JP2004225018A - インクジェット記録用インク、インクカートリッジ及び記録方法並びに記録装置 - Google Patents

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JP2004225018A JP2003018043A JP2003018043A JP2004225018A JP 2004225018 A JP2004225018 A JP 2004225018A JP 2003018043 A JP2003018043 A JP 2003018043A JP 2003018043 A JP2003018043 A JP 2003018043A JP 2004225018 A JP2004225018 A JP 2004225018A
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Abstract

【課題】防黴性と保存安定性、普通紙高速印字特性を両立させた、特に普通紙に高速で印字した際にも、吐出安定性や保存安定性に優れた、インクジェット記録用インク、該インクを用いる記録方法、該インクを収容したインクカートリッジ、該インクを装填した記録装置を提供する。
【解決手段】ポリマー微粒子に水不溶性または難溶性の色材を含有させてなるポリマーエマルジョンを含有するインクジェット記録用インクにおいて、グリセリン他、特定の多価アルコールから選ばれた少なくとも1種類以上の湿潤剤を含有し、炭素数8〜11のポリオールまたはグリコールエーテル、アニオンまたはノニオン系界面活性剤、水を少なくとも含有し、防黴剤として1,2−ベンズイソチアゾリン3−オンをインク全量の0.01〜0.04重量%含有し、かつ25℃におけるインク粘度が5mPa・sec以上であることを特徴とするインクジェット記録用インク。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録用に適したインクジェット記録用インク、該インクを収容したインクカートリッジ、該インクを用いる記録方法及び記録装置に関し、特に普通紙に高速で印字した際に、フェザリングやカラーブリードが少なく良好な色調の高品位画像が得られ、耐水・耐光性等の画像堅牢性に優れた画像が得られ、防黴性に優れ防黴にともなうトラブルを生じず、かつ分散安定性や保存安定性に優れ、さらに印字時のヘッドの目詰まりがなく吐出安定性に優れたインクジェット記録用インク、該インクを収容したインクカートリッジ、該インクを用いる記録方法及び記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリンタは低騒音、低ランニングコストといった利点から目覚しく普及し、普通紙に印字可能なカラープリンタも市場に盛んに投入されるようになった。しかしながら、画像の色再現性、耐久性、耐光性、画像の乾燥性、文字にじみ(フェザリング)、色境界にじみ(カラーブリード)、両面印刷性、吐出安定性などの要求される全ての特性を満足することは非常に難しく、用途に応じて優先される特性から用いるインクが選択されている。特に、普通紙に高速印字するプリンタにおいては、これらの特性を満たすことは難しいものであった。
【0003】
インクジェット記録に使用されるインクは、水を主成分とし、これに着色剤及び目詰まり防止等の目的でグリセリン等の湿潤剤、記録紙への浸透性を制御する浸透剤、微生物の繁殖を防止する防黴剤を含有したものが一般的である。着色剤としては、優れた発色性や安定性から染料が用いられているが、染料系インクを用いて得られる画像の耐光性、耐水性等は劣るものであり、これらの問題点を改善するために、有機顔料やカーボンブラック等の顔料を着色剤として用いる顔料インクが検討されている。顔料は水に不溶であるため、顔料を水溶性分散剤とともに混合、分散処理して水に安定分散させることが一般に行われている。顔料を用いることで、耐水性、耐光性は付与されるが、他の特性を同時に達成できるものではない。特に、普通紙に高速印字した場合には高い画像濃度、発色性を得ることが困難で、文字にじみ、色境界にじみ、両面印刷性も十分には満足できるものではない。
【0004】
また、インクジェット記録においてはインクジェット記録ヘッドの微細なノズルから安定なインク液滴の吐出が要求されるため、インクジェット記録ヘッドのオリフィスの乾燥によってインクの固化等が発生しないことが必要となる。しかしながら、上記した分散剤が含有されたインクをインクジェット記録に用いた場合には、分散剤を形成している樹脂等がオリフィス等に付着した後、再溶解されずに、目詰まりやインクの不吐出等が生じる場合がある。特に、印字を長期に休止した場合にノズル等の目詰まりが起こり易く、また、ノズルキャップ内や吸引用チューブ等の維持機構に増粘したインクが堆積し、維持機構の機能を損なう怖れがあるものであった。また、印字を一次休止した場合、あるいは空白のある文書や画像の印字中に空白に対応するノズルに印字の休止期間ができた場合にも、インク滴の噴射方向が乱れることによる印字不良(間欠吐出不良)等の問題が多発していた。又、分散剤を含む水性顔料インクは粘稠であり、長時間にわたる連続吐出及び高速印字を行う際にノズル先端までの経路で抵抗を起こし、吐出が不安定になり、スムーズな記録が困難になるという問題もあった。
【0005】
これらの問題点の改善を図るものとして、特開2000−212486号公報に顔料、顔料濃度、水溶性分散剤、浸透剤を特定したインク、更には特定の多価アルコールアルキルエーテル誘導体を含有するインク、これらのインクセットが開示されている。開示されたインクは超浸透性であるので高速印刷した場合においても乾燥性は十分であり、吐出安定性も確保されているが、普通紙における画像濃度、色再現性は染料系インクに比べて見劣りのするものであり、文字にじみ、色境界にじみ、両面印刷性は従来のインクジェット記録画像と比べると改善しているものの、市場で普通紙印刷に用いられている電子写真方式等の記録画像に比べて劣り、更に改善を必要とした。
【0006】
また、これら問題に対処するため、着色されたポリマー粒子、特にポリエステル系又はビニル系ポリマー粒子のエマルジョンを用いたインクジェット記録用インクが多数報告(特開2000−191972号公報…特許文献1、特開2000−191968号公報、特開2000−191967号公報、特開2000−53900号公報、特開2000−53899号公報、特開2000−53898号公報、特開2000−53897号公報、特開2000−44852号公報、特開2000−26775号公報、特開2000−7963号公報、特開2000−7962号公報、特開平9−241565号公報、特開平9−217030号公報、特開平9−183932号公報、特開平9−183931号公報、特開平9−286939号公報、特開平9−157565号公報、特開平10−46082号公報、特開平10−46092号公報、特開平10−60327号公報、特開平10−273610号公報、特開平10−279851号公報、特開平10−298462号公報、特開平10−298467号公報、特開平11−217528号公報、特開平10−338829号公報、特開平10−316918号公報、特開平11−256083号公報、特開平11−323226号公報、特許第3065950号公報等)されている。これらには着色剤を水に不溶で分散性の樹脂に内包した着色剤内包樹脂分散体を含有するインクが包含される。しかし、着色剤としてカーボンブラックを用いた場合に十分な画像濃度が得られないという問題がある。また、着色剤としてカラー有機顔料を用いた場合、従来公知のインク処方では普通紙上での画像濃度、色再現性は水溶性分散剤を用いた顔料インクよりも優れるものの染料インクに比べて未だ劣るものである。
【0007】
さらに、着色剤内包樹脂分散体を含有するインクにおける上記課題を解決しようとするとインクの分散安定性を損ない、長期保存した場合などに分散粒子の凝集やインクの増粘が起こり、初期の特性とは異なる特性に変化することでプリントシステムとしての安定性に欠くという問題を有していた。
【0008】
一方、黴の発生を抑制するために水性インクに防黴剤等を含有させることは、一般に広く行われている。例えば特開平5−78609号公報には、4−クロル−3−メチルフェノールおよび/または4−クロル−2−メチルフェノールを含有するインク組成物、特開昭52−12008号公報には、デヒドロ酢酸ナトリウムを含有するインク組成物が提案されており、それぞれ黴の発生が抑制されることが示されている。しかし、いずれも一般的な水溶性染料を用いたインクジェット記録用インクに添加したものであり、本発明の如く、微妙なイオン的バランスによって粒子を分散させているものの場合には、これらの防黴剤はインクの安定性に影響を与えるものであった。
【0009】
他の防黴剤としては1,2−ベンズイソチアゾリン3−オンが染料インク、顔料インクを問わず用いられている。WO00/22056(特許文献2)には該防黴剤を0.1〜1%含有させると記載されている。WO00/058411、特開2000−144026号公報(特許文献3)には該防黴剤を0.3%含有する顔料インクが開示されている。顔料インクであっても、界面活性剤、分散剤あるいは水溶性樹脂分散剤を用いた顔料インクであればインクとしての安定性と防黴性を両立できるものであると思われる。
【0010】
ところが、着色剤内包樹脂分散体を含有するインクに1,2−ベンズイソチアゾリン3−オンをこの添加量で加えた場合、インクの分散性が低下し長期保存した場合に、粒子の凝集やインクの増粘が起こる不具合を有していた。
本出願人は先に、着色剤内包樹脂分散体を含有するインクに1,2−ベンズイソチアゾリン3−オンを20%含有するプロキセルLVを0.2%添加したものも提案したが(特願2001−286320号)、長期保存安定性を更に改善する必要があった。
【0011】
【特許文献1】
特開2000−191972号公報
【特許文献2】
国際公開WO00/22056
【特許文献3】
特開2000−144026号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような着色剤内包樹脂分散体を用いたインクジェット記録用インクの欠点を解消し、防黴性と保存安定性、普通紙高速印字特性を両立した、カラー用等のインクジェット記録用インク、このインクを用いて好適なインクジェット記録方法、このインクを収容したインクカートリッジ、このインクカートリッジ或いは該インク収容部を備えた記録装置を提供することを目的とする。
特に本発明は、インクジェット記録方法を用いて普通紙に高速で印字した際にも、吐出安定性や保存安定性に優れ、かつ▲1▼良好な色調、▲2▼高い画像濃度、▲3▼文字、画像の周辺部分にボケ、にじみ(以下フェザリングと称する)の生じない鮮鋭度の高い記録画像、▲4▼異なる色間の境界にじみ(カラーブリード)、▲5▼両面印刷にも耐えうる裏抜けの少ない画像、及び▲6▼耐水性や耐光性などの画像の堅牢性を長期間に渡って保証し得る、インクジェット記録用インク、インクジェット記録方法、インクカートリッジ、及び記録装置を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題について鋭意検討を行なった結果、ポリマー微粒子に色材を含有させたエマルジョンを用いて特定の湿潤剤と特定量の防黴剤を組み合わせて使用し、さらに浸透剤、水溶性有機溶剤、防黴剤から構成したインクは、従来のインクに比べて粒子の分散安定性が向上し長期保存性に優れることを見出し、得られるインクは高粘度であるが表面張力が低く、普通紙の高速印字において、ビヒクルは速やかに浸透し、色材成分が表面に残りやすくなり、浸透性の高いインクであるにもかかわらず、高彩度、高発色濃度で、しかも裏抜けの少ない画像が長期間に渡って得られることを見い出して本発明を完成するに至った。
【0014】
即ち、本発明によれば、下記(1)〜(21)が提供される。
(1)ポリマー微粒子に水不溶性または難溶性の色材を含有させてなるポリマーエマルジョンを含有するインクジェット記録用インクにおいて、グリセリン、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、チオジグリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、トリメチロールプロパン、およびトリメチロールエタンから選ばれた少なくとも1種類以上の湿潤剤を含有し、炭素数8〜11のポリオールまたはグリコールエーテル、アニオンまたはノニオン系界面活性剤、水を少なくとも含有し、防黴剤として1,2−ベンズイソチアゾリン3−オンをインク全量の0.01〜0.04重量%含有し、かつ25℃におけるインク粘度が5mPa・sec以上であることを特徴とするインクジェット記録用インク。
(2)前記ポリマーエマルジョンを形成するポリマーが、ビニル系ポリマーまたはポリエステル系ポリマーであることを特徴とする前記(1)に記載のインクジェット記録用インク。
(3)前記湿潤剤を10〜50重量%含有することを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のインクジェット記録用インク。
(4)前記色材を含有させてなるポリマーエマルジョンを固形分で8〜20重量%含有することを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
(5)前記色材を含有させてなるポリマーエマルジョンを含有するインク中のポリマー微粒子の平均粒子径が0.16μm以下であることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
(6)湿潤剤とポリマーエマルジョン固形分との重量比(湿潤剤/エマルジョン固形)が2〜5であることを特徴とする前記(1)〜(5)のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
(7)25℃におけるインクの粘度が8〜20mPa・secであることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
(8)炭素数8〜11のポリオールまたはグリコールエーテルが2−エチル−1,3−ヘキサンジオールであることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
(9)炭素数8〜11のポリオールまたはグリコールエーテルが2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールであることを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
(10)アニオンまたはノニオン系界面活性剤が下記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)で表される界面活性剤から選ばれた少なくとも一種よりなることを特徴とする前記(1)〜(9)のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
【化7】
−O−(CHCHO)CHCOOM (I)
(式中、R:炭素数6〜14の分岐してもよいアルキル基、
m:3〜12、
M:アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、アルカノールアミン)
【化8】
Figure 2004225018
(式中、R:炭素数5〜16の分岐したアルキル基、
M:アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、アルカノールアミン)
【化9】
Figure 2004225018
(式中、R:分岐しても良い6〜14のアルキル基、
k:5〜20)
【化10】
R−(OCHCHOH (IV)
(式中、R:分岐しても良い炭素数6〜14のアルキル基、n:5〜20)
【化11】
Figure 2004225018
(式中、R’:分岐してもよい炭素数6〜14のアルキル基、m、n:1〜20)
【化12】
Figure 2004225018
(式中、R:プロピル基もしくはイソブチル基、m、n:1〜20、
m+n=2〜40)
(11)アニオンまたはノニオン系界面活性剤を0.1〜5重量%含有することを特徴とする前記(1)〜(10)のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
(12)表面張力が35dyne/cm以下であることを特徴とする前記(1)〜(11)のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
【0015】
(13)前記(1)〜(12)のいずれかに記載のインクジェット記録用インクにエネルギーを作用させてインク吐出を行うことを特徴とするインクジェット記録方法。
(14)前記エネルギーとして熱エネルギーを作用させてインク吐出を行うことを特徴とする前記(13)に記載のインクジェット記録方法。
(15)前記エネルギーとして力学的エネルギーを作用させてインク吐出を行うことを特徴とする前記(13)に記載のインクジェット記録方法。
(16)Mjが5〜35pl、Vjが6〜20m、周波数が1KHz以上、解像度が300dpi以上、ワンパス印字条件において、インクとして前記(1)〜(12)のいずれかに記載のインクジェット記録用インクを用いることを特徴とする前記(13)〜(15)のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
(17)前記(1)〜(12)のいずれかに記載のインクジェット記録用インクを収容したインク収容部を備えたことを特徴とするインクカートリッジ。
(18)前記(1)〜(12)のいずれかに記載のインクジェット記録用インクを収容したインク収容部あるいは前記(17)に記載のインクカートリッジ、該インクをエネルギーの作用により滴化し吐出させるためのヘッド部あるいは記録ユニットを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
(19)前記インクジェット記録ヘッドのノズルプレートの表面に撥インク性皮膜層が共析メッキにより形成されたものであることを特徴とする前記(18)に記載の記録装置。
(20)前記インクジェット記録ヘッドのノズル径が30μ以下であることを特徴とする前記(19)に記載の記録装置。
(21)前記(13)〜(16)のいずれかに記載の記録方法によって記録が行われたものであることを特徴とする記録物。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明のインクジェット記録用インクは、インク組成物が、次の構成よりなる、インク粘度が5mPa・sec(25℃)以上、好ましくは8mPa・sec(25℃)以上、20mPa・sec(25℃)以下のインクジェット記録用インクである。該インク組成物は下記▲1▼〜▲8▼等から構成され、印字するための着色材、それを分散させるための水とを必須成分とし、さらに湿潤剤、アニオンまたはノニオン系界面活性剤、炭素数8〜11のポリオールまたはグリコールエーテル、特定含有量の防黴剤を必須成分とし、必要に応じて添加されるpH調整剤等から構成される。湿潤剤1と2を混合するのは各々の湿潤剤の特徴を活かすためと、粘度調製が出来るためであるが、湿潤剤1と2を必ず併用するわけではない。
▲1▼着色材
▲2▼湿潤剤1(グリセリン)
▲3▼湿潤剤2(1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、チオジグリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、トリメチロールプロパン、およびトリメチロールエタンから選ばれた少なくとも1種類以上)
▲4▼アニオンまたはノニオン系界面活性剤
▲5▼炭素数8〜11のポリオールまたはグリコールエーテル
▲6▼防黴剤
▲7▼純水
▲8▼pH調整剤
【0017】
以下、本発明のインクジェット記録用インクの好ましい態様及びその特徴について説明する。
インクジェット記録用インクの本発明の第1の特徴は、インクとして25℃における表面張力が40dyne/cm以下、好ましくは35dyne/cm以下の低表面張力の水性インク、インクセット(カラー用)を用いることにある。これは本発明者らが、記録画像の乾燥性を改善するために種々の手段について検討を行った結果、インクの表面張力を40dyn/cm以下になるように調整すればほとんどの被記録材に対しても速やかな浸透乾燥が可能であることを見い出したことに基づくものである。また、インクの表面張力を40dyn/cm以下にすることで、インクのヘッド部材への濡れが良くなり8mPa・sec(25℃)以上の高粘度インクでも周波数応答性が向上し、吐出安定性が格段に向上したことによる。この低表面張力のインクは炭素数8〜11のポリオールまたはグリコールエーテルと、アニオンまたはノニオン系界面活性剤を用いることにより達成出来る。
【0018】
本発明の第2の特徴は、5mPa・sec以上、好ましくは8mPa・sec(25℃)以上の高粘度インク、インクセットを用いることにより印字品位が格段に向上したことである。従来のインクジェットプリンターに用いられてきた3mPa・sec(25℃)程度の低粘度インクではインク中の水分が約70%であるが、8mPa・sec(25℃)程度の高粘度インクでは約50%以下になり、インク滴が紙面上に着弾するときの水分蒸発率が2.0〜3.0倍も高くなる。このために高濃度の顔料が紙面上で凝集する速さも速くなり滲み(フェザリング)がほとんどなくなる。
【0019】
本発明の第3の特徴は、インク中の色材を含有するポリマーエマルジョン濃度が固形分で8重量%以上、好ましくは10重量%以上、20重量%以下にすることである。色材として自己分散型カーボンブラックを用いてインクセットを構成する場合のブラックインクの顔料濃度は6重量%以上、好ましくは8重量%以上にすることである。ポリマーエマルジョン濃度あるいは顔料濃度を高めることにより、インクの粘度が高くなり、顔料が紙表面で凝集しとどまり易くなり発色濃度、色調が向上するとともにフェザリングもほとんどなくなる。
【0020】
本発明の第4の特徴は、従来用いられてきたエチレングリコール、ジエチレングリコールなどの低粘度の湿潤剤よりも、グリセリン、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、チオジグリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、トリメチロールプロパン、およびトリメチロールエタンから選ばれた少なくとも1種類以上の高粘度の湿潤剤を用いることにある。高粘度の湿潤剤を用いると、高顔料濃度と相まって高粘度のインクを達成出来る。
【0021】
本発明の第5の特徴は、防黴剤としての1,2−ベンズイソチアゾリン3−オンを従来の添加量よりも少ない領域(有効成分量としてインク全量の0.01〜0.04重量%含有)で使用し、第4の特徴で述べたグリセリン、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、チオジグリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、トリメチロールプロパン、およびトリメチロールエタンから選ばれた少なくとも1種類以上の高粘度の湿潤剤を使用することで、従来は防黴性能が低下する1,2−ベンズイソチアゾリン3−オンの添加量にも拘わらず黴の発生を抑制することができ、粒子の凝集やインクの増粘が長期間起こらない保存安定性を達成できる。従って、第一から第四の特徴を長期間に渡って保証するものである。
【0022】
以下、インクの各構成要素について説明する。
色材としては、ポリマー微粒子に水不溶性または難溶性の色材を含有させたポリマーエマルジョンからなる。本明細書において、「色材を含有させた」とは、ポリマー微粒子中に色材を封入した状態およびポリマー微粒子の表面に色材を吸着させた状態の何れか又は双方を意味する。この場合、本発明のインクに配合される色材はすべてポリマー微粒子に封入または吸着されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、該色材がエマルジョン中に分散していてもよい。上記色材としては、水不溶性若しくは水難溶性であって、上記ポリマーによって吸着され得る色材であれば特に制限なく用いられる。本明細書において、水不溶性若しくは水難溶性とは、20℃で水100重量部に対して、色材が10重量部以上溶解しないことをいい、溶解するとは、目視で水溶液表層または下層に色材の分離や沈降が認められないことをいう。上記色材としては、例えば、油溶性染料、分散染料等の染料や、顔料等が挙げられる。良好な吸着・封入性の観点から油溶性染料及び分散染料が好ましいが、得られる画像の耐光性からは顔料が好ましく用いられる。
【0023】
本発明に用いられる上記の各染料は、ポリマー微粒子に効率的に含浸される観点から、有機溶剤、例えば、ケトン系溶剤に2g/リットル以上溶解することが好ましく、20〜600g/リットル溶解することが更に好ましい。
【0024】
本発明に用いられる顔料はブラック顔料としてのカーボンブラックが挙げられ、カラー顔料としては、アントラキノン、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジアゾ、モノアゾ、ピラントロン、ペリレン、複素環式イエロー、キナクリドンおよび(チオ)インジゴイドを含む。フタロシアニンブルーの代表的な例は銅フタロシアニンブルーおよびその誘導体(ピグメントブルー15)を含む。キナクリドンの代表的な例はピグメントオレンジ48、ピグメントオレンジ49、ピグメントレッド122、ピグメントレッド192、ピグメントレッド202、ピグメントレッド206、ピグメントレッド207、ピグメントレッド209、ピグメントバイオレット19およびピグメントバイオレット42を含む。アントラキノンの代表的な例はピグメントレッド43、ピグメントレッド194(ペリノンレッド)、ピグメントレッド216(臭素化ピラントロンレッド)およびピグメントレッド226(ピラントロンレッド)を含む。ピレリンの代表的な例はピグメントレッド123(ベルミリオン)、ピグメントレッド149(スカーレット)、ピグメントレッド179(マルーン)、ピグメントレッド190(レッド)、ピグメントバイオレット、ピグメントレッド189(イエローシェードレッド)およびピグメントレッド224を含む。チオインジゴイドの代表的な例はピグメントレッド86、ピグメントレッド87、ピグメントレッド88、ピグメントレッド181、ピグメントレッド198、ピグメントバイオレット36およびピグメントバイオレット38を含む。複素環式イエローの代表的な例はピグメントイエロー117およびピグメントイエロー138を含む。他の適切な着色顔料の例は、The Colour Index、第三版(The Society of Dyers and Colourists,1982)に記載されている。
【0025】
なお、顔料を着色剤として用いる場合に補色、調色等のために上記染料を併用することもできる。
上記色材の配合量は、ポリマーの配合量との関係において、該ポリマーの重量に対して約10〜200重量%、特に約25〜150重量%であることが好ましい。
【0026】
上記ポリマーエマルジョンを形成するポリマーとしては、例えば、ビニル系ポリマー、ポリエステル系ポリマー及びポリウレタン系ポリマー等を用いることが出来る。特に好ましく用いられるポリマーはビニル系ポリマー及びポリエステル系ポリマーであり、特開2000−53897号公報、特開2001−139849号公報、特開2000−191967号公報に開示されているポリマーが挙げられる。
本発明の好ましい態様によれば、これらの色材を含有するポリマー微粒子の平均粒子径はインク中において最も好ましくは0.16μm以下である。
また、インク中のポリマー微粒子の含有量は固形分で8〜20重量%程度が好ましく、より好ましくは8〜12重量%程度である。
【0027】
本発明のインクにはインクの乾燥による目詰まりの防止、および着色材の分散安定性を向上する目的で湿潤剤を、好ましくは10〜50重量%含有することによりインクジェットヘッドの吐出口で、インク中の水分が蒸発した場合でも目詰まりを起こしにくく正常な印字を行うことができ、仮に目詰まりを起しても簡単なクリーニング操作で正常な印字状態に回復できることを見出した。湿潤剤としては、低揮発性水溶性有機溶剤が好ましい。また、低揮発性水溶性有機溶剤は、本発明の他の構成成分の溶解助剤として働くことで、より一層記録液の保存安定性、噴射安定性を高めることができる。
【0028】
低揮発性水溶性有機溶剤としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミイダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクタム等の含窒素複素環化合物;ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール、チオジグリコール等の含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等である。これらの溶剤は、水とともに単独もしくは、複数混合して用いられる。
【0029】
これら低揮発性水溶性有機溶剤の中でも、特にグリセリン、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、チオジグリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、トリメチロールプロパン、およびトリメチロールエタンから選ばれた少なくとも1種以上を用いる。これらは溶解性と水分蒸発による噴射特性不良の防止、着色材の分散安定性の向上に対して優れた効果があり、高粘度インクの調整に適している。
【0030】
顔料と湿潤剤の比は、ヘッドからのインク吐出安定性に非常に影響がある。顔料固形分が高いのに湿潤剤の配合量が少ないとノズルのインクメニスカス付近の水分蒸発が進み吐出不良をもたらす。
湿潤剤の配合量は10〜50重量%であり、これに対して色材を含有するポリマー微粒子は8重量%以上、好ましくは8〜20重量%であるので、湿潤剤とポリマー微粒子固形分の両者の比は0.5〜6.25となるが、より好ましくは2.0〜6.0であり、最も好ましくは2.0〜5.0の範囲である。この範囲にあるインクは、乾燥性や保存試験や信頼性試験が非常に良好である。
【0031】
界面活性剤としてはアニオン系界面活性剤またはノニオン系界面活性剤が用いられる。色材の種類や湿潤剤、水溶性有機溶剤の組合せによって、分散安定性を損なわない界面活性剤を選択する。
【0032】
アニオン性界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩などが挙げられる。
【0033】
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミドなどが挙げられる。
アセチレングリコール系界面活性剤も好ましく、例えば2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールなどのアセチレングリコール系(例えばエアープロダクツ社(米国)のサーフィノール104、82、465、485あるいはTGなど)を用いることができるが、特にサーフィノール465、104やTGが良好な印字品質を示す。
【0034】
前記界面活性剤は、単独または二種以上を混合して用いることができる。
本発明では界面活性剤を使用することで記録紙への濡れ性を改善することができる。好ましい界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロック共重合体、アセチレングリコール系界面活性剤が挙げられる。
【0035】
本発明で用いられるアニオン及びノニオン系界面活性剤の好ましいものを下記に示す。
【化13】
−O−(CHCHO)CHCOOM (I)
(式中、R:炭素数6〜14の分岐してもよいアルキル基、
m:3〜12、
M:アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、アルカノールアミン)
【化14】
Figure 2004225018
(式中、R:炭素数5〜16の分岐したアルキル基、
M:アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、アルカノールアミン)
【化15】
Figure 2004225018
(式中、R:分岐しても良い6〜14のアルキル基、k:5〜20)
【化16】
R−(OCHCHOH (IV)
(式中、R:分岐しても良い炭素数6〜14のアルキル基、n:5〜20)
【化17】
Figure 2004225018
(式中、R’:分岐してもよい炭素数6〜14のアルキル基、m、n:1〜20)
【化18】
Figure 2004225018
(式中、R:プロピル基もしくはイソブチル基、
m、n:1〜20、
m+n=2〜40)
【0036】
さらに本発明の界面活性剤は通常塩の形で用いられ、その対イオンとして、アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、又はアルカノールアミンが好ましい。さらに、対イオンとしてナトリウム、リチウム及び/または下記一般式(VII)で表される第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、アルカノールアミン陽イオンを用いると、より一層溶解安定性が増し、更に好ましい。
【化19】
Figure 2004225018
(上記式中、Yは窒素またはリンを表し、R〜Rは各々水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ハロゲン化アルキル基を表す。)
例えば、リチウム塩の場合は水酸化リチウムを添加することにより行われ、上記一般式(VII)の第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、アルカノールアミン陽イオンに関しては、具体的には下記表1に示す水酸化物を添加することにより行われる。
【0037】
【表1】
Figure 2004225018
【0038】
より具体的にはアニオン系界面活性剤としては、前記一般式(I)で表されるポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、及び/または、前記一般式(II)で表される炭素数が5〜7の分岐したアルキル基を有するジアルキルスルホ琥珀酸を用いることで普通紙特性も改善されさらに着色剤の溶解・分散安定性が得られる。
【0039】
好ましい非イオン系の界面活性剤としては、前記一般式(III)で表されるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、前記一般式(VI)で表されるアセチレングリコール系界面活性が挙げられる。これらを併用することによりさらに相乗効果として浸透性があげられ、これにより色境界にじみが低減されまた文字にじみも少ないインクが得られる。
【0040】
なお、このインクのpHを6以上にすることによりインクの保存安定性が得られ、また、オフィスで使用されているコピー用紙や用箋等はpHが5〜6のものが多く、これらの記録紙にインクを9〜60μmの微細な吐出口より吐出し重量が3ng〜50ngの液滴として5〜20m/sで飛翔させ、単色での付着量を1.5〜30g/mとしてJIS P−8122試験法によるステキヒトサイズ度が3秒以上の所謂普通紙に記録するこにより高画質、高解像の記録画像を形成する記録方式を提供することができる。ただし、pHが9以上では保存時に前記一般式(II)で表される界面活性剤では分解による物性変化が起こりやすいため、該一般式(II)で表される界面活性剤を用いる場合はpHを6〜9とすることが好ましい。
【0041】
本発明のインクにおいて、アニオンまたはノニオン系界面活性剤の添加量は0.01〜10重量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5重量%である。該添加量が0.01重量%未満であると紙への浸透性が不足することでインクが乾燥しないという問題が出る。また10重量%を越えるとインクジェットヘッドの吐出口付近を濡らしてしまいインク滴の吐出が不安定となる。
特に本発明に用いることができる前記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)で表される界面活性剤の添加量は0.05〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%の間でプリンタ−システムにより要求されるインク特性に対し所望の浸透性を与えることが可能である。ここで0.05重量%未満ではいずれの場合も2色重ね部の境界でのにじみが発生し、10重量%超えて添加する場合は化合物自体が低温で析出しやすことがあり信頼性が悪くなる。
【0042】
次に本発明に用いる前記一般式(I)、(II)で表される界面活性剤を具体的に遊離酸型で示す。
【表2】
Figure 2004225018
【0043】
本発明における表面張力は紙への浸透性を示す指標であり、特に表面形成されて1秒以下の短い時間での動的表面張力を示し、飽和時間で測定される静的表面張力とは異なる。測定法としては特開昭63−31237号公報等に記載の従来公知の方法で1秒以下の動的な表面張力を測定できる方法であればいずれも使用できるが、本発明ではWilhelmy式の吊り板式表面張力計を用いて測定した。表面張力の値は40mJ/m以下が好ましく、より好ましくは35mJ/m以下とすると優れた定着性と乾燥性が得られる。
【0044】
本発明に用いる炭素数8〜11のポリオールまたはグリコールエーテルは、浸透剤等としての作用を有し、20℃の水中において0.2〜4.5重量%未満の間の溶解度を有する部分的に水溶性のポリオールおよび/またはグリコールエーテルが好ましく、これらを記録用インク全重量に対してを好ましくは0.1〜10.0重量%添加することによって、該インクの熱素子への濡れ性が改良され、少量の添加量でも吐出安定性および周波数安定性が得られることが分かった。
▲1▼ 2−エチル−1,3−ヘキサンジオール
溶解度:4.2重量%(20℃)
▲2▼ 2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール
溶解度:2.0重量%(20℃)
25℃の水中において0.1〜4.5重量%未満の間の溶解度を有する浸透剤は溶解度が低い代わりに浸透性が非常に高いという長所がある。従って、25℃の水中において0.1〜4.5重量%未満の間の溶解度を有する浸透剤と他の溶剤との組み合わせや他の界面活性剤との組み合わせで非常に高浸透性のインクを作成することが可能となる。
【0045】
本発明においては、防黴剤として、1,2−ベンズイソチアゾリン3−オンを使用することで、保存安定性及び吐出安定性等の信頼性を確保しつつ、防黴効果に優れるインクが提供できる。特に本発明の湿潤剤との組み合わせにおいては従来は菌や黴の発生を抑制することが難しいとされる添加量であっても充分に効果を発揮させることができ、添加量を抑制することによって、粒子の凝集やインクの増粘といった現象を防止することができるので、長期間に渡ってインクの性能を発揮させることが可能になる。
1,2−ベンズイソチアゾリン3−オンの添加量としては有効成分量としてインク全量の0.01〜0.04重量%である。0.01重量%未満であると、防黴性がやや低下する。0.04重量%越える場合は、インクを長期間(例えば、室温の場合で2年、50〜60℃の場合で1〜3ヶ月)保管したときに粒子の凝集が起こったり、インク粘度が初期粘度の50〜100%増になるなどの長期保存安定性の問題が発生し、初期のプリント性能を維持できなくなる。
【0046】
1,2−ベンズイソチアゾリン3−オンは市販品としてはサンアイパックAP(三愛石油製)やプロキセルXL(アビシア製)、プロキセルLV(アビシア製)が挙げられる。これらの市販品は1,2−ベンズイソチアゾリン3−オン以外に水溶性有機溶剤等を含有するので有効成分含有量で添加量を決定する。
【0047】
本発明のインクには上記着色剤、溶媒、界面活性剤等の他に、従来より知られている添加剤を加えることができる。
pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響をおよぼさずにpHを7以上に調整できるものであれば、任意の物質を使用することができる。
その例として、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属元素の水酸化物、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属の炭酸塩等が挙げられる。
【0048】
キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等が挙げられる。
【0049】
防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等がある。
その目的に応じて水溶性紫外線吸収剤、水溶性赤外線吸収剤等を添加することができる。
【0050】
本発明のインクジェット記録用インクを収容したインクカートリッジおよび該インクカートリッジを具備するインクジェット記録装置について、添付図面を参照して説明するが、以下は構成例の1例に過ぎず、本発明になんら限定を加えるものではない。
【0051】
図1は本発明の記録液を収容した記録液収容部を備えたインクカートリッジを搭載するシリアル型インクジェット記録装置の機構部の概略正面図である。
このインクジェット記録装置の機構部は、両側の側板1、2間に主支持ガイドロッド3及び従支持ガイドロッド4を略水平な位置関係で横架し、これらの主支持ガイドロッド3及び従支持ガイドロッド4でキャリッジユニット5を主走査方向に摺動自在に支持している。キャリッジユニット5には、それぞれイエロー(Y)インク、マゼンタ(M)インク、シアン(C)インク、ブラック(Bk)インクをそれぞれ吐出する4個のヘッド6を、その吐出面(ノズル面)6aを下方に向けて搭載し、またキャリッジユニット5のヘッド6の上側には4個のヘッド6に各々インクを供給するための各色のインク供給体である4個のインクカートリッジ7y、7m、7c、7kを交換可能に搭載している。
【0052】
そして、キャリッジユニット5は主走査モータ8で回転される駆動プーリ(駆動タイミングプーリ)9と従動プーリ(アイドラプーリ)10との間に張装したタイミングベルト11に連結して、主走査モータ8を駆動制御することによってキャリッジユニット5、即ち4個のヘッド6を主走査方向に移動するようにしている。
また、側板1、2をつなぐ底板12上にサブフレーム13、14を立設し、このサブフレーム13、14間に用紙16を主走査方向と直交する副走査方向に送るための搬送ローラ15を回転自在に保持している。そして、サブフレーム14側方に副走査モータ17を配設し、この副走査モータ17の回転を搬送ローラ15に伝達するために、副走査モータ17の回転軸に固定したギヤ18と搬送ローラ15の軸に固定したギヤ19とを備えている。
【0053】
さらに、側板1とサブフレーム12との間には、ヘッド6の信頼性維持回復機構(以下、「サブシステム」という。)21を配置している。サブシステム21は、各ヘッド6の吐出面をキャッピングする4個のキャップ手段22をホルダ23で保持し、このホルダ23をリンク部材24で揺動可能に保持して、キャリッジユニット5の主走査方向の移動でホルダ23に設けた係合部25にキャリッジユニット5が当接することで、キャリッジユニット5の移動に従ってホルダ23がリフトアップしてキャップ手段22でインクジェットヘッド6の吐出面6aをキャッピングし、キャリッジユニット5が印写領域側へ移動することで、キャリッジユニット5の移動に従ってホルダ23がリフトダウンしてキャップ手段22がインクジェットヘッド6の吐出面6aから離れるようにしている。
【0054】
なお、キャップ手段22は、それぞれ吸引チューブ26を介して吸引ポンプ27に接続すると共に、大気開放口を形成して、大気開放チューブ及び大気開放バルブを介して大気に連通している。また、吸引ポンプ27は吸引した廃液を、ドレインチューブ等を介して図示しない廃液貯留槽に排出する。
さらに、ホルダ23の側方には、インクジェットヘッド6の吐出面6aをワイピングする繊維部材、発泡部材或いはゴム等の弾性部材からなるワイピング手段であるワイパブレード28をブレードアーム29に取付け、このブレードアーム29は揺動可能に軸支し、図示しない駆動手段で回動されるカムの回転によって揺動させるようにしている。
【0055】
次に、インクカートリッジ7について図2、図3を参照して説明する。ここで、図2は記録装置に装填する前のインクカートリッジの外観斜視図、図3はインクカートリッジの正断面図である。
インクカートリッジ7は、図3に示すように、カートリッジ本体41内に所要の色のインクを吸収させたインク吸収体42を収容してなる。カートリッジ本体41は、上部に広い開口を有するケース43の上部開口に上蓋部材44を接着又は溶着して形成したものであり、例えば樹脂成型品からなる。また、インク吸収体42は、ウレタンフォーム体等の多孔質体からなり、カートリッジ本体41内に圧縮して挿入した後、インクを吸収させている。
【0056】
カートリッジ本体41のケース43底部には記録ヘッド6へインクを供給するためのインク供給口45を形成し、このインク供給口45内周面にはシールリング46を嵌着している。また、上蓋部材44には大気開放口47を形成している。
【0057】
そして、カートリッジ本体41には、装填前の状態で、インク供給口45を塞ぐと共に装填時や輸送時などのカートリッジ取扱い時、或いは真空包装時による幅広側壁に係る圧力でケース43が圧縮変形されて内部のインクが漏洩することを防止するため、キャップ部材50を装着している。
【0058】
また、大気開放口47は、図2に示すように、酸素透過率が100ml/m以上のフィルム状シール部材55を上蓋部材44に貼着してシールしている。このシール部材55は大気開放口47と共にその周囲に形成した複数本の溝48をもシールする大きさにしている。このように大気開放口47を酸素透過率が100ml/m以上のシール部材55でシールすることで、インクカートリッジ7を透気性のないアルミラミネートフィルム等の包装部材を用いて減圧状態で包装することにより、インク充填時やインク吸収体42とカートリッジ本体41との間に生じる空間A(図3参照)にある大気のためにインク中に気体が溶存したときでも、シール部材55を介してインク中の空気が真空度の高いカートリッジ本体41外の包装部材との間の空間に排出され、インクの脱気度が向上する。
【0059】
また、図4には、本発明のインクジェット記録用インクを収容した記録液収容部と、記録液滴を吐出させるためのヘッド部を備えた記録ユニットの構成例を示す。
すなわち、記録ユニット30は、シリアルタイプのものであり、インクジェットヘッド6と、このインクジェットヘッド6に供給される記録液を収容するインクタンク41と、このインクタンク41内を密閉する蓋部材とで主要部が構成される。インクジェットヘッド6には、記録液を吐出するための多数のノズル32が形成されている。記録液はインクタンク41から、図示しないインク供給管を介して、やはり図示しない共通液室へと導かれ、電極31より入力される記録装置本体からの電気信号に応じて、ノズル32より吐出される。このようなタイプの記録ユニットは、構成上、安価に製造できるタイプのヘッド、いわゆるサーマル方式、バブル方式と呼ばれる、熱エネルギーを駆動の動力源とするヘッドに適した構造である。
本発明のインクジェット記録用インクは、バブルやサーマル方式等の記録方法において、炭素数8〜11のポリオールやグリコールエーテルを添加することによって、熱素子への濡れ性が改良されるため、少量の添加量でも吐出安定性及び周波数安定性が得られ、かつ安全性も高く、非常に適している。
【0060】
本発明において、上記熱エネルギーの代りに力学的エネルギーを駆動の動力源とする場合は、炭素数8〜11のポリオールまたはグリコールエーテルと特定のアニオンまたはノニオン系界面活性剤の相互作用でインクの表面張力が40dyn/cm以下(より好ましく35dyn/cm以下)に制御できる。従って、高粘度インクであってもヘッド内部のインクが接する部材への濡れがよくなり、ヘッド内部の気泡排出性が向上し、吐出安定性が格段に向上する。
【0061】
また、記録装置の記録ヘッドのノズルプレートの表面には、撥インク性皮膜層を共析メッキ等の方法により形成させることが好ましい。撥インク性皮膜層を設けることにより、本発明のインクを用いて記録すれば、インク滴の大きさの変化や吐出不良といった問題が防止され、フェザリングや印字濃度の低下、カラーブリード等の発生のない高品位の画質を得ることができる。
さらに記録ヘッドのノズル径は30μm以下が好ましい。該ノズル径が30μmより大きいと、記録ヘッドから吐出される液滴のサイズが大きくなりすぎ、本発明のインクであっても裏抜けが無視できなくなり、両面印刷の使用に耐えられなくなる。また、5plといった微小液滴の形成も困難になる。
【0062】
ここでは、前述のようなシリアル型インクジェット記録装置を説明したが、本発明の記録液は、ノズルを千鳥など任意の配列で、目的とする画像の解像度と同じか数分の1程度の密度に集積し、記録媒体の幅以上に配列させた、いわゆるラインヘッドを有する記録装置に適用することも可能である。
また、ここでいう記録装置とは、PCやデジカメ用の出力プリンタのみならず、ファックスやスキャナ、電話などと組み合わせた複合的な機能を有する装置であっても構わない。
【0063】
本発明のインクジェット記録用インクを用い、本発明の記録装置で記録する場合の好ましい条件としては、Mjが5〜35pl、Vjが6〜20m、周波数が1KHz以上、解像度が300dpi以上である。このようなワンパス印字条件で印字した場合、本発明のインクであれば普通紙上にレーザープリンタ並みの高品位画質を高速に印字することが可能となり、更に乾燥性に優れ、裏抜けも少ないので高速両面印刷も可能となり好ましい。
【0064】
【実施例】
以下に本発明の実施例および比較例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例に記載の各成分の量(%)は重量基準である。
【0065】
<参考例1>フタロシアニン顔料含有ポリマー微粒子分散体の調整
(1)ポリマー溶液の調製
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管及び滴下漏斗を備えた1L容のフラスコ内を十分に窒素ガス置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー(東亜合成(株)製、商品名:AS−6)4.0g及びメルカプトエタノール0.4gを仕込み、65℃に昇温した。
次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー(東亜合成(株)製、商品名:AS−6)36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスジメチルバレロニトリル2.4g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を3時間かけてフラスコ内に滴下した。
滴下終了後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけてフラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。
反応終了後、フラスコ内に、メチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50%のポリマー溶液800gを得た。
ポリマー溶液の一部を乾燥し、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(標準:ポリスチレン、溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したところ、重量平均分子量は14000であった。
(2)フタロシアニン顔料含有ポリマー微粒子の水分散体の調製
前記(1)で得られたポリマー溶液28g、フタロシアニン顔料(ピグメントブルー15:3)26g、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g及びイオン交換水30gを十分に攪拌した後、3本ロールミルを用いて20回混練した。
得られたペーストをイオン交換水200gに投入し、十分に攪拌した後、エパポレーターを用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、固形分量が20.0重量%のフタロシアニン顔料含有ポリマー微粒子の水分散体160gを得た。
ポリマー微粒子のマイクロトラックUPAで測定した平均粒子径(D50%)は93nmであった。
【0066】
<参考例2>ジメチルキナクリドン顔料含有ポリマー微粒子分散体の調整
参考例1.のフタロシアニン顔料をピグメントレッド122に変更したほかは参考例1と同様にして赤紫色のポリマー微粒子分散体を得た。ポリマー微粒子のマイクロトラックUPAで測定した平均粒子径(D50%)は127nmであった。
【0067】
<参考例3>モノアゾ黄色顔料含有ポリマー微粒子分散体の調整
参考例1.のフタロシアニン顔料をピグメントイエロー74に変更したほかは参考例1と同様にして黄色のポリマー微粒子分散体を得た。ポリマー微粒子のマイクロトラックUPAで測定した平均粒子径(D50%)は76nmであった。
【0068】
<参考例4>カーボンブラック含有ポリマー微粒子分散体の調整
参考例1.のフタロシアニン顔料をカーボンブラック(デグサ社FW100)に変更したほかは参考例1と同様にして黒色のポリマー微粒子分散体を得た。ポリマー微粒子のマイクロトラックUPAで測定した平均粒子径(D50%)は104nmであった。
【0069】
実施例1
下記処方のインク組成物を作成し、pHが9になるように水酸化リチウム10%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行いインク組成物を得た。
Figure 2004225018
【0070】
実施例2
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化ナトリウムで9にしてインク組成物を調製した。
Figure 2004225018
【0071】
実施例3
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化リチウムで9にしてインク組成物を調製した。
Figure 2004225018
【0072】
実施例4
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化ナトリウムで9にしてインク組成物を調製した。
Figure 2004225018
【0073】
実施例5
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化リチウムで9にしてインク組成物を調製した。
Figure 2004225018
【0074】
実施例6
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化リチウムで9にしてインク組成物を調製した。
Figure 2004225018
【0075】
実施例7
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化リチウムで9にしてインク組成物を調製した。
Figure 2004225018
【0076】
実施例8
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化リチウムで9にしてインク組成物を調整した。
Figure 2004225018
【0077】
比較例1
下記処方のインク組成物を作成し、pHが9になるように水酸化リチウム10%水溶液にて調整した。その後、平均孔径0.8μmのメンブレンフィルターで濾過を行いインク組成物を得た。
Figure 2004225018
【0078】
比較例2
下記組成物を用いる以外は比較例1と同様にし、pHを水酸化リチウムで9にしてインク組成物を調製した。
Figure 2004225018
【0079】
比較例3
下記組成物を用いる以外は比較例1と同様にし、pHを水酸化リチウムで9にしてインク組成物を調製した。
Figure 2004225018
【0080】
比較例4
下記組成物を用いる以外は実施例1と同様にし、pHを水酸化ナトリウムで9にしてインク組成物を調製した。
Figure 2004225018
【0081】
<インクの物性>
実施例1〜8と比較例1〜4のインク組成物において、顔料濃度、湿潤剤濃度、表面張力、インク粘度、および粒子径D50を表3に示す。インク粘度はR型粘度計を使用し25℃での粘度を測定した。粒子径D50はマイクロトラックUPAを用いて、顔料濃度が0.01%になるように純水で希釈して測定した。
【0082】
【表3】
Figure 2004225018
* 顔料固形分濃度=顔料含有ポリマー微粒子の固形分濃度
【0083】
次に上記実施例1〜8及び比較例1〜4のインク組成物について、インクの保存安定性を評価し表4に示した。
<インク保存安定性>
保存安定性は60℃に3ヶ月の保存試験を行い、試験前後の粘度と粒子径D50を測定した。
保存試験後の粘度は初期粘度に対する下記式で求められる変化率で表示した。
変化率%=[(試験後粘度−初期粘度)/初期粘度]×100
【0084】
【表4】
Figure 2004225018
【0085】
次に上記実施例1〜8及び比較例1〜4について表1のシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックからなるインクセット1〜2、インクセット比較1にてを下記の試験を行った。
【0086】
1)画像の鮮明性
リコー製インクジェットプリンターIPSiO Jet300のヘッドの駆動電圧、周波数、パルス幅を変え、Mjが35pl、Vjが10m/secの条件で下記の各紙に双方向ワンパス印字モード(記録密度400dpi)でべた及び文字を印刷した。
印字乾燥後、2色重ね部境界の滲み、画像滲み、色調、画像濃度を目視及び反射型カラー分光測色濃度計(X−Rite社製)により総合的に調べ、評価基準にしたがって判定した。用いた印刷試験用紙を以下に示す。
▲1▼ マイペーパー(株式会社NBSリコー製)
▲2▼ 紙源S・再生紙(株式会社NBSリコー製)
▲3▼ PB紙(キャノン株式会社製)
▲4▼ マルチエース(富士ゼロックスオフィスサプライ株式会社製)
▲5▼ やまゆり紙(本州製紙株式会社製・再生紙)
▲6▼ LH紙(富士ゼロックスオフィスサプライ株式会社製)
▲7▼ Xerox 4024紙(富士ゼロックスオフィスサプライ株式会社製)
▲8▼ Neenah Bond紙(キンバリークラーク社製)
判定基準
◎:全紙滲みの発生なく鮮明な印刷である。
○:一部の用紙(再生紙)にひげ状の滲みの発生がある。
△:全紙にひげ状の滲みの発生がある。
×:文字の輪郭がはっきりしないほど滲みが発生している。
【0087】
2)裏抜け
印刷後の画像のベタ部を裏面から反射型カラー分光測色濃度計(X−Rite社製)で濃度を測定し、地肌部(非印刷部)の濃度を差し引き裏抜け濃度とした。着色剤が裏に抜けるほど両面印刷には不適となるので、裏抜け濃度が小さい方が良い。
裏抜け濃度=裏面からの画像濃度−地肌濃度
【0088】
3)画像の乾燥性
記録媒体にベタ画像印字後の画像に0.1kg/cmの圧力で濾紙を押しつけインクが濾紙に転写しなくなるまでの時間を測定した。いずれの紙でも3秒以内で乾燥した場合に○、3秒を超える場合を×と判定した。
【0089】
4)印字休止時の信頼性
リコー製プリンターIPSiO Jet300のヘッドを用いてプリンター動作中にキャップ、クリーニング等が行われないでどれだけ印字休止しても復帰できるかを調べ、どれだけの時間(秒)で噴射方向がずれるか、あるいは吐出液滴の重量が変化するかでその信頼性を評価した結果を表5に示す。
【0090】
【表5】
Figure 2004225018
【0091】
【発明の効果】
以上、詳細且つ具体的な説明より明らかなように、これまで浸透系インクは速乾性と定着性に優れる反面、フェザリングや印字濃度の低下、カラーブリード等の画像品質やインクの保存安定性に問題があった。
本発明のインクジェット記録用インクの、色材を含有するポリマー微粒子が、好ましくは固形分で8重量%以上、より好ましくは8〜20重量%で、グリセリン、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、チオジグリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、トリメチロールプロパン、およびトリメチロールエタンから選ばれた少なくとも1種類以上の湿潤剤を含むインク粘度が5.0mPa・sec以上、好ましくは8.0mPa・sec以上の高粘度のインク組成物では、Mjが5〜35pl、Vjが6〜20m/mPa・sec、周波数が1KHz以上、解像度が300dpi以上、ワンパス印字条件において、普通紙にレーザープリンター並の高品位画質を可能とすることが出来る。更に、紙面上に色材がとどまるため従来に比べて裏抜けが格段に少なくなり、両面印字が可能である(裏抜け濃度:0.02〜0.04/従来0.15〜0.2)。これらの性能が前述の湿潤剤と特定の防黴剤の特定添加量を組み合わせることにより長期間維持することが可能である。
また、本発明のインク組成物は、炭素数8〜11のポリオールと前記一般式(I)〜(VI)で表される界面活性剤の相互作用により、インクの表面張力が40dyn/cm以下となり、ポリマー微粒子が固形分で8重量%以上、8.0mPa・sec以上の高粘度であっても、ほとんどの被記録材に対して速やかに定着し、耐マーカー性も十分である。また、ヘッド部材への濡れがよくなり、インク組成物気泡排出性、周波数応答性、および吐出安定性が格段に向上する。
さらに、本発明のインク組成物は、高顔料濃度で高粘度インクであるが、グリセリン、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、チオジグリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、トリメチロールプロパン、およびトリメチロールエタンから選ばれた少なくとも1種類以上の湿潤剤の効果により、従来の高顔料・高粘度インクに比べ、ノズルの目詰まりが無く、安定した印字が可能であり、保存安定性も格段に向上する。
【0092】
また、本発明によれば、このように高浸透特性で、かつ高い信頼性、安全性と優れた画像特性を有するインクジェット記録用インクを用いる記録方法、該インクを収容したカートリッジ、および該インクあるいは該カートリッジを具備した記録装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録用インクを収容するインクカートリッジを搭載するシリアル型インクジェット記録装置の構成例を示す概略正面図。
【図2】記録装置に装填する前のインクカートリッジの外観斜視図。
【図3】インクカートリッジの正断面図。
【図4】記録ヘッドと一体化された記録ユニットの外観斜視図。
【符号の説明】
1 側板
2 側板
3 主支持ガイドロッド
4 従支持ガイドロッド
5 キャリッジユニット
6 ヘッド
6a 吐出面
7 インクカートリッジ
7y イエローインクカートリッジ
7m マゼンタインクカートリッジ
7c シアンインクカートリッジ
7k ブラックインクカートリッジ
8 主走査モータ
9 駆動プーリ
10 従動プーリ
11 タイミングベルト
12 底板
13 サブフレーム
14 サブフレーム
15 搬送ローラ
16 用紙
17 副走査モータ
18 ギア
19 ギア
21 信頼性維持回復機構(サブシステム)
22 キャップ手段
23 ホルダ
24 リンク部材
25 係合部
26 吸引チューブ
27 吸引ポンプ
28 ワイパーブレード
29 ブレードアーム
30 記録ユニット
31 電極
32 ノズル
41 カートリッジ本体
42 インク吸収体
43 ケース
44 上蓋部材
45 インク供給口
46 シールリング
47 大気開放口
48 溝
50 キャップ部材
55 フィルム状シール部材
A 空間

Claims (21)

  1. ポリマー微粒子に水不溶性または難溶性の色材を含有させてなるポリマーエマルジョンを含有するインクジェット記録用インクにおいて、グリセリン、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,6−ヘキサントリオール、プロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、チオジグリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、トリメチロールプロパン、およびトリメチロールエタンから選ばれた少なくとも1種類以上の湿潤剤を含有し、炭素数8〜11のポリオールまたはグリコールエーテル、アニオンまたはノニオン系界面活性剤、水を少なくとも含有し、防黴剤として1,2−ベンズイソチアゾリン3−オンをインク全量の0.01〜0.04重量%含有し、かつ25℃におけるインク粘度が5mPa・sec以上であることを特徴とするインクジェット記録用インク。
  2. 前記ポリマーエマルジョンを形成するポリマーが、ビニル系ポリマーまたはポリエステル系ポリマーであることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用インク。
  3. 前記湿潤剤を10〜50重量%含有することを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録用インク。
  4. 前記色材を含有させてなるポリマーエマルジョンを固形分で8〜20重量%含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  5. 前記色材を含有させてなるポリマーエマルジョンを含有するインク中のポリマー微粒子の平均粒子径が0.16μm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  6. 湿潤剤とポリマーエマルジョン固形分との重量比(湿潤剤/エマルジョン固形)が2〜5であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  7. 25℃におけるインクの粘度が8〜20mPa・secであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  8. 炭素数8〜11のポリオールまたはグリコールエーテルが2−エチル−1,3−ヘキサンジオールであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  9. 炭素数8〜11のポリオールまたはグリコールエーテルが2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  10. アニオンまたはノニオン系界面活性剤が下記一般式(I)、(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)で表される界面活性剤から選ばれた少なくとも一種よりなることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
    Figure 2004225018
    (式中、R:炭素数6〜14の分岐してもよいアルキル基、
    m:3〜12、
    M:アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、アルカノールアミン)
    Figure 2004225018
    (式中、R:炭素数5〜16の分岐したアルキル基、
    M:アルカリ金属イオン、第4級アンモニウム、第4級ホスホニウム、アルカノールアミン)
    Figure 2004225018
    (式中、R:分岐しても良い6〜14のアルキル基、
    k:5〜20)
    Figure 2004225018
    (式中、R:分岐しても良い炭素数6〜14のアルキル基、n:5〜20)
    Figure 2004225018
    (式中、R’:分岐してもよい炭素数6〜14のアルキル基、m、n:1〜20)
    Figure 2004225018
    (式中、R:プロピル基もしくはイソブチル基、
    m、n:1〜20、
    m+n=2〜40)
  11. アニオンまたはノニオン系界面活性剤を0.1〜5重量%含有することを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  12. 表面張力が35dyne/cm以下であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載のインクジェット記録用インク。
  13. 請求項1〜12のいずれかに記載のインクジェット記録用インクにエネルギーを作用させてインク吐出を行うことを特徴とするインクジェット記録方法。
  14. 前記エネルギーとして熱エネルギーを作用させてインク吐出を行うことを特徴とする請求項13に記載のインクジェット記録方法。
  15. 前記エネルギーとして力学的エネルギーを作用させてインク吐出を行うことを特徴とする請求項13に記載のインクジェット記録方法。
  16. Mjが5〜35pl、Vjが6〜20m、周波数が1KHz以上、解像度が300dpi以上、ワンパス印字条件において、インクとして請求項1〜12のいずれかに記載のインクジェット記録用インクを用いることを特徴とする請求項13〜15のいずれかに記載のインクジェット記録方法。
  17. 請求項1〜12のいずれかに記載のインクジェット記録用インクを収容したインク収容部を備えたことを特徴とするインクカートリッジ。
  18. 請求項1〜12のいずれかに記載のインクジェット記録用インクを収容したインク収容部あるいは請求項17に記載のインクカートリッジ、該インクをエネルギーの作用により滴化し吐出させるためのヘッド部あるいは記録ユニットを備えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  19. 前記インクジェット記録ヘッドのノズルプレートの表面に撥インク性皮膜層が共析メッキにより形成されたものであることを特徴とする請求項18に記載の記録装置。
  20. 前記インクジェット記録ヘッドのノズル径が30μ以下であることを特徴とする請求項19に記載の記録装置。
  21. 請求項13〜16のいずれかに記載の記録方法によって記録が行われたものであることを特徴とする記録物。
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