JP2010155442A - 前処理液を用いた画像形成方法、前処理液、インクジェット記録用インクとのセット、カートリッジ、インクジェット記録装置、画像形成物 - Google Patents

前処理液を用いた画像形成方法、前処理液、インクジェット記録用インクとのセット、カートリッジ、インクジェット記録装置、画像形成物 Download PDF

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Abstract

【課題】耐スミア性に優れた画像形成方法、これに用いる前処理液、該前処理液とインクジェット記録用インクとのセットなどの提供。
【解決手段】(1)水及びインクジェット記録用インクの凝集剤を含む前処理液を用いて記録媒体表面を前処理した後、水及び顔料を含むインクジェット記録用インクを用いて、該記録媒体表面上に画像を形成する方法であって、前処理液及びインクジェット記録用インクの少なくとも一方に、フルオロエチレン/ビニルエーテル交互共重合体を含む画像形成方法。
(2)水、インクジェット記録用インクの凝集剤及びフルオロエチレン/ビニルエーテル交互共重合体を含む記録媒体の前処理液と、水、顔料及びフルオロエチレン/ビニルエーテル交互共重合体を含むインクジェット記録用インク、とからなる記録媒体の前処理液とインクジェット記録用インクのセット。
【選択図】図1

Description

本発明は、前処理液を用いた画像形成方法、これに用いる前処理液、該前処理液とインクジェット記録用インクとのセット、前記前処理液又はセットを容器中に収容したカートリッジ、該カートリッジを搭載したインクジェット記録装置、該インクジェット記録装置で記録された画像形成物に関する。
従来、クエン酸などの凝集剤を含む前処理液で記録媒体表面を処理した後、結着成分である樹脂を含むインクを用いて記録することにより、記録媒体表面上でインクを凝集させて画像濃度を向上させることが知られている(特許文献1)。
このような前処理液でインクを凝集させる場合、インク中の色材のみを凝集させて記録媒体表面上に留めるのが理想であるが、実際には、色材だけでなくインク中の結着剤樹脂も凝集させてしまうため、樹脂の成膜機能が損なわれてしまう。その結果、記録媒体表面上のインクが粉体状となり、形成された画像の結着力が不足し、画像表面のこすれなどにより簡単に印字画像が欠損する(耐スミア性が低下する)という問題があった。
なお、特許文献2には、フルオロエチレン/ビニルエーテル交互共重合体を含有させたインクが記載されているが、前処理液に関する記載はない。
特開2008−126413号公報 特開2008−050400号公報
本発明は、印字画像のこすれなどによる欠損等が少ない(耐スミア性に優れた)画像形成方法、これに用いる前処理液、該前処理液とインクジェット記録用インクとのセット、前記前処理液又はセットを容器中に収容したカートリッジ、該カートリッジを搭載したインクジェット記録装置、該インクジェット記録装置で記録された画像形成物の提供を目的とする。
上記課題は、次の1)〜11)の発明によって解決される。
1) 水及びインクジェット記録用インクの凝集剤を含む前処理液を用いて記録媒体表面を前処理した後、水及び顔料を含むインクジェット記録用インクを用いて、該記録媒体表面上に画像を形成する方法であって、前処理液及びインクジェット記録用インクの少なくとも一方に、フルオロエチレン/ビニルエーテル交互共重合体を含むことを特徴とする画像形成方法。
2) インクジェット記録用インクが、前処理液により凝集を起こす樹脂を含むことを特徴とする1)に記載の画像形成方法。
3) 前処理液により凝集を起こす樹脂がエーテル型ポリウレタン樹脂であることを特徴とする2)に記載の画像形成方法。
4) 水、インクジェット記録用インクの凝集剤及びフルオロエチレン/ビニルエーテル交互共重合体を含むことを特徴とする記録媒体の前処理液。
5) 水、インクジェット記録用インクの凝集剤及びフルオロエチレン/ビニルエーテル交互共重合体を含む記録媒体の前処理液と、水、顔料及びフルオロエチレン/ビニルエーテル交互共重合体を含むインクジェット記録用インクと、からなることを特徴とする記録媒体の前処理液とインクジェット記録用インクのセット。
6) インクジェット記録用インクが、前処理液により凝集を起こす樹脂を含むことを特徴とする5)に記載の記録媒体の前処理液とインクジェット記録用インクのセット。
7) 前処理液により凝集を起こす樹脂がエーテル型ポリウレタン樹脂であることを特徴とする6)に記載の記録媒体の前処理液とインクジェット記録用インクのセット。
8) 4)に記載の記録媒体の前処理液を容器中に収容したことを特徴とするカートリッジ。
9) 5)〜7)のいずれかに記載の、記録媒体の前処理液とインクジェット記録用インクのセットを構成する記録媒体の前処理液及びインクジェット記録用インクを容器中に収容したことを特徴とするカートリッジ。
10) 8)又は9)に記載のカートリッジを搭載したインクジェット記録装置。
11) 10)に記載のインクジェット記録装置で印字された画像形成物。
以下、上記本発明について詳しく説明する。
本発明の画像形成方法は、水及びインクジェット記録用インク(以下、単に「インク」ともいう)の凝集剤を含む前処理液を用いて記録媒体表面を前処理した後、水及び顔料を含むインクジェット記録用インクを用いて、該記録媒体表面上に画像を形成するに際し、前処理液及びインクジェット記録用インクの少なくとも一方に、フルオロエチレン/ビニルエーテル交互共重合体(以下、交互共重合体Aという)を含むことを特徴とする。
前述したように、従来は凝集剤を含む前処理液を用いてインクを凝集させると耐スミア性が低下するという問題があった。これに対し、本発明で用いる交互共重合体Aは凝集剤に対して非常に安定であるため、耐スミア性の低下を防止できる。
交互共重合体Aが凝集剤に対して安定である理由は定かでないが、交互共重合体Aは極性を有するビニルエーテル部位(水への分散安定性を持たせる部位)が、非極性部位であるフルオロエチレンに交互に挟まれているため、極性を有する部分が凝集剤のイオンと接触しにくいことが原因ではないかと考えられる。これに対し、フルオロエチレン/ビニルエステル樹脂やフッ素化アルキル樹脂などの他のフッ素樹脂の場合には、交互構造がないか又は不十分であり、極性を有する部分が凝集剤のイオンと接触しやすいため凝集しやすいのではないかと考えられる。
交互共重合体Aは、フルオロエチレンと炭化水素系ビニルエーテルとのラジカル重合で得られる共重合体であり、フルオロエチレン単位とビニルエーテル単位が交互に重合しているものである。
フルオロエチレン単位としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、−CFCF−、−CFCF(CF)−、−CFCFCl−などが挙げられる。
ビニルエーテル単位にも特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、下記構造式で表されるものなどが挙げられる。
Figure 2010155442
交互共重合体Aの市販品としては、旭硝子社製のルミフロンFE4300、FE4500、FE4400などが挙げられる
交互共重合体Aのインク中の添加量は、0.05〜30重量%程度、好ましくは0.5〜20重量%、更に好ましくは1〜10重量%である。
なお、交互共重合体Aは水系樹脂であり、インク中に分散させたもの(樹脂エマルジョン)を用いてもよく、インクに可溶なものを用いてもよい。
また、交互共重合体Aと、凝集剤により凝集する他の樹脂とを併用し、他の樹脂の凝集を利用して、記録媒体へ顔料を結着させれば、更に画像濃度を向上させることができる。他の樹脂も水系樹脂であり、インク中に分散させたもの(樹脂エマルジョン)を用いてもよく、インクに可溶なものを用いてもよい。
他の樹脂としては、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、珪素樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂(スチレンブタジエン樹脂やスチレンアクリル樹脂)、ポリビニルエステル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、不飽和カルボン酸系樹脂などが挙げられる。更に、セルロース類、ロジン類、天然ゴムなどの天然高分子化合物を用いてもよい。また、これらの樹脂のモノマーからなるホモポリマーだけでなく、複数種のモノマーからなるコポリマーを用いてもよい。また、エマルジョンの種類としては、単相構造型、コアシェル型、パワーフィード型のいずれも使用できる。
上記樹脂は、平均粒子径D50が500nm以下であれば、インクジェットノズルに詰まりにくいため好ましい。
上記樹脂の中でも、ポリウレタン樹脂が好ましく、特に水分散性のポリウレタン樹脂が好ましい。水分散性のポリウレタン樹脂としては、ポリウレタン骨格の主鎖中に、水に安定に分散させるために必要な親水成分を導入したものや、外部乳化剤で分散することにより得られるポリウレタン樹脂の水分散体が一般的であるが、主鎖中に親水成分を導入した自己分散タイプ(自己乳化型)のものがより好ましい。
自己乳化型のポリウレタン樹脂は、ジイソシアネート化合物と、ポリエーテルジオール類、ポリエステルジオール類、ポリカーボネートジオール類などのジオール化合物と、カルボン酸基、スルホン酸基などの酸基含有ジオール化合物とを反応させて得られ、エステル型ポリウレタン樹脂、エーテル型ポリウレタン樹脂、カーボネート型ポリウレタン樹脂などがある。中でも、凝集性が高く画像濃度向上効果が高いことから、エーテル型ポリウレタン樹脂が好ましく、特にアニオン性で自己乳化型のエーテル型ポリウレタン樹脂が好ましい。
上記ジイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート化合物、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネート化合物、キシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート化合物、トルイレンジイソシアネート、フェニルメタンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート化合物、これらジイソシアネートの変性物(カルボジイミド、ウレトジオン、ウレトイミン含有変成物など)等が挙げられる。
上記ジオール化合物としては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール等のポリエーテルジオール、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリネオペンチルアジペート、ポリ−3−メチルペンチルアジペート、ポリエチレン/ブチレンアジペート、ポリネオペンチル/ヘキシルアジペート等のポリエステルジオール、ポリカプロラクトンジオール等のポリラクトンジオール、ポリカーボネートジオールが挙げられる。インクの保存安定性の観点からは、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系のジオール化合物が好ましく、更にポリエーテル系又はポリカーボネート系が好ましく、更に好ましくはポリエーテル系が好ましい。
上記酸基含有ジオール化合物としては、例えば、ジメチロール酢酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸などが挙げられる。特にジメチロールブタン酸が好ましい。
ポリウレタン樹脂の酸価は、50〜100KOHmg/gが好ましい。更に、この範囲のエーテル型ポリウレタン樹脂は画像濃度向上効果が一層優れているので好ましい。
また、ポリウレタン樹脂の重量平均分子量は、吐出安定性の観点から30000以下、特に20000以下が好ましい。分子量が大きくなると粘度が高くなり吐出し難くなる。一方、10000以下では凝集剤によるポリウレタン樹脂の凝集効果が小さくなる傾向にある。
ポリウレタン樹脂の市販品としては、三井化学社製のタケッラクW5661、W5024、W−615、W−6010、W−6020、W−6061、W−511等のWシリーズ、WS−6021、WS−5000、WS−5100、WS−4000等のWSシリーズ、大日本インキ社製のハイドランHWシリーズ、APシリーズ、VONDICシリーズなどが挙げられる。
本発明の前処理液はインクの凝集剤を含む。ここで、インクの凝集剤とは、インク中の顔料分散体/樹脂などの分散状態を破壊し凝集させうるものを言う。
凝集剤としては、水溶性金属塩、長鎖アルキルイソシアネート変成ポリエチレンイミン、酸などが挙げられる。
水溶性金属塩は、水に溶解してイオン状態になり、顔料分散体の表面電荷を破壊して凝集させる働きがある。水溶性金属塩を構成する陰イオンとしては、クエン酸、酒石酸、酢酸、乳酸、シュウ酸、フマル酸、サリチル酸、安息香酸等の有機酸イオンやCl、NO、I、Br、ClO等の無機イオンが挙げられ、陽イオンとしては、Li、Na、K等のアルカリ金属イオン、Ca、Cu、Ni、Mg、Zn、Ba等の2価金属イオン、Al、Fe、Cr等の3価金属イオンが挙げられる。
特にCaやMgの塩は凝集効果が大きく、CaClやMgClが好ましい。
長鎖アルキルイソシアネート変成ポリエチレンイミンは、ポリアルキルイミンに長鎖アルキルイソシアネートをグラフトさせたもので、アルキル基の長さは、耐スミア性向上の点からC6〜C30が好ましく、より好ましくはC10〜C20、更に好ましくはC12〜C20である。C6以上であれば画像濃度が向上する傾向にある。
長鎖アルキルイソシアネートの例としては、ヘキシルイソシアネート、ヘプチルイソシアネート、オクチルイソシアネート、デシルイソシアネート、ウンデシルイソシアネート、ドデシルイソシアネート、トリデシルイソシアネート、ペンタデシルイソシアネート、ヘキサデシルイソシアネート、ヘプタデシルイソシアネート、オクタデシルイソシアネート、ドコサニルイソシアネート、ノナデシルイソシアネート、エイコシルイソシアネートが挙げられる。特にC18のオクタデシルイソシアネートを用いた場合には、最も高画像濃度で耐スミア性に優れる。市販品としては、日本触媒社製RP−18Wが挙げられる。
酸としては、クエン酸、酒石酸、酢酸、乳酸、シュウ酸、フマル酸、サリチル酸、安息香酸等の有機酸や硫酸アルミニウム等の無機酸が挙げられるが、中でも乳酸が好ましい。
更に、前処理液に交互共重合体Aを含むと、インク中の樹脂の浸透性を極力抑えると共に、前処理により形成された前処理層の記録媒体表面への結着力を上げ、かつ前処理層とその上に形成される画像との接着力も上げることができ、画像濃度を向上させることができる。
交互共重合体Aの前処理液中の添加量は、凝集剤100重量部に対し、1〜500重量部、好ましくは10〜100重量部である。
前処理液には必要に応じて、湿潤剤、界面活性剤、浸透剤、pH調整剤、防腐防黴剤、キレート試薬、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤等の各種添加剤を配合することができる。これらの添加剤は顔料分散体やインクの添加剤と共通しているので、詳細については後述する。
前処理液による記録媒体表面の処理方法は、インクジェット方式、スプレー、ロールコート、ワイヤ−バーなどの公知の方法を利用できる。
本発明のインクは色材として顔料を含有する。光による退色や水系インクの面から顔料を用いる。
黒色顔料としてはカーボンブラックが好ましい。その例としてはケッチェンブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ガスブラック等が挙げられる。また、カーボンブラック表面を酸化処理やアルカリ処理したものも好ましい。樹脂で被覆したり、グラフト処理やカプセル化処理したカーボンブラックも使用可能である。
マゼンタ顔料としては、ピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、123、168、184、202、ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
シアン顔料としては、ピグメントブルー1、2、3、15、15:3、15:4、16、22、60、バットブルー4、60等が挙げられる。
イエロー顔料としては、ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、114、120、128、129、138、150、151、154、155、180等が挙げられる。
なお、イエロー顔料としてピグメントイエロー74、マゼンタ顔料としてピグメントレッド122、ピグメントバイオレット19、シアン顔料としてピグメントブルー15を用いることにより、色調、耐光性が優れ、バランスの取れたインクを得ることができる。
顔料分散体中、或いは顔料インク中における顔料濃度は、それぞれ0.1〜50重量%が好ましく、0.1〜30重量%が特に好ましい。
表面加工した顔料(例えば、官能基を付けた顔料、樹脂でコーティングした顔料)を用いて、界面活性剤によらずに顔料を分散させてもよいが、界面活性剤で顔料を分散させた方が画像濃度向上に有利である。これは、前処理液に含まれる凝集剤によりイオン性が損なわれた界面活性剤が顔料から簡単に離脱することで顔料が凝集するためと考えられる。
顔料を分散させるための分散剤としては、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等の種々の界面活性剤を使用することができる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリルスルホン塩酸、ジエチルスルホ琥珀酸塩及びジエチルヘキシルスルホ琥珀酸ジオクチルスルホ琥珀酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、2−ビニルピリジン誘導体、ポリ−4−ビニルピリジン誘導体等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン及びその他イミダゾリン誘導体等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、次のようなものが挙げられる。
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリオキシアリルキルアルキルエーテル等のエーテル系;
ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート及びポリオキシエチレンステアレート等のエステル系;
2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール及び3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレングリコール系
顔料がカーボンブラックの場合には、アニオン界面活性剤のナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物が最も好ましい。特に顔料固形分が20重量%以上の場合には、他の分散剤と比較してその効果は顕著である。
またカーボンブラックとしては、BET表面積100〜400m/gで、一次粒子径10〜30nmのものが、印字画像の濃度が高く安定しており特に好ましい。
分散剤の添加量は顔料の種類により適宜選択する必要があるが、顔料1重量部に対し、0.005〜5重量部が好ましい。顔料がカーボンブラックの場合には、顔料1重量部に対し0.01〜2重量部でも実用上問題のない均一な分散が得られるが、最も好ましいのは顔料1重量部に対し0.02〜0.5重量部である。0.01〜2重量部の範囲であると、顔料の分散性が向上すると共に顔料分散体やインクの経時安定性が向上する傾向にある。特に0.02〜0.5重量部の範囲では、顔料分散体及びインクの経時安定性が最も向上する。
顔料分散体の分散媒としては水を含むことが望ましいが、必要に応じて各種有機溶媒を併用してもよい。例えば、水溶性有機溶媒としてメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、N−メチルピロリドン、2−ピロリドン等のピロリドン誘導体、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンなどが挙げられる。
顔料分散体やインクには、湿潤剤、界面活性剤、浸透剤、pH調整剤、防腐防黴剤、キレート試薬、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤等の各種添加剤を配合することができる。
湿潤剤の例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、その他の湿潤剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
多価アルコール類としては、例えば、グリセリン、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、エチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセロール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール、などが挙げられる。
多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、などが挙げられる。
多価アルコールアリールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、などが挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミイダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン、などが挙げられる。
アミド類としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、などが挙げられる。
アミン類としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、などが挙げられる。
含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール、などが挙げられる。
その他の湿潤剤としては糖類が好ましい。糖類の例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類、四糖類を含む)、多糖類、などが挙げられる。具体的には、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース、などが挙げられる。ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖〔例えば、一般式:HOCH(CHOH)nCHOH(n=2〜5の整数)で表わされる糖アルコールなど〕、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ酸などが挙げられる。これらの中でも、糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビットなどが挙げられる。
上記湿潤剤の中でも、保存安定性、吐出安定性の点から、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンが特に好ましい。
顔料と湿潤剤との配合比は、ヘッドからのインク吐出安定性に非常に影響がある。顔料固形分が多いのに湿潤剤の配合量が少ないと、ノズルのインクメニスカス付近の水分蒸発が進み、吐出不良をもたらすことがある。
インク中の湿潤剤の含有量は20〜35重量%程度であるが、22.5〜32.5重量%がより好ましい。この範囲であれば、インクの乾燥性、保存試験、信頼性試験などの結果が非常に良好である。含有量が20重量%未満では、ノズル面上でインクが乾燥し易くなって吐出不良が生じることがあり、35重量%を超えると、紙面上での乾燥性に劣るため普通紙上の文字品位が低下することがある。
前記界面活性剤としては、顔料の種類や湿潤剤との組み合わせに応じて、分散安定性を損なわず、表面張力が低く、レベリング性の高いものを用いる。例えばフッ素系界面活性剤やシリコーン系界面活性剤が挙げられるが、フッ素系界面活性剤が好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、フッ素が置換した炭素数が2〜16のものが好ましく、4〜16のものがより好ましい。フッ素置換炭素数が2未満では、フッ素の効果が得られないことがあり、16を超えると、インク保存性などの問題が生じることがある。
フッ素系界面活性剤の例としては、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物、などが挙げられる。これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少なく、特に好ましい。
パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、などが挙げられる。
パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、などが挙げられる。
パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルリン酸エステルの塩、などが挙げられる。
パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩、などが挙げられる。
これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)などが挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、適宜合成したものを用いても、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えばDuPont社製のFS−300、ネオス社製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW、オムノバ社製のPF−151Nなどが挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
シリコーン系界面活性剤としては、適宜合成したものを用いても市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー社、信越シリコーン社、東レ・ダウコーニング・シリコーン社などから容易に入手できる。
界面活性剤のインク中の含有量は、0.01〜3.0重量%が好ましく、0.5〜2重量%がより好ましい。含有量が0.01重量%未満では、界面活性剤を添加した効果が無くなることがあり、3.0重量%を超えると、記録媒体への浸透性が必要以上に高くなり、画像濃度の低下や裏抜けが発生することがある。
前記浸透剤としては、20℃の水に対する溶解度が0.2〜5.0重量%のポリオール化合物の少なくとも1種を含有することが好ましい。このようなポリオール化合物としては、例えば、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールなどの脂肪族ジオールが挙げられる。
これらの中でも、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールが特に好ましい。
その他の併用できる浸透剤としては、インク中に溶解し、所望の物性に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、エタノール等の低級アルコール類などが挙げられる。
浸透剤のインク中の含有量は、0.1〜4.0重量%が好ましい。含有量が0.1重量%未満では、速乾性が得られず滲んだ画像となることがあり、4.0重量%を超えると着色剤の分散安定性が損なわれ、ノズルが目詰まりしやすくなったり、また記録媒体への浸透性が必要以上に高くなり、画像濃度の低下や裏抜けが発生することがある。
前記pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさずにpHを7〜11に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルコールアミン類、アルカリ金属水酸化物、アンモニウム水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、などが挙げられる。pHが7未満又は11を超えると、インクジェットのヘッドやインク供給ユニットを溶かし出す量が大きくなり、インクの変質や漏洩、吐出不良などの不具合が生じることがある。
アルコールアミン類としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3プロパンジオール等が挙げられる。
アルカリ金属元素の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
アンモニウムの水酸化物としては、例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物などが挙げられる。
アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
前記防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、等が挙げられる。
前記キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等が挙げられる。
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等が挙げられる。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、りん系酸化防止剤、などが挙げられる。
フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)としては、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−2,4,8,10−テトライキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−(3′,5′−ジ−tert−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、などが挙げられる。
アミン系酸化防止剤としては、例えば、フェニル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、N,N′−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチル−フェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ジヒドロキフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、などが挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル−3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル−β,β′−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ジラウリルサルファイドなどが挙げられる。
前記リン系酸化防止剤としては、トリフェニルフォスファイト、オクタデシルフォスファイト、トリイソデシルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト、トリノニルフェニルフォスファイトなどが挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤などが挙げられる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2′−ヒドロキシ−5′−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
サリチレート系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサリチレート、p−tert−ブチルフェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレートなどが挙げられる。
前記シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、エチル−2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、ブチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレートなどが挙げられる。
ニッケル錯塩系紫外線吸収剤としては、例えば、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、2,2′−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−n−ブチルアミンニッケル(II)、2,2′−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、2,2′−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)トリエタノールアミンニッケル(II)などが挙げられる。
本発明で用いる顔料を含むインクジェット記録用インクは、公知の方法、例えば顔料分散体、水、水溶性有機溶剤、界面活性剤等を、サンドミル、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、ナノマイザー、ホモジナイザー、超音波分散機等を用いて攪拌混合し、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、必要に応じて脱気することによって得られる。
インク中の顔料の濃度はインク全量に対して1〜20重量%が好ましい。1重量%未満では画像濃度が低いため印字の鮮明さに欠け、20重量%より多いとインクの粘度が高くなる傾向があるばかりでなく、ノズルの目詰まりが発生しやすくなる。
水溶性有機溶剤の含有量は、インク全量に対して50重量%以下、好ましくは5〜40重量%、更に好ましくは10〜35重量%である。
また、インクには顔料分散体への添加剤で説明した材料と同様の添加剤を必要に応じて配合することが出来る。
上記前処理液やインクジェット記録用インクは、それぞれ別個の容器に収容しカートリッジとして用いることが出来る。
また、本発明の前処理液とインクジェット記録用インクを同一の容器にそれぞれ収容してカートリッジとしてもよい。
そして、これらのカートリッジを搭載したインクジェット記録装置を用いて記録媒体(例えば印刷用紙)に印字し、画像形成物を得ることができる。
印字する方法としては連続噴射型やオンデマンド型があり、オンデマンド型としては、ピエゾ方式、サーマル方式、静電方式等が挙げられる。
本発明の画像形成方法、及びそれを実施するインクジェット記録装置の一例について、図面を用いて説明する。
図1のインクジェット記録装置(1)は、前処理液及びインクを収納したカートリッジ(20)が搭載され、このカートリッジ(20)から前処理液及びインクが、キャリッジ(18)に搭載された記録ヘッド(インクジェットヘッド)に供給される。ここで、カートリッジ(20)は前処理液用と色毎のインク用が分離された状態で取り付けられている。
記録ヘッドは、主走査モータ(26)の駆動により、キャリッジ(18)を介して主走査方向に移動する。すなわち、主走査モータ(26)が駆動すると、タイミングベルト(23)が走行し、タイミングベルト(23)に固定されたキャリッジ(18)がガイドシャフト(21)(22)にガイドされて移動する。一方、記録媒体は、副走査モータ(17)の駆動により、副走査方向に間欠的に送られる。このようにして記録ヘッドの主走査及び記録媒体の副走査を行いながら、記録媒体に対し、記録ヘッドから前処理液を吐出した後、記録ヘッドからインクを吐出することで、記録媒体表面上に画像を形成する。
記録ヘッドは、前処理液を吐出するノズル列と、各色のインク(例えば、イエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインク)を吐出する色別複数のノズル列とを有している。ノズル列の配置は任意であるが、例えば、前処理液を吐出するノズル列と、各色のインクを吐出する複数のノズル列とが副走査方向に並ぶようにすると共に、各色のインクを吐出する複数のノズル列が相互に主走査方向に並ぶように配置する。また、各色のインクを吐出する複数のノズル列が相互に主走査方向に並ぶようにすると共に、その主走査方向の前後に位置するように、前処理液を吐出するノズル列を配置してもよい。
後者の配置の場合、前処理液の吐出ノズルが主走査方向の前後に設けられているため、記録ヘッドがキャリッジ上を往復する往路、復路いずれにおいても印字が可能である。すなわち、往路、復路のいずれにおいても前処理液を先に付着させて、その上からインクを付着させること、あるいは、その逆が可能であり、記録ヘッドの移動方向の違いによる画像濃度差が生じない。
上記インクジェット記録装置は、カートリッジを取り替えることにより前処理液とインクの補充が可能である。また、このカートリッジは記録ヘッドと一体化されたものであってもよい。
インクと前処理液とは、記録ヘッドから同一箇所に重ねて吐出されることが最も好ましい。しかし、本発明では、例えば、前処理液を間引いて付与し、滲み等によって拡大した前処理液の上にインクを重ねたり、画像の輪郭部だけに前処理液を付与し、その上にインクの一部を重ねても十分効果が得られる。
本発明によれば、印字画像のこすれなどによる欠損等が少ない(耐スミア性に優れた)画像形成方法、これに用いる前処理液、該前処理液とインクジェット記録用インクとのセット、前記前処理液又はセットを容器中に収容したカートリッジ、該カートリッジを搭載したインクジェット記録装置、該インクジェット記録装置で記録された画像形成物を提供できる。
インクジェット記録装置の一例を示すである。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例及び比較例では、顔料分散体を作成し、これを用いてインクを作成した。また、それぞれ前処理液を作成した。なお、例中の「部」及び「%」は重量基準である。
実施例1
<顔料分散体1の作成>
下記処方の材料をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製KDL型バッチ式)により、0.3mmジルコニアビーズを用いて周速10m/s、液温10℃で5分間分散した。次いで、遠心分離機(久保田商事社製Model−3600)により粗大粒子を分離し、平均粒子径約120nm、標準偏差51.2nmのカーボンブラック顔料分散体1を得た。
(顔料分散体処方)
・カーボンブラック(degussa社製:ガスブラック、NIPEX150−IQ)
20部
・ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物Na塩(10%水溶液) 30部
・蒸留水 50部

<インク1の作成>
下記処方の材料を30分間混合攪拌し、インク1を作成した。
(インク処方)
・顔料分散体1(顔料濃度20%) 40.0部
・グリセリン 5.5部
・1,3−ブタンジオール 16.5部
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0部
・フッ素系界面活性剤(固形分40%) 2.5部
(DuPont社製:Zonyl FS−300)
・フルオロエチレン/ビニルエーテル交互共重合体(固形分50%) 6.0部
(旭硝子社製:ルミフロンFE4300、平均粒子径150nm、
MFT30℃以下)
・蒸留水 27.5部

<前処理液1の作成>
下記処方の材料を混合攪拌し、前処理液1を作成した。
(前処理液処方)
・塩化カルシウム水溶液(濃度20%) 40.0部
・グリセリン 5.5部
・1,3−ブタンジオール 16.5部
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0部
・フッ素系界面活性剤(固形分40%) 2.5部
(DuPont社製、Zonyl FS−300)
・フルオロエチレン/ビニルエーテル交互共重合体(固形分50%) 3.0部
(旭硝子社製、ルミフロンFE4300:平均粒子径150nm、
MFT30℃以下)
・蒸留水 30.5部
実施例2
<前処理液2の作成>
実施例1の前処理液1における塩化カルシウム水溶液を、オクタデシルイソシアネート変成ポリエチレンイミン(日本触媒社製:RP−18W、固形分18%)44.0部に変え、蒸留水を26.5部に変えた点以外は、実施例1と同様にして前処理液2を作成した。
なお、実施例1で作成したインク1をインク2として用いた。
実施例3
<前処理液3の作成>
実施例1の前処理液1における塩化カルシウム水溶液を、乳酸水溶液(固形分30%)に変えた点以外は、実施例1と同様にして前処理液3を作成した。
なお、実施例1で作成したインク1をインク3として用いた。
実施例4
<インク4の作成>
下記処方の材料を30分間混合攪拌し、インク4を作成した。
(インク処方)
・顔料分散体1(顔料濃度20%) 40.0部
・グリセリン 5.5部
・1,3−ブタンジオール 16.5部
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0部
・フッ素系界面活性剤(固形分40%) 2.5部
(DuPont社製:Zonyl FS−300)
・フルオロエチレン/ビニルエーテル交互共重合体(固形分50%) 6.0部
(旭硝子社製:ルミフロンFE4300、平均粒子径150nm、
MFT30℃以下)
・蒸留水 24.8部
・アクリルシリコーン樹脂(固形分37%) 2.7部
(昭和高分子社製:ポリゾール6312)
なお、実施例1で作成した前処理液1を前処理液4として用いた。
実施例5
<インク5の作成>
実施例4のインク4におけるアクリルシリコーン樹脂を、スチレン−ブタジエン樹脂(日本A&L社製:SR−113、固形分48%)2.0部に変え、蒸留水を25.5部に変えた点以外は、実施例4と同様にしてインク5を作成した。
なお、実施例1で作成した前処理液1を前処理液5として用いた。
実施例6
<インク6の作成>
実施例4のインク4におけるアクリルシリコーン樹脂を、スチレン−アクリル樹脂(星光PMC社製:T−YP198、固形分20%)5.0部に変え、蒸留水を22.5部に変えた点以外は、実施例4と同様にしてインク6を作成した。
なお、実施例1で作成した前処理液1を前処理液6として用いた。
実施例7
<インク7の作成>
実施例4のインク4におけるアクリルシリコーン樹脂を、α−オレフィン−無水マレイン酸樹脂(星光PMC社製:T−YP115、固形分23%)4.4部に変え、蒸留水を23.1部に変えた点以外は、実施例4と同様にしてインク7を作成した。
なお、実施例1で作成した前処理液1を前処理液7として用いた。
実施例8
<インク8の作成>
実施例4のインク4におけるアクリルシリコーン樹脂を、エステル型ポリウレタン樹脂(大日本インキ社製:APX−101H、固形分45%)2.2部に変え、蒸留水を25.3部に変えた点以外は、実施例4と同様にしてインク8を作成した。
なお、実施例1で作成した前処理液1を前処理液8として用いた。
実施例9
<インク9の作成>
実施例4のインク4におけるアクリルシリコーン樹脂を、カーボネート型ポリウレタン樹脂(大日精化社製:D−6300、固形分30%)3.3部に変え、蒸留水を24.2部に変えた点以外は、実施例4と同様にしてインク9を作成した。
なお、実施例1で作成した前処理液1を前処理液9として用いた。
実施例10
<エーテル型ポリウレタン樹脂1の作成>
温度計、窒素ガス導入管、撹拌装置及び還流冷却管を備えた四つ口フラスコに下記処方の原料を入れ、80℃で3時間反応させた後、ジブチル錫ジラウレート0.01部を加えて更に80℃で5時間反応させた。
反応混合物を放冷した後、エチレンジアミン1部を加えて1時間反応させ、酸価が70KOHmg/mg、数平均分子量が15,000のエーテル型ポリウレタン樹脂1の溶液を得た。その後、蒸留水で固形分20%になるように調整した。
(原料処方)
・メチルエチルケトン 90部
・ジメチロールプロピオン酸 13部
・ポリラクトンジオール 52部
・イソホロンジイソシアネート 35部

<インク10の作成>
実施例4のインク4におけるアクリルシリコーン樹脂を、上記エーテル型ポリウレタン樹脂1(固形分20%)5部に変え、蒸留水を22.5部に変えた点以外は、実施例4と同様にしてインク10を作成した。
なお、実施例1で作成した前処理液1を前処理液10として用いた。
実施例11
<インク11の作成>
実施例10のエーテル型ポリウレタン樹脂1における原料の比率を調整し、酸価80KOHmg/mgのエーテル型ポリウレタン樹脂2を作成して用いた点以外は、実施例10と同様にしてインク11を作成した。
なお、実施例1で作成した前処理液1を前処理液11として用いた。
実施例12
<インク12の作成>
実施例10のエーテル型ポリウレタン樹脂1における原料の比率を調整し、酸価90KOHmg/mgのエーテル型ポリウレタン樹脂3を作成して用いた点以外は、実施例10と同様にしてインク12を作成した。
なお、実施例1で作成した前処理液1を前処理液12として用いた。
実施例13
<インク13の作成>
実施例10のエーテル型ポリウレタン樹脂1における原料の比率を調整し、酸価100KOHmg/mgのエーテル型ポリウレタン樹脂4を作成して用いた点以外は、実施例10と同様にしてインク13を作成した。
なお、実施例1で作成した前処理液1を前処理液13として用いた。
実施例14
<インク14の作成>
実施例10のエーテル型ポリウレタン樹脂1における原料の比率を調整し、酸価40KOHmg/mgのエーテル型ポリウレタン樹脂5を作成して用いた点以外は、実施例10と同様にしてインク14を作成した。
なお、実施例1で作成した前処理液1を前処理液14として用いた。
実施例15
<インク15の作成>
実施例10のエーテル型ポリウレタン樹脂1における原料の比率を調整し、酸価50KOHmg/mgのエーテル型ポリウレタン樹脂6を作成して用いた点以外は、実施例10と同様にしてインク15を作成した。
なお、実施例1で作成した前処理液1を前処理液15として用いた。
実施例16
<インク16の作成>
実施例1のインク1における顔料分散体1を、顔料分散体2(カルボキシル基グラフト処理カーボンブラック分散体、キャボット社製:CAB−O−JET300、固形分15%)53.3部に変え、蒸留水を14.2部に変えた点以外は、実施例1と同様にしてインク16を作成した。
なお、実施例1で作成した前処理液1を前処理液16として用いた。
実施例17
<前処理液17の作成>
実施例1の前処理液1においてフルオロエチレン/ビニルエーテル交互共重合体を添加せず、蒸留水を33.5部に変えた点以外は、実施例1と同様にして前処理液17を作成した。
なお、実施例1で作成したインク1をインク17として用いた。
実施例18
<インク18の作成>
実施例1のインク1においてフルオロエチレン/ビニルエーテル交互共重合体を添加せず、蒸留水を33.5部に変えた点以外は、実施例1と同様にしてインク18を作成した。
なお、実施例1で作成した前処理液1を前処理液18として用いた。
実施例19
<前処理液19の作成>
実施例1の前処理液1における塩化カルシウム水溶液を、オクタデシルイソシアネート変成ポリエチレンイミン(日本触媒社製:RP−18W、固形分18%)44.0部に変え、フルオロエチレン/ビニルエーテル交互共重合体を添加せず、蒸留水を26.5部に変えた点以外は、実施例1と同様にして前処理液19を作成した
なお、実施例1で作成したインク1をインク19として用いた。
実施例20
実施例1の(顔料分散体処方)のカーボンブラックに代えてピグメントレッド122(大日本インキ社製、FASTOGEN SUPER MAGENTA RG)を用い、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物Na塩(10%水溶液)に代えてポリオキシエチレン(n=40)−β−ナフチルエーテル(10%水溶液)を用いた点以外は、実施例1と同様にして顔料分散体3を作成し、これを用いて実施例20のインクを作成した。
比較例1
<インク20の作成>
実施例1のインク1においてフルオロエチレン/ビニルエーテル交互共重合体を添加せず、蒸留水を33.5部に変えた点以外は、実施例1と同様にしてインク20を作成した。
<前処理液20の作成>
実施例1の前処理液1においてフルオロエチレン/ビニルエーテル交互共重合体を添加せず、蒸留水を33.5部に変えた点以外は、実施例1と同様にして前処理液20を作成した。
比較例2
<インク21の作成>
実施例1のインク1におけるフルオロエチレン/ビニルエーテル交互共重合体を、フルオロエチレン/ビニルエステル共重合体(大日本インキ社製:フルオネートFEM500、固形分40%調整品)7.5部に変え、蒸留水を26.0部に変えた点以外は、実施例1と同様にしてインク21を作成した。
<前処理液21の作成>
実施例1の前処理液1におけるフルオロエチレン/ビニルエーテル交互共重合体を、フルオロエチレン/ビニルエステル共重合体(大日本インキ社製:フルオネートFEM500、固形分40%調整品)3.8部に変え、蒸留水を29.7部に変えた点以外は、実施例1と同様にして前処理液21を作成した。
比較例3
<インク22の作成>
実施例1のインク1におけるフルオロエチレン/ビニルエーテル交互共重合体を、フッ素化アクリル樹脂(大日本インキ社製:アクアフランTE−5A、固形分40%調整品)7.5部に変え、蒸留水を26.0部に変えた点以外は、実施例1と同様にしてインク22を作成した。
<前処理液22の作成>
実施例1の前処理液1におけるフルオロエチレン/ビニルエーテル交互共重合体を、フッ素化アクリル樹脂(大日本インキ社製:アクアフランTE−5A、固形分40%調整品)3.8部に変え、蒸留水を29.7部に変えた点以外は、実施例1と同様にして前処理液22を作成した。
比較例4
<インク23の作成>
実施例1のインク1におけるフルオロエチレン/ビニルエーテル交互共重合体を、スチレンブタジエン樹脂(日本A&L社製:SR−113、固形分48%)6.3部に変え、蒸留水を27.2部に変えた点以外は、実施例1と同様にしてインク23を作成した。
<前処理液23の作成>
実施例1の前処理液1におけるフルオロエチレン/ビニルエーテル交互共重合体を、スチレンブタジエン樹脂(日本A&L社製:SR−113、固形分48%)3.1部に変え、蒸留水を30.4部に変えた点以外は、実施例1と同様にして前処理液23を作成した。
比較例5
<インク24の作成>
実施例1のインク1におけるフルオロエチレン/ビニルエーテル交互共重合体を、エステル型ポリウレタン樹脂(大日本インキ社製:APX−101H、固形分45%)6.7部に変え、蒸留水を26.8部に変えた点以外は、実施例1と同様にしてインク24を作成した。
<前処理液24の作成>
実施例1の前処理液1におけるフルオロエチレン/ビニルエーテル交互共重合体を、エステル型ポリウレタン樹脂(大日本インキ社製:APX−101H、固形分45%)3.3部に変え、蒸留水を30.2部に変えた点以外は、実施例1と同様にして前処理液24を作成した。
比較例6
<インク25の作成>
実施例1のインク1におけるフルオロエチレン/ビニルエーテル交互共重合体を、スチレン−アクリル樹脂(星光PMC社製:T−YP198、固形分20%)15.0部に変え、蒸留水を18.5部に変えた点以外は、実施例1と同様にしてインク25を作成した。
<前処理液25の作成>
実施例1の前処理液1におけるフルオロエチレン/ビニルエーテル交互共重合体を、スチレン−アクリル樹脂(星光PMC社製:T−YP198、固形分20%)7.5部に変え、蒸留水を26.0部に変えた点以外は、実施例1と同様にして前処理液25を作成した。
比較例7
<インク26の作成>
実施例20で作成した分散体3を用いた点以外は、比較例1と同様にしてインク26を作成した。
なお、比較例1で作成した前処理液1を前処理液26として用いた。
上記実施例及び比較例のインク1〜25、前処理液1〜25をカートリッジに充填し、リコー社製のインクジェットプリンター(図1参照)に装着して印字実験を行ない、下記のようにして画像濃度と耐スミア性を評価した。結果を表1及び表2に示す。
(1)画像濃度
ゼロックス社製PPC用紙4024(非平滑紙)に1枚印字し、印字画像をXrite濃度計で測定した。数値が大きい方が良好である。
(2)耐スミア性
ゼロックス社製PPC用紙4024(非平滑紙)に、5cm×5cmの画像を印字し、印字画像表面を、クロックメーター(アトラス社製)にセットされた綿布で5往復こすり、綿布に転写されたインクの画像濃度をXrite濃度計で測定した。数値が小さい方が良好である。
Figure 2010155442
Figure 2010155442
表1、表2から判るように、顔料として黒色顔料を使用した場合、水系樹脂として交互共重合体Aを含む実施例1〜19では、水系樹脂を含まない比較例1及び交互共重合体A以外の水系樹脂を含む比較例2〜6に比べて、非平滑紙に対して耐スミア性に優れている。特に、前処理液とインクの両方に交互共重合体Aを含む実施例1〜16では、前処理液とインクのいずれか一方のみに交互共重合体Aを含む実施例17〜19に比べて、一層優れた効果を奏する。同様に、顔料としてマゼンタ顔料を使用した場合、水系樹脂として交互共重合体Aを含む実施例20では、水系樹脂を含まない比較例7に比べて、非平滑紙に対して耐スミア性に優れている。
また、画像濃度についても、実施例の方が概ね比較例よりも優れており、凝集樹脂を含まない実施例1〜3及び16よりも、凝集樹脂を含む実施例4〜15の方が優れている。なお、実施例16の画像濃度が比較例と同等程度であるのは、顔料分散体1に代えて顔料分散体2(カルボキシル基グラフト処理カーボンブラック分散体)を用いたことが一つの理由である。
1 インクジェット記録装置
17 副走査モーター
18 キャリッジ
20 カートリッジ
26 主走査モーター

Claims (11)

  1. 水及びインクジェット記録用インクの凝集剤を含む前処理液を用いて記録媒体表面を前処理した後、水及び顔料を含むインクジェット記録用インクを用いて、該記録媒体表面上に画像を形成する方法であって、前処理液及びインクジェット記録用インクの少なくとも一方に、フルオロエチレン/ビニルエーテル交互共重合体を含むことを特徴とする画像形成方法。
  2. インクジェット記録用インクが、前処理液により凝集を起こす樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前処理液により凝集を起こす樹脂がエーテル型ポリウレタン樹脂であることを特徴とする請求項2に記載の画像形成方法。
  4. 水、インクジェット記録用インクの凝集剤及びフルオロエチレン/ビニルエーテル交互共重合体を含むことを特徴とする記録媒体の前処理液。
  5. 水、インクジェット記録用インクの凝集剤及びフルオロエチレン/ビニルエーテル交互共重合体を含む記録媒体の前処理液と、水、顔料及びフルオロエチレン/ビニルエーテル交互共重合体を含むインクジェット記録用インクと、からなることを特徴とする記録媒体の前処理液とインクジェット記録用インクのセット。
  6. インクジェット記録用インクが、前処理液により凝集を起こす樹脂を含むことを特徴とする請求項5に記載の記録媒体の前処理液とインクジェット記録用インクのセット。
  7. 前処理液により凝集を起こす樹脂がエーテル型ポリウレタン樹脂であることを特徴とする請求項6に記載の記録媒体の前処理液とインクジェット記録用インクのセット。
  8. 請求項4に記載の記録媒体の前処理液を容器中に収容したことを特徴とするカートリッジ。
  9. 請求項5〜7のいずれかに記載の、記録媒体の前処理液とインクジェット記録用インクのセットを構成する記録媒体の前処理液及びインクジェット記録用インクを容器中に収容したことを特徴とするカートリッジ。
  10. 請求項8又は9に記載のカートリッジを搭載したインクジェット記録装置。
  11. 請求項10に記載のインクジェット記録装置で印字された画像形成物。
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