JP2015517413A - インクジェット印刷のためのインクジェット受容媒体及び前処理組成物 - Google Patents
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Abstract
インクジェット印刷前に基板を前処理するための被覆組成物、及び基板を含み、その上に被覆された最上層を有するインクジェット受容媒体、ここで該被覆組成物は、少なくとも30重量%の1種又は複数の多価金属カチオンの水溶性塩と、R90未満のロックウェル硬さを有するポリマーで主に構成され、少なくとも約2μmのモード球相当径を有する粒子とを含む固形分を有する。被覆されると、組成物は、少なくとも0.01g/m2のR90未満のロックウェル硬さを有するポリマーで主に構成され、i)少なくとも約2μm及びii)最上層の最小被覆厚さよりも少なくとも0.1μm大きい球相当径を有する粒子を提供する。
Description
本発明はインクジェット印刷に分野に関する。特に、本発明は、顔料系インクで印刷されるインクジェット印刷の品質を増強するためにレシーバーに塗布される組成物、このような組成物で処理したインクジェット記録媒体、ならびにこのような媒体を使用する印刷システム及び方法に関する。
本発明は、一部は、水性インクジェット用インクを用いて光沢又は半光沢塗工紙に印刷する課題を克服することに関する。この種の現在利用可能な塗工紙は、長年にわたって、オフセット平版印刷等の従来のアナログ印刷技術と適合性となるよう設計されてきており、「オフセット用紙」と呼ばれ得る。オフセット印刷法に使用される印刷インクは、典型的には極めて高固体であり、溶媒は典型的には非水性である。結果として、光沢及び半光沢オフセット印刷用紙、例えば、雑誌及び通信販売カタログ用に使用されるものを製造するために現在使用されている被覆は、耐吸水性となるように意図的に設計されている。実際、これらの用紙をその多孔性及び/又は浸透性に関する標準試験により特徴づけると、これらの用紙は典型的な非塗工紙よりもはるかに浸透性が低いことが分かった。
平版印刷インクと対照的に、インクジェット用インクは、低粘度、低固体及び水性溶媒により特徴づけられる。このような塗工オフセット用紙を担体溶媒として90〜95%もの水を含むインクジェット用インクを用いて印刷すると、インクは被覆及び/又は下にある紙基板に浸透するよりむしろ被覆の表面上にとどまる傾向を有する。
耐水性レシーバー上に印刷されたインクは、被覆又は紙への水の有意な浸透又は吸収なしに、主に水の蒸発により乾燥しなければならないので、いくつかの課題に直面する。1つのこのような課題は、個々のインク液滴が被覆の表面を側方に横切ってゆっくり広がり、最終的に隣接するインク液滴に接触し、合体することである。このことにより、「合体」又は「パドリング(puddling)」として知られている視覚的画質の乱れが引き起こされる。インクがあまりにゆっくり乾燥する場合に遭遇する別の課題は、2種の異なる色のインクを隣同士に印刷する、例えば、黒色テキストを黄色インクでハイライトする又は囲むと、2つの色が互いににじんで、「色間のにじみ(intercolor bleed)」として知られている欠点をもたらす傾向があることである。更に別の課題は、枚葉印刷法又はロール・ツー・ロール印刷法のいずれかで高速で印刷すると、印刷画像が未印刷表面と接触する十分前に乾燥せず、インクが印刷領域から未印刷表面へ運ばれて「インク転移」をもたらすことである。
光沢オフセット用紙と対照的に、オフセット平版印刷用のいくつかの塗工紙は、極めて多孔質のマット面を有する。高固体平版印刷インクはこの表面上に残るが、他方、水性インクジェット用インクの着色剤は紙に深く吸収されて、光学濃度の実質的損失及び結果として、色域の減少をもたらす傾向がある。
近年、高速中容量印刷に適した、連続インクジェット印刷法を含む高速インクジェット印刷法が開発されており、商業印刷業界の興味の対象になっている。商業的オフセット用紙は大量製造されるので、規模の経済性の利点を活かすために、このようなオフセット用紙自体を商業的インクジェット印刷目的のために使用することができることが好ましいだろう。しかしながら、上に論じたいくつかの理由のために、オフセット平版印刷用の基板の標準的調製が、これらを、水性インクジェット用インクを用いた印刷に不適にしている。したがって、標準的平版印刷等級のオフセット用紙の馴染みのある見た目及び感じならびに経済的コストを提供するインクジェット印刷可能なレシーバーが必要とされている。
商業印刷業界の要件には、特に、高い光学濃度に関する画質、広い色域、シャープなディテール、ならびに合体、スミアリング、フェザリング等の課題が最小であることが含まれる。操作上、印刷法は、低環境影響、低エネルギー消費、急速乾燥等に取り組んでいる。得られる印刷は、乾燥したら又は湿っていても耐久性、耐摩耗を示さなければならない。
光沢平版印刷オフセット用紙の耐水性被覆を単に省略するだけでは、高品質インクジェット印刷は可能にならない。非塗工紙は、表面にインク着色剤を維持しないが、着色剤の紙内部への有意な浸透を許し、光学濃度の損失及び低品質画像をもたらす。更に、紙の不均質な性質のためにインクが紙に不均一に浸透し、斑を引き起こし、これが画像を更に低下させる。
多孔質及び/又はインク浸透性の比較的高いレイダウンインク受容層を組み込んだデスクトップ型消費者向け印刷システムのための極めて高品質の写真用紙が開発されている。しかしながら、このような塗工写真用紙は、一般的にいくつかの理由のために高速商業インクジェット印刷用途に適していない。厚塗が郵便又は他のバルク分配手段にとって非実用的に重い坪量をもたらす。このようなレシーバーは、被覆層のクラッキングをもたらす粗末な取り扱い又は折りたたみを意図していない。一般に、これらの塗工写真用紙は、雑誌、パンフレット、カタログ等の高速インクジェット商業印刷用途にとって高価すぎる。これは、このような塗工写真用紙が、光沢表面を作成するためのシリカ若しくはアルミナのフュームド酸化物等の高価な材料、又は高品質写真を印刷するために必要な比較的重いインクカバレッジを十分に吸収するための極めて厚い被覆のいずれかを要するからである。
多価金属塩は、インクジェットプリンターからの普通紙上に形成される画像の印刷濃度及び均一性を改善することが知られている。例えば、米国特許第4554181号明細書でCousinらは、アニオン性染料系インクを使用したインクジェットプリンターにより印刷される画像の印刷濃度を改善するための、0.1〜15.0g/m2の組み合わせ乾燥被覆重量の多価金属イオンの水溶性塩とカチオン性ポリマーの組み合わせを開示している。
米国特許第6207258号明細書でVarnellは、インクセットに顔料着色剤を使用したインクジェットプリンターからの普通紙上に形成される画像の印刷濃度及び均一性を改善するための、サイズプレスへのポリマーサイズ剤及びキャリア剤と組み合わせた多価金属イオンの水溶性塩の使用を開示している。実際の表面濃度は、サイズプレス塗布法の開示から容易には明らかではない。
米国特許第7199182号明細書でTanakaらは、水溶性マグネシウム塩、水性ポリウレタンならびにカチオン性化合物(カチオン性ポリマー等)、非イオン性水溶性高分子量化合物(アセトアセチル化ポリ(ビニルアルコール)(PVA acac)等)及び水溶性エポキシ化合物の1種又は複数を含む少なくとも20g/m2の水性樹脂組成物で被覆された不浸透性基板を含むインクジェット記録材料を開示している。
Tranら(米国特許出願公開第2011/0059272号明細書)は、典型的にはアミンオキシドと組み合わせてサイズプレスで塗布される、多価金属イオンの水溶性塩及びカチオン性ポリマーを組み込んだインクジェットレシーバー用の耐カール性組成物を記載している。
Sheng(米国特許出願公開第2003/0203134号明細書)は、インクジェット媒体の摩擦係数を修正し、シート供給性能を改善するためにインクジェット受容層の構成要素とするための低摩擦物質の使用を記載している。低摩擦物質は、ワックスの乳化型、単純な有機ポリマー、シリコーンポリマー及びフルオロポリマーである。粒径は5μm未満、好ましくは1μm未満である。示されている例は、総乾燥被覆重量の約4〜5%で存在するスリップ助剤(slip aid)を有する。
Maら(米国特許第6779884号明細書)は、スリップ構成要素を前に印刷したインクジェット画像上に塗布する耐久性インクジェット画像を印刷するためのシステムを記載している。
Wangら(米国特許出願公開第2011/0091666号明細書)は、インク受容層が60〜95重量%の粘土、カオリン、炭酸カルシウム又はこれらの粒子の組み合わせで構成されるインクジェット印刷可能物品を記載している。
Wangら(米国特許出願公開第2012/0034398号明細書)及びWangら(米国特許第8092873号明細書)はそれぞれ、主成分(重量による)としての無機顔料及び摩擦係数低下剤を含むインクジェット受容被覆層を記載している。後者は、0.1〜2.0μmに及ぶ粒径を有すると記載されており、ポリエチレン、パラフィン、カルナウバ、ポリプロピレン若しくはPTFEワックス、又はこれらの組み合わせで構成される。
Sargeantら(米国特許第5700582号明細書)は、顔料インクのクラッキングの課題を回避するインクジェットレシーバー層として使用するためのポリマーマトリックス被覆を記載している。選択されるポリマーは、Tg、完全性値及び膨潤性パラメータにより特徴づけられる。更に、最大で15重量%の乾燥被覆が水不溶性顔料で構成され得る。これらの粒子は、ポリオレフィン、ポリスチレン、PTFE及び他の材料を含む有機材料で構成され得る。
製紙中にサイズプレスで表面修飾化学を組み込む、又は写真用紙上を比較的厚いインク受容層で被覆するのと対照的に、仕上げ紙上の被覆としてさらなる被覆処理を施してもよい。例えば、Dannhauserら(米国特許出願公開第2011/0279554号明細書)は、基板を含み、多価金属カチオンの水溶性塩及び架橋親水性ポリマーバインダー、例えば、アセトアセチル化ポリビニルアルコールを含むその上に被覆された最上層を有するインクジェット受容媒体を記載している。Xiang及びBotros(同時係属、本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願第13/433412号明細書)は、基板を含み、その上に被覆された最上層を有するインクジェット受容媒体であって、最上層が1種又は複数の多価金属カチオンの水溶性塩と、アミジン部分を含むカチオン性多価電解質と、アミジン部分を含むカチオン性多価電解質とは異なり、ポリアミド−エピクロロヒドリン、ポリアミン溶液ポリマー、及び水性若しくは水分散性ポリウレタンからなる群から選択される第2のポリマーとを含むインクジェット受容媒体を記載している。仕上げ紙にこのような被覆を使用することによって、高い光学濃度ならびに斑及び合体の減少を含む良好な画質と共に、耐湿式摩擦(wet-rub)性及び耐乾式摩擦(dry-rub)性の欠点の有意な改善が達成され得る。
米国特許第7041338号明細書でNigamは、1種又は複数の窒素染料固着化合物及び膜形成バインダーを含有する被覆組成物を利用することにより、塗工紙を提供する方法であって、被覆組成物が有機又は無機架橋剤を含んでもよく、被覆組成物が前処理として(印刷前に)、印刷と同時に又は後処理として塗布され得る方法を開示している。
顔料インクは、オフセット印刷用に設計された伝統的な紙に印刷する場合、染料系インクに対する多くの利点を有する。しかしながら、最終使用者が湿った指で本の頁をめくった時又は水が印刷物と接触した時にインクのスミアリングがないように、水系顔料インクを用いて耐水性画像を形成することは挑戦であった。
現在までに耐摩擦性においてなされた前進をもってしても、消費者による製造及び使用における取り扱いの影響を克服するためにオフセット用紙へのより耐久性のあるデジタル印刷の必要性が依然として存在する。
耐湿式若しくは乾式摩耗性、耐水性、及びその後の蛍光ペンでのマーキングからのスミアリングへの耐性を含む、高画質、高い光学濃度及び良好な物理的耐久性を有する、光沢、半光沢及びマット塗工平版印刷オフセット用紙の水性インクジェット用インクを使用した高速での印刷を可能にすることが本発明の一実施形態の主な目的である。
本発明は、一実施形態で、1種又は複数の多価金属カチオンの水溶性塩と、R90未満のロックウェル硬さを有するポリマーで主に構成される粒子とを含む、インクジェット印刷前に基板を前処理するための被覆組成物であって、該組成物が少なくとも30重量%の1種又は複数の多価金属カチオンの水溶性塩を含む固形分を有し、R90未満のロックウェル硬さを有するポリマーで主に構成される粒子が少なくとも約2μmのモード球相当径(mode equivalent spherical diameter)を有する被覆組成物を提供する。
別の実施形態では、本発明は、基板を含み、その上に被覆された最上層を有するインクジェット受容媒体であって、最上層が1種又は複数の多価金属カチオンの水溶性塩と、R90未満のロックウェル硬さを有するポリマーで主に構成される粒子とを含み、最上層が0.1〜5g/m2の乾燥固体被覆重量で被覆され、少なくとも30重量%の1種又は複数の多価金属カチオンの水溶性塩を含み、少なくとも0.01g/m2のR90未満のロックウェル硬さを有するポリマーで主に構成され、i)少なくとも約2μm及びii)最上層の最小被覆厚さよりも少なくとも0.1μm大きい球相当径を有する粒子を提供する、インクジェット受容媒体を提供する。
本発明の別の態様は、水性インク組成物に少なくとも1種の顔料系着色剤を使用するインクジェットプリンターを用いて上記インクジェット受容媒体が印刷される印刷方法であって、顔料系着色剤がアニオン性分散剤を使用して安定化される又は自己分散する方法に関する。
さらなる実施形態では、本発明は、水性インク組成物中に少なくとも1種の顔料系着色剤を含むインクジェット用インクを受容媒体に塗布する連続インクジェット印字ヘッドによって、本発明のインクジェット受容媒体を運搬する工程と、その後、印刷された受容媒体を乾燥ステーションに通して運搬する工程とを含む印刷方法を提供する。
本発明の種々の実施形態の利点には、高い顔料濃度及び色域と低い木目及び斑を含む高い印刷画質;乾式摩擦、湿式摩耗及び蛍光ペンでのマーキングに対する改善した印刷耐久性;光沢、半光沢及び鈍いマットを含む全ての表面型を提供する能力;ならびに容易な塗布及び低コストを可能にする極めて低いカバレッジが含まれる。
本発明の一実施形態によるインクジェット受容媒体は、基板を含み、好ましくはその上に被覆された連続最上層を有し、最上層が1種又は複数の多価金属カチオンの水溶性塩と、少なくとも0.01g/m2のR90未満のロックウェル硬さを有するポリマーで主に構成され、少なくとも約2μmの球相当径を有する粒子とを含む。最上層は、ポリマーバインダーを更に場合により含んでもよく、R90未満のロックウェル硬さを有するポリマーで主に構成され、少なくとも約2μmの球相当径を有する粒子は、最上層の最小被覆厚さよりも少なくとも0.1μm大きい球相当径を更に有し、該最小厚さは最上層に含有される任意のこのようなバインダーの被覆量により主に決定される。より好ましくは、R90未満のロックウェル硬さを有するポリマーで主に構成され、少なくとも約2μmの球相当径を有する粒子は、最上層の最小被覆厚さよりも少なくとも0.5μm大きい球相当径を更に有する。本発明は更に、1種又は複数の多価金属カチオンの水溶性塩と、R90未満のロックウェル硬さを有するポリマーで主に構成される粒子とを含む、インクジェット印刷前に基板を前処理してこのようなインクジェット受容媒体を形成するための被覆組成物であって、該組成物が少なくとも30重量%の1種又は複数の多価金属カチオンの水溶性塩を含む固形分を有し、R90未満のロックウェル硬さを有するポリマーで主に構成される粒子が、少なくとも約2μm、好ましくは約2〜10μmのモード球相当径を有する被覆組成物に関する。
最上層は、好ましくは0.1〜3g/m2の乾燥固体被覆重量で被覆され、好ましくは30〜98重量%(より好ましくは50〜90重量)の1種又は複数の多価金属カチオンの水溶性塩と、約1〜69重量%(より好ましくは10〜50重量%)のポリマーバインダーと、約1〜10重量%のR90未満、好ましくはR75未満のロックウェル硬さを有するポリマーで主に構成され、少なくとも約2μm、好ましくは約2〜10μmのモード球相当径を有する粒子とを含む。R90未満のロックウェル硬さを有するポリマーで主に構成される粒子は、更に好ましくは0.01〜最大で0.05g/m2、より好ましくは0.02〜最大で0.05g/m2の量で被覆される。
本発明の受容媒体の最上層が多種多様な基板でのインクジェット印刷性能を改善すると考えられるが、本発明の特定の実施形態では、基板は光沢、半光沢又はマット塗工平版印刷オフセット用紙の1つである。このような塗工オフセット用紙は、主に非水性溶媒系インクを用いた印刷用に設計されているが、このような塗工オフセット用紙上に本発明による最上層を提供することによって、斑減少、高い光学濃度、ならびに耐湿式又は乾式摩耗性、耐水性及びその後の蛍光ペンでのマーキングからのスミアリングへの耐性を含む良好な物理的耐久性を含む高画質のインクジェット印刷が可能になることが分かった。したがって、本発明のインクジェット受容媒体の基板として塗工オフセット用紙を使用するこのような実施形態により、媒体基板の調製において規模の経済性の利点を活かして製造される有利なインクジェット受容媒体が可能になる。
平版印刷塗工オフセット用紙は、典型的には粘土等で被覆された紙基材を含み、所望の表面平滑度を提供するために表面カレンダー処理を受ける。本発明は、光沢とマット塗工オフセット用紙の両方の使用に適用される。有利には、本発明のインクジェット受容媒体の最上層の比較的低い被覆重量が、使用される基板の比較的光沢又はマット面を維持するのに役立つ。本発明のインクジェット受容媒体の基板として使用可能なこのような塗工オフセット用紙は、例えば、International Paper、Sappi、New Page、Appleton Coated、Abitibi−Bowater、Mohawk Papers、Verso、Mitsubishi、Norpac、Dumtar及び他多数を含む種々の商業的製紙業者から得ることができる。具体的な例としては、例えば、STERLING ULTRA GLOSS紙(80 lb坪量)、NewPageにより製造される平版印刷用の塗工光沢オフセット用紙、及びAppleton Coatedから入手可能なUTOPIA BOOK(45 lb.坪量)、塗工マットオフセット用紙が挙げられる。
種々の実施形態では、基板は、本発明の最上層で被覆される前に、容易に親水性であり、インク着色剤を吸着及び基板内部に運ぶことができる(例えば、基板は多孔質であり得る)。或いは、基板は、水又は水性インクを実質的に不浸透性、例えば、非多孔質プラスチックフィルムであり得る。特に好ましい実施形態では、本発明が特に有用であり、ここでは基板が最上層で被覆される前に比較的疎水性の被覆面を含み、最上層が連続的な比較的親水性の面を提供する。
本発明は、特定の実施形態では、基板として塗工オフセット用紙を使用することに関するが、本発明の最上層を非塗工オフセット用紙又は他の普通紙と組み合わせて使用してもよい。更に、本発明を通常はインクジェットレシーバーのために使用される支持体のいずれか、例えば、樹脂塗工紙、ポリエステル又は微細孔材料(PPG Industries, Inc.、ピッツバーグ、PAからTESLINの商品名で販売されているポリエチレンポリマー含有材料、TYVEC合成紙(DuPont Corp.)及びOPPALYTEフィルム(Mobil Chemicals Co.)ならびに米国特許第5244861号明細書に列挙されている他の複合フィルム等)で使用してもよい。不透明支持体には、普通紙、塗工紙、合成紙、写真用紙支持体、溶融押出塗工紙、及びラミネート紙(二軸配向支持ラミネート等)が含まれる。
二軸配向支持ラミネートは、その開示がこれにより参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第5853965号明細書、第5866282号明細書、第5874205号明細書、第5888643号明細書、第5888681号明細書、第5888683号明細書及び第5888714号明細書に記載されている。これらの二軸配向支持体は、紙基材と、紙基材の片面又は両面に積層した二軸配向ポリオレフィンシート、典型的にはポリプロピレンとを含む。透明支持体には、セルロース誘導体、例えば、セルロースエステル、三酢酸セルロース、二酢酸セルロース、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート;ポリエステル、例えば、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンナフタレート)、ポリ(1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)及びこれらのコポリマー;ポリイミド;ポリアミド;ポリカーボネート;ポリスチレン;ポリオレフィン、例えば、ポリエチレン又はポリプロピレン;ポリスルホン;ポリアクリレート;ポリエーテルイミド;ならびにこれらの混合物が含まれる。上に列挙した種類の紙支持体には、ハイエンド紙(high end paper)、例えば、写真用紙からローエンド紙(low end paper)、例えば、新聞用紙に使用される種類まで広範囲の紙が含まれる。好ましい実施形態では、商業的オフセット等級塗工用紙が使用される。
最上被覆組成物は、基板の両面、又は片面のみに塗布され得る。これを達成するために使用される方法は、それだけに限らないが、噴霧、ロッド塗工、ブレード塗工、グラビア塗工(直接、逆及びオフセット)、フレキソ塗工、サイズプレス(パドル(puddle)及びメタリング(metered))、押出ホッパー塗工、及びカーテン塗工を含むいくつかの既知の技術から選択することができる。乾燥後、得られた最上層をカレンダーにかけて光沢を改善することができるが、好ましい実施形態では、最上層を被覆した後、本発明により可能にされる耐摩擦性利点をよりよく維持するために高価なカレンダリングは行わない。
紙を支持体として使用する一実施形態では、最上層を製紙工程の一部としてインラインで塗布することができる。別の実施形態では、最上層を製紙(又は他の基板)後の別の被覆工程として被覆してもよい。特定の実施形態では、最上層をインクジェット印刷操作の一部としてインラインで塗布してもよく、このような層をインクジェット用インクの印刷前に予備被覆ステーションで基板に塗布する。このようなインライン塗布は、上で同定した種々の被覆法により、或いはインク塗布印字ヘッドに即して配置された印字ヘッドにより行うことができる。印字ヘッドを使用して被覆溶液を塗布する場合、基板の面積全体よりむしろ被覆材料を有する印刷画像領域のみ被覆する選択肢が存在する。インクが予備被覆基板にと接触すると瞬時にインクの着色剤が固着されるので、予備被覆塗布は、画像化中の色間のにじみを排除する利点を提供する。更に、被覆がインク浸透を最小化し、表面上に着色剤をより固着させるので、予備被覆により、画像が暗く見え、よりシャープなエッジ解像力を有する。最後に、予備被覆材料を場合により画像印刷前に完全に乾燥させてもよいが、予備被覆基板の完全な乾燥は必要ではない。そのため、代わりに、乾燥を画像化後に一回施して、エネルギーをかなり節約することができる。
本発明のインクジェット受容媒体の最上層は、多価金属の水溶性塩を含む。水溶性は、本明細書において20℃で少なくとも0.5gの塩が100mlの水に溶解することができることとして定義される。塩は、好ましくは本質的に無色及び非反応性である。より好ましくは、多価金属は、適当な対イオンと組み合わせたMg+2、Ca+2、Ba+2、Zn+2及びAl+3、最も好ましくはCa+2又はMg+2から選択されるカチオンである。
本発明に使用される塩の例としては、(それだけに限らないが)塩化カルシウム、酢酸カルシウム、硝酸カルシウム、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、塩化バリウム、硝酸バリウム、塩化亜鉛、硝酸亜鉛、塩化アルミニウム、水酸化塩化アルミニウム及び硝酸アルミニウムが挙げられる。類似の塩が当業者により認識されるだろう。特に好ましい塩は、CaCl2、Ca(CH3CO2)2、MgCl2、Mg(CH3CO2)2、Ca(NO3)2又はMg(NO3)2(これらの塩の水和バージョンを含む)である。上記塩の組み合わせを使用してもよい。最上層は、好ましくは少なくとも0.05g/m2の塩化カルシウムに相当する、より好ましくは少なくとも0.1g/m2の塩化カルシウムに相当するカルシウムイオンを含む。
最上層は、R90未満のロックウェル硬さを有するポリマーで主に構成される粒子を更に含む。このような粒子は、例えば、種々のワックス粒子、及び他の十分軟質なポリマー粒子を含んでもよい。具体的な例としては、例えば、ポリエチレン、ポリ(テトラフルオロエチレン)、ポリプロピレン、エチレンビス−ステアルアミド、合成炭化水素ワックス、カルナウバロウ又はこれらの組み合わせを含むポリマー粒子が挙げられる。好ましくは、粒子は、特定されたロックウェル硬さを有するポリ(テトラフルオロエチレン)粒子又はワックス粒子である。多くのポリマー材料についてのロックウェル硬さ値は容易に入手可能であり(例えば、Plastics Internationalによりオンラインで公開されている文献(http://www.plasticsintl.com/sortable_materials.php)参照)、このような値をASTM D785−51にしたがって更に測定することができる。
ポリマー粒子の好ましいモード平均球相当径(ESD)粒径は2.0〜10.0μm、より好ましくは3〜6μmである。これらの大型ポリマー粒子の適用レイダウンは、好ましくは紙の光沢が過度の光散乱により減少しないよう十分低く計画的に維持される。正確なレイダウンはポリマー粒径の関数であるが、一般的には0.1g/m2以下、好ましくは0.05g/m2以下となる。小型ポリマー粒子の単位面積当たりの数はずっと大きいにもかかわらず、同じ被覆重量の小型ポリマー粒子は、乾式摩擦保護を与えることにおいて大型粒子より有効でないことが分かった。2μmを超える、より好ましくは2〜10μmのモード平均粒径を有する粒子を選択することにより、有効な耐乾式摩擦性ならびに光沢減少の最小化の両方を可能にする被覆カバレッジを使用することができる。
ポリマー粒子のサイズは、最上層の最小被覆厚さよりも大きく(少なくとも0.1μm大きく、より好ましくは少なくとも0.5μm大きい)、該最小厚さは、主に施された処理被覆中の任意のバインダーの存在によるものである。任意のバインダーには、膜形成、水溶性及び水分散性ラテックスポリマーが含まれる。好ましい実施形態では、バインダーポリマーは、単独で又は他の非カチオン性ポリマーバインダーと組み合わせて、1種又は複数のカチオン性ポリマーを含んでもよい。本発明の組成物に有用なポリマーバインダーを含む予備被覆組成物の例は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2011/0279554号明細書及び同時係属の本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願第13/433412号明細書に記載されている。これらの処理の被覆レイダウンは、典型的には1.0g/m2(乾燥)以下、好ましくは0.5g/m2以下であり、このような処理の電子顕微鏡横断面により、表面の極めて薄いポリマー膜が明らかになり、これはわずか約0.5μm厚さであると測定された。類似のSEM横断面により、その最大レイダウンで噴射されたインクの乾燥層の厚さが約0.1μm厚さであることが示された。そのため、良好な耐乾式摩擦性を提供するために、本発明に使用されるポリマー粒子は、バインダー層の塗布厚さ+噴射インク層(複数可)の最大厚さを合わせた厚さよりも大きい粒径を有するよう選択される(すなわち、100%レイダウンで単一インクレイダウンについては少なくとも0.1μm大きく、より好ましくは少なくとも0.5μm大きく4つのインクの厚さを超える)。
本発明の一実施形態による最上層に使用するための好ましい任意のバインダーには、単独で又は1種若しくは複数の追加のバインダーと組み合わせた、Dannhauserら(米国特許出願公開第2011/0279554号明細書)に開示されている架橋親水性ポリマーバインダーが含まれる。このような親水性ポリマーバインダーは、水を吸着することができるポリマーを含み、好ましくは連続相溶液を形成することができる。このような材料の非排他的例としては、ゼラチン、デンプン、ヒドロキシセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリビニルアミン及びこれらの材料の誘導体が挙げられる。好ましいバインダーは、Nippon Gohsei製のGohsefimer Z−320、アセチルアセテート修飾ポリビニルアルコールである。このような実施形態の最上層被覆配合物中の水吸着性親水性ポリマーを架橋して、湿っている間の耐印刷摩擦性を改善する、ならびに乾燥時の凝集性を増加させる。所望の耐摩耗性及び凝集性を提供するために、最上層は、好ましくは少なくとも0.02g/m2の架橋親水性ポリマーバインダーを含む。架橋剤の素性及び量は、ポリマー及び架橋剤とのその反応性、利用可能な架橋部位の数、他の溶液構成要素との適合性、ならびに製造上の制約(溶液ポットライフ及び被覆乾燥速度等)の選択によるだろう。架橋剤材料の非排他的例には、グリオキサール、Cartabond TSI(Clariant)、Cartabond EPI(Clariant)、Sequarez 755(Omnova)、グルタルアルデヒド重硫酸ナトリウム錯体(Aldrich)、Sunrez 700M(Omnova)、Sunrez 700C(Omnova)、CR−5L(Esprix)、ビス(ビニル)スルホン、ビス(ビニル)スルホンメチルエーテル、アジポイルジヒドラジド、エピクロロヒドリンポリアミド樹脂及び尿素ホルムアルデヒド樹脂がある。特定の実施形態では、架橋親水性ポリマーは、架橋アセトアセチル化ポリビニルアルコールポリマー、例えば、グリオキサール化合物と架橋したアセトアセチル化ポリビニルアルコールポリマーを含む。
本発明の別の実施形態による受容媒体の最上層に使用するための好ましい任意のバインダーには、Xiang及びBotrosの同時係属の本発明の譲受人に譲渡された米国特許出願第13/433412号明細書に記載されているアミジン部分を含むカチオン性多価電解質が更に含まれる。このようなカチオン性多価電解質ポリマーはまた、慣習的にポリアミジン又はポリビニルアミジンポリマーと呼ばれ、一般式[1]:
(式中、R1〜R4はメチル基等のアルキル基の水素原子を表す)
により示される構造単位を有するカチオン性高分子である。一般式[1]により表される構造単位を有するカチオン性高分子は、アクリロニトリル又はメタクリロニトリルとN−ビニル−カルボン酸アミン、N−イソプロペニルカルボン酸アミド、N−ビニルカルボン酸アミド又はN−イソプロペニルカルボン酸アミドを共重合する工程と、引き続いて得られたコポリマーを加水分解してアミジンを得る工程とにより調製することができる。上記のように調製したポリビニルアミジンが、一般式[1]により表される構造単位に加えて、例えば、アクリロニトリル等に由来するシアノ基、シアノ基の加水分解により形成されるカルバモイル基、及びN−ビニルカルボン酸アミド単位の加水分解により形成されるアミノ基等を含む追加の単位を有する可能性が存在する。DIA−NITRIX Companyにより製造されているDIAFLOC KP7000が、市販製品として入手可能なポリビニルアミジンカチオン性ポリマーの例であり、これは以下の構造を有すると報告されている:
により示される構造単位を有するカチオン性高分子である。一般式[1]により表される構造単位を有するカチオン性高分子は、アクリロニトリル又はメタクリロニトリルとN−ビニル−カルボン酸アミン、N−イソプロペニルカルボン酸アミド、N−ビニルカルボン酸アミド又はN−イソプロペニルカルボン酸アミドを共重合する工程と、引き続いて得られたコポリマーを加水分解してアミジンを得る工程とにより調製することができる。上記のように調製したポリビニルアミジンが、一般式[1]により表される構造単位に加えて、例えば、アクリロニトリル等に由来するシアノ基、シアノ基の加水分解により形成されるカルバモイル基、及びN−ビニルカルボン酸アミド単位の加水分解により形成されるアミノ基等を含む追加の単位を有する可能性が存在する。DIA−NITRIX Companyにより製造されているDIAFLOC KP7000が、市販製品として入手可能なポリビニルアミジンカチオン性ポリマーの例であり、これは以下の構造を有すると報告されている:
アミジン部分を含むカチオン性多価電解質を含むこのような実施形態の最上層は、アミジン部分を含むカチオン性多価電解質とは異なり、ポリアミド−エピクロロヒドリン、ポリアミン溶液ポリマー、及び水性若しくは水分散性ポリウレタンからなる群から選択される1種又は複数の第2のポリマーを更に含んでもよい。
ポリアミド−エピクロロヒドリンポリマーは、水溶性カチオン性ポリマーである。本発明に使用され得るポリアミド−エピクロロヒドリンポリマーの代表的な例には、Hercules, Inc.から入手可能なPOLYCUP 172があり、これは以下の式である:
ポリアミン溶液ポリマーは、水溶性カチオン性ポリマーである。本発明に使用され得るポリアミン溶液ポリマーの代表的な例には、BASF companyから入手可能なCATIOFAST 159(A)があり、これは以下の式である:
水性ポリウレタンは、ポリウレタン微粒子の水性媒体中分散液である。このようなポリマー粒子は、自己分散性サイズ及び組成物であり得るか、或いはその逆で追加の分散剤で処理して分散性にされ得る。本発明に使用され得る水性ポリウレタンの代表的な例には、Lubrizolから入手可能なPRINTRITE DP−376があり、これは、製造業者により織物、不織布及び紙用途に有用な全脂肪族水性ポリマー分散液として、ならびに親水特性を改善するために水性インクジェット印刷レシーバーに使用される種々の基板上のプライマーとして記載されている。
本発明の受容媒体の最上層は、上に特定するものに加えて、追加のポリマーバインダーを含んでもよい。さらなる特定の実施形態では、例えば、シラノール修飾ポリビニルアルコールポリマーを追加で使用してもよい。このようなさらなる実施形態に使用され得るシラノール修飾ポリビニルアルコールポリマーの代表的な例には、Kuraray Co.から入手可能なPOVAL R−1130があり、これは以下の式である:
上記ポリマーバインダーは単独で使用しても組み合わせて使用してもよい。本発明に有用なカチオン性ポリマー及びその組み合わせを含む種々のさらなるポリマーバインダーを以下の例で例示する。所望の耐摩耗性及び凝集性を提供するために、最上層は、好ましくは少なくとも0.02g/m2、より好ましくは少なくとも0.05 g/m2の総合重量のポリマーバインダーを含む。
本発明の更に好ましい実施形態によると、最上層を0.1〜5g/m2、好ましくは0.1〜3g/m2、より好ましくは0.2〜2g/m2、更により好ましくは0.2〜1.5g/m2、最も好ましくは0.2〜1.0g/m2未満の乾燥固体被覆重量で基板上に被覆し、このような層は、好ましくは30〜98重量%、より好ましくは50〜90重量%の1種又は複数の多価金属カチオンの水溶性塩と、約1〜69重量%(より好ましくは10〜50重量%)のポリマーバインダーと、約1〜10重量%のR90未満のロックウェル硬さを有するポリマーで主に構成され、少なくとも約2μm、好ましくは約2〜10μmのモード球相当径を有する粒子とを含む。R90未満のロックウェル硬さを有するポリマーで主に構成される粒子は、更に好ましくは0.01〜最大で0.05g/m2の量で被覆される。驚くべきことに、ポリマー粒子と任意のポリマーバインダーの特定された組み合わせの使用と合わせた、比較的低い総固体レイダウンと最上被覆組成物中の比較的高い多価金属塩濃度のこのような組み合わせが、顔料系水性インクを、上に論じたような塗工オフセット用紙を含む種々の基板に印刷する場合に、インクジェット印刷性能を改善することができることが分かった。
本発明の被覆固体レイダウン及び相対濃度選択がなお満たされることが好ましいが、最上層被覆配合物は、任意の追加の成分、例えば、追加の無機又は有機粒子を更に含んでもよい。これらの成分には、それだけに限らないが、カオリン粘土、モンモリロナイト粘土、デラミネートカオリン粘土(delaminated kaolin clay)、炭酸カルシウム、焼成粘土、シリカゲル、フュームドシリカ、コロイドシリカ、タルク、ウォラストナイト、フュームドアルミナ、コロイドアルミナ、二酸化チタン、ゼオライト又は有機ポリマー粒子(Dow HS3000NA等)が含まれ得る。
本発明の別の態様は、上記レシーバーが水性インク組成物に少なくとも1種の顔料系着色剤を使用するインクジェットプリンターを用いて印刷される印刷方法に関する。好ましくは、顔料系着色剤を、アニオン性分散剤を使用して安定化する。このような分散剤は、反復サブユニットを含有するポリマーであってもよいし、モノマーの性質であってもよい。本発明は特に、定期刊行物、新聞、雑誌等を印刷するのに有利である。この印刷方法は、例えば、プリンターが媒体に関して少なくとも2つの異なる印字ヘッド、好ましくは全幅印字ヘッドから順に着色画像を塗布し、画像の異なる着色部分が登録される、連続高速商業インクジェットプリンターを使用することができる。
「連続流」又は「連続」インクジェット印刷と一般的に呼ばれる1つの型の印刷技術は、インク液滴の連続流を製造する加圧インク源を使用する。従来の連続インクジェットプリンターは、作動流体のフィラメントが個々のインク液滴に侵入する点の近くに配置される静電帯電装置を利用する。インク液滴を帯電させ、次いで、大きな電位差を有する偏向電極により適当な位置に向ける。印刷を望まない場合、インク液滴をインク捕捉機構(キャッチャ、インターセプター、ガター等)に偏向させ、再利用又は処分する。印刷を望む場合、インク液滴を偏向させず、印刷媒体に衝突させる。或いは偏向したインク液滴を印刷媒体に衝突させる一方で、非偏向インク液滴をインク捕捉機構で回収する。
典型的には、連続インクジェット印刷装置は液滴オンデマンド装置よりも速く、高品質の印刷画像及びグラフィックスを形成する。しかしながら、各印刷色は、個々の液滴形成、偏向及び捕捉システムを要する。このような連続インクジェット印刷装置は、インクジェットの受容媒体上への画像様印刷のための連続インクジェット印字ヘッド及び印刷画像の乾燥のための乾燥ステーションと組み合わせて、ロール供給又はシート供給受容媒体の少なくとも1つを輸送することができる高速インクジェット受容媒体輸送システムを使用する。このような高速連続インクジェット印刷装置への本発明による最上層の使用により、有利には特に比較的疎水性の塗工オフセット用紙又は水性インク不浸透性プラスチックフィルムを含む基板に印刷する場合に、印刷画像を装置の乾燥ステーションで乾燥させて改善した画質をもたらすことができるまで、水性顔料系印刷インクジェット画像を受容媒体の表面上で最初に安定化することが可能になる。
従来の連続インクジェットプリンターの例としては、1933年12月26日にHansellに付与された米国特許第1941001号明細書;1968年3月12日にSweetらに付与された米国特許第3373437号明細書;1963年10月6日にHertzらに付与された米国特許第3416153号明細書;1975年4月15日にEatonに付与された米国特許第3878519号明細書;及び1982年8月24日にHertzに付与された米国特許第4346387号明細書が挙げられる。
連続流インクジェット印刷技術のより最近の開発は、Jeanmaireらの米国特許第6554410号明細書に開示されている。この装置は、複数の体積を有するインク液滴の流れを選択的に作り出すよう操作可能なインク液滴形成機構を含む。更に、ガス源を有する液滴偏向器が、インク液滴の流れに関して一定の角度で配置され、ある体積を有する液滴を他の体積を有するインク液滴と分離するために液滴の流れと相互作用するよう操作可能である。インク液滴のある流れは印刷媒体に衝突するよう向けられ、他の流れはインクキャッチャ機構に向けられる。
本発明の一実施形態により使用されるインクジェット用インク組成物の着色剤システムは、染料系、顔料系又は染料と顔料の組み合わせであり得る。顔料を組み込んだ組成物が特に有用である。顔料系インク組成物が、このようなインクが他の型の着色剤から形成された印刷画像と比べて高い光学濃度ならびに優れた耐光及びオゾン性を有する印刷画像を与えるために使用される。単独の又は追加の顔料若しくは染料と組み合わせた、多種多様な有機及び無機顔料が本発明中に存在し得る。本発明に使用され得る顔料には、例えば、米国特許第5026427号明細書;第5086698号明細書;第5141556号明細書;第5160370号明細書;及び第5169436号明細書に開示されているものが含まれる。顔料の正確な選択は、具体的な用途及び性能要件(色再現及び画像安定性等)によるだろう。
本発明に使用するのに適した顔料には、それだけに限らないが、アゾ顔料、モノアゾ顔料、ジアゾ顔料、アゾ顔料レーキ、β−ナフトール顔料、ナフトールAS顔料、ベンズイミダゾロン顔料、ジアゾ縮合顔料、金属錯体顔料、イソインドリノン及びイソインドリン顔料、多環系顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、チオインディゴ顔料、アントラピリミドン顔料、フラバントロン顔料、アンタントロン顔料、ジオキサジン顔料、トリアリールカルボニウム顔料、キノフタロン顔料、ジケトピロロピロール顔料、酸化チタン、酸化鉄ならびにカーボンブラックが含まれる。本発明の一実施形態によると、シアン、マゼンタ又はイエロー顔料を含む着色剤が具体的に使用される。本発明に有用な顔料粒子は、印字ヘットを通して噴射することができる任意の粒径を有してよい。好ましくは、顔料粒子は、約0.5μm未満、より好ましくは約0.2μm未満の平均粒径を有する。
分散剤又は界面活性剤を使用することなく分散可能な自己分散顔料を本発明に使用することができる。この種の顔料は、酸化/還元、酸/塩基処理、又はカップリング化学を通した官能化等の表面処理に供されたものである。表面処理は、別の分散剤が必要とならないように、アニオン性、カチオン性又は非イオン性基を有する顔料表面を与えることができる。インクジェット印刷に適した共有結合性官能化自己分散顔料の調製及び使用は、Bergemannらの米国特許第6758891B2号明細書及び米国特許第6660075B2号明細書、Belmontの米国特許第5554739号明細書、Adams及びBelmontの米国特許第5707432号明細書、Johnson及びBelmontの米国特許第5803959号明細書及び第5922118号明細書、Johnsonらの米国特許第5837045号明細書、Yuらの米国特許第6494943B1号明細書、ならびに国際公開第96/18695号パンフレット、国際公開第96/18696号パンフレット、国際公開第96/18689号パンフレット、国際公開第99/51690号パンフレット、国際公開第00/05313号パンフレット及び国際公開第01/51566号パンフレット、Osumiらの米国特許第6280513B1号明細書及び米国特許第6506239B1号明細書、Karlらの米国特許第6503311B1号明細書、Yehらの米国特許第6852156B2号明細書、Itoらの米国特許第6488753号明細書ならびにMomoseらの欧州特許第1479732A1号明細書によって報告されている。
本発明に有用な非自己分散顔料を使用した顔料系インク組成物は、インクジェット印刷の分野で既知の任意の方法により調製することができる。安定な顔料分散液の調製における本発明への使用に適した分散剤には、それだけに限らないが、インクジェット印刷の分野で一般的に使用されているものが含まれる。水性顔料系インク組成物のために、特に有用な分散剤には、ドデシル硫酸ナトリウム、或いは例えば、米国特許第5679138号明細書、米国特許第5651813号明細書若しくは米国特許第5985017号明細書に記載されているカリウム又はナトリウムオレイルメチルタウレート等のアニオン界面活性剤が含まれる。
ポリマー分散剤も知られており、水性顔料系インク組成物に有用である。ポリマー分散剤には、ホモポリマー及びコポリマー等のポリマー;アニオン性、カチオン性又は非イオン性ポリマー;或いはランダム、ブロック、分岐又はグラフトポリマーが含まれる。コポリマーは、疎水性及び親水性モノマーの配置及び割合によって顔料のための分散剤として作用するよう設計される。顔料粒子は、分散剤によりコロイド的に安定化され、ポリマー分散顔料分散液と呼ばれる。ポリマー安定化顔料分散液は、いったんインクがインクレシーバー基板上で乾燥すると、画像耐久性を提供するという追加の利点を有する。
好ましいコポリマー分散剤は、親水性モノマーがカルボキシル化モノマーから選択されるものである。好ましいポリマー分散剤は、アクリル酸若しくはメタクリル酸モノマー、又はこれらの組み合わせである少なくとも1種の親水性モノマーから調製されるコポリマーである。好ましくは、親水性モノマーは、メタクリル酸である。特に有用なポリマー顔料分散剤は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2006/0012654A1号明細書及び米国特許出願公開第2007/0043144A1号明細書に更に記載されている。
本発明によるインクジェット受容媒体上に印刷されるインクジェット用インクは、インクジェット印刷分野で慣用的であるようにさらなる追加物を含有してもよい。本発明の特定の実施形態に使用するのに適したポリマー分散顔料系水性インクジェット用インク配合物には、例えば、その開示の全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2011/0123714号明細書、第2011/0122180号明細書、第2010/0302292号明細書及び第2010/0304028号明細書に記載されているものが含まれる。
本発明によるインクジェット受容媒体上に印刷されるインクジェット用インク組成物は、顔料粒子を分散させるために使用され得る任意の分散剤とは異なるポリマー添加剤を更に含んでもよい。ポリマー添加剤は、膜を形成し、印刷画像の乾式物理又は湿式耐久性を更に増加させることができる成分バインダーとして作用することができる。これらのポリマーは、水溶性ポリマー、水希釈性ポリマー又は水分散性ポリマー粒子として分類することができ、これらには非イオン性、アニオン性及び両性ポリマーが含まれる。水溶性ポリマーの代表的な例としては、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、ポリエチルオキサゾリン及びポリアミドが挙げられる。水希釈性ポリマーの代表的な例としては、アルカリ可溶性樹脂、ポリウレタン(米国特許第6268101号明細書に見られるもの等)、ポリアクリル酸、スチレン−アクリルメタクリル酸コポリマー(BASF Corp.製のJoncryl(登録商標)70、MeadWestvaco Corp.製のTruDot(登録商標)IJ−4655及びAir Products and Chemicals, Inc製のVancryl(登録商標)68S等)ならびに米国特許第6866379号明細書及び米国特許出願公開第2005/0134665A1号明細書に例示されているポリマーが挙げられる。インクジェット用インクに使用される水分散性ポリマー粒子の例には、商品名Joncryl(登録商標)(BASF Corp.)、Ucar(商標)(Dow Chemicals Co.)、Jonrez(登録商標)(MeadWestvaco Corp.)及びVancryl(登録商標)(Air Products and Chemicals, Inc.)で販売されているスチレン−アクリルコポリマー;商品名Eastman AQ(登録商標)(Eastman Chemical Co.)で販売されているスルホン化ポリエステル;ポリエチレン又はポリプロピレン樹脂エマルジョンならびにポリウレタン(Witco Corp.製のWitcobond(登録商標)等)がある。これらのポリマー粒子は、典型的な水系インク組成物において適合性であり、物理的摩耗、光及びオゾンに対して高度に耐久性の印刷画像を与えるので、好ましい。
本発明の実施形態に使用されるインクセットのブラック、シアン、マゼンタ及びイエローインクに使用するための特に好ましいポリマーは、水溶性ポリアクリレートコポリマー及びポリウレタンラテックスバインダーコポリマーであり、これらは単独で使用しても混合物で使用してもよい。水溶性ポリアクリレートポリマーは、共にポリマー化学の分野の当業者に周知である付加ポリマー又は縮合ポリマーのいずれかであり得る。ポリウレタンラテックスバインダーは、少なくとも2個の水酸基及び少なくとも1個のカルボキシル基を含む少なくとも1種のモノマーと、少なくとも2個のイソシアネート基を含む別のモノマーとから形成され得る。水分散性ポリウレタンは、米国特許第6533408号明細書に顔料インク中のバインダーとして開示されており、良好な噴射性能及び良好な得られる画像の耐久性を示す顔料インクジェット用インクに特に有用なポリウレタンは、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2004/0085419A1号明細書に記載されている。任意の有用な量のポリウレタンラテックスバインダーを使用することができるが、本発明の実施形態に使用されるインクセットのシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックインクは、好ましい実施形態では、それぞれ好ましくは0.1と5重量%との間のポリウレタンラテックスバインダーを含み、より好ましくは0.5と3重量%との間を示す。
処理溶液TS−1.1及びTS−1.2を、同じ構成要素であるが異なる割合で構成する。これらを以下の表1.1に記載する:
以下に概説する被覆実験は、耐乾式摩擦性に対する界面活性剤パッケージ、架橋剤レベル、架橋メタクリル酸メチルポリマーマットビーズ粒子(Kodak MP1、4μm平均粒径)のLanco1796(Lubrizol、PTFEワックス粉末、6μm平均粒径)による置換の変化を試験した。Plastics Internationalによりオンラインで公開されている文献(http://www.plasticsintl.com/sortable_materials.php)に基づいて、架橋メタクリル酸メチルポリマーは、R100の推定ロックウェル硬さを有し、PTFEは、R58の推定ロックウェル硬さを有する。実験室スケールの押出ホッパー塗工機を使用して、溶液をSterling Ultragloss(NewPage)オフセット用紙上に被覆させた。KODAK PROSPERポリマー分散剤分散顔料インクセット(インクは印刷耐久性を付加するためにポリウレタンポリマーを含んでいる)を含むKODAK PROSPER連続インクジェットパイロットプリンターを使用して、耐乾式摩擦性を測定した。印刷試料を周囲条件で3日間乾燥させた。次いで、100%ブラック濃度パッチを、Sutherland摩擦試験機を使用して10の前後サイクルにわたって、4lb.重量下で2’’×4’’片のボンド紙で擦った。磨り減ったブラックパッチの濃度損失%を測定することにより(小さいほうがよい)、耐乾式摩擦性を特徴づけた。以下の表1.2は結果を要約している。
溶液構成要素比、架橋剤レベル又は界面活性剤パッケージにかかわらず、本発明による粒径及びロックウェル硬さを有するLanc1796を含有する全ての被覆が耐乾式摩擦性の有意な改善を示すことに留意されたい。また、より高いロックウェル硬さを有する類似のサイズの架橋PMMAビーズは同様に働かなかったので、マット/ワックス粒子のサイズが耐乾式摩擦性の唯一の決定要素ではないことに留意されたい。
処理溶液TS−2を、9.9部のCaCl2塩(Oxychem)と、1.0部のCatiofast159Aポリアミンポリマー(BASF)と、0.25部のPrintRite DP376ポリウレタンラテックス(Lubrizol)と、0.2部のグアーガム増粘剤(TIC Gums)とで構成する。実験室スケールの押出ホッパー塗工機を使用して、これをSterling Ultraglossオフセット用紙上に0.65g/m2乾燥レイダウンで被覆させた。実施例1に記載するように塗工紙を印刷し、乾式摩擦について試験すると、極めて悪い耐乾式摩擦性を示す。Lanco1796PTFEワックス(Lubrizol、6μm平均粒径)又はLanco 1799 PTFEワックス(Lubrizol、4μm平均粒径)を含有する類似の溶液により追加の被覆を施した。Lancoワックスを、0.01、0.02及び0.04g/m2を乾燥被覆にもたらすようなレベルで添加した。これらの被覆を印刷し、耐乾式摩擦性について試験すると、ベースTS−2溶液に対して、これらの配合物で耐乾式摩擦性の劇的な改善が観察された。これを以下の表2.1に要約する。
処理溶液TS−3を、50部のCaCl2塩(無水、Oxychem)と、22部のZ320修飾ポリビニルアルコール(Nippon Gohsei)と、9部のRaycat56カチオン性スチレン−アクリルラテックス(Specialty Polymer, Inc.)と、4.7部のPolycup172架橋剤(Ashland)とで構成する。種々の組成、サイズ及びレイダウンの一連のマット粒子及びワックスを以下の票に記載するようにTS−3に添加し、被覆して耐乾式摩擦性に対するその影響を評価した。マット粒子MP1、MP2及びMP3はKodakで製造されたものとした;Lanco1796及びLanco1799はLubrizol Advanced Materials, Inc.から得た;CoatOSil DSA6はMomentive Performance Chemicals, Inc.から得た;Hydrocerf9174、Fluoropure Ultrafine 50CW及びnanoFlon W50CはShamrock Technologies, Inc.から得た;Acumist A6はHoneywellから得た。粒子のサイズは、Horiba LA−920粒径分析器を使用して水/界面活性剤分散液中で測定し、モードESD粒径を報告する。ロックウェル硬さ値は、Plastics Internationalによりオンラインで公開されている文献(http://www.plasticsintl.com/sortable_materials.php)に基づいて推定した。CoatOSil DSA6の硬さは、製造手順(米国特許第57890517号明細書)の記載から約R100と推定した。展着剤として0.1%Olin 10G(溶液重量に対する乾燥重量)を各被覆溶液に添加し、実験室スケールの押出ホッパー塗工機を使用して、これら全ての溶液をSterling Ultragloss(NewPage)オフセット用紙上に0.65g/m2被覆させた。乾燥後、KODAK PROSPERポリマー分散剤分散顔料インクを使用して、KODAK PROSPER連続インクジェット印刷スタンドに被覆を印刷した。イエローインク上に印刷したブラックインクの試験パッチを実施例1に記載するように、乾式摩擦試験に供した。保持されたブラックインクの量を用いて耐乾式摩擦性を定量化した。乾式摩擦試験前後のイエローカラーパッチ上のブラックの視感濃度、摩擦していないイエローカラーパッチの視感濃度を測定し、以下の式を使用して損失視感濃度%を計算することによりこれを計算した:
Dvis損失%=100×{Dvis(K/Y摩擦前)−Dvis(K/Y摩擦後)}/{Dvis(K/Y摩擦前)−Dvis(Yのみ)}
結果を以下の表3.1に要約する。
Dvis損失%=100×{Dvis(K/Y摩擦前)−Dvis(K/Y摩擦後)}/{Dvis(K/Y摩擦前)−Dvis(Yのみ)}
結果を以下の表3.1に要約する。
大型PTFE粒子及びAcumist A6(酸化PE)粒子からの大いに改善した耐乾式摩擦性に留意されたい。しかしながら、全ての大型粒子が良好な耐乾式摩擦性を提供しているわけではない;メタクリル酸メチル、シリコーンマイクロ樹脂及びポリスチレン粒子がこの例である。これらのあまり有効でない粒子は、R90超のロックウェル硬さ値を有することに留意する。また、小型PTFE粒子は、等レイダウンの大型PTFE粒子に対して耐乾式摩擦性を与えることにおいてあまる有効でないことにも留意する。これは予想外である。一定の被覆重量では、大型粒子の数は(粒径)3の関数として減少するはずである。しかしながら、これらの粒子の乾燥レイダウンが、被覆の光沢を最小限に低下させるのに十分低く(約0.01〜0.05g/m2)維持されることが望ましい。
塗工紙表面に対して磨いたステンレス鋼スレッドを使用して被覆の動的摩擦係数を測定した。これらの値と乾式摩擦についてのDvis損失%メトリックの比較は、摩擦係数が耐乾式摩擦性を予測するための満足な特性ではないことを示している。例えば、試料3.14〜3.16は試料3.8〜3.10に匹敵する又はこれよりも低い摩擦係数さえ有するが、耐乾式摩擦性は前者の試料で著しく悪い。同様に、試料3.23〜3.28は全て試料3.8〜3.13に等しい又はこれより低い摩擦係数値を有するが、試料3.23〜3.28はより悪い耐乾式摩擦性を有する。
表3.1のデータの多重線形回帰分析により、耐乾式摩擦性と粒径及び軟質粒子増加の強い相関が示されている。さらなる分析により、被覆光沢の減少が粒子レイダウンの増加と強く相関していることが示されている。したがって、印刷と比較的粗いトポグラフィーを有する普通紙研磨材との間に十分な間隔を提供するためのより大きな粒径と組み合わせて、より軟質の、より変形可能な粒子(ロックウェル硬さが小さい)が印刷画像の所望の耐乾式摩擦性に必要とされる。この間隔を維持するために十分な数の粒子が存在しなければならないが、被覆光沢を低下させる被覆表面からの有意な光の散乱を引き起こすほど多くではない。本発明の好ましい実施形態は、0.01〜0.05g/m2の少なくとも2μm、より好ましくは少なくとも3μm、最も好ましくは3〜10μmのモード粒子ESDサイズを有する、R90未満、より好ましくはR75未満のロックウェル硬さの粒子の使用である。より好ましい実施形態は、0.02〜0.04 g/m2のこのような粒子を使用する。
8.75%のCaCl2と、5.0%のCatiofast 159A溶液(50%固体ポリアミン溶液ポリマー、BASF)と、0.63%のPrintrite DP376(40%固体ポリウレタンラテックス、Lubrizol)と、0.01%の各Agitan731及びAgitan299(消泡剤、Munzing)と、0.1%のMetolat 725(界面活性剤、Munzing)と、0.2%のKordek MLX(殺生物剤、Dow Chemical)とを含む処理溶液TS−4に、種々の型のPTFEワックスを添加した。これらを、2.5番巻ワイヤロッドを用いた手塗によりSterling Ultra光沢オフセット用紙(NewPage)に塗布し、ホットエアガンを用いて乾燥させた。印刷耐久性を付加するためにポリウレタンポリマーラテックスを含むKODAK PROSPERポリマー分散剤分散顔料インクを、2.5番巻ワイヤロッドを用いた手塗により上記被覆に塗布し、引き続いてホットエアガンを用いて乾燥させた。このようにブラックインクを単独で、及び前もって同様に被覆したイエローインク上に塗布した。乾燥後、印刷領域を実施例1に記載するように耐乾式摩擦性について試験した。結果を以下の表4.1に要約する。
等被覆重量の小型ワックスポリマー粒子に対して、大型ワックス粒子で乾式摩擦性能の改善が得られた。
実施例4に記載するのと同じ手順を使用して別の一連の手塗を行った。これらの被覆は、以下の表5.1に記載する異なる処理溶液TS−5.1〜TS−5.7を試験した。部5.2、5.4、5.5、5.6及び5.7は、大型ワックスポリマー粒子(Hydrocerf9174)を配合物に添加していることに留意されたい。Dmaxブラックのみのパッチ及びDmaxイエロー上に印刷したDmaxブラックのパッチに関して先の実施例に記載するように乾式摩擦を試験した。
本発明による大型ポリマー粒子の添加により、種々の処理溶液に乾式摩擦性能の改善がもたらされる。
Claims (25)
- 基板を含み、その上に被覆された最上層を有するインクジェット受容媒体であって、前記最上層が1種又は複数の多価金属カチオンの水溶性塩と、R90未満のロックウェル硬さを有するポリマーで主に構成される粒子とを含み、前記最上層が0.1〜5g/m2の乾燥固体被覆重量で被覆され、少なくとも30重量%の前記1種又は複数の多価金属カチオンの水溶性塩を含み、少なくとも0.01g/m2のR90未満のロックウェル硬さを有するポリマーで主に構成され、i)少なくとも約2μm及びii)前記最上層の最小被覆厚さよりも少なくとも0.1μm大きい球相当径を有する粒子を提供する、インクジェット受容媒体。
- 前記最上層が0.1〜3g/m2の乾燥固体被覆重量で被覆された、請求項1に記載のインクジェット受容媒体。
- 前記最上層が30〜98重量%の前記1種又は複数の多価金属カチオンの水溶性塩と、1〜69重量%のポリマーバインダーと、1〜10重量%のR90未満のロックウェル硬さを有するポリマーで主に構成される前記粒子とを含む、請求項2に記載のインクジェット受容媒体。
- 前記最上層がカチオン性ポリマーを含む、請求項3に記載のインクジェット受容媒体。
- 前記1種又は複数の多価金属塩がカルシウム塩を含む、請求項4に記載のインクジェット受容媒体。
- 前記最上層が少なくとも0.10g/m2の塩化カルシウムに相当するカルシウムイオンを含む、請求項5に記載のインクジェット受容媒体。
- 前記最上層が0.2〜2g/m2の乾燥固体被覆重量で被覆されている、請求項2に記載のインクジェット受容媒体。
- 前記最上層が0.2〜1.5g/m2の乾燥固体被覆重量で被覆されている、請求項2に記載のインクジェット受容媒体。
- 前記最上層が0.2〜1.0g/m2の乾燥固体被覆重量で被覆されている、請求項2に記載のインクジェット受容媒体。
- 前記基板が、前記最上層で被覆される前に、水性インク着色剤を吸着し、基板内部に運ぶことができる、請求項1に記載のインクジェット受容媒体。
- 前記基板が、前記最上層で被覆される前に、比較的疎水性の被覆面を含み、
前記最上層が、前記被覆前の比較的疎水性の基板表面に比較して、比較的親水性の連続面を提供する、請求項1に記載のインクジェット受容媒体。 - 前記基板が塗工オフセット用紙である、請求項1に記載のインクジェット受容媒体。
- R90未満のロックウェル硬さを有するポリマーで主に構成される前記粒子が少なくとも約2μmのモード球相当径を有する、請求項1に記載のインクジェット受容媒体。
- 前記最上層が、R90未満のロックウェル硬さを有するポリマーで主に構成され、2〜10μmのモード球相当径を有する粒子を0.01〜0.05g/m2含む、請求項1に記載のインクジェット受容媒体。
- 前記最上層が、R90未満のロックウェル硬さを有するポリマーで主に構成される粒子を0.01〜0.05g/m2提供する、請求項1に記載のインクジェット受容媒体。
- 前記最上層が、R75未満のロックウェル硬さを有するポリマーで主に構成される粒子を0.01〜0.05g/m2提供する、請求項1に記載のインクジェット受容媒体。
- 前記1種又は複数の多価金属塩がMg+2、Ca+2、Ba+2、Zn+2及びAl+3から選択されるカチオンを含む、請求項1に記載のインクジェット受容媒体。
- 前記1種又は複数の多価金属塩がCaCl2、Ca(CH3CO2)2、MgCl2、Mg(CH3CO2)2、Ca(NO3)2又はMg(NO3)2(これらの塩の水和バージョンを含む)を含む、請求項1に記載のインクジェット受容媒体。
- 顔料系着色剤がアニオン性分散剤を用いて安定化された又は自己分散された、水性インク組成物中の少なくとも1種の顔料系着色剤を用いるインクジェットプリンターで請求項1に記載のインクジェット受容媒体が印刷される、印刷方法。
- 前記インク組成物を前記受容媒体に適用する連続インクジェット印字ヘッドによって前記インクジェット受容体を輸送し、その後に、印刷された受容媒体を乾燥ステーションを介して輸送する、請求項19に記載の印刷方法。
- 前記インクジェットプリンターが連続インクジェットプリンターであり、該インクジェットプリンターが少なくとも2つの異なる印刷ヘッドから順に色を適用し、前記インクジェット受容媒体上に印刷された画像の異なる色の部位が登録される、請求項20に記載の印刷方法。
- 1種又は複数の多価金属カチオンの水溶性塩と、R90未満のロックウェル硬さを有するポリマーで主に構成される粒子とを含む、インクジェット印刷前に基板を前処理するための被覆組成物であって、該組成物が少なくとも30重量%の1種又は複数の多価金属カチオンの水溶性塩を含む固形分を有し、R90未満のロックウェル硬さを有するポリマーで主に構成される粒子が少なくとも約2μmのモード球相当径を有する被覆組成物。
- 前記固形分が30〜90重量%の1種又は複数の多価金属カチオンの水溶性塩、10〜69重量%のポリマーバインダー、及び、1〜10重量%のR90未満のロックウェル硬さを有するポリマーで主に構成される粒子を含む、請求項22に記載の被覆組成物。
- 前記固形分が50〜98重量%の1種又は複数の多価金属カチオンの水溶性塩、1〜49重量%のポリマーバインダー、及び、1〜10重量%のR90未満のロックウェル硬さを有するポリマーで主に構成される粒子を含む、請求項22に記載の被覆組成物。
- 前記1種又は複数の多価金属塩がカルシウム塩を含む、請求項22に記載の被覆組成物。
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