JP2014070126A - インクジェット記録用インク,カートリッジ、インクジェット記録装置、画像形成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】インクの保存安定性が良好で、平滑紙及び非平滑紙でも高画像濃度でこれら受容体への画像のにじみ防止、インク間のにじみ防止が改善され高画像品質が実現可能な画像形成方法、インクジェット用インク液、前処理液とインクジェット記録用インクとのセット、カートリッジ、インクジェット記録装置、画像形成物を提供すること。
【解決手段】水、顔料分散体及び浸透剤及びトリメチルグリシンを含むインクジェット記録用インクにおいて、該記顔料分散体が、CB揮発分10%〜20%かつBET比表面積が90〜150m/gのオゾン酸化されたカーボンブラックを含み、水酸化金属塩にてpHが6〜8に調整された顔料分散体であることを特徴とするインクジェット記録用インク。
【選択図】図1

Description

本発明は、インクジェット用インク液、インクジェット記録用インクとのセット、カートリッジ、インクジェット記録装置、及びそれによって形成された画像形成物に関する。
近年、画像形成方法として、他の記録方式に比べてプロセスが簡単であり又フルカラー化が容易であり、簡略な構成の装置であっても高解像度の画像が得られる利点があることから、インクジェット記録方式が普及してきた。
インクジェット記録方式は熱により発生する泡や、ピエゾや静電等を利用し発生した圧力で少量のインクを飛翔させ、紙など被画像形成体に付着させ、すばやく乾燥させ(あるいは被記録媒体に浸透させる)画像を形成する画像形成装置でありパーソナルユース、ホームユースを始め産業用としてのプリンタや、印刷用途まで拡大してきている。
近年、特に産業用途としての需要が高まり、高速化印字や様々な被記録媒体(紙等のメディア)に対する対応性が望まれている。
特に高速化に伴いラインヘッドを搭載したインクジェットプリンターも必要となってきている。
また近年、環境面や安全性の面より水系インク要望が高くなっている。
しかしながら、水系インクは媒体の影響を受け易く画像に各種の問題を引き起こしている。
特に媒体に非平滑性の紙を使用する場合は顕著である。
水性インクの場合、乾燥までに時間を要し、紙のセルロース繊維との親和性も良好なため、紙への浸透性が高く、特に未コーティングの比較的非平滑な紙の場合、色材が紙中に浸透することで、形成された色材の色濃度が低くなってしまう溶剤インクではみられなかった問題が生じている。
特に近年高速印字化が進むにつれ、メディアに付着したインクの乾燥速度を早めるために、インクに浸透剤を添加し、溶媒である水をメディアに浸透させることで乾燥を早める手段がとられる。
しかしながら浸透剤を含有させると、水だけでなく色材のメディア(被記録媒体)中への浸透性が向上してしまい、更に画像濃度が低下してしまう問題が、塗料やボールペンに使用されるインクと異なり、顕著に発生してしまう。
印字画像濃度を向上させる方法としては、酸性カーボンブラックを次亜塩素酸で酸化し、カーボンブラックの表面官能基量/比表面積の比をコントロールすることが提案されている(特許文献1)。
しかしながら、次亜塩素酸塩での処理は、湿式である(水を溶媒として使用する)ため、脱水や洗浄等が必要となり高コストになり、また、洗浄においても塩等が残留するため、インクジェットに使用した場合、インク保存性が十分満足できるものではなかった。
また、非平滑紙の場合は画像濃度の点でも十分満足のできるものではない。
また分散安定性を向上させる目的で、同様にカーボンブラックの表面官能基量・比表面積や他特性を規定することが提案されている(特許文献2)。
しかしながら、これもペルオキソ2硫酸塩等を用いた湿式酸化をおこなっており、上記と同じ理由で、保存安定性及び画像濃度において満足のできるものではない。
また、DBP吸油量と酸性基を規定したファーネスカーボンブラックを使用することが提案されている(特許文献3)。
ファーネスカーボンブラックで記載のDBP吸収量を得るためには、比表面積が大きいものを使用せざるを得ず、酸化処理により酸性基を増加させても実際のカーボンブラック表面に存在する有効な酸性基は少なく、インクに使用した場合の保存安定性及び画像濃度において満足のできるものではない。
また酸化によって処理したカーボンブラックの揮発分を25%以上に規定したカーボンブラックの使用が提案されている(特許文献4)。
揮発分が高いと水への濡れ性が向上し、水分散性は向上するが、しかしながら酸化処理時の不純物増加による安定性の低下また水への相溶性が高くなりすぎ、水とともに紙への顔料の染み込みが発生しやすくなり十分な画像濃度が得られなくなる。
カーボンブラックの揮発分とCTAB表面積/ヨウ素価を規定したカーボンブラックの使用が提案されている(特許文献5)。
しかしながら揮発分とCTAB表面積/ヨウ素価の規定のみでは、画像濃度と保存安定を十分両立させることは難しい。
また、顔料と3種類の保湿剤を使用し、その1種類にトリメチルグリシンを使用することが提案されている(特許文献6)。
この文献には、トリメチルグリシンが受容紙への水分の浸透性を高める効果があり、紙表面の水分量と紙裏面の水分量の差異が少なくなることで紙表裏の伸縮度が小さくなるため、カールやコックリングが改善される旨記載されているが、この技術においては、インク液の浸透性が高いため、顔料が紙中に浸透し画像濃度低下を引き起こすばかりでなく、インクの保存安定性が不十分であり、印字した際の受容体の繊維に染み込みよる画像にじみ、黒インクと他のカラーインクで形成される画像境界線でお互いのインクが混合されるインク間のにじみが発生する問題がある。
また、トリメチルグリシンとノニオン系界面活性剤との組合せを用いること(特許文献7)、トリメチルグリシンとグリセリンを併用すること(特許文献8)も提案されているが、同様に画像濃度の低下や印字画像のにじみや保存安定性の問題があった。
また、トリメチルグリシンと特定のブタンジオールの組合せを用いること(特許文献9)、顔料の分散剤としてイソブチレン−マレイン酸を使用し、湿潤剤にトリメチルグリシンを使用すること(特許文献10)により、画像濃度と保存安定性を両立させる旨の提案がなされている。
しかし、トリメチルグリシンによる画像濃度の低下や、インク保存安定性の悪さを改善しきれていなく、また印字した際の受容体繊維への染み込みよる画像にじみ、黒インクと他のカラーインクで形成される画像境界線でお互いのインクが混合されるインク間のにじみが発生する問題がある。
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたものであり、インクの保存安定性が良好で、平滑紙及び非平滑紙でも高画像濃度でこれら受容体への画像のにじみ防止、インク間のにじみ防止が改善され高画像品質が実現可能な画像形成方法、インクジェット用インク液、前処理液とインクジェット記録用インクとのセット、カートリッジ、インクジェット記録装置、画像形成物を提供することを目的としている。
上記課題は本発明の下記(1)〜(6)によって解決される。
(1)「水、顔料分散体及び浸透剤及びトリメチルグリシンを含むインクジェット記録用インクにおいて、該記顔料分散体が、CB揮発分10%〜20%かつBET比表面積が90〜150m/gのオゾン酸化されたカーボンブラックを含み、水酸化金属塩にてpHが6〜8に調整された顔料分散体であることを特徴とするインクジェット記録用インク。」
(2)「前記分散体に、酸価が40〜100のエーテル型ポリウレタンを含有することを特徴とする前記(1)項に記載のインクジェット記録用インク。」
(3)「前記水酸化金属塩が、水酸化リチウム塩であることを徴とする前記(1)項または(2)項に記載のインクジェット記録用インク。」
(4)「水、顔料分散体及び浸透剤を含む黒色インクジェット記録用インクと、カラーインクジェット記録用インクのセットにおいて、該黒色インクジェット記録用インクは前記(1)項乃至(3)項のいずれかに記載のインクであり、カラーインクジェット記録用インクはトリメチルグリシンを含まず、グリセリンを含有することを特徴とするインクジェット記録用インクのセット。」
(5)「前記(1)乃至(4)項のいずれかに記載のインクジェット記録用インク液を収容した容器からなることを特徴とするカートリッジ。」
(6)「前記(5)項に記載のカートリッジを搭載したインクジェット記録装置。」
(7)「前記(1)項乃至(4)項のいずれかに記載のインクジェット記録用インクを吐出させるヘッドを備えたインクジェット記録装置を用いて、画像を形成することを特徴とする画像形成方法。」
(8)「前記(6)項に記載のインクジェット記録装置で印字された画像形成物。」
本発明によれば、インクの保存安定性が良好で、平滑紙及び非平滑紙でも高画像濃度が実現できる画像形成方法、インクジェット用インク液、カートリッジ、インクジェット記録装置、画像形成物を提供できる。
本発明におけるインクジェット記録装置図である。 本発明における記録ヘッドの一例である。 本発明における記録ヘッドの別の一例である。 本発明における記録装置に装填する前のカートリッジの外観斜視図である。 本発明におけるカートリッジの正断面図である。
本発明の画像形成方法は、水、顔料分散体及び浸透剤及び含むインクジェット記録用インクにおいて、該記顔料分散体がCB揮発分10%〜20%かつBET比表面積が90〜150m/gのオゾン酸化されたカーボンブラックを含み、水酸化金属塩にてpHが6〜8に調整された顔料分散体であることを特徴とし、更にインクにトリメチルグリシンが含まれることを特徴とする。
また更に分散体に酸価40〜100のエーテル型ポリウレタン樹脂を含有させることを特徴とするものである。
本発明で使用されるカーボンブラックについて説明する。
本発明で使用されるカーボンブラックは、CB揮発分10%〜20%かつBET比表面積が90〜150m/gカーボンブラックであり、BET比表面積が90〜150m/gのカーボンブラックをオゾン処理により、酸化を行いCB揮発分を10%〜20%に調整することで得られる。ここで、CBは、カーボンブラックを意味する。
オゾン処理の方法は、公知の方法で可能であるが、カーボンブラックにオゾンガスを流通させることで行う乾式方法が酸化処理能力が高いため好ましい。
水を介した処理では、水とオゾンの反応が発生するため十分な酸化ができない場合がある。
CB揮発分の調整は、オゾン量と処理時間の調整でコントロール可能であり、オゾン量(濃度)を上げる、処理時間を長くすることでより高いCB揮発分のCBが得られる。
処理時間とCB揮発分の関係はほぼリニアーではあるが、ある時間を越えると飽和に達する(CB揮発分が上がらない)ので、CB揮発分を確認しながら調整が必要である。また酸化処理する前のCBの特性や不純物等で上記条件は異なるので、便宜調整すればよい。
またオゾンは、空気もしくは酸素をオゾン発生装置を通すことで得られる。
本発明におけるCB揮発分には、カーボンブラック表面に付着した官能基、例えばCOOH基やC=O基等の脱離によるCOガスや、不純物等が含まれるが、場合によっては例えばCOOH基やC=O基等の脱離によるCOガスが含まれる。市販品ではファーネスブラックでは、0.5〜5%が一般的であり、ガスブラックでは、5〜20%と広範に亘るのが一般的である。
本発明における「CB揮発分」の測定法「DIN 53 552」の概要を下記に示す。
1)準備
・カーボンブラック(105±2℃で事前に乾燥したもの)
・電気炉(950±25℃のコントロールが可能なもの)
・天秤(0.2mgまで秤量可能なもの)
・るつぼ(下記仕様のもの)
25〜30mlの容量、蓋に2mmの穴がある、
材質は白金か、蓋の周りに石英ガラスがあり密閉可能なもの
2)手順
・電気炉の熱電対から10mm以上離れた場所に、るつぼを置き
950±25℃で30秒以上加熱する。
・るつぼをデシケータ内に移動させ、室温まで冷却させる。
・るつぼの天辺から2mmの高さになる様
105±2℃で水分を蒸発させたカーボンブラックをるつぼに充填し
蓋を閉めて、天秤にて重量を測定する。
注)空気による酸化を防ぐ為、充填時はプレスしながら行う。
・950±25℃で予熱した電気炉へ
熱電対から10mm以上離れた場所に、カーボンを充填したるつぼを置き
7分±5秒加熱する。
・るつぼをデシケータに移動し、室温まで冷却し、天秤にて重量を測定する。
下記計算式より揮発分(V)を計算する。
V=(m2-m3)/(m2-m1)×100
(ここで、m1:空のるつぼの重量、m2:加熱前のカーボンブラックを充填したるつぼの重量、m3:加熱後のカーボンブラックを充填したるつぼの重量、を表わす。)
酸化するのに使用されるカーボンブラックについては、BET比表面積が90〜150m/gのカーボンブラックであればよいが、画像濃度の面で吸油量(DIN ISO 787/5法)が230g/100g以上が好ましい。
またファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、ガスブラック等各種使用可能ではあるが、画像濃度の面でガスブラックが好ましい。
また一次粒子径が30〜13nmのものが好ましい。
本発明のCB揮発分は、DIN 53 552記載の測定方法による値であり
またBET比表面積は、DIN 66132記載の測定方法による値である。
分散体のpHの調整は、分散前に調整されていることが望ましく、分散後の調整は、分散性と保存安定性の面で劣る傾向にある。
本発明のインクが何故、画像濃度と保存安定性を両立できるかは不明であるが、下記が考えられる。
CB揮発分について、本発明者らが検討した結果、CB揮発分が高くなると、理由は不明であるが、紙表面へのカーボンブラックの留まりが向上し、画像濃度が向上する傾向にあるが、画像濃度の向上は約20%を超えるあたりから発生するが、やがて飽和に達し十分な画像濃度が得られないことがわかった。
またCB揮発分が高くなるにつれカーボンブラックの親水性が高くなり、分散性が向上するが、酸化による不純物が増えることになり、インクとしての径時の安定性が悪くなることもわかり、画像濃度とインクとしての保存安定性の両立ができなかった。
また比表面積とCB揮発分の比率を検討したが、必ずしも両立ができなかった。
更に検討したところ、酸化を不純物発生の少ないオゾン酸化とし、画像濃度効果がまだ現れないCB揮発分領域の10%〜20%に留め、BET比表面積を90〜150にすることで、画像濃度と保存性安定性を調整し、更に分散時のpHを6〜8にすることで、不十分であった画像濃度を向上することができるようになった。
鋭意検討した結果、本発明のカーボンブラック分散体使用したインクにおいて、トリメチルグリシンを含有させ組み合わせることで、画像濃度を低下させることなくインクの保存安定性が更に格段に向上できるほか、印字した際の受容体の繊維に染み込みよる画像にじみ黒インクと他のカラーインクで形成される画像境界線でお互いのインクが混合されるインク間のにじみが向上することができた。
更に散体に酸価40〜100のエーテル型ポリウレタン樹脂を含有させることで、画像濃度を維持したまま、保存安定性を向上することが可能となった。
また水、顔料分散体及び浸透剤を含む黒色インクジェット記録用インクとカラーインクジェット記録用インクのセットにおいて、本発明の黒色インクジェット記録用インクを使用し、カラー用インクはトリメチルグリシンを含まずグリセリンを含有させることで、黒インクと他のカラーインクで形成される画像境界線でお互いのインクが混合されるインク間のにじみを更に向上することができた。
本発明で使用されるトリメチルグリシンは下記構造式(I)で示され、試薬の他、市販品で入手可能である。
Figure 2014070126
何故、本発明のカーボンブラックとトリメチルグリシンを組み合わせると、保存性や受容紙へのにじみに効果があるか定かではないがつぎのような理由が考えられる。
すなわち、カーボンブラックの酸化により、カーボンブラックに含有される不純物が酸化され遊離酸化物が発生する。本発明では、酸化をオゾン酸化にしカーボンの揮発分を最小限に抑えることで不純物を極力低減させてはいるが、浸透剤等の溶剤が含有されたインクでは、その不純物が径時で溶出してくると考えられ、保存性への悪影響を及ぼしていると考えられる。
トリメチルグリシンは両性イオンの特性を示すため、少ないながらもそれを中和させる機能を有すると思われる。
しかしながら、非常に中和機能が弱く通常の酸化CBでは遊離酸化物が多いため、中和しきれなく保存安定性は改善されないが本発明のCBの組合せにより保存安定性効果が達成できたと考えられる。
トリメチルグリシンのインクに対する含有量は1〜50重量%程度であるが、5〜35重量%がより好ましい。この範囲であれば、インクの乾燥性、保存試験、信頼性試験などの結果が非常に良好である。含有量が5重量%未満では、保存性への効果が少なくなり、50重量%を超えると、にじみや画像濃度が低下することがある。
本発明で使用されるカーボンブラック以外にも、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ガスブラック等が挙げられる。また、カーボンブラック表面を酸化処理やアルカリ処理したものも使用可能である。樹脂で被覆したり、グラフト処理やカプセル化処理したカーボンブラックも併用可能であるが、前述したように、分散剤が表面を覆うためには、樹脂被覆等処理のされていないものが好ましい。
一次粒子径としては、10〜50nm、比表面積は50〜400m/g、DBP(フタル酸ジブチル)吸収量は40〜500ml/100g、揮発分が0.5から20%、pHが2〜9の特性のカーボンブラックが例示される。
また上記効果を損なわない範囲で、分散剤の使用も可能である。
他分散剤として、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等の種々の界面活性剤や高分子型の分散剤を併用して使用することが可能である。
アニオン界面活性剤としては、例えば、アルキルスルホカルボン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、N−アシルアミノ酸及びその塩、N−アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸塩ポリオキシアルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ロジン酸石鹸、ヒマシ油硫酸エステル塩、ラウリルアルコール硫酸エステル塩、アルキルフェノール型燐酸エステル、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、アルキル型燐酸エステル、アルキルアリルスルホン塩酸、ジエチルスルホ琥珀酸塩及びジエチルヘキシルスルホ琥珀酸ジオクチルスルホ琥珀酸塩等が挙げられる。
カチオン界面活性剤としては、例えば、2−ビニルピリジン誘導体、ポリ−4−ビニルピリジン誘導体等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシン及びその他イミダゾリン誘導体等が挙げられる。
ノニオン界面活性剤としては、次のようなものが挙げられる。
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及びポリオキシアリルキルアルキルエーテル等のエーテル系; ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート及びポリオキシエチレンステアレート等のエステル系; 2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−オクチン−3,6−ジオール及び3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール等のアセチレングリコール系のものが挙げられる。
顔料分散体の分散媒としては水を含むことが望ましいが、必要に応じて各種有機溶媒を併用してもよい。例えば、水溶性有機溶媒としてメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール等のアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、N−メチルピロリドン、2−ピロリドン等のピロリドン誘導体、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミンなどが挙げられる。
本発明ではインクと凝集/増粘作用を引き起こす前処理液を併用することも可能である。
前処理液で記録媒体表面を加工した後、本発明インクで画像形成を行えば、更に画像濃度への効果が見られる。
本発明の前処理液は多価金属塩を含む。
下記多価イオンを含んだ塩が好ましく、アルカリ金属イオン、Ca、Cu、Ni、Mg、Zn、Ba等の2価金属イオン、Al、Fe、Cr等の3価金属イオンが挙げられる。
水溶性金属塩を構成する陰イオンとしては、クエン酸、酒石酸、酢酸、乳酸、シュウ酸、炭酸,フマル酸、サリチル酸、安息香酸等の有機酸イオンやOH、Cl、NO、I、Br、ClOの無機イオンが挙げられる。また硫酸アルミニウムカリウム、硫酸アルミニウム等も挙げられる。
特にCaやMgの塩は凝集効果が大きく、CaClやMgClがCaCOが好ましい。
水溶性金属塩は、水に溶解してイオン状態になり、顔料分散体の表面電荷を破壊して凝集させる働きがある。前処理剤に対する添加量は、1%〜10%であることが好ましい。
前処理液には必要に応じて、樹脂、湿潤剤、界面活性剤、浸透剤、pH調整剤、防腐防黴剤、キレート試薬、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤等の各種添加剤を配合することができる。これらの添加剤は顔料分散体の添加剤と共通しているので、詳細については後述する。
また、インクの凝集剤として水溶性金属塩(CaCl2等)、アルキレンアミン(長鎖アルキルイソシアネート変成ポリエチレンイミン等)、酸(乳酸やマレイン酸)等を使用することも可能である。
前処理液による記録媒体表面の処理方法は、インクジェット方式、スプレー、ロールコート、ワイヤ−バーなどの公知の方法を利用できる。
また黒インクの他にカラーインク/無色インクを本発明インクジェット記録方式に使用することも可能である。
マゼンタ顔料としては、ピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、123、168、184、202、ピグメントバイオレット19等が挙げられる。
シアン顔料としては、ピグメントブルー1、2、3、15、15:3、15:4、16、22、60、バットブルー4、60等が挙げられる。
イエロー顔料としては、ピグメントイエロー1、2、3、12、13、14、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、114、120、128、129、138、150、151、154、155、180等が挙げられる。
なお、イエロー顔料としてピグメントイエロー74、マゼンタ顔料としてピグメントレッド122、ピグメントバイオレット19、シアン顔料としてピグメントブルー15を用いることにより、色調、耐光性が優れ、バランスの取れたインクを得ることができる。
顔料分散体中、或いは顔料インク中における顔料濃度は、それぞれ0.1〜50重量%が好ましく、0.1〜30重量%が特に好ましい。
これらは前述した分散剤等で分散し使用することが出来る。
顔料分散体及びインクには必要に応じて、樹脂、湿潤剤、界面活性剤、浸透剤、pH調整剤、防腐防黴剤、キレート試薬、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤等の各種添加剤を配合することができる。
湿潤剤の例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、その他の湿潤剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で使用しても2種以上を併用してもよい。
多価アルコール類としては、例えば、グリセリン、ジエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、エチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ヘキシレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセロール、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,3−ブタントリオール、ペトリオール、などが挙げられる。
多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、などが挙げられる。
多価アルコールアリールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、などが挙げられる。
含窒素複素環化合物としては、例えば、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−ヒドロキシエチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミイダゾリジノン、ε−カプロラクタム、γ−ブチロラクトン、などが挙げられる。
アミド類としては、例えば、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、などが挙げられる。
アミン類としては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、などが挙げられる。
含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール、などが挙げられる。
その他の湿潤剤としては糖類が好ましい。糖類の例としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類、四糖類を含む)、多糖類、などが挙げられる。具体的には、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース、などが挙げられる。ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。また、これらの糖類の誘導体としては、前記した糖類の還元糖〔例えば、一般式:HOCH(CHOH)nCHOH(n=2〜5の整数)で表わされる糖アルコールなど〕、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ酸などが挙げられる。これらの中でも、糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビットなどが挙げられる。
上記湿潤剤の中でも、保存安定性、吐出安定性の点から、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,3−ブタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドンが特に好ましい。
顔料と湿潤剤との配合比は、ヘッドからのインク吐出安定性に非常に影響がある。顔料固形分が多いのに湿潤剤の配合量が少ないと、ノズルのインクメニスカス付近の水分蒸発が進み、吐出不良をもたらすことがある。
インク中の湿潤剤の含有量は20〜35重量%程度であるが、22.5〜32.5重量%がより好ましい。この範囲であれば、インクの乾燥性、保存試験、信頼性試験などの結果が非常に良好である。含有量が20重量%未満では、ノズル面上でインクが乾燥し易くなって吐出不良が生じることがあり、35重量%を超えると、紙面上での乾燥性に劣るため普通紙上の文字品位が低下することがある。
前記界面活性剤としては、顔料の種類や湿潤剤との組み合わせに応じて、分散安定性を損なわず、表面張力が低く、レベリング性の高いものを用いる。例えばフッ素系界面活性剤やシリコーン系界面活性剤が挙げられるが、フッ素系界面活性剤が好ましい。
フッ素系界面活性剤としては、フッ素が置換した炭素数が2〜16のものが好ましく、4〜16のものがより好ましい。フッ素置換炭素数が2未満では、フッ素の効果が得られないことがあり、16を超えると、インク保存性などの問題が生じることがある。
フッ素系界面活性剤の例としては、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物、などが挙げられる。これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少なく、特に好ましい。
パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、などが挙げられる。
パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、などが挙げられる。
パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルリン酸エステルの塩、などが挙げられる。
パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩、などが挙げられる。
これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)などが挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、適宜合成したものを用いても、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えばDuPont社製のFS−300、ネオス社製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW、オムノバ社製のPF−151Nなどが挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
シリコーン系界面活性剤としては、適宜合成したものを用いても市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー社、信越シリコーン社、東レ・ダウコーニング・シリコーン社などから容易に入手できる。
界面活性剤のインク中の含有量は、0.01〜3.0重量%が好ましく、0.5〜2重量%がより好ましい。含有量が0.01重量%未満では、界面活性剤を添加した効果が無くなることがあり、3.0重量%を超えると、記録媒体への浸透性が必要以上に高くなり、画像濃度の低下や裏抜けが発生することがある。
前記浸透剤としては、20℃の水に対する溶解度が0.2〜5.0重量%のポリオール化合物の少なくとも1種を含有することが好ましい。このようなポリオール化合物としては、例えば、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールなどの脂肪族ジオールが挙げられる。
これらの中でも、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールが特に好ましい。
その他の併用できる浸透剤としては、インク中に溶解し、所望の物性に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、エタノール等の低級アルコール類などが挙げられる。
浸透剤のインク中の含有量は、0.1〜4.0重量%が好ましい。含有量が0.1重量%未満では、速乾性が得られず滲んだ画像となることがあり、4.0重量%を超えると着色剤の分散安定性が損なわれ、ノズルが目詰まりしやすくなったり、また記録媒体への浸透性が必要以上に高くなり、画像濃度の低下や裏抜けが発生することがある。
前記pH調整剤としては、調合されるインクに悪影響を及ぼさずにpHを7〜11に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルコールアミン類、アルカリ金属水酸化物、アンモニウム水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、などが挙げられる。pHが7未満又は11を超えると、インクジェットのヘッドやインク供給ユニットを溶かし出す量が大きくなり、インクの変質や漏洩、吐出不良などの不具合が生じることがある。
アルコールアミン類としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3プロパンジオール等が挙げられる。
アルカリ金属元素の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
アンモニウムの水酸化物としては、例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物などが挙げられる。
アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
前記防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、等が挙げられる。
前記キレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等が挙げられる。
前記防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト等が挙げられる。
前記酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、りん系酸化防止剤、などが挙げられる。
フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)としては、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、ステアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]−2,4,8,10−テトライキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−(3′,5′−ジ−tert−ブチル−4′−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、などが挙げられる。
アミン系酸化防止剤としては、例えば、フェニル−β−ナフチルアミン、α−ナフチルアミン、N,N′−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチル−フェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、テトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ジヒドロキフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、などが挙げられる。
硫黄系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル−3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル−β,β′−チオジプロピオネート、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ジラウリルサルファイドなどが挙げられる。
前記リン系酸化防止剤としては、トリフェニルフォスファイト、オクタデシルフォスファイト、トリイソデシルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト、トリノニルフェニルフォスファイトなどが挙げられる。
前記紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤などが挙げられる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシルオキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′−テトラヒドロキシベンゾフェノンなどが挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2′−ヒドロキシ−5′−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−5′−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−4′−オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2′−ヒドロキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
サリチレート系紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルサリチレート、p−tert−ブチルフェニルサリチレート、p−オクチルフェニルサリチレートなどが挙げられる。
前記シアノアクリレート系紫外線吸収剤としては、例えば、エチル−2−シアノ−3,3′−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート、ブチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレートなどが挙げられる。
ニッケル錯塩系紫外線吸収剤としては、例えば、ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド、2,2′−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−n−ブチルアミンニッケル(II)、2,2′−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)−2−エチルヘキシルアミンニッケル(II)、2,2′−チオビス(4−tert−オクチルフェレート)トリエタノールアミンニッケル(II)などが挙げられる。
本発明で用いる顔料を含むインクジェット記録用インクは、公知の方法、例えば顔料分散体、水、水溶性有機溶剤、界面活性剤等を、サンドミル、ボールミル、ロールミル、ビーズミル、ナノマイザー、ホモジナイザー、超音波分散機等を用いて攪拌混合し、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、必要に応じて脱気することによって得られる。
インク中の顔料の濃度はインク全量に対して1〜20重量%が好ましい。1重量%未満では画像濃度が低いため印字の鮮明さに欠け、20重量%より多いとインクの粘度が高くなる傾向があるばかりでなく、ノズルの目詰まりが発生しやすくなる。
水溶性有機溶剤の含有量は、インク全量に対して50重量%以下、好ましくは5〜40重量%、更に好ましくは10〜35重量%である。
また、インクには顔料分散体への添加剤で説明した材料と同様の添加剤を必要に応じて配合することができる。
上記前処理液やインクジェット記録用インクは、容器に収容しカートリッジとして用いることができる。
また、本発明の前処理液とインクジェット記録用インクのセットを容器に収容してカートリッジとし、これを搭載したインクジェット記録装置を用いて記録媒体に印字し、画像形成物を得ることができる。
印字する方法としては連続噴射型やオンデマンド型があり、オンデマンド型としては、ピエゾ方式、サーマル方式、静電方式等が挙げられる。
本発明の画像形成方法、及びそれを実施するインクジェット記録装置の一例について、図面を用いて説明する。
図1のインクジェット記録装置は、前処理液及びインクを収納したカートリッジ(20)が搭載され、このカートリッジから前処理液及びインクが記録ヘッドに供給される。ここで、カートリッジ(20)は前処理液用と色毎のインク用が分離された状態で取り付けられている。
記録ヘッド(1)は、キャリッジ(18)に搭載され、主走査モータ(24)で駆動されるタイミングベルト(23)によってガイドシャフト(21)(22)にガイドされて移動する。一方、被記録材はプラテンによって記録ヘッドと対面する位置に置かれる。
図2は、記録ヘッドの一例のノズル面の拡大図である。前処理液が吐出されるノズル(30)が縦方向に設けられ、ノズル(31)(32)(33)(34)からはそれぞれイエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインクが吐出される。
また、図3のように、記録ヘッドのノズルを全て横方向に並べて構成することも可能である。図中のノズル(35)(40)は前処理液の吐出ノズルであり、ノズル(36)(37)(38)(39)からは、それぞれイエローインク、マゼンタインク、シアンインク、ブラックインクが吐出される。このような態様の記録ヘッドでは、前処理液の吐出ノズルが左右の端に設けられているため、記録ヘッドがキャリッジ上を往復する往路、復路いずれにおいても印字が可能である。すなわち、往路、復路のいずれにおいても前処理液を先に付着させて、その上からカラーインクを付着させること、あるいは、その逆が可能であり、記録ヘッドの移動方向の違いによる画像濃度差が生じない。
上記インクジェット記録装置は、カートリッジを取り替えることにより前処理液とインクの補充が可能である。また、このカートリッジは記録ヘッドと一体化されたものであってもよい。
図4、図5に、インクを収納可能なカートリッジを示す。このカートリッジはインクのいずれも収納することができる。
前処理液を使用する場合は、インク同様図4、図5の様なカートリッジに前処理液を充填し、インクと前処理液とは、記録ヘッドから同一箇所に重ねて吐出させることが可能である。しかし、例えば、前処理液を間引いて付与し、滲み等によって拡大した前処理液の上にインクを重ねたり、画像の輪郭部だけに前処理液を付与し、その上にインクの一部を重ねても十分効果が得られる。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例及び比較例では、顔料分散体を作成し、これを用いてインクを作成した。また、それぞれ前処理液を作成した。なお、例中の「部」及び「%」は重量基準である。
[実施例1]
<実施例1の酸化カーボンブラックの作成>
デグサ社製カーボンブラックPRINTEX-U 200gを筒状のオゾン処理器に入れ、オゾン発生器(コトヒラ工業株式会社製KQS-120)にてオゾン6g/hを発生させ、オゾン雰囲気下、処理温度は約40℃に保ち2時間酸化処理を実施し実施例1の酸化カーボンブラックを得た。
得られたカーボンブラックのCB揮発量を測定したところ10.3%であった。
BET比表面積は110m/gであった。
<実施例1の顔料分散体の作成>
(実施例1の顔料分散体処方)
・実施例1の酸化カーボンブラック 20.0部
・蒸留水 70.0部
上記分散体にNaOH20%水溶液を加えpHを7.0に調整した後、蒸留水にて分散体が全量で100重量部になるよう蒸留水を加え調整した。
使用したNaOH20%水溶液は1.2部であった。
上記処方の材料をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製KDL型バッチ式)により、0.3mmジルコニアビーズを用いて周速10m/s、液温10℃で5分間分散した。
遠心分離機(久保田商事社製Model−3600)により粗大粒子を分離し、平均粒子径約125nm、標準偏差60.2nmのカーボンブラック顔料分散体を得た。
<実施例1のインクの作成>
下記処方の材料を30分間混合攪拌し、実施例1のインクを作成した。
(実施例1のインク処方)
・実施例1の顔料分散体(顔料濃度20%) 40.0部
・トリメチルグリシン 5.5部
・1,3−ブタンジオール 16.5部
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0部
・フッ素系界面活性剤(固形分40%) 2.5部
(DuPont社製:Zonyl FS−300)
・蒸留水 33.5部
その後アミノエチルプロパンジオール(40%水溶液)を添加し、インクpHを10に調整した後30分間混合攪拌し、実施例1のインクを作成した。
[実施例2〜9]
<実施例2〜9の酸化カーボンブラックの作成>
実施例1において、デグサ社製カーボンブラックPRINTEX-Uを、各々表1記載の酸化前カーボンブラックに変更し、オゾン発生量/処理時間を調整した以外は実施例1と同様にし、実施例2〜9の酸化カーボンブラックを作成した。
<実施例2〜9の顔料分散体の作成>
実施例1の酸化カーボンブラックに代わり、実施例2〜9の酸化カーボンブラックを使用し、NaOH水溶液の添加量を調整し分散体pHを7に調整した以外は、実施例1と同様にし、実施例2〜9の顔料分散体を得た。
<実施例2〜9のインクの作成>
実施例1の顔料分散体(顔料濃度20%)に代わって、実施例2〜9の顔料分散体(顔料濃度20%)を使用した以外は、実施例1と同様にし、実施例2〜9のインクを作成した。
[実施例10〜11]
<実施例10〜11の顔料分散体の作成>
実施例1で実施例1の酸化カーボンブラックに代わり、実施例2の酸化カーボンブラックを使用し、NaOH水溶液の添加量を調整し分散体pHを、表1記載のpHに調整した以外は実施例1と同様にし、実施例10〜11の顔料分散体を得た。
[実施例12]
<実施例12の顔料分散体の作成>
(実施例12の顔料分散体処方)
・実施例1の酸化カーボンブラック 20.0部
・蒸留水 70.0部
上記にNaOH20%水溶液を加えpHを7.0に調整した後、蒸留水にて分散体が全量で97重量部になるよう蒸留水を加え調整した。使用したNaOH20%水溶液は1.2部であった。
上記処方の材料をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製KDL型バッチ式)により、0.3mmジルコニアビーズを用いて周速10m/s、液温10℃で5分間分散した。次いで、エーテル型ポリウレタン樹脂(三井化学社製 酸価80 固形分28%) を7.0部添加し、よく撹拌した後、遠心分離機(久保田商事社製Model−3600)により粗大粒子を分離し、平均粒子径約125nm、標準偏差60.2nmのカーボンブラック顔料分散体を得た。
<実施例12のインクの作成>
下記処方の材料を30分間混合攪拌し、実施例12のインクを作成した。
(実施例12のインク処方)
・実施例12の顔料分散体(顔料濃度20%) 40.0部
・トリメチルグリシン 5.5部
・1,3−ブタンジオール 16.5部
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0部
・フッ素系界面活性剤(固形分40%) 2.5部
(DuPont社製:Zonyl FS−300)
エーテル型ポリウレタン樹脂(三井化学社製 酸価80 固形分28%) 3.5部
・蒸留水 30.0部
その後アミノエチルプロパンジオール(40%水溶液)を添加し、インクpHを10に調整した後30分間混合攪拌し、実施例12のインクを作成した。
[実施例13〜20]
<実施例13〜20の酸化カーボンブラックの作成>
実施例1において、デグサ社製カーボンブラックPRINTEX-Uを、各々表1記載の酸化前カーボンブラックに変更し、オゾン発生量/処理時間を調整した以外は実施例1と同様にし、実施例13〜20の酸化カーボンブラックを作成した。
<実施例13〜20の顔料分散体の作成>
実施例13〜20の酸化カーボンブラックを使用し、NaOH水溶液の添加量を調整し分散体pHを7に調整した以外は、実施例12と同様にし実施例13〜20の顔料分散体を得た。
<実施例13〜20のインクの作成>
実施例13〜20の顔料分散体(顔料濃度20%)を使用した以外は、実施例12と同様にし実施例13〜20のインクを作成した。
[実施例21〜22]
<実施例21〜22の顔料分散体の作成>
実施例12で用いた実施例1の酸化カーボンブラックに代わり、実施例2の酸化カーボンブラックを使用し、NaOH水溶液の添加量を調整し分散体pHを表1記載のpHに調整した以外は、実施例12と同様にし、実施例21〜22の顔料分散体を得た。
[実施例23〜26]
<実施例23〜26の顔料分散体の作成>
実施例12で用いた実施例1の酸化カーボンブラックに代わり、実施例2の酸化カーボンブラックを使用し、実施例12で用いたエーテル型ポリウレタン樹脂(三井化学社製 酸価80 固形分28%)に代わって表1記載の酸価のエーテル型ポリウレタン樹脂(三井化学社製 酸価40、100、20及び120 固形分28%希釈品)を使用し、NaOH水溶液の添加量を調整し分散体pHを表1記載のpHに調整した以外は、実施例12と同様にし実施例23〜26の顔料分散体を得た。
<実施例23〜26のインクの作成>
実施例12で用いた実施例12の顔料分散体(顔料濃度20%)に代わって、実施例23〜26の顔料分散体(顔料濃度20%)を使用した以外は、実施例12と同様にし実施例23〜26のインクを作成した。
[実施例27]
<実施例27の顔料分散体の作成>
実施例12で用いた実施例1の酸化カーボンブラックに代わり、実施例2の酸化カーボンブラックを使用し、NaOH水溶液(20%)に代わって、LiOH20%水溶液を使用し、添加量を調整し分散体pHを表1記載のpHに調整した以外は、実施例12と同様にし実施例27の顔料分散体を得た。
<実施例27のインクの作成>
実施例12で用いた実施例1の顔料分散体(顔料濃度20%)に代わって、実施例27の顔料分散体(顔料濃度20%)を使用した以外は、実施例12と同様にし実施例27のインクを作成した。
[実施例28]
<実施例28のインクの作成>
実施例1の黒インク作成において、実施例1の顔料分散体(顔料濃度20%)に代わって、実施例2の顔料分散体(顔料濃度20%)を使用し、トリメチルグリシン5.5部を3.0部、3−ブタンジオール16.5部を19.0部に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例28のインクを作成した。
[実施例29]
<実施例29のインクの作成>
実施例1の黒インク作成において、実施例1の顔料分散体(顔料濃度20%)に代わって、実施例2の顔料分散体(顔料濃度20%)を使用し、トリメチルグリシン5.5部を35.0部、3−ブタンジオール16.5部を 0部、蒸留水33.5部を20.5部に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例29のインクを作成した。
[実施例30]
<実施例30のインクの作成>
実施例1の黒インク作成において、実施例1の顔料分散体(顔料濃度20%)に代わって、実施例2の顔料分散体(顔料濃度20%)を使用し、トリメチルグリシン5.5部を50.0部、3−ブタンジオール16.5部を0部、蒸留水33.5部を5.5部に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例30のインクを作成した。
[比較例1〜27]
実施例1〜27の黒インクにおけるトリメチルグリシンをグリセリンに変更した以外は、実施例1〜27と同様にし、比較例1〜27のインクを作成した。
[比較例28〜37]
<比較例28〜37の酸化カーボンブラックの作成>
実施例1において、デグサ社製カーボンブラックPRINTEX-Uを各々表2記載の酸化前カーボンブラックに変更し、オゾン発生量/処理時間を調整した(揮発分を多くする場合は、オゾン発生量を高くすると共に処理時間を長くし調整した。)以外は実施例1と同様にし、比較例28〜37の酸化カーボンブラックを作成した。
<比較例28〜37の顔料分散体の作成>
実施例1の酸化カーボンブラックに代わり、比較例28〜37の酸化カーボンブラックを使用し、NaOH水溶液の添加量を調整し分散体pHを7に調整した以外は、実施例1と同様にし比較例28〜37の顔料分散体を得た。
<比較例28〜37のインクの作成>
実施例1で、実施例1の顔料分散体(顔料濃度20%)に代わって、比較例28〜37の顔料分散体(顔料濃度20%)を使用した以外は、実施例1と同様にし、比較例28〜37のインクを作成した。
[比較例38]
<比較例38の酸化カーボンブラックの作成>
デグサ社製カーボンブラックPRINTEX-Uの100gを蒸留水500gに混合し、撹拌しながら次亜塩素酸Na液(12%)を1000gを滴下し6時間煮沸し湿式酸化を行った。その後、ガラス繊維ろ過でろ過し、更に蒸留水にて洗浄し100℃の高温槽にて乾燥させた。
得られたカーボンブラックのCB揮発量を測定したところ13%であった。BET比表面積は110m/gであった。
<比較例38の顔料分散体の作成>
実施例1で用いた実施例1の酸化カーボンブラックに代わり、比較例38の酸化カーボンブラックを使用し、NaOH水溶液の添加量を調整し分散体pHを7に調整した以外は、実施例1と同様にし比較例38の顔料分散体を得た。
<比較例38のインクの作成>
実施例1で、実施例1の顔料分散体(顔料濃度20%)に代わって、比較例38の顔料分散体(顔料濃度20%)を使用した以外は、実施例1と同様にし比較例38のインクを作成した。
[比較例39]
<比較例39の酸化カーボンブラックの作成>
デグサ社製カーボンブラックPRINTEX-U 100gを蒸留水500gに混合し、撹拌しながら、ペルオキソ2硫酸Na液(10%)を600gを滴下し6時間煮沸し湿式酸化を行った。その後、ガラス繊維ろ過でろ過し、更に蒸留水にて洗浄し100℃の高温槽にて乾燥させた。得られたカーボンブラックのCB揮発量を測定したところ13%であった。BET比表面積は110m/gであった。
<比較例39の顔料分散体の作成>
実施例1で、実施例1の酸化カーボンブラックに代わり、比較例12の酸化カーボンブラックを使用し、NaOH水溶液の添加量を調整し分散体pHを7に調整した以外は、実施例1と同様にし比較例39の顔料分散体を得た。
<比較例39のインクの作成>
実施例1で、実施例1の顔料分散体(顔料濃度20%)に代わって、比較例39の顔料分散体(顔料濃度20%)を使用した以外は、実施例1と同様にし比較例39のインクを作成した。
[カラーインクの作成]
上記実施例各黒色インク及び比較例の各黒色インクによる印字部分と、他のカラーインクとの印字部分との重ね合せ領域における画像にじみを評価するため、下記のイエローインクを作成した。
[評価用イエローインクのための顔料分散体処方]
・ピグメントイエロー74 20.0部
・2-ナフタレンポリエチレングリコール(n=40) 10.0部
・蒸留水 70.0部
上記処方の材料をプレミックスした後、ディスクタイプのビーズミル(シンマルエンタープライゼス社製KDL型バッチ式)により、0.3mmジルコニアビーズを用いて周速10m/s、液温10℃で5分間分散した。
遠心分離機(久保田商事社製Model−3600)により粗大粒子を分離し、平均粒子径約110nm、標準偏差56nmのカラー顔料分散体を得た。
[評価用イエローインクの作成]
下記処方の材料を30分間混合攪拌し、評価用イエローインクを作成した。
(評価用イエローインク処方)
・評価用イエローインクのためのカラー顔料分散体(顔料濃度20%) 40.0部
・グリセリン 5.5部
・1,3−ブタンジオール 16.5部
・2−エチル−1,3−ヘキサンジオール 2.0部
・フッ素系界面活性剤(固形分40%) 2.5部
(DuPont社製:Zonyl FS−300)
・蒸留水 33.5部
その後アミノエチルプロパンジオール(40%水溶液)を添加し、インクpHを10に調整した後30分間混合攪拌し、評価用イエローインクを作成した。
上記実施例及び比較例のインクを下記方法にて保存安定性を評価し、更に上記実施例及び比較例のインクをカートリッジに充填し、図1記載のインクジェットプリンターに装着して印字実験を行ない、下記のようにして画像濃度と保存安定性を評価した。結果を表1及び表2に示す。
(1)保存安定性
各インク液を、密封状態にて70℃にて2週間保管し、保管前と保管後の粘度を測定し、下記計算式(2)を使用して、粘度変化率を計算した。
粘度変化率(%)=(保管後粘度-保管前粘度)×100/保管前粘度・・・計算式(2)
粘度変化率の数値が小さい方が良好である。
(2)画像濃度
ゼロックス社製PPC用紙4024(非平滑紙)に図1のインクジェットプリンターで2cm×2cmのベタ画像を印字し、印字画像をXrite濃度計938 で測定した。数値が大きい方が良好である。
(3)画像にじみ 受容体
ゼロックス社製PPC用紙4024(非平滑紙)に図1のインクジェットプリンターで2cm×2cmの枠内に収まる大きさのAの文字を印字し、印字文字の受容紙対するにじみ具合をランク分けした。
[ランク]
A にじみほとんどなく、文字がきれい。
B ややにじみがあるが、実用上問題ないレベル
C にじみがあるが文字は読める。
D にじみがひどく文字の判別が難しい。
(4)画像にじみ インク間
ゼロックス社製PPC用紙4024(非平滑紙)に図1のインクジェットプリンターで2cm×2cmの黄色ベタ部内に黒文字Aが入る様印字し、印字文字Aの黄色ベタ画像部に対するにじみ具合をランク分けした。
[ランク]
A にじみほとんどなく、文字がきれい。
B ややにじみがあるが、実用上問題ないレベル
C にじみがあるが文字は読める。
D にじみがひどく文字の判別が難しい。
Figure 2014070126
Figure 2014070126
以上より、製造した静電潜像現像用キャリアを用いることにより、長期間連続で使用しても、履歴現象による影響を受けることなく、安定したトナー量を静電潜像現像用担持体に供給することができ、かつ、トナースペントの堆積によるキャリア抵抗の増加を低減できることがわかった。
1 記録ヘッド
2 本体筐体
7 処理液、記録液共通カートリッジ
16 ギア機構
17 副走査モーター
18 キャリッジ
20 記録液カートリッジ
21 ガイドシャフト
22 ガイドシャフト
23 タイミングベルト
24 主走査モーター
25 主走査モーター
26 主走査モーター
27 主走査モーター
31 処理液が吐出されるノズル
32 記録液が吐出されるノズル
33 記録液が吐出されるノズル
34 記録液が吐出されるノズル
35 記録液が吐出されるノズル
36 処理液が吐出されるノズル
37 記録液が吐出されるノズル
38 記録液が吐出されるノズル
39 記録液が吐出されるノズル
40 記録液が吐出されるノズル
41 カートリッジ筐体
42 液吸収体
43 ケース
44 上蓋部材
45 液供給口
46 シールリング
47 大気解放口
48 溝
50 キャップ部材
51 液漏れ防止用突部
53 キャップ部材
55 シール部材
71 カートリッジ位置決め部
81 カートリッジ着脱用突状部
81a カートリッジ着脱用指掛け部
82 カートリッジ着脱用窪み部
A 空間
特開2000-319572号公報 特開2004-224955号公報 特開平10-324818号公報 特開2001-164148号公報 特開平11-349849号公報 特開2010-248477号公報 特開2007-277361号公報 特開2003-238853号公報 特開2010-159372号公報 特開2010-275430号公報

Claims (8)

  1. 水、顔料分散体及び浸透剤及びトリメチルグリシンを含むインクジェット記録用インクにおいて、該記顔料分散体が、CB揮発分10%〜20%かつBET比表面積が90〜150m/gのオゾン酸化されたカーボンブラックを含み、水酸化金属塩にてpHが6〜8に調整された顔料分散体であることを特徴とするインクジェット記録用インク。
  2. 前記分散体に、酸価が40〜100のエーテル型ポリウレタンを含有することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録用インク。
  3. 前記水酸化金属塩が、水酸化リチウム塩であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録用インク。
  4. 水、顔料分散体及び浸透剤を含む黒色インクジェット記録用インクと、カラーインクジェット記録用インクのセットにおいて、該黒色インクジェット記録用インクは請求項1乃至3のいずれかに記載のインクであり、カラーインクジェット記録用インクはトリメチルグリシンを含まず、グリセリンを含有することを特徴とするインクジェット記録用インクのセット。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェット記録用インク液を収容した容器からなることを特徴とするカートリッジ。
  6. 請求項5に記載のカートリッジを搭載したインクジェット記録装置。
  7. 請求項1乃至4のいずれかに記載のインクジェット記録用インクを吐出させるヘッドを備えたインクジェット記録装置を用いて、画像を形成することを特徴とする画像形成方法。
  8. 請求項6に記載のインクジェット記録装置で印字された画像形成物。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014172963A (ja) * 2013-03-07 2014-09-22 Ricoh Co Ltd インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録方法、記録装置、及びインク記録物
JP2016007719A (ja) * 2014-06-23 2016-01-18 セイコーエプソン株式会社 液体収容容器、液体組成物注入方法
JP2017052832A (ja) * 2015-09-07 2017-03-16 三菱鉛筆株式会社 筆記具用水性インク組成物
CN112399997A (zh) * 2018-09-14 2021-02-23 富士胶片株式会社 油墨组及图像记录方法以及油墨组合物

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