JP5030409B2 - インクジェット用インクおよびそれを用いた記録方法 - Google Patents
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インクジェット記録に使用されるインクは水を主成分とし、これに着色剤及び目詰まり防止等の目的でグリセリン等の湿潤剤を含有したものが一般的である。着色剤としては、優れた発色性や安定性から染料が用いられている。しかしながら、染料系インクを用いて得られる画像の耐光性、耐水性等は劣るものである。耐水性については、インク吸収層を有するインクジェット専用記録紙の改善によってある程度向上しているが、普通紙については満足できるものではない。
しかし、どんな分散剤を用いても有機顔料の1次粒子よりも細分化することは不可能であり、しかも有機顔料の1次粒子径を色調の劣化なく50nm以下にするのは非常に困難であると言わざるを得ない。さらに、低分子の分散剤を用いた場合は、耐擦過性と耐水性が劣り、高分子の分散剤を用いた場合でも、耐擦過性と耐水性は充分ではない。
インクジェット記録においてはインクジェット記録ヘッドの微細なノズルから安定なインク液滴の吐出が要求されるため、インクジェット記録ヘッドのオリフィスの乾燥によってインクの固化等が発生しないことが必要となる。しかしながら、上記した有機顔料を分散したインクをインクジェット記録に用いた場合には、目詰まりやインクの不吐出等が生じる場合がある。とくに、印字を長期に休止した場合にノズル等の目詰まりが起こり易く、また、ノズルキャップ内や吸引用チューブ等の維持機構に増粘したインクが堆積し、維持機構の機能を損なう怖れがあるものであった。また、印字を一次休止した場合、あるいは空白のある文書や画像の印字中に空白に対応するノズルに印字の休止期間ができた場合にも、インク滴の噴射方向が乱れることによる印字不良(間欠吐出不良)等の問題が多発していた。
上記のような問題点を解消する方法として、顔料粒子を樹脂で被覆する、いわゆるマイクロカプセルあるいはエマルジョンタイプの分散体を用いたインクジェットインクが提案されている。樹脂で強固に顔料を覆っているため分散状態は長期にわたって安定であり、吐出の不安定さは改善されたとはいうものの、1次粒子径が50〜100nmの顔料を被覆したとしても分散粒子径を100nm以下にすることは困難である。
上記の顔料分散に分散剤を用いた場合、あるいは顔料表面に親水化処理を施した場合の耐水性、耐擦過性の不足を補う方法として、インク中にポリマーを添加する方法が挙げられるが、水溶性ポリマーでは充分な耐水性が得られない。そこで、水分散性のポリマー粒子を用いる方法が提案されているが、印字後記録物上において粒子状で存在したのでは水に容易に再分散してしまうため、充分な耐水性は得られない。
ポリマーを含んだインク組成物としては、顔料とポリマーエマルジョンを水に分散させたものが特公昭62−1426号公報(特許文献10)に、水不溶性のポリマーエマルジョン分散液に顔料を分散させたインクが特開昭55−157668号公報(特許文献11)に、特定の造膜温度を有するエマルジョンを使用したインクが特開平1−217088号公報(特許文献12)に開示されている。
複合顔料粒子の定着性を向上させる発明として、特許文献8、特許文献9、特開2003−105229号公報(特許文献13)、特開2003−171594号公報(特許文献14)、特開2003−192938号公報(特許文献15)、特開2003−327866号公報(特許文献16)、および特開2003−268278号公報(特許文献17)、特開2003−327880号公報(特許文献18)記載のものが挙げられる。これらには高分子分散剤を用いて分散剤に定着の機能を持たせる試みがなされているものがあるが、高分子分散剤は水に溶けやすい性質があり、耐擦過性の効果は得られても、充分な耐水性を得ることはできない。
このような複合顔料粒子を用いた印刷物の耐水性を向上させるために、特開2003−49097号公報(特許文献19)にインク中にエマルジョン樹脂を含むという発明が記載されている。しかし、このエマルジョン樹脂は水分散性であるため、印刷物が水に濡れた場合に再分散し、色材顔料粒子の流出を防ぐことはできない。
(1)「少なくとも、色材粒子、ポリマー粒子、水溶性溶剤、水を含有するインクジェット記録用インク組成物であって、該色材粒子は、無機顔料粒子を有機顔料またはカーボンブラックで被覆し、さらに表面がスルホン化処理されたものであることを特徴とするインクジェット記録用インク組成物」;
(2)「上記無機顔料が、二酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化鉄、水酸化鉄、酸化スズのいずれか1つ以上からなることを特徴とする前記第(1)項に記載のインクジェット記録用インク組成物」;
(3)「上記有機顔料が、アニリンブラック顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、モノアゾイエロー系顔料、ジスアゾイエロー系顔料、複素環式イエロー系顔料のいずれか1つ以上からなることを特徴とする前記第(1)項または第(2)項に記載のインクジェット記録用インク組成物」;
(4)「上記無機顔料粒子を有機顔料またはカーボンブラックで被覆し、さらに表面がスルホン化処理された色材粒子が、水に分散しており、該水はアニオン系界面活性剤又は/及びノニオン系界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェット記録用インク組成物」;
(5)「上記アニオン系界面活性剤が下記一般式(1)で表わされる化合物であることを特徴とする前記第(4)項に記載のインクジェット記録用インク組成物」;
ジスチリル基
R2:水素、炭素数1〜12の分岐してもよいアルキル基、ベンジル基、スチリル基
j:5〜20
M1:アルカリ金属、アンモニウム、ホスホニウム、アルカノールアミン」;
(6)「上記無機顔料粒子を有機顔料またはカーボンブラックで被覆し、さらに表面がスルホン化処理された色材粒子の体積平均粒子径が、5〜100nmであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(5)項のいずれかに記載のインクジェット記録用インク組成物」;
(7)「上記ポリマー粒子は記録媒体に印字後、造膜性を有し、最低造膜温度が30℃以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(6)項のいずれかに記載のインクジェット記録用インク組成物」;
(8)「上記ポリマー粒子は記録媒体に印字後、自己架橋性を有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(7)項のいずれかに記載のインクジェット記録用インク組成物」;
(9)「上記ポリマー粒子は、アクリル−ウレタン−コアシェル型水系エマルジョンであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(8)項のいずれかに記載のインクジェット記録用インク組成物」;
(10)「上記ポリマー粒子の体積平均粒子径が5〜200nmであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(9)項のいずれかに記載のインクジェット記録用インク組成物」;
(11)「上記水溶性溶剤として、グリセリン、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオールのいずれか、または、2つ以上を含むことを特徴とする前記第(1)項乃至第(10)項のいずれかに記載のインクジェット記録用インク組成物」;
(12)「組成物に、炭素数8以上のポリオールまたは、グリコールエーテルを含むことを特徴とする前記第(1)項乃至第(11)項のいずれかに記載のインクジェット記録用インク」;
(13)「アルコールアミン類、アルカリ金属水酸化物、アンモニウム水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属炭酸塩を一種類以上含み、pHが7以上11未満であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(12)項のいずれかに記載のインクジェット記録用インク組成物」;
(14)「表面張力が35mN/m以下であることを特徴とする前記第(1)項乃至第(13)項のいずれかに記載のインクジェット記録用インク組成物」;
(15)「インク組成物を付着させて記録媒体に印字を行なうインクジェット記録方法であって、該インク組成物が前記第(1)項乃至第(14)項のいずれかに記載のインク組成物であることを特徴とするインクジェット記録方法」;
(16)「インクジェット記録方法が、インクに熱エネルギーを作用させてインク吐出を行なう前記第(15)項に記載のインクジェット記録方法」;
(17)「インクジェット記録方法が、インクに力学的エネルギーを作用させてインク吐出を行なう前記第(15)項に記載のインクジェット記録方法」;
(18)「前記第(15)項乃至第(17)項のいずれかに記載のインクジェット記録方法によって記録が行なわれた記録物」。
また、本発明の記録方法によれば、発色性に優れ、耐光性、耐磨耗性、耐水性に優れる記録物を提供することができ、さらに、インクに熱エネルギーを作用させてインク吐出を行なうことで、本発明のインクを安定して吐出することができ、さらに、インクに力学的エネルギーを作用させてインク吐出を行なうことで、本発明のインクを安定して吐出することができ、さらに、本発明を用いた記録物は、発色性に優れ、耐光性、耐磨耗性、耐水性に優れるという極めて優れた効果が発揮される。
本発明に用いられる無機顔料粒子を有機顔料またはカーボンブラックで被覆した色材粒子は、無機顔料粒子の存在下で有機顔料を析出する方法や、無機顔料と有機顔料を機械的に混摩砕する方法等により作成することができる。ある場合(例えば熱安定性に優れた有機顔料で被覆する場合)には化学的蒸着技術を用いることができる。必要に応じて、ポリシロキサン、アルキルシランから生成するオルガノシラン化合物の層を、無機顔料と有機顔料の中間に設けることで両者の接着性を向上させることが可能である。
無機顔料粒子と色材である有機顔料またはカーボンブラックの重量比率は、好ましくは3:1〜1:3であるが、色材が少ないと発色性や着色力が低下し、色材が多くなると透明性や色調が悪くなるため、より好ましくは3:2〜1:2である。
例えば、20nmの1次粒子径を持つ無機顔料粒子を等量の有機顔料で被覆した場合、この顔料の1次粒子径は25nm程度になる。これに適当な分散剤を用いて1次粒子まで分散できれば、分散粒子径が25nmの非常に微細な顔料分散インクを作成することができる。ところが、この複合顔料は表面の有機顔料のみが分散に寄与するだけでなく、厚さ約2.5nmの有機顔料の薄層を通して中心にある無機顔料の性質も現れてくるため、両者を同時に分散安定化できる分散剤の選択は困難であるが、下記一般式(1)で表わされる化合物を用いれば、無機有機複合顔料を1次粒子近くまで安定に分散することが可能である。
ジスチリル基
R2:水素、炭素数1〜12の分岐してもよいアルキル基、ベンジル基、スチリル基
j :5〜20
M1:アルカリ金属、アンモニウム、ホスホニウム、アルカノールアミン
本発明の好ましい態様によれば、顔料色材に対して分散剤は1%から100%の比率範囲で使用することが好ましく、より好ましくは10%から50%である。分散剤量が少ないと充分に顔料を微細化することができず、分散剤量が多すぎると顔料に吸着していない過剰成分がインク物性に影響を与え、画像滲みや、耐水性、耐擦性の劣化を招くことになる。また、本発明の好ましい色材微粒子の体積平均粒径はインク中において5〜100nmが好ましく、より好ましくは5〜50nmである。インク中の分散微粒子の含有量は顔料と分散剤を合わせた固形分で2〜20重量%程度が好ましく、より好ましくは4〜15重量%である。本発明において、色材粒子は、インク中に、好ましくは1〜20重量%、さらに好ましくは2〜15重量%存在する。
本発明では、色材顔料粒子の表面をカルボキシル基、カルボニル基、スルホ基、ヒドロキシル基等で処理を施すことで親水性を持たせ、水に分散させたものを用いることができる。表面処理の方法としては、酸化処理、アゾ反応、プラズマ処理など公知の方法がある
本発明に用いられるポリマー粒子は、不飽和ビニル単量体(不飽和ビニルモノマー)を重合触媒、及び乳化剤を存在させた水中において乳化重合するなど公知の方法により得ることができる。
本発明において、インク組成物に対するポリマー粒子の含有量は、好ましくは0.5〜20重量%、より好ましくは1〜5重量%である。含有量が0.5重量%よりも少ないと充分な耐擦過性、耐水性が得られず、20重量%よりも多いと乾燥による粘度上昇やポリマー成分の固着により、インクの吐出が安定しなくなり、ノズルの目詰まりが発生してしまう。
グリセリン、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセロール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類;
エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類;
プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等である。
特に、本発明においては湿潤剤として、グリセリン、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオールを用いることで、保存安定性、および吐出安定性に優れたインクを作成することが可能である。
湿潤剤の配合量は10〜50重量%であり、湿潤剤と、分散剤を含めた顔料粒子固形分の比は0.67〜12.5となるが、より好ましくは1.0〜6.0であり、最も好ましくは2.0〜4.0の範囲である。この範囲にあるインクは、乾燥性や保存試験や信頼性試験が非常に良好である。
特に、本発明においては、炭素数8以上で11以下のポリオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、または、下記一般式(2)から一般式(7)の界面活性剤を用いることで、より良好な印字品質を得ることができる。
例えば、防腐防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等が本発明に使用できる。
コゲーションとは、ヒータに電流を流して記録液を瞬間的に加熱し、記録液が発泡する力を利用して記録液を吐出するサーマル式ヘッドにおける不具合であり、記録液が熱せられる際に記録液成分に変質が起こり、ヒータに変質物が付着する現象をいう。コゲーションが生じると、ヒータによる加熱が正常に行われなくなり、吐出力が弱くなったり、最悪の場合記録液が吐出しないことが生じてしまう。そのため、コゲーションを防止すべく本発明で用いることができる記録液にはコゲーション防止剤を添加することができる。
ポリアミノカルボン酸類としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸等のジカルボン酸類、エチレンジアミン四酢酸、イミノ二酢酸、ニトリロトリ酢酸等が挙げられる。
アルドン酸としては、例えば、グリコール酸、グリセリン酸、グルコン酸、ガラクトン酸、グルコヘプトン酸等が挙げられる。
ヒドロキシカルボン酸類(別名、オキシカルボン酸類)としては、例えば、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、グリコール酸、グリセリン酸、マンデル酸、酒石酸等が挙げられる。
ポリオールリン酸エステル類としては、例えば、α−グリセロリン酸、β−グリセロリン酸等が挙げられる。
これらの中でも、クエン酸、グルコン酸(固体ではδ−グルコノラクトン及びγ−グルコノラクトンの型で存在する)、リンゴ酸、乳酸、グリコール酸、酒石酸等のヒドロキシカルボン酸類(別名、オキシカルボン酸類)やα−グリセロリン酸、β−グリセロリン酸等が水に対する溶解性が高いので好ましく、更には、クエン酸、グルコン酸が特に好ましい。更に、これら化合物は酸型で使用してもよいが、塩型で使用してもよい。具体的には、アルカリ金属塩、アンモニウム塩、或いは、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン等の有機アミン塩等の型で使用してもよい。
また、本発明にかかるインクにおいては、インク中における前記したポリリン酸、ポリアミノカルボン酸、アルドン酸、ヒドロキシカルボン酸、ポリオールリン酸エステル、及びこれらの塩の含有量と、上記したアミノ基を有する酸及び/又はその塩の総含有量の重量比が、20:1〜1:20とすることが好ましい。重量比がこの範囲内であると、ヒータへの焦げ付着低減効果が充分発揮され、また、ヒータの最表面保護層の損傷も極めて有効に抑制することができる。
上記に挙げたようなメチル基又はメチレン基とカルボキシル基とを有する酸のアンモニウム塩は、単独で使用することは勿論、2種類以上を併用することもできる。また、メチル基又はメチレン基とカルボキシル基とを有する酸のアンモニウム塩から選択される少なくとも1種の化合物の総含有量は、コゲの充分な低減効果やインクジェット適性(インクジェット記録ヘッドの目詰まりのし難さなど)を考慮すると、インク全量に対して0.005〜20重量%であり、好ましくはインク全量に対して0.05〜15重量%である。
リン濃度が高い場合にヒータ上のコゲ形成を促進し、急速に吐出量を低下させるメカニズムは、以下のように考察できる。インク中の無機のリン化合物は、ノズルの中でヒータにより加熱され、インク中若しくはノズルやタンク等のインク接液材料より溶出されるカルシウムと化合物をつくり、ヒータ上に付着する。リンとカルシウムの化合物(リン酸カルシウム、ヒドロキシアパタイト等)は非常に硬く、難溶性であり、再分解や剥離されることはなく、ヒータ上に一旦付着すると、これまでキャビテーションにより剥離又は再分散されていた顔料インクの焦げがヒータ上に付着し易くなる。これにより、リンによるコゲが存在しない場合には起こらなかったカーボン焦げの堆積が加速度的に生じ、発泡が阻害され、吐出量の急速な減少が生じると考えられる。少量のリンとカルシウムの焦げによりカーボン焦げの付着が促進される理由については明らかではないが、リンとカルシウムの焦げの付着によりヒータ上に微細な凹凸が生じ、そこにカーボン焦げが入り込むからと推定される。
その他、目的に応じて水溶性紫外線吸収剤、水溶性赤外線吸収剤等を添加することができる。
図1は本発明の記録液を収容した記録液収容部を備えたインクカートリッジを搭載するシリアル型インクジェット記録装置の機構部の概略正面図である。
このインクジェット記録装置の機構部は、両側の側板(1)、(2)間に主支持ガイドロッド(3)及び従支持ガイドロッド(4)を略水平な位置関係で横架し、これらの主支持ガイドロッド(3)及び従支持ガイドロッド(4)でキャリッジユニット(5)を主走査方向に摺動自在に支持している。キャリッジユニット(5)には、それぞれイエロー(Y)インク、マゼンタ(M)インク、シアン(C)インク、ブラック(Bk)インクをそれぞれ吐出する4個のヘッド(6)を、その吐出面〔ノズル面〕(6a)を下方に向けて搭載し、またキャリッジユニット(5)のヘッド(6)の上側には4個のヘッド(6)に各々インクを供給するための各色のインク供給体である4個のインクカートリッジ(7y)、(7m)、(7c)、(7k)を交換可能に搭載している。
また、側板(1)、(2)をつなぐ底板(12)上にサブフレーム(13)、(14)を立設し、このサブフレーム(13)、(14)間に用紙(16)を主走査方向と直交する副走査方向に送るための搬送ローラ(15)を回転自在に保持している。そして、サブフレーム(14)側方に副走査モータ(17)を配設し、この副走査モータ(17)の回転を搬送ローラ(15)に伝達するために、副走査モータ(17)の回転軸に固定したギヤ(18)と搬送ローラ(15)の軸に固定したギヤ(19)とを備えている。
さらに、側板(1)とサブフレーム(12)との間には、ヘッド(6)の信頼性維持回復機構〔以下、「サブシステム」という。〕(21)を配置している。サブシステム(21)は、各ヘッド(6)の吐出面をキャッピングする4個のキャップ手段(22)をホルダ(23)で保持し、このホルダ(23)をリンク部材(24)で揺動可能に保持して、キャリッジユニット(5)の主走査方向の移動でホルダ(23)に設けた係合部(25)にキャリッジユニット(5)が当接することで、キャリッジユニット(5)の移動に従ってホルダ(23)がリフトアップしてキャップ手段(22)でインクジェットヘッド(6)の吐出面(6a)をキャッピングし、キャリッジユニット(5)が印写領域側へ移動することで、キャリッジユニット(5)の移動に従ってホルダ(23)がリフトダウンしてキャップ手段(22)がインクジェットヘッド(6)の吐出面(6a)から離れるようにしている。
なお、キャップ手段(22)は、それぞれ吸引チューブ(26)を介して吸引ポンプ(27)に接続すると共に、大気開放口を形成して、大気開放チューブ及び大気開放バルブを介して大気に連通している。また、吸引ポンプ(27)は吸引した廃液を、ドレインチューブ等を介して図示しない廃液貯留槽に排出する。
さらに、ホルダ(23)の側方には、インクジェットヘッド(6)の吐出面(6a)をワイピングする繊維部材、発泡部材或いはゴム等の弾性部材からなるワイピング手段であるワイパブレード(28)をブレードアーム(29)に取付け、このブレードアーム(29)は揺動可能に軸支し、図示しない駆動手段で回動されるカムの回転によって揺動させるようにしている。
インクカートリッジ(7)は、図3に示すように、カートリッジ本体(41)内に所要の色のインクを吸収させたインク吸収体(42)を収容してなる。カートリッジ本体(41)は、上部に広い開口を有するケース(43)の上部開口に上蓋部材(44)を接着又は溶着して形成したものであり、例えば樹脂成型品からなる。また、インク吸収体(42)は、ウレタンフォーム体等の多孔質体からなり、カートリッジ本体(41)内に圧縮して挿入した後、インクを吸収させている。
カートリッジ本体(41)のケース(43)底部には記録ヘッド(6)へインクを供給するためのインク供給口(45)を形成し、このインク供給口(45)内周面にはシールリング(46)を嵌着している。また、上蓋部材(44)には大気開放口(47)を形成している。
そして、カートリッジ本体(41)には、装填前の状態で、インク供給口(45)を塞ぐと共に装填時や輸送時などのカートリッジ取扱い時、或いは真空包装時による幅広側壁に係る圧力でケース(43)が圧縮変形されて内部のインクが漏洩することを防止するため、キャップ部材(50)を装着している。
また、大気開放口(47)は、図2に示すように、酸素透過率が100ml/m2以上のフィルム状シール部材(55)を上蓋部材(44)に貼着してシールしている。このシール部材(55)は大気開放口(47)と共にその周囲に形成した複数本の溝(48)をもシールする大きさにしている。このように大気開放口(47)を酸素透過率が100ml/m2以上のシール部材(55)でシールすることで、インクカートリッジ(7)を透気性のないアルミラミネートフィルム等の包装部材を用いて減圧状態で包装することにより、インク充填時やインク吸収体(42)とカートリッジ本体(41)との間に生じる空間(A)(図3参照)にある大気のためにインク中に気体が溶存したときでも、シール部材(55)を介してインク中の空気が真空度の高いカートリッジ本体(41)外の包装部材との間の空間に排出され、インクの脱気度が向上する。
すなわち、記録ユニット(30)は、シリアルタイプのものであり、インクジェットヘッド(6)と、このインクジェットヘッド(6)に供給される記録液を収容するインクタンク(41)と、このインクタンク(41)内を密閉する蓋部材とで主要部が構成される。インクジェットヘッド(6)には、記録液を吐出するための多数のノズル(32)が形成されている。記録液はインクタンク(41)から、図示しないインク供給管を介して、やはり図示しない共通液室へと導かれ、電極(31)より入力される記録装置本体からの電気信号に応じて、ノズル(32)より吐出される。このようなタイプの記録ユニットは、構成上、安価に製造できるタイプのヘッド、いわゆるサーマル方式、バブル方式と呼ばれる、熱エネルギーを駆動の動力源とするヘッドに適した構造である。本発明の記録液は、バブルやサーマル方式等の記録方法において、成分(A)を添加することによって、熱素子への濡れ性が改良されるため、少量の添加量でも吐出安定性及び周波数安定性が得られ、かつ安全性も高く、非常に適している。
また、ここでいう記録装置とは、PCやデジカメ用の出力プリンタのみならず、ファックスやスキャナ、電話などと組み合わせた複合的な機能を有する装置であっても構わない。
<ミルベース処方>
シリカ/ジスアゾイエロー複合顔料 16重量部
(無機/有機顔料比率=1/1、1次粒子17nm、戸田工業製)
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(下記式ノニオン界面活性剤) 6重量部
C12H25−O−(CH2CH2O)43H
イオン交換水 78重量部
ミルベース 100重量部
ボンコート4001 8重量部
グリセリン 10重量部
トリエチレングリコール 25重量部
2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 4重量部
下記式で表わされる界面活性剤 4重量部
C13H27−O−(CH2CH2O)3CH2COONa
プロキセルLV(防腐防黴剤) 0.2重量部
イオン交換水 48.8重量部
次に、ボンコート4001、グリセリン、トリエチレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、上記式で表わされる界面活性剤、トリエタノールアミン、プロキセルLVをイオン交換水に溶解してビヒクルを作成し、ミルベースと混合した後、1μmのテフロン(登録商標)製フィルターでろ過して、インクジェット記録用イエローインクを得た。
ボンコート4001は、アクリル水系エマルジョンで、最低造膜温度は5℃、平均粒径は100nmである。(固形分50%、大日本インキ製)
参考例1で使用したボンコート4001を、ハイドランHW−940に置き換えた以外は、参考例1と同様のミルベースとインク処方を用いて、同様の方法でインクジェット記録用イエローインクを得た。
ハイドランHW−940は、ポリエステル系ウレタン水系アイオノマーで、最低造膜温度は0℃、平均粒径は20nmである。(固形分50%、大日本インキ製)
参考例1で使用したボンコート4001を、アクリットWEM−321Uに置き換えた以外は、参考例1と同様のミルベースとインク処方を用いて、同様の方法でインクジェット記録用イエローインクを得た。
アクリットWEM−321Uは、アクリル−ウレタン−コアシェル型水系エマルジョンで印字乾燥後自己架橋性を有する。最低造膜温度は10℃、平均粒径は100nmである。(固形分38%、アクリルウレタン比50/50、大成化工製)
<ミルベース処方>
シリカ/キナクリドンPR122複合顔料 18重量部
(無機/有機顔料比率=1/1、1次粒子16nm、戸田工業製)
下記式で表わされるアニオン系界面活性剤 8重量部
ミルベース 100重量部
ボンコート4001 5重量部
グリセリン 10重量部
1,3−ブタンジオール 30重量部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 4重量部
下記式で表わされる界面活性剤 4重量部
C13H27−(OCH2CH2)8OH ・・・(8)
2−アミノ−2−エチル−1,3プロパンジオール 0.3重量部
プロキセルLV(防腐防黴剤) 0.2重量部
イオン交換水 46.5重量部
上記ミルベース処方を用いて、参考例1と同様の方法で、色材顔料の平均粒径60nmのミルベースを得た。次に、ボンコート4001、グリセリン、1,3−ブタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、上記式(8)で表わされる界面活性剤、2−アミノ−2−エチル−1,3プロパンジオール、プロキセルLVをイオン交換水に溶解してビヒクルを作成し、ミルベースと混合した後、1μmのテフロン(登録商標)製フィルターでろ過して、インクジェット記録用マゼンタインクを得た。
参考例4で使用したボンコート4001を、ハイドランHW−940に置き換えた以外は、参考例4と同様のミルベースとインク処方を用いて、同様の方法でインクジェット記録用マゼンタインクを得た。
参考例4で使用したボンコート4001を、アクリットWEM−321Uに置き換えた以外は、参考例4と同様のミルベースとインク処方を用いて、同様の方法でインクジェット記録用マゼンタインクを得た。
<複合顔料表面のスルホン化処理>
シリカ/フタロシアニンPB15:3複合顔料(無機/有機顔料比率=1/1、1次粒子16nm、戸田工業製)150重量部を、スルホラン400ml中に良く混合し、ビーズミルで微分散後、アミド硫酸15重量部を添加して140〜150℃で10時間攪拌した。得られたスラリーをイオン交換水1000ml中に投入し、12000rpmで遠心分離機により表面処理シリカ/フタロシアニンPB15:3複合顔料のウエットケーキを得る。このカーボンブラックウエットケーキを2000mlのイオン交換水中に再分散し、水酸化リチウムにてpHを調整し、限外濾過膜により脱塩濃縮し顔料濃度15重量%とした。これを1ミクロンのテフロン(登録商標)製フィルターで濾過しシアン分散液とした。体積平均粒子径は90nmであった。
シアン分散液 100重量部
ボンコート4001 5重量部
グリセリン 10重量部
1,3−ブタンジオール 30重量部
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 4重量部
下記式で表わされる界面活性剤 4重量部
C13H27−(OCH2CH2)8OH
2−アミノ−2−エチル−1,3プロパンジオール 0.3重量部
プロキセルLV(防腐防黴剤) 0.2重量部
イオン交換水 46.5重量部
次に、ボンコート4001、グリセリン、1,3−ブタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、上記式で表わされる界面活性剤、2−アミノ−2−エチル−1,3プロパンジオール、プロキセルLVをイオン交換水に溶解してビヒクルを作成し、シアン分散液と混合した後、1μmのテフロン(登録商標)製フィルターでろ過して、インクジェット記録用シアンインクを得た。
実施例1で使用したボンコート4001を、ハイドランHW−940に置き換えた以外は、実施例1と同様のミルベースとインク処方を用いて、同様の方法でインクジェット記録用シアンインクを得た。
実施例1で使用したボンコート4001を、アクリットWEM−321Uに置き換えた以外は、実施例1と同様のミルベースとインク処方を用いて、同様の方法でインクジェット記録用シアンインクを得た。
<ミルベース処方>
シリカ/カーボンブラック複合顔料 18重量部
(無機/カーボンブラック比率=1/2、1次粒子18nm、戸田工業製)
ポリオキシエチレンラウリルエーテル(下記式ノニオン界面活性剤) 8重量部
C12H25−O−(CH2CH2O)43H
イオン交換水 74重量部
参考例1で使用したインク処方を用いて、同様の方法でインクジェット記録用ブラックインクを得た。
参考例1と同様のミルベース処方を用いて、参考例1と同様の方法でミルベースを作成し、参考例1のインク処方からボンコート4001をペスレジンA−520と置き換えた以外は同様の処方を用いて、インクジェット記録用マゼンタインクを得た。
ペスレジンA−520は、変性ポリエステル水系溶解樹脂で、Tgは55℃である。(固形分30%、高松油脂製)
<ミルベース処方>
フタロシアニンPB15:3(大日精化製、ECB−301) 12重量部
下記式で表わされるアニオン系界面活性剤 5重量部
<インク処方>
Acid Red 52(水溶性染料) 3重量部
グリセリン 5重量部
ジエチレングリコール 15重量部
2−エチル−1、3−ヘキサンジオール 2重量部
上記一般式(7)のアセチレン系界面活性剤(p+q=10〜12) 2重量部
デヒドロ酢酸ナトリウム 0.2重量部
イオン交換水 72.8重量部
上記インク処方の組成物を撹拌溶解した後、pHが10になるように水酸化リチウム10%水溶液にて調整し、これを0.20μmのテフロン(登録商標)フィルターにて濾過し、色材が異なりかつポリマー粒子を使用しないインクジェット記録用マゼンタインクを得た。
[1]表面張力測定
実施例および比較例における、インクジェット記録用インクの表面張力を表1に示す。測定は協和界面科学製CBVP−Z型を用いた。
実施例および比較例における、インクジェット記録用インクのpHを表1に示す。測定は、新電元工業製pH BOY−P2を用いた。
実施例および比較例における、インクジェット記録用インクを、リコー製インクジェットプリンタIPSIO G707に充填し、プリンタ動作中にキャップ、クリーニング等が行われないでどれだけ印字休止しても復帰できるかを調べ、どれだけの時間(秒)で噴射方向がずれるか、あるいは吐出液滴の重量が変化するかをもって、その信頼性を以下の評価基準で判定した。
○:600秒以上
△:60秒以上、600秒未満
×:60秒未満
実施例および比較例における、インクジェット記録用インクを、リコー製インクジェットプリンタIPSIO G707に充填し、ワンパスでべたを印字した。印刷試験用紙は下記の普通紙を使用して印字乾燥後、明度を反射型カラー分光測色濃度計(X−Rite社製)で測定した。標準色(Japan color ver 2)の彩度の値(イエロー:91.34、マゼンタ:74.55、シアン:62.82)に対する測定した彩度の値との比率を算出し、下の評価基準にしたがって評価した結果を表1に示す。
普通紙:マイペーパーSA(NBSリコー製)
XEROX4024(富士ゼロックスオフィスサプライ社製)
PB紙(キヤノン製)
○:0.8以上
△:0.7以上0.8未満
×:0.7未満
彩度測定と同様の方法で下記光沢紙上に作成した画像サンプル印字部分を、クロックメーターCM−1(東洋精機製)を用い、白綿布を荷重900gで5往復摩擦した。下の評価基準にしたがって評価した結果を表1に示す。
光沢紙:エプソン PM写真用紙(光沢)、
キヤノン プロフェッショナルフォトペーパーPR−101
○:目視で画像脱落がほとんどなく、画像周囲の汚れが少ない
△:目視で画像脱落が少ないが、画像周囲に汚れがある
×:目視で画像脱落および画像周囲の汚れが著しい
彩度測定と同様の方法で普通紙上に作成した画像サンプル印字部に、水滴を滴下し、印字物の状態を目視で観察した。下の評価基準にしたがって評価した結果を表1に示す。
○:変化なし
△:水滴を滴下した印字部分の周囲にマーク(ウォーターマーク)ができる
×:水滴を滴下した印字部分の周囲がにじむ
彩度測定と同様の方法で作成した画像サンプルを、アトラス製ウェザオメータCi35AWを用いて、70℃、50%RH、ブラックパネル温度89℃環境にて、屋外太陽光近似のキセノン放射照度0.35W/m2(340nm)で24時間照射し、前後の退色、色変化を以下の評価基準で判定した。
○:ほとんど変化がないもの
△:変化は認められるが許容できるもの
×:退色、色変化の大きいもの
3 主支持ガイドロッド
4 従支持ガイドロッド
5 キャリッジユニット
6a 吐出面
6 ヘッド
7、7k、7c、7m、7y インクカートリッジ
8 主走査モータ
9 駆動プーリ
10 従動プーリ
11 タイミングベルト
12 底板
13、14 サブフレーム
15 搬送ローラ
16 用紙
17 副走査モータ
18、19 ギヤ
21 サブシステム
22 キャップ手段
23 ホルダ
24 リンク部材
25 係合部
26 吸引チューブ
27 吸引ポンプ
28 ワイパブレード
29 ブレードアーム
30 記録ユニット
31 電極
32 ノズル
41 カートリッジ本体
42 インク吸収体
43 ケース
44 上蓋部材
45 インク供給口
46 シールリング
47 大気開放口
48 溝
50 キャップ部材
55 フィルム状シール部材
A 空間
Claims (18)
- 少なくとも、色材粒子、ポリマー粒子、水溶性溶剤、水を含有するインクジェット記録用インク組成物であって、該色材粒子は、無機顔料粒子を有機顔料またはカーボンブラックで被覆し、さらに表面がスルホン化処理されたものであることを特徴とするインクジェット記録用インク組成物。
- 上記無機顔料が、二酸化チタン、シリカ、アルミナ、酸化鉄、水酸化鉄、酸化スズのいずれか1つ以上からなることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用インク組成物。
- 上記有機顔料が、アニリンブラック顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、モノアゾイエロー系顔料、ジスアゾイエロー系顔料、複素環式イエロー系顔料のいずれか1つ以上からなることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録用インク組成物。
- 上記無機顔料粒子を有機顔料またはカーボンブラックで被覆し、さらに表面がスルホン化処理された色材粒子が、水に分散しており、該水はアニオン系界面活性剤又は/及びノニオン系界面活性剤を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のインクジェット記録用インク組成物。
- 上記無機顔料粒子を有機顔料またはカーボンブラックで被覆し、さらに表面がスルホン化処理された色材粒子の体積平均粒子径が、5〜100nmであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のインクジェット記録用インク組成物。
- 上記ポリマー粒子は記録媒体に印字後、造膜性を有し、最低造膜温度が30℃以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のインクジェット記録用インク組成物。
- 上記ポリマー粒子は記録媒体に印字後、自己架橋性を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のインクジェット記録用インク組成物。
- 上記ポリマー粒子は、アクリル−ウレタン−コアシェル型水系エマルジョンであることを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のインクジェット記録用インク組成物。
- 上記ポリマー粒子の体積平均粒子径が5〜200nmであることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載のインクジェット記録用インク組成物。
- 上記水溶性溶剤として、グリセリン、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオールのいずれか、または、2つ以上を含むことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のインクジェット記録用インク組成物。
- 組成物に、炭素数8以上のポリオールまたは、グリコールエーテルを含むことを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
- アルコールアミン類、アルカリ金属水酸化物、アンモニウム水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属炭酸塩を一種類以上含み、pHが7以上11未満であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載のインクジェット記録用インク組成物。
- 表面張力が35mN/m以下であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載のインクジェット記録用インク組成物。
- インク組成物を付着させて記録媒体に印字を行なうインクジェット記録方法であって、該インク組成物が請求項1乃至14のいずれかに記載のインク組成物であることを特徴とするインクジェット記録方法。
- インクジェット記録方法が、インクに熱エネルギーを作用させてインク吐出を行なう請求項15に記載のインクジェット記録方法。
- インクジェット記録方法が、インクに力学的エネルギーを作用させてインク吐出を行なう請求項15に記載のインクジェット記録方法。
- 請求項15乃至17のいずれかに記載のインクジェット記録方法によって記録が行なわれた記録物。
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