル(ノニオン系界面活性剤、第一工業製薬株式会社製、ノイゲンEA−177、HLB値=15.7)・・・10.0質量部
・イオン交換水・・・60.0質量部
次に、一次顔料分散体に上記調製例1の水溶性高分子化合物水溶液Aを15.0質量部添加し、充分に撹拌してシアン顔料界面活性剤分散液Bを得た。得られた顔料分散体の平均粒子径(D50)を測定したところ、80nmであった。なお、前記平均粒子径(D50)は、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)を用いて測定した。
−シアン顔料界面活性剤分散液Cの調製−
・フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3、大日精化工業株式会社製)・・30.0質量部
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル(ノニオン系界面活性剤、第一工業製薬株式会社製、DKS NL−450、HLB値=18.3)・・・10.0質量部
・イオン交換水・・・60.0質量部
−記録用インクの作製−
各記録用インクの製造は、以下の手順で行った。まず、下記表1〜表4に示す、湿潤剤、浸透剤、界面活性剤、防カビ剤、及び水を混合し、1時間攪拌を行い均一に混合した。この混合液に対して水分散性樹脂を添加して1時間撹拌し、更に顔料分散液、消泡剤を添加して1時間攪拌した。得られた分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、粗大粒子やごみを除去して、実施例1〜12及び比較例1〜7の各記録用インクを作製した。
*フッ素樹脂エマルジョンA:旭硝子株式会社製、ルミフロンFE4300、固形分50質量%、平均粒子径150nm、最低造膜温度(MFT)=30℃以下
*フッ素樹脂エマルジョンB:旭硝子株式会社製、ルミフロンFE4500、固形分50質量%、平均粒子径160nm、最低造膜温度(MFT)=28℃以下
*フッ素樹脂エマルジョンC:旭硝子株式会社製、ルミフロンFE4400、固形分50質量%、平均粒子径200nm以下、最低造膜温度(MFT)=55℃
*ポリウレタンエマルジョン:ハイドランAPX-101H、DIC社製、固形分45質量%、平均粒子径160nm、最低造膜温度(MFT)=20℃以下
*ポリフォックスPF−151N:オリゴマー型ノニオン性フッ素系界面活性剤(OMNOVA社製、成分50質量%)
*ゾニールFS−300:ポリオキシエチレンパーフロロアルキルエーテル(Dupont社製、成分40質量%)
*KF−643:ポリエーテル変性シリコーン界面活性剤(信越化学工業株式会社製、成分100質量%)
*ソフタノールEP−5035:ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン分岐アルキルエーテル(日本触媒株式会社製、成分100質量%)
*Proxel GXL:1,2−benzisothiazolin−3−onを主成分、防カビ剤、アビシア社製、成分20質量%、ジプロピレングリコール含有)
*KM−72F:自己乳化型シリコーン消泡剤(信越シリコーン株式会社製、成分100質量%)
記録用インク中に含まれる顔料固形分に対する水分散性樹脂(エマルジョン)中の樹脂固形分の比(樹脂固形分A/顔料固形分B)を算出した。
記録用インク中の顔料と樹脂(エマルジョン+水溶性樹脂)の合計含有量を算出した。
インクの粘度は、粘度計(RL−500、東機産業株式会社製)を使用して、25℃で測定した。
インクの表面張力は、全自動表面張力計(CBVP−Z、協和界面科学株式会社製)を使用して、25℃で測定した。
23℃、50%RHに調整された環境下、インクジェットプリンタ(IPSIO G707、株式会社リコー製)を用い、インクの吐出量が均しくなるようにピエゾ素子の駆動電圧を変動させ、記録用メディアに同じ付着量のインクが付くように設定を行った。
Microsoft Word2000(Microsoft社製)にて作成した一色当りA4サイズ用紙の面積5%をベタ画像にて塗りつぶすチャートを連続200枚、Type6200(株式会社NBSリコー製)に打ち出し、打ち出し後の各ノズルの吐出乱れから評価した。印字モードはプリンタ添付のドライバで普通紙のユーザー設定より「普通紙−標準速い」モードを「色補正なし」と改変したモードを使用した。
〔評価基準〕
○:吐出乱れなし
△:若干吐出乱れあり
×:吐出乱れあり、もしくは吐出しない部分あり
Microsoft Word2000(Microsoft社製)にて作成した64point文字「■」の記載のあるチャートをXerox4024(富士Xerox株式会社製)に打ち出し、印字面の「■」部をX−Rite938にて測色し、下記評価基準により判定した。印字モードはプリンタ添付のドライバで普通紙のユーザー設定より「普通紙−標準速い」モードを「色補正なし」と改変したモードを使用した。
〔評価基準〕
◎:Black:1.3以上、Yellow:0.85以上、Magenta:0.95以上、Cyan1.1以上
○:Black:1.2以上1.3未満、Yellow:0.8以上0.85未満、Magenta:0.9以上0.95未満、Cyan:1.0以上1.1未満
△:Black:1.1以上1.2未満、Yellow:0.7以上0.8未満、Magenta:0.8以上0.90未満、Cyan:0.9以上1.0未満
×:Black:1.1未満、Yellow:0.7未満、Magenta:0.8未満、Cyan0.9未満
画像濃度と同様にチャートをXerox4024(富士Xerox株式会社製)に打ち出し、印字面の「■」部をX−Rite938にて測定し、下記評価基準により判定した。印字モードはプリンタ添付のドライバで普通紙のユーザー設定より「普通紙−標準速い」モードを「色補正なし」と改変したモードを使用した。標準色(Japan color ver.2)の彩度の値(イエロー:91.34、マゼンタ:74.55、シアン:62.82)に対する測定した彩度の値との比率を算出し、下記の評価基準にしたがって判定した。
〔評価基準〕
○:0.8以上
×:0.8未満
印字濃度と同様にチャートをType6200(株式会社NBSリコー製)に打ち出し、印写した印字面の「■」部を23℃、50%RHで24時間乾燥させ、そのチャートを30℃の水に1分間浸漬後、静かに引き上げ静置乾燥を行い、下記評価基準により判定した。
〔評価基準〕
○:色の滲み出しなし
×:色の滲み出しあり
Microsoft Word2000(Microsoft社製)にて作成した3cm×3cmの単色ベタ画像があるチャートをリコージェルジェットプリンター専用絹目光沢紙(株式会社NBSリコー製)に打ち出し、23℃、50%RHで24時間乾燥させ、CM−1型クロックメータに両面テープで取り付けたJIS L0803綿3号を印字部位に当てるように5回往復させた後、綿布へのインク付着汚れをX−Rite938にて測色し、綿布の地肌色を差し引いて汚れ部の濃度について、下記評価基準により判定した。
〔評価基準〕
○:0.12未満
×:0.12以上
画像濃度と同様にチャートをType6200(株式会社NBSリコー製)に打ち出し、印写した印字面の「■」部を23℃、50%RHで24時間乾燥させた。この画像部をアトラス社製ウェザオメータCi35AWを用いて、70℃、50%RH、ブラックパネル温度89℃の環境下、屋外太陽光近似のキセノン放射照度0.35W/m2(340nm)で24時間照射し、前後の退色、色変化を以下の評価基準で判定した。
〔評価基準〕
○:ほとんど変化がない
△:変化は認められるが許容できる
×:退色、色変化が大きい
印字濃度と同様にチャートを打ち出し、Type6200(株式会社NBSリコー製)に印写した印字面の「■」部を印字直後に濾紙を押し当て、転写の有無にて判定した。
〔評価基準〕
○:転写汚れなし
△:わずかな転写汚れあり
×:転写汚れあり
実施例及び比較例で調製したインクを密閉できる硝子サンプル瓶に20gずつ入れて、しっかり蓋を締めて更にビニルテープで封印し、50℃の恒温槽に1ヶ月間保管した。粒子径変化を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)で測定した。保管前を初期として保管後のインクの平均粒子径(D50%)の変化率を下記数式2から求めて評価した。
<<数式2>>
変化率=〔(保管後平均粒子径/保管前平均粒子径)−1〕×100
〔評価基準〕
○:変化率±10%未満
△:変化率±10〜20%以内
×:変化率±20%を超える
市販の用紙(商品名;オーロラコート、坪量=104.7g/m2、日本製紙株式会社)製)
−記録用紙(2)−
王子製紙株式会社製、PODグロスコート100g/m2紙
−記録用紙(3)−
市販のインクジェット用マットコート紙(商品名;スーパーファイン専用紙、セイコーエプソン株式会社製)
−記録用紙(4)−
透明ポリエステルフィルム(商品名:ルミラーU10、厚み100μm、TORAY社製)
<動的走査吸液計による純水の転移量の測定>
前記記録用紙(1)〜(4)について、動的走査吸液計(型式:KS350D、協和精工株式会社製)を用いて、純水の吸収曲線を測定した。吸収曲線は転移量(mL/m2)と接触時間の平方根√(ms)でプロットして一定の傾きを持つ直線とし、内挿により一定時間後の転移量の値を測定した。
記録用紙(1)〜(4)と、実施例3、実施例4、及び実施例5の記録用インクを用いて、インクジェット記録装置(IPSIO G7570、株式会社リコー製)により、以下のようにして、画像品質評価を実施した。結果を表8に示す。
得られた緑ベタ部の濃度ムラの程度を目視で評価した。ランク評価は段階見本(ランク:悪い1.0〜5.0良い)を用いて行った。
得られた赤ベタ部から地肌部への拍車によるオフセット汚れの程度を目視で評価した。ランク評価は以下の基準で行った。
ランク1:はっきり見える
ランク2:かすかに見える
ランク3:全く無し
得られたシアンベタ部の60度光沢度を、光沢度計(BYK Gardener社製、4501)を用いて測定した。
更に、汎用印刷用紙(支持体と該支持体の少なくとも一方の面に塗工層を有してなり、動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が2〜35ml/m2であり、かつ接触時間400msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が3〜40ml/m2であるようなインク吸収性の低い記録用メディア)のを使用しても、ビーディング及び乾燥性にも優れ、印刷画質の様な高品位な画像形成が可能である。
本発明のインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法は、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、などに特に好適に適用することができる。
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インクカートリッジ装填部
111 上カバー
112 前面
115 前カバー
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 用紙載置部
142 用紙
144 分離パッド
151 搬送ベルト
152 再度カウンタローラ
156 帯電ローラ
157 搬送ローラ
158 デンションローラ
171 分離爪
172 排紙ローラ
173 排紙コロ
181 両面給紙ユニット
200 インクカートリッジ
201 インクカートリッジ
241 インク袋
242 インク注入口
243 インク排出口
244 カートリッジ外装
Claims (19)
- 少なくとも水分散性着色剤、水分散性樹脂、湿潤剤、界面活性剤、及び水を含有する記録用インクであって、
前記湿潤剤の前記記録用インクにおける含有量が20〜35質量%であり、
前記水分散性着色剤及び前記水分散性樹脂の前記記録用インクにおける合計含有量が固形分で12〜40質量%であり、
前記水分散性樹脂がフッ素系樹脂微粒子を含有し、かつ該水分散性樹脂の前記記録用インクにおける固形分含有量(A)と、前記水分散性着色剤中の顔料の前記記録用インクにおける固形分含有量(B)との比(A/B)が、0.5〜8であることを特徴とする記録用インク。 - 水分散性着色剤が、表面に少なくとも1種の親水基を有し、分散剤の不存在下で水分散性を示す顔料である請求項1に記載の記録用インク。
- 水分散性着色剤が、ポリマー微粒子に水不溶乃至水難溶性の色材を含有させてなるポリマーエマルジョンである請求項1に記載の記録用インク。
- 水分散性着色剤が、顔料、顔料分散剤及び高分子分散安定化剤を含有する顔料分散体であり、かつ該高分子分散安定化剤が、下記構造式(1)で表されるα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル共重合体、水溶性ポリウレタン樹脂及び水溶性ポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の記録用インク。
- 高分子分散安定化剤の重量平均分子量が20,000以下であり、かつ酸価が40〜400mgKOH/gであり、該酸価と当量以上のアルカリ溶液及びアルカリ水溶液のいずれかに溶解させて用いられる請求項4に記載の記録用インク。
- 顔料分散剤が、アニオン系界面活性剤及びHLB値10〜20のノニオン系界面活性剤のいずれかである請求項4から5のいずれかに記載の記録用インク。
- HLB値10〜20のノニオン系界面活性剤が、ポリオキシエチレン-β-ナフチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、及びポリオキシエチレンスチレンフェニルエーテルのいずれかである請求項6に記載の記録用インク。
- フッ素系樹脂微粒子が、フルオロオレフィン単位を有するフッ素系樹脂微粒子であり、かつ該フッ素系樹脂微粒子の最低造膜温度が30℃以下である請求項1から7のいずれか記載の記録用インク。
- 湿潤剤が、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−ピロリドン及びN−メチル−2−ピロリドンから選択される少なくとも1種である請求項1から8のいずれかに記載の記録用インク。
- 界面活性剤がシリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤から選択される少なくとも1種を含有する請求項1から9のいずれかに記載の記録用インク。
- 25℃での粘度が5〜20mPa・sであり、かつ表面張力が35mN/m以下である請求項1から10のいずれかに記載の記録用インク。
- 請求項1から11のいずれかに記載の記録用インクと、記録用メディアとを有するインクメディアセットであって、
前記記録用メディアが、支持体と、該支持体の少なくとも一方の面に塗工層を有してなり、かつ動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が2〜35ml/m2であり、かつ接触時間400msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が3〜40ml/m2であることを特徴とするインクメディアセット。 - 請求項1から11のいずれかに記載の記録用インクを容器中に収容してなることを特徴とするインクカートリッジ。
- 請求項1から11のいずれかに記載の記録用インクに刺激を印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
- 刺激が、熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種である請求項14に記載のインクジェット記録方法。
- 請求項1から11のいずれかに記載の記録用インクに刺激を印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔手段を少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録装置。
- 刺激が、熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種である請求項16に記載のインクジェット記録装置。
- 記録用メディア上に、請求項1から11のいずれかに記載の記録用インクを用いて形成された画像を有してなることを特徴とするインク記録物。
- 請求項12に記載のインクメディアセットにおける記録用メディア上に、請求項12に記載のインクメディアセットにおける記録用インクを用いて形成された画像を有してなることを特徴とするインク記録物。
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