JP2021535000A - 水性前処理組成物及びそれから調製される物品 - Google Patents

水性前処理組成物及びそれから調製される物品 Download PDF

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Abstract

インクジェット印刷され得るインクジェット受容媒体を調製するための基板の前処理に、水性組成物が使用され得る。この組成物は、(a)多価金属カチオンの1種又は複数種の水溶性塩と;(b)R90以下のロックウェル硬さを有する複合粒子であって、それぞれ(i)第1の有機ポリマーのドメイン及び(ii)第2の有機ポリマーのドメインを含む複合粒子とを含む。(ii)第2の有機ポリマーのドメインは、(i)第1の有機ポリマーのドメイン内に分散している。更に、(i)第1の有機ポリマーの融点は、(ii)第2の有機ポリマーの融点より低い。(i)第1の有機ポリマーの(ii)第2の有機ポリマーに対する質量比は、(b)複合粒子が1.0〜1.5g/mlの密度を有するように選択される。

Description

本発明は、インクジェット印刷の分野に関する。より詳細には、本発明は、向上したインクジェット印刷及び画像特性を有するインクジェット受容媒体(inkjet receiving medium)を形成するために基板に適用され得る水性前処理組成物に関する。このインクジェット受容媒体は、水性顔料ベースのインク又は水性無色インクを使用してインクジェット印刷され得る。本発明はまた、インクジェット受容媒体を作製するための方法、及びそれにインクジェット印刷するための方法に関する。
水性インク、特に分散した顔料着色剤を有する水性インクを、多価金属塩のカチオンをその表面上に有する基板上に堆積させることは周知である。そのような多価金属カチオンの存在は、堆積させられたインク液滴が吸水性基板の表面下の過度に深いところまで浸透するのを防ぎ、それにより光学密度の低下を防ぐために使用され得る。多価金属カチオンはまた、疎水性基板等のより吸収性の低い基板上の、同じ又は異なる色の隣接して堆積させられたインク液滴のにじみ又は合体を防ぎ、それによりぼやけた又は粒子が粗く見える画像の形成を防ぐために使用され得る。多価金属イオンの水性塩を含む表面処理は、インクの隣接する液滴が基板上に互いにわずか数マイクロ秒以内で堆積する、ページ幅のインクジェットアレイでの高速印刷に特に有利である。
米国特許第9,434,201号(Dannhauserら)は、多価金属カチオンの水溶性塩及び架橋親水性ポリマー結合剤を含むコーティングされた最上層を有する基板を含む、高速インクジェット印刷に好適なインクジェット受容媒体を記載している。
米国特許第8,562,126号(Xiangら)は、基板及びそれにコーティングされた最上層を備えるインクジェット受容媒体を記載しており、最上層は、多価金属カチオンの1種又は複数種の水溶性塩、アミジン部分を含むカチオン性高分子電解質、及びアミジン部分を含むカチオン性高分子電解質とは異なる第2のポリマーを含む。これらのコーティングは、耐久性の改善されたある特定の態様を有する。
耐久性の更なる改善は、米国特許第9,427,975号(Bugnerら)の教示を使用して提供され得、インクジェット印刷画像は、印刷直後に乾燥され、純水及び熱に供され、次いで周囲条件に戻される。
米国特許第9,067,448号(Dannhauserら)は、主にワックス状ポリマーを含み、R90未満のロックウェル硬さ及び少なくとも約2マイクロメートルのモード球相当径(mode equivalent spherical diameter)を有する粒子を含むインクジェット受容媒体上の最上層を記載している。これらの粒子は、多価金属カチオンのより一般的な水溶性塩と共に含まれ得る。この材料の組合せは、特に選択される基板が疎水性である、例えば光沢又は半光沢コーティング紙である高速インクジェット印刷のための、より耐久性のある媒体を提供する。得られるインクジェット印刷画像は高画質、高光学密度、及び良好な物理的耐久性(すなわち、汚損並びに湿潤及び乾燥摩耗に対する耐性)を有する。
米国特許第9,434,201号 米国特許第8,562,126号 米国特許第9,427,975号 米国特許第9,067,448号 米国特許出願公開第2011/0279554号 米国特許第9,376,582号 米国特許第8,173,215号 米国特許出願公開第2018/0051184号 米国特許第5,526,026号 EP0597628B1 米国特許第7,221,440号 EP0571784B1 EP1,013,450B1 米国特許第6,588,888号 米国特許第6,554,410号 米国特許第6,682,182号 米国特許第6,793,328号 米国特許第6,866,370号 米国特許第6,575,566号 米国特許第6,517,197号 米国特許出願公開第2002/0202054号 米国特許第6,079,821号 米国特許第6,505,921号 米国特許第6,817,705号 米国特許第8,764,161号 米国特許第6,943,037号 米国特許出願公開第2003/0202054号 米国特許第5,473,350号 EP0597628A1 米国特許第5,026,427号 米国特許第5,141,556号 米国特許第5,160,370号 米国特許第5,169,436号 米国特許第8,455,570号 米国特許第9,605,169号 米国特許第9,783,553号 米国特許第8,430,492号 米国特許出願公開第2008/0207811号
「Glossary of Basic Terms in Polymer Science」、Pure Appl. Chem. 68、2287〜2311(1996) H. Bennett著、Industrial Waxes、第1巻
しかしながら、米国特許第9,067,448号(上述)に記載の水性基板「前処理」配合物は、更に改善することができる。文献に記載の粒子状ワックスのいくつかはバルク液体より低い密度を有し、これによってそれらは浮遊してコヒーレント構造として集合し、静置した後又は特に保存中にそれらを再分散させることが困難となる。ポリ(テトラフルオロエチレン)(Teflon)等の最善の粒子状ワックスのいくつかは、バルク液体よりはるかに高密度であり、これによってそれらは沈降して保存容器の底に凝塊化し、この場合も、顧客が基板上に水性組成物を使用する準備ができた際にそれらを再分散させることが非常に困難となる。本発明は、これらの問題に対処する。
本発明は、インクジェット印刷する前に基板を前処理するための水性組成物であって、
(a)多価金属カチオンの1種又は複数種の水溶性塩と;
(b)R90以下のロックウェル硬さを有する複合粒子であって、それぞれ(i)第1の有機ポリマーのドメイン及び(ii)第2の有機ポリマーのドメインを含む複合粒子と
を含み、
(ii)第2の有機ポリマーのドメインが、(i)第1の有機ポリマーのドメイン内に分散し;
(i)第1の有機ポリマーの融点が、(ii)第2の有機ポリマーの融点より低く;
(i)第1の有機ポリマーの(ii)第2の有機ポリマーに対する質量比が、(b)複合粒子が少なくとも1.0g/ml〜1.5g/ml以下(1.5g/mlを含む)の密度を有するように選択される、
水性組成物を提供する。
本発明はまた、本発明によるインクジェット受容媒体を提供するための方法であって、
本明細書に記載の水性組成物のいずれかの実施形態を、基板の少なくとも1つの表面上に配置して、トップコート層を提供する工程
を含む、方法を提供する。
本発明によれば、上記の方法を使用して、インクジェット受容媒体が提供される。
更に、本発明は、インクジェット印刷するための方法であって、
A)本発明のインクジェット受容媒体のいずれかの実施形態を提供する工程と;
B)トップコート層上に1つ又は複数の水性顔料ベースのインクをインクジェット印刷して、顔料ベースの画像又は層を提供する工程と
を順番に含む、方法を提供する。
上記の方法を使用して、本発明にインクジェット印刷物品が提供され得る。
本発明は、インクジェット印刷可能な基板の前処理のために公知の組成物を使用すると生じていた、上述のワックス分離の問題に対する解決策を提供する。分離問題を解決し、またそのような組成物において所望の基板耐久性及び画質を提供するのに有用なある特定の粒子状ワックスが発見されている。これらの粒子状ワックスは、平均して水より高い密度を有する。前処理流体として使用される水性組成物は、流体組成物が溶解した塩を含んでいるため水より高い密度を有する。その合成方法に起因して、本発明において使用される粒子は、処理流体の密度に近い密度の分布を有する。したがって、本発明において使用される個々の複合粒子は、浮遊し得る、中立浮力を有し得る、又は沈下し得る。しかしながら、浮遊する複合粒子はコヒーレント構造層に分離するほど水性組成物よりも大幅に低密度ではなく、また沈下する複合粒子は、高密沈殿層に圧密されるほど水性組成物よりも大幅に高密度ではない。したがって、長期間の保存後、本発明において使用される複合ワックスは、米国特許第9,067,448号(上述)に記載のワックス又はワックス混合物よりもはるかに容易に再分散される。
本発明によるインクジェット受容媒体の単純な実施形態の部分断面図である。 複数層を備える本発明によるインクジェット受容媒体の更に別の実施形態の部分断面図である。 本発明によるインクジェット印刷物品の部分断面図である。
以下の議論は本発明の様々な実施形態に関し、いくつかの実施形態はある特定の使用に望ましくなり得るが、開示される実施形態は、以下で請求されるような本発明の範囲を制限するように解釈又は別様に考慮されるべきではない。更に、以下の開示は、任意の特定の実施形態の議論において明示的に記載されるものよりも広い用途を有することが、当業者に理解されよう。
定義
本明細書において水性組成物、トップコート層、水性顔料ベースのインク、及び本発明の実践に使用される他の材料の様々な成分を定義するために使用される場合、別段に指定されない限り、単数形「a」、「an」及び「the」は、成分の1つ又は複数を含む(すなわち複数の指示対象を含む)ことを意図する。
本出願において明示的に定義されていない各用語は、当業者によって一般的に認められている意味を有することが理解されるべきである。用語の解釈がその文脈においてその用語を意味のない、又は本質的に意味のないものにする場合、その用語は標準的な辞書の意味を有するように解釈されるべきである。
本明細書において指定される様々な範囲内の数値の使用は、別段に明示的に指定されない限り、示された範囲内の最小値及び最大値の両方の前に「約」という単語が置かれているかのように近似値であるとみなされるべきである。このようにして、示された範囲の上及び下のわずかな変動が、範囲内の値と実質的に同じ結果を達成するのに有効となり得る。更に、別段に指定されない限り、これらの範囲の開示は、最小値と最大値との間のあらゆる値及び範囲の各端点を含む連続的範囲として意図される。
本明細書において使用される場合、「酸価」(酸性度指数としても知られる)という変数は、記載されている酸性ポリマー1gを中和するために必要な水酸化カリウムのミリグラム(mg)として定義される。
本発明による水性組成物、水性有機顔料分散体、及び水性顔料ベースのインクにおける「水性」という用語は、含水量が全溶媒の総質量に対して60質量%超、又は少なくとも80質量%であることを意味する。したがって、水が主要な溶媒である。
多くのポリマー材料のロックウェル硬さ値は、Plastics International(http://www.plasticsintl.com)によりオンラインで公開されている文献から知ることができ、値はASTM D785-51に従って測定することができる。
マイクロメートル(μm)単位の球相当径(ESD)粒径としての中央粒径は、Horiba Particle Size Distribution Analyzer(Horiba Semiconductor社)を使用して、この機器との使用に望ましい手順を用いて決定することができる。
「水溶性」という用語は、多価金属カチオンの塩に関連して使用される場合、20℃で100mlの水に対し少なくとも0.5gの塩の水中溶解度を指す。
ポリマーに関連する任意の用語の定義を明確にするには、International Union of Pure and Applied Chemistry (「IUPAC」)により出版されている「Glossary of Basic Terms in Polymer Science」、Pure Appl. Chem. 68、2287〜2311(1996)を参照されたい。しかしながら、本明細書に明示的に記載されている任意の定義が優先されるとみなされるべきである。
本明細書において使用される場合、「ポリマー」という用語は、多くの小さい反応したモノマーが互いに連結することにより形成される比較的高分子量の化合物を記載するために使用される。ポリマー鎖が成長するに従い、ポリマー鎖はランダムにそれ自体に折り返り、コイル状構造を形成する。溶媒の選択により、ポリマーは鎖長が長くなるに従い不溶性となり得、溶媒媒体中に分散したポリマー粒子となり得る。これらの粒子分散体は非常に安定となり得、本発明における使用に関して記載されるトップコート層に有用となり得る。本発明において、別段に指定されない限り、「ポリマー」という用語は、非架橋材料を指す。したがって、非架橋ポリマー粒子は良好な溶媒和特性を有するある特定の有機溶媒中に溶解し得る一方、架橋ポリマー粒子は、ポリマー鎖が強固な共有結合により繋がっているため有機溶媒中で膨潤し得るが溶解はしないという点で、架橋ポリマー粒子は非架橋ポリマー粒子と異なる。
「コポリマー」という用語は、ポリマー骨格に沿って配列した2つ以上の異なる反復又は繰り返し単位で構成されたポリマーを指す。
「骨格」という用語は、複数のペンダント基が結合し得るポリマーにおける原子の鎖を指す。そのような骨格の例は、1種又は複数種のエチレン性不飽和重合性モノマーの重合から得られる「全炭素」骨格である。
本明細書に記載のポリマーにおける繰り返し単位は、一般に、重合プロセスにおいて使用される対応するエチレン性不飽和重合性モノマーから得られ、このエチレン性不飽和重合性モノマーは、様々な商業的供給源から入手可能であるか、又は公知の化学合成法を使用して調製され得る。
別段に指定されない限り、「質量%」という用語は、水性組成物、水性配合物、又は乾燥層の総質量を対する成分又は材料の量を指す。
本明細書において使用される場合、「層」又は「コーティング」という用語は、1つの配置若しくは適用された層、又はいくつかの順次配置若しくは適用された層、例えば副層の組合せからなってもよい。
使用
本明細書に記載の水性組成物は、連続インクジェット印刷装置及びシステムを利用するものを含む水性インクジェット印刷方法において有利に使用され得るインクジェット受容媒体を提供するために使用され得る。
水性「前処理」組成物
本発明による水性前処理組成物(又は「水性組成物」)は、一般に、少なくとも2%〜50%以下(50%を含む)の固形分を、又は更には少なくとも4%〜25%以下(25%を含む)の固形分を有する。
水性組成物は、1種又は複数種の(a)多価金属カチオンの水溶性塩を含むべきである。同じ多価金属カチオンを有するそのような塩の混合物、及び異なる多価カチオンを有する塩の混合物が、任意の所望の割合で使用され得る。一般に、これらの塩はそれぞれ無色であり、水性組成物中の他の材料と非反応性である。例えば、そのような塩は、マグネシウム(+2)、カルシウム(+2)、バリウム(+2)、亜鉛(+2)、又はアルミニウム(+3)等の1種又は複数種の多価カチオンを含む。マグネシウム(+2)及びカルシウム(+2)カチオンが、好適な対イオンと組み合わせて特に有用である。
有用な(a)多価金属カチオンの水溶性塩の例は、これらに限定されないが、塩化カルシウム、酢酸カルシウム、硝酸カルシウム、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、塩化バリウム、硝酸バリウム、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、塩化アルミニウム、アルミニウムヒドロキシクロリド、及び硝酸アルミニウムを含む。これらの塩の水和型もまた使用され得る。他の有用な塩は、当業者に容易に明らかである。特に有用な多価金属カチオンの水溶性塩は、CaCl2、Ca(CH3CO2)2、MgCl2、Mg(CH3CO2)2、Ca(NO3)2若しくはMg(NO3)2、又はこれらの塩の水和型の1つ又は複数を含む。
本発明による水性組成物中の(a)多価金属カチオンの水溶性塩の量は、少なくとも0.6%〜49%以下(49%を含む)の固形分、又は少なくとも1%〜24%以下(24%を含む)の固形分を提供するのに十分となり得る。
本発明による水性組成物はまた、(b)R90以下、又はR75以下のロックウェル硬さを有する複合粒子を含む。ロックウェル硬さは、上述の通りに決定され得る。
一般に、それぞれの(b)複合粒子は、(i)第1の有機ポリマーのドメイン及び(ii)第2の有機ポリマーのドメインを含み、それらは共に以下でより詳細に定義される。(ii)第2の有機ポリマーのドメインは、(i)第1の有機ポリマーのドメイン内に均一又は不均一に分散している。
更に、(i)第1の有機ポリマーの融点は、(ii)第2の有機ポリマーの融点より(少なくとも30℃)低い。
(i)第1の有機ポリマーの(ii)第2の有機ポリマーに対する質量比は、(b)複合粒子が少なくとも1.0g/ml〜1.50g/ml以下(1.50g/mlを含む)、又はより有望には少なくとも1.05g/ml〜1.35g/ml以下(1.35g/mlを含む)、又は更には少なくとも1.05g/ml〜1.20g/ml以下(1.20g/mlを含む)の密度を有するように選択される。粒子密度は、ガス比重瓶法又は水銀多孔度測定法等の公知の手順及び機器を使用して決定され得る。
(b)複合粒子はまた、少なくとも2μm、又は少なくとも3μmで、8μm以下(8μmを含む)、又は12μm以下(12μmを含む)の平均球相当径(ESD)粒径を有し得る。そのような粒子のESDは、トップコート層(後述)及び任意の乾燥インクジェット印刷画像又は層(後述)の乾燥厚さの合計より少なくとも0.1μm大きい、又は少なくとも0.2μm大きいように適合され得る。
(i)第1の有機ポリマードメインを形成し得る有用なポリマー材料は、これらに限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビスステアラミド、ポリエチレン-ポリプロピレンコポリマー、カルナウバワックス、合成炭化水素ワックス(特にH. Bennett著、Industrial Waxes、第1巻に記載のフィッシャー−トロプシュプロセスにより生成されたもの)、ポリアミド、又はこれらの材料の2つ以上の組合せを含む。
(ii)第2の有機ポリマードメインを形成し得る有用なポリマー材料は、これに限定されないが、ポリ(テトラフルオロエチレン)(PTFE又はTeflon)を含む。
水性組成物中に存在する有用な(b)複合粒子の量は、一般に、少なくとも0.02%の〜5%以下(5%を含む)の固形分、又はより有望には少なくとも0.05%〜4%以下(4%を含む)の固形分である。
本発明による水性組成物は、1種又は複数種の(c)水溶性又は水分散性結合剤材料を含んでもよく、これらは全て化学組成が上述の(b)複合粒子とは異なる。そのような材料は、ポリ(ビニルアルコール)、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアミン、少なくとも部分的にビニルアルコール及びエチレンオキシドから得られるコポリマー、少なくとも部分的にビニルアルコール及びビニルアミンから得られるコポリマー、ポリ(ビニルピロリドン)、セルロース材料(セルロース及びその誘導体、例えばヒドロキシセルロースを含む)、ゼラチン及びその誘導体、デンプン、架橋性親水性結合剤材料[例えば米国特許出願公開第2011/0279554号(Dannhauserら)に記載のもの]、カチオン性高分子電解質、ポリウレタン、及びシラノール改質ポリ(ビニルアルコール)から選択され得る。そのような材料は、一般に水を吸収することができ、また更に連続相溶液を形成することができる。
例えば、有用な(c)水溶性又は水分散性結合剤材料は、アセチルアセテート改質ポリ(ビニルアルコール)である。架橋形態において、トップコート層中のそのような材料は、湿潤形態での摩耗に対する耐性、及び乾燥形態での増加した凝集をもたらす。
存在する架橋性親水性結合剤材料の架橋を促進するために、水性組成物中に1種又は複数種の架橋剤を含めることが有用となり得る。架橋剤が何であるか、及びその量は、架橋性親水性結合剤材料の選択及びその架橋剤との反応性、利用可能な架橋部位の数、その水性組成物中の他の材料との適合性、並びに製造上の制約、例えば溶液ポットライフ及びコーティング乾燥速度に依存する。代表的な架橋剤は、これらに限定されないが、グリオキサール、CARTABOND(登録商標)TSI及びEPI(Clariant社)、SEQUAREZ(商標)755(Omnova社)、グルタルアルデヒド重硫酸ナトリウム錯体(Aldrich社)、Sunrez 700M 及び700C(Omnova社)、ビス(ビニル)スルホン、ビス(ビニル)スルホンメチルエーテル、アジピン酸ジヒドラジド、エピクロロヒドリンポリアミド樹脂、及び尿素-ホルムアルデヒド樹脂を含む。
有用なカチオン性高分子電解質は、米国特許第9,067,448号(Dannhauserら)、第9〜10欄に記載のアミジン部分、ポリアミド-エピクロロヒドリンポリマー、ポリアミン溶液ポリマーを含み得る。
有用なポリウレタンは、例えば米国特許第9,067,448号(第10欄、36〜48行目)に記載の水性媒体中のポリウレタン粒子の分散体であってもよい。
有用なシラノール改質ポリ(ビニルアルコール)は、例えば、米国特許第9,067,448号(第10欄、49〜68行目)に記載されている。
所望により、同じ又は異なる種類の(c)水溶性又は水分散性結合剤材料の混合物が使用されてもよい。
本発明による水性組成物中の1種又は複数種の(c)水溶性又は水分散性結合剤材料の量は、全水性組成物質量に対して少なくとも0.1質量%〜30質量%以下(30質量%を含む)であってもよい。
また、水性組成物中に1種又は複数種の(d)有機又は無機粒子を含むことが有用となり得るが、これらの粒子は、(a)多価金属カチオンの1種又は複数種の水溶性塩及び(b)上述の複合粒子とは異なる。そのような有機又は無機粒子は、これらに限定されないが、カオリンクレイ、モンモリロナイトクレイ、剥離カオリンクレイ、炭酸カルシウム、焼成クレイ、シリカゲル、シリカ(例えばフュームドシリカ又はコロイド状シリカ)、タルク、ウォラストナイト(wollastinite)、フュームドアルミナ、コロイド状アルミナ、二酸化チタン、ゼオライト、及びDow HS3000NAとして市販されているもの等の有機粒子を含み得る。シリカが特に有用である。水性組成物中のそのような粒子の量は、全水性組成物質量に対して30質量%以下(30質量%を含む)であってもよい。
水性組成物は、主に水である水性媒体中で上述の様々な材料を所望の混合順序及び適切な機器で適切に混合することにより調製され得る。したがって、全溶媒の質量に対して少なくとも60質量%、又は更には少なくとも80質量%の水性媒体が水で構成される。
本発明による水性組成物は、標準的な落球式粘度計を用いて25℃で測定した場合、50センチポアズ(50mPa-sec)以下又は少なくとも200センチポアズ(200mPa-sec)又は少なくとも1.5センチポアズ(1.5mPa-sec)〜100センチポアズ(100mPa-sec)以下(100センチポアズ(100mPa-sec)を含む)の動的粘度を有し得る。
代表的な水性組成物は、実施例で後述される。
インクジェット受容媒体
図1に示されるように、本発明による単純な実施形態は、トップコート層110が上に配置された基板100を有するインクジェット受容媒体10であり、基板100及びトップコート層110は、連続している、又は互いに直接接触している。一般に、基板100は、不透明、半透明、透光性、又は透明であってもよい。
適切な基板は、典型的には事実上平坦であり、2つの反対表面又は支持面を有する。基板は、単一の「層」若しくは階層を有してもよく、又は同じ若しくは異なる材料で構成された複数の層若しくは階層で構成されてもよい。ほとんどの場合、基板は、ポリマーコーティング等の1つ又は複数の他の種類の材料でコーティング又は層状化されたセルロース材料等の主要な材料を有する。
したがって、基板100が構築され得る有用な基板材料は、これらに限定されないが、クレイ又は同様の材料でコーティングされ、表面カレンダ処理に供されて所望の表面平滑性が付与された紙ベース(支持体)を典型的に含む、光沢、半光沢、又はマットコーティングされたリソグラフィーオフセット用紙を含む。そのような基板は、光沢コーティング及びマットコーティングの両方がなされたリソグラフィーオフセット用紙を含み、例えばInternational Paper社、Sappi社、NewPage社、Appleton Coated社、Abitibi-Bowater社、Mohawk Papers社、Verso社、三菱社、Norpac社、Domtar社、及び当業者に容易に知られるその他を含む様々な商業的供給源から入手可能である。
本発明による様々な実施形態において、基板は、易親水性であってもよく、本明細書に記載の水性組成物でその上にトップコート層が形成される(例えばその上にコーティングされる)前に、水性インク着色剤(例えば顔料着色剤)を基板内部に吸収及び移動させることができてもよい。例えば、そのような親水性基板は、多孔質であってもよい。
或いは、基板は、その上にトップコートが形成される前に、疎水性表面を有してもよい。この疎水性表面は、水又は水性インク組成物に対して実質的に不透過性であってもよい。したがって、トップコート層は、そのような基板の疎水性表面に対して連続的な親水性表面を提供する。
他の有用な基板は、コーティング及び非コーティングオフセット用紙及び他の普通紙、並びにインクジェット受容媒体として典型的に使用される任意の他の材料、例えば樹脂コーティング紙、ポリエステルフィルム、微細孔材料、例えばポリエチレン含有材料、複合フィルム、プレーンコーティング及び非コーティング紙、合成紙、印画紙支持体、溶融-押出-コーティング紙、並びにラミネート紙、例えば米国特許第9,067,448号(上述)の第6欄(50行目)〜第7欄(2行目)に記載のもの等の二軸延伸支持体ラミネートを含む。
本発明に従い水不透過性(疎水性)基板が使用される場合、コーティングされる表面は、トップコート層の適用及び形成に適切な湿潤性を提供するために、静的表面エネルギーを45ダイン/cm超(又は少なくとも50ダイン/cm〜60ダイン/cm以下(60ダイン/cmを含む))まで増加させるように改質され得る。表面エネルギー改質は、コロナ放電処理(CDT)、プラズマ放電処理、水素炎イオン化処理、原子層堆積、又は当技術分野において公知の同様の処理を用いて行うことができる。
図2は、本発明による別の実施形態を示し、インクジェット記録媒体20は、水不透過性であってもよい支持体200、及び支持体200の少なくとも1つの表面上に配置された第1の層210を備え、これらは一緒になって本発明によるインクジェット受容媒体用の基板215を形成する。第1の層210は、水ベースのタイ層組成物(後述)を含んでもよく、トップコート層220の下に位置する。多くの実施形態において、支持体200は、水不透過性材料、例えばポリマーフィルム、又は上記米国特許第9,067,448号(第6〜7欄)で言及されるような2つの更なるポリマーフィルムの共押出物若しくはラミネートで構成され得る。
第1の層210は、当技術分野において「タイ層」として知られるものであってもよく、一般に水ベースであり、すなわち水性配合物から提供され、支持体200が疎水性材料、例えばポリマーフィルム(例えばポリエステルフィルム)又はポリエチレンコーティング紙で構成される場合、トップコート層220の支持体200への接着を改善するのに役立つ。第1の層210(又はタイ層)を構成するのに有用な親水性材料の例は、これらに限定されないが、ハロゲン化フェノール、部分加水分解塩化ビニル-酢酸ビニルコポリマー、塩化ビニリデン-メチルアクリレート-イタコン酸ターポリマー、塩化ビニリデン-アクリロニトリル-イタコン酸ターポリマー、及びグリシジル(メタ)アクリレートポリマーを含む。他の有用な材料は、トップコート層と基板との間の効果的な結合を示す任意のポリマー、コポリマー、反応性ポリマー及びコポリマー、並びにそれらの混合物を含む。これらに限定されないが、ポリ(ビニルアルコール)、ポリビニルアミン、ポリ(ビニルピロリドン)、ゼラチン及びゼラチン誘導体、セルロースエーテル、ポリ(オキサゾリン)、ポリ(ビニルアセトアミド)、部分加水分解ポリ(酢酸ビニル/ポリビニルアルコール)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(アクリルアミド)、ポリ(アルキレンオキシド)、スルホン化又はホスホン化ポリエステル又はポリスチレン、カゼイン、ゼイン、アルブミン、キチン、キトサン、デキストラン、ペクチン、コラーゲン誘導体、コロジオン、寒天、アロールート、グアー、カラギーナン、トラガカント、キサンタン、ラムザン、及び様々なポリマー格子を含む、水溶性又は水分散性ポリマーもまた使用され得る。特に有用なタイ層材料は、ポリビニルアルコール、ポリビニルアミン、ゼラチン又はゼラチン誘導体、ポリ(エチレンイミン)、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリアクリルアミド及びそれらの誘導体又はコポリマー、並びにこれらの材料のいずれかの混合物である。
第1の層210は、単一の個別の層であってもよいが、2つ以上の水ベースの副層を含んでもよく、そのそれぞれは、同じ又は異なる上述の親水性材料を含む。例えば、第1の層210は、第1の副層及び第2の副層を含んでもよく、第1の副層は、酸性化アミノエチル化ビニルポリマーで改質されたポリ(エチレンイミン)及びエポキシ樹脂を含み、第1の副層上に配置される第2の副層は、架橋ポリビニルアルコールを含む。
単一の個別の層で構成されるか、又は複数の副層で構成されるかに関わらず、第1の層210(又はタイ層)における1種又は複数種の親水性材料の全乾燥被覆率は、少なくとも0.05g/m2〜12g/m2以下(12g/m2を含む)、又は少なくとも0.05g/m2〜8g/m2以下(8g/m2を含む)、又は少なくとも0.05g/m2〜3g/m2以下(3g/m2を含む)であってもよい。
第1の層210(又はタイ層)の構造及び材料に関する更なる詳細は、米国特許第9,376,582号(Dannhauserら)に記載されている。
本発明によるインクジェット記録媒体の更に他の実施形態において(図示せず)、トップコート層は、基板の反対表面上に形成されてもよく、個々のトップコート層は、同じ若しくは異なる材料で構成されてもよく、同じ若しくは異なる平均乾燥厚さを有してもよく、又は同じ若しくは異なるプロセスを使用して形成されてもよい。
本発明によるインクジェット記録媒体の実施形態の全てに関して、トップコート層は、乾燥後、一般に少なくとも0.1g/m2〜10g/m2以下(10g/m2を含む)、又は少なくとも0.1g/m2〜5g/m2以下(5g/m2を含む)の乾燥固形分コーティング質量を有する。
乾燥トップコート層中には、上述の(a)多価金属カチオンの1種又は複数種の水溶性塩は、一般に、トップコート層の総質量に対して少なくとも10質量%〜98質量%以下(98質量%を含む)、又は少なくとも15%〜95質量%以下(95質量%を含む)の量で存在する。一般に、これらの水性組成物中の量は、トップコート層の総質量に対して少なくとも1.2質量%〜50質量%以下(50質量%を含む)の多価金属カチオンを提供する。
例えば、(a)多価金属カチオンの1種又は複数種の水溶性塩は、一般に、少なくとも0.01g/m2〜1g/m2以下(1g/m2を含む)の量のトップコート層中の多価カチオン(例えばカルシウムカチオン)を提供するのに十分な量で存在する。
更に、上述の(b)複合粒子は、一般に、トップコート層の総質量に対して少なくとも0.2質量%〜30質量%以下(30質量%を含む)、又は少なくとも0.5質量%〜20質量%以下(20質量%を含む)の量でトップコート層中に存在する。
例えば、(b)複合粒子は、R75以下のロックウェル硬さを有し得、少なくとも0.01g/m2〜0.1g/m2以下(0.1g/m2を含む)の乾燥コーティング質量でトップコート層中に存在し得る。いくつかの実施形態において、(b)複合粒子は、トップコート層の乾燥厚さ及び任意のインクジェット印刷画像又は層の乾燥厚さの合計より少なくとも0.1μm大きいESDを有し得る。
存在する場合、トップコート層中の1種又は複数種の(c)水溶性又は水分散性結合剤材料の量は、トップコート層の総質量に対して少なくとも1%〜69%以下(69%を含む)の量で存在する。
トップコート層はまた、トップコート層の総質量に対して少なくとも1質量%ny〜40質量%以下(40質量%を含む)の量で上述の(d)有機又は無機粒子を含んでもよく、これらの粒子は、化学組成が(a)1種又は複数種の水溶性塩及び(b)の粒子とは異なる。
得られるインクジェット記録媒体は、様々な目的で使用され得るが、インクジェット印刷物品上に画像又は層を提供するインクジェット印刷方法に特に有用である。したがって、そのようなインクジェット印刷物品は、例えば図1及び図2のそれぞれに例示されるような基板及びトップコート層を有し得、トップコート層上に(例えば直接その上に)水ベースのインクジェット印刷画像又は層が配置される。
以下でより詳細に記載されるように、インクジェット印刷画像又は層は、後述の1種又は複数種の水ベースのインクジェットインク組成物をインクジェット印刷することにより形成され得る。
インクジェット受容媒体を作製するための方法
本発明による水性組成物(又はトップコート層配合物)は、(上述のような)基板の一方若しくは両方の反対面(若しくは表面)上に、或いは、それらの反対面(若しくは表面)の一方のみにトップコート層を調製又は形成するために使用され得る。したがって、基板が選択され、本発明による水性組成物が基板の少なくとも1つの表面上に配置されて、トップコート層が提供される。これらの操作により、後述のインクジェット印刷に有用なインクジェット受容媒体が得られる。
これを達成するために使用される方法の手順及び装置は、これらに限定されないが、これらの目的に適した機器を使用した噴霧、ロッドコーティング、ブレードコーティング、グラビアコーティング(直接、リバース、又はオフセット)、フレキソコーティング、サイズプレス(パドル及び定量)、押出ホッパーコーティング、並びにカーテンコーティングを含む様々な公知の技術及び装置から選択され得る。適切な乾燥条件及び機器を用いて乾燥させた後、得られるトップコート層の光沢度は、例えばカレンダ処理を伴う、又は伴わない任意の好適な手段を使用して増加され得る。
いくつかの実施形態において、トップコート層は、基板製造プロセス(例えば製紙プロセス)の一部としてインラインで形成され得る。或いは、トップコート層は、基板の製造後に別個のコーティング工程で形成され得る。更に、トップコート層は、インクジェット印刷操作の一部としてインラインで形成されてもよく、水性組成物は、インクジェットインク印刷組成物の印刷前に、「プレコーティング」又は「前処理」ステーションにおいて基板に適用される。そのようなプレコーティング操作は、トップコート層の均一な被覆を提供するように設計され得、又はいくつかの場合では、基板の特定領域のみに水性組成物が提供され得る。適用される水性組成物はインクジェット画像印刷の前に完全に乾燥され得るが、完全な乾燥は必須でなくてもよく、適用されたトップコート層及びインクジェット印刷された画像若しくは層の両方の全体的な乾燥が同時に行われてもよい。
インクジェット印刷される媒体が上述のように第1の層(タイ層)又は複数の副層を有するように調製される場合、それらはトップコート層に関して上述された技術及び機器を使用して基板上に形成され得る。例えば、第1の層及びトップコート層は、中間乾燥操作を伴う異なる又は別個のコーティング操作で基板上に別個に形成されてもよい。或いは、複数の層が層の適用間の乾燥あり、又は乾燥なしで逐次形成又は適用されるように、第1の層は、インクジェット受容媒体製造又はインクジェット印刷操作の一部としてインラインで形成されてもよい。そのようなプロセスの更なる詳細は、米国特許第9,376,582号(上述)の第7〜8欄に記載されている。スライドホッパー及びカーテンコーティング技術を使用したインクジェット受容媒体における複数の層の形成が特に望ましい。第1の層(タイ層)の有用な乾燥コーティング被覆率は、上述の通りである。
インクジェット印刷のための方法及び装置
本発明によるインクジェット受容媒体は、顔料ベースの画像又は層を提供するために、1種又は複数種の顔料着色剤を含む1種又は複数種の水性顔料ベースのインクでインクジェット印刷され得る。これらの水性顔料ベースのインクは、例えばコーティングされたオフセット用紙基板を有するもの等、上述のように設計及び調製されたインクジェット受容媒体のトップコート層上に印刷され得る。本発明によるインクジェット印刷方法は、定期刊行物、新聞、雑誌、グリーティングカード、プラスチックラップ、板紙、及び当業者に容易に明らかとなる他の材料の印刷に使用され得る。
本発明による水性組成物は、1つ又は複数のドロップオンデマンド(DOD)印刷システムにおいて有用なインクジェット受容媒体に有用となり得るが、本発明の利点は、本発明が連続インクジェット(CIJ)印刷プロセス及び機器を使用して行われる場合にも明らかである。当技術分野において公知のいくつかのCIJ印刷プロセスがあり、本発明はCIJプロセスに限定されないが、他のものより有用なある特定のCIJプロセスが存在し得る。一般に、そのようなCIJプロセスは、1つ又は複数の印刷ヘッド(ノズルを含む)を通して排出される1つ又は複数の水性顔料ベースのインクを使用し、印刷されていない水性顔料ベースのインクは回収され、使い切るまで複数回印刷システムを通してリサイクルされる。更に、CIJ印刷システムには、補充システムが組み込まれてもよい。そのようなCIJプロセス及び機器の詳細は、例えば米国特許第8,173,215号(Sowinskiら)に記載されている。
したがって、ほとんどのCIJインクジェット印刷プロセスにおいて、各水性顔料ベースのインクは、それ専用の主要流体供給部から、印刷用液滴及び非印刷用液滴の両方に分割される水性顔料ベースのインクの連続ストリームとして排出又は印刷され得る。各水性顔料ベースのインクの非印刷用液滴は、「捕集器」等の適切な収集手段を使用して収集され、各主要流体供給部に返送され得る。このシナリオ全体は、単一の(第1の)水性顔料ベースのインクを単独で、又は、第1の水性顔料ベースのインクと同じ若しくは異なる「色」若しくは色相を有する1つ若しくは複数の「追加の」水性顔料ベースのインクと組み合わせて使用して行われ得る。次いで、複数の水性顔料ベースのインクは、制御された様式でソフトウェア及びデジタル入力により制御され得る選択されたシーケンスでインクジェット印刷され、インクジェット受容媒体の表面上に多色インクジェット印刷画像を提供する。
更に、(上述のような)水性「無色」又は水性粒子不含インク組成物又は流体のインクジェット印刷が、「着色」水性顔料ベースのインクのインクジェット印刷と同時に、又は逐次的に行われてもよい。例えば、米国特許出願公開第2018/0051184号(Lussierら)によれば、無色ラッカー又は無色インク組成物が、単色又は多色顔料ベースの画像又は層上に適用されてもよい。本発明によるインクジェット受容媒体は、そのような印刷プロセスにおいて使用され得る。
有用なCIJ印刷プロセス及び機器は、インク電気抵抗率を測定する補充システムを含んでもよく、例えば米国特許第5,526,026号(Bowers)及びEP0597628B1(Loydら)に記載されている。水性顔料ベースのインク濃度感知のための他の手段を使用した有用なCIJ印刷プロセス及び機器は、米国特許第7,221,440号(McCannら)、並びにEP0571784B1(McCannら)及びEP1,013,450B1(Woolardら)に開示されている。
一実施形態において、基本的な補充は、以下のように行われる:流体システムは、水性顔料ベースのインクが印刷ヘッドを含むシステムのインク取扱い部分を通して再循環される際に通過するインク抵抗率測定セルを含む。計算手段は、インク抵抗率セルの抵抗を決定する。計算手段に応答する論理及び制御ユニットは、補助「インク」供給部からの水性顔料ベースのインクの移送、及び補充水性粒子不含流体(「キャリア流体」)供給部からシステム主要流体供給部へのキャリア流体の移送を制御して、水性インクジェットインク組成物の所望の抵抗率を維持する。水性顔料ベースのインクの体積はフロート弁位置により監視され、所定の体積が枯渇したら、所定の体積が補助「インク」供給部からの水性顔料ベースのインクで、又は補充キャリア流体供給部からのキャリア流体で置き換えられる。したがって、第1及び任意の追加の水性顔料ベースのインクは、それぞれ第1及び任意の追加の水性顔料ベースのインクで補充され得る。
他の例において、本発明による方法は、落球式粘度計を用いて測定した場合、25℃で5センチポアズ(5mPa-sec)以下の動的粘度を有する水性粒子不含流体を主要流体供給部に補充する工程を更に含んでもよい。
いくつかの実施形態において、本発明による方法は、連続流体ストリームから形成された複数の印刷用液滴を使用して行われ、印刷用液滴と異なる体積の非印刷用液滴は、液滴偏向手段によって収集及び再循環用の「溝」にそらされる。そのようなCIJ印刷システム及び機器に関する詳細は、例えば、米国特許第6,588,888号(Jeanmaireら)、米国特許第6,554,410号(Jeanmaireら)、米国特許第6,682,182号(Jeanmaireら)、米国特許第6,793,328号(Jeanmaireら)、米国特許第6,866,370号(Jeanmaireら)、米国特許第6,575,566号(Jeanmaireら)、及び米国特許第6,517,197号(Hawkinsら)、並びに米国特許出願公開第2002/0202054号(Jeanmaireら)に示されている。
他の実施形態において、水性顔料ベースのインクは、例えば米国特許第6,079,821号(Chwalekら)及び米国特許第6,505,921号(Chwalek)に記載のように、液滴への分割を開始し、得られる液滴を誘導するように作用する流体ストリームへの熱の非対称印加によって、形成された印刷用液滴及び非印刷用液滴の方向を制御することができる装置を使用して印刷され得る。CIJ印刷のための有用な撹拌、加熱された供給部、印刷ヘッド、及び流体濾過手段は、例えば米国特許第6,817,705号(Crockettら)に記載されている。
CIJ印刷システムの単純な概略図は、米国特許第8,764,161号(上述)の図1に示されている。
本発明による印刷方法は、連続的な高速商用インクジェットプリンタを使用して行うことができ、例えば、インクジェットプリンタは、インクジェット受容媒体に対して全幅印刷ヘッド等の1つ又は複数の異なる印刷ヘッドを使用して着色画像を適用し、画像の異なる着色部分が順次正確に重ねられる。
一般に「連続ストリーム」又は「連続インクジェット」(CIJ)印刷と呼ばれる1種のインクジェット印刷は、各水性顔料ベースのインクの主要流体供給部からの印刷用液滴(小滴)の連続ストリーム、又は印刷用液滴及び非印刷用液滴の両方に分割される連続ストリームを生成する加圧インク源を使用する。連続インクジェットプリンタは、使用されるインクジェット組成物のフィラメントが個々の液滴を分割する点に近接して設置される静電帯電デバイスを利用することができ、液滴は帯電され、次いで大きい電位差を有する偏向電極によって適切な場所に誘導される。カラー画像が望ましくない場合、非印刷用液滴はインク捕捉機構に偏向され、廃棄されるか、又はそれを元の主要流体供給部に返送することによりリサイクルされ得る。印刷カラー画像が望ましい場合、印刷用液滴は偏向されないが、指定された場所のインクジェット受容媒体のトップコート層に衝突させられる。或いは、偏向された印刷用小滴は、インクジェット受容媒体のトップコート層に衝突させられ得るが、偏向されない非印刷用液滴は収集され、主要流体供給部に返送され得る。
CIJ印刷システムは、一般に、2つの主要な機器構成要素である流体システム(1つ又は複数のインク貯蔵部又は主要流体供給部を含む)及び1つ又は複数の印刷ヘッドを備える。各水性顔料ベースのインクは、その主要流体供給部から多岐管に供給ラインを通してポンピングされ得、多岐管は、典型的には直線アレイとして配置された印刷ヘッドの複数の開口部に、インクストリームを印刷ヘッドの開口部から流出させるのに十分な圧力下でインクを分配する。上述のように、印刷ヘッドに刺激を与えて、それらのインクストリームに均一なサイズの離間した液滴のストリームを形成させることができ、液滴は適切な様式で印刷又は非印刷経路に偏向される。この識別はまた、印刷ヘッドが粗大粒子及び微小粒子をデジタルで生成する場合にも達成され得る。いくつかの実施形態において、微小液滴は空気流により偏向され、主要流体供給部に返送され、空気流の影響をより受けにくい粗大液滴は、インクジェット受容媒体上に印刷される。他の実施形態において、粗大液滴は設計された様式で偏向され、微小液滴は印刷される。いくつかの有用なCIJ印刷装置及び印刷ヘッドの製造は、例えば、米国特許第6,079,821号(Chwalekら)、米国特許第6,505,921号(Chwalekら)、米国特許第6,588,888号(Jeanmaireら)、米国特許第6,943,037号(Anagnostopoulosら)、米国特許第6,554,410号(Jeanmaireら)、米国特許第6,682,182号(Jeanmaireら)、米国特許第6,793,328号(Jeanmaire)、米国特許第6,517,197号(Hawkinsら)、米国特許第6,866,370号(Jeanmaire)、及び米国特許第6,575,566号(Jeanmaireら)、米国特許出願公開第2003/0202054号(Jeanmaireら)に記載されている。
水性顔料ベースのインクの有用な撹拌、加熱された主要流体供給部、並びにCIJインク組成物用のインクジェット印刷ヘッド及び組成物濾過手段は、例えば米国特許第6,817,705号(Crockettら)に記載されている。水性顔料ベースのインクの品質を維持し、揮発性成分の蒸発の影響を無効化するためのプリンタ補充システムは、米国特許第5,526,026号(Bowers)及び米国特許第5,473,350号(Maderら)、並びにEP0597628A1(Loydら)に記載されている。
いくつかの実施形態において、本発明による方法は、電気信号に応答するインクジェット堆積システムを使用して、1つ又は複数の水性顔料ベースのインクをインクジェット受容媒体のトップコート層上に印刷して、顔料ベースの画像を所定のパターンで提供する工程を含んでもよい。
更に、本発明による方法は、1つ又は複数の水性顔料ベースのインクのそれぞれが各主要流体供給部から連続ストリームとして供給され、連続ストリームのそれぞれが、印刷用液滴及び非印刷用液滴の両方に分割されるように行うことができ、また更に、各連続ストリームからの非印刷用液滴が回収され、各主要流体供給部に返送される。
本発明に従い有用な水性顔料ベースのインクは、公知の分散剤及び分散手段を用いて1つ又は複数の粒子状顔料の適切な水性分散体から調製され得る。得られる水性顔料ベースのインクは、1種又は複数種の保湿剤と混合されてもよく、成分は、水性媒体(主に水)中に配合されて、全て標準的粘度計を使用して25℃で測定して10センチポアズ(10mPa-sec)以下、又は3センチポアズ(3mPa-sec)以下、又は更には1.5センチポアズ(1.5mPa-sec)以下の粘度を提供する。
本発明の実践において有用な各水性顔料ベースのインクは、典型的には、所望の色又は色相、例えば黒色、緑色、赤色、黄色、青色、紫色、マゼンタ、シアン、白色、茶色、灰色及び当技術分野において公知のその他の色を提供する1種又は複数種の粒子状有機又は無機顔料着色剤を含む。顔料着色剤は、個々に、又は各水性顔料ベースのインク中に混合して存在し得る。例えば、本発明において有用な水性顔料ベースのインクは、シアン顔料、マゼンタ顔料、黄色顔料、黒色顔料、緑色顔料、橙色顔料、白色顔料、赤色顔料、青色顔料、紫色顔料、及びこれらの顔料のいずれかの組合せから選択される1つ又は複数の顔料を含む。
多種多様な有機及び無機顔料が個々に、又は組み合わせて使用され得る。例えば、カーボンブラック顔料が、シアン銅フタロシアニン又はマゼンタキナクリドン顔料等の着色顔料と組み合わされてもよい。有用な顔料は、例えば、米国特許第5,026,427号(Mitchellら)、米国特許第5,141,556号(Matrick)、米国特許第5,160,370号(Sugaら)、及び米国特許第5,169,436号(Matrick)に記載されている。
有用な顔料染色剤は、これらに限定されないが、アゾ顔料、モノアゾ顔料、ジスアゾ顔料、アゾ顔料レーキ、β-ナフトール顔料、ナフトールAS顔料、ベンズイミダゾロン顔料、ジスアゾ縮合顔料、金属錯体顔料、イソインドリノン及びイソインドリン顔料、キナクリドン顔料、多環式顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アントラピリミドン顔料、フラバントロン顔料、アントアントロン顔料、ジオキサジン顔料、トリアリールカルボニウム顔料、キノフタロン顔料、ジケトピロロピロール顔料、二酸化チタン、酸化鉄、及びカーボンブラックを含む。特定の有用な顔料着色剤は、米国特許第8,455,570号(Lindstromら)の第10欄(66行目)〜第11欄(40行目)に記載されている。例えば米国特許第9,605,169号(Lussierら)に記載のように、顔料の混合物を使用して所望の色相又は色を提供することができる。
有用な顔料は、(上述のように)当技術分野において周知の適切なポリマー若しくは非ポリマー分散剤を伴ってもよく、又は、顔料着色剤は自己分散性であってもよく、したがって、適切な表面基の存在により分散剤を使用することなく水性顔料ベースのインク中に分散可能及び安定であってもよい。有用な自己分散性顔料着色剤の例は、米国特許第8,455,570号(上述)の第11欄(49〜53行目)に記載されている。
有用な顔料は、150nm未満、及びより有望には100nm未満、又は更には50nm未満の中央粒径を有し得る。本明細書において使用される場合、「中央粒径」という用語は、示された直径未満の直径を有する粒子が顔料粒子の体積の50%に寄与するような、分類された粒径分布の50パーセンタイルを指す。上述のように、レーザ光散乱デバイスを使用して粒径分布を測定することができる。
有機又は無機顔料着色剤は、水性顔料ベースのインクの総質量に対して少なくとも0.1質量%〜30質量%以下(30質量%を含む)、又はより有望には少なくとも1質量%〜10質量%以下(10質量%を含む)、又は更には少なくとも1質量%〜8質量%以下(8質量%を含む)の量で、各水性顔料ベースのインク中に存在し得る。
各水性顔料ベースのインクは一般に、25℃で測定した場合40センチポアズ超又は更には少なくとも100センチポアズの粘度を有する、一般に水溶性又は水混和性有機溶媒である1種又は複数種の保湿剤を含む。例えば、本発明の他の要件に適合するインクジェットの技術分野において公知の任意の水溶性保湿剤が使用され得る。個々の保湿剤が使用され得るが、それぞれ有用な特性を付与する2種以上の保湿剤の混合物が使用されてもよい。代表的な保湿剤は、例えば、米国特許第9,783,553号(Lussierら)に記載されている。
1種又は複数種の保湿剤、例えばトリエチレングリコールは、全て水性顔料ベースのインクの総質量に対して少なくとも0.5質量%、又は少なくとも1質量%で、10質量%以下(10質量%を含む)、又は少なくとも3質量%〜7質量%以下(7質量%を含む)の量で存在し得る。
本発明に従い有用な各水性顔料ベースのインクは、それぞれ少なくとも50、又は少なくとも60〜150以下(150を含む)、又は更には少なくとも55〜90以下(90を含む)の酸価を有する、1種又は複数種のアニオン性ポリウレタンを更に含んでもよく、それらの材料は以下でより詳細に記載される。
或いは、又はアニオン性ポリウレタンに加えて、水性顔料ベースのインクは、それぞれ少なくとも50、又は少なくとも120〜240以下(240を含む)、又は更には少なくとも160〜220以下(220を含む)の酸価を有する、1種又は複数種のアニオン性アクリル又はアニオン性スチレン-アクリルポリマーを含んでもよく、それらのポリマーは以下でより詳細に記載される。
両方の種類のポリマーの代表例は、例えば、米国特許第8,430,492号(Falknerら)及び米国特許第9,783,553号(上述)に記載されている。特に有用なアニオン性ポリウレタンは、ポリエーテルジオール単位を含み、ポリエーテルポリウレタンとして特定され得る。そのようなアニオン性ポリエーテルポリウレタンは一般に、少なくとも10,000ダルトン〜30,000ダルトン以下(30,000ダルトンを含む)、又は少なくとも15,000ダルトン〜25,000ダルトン以下(25,000ダルトンを含む)の分子量(Mw)を有し得る。例えば、特に有用なポリエーテルポリウレタンは、米国特許第9,783,553号(上述)において構造(I)で個々に表される。
有用な水溶性又は水分散性アニオン性ポリエーテルポリウレタンは、例えば、米国特許出願公開第2008/0207811号(Brustら)の[0045]〜[0049]に記載されるように調製され得る。アニオン性ポリエーテルポリウレタンにおける酸性基は、アルカリ金属水酸化物等の一価無機塩基、又はジメチルエタノールアミン等の有機アミンを使用して、少なくとも部分的に、及び最大100%中和(塩に変換)されてもよい。
本発明において有用な代表的なアニオン性アクリルポリマー及びアニオン性スチレン-アクリルポリマーは、例えば、米国特許出願公開第2008/207811号(上述)の[0061]に記載されている。有用なアニオン性スチレン-アクリルポリマーの例は、JONCRYL(登録商標)(S.C. Johnson Co.社)、TRUDOT(登録商標)(Mead Westvaco Co.社)、及びVANCRYL(登録商標)(Air Products and Chemicals, Co.社)の商標で市販されているものを含む。
更に、改質ポリシロキサンが水性顔料ベースのインク中に存在してもよい。そのような材料の例は、SILWET(登録商標)(CL Witco社)、並びにBYK(登録商標)(Byk Chemie社)、例えばBYK(登録商標)348及び381、並びにDow Corning DC67、DC57、DC28、DC500W、及びDC51の商標で商業的に入手可能なエトキシル化又はプロポキシル化シリコーンベース「界面活性剤」である。また、これらに限定されないが、アニオン性、カチオン性、非イオン性又は両性界面活性剤、例えばSURFYNOL(登録商標)440及び465アルキンジオール界面活性剤を含むSURFYNOL(登録商標)界面活性剤(Air Products社)として市販されているものを含む非シリコーン界面活性剤もまた使用され得る。
無色蛍光着色剤(染料又は顔料)もまた水性顔料ベースのインク中に存在してもよく、そのような化合物の例は、米国特許出願公開第2014/231674号(Cook)に記載されている。
当業者に容易に明らかな量で水性顔料ベースのインク中に存在してもよい他の添加剤は、これらに限定されないが、増粘剤、導電性促進剤、乾燥剤、耐水剤、粘度調整剤、pH緩衝剤、泡防止剤、湿潤剤、腐食防止剤、殺生物剤、殺菌剤、消泡剤(例えばSURFYNOL(登録商標)DF110L、PC、MD-20、及びDF-70)、UV線吸収剤、酸化防止剤、並びにTINUVIN(登録商標)(Ciba社)及びIRGANOX(登録商標)(Ciba社)の商標で入手可能な光安定剤、並びに米国特許第8,455,570号(上述)の第17欄(11〜36行目)に記載の他の添加剤を含む。
水は一般に、水性顔料ベースのインクの総質量に対して少なくとも75質量%又は少なくとも80質量%、及び一般には90質量%以下の量で各水性顔料ベースのインク中に存在する。
各水性顔料ベースのインクのpHは、所望により、少なくとも8〜12以下(12を含む)、又はより有望には少なくとも8〜10以下(10を含む)、又はいくつかの実施形態において少なくとも8〜9.5以下(9.5を含む)に調整され得る。pHは、適切な量の水酸化物又は有機アミン等の任意の適切な塩基を使用して達成され得る。当業者に容易に明らかなように、米国特許第8,455,570号(上述)の第17〜19欄に従い、所望のpHを維持するために緩衝剤が含まれてもよい。
本発明に従い有用な様々な水性顔料ベースのインクは、個々に、又は同じインクジェット印刷装置での使用に設計され得るインクセットの成分として供給され得る。
インクジェット印刷物品
本発明に従って調製されるインクジェット印刷物品は、(上述のように)トップコート層が上に形成された(上述のような)基板を含み、トップコート層上には、少なくとも水ベースのインクジェット印刷画像又は層がインクジェット印刷により配置されている。上述のように、そのようなインクジェット印刷画像又は層は、モノクロ(単色)若しくは多色であってもよく、又は更には無色であってもよく、或いは、無色画像又は層がモノクロ又は多色インクジェット印刷画像上に形成されてもよい。
いくつかの実施形態において(例えば図3に示されるように)、インクジェット印刷物品30は、水不透過性支持体310及びその上に配置された第1の層320(これは水ベースのタイ層組成物を有し得る)で構成される基板300と;第1の層320上に配置されたトップコート層330と;トップコート層330上に配置された水ベースインクのジェット印刷画像又は層340と、水ベースインクのジェット印刷画像又は層340上に配置された印刷後機能層(post-print functional layer)350とを備えてもよく、印刷後機能層350は、不透明白色層、透明保護層、又は任意選択でそれに接着された保護層を有し得る接着剤層であってもよい。
例えば、特に基板が透明又は透光性である場合、得られるインクジェット印刷物品に所望の不透明度を提供するために、不透明白色層が存在してもよい。Sun Chemical Corporation社によりBianco Base 100として販売されている水ベースの白色フレキソインク組成物、及びFlint Group Water HMJ 90104を含む、任意の公知の不透明な水ベースの印刷後隠蔽層組成物が使用され得る。隠蔽層を提供するために、ポリウレタンラテックス結合剤を含むインクであるSun Chemical Corporation社製のWB MSQUARED(商標)水ベースの白色インク等の任意の市販の水ベースのラテックス塗料が使用され得る。
透明保護層は、インクジェット印刷物品を環境並びに物理的損傷及び応力から保護し、耐摩耗性、指紋に対する抵抗性、及び剥離耐性を提供するために使用され得る。そのような透明保護層は、米国特許出願公開第2018/0051184(上述)に記載のように提供され得る。更に、Haut Brilliant 17-604327-7(Siegwerk社)及びMicheal Huber Munchen 877801 Varnish Anticurling等の公知の水ベースのオーバープリントニスが使用され得る。
接着剤層は、特に、処理、コーティング又は印刷された層に別個のフィルム又は紙層を結合することが望ましい可撓性ラミネート包装等の用途で接着を提供するために提供され得る。そのような接着剤層に有用な水ベースの接着剤の有用な例は、これらに限定されないが、Dow Chemical CR 9-101等の架橋剤と組み合わせて使用され得るDow Chemical ROBOND(商標)アクリル接着剤L90M、L0148、及びL330を含む。別の選択肢は、Dow Chemical CR 7-103架橋剤と組み合わせて使用されるDow Chemical AQUALAM(商標)ポリウレタン水ベースの接着剤である。
特定の機能を有する印刷後機能層が上で別個に記載されているが、2つ以上の機能を単一の印刷後機能層に組み合わせることも可能である。そのような組合せは、例えば、米国特許第9,376,582号(上述)の第18欄(24〜37行目)に記載されている。更に、当業者に容易に明らかであるように他の印刷後機能層が可能であるため、本明細書における印刷後機能層の記載は、例示的であり限定的ではないことを意図している。
印刷後機能層350が存在し、水ベースである場合、これは、公知のコーティング及びデジタル堆積プロセスを含む、第1の層320及びトップコート層330を適用又は形成するための上述の方法のいずれかを使用して適用又は形成され得る。例えば、印刷後機能層350は、処理、コーティング及びインクジェット印刷された物品の表面全体にわたるフラッドコーティングとして適用され得るか、又はパターン様式若しくは画像様式で適用され得る。印刷後機能層350が溶媒不含である場合、これは、溶融押出しプロセスを用いて適用されてもよく、溶融又は粘凋性の無溶媒組成物が、乾燥した水ベースのインクジェット印刷画像又は層340の表面上に連続層として押し出される。溶融押出し後、印刷後機能層350は、接着を改善するために熱及び圧力を使用して更に処理され、続いて冷却され得る。いくつかの実施形態において、無溶媒組成物は、連続的な保護印刷後機能層が熱又は圧力を使用してラミネートされる接着剤として機能することが意図される2成分反応性組成物であってもよい。
いくつかの他の実施形態において、本発明によるインクジェット印刷物品は、図3に例示されるものと比較して構造がより単純である(図示せず)。そのような実施形態において、水ベースのインクジェット印刷画像又は層340は、トップコート層330上に直接配置される。したがって、第1の層320は省略される。印刷後機能層350は、そのような実施形態において存在してもよく、又は省略されてもよい。
インクジェット受容媒体及び得られるインクジェット印刷物品の他の有用な実施形態は、本教示を使用して当業者により考案され得る。
本発明は、少なくとも以下の実施形態及びそれらの組合せを提供するが、本開示の教示から当業者により理解されるように、特徴の他の組合せも本発明の範囲内であるとみなされる。
1. インクジェット印刷する前に基板を前処理するための水性組成物であって、
(a)多価金属カチオンの1種又は複数種の水溶性塩と;
(b)R90以下のロックウェル硬さを有する複合粒子であって、それぞれ(i)第1の有機ポリマーのドメイン及び(ii)第2の有機ポリマーのドメインを含む複合粒子と
を含み、
(ii)第2の有機ポリマーのドメインが、(i)第1の有機ポリマーのドメイン内に分散し;
(i)第1の有機ポリマーの融点が、(ii)第2の有機ポリマーの融点より低く;
(i)第1の有機ポリマーの(ii)第2の有機ポリマーに対する質量比が、(b)複合粒子が少なくとも1.0g/ml〜1.5g/ml以下(1.5g/mlを含む)の密度を有するように選択される、水性組成物。
2. 複合粒子が、少なくとも1.05g/ml〜1.35g/ml以下(1.35g/mlを含む)の密度を有する、実施形態1の水性組成物。
3. 複合粒子が、少なくとも1.05g/ml〜1.20g/ml以下(1.20g/mlを含む)の密度を有する、実施形態1又は2の水性組成物。
4. (b)複合粒子が、R75以下のロックウェル硬さを有する、実施形態1から3のいずれか1つの水性組成物。
5. (b)複合粒子が、少なくとも2μm〜12μm以下(12μmを含む)の平均球相当径(ESD)粒径を有する、実施形態1から4のいずれか1つの水性組成物。
6. (b)複合粒子が、ポリ(テトラフルオロエチレン)を含む(ii)第2の有機ポリマーのドメイン、及びポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビスステアラミド、カルナウバワックス、合成炭化水素ワックス、ポリアミド、エチレン-プロピレンコポリマー、又はこれらの材料の2種以上の組合せである(i)第1の有機ポリマーのドメインを含む、実施形態1から5のいずれか1つの水性組成物。
7. ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアミン、ビニルアルコール及びエチレンオキシドから得られるコポリマー、ビニルアルコール及びビニルアミンから得られるコポリマー、ポリ(ビニルピロリドン)、セルロース又はその誘導体、ゼラチン又はその誘導体、架橋性親水性結合剤ポリマー、カチオン性高分子電解質、ポリウレタン、又はシラノール改質ポリ(ビニルアルコール)である、(c)水溶性又は水分散性結合剤材料を更に含み、これらは全て化学組成が(b)複合粒子とは異なる、実施形態1から6のいずれか1つの水性組成物。
8. (a)多価金属カチオンの1種又は複数種の水溶性塩とは異なり、かつ(b)複合粒子とは異なる(d)有機又は無機粒子を更に含む、実施形態1から7のいずれか1つの水性組成物。
9. (d)有機又は無機粒子が、シリカを含む、実施形態8の水性組成物。
10. (a)多価金属カチオンの1種又は複数種の水溶性塩が、マグネシウム(+2)、カルシウム(+2)、バリウム(+2)、亜鉛(+2)、又はアルミニウム(+3)であるカチオンを含む、実施形態1から9のいずれか1つの水性組成物。
11. (a)多価金属カチオンの1種又は複数種の水溶性塩が、CaCl2、Ca(CH3CO2)2、MgCl2、Mg(CH3CO2)2、Ca(NO3)2若しくはMg(NO3)2、又はこれらの塩の水和型の1つ又は複数を含む、実施形態1から10のいずれか1つの水性組成物。
12. (a)多価金属カチオンの1種又は複数種の水溶性塩が、少なくとも0.6%〜49%以下(49%を含む)の固形分を提供する量で存在する、実施形態1から11のいずれか1つの水性組成物。
13. (b)複合粒子が、少なくとも0.02%〜5%以下(5%を含む)の固形分の量で存在する、実施形態1から12のいずれか1つの水性組成物。
14. 少なくとも2%〜50%以下(50%を含む)の固形分を有する、実施形態1から13のいずれか1つの水性組成物。
15. 全溶媒の総質量に対して少なくとも80質量%の水を含む水性媒体を含む、実施形態1から14のいずれか1つの水性組成物。
16. 落球式粘度計を用いて測定した場合、25℃で50センチポアズ(50mPa-sec)未満の粘度を有する、実施形態1から15のいずれか1つの水性組成物。
17. インクジェット受容媒体を提供するための方法であって、
実施形態1から16のいずれか1つの水性組成物を、基板の少なくとも1つの表面上に配置して、トップコート層を提供する工程
を含む方法。
18. 基板が、水性組成物の配置前に疎水性表面を備え、疎水性表面は、水又は水性インク組成物に対して不透過性であり、トップコート層は、基板の疎水性表面に対して親水性の表面を提供する、実施形態17の方法。
19. トップコート層が、少なくとも0.1g/m2〜10g/m2以下(10g/m2を含む)の乾燥固体コーティング質量を有する、実施形態17又は18の方法。
20. (a)多価金属カチオンの1種又は複数種の水溶性塩が、トップコート層中に少なくとも0.6%〜49%以下(49%を含む)の固形分を提供する量で水性組成物中に存在する、実施形態17から19のいずれか1つの方法。
21. (a)多価金属カチオンの1種又は複数種の水溶性塩が、少なくとも10質量%〜98質量%以下(98質量%を含む)の量でトップコート層中に存在する、実施形態17から20のいずれか1つの方法。
22. (b)複合粒子が、得られるトップコート層中に少なくとも0.2質量%〜30質量%以下(30質量%を含む)の量で存在する、実施形態17から21のいずれか1つの方法。
23. 基板が、その上にトップコート層が提供される前に、水性インク着色剤を基板内部に吸収及び移動させることができる、実施形態17から22のいずれか1つの方法。
24. 基板が、水不透過性支持体を備え、方法が、水不透過性支持体の少なくとも1つの表面上に第1の層を形成する工程と、次いで第1の層上に水性組成物を配置する工程とを更に含む、実施形態17から22のいずれか1つの方法。
25. 水不透過性支持体が、ポリマーフィルム、又は2つの更なるポリマーフィルムの共押出物若しくはラミネートを含む、実施形態17から24のいずれか1つの方法。
26. 第1の層が、ポリビニルアルコール、ポリビニルアミン、ビニルアルコール及びビニルアミンから得られるコポリマー、ゼラチン又はゼラチン誘導体、ポリ(エチレンイミン)、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリアクリルアミド、又はそれらの誘導体若しくはコポリマー、又はそれらの混合物を含む、実施形態24の方法。
27. 少なくとも第1の副層、及び第1の副層上に配置された第2の副層を有する第1の層を形成する工程を含み、第1の副層が、酸性化アミノエチル化ビニルポリマーで改質されたポリ(エチレンイミン)及びエポキシ樹脂を含み、第2の副層が、架橋ポリビニルアルコールを含む、実施形態24又は26の方法。
28. 実施形態17から27のいずれか1つの方法を使用して得られるインクジェット受容媒体。
29. インクジェット印刷するための方法であって、
A)実施形態28のインクジェット受容媒体を提供する工程と;
B)トップコート層上に1つ又は複数の水性顔料ベースのインクをインクジェット印刷して、顔料ベースの画像又は層を提供する工程と
を順番に含む方法。
30. 1つ又は複数の水性顔料ベースのインクが、シアン顔料、マゼンタ顔料、黄色顔料、黒色顔料、緑色顔料、橙色顔料、白色顔料、赤色顔料、青色顔料、紫色顔料、及びこれらの顔料のいずれかの組合せから選択される1つ又は複数の顔料を含む、実施形態29の方法。
31. 1つ又は複数の水性顔料ベースのインクが、アニオン性ポリウレタン、保湿剤、酸性アクリルポリマー、酸性スチレン-アクリルポリマー、又はこれらの材料の任意の組合せを独立して含む、実施形態29又は30の方法。
32. 水性無色インク組成物を顔料ベースの画像又は層に適用する工程を更に含む、実施形態29から31のいずれか1つの方法。
33. 電気信号に応答するインクジェット堆積システムを使用して、1つ又は複数の水性顔料ベースのインクをトップコート層上に印刷して、顔料ベースの画像を所定のパターンで提供する工程を含む、実施形態29から32のいずれか1つの方法。
34. 1つ又は複数の水性顔料ベースのインクのそれぞれが、各主要流体供給部から連続ストリームとして供給され、連続ストリームのそれぞれは、印刷用液滴及び非印刷用液滴の両方に分割され、
各連続ストリームからの非印刷用液滴が回収され、各主要流体供給部に返送される、実施形態29から33のいずれか1つの方法。
35. 1つ又は複数の水性顔料ベースのインクのそれぞれが、落球式粘度計を用いて25℃で3センチポアズ(3mPa-sec)以下の粘度を有する、実施形態29から34のいずれか1つの方法。
36. 実施形態29から35のいずれか1つの方法により提供されるインクジェット印刷物品。
以下の実施例は、本発明の実践を例示するために示され、いかなる形でも限定を意図しない。
ワックス分散体調製:
MICROSPERSION(登録商標)EZ界面活性剤(Micro Powders, Inc.社の特許品)及びAIRASE(登録商標)4655消泡剤(Evonik Corporation社)を使用して、様々な乾燥粉末ワックス(Micro Powders, Inc.社から入手)のワックス分散体を調製した。
各乾燥粉末ワックスをまず水に分散させ、以下に示される配合物1に従う25質量%の分散体を作製した。次いで、2200rpmに設定された低乱流ディスク撹拌機を30分にわたり使用して、乾燥粉末ワックス分散体を他の成分に徐々に加えた。次いで、高剪断ロトステーター(rotostator)を5500rpmで20分間使用し、8.6m/秒のチップ速度を達成して、得られたワックス分散体を混合した。
配合物1:
43.65gの蒸留水;
1.20gのMICROSPERSION(登録商標)EZ界面活性剤;
0.15gのAIRASE(登録商標)4655消泡剤;及び
15.00gの乾燥粉末ワックス。
調製したワックス分散体を以下の表Iに記載する。ワックスを含まない対照試料1.11の場合、示された配合物1中の乾燥粉末ワックスの量は、等しい質量の蒸留水で置き換えた。
Figure 2021535000
水性組成物の調製:
以下の表IIに示される水性組成物の調製のために、表Iの様々な試料と共に以下の成分を使用した:ポリ(ビニルアルコール)(PVA)Z-320ポリマー(日本合成化学工業社);無水塩化カルシウム(Occidental Chemical Corporation社);CARBOWET(登録商標)106及びSURFYNOL(登録商標)104PA(Evonik Industries AG社)。
各水性組成物を、後述の配合物2に従って調製した(合計100g)。磁気撹拌棒を用い、ホットプレート上で混合を達成した。まず蒸留水及びPVA Z-320ポリマーを室温で混合し、次いで1時間80℃に加熱してPVAを溶解した。次いで温度を50℃まで下げ、この時点で塩化カルシウムを添加し、15分間混合した。温度を室温まで下げ、表Iの様々な試料を加え、1時間撹拌した。CARBOWET(登録商標)106を加えて15分間混合し、次いでSURFYNOL(登録商標)104PAを加えて更に30分間混合した。
水性組成物2.12及び2.13の場合、単一試料の代わりに2種類のワックス分散体試料A及びBを表IIに示されるパーセンテージで加えた。試料1.11の使用と共にワックスを含んでいなかった組成物2.11を除き、水性組成物は全て同じ合計質量の分散ワックス粒子を含んでいた。各水性組成物の表面張力を測定し、それらは全て平均表面張力の0.2ダイン/cm以内であることが判明した。粘度の差も測定分解能の範囲内で最小限であった。
配合物2:
84.68gの蒸留水;
3.72gのPVA Z-320;
8.27gの無水塩化カルシウム;
2.89gの表Iからの試料;
0.15gのCARBOWET(登録商標)106界面活性剤;及び
0.30gのSURFYNOL(登録商標)104PA消泡剤。
Figure 2021535000
インクジェット印刷性能に関する水性組成物の評価:
実験室規模のリバースグラビアコーティング機を使用して、表IIに示される水性組成物のそれぞれを基板としてのKemiart Graph紙にコーティングし、インクジェット受容媒体にトップコート層を提供したが、トップコート層は約0.5g/m2の乾燥レイダウンを有していた。KODAK(登録商標)Prosper連続インクジェットパイロットプリンタを使用して、得られたインクジェット受容媒体の試料をインクジェット印刷した。Spectrolino濃度計を用いてステップウェッジ画像を測定したが、インクジェット印刷された黒色及びシアン原色に対して達成された最大濃度(Dmax)を、以下の表IIIに報告する。更に、Quality Engineering Associates社製のPIAS-IIデバイスを使用して、インクジェット印刷されたシアン画像を分析した。37μmタイルサイズで粒状性を測定し、411-タイルサイズを使用して斑点を測定した。両方の場合において、CIELAB輝度(明度)チャネル(L*)における最大読取値もまた表IIIに報告する。
表III中のデータは、全ての水性組成物及び得られたトップコート層が、濃度及び画質に関して同様の性能を示したことを示しているが、これは、それらが全て、インクが紙基板に衝突した際のインク中の顔料の固定を左右する塩化カルシウム及びPVAを同量含んでいたためである。表III中の最後の行は、紙基板にいかなる水性組成物も適用せずに生成された印刷画像を表し、結果は、トップコート層を形成するために紙基板が水性組成物で前処理された場合に生成されたインクジェット印刷画像に比べて性能が低いことを明確に示している。
Figure 2021535000
Kemiart Graph紙上の水性組成物の乾燥摩擦性能:
上述のように画像をインクジェット印刷して、水性組成物及び得られたトップコート層を乾燥摩擦耐性に関して評価した。試験パッチの6つは、水ベースの黄色、シアン及びマゼンタ原色の上、並びに赤色、緑色及び青色二次色の上に、100%の最大インク被覆率で印刷された水ベースの黒色顔料インクを含んでいた。下地の色はそれぞれ、100%の最大インク被覆率で印刷された。Sutherland摩擦試験機を使用して、パッチのそれぞれを、4-lbm(1.82kg)の荷重下、2”×4”(5cm×10cm)のボンド紙片で10回の前後サイクルで擦った。12の摩耗パッチのそれぞれの%濃度変化を測定することにより、乾燥摩擦耐性を特性評価し、次いで全パッチに対して平均化した。数値がゼロにより近い程、より良好な乾燥摩擦性能を表す。測定ノイズのため、パッチのいくつかはわずかな正の濃度変化を記録する場合があった。ほとんどの場合において、インクの摩耗は、以下の表IVにおいて負の濃度変化で示される濃度損失をもたらした。
これらの結果は、試料4.10を除く全ての試料が良好な乾燥摩擦耐性(1%未満の濃度変化)を有していたことを示す。ワックスを含まない試料4.11は、低い乾燥摩擦性能を示し、結果は、トップコート層を有さない紙支持体上に印刷を行った試料4.14の結果とほぼ同等であった。試料4.10は、中間レベルの乾燥摩擦耐性を示したが、これはおそらくトップコート層に高密度のワックス粒子が使用されたためであった。ワックス粒子を含む水性組成物は全て等しい質量のワックスを含んでいたため、試料4.10に使用された水性組成物は必然的により少ない数のワックス粒子を含んでいたことになる。
Figure 2021535000
コーティング流体の沈降性能:
重力の影響下でより長期間にわたり生じる沈降を加速するために、遠心分離法により上述の水性組成物を沈降に関して評価した。ワックス粒子は、水性組成物中で浮遊する、沈下する、又は中立浮力を有することが推測される。コーティング流体密度は、多価カチオンの溶解した水溶性塩のために、水より高密度であり、1.06g/mlと測定された。
加速沈下は、12.8cmのハーフチューブ回転半径(half-tube spinning radius)を有する遠心分離機で、830rpmで30分間行った。結果を以下の表Vに要約する。「構造化」として列挙された表面固形分は、より高い粘度をもたらし、浮遊泡等の層の完全性に起因して混合に抵抗した。「流体」として観察された表面固形分は、より低い粘度をもたらし、最小限の撹拌でその下の流体中に容易に混合された。「軟質」として記載される底部固形分は緩く、撹拌によって容易に流動化した。「高密度」として列挙された底部固形分はチューブに貼り付き、強い撹拌でも分散に抵抗した。水性組成物中にまだ懸濁している固形分を記載するために、溶液濁度を用いた。「階層化」として列挙された試料は、チューブの底部近くに、チューブ内の流体の残りの部分よりクリアな(より濁りのない)領域を有していた。表V中のデータは、本発明に従い設計された水性組成物の利点を明確に示している。これらの水性組成物は、ベース流体(ほとんど水を含む)の密度と同様の、又はそれより若干高い密度を有するワックスを含み、浮遊粒子及び沈下粒子は両方とも、穏やかな撹拌下で容易に再分散された。比較水性組成物は、ワックス及びワックスの混合物を含み(試料5.12及び5.13)、構造化した浮遊泡、密に凝塊化した沈下固形分、又はその両方を示した。
Figure 2021535000
分散体の粒径:
体積加重分布を生成するために静的光技術を利用するHoriba Particle Size Distribution Analyzer LA-920(Horiba Semiconductor社)を使用して、粒径分布を得た。機器のインジケータにより表示される限界内の適切な量の光散乱が得られるように、各粒子試料を超純水で希釈した。存在し得るいかなる集約も最小限にするために機器内の低レベルの超音波を用いて、それぞれの得られた分散試料を分析した。結果を、以下の表VIに「決定」された中央(若しくは平均)粒径又は製造者による粒径として報告するが、粒径は、μmでの平均球相当径(又はESD)を単位として定義される。試料6.11は、ワックスを含まないが、MICROSPERSION(登録商標)EZ界面活性剤(Micro Powders, Inc.社の特許品)及びAIRASE(登録商標)4655消泡剤(Evonik Corporation社)の水中エマルジョンからなる粒子を含んでいた。上述のように、これらの分散体に使用された乾燥粉末は、Micro Powders, Inc.社から入手した。
Figure 2021535000
10 インクジェット受容媒体
20 インクジェット記録媒体
30 インクジェット印刷物品
100 基板
110 トップコート層
200 支持体
210 第1の層
215 基板
220 トップコート層
300 基板
310 水不透過性支持体
320 第1の層
330 トップコート層
340 水ベースのインクジェット印刷画像又は層
350 印刷後機能層

Claims (36)

  1. インクジェット印刷する前に基板を前処理するための水性組成物であって、
    (a)多価金属カチオンの1種又は複数種の水溶性塩と;
    (b)R90以下のロックウェル硬さを有する複合粒子であって、それぞれ(i)第1の有機ポリマーのドメイン及び(ii)第2の有機ポリマーのドメインを含む複合粒子と
    を含み、
    (ii)第2の有機ポリマーのドメインが、(i)第1の有機ポリマーのドメイン内に分散し;
    (i)第1の有機ポリマーの融点が、(ii)第2の有機ポリマーの融点より低く;
    (i)第1の有機ポリマーの(ii)第2の有機ポリマーに対する質量比が、(b)複合粒子が少なくとも1.0g/ml〜1.5g/ml以下(1.5g/mlを含む)の密度を有するように選択される、
    水性組成物。
  2. 前記複合粒子が、少なくとも1.05g/ml〜1.35g/ml以下(1.35g/mlを含む)の密度を有する、請求項1に記載の水性組成物。
  3. 前記複合粒子が、少なくとも1.05g/ml〜1.20g/ml以下(1.20g/mlを含む)の密度を有する、請求項1又は2に記載の水性組成物。
  4. (b)複合粒子が、R75以下のロックウェル硬さを有する、請求項1から3のいずれか一項に記載の水性組成物。
  5. (b)複合粒子が、少なくとも2μm〜12μm以下(12μmを含む)の平均球相当径(ESD)粒径を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の水性組成物。
  6. (b)複合粒子が、ポリ(テトラフルオロエチレン)を含む(ii)第2の有機ポリマーのドメイン、及びポリエチレン、ポリプロピレン、エチレンビスステアラミド、カルナウバワックス、合成炭化水素ワックス、ポリアミド、エチレン-プロピレンコポリマー、又はこれらの材料の2種以上の組合せである(i)第1の有機ポリマーのドメインを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の水性組成物。
  7. ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、ポリビニルアミン、ビニルアルコール及びエチレンオキシドから得られるコポリマー、ビニルアルコール及びビニルアミンから得られるコポリマー、ポリ(ビニルピロリドン)、セルロース又はその誘導体、ゼラチン又はその誘導体、架橋性親水性結合剤ポリマー、カチオン性高分子電解質、ポリウレタン、又はシラノール改質ポリ(ビニルアルコール)である、(c)水溶性又は水分散性結合剤材料を更に含み、これらは全て化学組成が(b)複合粒子とは異なる、請求項1から6のいずれか一項に記載の水性組成物。
  8. (a)多価金属カチオンの1種又は複数種の水溶性塩とは異なり、かつ(b)複合粒子とは異なる、(d)有機又は無機粒子を更に含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の水性組成物。
  9. (d)有機又は無機粒子が、シリカを含む、請求項8に記載の水性組成物。
  10. (a)多価金属カチオンの1種又は複数種の水溶性塩が、マグネシウム(+2)、カルシウム(+2)、バリウム(+2)、亜鉛(+2)、又はアルミニウム(+3)であるカチオンを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の水性組成物。
  11. (a)多価金属カチオンの1種又は複数種の水溶性塩が、CaCl2、Ca(CH3CO2)2、MgCl2、Mg(CH3CO2)2、Ca(NO3)2若しくはMg(NO3)2、又はこれらの塩の水和型の1つ又は複数を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の水性組成物。
  12. (a)多価金属カチオンの1種又は複数種の水溶性塩が、少なくとも0.6%〜49%以下(49%を含む)の固形分を提供する量で存在する、請求項1から11のいずれか一項に記載の水性組成物。
  13. (b)複合粒子が、少なくとも0.02%〜5%以下(5%を含む)の固形分の量で存在する、請求項1から12のいずれか一項に記載の水性組成物。
  14. 少なくとも2%〜50%以下(50%を含む)の固形分を有する、請求項1から13のいずれか一項に記載の水性組成物。
  15. 全溶媒の総質量に対して少なくとも80質量%の水を含む水性媒体を含む、請求項1から14のいずれか一項に記載の水性組成物。
  16. 落球式粘度計を用いて測定した場合、25℃で50センチポアズ(50mPa-sec)未満の粘度を有する、請求項1から15のいずれか一項に記載の水性組成物。
  17. インクジェット受容媒体を提供するための方法であって、
    請求項1から16のいずれか一項に記載の水性組成物を、基板の少なくとも1つの表面上に配置して、トップコート層を提供する工程
    を含む、方法。
  18. 前記基板が、水性組成物の配置前に疎水性表面を備え、疎水性表面は、水又は水性インク組成物に対して不透過性であり、前記トップコート層は、基板の疎水性表面に対して親水性の表面を提供する、請求項17に記載の方法。
  19. 前記トップコート層が、少なくとも0.1g/m2〜10g/m2以下(10g/m2を含む)の乾燥固形分コーティング質量を有する、請求項17又は18に記載の方法。
  20. (a)多価金属カチオンの1種又は複数種の水溶性塩が、前記トップコート層中に少なくとも0.6%〜49%以下(49%を含む)の固形分を提供する量で水性組成物中に存在する、請求項17から19のいずれか一項に記載の方法。
  21. (a)多価金属カチオンの1種又は複数種の水溶性塩が、少なくとも10質量%〜98質量%以下(98質量%を含む)の量で前記トップコート層中に存在する、請求項17から20のいずれか一項に記載の方法。
  22. (b)複合粒子が、得られるトップコート層中に少なくとも0.2質量%〜30質量%以下(30質量%を含む)の量で存在する、請求項17から21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記基板が、その上にトップコート層が提供される前に、水性インク着色剤を基板内部に吸収及び移動させることができる、請求項17から22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記基板が、水不透過性支持体を備え、前記方法が、前記水不透過性支持体の少なくとも1つの表面上に第1の層を形成する工程と、次いで第1の層上に水性組成物を配置する工程とを更に含む、請求項17から22のいずれか一項に記載の方法。
  25. 水不透過性支持体が、ポリマーフィルム、又は2つ以上のポリマーフィルムの共押出物若しくはラミネートを含む、請求項17から24のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記第1の層が、ポリビニルアルコール、ポリビニルアミン、ビニルアルコール及びビニルアミンから得られるコポリマー、ゼラチン又はゼラチン誘導体、ポリ(エチレンイミン)、エポキシ樹脂、ポリウレタン、ポリアクリルアミド、又はそれらの誘導体若しくはコポリマー、又はそれらの混合物を含む、請求項24に記載の方法。
  27. 少なくとも第1の副層、及び第1の副層上に配置された第2の副層を有する第1の層を形成する工程を含み、第1の副層が、酸性化アミノエチル化ビニルポリマーで改質されたポリ(エチレンイミン)及びエポキシ樹脂を含み、第2の副層が、架橋ポリビニルアルコールを含む、請求項24又は26に記載の方法。
  28. 請求項17から27のいずれか一項に記載の方法を使用して得られるインクジェット受容媒体。
  29. インクジェット印刷するための方法であって、
    A)請求項28に記載のインクジェット受容媒体を提供する工程と;
    B)トップコート層上に1つ又は複数の水性顔料ベースのインクをインクジェット印刷して、顔料ベースの画像又は層を提供する工程と
    を順番に含む方法。
  30. 前記1つ又は複数の水性顔料ベースのインクが、シアン顔料、マゼンタ顔料、黄色顔料、黒色顔料、緑色顔料、橙色顔料、白色顔料、赤色顔料、青色顔料、紫色顔料、及びこれらの顔料のいずれかの組合せから選択される1つ又は複数の顔料を含む、請求項29に記載の方法。
  31. 前記1つ又は複数の水性顔料ベースのインクが、アニオン性ポリウレタン、保湿剤、酸性アクリルポリマー、酸性スチレン-アクリルポリマー、又はこれらの材料の任意の組合せを独立して含む、請求項29又は30に記載の方法。
  32. 水性無色インク組成物を顔料ベースの画像又は層に適用する工程を更に含む、請求項29から31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 電気信号に応答するインクジェット堆積システムを使用して、1つ又は複数の水性顔料ベースのインクをトップコート層上に印刷して、顔料ベースの画像を所定のパターンで提供する工程を含む、請求項29から32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記1つ又は複数の水性顔料ベースのインクのそれぞれが、各主要流体供給部から連続ストリームとして供給され、連続ストリームのそれぞれが、印刷用液滴及び非印刷用液滴の両方に分割され、
    各連続ストリームからの非印刷用液滴が回収され、各主要流体供給部に返送される、実施形態29から33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 前記1つ又は複数の水性顔料ベースのインクのそれぞれが、落球式粘度計を用いて25℃で3センチポアズ(3mPa-sec)以下の粘度を有する、請求項29から34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 請求項29から35のいずれか一項に記載の方法により提供されるインクジェット印刷物品。
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