JP2008050400A - 記録用インク及びインクメディアセット、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents

記録用インク及びインクメディアセット、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008050400A
JP2008050400A JP2006225431A JP2006225431A JP2008050400A JP 2008050400 A JP2008050400 A JP 2008050400A JP 2006225431 A JP2006225431 A JP 2006225431A JP 2006225431 A JP2006225431 A JP 2006225431A JP 2008050400 A JP2008050400 A JP 2008050400A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
water
recording
pigment
paper
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2006225431A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5118832B2 (ja
Inventor
Hiroshi Goto
寛 後藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2006225431A priority Critical patent/JP5118832B2/ja
Priority to CNA2007800012030A priority patent/CN101356246A/zh
Priority to PCT/JP2007/066507 priority patent/WO2008023812A1/en
Priority to KR1020087012005A priority patent/KR100983850B1/ko
Priority to EP20070792987 priority patent/EP2054477B1/en
Priority to US12/091,129 priority patent/US8927623B2/en
Publication of JP2008050400A publication Critical patent/JP2008050400A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5118832B2 publication Critical patent/JP5118832B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41MPRINTING, DUPLICATING, MARKING, OR COPYING PROCESSES; COLOUR PRINTING
    • B41M5/00Duplicating or marking methods; Sheet materials for use therein
    • B41M5/50Recording sheets characterised by the coating used to improve ink, dye or pigment receptivity, e.g. for ink-jet or thermal dye transfer recording
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09DCOATING COMPOSITIONS, e.g. PAINTS, VARNISHES OR LACQUERS; FILLING PASTES; CHEMICAL PAINT OR INK REMOVERS; INKS; CORRECTING FLUIDS; WOODSTAINS; PASTES OR SOLIDS FOR COLOURING OR PRINTING; USE OF MATERIALS THEREFOR
    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks
    • C09D11/40Ink-sets specially adapted for multi-colour inkjet printing
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T428/00Stock material or miscellaneous articles
    • Y10T428/24Structurally defined web or sheet [e.g., overall dimension, etc.]
    • Y10T428/24802Discontinuous or differential coating, impregnation or bond [e.g., artwork, printing, retouched photograph, etc.]

Abstract

【課題】普通紙に対する画像品質、特に、いわゆる白ポチが改良され、画像濃度、彩度及び耐水性、耐光性等の画像堅牢性に優れた画像が得られ、乾燥速度、高速印字対応に優れ、ノズルからの吐出安定性が良好であり、更に、インク吸収性の低い汎用印刷用紙でのビーディング及び乾燥性にも優れた記録用インク等の提供。
【手段】少なくとも水分散性着色剤、水分散性樹脂、湿潤剤、界面活性剤、及び水を含有してなり、前記湿潤剤の前記記録用インクにおける含有量が20〜35質量%であり、前記水分散性着色剤及び前記水分散性樹脂の前記記録用インクにおける合計含有量が固形分で12〜40質量%であり、前記水分散性樹脂がフッ素系樹脂微粒子を含有し、かつ該水分散性樹脂の前記記録用インクにおける固形分含有量(A)と、前記水分散性着色剤中の顔料の前記記録用インクにおける固形分含有量(B)との比(A/B)が、0.5〜8である記録用インクである。

Description

本発明は、インクジェット記録に好適な記録用インク及びインクメディアセット、並びにこれらを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置に関する。
プリンタ、ファクシミリ、複写装置等の画像記録装置として、インクジェット記録装置が知られている。このようなインクジェット記録装置は、記録用メディアにインクを吐出して記録を行うものであり、作像プロセスが単純なため装置が簡易化しやすく、加熱プロセスを経ないため省エネルギーであり、環境に優しく、高精細な画像を高速で記録することができ、ランニングコストが安く、騒音が少なく、しかも、多色インクを使用してカラー画像を記録するのが容易であることなどの多くの利点を有している。
前記インクジェット記録装置に用いられるインクとしては、水を主成分とし、着色剤、グリセリン等の湿潤剤、記録紙への浸透性を制御する浸透剤、界面活性剤、及びその他の添加剤などを含有した水系インクが、一般的に用いられている。
このような水系インクを用いたインクジェット記録は、液体インクが記録用メディアへ浸透することにより定着するため、吸収特性の向上、着色成分の紙面への定着機能、着色成分の保護機能を持つインクジェット専用紙が開発されている。しかし、インクジェット専用紙は抄紙後の多段の塗布工程が経るためコストが高く、加工薬剤を多く使用しているため普通紙に比べてリサイクル性にも劣っている。そのため、普通紙上で充分な画質を得ることが望まれている。
しかし、普通紙は、インクジェット専用紙に比べてインク吸収性が劣り、また、専用紙のようにインク性能を補助しないため、(1)フェザリングの発生、(2)ブリーディングの発生、(3)濃度の低下、(4)発色性の低下、(5)耐水性の低下、(6)耐光性の低下、(7)耐ガス性の低下、(8)定着性の低下、(9)インクの裏抜けの発生、などの問題点があり、これらの問題点を解決することが普通紙を用いるインクジェット記録にとって重要課題となっている。
近年、顔料の分散性の改良や粒径の微小化が図られ、インクジェット用インクに顔料が使用されるケースが多くなってきている。顔料の分散性の改良として、従来のように界面活性剤や水溶性樹脂を用いた顔料分散だけでなく、顔料表面の酸化処理、スルホン化処理、グラフト重合処理等の表面修飾によって親水性を付与することが行われ、顔料の自己分散安定性を向上させることが行われている。このような顔料を用いることによって、上記(5)、(6)、及び(7)を改善することができるが、顔料は染料に比べて濃度や発色性が劣っており、また、吐出安定性、長期保存性、再分散性などの信頼性の面でも染料インクに比べて劣っている。そのため、着色剤として顔料を用いる場合には、インクの濃度や発色性、信頼性を向上させることが課題となっている。これらの課題に対処するため、着色されたポリマー粒子、特にポリエステル系又はビニル系ポリマー粒子のエマルジョンを用いたインクジェット記録用インクが多数提案されている(例えば、特許文献1及び非特許文献1等参照)。これらの提案には、着色剤を水に不溶で分散性の樹脂に内包した着色剤内包樹脂分散体を含有するインクが包含される。また、着色剤としてカラー有機顔料を用いた場合、従来公知のインク処方では普通紙上での画像濃度、色再現性は水溶性分散剤を用いた顔料インクよりも優れることが知られている。
また従来より、フェザリング、及びブリーディングを低減させ、印字濃度、発色性を高め、裏抜けを抑制するため、インクの紙への浸透性を制御する技術が検討されている。例えば上市されているインクジェット用インクとしては、表面張力を35mN/mより低く調整し、紙への浸透性を高めた超浸透インクがある。このような超浸透インクではブリーディングの低減に効果が高く、普通紙印字での乾燥性は良好であるが、フェザリングが起りやすく、印字濃度が低く、文字品位が悪化しやすいという欠点がある。
一方、インクの表面張力を35mN/mより高く調節し、紙への浸透を遅くすることでインクを印字面表層に留める緩浸透インクが上市されており、フェザリングの低下、印字濃度の向上、発色性の向上、裏抜けの低減に効果が高い。しかし、このような緩浸透インクは、紙への浸透性を落とした結果、普通紙に対する印字後の乾燥性が著しく悪くなり、定着性の悪化や、多色化した場合の色間のブリーディングを招いている。
そこで、緩浸透インクと超浸透インクを組合せたインクセットを用いることで色間のブリーディングを抑え、画像品位を確保する手法が開発されている。しかし、緩浸透インクを用いて両面印字を行う場合には、印字後にインクの乾燥を待つ時間が必要となり両面印字の生産性の悪化を招いている。また、インクの乾燥性を高めるために、印字前後よりヒータにて紙面を加熱しインクの乾燥を速める手段を有する印字装置も提案されており、上市されている(例えば、特許文献2等参照)。しかし、これらの提案では、加熱を行う部位を付与するため、装置が大型化、複雑化しており、また、加熱のためにエネルギーを浪費するのでインクジェット記録方式の利点が失われてしまっている。
上記以外でもインクジェット用インクとしては、信頼性向上と画質向上を兼ね備える方向の検討が行われている。多くのインクジェット用インクがヘッドのノズル詰まりを防ぐため、粘度の上昇を極力押さえる方向で設計されている。例えば、特許文献3には、インクの2倍濃縮時の粘度変化を10倍以内とし、かつ粒径変化を3倍以内にすることにより、顔料の凝集がインクの広がりを抑制することを防ぎ、白抜けを防止できるとしているが、普通紙上で高画質を記録することは困難である。
また、特許文献4では、インク中の揮発成分蒸発した後の残留分が液体であり、かつその粘度が初期粘度の10倍以内であるインクが提案されている。しかし、この提案のインクは、染料インクであり、信頼性は高いものの、普通紙での画質が劣るものである。
また、特許文献5では、60℃環境下での水分蒸発させたときの、インク粘度が蒸発前の粘度の600倍以下であるインクが提案されている。しかし、この提案のインクも染料インクであり、水溶性高分子を添加することで、インクの信頼性と画像品質の耐久性とのバランスをとっているが、耐水性に問題がある。
また、特許文献6には、粘度が5〜15mPa・sであるインクが高画質を確保するためには必要であることが提案されている。この提案では、信頼性確保のために初期の蒸発速度を調整し、かつ粘度を調整するための粘度調整剤として特定の化合物を添加するとよいと記載されており、顔料を用いたときの上記(3)及び(4)に対する解決方法ともいえる。しかし、この提案には、用いる顔料の粒径の安定性についてはなんら記載がなく、24時間放置後の信頼性があると記載されているが、吐出させるヘッドの構成とノズル径の大きさによっては、長期間放置した場合には信頼性に劣るインク処方となる。
以上のように、高速で高品位な印字品質を確保するためには高粘度の高いインクを使用する必要があるが、粘度の高いインクでは信頼性を確保することが困難である。
また、画質改善を目的として、特許文献7及び特許文献8には、顔料インクに水不溶性樹脂を添加する手法が開示されている。また、特許文献9では、顔料と樹脂エマルジョンの比が1:0.1〜1:1の範囲であり、かつ着色成分の平均粒径が0.3〜1.2μmであるインクにより普通紙の高画質化を図る手法が示されている。このような樹脂エマルジョンを添加したインクでは、滲みが抑制されフェザリングの抑制が可能であるが画像濃度としては不充分であり、インクジェット用インクとしての信頼性は充分とはいえない。
また、特許文献10には、水不溶性樹脂を添加したインクの最低造膜温度が40℃以上であるインクが提案されている。また、特許文献11には、エマルジョンの粒径を50nm以下とするインクが提案されている。しかし、これらの提案においても、信頼性に改善の余地があり、得られる画質も充分満足できるものではない。
また、特許文献12には、顔料、糖類又はその誘導体、水酸基を5個以上持つポリオール、及び樹脂エマルジョンを含むインクにより、印字むらが改善することが開示されている。しかし、このインクでは普通紙に対する浸透性が低く、色間でのフェザリングやブリーディングの発生、定着性の悪化、乾燥時間の遅さなどの問題点がある。
また、特許文献13には、水分散性樹脂及び自己分散顔料の固形分含有量が1.0〜16質量%であるインクが開示されており、普通紙上での画質が改善することが記載されている。この提案によれば、耐水性は染料インクに比べて改善されるが、普通紙ではよく利用されるマーカーペンに対する画像保持性能は充分であるとはいえない。
また、顔料分散体と樹脂エマルジョンをインクに添加すると固形分が増加してインク粘度が増加するので、このことを利用することが検討されている。例えば、特許文献14及び特許文献15には、ミセル会合体を形成する樹脂をインクに添加することで固形分を増やしても粘度上昇が少ないインク処方について提案されている。しかし、これらの提案では、普通紙上での浸透性が不足しており、記録画質に問題がある。また、紙に対する浸透性は、Lucas−Washburn式で表される毛管吸収にて説明されるが、粘度が高いほど表面張力や、紙とインクとの接触角が低くしないと十分な浸透性が得られない。
また、特許文献16及び特許文献17には、高固形分のインクに対して多価アルコールアルキルエーテルを使用して浸透性を向上させることが提案されている。しかし、この提案では、固形分が増加して粘度が上昇すると充分な浸透性を得られず、画質が低下してしまうという問題がある。
また、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤は、微量添加でも浸透性を向上させることが知られており、その使用が検討されている。例えば、特許文献18及び特許文献19には、フッ素系界面活性剤を添加したインクジェットインク、特許文献20及び特許文献21には、顔料分散体とフッ素系界面活性剤を含むインクがそれぞれ提案されている。また、特許文献22には、フッ素系界面活性剤とポリマー微粒子に水不溶性又は難溶性の色材を含有させてなるポリマーエマルジョンを含有する粘度5mPa・s以上のインクが提案されている。
しかし、これらの提案では、インク中の顔料固形分が増加することにより色相が変化してしまい、高濃度顔料では好ましい色相が得られにくく、自己分散顔料では耐水性、及び定着性が十分であるとは言い難いという課題がある。
特開2000−191972号公報 特開昭55−69464号公報 特開2002−337449号公報 特開2000−095983号公報 特開平9−111166号公報 特開2001−262025号公報 特開昭55−157668号公報 特公昭62−1426号公報 特開平4−332774号公報 特許第2867491号公報 特開平4−18462号公報 特許第3088588号公報 特開2004−35718号公報 特開2004−99800号公報 特許第3088588号公報 特開2004−155867号公報 特開2004−203903号公報 特許第2675001号公報 特許第2667401号公報 特開平4−211478号公報 特開2003−277658号公報 特開2003−226827号公報 「機能性顔料の技術と応用展開」 株式会社シーエムシー発行
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであり、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、普通紙に対する画像品質、特に、いわゆる白ポチが改良され、画像濃度、彩度及び耐水性、耐光性等の画像堅牢性に優れた画像が得られ、乾燥速度、高速印字対応に優れ、ノズルからの吐出安定性が良好であり、更に、インク吸収性の低い汎用印刷用紙でのビーディング及び乾燥性にも優れた記録用インク及びインクメディアセット、並びにこれらを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 少なくとも水分散性着色剤、水分散性樹脂、湿潤剤、界面活性剤、及び水を含有する記録用インクであって、
前記湿潤剤の前記記録用インクにおける含有量が20〜35質量%であり、
前記水分散性着色剤及び前記水分散性樹脂の前記記録用インクにおける合計含有量が固形分で12〜40質量%であり、
前記水分散性樹脂がフッ素系樹脂微粒子を含有し、かつ該水分散性樹脂の前記記録用インクにおける固形分含有量(A)と、前記水分散性着色剤中の顔料の前記記録用インクにおける固形分含有量(B)との比(A/B)が、0.5〜8であることを特徴とする記録用インクである。
<2> 水分散性着色剤が、表面に少なくとも1種の親水基を有し、分散剤の不存在下で水分散性を示す顔料である前記<1>に記載の記録用インクである。
<3> 水分散性着色剤が、ポリマー微粒子に水不溶乃至水難溶性の色材を含有させてなるポリマーエマルジョンである前記<1>に記載の記録用インクである。
<4> 水分散性着色剤が、顔料、顔料分散剤及び高分子分散安定化剤を含有する顔料分散体であり、かつ該高分子分散安定化剤が、下記構造式(1)で表されるα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル共重合体、水溶性ポリウレタン樹脂及び水溶性ポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種である前記<1>に記載の記録用インクである。
ただし、前記構造式(1)中、Rはアルキル基を表す。nは30〜100の数を示す。
<5> 高分子分散安定化剤の重量平均分子量が20,000以下であり、かつ酸価が40〜400mgKOH/gであり、該酸価と当量以上のアルカリ溶液及びアルカリ水溶液のいずれかに溶解させて用いられる前記<4>に記載の記録用インクである。
<6> 顔料分散剤がアニオン系界面活性剤及びHLB値10〜20のノニオン系界面活性剤のいずれかである前記<4>から<5>のいずれかに記載の記録用インクである。
<7> HLB値10〜20のノニオン系界面活性剤が、ポリオキシエチレン-β-ナフチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、及びポリオキシエチレンスチレンフェニルエーテルのいずれかである前記<6>に記載の記録用インクである。
<8> フッ素系樹脂微粒子が、フルオロオレフィン単位を有するフッ素系樹脂微粒子であり、かつ該フッ素系樹脂微粒子の最低造膜温度が30℃以下である前記<1>から<7>のいずれか記載の記録用インクである。
<9> 湿潤剤が、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−ピロリドン及びN−メチル−2−ピロリドンから選択される少なくとも1種である前記<1>から<8>のいずれかに記載の記録用インクである。
<10> 界面活性剤がシリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤から選択される少なくとも1種を含有する前記<1>から<9>のいずれかに記載の記録用インクである。
<11> 25℃での粘度が5〜20mPa・sであり、かつ表面張力が35mN/m以下である前記<1>から<10>のいずれかに記載の記録用インクである。
<12> 前記<1>から<11>のいずれかに記載の記録用インクと、記録用メディアとを有するインクメディアセットであって、
前記記録用メディアが、支持体と、該支持体の少なくとも一方の面に塗工層を有してなり、かつ動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が2〜35ml/mであり、かつ接触時間400msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が3〜40ml/mであることを特徴とするインクメディアセットである。
<13> 前記<1>から<11>のいずれかに記載の記録用インクを容器中に収容してなることを特徴とするインクカートリッジである。
<14> 前記<1>から<11>のいずれかに記載の記録用インクに刺激を印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とするインクジェット記録方法である。
<15> 刺激が、熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種である前記<14>に記載のインクジェット記録方法である。
<16> 前記<1>から<11>のいずれかに記載の記録用インクに刺激を印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔手段を少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録装置である。
<17> 刺激が、熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種である前記<16>に記載のインクジェット記録装置である。
<18> 記録用メディア上に、前記<1>から<11>のいずれかに記載の記録用インクを用いて形成された画像を有してなることを特徴とするインク記録物である。
<19> 前記<12>に記載のインクメディアセットにおける記録用メディア上に、前記<12>に記載のインクメディアセットにおける記録用インクを用いて形成された画像を有してなることを特徴とするインク記録物である。
本発明の記録用インクは、少なくとも水分散性着色剤、水分散性樹脂、湿潤剤、界面活性剤、及び水を含有してなり、
前記湿潤剤の前記記録用インクにおける含有量が20〜35質量%であり、
前記水分散性着色剤及び前記水分散性樹脂の前記記録用インクにおける合計含有量が固形分で12〜40質量%であり、
前記水分散性樹脂がフッ素系樹脂微粒子を含有し、かつ該水分散性樹脂の前記記録用インクにおける固形分含有量(A)と、前記水分散性着色剤中の顔料の前記記録用インクにおける固形分含有量(B)との比(A/B)が、0.5〜8である。
本発明の記録用インクにおいては、普通紙に対する画像品質、特に、いわゆる白ポチが改良され、画像濃度、彩度及び耐水性、耐光性等の画像堅牢性に優れた画像が得られ、乾燥速度、高速印字対応に優れ、ノズルからの吐出安定性が良好であり、高品質な画像が得られる。
更に、汎用印刷用紙(支持体と該支持体の少なくとも一方の面に塗工層を有してなり、動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が2〜35ml/mであり、かつ接触時間400msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が3〜40ml/mであるようなインク吸収性の低い記録用メディア)を使用しても、ビーディング及び乾燥性にも優れ、印刷画質様の高品位な画像形成が可能である。
本発明のインクメディアセットは、本発明の前記記録用インクと、記録用メディアとを有するインクメディアセットであって、
前記記録用メディアが、支持体と、該支持体の少なくとも一方の面に塗工層を有してなり、かつ動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が2〜35ml/mであり、かつ接触時間400msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が3〜40ml/mである。
本発明のインクメディアセットにおいては、普通紙に対する画像品質、特に、いわゆる白ポチが改良され、画像濃度、彩度及び耐水性、耐光性等の画像堅牢性に優れた画像が得られ、乾燥速度、高速印字対応に優れ、ノズルからの吐出安定性が良好であり、高品質な画像が得られる。
更に、汎用印刷用紙(支持体と該支持体の少なくとも一方の面に塗工層を有してなり、動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が2〜35ml/mであり、かつ接触時間400msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が3〜40ml/mであるようなインク吸収性の低い記録用メディア)を使用しても、ビーディング及び乾燥性にも優れ、印刷画質様の高品位な画像形成が可能である。
本発明のインクカートリッジは、本発明の前記記録用インクを容器中に収容してなる。該インクカートリッジは、インクジェット記録方式によるプリンタ等に好適に使用される。該インクカートリッジに収容されたインクを用いて記録を行うと、普通紙に印字すると、いわゆる白ポチが改良され、画像濃度、彩度、画像堅牢性に優れた画像が得られ、更に、印刷用グロス紙のビーディング及び乾燥性にも優れ、乾燥速度、高速印字対応に優れ、ノズルからの吐出安定性が良好であり、鮮明で印刷物に近い画像記録が行える。
本発明のインクジェット記録装置は、本発明の前記記録用インクにエネルギーを印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔手段を少なくとも有してなる。該インクジェット記録装置においては、前記インク飛翔手段が、本発明の前記記録用インクにエネルギーを印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を記録する。その結果、普通紙に印字すると、いわゆる白ポチが改良され、画像濃度、彩度、及び画像堅牢性に優れた画像が得られ、更に、印刷用グロス紙のビーディング及び乾燥性にも優れ、乾燥速度、高速印字対応に優れ、ノズルからの吐出安定性が良好であり、鮮明で印刷物に近い画像が得られる。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明の前記記録用インクにエネルギーを印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含んでなる。該インクジェット記録方法においては、前記インク飛翔工程において、本発明の前記記録用インクにエネルギーを印加し、該記録用インクを飛翔させて画像が記録される。その結果、普通紙に印字すると、いわゆる白ポチが改良され、画像濃度、彩度、及び画像堅牢性に優れた画像が得られ、更に、印刷用グロス紙のビーディング及び乾燥性にも優れ、乾燥速度、高速印字対応に優れ、ノズルからの吐出安定性が良好であり、鮮明で印刷物に近い画像が得られる。
本発明のインク記録物は、記録用メディア上に本発明の前記記録用インクを用いて形成された画像を有してなる。
また、本発明のインク記録物は、本発明の前記インクメディアセットにおける記録用メディア上に、本発明の前記のインクメディアセットにおける記録用インクを用いて形成された画像を有してなる。
本発明のインク記録物においては、普通紙に印字すると、いわゆる白ポチが改良され、画像濃度、彩度、及び画像堅牢性に優れた画像が得られ、更に、印刷用グロス紙のビーディング及び乾燥性にも優れ、乾燥速度、高速印字対応に優れ、ノズルからの吐出安定性が良好であり、鮮明で印刷物に近い画像が前記記録用メディアに保持される。
更に、記録用メディアとして、汎用印刷用紙(支持体と該支持体の少なくとも一方の面に塗工層を有してなり、動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が2〜35ml/mであり、かつ接触時間400msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が3〜40ml/mであるようなインク吸収性の低い記録用メディア)を使用しても、ビーディング及び乾燥性にも優れ、印刷画質様の高品位な画像形成が可能である。
本発明によると、従来における諸問題を解決でき、普通紙に対する画像品質、特に、いわゆる白ポチが改良され、画像濃度、彩度及び耐水性、耐光性等の画像堅牢性に優れた画像が得られ、更に、インク吸収性の低い汎用印刷用紙でのビーディング及び乾燥性にも優れ、乾燥速度、高速印字対応に優れ、ノズルからの吐出安定性が良好な記録用インク及びインクメディアセット、並びにこれらを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置を提供することができる。
(記録用インク)
本発明の記録用インクは、少なくとも水分散性着色剤、水分散性樹脂、湿潤剤、界面活性剤、及び水を含有してなり、浸透剤、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。
本発明においては、前記水分散性樹脂がフッ素系樹脂微粒子を含有し、かつ前記記録用インクにおける固形分含有量(A)と、前記水分散性着色剤中の顔料の前記記録用インクにおける固形分含有量(B)との比(A/B)は、0.5〜8であり、2〜6が好ましい。この範囲内において、定着性の向上と発色性の改善効果が得られる。前記水分散性樹脂の固形分量を顔料固形分量の3倍、4倍と増やすことにより、発色性、及び画像濃度アップ効果は得られるが8倍を過ぎた辺りから発色性及び画像濃度アップ効果が飽和してくること、及び経済的な面からも好ましくない。一方、前記比(A/B)が0.5未満であると、画像部の定着性不良が生じたり、画像部の裏抜けが発生してしまうことがある。
また、前記水分散性着色剤及び前記水分散性樹脂の合計含有量は、前記記録用インク全量に対し12〜40質量%であり、15〜35質量%が好ましい。この範囲内において、文字品位の向上が図れる。前記合計含有量が12質量%未満であると、紙面上での乾燥性に劣り更に普通紙上の文字品位が低下することがあり、40質量%を超えると、ノズル面上でインクが乾燥し易くなり、吐出不良が生じることがある。
ここで、前記水分散性着色剤、水分散性着色剤中の顔料、及び前記水分散性樹脂の固形分含有量は、例えば、インク中から着色剤と水分散性樹脂分のみを分離する方法により測定することができる。また、着色剤として顔料を用いている場合には、熱質量分析により質量減少率を評価することで着色剤と水分散性樹脂との比率を測定できる。また、着色剤の分子構造が明らかな場合には、顔料や染料ではNMRを用いて、重金属原子、分子骨格に含まれる無機顔料、金属含有有機顔料、金属含有染料では蛍光X線分析を用いることで着色剤の固形分量を定量することが可能である。
<水分散性着色剤>
前記水分散性着色剤は、第1形態では、表面に少なくとも1種の親水基を有し、分散剤の不存在下で水分散性を示す顔料(以下、「自己分散性顔料」と称することもある)である。
前記水分散性着色剤は、第2形態では、ポリマー微粒子に水不溶乃至水難溶性の色材を含有させてなるポリマーエマルジョンである。
前記水分散性着色剤は、第3形態では、顔料、顔料分散剤及び高分子分散安定化剤を含有する顔料分散体であり、前記高分子分散安定化剤が、下記構造式(1)で表されるα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル共重合体、水溶性ポリウレタン樹脂及び水溶性ポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種である。
ただし、前記構造式(1)中、Rはアルキル基を表す。nは30〜100の数を示す。
−顔料−
前記顔料としては、有機顔料、又は無機顔料を用いることができる。なお、色調調整の目的で同時に染料を含有しても構わないが、耐候性を劣化させない範囲内で使用することが可能である。
前記無機顔料としては、例えば、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエロー、カーボンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラックが特に好ましい。なお、前記カーボンブラックとしては、例えば、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたものが挙げられる。
前記有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、多環式顔料、染料キレート、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、などが挙げられる。これらの中でも、アゾ顔料、多環式顔料などがより好ましい。なお、前記アゾ顔料としては、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、などが挙げられる。前記多環式顔料としては、例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料、などが挙げられる。前記染料キレートとしては、例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート、などが挙げられる。
前記着色剤の色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色用のもの、カラー用のもの、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記黒色用のものとしては、例えば、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料、などが挙げられる。
前記カラー用のものとしては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、408、109、110、117、120、128、138、150、151、153、183、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63;C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、などが挙げられる。
前記第1形態の自己分散性顔料は、顔料の表面に少なくとも1種の親水基が直接もしくは他の原子団を介して結合するように表面改質されたものである。該表面改質は、顔料の表面に、ある特定の官能基(スルホン基やカルボキシル基等の官能基)を化学的に結合させるか、あるいは、次亜ハロゲン酸又はその塩の少なくともいずれかを用いて湿式酸化処理するなどの方法が用いられる。これらの中でも、顔料の表面にカルボキシル基が結合され、水中に分散している形態が特に好ましい。このように顔料が表面改質され、カルボキシル基が結合しているため、分散安定性が向上するばかりではなく、高品位な印字品質が得られるとともに、印字後の記録用メディアの耐水性がより向上する。
また、この形態のインクは乾燥後の再分散性に優れるため、長期間印字を休止し、インクジェットヘッドのノズル付近のインクの水分が蒸発した場合も目詰まりを起こさず、簡単なクリーニング動作で容易に良好な印字が行える。
前記自己分散顔料の体積平均粒径(D50)は、インク中において0.01〜0.16μmが好ましい。
例えば、自己分散型カーボンブラックとしては、イオン性を有するものが好ましく、アニオン性に帯電したものやカチオン性に帯電したものが好適である。
前記アニオン性親水基としては、例えば、−COOM、−SOM、−POHM、−PO、−SONH、−SONHCOR(ただし、Mは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを表す。Rは、炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基又は置換基を有してもよいナフチル基を表す)等が挙げられる。これらの中でも、−COOM、−SOMがカラー顔料表面に結合されたものを用いることが好ましい。
また、前記親水基中における「M」は、アルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、等が挙げられる。前記有機アンモニウムとしては、例えば、モノ乃至トリメチルアンモニウム、モノ乃至トリエチルアンモニウム、モノ乃至トリメタノールアンモニウムが挙げられる。前記アニオン性に帯電したカラー顔料を得る方法としては、カラー顔料表面に−COONaを導入する方法として、例えば、カラー顔料を次亜塩素酸ソーダで酸化処理する方法、スルホン化による方法、ジアゾニウム塩を反応させる方法が挙げられる。
前記カチオン性親水基としては、例えば、第4級アンモニウム基が好ましく、下記に挙げる第4級アンモニウム基がより好ましく、本発明においては、これらのいずれかがカーボンブラック表面に結合されたものが色材として好適である。
前記親水基が結合されたカチオン性の自己分散型カーボンブラックを製造する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記構造式で表されるN−エチルピリジル基を結合させる方法として、カーボンブラックを3−アミノ−N−エチルピリジウムブロマイドで処理する方法が挙げられる。
前記親水基は、他の原子団を介してカーボンブラックの表面に結合されていてもよい。他の原子団としては、例えば、炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基又は置換基を有してもよいナフチル基が挙げられる。上記した親水基が他の原子団を介してカーボンブラックの表面に結合する場合の具体例としては、例えば、−CCOOM(ただし、Mは、アルカリ金属、又は第4級アンモニウムを表す)、−PhSOM(ただし、Phはフェニル基を表す。Mは、アルカリ金属、又は第4級アンモニウムを表す)、−C10NH 等が挙げられる。
また、第2形態の水分散性着色剤としては、上記顔料に加え、ポリマー微粒子に顔料を含有させたポリマーエマルジョンを使用することも可能である。顔料を含有させたポリマーエマルジョンとは、ポリマー微粒子中に顔料を封入したもの、及び又はポリマー微粒子の表面に顔料を吸着させたものである。この場合、全ての顔料が封入及び又は吸着している必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲で該顔料がエマルジョン中に分散にしていてもよい。ポリマーエマルジョンを形成するポリマーとしてはビニル系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、及びポリウレタン系ポリマー等が挙げられるが、特に好ましく用いられるポリマーはビニル系ポリマー及びポリエステル系ポリマーであり、特開2000−53897号公報、特開2001−139849号公報に開示されているポリマーを引用することができる。
また、一般的な有機顔料又は無機顔料粒子を有機顔料又はカーボンブラックで被覆した複合顔料を好適に用いることができる。前記複合顔料は、無機顔料粒子の存在下で有機顔料を析出する方法や、無機顔料と有機顔料を機械的に混摩砕するメカノケミカル法等により作製することができる。更に必要に応じて、ポリシロキサン、アルキルシランから生成するオルガノシラン化合物の層を、無機顔料と有機顔料の中間に設けることで両者の接着性を向上させることが可能である。
前記有機顔料としては、ブラック顔料としてのアニリンブラックが挙げられ、カラー顔料としては、アントラキノン、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジアゾ、モノアゾ、ピラントロン、ペリレン、複素環式イエロー、キナクリドン、(チオ)インジゴイドなどが挙げられる。これらの中でも、カーボンブラック、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、モノアゾイエロー系顔料、ジスアゾイエロー系顔料、複素環式イエロー顔料が、発色性の面で特に優れている。
前記フタロシアニンブルーの代表的な例としては、銅フタロシアニンブルー又はその誘導体(C.I.ピグメントブルー15:3、15:4)、アルミニウムフタロシアニンなどが挙げられる。前記キナクリドンとしては、例えば、C.I.ピグメントオレンジ48、C.I.ピグメントオレンジ49、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド192、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントバイオレット42などが挙げられる。前記モノアゾイエローの代表的な例としては、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー151などが挙げられる。前記ジスアゾイエローの代表的な例としては、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー16、C.I.ピグメントイエロー17などが挙げられる。前記複素環式イエローの代表的な例としては、C.I.ピグメントイエロー117、C.I.ピグメントイエロー138などが挙げられる。その他の適切な着色顔料としては、The Color Index、第三版(The Society of Dyers and Colourists,1982)に記載されている。
前記無機顔料としては、例えば、二酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化鉄、水酸化鉄、酸化スズ等が挙げられるが、粒子形状はアスペクト比が小さいものが好ましく、球形が最も好ましい。また、前記無機顔料の色は、カラーの色材を表面に吸着させる場合は、透明あるいは白色であることが好ましいが、黒の色材を表面に吸着させる場合は、黒色の無機顔料を用いても構わない。前記無機顔料粒子の一次粒子径は100nm以下が好ましく、5〜50nmがより好ましい。
前記無機顔料粒子と色材である有機顔料又はカーボンブラックとの質量比は、3:1〜1:3が好ましく、3:2〜1:2がより好ましく。前記色材が少ないと発色性や着色力が低下することがあり、色材が多くなると透明性や色調が悪くなることがある。
このような無機顔料粒子を有機顔料又はカーボンブラックで被覆した色材粒子としては、戸田工業株式会社製のシリカ/カーボンブラック複合材料、シリカ/フタロシアニンPB15:3複合材料、シリカ/ジスアゾイエロー複合材料、シリカ/キナクリドンPR122複合材料などが一次平均粒径が小さいので、好適に用いることができる。
ここで、20nmの一次粒子径を持つ無機顔料粒子を等量の有機顔料で被覆した場合、この顔料の一次粒子径は25nm程度になる。これに適当な分散剤を用いて一次粒子まで分散できれば、分散粒子径が25nmの非常に微細な顔料分散インクを作製することができる。前記複合顔料は表面の有機顔料のみが分散に寄与するだけでなく、厚み約2.5nmの有機顔料の薄層を通して中心にある無機顔料の性質も現れてくるため、両者を同時に分散安定化できる顔料分散剤の選択も重要である。
また、第3形態の水分散性着色剤では、前記水分散性着色剤は、前記無機顔料、有機顔料、複合顔料、顔料分散剤及び高分子分散安定化剤を含有する顔料分散体であり、前記高分子分散安定化剤が、下記構造式(1)で表されるα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル共重合体、水溶性ポリウレタン樹脂及び水溶性ポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記構造式(1)において、Rはアルキル基を表し、炭素数6〜25が好ましく、6〜22がより好ましい。nは30〜100の数を示す。
前記高分子分散安定化剤は、顔料分散剤によって、水中で均一に微分散した顔料分散体の分散状態を安定に保つために有効な材料である。前記構造式(1)で表されるα−オレフィン無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル共重合体、水溶性ポリウレタン樹脂及び水溶性ポリエステル樹脂は、常温においては固体であり、冷水には殆ど溶けないものである。しかし、前記共重合体及び前記樹脂の酸価と当量以上(好ましくは、酸価の1.0〜1.5倍)のアルカリ溶液又はアルカリ水溶液に溶解して用いた場合に分散安定化剤としての効果が発現する。
また、前記共重合体及び前記樹脂をアルカリ溶液又はアルカリ水溶液で溶解するには、加熱撹拌すると容易に溶解できる。しかし、前記α−オレフィン−無水マレイン酸共重合体におけるオレフィン鎖が長い場合は比較的溶け難く、不溶物が残る場合があるが、適当なフィルター等で不溶物を除いて用いれば、分散安定化剤としての効果は損なわれない。
前記アルカリ溶液又はアルカリ水溶液における塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属の水酸化物;アンモニア、トリエチルアミン、モルホリン等の塩基性物質;トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、コリン等のアルコールアミンなどが挙げられる。
前記構造式(1)で表されるα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、T−YP112、T−YP115、T−YP114、T−YP116(いずれも星光PMC社製)などが挙げられる。
前記スチレン−(メタ)アクリル共重合体としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、JC−05(星光PMC株式会社製)、ARUFON UC−3900,ARUFON UC−3910,ARUFON UC−3920(東亞合成株式会社製)などが挙げられる。
前記水溶性ポリウレタン樹脂としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えばタケラックW−5025,タケラックW−6010,タケラックW−5661(三井武田ケミカル株式会社製)などが挙げられる。
前記水溶性ポリエステル樹脂としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、ニチゴポリエスターW−0030,ニチゴポリエスターW−0005S30WO,ニチゴポリエスターWR−961(日本合成化学工業株式会社製)、ペスレジンA−210,ペスレジンA−520(高松油脂株式会社製)などが挙げられる。
前記高分子分散安定化剤の酸価は、40〜400mgKOH/gが好ましく、60〜350mgKOH/gがより好ましい。前記酸価が40mgKOH/g未満であると、アルカリ溶液の溶解性が劣ることがあり、400mgKOH/gを超えると、顔料の粘度が高くなり吐出を悪化させ易くなったり、顔料分散体の分散安定性が低下し易くなることがある。
前記高分子分散安定化剤の質量平均分子量は、20,000以下が好ましく、5,000〜20,000がより好ましい。前記質量平均分子量が5,000未満であると、顔料分散体の分散安定性が低下することがあり、20,000を超えると、アルカリ溶液の溶解性が劣ったり、粘度が高くなってしまうことがある。
前記高分子分散安定化剤の含有量は、前記顔料100質量部に対し1〜100質量部(固形分換算)が好ましく、5〜50質量部がより好ましい。前記含有量が1質量部未満であると、分散安定化の効果がなくなることがあり、100質量部を超えると、インク粘度が高くなってノズルからの吐出性を悪化させ易くなったり、経済性が劣ることがある。
−顔料分散剤−
前記第3形態では、顔料分散剤を含有することが好ましい。前記顔料分散剤としては、アニオン系界面活性剤及びHLB値10〜20のノニオン系界面活性剤のいずれかが好適である。
前記アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えばNH,Na,Ca等)、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩(例えばNH,Na,Ca等)、ジアルキルサクシネートスルホン酸Na塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物Na塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩(例えばNH、Na等)、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート塩、オレイン酸塩などが挙げられる。これらの中でも、ジオクチルスルホコハク酸Na塩、ポリオキシエチレンスチレンフェニルエーテルスルホン酸NH塩が特に好ましい。
前記HLB値10〜20のノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、アセチレングリコールなどが挙げられる。これらの中でも、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレン-β-ナフチルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンスチレンフェニルエーテル特に好ましい。
前記分散剤の含有量は、前記顔料100質量部に対し1〜100質量部が好ましく、10〜50質量部がより好ましい。前記分散剤の含有量が少ないと、充分に顔料を微細化することができず、多すぎると顔料に吸着していない過剰成分がインク物性に影響を与え、画像滲みや、耐水性、耐擦性の劣化を招くことになる。
前記顔料分散体は、水系媒体中に上記の顔料分散剤を溶解させ、次に、上記の顔料を加えて充分に湿潤させた後、ホモジナイザーによる高速撹拌、ビーズミルやボールミルのようなボールを用いた分散機、ロールミルのような剪断力を用いた混練分散機、超音波分散機等を用いる方法で作製することができる。このような混練分散工程の後には粗大粒子が含まれていることが多く、インクジェットノズルや供給経路の目詰まりの原因となるため、フィルターや遠心分離器を用いて粒径1μm以上の粒子を除去する必要がある。
前記顔料分散体の平均粒子径(D50)はインク中において150nm以下が好ましく、100nm以下がより好ましい。前記平均粒子径(D50)が150nmを超えると、急激に吐出安定性が低下し、ノズル詰まりやインクの曲がりが発生し易くなる。また、平均粒子径(D50)が100nm以下であれば、吐出安定性が向上し更に画像の彩度も向上する。
前記水分散性着色剤の前記記録用インクにおける含有量は、固形分で2〜15質量%が好ましく、3〜12質量%がより好ましい。前記含有量が2質量%未満であると、インクの発色性及び画像濃度が極めて低くなってしまうことがあり、15質量%を超えると、インクが増粘して吐出性が悪くなってしまうことがあり、更に経済的にも好ましくない。
−水分散性樹脂−
前記水分散性樹脂としては、造膜性(画像形成性)に優れ、かつ高撥水性、高耐水性、高耐候性を備えて、高耐水性で高画像濃度(高発色性)の画像記録に有用であることから、少なくともフッ素系樹脂微粒子が用いられる。
前記フッ素系樹脂微粒子としては、フルオロオレフィン単位を有するフッ素系樹脂微粒子が好ましく、これらの中でも、フルオロオレフィン単位及びビニルエーテル単位から構成されるフッ素含有ビニルエーテル系樹脂微粒子が特に好ましい。
前記フルオロオレフィン単位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば−CFCF−、−CFCF(CF)−、−CFCFCl−などが挙げられる。
前記ビニルエーテル単位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、下記構造式で表される化合物などが挙げられる。
前記フルオロオレフィン単位及びビニルエーテル単位から構成されるフッ素含有ビニルエーテル系樹脂微粒子としては、上記フルオロオレフィン単位とビニルエーテル単位が交互に共重合してなる交互共重合体が好ましい。
このようなフッ素系樹脂微粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。該市販品としては、例えば、大日本インキ化学工業株式会社製のフルオネートFEM−500、FEM−600、ディックガードF−52S、F−90、F−90M、F−90N,アクアフランTE−5A;旭硝子株式会社製のルミフロンFE4300、FE4500、FE4400、アサヒガードAG−7105、AG−950、AG−7600、AG−7000、AG−1100などが挙げられる。
また、前記フッ素系樹脂微粒子と他の水分散性樹脂を併用することもできるが、前記フッ素系樹脂微粒子の含有量は、前記水分散性樹脂中、50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上が更に好ましく、実質的に100質量%であることが特に好ましい。
前記併用される水分散性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、縮合系合成樹脂、付加系合成樹脂、天然高分子化合物、などが挙げられる。
前記縮合系合成樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、珪素樹脂などが挙げられる。前記付加系合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルエステル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、不飽和カルボン酸系樹脂などが挙げられる。前記天然高分子化合物としては、例えば、セルロース類、ロジン類、天然ゴムなどが挙げられる。
前記水分散性樹脂は、ホモポリマーとして使用されてもよく、また、コポリマーして使用して複合系樹脂として用いてもよく、単相構造型及びコアシェル型、パワーフィード型エマルジョンのいずれのものも使用できる。
このような水分散性樹脂としては、樹脂自身が親水基を持ち自己分散性を持つもの、樹脂自身は分散性を持たず界面活性剤や親水基をもつ樹脂にて分散性を付与したものが使用できる。これらの中でも、ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂のアイオノマーや不飽和単量体の乳化及び懸濁重合によって得られた樹脂粒子のエマルジョンが最適である。不飽和単量体の乳化重合の場合には、不飽和単量体、重合開始剤、及び界面活性剤、連鎖移動剤、キレート剤、pH調整剤などを添加した水にて反応を行い樹脂エマルジョンを得るため、容易に水分散性樹脂を得ることができ、樹脂構成を容易に替えやすいため目的の性質を作りやすい。
前記不飽和単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、(メタ)アクリル酸エステル単量体類、(メタ)アクリル酸アミド単量体類、芳香族ビニル単量体類、ビニルシアノ化合物単量体類、ビニル単量体類、アリル化合物単量体類、オレフィン単量体類、ジエン単量体類、不飽和炭素を持つオリゴマー類などを単独及び複数組み合わせて用いることができる。これらの単量体を組み合わせることで柔軟に性質を改質することが可能であり、オリゴマー型重合開始剤を用いて重合反応、グラフト反応を行うことで樹脂の特性を改質することもできる。
前記不飽和カルボン酸類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマール酸、マレイン酸等が挙げられる。
前記単官能の(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウム塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、イソアミルアクリレート、n−へキシルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリレート、シクロへキシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、グリシジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、アクリロキシエチルトリメチルアンモニウム塩、などが挙げられる。
前記多官能の(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリブチレングリコールジメタクリレート、2,2'−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2'−ビス(4−アクリロキシプロピロキシフェニル)プロパン、2,2'−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパントリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ジトリメチロールテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、などが挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸アミド単量体類としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等が挙げられる。
前記芳香族ビニル単量体類としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、4−t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。
前記ビニルシアノ化合物単量体類としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
前記アリル化合物単量体類としては、例えばアリルスルホン酸その塩、アリルアミン、アリルクロライド、ジアリルアミン、ジアリルジメチルアンモニウム塩等が挙げられる。
前記オレフィン単量体類としては、例えば、エチレン、プロピレン等が挙げられる。
前記ジエン単量体類としては、例えば、ブタジエン、クロロプレン等が挙げられる。
前記ビニル単量体類としては、例えば、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、塩化ビニル、ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルピロリドン、ビニルスルホン酸又はその塩、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
前記不飽和炭素を持つオリゴマー類としては、例えば、メタクリロイル基を持つスチレンオリゴマー、メタクリロイル基を持つスチレン−アクリロニトリルオリゴマー、メタクリロイル基を持つメチルメタクリレートオリゴマー、メタクリロイル基を持つジメチルシロキサンオリゴマー、アクリロイル基を持つポリエステルオリゴマー等が挙げられる。
前記水分散性樹脂は、強アルカリ性、強酸性下では分散破壊や加水分解などの分子鎖の断裂が引き起こされるため、pHは4〜12が好ましく、特に水分散着色剤との混和性の点からpHは6〜11がより好ましく、7〜9が更に好ましい。
前記水分散性樹脂の平均粒径(D50)は、分散液の粘度と関係しており、組成が同じものでは粒径が小さくなるほど同一固形分での粘度が大きくなる。インク化した時に過剰な高粘度にならないためにも水分散性樹脂の平均粒子径(D50)は50nm以上が好ましい。また、粒径が数十μmになるとインクジェットヘッドのノズル口より大きくなるため使用できない。ノズル口より小さくとも粒子径の大きな粒子がインク中に存在すると吐出性を悪化させる。そこで、インク吐出性を阻害させないために平均粒子径(D50)は200nm以下がより好ましく、150nm以下が更に好ましい。
また、前記水分散性樹脂は、前記水分散着色剤を紙面に定着させる働きを有し、常温で被膜化して色材の定着性を向上させることが好ましい。そのため、前記水分散性樹脂の最低造膜温度(MFT)は30℃以下であることが好ましく、20℃以下であることがより好ましい。
また、前記水分散性樹脂のガラス転移温度が−40℃以下になると樹脂皮膜の粘稠性が強くなり印字物にタックが生じるため、ガラス転移温度が−30℃以上の水分散性樹脂であることが好ましい。
前記水分散性樹脂の前記記録用インクにおける含有量は、固形分で、2〜30質量%が好ましく、6〜25質量%がより好ましい。
−湿潤剤−
本発明の記録用インクは、水を液媒体として使用するものであるが、インクの乾燥を防止するため、また、分散安定性を向上するため等の目的で、下記の湿潤剤が使用される。これらは溶解性と水分蒸発による噴射特性不良の防止に対して優れた効果が得られる。
前記湿潤剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、その他の湿潤剤、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価アルコール類としては、例えば、グリセリン、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、エチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセロール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオールなどが挙げられる。
前記多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、などが挙げられる。
前記多価アルコールアリールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、などが挙げられる。
前記含窒素複素環化合物としては、例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミイダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン、などが挙げられる。
前記アミド類としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、などが挙げられる。
前記アミン類としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、などが挙げられる。
前記含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール、などが挙げられる。
前記その他の湿潤剤としては、糖を含有してなるのが好ましい。該糖類の例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類、四糖類を含む)、多糖類、などが挙げられる。具体的には、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース、などが挙げられる。ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(一般式:HOCH(CHOH)nCHOH(ただし、n=2〜5の整数を表す)で表わされる。)、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ酸などが挙げられる。これらの中でも、糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビットなどが挙げられる。
これら湿潤剤の中でも、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンが、保存安定性、吐出安定性の点から特に好ましい。
前記顔料と前記湿潤剤との質量比は、ヘッドからのインク吐出安定性に非常に影響がある。顔料固形分が高いのに湿潤剤の配合量が少ないとノズルのインクメニスカス付近の水分蒸発が進み吐出不良をもたらすことがある。
前記湿潤剤の前記記録用インクにおける含有量は、20〜35質量%であり、22.5〜32.5質量%がより好ましい。この範囲にあるインクは、乾燥性や保存試験や信頼性試験が非常に良好である。前記含有量が20質量%未満であると、ノズル面上でインクが乾燥し易くなり吐出不良が生じることとなることがあり、35質量%を超えると、紙面上での乾燥性に劣り更に普通紙上の文字品位が低下することとなることがある。
−界面活性剤−
前記界面活性剤として、着色剤の種類や湿潤剤の組み合わせによって分散安定性を損なわず、表面張力が低く、レベリング性の高いものが好ましく、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤から選択される少なくとも1種が好適である。これらの中でも、フッ素系界面活性剤が特に好ましい。
前記フッ素系界面活性剤としては、フッ素が置換した炭素数が2〜16が好ましく、4〜16がより好ましい。前記フッ素置換炭素数が2未満であると、フッ素の効果が得られないことがあり、16を超えると、インク保存性などの問題が生じることがある。
前記フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物、などが挙げられる。これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少なく、特に好ましい。
前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルカルボン化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルリン酸エステルの塩、などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩、などが挙げられる。
これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
該市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);、メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR(いずれも、DuPont社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF−151N(オムノバ社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する均染性が著しく向上する点から、DuPont社製のFS−300、株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW及びオムノバ社製のPF−151Nが特に好ましい。
前記フッ素系界面活性剤の具体例としては、下記構造式で表されるものが好適である。
(1)アニオン性フッ素系界面活性剤
ただし、前記構造式中、Rfは、下記構造式で表されるフッ素含有疎水基の混合物を表す。Aは、−SOX、−COOX、又は−POX(ただし、Xは対アニオンであり、具体的には、水素原子、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、又はNH(CHCHOH)が挙げられる)を表す。
ただし、前記構造式中、Rf’は下記構造式で表されるフッ素含有基を表す。Xは、上記と同じ意味を表す。nは1又は2の整数、mは2−nを表す。
ただし、前記構造式中、nは3〜10の整数を表す。
ただし、前記構造式中、Rf’及びXは、上記と同じ意味を表す。
ただし、前記構造式中、Rf’及びXは、上記と同じ意味を表す。
(2)ノニオン性フッ素系界面活性剤
ただし、前記構造式中、Rfは、上記と同じ意味を表す。nは5〜20の整数を表す。
ただし、前記構造式中、Rf’は上記と同じ意味を表す。nは1〜40の整数を表す。
(3)両性フッ素系界面活性剤
ただし、前記構造式中、Rfは、上記と同じ意味を表す。
(4)オリゴマー型フッ素系界面活性剤
ただし、前記構造式中、Rf”は、下記構造式で表されるフッ素含有基を表す。nは0〜10の整数を表す。Xは、上記と同じ意味を表す。
ただし、前記構造式中、nは1〜4の整数を表す。
ただし、前記構造式中、Rf”は、上記と同じ意味を表す。lは0〜10の整数、mは0〜10の整数、nは0〜10の整数をそれぞれ表す。
前記シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
該市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越シリコーン株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社などから容易に入手できる。
前記ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記構造式で表されるポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物、などが挙げられる。
ただし、前記構造式中、m、n、a、及びbは整数を表す。R及びR’はアルキル基、アルキレン基を表す。
前記ポリエーテル変性シリコーン化合物としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(いずれも、信越化学工業株式会社製)、などが挙げられる。
前記界面活性剤の前記記録用インク中における含有量は、0.01〜3.0質量%が好ましく、0.5〜2質量%がより好ましい。
前記含有量が0.01質量%未満であると、界面活性剤を添加した効果が無くなることがあり、3.0質量%を超えると、記録用メディアへの浸透性が必要以上に高くなり、画像濃度の低下や裏抜けが発生することがある。
−浸透剤−
前記浸透剤としては、20℃の水に対する溶解度が0.2〜5.0質量%のポリオール化合物の少なくとも1種を含有することが好ましい。このようなポリオール化合物として、脂肪族ジオールとしては、例えば、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールなどが挙げられる。
これらの中でも、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールが特に好ましい。
その他の併用できる浸透剤としては、インク中に溶解し、所望の物性に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、エタノール等の低級アルコール類、などが挙げられる。
前記浸透剤の前記記録用インクにおける含有量は、0.1〜4.0質量%が好ましい。前記含有量が0.1質量%未満であると、速乾性が得られず滲んだ画像となることがあり、4.0質量%を超えると、着色剤の分散安定性が損なわれ、ノズルが目詰まりしやすくなったり、また記録用メディアへの浸透性が必要以上に高くなり、画像濃度の低下や裏抜けが発生することがある。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができ、例えば、pH調整剤、防腐防黴剤、キレート試薬、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤、などが挙げられる。
前記pH調整剤としては、調合される記録用インクに悪影響を及ぼさずにpHを7〜11に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルコールアミン類、アルカリ金属水酸化物、アンモニウム水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、などが挙げられる。前記pHが7未満及び11を超えるとインクジェットのヘッドやインク供給ユニットを溶かし出す量が大きく、インクの変質や漏洩、吐出不良などの不具合が生じることがある。
前記アルコールアミン類としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3プロパンジオール等が挙げられる。
前記アルカリ金属元素の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
前記アンモニウムの水酸化物としては、例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物などが挙げられる。
前記アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
前記防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、等が挙げられる。
前記キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等がある。
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、りん系酸化防止剤、などが挙げられる。
前記フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)としては、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10−テトライキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−(3',5'−ジ−tert−ブチル−4'−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、などが挙げられる。
前記アミン系酸化防止剤としては、例えば、フェニル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチル−フェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ジヒドロキフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、などが挙げられる。
前記硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリルβ,β’−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ジラウリルサルファイドなどが挙げられる。
前記リン系酸化防止剤としては、トリフェニルフォスファイト、オクタデシルフォスファイト、トリイソデシルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト、トリノニルフェニルフォスファイトなどが挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤などが挙げられる。
前記ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
前記ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2'−ヒドロキシ−5'−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−4'−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
前記サリチレート系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサリチレート、p−tert−ブチルフェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレートなどが挙げられる。
前記シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、エチル−2−シアノ−3,3'−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、ブチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレートなどが挙げられる。
前記ニッケル錯塩系紫外線吸収剤としては、例えば、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−n−ブチルアミンニッケル(II)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、2,2’−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)トリエタノールアミンニッケル(II)などが挙げられる。
本発明の記録用インクは、水分散性着色剤、水分散性樹脂、湿潤剤、界面活性剤、及び水、更に必要に応じてその他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、更に必要に応じて攪拌混合して製造する。前記分散は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシャイカー、超音波分散機等により行うことができ、攪拌混合は通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行うことができる。
本発明の記録用インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力等が以下の範囲であることが好ましい。
前記記録用インクの25℃での粘度は5〜20mPa・sであり、10〜20mPa・sが好ましい。前記インク粘度が5mPa・s以上とすることによって、印字濃度や文字品位を向上させる効果が得られる。一方、インク粘度を20mPa・s以下に抑えることで、吐出性を確保することができる。
ここで、前記粘度は、例えば、粘度計(RL−500、東機産業株式会社製)を使用して、25℃で測定することができる。
前記記録用インクの表面張力としては、25℃で、35mN/m以下が好ましく、30mN/m以下がより好ましい。前記表面張力が、35mN/mを超えると、記録用メディア上のインクのレベリングが起こりにくく、乾燥時間の長時間化を招くことがある。
本発明の記録用インクの着色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどが挙げられる。これらの着色を2種以上併用したインクセットを使用して記録を行うと、多色画像を形成することができ、全色併用したインクセットを使用して記録を行うと、フルカラー画像を形成することができる。
本発明の記録用インクは、インクジェットヘッドとして、インク流路内のインクを加圧する圧力発生手段として圧電素子を用いてインク流路の壁面を形成する振動板を変形させてインク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの(特開平2−51734号公報参照)、あるいは、発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させるいわゆるサーマル型のもの(特開昭61−59911号公報参照)、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることで,インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のもの(特開平6−71882号公報参照)などのいずれのインクジェットヘッドを搭載するプリンタにも良好に使用できる。
本発明の記録用インクは、インクジェット記録用インク、万年筆、ボールペン、マジックペン、サインペンなどの各種分野において好適に使用することができるが、特に、インクジェット記録方式による画像形成装置(プリンタ等)において好適に使用することができ、例えば、印字又は印字前後に被記録用紙及び前記記録用インクを50〜200℃で加熱し、印字定着を促進する機能を有するもののプリンタ等に使用することもでき、以下の本発明のインクメディアセット、インクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法に特に好適に使用することができる。
(インクメディアセット)
本発明のインクメディアセットは、本発明の前記記録用インクと、記録用メディアとを組み合わせてなる。
<記録用メディア>
前記記録用メディアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、汎用印刷用紙などが好適に使用可能である。
これらの中でも、印刷画像のような非常に綺麗なインク記録物を得るためには、支持体と、該支持体の少なくとも一方の面に塗工層を有してなり、動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が2〜35ml/mであり、かつ接触時間400msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が3〜40ml/mの記録用メディアが用いられる。
前記動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水の該記録用メディアへの転移量は1〜5ml/mが好ましく、接触時間400msにおける純水の該記録用メディアへの転移量は3〜10ml/mが好ましい。
前記接触時間100msでの前記インク及び純水の転移量が少なすぎると、ビーディングが発生しやすくなることがあり、多すぎると、記録後のインクドット径が所望の径よりも小さくなりすぎることがある。
前記接触時間400msでの転移量が少なすぎると、乾燥性が不十分であるため、拍車痕が発生しやすくなることがあり、多すぎると、乾燥後の画像部の光沢が低くなりやすくなることがある。
ここで、前記動的走査吸収液計(dynamic scanning absorptometer;DSA,紙パ技協誌、第48巻、1994年5月、第88〜92頁、空閑重則)は、極めて短時間における吸液量を正確に測定できる装置である。前記動的走査吸液計は、吸液の速度をキャピラリー中のメニスカスの移動から直読する、試料を円盤状とし、この上で吸液ヘッドをらせん状に走査する、予め設定したパターンに従って走査速度を自動的に変化させ、1枚の試料で必要な点の数だけ測定を行う、という方法によって測定を自動化したものである。紙試料への液体供給ヘッドはテフロン(登録商標)管を介してキャピラリーに接続され、キャピラリー中のメニスカスの位置は光学センサで自動的に読み取られる。具体的には、動的走査吸液計(K350シリーズD型、協和精工株式会社製)を用いて、純水の転移量を測定した。接触時間100ms及び接触時間400msにおける転移量は、それぞれの接触時間の近隣の接触時間における転移量の測定値から補間により求めることができる。
−支持体−
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、木材繊維主体の紙、木材繊維及び合成繊維を主体とした不織布のようなシート状物質などが挙げられる。
前記紙としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、木材パルプ、古紙パルプなどが用いられる。前記木材パルプとしては、例えば、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、NBSP、LBSP、GP、TMPなどが挙げられる。
前記古紙パルプの原料としては、財団法人古紙再生促進センターの古紙標準品質規格表に示されている、上白、罫白、クリーム白、カード、特白、中白、模造、色白、ケント、白アート、特上切、別上切、新聞、雑誌などが挙げられる。具体的には、情報関連用紙である非塗工コンピュータ用紙、感熱紙、感圧紙等のプリンタ用紙;PPC用紙等のOA古紙;アート紙、コート紙、微塗工紙、マット紙等の塗工紙;上質紙、色上質、ノート、便箋、包装紙、ファンシーペーパー、中質紙、新聞用紙、更紙、スーパー掛け紙、模造紙、純白ロール紙、ミルクカートン等の非塗工紙、などの紙や板紙の古紙で、化学パルプ紙、高歩留りパルプ含有紙などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記古紙パルプは、一般的に、以下の4工程の組み合わせから製造される。
(1)離解は、古紙をパルパーにて機械力と薬品で処理して繊維状にほぐし、印刷インキを繊維より剥離する。
(2)除塵は、古紙に含まれる異物(プラスチックなど)及びゴミをスクリーン、クリーナー等により除去する。
(3)脱墨は、繊維より界面活性剤を用いて剥離された印刷インキをフローテーション法、又は洗浄法で系外に除去する。
(4)漂白は、酸化作用や還元作用を用いて、繊維の白色度を高める。
前記古紙パルプを混合する場合、全パルプ中の古紙パルプの混合比率は、記録後のカール対策から40%以下が好ましい。
前記支持体に使用される内添填料としては、例えば、白色顔料として従来公知の顔料が用いられる。前記白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等のような白色無機顔料;スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等のような有機顔料、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記支持体を抄造する際に使用される内添サイズ剤としては、例えば、中性抄紙に用いられる中性ロジン系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸(ASA)、アルキルケテンダイマー(AKD)、石油樹脂系サイズ剤などが挙げられる。これらの中でも、中性ロジンサイズ剤又はアルケニル無水コハク酸が特に好適である。前記アルキルケテンダイマーは、そのサイズ効果が高いことから添加量は少なくて済むが、記録用紙(メディア)表面の摩擦係数が下がり滑りやすくなるため、インクジェット記録時の搬送性の点からは好ましくない場合がある。
前記支持体の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50〜300μmが好ましい。また、支持体の坪量は、45〜290g/mが好ましい。
−塗工層−
前記塗工層は、顔料及びバインダー(結着剤)を含有してなり、更に必要に応じて、界面活性剤、その他の成分を含有してなる。
前記顔料としては、無機顔料、もしくは無機顔料と有機顔料を併用したものを用いることができる。
前記無機顔料としては、例えば、カオリン、タルク、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、非晶質シリカ、チタンホワイト、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、クロライトなどが挙げられる。これらの中でも、カオリンは光沢発現性に優れており、オフセット印刷用の用紙に近い風合いとすることができる点から特に好ましい。
前記カオリンには、デラミネーテッドカオリン、焼成カオリン、表面改質等によるエンジニアードカオリン等があるが、光沢発現性を考慮すると、粒子径が2μm以下の割合が80質量%以上の粒子径分布を有するカオリンが、カオリン全体の50質量%以上を占めていることが好ましい。
前記カオリンの添加量は、前記バインダー100質量部に対し50質量部以上が好ましい。前記添加量が50質量部未満であると、光沢度において十分な効果が得られないことがある。前記添加量の上限は特に制限はないが、カオリンの流動性、特に高せん断力下での増粘性を考慮すると、塗工適性の点から、90質量部以下がより好ましい。
前記有機顔料としては、例えば、スチレン−アクリル共重合体粒子、スチレン−ブタジエン共重合体粒子、ポリスチレン粒子、ポリエチレン粒子等の水溶性ディスパージョンがある。これら有機顔料は2種以上が混合されてもよい。
前記有機顔料の添加量は、前記塗工層の全顔料100質量部に対し2〜20質量部が好ましい。前記有機顔料は、光沢発現性に優れていることと、その比重が無機顔料と比べて小さいことから、嵩高く、高光沢で、表面被覆性の良好な塗工層を得ることができる。前記添加量が2質量部未満であると、前記効果がなく、20質量部を超えると、塗工液の流動性が悪化し、塗工操業性の低下に繋がることと、コスト面からも経済的ではない。
前記有機顔料には、その形態において、密実型、中空型、ドーナツ型等があるが、光沢発現性、表面被覆性及び塗工液の流動性のバランスを鑑み、平均粒子径(D50)は0.2〜3.0μmが好ましく、より好ましくは空隙率40%以上の中空型が採用される。
前記バインダーとしては、水性樹脂を使用するのが好ましい。
前記水性樹脂としては、水溶性樹脂及び水分散性樹脂の少なくともいずれかを好適に用いられる。前記水溶性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アセタール変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコールの変性物;ポリウレタン;ポリビニルピロリドン及びポリビニルピロリドンと酢酸ビニルの共重合体、ビニルピロリドンとジメチルアミノエチル・メタクリル酸の共重合体、四級化したビニルピロリドンとジメチルアミノエチル・メタクリル酸の共重合体、ビニルピロリドンとメタクリルアミドプロピル塩化トリメチルアンモニウムの共重合体等のポリビニルピロリドンの変性物;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等セルロース;カチオン化ヒドロキシエチルセルロース等のセルロースの変性物;ポリエステル、ポリアクリル酸(エステル)、メラミン樹脂、又はこれらの変性物、ポリエステルとポリウレタンの共重合体等の合成樹脂;ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリルアミド、酸化澱粉、燐酸エステル化澱粉、自家変性澱粉、カチオン化澱粉、又は各種変性澱粉、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸ソーダ、アルギン酸ソーダ、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、インク吸収性の観点から、ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アセタール変性ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエステルとポリウレタンの共重合体、などが特に好ましい。
前記水分散性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル系重合体、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ポリビニルエーテル、シリコーン−アクリル系共重合体、などが挙げられる。また、メチロール化メラミン、メチロール化尿素、メチロール化ヒドロキシプロピレン尿素、イソシアネート等の架橋剤を含有してよいし、N−メチロールアクリルアミドなどの単位を含む共重合体で自己架橋性を持つものでもよい。これら水性樹脂の複数を同時に用いることも可能である。
前記水性樹脂の添加量は、前記顔料100質量部に対し、2〜100質量部が好ましく、3〜50質量部がより好ましい。前記水性樹脂の添加量は記録用メディアの吸液特性が所望の範囲に入るように決定される。
前記着色剤として水分散性の着色剤を使用する場合には、カチオン性有機化合物は必ずしも配合する必要はないが、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択使用することができる。例えば、水溶性インク中の直接染料や酸性染料中のスルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基等と反応して不溶な塩を形成する1級〜3級アミン、4級アンモニウム塩のモノマー、オリゴマー、ポリマーなどが挙げられ、これらの中でも、オリゴマー又はポリマーが好ましい。
前記カチオン性有機化合物としては、例えば、ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、ジメチルアミン・アンモニア・エピクロルヒドリン縮合物、ポリ(メタクリル酸トリメチルアミノエチル・メチル硫酸塩)、ジアリルアミン塩酸塩・アクリルアミド共重合物、ポリ(ジアリルアミン塩酸塩・二酸化イオウ)、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリ(アリルアミン塩酸塩・ジアリルアミン塩酸塩)、アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物、ポリビニルアミン共重合物、ジシアンジアミド、ジシアンジアミド・塩化アンモニウム・尿素・ホルムアルデヒド縮合物、ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミドアンモニウム塩縮合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド、ポリジアリルメチルアミン塩酸塩、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド・二酸化イオウ)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド・ジアリルアミン塩酸塩誘導体)、アクリルアミド・ジアリルジメチルアンモニウムクロライド共重合物、アクリル酸塩・アクリルアミド・ジアリルアミン塩酸塩共重合物、ポリエチレンイミン、アクリルアミンポリマー等のエチレンイミン誘導体、ポリエチレンイミンアルキレンオキサイド変性物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、ポリアリルアミン塩酸塩等の低分子量のカチオン性有機化合物と他の比較的高分子量のカチオン性有機化合物、例えば、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)等とを組み合わせて使用するのが好ましい。併用により、単独使用の場合よりも画像濃度を向上させ、フェザリングが更に低減される。
前記カチオン性有機化合物のコロイド滴定法(ポリビニル硫酸カリウム、トルイジンブルー使用)によるカチオン当量は3〜8meq/gが好ましい。前記カチオン当量がこの範囲であれば上記乾燥付着量の範囲で良好な結果が得られる。
ここで、前記コロイド滴定法によるカチオン当量の測定に当たっては、カチオン性有機化合物を固形分0.1質量%となるように蒸留水で希釈し、pH調整は行わないものとする。
前記カチオン性有機化合物の乾燥付着量は0.3〜2.0g/mが好ましい。前記カチオン性有機化合物の乾燥付着量が0.3g/mより低いと、充分な画像濃度向上やフェザリング低減の効果が得られないことがある。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アニオン活性剤、カチオン活性剤、両性活性剤、非イオン活性剤のいずれも使用することができる。これらの中でも、非イオン活性剤が特に好ましい。前記界面活性剤を添加することにより、画像の耐水性が向上するとともに、画像濃度が高くなり、ブリーディングが改善される。
前記非イオン活性剤としては、例えば、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級脂肪族アミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、グリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド等が挙られる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリット、ソルビトール、ショ糖などが挙げられる。また、エチレンオキサイド付加物については、水溶性を維持できる範囲で、エチレンオキサイドの一部をプロピレンオキサイドあるいはブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドに置換したものも有効である。置換率は50%以下が好ましい。前記非イオン活性剤のHLB(親水性/親油性比)は4〜15が好ましく、7〜13がより好ましい。
前記界面活性剤の添加量は、前記カチオン性有機化合物100質量部に対し、0〜10質量部が好ましく、0.1〜1.0質量部がより好ましい。
前記塗工層には、本発明の目的及び効果を損なわない範囲で、更に必要に応じて、その他の成分を添加することができる。該その他の成分としては、アルミナ粉末、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤等の添加剤が挙げられる。
前記塗工層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記支持体上に塗工層液を含浸又は塗布する方法により行うことができる。前記塗工層液の含浸又は塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コンベンショナルサイズプレス、ゲートロールサイズプレス、フィルムトランスファーサイズプレス、ブレードコーター、ロッドコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーターなど各種塗工機で塗工することも可能であるが、コストの点から、抄紙機に設置されているコンベンショナルサイズプレス、ゲートロールサイズプレス、フィルムトランスファーサイズプレスなどで含浸又は付着させ、オンマシンで仕上げてもよい。
前記塗工層液の付着量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、固形分で、0.5〜20g/mが好ましく、1〜15g/mがより好ましい。
前記含浸又は塗布の後、必要に応じて乾燥させてもよく、この場合の乾燥の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100〜250℃程度が好ましい。
前記記録用メディアは、更に支持体の裏面にバック層、支持体と塗工層との間、また、支持体とバック層間にその他の層を形成してもよく、塗工層上に保護層を設けることもできる。これらの各層は単層であっても複数層であってもよい。
前記記録用メディアとしては、インクジェット記録用メディアの他、市販の汎用印刷用紙、オフセット印刷用塗工紙、グラビア印刷用塗工紙などを使用することができる。
市販の印刷用塗工紙とは、キャストコート紙、いわゆるアート紙(A0サイズ、A1サイズ)、A2サイズコート紙、A3サイズコート紙、B2サイズコート紙、軽量コート紙、微塗工紙といった商業印刷・出版印刷に用いられている塗工紙のことであり、オフセット印刷、グラビア印刷等に用いられるものである。
具体的には、オーロラコート(日本製紙株式会社製)、PODグロスコート(王子製紙株式会社製)などが挙げられる。
(インクカートリッジ)
本発明のインクカートリッジは、本発明の前記記録用インクを容器中に収容してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材等を有してなる。
前記容器としては、特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク袋などを少なくとも有するもの、などが好適に挙げられる。
次に、インクカートリッジについて、図1及び図2を参照して説明する。ここで、図1は、本発明のインクカートリッジの一例を示す図であり、図2は図1のインクカートリッジ200のケース(外装)も含めた図である。
インクカートリッジ200は、図1に示すように、インク注入口242からインク袋241内に充填され、排気した後、該インク注入口242は融着により閉じられる。使用時には、ゴム部材からなるインク排出口243に装置本体の針を刺して装置に供給される。
インク袋241は、透気性のないアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。このインク袋241は、図2に示すように、通常、プラスチックス製のカートリッジケース244内に収容され、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いられるようになっている。
本発明のインクカートリッジは、本発明の前記記録用インク(インクセット)を収容し、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いることができ、また、後述する本発明のインクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いるのが特に好ましい。
(インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法)
本発明のインクジェット記録装置は、インク飛翔手段を少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば刺激発生手段、制御手段等を有してなる。
本発明のインクジェット記録方法は、インク飛翔工程を少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば刺激発生工程、制御工程等を含む。
本発明のインクジェット記録方法は、本発明のインクジェット記録装置により好適に実施することができ、前記インク飛翔工程は前記インク飛翔手段により好適に行うことができる。また、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行うことができる。
−インク飛翔工程及びインク飛翔手段−
前記インク飛翔工程は、前記本発明の記録用インクに、刺激を印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を形成する工程である。
前記インク飛翔手段は、前記本発明の記録用インクに、刺激を印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を形成する手段である。該インク飛翔手段としては、特に制限はなく、例えば、インク吐出用の各種のノズル、などが挙げられる。
前記刺激は、例えば、前記刺激発生手段により発生させることができ、該刺激としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、熱(温度)、圧力、振動、光、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好適に挙げられる。
なお、前記刺激発生手段としては、例えば、加熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライト、などが挙げられ、具体的には、例えば、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ等、などが挙げられる。
前記記録用インクの飛翔の態様としては、特に制限はなく、前記刺激の種類等応じて異なり、例えば、前記刺激が「熱」の場合、記録ヘッド内の前記記録用インクに対し、記録信号に対応した熱エネルギーを例えばサーマルヘッド等を用いて付与し、該熱エネルギーにより前記記録用インクに気泡を発生させ、該気泡の圧力により、該記録ヘッドのノズル孔から該記録用インクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。また、前記刺激が「圧力」の場合、例えば記録ヘッド内のインク流路内にある圧力室と呼ばれる位置に接着された圧電素子に電圧を印加することにより、圧電素子が撓み、圧力室の容積が縮小して、前記記録ヘッドのノズル孔から該記録用インクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。
前記飛翔させる前記記録用インクの液滴は、その大きさとしては、例えば、3〜40plとするのが好ましく、その吐出噴射の速さとしては5〜20m/sとするのが好ましく、その駆動周波数としては1kHz以上とするのが好ましく、その解像度としては300dpi以上とするのが好ましい。
なお、前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
本発明のインクジェット記録装置により本発明のインクジェット記録方法を実施する一の態様について、図面を参照しながら説明する。図3に示すインクジェット記録装置は、装置本体101と、装置本体に装着した用紙を装填するための給紙トレイ102と、装置本体に装着され画像が記録(形成)された用紙をストックするための排紙トレイ103と、インクカートリッジ装填部104とを有する。なお、図3中、111は、上カバー、112は前面を表す。
インクカートリッジ装填部104の上面には、操作キーや表示器などの操作部105が配置されている。インクカートリッジ装填部104は、インクカートリッジ201の脱着を行うための開閉可能な前カバー115を有している。
装置本体101内には、図4及び図5に示すように、図示を省略している左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド131とステー132とでキャリッジ133を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータ(不図示)によって図5で矢示方向に移動走査する。
キャリッジ133には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色の記録用インク滴を吐出する4個のインクジェット記録用ヘッドからなる記録ヘッド134を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド134を構成するインクジェット記録用ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどインクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。
また、キャリッジ133には、記録ヘッド134に各色のインクを供給するための各色のサブタンク135を搭載している。サブタンク135には、記録用インク供給チューブ(不図示)を介して、インクカートリッジ装填部105に装填された本発明のインクカートリッジ201から本発明の前記記録用インクが供給されて補充される。
一方、給紙トレイ103の用紙積載部(圧板)141上に積載した用紙142を給紙するための給紙部として、用紙積載部141から用紙142を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ143)、及び給紙コロ143に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド144を備え、この分離パッド144は給紙コロ143側に付勢されている。
この給紙部から給紙された用紙142を記録ヘッド134の下方側で搬送するための搬送部として、用紙142を静電吸着して搬送するための搬送ベルト151と、給紙部からガイド145を介して送られる用紙142を搬送ベルト151との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ152と、略鉛直上方に送られる用紙142を略90°方向転換させて搬送ベルト151上に倣わせるための搬送ガイド153と、押さえ部材154で搬送ベルト151側に付勢された先端加圧コロ155とが備えられる。また、搬送ベルト151表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ156が備えられている。
搬送ベルト151は、無端状ベルトであり、搬送ローラ157とテンションローラ158との間に張架されて、ベルト搬送方向に周回可能である。この搬送ベルト151は、例えば、抵抗制御を行っていない厚み40μm程度の樹脂材、例えば、テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(ETFE)で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。搬送ベルト151の裏側には、記録ヘッド134による印写領域に対応してガイド部材161が配置されている。なお、記録ヘッド134で記録された用紙142を排紙するための排紙部として、搬送ベルト151から用紙142を分離するための分離爪171と、排紙ローラ172及び排紙コロ173とが備えられており、排紙ローラ172の下方に排紙トレイ103が配されている。
装置本体101の背面部には、両面給紙ユニット181が着脱可能に装着されている。両面給紙ユニット181は、搬送ベルト151の逆方向回転で戻される用紙142を取り込んで反転させて再度カウンタローラ152と搬送ベルト151との間に給紙する。なお、両面給紙ユニット181の上面には手差し給紙部182が設けられている。
このインクジェット記録装置においては、給紙部から用紙142が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙142は、ガイド145で案内され、搬送ベルト151とカウンタローラ152との間に挟まれて搬送される。更に先端を搬送ガイド153で案内されて先端加圧コロ155で搬送ベルト151に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ156によって搬送ベルト157が帯電されており、用紙142は、搬送ベルト151に静電吸着されて搬送される。そこで、キャリッジ133を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド134を駆動することにより、停止している用紙142にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙142を所定量搬送後、次行の記録を行う。記録終了信号又は用紙142の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙142を排紙トレイ103に排紙する。
そして、サブタンク135内の記録用インクの残量ニアーエンドが検知されると、インクカートリッジ201から所要量の記録用インクがサブタンク135に補給される。
このインクジェット記録装置においては、本発明のインクカートリッジ201中の記録用インクを使い切ったときには、インクカートリッジ201における筐体を分解して内部のインク袋だけを交換することができる。また、インクカートリッジ201は、縦置きで前面装填構成としても、安定した記録用インクの供給を行うことができる。したがって、装置本体101の上方が塞がって設置されているような場合、例えば、ラック内に収納する場合、あるいは装置本体101の上面に物が置かれているような場合でも、インクカートリッジ201の交換を容易に行うことができる。
なお、キャリッジが走査するシリアル型(シャトル型)インクジェット記録装置に適用した例で説明したが、ライン型ヘッドを備えたライン型インクジェット記録装置にも同様に適用することができる。
また、本発明のインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法は、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、などに特に好適に適用することができる。
(インク記録物)
本発明のインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法により記録された記録物は、本発明のインク記録物である。
本発明のインク記録物は、記録用メディア上に本発明の前記記録用インクを用いて形成された画像を有してなる。
また、本発明のインク記録物は、本発明の前記インクメディアセットにおける記録用メディア上に、本発明の前記インクメディアセットにおける記録用インクを用いて形成された画像を有してなる。
前記記録用メディアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、普通紙、光沢紙、特殊紙、汎用印刷紙、布、フィルム、OHPシート、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記インク記録物は、高画質で滲みがなく、経時安定性に優れ、各種の印字乃至画像の記録された資料等として各種用途に好適に使用することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
(調製例1)
−水溶性高分子化合物水溶液Aの調製−
・下記構造式(1)で表されるα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体(星光PMC株式会社製、T−YP112、オレフィン鎖:炭素数20〜24、酸価190mgKOH/g、重量平均分子量=10,000)・・・10.0質量部
・1規定のLiOH水溶液(上記構造式(1)で表されるα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体の酸価の1.2倍量)・・・17.34質量部
・イオン交換水・・・72.66質量部
次に、上記混合物を撹拌機で加熱撹拌して、上記構造式(1)で表されるα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体を溶解し、微量の不溶物を平均孔径5μmのフィルターで濾過し、水溶性高分子化合物水溶液Aを調製した。
(調製例2)
−表面処理ブラック顔料分散液の調製−
CTAB比表面積が150m/g、DBP吸油量100ml/100gのカーボンブラック90gを、2.5規定の硫酸ナトリウム溶液3,000mlに添加し、温度60℃、速度300rpmで攪拌し、10時間反応させて酸化処理を行った。この反応液を濾過し、濾別したカーボンブラックを水酸化ナトリウム溶液で中和し、限外濾過を行った。
得られたカーボンブラックを水洗し、乾燥させて、固形分30質量%となるよう純水中に分散させ、充分に撹拌してブラック顔料分散液を得た。この顔料分散体の平均粒子径(D50)を測定したところ103nmであった。なお、平均粒子径(D50)の測定は、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)を用いた。
(調製例3)
−マゼンタ顔料含有ポリマー微粒子水分散体の調製−
<ポリマー溶液Aの調製>
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー4.0g、及びメルカプトエタノール0.4gを混合し、65℃に昇温した。次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシルエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスメチルバレロニトリル2.4g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。滴下後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内にメチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50質量%のポリマー溶液Aを800g得た。
<顔料含有ポリマー微粒子水分散体の調製>
ポリマー溶液Aを28gと、C.I.ピグメントレッド122を42g、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g、及びイオン交換水13.6gを十分に攪拌した後、ロールミルを用いて混練した。得られたペーストを純水200gに投入し、充分に攪拌した後、エバポレータを用いてメチルエチルケトン及び水を留去した。次いで、粗大粒子を除くためにこの分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、顔料15質量%含有、固形分20質量%のマゼンタポリマー微粒子の水分散体を得た。得られた顔料分散体の平均粒子径(D50)を測定したところ145nmであった。なお、平均粒子径(D50)の測定は、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)を用いた。
(調製例4)
−イエロー顔料界面活性剤分散液の調製−
・モノアゾイエロー顔料(C.I.ピグメントイエロー74、大日精化工業株式会社製)・・30.0質量部
・ポリオキシエチレンスチレンフェニルエーテル(ノニオン系界面活性剤、第一工業製薬株式会社製、ノイゲンEA−177、HLB値=15.7)・・・10.0質量部
・イオン交換水・・・60.0質量部
まず、上記界面活性剤をイオン交換水に溶解し、上記顔料を混合して充分に湿潤したところで、湿式分散機(ダイノーミル KDL A型、WAB社製)に直径0.5mmのジルコニアビーズを充填し、2,000rpmで2時間分散を行い、一次顔料分散体を得た。次に、一次顔料分散体に水溶性高分子化合物水溶液として、水溶性ポリウレタン樹脂(タケラックW−5661、三井武田ケミカル株式会社製、有効成分35.2質量%、酸価40mgKOH/g、重量平均分子量18,000)を4.26質量部添加し、充分に撹拌してイエロー顔料界面活性剤分散液を得た。得られた顔料分散体の平均粒子径(D50)を測定したところ62nmであった。なお、平均粒子径(D50)の測定は、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)を用いた。
(調製例5)
−マゼンタ顔料界面活性剤分散液の調製−
・キナクリドン顔料(C.I.ピグメントレッド122、大日精化工業株式会社製)・・30.0質量部
・ポリオキシエチレン−β−ナフチルエーテル(ノニオン系界面活性剤、竹本油脂株式会社製、RT-100、HLB値=18.5)・・・10.0質量部
・イオン交換水・・・60.0質量部
まず、上記界面活性剤をイオン交換水に溶解し、上記顔料を混合して充分に湿潤したところで、湿式分散機(ダイノーミル KDL A型、WAB社製)に直径0.5mmのジルコニアビーズを充填し、2,000rpmで2時間分散を行い、一次顔料分散体を得た。次に、一次顔料分散体に水溶性スチレン−(メタ)アクリル共重合体(JC−05、星光PMC株式会社製、有効成分21質量%、酸価170mgKOH/g、重量平均分子量16,000)7.14質量部を添加し、充分に撹拌してマゼンタ顔料界面活性剤分散液を得た。得られた顔料分散体の平均粒子径(D50)を測定したところ83nmであった。なお、平均粒子径(D50)の測定は、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)を用いた。
(調製例6)
−シアン顔料界面活性剤分散液Aの調製−
・フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3、大日精化工業株式会社製)・・30.0質量部
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル(ノニオン系界面活性剤、第一工業製薬株式会社製、DKS NL-450、HLB値=18.3)・・・10.0質量部
・イオン交換水・・・60.0質量部
まず、上記界面活性剤をイオン交換水に溶解し、上記顔料を混合して充分に湿潤したところで、湿式分散機(ダイノーミル KDL A型、WAB社製)に直径0.5mmジルコニアビーズを充填し、2,000rpmで2時間分散を行い、一次顔料分散体を得た。
次に、一次顔料分散体に上記調製例1の水溶性高分子化合物水溶液Aを7.51質量部と、水溶性ポリエステル樹脂(ニチゴポリエスターW−0030、日本合成化学工業社製、有効成分29.9質量%、酸価100mgKOH/g、重量平均分子量7,000)を2.51質量部添加し、充分に撹拌してシアン顔料界面活性剤分散液Aを得た。この顔料分散体の平均粒子径(D50)を測定したところ78nmであった。なお、平均粒子径(D50)の測定は、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)を用いた。
(調製例7)
−シアン顔料界面活性剤分散液Bの調製−
・フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3、大日精化工業株式会社製)・・30.0質量部
・ポリオキシエチレンスチレンフェニルエーテル(ノニオン系界面活性剤、第一工業製薬株式会社製、ノイゲンEA−177、HLB値=15.7)・・・10.0質量部
・イオン交換水・・・60.0質量部
まず、上記界面活性剤をイオン交換水に溶解し、上記顔料を混合して充分に湿潤したところで、湿式分散機ダイノーミル(KDL A型、WAB社製)に直径0.5mmジルコニアビーズを充填し、2,000rpmで2時間分散を行い、一次顔料分散体を得た。
次に、一次顔料分散体に上記調製例1の水溶性高分子化合物水溶液Aを15.0質量部添加し、充分に撹拌してシアン顔料界面活性剤分散液Bを得た。得られた顔料分散体の平均粒子径(D50)を測定したところ、80nmであった。なお、前記平均粒子径(D50)は、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)を用いて測定した。
(調製例8)
−シアン顔料界面活性剤分散液Cの調製−
・フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3、大日精化工業株式会社製)・・30.0質量部
・ポリオキシエチレンラウリルエーテル(ノニオン系界面活性剤、第一工業製薬株式会社製、DKS NL−450、HLB値=18.3)・・・10.0質量部
・イオン交換水・・・60.0質量部
まず、上記界面活性剤をイオン交換水に溶解し、上記顔料を混合して充分に湿潤したところで、湿式分散機(ダイノーミル KDL A型、WAB社製)に直径0.5mmのジルコニアビーズを充填し、2,000rpmで2時間分散を行い、シアン顔料界面活性剤分散液Cを得た。得られた顔料分散体の平均粒子径(D50)を測定したところ、75nmであった。なお、平均粒子径(D50)の測定は、粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)を用いた。
(実施例1〜12及び比較例1〜7)
−記録用インクの作製−
各記録用インクの製造は、以下の手順で行った。まず、下記表1〜表4に示す、湿潤剤、浸透剤、界面活性剤、防カビ剤、及び水を混合し、1時間攪拌を行い均一に混合した。この混合液に対して水分散性樹脂を添加して1時間撹拌し、更に顔料分散液、消泡剤を添加して1時間攪拌した。得られた分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、粗大粒子やごみを除去して、実施例1〜12及び比較例1〜7の各記録用インクを作製した。
表1〜表4中の略号などは下記の意味を表す。
*フッ素樹脂エマルジョンA:旭硝子株式会社製、ルミフロンFE4300、固形分50質量%、平均粒子径150nm、最低造膜温度(MFT)=30℃以下
*フッ素樹脂エマルジョンB:旭硝子株式会社製、ルミフロンFE4500、固形分50質量%、平均粒子径160nm、最低造膜温度(MFT)=28℃以下
*フッ素樹脂エマルジョンC:旭硝子株式会社製、ルミフロンFE4400、固形分50質量%、平均粒子径200nm以下、最低造膜温度(MFT)=55℃
*ポリウレタンエマルジョン:ハイドランAPX-101H、DIC社製、固形分45質量%、平均粒子径160nm、最低造膜温度(MFT)=20℃以下
*ポリフォックスPF−151N:オリゴマー型ノニオン性フッ素系界面活性剤(OMNOVA社製、成分50質量%)
*ゾニールFS−300:ポリオキシエチレンパーフロロアルキルエーテル(Dupont社製、成分40質量%)
*KF−643:ポリエーテル変性シリコーン界面活性剤(信越化学工業株式会社製、成分100質量%)
*ソフタノールEP−5035:ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン分岐アルキルエーテル(日本触媒株式会社製、成分100質量%)
*Proxel GXL:1,2−benzisothiazolin−3−onを主成分、防カビ剤、アビシア社製、成分20質量%、ジプロピレングリコール含有)
*KM−72F:自己乳化型シリコーン消泡剤(信越シリコーン株式会社製、成分100質量%)
次に、以下に示す評価方法にて、実施例1〜12及び比較例1〜7の各記録用インクを評価した。結果を表5及び表6に示す。
<顔料に対する樹脂量(A/B)>
記録用インク中に含まれる顔料固形分に対する水分散性樹脂(エマルジョン)中の樹脂固形分の比(樹脂固形分A/顔料固形分B)を算出した。
<インク固形分>
記録用インク中の顔料と樹脂(エマルジョン+水溶性樹脂)の合計含有量を算出した。
<インク粘度の測定>
インクの粘度は、粘度計(RL−500、東機産業株式会社製)を使用して、25℃で測定した。
<インクの表面張力の測定>
インクの表面張力は、全自動表面張力計(CBVP−Z、協和界面科学株式会社製)を使用して、25℃で測定した。
−印写評価の準備−
23℃、50%RHに調整された環境下、インクジェットプリンタ(IPSIO G707、株式会社リコー製)を用い、インクの吐出量が均しくなるようにピエゾ素子の駆動電圧を変動させ、記録用メディアに同じ付着量のインクが付くように設定を行った。
<吐出安定性>
Microsoft Word2000(Microsoft社製)にて作成した一色当りA4サイズ用紙の面積5%をベタ画像にて塗りつぶすチャートを連続200枚、Type6200(株式会社NBSリコー製)に打ち出し、打ち出し後の各ノズルの吐出乱れから評価した。印字モードはプリンタ添付のドライバで普通紙のユーザー設定より「普通紙−標準速い」モードを「色補正なし」と改変したモードを使用した。
〔評価基準〕
○:吐出乱れなし
△:若干吐出乱れあり
×:吐出乱れあり、もしくは吐出しない部分あり
<画像濃度>
Microsoft Word2000(Microsoft社製)にて作成した64point文字「■」の記載のあるチャートをXerox4024(富士Xerox株式会社製)に打ち出し、印字面の「■」部をX−Rite938にて測色し、下記評価基準により判定した。印字モードはプリンタ添付のドライバで普通紙のユーザー設定より「普通紙−標準速い」モードを「色補正なし」と改変したモードを使用した。
〔評価基準〕
◎:Black:1.3以上、Yellow:0.85以上、Magenta:0.95以上、Cyan1.1以上
○:Black:1.2以上1.3未満、Yellow:0.8以上0.85未満、Magenta:0.9以上0.95未満、Cyan:1.0以上1.1未満
△:Black:1.1以上1.2未満、Yellow:0.7以上0.8未満、Magenta:0.8以上0.90未満、Cyan:0.9以上1.0未満
×:Black:1.1未満、Yellow:0.7未満、Magenta:0.8未満、Cyan0.9未満
<発色性>
画像濃度と同様にチャートをXerox4024(富士Xerox株式会社製)に打ち出し、印字面の「■」部をX−Rite938にて測定し、下記評価基準により判定した。印字モードはプリンタ添付のドライバで普通紙のユーザー設定より「普通紙−標準速い」モードを「色補正なし」と改変したモードを使用した。標準色(Japan color ver.2)の彩度の値(イエロー:91.34、マゼンタ:74.55、シアン:62.82)に対する測定した彩度の値との比率を算出し、下記の評価基準にしたがって判定した。
〔評価基準〕
○:0.8以上
×:0.8未満
<耐水性>
印字濃度と同様にチャートをType6200(株式会社NBSリコー製)に打ち出し、印写した印字面の「■」部を23℃、50%RHで24時間乾燥させ、そのチャートを30℃の水に1分間浸漬後、静かに引き上げ静置乾燥を行い、下記評価基準により判定した。
〔評価基準〕
○:色の滲み出しなし
×:色の滲み出しあり
<耐擦過性>
Microsoft Word2000(Microsoft社製)にて作成した3cm×3cmの単色ベタ画像があるチャートをリコージェルジェットプリンター専用絹目光沢紙(株式会社NBSリコー製)に打ち出し、23℃、50%RHで24時間乾燥させ、CM−1型クロックメータに両面テープで取り付けたJIS L0803綿3号を印字部位に当てるように5回往復させた後、綿布へのインク付着汚れをX−Rite938にて測色し、綿布の地肌色を差し引いて汚れ部の濃度について、下記評価基準により判定した。
〔評価基準〕
○:0.12未満
×:0.12以上
<耐光性>
画像濃度と同様にチャートをType6200(株式会社NBSリコー製)に打ち出し、印写した印字面の「■」部を23℃、50%RHで24時間乾燥させた。この画像部をアトラス社製ウェザオメータCi35AWを用いて、70℃、50%RH、ブラックパネル温度89℃の環境下、屋外太陽光近似のキセノン放射照度0.35W/m(340nm)で24時間照射し、前後の退色、色変化を以下の評価基準で判定した。
〔評価基準〕
○:ほとんど変化がない
△:変化は認められるが許容できる
×:退色、色変化が大きい
<乾燥性>
印字濃度と同様にチャートを打ち出し、Type6200(株式会社NBSリコー製)に印写した印字面の「■」部を印字直後に濾紙を押し当て、転写の有無にて判定した。
〔評価基準〕
○:転写汚れなし
△:わずかな転写汚れあり
×:転写汚れあり
<インク保存安定性>
実施例及び比較例で調製したインクを密閉できる硝子サンプル瓶に20gずつ入れて、しっかり蓋を締めて更にビニルテープで封印し、50℃の恒温槽に1ヶ月間保管した。粒子径変化を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)で測定した。保管前を初期として保管後のインクの平均粒子径(D50%)の変化率を下記数式2から求めて評価した。
<<数式2>>
変化率=〔(保管後平均粒子径/保管前平均粒子径)−1〕×100
〔評価基準〕
○:変化率±10%未満
△:変化率±10〜20%以内
×:変化率±20%を超える
*比較例3、比較例6、及び比較例7については、これら以外のインクのように綺麗な印字画像が得られなかったので、同様に評価を行うことができなかった。
次に、下記の記録用紙(1)〜(4)と、実施例3、実施例4、及び実施例5の記録用インクを用い、以下のようにして、画像品質評価を行った。
−記録用紙(1)−
市販の用紙(商品名;オーロラコート、坪量=104.7g/m、日本製紙株式会社)製)
−記録用紙(2)−
王子製紙株式会社製、PODグロスコート100g/m
−記録用紙(3)−
市販のインクジェット用マットコート紙(商品名;スーパーファイン専用紙、セイコーエプソン株式会社製)
−記録用紙(4)−
透明ポリエステルフィルム(商品名:ルミラーU10、厚み100μm、TORAY社製)
前記記録用紙(1)〜(4)について、以下のようにして、純水の転移量を測定した。結果を表7に示す。
<動的走査吸液計による純水の転移量の測定>
前記記録用紙(1)〜(4)について、動的走査吸液計(型式:KS350D、協和精工株式会社製)を用いて、純水の吸収曲線を測定した。吸収曲線は転移量(mL/m)と接触時間の平方根√(ms)でプロットして一定の傾きを持つ直線とし、内挿により一定時間後の転移量の値を測定した。
<画像品質評価>
記録用紙(1)〜(4)と、実施例3、実施例4、及び実施例5の記録用インクを用いて、インクジェット記録装置(IPSIO G7570、株式会社リコー製)により、以下のようにして、画像品質評価を実施した。結果を表8に示す。
(1)ビーディング(濃度ムラ)
得られた緑ベタ部の濃度ムラの程度を目視で評価した。ランク評価は段階見本(ランク:悪い1.0〜5.0良い)を用いて行った。
(2)拍車汚れ
得られた赤ベタ部から地肌部への拍車によるオフセット汚れの程度を目視で評価した。ランク評価は以下の基準で行った。
ランク1:はっきり見える
ランク2:かすかに見える
ランク3:全く無し
(3)光沢度
得られたシアンベタ部の60度光沢度を、光沢度計(BYK Gardener社製、4501)を用いて測定した。
※乾燥しないため、光沢度の測定不可。
本発明の記録用インクは、普通紙に対する画像品質、特に、画像濃度、彩度及び耐水性、耐光性等の画像堅牢性に優れた画像が得られ、乾燥速度、高速印字対応に優れ、ノズルからの吐出安定性が良好であり、高品位な画像形成が可能であり、インクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法に好適に用いることができる。
更に、汎用印刷用紙(支持体と該支持体の少なくとも一方の面に塗工層を有してなり、動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が2〜35ml/mであり、かつ接触時間400msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が3〜40ml/mであるようなインク吸収性の低い記録用メディア)のを使用しても、ビーディング及び乾燥性にも優れ、印刷画質の様な高品位な画像形成が可能である。
本発明のインクジェット記録装置及びインクジェット記録方法は、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、などに特に好適に適用することができる。
図1は、本発明のインクカートリッジの一例を示す概略図である。 図2は、図1のインクカートリッジのケースも含めた概略図である。 図3は、インクジェット記録装置のインクカートリッジ装填部のカバーを開いた状態の斜視説明図である 図4は、インクジェット記録装置の全体構成を説明する概略図である 図5は、本発明のインクジェットヘッドの一例を示す概略拡大図である。
符号の説明
101 装置本体
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インクカートリッジ装填部
111 上カバー
112 前面
115 前カバー
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 用紙載置部
142 用紙
144 分離パッド
151 搬送ベルト
152 再度カウンタローラ
156 帯電ローラ
157 搬送ローラ
158 デンションローラ
171 分離爪
172 排紙ローラ
173 排紙コロ
181 両面給紙ユニット
200 インクカートリッジ
201 インクカートリッジ
241 インク袋
242 インク注入口
243 インク排出口
244 カートリッジ外装

Claims (19)

  1. 少なくとも水分散性着色剤、水分散性樹脂、湿潤剤、界面活性剤、及び水を含有する記録用インクであって、
    前記湿潤剤の前記記録用インクにおける含有量が20〜35質量%であり、
    前記水分散性着色剤及び前記水分散性樹脂の前記記録用インクにおける合計含有量が固形分で12〜40質量%であり、
    前記水分散性樹脂がフッ素系樹脂微粒子を含有し、かつ該水分散性樹脂の前記記録用インクにおける固形分含有量(A)と、前記水分散性着色剤中の顔料の前記記録用インクにおける固形分含有量(B)との比(A/B)が、0.5〜8であることを特徴とする記録用インク。
  2. 水分散性着色剤が、表面に少なくとも1種の親水基を有し、分散剤の不存在下で水分散性を示す顔料である請求項1に記載の記録用インク。
  3. 水分散性着色剤が、ポリマー微粒子に水不溶乃至水難溶性の色材を含有させてなるポリマーエマルジョンである請求項1に記載の記録用インク。
  4. 水分散性着色剤が、顔料、顔料分散剤及び高分子分散安定化剤を含有する顔料分散体であり、かつ該高分子分散安定化剤が、下記構造式(1)で表されるα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル共重合体、水溶性ポリウレタン樹脂及び水溶性ポリエステル樹脂から選択される少なくとも1種である請求項1に記載の記録用インク。
    ただし、前記構造式(1)中、Rはアルキル基を表す。nは30〜100の数を示す。
  5. 高分子分散安定化剤の重量平均分子量が20,000以下であり、かつ酸価が40〜400mgKOH/gであり、該酸価と当量以上のアルカリ溶液及びアルカリ水溶液のいずれかに溶解させて用いられる請求項4に記載の記録用インク。
  6. 顔料分散剤が、アニオン系界面活性剤及びHLB値10〜20のノニオン系界面活性剤のいずれかである請求項4から5のいずれかに記載の記録用インク。
  7. HLB値10〜20のノニオン系界面活性剤が、ポリオキシエチレン-β-ナフチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、及びポリオキシエチレンスチレンフェニルエーテルのいずれかである請求項6に記載の記録用インク。
  8. フッ素系樹脂微粒子が、フルオロオレフィン単位を有するフッ素系樹脂微粒子であり、かつ該フッ素系樹脂微粒子の最低造膜温度が30℃以下である請求項1から7のいずれか記載の記録用インク。
  9. 湿潤剤が、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−ピロリドン及びN−メチル−2−ピロリドンから選択される少なくとも1種である請求項1から8のいずれかに記載の記録用インク。
  10. 界面活性剤がシリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤から選択される少なくとも1種を含有する請求項1から9のいずれかに記載の記録用インク。
  11. 25℃での粘度が5〜20mPa・sであり、かつ表面張力が35mN/m以下である請求項1から10のいずれかに記載の記録用インク。
  12. 請求項1から11のいずれかに記載の記録用インクと、記録用メディアとを有するインクメディアセットであって、
    前記記録用メディアが、支持体と、該支持体の少なくとも一方の面に塗工層を有してなり、かつ動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が2〜35ml/mであり、かつ接触時間400msにおける純水の該記録用メディアへの転移量が3〜40ml/mであることを特徴とするインクメディアセット。
  13. 請求項1から11のいずれかに記載の記録用インクを容器中に収容してなることを特徴とするインクカートリッジ。
  14. 請求項1から11のいずれかに記載の記録用インクに刺激を印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔工程を少なくとも含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
  15. 刺激が、熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種である請求項14に記載のインクジェット記録方法。
  16. 請求項1から11のいずれかに記載の記録用インクに刺激を印加し、該記録用インクを飛翔させて画像を記録するインク飛翔手段を少なくとも有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  17. 刺激が、熱、圧力、振動及び光から選択される少なくとも1種である請求項16に記載のインクジェット記録装置。
  18. 記録用メディア上に、請求項1から11のいずれかに記載の記録用インクを用いて形成された画像を有してなることを特徴とするインク記録物。
  19. 請求項12に記載のインクメディアセットにおける記録用メディア上に、請求項12に記載のインクメディアセットにおける記録用インクを用いて形成された画像を有してなることを特徴とするインク記録物。
JP2006225431A 2006-08-22 2006-08-22 記録用インク及びインクメディアセット、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 Active JP5118832B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006225431A JP5118832B2 (ja) 2006-08-22 2006-08-22 記録用インク及びインクメディアセット、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
CNA2007800012030A CN101356246A (zh) 2006-08-22 2007-08-20 记录油墨、油墨/介质组件、墨盒、喷墨记录方法和喷墨记录装置
PCT/JP2007/066507 WO2008023812A1 (en) 2006-08-22 2007-08-20 Recording ink, ink/media set, ink cartridge, inkjet recording method and inkjet recording apparatus
KR1020087012005A KR100983850B1 (ko) 2006-08-22 2007-08-20 기록용 잉크, 잉크/매체 세트, 잉크 카트리지, 잉크젯 기록방법 및 잉크젯 기록 장치
EP20070792987 EP2054477B1 (en) 2006-08-22 2007-08-20 Recording ink, ink/media set, ink cartridge, inkjet recording method and inkjet recording apparatus
US12/091,129 US8927623B2 (en) 2006-08-22 2007-08-20 Recording ink, ink/media set, ink cartridge, inkjet recording method and inkjet recording apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006225431A JP5118832B2 (ja) 2006-08-22 2006-08-22 記録用インク及びインクメディアセット、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008050400A true JP2008050400A (ja) 2008-03-06
JP5118832B2 JP5118832B2 (ja) 2013-01-16

Family

ID=39106893

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006225431A Active JP5118832B2 (ja) 2006-08-22 2006-08-22 記録用インク及びインクメディアセット、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置

Country Status (6)

Country Link
US (1) US8927623B2 (ja)
EP (1) EP2054477B1 (ja)
JP (1) JP5118832B2 (ja)
KR (1) KR100983850B1 (ja)
CN (1) CN101356246A (ja)
WO (1) WO2008023812A1 (ja)

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010155442A (ja) * 2009-01-05 2010-07-15 Ricoh Co Ltd 前処理液を用いた画像形成方法、前処理液、インクジェット記録用インクとのセット、カートリッジ、インクジェット記録装置、画像形成物
JP2010529277A (ja) * 2007-12-21 2010-08-26 エルジー・ケム・リミテッド ロールプリンティング用インク組成物
JP2011231294A (ja) * 2010-04-30 2011-11-17 General Co Ltd インクジェットインク
JP2012072360A (ja) * 2010-08-31 2012-04-12 Canon Inc インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法
JP2012233163A (ja) * 2011-04-19 2012-11-29 Canon Inc インク、インクカートリッジ及びインクジェット記録方法
JP2014051557A (ja) * 2012-09-05 2014-03-20 Ricoh Co Ltd インクジェット用記録インク、カートリッジ、インクジェット記録装置、画像形成方法及び画像形成物
JP2014084422A (ja) * 2012-10-25 2014-05-12 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd 分散剤と分散剤の製造方法、該分散剤を用いた顔料組成物および顔料分散体。
JP2014125594A (ja) * 2012-12-27 2014-07-07 Ricoh Co Ltd インクジェット用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、画像形成方法、画像形成物
JP2014177539A (ja) * 2013-03-14 2014-09-25 Cosmo Oil Lubricants Co Ltd 高熱伝導性エポキシ樹脂系組成物
US8883292B2 (en) 2008-10-22 2014-11-11 Seiko Epson Corporation Ink composition, and recorded matter, recording method and recording apparatus using the same
JP2015009478A (ja) * 2013-06-28 2015-01-19 キヤノン株式会社 画像記録方法、インクセット、及びインクセットの調製方法
JP2015067811A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 ブラザー工業株式会社 インクジェット記録用水性インク及びインクカートリッジ
JP2017165961A (ja) * 2016-03-14 2017-09-21 株式会社リコー インク、インク収容容器、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
JP6402435B1 (ja) * 2017-12-28 2018-10-10 東洋インキScホールディングス株式会社 水性着色剤分散物、及びインクジェット記録用インク
JPWO2018221235A1 (ja) * 2017-05-30 2019-06-27 Dic株式会社 インク、印刷物及び印刷物の製造方法
JP7169481B1 (ja) 2021-06-30 2022-11-10 株式会社Dnpファインケミカル 水性インク及びこれを含むインクセット

Families Citing this family (54)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009166387A (ja) * 2008-01-17 2009-07-30 Ricoh Co Ltd 画像形成方法および画像形成記録物
US8133313B2 (en) * 2008-02-28 2012-03-13 Kabushiki Kaisha Toshiba Aqueous inkjet ink and inkjet recording method
JP5621192B2 (ja) * 2008-09-05 2014-11-05 株式会社リコー インクジェット用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法、画像形成方法、及びインク記録物
JP2011063631A (ja) * 2008-09-30 2011-03-31 Seiko Epson Corp インクジェット記録用インク組成物
KR101485609B1 (ko) * 2008-11-26 2015-01-22 엘지전자 주식회사 공기 조화기의 실내기
JP4462379B1 (ja) * 2009-01-09 2010-05-12 東洋インキ製造株式会社 ポリマーエマルション及び該ポリマーエマルションを含有する水性インクジェット記録液
US20100227948A1 (en) * 2009-01-22 2010-09-09 Seiko Epson Corporation. Ink composition for inkjet recording
JP5776141B2 (ja) 2009-06-23 2015-09-09 株式会社リコー インクジェット記録用インク、並びに、該インクを用いたインクジェット記録方法、該インクを収容したカートリッジ、及び記録物
US20110039077A1 (en) * 2009-08-12 2011-02-17 Klemann Bruce M Stain-Resistant Overcoat
WO2011021591A1 (en) 2009-08-21 2011-02-24 Ricoh Company, Ltd. Image forming method, and image formed matter
JP2011042150A (ja) * 2009-08-24 2011-03-03 Fujifilm Corp 画像形成方法
EP2539156B1 (en) 2010-02-26 2016-11-02 Ricoh Company, Ltd. Inkjet treatment liquid and inkjet recording apparatus
JP5110404B2 (ja) 2010-03-31 2012-12-26 ブラザー工業株式会社 画像形成方法、画像を有する布帛の製造方法および処理剤
US9051485B2 (en) * 2010-04-27 2015-06-09 Konica Minolta, Inc. Inkjet ink and inkjet recording method
JP5848331B2 (ja) * 2010-05-14 2016-01-27 フジフィルム・イメイジング・カラランツ・リミテッド 分散物、分散物の調製方法およびインクジェット印刷インク
US8722175B2 (en) 2010-06-29 2014-05-13 Ricoh Company, Ltd. Liquid composition, recording method, and recorded matter
JP5601075B2 (ja) 2010-08-04 2014-10-08 株式会社リコー インクジェット用インク、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置及びインク記録物
JP2012036340A (ja) * 2010-08-10 2012-02-23 Ricoh Co Ltd インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ
JP5793840B2 (ja) 2010-08-19 2015-10-14 株式会社リコー 液体組成物、記録方法、及び記録物
JP5626637B2 (ja) 2010-09-28 2014-11-19 セイコーエプソン株式会社 インク組成物
JP5879875B2 (ja) 2010-09-30 2016-03-08 株式会社リコー 画像形成方法
US8955954B2 (en) * 2010-12-24 2015-02-17 Seiko Epson Corporation Pigment ink, ink jet recording apparatus, and ink jet recording method
JP5768394B2 (ja) 2011-02-10 2015-08-26 株式会社リコー インクジェット記録用インクセット、該インクセットを用いたインクジェット記録方法及び記録物
JP5655618B2 (ja) 2011-02-18 2015-01-21 株式会社リコー インクジェット用処理液及び該処理液を用いた画像形成方法
US8801845B2 (en) 2011-03-11 2014-08-12 Seiko Epson Corporation Ink composition
US8721781B2 (en) 2011-03-11 2014-05-13 Seiko Epson Corporation Ink composition
US9732240B2 (en) 2011-03-11 2017-08-15 Toyo Ink Sc Holdings Co., Ltd. Inkjet pigment ink
JP5825126B2 (ja) 2011-03-14 2015-12-02 株式会社リコー インクジェット用インク、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
EP2520624B1 (en) * 2011-03-16 2014-04-16 Seiko Epson Corporation Ink set and image printing method
JP5888589B2 (ja) 2011-06-28 2016-03-22 株式会社リコー インクジェット記録用インク−記録用メディアセット及びインクジェット記録方法
US9745483B2 (en) * 2011-07-14 2017-08-29 Xerox Corporation Stretchable ink composition
JP6051695B2 (ja) 2011-09-15 2016-12-27 株式会社リコー 画像形成方法、及び該画像形成方法を実施するためのインクジェット画像形成装置
JP6031903B2 (ja) 2011-09-16 2016-11-24 株式会社リコー インクジェット記録用インク組成物、及びインクジェット記録方法
JP5757215B2 (ja) 2011-10-14 2015-07-29 株式会社リコー インクジェット用インク、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
WO2013084590A1 (ja) * 2011-12-09 2013-06-13 Dic株式会社 造膜助剤ならびにそれを含有する水性樹脂組成物及び鋼板表面処理剤
JP5810883B2 (ja) 2011-12-14 2015-11-11 株式会社リコー 画像形成方法
EP2614964B1 (en) 2012-01-10 2017-01-04 Ricoh Company, Ltd. Image forming method
JP6051530B2 (ja) 2012-02-01 2016-12-27 株式会社リコー インクジェット記録方法
JP6051531B2 (ja) 2012-02-01 2016-12-27 株式会社リコー インクジェット記録方法
JP5957915B2 (ja) 2012-02-01 2016-07-27 株式会社リコー 洗浄液兼充填液、該洗浄液兼充填液を収容したカートリッジ、該洗浄液兼充填液を用いたインクジェット記録装置の洗浄、充填、保管方法
EP2810994B1 (en) * 2012-02-03 2018-08-29 Toyo Seikan Group Holdings, Ltd. Ink for inkjet printing, printed cylindrical container and method for manufacturing same
JP6065607B2 (ja) 2012-02-03 2017-01-25 株式会社リコー インクジェットインク
JP5939039B2 (ja) 2012-05-30 2016-06-22 株式会社リコー インクジェット画像形成方法
JP5910372B2 (ja) 2012-07-11 2016-04-27 株式会社リコー 画像形成方法
JP2014051625A (ja) 2012-09-07 2014-03-20 Ricoh Co Ltd インクジェット用インク、インクカイートリッジ、インクジェット記録装置、記録物
JP6075075B2 (ja) 2013-01-23 2017-02-08 株式会社リコー インクジェット記録方法及び記録用インクと記録用メディアのセット
JP6269145B2 (ja) 2013-03-13 2018-01-31 株式会社リコー インクジェット用インク、該インクを用いたインクカートリッジ、インクジェット記録装置、及び、インク記録物
JP2016020469A (ja) 2013-09-13 2016-02-04 株式会社リコー インクジェット用インク、インクセット、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法及びインク記録物
JP6164033B2 (ja) 2013-10-10 2017-07-19 株式会社リコー 画像形成方法及び画像形成装置
JP6560846B2 (ja) * 2014-01-23 2019-08-14 サカタインクス株式会社 水性インクジェット用インク組成物
WO2016068985A1 (en) 2014-10-31 2016-05-06 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Hydrophilic pigment dispersant for an inkjet ink
EP3294819A1 (en) 2015-09-15 2018-03-21 Hewlett-Packard Development Company, L.P. White inks
WO2020169605A1 (en) 2019-02-22 2020-08-27 Byk-Chemie Gmbh Aqueous dispersant composition
JP2022183866A (ja) * 2021-05-31 2022-12-13 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 クリーニング液、及びインクジェット記録装置用液セット

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001008895A1 (fr) * 1999-07-30 2001-02-08 Seiko Epson Corporation Procede d'enregistrement comprenant des supports d'enregistrement et d'impression avec deux composes liquides
JP2002301857A (ja) * 2001-04-06 2002-10-15 Fuji Xerox Co Ltd インクジェット記録方法および記録液

Family Cites Families (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5569464A (en) 1978-11-17 1980-05-26 Fujitsu Ltd Method of ink jet printing and its platen
JPS55157668A (en) 1979-05-28 1980-12-08 Masaaki Takeshita Water-based writing utensil
JPS621426A (ja) 1985-06-26 1987-01-07 Fuji Electric Co Ltd 電気浸透脱水装置
JP2667401B2 (ja) 1987-05-30 1997-10-27 株式会社リコー インクジェット記録方法
JP2675001B2 (ja) 1987-05-30 1997-11-12 株式会社リコー インクジェット記録方法
JPH0388588A (ja) 1989-08-31 1991-04-12 Nec Home Electron Ltd テレビジョン映像信号の走査変換回路
JPH04211478A (ja) 1990-03-27 1992-08-03 Seiko Epson Corp インクジェット記録方法およびインク組成物
JPH0418462A (ja) 1990-05-10 1992-01-22 Canon Inc インク及びこれを用いたインクジェット記録方法
JPH04332774A (ja) 1991-05-08 1992-11-19 Seiko Epson Corp インクジェット記録用インク
JP3088588B2 (ja) 1992-05-20 2000-09-18 セイコーエプソン株式会社 インクジェット記録用インク
JP3805006B2 (ja) 1995-10-20 2006-08-02 キヤノン株式会社 インク、これを用いたインクジェット記録方法、記録ユニット、インクカートリッジ及びインクジェット記録装置
US5889083A (en) * 1996-09-06 1999-03-30 Videojet Systems International, Inc. Aqueous jet ink compositions
JP2000095983A (ja) 1998-09-22 2000-04-04 Brother Ind Ltd インクジェット用水性インク及びインクジェット記録方法
JP2000191972A (ja) 1998-12-28 2000-07-11 Kao Corp インクセット
US7040747B2 (en) * 1999-07-30 2006-05-09 Seiko Epson Corporation Recording method for printing using two liquids on recording medium
JP4965755B2 (ja) 2000-03-24 2012-07-04 リコープリンティングシステムズ株式会社 インクジェット用インク組成物
JP2002212467A (ja) 2001-01-15 2002-07-31 Daicel Chem Ind Ltd 記録液および画像記録方法
JP3915436B2 (ja) 2001-05-14 2007-05-16 コニカミノルタホールディングス株式会社 インクジェット記録方法
JP3952794B2 (ja) 2002-02-05 2007-08-01 株式会社リコー インクジェット記録用インク、インクセット、インクカートリッジ、記録装置、記録方法
JP4603756B2 (ja) 2002-03-27 2010-12-22 シャープ株式会社 インクジェット記録用インク組成物
US6899754B2 (en) * 2002-06-06 2005-05-31 E. I. Du Pont De Nemours And Company Inkjet inks with increased optical density
JP2004035718A (ja) 2002-07-03 2004-02-05 Sharp Corp インクジェットインク組成物及びインクジェット記録方法
JP4581319B2 (ja) 2002-09-11 2010-11-17 富士ゼロックス株式会社 水性インク組成物、その製造方法、及び水性インク組成物を用いる画像形成方法
JP2004155867A (ja) 2002-11-05 2004-06-03 Sharp Corp 水性インクおよびインクジェット記録方法
JP4230212B2 (ja) 2002-12-20 2009-02-25 シャープ株式会社 インクジェット記録用顔料インクおよびインクジェット記録方法

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001008895A1 (fr) * 1999-07-30 2001-02-08 Seiko Epson Corporation Procede d'enregistrement comprenant des supports d'enregistrement et d'impression avec deux composes liquides
JP2002301857A (ja) * 2001-04-06 2002-10-15 Fuji Xerox Co Ltd インクジェット記録方法および記録液

Cited By (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010529277A (ja) * 2007-12-21 2010-08-26 エルジー・ケム・リミテッド ロールプリンティング用インク組成物
US8883292B2 (en) 2008-10-22 2014-11-11 Seiko Epson Corporation Ink composition, and recorded matter, recording method and recording apparatus using the same
US9862850B2 (en) 2008-10-22 2018-01-09 Seiko Epson Corporation Ink composition, and recorded matter, recording method and recording apparatus using the same
US9090792B2 (en) 2008-10-22 2015-07-28 Seiko Epson Corporation Ink composition, and recorded matter, recording method and recording apparatus using the same
JP2010155442A (ja) * 2009-01-05 2010-07-15 Ricoh Co Ltd 前処理液を用いた画像形成方法、前処理液、インクジェット記録用インクとのセット、カートリッジ、インクジェット記録装置、画像形成物
JP2011231294A (ja) * 2010-04-30 2011-11-17 General Co Ltd インクジェットインク
JP2012072360A (ja) * 2010-08-31 2012-04-12 Canon Inc インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法
JP2012233163A (ja) * 2011-04-19 2012-11-29 Canon Inc インク、インクカートリッジ及びインクジェット記録方法
US9371461B2 (en) 2011-04-19 2016-06-21 Canon Kabushiki Kaisha Ink, ink cartridge and ink jet recording method
JP2014051557A (ja) * 2012-09-05 2014-03-20 Ricoh Co Ltd インクジェット用記録インク、カートリッジ、インクジェット記録装置、画像形成方法及び画像形成物
JP2014084422A (ja) * 2012-10-25 2014-05-12 Toyo Ink Sc Holdings Co Ltd 分散剤と分散剤の製造方法、該分散剤を用いた顔料組成物および顔料分散体。
JP2014125594A (ja) * 2012-12-27 2014-07-07 Ricoh Co Ltd インクジェット用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、画像形成方法、画像形成物
JP2014177539A (ja) * 2013-03-14 2014-09-25 Cosmo Oil Lubricants Co Ltd 高熱伝導性エポキシ樹脂系組成物
JP2015009478A (ja) * 2013-06-28 2015-01-19 キヤノン株式会社 画像記録方法、インクセット、及びインクセットの調製方法
JP2015067811A (ja) * 2013-09-30 2015-04-13 ブラザー工業株式会社 インクジェット記録用水性インク及びインクカートリッジ
JP2017165961A (ja) * 2016-03-14 2017-09-21 株式会社リコー インク、インク収容容器、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
JPWO2018221235A1 (ja) * 2017-05-30 2019-06-27 Dic株式会社 インク、印刷物及び印刷物の製造方法
JP6402435B1 (ja) * 2017-12-28 2018-10-10 東洋インキScホールディングス株式会社 水性着色剤分散物、及びインクジェット記録用インク
JP2019119763A (ja) * 2017-12-28 2019-07-22 東洋インキScホールディングス株式会社 水性着色剤分散物、及びインクジェット記録用インク
JP7169481B1 (ja) 2021-06-30 2022-11-10 株式会社Dnpファインケミカル 水性インク及びこれを含むインクセット
WO2023276979A1 (ja) * 2021-06-30 2023-01-05 株式会社Dnpファインケミカル 水性インク及びこれを含むインクセット
JP2023007500A (ja) * 2021-06-30 2023-01-18 株式会社Dnpファインケミカル 水性インク及びこれを含むインクセット

Also Published As

Publication number Publication date
KR100983850B1 (ko) 2010-09-27
KR20080072857A (ko) 2008-08-07
WO2008023812A1 (en) 2008-02-28
JP5118832B2 (ja) 2013-01-16
EP2054477A4 (en) 2011-11-30
EP2054477B1 (en) 2013-05-01
CN101356246A (zh) 2009-01-28
US8927623B2 (en) 2015-01-06
US20080233363A1 (en) 2008-09-25
EP2054477A1 (en) 2009-05-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5118832B2 (ja) 記録用インク及びインクメディアセット、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
JP5097395B2 (ja) 記録用インク、インクメディアセット、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置、及びインク記録物
JP6292330B2 (ja) インク、インクジェット記録装置、インクジェット記録方法、及び記録セット
JP5263584B2 (ja) インクジェット記録用インク、インクメディアセット、インクカートリッジ、インクジェット記録装置及びインクジェット記録方法
JP6075075B2 (ja) インクジェット記録方法及び記録用インクと記録用メディアのセット
JP5888589B2 (ja) インクジェット記録用インク−記録用メディアセット及びインクジェット記録方法
JP5757215B2 (ja) インクジェット用インク、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
JP5825126B2 (ja) インクジェット用インク、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
JP4866092B2 (ja) 記録用インク、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
JP6064602B2 (ja) 画像形成方法
JP5299748B2 (ja) インクジェット記録方法、そのための記録メディア及び水系インク
JP4866079B2 (ja) 顔料分散体及び記録用インク、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
KR100980746B1 (ko) 안료 분산체, 기록용 잉크, 잉크 카트리지, 잉크젯 기록방법 및 잉크젯 기록 장치
JP5601075B2 (ja) インクジェット用インク、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法、インクジェット記録装置及びインク記録物
JP2015044405A (ja) インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
EP2007587A1 (en) Inkjet media, recording method, recording apparatus, ink-media set, and ink recorded matter
JP2008284874A (ja) インクメディアセット、並びにインクカートリッジ、インク記録物、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
JP2009096054A (ja) 画像記録方法及び画像記録装置、並びに画像記録物
JP2007284191A (ja) 画像形成装置
JP2015030788A (ja) インクジェット用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置
JP2008119907A (ja) 画像形成装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090423

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111206

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120130

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121016

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121022

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5118832

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151026

Year of fee payment: 3