JP4177009B2 - インクジェット記録用インク組成物及び記録方法 - Google Patents

インクジェット記録用インク組成物及び記録方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録用インク組成物に関し、さらに詳しくは、インク組成物、特にアルギン酸に注目し、普通紙における高発色及び高画質印刷を実現し、カラーブリードやフェザーリングや裏抜けを軽減ないし解消することができるインク組成物、インク組成物セット、カートリッジ、インクジェット記録用装置、インクジェット記録方法及び形成された画像に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録用としては従来より様々な組成のインクが提案されている。最近の動向としては特にコピー用紙や再生紙も含む一般的に普通紙と呼ばれる用紙に印刷した際の品質が重要視されている。普通紙印刷に要求される品質は、一方では印刷物が高画像品質(フェザリングがないこと)・高発色であるということであり、また他方では複数色の記録インクが抵触することによって生じるにじみ(すなわち、カラーブリード)がないことである。一般に、高画像品質・発色性を向上させるにはインクの浸透性を抑制することが好ましいが、カラーブリードを軽減ないし解消するにはインクの浸透性を逆に大きくすることが好ましい。
【0003】
これらの課題を解決させるためのインクが多岐にわたって提案されている。例えば、特開昭54−62005号公報では、インクにアルギン酸とポリエチレングリコールを加え、湿潤効果と粘度調整を可能にしている。
【0004】
また、特開平5−194884号公報では、インクに高分子コロイドと少なくとも1種の臨界ミセル濃度以上の界面活性剤及び低蒸気圧溶媒を添加し、記録紙でのブリードを軽減することを開示している。
【0005】
一方、特開平6−88048号公報では、界面活性剤の添加量がインクに対して臨界ミセル濃度以上及び純水に対して臨界ミセル濃度以下である記録インクを用い、界面活性剤の効果によって記録媒体とインクとのにじみや色境界のブリードを防止したとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記の従来技術では、依然として前記の相矛盾する課題が充分には解消されていなかった。具体的には、以下の点で課題が残されていた。
【0007】
第一に、記録画像にフェザリングが発生し、記録画像の発色が低い。すなわち、記録画像のフェザリングとカラーブリードを改良する目的で浸透性を高めるために、インクの表面張力が著しく低下されているので、記録紙に着弾したインクは紙繊維間に存在する微細孔に毛細管現象によって侵入し、紙内部に深く浸透してしまう。そのため、着弾されたインクの記録媒体上でのドット形状が、ドット周辺部でシャープさに欠け、記録された画像のエッジがぼやけ裏抜けが大きいので記録画像の高解像度化への障害になっている。同時に、記録画像の発色が低下してしまうという問題も生じている。
【0008】
一般的には、インクの浸透性を抑制すれば、記録画像の発色性を高めると共に、着弾したドット形状をシャープにすることができる。しかしながら、浸透を抑制されたインクは、記録媒体上での乾燥性が低下するので、カラー印刷のように複数のインクを用いた場合には、記録媒体上に乾燥せずに残っているインクが相互に混ざり合ってカラーブリードとなり、画像品質を劣化させてしまう。このように、従来のインクでは、普通紙への記録品位が未だ不十分な状態に留まっていた。
【0009】
また、第二の課題は、プリントヘッドノズルに目詰まりが生じる点である。特開平5−194884号公報に記載のインクには、高分子コロイドが含まれているので、数日以上の長期にわたって印刷を行わないとノズル近傍でインクの水分が蒸発し、高分子化合物濃度が高まり、インクの粘度が急激に上昇し、さらには高分子化合物が析出してしまう。こうした状態で、次の機会に印刷を行うと、ヘッドのノズルの目詰まりのためにインクを適正に吐出することができず、印刷品質を著しく損なう結果となる。
【0010】
従って、本発明の目的は、特定のアルギン酸と顔料、湿潤剤、ポリオール、界面活性剤を含有するインクを用いることにより、記録媒体上におけるフェザリングと混色のカラーブリードそして裏抜けを軽減ないし解消し、これを満足させた状態で、特に普通紙における印刷品質がシャープでクリアになり記録画像が高発色で、かつ、ヘッドノズル目詰まりの生じないインクジェット記録用インク及び記録方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記課題は、下記の手段により達成される。
本発明によれば、請求項1では少なくとも(A)顔料、(B )pH7.0で10wt%水溶液の20℃での粘度が5mPa・s以下のアルギン酸、(B )アルカノールアミン、またはアルカノールアミンと水酸化アルカリ金属、或いはアルカノールアミンと少なくとも一つ以上の水酸基で置換された第四級アンモニウム、(C)湿潤剤、(D)2−エチル−1,3−ヘキサンジオール又は2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールからなる炭素数8のポリオール、(E)アニオン又はノニオン系界面活性剤、及び(F)水とからなり、該アルカノールアミンが、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール又は2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオールの少なくとも1種を含むものであることを特徴とするインク組成物によって達成することを最も主要な特徴とする。
【0012】
第二に、請求項1に記載のインク組成物であって、前記アルギン酸(B は、該アルギン酸(B をインク総量の0.1〜3.0wt%含有することを主要な特徴とする。
【0014】
に、請求項1又は2に記載のインク組成物であって、請求項記載の水酸化アルカリ金属が水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は水酸化リチウムであることを主要な特徴とする。
【0015】
に、請求項1から3のいずれか一項に記載のインク組成物であって、請求項記載のアルカノールアミンがトリエタノールアミンを含むことを主要な特徴とする。
【0017】
に、請求項1、2、4のいずれか一項に記載のインク組成物であって、前記の少なくとも一つ以上の水酸基で置換された第四級アンモニウムが前記構造式(1)即ちトリメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムハイドロオキサイド、(2)即ちトリメチル−2−ヒドロキシエトキシアンモニウムハイドロオキサイド、(3)即ちトリメチル−2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシアンモニウムハイドロオキサイドの化合物であることを主要な特徴とする。
【0018】
に、請求項1からのいずれか一項に記載のインク組成物であって、前記アルギン酸(B として、アルギン酸を構成するD−マンヌロン酸とL−グルロン酸との比(D−マンヌロン酸/L−グルロン酸)が、0.05〜0.8の範囲のアルギン酸を用いることを主要な特徴とする。
【0019】
に、請求項1からのいずれか一項に記載のインク組成物であって、前記アルギン酸(B として、アルギン酸を構成するD−マンヌロン酸とL−グルロン酸との比(D−マンヌロン酸/L−グルロン酸)が、1.5〜2.5の範囲のアルギン酸を用いることを主要な特徴とする。
【0020】
に、請求項1からのいずれか一項に記載のインク組成物であって、前記アルギン酸(B と湿潤剤(C)との重量比が1:10から1:50であることを主要な特徴とする。
【0022】
に、請求項1からのいずれか一項に記載のインク組成物であって、前記アニオン又はノニオン系界面活性剤(E)が前記一般式(4)、(5)、(6)、(7)、(8)及び(9)の界面活性剤から選ばれる少なくとも1種であることを主要な特徴とする。
【0023】
に、請求項1からのいずれか一項に記載のインク組成物であって、前記アニオン又はノニオン系界面活性剤(E)を0.1〜5.0wt%含有すること主要なを特徴とする。
【0024】
十一に、請求項1から10のいずれか一項に記載のインク組成物であって、前記湿潤剤(C)が固体湿潤剤(G)であることを主要な特徴とする。
【0025】
十二に、請求項11に記載のインク組成物であって、前記固体湿潤剤(G)を、前記インク組成物の0.5〜30wt%の量で含むことを主要な特徴とする。
【0026】
十三に、請求項1から12のいずれか一項に記載のインク組成物であって、前記湿潤剤(C)が、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、チオジグリコール及びペンタエリスリトールから選ばれる少なくとも1種よりなることを主要な特徴とする。
【0027】
十四に、請求項1から13のいずれか一項に記載のインク組成物であって、前記湿潤剤(C)がグリセリンとグリセリン以外の湿潤剤を混合した湿潤剤であることを主要な特徴とする。
【0028】
十五に、請求項1から14のいずれか一項に記載のインク組成物であって、前記湿潤剤(C)を5〜40wt%含有することを主要な特徴とする。
【0029】
十六に、請求項1から15のいずれか一項に記載のインク組成物であって、前記顔料(A)の濃度が5〜15wt%であることを主要な特徴とする。
【0030】
十七に、請求項1から16のいずれか一項に記載のインク組成物であって、前記顔料(A)が自己分散型顔料であることを主要な特徴とする。
【0031】
十八に、請求項17に記載のインク組成物であって、自己分散型顔料が表面にカルボキシル基、スルホン基、カルボニル基又はヒドロキシル基を有することを主要な特徴とする。
【0032】
十九に、請求項17又は18に記載のインク組成物であって、自己分散型顔料の表面に親水性基の少なくとも一種がジアゾ化合物処理、酸化処理、次亜塩素酸処理、スルホン化剤処理、フミン酸処理のいずれかにより含有されることを主要な特徴とする。
【0033】
二十に、請求項17から19のいずれか一項に記載のインク組成物であって、自己分散型顔料の平均粒径が0.16μ以下であることを主要な特徴とする。
【0034】
二十一に、請求項1から20のいずれか一項に記載のインク組成物であって、前記湿潤剤(C)前記顔料(A)の重量比が0.3〜8.0であることを主要な特徴とする。
【0035】
二十二に、請求項1から21のいずれか一項に記載のインク組成物であって、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン及びε−カプロラクタムから選ばれる少なくとも1種を含むことを主要な特徴とする。
【0036】
二十三に、請求項1から22のいずれか一項に記載のインク組成物であって、インクの粘度が8〜20mPa・s(25℃)であることを主要な特徴とする。
【0037】
二十四に、カラーインクジェット記録用インク組成物セットであって、2色以上のインク組成物からなるカラーインクジェット記録用インク組成物セットであって、前記インク組成物の少なくとも1種が、請求項1から23のいずれか一項に記載のインク組成物であることを主要な特徴とする。
【0038】
二十五に、インクカートリッジであって、請求項1から23のいずれか一項に記載のインク組成物を収納することを主要な特徴とする。
【0039】
二十六に、インクジェット記録用インクカートリッジであって、インクを収容したインク収容部と該インクを吐出させるための記録ヘッド部を備えたインクジェット記録用インクカートリッジにおいて、該インクが請求項1から23のいずれか一項に記載のインク組成物であることを主要な特徴とする。
【0040】
二十七に、インクジェット記録用装置であって、請求項25又は26に記載のインクカートリッジを有することを主要な特徴とする。
【0041】
二十八に、インクジェット記録方法であって、請求項1から23のいずれか一項に記載のインク組成物を用いて実施することを主要な特徴とする。
【0042】
二十九に、インクジェット記録方法であって、記録装置本体又はインクカートリッジに設けた記録ヘッドのノズルプレートの表面に撥インク性皮膜層が共析メッキにより形成されたインクジェット記録装置請求項1から23のいずれか一項に記載のインクを用いて記録することを特徴とする。
【0043】
三十に、画像であって、請求項1から23のいずれか一項に記載のインク組成物を用いるインクジェット記録方法によって形成されたことを特徴とする。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を説明する。
本発明のインク組成物において前記顔料(A)の含有量は、顔料の種類、溶媒又は分散媒成分の種類、及び/又は要求特性等によって異なり、特に限定されるものではないが、インク組成物全重量に対して、好ましくは5.0〜15.0wt%、より好ましくは6.0〜10.0wt%の範囲である。顔料の含有量が5.0wt%未満になると印刷物の発色が薄くなることがあり、15.0wt%を越えるとプリンタヘッドからの吐出不良が起きることがある。顔料の含有量が6.0wt%以上になると発色性の点でより好ましく、10.0wt%以下であると吐出性の点でより好ましい。
【0045】
本発明に用いる顔料に関しては、特にその種類を限定することなく、無機顔料、有機顔料を使用することができる。無機顔料としては、酸化チタン及び酸化鉄に加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法等の公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等を含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料等)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレート等)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック等を使用できる。
【0046】
本発明の好ましい態様によれば、これらの顔料のうち、水と親和性の良いものが好ましく用いられる。顔料の粒径は、0.05〜10μm以下が好ましく、さらに好ましくは1μm以下であり、最も好ましくは0.16μm以下である。インク中の着色剤としての顔料の添加量は、5〜15wt%程度が好ましく、より好ましくは6〜10wt%程度である。
【0047】
本発明において好ましく用いられる顔料の具体例としては、以下のものが挙げられる。
黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、又は銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料が挙げられる。
さらに、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1(ファストイエローG)、3、12(ジスアゾイエローAAA)、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、81、83(ジスアゾイエローHR)、95、97、98、100、101、104、408、109、110、117、120、138、153、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22(ブリリアントファーストスカレット)、23、31、38、48:2(パーマネントレッド2B(Ba))、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3(パーマネントレッド2B(Sr))、48:4(パーマネントレッド2B(Mn))、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81(ローダミン6Gレーキ)、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルーR)、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルーE)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36等がある。
その他顔料(例えばカーボン)の表面を樹脂等で処理し、水中に分散可能としたグラフト顔料や、顔料(例えばカーボン)の表面にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加し水中に分散可能とした加工顔料等が使用できる。
また、顔料をマイクロカプセルに包含させ、該顔料を水中に分散可能なものとしたものであっても良い。
【0048】
本発明の好ましい態様によれば、ブラックインク用の顔料は、顔料を分散剤で水性媒体中に分散させて得られた顔料分散液としてインクに添加されるのが好ましい。好ましい分散剤としては、従来公知の顔料分散液を調製するのに用いられる公知の分散液を使用することができる。
分散液としては、例えば以下のものが挙げられる。
ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、アクリル酸−アクリロニトリル共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−エチレン共重合体、酢酸ビニル−脂肪酸ビニルエチレン共重合体、酢酸ビニル−マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル−クロトン酸共重合体、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体等が挙げられる。
本発明の好ましい態様によれば、これらの共重合体は重量平均分子量が3,000〜50,000であるのが好ましく、より好ましくは5,000〜30,000、最も好ましくは7,000〜15,000である。分散剤の添加量は、顔料を安定に分散させ、本発明の他の効果を失わせない範囲で適宣添加されて良い。分散剤としては1:0.06〜1:3の範囲が好ましく、より好ましくは1:0.125〜1:3の範囲である。
【0049】
着色剤に使用する顔料は、記録用インク全重量に対して5〜15wt%含有し、0.05〜0.16μm以下の粒子径の粒子であり、分散剤により水中に分散されていて、分散剤が、分子量5,000〜100,000の高分子分散剤である。水溶性有機溶剤の少なくとも1種類としてピロリドン誘導体、特に、2−ピロリドンを使用すると画像品質が向上する。
【0050】
本発明のインク組成物は、前記pH7.0で10wt%水溶液の粘度が5mPa・s以下(20℃)の超低粘度アルギン酸(B を含有する。
【0051】
ここで加えるアルギン酸は従来のアルギン酸とは分子量と粘度の点で全く異なる。すなわち従来のアルギン酸は分子量が数万から数十万であり、インク中への添加量も0.02から多くて0.5wt%迄しか添加出来なかった。しかし、本発明におけるアルギン酸は、分子量数千から数万で、pH7.0で10wt%水溶液の粘度が5mPa・s以下(20℃)の超低粘度アルギン酸であり、インクへの添加量は5.0wt%でも十分に溶解する。添加量は、好ましくは0.1〜3.0wt%であり、より好ましくは0.5〜2.0wt%である。本発明では、インク中に多量にアルギン酸を添加出来ることで、アルギン酸の効果をこれまでに無いほどの顕著に発揮することができた。アルギン酸の効果については下記に述べる。
【0052】
一般的に、アルギン酸又はアルギン酸塩は、それを含む水溶液中でマグネシウム以外の多価金属カチオン(例えば、カルシウム又はアルミニウム)と容易に反応してゲル化し、前記水溶液を増粘させることが知られている。
また、本発明者らの調査によれば、一般的な普通紙には、1価のカチオン(例えば、ナトリウム)の他に多価金属カチオン(例えば、カルシウム又はアルミニウム)等が含有されていることが確認されている。
従って、本発明の水性インク組成物を普通紙上に吐出すると、普通紙上の多価金属カチオンがインク組成物によって溶出され、前記(B )と(B )を併用したアルギン酸又はアルギン酸塩(B)のゲル化反応が促進される。インク組成物は急激なゲル化によって増粘し、普通紙の平面方向への広がりや垂直方向への浸透が抑制される。こうして、普通紙上ではフェザリング及びブリードが防止ないし軽減され、ドット形状がシャープになり、更に高発色化に対して好影響を与えることができる。
すなわち、紙面上での拡張(広がり)や浸透等の現象は、一般には浸透剤によって制御されているが、本発明のインク組成物ではアルギン酸又はアルギン酸塩(B)の添加によって制御することができ、更に前記のような印刷品質の向上をも達成することができる。
【0053】
前記超低粘度アルギン酸又はアルギン酸塩(B)としては、例えば、分子量数千から数万のアルギン酸のアルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩又はカリウム塩)、アンモニウム塩、又は置換アンモニウム塩を用いることができる。置換アンモニウム塩は、例えば、炭素数1〜4の低級アルキル基(特にメチル基又はエチル基)の1種、又は同一若しくは異なる低級アルキル基の2種以上でモノ−又はジ−置換、特にはトリ−置換された4級アンモニウム塩である。
特にアルカノールアミンとの併有好ましく、本発明のインク組成物においては、アルギン酸とアルカノールアミンとを併用する
アルカノールアミンにはトリエタノールアミン等がある。またさらに、水酸化アルカリ金属や、少なくとも一つ以上の水酸基で置換された第四級アンモニウムとの併有も好ましい。この化合物としては、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、構造式(1)、構造式(2)、構造式(3)等がある。
【0054】
インク組成物中のアルギン酸は、アルカリ金属塩よりもアルカノールアミンや少なくとも一つ以上の水酸基で置換された第四級アンモニウムとの併有の形で存在する方が、アルギン酸の溶解性の向上、アルギン酸の熱的安定性の向上、ヘッド部材や液室部材を腐食させないという安定性(特にシリコン液室の場合)がもたらされインク組成物の安定性が向上し好ましい。
具体的にはアルドリッチの試薬、大日本製薬(株)製のマニュコールDMF(M/G比1.3)やマニュゲルGMD(M/G比0.7)、ダックアルギン〔紀文フードケミファ(株)の登録商標〕等を使用することができる。
アルギン酸又はアルギン酸塩(B)の含有量は、使用するアルギン酸塩の分子量によって異なり、特に限定されるものではないが、インク組成物全重量に対して、好ましくは0.1〜3.0wt%、より好ましくは0.5〜2.0wt%の範囲である。アルギン酸又はアルギン酸塩の含有量が0.1wt%未満になるとゲル化の程度が弱くなることがあり、3.0wt%を越えるとインクを吐出することができなくなる程度にまで増粘することがある。アルギン酸又はアルギン酸塩(B)の含有量が0.5wt%以上になるとゲル化が促進されてブリードが防止される点でより好ましく、2.0wt%以下であるとインク粘度(すなわち、吐出安定性)の点でより好ましい。
【0055】
本発明者等は、前記アルギン酸又はアルギン酸塩(B)によるゲル化のメカニズムを更に検討し、アルギン酸を構成するD−マンヌロン酸〔M〕とL−グルロン酸〔G〕との比(D−マンヌロン酸/L−グルロン酸)〔以下、M/G比と称することがある〕に着目し、種々のM/G比を有するアルギン酸塩を用いて評価した結果、カラーブリード及びフェザリング(紙の繊維に沿った単色インクのにじみ)の抑制が一層良好になるM/G比範囲が存在することを見出した。
【0056】
すなわち、本発明のインク組成物において、前記アルギン酸又はアルギン酸塩(B)として、M/G比が好ましくは0.05〜0.8及び1.5〜2.5、より好ましくは0.1〜0.7及び1.6〜2.0の範囲のアルギン酸塩を用いると、インク組成物の浸透を抑え、紙の上でのインク組成物の流動性を小さくすることができ、従って、発色性を改良しながらフェザリング及びカラーブリードを減少させるという相反する課題を同時に解決することができる。この傾向は、0.05〜0.8の範囲で顕著であるが、更に耐熱性考慮した保存性を考えるとM比が多い1.5〜2.5の範囲が画像品質と保存性の観点から優れていると言える。この間の数値は画像品質と保存性の両方の特性が両立出来ない範囲である。
【0057】
アルギン酸塩のM/G比は、酸加水分解によって測定することができる。また、特定のM/G比を有するアルギン酸塩は、抽出する海草類の種類によって選択することができる。
【0058】
本発明のインク組成物に含まれるアルギン酸又はアルギン酸塩(B)は、前記のような優れた効果をもたらすが、その一方で、記録ヘッドのノズル近傍でインク組成物の水分が蒸発すると、アルギン酸塩によりインク組成物が急激に増粘し、更にはインク組成物の固化が起こり、ノズルからのインク組成物の吐出不良やノズル目詰まりの原因となることも分かった。本発明のインク組成物においては、この欠点を、液状湿潤剤(C)の添加によって解消することができる。
【0059】
液状湿潤剤(C)とは、常温で液体状の湿潤剤であり、特には高沸点低揮発性の水溶性有機溶媒(例えば、沸点が200℃以上の水溶性有機溶媒)を用いることができる。水溶性有機溶媒としては、例えば、多価アルコール類、特には、炭素数2〜10の2価〜5価アルコール類;含窒素炭化水素溶媒、例えば、ホルムアミド類、イミダゾリジノン類、ピロリドン類、あるいはアミン類;含硫黄炭化水素溶媒を挙げることができ、それらの溶媒を1種又はそれ以上組み合わせて用いることができる。
【0060】
本発明のインク組成物は水を液媒体として使用するものであるが、インクを所望の物性にするため、インクの乾燥を防止するために、また、溶解安定性を向上するため等の目的で、例えば下記の水溶性有機溶媒が使用される。これら水溶性有機溶媒は複数混合して使用してもよい。
【0061】
好ましい水溶性高沸点低揮発性有機溶剤の具体例を挙げれば以下のとおりである。
【0062】
エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセロール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類;
エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;
エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類;
2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミイダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物;
ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;
モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類;
ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物類;
プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等である。
これら有機溶媒の中でも、特にジエチレングリコール、チオジエタノール、ポリエチレングリコール200〜600、トリエチレングリコール、グリセロール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ペトリオール、1,5−ペンタンジオール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンが好ましい。これらは溶解性と水分蒸発による噴射特性不良の防止に対して優れた効果が得られる。
【0063】
その他の湿潤剤としては、糖を含有してなるのが好ましい。糖類の例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類及び四糖類を含む)及び多糖類が挙げられ、好ましくはグルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等が挙げられる。ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、α−シクロデキストリン、セルロース等自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。
また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(一般式HOCH(CHOH)nCHOH(ここでn=2〜5の整数を表す。)で表される。)、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸等)、アミノ酸、チオ酸等が挙げられる。特に糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビット等が挙げられる。
これら糖類の含有量は、インク組成物の0.1〜40wt%、好ましくは0.5〜30wt%の範囲が適当である。
【0064】
顔料と湿潤剤の比は、ヘッドからのインク吐出安定性に非常に影響がある。顔料固形分が高いのに湿潤剤の配合量が少ないとノズルプレート上で顔料の乾燥が進み吐出不良をもたらす。
湿潤剤の配合量は5〜40wt%であり、これに対して顔料濃度は、好ましくは5〜15wt%、より好ましくは6〜10wt%であるので、湿潤剤と顔料固形分の両者の比は0.3〜8.0となるが、より好ましくは2.0〜6.0であり、最も好ましくは3.0〜5.0の範囲である。この範囲にあるインクは、乾燥性や保存試験や信頼性試験が非常に良好である。
【0065】
本発明者らが見出したところによれば、液状湿潤剤(C)成分が少なくともグリセリンを含み、しかもグリセリンが本発明のインク組成物全体の7wt%以上の量で含有されていると、特に記録媒体上における混色のカラーブリードが軽減ないし解消され、これを満足させた状態で、特に普通紙における記録画像が高発色性となり、印刷品質がシャープでクリアになり、更にヘッドノズル目詰まりの生じないインクジェット記録用インク組成物を得ることができる。グリセリン含有量の上限は特に限定されないが、増粘による吐出不良防止の観点から15wt%以下であることが好ましい。
【0066】
前記のグリセリン以外の液状湿潤剤(C)の含有量は、使用する液状湿潤剤の種類やグリセリンの含有量等によって異なり、特に限定されるものではないが、インク組成物全重量に対して、好ましくは30wt%以下、より好ましくは15〜25wt%の範囲である。従って、前記のグリセリンを含めた液状湿潤剤(C)の含有量は、使用する液状湿潤剤の種類やグリセリンの含有量等によって異なり、特に限定されるものではないが、インク組成物全重量に対して、好ましくは5〜40wt%、より好ましくは15〜30wt%の範囲である。前記のグリセリンを含めた湿潤剤(C)の含有量が5wt%未満になると目詰りを生じることがあり、40wt%を越えると増粘による吐出不良の起きることがある。
【0067】
更に、前記アルギン酸又はアルギン酸塩(B)とグリセリンとの重量比が1:10〜1:50となる量で両者を含有すると、目詰まり復帰性が一層良好になるので好ましい。前記の重量比が1:10未満であると目詰まり復帰性に十分な効果が得られないことがあり、また1:50を越えるとインク粘度が高くなり過ぎ実用的ではなくなる場合がある。
【0068】
本発明のインク組成物では、常温で固体(特に粉末や結晶状)の固体湿潤剤(G)をアルギン酸又はアルギン酸塩(B)と併用することにより、フェザリングとカラーブリードの抑制と高発色性の点で相乗効果を得ることができる。
すなわち、アルギン酸又はアルギン酸塩(B)を含有することにより得られるフェザリングとカラーブリードの抑制と高発色性が、固体湿潤剤(G)を併用することにより、一層向上する。この作用機序は、固体湿潤剤(G)が記録媒体(例えば印刷用普通紙)上に残留して顔料(A)を記録媒体中に浸透させないことによるものと考えられる。
【0069】
固体湿潤剤(G)としては、吸湿性が高く、水性インク組成物や水に易溶で、かつインク組成物に湿潤性を付与することのできる化合物、例えば、尿素;シクロデキストリン、例えば、ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン;トリメチロール置換の炭素数2〜4の低級アルカン化合物、例えば、トリメチロールエタン又はトリメチロールプロパン;5〜7員のラクタム化合物、例えば、カプロラクタム等のほか、ショ糖や果糖等の単糖類又は多糖類を使用することができる。固体湿潤剤(G)の含有量は、前記の液状湿潤剤(C)の種類や含有量によって異なり、特に限定されるものではないが、インク組成物全重量に対して、好ましくは30wt%以下、より好ましくは1.0〜20wt%である。含有量が1.0wt%未満であるとフェザリングとカラーブリードの抑制と高発色効果が不十分になることがあり、30wt%を越えると増粘により吐出不良を起こすことがある。また、固体湿潤剤(G)の含有量は、グリセリンを含む液状湿潤剤(C)との合計で、インク組成物の好ましくは40wt%以下、より好ましくは15〜30wt%である。グリセリンを含む液状湿潤剤(C)との合計量が40wt%を越えると吐出不良を起こすことがある。
【0070】
アニオン又はノニオン系界面活性剤は特に限定されないが、アニオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド等が挙げられる。
アセチレングリコール系界面活性剤は、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレングリコール系(例えばエアープロダクツ社(米国)のサーフィノール104、82、465、485あるいはTG等)を用いることができるが、特にサーフィノール465、104やTGが良好な印字品質を示す。
前記界面活性剤は、単独又は2種以上を混合して用いることができる。
【0071】
本発明における表面張力は紙への浸透性を示す指標であり、特に表面形成されて1秒以下の短い時間での動的表面張力を示し、飽和時間で測定される静的表面張力とは異なる。測定法としては特開昭63−31237号公報等に記載の従来公知の方法で1秒以下の動的な表面張力を測定できる方法であればいずれも使用できるが本発明ではWilhelmy式の吊り板式表面張力計を用いて測定した。表面張力の値は40mJ/m以下が好ましく、より好ましくは35mJ/m以下とすると優れた定着性と乾燥性が得られる。
【0072】
本発明に用いる炭素数8のポリオール(D)は、25℃の水中において0.1〜4.5wt%未満の間の溶解度を有する部分的に水溶性のポリオールを記録用インク全重量に対して0.1〜10.0wt%添加することによって、該インクの熱素子への濡れ性が改良され、少量の添加量でも吐出安定性及び周波数安定性が得られることが分かった。
(1)2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 溶解度:4.2%(20℃) (2)2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール溶解度:2.0%(25℃)25℃の水中において0.1〜4.5wt%未満の間の溶解度を有する浸透剤は溶解度が低い代わりに浸透性が非常に高いという長所がある。従って、25℃の水中において0.1〜4.5wt%未満の間の溶解度を有する浸透剤と他の溶剤との組み合わせや他の界面活性剤との組み合わせで非常に高浸透性のインクを作製することが可能となる。
【0073】
本発明の記録用インクには樹脂エマルジョンが添加されているのが好ましい。樹脂エマルジョンとは、連続相が水であり、分散相が次の様な樹脂成分であるエマルジョンを意味する。分散相の樹脂成分としてはアクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル−スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン系樹脂等が挙げられる。
本発明の好ましい態様によれば、この樹脂は親水性部分と疎水性部分とを併せ持つ重合体であるのが好ましい。また、これらの樹脂成分の粒子径はエマルジョンを形成する限り特に限定されないが、150nm程度以下が好ましく、より好ましくは5〜100nm程度である。
これらの樹脂エマルジョンは、樹脂粒子を、場合によって界面活性剤とともに水に混合することによって得ることができる。
例えば、アクリル系樹脂又はスチレン−アクリル系樹脂のエマルジョンは、(メタ)アクリル酸エステル又はスチレンと、(メタ)アクリル酸エステルと、場合により(メタ)アクリル酸エステルと、界面活性剤とを水に混合することによって得ることができる。樹脂成分と界面活性剤との混合の割合は、通常10:1〜5:1程度とするのが好ましい。界面活性剤の使用量が前記範囲に満たない場合、エマルジョンとなりにくく、また前記範囲を超える場合、インクの耐水性が低下したり、浸透性が悪化する傾向があるので好ましくない。
前記エマルジョンの分散相成分としての樹脂と水との割合は、樹脂100重量部に対して水60〜400重量部、好ましくは100〜200の範囲が適当である。
市販の樹脂エマルジョンとしては、マイクロジェルE−1002、E−5002(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ペイント株式会社製)、ボンコート4001(アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、ボンコート5454(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、大日本インキ化学工業株式会社製)、SAE−1014(スチレン−アクリル系樹脂エマルジョン、日本ゼオン株式会社製)、サイビノールSK−200(アクリル系樹脂エマルジョン、サイデン化学株式会社製)、等が挙げられる。
本発明に使用するインクは、樹脂エマルジョンを、その樹脂成分がインクの0.1〜40wt%となるよう含有するのが好ましく、より好ましくは1〜25wt%の範囲である。
樹脂エマルジョンは、増粘・凝集する性質を持ち、着色成分の浸透を抑制し、さらに記録材への定着を促進する効果を有する。また、樹脂エマルジョンの種類によっては記録材上で皮膜を形成し、印刷物の耐擦性をも向上させる効果を有する。
【0074】
本発明による好ましいインク組成物は、(A)顔料5.0〜12.0wt%、より好ましくは6.0〜10.0wt%;(B)pH7.0で10wt%中和粘度が5mPa・s以下(20℃)のアルギン酸又はアルギン酸塩0.1〜3.0wt%、より好ましくは0.5〜2.0wt%;(C)湿潤剤(グリセリン含有)5wt%以上、より好ましくは15〜30wt%;(D)炭素数8のポリオール1.0〜2.0wt%;(E)アニオン又はノニオン系界面活性剤0.1〜5.0wt%、より好ましくは0.5〜3.0wt%;及び(F)残部の水を含む。
【0075】
本発明のインクジェット記録用インク組成物は、前記の各成分を含有するが、その他に従来公知の各種添加剤、例えば、前記液状湿潤剤(C)以外の水溶性有機溶媒、各種の分散剤、粘度調整剤、及び/又は蛍光増白剤等を必要に応じて含有することができる。粘度調整剤としては、例えば、セルロース類、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、水溶性樹脂等の水溶性の天然又は合成高分子化合物を挙げることができる。更に、pH調整剤としての緩衝液、防カビ剤等を含有することもできる。
【0076】
例えば、防腐防黴剤としてはデヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム等が本発明に使用できる。
【0077】
pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響をおよぼさずにpHを7以上に調整できるものであれば、任意の物質を使用することができる。
その例として、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩等が挙げられる。
【0078】
キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等がある。
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等がある。
【0079】
その目的に応じて水溶性紫外線吸収剤、水溶性赤外線吸収剤等を添加することができる。
【0080】
また、比抵抗調整剤、例えば、無機塩類、例えば、アルカリ金属ハロゲン化物又はハロゲン化アンモニウム(例えば、塩化リチウム、塩化アンモニウム、塩化ナトリウム)等を含有させることにより、記録液を帯電するタイプのインクジェット記録方法に使用される記録液を調製することができる。
【0081】
なお、前記の各成分の配合比を調整して、熱的な物性値(蒸発熱、沸点、融点、比熱、熱膨張係数、及び/又は熱伝導率等)を調整することにより、熱エネルギーの作用によって記録液を吐出させるタイプのインクジェット記録方法に適応するインク組成物を調製することもできる。
【0082】
また、本発明のインク組成物の粘度を、好ましくは20mPa・s以下、より好ましくは15mPa・s以下に調整し、ヘッドからの安定吐出、及びヘッドへの安定なインク供給を確保することができる。
【0083】
本発明のインクジェット記録用インク組成物は、前記の各配合成分を任意の順序で適宜混合し、溶解(又は分散)させた後、不純物等を濾過して除去することにより、調製することができる。また、顔料を適宜選択し、更に必要により、選択された前記顔料との組み合わせで他の配合成分を適宜選択し、カラーインクジェット記録用の本発明によるイエローインク組成物、マゼンタインク組成物、シアンインク組成物、ブラックインク組成物、ブルーインク組成物、グリーンインク組成物、又はレッドインク組成物を調製することができる。
【0084】
本発明によるインクジェット記録方法は、前記の本発明によるインク組成物1種又はそれ以上を用いるかぎり特に限定されないが、特に少なくとも2色以上のインク組成物を用いて実施するカラーインクジェット記録方法において、2色以上の前記の本発明によるインク組成物を用いるのが好ましい。すなわち、前記のイエローインク組成物、マゼンタインク組成物、及びシアンインク組成物、並びに場合によりブラックインク組成物を組み合わせたインクセットを用い、レッド画像、グリーン画像及びブルー画像を形成し、更に3色のインク組成物を重ねるか又は別に用いるブラックインク組成物によってブラック画像を形成するカラーインクジェット記録方法が好ましい。また、前記の各色のインク組成物に加えて、ブルーインク組成物、グリーンインク組成物、及び/又はレッドインク組成物を用いて各種画像を形成するカラーインクジェット記録方法も本発明に含まれる。
【0085】
次に本発明の記録液を収容した記録液カートリッジ及び記録液カートリッジを具備するインクジェット記録装置について、図面を参照して説明するが、以下は構成例のひとつに過ぎず、本発明になんら限定を加えるものではない。
図1は本発明の記録液を収容した記録液収容部を備えたインクカートリッジを搭載するシリアル型インクジェット記録装置の機構部の概略正面図である。
このインクジェット記録装置の機構部は、両側の側板1,2間に主支持ガイドロッド3及び従支持ガイドロッド4を略水平な位置関係で横架し、これらの主支持ガイドロッド3及び従支持ガイドロッド4でキャリッジユニット5を主走査方向に摺動自在に支持している。キャリッジユニット5には、それぞれイエロー(Y)インク、マゼンタ(M)インク、シアン(C)インク、ブラック(Bk)インクをそれぞれ吐出する4個のヘッド6を、その吐出面(ノズル面)6aを下方に向けて搭載し、またキャリッジユニット5のヘッド6の上側には4個のヘッド6に各々インクを供給するための各色のインク供給体である4個のインクカートリッジ7y,7m,7c,7kを交換可能に搭載している。
そして、キャリッジユニット5は主走査モータ8で回転される駆動プーリ(駆動タイミングプーリ)9と従動プーリ(アイドラプーリ)10との間に張装したタイミングベルト11に連結して、主走査モータ8を駆動制御することによってキャリッジ5、即ち4個のヘッド6を主走査方向に移動するようにしている。
また、側板1,2をつなぐ底板12上にサブフレーム13,14を立設し、このサブフレーム13,14間に用紙16を主走査方向と直交する副走査方向に送るための搬送ローラ15を回転自在に保持している。そして、サブフレーム14側方に副走査モータ17を配設し、この副走査モータ17の回転を搬送ローラ15に伝達するために、副走査モータ17の回転軸に固定したギヤ18と搬送ローラ15の軸に固定したギヤ19とを備えている。
さらに、側板1とサブフレーム12との間には、ヘッド6の信頼性維持回復機構(以下、「サブシステム」という。)21を配置している。サブシステム21は、各ヘッド6の吐出面をキャッピングする4個のキャップ手段22をホルダ23で保持し、このホルダ23をリンク部材24で揺動可能に保持して、キャリッジユニット5の主走査方向の移動でホルダ23に設けた係合部25にキャリッジユニット5が当接することで、キャリッジユニット5の移動に従ってホルダ23がリフトアップしてキャップ手段22でインクジェットヘッド6の吐出面6aをキャッピングし、キャリッジユニット5が印写領域側へ移動することで、キャリッジユニット5の移動に従ってホルダ23がリフトダウンしてキャップ手段22がインクジェットヘッド6の吐出面6aから離れるようにしている。
なお、キャップ手段22は、それぞれ吸引チューブ26を介して吸引ポンプ27に接続すると共に、大気開放口を形成して、大気開放チューブ及び大気開放バルブを介して大気に連通している。また、吸引ポンプ27は吸引した廃液を、ドレインチューブ等を介して図示しない廃液貯留槽に排出する。
さらに、ホルダ23の側方には、インクジェットヘッド6の吐出面6aをワイピングする繊維部材、発泡部材或いはゴム等の弾性部材からなるワイピング手段であるワイパブレード28をブレードアーム29に取付け、このブレードアーム29は揺動可能に軸支し、図示しない駆動手段で回動されるカムの回転によって揺動させるようにしている。
【0086】
次に、インクカートリッジ7について、図2、図3を参照して説明する。ここで、図2は記録装置に装填する前のインクカートリッジの外観斜視図、図3はインクカートリッジの正断面図である。
インクカートリッジ7は、図3に示すように、カートリッジ本体41内に所要の色のインクを吸収させたインク吸収体42を収容してなる。カートリッジ本体41は、上部に広い開口を有するケース43の上部開口に上蓋部材44を接着又は溶着して形成したものであり、例えば樹脂成型品からなる。また、インク吸収体42は、ウレタンフォーム体等の多孔質体からなり、カートリッジ本体41内に圧縮して挿入した後、インクを吸収させている。
カートリッジ本体41のケース43底部には記録ヘッド6へインクを供給するためのインク供給口45を形成し、このインク供給口45内周面にはシールリング46を嵌着している。また、上蓋部材44には大気開放口47を形成している。
そして、カートリッジ本体41には、装填前の状態で、インク供給口45を塞ぐとと共に装填時や輸送時等のカートリッジ取扱い時、或いは真空包装時による幅広側壁に係る圧力でケース43が圧縮変形されて内部のインクが漏洩することを防止するため、キャップ部材50を装着している。
また、大気開放口47は、図2に示すように、酸素透過率が100ml/m以上のフィルム状シール部材55を上蓋部材44に貼着してシールしている。このシール部材55は大気開放口47と共にその周囲に形成した複数本の溝48をもシールする大きさにしている。このように大気開放口47を酸素透過率が100ml/m以上のシール部材55でシールすることで、インクカートリッジ7を透気性のないアルミラミネートフィルム等の包装部材を用いて減圧状態で包装することにより、インク充填時やインク吸収体42とカートリッジ本体41との間に生じる空間A(図3参照)にある大気のためにインク中に気体が溶存したときでも、シール部材55を介してインク中の空気が真空度の高いカートリッジ本体41外の包装部材との間の空間に排出され、インクの脱気度が向上する。
【0087】
また、図4には、本発明の記録液を収容した記録液収容部と、記録液滴を吐出させるためのヘッド部を備えた記録カートリッジの構成例を示し説明する。
すなわち、記録ユニット30は、シリアルタイプのものであり、インクジェットヘッド6と、このインクジェットヘッド6に供給される記録液を収容するインクタンク41と、このインクタンク41内を密閉する蓋部材とで主要部が構成される。インクジェットヘッド6には、記録液を吐出するための多数のノズル32が形成されている。記録液はインクタンク41から、図示しないインク供給管を介して、やはり図示しない共通液室へと導かれ、電極31より入力される記録装置本体からの電気信号に応じて、ノズル32より吐出される。このようなタイプの記録ユニットは、構成上、安価に製造できるタイプのヘッド、いわゆるサーマル方式、バブル方式と呼ばれる、熱エネルギーを駆動の動力源とするヘッドに適した構造である。本発明の記録液は、バブルやサーマル方式等の記録方法において、成分(A)を添加することによって、熱素子への濡れ性が改良されるため、少量の添加量でも吐出安定性及び周波数安定性が得られ、かつ安全性も高く、非常に適している。
【0088】
ここでは、前述のようなシリアル型インクジェット記録装置を説明したが、本発明の記録液は、ノズルを千鳥等任意の配列で、目的とする画像の解像度と同じか数分の1程度の密度に集積し、記録媒体の幅以上に配列させた、いわゆるラインヘッドを有する記録装置に適用することも可能である。
また、ここでいう記録装置とは、PCやデジカメ用の出力プリンタのみならず、ファックスやスキャナ、電話等と組み合わせた複合的な機能を有する装置であっても構わない。
【0089】
【実施例】
次に、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。
顔料の表面処理
黒としては、ファーネス法、チャンネル法で製造されるカーボンブラックで、1次粒子が15nm〜40nm、BET吸着法による比表面積が50〜300m/g、DBP吸油量が40〜150ml/100g、揮発分が0.5〜10%、pH2〜9を有するものが使用され、特にpH6以下の酸性カーボンブラックが高濃度で好ましい。また次亜塩素酸化処理したカーボンブラックやスルホン化剤処理したカーボンブラック、ジアゾニュウム化合物にて処理してスルホン酸、カルボン酸等のアニオン性解離基を導入したカーボンブラックがさらに好ましい。
【0090】
イエロー顔料としてはベンチジン骨格を含まないC.Iピグメントイエロー74、128、138が好ましい。マゼンタ顔料としてはキナクリドン系のC.I.ピグメントレッド122、209が好ましい。シアンはフタロシアニン化合物であるC.I.ピグメントブルー15:3やアルミ配位フタロシアニン、無金属フタロシアニンが好ましい。これらカラー有機顔料も表面処理によりスルホン酸基、カルボン酸基が導入された顔料はさらに分散安定性が優れ、分散剤なしに分散安定性が得られるものは自己分散顔料として好適に用いることができる。
また表面をカプセル化した顔料やポリマーをグラフトした顔料等も分散安定性に優れ信頼性の高いインクとすることができる。
【0091】
製造例1
次亜塩素酸処理したカーボンブラック1
市販のpH2.5の酸性カーボンブラック(キャボット社製 商品名モナーク1300)300gを水1000ミリリットルに良く混合した後に次亜塩素酸ソーダ(有効塩素濃度12%)450gを滴下して、100〜105℃で8時間撹拌した。
この液に更に次亜塩素酸ソーダ(有効塩素濃度12%)100gを加え、横型分散機で3時間分散した。得られたスラリーを水で10倍に希釈し、水酸化リチウムにてpHを調整し、電導度0.2mS/cmまで限外濾過膜にて脱塩濃縮し顔料濃度15%のカーボンブラック分散液とした。遠心処理により粗大粒子を除き、さらに1ミクロンのナイロンフィルターで濾過しカーボンブラック分散液1とした。マイクロトラックUPAで測定した平均粒子径(D50%)は95nmであった。
【0092】
製造例2
スルホン化剤処理したカーボンブラック2
市販のカーボンブラック顔料(デグサ社製「プリンテックス#85」)150gをスルホラン400ml中に良く混合し、ビーズミルで微分散後、アミド硫酸15gを添加して140〜150℃で10時間攪拌した。得られたスラリーをイオン交換水1000ml中に投入し、12000rpmで遠心分離機により表面処理カーボンブラックウエットケーキを得る。このカーボンブラックウエットケーキを2000mlのイオン交換水中に再分散し、水酸化リチウムにてpHを調整し、限外濾過膜により脱塩濃縮し顔料濃度10wt%のカーボンブラック分散液とした。このものを1μmのナイロンフィルターで濾過しカーボンブラック液2とした。平均粒子径は80nmであった。
【0093】
製造例3
ジアゾ化合物処理したカーボンブラック分散液3
表面積が230m/gでDBP吸油量が70ml/100gのカーボンブラック100gと、p−アミノ−N−安息香酸34gとを水750gに混合分散し、これに硝酸16gを滴下して70℃で撹拌した。5分後、50gの水に11gの亜硝酸ナトリウムを溶かした溶液を加え、更に1時間撹拌した。得られたスラリーを10倍に希釈し遠心処理し粗大粒子を除き、pHをジエタノールアミンにて調整しpH8〜9とし、限外濾過膜にて脱塩濃縮し顔料濃度15%のカーボンブラック分散液とした。このものをポリプロピレンの0.5μmフィルターにてカーボンブラック分散液3とした。平均粒子径は99nmであった。
【0094】
製造例4
ジアゾ化合物処理したカーボンブラック分散液4
2リットルの水と43gのスルファニル酸を含む約75℃の溶液を、撹拌しながら、230m/gの表面積と70ml/100gのDBPAを有する202gのカーボンブラックに添加した。この混合物を撹拌しながら室温まで冷やし、26.2gの濃硝酸を添加した。水中の亜硝酸ナトリウムの20.5gの溶液を添加した。4−スルホベンゼンジアゾニウム水酸化物内部塩を作製し、これをカーボンブラックと反応させた。発生した泡立ちが停止するまで分散系を撹拌した。得られたスラリーを希釈し、水酸化リチウムにてpHを調整しpH8〜9として粗大粒子を遠心処理にて除き、引き続いて限外濾過膜にて脱塩濃縮し顔料濃度15%のカーボンブラック分散液とした。このものをポリプロピレンの1μmフィルターにて濾過しカーボンブラック分散液4とした。平均粒子径は95nmであった。
【0095】
製造例5
表面化学処理したカラー顔料分散液(イエロー分散液1、マゼンタ分散液1、シアン分散液1)
イエロー顔料としてC.I.ピグメントイエロー128を低温プラズマ処理しカルボン酸基を導入した顔料を作製した。これをイオン交換水に分散したものを、限外濾過膜にて脱塩濃縮し顔料濃度15%のイエロー顔料分散液1とした。平均粒子径70nmであった。
同様にマゼンタ顔料としてC.I.ピグメントマゼンタ122を用いて顔料濃度15%のマゼンタ顔料分散液1を作製した。平均粒子60nmであった。同様にシアン顔料としてC.I.ピグメントシアン15:3を用いて顔料濃度15%のシアン顔料分散液1を作製した。平均粒子径80nmであった。
【0096】
本発明では界面活性剤を使用することで記録紙への濡れ性を改善することができる。好ましい界面活性剤としてはポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、アセチレングリコール系界面活性剤が挙げられる。より具体的にはアニオン系界面活性剤としては一般式(4)のポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩及び/又は炭素鎖が5〜7の分岐してもよいアルキル鎖を有する一般式(5)のジアルキルスルホ琥珀酸を用いることで普通紙特性も改善され、さらに着色剤の溶解分散安定性が選られる。
【0097】
さらに本発明の界面活性剤の対イオンとしてリチウムイオン及び下記一般式で示される第4級アンモニウム、第4級ホスホニウムを用いることにより界面活性剤が優れた溶解安定性を示す。好ましい非イオン系の界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルである一般式(6)、アセチレングリコール系界面活性剤である一般式(9)の活性剤が挙げられる。これらを併用することによりさらに相乗効果として浸透性が挙げられ、これにより色境界にじみが低減され、また文字にじみも少ないインクが得られる。
【0098】
以上の所謂普通紙に記録することにより高画質、高解像の記録画像を形成する記録方式を提供することができる。ただし、pHが9以上では保存時に一般式(5)の活性剤では分解による物性変化が起こりやすいため一般式(5)を用いる場合はpHを6〜9とすることが好ましい。
【0099】
なお、このインクのpHを6以上にすることによりインクの保存安定性が得られ、また、オフィスで使用されているコピー用紙や用箋等はpHが5〜6のものが多く、これらの記録紙にインクを9〜60μmの微細な吐出口より吐出し重量が3〜50ngの液滴として5〜20m/sで飛翔させ、単色での付着量を1.5〜30g/mとしてJIS P−8122試験法によるステキヒトサイズ度が3秒以上の所謂普通紙に記録することにより高画質、高解像の記録画像を形成する記録方式を提供することができる。ただし、pHが9以上では保存時に一般式(5)の活性剤では分解による物性変化が起こりやすいため一般式(5)を用いる場合はpHを6〜9とすることが好ましい。
【0100】
本発明に用いることができる一般式(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)の添加量は0.05〜10wt%の間でプリンターシステムにより要求されるインク特性に対し所望の浸透性を与えることが可能である。ここで0.05%以下ではいずれの場合も2色重ね部の境界でのにじみが発生し、10wt%以上添加する場合は化合物自体が低温で析出しやすことがあり信頼性が悪くなる。
【0101】
次に本発明に用いる界面活性剤(4)、(5)を具体的に遊離酸型で表1に示す。
【0102】
【化10】
Figure 0004177009
【0103】
以下に、実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって限定されるものではない。なお、以下の実施例において、アルギン酸としては、紀文フードケミファ(株)製の超低粘度アルギン酸を使用した。それらの粘度〔10wt%水溶液の中和粘度(20℃)〕は5.0mPa・s以下であった。各実施例では、下記の配合成分を混合して60℃で2時間攪拌した後、0.8μm径のメンブランフィルタを用い、2kg/cmの圧力で加圧濾過し、インク組成物を得た。なお、実施例に記載の各成分の量(%)は重量基準である。
【0104】
超低粘度アルギン酸水溶液の作製方法
超低粘度アルギン酸は、紀文フードケミファ(株)製の超低粘度アルギン酸を使用した。200mlのビーカーにイオン交換水80gを入れ、スターラーで撹拌しながら超低粘度アルギン酸20gを徐々に加えた。この時点でアルギン酸は十分に溶解出来ておらず、pHは2.5であった。この水溶液にコリン(トリメチル−2−オキシエチルアンモニウムハイドロオキサイド:構造式(1))の20wt%水溶液を徐々に撹拌しながら加えた。添加に伴い水溶液の色が茶色に変色した。pHが7.2になったところで添加を中止した。
この後、撹拌を3時間続け3時間経過後のpHを測定したところ6.5に低下していたので、同様にコリン(トリメチル−2−オキシエチルアンモニウムハイドロオキサイド:構造式(1))の20wt%水溶液を添加しpHを7.3にした。更に3時間撹拌を続け、pHを測定したところ7.2であった。この水溶液にイオン交換水を加えアルギン酸の固形分濃度が10.0wt%になるようにした。
実施例ではこのアルギン酸水溶液を使用した。その他、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、一般式(1)に示す化合物を併有するアルギン酸水溶液も同様にして作製した。
【0105】
実施例1
下記処方のインク組成物を作製し、pHが9になるようにトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン/2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール10%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行いインク組成物を得た。
Figure 0004177009
【0106】
実施例2
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHをトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン/2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール10%水溶液で9にしてインク組成物を調整した。
Figure 0004177009
【0107】
実施例3
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHをトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン/2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール10%水溶液で9にしてインク組成物を調整した。
Figure 0004177009
【0108】
実施例4
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHをトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン/2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール10%水溶液で9にしてインク組成物を調整した。
Figure 0004177009
【0109】
実施例5
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHをトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン/2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール10%水溶液で9にしてインク組成物を調整した。
Figure 0004177009
【0110】
実施例6
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHをトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン/2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール10%水溶液で9にしてインク組成物を調整した。
Figure 0004177009
【0111】
実施例7
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHをトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン/2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール10%水溶液で9にしてインク組成物を調整した。
Figure 0004177009
【0112】
実施例8
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHをトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン/2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール10%水溶液で9にしてインク組成物を調整した。
Figure 0004177009
【0113】
実施例9
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHをトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン/2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール10%水溶液で9にしてインク組成物を調整した。
Figure 0004177009
【0114】
実施例10
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHをトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン/2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール10%水溶液で9にしてインク組成物を調整した。
Figure 0004177009
【0115】
実施例11
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHをトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン/2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール10%水溶液で9にしてインク組成物を調整した。
Figure 0004177009
【0116】
実施例12
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHをトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン/2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール10%水溶液で9にしてインク組成物を調整した。
Figure 0004177009
【0117】
実施例13
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン/2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール10%水溶液でpHを9にしてインク組成物を調整した。
Figure 0004177009
【0118】
実施例14
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン/2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール10%水溶液でpHを9にしてインク組成物を調整した。
Figure 0004177009
【0119】
シアン顔料インク
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン/2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール10%水溶液でpHを9にしてインク組成物を調整した。
Figure 0004177009
【0120】
マゼンタ顔料インク
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン/2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール10%水溶液でpHを9にしてインク組成物を調整した。
Figure 0004177009
【0121】
イエロー顔料インク
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン/2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール10%水溶液でpHを9にしてインク組成物を調整した。
Figure 0004177009
【0122】
比較例1
下記処方のインク組成物を作製し、pHが9になるように水酸化リチウム10%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行いインク組成物を得た。
Figure 0004177009
【0123】
比較例2
下記組成物を用いる以外は比較例1と同様にし、水酸化リチウムでpHを9にしてインク組成物を調製した。
Figure 0004177009
【0124】
比較例3
下記組成物を用いる以外は比較例1と同様にし、水酸化リチウムでpHを9にしてインク組成物を調製した。
Figure 0004177009
【0125】
比較例4
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、水酸化ナトリウムでpHを9にしてインク組成物を調製した。
Figure 0004177009
【0126】
比較例5
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、水酸化リチウムでpHを9にしてインク組成物を調製した。
Figure 0004177009
【0127】
実施例1〜14とシアン、マゼンタ、イエロー顔料インク及び比較例1〜5のインク組成物の顔料濃度、湿潤剤濃度及びインク粘度を表1に示す。
【0128】
【表1】
Figure 0004177009
【0129】
次に上記実施例1〜14及び比較例1〜5について下記の試験を行った。
(1)画像の鮮明性
▲1▼インクジェットプリンターEM−900(セイコーエプソン株式会社製)にて、ヘッドの駆動電圧、周波数、パルス幅を変え、下記の各紙に印刷を行った。印刷パターンは、イエロー、マゼンタ、シアンの各カラー顔料インクは100%dutyで印字し、本発明の黒インクを充填したブラックインクは文字を同時に印刷した。印字条件は、Mjが35pl、Vjが20m/sec、周波数が1kHz、記録密度は360dpi、ワンパス印字とした。
▲2▼キャノン社製バブルジェット方式のインクジェットプリンターBJC430とHP社製バブルジェット方式のインクジェットプリンターhp diskjet815のBKカートリッジにインクをつめ、印字条件、Mjが35pl、Vjが20m/sec、周波数が1kHz、記録密度は360dpi、ワンパス印字でべた及び文字を印字した。
▲3▼リコー製インクジェットプリンターIPSiO Jet300のヘッドの駆動電圧、周波数、パルス幅を変え、▲1▼▲2▼と条件にしてワンパス印字でべた及び文字を印字した。
▲1▼から▲3▼を印字乾燥後、2色重ね部境界の滲み、画像滲み、色調、画像濃度を目視及び反射型カラー分光測色濃度計(X−Rite社製)により総合的に調べ、評価基準にしたがって判定した。用いた印刷試験用紙を以下に示す。
▲1▼マイペーパー(株式会社NBSリコー製)
▲2▼紙源S・再生紙(株式会社NBSリコー製)
▲3▼PB紙(キャノン株式会社製)
▲4▼マルチエース(富士ゼロックスオフィスサプライ株式会社製)
▲5▼やまゆり紙(本州製紙株式会社製・再生紙)
▲6▼LH紙(富士ゼロックスオフィスサプライ株式会社製)
▲7▼Xerox 4024紙(富士ゼロックスオフィスサプライ株式会社製)
▲8▼Neenah Bond紙(キンバリークラーク社製)
判定基準
◎:全紙滲みの発生なく鮮明な印刷である。
○:一部の用紙(再生紙)にひげ状の滲みの発生がある。
△:全紙にひげ状の滲みの発生がある。
×:文字の輪郭がはっきりしないほど滲みが発生している。
(2)画像の乾燥性
印字後の画像に一定条件で濾紙を押しつけインクが濾紙に転写しなくなるまでの時間を測定した。いずれの紙でも10秒以内で乾燥した場合に○と判定した。
(3)保存安定性
各インクをポリエチレン容器に入れ、−20℃、5℃、20℃、70℃でそれぞれの条件下で3カ月保存し、保存後の表面張力、粘度、及び沈殿物析出の有無を調べた。どの条件で保存しても、物性等の変化がないものを○とした。
4)印字休止時の信頼性
リコー製プリンターIPSiO Jet300のヘッドを用いてプリンター動作中にキャップ、クリーニング等が行われないでどれだけ印字休止しても復帰できるかを調べ、どれだけの時間(秒)で噴射方向がずれるか、あるいは吐出液滴の重量が変化するかでその信頼性を評価した結果を表2に示す。
【0130】
【表2】
Figure 0004177009
【0131】
【発明の効果】
以上のように、請求項1のインク組成物によれば、少なくとも(A)顔料、(B )pH7.0で10wt%水溶液の20℃での粘度が5mPa・s以下のアルギン酸、(B )アルカノールアミン、またはアルカノールアミンと水酸化アルカリ金属、或いはアルカノールアミンと少なくとも一つ以上の水酸基で置換された第四級アンモニウム、(C)湿潤剤、(D)2−エチル−1,3−ヘキサンジオール又は2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールからなる炭素数8のポリオール、(E)アニオン又はノニオン系界面活性剤、及び(F)水とからなり、該アルカノールアミンが、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール又は2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオールの少なくとも1種を含むものであることを特徴とするインク組成物では、Mjが5〜35pl、Vjが6〜20m/sec、周波数が1kHz以上、解像度が300dpi以上、ワンパス印字条件において、普通紙にレーザープリンター並の高品位画質を得ることができる。(フェザリングとカラーブリードがレーザー並、画像濃度:1.5〜1.6/従来1.1〜1.2)。更に、紙面上で顔料が凝集するため従来に比べて裏抜けが格段に少なくなり、両面印字が可能となった(裏抜け濃度:0.02〜0.04/従来0.2〜0.3)。
また、低粘度アルギン酸(B )と、前記(B )のアルカノールアミンを含む成分を併有することにより、或いは、アルカノールアミンが2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオールであることにより、アルギン酸の溶解性の向上、アルギン酸の熱的安定性の向上、ヘッド部材や液室部材を腐食させないという安定性(特にシリコン液室の場合)がもたらされインク組成物の安定性が向上する。
さらにまた、前記ポリオールが2−エチル−1,3−ヘキサンジオール又は2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールであることから、インクの熱素子への濡れ性が改良され、少量の添加量でも吐出安定性及び周波数安定性が得られる。
【0132】
請求項2のインク組成物によれば、従来のアルギン酸は分子量が数万から数十万であり、インク中への添加量も0.02から多くて0.5wt%迄しか添加出来なかったが、本発明におけるアルギン酸は、分子量数千から数万で、pH7.0で10wt%水溶液の粘度が5mPa・s以下(20℃)の超低粘度アルギン酸であり、インクへの添加量は5.0wt%でも十分に溶解する。添加量は、好ましくは0.1〜3.0wt%であり、より好ましくは0.5〜2.0wt%である。本発明では、インク中に多量にアルギン酸を添加出来ることで、アルギン酸の効果をこれまでに無いほどの顕著に発揮することができた。
【0134】
請求項のインク組成物によれば、アルカリ金属がナトリウム、カリウム、リチウムであることによりアルギン酸の溶解性の向上、アルギン酸の熱的安定性の向上、ヘッド部材や液室部材を腐食させないという安定性(特にシリコン液室の場合)がもたらされインク組成物の安定性が向上する。
【0135】
請求項のインク組成物によれば、アルカノールアミンがトリエタノールアミンを含むことによりアルギン酸の溶解性の向上、アルギン酸の熱的安定性の向上、ヘッド部材や液室部材を腐食させないという安定性(特にシリコン液室の場合)がもたらされインク組成物の安定性が向上する。
【0137】
請求項のインク組成物によれば、少なくとも一つ以上の水酸基で置換された第四級アンモニウムが構造式(1)、(2)、(3)であることによりアルギン酸の溶解性の向上、アルギン酸の熱的安定性の向上、ヘッド部材や液室部材を腐食させないという安定性(特にシリコン液室の場合)がもたらされインク組成物の安定性が向上する。
【0138】
請求項のインク組成物によれば、カラーブリード及びフェザリング(紙の繊維に沿った単色インクのにじみ)の抑制が一層良好になる、アルギン酸を構成するD−マンヌロン酸とL−グルロン酸との比(D−マンヌロン酸/L−グルロン酸)が存在することを見出した。
すなわち、M/G比が、0.05〜0.8の範囲のアルギン酸を用いることにより、インク組成物の浸透を抑え、紙の上でのインク組成物の流動性を小さくすることができ、発色性を改良しながらフェザリング及びカラーブリードを減少させるという相反する課題を同時に解決することが出来る。
【0139】
請求項のインク組成物によれば、カラーブリード及びフェザリング(紙の繊維に沿った単色インクのにじみ)の抑制が一層良好になる、アルギン酸を構成するD−マンヌロン酸とL−グルロン酸との比(D−マンヌロン酸/L−グルロン酸)が存在することを見出した。
すなわち、M/G比が、1.5〜2.5の範囲のアルギン酸を用いることにより、インク組成物の浸透を抑え、紙の上でのインク組成物の流動性を小さくすることができ、発色性を改良しながらフェザリング及びカラーブリードを減少させるという相反する課題を同時に解決することが出来る。この傾向は、0.05〜0.8の範囲で顕著であるが、更に耐熱性考慮した保存性を考えるとM比が多い1.5〜2.5の範囲が画像品質と保存性の観点から優れていると言える。この間の数値は画像品質と保存性の両方の特性が両立出来ない範囲である。
【0140】
請求項のインク組成物によれば、アルギン酸又はアルギン酸塩と湿潤剤の重量比が1:10〜1:50となる量で両者を混合すると、目詰まり復帰性が一層良好になるので好ましい。重量比が1:10未満であると目詰まり復帰性に十分な効果が得られないことがあり、また1:50を超えるとインク粘度が高くなり過ぎ実用的ではなくなる場合がある。
【0142】
請求項9、10のインク組成物によれば、前記アニオン又はノニオン系界面活性剤が一般式(4)、(5)、(6)、(7)、(8)及び(9)の界面活性剤であることから、炭素数8のポリオールと(4)〜(9)の界面活性剤の相互作用により、インクの表面張力が40dyn/cm以下となり、顔料濃度が6wt%以上、8.0cps以上の高粘度であっても、ほとんどの被記録材に対して速やかに定着し、耐マーカー性も十分である。また、ヘッド部材への濡れがよくなり、インク組成物気泡排出性の向上、周波数応答性の向上、吐出安定性が格段に向上する。
【0143】
請求項11、12のインク組成物によれば、常温で固体(特に粉末や結晶状)の固体湿潤剤を添加することにより色材を記録媒体上に残留することができ、画像濃度向上、裏抜け防止、フェザリング低減することができる。更に、アルギン酸と併用することにより、固体湿潤剤が記録媒体上に残留して色材を記録媒体中に浸透阻害し、高発色性が一層向上する。
【0144】
請求項13のインク組成物によれば、これらの湿潤剤は保湿性、インク粘度、吐出安定性、周波数安定性、フェザリングとカラーブリードの低減の点から好ましく、バランスのとれたインク組成物が得られる。
【0145】
請求項14、15のインク組成物によれば、湿潤剤がグリセリンと前記グリセリン以外の湿潤剤のいずれか1種との組み合わせであることから、高粘度のグリセリンと低粘度の適切な湿潤剤を混合したバランスのとれた湿潤剤が得られる。粘度以外にも保湿性や吐出安定性、周波数安定性、フェザリングとカラーブリード低減の点からバランスのとれたインク組成物が得られる。
【0146】
請求項16のインク組成物よれば、好ましい顔料濃度が5〜15wt%であることから、インクの粘度が高くなり、顔料が紙面上で凝集し易くなり画像濃度(OD)が向上すると共にフェザリングもほとんどなくなる。
【0147】
請求項17から19のインク組成物よれば、顔料が自己分散型顔料であり、更に表面にカルボキシル基、スルホン基、カルボニル基、又はヒドロキシル基を有することから、水中における分散を良好にすることができる。
【0148】
請求項20のインク組成物よれば、自己分散型顔料の平均粒子径が0.16μ以下であることにより、インクの吐出安定性、目詰まり特性が格段に向上する。
【0149】
請求項21のインク組成物によれば、湿潤剤対顔料の重量比が0.3〜8.0であることから、顔料を安定に分散させ、乾燥性や保存試験や信頼性試験が非常に良好である。
【0150】
請求項22のインク組成物によれば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン及びε−カプロラクタムから選ばれる少なくとも一種を含むことによりブラック顔料インクの記録媒体上での埋まり向上と発色性の向上がもたらされる。
【0151】
請求項23のインク組成物によれば、インクの粘度が8〜20cps(25℃)であることから、印字品位が格段に向上する。このような高粘度インクではインク中の水分が約50%以下になり、インク滴が紙面上に着弾するときの水分蒸発率が2.0〜3.0倍も高くなる。このために高濃度の顔料が紙面上で凝集する速さも速くなり滲み(フェザリング)がほとんどなくなる。
【0152】
請求項24のカラーインクジェット記録用インク組成物セットによれば、カラーの発色性改善、カラーブリードの低減、カラーの重ね印字の色むら改善、特に印字順序の違いによるRGB発色性の色ずれの低減をもたらす。
【0153】
請求項25、26のインクカートリッジによれば、高浸透特性で、かつ高い信頼性、安全性と優れた画像特性が可能となるインクを収容した記録液カートリッジが得られる。
【0154】
請求項27のインクジェット記録用装置によれば、上記本発明のインクを用いてインクジェット記録を行うことから、従来問題とされたフェザリングや印字濃度の低下、カラーブリード等の画像品質の改良された高品位の画質を得ることができる
【0155】
請求項28のインクジェット記録方法によれば、上記本発明のインクを用いてインクジェット記録を行うことから、従来問題とされたフェザリングや印字濃度の低下、カラーブリード等の画像品質の改良された高品位の画質を得ることができる。
【0156】
請求項29のインクジェット記録方法によれば、記録ヘッドのノズルプレートの表面に撥インク性皮膜層が共析メッキにより形成されたインクジェット記録装置と上記本発明のインクを用いて記録することから、インク滴の大きさの変化や吐出不良といった問題が防止されると共に上述したフェザリングや印字濃度の低下、カラーブリード等の発生がない高品位の画質を得ることができる。
【0157】
請求項30のインクジェット記録方法によって形成された画像はフェザリングや印字濃度の低下、カラーブリード等の発生がない高品位の画質である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクを収容するカートリッジ搭載インクジェット装置構成図である。
【図2】本発明の記録装置に装填する前のインクカートリッジの外観斜視図である。
【図3】本発明のインクを収容するインクカートリッジの正断面図である。
【図4】本発明のインク使用の記録ヘッドと一体化された記録ユニットの外観図である。
【符号の説明】
3 主支持ガイドロッド
4 支持ガイドロッド
5 キャリッジユニット
6 ヘッド
7y,7m,7c,7k インクカートリッジ
9 駆動プーリ
10 従動プーリ
11 タイミングベルト
15 搬送ローラ
16 用紙
21 サブシステム
22 キャップ手段
23 ホルダ
24 リンク部材
25 係合部
26 吸引チューブ
27 吸引ポンプ
30 記録ユニット
31 電極
32 ノズル
41 カートリッジ本体
42 インク吸収体
43 ケース
44 上蓋部材
46 シールリング
45 インク供給
47 大気開放口
55 フィルム状シール部材

Claims (30)

  1. 少なくとも(A)顔料、(B pH7.0で10wt%水溶液の20℃での粘度が5mPa・s以下のアルギン酸、(B )アルカノールアミン、またはアルカノールアミンと水酸化アルカリ金属、或いはアルカノールアミンと少なくとも一つ以上の水酸基で置換された第四級アンモニウム、(C)湿潤剤、(D)2−エチル−1,3−ヘキサンジオール又は2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールからなる炭素数8のポリオール(E)アニオン又はノニオン系界面活性剤、及び(F)水とからなり、該アルカノールアミンが、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール又は2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオールの少なくとも1種を含むものであることを特徴とするインク組成物。
  2. 前記アルギン酸(B を0.1〜3.0wt%含有することを特徴とする請求項1に記載のインク組成物。
  3. 請求項記載の水酸化アルカリ金属が水酸化ナトリウム、水酸化カリウム又は水酸化リチウムであることを特徴とする請求項1又は2に記載のインク組成物。
  4. 請求項記載のアルカノールアミンがトリエタノールアミンを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のインク組成物。
  5. 前記少なくとも一つ以上の水酸基で置換された第四級アンモニウムが下記構造式(1)、(2)又は(3)の化合物であることを特徴とする請求項1、2、4のいずれか一項に記載のインク組成物。
    Figure 0004177009
    トリメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムハイドロオキサイド
    Figure 0004177009
    トリメチル−2−ヒドロキシエトキシアンモニウムハイドロオキサイド
    Figure 0004177009
    トリメチル−2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシアンモニウムハイドロオキサイド
  6. 前記アルギン酸(B として、アルギン酸を構成するD−マンヌロン酸とL−グルロン酸との比(D−マンヌロン酸/L−グルロン酸)が、0.05〜0.8の範囲のアルギン酸を用いることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のインク組成物。
  7. 前記アルギン酸(B として、アルギン酸を構成するD−マンヌロン酸とL−グルロン酸との比(D−マンヌロン酸/L−グルロン酸)が、1.5〜2.5の範囲のアルギン酸を用いることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のインク組成物。
  8. 前記アルギン酸(B と湿潤剤(C)との重量比が1:10〜1:50であることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のインク組成物。
  9. 前記アニオン又はノニオン系界面活性剤(E)が下記一般式(4)、(5)、(6)、(7)、(8)及び(9)の界面活性剤から選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のインク組成物。
    Figure 0004177009
    Figure 0004177009
    Figure 0004177009
    Figure 0004177009
    Figure 0004177009
    Figure 0004177009
  10. 前記アニオン又はノニオン系界面活性剤(E)を0.1〜5.0wt%含有することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載のインク組成物。
  11. 前記湿潤剤(C)が固体湿潤剤(G)であることを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載のインク組成物。
  12. 前記固体湿潤剤(G)を、前記インク組成物の0.5〜30wt%の量で含むことを特徴とする請求項11に記載のインク組成物。
  13. 前記湿潤剤(C)が、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、チオジグリコール及びペンタエリスリトールから選ばれる少なくとも1種よりなることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載のインク組成物。
  14. 前記湿潤剤(C)がグリセリンとグリセリン以外の湿潤剤を混合した湿潤剤であることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載のインク組成物。
  15. 前記湿潤剤(C)を5〜40wt%含有することを特徴とする請求項1から14のいずれか一項に記載のインク組成物。
  16. 前記顔料(A)の濃度が5〜15wt%であることを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載のインク組成物。
  17. 前記顔料(A)が自己分散型顔料であることを特徴とする請求項1から16のいずれか一項に記載のインク組成物。
  18. 自己分散型顔料が表面にカルボキシル基、スルホン基、カルボニル基又はヒドロキシル基を有することを特徴とする請求項17に記載のインク組成物。
  19. 自己分散型顔料の表面に親水性基の少なくとも一種がジアゾ化合物処理、酸化処理、次亜塩素酸処理、スルホン化剤処理、フミン酸処理のいずれかにより含有されることを特徴とする請求項17又は18に記載のインク組成物。
  20. 自己分散型顔料の平均粒径が0.16μm以下であることを特徴とする請求項17から19のいずれか一項に記載のインク組成物。
  21. 前記湿潤剤(C)前記顔料(A)の重量比が0.3〜8.0であることを特徴とする請求項1から20のいずれか一項に記載のインク組成物。
  22. 2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン及びε−カプロラクタムから選ばれる少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1から21のいずれか一項に記載のインク組成物。
  23. インクの粘度が8〜20mPa・s(25℃)であることを特徴とする請求項1から22のいずれか一項に記載のインク組成物。
  24. 2色以上のインク組成物からなるカラーインクジェット記録用インク組成物セットであって、前記インク組成物の少なくとも1種が、請求項1から23のいずれか一項に記載のインク組成物であることを特徴とするカラーインクジェット記録用インク組成物セット。
  25. 請求項1から23のいずれか一項に記載のインク組成物を収納することを特徴とするインクカートリッジ。
  26. インクを収容したインク収容部と該インクを吐出させるための記録ヘッド部を備えたインクジェット記録用インクカートリッジにおいて、該インクが請求項1から23のいずれか一項に記載のインク組成物であることを特徴とするインクジェット記録用インクカートリッジ。
  27. 請求項25又は26に記載のインクカートリッジを有することを特徴とするインクジェット記録用装置。
  28. 請求項1から23のいずれか一項に記載のインク組成物を使用することを特徴とするインクジェット記録方法。
  29. 記録装置本体又はインクカートリッジに設けた記録ヘッドのノズルプレートの表面に撥インク性皮膜層が共析メッキにより形成されたインクジェット記録装置で請求項1から23のいずれか一項に記載のインクを用いて記録することを特徴とするインクジェット記録方法。
  30. 請求項1から23のいずれか一項に記載のインク組成物を用いるインクジェット記録方法によって形成されたことを特徴とする画像。
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