JP5848331B2 - 分散物、分散物の調製方法およびインクジェット印刷インク - Google Patents

分散物、分散物の調製方法およびインクジェット印刷インク Download PDF

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Description

本発明は、封入固体粒子の分散物に関し、さらに、前記分散物の調製方法および前記分散物を含有するインク(特にインクジェット印刷インク)に関する。
インクは、用いられる着色剤のタイプに応じて2つのタイプの一方であることが多い。染料に基づくインクは、液体媒体に溶解している染料を含むことが多い。顔料インクは、液体媒体中に微粒子の形で分散している顔料を含む。顔料インクは、染料に基づくインクより良好な耐オゾン堅牢度および耐光堅牢度を有する傾向がある。しかしながら、顔料が微粒子の形にあるので、インクの貯蔵中および/またはインクの使用中(例えば印刷中)に粒子が集塊(agglomerate)または凝集(flocculate)する傾向がある。インクが基材上に印刷される前のそのような集塊または凝集は、とりわけ、印刷機のノズルが非常に小さくて大きすぎる粒状物質による閉塞の影響を受けやすいインクジェット印刷のインクにおいて、非常に望ましくない。したがって、インクジェット分野では、サブミクロンサイズの顔料分散物を提供し、これらの顔料分散物のコロイド安定性を向上させる試みに、多大な尽力がなされてきた。
特に普通紙上に印刷した時に、高い光学濃度(OD)を示す顔料インクを提供することも望ましい。
顔料分散物は、分散剤によりコロイド的に安定化させることが多い。
分散剤で安定化した顔料インクに関するわれわれ独自の研究において、われわれは、良好なコロイド安定性および普通紙上での高いODを同時に示すインクを調製することが、とりわけ難しいことを見いだした。例えば、われわれは、高いコロイド安定性を有する当分野で公知の分散剤安定化顔料インクが、普通紙上に印刷した時に低いODをもたらし、逆の場合も同様であることを見いだした。
われわれはまた、普通紙上に印刷した時に高いODを示すインクをもたらすいくつかの分散剤安定化顔料インクでは、例えば顔料の分散または微粉砕段階で、分散剤を溶解/分散させるのを補助するために顕著で望ましくない大量の有機溶媒を必要とする分散剤も用いられる傾向があることを見いだした。
さらに、分散剤は、微粉砕プロセスにおいて有効であることが望ましい。サブミクロンの粒径へのより迅速な微粉砕(例えばミル粉砕)では、かなりのエネルギーが節約され、標的サイズより著しく小さい粒径を有する顔料粒子が少なくなる可能性もある。標的サイズを大きく下回る粒子は、しばしば微粉とよばれる。
微粒子固体を凝集させることなく、大量の有機液体を含有する液状ビヒクルを許容することができる顔料分散物を調製することも、必要とされている。
顔料インクを調製するために用いることができ、上記問題の1以上を少なくとも部分的に解決する分散剤および分散物が、商業的に依然として必要とされ続けている。
本発明の第1の観点に従って、液体媒体中の封入固体粒子の分散物を調製するための方法であって、以下を含む方法を提供する:
i)固体粒子、液体媒体、および式(1)またはその塩の反復単位を少なくとも1つ含むポリマーを含む分散物を提供し;
Figure 0005848331
[式中:
各Xは、独立して、それぞれ置換されていてもよいアルキル、アリールまたはヘテロシクリル基であり;
およびQは、独立して、NR、OまたはSであり;ここにおいて、Rは、独立して、Hであるか、または置換されていてもよいアルキル、アリールもしくはヘテロシクリル基であり;
Aは、置換されていてもよい二価の有機連結基であり;
mは、独立して1または2であり;そして
mが1である場合、Qは、独立して、NR、OまたはSであり、Rは、Hであるか、または置換されていてもよいアルキル、アリールもしくはヘテロシクリル基であり;あるいは、mが2である場合、QはNである];そして
ii)固体粒子および液体媒体の存在下でポリマーを架橋して、固体粒子を封入する。
定義
本記載において、“1つ(a)”および“1つ(an)”という単語は、特記しない限り、1以上を意味する。したがって、例えば、“1つ”のポリマーは1より多くのポリマーが存在する可能性を包含する。
ポリマー
ポリマーは、全ポリマー組成に対し好ましくは少なくとも50重量%、より好ましくは少なくとも70重量%、特に少なくとも90重量%の式(1)またはその塩の反復単位を含む。より好ましくは、ポリマーは、式(1)またはその塩の反復単位と末端基のみを含む。最大100%にする必要がある場合、残りのポリマー鎖は、ポリウレタンまたはポリエステル鎖であることができる。
ポリマー構造は、分枝状であってもよいが、好ましくは線状である。
調製法およびポリマーを調製するために用いられるモノマーの相対量によっては、末端基をトリアジンおよび/またはQ基に付着させることができる。
反復単位
ポリマーは、好ましくは2〜1000、より好ましくは2〜500、特に2〜100、もっとも特に2〜50の式(1)またはその塩の反復単位を含む。
場合によっては、nは、少なくとも3、より好ましくは少なくとも4、さらにより好ましくは少なくとも5であることができる。したがって、例えば、nは、3〜1000、
4〜1000、または5〜1000であることができる。
反復単位はすべて同じ化学式のものであることができ、または、それらは異なっていることができる。ポリマー中に1より多くの反復単位が存在する場合、各A、m、X、Q、QおよびQは、独立して、本発明の第1の観点で先に定義した可能性から選択することができる。
したがって、好ましいポリマーは、式(1A)またはその塩を有する:
Figure 0005848331
[式中:
各Xは、独立して、それぞれ置換されていてもよいアルキル、アリールまたはヘテロシクリル基であり;
各QおよびQは、独立して、NR、OまたはSであり;ここにおいて、各Rは、独立して、Hであるか、または置換されていてもよいアルキル、アリールもしくはヘテロシクリル基であり;
各Aは、独立して、置換されていてもよい二価の有機連結基であり;
nは2〜1000であり;
各mは、独立して1または2であり;そして
各場合において、mが1である場合、Qは、独立して、NR、OまたはSであり、各Rは、独立して、Hであるか、または置換されていてもよいアルキル、アリールもしくはヘテロシクリル基であり;mが2である場合、QはNである]。

nは、好ましくは2〜1000、より好ましくは2〜500、特に2〜100、もっとも特に2〜50である。nの値は任意の適した技術により測定することができる。好ましい技術としては、ゲル透過クロマトグラフィー、粘度測定法、蒸気圧浸透圧法、質量分析法および多角レーザー光散乱が挙げられる。
好ましい技術はゲル透過クロマトグラフィーである。これは、水、THFまたはDMF溶媒を用いて実施することが好ましい。分子量は、好ましくはポリスチレン、さらに特にポリ(エチレングリコール)標準液に対し、確定する。nの値を確定するためには、数平均分子量を、採用する特定モノマーに基づく式(1)により表される反復単位の質量で割ることが好ましい。
発色団
本発明に用いられるポリマーは、発色団基を含まないことが好ましい。該ポリマーは、350〜750nmの波長範囲に吸収ピークを有する発色団を含まないことが好ましい。とりわけ、該ポリマーは、ポリマー構造中に共有結合している染料基を含まないことが好ましい。存在しないことが好ましい基の例としては、アゾ、キサンテン、アントラキノン、トリアリールメタン、アジン、チアジン、アクリジン、ローダミン、フタロシアニンおよびニグロシン基が挙げられる。これにより、本発明のポリマーを、望ましい色調を乱す可能性のない状態で、あらゆる粒状固体とともに用いることが可能になる。
末端基
ポリマーは、いくつかの方法で終結させることができる。
末端基は、任意の一価の基であることができる。
典型的な末端基としては、H、OH、ハロゲン、C1−30アルキル−NH−、C1−30アルキル−S−、C1−30−アルキル−O−、フェニル−NH−、フェニル−S−、およびフェニル−O−が挙げられる。
末端基を含めると、式(1)またはその塩の反復単位を少なくとも1つ含むポリマーの例として、式(1a)、(1b)および(1c)のものが挙げられる:
Figure 0005848331
[式中、
Tは、OH、ハロゲン、C1−30アルキル−NH−、C1−30アルキル−S−、C1−30−アルキル−O−、フェニル−NH−、フェニル−S−、およびフェニル−O−基から選択される末端基である];
Figure 0005848331
[式中、
およびQは、それぞれ独立して、NR、OまたはSであり;ここにおいて、各Rは、独立して、H、置換されていてもよいアルキル、アリールまたはヘテロシクリル基であり;
そしてA’は、置換されていてもよい二価の有機連結基である];
Figure 0005848331
[式中、各Tは、独立して上記のとおりである]。
場合によっては、ポリマーの調製に用いられるハロ−トリアジン基を後反応させることが望ましい可能性がある。適した後反応剤としては、単官能性のアミン、チオールおよびアルコールが挙げられる。これらのうち、単官能性有機アミンが好ましい。
好ましい一例では、モノチオール、モノアルコールおよび特にモノアミンを末端キャッピング剤として用いて、T=NR、SまたはO基を介してトリアジン環に連結しているアルキル/アリール/シクロアルキル[ここにおいて、Rは先に定義したとおりである]である式(1c)のポリマーをもたらすことができる。Tは、C1−20アルキル/シクロアルキル−NH−であることが好ましい。
他の例では、モル過剰の化合物HQAQHをポリマーの調製に用いることができ、この場合、ポリマーは式(1b)のものである。
一例では、残存するハロ−トリアジン基を水で加水分解してOH基をもたらすことが可能である。したがって、一例において、存在するT基はすべてOHである。
水分散基
架橋前に、ポリマー鎖は、その構造内に少なくとも1つの水分散基を有することが好ましい。反復単位の少なくとも1つが、その構造内に少なくとも1つの水分散基を有することが好ましい。
本明細書中で定義する水分散基は、水中でのポリマーの分散または溶解に役立つ親水基を意味する。水分散基の好ましい例としては、末端がOHであるポリエチレンオキシドか、C1−6アルキル、−SONH、−OH、−SOH、−COH基、およびリン含有酸が挙げられる。
酸性水分散基−SOH、−COH、および特にリン含有酸が好ましい。存在する水分散基(1以上)の少なくとも1つが、リン含有酸基であることが好ましい。より好ましくは、ポリマー中に存在する水分散基のすべてが、リン含有酸基である。
好ましいリン含有酸としては、モノエステルおよびポリリン酸を含むリン酸類、ならびに、モノエステルおよびポリホスホン酸を含むホスホン酸類が挙げられる。これらのうち、−OPO(リン酸)およびもっとも特に−PO(ホスホン酸)が、それらの塩を含め、好ましい。われわれは、とりわけホスホン酸基により、ポリマーが顔料分散剤としてより有効になり、印刷した時に向上した光学濃度(OD)を有する最終インクがもたらされる傾向があることを見いだした。モノホスホン酸基およびビスホスホン酸基が特に適している。
ポリマーは、ポリマー構造中に存在する各トリアジン環に、好ましくは0.1〜10、より好ましくは0.1〜5、さらにより好ましくは0.2〜2、特に0.3〜1個の水分散基を有する。
水分散基(1以上)の付着に好ましい部位としては、A、R、X、より好ましくはAおよびX、特にXが挙げられる。存在する少なくとも1つの水分散基が、X基の少なくとも1つに付着していることが好ましい。場合によっては、反復単位(1以上)中に存在する水分散基のすべてが、X基に付着している。
、Q 、Q およびQ
ポリマー中に存在する基QおよびQの少なくとも1つ、より好ましくはすべては、式NRのものである。存在する場合、同じ優先傾向が基QおよびQにも当てはまる。この連結は、とりわけ有効である傾向があるアミン/ハロ−トリアジンカップリング反応により形成されることが好ましい。
が置換されていてもよいアルキルである場合、それは、置換されていてもよいC1−20アルキルであることが好ましい。
が置換されていてもよいアリール基である場合、それは、置換されていてもよいフェニルまたはナフチル基であることが好ましい。
が置換されていてもよいヘテロシクリルである場合、それは、芳香族(ヘテロアリール)または非芳香族であることができる。Rがヘテロシクリルである場合、それは、N、SおよびOから選択される1〜3個の原子を環中に含有する5または6員環であることが好ましい。
その好ましい例としては、置換されていてもよいピロリル、チオフェニル、フラニル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、トリアジニル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリルおよびピラゾリルが挙げられる。
所望による置換基
がHではない場合、Rに関する所望による置換基としては、−NO、CN、ハロ(特にCl、F、BrおよびI)、−NHC(O)C1−6アルキル、−SONHC1−6アルキル、−SO1−6アルキル、OH基を持っていてもよい−C1−6アルキル、OH基を持っていてもよい−OC1−6アルキル、−NHCONH、−OC(O)C1−6アルキル、OHまたはC1−6アルキル基を末端とするポリプロピレンオキシド、OHまたはC1−6アルキル基を末端とするポリエチレンオキシド、−OH、−SOH、−PO、−OPO、−SONHおよび−COHが挙げられる。
に関する所望による置換基は、置換されていてもよい可能性について記載しているあらゆる他の基に関する所望による置換基として用いることもできる。
もっとも好ましくは、RはHである。

基の好ましくは少なくとも1つ、より好ましくはすべては、NH(m=1)またはN(m=2)である。他の言葉で言い換えると、基Qは、−NRXまたは−NXであることが好ましい。Rは、Q中に存在する場合、上記基のいずれかであることができるが、好ましくはHである。

一般的に言えば、Xは、R上に存在することができるすべての置換基を含め、Rに関し記載した基のいずれかであることができる。
X基の好ましくは少なくとも1つ、より好ましくは大部分またはすべてが、水分散基(1以上)に付着しており、ここにおいて、水分散基は先に記載したとおりである。そうではないと特記しない限り、本明細書中で使用する付着しているという語は、共有結合していることを意味する。
ポリマー中に存在するX基が水分散基を有する場合、それは、好ましくは1〜3、より好ましくは1または2個の水分散基を有する。
これらの水分散基は、好ましくはリン含有酸基、より好ましくは−OPOまたは−PO、もっとも好ましくは−PO基である。われわれは、ポリマー構造中のこの位置におけるホスホン酸基が、とりわけ良好な分散剤の性質および印刷した時に高い光学濃度(OD)を示すインクをもたらすことを見いだした。
Xの好ましい例としては、フェニル、ナフチル、−C1−20アルキル、および環中に1〜3個のN、SまたはO原子を含有する5または6員のヘテロ芳香族基が挙げられる;これらはそれぞれ、1〜3個の−PO基および所望により−PO基以外の1以上の置換基で置換されていることが好ましい。
XがC1−20アルキルである場合、Xは、式C1−6アルキル−POのものであることが好ましい。この種のX基の適した例としては、CHPOCHCHPOCHCHCHPO、CHCHCHPOCHCHCHCHPO[式中、アスタリスク()は、Q基への付着点を表す]が挙げられる。
X基がフェニルである場合、それは式(4a、4bまたは4c)のものであることが好ましい:
Figure 0005848331
式中、アスタリスク()は、Q基への付着点を表す。
基Xは、芳香族および脂肪族基の両方を含むことができる。例えば、X基は、式(5a)のものであることができる:
Figure 0005848331
式中、アスタリスク()は、Q基への付着点を表す。
基Xは、ホスホン酸基を2つ有することもできる。その適した例としては、式(6a、6bおよび6c)のものが挙げられる:
Figure 0005848331
式中、アスタリスク()は、Q基への付着点を表す。
基Xは、式(7aまたは7b)のものであることもできる:
Figure 0005848331
式中、アスタリスク()は、Q基への付着点を表す。
X基の少なくともいくつかが、式CHPOのもの[式中、アスタリスク()は、Q基への付着点を表す]であることがもっとも好ましい。
一例において、QはNであり、m=2であり、X基の1つはCHCOHであり、他のX基はCHPO[式中、アスタリスクは、N原子(Q)への付着点を表す]である。これは、グリホセート残基である。
X基の少なくともいくつかは、式CHCHSOHまたはCHCOHのもの[式中、アスタリスクは、Q基への付着点を表す]であることができる。Xは、C1−6アルキルまたはOHを末端とするポリエチレンオキシ鎖であることができる。

ポリマー中に存在する基Q(X)の少なくともいくつかは、式−NHCHPOまたは−N(CHPOのものであることが好ましい。
AおよびA’
ポリマー中の基Aおよび存在する場合A’は、任意の二価の有機連結基であることができる。
AおよびA’は、独立して、アルキレン、シクロアルキレン、芳香族または複素環式基であることができる。複素環式基は、芳香族または非芳香族であることができる。基AおよびA’は、これらの組み合わせであってもよい。基AおよびA’は、−O−、−NH−、−S−、−CO−、−NHCO−、−SO−およびNHSO−などの基により遮断されていてもよい。AおよびA’はポリマーであってもよく、例えばA/A’は、アクリル、スチレン、スチレン−アクリル、ポリエステル、ポリウレタンまたはポリエーテルポリマーであることができる。AおよびA’は、アリーレン、アルキレン、またはそれらの組み合わせであることが好ましい。AおよびA’は、Rに関し記載した所望による置換基の1以上で置換されていてもよい。基AおよびA’は、先に記載した水分散基を1以上有することができる。いくつかの態様において、Aおよび/またはA’は、置換されていない。
AまたはA’がアリーレンである場合、それは二価のナフチレンまたはフェニレンであることが好ましい。Aがフェニレンである場合、QおよびQへの連結基は、オルト、メタまたはパラ位に配置されていることができる。同様のことがA’でも考えられ、この場合は連結基はQおよびQである。
AまたはA’がアルキレン基である場合、それは、好ましくはC2−30アルキレン、特にC2−10アルキレン、もっとも特にC2−6アルキレンである。好ましい例は(CHおよび(CHである。これらは分枝状または線状であることができる。
好ましい一態様において、Aはキシリレン(CH−フェニレン−CHであり、CH基は、互いに対しメタまたはパラ位にあることが好ましい。アスタリスク()は、基QおよびQへの付着点を表す。
上記を考慮して、ポリマー中に存在する各Aは、独立して、それぞれ置換されていてもよいC2−30アルキレン、フェニレン、ナフチレンおよびキシリレン基から選択されることが好ましい。
われわれは、Aが(CH、(CHであるか、Aがp−キシリレンである場合、得られるポリマーが、良好な分散剤の性質を示し、印刷した時に良好な光学濃度を有するインクをもたらすことを見いだした。ポリマー中に存在するA基の好ましくは少なくとも1つ、より好ましくは大部分、特にすべては、(CH、(CHまたはp−キシリレンから選択される。

本発明の第1の観点で定義したポリマーは、遊離酸、塩またはそれらの混合物の形で存在することができる。該ポリマーは、好ましくは少なくとも部分的に、より好ましくは少なくとも50%が、塩の形にある。
好ましい塩としては、アルカリ金属(特に、リチウム、ナトリウムおよびカリウム)、アンモニア、有機アミンおよびアルカノールアミンを伴うものが挙げられる。有機第四級アミンおよびピリジニウムを伴う塩も可能である。
異性体
本発明の第1の観点で定義したポリマーを1つの化学式で表してきたが、請求項のポリマーおよび範囲は、互変異性体、光学異性体、同位体異性体および幾何異性体を含むいくつかのその異性体も包含するものとする。
架橋性基
一例において、架橋前に、ポリマーは、エチレン性不飽和基である架橋性基を少なくとも1つ有し、架橋は、開始剤の添加により生じさせる。好ましくは、ラジカル開始剤である。
他の例では、架橋前に、ポリマーは、塩を含め−NH、−SH、−OH、−COH、エポキシ、リン含有酸(先に記載したもの)および−NCOから選択される基を有する。われわれは、これらの基が架橋に特に適していることを見いだした。これらのうち、−COHおよび/またはリン含有酸基またはそれらの塩が好ましい。もっとも好ましい架橋基はリン含有酸基である。いくつかの例では、リン含有酸基のみを架橋性基として用いることが可能であり、場合によっては好ましい。
あらゆる例において、ポリマーは、架橋剤の添加により架橋することが好ましい。したがって、当該の封入粒状固体は、例えば、リン含有酸および/またはカルボン酸基を介して架橋している。
架橋性基は、X、R、Tおよび/またはA基、より好ましくはXおよび/またはA基、特にX基に付着していることができる。
水分散基および架橋性基
ポリマー中に存在する基は、水分散性および架橋性の両方をも与えることが好ましい。いくつかの基(例えば、リン含有酸およびカルボン酸)は、水分散性および架橋性基を同時にもたらすことができる。そのような基は二重の官能性をもたらし、特に好ましい。場合によっては、水分散性基および架橋性基をもたらすために、異なる種類の基の混合物が必要である。場合によっては、それぞれ水分散性および架橋性の両方である2以上の基を用いることが可能である(一例は、エポキシ架橋性基およびモノアルキルを末端とするポリエチレンオキシド水分散基であろう)。一例は、カルボン酸およびリン含有酸基の両方を含有するポリマーである。
リン含有酸およびカルボン酸のような基は、好ましくはAおよび/またはX基、より好ましくはX基(必ずしも同じX基ではないが)に付着している。
一例において、ポリマーは、式(1)またはその塩の反復単位の混合物を含む。少なくとも1つの反復単位が少なくとも1つの水分散基(特にリン含有酸)を有し、少なくとも1つの反復単位が少なくとも1つの架橋性基(好ましくはカルボン酸)を有することが可能である。水分散基(1以上)が第1の反復単位中のX基に付着していて、架橋性基(1以上)が第2の反復単位中のX基に付着していることが可能である。
他の例において、水分散基(1以上)および架橋性基(1以上)の両方を含有する単一の反復単位を有することが可能であり、例えば、単一のX基が、これに付着している水分散基(1以上)および架橋性基(1以上)の両方を有することができ、同様に第2の例として、単一の反復単位中に、一方が少なくとも1つの水分散基を有し、他方が少なくとも1つの架橋性基を有する、2つのX基を有する(m=2およびQ=Nである場合)ことが可能である。
これに加えて、所望により、ポリマーの全体的疎水性を希望通りに適応させるのを助け、分散剤の性質を改善するために、アルキルまたはアリール基などの疎水性基を有するX基をいくつか有することが可能である。
ポリマー
本発明に用いられるポリマー(架橋前)のいくつかは、本発明の他の観点を構成する。
本発明の第2の観点に従って、本発明の第1の観点の部i)で定義したポリマーであって、
i)その構造内に、1以上のホスホン酸基またはその塩;
および
ii)その構造内に、塩を含め−NH、−SH、−OH、−COH、エポキシおよび−NCO基から選択される1以上の基、
を有するポリマーを提供する。
好ましくは、本発明の第2の観点に従ったポリマーは、架橋前に、式(1)またはその塩の反復単位を少なくとも2種含む:
i)構造内に1以上のホスホン酸基またはその塩を有する、第1の反復単位;および
ii)構造内に、塩を含め−NH、SH、−OH、−COH、エポキシおよび−NCO基から選択される1以上の基を有する、第2の反復単位。
i)のホスホン酸は、第1の反復単位中のX基に付着していることが好ましい。
ii)の基は、−COH基であることが好ましい。ii)の基は、第2の反復単位中のX基に付着していることが好ましい。
反復単位i)とii)の比は、好ましくは1:10〜10:1、より好ましくは5:1〜1:5、特に2:1〜1:2である。
ポリマーは、分散剤1gあたり好ましくは0.1〜8ミリモル、より好ましくは0.3〜4ミリモル、特に1〜2.7ミリモル、もっとも特に1〜2.5ミリモルの酸性基を有する。
ポリマーは、スルホン酸基を有さないことが好ましい。
分散剤は、ポリマー中に存在するトリアジン環1モルあたり0.1モル未満のポリエチレンオキシド基を有することが好ましく、より好ましくは、分散剤はポリエチレンオキシド基を有さない。
ポリマーは、カルボン酸およびホスホン酸以外の水分散性または架橋性基を含有しないことが好ましい。
本発明の第2の観点に従った好ましいポリマーは、式(2)またはその塩の鎖を含む:
Figure 0005848331
[式中:
各Xは、独立して、それぞれ置換されていてもよいアルキル、アリールまたはヘテロシクリル基であり;
各QおよびQは、独立して、NR、OまたはSであり;ここにおいて、各Rは、独立して、Hであるか、または置換されていてもよいアルキル、アリールもしくはヘテロシクリル基であり;
各Aは、独立して、置換されていてもよい二価の有機連結基であり;
nは2〜1000であり;
各mは、独立して1または2であり;そして
各場合において、mが1である場合、Qは、独立して、NR、OまたはSであり、各Rは、独立して、Hであるか、または置換されていてもよいアルキル、アリールもしくはヘテロシクリル基であり;mが2である場合、QはNであり;
前記ポリマーは、1以上のホスホン酸基またはその塩と、−NH、−SH、−OH、−COH、エポキシおよび−NCO(特に−COH)基またはその塩から選択される1以上の基を有する]。
これらの基のすべてに関する優先傾向は、先に記載したとおりである。
このポリマー鎖は、先に記載したように終結させることができる。
本発明の第2の観点に従ったポリマーは、先に記載した発色団または染料基を有さないことが好ましい。
再び本発明の第1の観点に関し、好ましい反復単位の具体例としては、式(8a)〜(8l)を有するものが挙げられる:
Figure 0005848331
Figure 0005848331
Figure 0005848331
Figure 0005848331
Figure 0005848331
Figure 0005848331
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Figure 0005848331
Figure 0005848331
Figure 0005848331
Figure 0005848331
カルボン酸基を含有する反復単位を含むポリマーは、リンの酸(phosphorus acid)(特にホスホン酸)を含有する反復単位を含むこともできる。したがって、一例として、式(8a)および(8c)の反復単位を含むポリマーが、本発明に適している。他のこの種の組み合わせは、当業者には容易に明らかになるであろう。
合成
本発明の第1の観点で定義したとおりで、第2の観点に従っているポリマーは、
i)式(3)の化合物;
Figure 0005848331
[式中、Zはハロゲン原子である];
ii)式HQの化合物;および
iii)式HQAQHの化合物[式中、A、X、Q、Q、Qおよびmは、先に定義したとおりである]
を任意の順序で反応させることにより、調製することができる。
式(3)の化合物
Zに関するハロゲン原子は、I、BrまたはFであることができるが、Clであることが好ましく、したがって、式(3)の化合物はシアヌル酸クロリドであることが好ましい。
式(3)の化合物に加え、該ポリマー鎖は、比較的少量のジハロピリミジン化合物および/または1,3−ジニトロ−4,6−ジフルオロベンゼンを追加的に反応させることにより、調製してもよい。
式HQ の化合物
ポリマーは、単に1種類の式HQの化合物、または(より好ましくは)1より多くのこの化学式の化合物を反応させることにより、調製することができる。
式HQの化合物の少なくともいくつかは、好ましくは少なくとも1、より好ましくは1または2個の水分散基を有する。
水分散基がカルボン酸および/またはスルホン酸基である場合、式HQの好ましい化合物としては、タウリン、スルファニル酸、グリシンおよびベータアラニンが挙げられる。
式HQの化合物の少なくともいくつかは、リン含有酸(特にリン酸およびホスホン酸)基を好ましくは少なくとも1個(より好ましくは1または2個)有する。
ホスホン酸含有化合物の好ましい例としては、アミノメチルホスホン酸、イミノジ(メチルホスホン酸)、N−メチルアミノメチルホスホン酸、2−アミノエチルホスホン酸、3−アミノプロピルホスホン酸、メタ、オルトおよびパラ−アミノフェニルホスホン酸、4−アミノベンジルホスホン酸、アレンドロン酸、パミドロン酸、ネリドロン酸、グリホサート、2−アミノ−3−ホスホノプロピオン酸、2−アミノ−4−ホスホノ酪酸などが挙げられる。これらのうち、アミノメチルホスホン酸およびアレンドロン酸が好ましい。
場合によっては、式HQの化合物のいくつかは、水分散基を有さない。例としては、C1−6アルキルアミンおよび置換されていてもよいアリールアミンが挙げられる。
式HQの化合物の組み合わせ、例えば、いくつかは少なくとも1つの架橋性基を含有し、いくつかは少なくとも1つの水分散基を含有するものを、用いることが可能である。これに加えて、式HQの化合物のいくつかは、水分散基を有していなくてもよく(疎水基)、このようにして、ポリマーの親水性を希望通りに適応させて、最良の分散剤の特性をもたらすことができる。
式HQの化合物の少なくともいくつかは、その構造内に、塩を含め−NH、−SH、−OH、−COH、エポキシ、リン含有酸および−NCO基から選択される1以上の架橋性基を含むことが好ましい。これらはX基に付着していることが好ましい。架橋性基は、−COHおよび/またはリン含有酸またはそれらの塩であることが好ましい。場合によっては、架橋性基は、リン含有酸基またはその塩のみである。
場合によっては、ポリマーは、少なくとも2種の式HQの化合物から調製される:
i)1以上のリン含有酸(特にホスホン酸またはリン酸)基またはその塩を有する第1の化合物;
ii)−NH、−SH、−OH、−COH、エポキシ、および−NCO(特に−COH)基またはその塩から選択される1以上の基を有する第2の化合物。
式HQ AQ Hの化合物
ポリマーは、A基を1種のみ、または異なるA基の混合物を、含有することができる。同様に、ポリマーは、式HQAQHの単一の化合物または該化学式の化合物の混合物から調製することができる。
式HQAQHの化合物は、式HN−ANHのジアミンであることが好ましい。
A基は水分散基を有さなくてもよく、その場合、HQAQHの適した例としては、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノブタン、1,5−ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカン、1,12−ジアミノドデカン、p−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、ピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、2−メチルペンタメチレンジアミン(DYTEK A)、1,3−ペンタンジアミン(DYTEK EP)、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン(DYTEK BHMT−HP)、トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサンが挙げられる。これらの好ましい例としては、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサンおよびp−キシリレンジアミンが挙げられる。
ジヒドラジド(例えば、アジピン酸ジヒドラジド)および尿素を用いることもできる。
式HQAQHの化合物は水分散基を有していてもよく、その場合、HQAQHの適した例としては、リシン、p−フェニレンジアミンスルホン酸、m−フェニレンジアミンスルホン酸、p−フェニレンジアミンジスルホン酸、m−フェニレンジアミンジスルホン酸、および4,4’−ジアミノジフェニルアミン−2−スルホン酸が挙げられる。HQAQH化合物は、HuntsmanによりJEFFAMINE(登録商標)ジアミン(D、ED、EDRシリーズ)として市販されているものなどのポリエーテルジアミンであることもできる。
式HQAQHの化合物は、エチレン性不飽和基を有していてもよい。
式HQAQHの異なる化合物の組み合わせを用いることにより、ポリマーの親水性を希望通りに適応させて、最良の分散剤の特性をもたらすことができる。
式HQAQHの化合物はジオールであってもよい。あらゆるジオールを制限なく用いることができ、好ましいジオールは、ポリエステルおよびポリウレタンの調製にしばしば用いられるものである。低分子量ジオールを用いることができ、その例としては、エチレングリコール;プロピレングリコール;1,3−プロパンジオール;1,4−ブタンジオール;1,5−ペンタンジオール;1,6−ヘキサンジオール;1,2−ヘキサデカンジオール;1,2−ドデカンジオール;脂肪酸のグリセロールモノエステルまたはジエステル(例えば、モノオレイン酸グリセロール、モノステアリン酸グリセロールなど)、ネオペンチルグリコール;ジエチレングリコール;ジプロピレングリコール;2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール;1,4−シクロヘキサンジメタノール;ヒドロキノン;レゾルシノール;4,4’−スルホニルジフェノール;ビスフェノールA;ビスフェノールAのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド付加体;ならびに、水素化ビスフェノールAのエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド付加体、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ならびにこれらの混合物が挙げられる。
オリゴマージオールを用いてもよい。その好ましい例としては、ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール、アクリルジオールおよびポリカーボネートジオールが挙げられる。
式HQAQHの化合物はジチオールであってもよい。ジチオールの例として、1,2−エタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,10−デカンジチオール、ジペンテンジメルカプタン、エチルシクロヘキシルジメルカプタン、1,4−ベンゼンジチオール、1,3−ベンゼンジチオール、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール、4,4’−チオビスベンゼンチオールおよび1,2−ベンゼンジチオールを挙げることができる。
合成条件
本発明の第1の観点で定義したとおりで、第2の観点に従っているポリマーを調製するための方法は、いくつかの方法で実施することができるが、3つの簡潔なスキームについて以下に略述する。
スキームI
スキームIにおいて、該ポリマー鎖を調製するための方法は、
i)式(3)の化合物を式HQの化合物と反応させる段階;
ii)段階i)の生成物を式HQAQHの化合物と反応させる段階;
iii)段階ii)の生成物を加熱して、重合をもたらす段階;
iv)所望により、残存するハロトリアジン基を末端キャッピングまたは加水分解する段階
を含む。
スキームII
スキームIIにおいて、該ポリマー鎖を調製するための方法は、
i)式(3)の化合物を式HQAQHの化合物と反応させる段階;
ii)段階i)の生成物を式HQの化合物と反応させる段階;
iii)段階ii)の生成物を加熱して、重合をもたらす段階;
iv)所望により、残存するハロトリアジン基を末端キャッピングまたは加水分解する段階
を含む。
スキームIII
スキームIIIにおいて、該ポリマー鎖を調製するための方法は、
i)式(3)の化合物を式HQAQHの化合物と反応させる段階;
ii)段階i)の生成物を加熱して、重合をもたらす段階;
iii)段階ii)の生成物を式HQの化合物と反応させる段階;
iv)所望により、残存するハロトリアジン基を末端キャッピングまたは加水分解する段階
を含む。
スキームI、IIおよびIIIにおいて、段階i)、ii)およびiii)に好ましい温度は、それぞれ0〜20℃、20〜40℃および40〜100℃である。
各段階では、好ましくは水性で、より好ましくは水のみからなる液状ビヒクル中で、反応を実施することが好ましい。有機液状ビヒクルを用いることもでき、その適した例としては、N−メチルピロリドンおよびスルホランが挙げられる。
各段階では、4〜10のpHで反応を維持することが好ましい。
スキームIの段階i)およびii)において、pHは4〜8であることが好ましい。スキームIの段階iii)では、pHは6〜10であることが好ましい。
末端キャッピング反応は、本明細書中で先に記載したとおりであることができる。
加水分解は、反応のための水性液状ビヒクル(より好ましくは、液状ビヒクルは水だけである)を選び、液状ビヒクルが酸性または塩基性のpHを有している間に所望により段階iii)の生成物を加熱することにより、遂行することが好ましい。実際には、加水分解は、段階iii)のための液状ビヒクルとして水を用い、pHを9〜10に調整し、60〜100℃で加熱することにより実施することが好ましい。
固体
粒子の形にあるならば、特定の制限なしにあらゆる適した固体を用いることができる。
固体は、液体媒体に溶解しない無機または有機固体材料またはその混合物を含むことができ、好ましくは、そのような材料またはその混合物である。溶解しないという語により、われわれは、固体が、液体媒体に対し重量に基づき1%以下、より好ましくは0.1%以下の溶解度を有することを意味する。溶解度は、25℃の温度で測定することが好ましい。溶解度は、pH8で測定することが好ましい。溶解度は、好ましくは水、より好ましくは脱イオン水に対し測定する。
適した固体の例は、ペイントおよびプラスチック材料用の増量剤および充填剤;蛍光増白剤;粒状セラミック材料;磁性粒子(例えば、磁気記録媒体に使用するためのもの);金属粒子、ポリマー粒子、殺生物剤;農薬;医薬品および着色剤である。
固体は着色剤であることが好ましい。着色剤は、好ましくは顔料または染料、より好ましくは顔料である。われわれは、本発明に用いられるポリマーが、顔料分散剤として特に良好に機能することを見いだした。
顔料は有機物または無機物であることができる。
好ましい顔料は、有機顔料、例えば、Colour Indexの第3版(1971)、およびこれに続くその改訂版、およびその補遺の“Pigments”という見出しの章に記載されているクラスの顔料のいずれかである。有機顔料の例は、アゾ(ジスアゾおよび縮合アゾを含む)、チオインジゴ、インダントロン、イソインダントロン、アンタントロン、アントラキノン、イソジベンズアントロン、トリフェンジオキサジン、キナクリドン、ならびにフタロシアニン系列、特に銅フタロシアニンおよびその核ハロゲン化誘導体からのもののほか、酸性、塩基性および媒染染料のレーキである。好ましい有機顔料は、フタロシアニン、特に銅フタロシアニン顔料、アゾ顔料、インダントロン、アンタントロン、およびキナクリドンである。
好ましい無機顔料としては、カーボンブラック(特にガスブラック)、二酸化チタン、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、ならびに鉄の酸化物および硫化物が挙げられる。
適した顔料は、PCT特許出願WO2006/064193号の2頁、22〜24行に記載されている。
固体は、分散剤の補助なしでは水性液体媒体に分散することができない、すなわち、分散を促進するのに分散剤の存在が必要であることが好ましい。固体は、例えばその表面にイオン性基を共有結合させることにより、化学的に表面処理されていないことが好ましい(特に−COHまたは−SOH)。
インクジェットの場合、特に適した顔料は、カーボンブラック、C.I.Pigment Red 122、C.I.Pigment Blue 15:3およびC.I.Pigment Yellow 74である。言うまでもなく、他に考えうる顔料も多くある。
分散剤中の固体粒子は、好ましくは1ミクロン未満、より好ましくは10〜500nm、特に30〜300nm、もっとも好ましくは50〜200nmの平均粒径を有する。平均粒径は、Zまたは体積平均径であることができる。粒径は、レーザー光散乱を含む適した技術により測定することができる。
液体媒体
本発明の第1の観点に用いられる液体媒体は、完全に有機物であることができるが、好ましくは、水であるか水を含む(すなわち水性である)。
一例において、液体媒体は、水および1以上の水混和性有機液体を含む。
液体媒体中に包含させるのに好ましい水混和性有機液体は、PCT特許出願WO2006/064193号の3頁、36行〜4頁、8行に記載されている。
液体媒体は、水および1以上、特に1〜3種の水混和性有機液体を含むことができる。
水と水混和性有機液体の両方が液体媒体中に存在する場合、水と水混和性有機液体の重量比は、99:1〜5:95、95:5〜50:50、または95:5〜70:30であることができる。
一例において、架橋中に存在する液体媒体は、水と、液体媒体の全成分に対し重量に基づき20%未満、より好ましくは10%未満、特に5%未満の水混和性有機液体を含む。もっとも好ましくは、架橋中に存在する液体媒体は水のみからなる。
分散物
本発明の第1の観点の段階i)で提供される分散物は、特許請求している方法の一部として合成的に調製することができ、または、例えば商業的供給源から単に得ることができる。
該分散物は、
i)0.1〜40部、より好ましくは0.5〜20部の本発明の第1の観点で定義したポリマー;
ii)0.1〜40部、より好ましくは1〜20部の固体粒子;
iii)50〜99.8部、より好ましくは60〜98.5部の液体媒体;
ここにおいて、部はすべて重量に基づく
を含むことが好ましい。
部数i)+ii)+iii)の合計が100部であることが好ましい。
分散物中に存在する固体の量の百分率として表されるポリマーの量は、好ましくは1〜150%、より好ましくは5〜100%、特に5〜40%、もっとも特に10〜30%である。
分散物は、本発明の第1の観点で定義したポリマー、固体粒子および液体媒体を含む混合物を微粉砕することにより調製することが好ましい。
本明細書中で用いる微粉砕という語は、固体粒子の粒径を効果的に低減する分散方法を意味する。適した微粉砕方法の例としては、ミクロ流動化、超音波処理、均質化および特にミル粉砕が挙げられる。ビーズミル粉砕が特に好ましい。微粉砕には、固体の粒径を相当程度低減する傾向がない例えば攪拌、ブレンディングおよびローリングは含まれない。
微粉砕前の顔料の平均粒径は、1ミクロンより大きいことが好ましい。
微粉砕後の固体粒子の平均粒径は、好ましくは10〜500nm、特に30〜300nm、もっとも好ましくは50〜200nmである。平均粒径は、Zまたは体積(Mv)平均粒径であることが好ましい。平均粒径はあらゆる適した技術により測定することができるが、レーザー光散乱がとりわけ好ましい。平均粒径を測定するのに好ましい装置としては、MalvernからのZetasizerTM 3000およびHoneywell Microtracから得られるNanotrac 150が挙げられる。
微粉砕段階中に存在する唯一の分散剤が、本発明の第1の観点で定義したポリマーであることが好ましい。このポリマーは、少なくとも部分的に、顔料の表面上に吸着することが好ましい。
微粉砕後、本発明の第1の観点で定義したポリマー以外の分散剤を後添加することが可能であるが、これは、さらなる微粉砕プロセスにより行わないことが好ましい。その代わり、そのような分散剤は、例えば、混合、ブレンディング、攪拌などのような方法により加えることができる。
微粉砕段階中の液体媒体は、本明細書中で先に記載したとおりであることができる。とは言え、本発明の第2の観点に従ったポリマーの特別な利点は、それが、大量の有機液体を含有する液体媒体を必要とすることなく、容易な微粉砕を促進する能力を有する点である。
したがって、微粉砕に用いられる液体媒体は、
i)80〜100、より好ましくは90〜100、特に95〜100、さらに特に99〜100部の水;および
ii)0〜20、より好ましくは0〜10、特に0〜5、さらに特に0〜1部の1以上の水混和性有機液体;
ここにおいて、部は重量に基づき、i)とii)の部数の合計は100である
を含むことが好ましい。
もっとも好ましくは、微粉砕中に存在する液体媒体は、水だけを含む。
架橋
架橋段階は、ポリマー分子間に共有結合の形成をもたらすことが好ましい。
ポリマーがエチレン性不飽和基を含む場合、架橋段階は、開始剤、好ましくはラジカル開始剤の添加により達成することが好ましい。開始剤を活性化するために、熱または光が必要になる可能性がある。
ポリマーが、塩を含め−NH、−SH、−OH、−COH、エポキシ、リン含有酸および−NCO基から選択される基を含む場合、架橋は、架橋剤の添加により生じさせることが好ましい。
架橋剤は、当分野で公知の任意の適した架橋剤であることができる。
ポリマー中の架橋性基と架橋剤中の架橋基の適した組み合わせの例は、WO2005/061087号の6頁、表1に挙げられている。これらのうち、ポリマー中の架橋性基が−COH基および/またはリン含有酸またはそれら塩であることが好ましい。これらの架橋性基の場合、架橋剤は、メラミン、カルボジイミド、オキセタン、イソシアネート、アジリジンおよび特にエポキシドから選択することが好ましい。したがって、本発明の第1の観点の段階ii)において、架橋反応は、
a)ポリマー中の−COH基および/またはリン含有酸基;

b)架橋剤
との架橋反応により生じさせることが好ましい。
より好ましくは、架橋は、ポリマー中のリン含有酸基と架橋剤(特にエポキシド)との反応により生じさせる。リン含有酸は、本明細書中で先に記載したホスホン酸であることが好ましい。
エポキシ架橋剤を用いる場合、架橋反応をより良好に制御するために、ホウ酸および/またはホウ酸塩を加えることも好都合である。
架橋剤を用いて架橋を生じさせる場合、架橋反応は、好ましくは30〜150℃、より好ましくは40〜120℃、特に50〜100℃の温度で実施する。
架橋の速度を必要に応じて速めるために、触媒を加えてもよい。
乾燥または濃縮
本発明の第1の観点に従った方法は、追加的に、生成物から液体媒体の一部またはすべてを除去する段階を含むことができる。液体媒体は、蒸発および濾過などの方法により除去することができる。このようにして、封入顔料粒子を乾燥固体の形に濃縮または変換することができる。したがって、封入固体粒子は、本発明の第1の観点に従った方法と、追加的に、すべての液体媒体を除去する段階により、得る、または得ることができる。
その後、乾燥固体を、しばらく経ってから液体媒体中に再び分散させることができる。液体媒体が水と水混和性有機液体の混合物を含む場合、水混和性有機液体を選択的に除去することが望ましい可能性がある。これは、例えば蒸留または膜処理により実施することができる。
分散物の精製
本発明の第1の観点に従った方法は、さらに、封入固体粒子の分散物を精製する段階を含む。精製プロセスは、本発明の第1の観点の段階ii)の後に実施することが好ましい。精製は、任意の適した方法、例えば、精密濾過、脱イオン樹脂(deionizer resins)、遠心分離とこれに続くデカンテーションおよび洗浄によることができる。好ましい方法は、膜濾過、特に限外濾過である。
本方法により得ることができる分散物
本発明の第3の観点に従って、本発明の第1の観点に従った方法により得た、または得ることができる、封入固体粒子の分散物を提供する。
これらの分散物は、インク、特にインクジェット印刷インクの調製に用いることが好ましい。したがって、該インクは、本発明の第3の観点に従った分散物を含む。
インク
インクは本発明の第3の観点に従った分散物を含み、前記インクは以下を含むことが好ましい:
i)0.1〜30部、より好ましくは0.1〜15部の架橋ポリマー;
ii)1〜30部、より好ましくは1〜15部の顔料粒子;
iii)60〜98.8部、より好ましくは70〜98.8部の液体媒体
ここにおいて、部はすべて重量に基づき、架橋ポリマーは顔料粒子を封入する。
インクは、インクジェット印刷インクであることが好ましい。
本発明の第4の観点に従って、本発明の第3の観点に従った分散物を含むインクジェット印刷機用インクであって、該インクが以下を含む組成を有する、前記インクジェット印刷機用インクを提供する:
i)0.1〜15部の架橋ポリマー、ここにおいて、該ポリマーは、本発明の第1の観点で定義したとおりであるか、本発明の第2の観点に従っている;
ii)1〜15部の顔料粒子;
iii)70〜98.8部の液体媒体
ここにおいて、部はすべて重量に基づき、架橋ポリマーは顔料粒子を封入する。
部数の合計i)+ii)+iii)は100部であることが好ましい。
インクは、好ましくは50mPa.s未満、より好ましくは30mPa.s未満、特に15mPa.s未満の粘度を有する。粘度は、少なくとも2mPa.sであることが好ましい。粘度はニュートン粘度であることが好ましい。粘度は、25℃で測定することが好ましい。粘度は、100s−1の剪断速度を用いて測定することが好ましい。粘度は、コーンおよびプレートの形状を用いて測定することが好ましい。粘度を測定するのに好ましい装置は、TA Instrumentsのレオメーターである。
インクは、25℃の温度で測定して、好ましくは20〜65ダイン/cm、より好ましくは30〜60ダイン/cmの表面張力を有する。表面張力は、Kibron AquaPiを用いて測定することが好ましい。
インクのpHは、好ましくは4〜11、より好ましくは7〜10である。
インクをインクジェット印刷インクとして用いる予定である場合、インクは、好ましくは100万部あたり500部未満、より好ましくは100万部あたり100部未満のハロゲン化物イオン濃度を有する。インクが100万部あたり100部未満、より好ましくは50部未満の二価および三価の金属を有することが、特に好ましい。上記で用いた100万部あたりの部数は、インクの全重量に対する重量部をさす。得られるインク中のこれら低いイオン濃度は、上記精製段階により達成することができる。
インクを作製するための方法は、例えば濾過または遠心分離により、直径が1ミクロンを超える粒径を有する粒子を除去するための段階を包含することが好ましい。インクは、直径1ミクロンを超えるサイズを有する粒子を重量に基づき好ましくは10%未満、より好ましくは2%未満、特に1%未満有する。
液体媒体は、本明細書中で先に記載したとおりであることができる。ここでも同様に、液体媒体は水性であることが好ましい。
添加剤
インクはさらに、粘度調整剤、pH緩衝剤、金属キレート化剤、界面活性剤、腐敗抑制剤、殺生物剤、染料、水混和性有機溶媒(1以上)および/またはコゲーション低減剤(kogation reducing additive)から選択される1以上の添加剤を含むことが好ましい。本発明の第1の観点に従った方法は、段階ii)(架橋段階)の後に、これらの添加剤の1以上を加えることを追加的に含むことが好ましい。
カートリッジ
本発明の第5の観点に従って、チャンバーおよび本発明の第4の観点に従ったインクを含むインクジェット印刷機用カートリッジであって、該インクが該チャンバー内に存在する、前記カートリッジを提供する。
インクジェット印刷機
本発明の第6の観点に従って、本発明の第5の観点に従ったインクジェット印刷機用カートリッジを含むインクジェット印刷機を提供する。
インクジェット印刷機は、任意の適した種類のものであることができる。好ましいインクジェット印刷機では、インクの液滴を発射するために、サーマル式、圧電式または音響式のヘッドが用いられる。
インクジェット印刷機用インクで印刷された基材
本発明の第7の観点に従って、本発明の第4の観点に従ったインクジェット印刷インクで印刷された基材を提供する。
基材は、制限なく、あらゆる種類のものであることができる。好ましい基材としては、紙、プラスチックおよび生地材料が挙げられる。
好ましい基材は、紙、例えば、酸性、アルカリ性または中性の性質を有することができる普通紙または加工紙である。紙は、インクジェット受容体層(receptor layer)を有することができる。受容体層は、膨潤性または多孔質の種類のものであることができる。市販の紙の例は、国際特許出願第WO2007/148035号、13頁、24行〜37行の最後に記載されているとおりであり、これを、本明細書中で参考として援用する。基材は、普通紙であることが好ましい。基材は、インク定着剤を含有していないことが好ましい。存在しないことが好ましいインク定着剤の例としては、カチオン性有機アミンおよびカチオン性ポリマーが挙げられる。
使用
本発明の第8の観点に従って、インクジェット印刷インクを調製するための、本発明の第1の観点に従った方法の使用を提供する。
ここで、本発明を以下の実施例により例示する。これに関し、そうではないと特記しない限り、部はすべて重量に基づく。
1.1 ポリマー水溶液(1)の調製
段階i)
水(300部)およびカルソレン油(calsolene oil)(3滴)中のシアヌル酸クロリド(20部)の懸濁液を、反応器内で0〜5℃の温度において30分間攪拌した。該懸濁液のpHを、飽和水性KCOを用いて6.5に上昇させた。
段階ii)
水(80部)中のアミノメチルホスホン酸(11.4部)の溶液を、10分かけて反応器に少しずつ加えた。反応器内容物を、pHを6.5〜7の範囲に維持しつつ、0〜5℃の温度で4時間攪拌した。得られた混合物を濾過(Whatman GF/A)して、不要な懸濁固体を除去した。
段階iii)
水(40部)中のヘキサメチレンジアミン(11.6部)の溶液を、0〜5℃の温度において、上記段階ii)で調製した濾液に加えた。得られた混合物を16時間攪拌し、その間にこれを20℃に温めた。固体KCOを用いて混合物のpHを9.5に上昇させ、該混合物を70℃で4時間にわたり加熱攪拌した後、放置して20℃まで冷却した。
段階iv)
段階iii)で形成し得られた懸濁液を100マイクロScm−1未満の導電率まで透析し、体積を減少させて、固形分が約7.5重量%であるポリマー水溶液(1)を得た。
1.2 ポリマー水溶液(2)の調製
段階i)
水(350部)およびカルソレン油(6滴)中のシアヌル酸クロリド(25部)の懸濁液を、反応器内で0〜5℃の温度において30分間攪拌した。該懸濁液のpHを、飽和水性KCOを用いて6.5に上昇させた。
段階ii)
pH7の水(60部)中のグリシン(9.4部)の溶液を5℃に冷却し、反応器に加えた。反応器内容物を、pHを6.5〜7の範囲に維持しつつ、0〜5℃の温度で4時間攪拌した。得られた混合物を濾過(Whatman GF/A)して、不要な懸濁固体を除去した。
段階iii)
水(30部)中のヘキサメチレンジアミン(14.5部)の溶液を、0〜5℃の温度において、上記段階ii)で調製した濾液に加えた。得られた混合物を16時間攪拌し、その間にこれを20℃に温めた。DABCO[別名1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン](0.2部)を加え、固体KCOを用いて混合物のpHを9.5に上昇させた。該混合物を70℃で4時間にわたり加熱攪拌した後、放置して20℃まで冷却した。
段階iv)
段階iii)で形成し得られた懸濁液を100マイクロScm−1未満の導電率まで透析し、体積を減少させて、固形分が約20重量%であるポリマー水溶液(2)を得た。
1.3 比較ポリマー水溶液(1)の調製
1.3.1 比較ポリマー(1)の調製
モノマー供給組成物を、メタクリル酸ベンジル(785部)、メタクリル酸(215部)、3−メルカプトプロピオン酸ブチル(5.97部)およびジプロピレングリコール(375部)を混合することにより調製した。
開始剤供給組成物を、tert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート(17.60部)およびジプロピレングリコール(187.5部)を混合することにより調製した。
ジプロピレングリコール(187.5部)を反応容器内で80℃に加熱し、継続的に攪拌し、窒素ガス雰囲気でパージした。モノマー供給組成物および開始剤供給組成物を、反応容器に、内容物を攪拌し、温度を80℃で維持し、窒素雰囲気を維持しつつ、徐々に供給した。モノマー供給物および開始剤供給物の両方を、4時間かけて反応器中に供給した。反応容器内容物を80℃でさらに6時間にわたり維持した後、25℃に冷却した。最終的な固形分は40%であった。これを比較ポリマー(1)とした。
比較ポリマー(1)は、33513の数平均分子量、76764の重量平均分子量、およびGPCにより測定して2.3の多分散性を有するアクリルコポリマーであった。比較ポリマー(1)は、2.5ミリモルの酸基/ポリマー1gに相当する酸価を有していた。比較ポリマー(1)は、それぞれ重量に基づき78.5:21.5の割合のメタクリル酸ベンジルとメタクリル酸からの反復単位を含有していた。
1.3.2 比較ポリマー水溶液(1)
1.3.1で調製した比較ポリマー(1)(100部)を水酸化カリウム水溶液で中和して、約9のpHを有する水溶液を得た。これにより、約31重量%の比較ポリマー(1)を含有する比較ポリマー水溶液(1)が得られた。
2. ミルベースの調製
2.1 黒色ミルベース(1)
段階i)予備混合物の調製
顔料粉末(Evonik DegussaからのNIPexRTM 170IQカーボンブラック顔料、60部)、ポリマー水溶液(1)(80部)および水(260部)を一緒に混合して、予備混合物を形成した。
段階ii)微粉砕
2.1、段階i)で調製した予備混合物を、0.8mmのセラミックビーズが入っている縦型ビーズミルに移し、混合物を1時間にわたりミル粉砕した。
その後、ミル粉砕した混合物からミル粉砕ビーズを分離した。これにより黒色ミルベース(1)が得られた。
段階iii)特性決定
黒色ミルベース(1)中の顔料粒子は、122nmのMv粒径を有していた。Mv粒径は、Honeywell Microtracから得たNanotracTM 150を用いて、すべての分散物について確定した。黒色ミルベース(1)中の顔料に対するポリマーの割合は、約10重量%であった。
2.2 黒色ミルベース(2)
段階i)予備混合物の調製
顔料粉末(Evonik DegussaからのNIPexRTM 170IQカーボンブラック顔料、45部)、ポリマー水溶液(1)(123部)および水(132部)を一緒に混合して、予備混合物を形成した。
段階ii)微粉砕
2.2、段階i)で調製した予備混合物を、0.8mmのセラミックビーズが入っている縦型ビーズミルに移し、混合物を2.75時間にわたりミル粉砕した。
その後、ミル粉砕した混合物からミル粉砕ビーズを分離した。これにより黒色ミルベース(2)が得られた。
段階iii)特性決定
黒色ミルベース(2)中の顔料粒子は、122nmのMv粒径を有していた。黒色ミルベース(1)中の顔料に対するポリマーの割合は、約20重量%であった。
2.3 黒色ミルベース(3)
段階i)予備混合物の調製
顔料粉末(Evonik DegussaからのNIPexRTM 170IQカーボンブラック顔料、27部)、ポリマー水溶液(1)(36部)および水(117部)を一緒に混合して、予備混合物を形成した。
段階ii)方法Bを用いた微粉砕
その後、上記2.3、段階i)で調製した予備混合物を、別個の6つに分けて、5℃において超音波(Branson Digital Sonifier、振幅60%で操作)で10分間処理した。その6つ分を組み合わせ、これにより黒色ミルベース(3)が得られた。
段階iii)特性決定
黒色ミルベース(3)中の顔料粒子は、101nmのMv粒径を有していた。黒色ミルベース(3)中の顔料に対するポリマーの割合は、10重量%であった。
2.4 黒色ミルベース(4)
黒色ミルベース(4)は、ポリマー水溶液(1)(36部)をポリマー水溶液2(25.2部)で置き換え、水の量を127.8部に増加させた点を除き、上記項目2.3に記載した黒色ミルベース(3)と同様に調製した。
黒色ミルベース(4)中の顔料粒子は、104nmのMv粒径を有していた。黒色ミルベース(4)中の顔料に対するポリマーの割合は、20重量%であった。
2.5 比較黒色ミルベース(1)
段階i)予備混合物の調製
顔料粉末(Evonik DegussaからのNIPexRTM 170IQカーボンブラック顔料、225部)、比較ポリマー水溶液(1)(218部)および水(1057部)を一緒に混合して、予備混合物を形成した。予備混合物は、SilversonRTMミキサーを用いて2時間にわたり一緒に完全に混合した。
段階ii)微粉砕
2.5、段階i)で調製した予備混合物を、0.38mmのビーズが入っている横型ビーズミルに移し、該混合物を9時間にわたりミル粉砕した。
その後、ミル粉砕した混合物からミル粉砕ビーズを分離した。これにより比較黒色ミルベース(1)が得られた。
段階iii)特性決定
得られたミルベース中の顔料粒子は、117nmのZ−平均平均粒径を有していた。Z−平均粒径は、Malvernから得たZetasizerRTM 3000を用いて確定した。比較黒色ミルベース(1)中の顔料に対するポリマーの割合は、約30重量%であった。
3. 封入顔料分散物を調製するためのポリマーの架橋
3.1 ポリマー(分散剤)の架橋
上記項目2.1〜2.5で調製したミルベースを、水を加えることにより、重量に基づき約5%〜10%の固形分に調整した。
その後、各ミルベール中のポリマーを、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル(Nagase ChemteXから得たDenacolRTM EX−521、エポキシあたりの重量=181、以後EX−521と略す)またはトリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル(Nagase ChemteXから得たDenacol EX−321RTM、エポキシあたりの重量=140、以後EX−321と略す)のいずれかの架橋剤を用いて架橋した。これによりポリマー中のホスホン酸および/またはカルボン酸基が架橋され、それにより顔料が封入された。架橋反応は、ホウ酸(Aldrichから得た)の存在下で実施した。各場合において、表1に明記した量の成分を含有する混合物を調製した。架橋反応は、上記混合物を約65℃の温度に5時間加熱することにより生じさせた。これにより、表1の第1列に示した参照名を有するさまざまな封入顔料分散物を調製した。
Figure 0005848331
4. 限外濾過
上記3.1で調製した封入黒色分散物を、50kDの孔径を有する膜を用いて限外濾過により精製した。封入黒色分散物を、封入黒色分散物1体積あたり約5〜10洗浄体積(wash volume)の純粋な脱イオン水で透析濾過した(diafiltered)。その後、限外濾過膜を用いて、封入黒色分散物を約10〜15重量%の固形分に再び濃縮した。
5. インクおよび比較インクの調製
段階4で調製した黒色分散物および黒色ミルベース(1)を用いて、以下の組成を有するインクまたは比較黒色インクを調製した。
インクビヒクル
黒色分散物(固体) X部
2−ピロリドン 3.00部
グリセロール 15.00部
1,2ヘキサンジオール 4.00部
エチレングリコール 5.00部
SurfynolTM 465 0.50部
純水 100部にするのに十分な量
SurfynolRTM 465は、Air Productsから入手可能な界面活性剤である。
X部の黒色分散物
活性または固体ベースで6部の黒色顔料を、すべての場合で用いた(例えば、固形分が10重量%である場合、約60部の封入黒色分散物)。
上記インク組成を用い、例えば、封入黒色分散物(1)を用いて黒色インク(1)を調製した。参照名の正確な対応の概略を表2に完全に挙げる。
Figure 0005848331
6. プリントの作製
項目5で上記した各インクを、普通(未加工)紙、すなわちXerox 4200およびCanon GF500紙上に印刷した。印刷は、Epson SX100 シリーズのインクジェット印刷機により黒色のブロックを100%印刷して実施した。
7. 反射率光学濃度(reflectance optical density)の測定
各プリントについて、反射率光学濃度(ROD)を、D65光源を観測視野2°でフィルターを取り付けずに用いて照明したGretag Macbeth key wizard V2.5 Spectrolino光濃度計(photodensitometer instrument)を用いて測定した。測定は、プリントに沿って少なくとも2点で行った後、平均化した。
8. 光学濃度測定の結果
ROD測定の結果を、以下の表3にまとめる。
Figure 0005848331
9. 封入顔料分散物およびミルベースの安定性の評価
上記黒色インク(1)および比較黒色インク(1)を、60℃の温度で1週間加熱した後の粒径の変化をモニタリングすることにより、安定性について試験した。粒径の変化が小さいほどインクは安定である。安定性試験の結果は、表4に示すとおりであった。
Figure 0005848331
上記表は、封入黒色分散物(1)を含有する黒色インク(1)が、架橋していない黒色ミルベース(1)を含有する比較黒色インク(1)に比べ、印刷時に高い光学濃度を維持しつつ、遙かに高い安定性を有していたことを示している。一方、本発明の方法により調製した黒色インクは、比較ポリマー(1)を含有する比較黒色インク(2)に比べ、普通(未加工)紙上で遙かに高い光学濃度を示した。比較ポリマー(1)は当分野で既知であり、PCT特許公開WO2010/038071号に開示されている。したがって、本発明は、既知の分散物と比較して優れた性質のセットを有する分散物およびインクを調製する方法を提供する。
10. インク
表IおよびIIに記載したインクを調製することができる。ここにおいて、EBD[封入黒色分散物](1)は先に記載したとおりであり、インク添加剤は以下に定義するとおりである。第2段以降に示した数字は、関連する構成成分の部数をさし、部はすべて重量に基づく。インクは、サーマル式、圧電式またはMemjetインクジェット印刷により紙に施用することができる。
以下の略語を表IおよびIIに用いる:
PG=プロピレングリコール
DEG=ジエチレングリコール
NMP=N−メチルピロリドン
DMK=ジメチルケトン
IPA=イソプロパノール
MEOH=メタノール
2P=2−ピロリドン
MIBK=メチルイソブチルケトン
P12=プロパン−1,2−ジオール
BDL=ブタン−2,3−ジオール
Surf=Air productsからのSurfynolTM 465
PHO=NaHPOおよび
TBT=第三ブタノール
TDG=チオジグリコール
GLY=グリセロール
nBDPG=ジプロピレングリコールのモノ−n−ブチルエーテル
nBDEG=ジエチレングリコールのモノ−n−ブチルエーテル
nBTEG=トリエチレングリコールのモノ−n−ブチルエーテル
Figure 0005848331
Figure 0005848331
本発明は以下の態様を含む。
[1] 液体媒体中の封入固体粒子の分散物を調製するための方法であって、以下を含む方法:
i)固体粒子、液体媒体、および式(1)またはその塩の反復単位を少なくとも1つ含むポリマーを含む分散物を提供し;
Figure 0005848331
[式中:
各Xは、独立して、それぞれ置換されていてもよいアルキル、アリールまたはヘテロシクリル基であり;
およびQ は、独立して、NR 、OまたはSであり;ここにおいて、R は、独立して、Hであるか、または置換されていてもよいアルキル、アリールもしくはヘテロシクリル基であり;
Aは、置換されていてもよい二価の有機連結基であり;
mは、独立して1または2であり;そして
mが1である場合、Q は、独立して、NR 、OまたはSであり、R は、Hであるか、または置換されていてもよいアルキル、アリールもしくはヘテロシクリル基であり;あるいは、mが2である場合、Q はNである];そして
ii)固体粒子および液体媒体の存在下でポリマーを架橋して、固体粒子を封入する。
[2] 架橋前に、ポリマーが、塩を含め−NH 、−SH、−OH、−CO H、エポキシ、リン含有酸および−NCO基から選択される基を有する、[1]に記載の方法。
[3] 架橋前に、ポリマーが、−CO H基および/またはリン含有酸基またはそれらの塩を有する、[2]に記載の方法。
[4] 塩を含め−NH 、−SH、−OH、−CO H、エポキシ、リン含有酸および−NCOから選択される基が、それぞれ独立してポリマー中のX基に付着している、[2]に記載の方法。
[5]架橋前に、ポリマーが、式(1)またはその塩の反復単位を少なくとも2種含む、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の方法:
i)1以上のリン含有酸基を有する第1の反復単位;および
ii)1以上のカルボン酸基を有する第2の反復単位。
[6] 架橋前にポリマーがリン含有酸基を有し、該基を段階ii)において架橋剤で架橋して固体粒子を封入する、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の方法。
[7] ポリマー中に存在する各A基が、独立して、それぞれ置換されていてもよいC 2−30 アルキレン、フェニレン、ナフチレンおよびキシリレン基から選択される、
[1]〜[6]のいずれか一項に記載の方法。
[8] ポリマー中に存在する各A基が、(CH 、(CH またはp−キシリレンから選択される、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の方法。
[9] ポリマー中に存在しQ およびQ により表される基のすべてがNR である、[1]〜[8]のいずれか一項に記載の方法。
[10] ポリマーが、式(1)またはその塩の反復単位と末端基のみを含む、[1]〜[9]のいずれか一項に記載の方法。
[11] ポリマーが、2〜1000の式(1)またはその塩の反復単位を含む鎖を有する、[1]〜[10]のいずれか一項に記載の方法。
[12] [1]〜[11]のいずれか一項に記載の方法と、追加的に、すべての液体媒体を除去する段階を含む、封入固体粒子の調製方法。
[13] 固体が顔料である、[1]〜[12]のいずれか一項に記載の方法。
[14] [1]〜[12]のいずれか一項に記載の方法により得た、または得ることができる、封入固体粒子の分散物。
[15] 固体が顔料である、[14]に記載の封入固体粒子の分散物。
[16] [15]に記載の分散物を含むインクジェット印刷機用インクであって、該インクが以下を含む組成を有する、前記インクジェット印刷機用インク:
i)0.1〜15部の架橋ポリマー;
ii)1〜15部の顔料粒子;
iii)70〜98.8部の液体媒体
ここにおいて、部はすべて重量に基づき、架橋ポリマーは顔料粒子を封入する。
[17] チャンバーおよび[16]に記載のインクを含むインクジェット印刷機用カートリッジであって、該インクが該チャンバー内に存在する、前記カートリッジ。
[18] [17]に記載のインクジェット印刷機用カートリッジを含むインクジェット印刷機。
[19] [16]に記載のインクジェット印刷インクで印刷された基材。
[20] インクジェット印刷インクを調製するための、[13]に記載の方法の使用。
[21] [1]、部i)で定義したポリマーであって、該ポリマーが、
i)その構造内部に、1以上のホスホン酸基またはその塩;
および
ii)その構造内に、塩を含め−NH 、−SH、−OH、−CO H、エポキシおよび−NCO基から選択される1以上の基、
を有する、前記ポリマー。
[22] ポリマーが、
i)その構造内部に、1以上のホスホン酸基またはその塩;
および
ii)その構造内に、塩を含め1以上の−CO H基
を有する、[21]に記載のポリマー。

Claims (18)

  1. 液体媒体中の封入固体粒子の分散物を調製するための方法であって、以下を含む方法:
    i)固体粒子、液体媒体、および式(1)またはその塩の反復単位を少なくとも1つ含むポリマーを含む分散物を提供し;
    Figure 0005848331
    [式中:
    各Xは、独立して、PO(OH) 基を有するアルキル基であり;
    、Q およびQ は、独立して、NH、OまたはSであり
    Aは、アルキレン基であり;
    mは、でありそして
    ii)固体粒子および液体媒体の存在下でポリマーを架橋して、固体粒子を封入する。
  2. 架橋前に、ポリマーが、塩を含め−NH、−SH、−OH、−COH、エポキシ、リン含有酸および−NCO基から選択される基を有する、請求項1に記載の方法。
  3. 架橋前に、ポリマーが、−COH基および/またはリン含有酸基またはそれらの塩を有する、請求項2に記載の方法。
  4. 架橋前に、ポリマーが、式(1)またはその塩の反復単位を少なくとも2種含む、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法:
    i)1以上のリン含有酸基を有する第1の反復単位;および
    ii)1以上のカルボン酸基を有する第2の反復単位。
  5. 架橋前にポリマーがリン含有酸基を有し、該基を段階ii)において架橋剤で架橋して固体粒子を封入する、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  6. ポリマー中に存在する各A基が、独立して、それぞれ置換されていてもよいC2−30アルキレン、フェニレン、ナフチレンおよびキシリレン基から選択される、
    請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  7. ポリマー中に存在する各A基が、(CH、(CHまたはp−キシリレンから選択される、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  8. ポリマー中に存在しQおよびQにより表される基のすべてがNHである、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  9. ポリマーが、2〜1000の式(1)またはその塩の反復単位を含む鎖を有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  10. 請求項1〜のいずれか一項に記載の方法と、追加的に、すべての液体媒体を除去する段階を含む、封入固体粒子の調製方法。
  11. 固体が顔料である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法により得た、または得ることができる、封入固体粒子の分散物。
  13. 固体が顔料である、請求項12に記載の封入固体粒子の分散物。
  14. 請求項13に記載の分散物を含むインクジェット印刷機用インクであって、該インクが以下を含む組成を有する、前記インクジェット印刷機用インク:
    i)0.1〜15部の架橋ポリマー;
    ii)1〜15部の顔料粒子;
    iii)70〜98.8部の液体媒体
    ここにおいて、部はすべて重量に基づき、架橋ポリマーは顔料粒子を封入する。
  15. チャンバーおよび請求項14に記載のインクを含むインクジェット印刷機用カートリッジであって、該インクが該チャンバー内に存在する、前記カートリッジ。
  16. 請求項15に記載のインクジェット印刷機用カートリッジを含むインクジェット印刷機。
  17. 請求項14に記載のインクジェット印刷インクで印刷された基材。
  18. インクジェット印刷インクを調製するための、請求項11に記載の方法の使用。
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