JP4176995B2 - インクジェット記録用インク、インクセット、インクカートリッジ、記録装置、記録方法 - Google Patents

インクジェット記録用インク、インクセット、インクカートリッジ、記録装置、記録方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録用に適した顔料インク、インクセット、インクカートリッジ、記録装置及び記録方法に関し、特に普通紙に高速で印字した際に、フェザリングやカラーブリードが少なく良好な色調の高品位画像が得られ、耐水・耐光性等の画像堅牢性に優れた画像が得られ、保存安定性に優れ、さらに印字時のヘッドの目詰まりがなく吐出安定性に優れたインクジェット記録用顔料インクおよびインクセットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタは、低騒音、低ランニングコストといった利点から目覚しく普及し、普通紙に印字可能なカラープリンタも市場に盛んに投入されるようになった。しかしながら、画像の色再現性、耐久性、耐光性、画像の乾燥性、文字にじみ(フェザリング)、色境界にじみ(カラーブリード)、両面印刷性、吐出安定性など要求される全ての特性を満足することは非常に難しく、用途に応じて優先される特性から用いるインクが選択されている。特に、普通紙に高速印字するプリンタにおいては、これらの特性を満たすことは難しいものであった。
【0003】
インクジェット記録に使用されるインクは、水を主成分とし、これに着色剤及び目詰まり防止等の目的でグリセリン等の湿潤剤を含有したものが一般的である。着色剤としては、優れた発色性や安定性から染料が用いられている。しかしながら、染料系インクを用いて得られる画像の耐光性、耐水性等は劣るものである。耐水性については、インク吸収層を有するインクジェット専用記録紙の改善によってある程度向上しているが、普通紙については満足なものではない。
【0004】
近年、これらの問題点を改善するために、染料の代わりに有機顔料やカーボンブラック等の顔料を着色剤として用いる顔料インクが検討されている。顔料は水に不溶であるため、顔料を分散剤とともに混合、分散処理して水に安定分散させた水性インクとして用いられる。顔料を用いることで、耐水性、耐光性は付与されるが、他の特性を同時に達成できるものではない。特に、普通紙に高速印字した場合には高い画像濃度、発色性を得ることが困難で、文字にじみ、色境界にじみ、両面印刷性も充分には満足できるものではない。
【0005】
また、インクジェット記録においてはインクジェット記録ヘッドの微細なノズルから安定なインク液滴の吐出が要求されるため、インクジェット記録ヘッドのオリフィスの乾燥によってインクの固化等が発生しないことが必要となる。しかしながら、上記した分散剤が含有されたインクをインクジェット記録に用いた場合には、分散剤を形成している樹脂等がオリフィス等に付着した後、再溶解されずに、目詰まりやインクの不吐出等が生じる場合がある。とくに、印字を長期に休止した場合にノズル等の目詰まりが起こり易く、また、ノズルキャップ内や吸引用チューブ等の維持機構に増粘したインクが堆積し、維持機構の機能を損なう怖れがあるものであった。また、印字を一次休止した場合、あるいは空白のある文書や画像の印字中に空白に対応するノズルに印字の休止期間ができた場合にも、インク滴の噴射方向が乱れることによる印字不良(間欠吐出不良)等の問題が多発していた。又、分散剤を含む水性顔料インクは粘稠であり、長時間にわたる連続吐出及び高速印字を行なう際にノズル先端までの経路で抵抗を起こし、吐出が不安定になり、スムーズな記録が困難になるという問題もあった。
【0006】
これらの問題点の改善を図るものとして、特開2000−212486号公報に、顔料、顔料濃度、水溶性分散剤、浸透剤を特定したインク、更には特定の多価アルコールアルキルエーテル誘導体を含有するインク、これらのインクセットが開示されている。開示されたインクは超浸透性であるので高速印刷した場合においても乾燥性は充分であり、吐出安定性も確保されているが、普通紙における画像濃度、色再現性は染料系インクに比べて見劣りのするものであり、文字にじみ、色境界にじみ、両面印刷性は従来のインクジェット記録画像と比べると改善しているものの、市場で普通紙印刷に用いられている電子写真方式等の記録画像に比べて劣り、更に改善を必要とした。
【0007】
また、画像の耐久性を改善するものとして、着色剤を水に不溶で分散性の樹脂に内包した着色剤内包樹脂分散体を含有するインクが開示されている。しかし、着色剤としてカーボンブラックを用いた場合に充分な画像濃度が得られないという問題がある。また、着色剤としてカラー有機顔料を用いた場合、従来公知のインク処方では染料インクに比べて普通紙上での画像濃度、色再現性は劣るものである。また、これらの着色剤内包樹脂分散型のブラックインクとカラーインクとを組み合わせたインクセットにおける、ブラックとイエロー間の色境界にじみも満足なものではない。
【0008】
他の分散方式として、分散剤を使用することなく安定に分散させることができるいわゆる自己分散型顔料インクがある。黒色系顔料インクでは特開平5−186704号公報や特開平8−3498号公報で述べられているように、カーボンの表面に親水性基を導入することによって、分散剤を使用することなく安定に分散させることができるいわゆる自己分散型カーボンブラックが開発されている。さらに、カラー顔料系インクにおいても、特表2000−513396に述べられているように、分散剤を使用することなく安定に分散させることのできるカラー顔料が開発されている。
【0009】
これらの自己分散型顔料インクを組み合わせた場合には、普通紙におけるカラー画像の彩度が低く、また、専用光沢紙上での耐擦過性が劣るものであった。耐擦過性を向上するために樹脂エマルジョンを添加した場合には、インクの分散安定性が低下し、吐出安定性を損なう欠点があった。
【0010】
この他、ブラックインクとカラーインクとからなるインクセットとして、自己分散型カーボンブラックを有するブラックインクと、このブラックインクの色材に対して逆極性の色材を含有するカラーインクとからなるインクセットが特開平10−140064号公報に開示されている。また、特開2000−191972号公報には着色剤内包樹脂分散型インクにおいて、インクのイオン性の異なるインクセットが開示されている。しかし、これらのインクセットを用いた印刷物は、色境界にじみは改善されるものの、他の普通紙特性は依然として満足なものではなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来の欠点を解消し、インクジェット記録用カラー顔料インク、及び該インクを用いた好適なインクジェット記録方法、及び該インクを収容したインクカートリッジ、該インクカートリッジを備えた記録装置を提供することを課題とするものである。特に、インクジェット記録方法を用いて普通紙に高速で印字した際にも、吐出安定性や保存安定性に優れ、かつ▲1▼良好な色調、▲2▼高い画像濃度、▲3▼文字、画像の周辺部分にボケ、にじみ(以下フエザリングと称する)の生じない鮮鋭度の高い記録画像、▲4▼異なる色間の境界にじみ(カラーブリード)、▲5▼両面印刷にも耐えうる裏抜けの少ない画像、▲6▼耐水性や耐光性などの画像の堅牢性を与えることのできるインクジェット記録用顔料インク、インクセット、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、及び記録装置を提供することを課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題について鋭意検討を行なった結果、ポリマー微粒子に色材を含有させたエマルジョンを用いて特定の湿潤剤、浸透剤、水溶性有機溶剤から構成したインクは従来のインクに比べて高粘度であるが表面張力が低く、普通紙の高速印字において、ビヒクルは速やかに浸透し、色材成分が表面に残りやすくなり、浸透性の高いインクであるにもかかわらず高彩度、高発色濃度で、しかも裏抜けの少ない画像が得られることを見出して本発明に至った。
【0013】
また、ブラックインクとカラーインクとからなるインクセットにおいて、着色ポリマー微粒子を含有する前記構成のカラーインクと、色材として自己分散型カーボンブラックを用いてカラー顔料インクと同様に高粘度低表面張力としたブラックインクを組み合わせると、普通紙高速印字において、ブラックの画像濃度が高く、ブラック/カラー間の色境界にじみが極めて少なく、カラーの発色性に優れ、裏抜けの少ない両面印刷性に優れた記録画像を得ることができることを見い出した。
【0014】
記録用インクの本発明の第1の特徴は、インクとして25℃における表面張力が40dyne/cm以下、好ましくは35dyne/以下の低表面張力の水性インク、インクセットを用いることにある。これは本発明者らが、記録画像の乾燥性を改善するために種々の手段について検討を行った結果、インクの表面張力を40dyn/cm以下になるように調整すればほとんどの被記録材に対しても速やかな浸透乾燥が可能であることを見い出したことに基づくものである。また、インクの表面張力を40dyn/cm以下にすることで、インクのヘッド部材への濡れが良くなり8mPa・sec(25℃)以上の高粘度インクでも周波数応答性が向上し、吐出安定性が格段に向上したことによる。この低表面張力のインクは特定のインク組成においてポリオールまたはグリコールエーテルと、両性界面活性剤を用いることにより達成できる。
【0015】
本発明の第2の特徴は5mPa・sec以上、好ましくは8mPa・sec(25℃)以上の高粘度インク、インクセットを用いることにより印字品位が格段に向上したことである。従来のインクジェットプリンターに用いられてきた3mPa・sec(25℃)程度の低粘度インクではインク中の水分が約70%であるが、8mPa・sec(25℃)程度の高粘度インクでは約50%以下になり、インク滴が紙面上に着弾するときの水分蒸発率が2.0〜3.0倍も高くなる。このために高濃度の顔料が紙面上で凝集する速さも速くなり滲み(フェザリング)がほとんどなくなる。
【0016】
本発明の第3の特徴は、インク中の色材を含有するポリマーエマルジョン濃度が固形分で8wt%以上、好ましくは10wt%以上にすることである。色材として自己分散型カーボンブラックを用いてインクセットを構成する場合のブラックインクの顔料濃度は6wt%以上、好ましくは8wt%以上にすることである。ポリマーエマルジョン濃度あるいは顔料濃度を高めることにより、インクの粘度が高くなり、顔料が紙表面で凝集しとどまり易くなり発色濃度、色調が向上するとともにフェザリングもほとんどなくなる。
【0017】
本発明の第4の特徴は、従来用いられてきたエチレングリコール(ジエチレングリコール)とグリセリンの混合した低粘度の湿潤剤よりも、グリセリン、1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンから選ばれた少なくとも1種類以上の高粘度の湿潤剤とグリセリンの混合した高粘度の湿潤剤を用いることにある。高粘度の湿潤剤を用いると、高顔料濃度と相まって高粘度のインクを達成できる。
【0018】
本発明のインク組成物は、次の構成よりなるインク粘度が5mPa・sec以上、好ましくは8mPa・sec(25℃)以上の記録用インクである。印字するための着色材、それを分散させるための水とを必須成分とし、必要に応じて添加される湿潤剤、水溶性有機溶剤、両性界面活性剤、エマルジョン、防腐剤、pH調製剤から構成される。湿潤剤1と2を混合するのは各々の湿潤剤の特徴を活かすためと、粘度調製ができるためであるが、湿潤剤1と2を必ず併有するわけではない。
(1)着色剤
(2)湿潤剤1(グリセリン)
(3)湿潤剤2(1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンから選ばれた少なくとも1種類以上、:第1の種類のヒドロキシ化合物)
(4)水溶性有機溶剤
(5)両性界面活性剤
(6)炭素数8以上、11以下のポリオール(第2の種類のヒドロキシ化合物)またはグリコールエーテル
(7)防腐剤
(8)pH調製剤
(9)純水
【0019】
以下、各インクの構成要素について説明する。
色材としては、ポリマー微粒子に水不溶性または難溶性の色材を含有させたポリマーエマルジョンからなる。本発明において、「色材を含有させた」とは、ポリマー微粒子中に色材を封入した状態およびポリマー微粒子の表面に色材を吸着させた状態の何れか又は双方を意味する。この場合、本発明のインクに配合される色材はすべてポリマー微粒子に封入または吸着されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、該色材がエマルジョン中に分散していてもよい。上記色材としては、水不溶性若しくは水難溶性であって、上記ポリマーによって吸着され得る色材であれば特に制限なく用いられる。本明細書において、水不溶性若しくは水難溶性とは、20℃で水100重量部に対して、色材が10重量部以上溶解しないことをいい、溶解するとは、目視で水溶液表層または下層に色材の分離や沈降が認められないことをいう。上記色材としては、例えば、油溶性染料、分散染料等の染料や顔料等が挙げられる。良好な吸着・封入性の観点から油溶性染料及び分散染料が好ましいが、得られる画像の耐光性からは顔料が好ましく用いられる。
【0020】
本発明に用いられる上記の各染料は、ポリマー微粒子に効率的に含浸される観点から、有機溶剤、例えば、ケトン系溶剤に2g/リットル以上溶解することが好ましく、20〜600g/リットル溶解することが更に好ましい。
【0021】
本発明に用いられる顔料はブラック顔料としてのカーボンブラックが挙げられ、カラー顔料としては、アントラキノン、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジアゾ、モノアゾ、ピラントロン、ペリレン、複素環式イエロー、キナクリドンおよび(チオ)インジゴイドを含む。フタロシアニンブルーの代表的な例は銅フタロシアニンブルーおよびその誘導体(ピグメントブルー15)を含む。キナクリドンの代表的な例はピグメントオレンジ48、ピグメントオレンジ49、ピグメントレッド122、ピグメントレッド192、ピグメントレッド202、ピグメントレッド206、ピグメントレッド207、ピグメントレッド209、ピグメントバイオレット19およびピグメントバイオレット42を含む。アントラキノンの代表的な例はピグメントレッド43、ピグメントレッド194(ペリノンレッド)、ピグメントレッド216(臭素化ピラントロンレッド)およびピグメントレッド226(ピラントロンレッド)を含む。ピレリンの代表的な例はピグメントレッド123(ベルミリオン)、ピグメントレッド149(スカーレット)、ピグメントレッド179(マルーン)、ピグメントレッド190(レッド)、ピグメントバイオレット、ピグメントレッド189(イエローシェードレッド)およびピグメントレッド224を含む。チオインジゴイドの代表的な例はピグメントレッド86、ピグメントレッド87、ピグメントレッド88、ピグメントレッド181、ピグメントレッド198、ピグメントバイオレット36およびピグメントバイオレット38を含む。複素環式イエローの代表的な例はピグメントイエロー117およびピグメントイエロー138を含む。他の適切な着色顔料の例は、The Colour Index、第三版(The Society of Dyers and Colourists,1982)に記載されている。なお、顔料を着色剤として用いる場合に補色、調色等のために上記染料を併有することもできる。
【0022】
上記色材の配合量は、ポリマーの配合量との関係において、該ポリマーの重量に対して約10〜200重量%、特に約25〜150重量%であることが好ましい。
上記ポリマーエマルジョンを形成するポリマーとしては、例えば、ビニル系ポリマー、ポリエステル系ポリマー及びポリウレタン系ポリマー等を用いることができる。特に好ましく用いられるポリマーはビニル系ポリマー及びポリエステル系ポリマーであり、特開2000−53897号公報、2001−139849号公報に開示されているポリマーが挙げられる。
【0023】
本発明の好ましい態様によれば、これらの色材を含有するポリマー微粒子の平均粒子径はインク中において最も好ましくは0.16μm以下である。
インク中のポリマー微粒子の含有量は固形分で8〜20重量%程度が好ましく、より好ましくは8〜12重量%程度である。
【0024】
その他の湿潤剤としては、糖を含有してなるのが好ましい。糖類の例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類および四糖類を含む)および多糖類があげられ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオースなどが挙げられる。ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。
【0025】
また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(一般式HOCH(CHOH)nCHOH(ここでn=2〜5の整数を表わす。)で表わされる。)、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ酸などが挙げられる。特に糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビットなどが挙げられる。
これら糖類の含有量は、インク組成物の0.1〜40重量%、好ましくは0.5〜30重量%の範囲が適当である。
【0026】
顔料と湿潤剤の比は、ヘッドからのインク吐出安定性に非常に影響がある。顔料固形分が高いのに湿潤剤の配合量が少ないとノズルのインクメニスカス付近の水分蒸発が進み吐出不良をもたらす。
【0027】
湿潤剤の配合量は10〜50wt%であり、これに対して色材を含有するポリマー微粒子は8wt%以上、好ましくは8〜20wt%であるので、湿潤剤とポリマー微粒子固形分の両者の比は0.5〜6.25となるが、より好ましくは2.0〜6.0であり、最も好ましくは3.0〜5.0の範囲である。この範囲にあるインクは、乾燥性や保存試験や信頼性試験が非常に良好である。
【0028】
水溶性有機溶剤に関して、本発明のインクは水を液媒体として使用するものであるが、インクを所望の物性にするため、インクの乾燥を防止するため、また、分散安定性を向上するため等の目的で、例えば下記の水溶性有機溶媒が使用される。これら水溶性有機溶媒は複数混合して使用してもよい。
【0029】
湿潤剤と水溶性有機溶媒の具体例としては、例えば以下のものが挙げられる。エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−プロパンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、チオジグリコール、ペンタエリスリトール等の前記第1及び第2の種類のヒドロキシ化合物以外の多価アルコール類(第3の種類のヒドロキシ化合物);
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類;
2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミイダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物(ラクタム類);
ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類;
ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類;
プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等である。
【0030】
これら有機溶媒の中でも、特にチオジエタノール、ポリエチレングリコール200〜600、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンが好ましい。これらは溶解性と水分蒸発による噴射特性不良の防止に対して優れた効果が得られる。
【0031】
また、本発明においては尿素類及びアルキルグリシンを所望に応じて含ませることができる。このような尿素類としては、尿素、チオ尿素、エチレン尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられ、また、アルキルグリシンとしては、N−メチルグリシン、N,N−ジメチルグリシン、N−エチルグリシン等が挙げられる。これら尿素類及びアルキルグリシンは、基本的にどちらも水系インクにおいて、優れた保湿性を維持(保存安定性に向上につながる)させ、インクジェットプリンタの記録ヘッドの吐出安定性、耐目詰まり性に優れた効果を発揮する。また、インクの粘度調整、表面張力の調整に幅広く対応でき、耐目詰まり性に優れることにより、ヘッドの目詰まりを防ぎ、インク吐出において、インク滴の飛行曲がりなど吐出不良を防止できる。インクへの添加量としては、一般的に0.5〜50重量%で、より好ましくは1〜20重量%であり、0.5重量%以下では所望のインクジェットプリンタ記録ヘッドの要求特性を満たすことができず、50重量%以上の添加では増粘を引き起こし、インクの保存安定性に対して悪影響及びインクの吐出不良につながってしまう。
【0032】
界面活性剤としては両性界面活性剤が用いられる。色材の種類や湿潤剤、水溶性有機溶剤の組み合わせによって、分散安定性を損なわない界面活性剤を選択する。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。前記界面活性剤は、単独または二種以上を混合して用いることができる。
【0033】
本発明では前記両性界面活性剤を使用することで記録紙への濡れ性を改善することができる。また、普通紙特性も改善されさらに着色剤の溶解・分散安定性が得られる。
なお、このインクのpHを6以上にすることによりインクの保存安定性が得られ、また、オフィスで使用されているコピー用紙や用箋等はpHが5〜6のものが多く、これらの記録紙にインクを9〜60μmの微細な吐出口より吐出し重量が3ng〜50ngの液滴として5〜20m/sで飛翔させ、単色での付着量を1.5g/mから30g/mとしてJIS P−8122試験法によるステキヒトサイズ度が3秒以上の所謂普通紙に記録するこにより高画質、高解像の記録画像を形成する記録方式を提供することができる。
【0034】
本発明に用いることができる前記式(1)、(2)で表わされる化合物の添加量は0.05〜10重量%の間でプリンタ−システムにより要求されるインク特性に対し所望の浸透性を与えることが可能である。ここで0.05%以下ではいずれの場合も2色重ね部の境界でのにじみが発生し、10重量%以上添加する場合は保存安定性等、信頼性が悪くなる。
【0035】
本発明に使用する両性活性剤の具体例として以下に挙げるものが好適に使用されるが、これらに限定されるわけではない。ラウリルジメチルアミンオキシド、ミリスチルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキシド、ポリオキシエチレンヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド、ジメチルアルキル(ヤシ)ベタイン、ジメチルラウリルベタイン等が挙げられる。
【0036】
本発明における表面張力は紙への浸透性を示す指標であり、特に表面形成されて1秒以下の短い時間での動的表面張力を示し、飽和時間で測定される静的表面張力とは異なる。測定法としては特開昭63−31237号公報等に記載の従来公知の方法で1秒以下の動的な表面張力を測定できる方法であればいずれも使用できるが、本発明ではWilhelmy式の吊り板式表面張力計を用いて測定した。表面張力の値は40mJ/m以下が好ましく、より好ましくは35mJ/m以下とすると優れた定着性と乾燥性が得られる。
【0037】
本発明に用いる炭素数8以上、11以下のポリオールまたはグリコールエーテルは、25℃の水中において0.1〜4.5重量%未満の間の溶解度を有する部分的に水溶性のポリオールおよび/またはグリコールエーテルを記録用インク全重量に対して0.1〜10.0重量%添加することによって、該インクの熱素子への濡れ性が改良され、少量の添加量でも吐出安定性および周波数安定性が得られることが分かった。
▲1▼2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 溶解度:4.2%(20℃)
▲2▼2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール 溶解度:2.0%(25℃)
【0038】
25℃の水中において0.1〜4.5重量%未満の間の溶解度を有する浸透剤は、溶解度が低い代わりに浸透性が非常に高いという長所がある。従って、25℃の水中において0.1〜4.5重量%未満の間の溶解度を有する浸透剤と他の溶剤との組み合わせや他の界面活性剤との組み合わせで非常に高浸透性のインクを作成することが可能となる。
【0039】
本発明のインクには上記着色剤、溶媒、界面活性剤の他に従来より知られている添加剤を加えることができる。
例えば、防腐防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等が本発明に使用できる。
【0040】
pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響をおよぼさずにpHを7以上に調整できるものであれば、任意の物質を使用することができる。
その例として、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩等が挙げられる。
【0041】
キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等がある。
【0042】
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等がある。
その目的に応じて水溶性紫外線吸収剤、水溶性赤外線吸収剤等を添加することができる。
【0043】
次に、本発明のインクセットについて説明する。
インクセットはブラックインクとカラーインクとからなる。カラーインクは上記の色材を含有させてなるポリマーエマルジョンを含有するカラーインクが適用される。ブラックインクはカラーインクを構成するポリマーエマルジョンを自己分散型カーボンブラックに置き換えた構成に相当するものである。すなわち、ブラックインクと少なくとも1種のカラーインクとからなるインクジェット記録用インクセットにおいて、ブラックインクが自己分散型顔料を含有し、グリセリン、1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、およびトリメチロールエタンから選ばれた少なくとも1種類以上の湿潤剤(第1の種類のヒドロキシ化合物)を含有し、炭素数8以上で11以下のポリオール(第2の種類のヒドロキシ化合物)またはグリコールエーテル、両性界面活性剤、水溶性有機溶剤、水を少なくとも含有し、25℃におけるインク粘度が5mPa・sec以上のインクであって、カラーインクがポリマー微粒子に水不溶性または難溶性の色材を含有させてなるポリマーエマルジョンを含有し、25℃におけるインク粘度が5mPa・sec以上のインクであることを特徴とするインクジェット記録用インクセットからなる。
【0044】
ブラックインクは以下の構成よりなる。
(i)自己分散型カーボンブラック
(ii)湿潤剤1(グリセリン)
(iii)湿潤剤2(1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンから選ばれた少なくとも1種類以上)
(iv)水溶性有機溶剤
(v)アニオンまたはノニオン系界面活性剤
(vi)炭素数8以上、11以下のポリオールまたはグリコールエーテル
(vii)エマルジョン
(viii)防腐剤
(ix)pH調製剤
(x)純水
【0045】
色材としては、少なくとも一種の親水性基がカーボンブラックの表面に直接若しくは他の原子団を介して結合した分散剤を使用することなく安定に分散させることができる自己分散型カラー顔料を用いる。この結果、従来のインクの様に、カーボンブラックを分散させるための分散剤が不要となる。本発明で使用する自己分散型カーボンブラックとしては、イオン性を有するものが好ましく、アニオン性に帯電したものやカチオン性に帯電したものが好適である。
【0046】
アニオン性親水性基としては、例えば、−COOM、−SOM、−POHM、−POM2、−SONH、−SONHCOR(但し、式中のMは水素原子、アルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを表わし、Rは炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基又は置換基を有してもよいナフチル基を表わす。)等が挙げられる。本発明においては、これらの中で、特に、−COOM、−SOMがカラー顔料表面に結合されたものを用いることが好ましい。
【0047】
又、上記親水性基中の「M」は、アルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられ、有機アンモニウムとしては、モノ乃至トリメチルアンモニウム、モノ乃至トリエチルアンモニウム、モノ乃至トリメタノールアンモニウムが挙げられる。アニオン性に帯電したカラー顔料を得る方法としては、カラー顔料表面に−COONaを導入する方法として、例えば、カラー顔料を次亜塩素酸ソーダで酸化処理する方法、スルホン化による方法、ジアゾニウム塩を反応させる方法が挙げられるが、勿論、本発明はこれらに限定されるわけではない。
【0048】
カチオン性親水性基としては、例えば、第4級アンモニウム基が好ましく、より好ましくは、下記表に示す第4級アンモニウム基が挙げられ、本発明においては、これらのいずれかがカーボンブラック表面に結合されたものが色材として好ましく使用される。
【0049】
【表1】
Figure 0004176995
【0050】
上記した様な親水基が結合されたカチオン性の自己分散型カーボンブラックを製造する方法としては、例えば、下記に示す構造のN−エチルピリジル基を結合させる方法としては、カーボンブラックを3−アミノ−N−エチルピリジウムブロマイドで処理する方法が挙げられるが、勿論、本発明はこれに限定されない。
【0051】
【化7】
Figure 0004176995
【0052】
また、本発明においては、上記に挙げた様な親水性基が、他の原子団を介してカーボンブラックの表面に結合されていてもよい。他の原子団としては、例えば、炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基又は置換基を有してもよいナフチル基が挙げられる。上記した親水性基が他の原子団を介してカーボンブラックの表面に結合する場合の具体例としては、例えば、−CCOOM、−PhSOM、−C10NH 等が挙げられるが、勿論、本発明はこれらに限定されない。
【0053】
本発明のインクセットのブラックインクに用いる自己分散型カーボンブラックは、カーボンブラック表面の親水性基によってカチオン性もしくはアニオン性に帯電しており、そのイオンの反発によって水分散性を有し、又、その親水性基により親水性も向上している。そのため、長期間放置されても、顔料の粒径や粘度が増大したりすることなく水性媒体中に安定して分散された水性顔料インクが得られる。ブラックインクの極性はインクセットを構成するカラーインクの極性と逆極性にした場合には最も色境界にじみの少ない画像が得られるが、本発明のインクセットにおいては、高粘度低表面張力の浸透性に優れたインクを構成できるので、カラーインクとブラックインクの極性が同じインクセットであっても色境界にじみは非常に少なく、ノズルの維持機構やノズルプレート上でインクが混合した場合にも極端な凝集増粘が起こることなく、取り扱い性に優れたインクセットが得られる。
【0054】
インクセットのブラックインクに用いられる他の構成材料は色材を含有するポリマー微粒子を含有するインクで記載した材料がそのまま適用できる。
なお、ブラックインクにのみ用いて好適なものとして樹脂エマルジョンが挙げられる。
樹脂エマルジョンとは、連続相が水であり、分散相が次の様な樹脂成分であるエマルジョンを意味する。分散相の樹脂成分としてはアクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂などが挙げられる。
【0055】
本発明の好ましい態様によれば、この樹脂は親水性部分と疎水性部分とを併せ持つ重合体であるのが好ましい。また、これらの樹脂成分の粒子径はエマルジョンを形成する限り特に限定されないが、150nm程度以下が好ましく、より好ましくは5〜100nm程度である。
これらの樹脂エマルジョンは、樹脂粒子を、場合によって界面活性剤とともに水に混合することによって得ることができる。
例えば、アクリル系樹脂またはスチレン−アクリル系樹脂のエマルジョンは、(メタ)アクリル酸エステルまたはスチレンと、(メタ)アクリル酸エステルと、場合により(メタ)アクリル酸エステルと、界面活性剤とを水に混合することによって得ることができる。樹脂成分と界面活性剤との混合の割合は、通常10:1〜5:1程度とするのが好ましい。界面活性剤の使用量が前記範囲に満たない場合、エマルジョンとなりにくく、また前記範囲を超える場合、インクの耐水性が低下したり、浸透性が悪化する傾向があるので好ましくない。
前記エマルジョンの分散相成分としての樹脂と水との割合は、樹脂100重量部に対して水60〜400重量部、好ましくは100〜200の範囲が適当である。
【0056】
市販の樹脂エマルジョンとしては、マイクロジェルE−1002、E−5002(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ペイント株式会社製)、ボンコート4001(アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、ボンコート5454(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、SAE−1014(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ゼオン株式会社製)、サイビノールSK−200(アクリル系樹脂エマルジョン、サイデン化学株式会社製)などが挙げられる。
【0057】
本発明に使用するインクは、樹脂エマルジョンを、その樹脂成分がインクの0.1〜40重量%となるよう含有するのが好ましく、より好ましくは1〜25重量%の範囲である。
樹脂エマルジョンは、増粘・凝集する性質を持ち、着色成分の浸透を抑制し、さらに記録材への定着を促進する効果を有する。また、樹脂エマルジョンの種類によっては記録材上で皮膜を形成し、印刷物の耐擦性をも向上させる効果を有する。
【0058】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の記録液を収容した記録液カートリッジおよび記録液カートリッジを具備するインクジェット記録装置について、図面を参照して説明するが、以下は構成例のひとつに過ぎず、本発明になんら限定を加えるものではない。
【0059】
図1は、本発明の記録液を収容した記録液収容部を備えたインクカートリッジを搭載するシリアル型インクジェット記録装置の機構部の概略正面図である。
このインクジェット記録装置の機構部は、両側の側板(1)、(2)間に主支持ガイドロッド(3)及び従支持ガイドロッド(4)を略水平な位置関係で横架し、これらの主支持ガイドロッド(3)及び従支持ガイドロッド(4)でキャリッジユニット(5)を主走査方向に摺動自在に支持している。キャリッジユニット(5)には、それぞれイエロー(Y)インク、マゼンタ(M)インク、シアン(C)インク、ブラック(Bk)インクをそれぞれ吐出する4個のヘッド(6)を、その吐出面(ノズル面)(6a)を下方に向けて搭載し、またキャリッジユニット(5)のヘッド(6)の上側には4個のヘッド(6)に各々インクを供給するための各色のインク供給体である4個のインクカートリッジ(7y)、(7m)、(7c)、(7k)を交換可能に搭載している。
そして、キャリッジユニット(5)は主走査モータ(8)で回転される駆動プーリ(駆動タイミングプーリ)(9)と従動プーリ(アイドラプーリ)(10)との間に張装したタイミングベルト(11)に連結して、主走査モータ(8)を駆動制御することによってキャリッジ(5)、即ち4個のヘッド(6)を主走査方向に移動するようにしている。
【0060】
また、側板(1)、(2)をつなぐ底板(12)上にサブフレーム(13)、(14)を立設し、このサブフレーム(13)、(14)間に用紙(16)を主走査方向と直交する副走査方向に送るための搬送ローラ(15)を回転自在に保持している。そして、サブフレーム(14)側方に副走査モータ(17)を配設し、この副走査モータ(17)の回転を搬送ローラ(15)に伝達するために、副走査モータ(17)の回転軸に固定したギヤ(18)と搬送ローラ(15)の軸に固定したギヤ(19)とを備えている。
【0061】
さらに、側板(1)とサブフレーム(12)との間には、ヘッド(6)の信頼性維持回復機構(以下、「サブシステム」という。)(21)を配置している。サブシステム(21)は、各ヘッド(6)の吐出面をキャッピングする4個のキャップ手段(22)をホルダ(23)で保持し、このホルダ(23)をリンク部材(24)で揺動可能に保持して、キャリッジユニット(5)の主走査方向の移動でホルダ(23)に設けた係合部(25)にキャリッジユニット(5)が当接することで、キャリッジユニット(5)の移動に従ってホルダ(23)がリフトアップしてキャップ手段(22)でインクジェットヘッド(6)の吐出面(6a)をキャッピングし、キャリッジユニット(5)が印写領域側へ移動することで、キャリッジユニット(5)の移動に従ってホルダ(23)がリフトダウンしてキャップ手段(22)がインクジェットヘッド(6)の吐出面(6a)から離れるようにしている。
【0062】
なお、キャップ手段(22)は、それぞれ吸引チューブ(26)を介して吸引ポンプ(27)に接続すると共に、大気開放口を形成して、大気開放チューブ及び大気開放バルブを介して大気に連通している。また、吸引ポンプ(27)は吸引した廃液を、ドレインチューブ等を介して図示しない廃液貯留槽に排出する。さらに、ホルダ(23)の側方には、インクジェットヘッド(6)の吐出面(6a)をワイピングする繊維部材、発泡部材或いはゴム等の弾性部材からなるワイピング手段であるワイパブレード(28)をブレードアーム(29)に取り付け、このブレードアーム(29)は揺動可能に軸支し、図示しない駆動手段で回動されるカムの回転によって揺動させるようにしている。
【0063】
次に、インクカートリッジ(7)について、図2、図3を参照して説明する。
ここで、図2は、記録装置に装填する前のインクカートリッジの外観斜視図、図3はインクカートリッジの正断面図を表わしたものである。
インクカートリッジ(7)は、図3に示すように、カートリッジ本体(41)内に所要の色のインクを吸収させたインク吸収体(42)を収容してなる。カートリッジ本体(41)は、上部に広い開口を有するケース(43)の上部開口に上蓋部材(44)を接着又は溶着して形成したものであり、例えば樹脂成型品からなる。また、インク吸収体(42)は、ウレタンフォーム体等の多孔質体からなり、カートリッジ本体(41)内に圧縮して挿入した後、インクを吸収させている。
カートリッジ本体(41)のケース(43)底部には記録ヘッド(6)へインクを供給するためのインク供給口(45)を形成し、このインク供給口(45)内周面にはシールリング(46)を嵌着している。また、上蓋部材(44)には大気開放口(47)を形成している。
そして、カートリッジ本体(41)には、装填前の状態で、インク供給口(45)を塞ぐと共に装填時や輸送時などのカートリッジ取り扱い時、或いは真空包装時による幅広側壁に係る圧力でケース(43)が圧縮変形されて内部のインクが漏洩することを防止するため、キャップ部材(50)を装着している。
【0064】
また、大気開放口(47)は、図2に示すように、酸素透過率が100ml/m以上のフィルム状シール部材(55)を上蓋部材(44)に貼着してシールしている。このシール部材(55)は大気開放口(47)と共にその周囲に形成した複数本の溝(48)をもシールする大きさにしている。このように大気開放口(47)を酸素透過率が100ml/m以上のシール部材(55)でシールすることで、インクカートリッジ(7)を透気性のないアルミラミネートフィルム等の包装部材を用いて減圧状態で包装することにより、インク充填時やインク吸収体(42)とカートリッジ本体(41)との間に生じる空間(A)(図3参照)にある大気のためにインク中に気体が溶存したときでも、シール部材(55)を介してインク中の空気が真空度の高いカートリッジ本体(41)外の包装部材との間の空間に排出され、インクの脱気度が向上する。
【0065】
また、図4は、本発明の記録液を収容した記録液収容部と、記録液滴を吐出させるためのヘッド部を備えた記録カートリッジの構成例を示したものである。
すなわち、記録ユニット(30)は、シリアルタイプのものであり、インクジェットヘッド(6)と、このインクジェットヘッド(6)に供給される記録液を収容するインクタンク(41)と、このインクタンク(41)内を密閉する蓋部材とで主要部が構成される。インクジェットヘッド(6)には、記録液を吐出するための多数のノズル(32)が形成されている。記録液はインクタンク(41)から、図示しないインク供給管を介して、やはり図示しない共通液室へと導かれ、電極(31)より入力される記録装置本体からの電気信号に応じて、ノズル(32)より吐出される。このようなタイプの記録ユニットは、構成上、安価に製造できるタイプのヘッド、いわゆるサーマル方式、バブル方式と呼ばれる、熱エネルギーを駆動の動力源とするヘッドに適した構造である。本発明の記録液は、バブルやサーマル方式等の記録方法において、C〜C11のポリオール又はグリコールエーテルを添加することによって、熱素子への濡れ性が改良されるため、少量の添加量でも吐出安定性及び周波数安定性が得られ、かつ安全性も高く、非常に適している。
【0066】
ここでは、前述のようなシリアル型インクジェット記録装置を説明したが、本発明の記録液は、ノズルを千鳥など任意の配列で、目的とする画像の解像度と同じか数分の1程度の密度に集積し、記録媒体の幅以上に配列させた、いわゆるラインヘッドを有する記録装置に適用することも可能である。
また、ここでいう記録装置とは、PCやデジカメ用の出力プリンタのみならず、ファックスやスキャナ、電話などと組み合わせた複合的な機能を有する装置であっても構わない。
【0067】
【実施例】
以下に本発明の実施例および比較例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例に記載の各成分の量(%)は重量基準である。
【0068】
参考例1
フタロシアニン顔料含有ポリマー微粒子分散体の調整
特開2001−139849号公報の調整例3を追試して青色のポリマー微粒子分散体を得た。ポリマー微粒子のマイクロトラックUPAで測定した平均粒子径(D50%)は93nmであった。
【0069】
参考例2
ジメチルキナクリドン顔料含有ポリマー微粒子分散体の調整
参考例1のフタロシアニン顔料をピグメントレッド122に変更したほかは参考例1と同様にして赤紫色のポリマー微粒子分散体を得た。ポリマー微粒子のマイクロトラックUPAで測定した平均粒子径(D50%)は127nmであった。
【0070】
参考例3
モノアゾ黄色顔料含有ポリマー微粒子分散体の調整
参考例1のフタロシアニン顔料をピグメントイエロー74に変更したほかは参考例1と同様にして黄色のポリマー微粒子分散体を得た。ポリマー微粒子のマイクロトラックUPAで測定した平均粒子径(D50%)は76nmであった。
【0071】
参考例4
カーボンブラック含有ポリマー微粒子分散体の調整
参考例1のフタロシアニン顔料をカーボンブラック(デグサ社FW100)に変更したほかは参考例1と同様にして黒色のポリマー微粒子分散体を得た。ポリマー微粒子のマイクロトラックUPAで測定した平均粒子径(D50%)は104nmであった。
【0072】
参考例5
ジアゾ化合物処理したカーボンブラック分散液1
表面積が230m2/gでDBP吸油量が70ml/100gのカーボンブラック100gと、p−アミノ−N−安息香酸34gとを水750gに混合分散し、これに硝酸16gを滴下して70℃で撹拌した。5分後、50gの水に11gの亜硝酸ナトリウムを溶かした溶液を加え、更に1時間撹拌した。得られたスラリーを10倍に希釈し遠心処理し粗大粒子を除き、pHをジエタノールアミンにて調整しpH8−9とし、限外濾過膜にて脱塩濃縮し顔料濃度15%のカーボンブラック分散液とした。このものをポリプロピレンの0.5μmフィルターにてカーボンブラック分散液1とした。マイクロトラックUPAで測定した平均粒子径(D50%)は99nmであった。
【0073】
参考例6
次亜塩素酸処理したカーボンブラック分散液2
市販のpH2.5の酸性カーボンブラック(キャボット社製 商品名モナーク1300)300gを水1000ミリリットルに良く混合した後に次亜塩素酸ソーダ(有効塩素濃度12%)450gを滴下して、100〜105℃で8時間撹拌した。この液に更に次亜塩素酸ソーダ(有効塩素濃度12%)100gを加え、横型分散機で3時間分散した。得られたスラリーを水で10倍に希釈し、水酸化リチウムにてpHを調整し、電導度0.2mS/cmまで限外濾過膜にて脱塩濃縮し顔料濃度15%のカーボンブラック分散液とした。遠心処理により粗大粒子を除き、さらに1ミクロンのナイロンフィルターで濾過しカーボンブラック分散液2とした。マイクロトラックUPAで測定した平均粒子径(D50%)は95nm,であった。
【0074】
参考例7
スルホン化剤処理したカーボンブラック分散液3
市販のカーボンブラック顔料(デグサ社製「プリンテックス#85」)150gをスルホラン400ml中に良く混合し、ビーズミルで微分散後、アミド硫酸15gを添加して140〜150℃で10時間攪拌した。得られたスラリーをイオン交換水1000ml中に投入し、12000rpmで遠心分離機により表面処理カーボンブラックウエットケーキを得る。このカーボンブラックウエットケーキを2000mlのイオン交換水中に再分散し、水酸化リチウムにてpHを調整し、限外濾過膜により脱塩濃縮し顔料濃度10重量%のカーボンブラック分散液とした。このものを1ミクロンのナイロンフィルターで濾過しカーボンブラック液3とした。平均粒子径は80nmであった。
【0075】
参考例8
ジアゾ化合物処理したカーボンブラック分散液4(カチオン性)
参考例5のp−アミノ−N−安息香酸の代わりにN−(4−アミノフェニル)ピリジニウムクロリドを用いてカーボンブラック分散液4とした。
【0076】
実施例1
下記処方のインク組成物を作成し、pHが9になるように水酸化リチウム10%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行ないインク組成物を得た。
Figure 0004176995
【0077】
実施例2
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化ナトリウムで9にしてインク組成物を調製した。
Figure 0004176995
【0078】
実施例3
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化リチウムで9にしてインク組成物を調製した。
Figure 0004176995
【0079】
実施例4
ブラック顔料インク
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化ナトリウムで9にしてインク組成物を調製した。
Figure 0004176995
【0080】
実施例5
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化リチウムで9にしてインク組成物を調製した。
Figure 0004176995
【0081】
実施例6
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化リチウムで9にしてインク組成物を調製した。
Figure 0004176995
【0082】
実施例7
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化リチウムで9にしてインク組成物を調製した。
Figure 0004176995
【0083】
実施例8
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化リチウムで9にしてインク組成物を調製した。
Figure 0004176995
【0084】
実施例9
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化リチウムで9にしてインク組成物を調製した。
Figure 0004176995
【0085】
実施例10
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化リチウムで9にしてインク組成物を調製した。
Figure 0004176995
【0086】
実施例11
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化ナトリウムで9にしてインク組成物を調製した。
Figure 0004176995
【0087】
実施例12
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化ナトリウムで9にしてインク組成物を調製した。
Figure 0004176995
【0088】
実施例13
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化ナトリウムで9にしてインク組成物を調製した。
Figure 0004176995
【0089】
実施例14
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化リチウムで9にしてインク組成物を調製した。
Figure 0004176995
【0090】
比較例1
下記処方のインク組成物を作成し、pHが9になるように水酸化リチウム10%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行ないインク組成物を得た。
Figure 0004176995
【0091】
比較例2
下記組成物を用いる以外は比較例1と同様にし、pHを水酸化リチウムで9にしてインク組成物を調製した。
Figure 0004176995
【0092】
比較例3
下記組成物を用いる以外は比較例1と同様にし、pHを水酸化リチウムで9にしてインク組成物を調製した。
参考例3のモノアゾ黄色顔料含有ポリマー微粒子 5.0wt%
トリエチレングリコール 15.0wt%
グリセロール 5.0wt%
N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン 2.0wt%
ディスパノールTOC
(日本油脂社製ノニオン系界面活性剤) 1.0wt%
2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0wt%
エマルジョン 3.0wt%
プロキセルLV(防腐剤) 0.2wt%
イオン交換水 残量
【0093】
比較例4
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化ナトリウムで9にしてインク組成物を調製した。
Figure 0004176995
【0094】
実施例1〜14と比較例1〜4のインク組成物の顔料濃度と湿潤剤濃度とインク粘度を表2に示す。
【0095】
【表2】
Figure 0004176995
【0096】
次に、上記実施例1〜14及び比較例1〜4について表2のシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックからなるインクセット1〜5、インクセット比較1にて下記の試験を行なった。
※インクセット4、5はインクセット2のブラックインクを置き換えて使用した。
【0097】
評価方法
(1)画像の鮮明性
(i)インクジェットプリンターEM−900(セイコーエプソン株式会社製)にて、ヘッドの駆動電圧、周波数、パルス幅を変え、下記の各紙に印刷を行なった。印刷パターンは、イエロー、マゼンタ、シアンの各カラー顔料インクは100%dutyで印字し、本発明の黒インクを充填したブラックインクは文字を同時に印刷した。印字条件は、Mjが35pl、Vjが20m/sec、周波数が1kHz、記録密度は360dpi、ワンパス印字とした。
(ii)リコー製インクジェットプリンターIPSIO Jet300のヘッドの駆動電圧、周波数、パルス幅を変え、(i)と同条件にしてワンパス印字でべた及び文字を印字した。
印字乾燥後、2色重ね部境界の滲み、画像滲み、色調、画像濃度を目視及び反射型カラー分光測色濃度計(X−Rite社製)により総合的に調べ、評価基準にしたがって判定した。
用いた印刷試験用紙を以下に示す。
▲1▼マイペーパー(株式会社NBSリコー製)
▲2▼紙源S・再生紙(株式会社NBSリコー製)
▲3▼PB紙(キャノン株式会社製)
▲4▼マルチエース(富士ゼロックスオフィスサプライ株式会社製)
▲5▼やまゆり紙(本州製紙株式会社製・再生紙)
▲6▼LH紙(富士ゼロックスオフィスサプライ株式会社製)
▲7▼Xerox 4024紙(富士ゼロックスオフィスサプライ株式会社製)
▲8▼Neenah Bond紙(キンバリークラーク社製)
【0098】
判定基準
◎:全紙滲みの発生なく鮮明な印刷である。
○:一部の用紙(再生紙)にひげ状の滲みの発生がある。
△:全紙にひげ状の滲みの発生がある。
×:文字の輪郭がはっきりしないほど滲みが発生している。
【0099】
(2)画像の乾燥性
印字後の画像に一定条件で濾紙を押しつけインクが濾紙に転写しなくなるまでの時間を測定した。いずれの紙でも10秒以内で乾燥した場合に○と判定した。
【0100】
(3)保存安定性
各インクをポリエチレン容器に入れ、−20℃、5℃、20℃、70℃でそれぞれの条件下で3カ月保存し、保存後の表面張力、粘度、及び沈殿物析出の有無を調べた。どの条件で保存しても、物性等の変化がないものを○とした。
【0101】
(4)印字休止時の信頼性
リコー製プリンターIPSIO Jet300のヘッドを用いてプリンター動作中にキャップ、クリーニング等が行なわれないでどれだけ印字休止しても復帰できるかを調べ、どれだけの時間(秒)で噴射方向がずれるか、あるいは吐出液滴の重量が変化するかでその信頼性を評価した結果を表3に示す。
【0102】
【表3】
Figure 0004176995
【0103】
【発明の効果】
以上、詳細かつ具体的な説明より明らかなように、これまで浸透系インクは速乾性と定着性に優れたる反面、フェザリングや印字濃度の低下、カラーブリード等の画像品質に問題があったが、本発明による、色材を含有するポリマー微粒子が固形分で8wt%以上で、グリセリン、1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンから選ばれた少なくとも1種類以上の湿潤剤を含むインク粘度が5.0mPa・sec以上、好ましくは8.0mPa・sec以上の高粘度のインク組成物では、Mjが5〜35pl、Vjが6〜20m/sec、周波数が1KHz以上、解像度が300dpi以上、ワンパス印字条件において、普通紙にレーザープリンター並の高品位画質を可能とすることができた。更に、紙面上に色材がとどまるため従来に比べて裏抜けが格段に少なくなり、両面印字が可能となった(裏抜け濃度:0.02〜0.04/従来0.15〜0.2)。
また、炭素数8以上、11以下のポリオールと式(1)、(2)で示される両性界面活性剤の相互作用により、インクの表面張力が40dyn/cm以下となり、ポリマー微粒子が固形分で8wt%以上、8.0mPa・sec以上の高粘度であっても、ほとんどの被記録材に対して速やかに定着し、耐マーカー性も充分である。また、ヘッド部材への濡れがよくなり、インク組成物気泡排出性の向上、周波数応答性の向上、吐出安定性が格段に向上した。
また、本発明のインク組成物は、高顔料濃度で高粘度インクであるが、グリセリン、1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンから選ばれた少なくとも1種類以上の湿潤剤の効果により従来の高顔料・高粘度インクに比べノズルの目詰まりが無く、安定した印字が可能となった。
また、本発明のインク組成物は、高顔料濃度で高粘度インクであるが、グリセリン、1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタンから選ばれた少なくとも1種類以上の湿潤剤の効果により従来の高顔料・高粘度インクに比べ保存安定性が格段に向上した。
また、本発明のインクセットによれば、前記のように構成したカラーインクと、前記の構成において色材を自己分散型カーボンブラックに置き換えた構成とするブラックインクと組み合わせることでブラック/カラー間の色境界にじみが殆どなく、レーザープリンター並の高品位画質を可能とすることができた。
また、本発明によれば、このように高浸透特性で、かつ高い信頼性、安全性と優れた画像特性が可能となる記録液を収容した記録液カートリッジおよびこのカートリッジを具備した記録装置が提供できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した記録液を収容するインクカートリッジを搭載するシリアル型インクジェット記録装置の構成例を示す概略正面図である。
【図2】本発明の記録装置に装填する前のインクカートリッジの外観斜視図である。
【図3】本発明のインクカートリッジの正断面図である。
【図4】本発明の記録ヘッドと一体化された記録ユニットの外観斜視図である。
【符号の説明】
1 側板
2 側板
3 主支持ガイドロッド
4 従支持ガイドロッド
5 キャリッジユニット
6 ヘッド
6a 吐出面(ノズル面)
7 インクカートリッジ
7y イエローインクカートリッジ
7m マゼンタインクカートリッジ
7c シアンインクカートリッジ
7k ブラックインクカートリッジ
8 主走査モータ
9 駆動プーリ(駆動タイミングプーリ)
10 従動プーリ(アイドラプーリ)
11 タイミングベルト
12 底板
13 サブフレーム
14 サブフレーム
15 搬送ローラ
16 用紙
17 副走査モータ
18 ギヤ
19 ギヤ
21 信頼性維持回復機構(サブシステム)
22 キャップ手段
23 ホルダ
24 リンク部材
25 係合部
26 吸引チューブ
27 吸引ポンプ
28 ワイピング手段(ワイパブレード)
29 ブレードアーム
30 記録ユニット
31 電極
32 ノズル
41 カートリッジ本体
42 インク吸収体
43 ケース
44 上蓋部材
45 インク供給口
46 シールリング
47 大気開放口
48 溝
50 キャップ部材
55 フィルム状シール部材
A 空間

Claims (34)

  1. ポリマー微粒子に水不溶性または難溶性の色材を含有させてなるポリマーエマルジョンを含有するインクジェット記録用インクであって、前記ポリマーエマルジョンを、固形分で8〜20重量%含有し、少なくとも1種類以上の湿潤剤(第1の種類のヒドロキシ化合物)、第2の種類のヒドロキシ化合物、両性界面活性剤、水溶性有機溶剤、及び、水を少なくとも含有し、前記湿潤剤は、グリセリン、1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、およびトリメチロールエタンから選ばれたものであり、前記第2の種類のヒドロキシ化合物は、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール又は2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールであり、前記湿潤剤を10〜50重量%含有し、25℃におけるインク粘度が5mPa・sec以上であることを特徴とするインクジェット記録用インク。
  2. 前記両性界面活性剤が、下記式(1)、(2)で表わされる化合物の中から選ばれる少なくとも一つを含有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用インク。
    Figure 0004176995
    (式中、R、Rは炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、Rは炭素数10〜20のアルキル基もしくはアルケニル基を示す。)
    Figure 0004176995
    (式中、R、Rは炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、Rはアミド基を含んでもよい炭素数10〜16のアルキル基もしくはヤシ油由来のアルキル基を示す。)
  3. 前記ポリマーエマルジョンを形成するポリマーが、ビニル系ポリマーまたはポリエステル系ポリマーであることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録用インク。
  4. 色材を含有させてなるポリマーエマルジョンを含有するインクの平均粒子径が0.16μm以下であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  5. 湿潤剤とポリマーエマルジョン固形分との重量比(湿潤剤/エマルジョン固形)が2〜5であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  6. 前記25℃におけるインクの粘度が8〜20mPa・secであることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  7. 前記両性界面活性剤を0.1〜6wt%含有することを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  8. 表面張力が40dyne/cm以下であることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  9. 次の一般式で表わされる化合物を含むことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
    Figure 0004176995
    (但し、上記式中nは5、7、8の整数を表わす。)
  10. 前記第1の種類のヒドロキシ化合物及び第2の種類のヒドロキシ化合物以外のポリオール類(第3の種類のヒドロキシ化合物)、またはラクタム類、または尿素類、またはアルキルグリシン、またはベタイン系化合物、または糖類を含むことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  11. 前記第3の種類のヒドロキシ化合物が、エチレングリコール、テトラエチレングリコール、へキシレングリコール、ポリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、2,3−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ペンタエリスリトールから選ばれた少なくとも1種よりなる請求項1乃至10のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  12. 前記ラクタム類が、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、ε−カプロラクタムから選ばれた少なくとも1種よりなることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  13. 前記尿素類が、尿素、チオ尿素、エチレン尿素、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノンから選ばれた少なくとも1種よりなることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  14. 前記糖類が、マルチトース、ソルビトース、グルコノラクトン、マルトースから選ばれた少なくとも1種よりなることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  15. ブラックインクと少なくとも1種のカラーインクとからなるインクジェット記録用インクセットであって、ブラックインクは、自己分散型顔料、少なくとも1種類以上の湿潤剤(第1の種類のヒドロキシ化合物)、第2の種類のヒドロキシ化合物、両性界面活性剤、水溶性有機溶剤、及び、水を少なくとも含有し、前記湿潤剤は、グリセリン、1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、およびトリメチロールエタンから選ばれたものであり、前記第2の種類のヒドロキシ化合物は、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール又は2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールであり、前記湿潤剤を10〜50重量%含有し、25℃におけるインク粘度が5mPa・sec以上のものであり、前記カラーインクは前記請求項1乃至14の何れか1に記載のインクジェット記録用インクであることを特徴とするインクジェット記録用インクセット。
  16. 前記顔料を固形分で8〜20重量%含有することを特徴とする請求項15に記載のインクジェット記録用インクセット。
  17. 前記自己分散型顔料が表面にカルボキシル基、スルホン基、カルボニル基、またはヒドロキシル基から選ばれる少なくとも1種の親水性基を有することを特徴とする請求項15又は16に記載のインクジェット記録用インクセット。
  18. 前記自己分散型顔料が表面に他の原子団を介してカルボキシル基、スルホン基、カルボニル基、またはヒドロキシル基から選ばれる少なくとも1種の親水性基を有することを特徴とする請求項15又は16に記載のインクジェット記録用インクセット。
  19. 含有粒子の平均粒子径が0.16μm以下であることを特徴とする請求項15乃至18のいずれかに記載のインクジェット記録用インクセット。
  20. 前記25℃におけるインクの粘度が8〜20mPa・secであることを特徴とする請求項15乃至19のいずれかに記載のインクジェット記録用インクセット。
  21. 前記両性界面活性剤が下記一般式(1)、(2)で表わされる界面活性剤から選ばれた少なくとも一種よりなることを特徴とする請求項15乃至20のいずれかに記載のインクジェット記録用インクセット。
    Figure 0004176995
    (式中、R、Rは炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、Rは炭素数10〜20のアルキル基もしくはアルケニル基を示す。)
    Figure 0004176995
    (式中、R、Rは炭素数1〜3のアルキル基もしくはヒドロキシアルキル基、Rはアミド基を含んでもよい炭素数10〜16のアルキル基もしくはヤシ油由来のアルキル基を示す。)
  22. 前記両性界面活性剤を0.1〜6wt%含有することを特徴とする請求項15乃至21のいずれかに記載のインクジェット記録用インクセット。
  23. 表面張力が40dyne/cm以下であることを特徴とする請求項15乃至22のいずれかに記載のインクジェット記録用インクセット。
  24. 次の一般式で表わされる化合物を含むことを特徴とする請求項15乃至23のいずれかに記載のインクジェット記録用インクセット。
    Figure 0004176995
    (但し、上記式中nは5、7、8の整数を表わす。)
  25. 前記第1の種類のヒドロキシ化合物及び第2の種類のヒドロキシ化合物以外のポリオール類(第3の種類のヒドロキシ化合物)、またはラクタム類、または尿素類、またはアルキルグリシン、またはベタイン系化合物、または糖類を含むことを特徴とする請求項15乃至24のいずれかに記載のインクジェット記録用インクセット。
  26. 請求項1乃至14のいずれかに記載のインクジェット記録用インクまたは請求項15乃至25のいずれかに記載のインクジェット記録用インクセットにエネルギーを作用させてインク吐出を行なうことを特徴とするインクジェット記録方法。
  27. インクに熱エネルギーを作用させてインク吐出を行なうことを特徴とする請求項26に記載のインクジェット記録方法。
  28. インクに力学的エネルギーを作用させてインク吐出を行なうことを特徴とする請求項26に記載のインクジェット記録方法。
  29. Mjが5〜35pl、Vjが6〜20m、周波数1KHz以上、解像度が300dpi以上、ワンパス印字条件において、請求項1乃至15のいずれかに記載のインクジェット記録用インクまたは請求項15乃至25のいずれかに記載のインクジェット記録用インクセットを用いることを特徴とする請求項26乃至28のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  30. 請求項1乃至14のいずれかに記載のインクジェット記録用インクまたは請求項15乃至25のいずれかに記載のインクジェット記録用インクセットを収容したことを特徴とするインク収容部を備えたインクカートリッジ。
  31. 請求項1乃至14のいずれかに記載のインクジェット記録用インクまたは請求項15乃至25のいずれかに記載のインクジェット記録用インクセットを収容したインク収容部あるいはインクカートリッジ、該インクをエネルギーの作用により滴化し吐出させるためのヘッド部あるいは記録ユニットを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  32. 前記インクジェット記録ヘッドのノズルプレートの表面に撥インク性皮膜層が共析メッキにより形成されていることを特徴とする請求項31に記載の記録装置。
  33. 前記インクジェット記録ヘッドのノズル径が30μ以下であることを特徴とする請求項31又は32に記載の記録装置。
  34. 請求項26乃至29のいずれかに記載の記録方法によって記録が行われたことを特徴とする記録物。
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