JP2014051625A - インクジェット用インク、インクカイートリッジ、インクジェット記録装置、記録物 - Google Patents

インクジェット用インク、インクカイートリッジ、インクジェット記録装置、記録物 Download PDF

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Abstract

【課題】普通紙に印字した際にカール、コックリングを防止でき、かつ高品位の画像記録が可能であるインクジェット用インクの提供。
【解決手段】少なくとも水、水溶性有機物、着色剤を含有し、該水溶性有機物が次の要件(A)〜(C)を満足するインクジェット用インク。
(A)水溶性有機物をインク全体の40〜50質量%含有する。
(B)水溶性有機物として、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、β−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、2−ピロリドンから選ばれた少なくとも1種を、インク全体の5〜35質量%含有する。
(C)水溶性有機物として、下記一般式(1)の化合物をインク全体の10〜40質量%含有する。
Figure 2014051625

上記式中、Rは水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基、nは2〜7の整数である。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット用インク、これを用いたインクカイートリッジ、インクジェット記録装置及び記録物に関する。
インクジェット記録方式は他の記録方式に比べてプロセスが簡単であるためフルカラー化が容易であり、簡略な構成の装置でも高解像度の画像が得られる利点がある。インクジェット用インクとしては各種の水溶性染料を水、又は水と水溶性湿潤剤との混合液に溶解させた染料系インクが使用されている。
しかし、近年、益々高速化のニーズが高まっており、普通紙の印刷に水性インクを使用した場合の、印刷後のカール、コックリングが大きな問題となっている。水性インクは、多量の水を含んでいるため、水が紙の繊維を膨潤させ、カール、コックリングを生じる。
一方、油性インクは水を含まないため、カール、コックリングの問題はないが、水性インクよりも記録媒体への浸透力が大きいため、画像濃度が低く、にじみ、裏抜けが大きいという画像品質の低下が大きな課題となっている。
即ち、カール、コックリング、画像品質の全てを満足するインクジェット用インクは、まだ得られていない。
水性インクを用いた場合に、普通紙のカール、コックリングを防止する方法としては、カール防止剤として特定の糖類、糖アルコール類、アミド化合物を添加する方法が提案されている。しかしながら、この方法でもインク打ち込み量の多い画像を高速で印字する場合には、カール、コックリングが発生する。
また、カール、コックリングを防止するために、水性インク中の溶剤の比率を高くする方法が検討されている(特許文献1参照)。しかしながら、溶剤の比率を高くするため、油性インクと同様に画像品質が低く、またインクの粘度が高くなり、吐出信頼性に問題が生じる。
カール、コックリングを防止するため、疎水性の溶剤を多く配合する方法も検討されている。しかしながら漠然とした規定であり、効果が十分でない。
このように、カール、コックリング防止と画像品質の両立は実現できていないのが現状である。
また、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、β−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、2−ピロリドンを含有するインクが提案されている(特許文献2参照)。しかし、カール防止には効果があるが、多量に添加すると画像品質が低下するという問題がある。
また、ジイソプレングリコールモノアルキルエーテル、トリイソプレングリコールモノアルキルエーテルを含有するクリアインクが提案されている(特許文献3参照)。しかし、着色剤を含まないインクであり、水溶性有機物の含有量も少なく、水溶性有機物を多く含有するインクとは系が大きく異なる。
本発明は、普通紙に印字した際にカール、コックリングを防止でき、かつ高品位の画像記録が可能であるインクジェット用インクの提供を目的とする。
1) 少なくとも水、水溶性有機物及び着色剤を含有し、該水溶性有機物が次の要件(A)〜(C)を満足することを特徴とするインクジェット用インク。
(A)水溶性有機物をインク全体の40〜50質量%含有する。
(B)水溶性有機物として、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、β−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、2−ピロリドンから選ばれた少なくとも1種を、インク全体の5〜35質量%含有する。
(C)水溶性有機物として、下記一般式(1)の化合物をインク全体の10〜40質量%含有する。
Figure 2014051625
上記式中、Rは水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基であり、nは2〜7の整数である。
本発明によれば、普通紙に印字した際にカール、コックリングを防止でき、かつ高品位の画像記録が可能であるインクジェット用インクを提供できる。
本発明のインクカートリッジの一例を示す概略図。 図1のインクカートリッジの変形例を示す概略図。 シリアル型インクジェット記録装置の一例を示す斜視図。 図3の装置の内部構造の説明図。 図3の装置の内部構造の別の説明図。
以下、上記本発明1)について詳しく説明するが、本発明の実施の態様には次の2)〜7)も含まれるので、これらについても併せて説明する。
2) 23℃における15msでの動的表面張力が25〜35mN/mであることを特徴とする1)記載のインクジェット用インク。
3) 前記水溶性有機物として、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソブチルエーテルの少なくとも一方をインク全体の10〜20質量%含有することを特徴とする1)又は2)記載のインクジェット用インク。
4) 前記着色剤が自己分散性顔料であることを特徴とする1)〜3)のいずれかに記載のインクジェット用インク。
5) 1)〜4)のいずれかに記載のインクジェット用インクを容器中に収容したインクカートリッジ。
6) 5)に記載のインクカートリッジを搭載したインクジェット記録装置。
7) 記録用メディア上に、1)〜4)のいずれかに記載のインクジェット用インクを用いて形成された画像を有する記録物。
〔インクジェット用インク〕
本発明のインクジェット用インク(以下、インクということもある)は、少なくとも水、水溶性有機物及び着色剤を含有する。ここで、水溶性有機物とは、15℃〜35℃において、インク中で分散媒である水に溶解している有機物成分を指し、具体的には、水溶性湿潤剤、水溶性高分子化合物、界面活性剤、浸透剤、防錆剤、防カビ剤、染料等である。インク中で水相に溶解せず分散している有機顔料、無機顔料、樹脂化合物等は水溶性有機物には含まれない。
本発明のインクでは、水溶性有機物として、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、β−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、2−ピロリドンから選ばれた少なくとも1種を含有させる。これにより、インクの粘度を低下させることができ、水溶性有機物量を多くしても吐出可能なインクを得ることができる。前記3種の水溶性有機物を併せた含有量は、インク全体の5〜35質量%とする。5質量%未満では、インク粘度の上昇や吐出安定性に問題を生じることがあり、35質量%を超えると、画質に問題が生じることがある。好ましくは30質量%以下である。
しかし、前記水溶性有機物を含有させると、水分を多く取り込むため紙面でのインクの乾燥速度が遅くなり、顔料が記録用メディアの奥まで浸透して、画像濃度が低くなる。
そこで更に検討した結果、前記水溶性有機物と同時に前記一般式(1)のイソプロピルグリコール類、イソプロピルエーテル類を添加すれば、水溶性有機物量が多い状態でも濃度向上効果があること、及びカール、コックリング防止にも効果があることが分かった。
一般式(1)の水溶性有機物の含有量はインク全体の10〜40質量%とする。10質量%未満ではカール防止効果が無いし、40質量%を超えると、画像濃度が低下することがある。
また、前記水溶性有機物とその他の水溶性有機物を併せた水溶性有機物の全含有量は、カールの防止効果と画像品質の点から、インク全体の40〜50質量%とする。40質量%未満ではカール防止効果が低く、50質量%を超えるとインク粘度が上昇したり、吐出安定性を損なうことがある。
更に、カール、コックリング防止と画像品質の両立のためには、界面活性剤の含有量を調整して動的表面張力を低下させたり、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソブチルエーテル等のイソブチレンエーテル類を添加することが好ましい。特に、インク物性として、23℃における15msでの動的表面張力を25〜35mN/mとすることが好ましい。この範囲にあると、良好な画像品質を得ることができるし、吐出安定性や保存性も良好である。
<湿潤剤>
湿潤剤は、インク中で水に溶解してインク中の水分を保持する効果、インクの濡れ特性を改善する効果を有する水溶性有機溶剤、水溶性有機固体等である。
本発明に用いられる湿潤剤としては、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレンなどが挙げられる。
特に、前記一般式(1)のイソプロピルグリコール類、イソプロピルエーテル類が好ましい。その具体例としては、ジイソプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、トリイソプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリイソプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリイソプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ポリイソプロピレングリコールの分子量130〜500のものが挙げられる。
湿潤剤の全含有量は、前記一般式(1)の化合物の場合と同様の理由によりインク全体の10〜40質量%とする。
前記多価アルコール類としては、例えば、エチレングリコール(bp196−198℃)、ジエチレングリコール(bp245℃)、トリエチレングリコール(bp285℃)、テトラエチレングリコール(bp324−330℃)、ポリエチレングリコール(粘稠液体〜固体)、プロピレングリコール(bp187℃)、ジプロピレングリコール(bp232℃)、トリプロピレングリコール(bp267℃)、ポリプロピレングリコール(粘稠液体〜固体)、1,3−ブタンジオール(bp203−204℃)、2−メチル−1,3−ブタンジオール(bp203℃)、1,5−ペンタンジオール(bp242℃)、2−メチル−2,4−ペンタンジオール(bp197℃)、ヘキシレングリコール(bp197℃)、1,6−ヘキサンジオール(bp253−260℃)、グリセリン(bp290℃)、ジグリセリン(bp270℃/20hPa)、1,2,3−ブタントリオール(bp175℃/33hPa)、1,2,4−ブタントリオール(bp190−191℃/24hPa)、1,2,6−ヘキサントリオール(bp178℃)、イソプロピルグリコール(bp142℃)、ジエチルジグリコール(bp189℃)、イソブチルジグリコール(bp220℃)、プロピルプロピレングリコール(bp150℃)、プロピルプロピレンジグリコール(bp220℃)、ブチルプロピレングリコール(bp170℃)、ブチルプロピレンジグリコール(bp212℃)、2−(2−イソプロピルオキシエトキシ)エタノール(bp207℃)、メチルプロピレングリコールアセテート(bp146℃)などが挙げられる。これらの中でも、グリセリン、1,3−ブタンジオールは、水分を含んだ場合に低粘度化することができるため特に好適に用いられる。
前記多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル(bp135℃)、エチレングリコールモノブチルエーテル(bp171℃)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(bp194℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(bp197℃)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(bp231℃)、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル(bp229℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(bp132℃)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(bp216℃)、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル(bp242℃)などが挙げられる。
前記多価アルコールアリールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル(bp237℃)、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどが挙げられる。
前記含窒素複素環化合物としては、例えば、2−ピロリドン(bp250℃、mp25.5℃、47−48質量%)、N−メチル−2−ピロリドン(bp202℃)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(bp226℃)、ε−カプロラクタム(bp270℃)、γ−ブチロラクトン(bp204−205℃)などが挙げられる。
前記アミド類としては、例えば、ホルムアミド(bp210℃)、N−メチルホルムアミド(bp199−201℃)、N,N−ジメチルホルムアミド(bp153℃)、N,N−ジエチルホルムアミド(bp176−177℃)などが挙げられる。
前記アミン類としては、例えば、モノエタノールアミン(bp170℃)、ジエタノールアミン(bp268℃)、トリエタノールアミン(bp360℃)、N−メチルエタノールアミン(bp159℃)、N−メチルジエタノールアミン(bp243℃)、N,N−ジメチルモノエタノールアミン(bp139℃)、N−フェニルエタノールアミン(bp282−287℃)、3−アミノプロピルジエチルアミン(bp169℃)などが挙げられる。
前記含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド(bp139℃)、スルホラン(bp285℃)、チオジグリコール(bp282℃)などが挙げられる。
その他の固体湿潤剤としては糖類が好ましい。該糖類の例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類、四糖類を含む)、多糖類などが挙げられる。具体的には、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース、などが挙げられる。ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。
また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖{例えば、糖アルコール〔一般式:HOCH(CHOH)nCHOH(ただし、nは2〜5の整数を表す)〕で表わされる。}、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ酸などが挙げられる。これらの中でも、糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビットなどが挙げられる。
<着色剤>
着色剤としては、染料や顔料を用いる。
顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、インジゴ系、チオインジゴ系、ペリレン系、イソインドレノン系、アニリンブラック、アゾメチン系、ローダミンBレーキ顔料等の有機顔料や、カーボンブラック、酸化鉄、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、紺青、カドミウムレッド、クロムイエロー、金属粉等の無機顔料が挙げられる。
ブラック顔料の具体例としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、銅酸化物、鉄酸化物(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属酸化物類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料が挙げられる。
イエロー顔料の具体例としては、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG)、2、3、12(ジスアゾイエローAAA)、13、14、16、17、20、23、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、73、74、75、81、83(ジスアゾイエローHR)、86、93、95、97、98、100、101、104、108、109、110、114、117、120、125、128、129、137、138、139、147、148、150、151、153、154、155、166、168、180、185等が挙げられる。
マゼンタ顔料の具体例としては、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、7、9、12、17、22(ブリリアントファーストスカーレット)、23、31、38、48:1〔パーマネントレッド2B(Ba)〕、48:2〔パーマネントレッド2B(Ca)〕、48:3〔パーマネントレッド2B(Sr)〕、48:4〔パーマネントレッド2B(Mn)〕、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81(ローダミン6Gレーキ)、83、88、92、97、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(ジメチルキナクリドン)、123、146、149、166、168、170、172、175、176、178、179、180、184、185、190、192、193、202、209、215、216、217、219、220、223、226、227、228、238、240、254、255、272等が挙げられる。
シアン顔料の具体例としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15(銅フタロシアニンブルーR)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルーG)、15:4、15:6(フタロシアニンブルーE)、16、17:1、22、56、60、63、64、バットブルー4、バットブルー60等が挙げられる。
また、中間色顔料の具体例としては、レッド、グリーン、ブルー用としてC.I.ピグメントレッド177、194、224、C.I.ピグメントオレンジ16、36、43、51、55、59、61、71、C.I.ピグメントバイオレット3、19、23、29、30、37、40、50、C.I.ピグメントグリーン7、36等が挙げられる。
上記顔料のうち、ブラック顔料としてはカーボンブラックが好ましく、ファーネス法やチャネル法で製造されたカーボンブラックで、1次粒子径15〜40nm、BET吸着法による比表面積50〜300m/g、DBP吸油量40〜150mL/100g、揮発分0.5〜10質量%、pH2〜9のものが使用される。特にpH6以下の酸性カーボンブラックが高画像濃度となるので好ましい。
カラー顔料としては、特にピグメントイエロー13、17、55、74、93、97、98、110、128、139、147、150、151、154、155、180、185、ピグメントレッド122、202、209、ピグメントバイオレット19、ピグメントブルー15:3、15:4が好ましい。
顔料の体積平均粒径は特に限定されないが20〜200nmが好ましく、30〜150nmがより好ましく、50〜100nmが更に好ましい。体積平均粒径が200nm以下であれば、印写画像の彩度が低下するようなことはなく、インク保存時の増粘凝集や印写時のノズルの詰まりが生じることもない。また20nm以上であれば、耐光性が低下するようなことはなく保存安定性が悪化することもない。
なお、本発明における顔料の体積平均粒径は、日機装社製のマイクロトラックUPA−150により、測定サンプル中の顔料濃度が0.01質量%になるように純水で希釈したサンプルを用い、粒子屈折率1.51、粒子密度1.4g/cmの条件で、溶媒パラメーターとして純水のパラメーターを用いて23℃で測定した50%平均粒径(D50)のことである。
インク中の顔料濃度は、2〜15質量%が好ましく、3〜12質量%がより好ましく、4〜10質量%が更に好ましい。2質量%以上であれば、十分な着色力及び鮮明な画像が得られる。また、15質量%以下であれば、インクの保存安定性が低下したり画像がくすんだりするようなことはない。
顔料インクでは一般に分散剤を用いる。通常、ノニオン系又はアニオン系の界面活性剤系分散剤を、顔料種別あるいはインク処方に応じて適宜選択して用いる。
ノニオン系界面活性剤としてはポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン−α−ナフチルエーテル、ポリオキシエチレン−β−ナフチルエーテル、ポリオキシエチレンモノスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルナフチルエーテル、ポリオキシエチレンモノスチリルナフチルエーテル、ポリオキシエチレンジスチリルナフチルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体等が挙げられる。また、これらの界面活性剤のポリオキシエチレンの一部をポリオキシプロピレンに置き換えた界面活性剤やポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の芳香環を有する化合物をホルマリン等で縮合させた界面活性剤も使用できる。
ノニオン系界面活性剤のHLBは12〜19.5の範囲が好ましく、13〜19の範囲がより好ましい。HLBが12以上であれば、界面活性剤の分散媒へのなじみが悪いため分散安定性が悪化するようなことはない。また、HLBが19.5以下であれば、界面活性剤が顔料に吸着しにくくなって分散安定性が悪化するようなことはない。
アニオン系界面活性剤としてはポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンモノスチリルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンモノスチリルフェニルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンモノスチリルフェニルエーテルカルボン酸塩、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルカルボン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、メラニンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、ジアルキルスルホコハク酸エステル塩、スルホコハク酸アルキル二塩、ポリオキシエチレンアルキルスルホコハク酸二塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、N−アシルアミノ酸塩、アシル化ペプチド、石鹸などが挙げられる。
これらのうち、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジスチリルフェニルエーテルの硫酸塩又はリン酸塩が特に好ましい。
界面活性剤系分散剤の添加量は顔料に対して10〜50質量%程度が好ましい。10質量%以上であれば、顔料分散体及びインクの保存安定性が低下したり、分散に極端に時間がかかったりするようなことはない。また、50質量%以下であれば、インクの粘度が高くなりすぎて、吐出安定性が低下するようなこともない。
顔料は、分散剤を用いずに顔料表面に1種類の親水基が直接又は他の原子団を介して結合し表面改質された自己分散性顔料を用いるのが好ましい。該表面改質には、顔料の表面に、ある特定の官能基(スルホン酸基やカルボキシル基などの官能基)を化学的に結合させるか、あるいは、次亜ハロゲン酸又はその塩の少なくとも一方を用いて湿式酸化処理するなどの方法が用いられる。これらの中でも、顔料の表面にカルボキシル基が結合され、水中に分散している形態が特に好ましい。このように顔料が表面改質され、カルボキシル基が結合していると、分散安定性が向上するばかりではなく、高品位な印字品質が得られるとともに、印字後の記録媒体の耐水性がより向上する。
このような自己分散性顔料としては、イオン性を有する自己分散性顔料(例えば、カーボンブラック)が好ましく、特にアニオン性親水基を有しアニオン性に帯電した自己分散性カーボンブラックが好ましい。
前記アニオン性親水基としては、例えば、−COOM、−SOM、−POHM、−PO、−SONH、−SONHCOR(ただし、Mは、アルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを表す。Rは、炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基又は置換基を有していてもよいナフチル基を表す)などが挙げられる。これらの中でも、−COOM、−SOMがカラー顔料表面に結合されたものが好ましい。前記アルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウムなどが挙げられる。前記有機アンモニウムとしては、例えば、モノ乃至トリメチルアンモニウム、モノ乃至トリエチルアンモニウム、モノ乃至トリメタノールアンモニウムが挙げられる。
前記アニオン性に帯電したカラー顔料を得る方法としては、カラー顔料表面に−COONaを導入する方法として、例えば、カラー顔料を次亜塩素酸ソーダで酸化処理する方法、スルホン化による方法、ジアゾニウム塩を反応させる方法が挙げられる。
前記親水基は、他の原子団を介してカーボンブラックの表面に結合されていてもよい。他の原子団としては、例えば、炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基又は置換基を有してもよいナフチル基が挙げられる。前記置換基の具体例としては、例えば、−CCOOM(ただし、Mはアルカリ金属又は第4級アンモニウムを表す)、−PhSOM(ただし、Phはフェニル基を表し、Mはアルカリ金属又は第4級アンモニウムを表す。)などが挙げられる。
上記顔料に加え、ポリマー微粒子に顔料を含有させたポリマーエマルジョンを使用することが好ましい。ポリマー微粒子に顔料を含有させたポリマーエマルジョンとは、ポリマー微粒子中に顔料を封入したもの、又はポリマー微粒子の表面に顔料を吸着させたものである。この場合、全ての顔料が封入又は吸着されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲で該顔料がエマルジョン中に分散にしていてもよい。
ポリマーエマルジョンを形成するポリマー(ポリマー微粒子におけるポリマー)としてはビニル系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、ポリウレタン系ポリマー等が挙げられるが、特に好ましいのはビニル系ポリマー及びポリエステル系ポリマーであり、特開2000−53897号公報、特開2001−139849号公報に開示されているポリマーを使用することができる。
染料としては、カラーインデックスにおいて酸性染料、直接性染料、塩基性染料、反応性染料、食用染料に分類される染料のうち、耐水性や耐光性に優れたものが用いられる。これらの染料は複数種を混合して用いても良いし、必要に応じて顔料などの他の着色剤と混合して用いても良い。但し、他の着色剤は本発明の効果が阻害されない範囲で添加する必要がある。
染料の具体例としては、下記(a)〜(d)に示すようなものが挙げられる。
(a)酸性染料及び食用染料
・C.I.アシッド・イエロー 17,23,42,44,79,142
・C.I.アシッド・レッド 1,8,13,14,18,26,27,35,
37,42,52,82,87,89,92,97,106,111,114,
115,134,186,249,254,289
・C.I.アシッド・ブルー 9,29,45,92,249
・C.I.アシッド・ブラック 1,2,7,24,26,94
・C.I.フード・イエロー 3,4
・C.I.フード・レッド 7,9,14
・C.I.フード・ブラック 1,2
(b)直接染料
・C.I.ダイレクト・イエロー 1,12,24,26,33,44,50,
86,120,132,142,144
・C.I.ダイレクト・レッド 1,4,9,13,17,20,28,31,
39,80,81,83,89,225,227
・C.I.ダイレクト・オレンジ 26,29,62,102
・C.I.ダイレクト・ブルー 1,2,6,15,22,25,71,76,
79,86,87,90,98,163,165,199,202
・C.I.ダイレクト・ブラック 19,22,32,38,51,56,71,
74,75,77,154,168,171
(c)塩基性染料
・C.I.ベーシック・イエロー 1,2,11,13,14,15,19,
21,23,24,25,28,29,32,36,40,41,45,49,
51,53,63,64,65,67,70,73,77,87,91
・C.I.ベーシック・レッド 2,12,13,14,15,18,22,
23,24,27,29,35,36,38,39,46,49,51,52,
54,59,68,69,70,73,78,82,102,104,109,
112
・C.I.ベーシック・ブルー 1,3,5,7,9,21,22,26,35,
41,45,47、54,62,65,66,67,69,75,77,78,
89,92,93,105,117,120,122,124,129,137,
141,147,155
・C.I.ベーシック・ブラック 2,8
(d)反応性染料
・C.I.リアクティブ・ブラック 3,4,7,11,12,17
・C.I.リアクティブ・イエロー 1,5,11,13,14,20,21,
22,25,40,47,51,55,65,67
・C.I.リアクティブ・レッド 1,14,17,25,26,32,37,
44,46,55,60,66,74,79,96,97
・C.I.リアクティブ・ブルー 1,2,7,14,15,23,32,35,
38,41,63,80,95
本発明のインクには、主に画像耐擦過性向上及び着色剤に顔料を用いた場合の保存安定性向上の目的で樹脂エマルジョンを添加することが好ましい。画像耐擦過性の向上には、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂、フッ素樹脂のエマルジョンが好ましく、保存安定性の向上にはポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂のエマルジョンが好ましい。しかし、画像耐擦過性向上と保存安定性向上を同時に達成できる樹脂エマルジョンは少ないため、2種類の樹脂エマルジョンを併用しても良い。これらの樹脂エマルジョンは市販のものを必要に応じて適宜選択して用いることができる。
次に代表的な樹脂エマルジョンについて例示する。
(1)ウレタン樹脂エマルジョン
ウレタン樹脂エマルジョンのウレタン樹脂は、ポリイソシアネートと、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール等を重合させたものである。
前記ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート化合物、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート化合物、トルイレンジイソシアネート、フェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物、これらジイソシアネートの変性物(カルボジイミド、ウレトジオン、ウレトイミン含有変成物など)等が挙げられる。
前記ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。
前記ポリエステルポリオールとしては、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリネオペンチルアジペート、ポリ−3−メチルペンチルアジペート、ポリエチレン/ブチレンアジペート、ポリネオペンチル/ヘキシルアジペート等が挙げられる。
前記ポリラクトンポリオールとしては、ポリカプロラクトンジオール、ポリオメガヒドロキシカプロン酸ポリオール等が挙げられる。
前記ポリカーボネートポリオールとしては、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコールのようなジオールと、ホスゲンと、ジフェニルカーボネートのようなジアリールカーボネート又はエチレンカーボネートやプロピレンカーボネートのような環状カーボネートとの反応から得られる生成物が挙げられる。
(2)アクリル系樹脂エマルジョン
アクリル系樹脂エマルジョンのアクリル系樹脂は、アクリル系単量体を単独で重合させるか、又は他の単量体と共重合させることにより得られる。
アクリル系単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸−n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸−t−ブチル、アクリル酸−n−ペンチル、アクリル酸イソペンチル、アクリル酸ネオペンチル、アクリル酸−3−(メチル)ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ウンデシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸−n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸−n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸−t−ブチル、メタクリル酸−n−ペンチル、メタクリル酸イソペンチル、メタクリル酸ネオペンチル、メタクリル酸−3−(メチル)ブチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ウンデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。
他の単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−クロルスチレン、ジビニルベンゼン等のビニル系芳香族炭化水素、イタコン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸、N−置換マレイミド、無水マレイン酸、ビニルケトン、酢酸ビニル、塩化ビニリデン等が挙げられる。
上記の樹脂エマルジョンは、樹脂にイオン性基を導入することによって一層優れた水分散性を発現する。このようなイオン性基としては、スルホン酸基、カルボン酸基、硫酸基、リン酸基、ホスホン酸基及びホスフィン酸基、又はこれらのアルカリ金属塩基、アルカリ土類金属塩基、アンモニウム塩基、第1級〜第3級アミン基等が挙げられる。中でもカルボン酸アルカリ金属塩基、カルボン酸アンモニウム塩基、スルホン酸アルカリ金属塩基及びスルホン酸アンモニウム塩基が好ましく、特にスルホン酸アルカリ金属塩基及びスルホン酸アンモニウム塩基が水分散安定性の点で好ましい。イオン性基の導入は、樹脂合成時にイオン性基を有する単量体を添加することにより行われる。塩として好ましいのは、Li、K又はNa塩である。
<界面活性剤>
前記界面活性剤(前述した顔料の分散剤に用いる界面活性剤ではなく、インクに直接加える界面活性剤)としては、着色剤の種類や湿潤剤の組み合わせに応じて、分散安定性を損なわず、静的表面張力が低く、浸透性、レベリング性の高いものが好ましく、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤及びシリコーン系界面活性剤から選択される少なくとも1種が好適である。これらの中でも、フッ素系界面活性剤及びシリコーン系界面活性剤が特に好ましい。
これらの界面活性剤は、1種を単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
前記フッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2〜16であるものが好ましく、フッ素置換した炭素数が4〜16であるものがより好ましい。フッ素置換した炭素数が2以上であれば、フッ素の効果が得られるし、16以下であれば、インク保存性などの問題が生じることもない。
フッ素系界面活性剤の例としては、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないので好ましい。
特に下記一般式で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
CFCF(CFCF)m−CHCHO(CHCHO)nH
上記式中、m、nは0以上の整数であり、水溶性を付与するため、mは0〜10が好ましく、nは0〜40が好ましい。
前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルリン酸エステルの塩、などが挙げられる。
前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー、その塩又はその硫酸エステル塩などが挙げられる。
これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)などが挙げられる。
前記フッ素系界面活性剤の具体例としては、下記一般式(2)〜(7)で表わされる化合物が好適に用いられる。
(1)アニオン系フッ素系界面活性剤
Figure 2014051625
上記式中、Rfは、下記構造式で表わされるフッ素含有疎水基の混合物を表わす。Aは、−SOX、−COOX、又は−POX〔但し、Xは対アニオンであり、具体的には、H、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、又はNH(CHCHOH)が挙げられる〕を表わす。
Figure 2014051625
Figure 2014051625
上記式中、Rf′は下記構造式で表わされるフッ素含有基を表わす。Xは、前記一般式(2)のXと同じ意味を表わす。nは1又は2の整数、mは2−nを表わす。
Figure 2014051625
上記式中、nは3〜10の整数を表わす。
Figure 2014051625
上記式中、Rf′は、前記一般式(3)のRf′と、Xは、前記一般式(2)のXと同じ意味を表わす。
Figure 2014051625
上記式中、Rf′は、前記一般式(3)のRf′と、Xは、前記一般式(2)のXと同じ意味を表わす。
(2)ノニオン系フッ素系界面活性剤
Figure 2014051625
上記式中、Rfは、前記一般式(2)のRfと同じ意味を表わす。nは5〜20の整数を表わす。
Figure 2014051625
上記式中、Rf′は、前記一般式(3)のRf′と同じ意味を表わす。nは1〜40の整数を表わす。
前記フッ素系界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。
該市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、大日本インキ化学工業社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR(いずれも、DuPont社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF−151N(オムノバ社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する均染性が著しく向上する点から、DuPont社製のFS−300、ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW及びオムノバ社製のポリフォックスPF−151Nが特に好ましい。
前記シリコーン系界面活性剤としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学株式会社などから容易に入手できる。
前記ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(8)で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物などが挙げられる。
Figure 2014051625
上記式中、m、n、a、及びbは整数を表わす。R及びR′はアルキル基、アルキレン基を表わす。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(信越化学工業社)、EMALEX−SS−5602、SS−1906EX(日本エマルジョン社)、FZ−2105、FZ−2118、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン社)、BYK−33、BYK−387(ビックケミー社)などが挙げられる。
前記アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
前記ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、などが挙げられる。
上記界面活性剤のインク中の含有量は、0.01〜3質量%が好ましく、0.5〜2質量%がより好ましい。含有量が0.01質量%以上であれば界面活性剤の添加効果が十分得られるし、3質量%以下であれば、記録用メディアへの浸透性が必要以上に高くなったり、画像濃度の低下や裏抜けが発生することもない。
<浸透剤>
本発明のインクは、浸透剤として、炭素数8〜11のポリオール化合物又はグリコールエーテル化合物を少なくとも1種を含有することが好ましい。中でも、25℃の水中において0.2〜5.0質量%の溶解度を有するものが好ましく、特に、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール[溶解度:4.2%(25℃)]、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール[溶解度:2.0%(25℃)]が好ましい。
その他のポリオール化合物としては、例えば、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオールなどの脂肪族ジオールが挙げられる。
その他の併用可能な浸透剤としては、インク中に溶解し、所望の物性に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、エタノール等の低級アルコール類、などが挙げられる。
浸透剤のインク中の含有量は、0.1〜4.0質量%が好ましい。含有量が0.1質量%以上であれば、速乾性が得られず滲んだ画像となるようなことはなく、4.0質量%以下であれば、着色剤の分散安定性が損なわれたり、ノズルが目詰まりし易くなったり、また記録用メディアへの浸透性が必要以上に高くなり、画像濃度の低下や裏抜けが発生したりすることもない。
本発明のインクには、上記した材料の他に、pH調整剤、防腐防黴剤、防錆剤、キレート試薬などの従来公知の添加剤を加えることができる。
pH調整剤は、インクをアルカリ性に保つことにより分散状態を安定化し、吐出を安定化する目的で添加する。しかし、pH11以上ではインクジェットのヘッドやインク供給ユニットを溶かし出す量が大きく、ヘッドやユニットの材質によっては、長期間使用した際に、インクの変質や、漏洩、吐出不良等の問題が発生しやすい。顔料の場合には、顔料を分散剤とともに水に混練分散する際にpH調整剤を加える方が、混練分散後、湿潤剤、浸透剤等の添加剤とともに加えるよりも望ましい。これは、pH調整剤によっては添加により分散を破壊する場合もあるためである。
pH調整剤としては、アルコールアミン類、アルカリ金属水酸化物、アンモニウム水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属炭酸塩を一種類以上含むものが好ましい。
アルコールアミン類としては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール等が、アルカリ金属水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が、アンモニウム水酸化物としては、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物等が、ホスホニウム水酸化物としては、第4級ホスホニウム水酸化物が、アルカリ金属炭酸塩としては、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
防腐防黴剤としては、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等が挙げられる。
防錆剤としては、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等が挙げられる。
キレート試薬としては、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等が挙げられる。
本発明のインクは、着色剤、湿潤剤、界面活性剤、及び水、更に必要に応じて浸透剤、水分散性樹脂及びその他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、更に必要に応じて攪拌混合して製造する。分散は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシャイカー、超音波分散機等により行うことができ、攪拌混合は通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行うことができる。
本発明のインクの物性には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、粘度、表面張力等が以下の範囲であることが好ましい。
インクの25℃での粘度は5〜15mPa・sが好ましい。粘度を5mPa・s以上とすることにより、印字濃度や文字品位を向上させる効果が得られる。また15mPa・s以下に抑えることにより、吐出安定性を確保することができる。
ここで、粘度は、例えば、粘度計(RL−500、東機産業社製)を使用して、25℃で測定することができる。
インクの表面張力は、25℃で35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。表面張力が、35mN/m以下であれば、記録用メディア上のインクのレベリングが起こるようなことはなく、乾燥時間の長時間化を招くこともない。
本発明のインクの色には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどが挙げられる。これらの色を2種以上併用したインクセットを使用して記録を行うと、多色画像を形成することができ、全色併用したインクセットを使用して記録を行うと、フルカラー画像を形成することができる。
本発明のインクは、インク流路内のインクを加圧する圧力発生手段として圧電素子を用い、インク流路の壁面を形成する振動板を変形させ、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させるいわゆるピエゾ型のもの(特開平2−51734号公報参照)、発熱抵抗体を用いてインク流路内でインクを加熱して気泡を発生させるいわゆるサーマル型のもの(特開昭61−59911号公報参照)、インク流路の壁面を形成する振動板と電極とを対向配置し、振動板と電極との間に発生させる静電力によって振動板を変形させることにより、インク流路内容積を変化させてインク滴を吐出させる静電型のもの(特開平6−71882号公報参照)などのいずれのインクジェットヘッドを搭載するプリンタにも良好に使用できる。
本発明のインクは、インクジェット用インク、万年筆、ボールペン、マジックペン、サインペンなどの各種分野において好適に使用することができるが、特に、インクジェット記録方式による画像形成装置(プリンタ等)において好適に使用することができる。例えば印字又は印字前後に記録用紙及びインクを50〜200℃で加熱し、印字定着を促進する機能を有するプリンタ等に使用することもできるし、本発明のインクジェット記録装置及び記録物に好適に使用することができる。
<記録用メディア>
本発明のインクが適用される記録用メディアとしては、塗工層を持たない普通紙が好適であり、一般にコピー用紙として用いられているサイズ度10S以上、透気度5〜50Sの普通紙が好ましい。
〔インクカートリッジ〕
本発明のインクカートリッジは、本発明のインクを容器中に収容し、更に必要に応じて適宜選択したその他の部材等を有する。容器としては特に制限はなく、目的に応じてその形状、構造、大きさ、材質等を適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートフィルム、樹脂フィルム等で形成されたインク袋を有するものなどが好適である。
図1は、本発明のインクカートリッジの一例を示す概略図であり、図2は、図1のインクカートリッジの変形例を示す概略図である。
図1に示すように、インクカートリッジ201のインク注入口242からインクがインク袋241内に充填され、排気した後、該インク注入口242は融着により閉じられる。使用時には、ゴム部材からなるインク排出口243に、後述する図3のインクジェット記録装置本体101の針が刺されて、インクが装置本体101に供給される。インク袋241は、透気性のないアルミニウムラミネートフィルム等の包装部材により形成されている。このインク袋241は、図2に示すように、通常、プラスチックス製のカートリッジケース244内に収容され、各種インクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いられるようになっている。本発明のインクカートリッジ201は、後述する本発明のインクジェット記録装置に着脱可能に装着して用いるのが特に好ましい。
〔画像形成方法〕
本発明のインクを用いて画像を形成する際には、インクに刺激(エネルギー)を印加し、該インクを飛翔させて記録用メディアに画像を形成するインク飛翔工程を設ける。画像濃度、裏抜け、にじみ等の画像品質向上のため、前記メディアにインクを付着させる前後の少なくとも一方において、前処理液又は後処理液を塗布する工程を設けても良い。
−インク飛翔工程及びインク飛翔手段−
インク飛翔工程は、インクに刺激(エネルギー)を印加して飛翔させ、記録用メディアに記録を行う工程である。
インク飛翔手段は、インクに刺激(エネルギー)を印加して飛翔させ、記録用メディアに記録を行う手段である。該インク飛翔手段としては特に制限はなく、例えばインク吐出用の各種のノズル、などが挙げられる。
本発明のインクジェット記録装置においては、インクジェットヘッドの液室部、流体抵抗部、振動板、ノズル部材の少なくとも一部がシリコン及びニッケルの少なくとも一方を含む材料から形成されることが好ましい。またインクジェットノズルの直径は、30μm以下が好ましく、1〜20μmがより好ましい。
前記刺激(エネルギー)は、例えば刺激発生手段により発生させることができ、該刺激としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、熱(温度)、圧力、振動及び光などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱、圧力が好適である。
なお、前記刺激発生手段としては、例えば、加熱装置、加圧装置、圧電素子、振動発生装置、超音波発振器、ライト、などが挙げられ、具体的には、例えば、圧電素子等の圧電アクチュエータ、発熱抵抗体等の電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータ等、などが挙げられる。
インクの飛翔の態様には特に制限はなく、前記刺激の種類等に応じて異なるが、例えば、刺激が「熱」の場合、記録ヘッド内のインクに対し、記録信号に対応した熱エネルギーを、例えばサーマルヘッド等を用いて付与し、該熱エネルギーによりインクに気泡を発生させ、該気泡の圧力により、該記録ヘッドのノズル孔からインクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。また、刺激が「圧力」の場合、例えば記録ヘッド内のインク流路内にある圧力室と呼ばれる位置に接着された圧電素子に電圧を印加することにより圧電素子が撓み、圧力室の容積が縮小して、前記記録ヘッドのノズル孔からインクを液滴として吐出噴射させる方法、などが挙げられる。
飛翔させるインクの液滴の大きさは、例えば、3×10−15〜40×10−15(3〜40pL)が好ましく、その吐出噴射の速さは、5〜20m/sが好ましく、その駆動周波数は、1kHz以上が好ましく、その解像度は300dpi以上が好ましい。
なお、前記各手段は制御手段により制御するが、該制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
〔インクジェット記録装置〕
ここで、本発明のインクジェット記録装置について、シリアル型インクジェット記録装置の一例の図面を参照しながら説明する。
図3に示すインクジェット記録装置は、装置本体101と、装置本体101に用紙を装填するための給紙トレイ102と、装置本体101に装填され画像が形成(記録)された用紙をストックするための排紙トレイ103と、インクカートリッジ装填部104とを有する。インクカートリッジ装填部104の上面には、操作キーや表示器などの操作部105が配置されている。インクカートリッジ装填部104は、インクカートリッジ201の脱着を行うための開閉可能な前カバー115を有している。
装置本体101内には、図4及び図5に示すように、左右の側板(不図示)に横架したガイド部材であるガイドロッド131とステー132とでキャリッジ133を主走査方向に摺動自在に保持し、主走査モータ(不図示)によって図5で矢示方向に移動走査する。
キャリッジ133には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個のインクジェット記録用ヘッドからなる記録ヘッド134を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
記録ヘッド134を構成するインクジェット記録用ヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどインクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。
また、キャリッジ133には、記録ヘッド134に各色のインクを供給するための各色のサブタンク135を搭載している。サブタンク135には、インク供給チューブ(不図示)を介して、インクカートリッジ装填部104に装填されたインクカートリッジ201からインクが供給されて補充される。
一方、給紙トレイ102の用紙積載部(圧板)141上に積載した用紙142を給紙するための給紙部として、用紙積載部141から用紙142を1枚ずつ分離給送する半月コロ(給紙コロ143)、及び給紙コロ143に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド144を備え、この分離パッド144は給紙コロ143側に付勢されている。
この給紙部から給紙された用紙142を記録ヘッド134の下方側で搬送するための搬送部として、用紙142を静電吸着して搬送するための搬送ベルト151と、給紙部からガイド145を介して送られる用紙142を搬送ベルト151との間で挟んで搬送するためのカウンタローラ152と、略鉛直上方に送られる用紙142を略90°方向転換させて搬送ベルト151上に倣わせるための搬送ガイド153と、押さえ部材154で搬送ベルト151側に付勢された先端加圧コロ155とが備えられる。また、搬送ベルト151表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ156が備えられている。
搬送ベルト151は無端状ベルトであり、搬送ローラ157とテンションローラ158との間に張架されて、ベルト搬送方向に周回可能である。この搬送ベルト151は、例えば抵抗制御を行っていない厚み40μm程度の樹脂材、例えばテトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(ETFE)で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。搬送ベルト151の裏側には、記録ヘッド134による印写領域に対応してガイド部材161が配置されている。なお、記録ヘッド134で記録された用紙142を排紙するための排紙部として、搬送ベルト151から用紙142を分離するための分離爪171と、排紙ローラ172及び排紙コロ173とが備えられており、排紙ローラ172の下方に排紙トレイ103が配されている。
装置本体101の背面部には、両面給紙ユニット181が着脱自在に装着されている。両面給紙ユニット181は、搬送ベルト151の逆方向回転で戻される用紙142を取り込んで反転させて再度カウンタローラ152と搬送ベルト151との間に給紙する。なお、両面給紙ユニット181の上面には手差し給紙部182が設けられている。
このインクジェット記録装置においては、給紙部から用紙142が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙142は、ガイド145で案内され、搬送ベルト151とカウンタローラ152との間に挟まれて搬送される。更に先端を搬送ガイド153で案内されて先端加圧コロ155で搬送ベルト151に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
このとき、帯電ローラ156によって搬送ベルト157が帯電されており、用紙142は、搬送ベルト151に静電吸着されて搬送される。そこで、キャリッジ133を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド134を駆動することにより、停止している用紙142にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙142を所定量搬送後、次行の記録を行う。記録終了信号又は用紙142の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了して、用紙142を排紙トレイ103に排紙する。
そして、サブタンク135内のインクの残量ニヤエンドが検知されると、インクカートリッジ201から所要量のインクがサブタンク135に補給される。
このインクジェット記録装置では、インクカートリッジ201中のインクを使い切ったときには、インクカートリッジ201における筐体を分解して内部のインク袋241だけを交換することができる。また、インクカートリッジ201は、縦置きで前面装填構成としても、安定したインクの供給を行うことができる。したがって、装置本体101の上方が塞がって設置されているような場合、例えば、ラック内に収納する場合、あるいは装置本体101の上面に物が置かれているような場合でも、インクカートリッジ201の交換を容易に行うことができる。
なお、キャリッジが走査するシリアル型(シャトル型)インクジェット記録装置に適用した例で説明したが、ライン型ヘッドを備えたライン型インクジェット記録装置にも同様に適用することができる。
また、本発明のインクジェット記録装置は、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、インクジェット記録用プリンタ、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機、などに特に好適に適用することができる。
〔記録物〕
本発明の記録物は、記録用メディア上に、本発明のインクを用いて記録された画像を有する。
記録用メディアとしては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、普通紙、光沢紙、汎用印刷紙などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の記録物は、高画質で滲みがなく、経時安定性に優れ、各種の印字乃至画像の記録された資料等として各種用途に好適に使用することができる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、配合量の「部」は全て「質量部」である。
以下に示すようにして、各顔料分散液を調製した。
調製例1(表面処理した自己分散性カーボンブラック顔料分散液)
CTAB比表面積150m/g、DBP吸油量100mL/100gのカーボンブラック90gを、2.5N規定の硫酸ナトリウム溶液3000mLに添加し、温度60℃、速度300rpmで攪拌し、10時間反応させて酸化処理を行った。この反応液を濾過し、濾別したカーボンブラックを水酸化ナトリウム水溶液で中和し、限外濾過を行った。得られたカーボンブラックを水洗して乾燥させ、20質量%となるように純水中に分散させた。
調製例2(表面処理した自己分散性イエロー顔料分散液)
イエロー顔料のC.I.ピグメントイエロー128を低温プラズマ処理しカルボン酸基を導入した顔料を作製した。これをイオン交換水に分散したものを限外濾過膜で脱塩濃縮し、顔料濃度15質量%のイエロー顔料分散液とした。
調製例3(表面処理した自己分散性マゼンタ顔料の調製)
調製例2のイエロー顔料を、マゼンタ顔料のC.I.ピグメントレッド122に変えた点以外は、調製例2と同様にして、顔料濃度15質量%のマゼンタ顔料分散液を得た。
調製例4(表面処理した自己分散性シアン顔料の調製)
調製例2のイエロー顔料を、シアン顔料のC.I.ピグメントシアン15:3に変えた点以外は、調製例2と同様にして、顔料濃度15質量%のシアン顔料分散液を得た。
合成例1(ポリマー分散液の調製)
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管及び滴下ロートを備えた1Lフラスコ内を十分に窒素ガスで置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー(東亜合成社製、商品名:AS−6)4.0g及びメルカプトエタノール0.4gを仕込み、65℃に昇温した。次にスチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー(東亜合成社製、商品名:AS−6)36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスジメチルバレロニトリル2.4g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけてフラスコ内に滴下した。滴下終了後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけてフラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。
反応終了後、フラスコ内に、メチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50質量%のポリマー溶液800gを得た。
調製例5(フタロシアニン顔料含有ポリマー微粒子分散体の調製)
合成例1で作成したポリマー溶液28gとフタロシアニン顔料26g、1mol/Lの水酸化カリウム溶液13.6g、メチルエチルケトン20g、イオン交換水30gを十分に攪拌した後、三本ローロミルを用いて混練した。得られたペーストをイオン交換水200gに投入し、十分に攪拌した後、エバポレーターを用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、シアン色のポリマー微粒子分散体を得た。
調製例6(ジメチルキナクリドン顔料含有ポリマー微粒子分散体の調製)
調製例5のフタロシアニン顔料をピグメントレッド122に変えた点以外は、調製例5と同様にしてマゼンタ色のポリマー微粒子分散体を得た。
調製例7(モノアゾ黄色顔料含有ポリマー微粒子分散体の調製)
調製例5のフタロシアニン顔料をピグメントイエロー74に変えた点以外は、調製例5と同様にして黄色のポリマー微粒子分散体を得た。
調製例8(カーボンブラック顔料含有ポリマー微粒子分散体の調製)
調製例5のフタロシアニン顔料をカーボンブラックに変えた点以外は、調製例5と同様にして黒色のポリマー微粒子分散体を得た。
実施例1〜30、比較例1〜10
表1〜表2の実施例及び比較例の各欄に示す処方の材料を混合して組成物を作製した。次いで、水酸化リチウム10質量%水溶液でpHが9になるように調整した後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過してインクを得た。
なお、各材料欄の数値は質量%である。
Figure 2014051625
Figure 2014051625
上記表中の略号などの意味は下記のとおりである。
・アクリル−シリコーン樹脂エマルジョン:昭和高分子社製、ポリゾールROY6312、固形分40質量%、平均粒子径171nm、最低造膜温度(MFT)=20℃
・ポリウレタン樹脂エマルジョン:DIC社製、ハイドランAPX−101H、固形分45質量%、平均粒子径160nm、最低造膜温度(MFT)=20℃
・ポリイソプロピレングリコール:分子量250、一般式(1)のRが水素原子で、
n=4
・ポリイソプロピレングリコール(2):分子量400、一般式(1)のRが水素原子で、n=7
・ゾニールFS−300:ポリオキシエチレンパーフロロアルキルエーテル(Dupont社製、有効成分40質量%)
・DSN403N:フッ素系界面活性剤(ダイキン工業社製、有効成分98質量%以上)
・メガファックF−444:フッ素系界面活性剤、パーフルオロアルキル基含有エチレンオキサイド付加物(DIC社製、有効成分100質量%)
・Proxel GXL:1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オンを主成分とした防カビ剤(アビシア社製、成分20質量%、ジプロピレングリコール含有)
・KM−72F:自己乳化型シリコーン消泡剤(信越シリコーン社製、成分100質量%)
上記実施例及び比較例の各インクについて特性を測定し評価した。評価結果をまとめて表3に示す。

<粘度>
粘度は、粘度計(RL−500、東機産業社製)を用いて25℃で測定した。

<動的表面張力>
動的表面張力は、動的表面張力計SITA DynoTester(SITA Messtechnik社製)を用い、最大泡圧法により23±3℃の環境で、15msにおける値を測定した。
以下の各特性の測定・評価は、温湿度23℃、50%RHに調整された環境下、インクジェットプリンタ(IPSIO GXe5500、リコー社製)を用い、インクの吐出量が均しくなるようにピエゾ素子の駆動電圧を変動させ、記録用メディアに同じ付着量のインクが付くように設定して行った。記録用メディアには、NBSリコー社製のMyPaper(上質紙):坪量69.6g/m,サイズ度23.2秒,透気度21秒を用いた。
Microsoft Word2000で作成したチャートの各色「四角ベタ」の設定は以下のとおりとした。

〔wordの「四角ベタ」部の色指定〕
RGBカラーモデル
ブラック: 赤(R)0、 緑(G)0、 青(B)0
イエロー: 赤(R)255、緑(G)255、青(B)0
マゼンタ: 赤(R)255、緑(G)0、 青(B)255
シアン : 赤(R)0、 緑(G)0、 青(B)255
<画像濃度>
Microsoft Word2000で作成した64point文字「四角ベタ」の記載のあるチャートを記録用メディアに打ち出し、印字面の「四角ベタ」部をX−Rite938で測色し、下記評価基準により判定した。印字モードはプリンタ添付のドライバで「普通紙−標準はやい」モード、カラーマッチングoffとした。

〔評価基準〕
◎:ブラック:1.25以上、
イエロー:0.80以上、
マゼンタ:1.00以上、
シアン :1.05以上
○:ブラック:1.15以上、1.25未満、
イエロー:0.75以上、0.80未満、
マゼンタ:0.95以上、1.00未満、
シアン :0.95以上、1.05未満
△:ブラック:1.10以上、1.15未満、
イエロー:0.70以上、0.75未満、
マゼンタ:0.90以上、0.95未満、
シアン :0.90以上、0.95未満
×:ブラック:1.10未満、
イエロー:0.70未満、
マゼンタ:0.90未満、
シアン :0.90未満
<オフセット>
画像濃度と同様にチャートを記録用メディアに打ち出し、印字面の40mmの長さの「四角ベタ」部に、印字後5秒以内に、直径40mmのポリエチレン製の円筒状のローラを加重5Nの強さで押し当てながら転がし、円筒状のローラから記録用メディアにインクが再転写した部分をX−Rite938で測色し、下記評価基準により判定した。印字モードはプリンタ添付のドライバで「普通紙−標準きれい」モード、カラーマッチングoffとした。

〔評価基準〕
○:0.1以上、0.15未満
△:0.15以上、0.2未満
×:0.2以上
<定着性>
Microsoft Word2000で作成した3cm×3cmのモノ黒色ベタ画像があるチャートを記録用メディアに打ち出し、温度23±1℃、湿度50±10%で24時間乾燥させ、印字面の「四角ベタ」部をCM−1型クロックメータに両面テープで取り付けたJIS L 0803 綿3号を印字部位に当てるように5往復させた後、綿布へのインク付着汚れをX−Rite938で測定し、綿布の地肌色を差し引いて、汚れ部の濃度を下記評価基準により判定した。

〔評価基準〕
○:0.05以上、0.1未満
△:0.1以上、0.2未満
<カール>
Microsoft Word2000で作成した印刷範囲ぎりぎりに設定した「四角ベタ」チャートを記録用メディアに打ち出し、印字後5秒以内に印字面を裏にして平らな面においたときの記録用メディアの4隅の平らな面からの高さを測定し、下記評価基準により判定した。印字モードはプリンタ添付のドライバで「普通紙―標準はやい」モード、カラーマッチングoffとした。

〔評価基準〕
○:30mm以上、40mm未満
△:40mm以上、50mm未満
×:50mm以上、又は丸まったもの
<コックリング>
Microsoft Word2000で作成した印刷範囲ぎりぎりに設定した「四角ベタ」チャートを記録用メディアに打ち出し、下記評価基準により判定した。印字モードはプリンタ添付のドライバで「普通紙―標準きれい」モード、カラーマッチングoffとした。

〔評価基準〕
◎:印刷物のカールや波打ちが全くみられない。
○:印刷物に若干波打ちがみられるが、カールはほとんどみられない。
△:印刷物全体に波打たような皺が現れ、端部にカールがみられる。
×:印刷物がカールして丸まってしまう。
<吐出安定性>
Microsoft Word2000で作成した一色当りA4サイズ用紙の面積5%をベタ画像で塗りつぶすチャートを連続200枚、MyPaper(NBSリコー社製)に打ち出し、打ち出し後の各ノズルの吐出乱れから評価した。印字モードはプリンタ添付のドライバで、普通紙のユーザー設定より「普通紙−標準速い」モードを「色補正なし」と改変したモードを使用した。

〔評価基準〕
○:吐出乱れなし。
△:若干吐出乱れあり。
×:吐出しないところがある。
<保存性>
各インクを70℃恒温槽内に2週間静置し、恒温槽に静置する前と静置した後の粘度変化率を測定し、下記の基準で評価した。

〔評価基準〕
○:粘度変化率10%未満
△:粘度変化率10%以上、20%未満
Figure 2014051625
101 装置本体
102 給紙トレイ
103 排紙トレイ
104 インクカートリッジ装填部
111 上カバー
112 前面
115 前カバー
131 ガイドロッド
132 ステー
133 キャリッジ
134 記録ヘッド
135 サブタンク
141 用紙積載部
142 用紙
144 分離パッド
151 搬送ベルト
152 再度カウンタローラ
156 帯電ローラ
157 搬送ローラ
158 テンションローラ
171 分離爪
172 排紙ローラ
173 排紙コロ
181 両面給紙ユニット
201 インクカートリッジ
241 インク袋
242 インク注入口
243 インク排出口
244 カートリッジケース
特開2005−297549号公報 特開2012−107210号公報 特開2011−201063号公報

Claims (7)

  1. 少なくとも水、水溶性有機物及び着色剤を含有し、該水溶性有機物が次の要件(A)〜(C)を満足することを特徴とするインクジェット用インク。
    (A)水溶性有機物をインク全体の40〜50質量%含有する。
    (B)水溶性有機物として、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、β−メトキシ−N,N−ジメチルプロピオンアミド、2−ピロリドンから選ばれた少なくとも1種を、インク全体の5〜35質量%含有する。
    (C)水溶性有機物として、下記一般式(1)の化合物をインク全体の10〜40質量%含有する。
    Figure 2014051625
    上記式中、Rは水素原子、又は炭素数1〜3のアルキル基であり、nは2〜7の整数である。
  2. 23℃における15msでの動的表面張力が25〜35mN/mであることを特徴とする請求項1記載のインクジェット用インク。
  3. 前記水溶性有機物として、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソブチルエーテルの少なくとも一方をインク全体の10〜20質量%含有することを特徴とする請求項1又は2記載のインクジェット用インク。
  4. 前記着色剤が自己分散性顔料であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット用インク。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット用インクを容器中に収容したインクカートリッジ。
  6. 請求項5に記載のインクカートリッジを搭載したインクジェット記録装置。
  7. 記録用メディア上に、請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット用インクを用いて形成された画像を有する記録物。
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