JP2019119763A - 水性着色剤分散物、及びインクジェット記録用インク - Google Patents

水性着色剤分散物、及びインクジェット記録用インク Download PDF

Info

Publication number
JP2019119763A
JP2019119763A JP2017253547A JP2017253547A JP2019119763A JP 2019119763 A JP2019119763 A JP 2019119763A JP 2017253547 A JP2017253547 A JP 2017253547A JP 2017253547 A JP2017253547 A JP 2017253547A JP 2019119763 A JP2019119763 A JP 2019119763A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copolymer
group
meth
carbon atoms
ink
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017253547A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6402435B1 (ja
Inventor
朋之 青谷
Tomoyuki Aotani
朋之 青谷
鈴木 智彦
Tomohiko Suzuki
智彦 鈴木
進典 鶴谷
Nobunori Tsuruya
進典 鶴谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyocolor Co Ltd
Artience Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Toyocolor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Ink SC Holdings Co Ltd, Toyocolor Co Ltd filed Critical Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority to JP2017253547A priority Critical patent/JP6402435B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6402435B1 publication Critical patent/JP6402435B1/ja
Publication of JP2019119763A publication Critical patent/JP2019119763A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Pigments, Carbon Blacks, Or Wood Stains (AREA)
  • Inks, Pencil-Leads, Or Crayons (AREA)

Abstract

【課題】本発明の課題は、低吸液性の記録媒体用に好適に使用され、浸透性の高い溶剤と沸点が高い溶剤とが共存しても、優れた分散安定性、印刷性、耐水性及び基材への定着性の効果を発揮するインクジェット記録用インキに適した水性着色剤分散物を提供することである。また着色剤分散物の製造方法及び、優れた分散安定性、印刷性、耐水性及び基材への定着性の効果を発揮するインクジェット記録用インクを提供することである。【解決手段】上記課題は、着色剤粒子、塩基性化合物及び水を含む水性着色剤分散体であり、着色剤粒子が、少なくとも下記共重合物(A)及び下記共重合物(B)を含む水性着色剤分散体によって解決される。共重合物(A):少なくとも、炭素原子数1〜6のアルキレンオキシ基及びカルボキシル基を有する共重合物(但し、α-オレフィンユニットを直鎖に含む共重合物を除く)。共重合物(B):α-オレフィンユニットを直鎖に含む共重合物。【選択図】なし

Description

本発明は、浸透性の高い溶剤と、沸点が高い溶剤とが共存しても分散安定性及び印刷性に優れる水性着色剤分散物、着色剤分散物の製造方法、及びインクジェット記録用インクに関する。
インクジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液滴を記録媒体に直接吐出し、付着させて、文字や画像を得る記録方式である。この方式は、フルカラー化が容易で、かつ安価であり、記録媒体として普通紙が使用可能、被印字物に対して非接触、という数多くの利点があるため普及が著しく、特に安全性と環境負荷の少なさから水性インクが主流となっている。
このような中、近年、低吸液性のコート紙、又はポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂等の非吸液性樹脂のフィルムを用いた商業印刷向けの記録媒体への印刷のニーズが高まっている。一般に、基材に水性インクが着弾した後の乾燥機構は、基材への浸透と蒸発とに分類され、浸透の寄与が非常に大きいことが知られている。したがって、低吸液性のコート紙、又はポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂等の非吸液性樹脂のフィルムは、水性インクの浸透が遅く、これらの基材に対して、水性インクを用いた印刷を良好に実施することは難しかった。また、水性インクは、ノズルの乾燥防止を目的として、沸点が高く、かつ水への溶解性が高い水溶性溶剤を添加する必要があり、溶剤インクやUVインクを使用した場合と比べて、乾燥性に劣り印刷速度が著しく低下してしまうという課題があった。
そこで、これらの課題を解決するには、浸透性が高く、かつ沸点が高い水溶性溶剤をインクに添加し、インクの乾燥性の向上を図る方法が考えられる。例えば、特許文献1には、ポリシロキサン系界面活性剤と特定の沸点及び表面張力を有する有機溶剤とを含む水性インクが開示されている。また、特許文献2には、特定構造の親水性モノマーを含む水不溶性ポリマーと、特定の沸点を有する有機溶媒とを組み合わせた水性インクが開示されている。また、特許文献3には、α−オレフィン−無水マレイン酸共重合物からなる特定の高分子安定化剤を含む水性インクが開示されている。また、特許文献4には特定のエチレンオキシ含有化合物並びに、特定のアルキレンオキシ基構造を含むポリマーを有する水性インクが開示されている。
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2に記載の技術は、使用する水溶性溶剤に制限があり、近年の多様な要求特性を満足しうるインク設計を行う上で問題があった。また、使用する着色剤や溶剤種によっては、分散安定性及び印刷性が不十分であった。また、特許文献3に記載の技術は、α−オレフィン−無水マレイン酸共重合物を含有するが特定のアルキレンオキシ基構造を含むポリマーを含まず疎水性が高すぎるため、顔料表面が親水性であるか疎水性であるかによって安定化効果が異なったり、易分散性や再溶解性が劣る問題点があった。また、特許文献4に記載の技術は、安定性には優れるものの親水性の高いアルキレンオキシ基を多く含むため、耐水性に問題があったり、低吸液性や非吸液性基材では使用できないという問題点があった。また、これら水性インクに共通して、水性インクでは印刷時のノズル先端部等における水分蒸発によるインキ中の固形成分の凝集・析出が発生しやすく、再溶解性と耐水性のバランスに優れる水性インクの開発が望まれていた。即ち、浸透性の高い溶剤と、沸点が高い溶剤とが共存してもより分散安定性及び印刷性に優れる着色剤分散物、着色剤分散物の製造方法、及びインクジェット記録用インクの提供が望まれていた。
特開2014−205768号公報 特開2014−139298号公報 特開2007−169470号公報 特開2009−287014号公報
本発明の課題は、低吸液性の記録媒体用に好適に使用され、浸透性の高い溶剤と沸点が高い溶剤とが共存しても、優れた分散安定性、印刷性、耐水性、及び基材への定着性の効果を発揮するインクジェット記録用インキに適した水性着色剤分散物を提供することである、また、該着色剤分散物の製造方法、及び優れた分散安定性、印刷性、耐水性、及び基材への定着性の効果を発揮するインクジェット記録用インクを提供することである。
上記目的は、以下の本発明によって達成される。
<1>着色剤粒子、塩基性化合物及び水を含む水性着色剤分散体であって、
前記着色剤粒子が、少なくとも下記共重合物(A)及び下記共重合物(B)を含む水性着色剤分散体。
共重合物(A):少なくとも、炭素原子数1〜6のアルキレンオキシ基及びカルボキシル基を有する共重合物(但し、α-オレフィンユニットを直鎖に含む共重合物を除く)。
共重合物(B):α-オレフィンユニットを直鎖に含む共重合物。
<2>共重合物(A)が、下記一般式(1)で表される単量体と、カルボキシル基含有単量体との共重合物である上記水性着色剤分散体。
一般式(1)
[一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素原子数1〜6のアルキレン基を表し、Rは水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、又は炭素原子数1〜9のアルキル基若しくはフェニル基で置換されていてもよいフェニル基を表し、mはアルキレンオキシ基の平均付加モル数を表し、1〜100の整数である。]
<3>共重合物(B)が、無水マレイン酸とα-オレフィンの共重合物のマレイン酸グラフト重合体である上記水性着色剤分散体。
<4>α-オレフィンの炭素数が、8〜35である上記水性着色剤分散体。
<5>共重合物(B)の酸価が、20〜200mgKOH/gである上記水性着色剤分散物。
<6>α-オレフィンユニットを直鎖に含む共重合物が、炭素原子数1〜6のアルキレンオキシ基を含む上記水性着色剤分散物。
<7>α-オレフィンユニットを直鎖に含む共重合物が、α-オレフィンと無水マレイン酸との共重合物のアルコール変性物である上記水性着色剤分散物。
<8>α-オレフィンと無水マレイン酸との共重合物のアルコール変性物におけるアルコールが、下記一般式(2)及び下記一般式(3)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である、上記水性着色剤分散物。
一般式(2)
[一般式(2)中、Rは水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、又は炭素原子数1〜9のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基を表し、AO及びAOはそれぞれ独立して、炭素原子数1〜6のオキシアルキレン基を表し、m及びnはアルキレンオキシ基の平均付加モル数を表し、0〜100の整数であり、m+nは1以上を満たす。]
一般式(3)
[一般式(3)中、Rは水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、又は炭素原子数1〜9のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基を示し、AO及びAOはそれぞれ独立して、炭素数1〜6のオキシアルキレン基を表し、m及びnはアルキレンオキシ基の平均付加モル数を表し、0〜100の整数であり、m+n=1以上を満たす。]
<9>着色剤粒子における共重合物(A)及び共重合物(B)の質量比率が、共重合物(A)/共重合物(B)=90/10〜30/70である上記水性着色剤分散物。
<10>さらに架橋剤を含む、上記水性着色剤分散物。
<11>文具用着色剤、塗料用着色剤、印刷インク用着色剤、電子写真用着色剤、インクジェット記録用インク用着色剤又は捺染剤用着色剤に用いられる上記水性着色剤分散物。
<12>上記水性着色剤分散物を含む、インクジェット記録用インク。
<13>さらに、水溶性溶剤として、プロピレングリコールと、(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル及び炭素数3〜6のアルカンジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種とを含む、上記インクジェット記録用インク。
本発明により、浸透性の高い溶剤と、沸点が高い溶剤とが共存しても、優れた分散安定性、印刷性、耐水性、及び基材への定着性の効果を発揮する水性着色剤分散物、該着色剤分散物の製造方法、並びに優れた分散安定性、印刷性、耐水性、及び基材への定着性の効果を発揮するインクジェット記録用インクを提供することができる。
本願発明は、着色剤粒子、塩基性化合物及び水を含む水性着色剤分散体であって、
前記着色剤粒子が、少なくとも下記共重合物(A)及び下記共重合物(B)を含むことを特徴とする。
共重合物(A):少なくとも、炭素原子数1〜6のアルキレンオキシ基及びカルボキシル基を有する共重合物(但し、α-オレフィンユニットを直鎖に含む共重合物を除く)。
共重合物(B):α-オレフィンユニットを直鎖に含む共重合物。
本発明により、浸透性の高い溶剤と、沸点が高い溶剤とが共存しても、優れた分散安定性、印刷性、耐水性、及び基材への定着性の効果を発揮する水性着色剤分散物、該着色剤分散物の製造方法、並びに優れた分散安定性、印刷性、耐水性、及び基材への定着性の効果を発揮するインクジェット記録用インクを提供することができる。
その理由は定かではないが、以下のように考えられる。
水性着色剤分散体が着色剤粒子、塩基性化合物及び水を含み、着色剤粒子が、少なくとも上記共重合物(A)及び共重合物(B)を含むことで、着色剤が親水性の高い共重合物(A)と疎水性の高い共重合物(B)によって被覆されるため、共重合物(A)が着色剤粒子と水性インクジェット用インク組成中の水溶性溶剤などの親水性成分と相溶させる機能を持ち、共重合物(B)が印刷時のインク液滴の基材表面に対する接触角を低下させて濡れを促進させ、浸透性の高い溶剤と、沸点が高い溶剤とが共存しても、安定な分散体の提供が可能になる。また、共重合物(A)及び共重合物(B)が架橋されることで着色剤を強固に被覆しているため、経時での安定性にも優れ、従来無しえなかった、分散安定性、印刷性、耐水性、及び基材への定着性との両立が達成できる。
以下に、好ましい実施の形態を挙げて、本発明の水性着色剤分散物及びその製造方法、それを用いたインクジェット記録用インクについて説明する。
なお、本願では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、又は「(メタ)アクリレート」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、又は「アクリレート及び/又はメタクリレート」を表すものとする。また、本明細書に挙げる「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
<着色剤粒子>
本発明の着色剤粒子は、着色剤及び、少なくとも下記共重合物(A)及び共重合物(B)を含む。
共重合物(A):少なくとも、炭素原子数1〜6のアルキレンオキシ基及びカルボキシル基を有する共重合物(但し、α-オレフィンユニットを直鎖に含む共重合物を除く)。
共重合物(B):α-オレフィンユニットを直鎖に含む共重合物。
<着色剤>
着色剤粒子に含まれる着色剤としては特に制限はなく、顔料、疎水性染料、水溶性染料(酸性染料、反応染料、直接染料等)等を用いることができるが、耐水性、保存安定性及び耐擦過性の観点から、顔料及び疎水性染料が好ましい。顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれであってもよい。また、必要に応じて、それらと体質顔料(シリカ、炭酸カルシウム、タルク等)を併用することもできる。無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、金属酸化物、金属硫化物、金属塩化物等が挙げられる。これらの中では、特に黒色水系インクにおいては、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、サーマルランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、ジアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アンソラキノン顔料、キノフタロン顔料等が挙げられる。
具体的には、例えば、
C.I.Pigment Red 1、2、3、4、5、6、7、9、10、14、17、22、23、31、32、38、41、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、52:1、52:2、53:1、57:1、60:1、63:1、66、67、81:1、81:2、81:3、83、88、90、105、112、119、122、123、144、146、147、148、149、150、155、166、168、169、170、171、172、175、176、177、178、179、184、185、187、188、190、200、202、206、207、208、209、210、216、220、224、226、242、246、254、255、264、266、269、270、272、279、
C.I.Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、11、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213、214、
C.I. Pigment Orange 2、5、13、16、17:1、31、34、
36、38、43、46、48、49、51、52、55、59、60、61、62、64、71、73、
C.I.Pigment Green 7、10、36、37、58、59、62、63、
C.I.Pigment Blue 1、2、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、66、79、79、80
C.I.Pigment Violet 1、19、23、27、32、37、42C.I.Pigment Brown 25、28
C.I.Pigment Black 1、7等を挙げることができる。
これらの中で好ましく用いることができる顔料として、以下のものを挙げることができる。
C.I.Pigment Red 48:1、48:2、48:3、48:4、57:1、122,146、147、148、150、170、176、177、184、185、242、254、255、264、266、269、
C.I.Pigment Yellow 12、13、14、17、74、83、108、109、120、150、151、154、155、180、185、213
C.I.Pigment Orange 36,38、43、64
C.I.Pigment Green 7、36、37、58、62、63、
C.I.Pigment Blue 15:1、15:3、15:6、16、22、60、66、
C.I.Pigment Violet 19、23、32、
C.I.Pigment Brown 25、
C.I.Pigment Black 1、7
これらの顔料であれば、インクジェット記録用インクとして十分な色再現性及び(又は)耐光性を保持することができる。但し、本発明においてはこれらに限定されるものではない。
微細化する顔料の平均一次粒子径は、用途により変動し得るが、通常5〜1,000nmである。ここで用いる顔料は、通常、未処理の粗顔料が用いられるが、何らかの処理工程を経た顔料を用いてもよい。また、用いる顔料は、単一種類でも複数種類でもよい。
<共重合物(A)及び共重合物(B)>
共重合物(A)及び共重合物(B)は着色剤を被覆することで分散剤として働くと考えられる。炭素原子数1〜6のアルキレンオキシ基及びカルボキシル基を有する共重合物(共重合物(A))によって着色剤粒子の十分な水溶性を維持することができ、さらに疎水性の高いα-オレフィンユニットを直鎖に含む共重合物(共重合物(B))を用いることで、飛躍的に着色剤への樹脂吸着量を向上させることができると推察される。すなわち、親水性を有する特定の共重合物(A)、及び、疎水性を有する特定の共重合物(B)の両方が着色剤を被覆することによって、相乗効果が生まれ、非浸透性基材用途向けに、浸透性の高い溶剤と、沸点が高い溶剤とが共存した場合においても、親水性疎水性のバランスに優れ、分散安定性に優れる着色剤粒子を得ることが出来る。
<共重合物(A)>
共重合物(A)は、少なくとの炭素原子数1〜6のアルキレンオキシ基及びカルボキシル基を有してさえいればよい。好ましくは、炭素原子数1〜6のアルキレンオキシ基含有単量体とカルボキシル基含有単量体との共重合物であり、より好ましくはこれらの(メタ)アクリレート共重合物である。
[炭素原子数1〜6のアルキレンオキシ基含有単量体]
本発明で好適に使用される炭素原子数1〜6のアルキレンオキシ基含有単量体(以下、単量体aとする)としては、具体的には、下記一般式(1)で表されるものが好ましい。これらは溶媒揮発時のインク粘度を低くし、低吸液性基材への印字性を向上させ、着色剤分散物及び、それを用いたインクジェット記録用インクの保存安定性及び吐出性を向上させる効果がある。
一般式(1)
[一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素原子数1〜6のアルキレン基を表し、Rは水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、又は炭素原子数1〜9のアルキル基若しくはフェニル基で置換されていてもよいフェニル基を表し、mはアルキレンオキシ基の平均付加モル数を表し、1〜100の整数である。]
上記一般式(1)において、R1は水素原子又はメチル基であり、着色剤分散物の分散安定性及びそれを用いたインクジェット記録用インクの保存安定性を向上させる観点から、メチル基が好ましい。
は炭素数1〜6のアルキレン基であり、−R−O−のアルキレンオキシ基はインク中での水及び水溶性溶剤との親和性向上に寄与する。また、水性着色剤分散物では、アルキレンオキシ基がインク中で拡がりを持ち、立体障害基として働き着色剤分散物の安定化に寄与する。Rはエチレン基が特に好ましい。
は水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、又は炭素原子数1〜9のアルキル基若しくはフェニル基で置換されていてもよいフェニル基を表し、着色剤分散物の分散安定性及びそれを用いたインクジェット記録用インクの保存安定性を向上させる観点から、水素原子、炭素数1以上20以下のアルキル基が好ましく、炭素数1以上3以下のアルキル基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。
上記一般式(1)において、mは1以上100以下である。mは溶媒揮発時のインク粘度を低くし、疎水性の高い基材への印字性を向上させ、顔料インクの保存安定性及び吐出性を向上させる観点から、4以上が好ましく、9以上が更に好ましい。また、mは、70以下が好ましく、40以下がより更に好ましい。また、mが9〜40の範囲にあると、着色剤分散物並びにそれを用いたインクジェット記録用インク製造時の分散安定性が向上するため好ましい。
上記一般式(1)で表されるモノマーの好適例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、及びステアロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシ化o-フェニルフェノールアクリレートから選ばれる1種又は2種以上が挙げられるが、上記観点よりメトキシポリエチレングリコールモノメタクリレートが最も好ましい。商業的に入手しうる一般式(1)のモノマーの具体例としては、ブレンマーPME100、同PME400、同PME1000(以上、日油株式会社製)が挙げられる。
[カルボキシル基含有単量体]
本発明で好適に使用されるカルボキシル基含有単量体(以下、単量体bとする)としては、具体例としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、又は、これらのアルキルもしくはアルケニルモノエステル、フタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、イソフタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、テレフタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、コハク酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、けい皮酸などが挙げられる。保存安定性の向上をより高度に図るためには、カルボキシル基含有(メタ)アクリレートが好ましく、この中でもアクリル酸やメタクリル酸を含む事がより好しい。カルボキシル基をもつことで、着色剤に吸着した共重合物(A)が、塩基性化合物などで中和されイオン化させた際に電荷反発の効果を得ることができ、水性溶媒中で着色剤粒子同士の電荷反発が起こり、着色剤分散物の分散安定性が向上する。
[その他の単量体]
共重合物(A)は、前記炭素原子数1〜6のアルキレンオキシ基含有単量体とカルボキシル基含有単量体以外のその他の単量体を重合組成に含んでいてもよい。その他の単量体としては、アルキル系エチレン性不飽和単量体、水酸基含有エチレン性不飽和単量体、窒素含有エチレン性不飽和単量体、芳香環基含有エチレン性不飽和単量体等がある。以下に具体例を挙げて説明する。
(アルキル系エチレン性不飽和単量体)
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、もしくはベヘニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(水酸基含有エチレン性不飽和単量体)
水酸基含有エチレン性不飽和単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4 −ヒドロキシビニルベンゼン等が挙げられる。
(窒素含有エチレン性不飽和単量体)
窒素含有エチレン性不飽和単量体としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メチルエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノスチレン、ジエチルアミノスチレン、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル−(メタ)アクリルアミド等のモノアルキロール(メタ)アクリルアミド、N ,N−ジ(メチロール)アクリルアミド、N−メチロール−N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N ,N−ジ(メトキシメチル)アクリルアミド等が挙げられる。
(芳香環基含有エチレン性不飽和単量体)
芳香環基含有エチレン性不飽和単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン、2-メチルスチレン、クロロスチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、ビニルナフタレン、ビニルカルバゾール等が挙げられる。
共重合物(A)中に、上記芳香環基含有エチレン性不飽和単量体を含む事で、共重合物(A)がπ電子相互作用によって顔料への高い親和性を得る事ができ、顔料に対して良好な吸着状態を形成する事が可能となる。このような観点から、共重合物(A)は芳香環基含有エチレン性不飽和単量体を含むことが好ましく、その中でもスチレン、ベンジル(メタ)アクリレートを含むことが好ましく、ベンジル(メタ)アクリレートを含むことが特に好ましい。
共重合物(A)における、それぞれの単量体量としては、共重合物(A)中の単量体aに由来する構成単位の含有量は得られるインクジェット記録用インクの印刷適性の観点から5〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がさらに好ましく、5〜30質量%が最も好ましい。共重合物(A)中の単量体bに由来する構成単位の含有量は、得られる着色剤分散物の保存安定性の観点から5〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がさらに好ましく、5〜30質量%が最も好ましい。また、共重合物(A)の着色剤への吸着率を高める観点から芳香族基含有エチレン性不飽和単量体を40質量%以上含むことが好ましい。
本発明の共重合物(A)は、重量平均分子量が2,000〜70,000の範囲であることが好ましく、更には、重量平均分子量が3,000〜50,000の範囲であることが好ましく、重量平均分子量が5,000〜20,000の範囲のものがより好ましく、5,000〜15,000の範囲のものが特に好ましい。共重合物(A)の重量平均分子量が、2,000より小さいと顔料との相互作用が低くなり、着色剤への十分な吸着量が得られずに分散安定性が低下する。また、共重合物(A)の重量平均分子量が、70,000よりも大きいと着色剤分散物の粘度が上昇する傾向がある。
また、本発明の共重合物(A)は、酸価をもち、その範囲は50〜400mgKOH/gの範囲であることが好ましく、更には、60〜350mgKOH/gの範囲であることが好ましく、80〜300mgKOH/gの範囲であることがより好ましく、110〜200mgKOH/gの範囲であることが特に好ましい。共重合物(A)の酸価が50mgKOH/gよりも低いと着色剤分散物の分散安定性が低下し、インクジェット記録用インクの吐出安定性が悪化する傾向がある。また、酸価が400mgKOH/gよりも高いと、顔料表面に対する共重合物(A)の吸着力が低下し、着色剤分散物の保存安定性が低下する傾向がある。尚、本発明における共重合物(A)の重量平均分子量や酸価は、実施例に示す方法によって測定することができる。
前記共重合物(A)は、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合法により、前述したモノマー混合物を共重合させることによって製造される。これらの重合法の中では、溶液重合法が好ましい。溶液重合法で用いる溶媒としては、特に限定されないが、極性有機溶媒が好ましい。極性有機溶媒が水混和性を有する場合には、水と混合して用いることもできる。極性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等の炭素数1 〜 3 の脂肪族アルコール; アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類; 酢酸エチル等のエステル類等が挙げられる。これらの中では、ジエチレングリコール、メタノール、エタノール、1−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン又はこれらの1 種以上と水との混合溶媒が好ましい。なお、後述するが本発明では摩砕混練方法によって着色剤粒子を得ることが好ましく、共重合物(A)は摩砕混練方法で使用される水溶性有機溶剤中で合成するか、合成溶媒を除き溶剤を含まないことが好ましい。
重合の際には、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 等のアゾ化合物や、t−ブチルペルオキシオクトエート、ジベンゾイルオキシド等の有機過酸化物等の公知のラジカル重合開始剤を用いることができる。ラジカル重合開始剤の量は、モノマー混合物1モルあたり、好ましくは0.001〜5モル、より好ましくは0.01〜2モルである。重合の際には、さらに、オクチルメルカプタン、2−メルカプトエタノール等のメルカプタン類、チウラムジスルフィド類等の公知の重合連鎖移動剤を添加してもよい。
共重合物(A)の重合条件は、使用する重合開始剤、モノマー、溶媒の種類等によって異なるので一概には決定することができない。通常、重合温度は、好ましくは30〜150℃、より好ましくは50〜130℃であり、重合時間は、好ましくは1〜20時間である。また、重合雰囲気は、窒素ガス雰囲気、アルゴン等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。重合反応の終了後、必要に応じて反応溶液から再沈澱、溶媒留去等の公知の方法により、生成した共重合物(A)を単離することができる。また、得られた共重合物(A)は、再沈澱を繰り返したり、膜分離、クロマトグラフ法、抽出法等により、未反応のモノマー等を除去して精製することができる。
<共重合物(B)>
共重合物(B)は、α-オレフィンユニットを直鎖に含む共重合物であり、α-オレフィンユニットを直鎖に含みさえすれば特に限定されない。具体的には、α-オレフィンとそれ以外のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物との共重合物、及びその変性物を含み、一般的な重合方法で得られるものを使用することができる。例えば特開2007−58125号公報記載の方法が挙げられる。また、市販の樹脂を使用することも可能である。例えば、ダイヤカルナM30(三菱ケミカル社製)、セラマーシリーズ(ベーカーペトロライト社製)などが挙げられる。さらにこれらを任意に変性して使用することも可能である。
[α−オレフィン]
共重合物(B)におけるα−オレフィンとしては、特に制限はないが、共重合物(B)の着色剤への吸着率を高める観点から炭素数6〜40以下のものを使用することが好ましく、炭素数8〜35以下のものを使用することがより好ましく、炭素数10〜30以下のものを使用することがさらに好ましく、炭素数12〜30以下のものを使用することがさらに好ましく最も好ましい。具体例としては、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、1−ドコセン、1−テトラコセン、1−オクタコセン、1−トリアコンテン、1−ドトリアコンテン、1−テトラトリアコンテン、1−ヘキサトリアコンテン、1−オクタトリアコンテン等が挙げられる。
本発明の共重合物(B)ではα−オレフィンを2種類以上混合して使用することも可能である。混合して使用することで樹脂の溶解性やガラス転移点などを、所望の性状へ合わせることが容易となる。
[それ以外のエチレン性不飽和二重結合を有する化合物]
エチレン性不飽和二重結合を有する化合物は、少なくとも1種以上を用いればよく、複数を組み合わせることも可能である。さらに、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物の1種以上は水溶液中で水溶性置換基を有することが好ましく、具体的には、カルボキシル基、カルボン酸無水物基、ヒドロキシル基、スルホン酸基、リン酸基、アミノ基等が挙げられる。これらの水溶性置換基はエチレン性不飽和二重結合に結合した置換基だけではなく、水溶性の置換基とエチレン性不飽和二重結合との間に別の連結基で結合したものであってもよい。また、エチレン性不飽和二重結合としては、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリル基、マレイン酸基などが挙げられる。
エチレン性不飽和二重結合を有する化合物として具体的には以下のようなものが挙げられるがこれに限るものではない。
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)、ターシャリブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、及びイソステアリル(メタ)アクリレート等の直鎖又は分岐アルキル(メタ)アクリレート類; シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ターシャリブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、及びイソボルニル(メタ)アクリレート等の環状アルキル(メタ)アクリレート類;
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、及び3−メチル−3−オキセタニル(メタ)アクリレート等の複素環を有する(メタ)アクリレート類;
ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、及びノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の芳香族環を有する(メタ)アクリレート類;
トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、及びテトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート等のフルオロアルキル(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリロキシ変性ポリジメチルシロキサン(シリコーンマクロマー)類;
2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、3−メトキシブチル(メタ)アクリレート、2−メトキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノラウリルエーテル(メタ)アクリレート、及びポリエチレングリコールモノステアリルエーテル(メタ)アクリレート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル(メタ)アクリレート類;
(メタ)アクリルアミド、ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、及びアクリロイルモルホリン等のN置換型(メタ)アクリルアミド類;
(メタ)アクリロニトリル等のニトリル類;
スチレン、及びα−メチルスチレン等のスチレン類;
エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、及びイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類;
酢酸ビニル、及びプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類;
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ダイマー、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、2−(メタ)アクリロイロキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート、2−(メタ)アクリロイロキシプロピルヘキサヒドロフタレート、エチレンオキサイド変性コハク酸(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、及びω-カルボキシポリカプロラクトン(メタ)アクリレート、カルボキシベタイン構造を有するエチレン性不飽和二重結合を有する化合物等のカルボキシル基含有類;
あるいは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2(又は3)−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2(又は3又は4)−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート及びシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート系単量体:
N−(2−ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミドなどのN−(ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミド等の水酸基を有する(メタ)アクリルアミド系単量体:
2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−(又は3−)ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−(又は3−又は4−)ヒドロキシブチルビニルエーテルなどのヒドロキシアルキルビニルエーテル等の水酸基を有するビニルエーテル系単量体:
2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、2−(又は3−)ヒドロキシプロピルアリルエーテル、2−(又は3−又は4−)ヒドロキシブチルアリルエーテルなどのヒドロキシアルキルアリルエーテル等の水酸基を有するアリルエーテル系単量体:
さらに、上記のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、N−(ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシアルキルビニルエーテルあるいはヒドロキシアルキルアリルエーテルにアルキレンオキサイド及び/又はラクトンを付加して得られるエチレン性不飽和単量体等のヒドロキシル基含有類;
ビニルスルホン酸、アクリロニトリルt-ブチルスルホン酸、ベタイン構造を有するエチレン性不飽和二重結合を有する化合物等のスルホン酸含有類;
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等の三級アミノ基を有する(メタ)アクリレート類;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、及びN,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の三級アミノ基を有する(メタ)アクリルアミド類;等が挙げられる。
これらの中で、カルボキシル基含有類が好適に用いられ、好ましくはマレイン酸、無水マレイン酸、無水マレイン酸のハーフエステル、フマル酸、テトラヒドロフタル酸等のジカルボン酸が挙げられる。さらに好ましくは無水マレイン酸が挙げられる。無水マレイン酸であればα-オレフィンとの高い重合性、水溶液中での親水性保持及びグラフト化の両立を得やすいという特徴がある。さらに、後述するが、本願発明の共重合物(B)は、無水マレイン酸とα-オレフィンの共重合物のマレイン酸グラフト重合体であることが好ましい。グラフト重合体はあらかじめ無水マレイン酸に目的の化合物をグラフト化し、これをα-オレフィンと重合する方法、無水マレイン酸とα-オレフィンを重合した後に目的の化合物をグラフト化する方法、2つの方法を組み合わせた方法のいずれでも得ることが可能である。
共重合物(B)は、好ましくはα−オレフィンとマレイン酸および/または無水マレイン酸/またはマレイン酸エステル化合物を、ラジカル開始剤、および連鎖移動剤を添加し、重合させることで得られる。この中でも、少なくともα−オレフィンと無水マレイン酸を反応させることが特に好ましい。重合方法としては、例えば、液体のα−オレフィンモノマーに、無水マレイン酸、ラジカル開始剤及び連鎖移動剤を添加し、重合させる方法が好ましい。またα−オレフィンと無水マレイン酸との共重合方法は無溶剤で行ってもよく、また溶剤を併用して行ってもよい。また無水マレイン酸はα−オレフィンと共に一度に仕込んでもよく、あるいは重合系に徐々に添加してもよい。これらの重合方法に関しては特に制限されるものではない。上記の重合方法により作製した共重合物は、本質的にはα−オレフィンと無水マレイン酸の交互共重合物である。ただし、初期の配分量比を変更することにより、無水マレイン酸含量を調節することができるし、また、2種類以上のα−オレフィンを用いた場合には、ランダムに配列したα−オレフィンの間に無水マレイン酸が交互に配列する共重合物となる。
前記共重合物(B)において、α−オレフィンとマレイン酸および/または無水マレイン酸/またはマレイン酸エステル化合物の使用モル比は、得られる共重合物において、分散安定性の観点から、前者/後者の使用モル比が30/70〜99/1が好ましく、40/60〜95/5がより好ましく、45/55〜80/20がさらに好ましい。
この際用いられるラジカル開始剤としてはアゾビスイソブチロニトリル、アゾビス2,4−ジメチルバレロニトリル等のアゾビス化合物、キュメンヒドロパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、ジt−ブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の過酸化物等が挙げられる。
[無水マレイン酸とα-オレフィンの共重合物のマレイン酸グラフト重合体]
前述のとおり、本願発明の共重合物(B)は、無水マレイン酸とα-オレフィンの共重合物のマレイン酸グラフト重合体であることが好ましい。マレイン酸のグラフト重合体を形成するためには、無水マレイン酸に基づくカルボキシル基を、分子内に少なくとも1つの水酸基を有する化合物によるエステル化する方法、および/又は、分子内に少なくとも1つのアミノ基を持つ化合物によるアミド化若しくはイミド化等の変性によってグラフト化を行なってもよく、特に分散安定性の観点から分子内に少なくとも1つの水酸基を持つ化合物でグラフト化したアルコール変性物であることが好ましい。これら化合物は単独で使用することも可能であるか2つ以上を併用することも可能である。
(分子内に少なくとも1つの水酸基を有する化合物)
エステル化に用いられる少なくとも1つの水酸基を有する化合物としては分子内に1つ以上の水酸基を持つものであれば特に限定されるものではなく、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、ペンタノール、アミルアルコール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ノナノール、デカノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ベンジルアルコール、α−オキシ酪酸、12−ヒドロキシステアリン酸、乳酸等並びにその混合物が用いられる。特にこれらに限定されるものではない。
また、少なくとも1つの水酸基を有する化合物は、特に好ましくは炭素原子数1〜6のアルキレンオキシ基を含み、より好ましくは炭素原子数2〜3のアルキレンオキシ基を含む。具体的には下記一般式(2)又は下記一般式(3)で示される化合物が挙げられ、特に好ましくは、下記一般式(2)の化合物である。
一般式(2)
[一般式(2)中、Rは水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、又は炭素原子数1〜9のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基を表し、AO及びAOはそれぞれ独立して、炭素原子数1〜6のオキシアルキレン基を表し、m及びnはアルキレンオキシ基の平均付加モル数を表し、0〜100の整数であり、m+nは1以上を満たす。]
一般式(3)
[一般式(3)中、Rは水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、又は炭素原子数1〜9のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基を示し、AO及びAOはそれぞれ独立して、炭素数1〜6のオキシアルキレン基を表し、m及びnはアルキレンオキシ基の平均付加モル数を表し、0〜100の整数であり、m+n=1以上を満たす。]
上記一般式(2)及び(3)において、R1は水素原子又は炭素数1以上20以下のアルキル基又は水素原子が炭素数1以上9以下のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基であり、着色剤分散物の分散安定性及びそれを用いたインクジェット記録用インクの保存安定性を向上させる観点から、炭素数1以上12以下のアルキル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
上記一般式(2)及び(3)において、m及びnはアルキレンオキシ基の平均付加モル数を表し、0以上100以下の整数である。m+nは溶媒揮発時のインク粘度を低くし、疎水性の高い基材への印字性を向上させ、顔料インクの保存安定性及び吐出性を向上させる観点から、4以上100以下が好ましく、4以上70以下がより好ましく、9以上40以下が更に好ましく、9以上30以下が最も好ましい。m+nが9〜30の範囲にあると、着色剤分散物並びにそれを用いたインクジェット記録用インク製造時の分散安定性が向上する。一般式(2)及び(3)において、AO及びAOは炭素数1〜6のオキシアルキレン基であり、インク中での水及び水溶性溶剤との親和性向上に寄与する。また、着色剤分散物では、アルキレンオキシ基がインク中で拡がりを持ち、立体障害基として働き、着色剤分散物の安定化や易分散性に寄与する。工業的な観点より、エチレンオキシ基、プロピレンオキシ基が好ましく、エチレンオキシ基が特に好ましい。
上記一般式(2)で表される分子内に1つ以上の水酸基を持つ水酸基含有化合物の好適例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール、ポリオキシエチレンモノメチルエーテル、ポリオキシプロピレンモノメチルエーテル、ポリオキシエチレン−2−エチルヘキシルエーテル、ポリオキシエチレンイソデシルエーテルなどのポリオキシアルキレンアルキルエーテルなどが挙げられ、上記観点よりポリオキシエチレンモノメチルエーテルが最も好ましい。商業的に入手しうる一般式(2)の具体例としては、ユニオックスM−400、同M−550、同M−1000(以上、日油株式会社製)が挙げられる。
上記一般式(3)で表される分子内に1つ以上の水酸基を持つ水酸基含有化合物の好適例としては、ポリオキシエチレンモノラウリレート、ポリオキシエチレンモノステアリレート、ポリオキシエチレンモノオレートなどが挙げられる。上記観点よりポリオキシエチレンモノラウリレートが最も好ましい。商業的に入手しうる一般式(3)の具体例としては、ノニオンL−2、同L−4、同S−4、同O−4(以上、日油株式会社製)が挙げられる。
(分子内に少なくとも1つのアミノ基を有する化合物)
また、アミド化およびイミド化に用いられるアミノ化合物としては、分子内に1つ以上のアミノ基を持つものであれば特に限定されるものではなく、例えば、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、アニリン、o−トルイジン、2−エチルアニリン、2−フルオロアニリン、o−アニシジン、m −トルイジン、m−アニシジン、m−フェネチジン、p−トルイジン、2,3−ジメチルアニリン、5−アミノインダン、アスパラギン酸、グルタミン酸、γ−アミノ酪酸等並びにその混合物が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
またこれらの反応は無溶剤、溶剤併用でも良く、変性方法に関しては特に制限されるものではない。
前記共重合物(B)の酸価は、5〜400mgKOH/gが好ましく、20〜200mgKOH/gがより好ましく、30〜160mgKOH/gがさらに好ましい。特に好ましくは50〜160mgKOH/gである。酸価が5mgKOH/g未満であると、水や水溶性溶剤への親和性が劣ることがあり、400mgKOH/gを超えると、易分散性や着色剤分散物の分散安定性が低下し、インクジェット記録用インクの吐出安定性が悪化する傾向がある。
前記共重合物(B)の重量平均分子量は、3,000〜30,000が好ましく、4,000〜25,000がより好ましく、6,000〜20,000がさらに好ましい。前記質量平均分子量が3,000未満であると、着色剤分散物の安定性が低下することがあり、30,000を超えると、水や水溶性溶剤への親和性が劣ることがあり、粘度が高くなってしまうことがある。
[着色剤粒子の製造]
本発明の着色剤粒子は、具体的には、以下の工程(1)及び工程(2)を順次行うことで得ることが好ましい。
工程(1):着色剤、前記共重合物(A)、共重合物(B)、水溶性無機塩及び水溶性有機溶剤を含有する混合物を混練して微細化する工程。
工程(2):水溶性無機塩及び水溶性有機溶剤を除去する工程。
工程(1)の着色剤の微細化方法は、特に限定されず任意の方法を適用できるが、ソルトミリング処理による摩砕混練工程等が好適である。
例えば、少なくとも着色剤、未中和樹脂、水溶性無機塩及び水溶性有機溶剤を含有する混合物を、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、横型サンドミル、縦型サンドミル及び/又はアニューラ型ビーズミル等の混練機を用いて摩砕混練を行うことができる。また着色剤の種類や、求められている微細化の程度等に応じて、処理条件等を適宜調整することができ、機械的に混練する際に加熱を行うことが好ましい。これらの摩砕混練方法の中でも、共重合物(A)及び共重合物(B)の着色剤への吸着量を飛躍的に向上させるために、ニーダーを使用することが好ましい。
水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、水溶性無機塩の硬度の高さを利用して着色剤を破砕する。摩砕混練方法で使用する水溶性無機塩は、その名称の如く水溶性を示す無機塩であればよく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で限定されない。好ましい例として、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等が挙げられる。価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いることが好ましい。
摩砕混練方法で使用する水溶性有機溶剤は、着色剤及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、且つ用いる水溶性無機塩を実質的に溶解しないものである必要がある。更に、未中和樹脂と適度に親和性がある必要がある。
そのような水溶性有機溶剤としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのグリコール類;ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、及びこれらと同族のジオールなどのジオール類; ラウリン酸プロピレングリコールなどのグリコールエステル;ジエチレングリコールモノエチル、ジエチレングリコールモノブチル、ジエチレングリコールモノヘキシルの各エーテル、プロピレングリコールエーテル、ジプロピレングリコールエーテル、及びトリエチレングリコールエーテルを含むセロソルブなどのグリコールエーテル類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、及びこれらと同族のアルコールなどのアルコール類;あるいは、スルホラン;γ−ブチロラクトンなどのラクトン類;N−(2−ヒドロキシエチル)ピロリドンなどのラクタム類;グリセリン及びその誘導体など、水溶性有機溶剤として知られる他の各種の溶剤などを挙げることができる。これらの水溶性有機溶剤は1種又は2種以上混合して用いることができる。
中でも、高沸点、低揮発性で、高表面張力の多価アルコール類が好ましく、特にジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール類が好ましい。
また、水溶性有機溶剤の加える量は特に限定されないが、着色剤100質量部に対し、5〜1,000質量部用いることが好ましく、50〜500質量部用いることがより好ましい。また、水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、着色剤100質量部に対し、50〜2,000質量部用いることが好ましく、300〜1,000質量部用いることがより好ましい。また、共重合物(A)及び(B)の合計量は、印字濃度及び保存安定性の観点から、固形分換算で着色剤100質量部に対し、5〜100質量部用いることが好ましく、10〜80質量部用いることが好ましい。
また、共重合物(A)及び共重合物(B)の比率は、易分散性及び保存安定性の観点から(A)/(B)が99/1〜1/99が好ましく、98/2〜10/90がより好ましく、95/5〜20/80がさらに好ましく、90/10〜30/70が最も好ましい。
工程(2)は、例えば工程(1)を行った後、摩砕混練機から着色剤を含む混合物を取り出し、イオン交換水を投入して撹拌を行い、懸濁液を得る。加える水の分量は、懸濁液を得るのに充分な量であればよく、特に限定されない。必要に応じて加温してもよい。例えば、工程(1)の重量の10〜10,000倍の重量の水を加えて混合撹拌する。このときの混合撹拌条件は特に限定されないが、温度25〜90℃で行うことが好ましい。ついで、ろ過等の操作により、ろ液を除去することで、摩砕混練機で用いた水溶性有機溶剤、水溶性無機塩を除去することができ、着色剤が共重合物(A)及び共重合物(B)で被覆された着色剤粒子を得ることができる。厳密に言えば、上記着色剤粒子はイオン交換水を含むので、さらに水を除去する工程を行ってもよい。水を除去する方法であれば限定されないが、好適な方法としては、乾燥処理を行う方法を挙げることができる。乾燥条件としては、例えば、常圧下、80〜120℃の範囲で12〜48時間程度の乾燥を行う方法、減圧下、25〜80℃ の範囲で12〜60時間程度の乾燥を行う方法などが例示できる。乾燥処理は特に限定されないが、スプレードライ装置を利用する方法も例示できる。乾燥処理と同時もしくは乾燥処理後に粉砕処理を行ってもよい。
着色剤分散物中の着色剤粒子の含有量は、印字濃度と保存安定性の観点から、5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%以下がより好ましい。また着色剤粒子の体積メディアン径は、プリンターのノズルの目詰まり防止及び保存安定性の観点から、20〜200nmが好ましく、25〜150nmがより好ましく、30〜130nmがさらに好ましく、35〜90nmが最も好ましい。なお、体積メディアン径の測定は、レーザー回折・散乱法を用いる。
<塩基性化合物>
本発明の着色剤分散物は、塩基性化合物を添加し、共重合物(A)及び共重合物(B)のカルボキシル基をイオン化することで、着色剤粒子の分散安定化を図ることができる。このために、着色剤分散物及びそれを用いたインクジェット記録用インクは中性又はアルカリ性に調整されたものであることが好ましい。但し、アルカリ性が強過ぎると、インクジェット記録装置に使われている種々の部材の腐食の原因となる場合があるので、7〜10のpH範囲とするのが好ましい。この際に使用されるpH調整剤としては、下記のものが挙げられる。例えば、アンモニア水、ジメチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等の無機アルカリ剤、有機酸や鉱酸等を使用することができる。後述する着色剤粒子の共重合物(A)及び共重合物(B)をイオン化することで、中和され着色剤粒子が水性液媒体中に、分散又は溶解される。
共重合物(A)及び共重合物(B)の中和度は、着色剤分散物の保存安定性の観点から、10〜100モル%反応させることが好ましく、30〜100モル%反応させることがより好ましく、50〜100モル%反応させることが特に好ましい。
ここで中和度は、塩基性化合物のモル当量を共重合物(A)と共重合物(B)のカルボキシ基のモル量で除したものである。下記式によって求めることができる。
{(塩基性化合物の重量(g)/塩基性化合物の当量)/ [(共重合物(A)の酸価(KOHmg/g)×共重合物(A)の重量(g)+共重合物(B)の酸価(KOHmg/g)×共重合物(B)の重量(g))/(56.1×1000)]}×100
<架橋剤>
本発明において架橋剤としては、共重合物(A)及び共重合物(B)を適度に架橋するため、分子中に2つ以上のカルボキシル基と反応しうる反応性官能基を有する化合物が好ましく用いられる。反応性官能基として好ましくは、イソシアネート基、アジリジン基、カルボジイミド基、オキセタン基、オキサゾリン基及びエポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一種であり、より好ましくは、アジリジン基、カルボジイミド基及びエポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一種であり、特に好ましくは、エポキシ基である。
架橋剤の重量平均分子量(Mw)は、反応のし易さ、及び保存安定性の観点から、100〜2,000が好ましく、120〜1,500が更に好ましく、150〜1,000が特に好ましい。架橋剤に含まれる反応性官能基の数は、架橋後の共重合物(A)及び共重合物(B)の分子量を制御して保存安定性を向上する観点から、2〜6が好ましい。
本発明に用いられる架橋剤の具体例としては、下記が挙げられる。
分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物:例えば、有機ポリイソシアネート又はイソシアネート基末端プレポリマー。
有機ポリイソシアネートとしては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;トリレン−2,4−ジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート; 脂環式ジイソシアネート;芳香族トリイソシアネート;それらのウレタン変性体等の変性体が挙げられる。イソシアネート基末端プレポリマーは、有機ポリイソシアネート又はその変性体と低分子量ポリオール等とを反応させることにより得ることができる。
分子中に2つ以上のアジリジン基を有する化合物:例えば、N,N'−ジフェニルメタン−4,4'−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、N,N'−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、ビスイソフタロイル−1−(2−メチルアジリジン)、トリ−1−アジリジニルホスフィンオキサイド、N,N'−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、2,2'−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、トリメチロールプロパントリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタントリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリス−2,4,6−(1−アジリジニル)−1、3、5−トリアジン、4,4'−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等が挙げられる。
分子中に2つ以上のカルボジイミド基を有する化合物:例えば、カルボジイミド化触媒の存在下でジイソシアネート化合物を脱炭酸縮合反応させることによって生成した高分子量ポリカルボジイミドが挙げられる。このような高分子量ポリカルボジイミドとしては、日清紡績株式会社のカルボジライトシリーズが挙げられる。
分子中に2つ以上のオキセタン基を有する化合物:例えば、4,4'−(3−エチルオキセタン−3−イルメチルオキシメチル)ビフェニル(OXBP)、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(EHO)、1,4−ビス[{(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ}メチル]ベンゼン(XDO)、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル(DOX)、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル(DOE)、1,6−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]ヘキサン(HDB)、9,9−ビス[2−メチル−4−{2−(3−オキセタニル)}ブトキシフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−[2−{2−(3−オキセタニル)}ブトキシ]エトキシフェニル]フルオレン等が挙げられる。
分子中に2以上のオキサゾリン基を有する化合物: 例えば、脂肪族基又は芳香族基に2個以上、好ましくは2〜3個のオキサゾリン基が結合した化合物、より具体的には2, 2’−ビス(2−オキサゾリン)、1,3−フェニレンビスオキサゾリン、1,3−ベンゾビスオキサゾリン等のビスオキサゾリン化合物、該化合物と多塩基性カルボン酸とを反応させて得られる末端オキサゾリン基を有する化合物。
分子中に2つ以上のエポキシ基を有する化合物: 例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールA 型ジグリシジルエーテル等のポリグリシジルエーテル。
これらの中では、分子中に2以上のエポキシ基を有する化合物が好ましく、特にエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルが好ましい。
架橋剤は、水中で効率よく共重合物(A)及び共重合物(B)のカルボキシル基と反応する観点から、適度に水溶性があることが好ましく、例えば架橋剤を25℃の水100gに溶解させたときに、その溶解量が0.1〜50gが好ましく、0.2〜40gがさらに好ましく、更に好ましくは0.5〜30gが最も好ましい。
架橋剤の添加量は、前記共重合物(A)及び共重合物(B)の使用量合計のカルボキシル基に対して10〜100モル%反応させる量であることが好ましい。中でも30〜100モル%反応させる量を添加することがより好ましく、30〜90モル%反応させる量を添加することが好ましい。
<着色剤分散物>
本発明の着色剤分散物は、少なくとも着色剤粒子、塩基性化合物、水を含み、さらに架橋剤を含むことが好ましい。これらの着色剤分散物の製造方法としては、着色剤分散物の保存安定性の観点から、以下の工程(3)及び工程(4)を順次行うことが好ましい。
工程(3):着色剤粒子と、塩基性化合物と水を添加して、共重合物(A)及び共重合物(B)のカルボキシル基を中和する工程
工程(4):架橋剤を添加して、共重合物(A)及び共重合物(B)と架橋させる工程
共重合物(A)及び共重合物(B)のカルボキシル基を中和する工程と架橋剤を添加して共重合物(A)及び共重合物(B)と架橋剤とを架橋させる工程では、温度、時間は適宜選択して決定することができる。中和工程の時間は、好ましくは0 .5〜10時間、更に好ましくは1〜5 時間、中和工程の温度は、好ましくは40〜95℃ である。架橋工程の時間は、好ましくは0 .5〜10時間、更に好ましくは1〜5 時間、架橋工程の温度は、好ましくは40〜95℃ である
着色剤分散物中の水の含有量は、保存安定性の観点から、30〜85質量%が好ましく、30〜80質量%がより好ましい。水としては、種々のイオンを含有する一般の水ではなく、イオン交換水(脱イオン水)を使用するのが好ましい。以下、特に断らない限り、水はイオン交換水を指す。
<インクジェット記録用インク>
次に、本発明の着色剤分散物を用いて、インクジェット記録用インクを形成する場合について説明する。インクジェット記録用インクは、印刷適性を付与するために、水と混合して使用される水溶性溶剤を含む。これらの溶剤としては、グリコールエーテル類、ジオール類が良く、これらの溶剤は基材への浸透が非常に速く、コート紙、アート紙や塩化ビニルシート、フィルムといった低吸液性や非吸液性の基材に対しても、浸透が速い。そのため、印刷時の乾燥が速く、正確な印字を実現することができる。また、沸点が高いため、湿潤剤としての働きは十分である。
グリコールエーテル類の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノペンチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
ジオール類の具体例としては、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール等が挙げられる。これらの溶剤は単独で使用しても良く、複数を混合して使用することもできる。
中でも、好ましくは、プロピレングリコールと、(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル及び炭素数3〜6のアルカンジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種とを含有することである。(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルとしては例えば、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられ、より好ましくはジエチレングリコールモノブチルエーテルである。炭素数3〜6のアルカンジオールとしては例えば、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール等が挙げられ、より好ましくは1,2−ヘキサンジオールである。これらは2種以上を併用して用いてもよい。
さらに印刷する基材の種類によっては、その溶解性の向上を目的に、2−ピロリドン、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、N−メチルオキサゾリジノン、N−エチルオキサゾリジノンなどの水溶性の含窒素複素環化合物を添加することもできる。
上記したような水溶性有機溶剤のインクジェット記録用インク中における含有量は、一般的には、インクの全重量の3〜60質量%が好ましく、3〜50質量%がより好ましい。また、水の含有量としては、インクの全重量の10〜90質量%が好ましく、30〜80質量%がより好ましい。
さらに、本発明の着色剤分散物を用いたインクジェット記録用インクは、水性のエマルションを含有することが好ましい。水性のエマルションを含有することで、粘度はあまり上昇させずに、印字した塗膜の耐性を向上させることができる。これにより、耐水性、耐溶剤性、耐擦過性などが向上する。水溶性の樹脂を添加しても、ある程度耐性の向上は期待できるが、粘度が上昇してしまう傾向にある。インクジェットインクの場合、ノズルからインクを吐出できる粘度にはある範囲があり、あまり粘度が高いとインクを吐出することができなくなることがあるため、粘度の上昇を抑えることは重要である。
上記したような水性のエマルションのインク中における含有量は、固形分で、インクの全重量の2質量%以上30質量%以下の範囲であり、より好ましくは、3質量%以上20質量%以下の範囲である。また、本発明の着色剤分散物を用いたインクジェット記録用インクは、上記の成分の他に、必要に応じて所望の物性値を持つインクとするために、界面活性剤、消泡剤、防腐剤等の添加剤を適宜に添加することができる。これらの添加剤の添加量の例としては、インクの全重量に対して、0.05質量%以上10質量%以下が好ましく、0.2質量%以上5質量%以下がさらに好ましい。
このように作製したインクジェット記録用インクは、各種のインクジェット用プリンターに好適に用いることができる。適用可能なインクジェットの方式は特に限定するものではないが、荷電制御型、スプレー型等の連続噴射型、ピエゾ方式、サーマル方式、静電吸引方式等のオンデマンド型の公知のものを例示することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、以下の記載において、「部」及び「% 」とあるものは、「質量部」及び「質量%」を表す。
(重量平均分子量(Mw))
重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソ−社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソ−社製、HLC−8320GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
(酸価)
三角フラスコ中に試料、約1gを精密に量り採り、蒸留水/ジオキサン(重量比:蒸留水/ジオキサン=1/9)混合液50mlを加えて溶解する。上記試料溶液に対して、電位差測定装置(京都電子工業株式会社製、装置名「電位差自動滴定装置 AT−710M」)を用いて、0.1mol/L水酸化カリウム・エタノール溶液(力価a)で滴定を行い、滴定終点までに必要な水酸化カリウム・エタノール溶液の量(b(mL))を測定した。乾燥状態の樹脂の値として、酸価(mgKOH/g)を次式により求めた。
酸価(mgKOH/g)={(5.611×a×F)/S}/(不揮発分濃度/100)
ただし、S:試料の採取量(g)
a:0.1mol/L水酸化カリウム・エタノール溶液の消費量(ml)
F:0.1mol/L水酸化カリウム・エタノール溶液の力価
<共重合物(A)の製造>
(共重合物A−1)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、ジエチレングリコール100部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を110℃に加熱して、単量体a−1(一般式(1)において、R=メチル基、R=エチレン基、R=メチル基、m=2である単量体)20部、アクリル酸20部、ベンジルメタクリレート60.0部、及びパーブチルO(日油株式会社)5.0部の混合物を3時間かけて滴下し、重合反応を行った。滴下終了後、さらに110℃で1時間反応させた後、パーブチルOを0.5部添加し、さらに110℃ で1時間反応を続けた。その後、不揮発分測定にて転化率が98%超えたことを確認し、ジエチレングリコールを加え、不揮発分が30%になるように調整し、室温まで冷却し反応を終了させ共重合物溶液A−1を得た。共重合物溶液A−1の重量平均分子量(Mw)は約13,000、酸価は156mgKOH/gであった。
(共重合物A−2〜A−15)
表1に記載した原料と仕込み量に変更した以外は(A−1)と同様にして合成を行い、共重合物溶液A−2〜A−15を得た。なお、分子量の調整はパーブチルOの添加量を変更し、適宜調整した。それぞれの重量平均分子量(Mw)、不揮発分及び酸価は表1に記載した通りである。
以下に、表1中の略称を示す。
単量体a−1:一般式(1)において、R=メチル基、R=エチレン基、R=メチル基、m=2である単量体
単量体a−2:一般式(1)において、R=メチル基、R=エチレン基、R=メチル基、m=9である単量体
単量体a−3:一般式(1)において、R=メチル基、R=エチレン基、R=メチル基、m=23である単量体
単量体a−4:一般式(1)において、R=水素原子、R=プロピレン基、R=メチル基、m=9である単量体
単量体a−5:一般式(1)において、R=水素原子、R=エチレン基、R=フェニル基、m=2である単量体
<共重合物(B)の製造>
(共重合物BQ−1)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、α−オレフィンとして1−ヘキセンを46.2g、無水マレイン酸を53.8g仕込み、キシレン10gをフラスコに仕込み、窒素置換した後、130℃で加熱、撹拌した。そこへ、撹拌しながら、パーブチルO(日油株式会社)1.0gとキシレン20gとの混合物を、2時間かけて滴下した。その後、温度を130℃に保ったままさらに1時間撹拌して反応させ、キシレンを減圧濃縮して完全に除去し、共重合物BQ−1を得た。得られた共重合物BQ−1の重量平均分子量(Mw)は約10,000、酸価は615.7mgKOH/gであった。
(共重合物BQ−2〜BQ−11)
表2に記載した原料と仕込み量に変更した以外は(BQ−1)と同様にして合成を行い、共重合物BQ−2〜BQ−11を得た。なお、分子量の調整はパーブチルOの添加量を変更し、適宜調整した。それぞれの重量平均分子量(Mw)、酸価は表2に記載した通りである。
以下に、表2中の略称を示す。
マレイン酸エステル:無水マレイン酸に対して、1.0当量のイソブチルアルコールでエステル化したエステル化合物
(共重合物BR−1)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に共重合物BQ−1を32.2g、化合物X−2(一般式(2)において、R=メチル基、AO=CO、m=12、n=0である分子内に1つ以上の水酸基を持つ水酸基含有化合物)を67.8g、触媒としてジアザビシクロウンデセンを0.2g加え、撹拌しながら130℃に加温した。1時間後に温度を110℃に変更してさらに1時間保持し、さらに90℃に変更し4時間保持して、α−オレフィン−無水マレイン酸共重合物とポリエチレングリコールモノアルキルエーテル類とのエステル化合物である変性共重合物BR−1を得た。得られた共重合物の重量平均分子量(Mw)は約13,000、酸価は99mgKOH/gであった。
(共重合物BR−1〜BR−27)
表3〜5に記載した原料と仕込み量に変更した以外は(BR−1)と同様にして合成を行い、共重合物BR−2〜BR−27を得た。それぞれの重量平均分子量(Mw)、酸価は表3〜5に記載した通りである。
以下に、表3〜5中の略称を示す。
(2)−1:一般式(2)において、R=メチル基、AO=CO、m=4、n=0である化合物
(2)−2:一般式(2)において、R=メチル基、AO=CO、m=12、n=0である化合物
(2)−3:一般式(2)において、R=メチル基、AO=CO、m=22、n=0である化合物
(2)−4:一般式(2)において、R=メチル基、AO=CO、m=3、n=6である化合物
(2)−5:一般式(2)において、R=C17、AO=CO、m=3、n=6である化合物
(2)−6:一般式(2)において、R=C1837、AO=CO、m=0、n=7である化合物
(3)−1:一般式(3)において、R=メチル基、AO=CO、m=12、n=0である化合物
(3)−2:一般式(3)において、R=C1123、AO=CO、m=12、n=0である化合物
(3)−3:一般式(3)において、R=C1123、AO=CO、m=0、n=8である化合物
<着色剤粒子の製造>
(着色剤粒子C−1)
着色剤としてPY180(C.I.ピグメントイエロー180、クラリアントジャパン社製、「NOVOPERM Yellow P−HG」)35.0部、塩化ナトリウム175.0部、共重合物(A)としてA−1を固形分換算で6.125部、共重合物(B)としてBR−4を固形分換算で6.125部、水溶性溶剤としてジエチレングリコール6.4部をステンレス製ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、80℃で3時間混練した。この混合物を水1,000部に投入し、約40℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及び水溶性有機溶剤を除き、減圧下40℃で乾燥して着色剤粒子C−1を得た。
(着色剤粒子C−2〜C−57)
使用する着色剤、共重合物(A)及び共重合物(B)を表6に従って変更した以外は、着色剤粒子C−1と同様にして、着色剤C−2〜C−57を得た。
表6中の略称を以下に示す。
PR122: C.I.ピグメントレッド122、DIC社製、「FASTOGENSuperMagentaRGT」
PB15:3 : C.I.ピグメントブルー15:3、大日精化工業社製、「シアニンブルー A220J」
PV19: C.I.ピグメントバイオレット19、クラリアントジャパン社製、「Ink Jet Magenta E5B02」
PG7: C.I.ピグメントグリーン7、トーヨーカラー社製、「LIONOL GREEN 8930−1」
SMA17352:(スチレン−マレイン酸−マレイン酸エステル系高分子分散剤、SARTOMER社製、重量平均分子量7,000、酸価270mgKOH/g)
<着色剤分散物の製造>
[実施例1]
(着色剤分散物D−1)
着色剤粒子としてC−1を20部、塩基性化合物として水酸化カリウムの10%水溶液を、着色剤粒子製造時に用いた共重合物(A)及び共重合物(B)の酸価から中和度が100%になるように加え、防腐剤としてPROXEL GXL(S)(Lonza製)を0.03部、さらに不揮発分が22%になるようにイオン交換水を加え、70℃のオイルバスで加温しながらディスパーで約1時間撹拌した。次いで超音波照射機(商品名「UP400S」、hielscher社製)を使用し、氷冷下で10分間超音波照射させた。なお、超音波照射機の振幅は70%とした。
次いで、常温下で架橋剤としてデナコールEX321(エポキシ架橋剤、ナガセケムテックス製、不揮発分100%、エポキシ当量140g/eq)を、着色剤粒子製造時に用いた共重合物(A)及び共重合物(B)のカルボン酸/架橋剤モル比で0.5eqになるように加え、さらに約1時間撹拌し、再度不揮発分が22%になるようにイオン交換水で調整し、着色剤分散物D−1を得た。
[実施例2〜54、比較例1〜4]
(着色剤分散物D−2〜D−58)
使用する着色剤粒子、塩基性化合物量、架橋剤種、架橋剤量を表7に従って変更した以外は、実施例1と同様にして着色剤分散物D−2〜D−58を得た。
<着色剤分散物の評価>
得られた着色剤分散物について、以下の評価を行った。結果を表7に示す。
(体積メディアン径D50)
得られた着色剤分散物を500倍に水希釈し、該希釈液約5mlを動的光散乱測定法(測定装置はマイクロトラック(株)日機装製)により測定を行った。この時、得られた体積粒子径分布データ(ヒストグラム)のピークを(D50)とした。
(初期粘度及び経時保存安定性)
着色剤分散物の初期粘度を、E型粘度計(東機産業社製「ELD型粘度計」)を用いて、25℃ において回転数20rpmという条件で測定した。さらに着色剤分散物を70℃の恒温機に2週間保存・経時促進させた後、同様にして粘度を測定し、経時前後での粘度変化率を算出し、以下の基準で評価した。
○:粘度変化率が±10%未満(良好)
△:粘度変化率が±10%以上±20%未満(実用上問題なし)
×:粘度変化率が±20%以上(不良)
(粗粒量試験)
着色剤分散物中の粗粒量の評価を、定量の着色剤分散物の25mmφのガラスファイバー製フィルター(GF/B GEヘルスケアライフサイエンス社製)への通過時間で評価した。粗粒が多い場合はフィルターが目詰まりをおこし通過時間が長く観測される。またさらに粗粒が多い場合はフィルターが閉塞し顔料分散体を全量ろ過することができない。一般にインクジェットヘッドへインキを供給する経路に使用されるフィルターは1μmより大きく、またインクジェットインキの顔料濃度は顔料分散体に比べ低いものが一般的であり、本試験方法によりろ過を通過すれば十分といえるが、よりろ過速度が速い方が着色剤粒子の再溶解性や解砕性が高く、生産性に優れると言える。具体的な評価条件を以下に示す。コックを経由して減圧ポンプを付属したサクションベッセルに15mlの目盛のついたファンネルと25mmφのガラスファイバー製フィルター(GF/B GEヘルスケアライフサイエンス社製)をのせた直径25mmフィルターホルダー(ADVANTEC社製)をのせる。サクションベッセル内が減圧されないようにコックを使用して減圧ポンプを稼働する。着色剤分散物15gをファンネルにはかり取る。ポンプとサクションベッセルの開圧をスタートとし着色剤分散物全量がフィルターを通過する時間を計測する。この時のサクションベッセル内の圧力は0.05MPa〜0.07Mpaである。
◎:30秒以内にろ過ができる(非常に良好)
○:30秒以上、60秒以内にろ過ができる(良好)
△:60秒以上90秒以内にろ過ができる(実用上問題なし)
×:60秒以内にろ過できない(不良)
以下に、表7中の略称を示す。
デナコールEX321:ナガセケムテックス製、エポキシ架橋剤、不揮発分100%、エポキシ当量140g/eq
<インクジェット記録用インクの製造>
[実施例101〜155、比較例101〜104]
(インクジェット記録用インクJ−1〜J−54、J−56〜J−59)
実施例及び比較例で得られた着色剤分散物を33.3部、プロピレングリコールを16.65部、1,2−ヘキサンジオールを16.65部、イオン交換水を33.3部、レベリング剤としてサーフィノールDF110D(エアープロダクツジャパン製)を0.1部混合し、インクジェット記録用インクJ−1〜J−54、J−56〜J−59を作製した。
(インクジェット記録用インクJ−55)
実施例で得られた着色剤分散物D−3を33.3部、プロピレングリコールを16.65部、ジエチレングリコールモノブチルエーテルを16.65部、イオン交換水を33.3部、レベリング剤としてサーフィノールDF110D(エアープロダクツジャパン製)を0.1部混合し、インクジェット記録用インクJ−55を作製した。
<インクジェット記録用インクの評価>
得られた着色剤分散物について、以下の評価を行った。結果を表8に示す。
(体積メディアン径の変化率)
得られたインクジェット記録用インクを100倍に水希釈し、該希釈液約5mlを動的光散乱測定法(測定装置はマイクロトラック(株)日機装製)により測定を行った。この時、得られた体積粒子径分布データ(ヒストグラム)のピークを(D50)とした。
着色剤分散体のD50値と比較して粒径変化率を算出し、以下の基準で評価した。インク化工程での粒径変化が少ないほど評価が高い。
◎:粒径変化率が±5%未満(非常に良好)
○:粒径変化率が±5%以上±12.5%未満(良好)
△:粒径変化率が±12.5%以上±25%未満(実用上問題無し)
×:粒径変化率が±25%以上(不良)
(初期粘度及び経時保存安定性)
着色剤分散物と同様にして測定、評価を行った。
(印刷評価)
得られたインクジェット記録用インクをインクジェットプリンター(エプソン社製「PM−750C」)のカートリッジに詰めて、コート紙(王子製紙製OKトップコート+、米坪104.7g/m)に印刷した。印刷したサンプルをルーペで観察し、ドットのつながりや色のムラを評価し、以下の基準で評価した。
○:ドットのつながりや色のムラが全くない(非常に良好)、
△:ドットのつながりや色のムラがわずかにある(実用上問題なし)
×:ドットのつながりや色のムラが全面にある(不良)
(耐水性評価)
得られたインクジェット記録用インクをインクジェットプリンター(エプソン社製「PM−750C」)のカートリッジに詰めて、コート紙(王子製紙製OKトップコート+、米坪104.7g/m)に印刷した。印刷したサンプルを気温25 ℃湿度50%RH条件下、一定時間放置後にサンプルを水道水に浸漬させて、印刷物のにじみを観察し、以下の基準で評価した。
◎:印刷した直後に浸漬させてもサンプルがにじまない(非常に良好)
〇:印刷した直後に浸漬させるとサンプルがにじむが印刷後10分間ではにじまない(良好)
△:印刷した直後に浸漬させるとサンプルがにじむが印刷後1 時間ではにじまない(実用上問題なし)
×:印刷後1 時間でもにじむ(不良)
(定着性評価)
得られたインクジェット記録用インクをインクジェットプリンター(エプソン社製「PM−750C」)のカートリッジに詰めて、光沢PETフィルム(Roland社純正 PET−G−1050)に記録し、記録物を気温25℃ 湿度50%RH 条件下、一定時間放置後にラビングテスター(テスター産業製、型式AB301)での光沢PETフィルムに対するインキの定着性を評価した。具体的に試験用布片(金巾3号 )にて加重200g、100往復のラビング試験を記録面にて実施し、以下の基準で評価した。
○:1時間放置後に試験を実施しても記録部分が剥がれない(良好)
△:1時間放置後に記録部分が剥がれても、24時間放置後に記録部分が剥がれない(実用上問題なし)
×:24時間放置しても記録部分が剥がれる(不良)
表7、8 の結果から、炭素原子数1〜6のアルキレンオキシ基、及びカルボキシル基を有する共重合物(A)と、α-オレフィンユニットを直鎖に含む共重合物(B)によって着色剤が被覆された着色剤粒子を用いると、経時保存安定性、印刷適性、耐水性及び定着性に優れる着色剤分散物及びインクジェット記録用インクが得られることが示された。これは、着色剤が親水性の高い共重合物(A)と疎水性の高い共重合物(B)によって被覆されるため、共重合物(A)が着色剤粒子と水性インクジェット用インク組成中の水溶性溶剤などの親水性成分と相溶させる機能を持ち、共重合物(B)が印刷時のインク液滴の基材表面に対する接触角を低下させて濡れを促進させ、浸透性の高い溶剤と、沸点が高い溶剤とが共存しても、安定な分散体の提供が可能になったと思われる。さらに、架橋剤を用いることで、共重合物(A)及び共重合物(B)が着色剤を強固に被覆でき、経時での安定性や印刷性、耐水性及び定着性が非常に良好であった。
また、共重合体(A)の重量平均分子量を5,000〜15,000にすることで、分散体の経時保存性が向上することが示された。さらに共重合体(A)の酸価を80〜300mgKOH/gにすることで、分散体の経時保存性が向上することが示された。共重合体(A)の重量平均分子量や酸価が適切な範囲内であると着色剤への共重合体(A)の吸着量が向上し、安定性が向上したと思われる。
また、共重合体(B)にもアルキレンオキシ基を導入することで、経時での安定性や印刷性が非常に良好であった。これらはアルキレンオキシ基がインク中で大きく拡がりを持つため、立体障害基としての効果が高く、安定性が向上したと考えられる。
さらに、着色剤が親水性の高い共重合物(A)と疎水性の高い共重合物(B)によって強固に被覆され、親水性と疎水性のバランスに優れた着色剤粒子が得られるため、再溶解性や解砕性に優れ、粗粒量の少ない着色剤分散物が得られたり、印刷時のノズル先端部等における水分蒸発によるインキ中の固形成分の凝集・析出に対しても再溶解性に優れるため、生産性や印刷性が非常に良好になる。
また、本発明の水性インクジェット用インクを用いると、得られる印字物の耐水性が優れることが分かった。

Claims (13)

  1. 着色剤粒子、塩基性化合物及び水を含む水性着色剤分散体であって、
    前記着色剤粒子が、少なくとも下記共重合物(A)及び下記共重合物(B)を含む水性着色剤分散体。
    共重合物(A):少なくとも、炭素原子数1〜6のアルキレンオキシ基及びカルボキシル基を有する共重合物(但し、α-オレフィンユニットを直鎖に含む共重合物を除く)。
    共重合物(B):α-オレフィンユニットを直鎖に含む共重合物。
  2. 共重合物(A)が、下記一般式(1)で表される単量体と、カルボキシル基含有単量体との共重合物である請求項1に記載の水性着色剤分散体。
    一般式(1)

    [一般式(1)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rは炭素原子数1〜6のアルキレン基を表し、Rは水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、又は炭素原子数1〜9のアルキル基若しくはフェニル基で置換されていてもよいフェニル基を表し、mはアルキレンオキシ基の平均付加モル数を表し、1〜100の整数である。]
  3. 共重合物(B)が、無水マレイン酸とα-オレフィンの共重合物のマレイン酸グラフト重合体である請求項1又は2に記載の水性着色剤分散体。
  4. α-オレフィンの炭素数が、8〜35である請求項1〜3いずれか1項に記載の水性着色剤分散体。
  5. 共重合物(B)の酸価が、20〜200mgKOH/gである請求項1〜4いずれか1項に記載の水性着色剤分散物。
  6. α-オレフィンユニットを直鎖に含む共重合物が、炭素原子数1〜6のアルキレンオキシ基を含む請求項1〜5いずか1項に記載の水性着色剤分散物。
  7. α-オレフィンユニットを直鎖に含む共重合物が、α-オレフィンと無水マレイン酸との共重合物のアルコール変性物である請求項1〜6いずれか1項に記載の水性着色剤分散物。
  8. α-オレフィンと無水マレイン酸との共重合物のアルコール変性物におけるアルコールが、下記一般式(2)及び下記一般式(3)からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物である、請求項7に記載の水性着色剤分散物。
    一般式(2)
    [一般式(2)中、Rは水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、又は炭素原子数1〜9のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基を表し、AO及びAOはそれぞれ独立して、炭素原子数1〜6のオキシアルキレン基を表し、m及びnはアルキレンオキシ基の平均付加モル数を表し、0〜100の整数であり、m+nは1以上を満たす。]

    一般式(3)
    [一般式(3)中、Rは水素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、又は炭素原子数1〜9のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基を示し、AO及びAOはそれぞれ独立して、炭素数1〜6のオキシアルキレン基を表し、m及びnはアルキレンオキシ基の平均付加モル数を表し、0〜100の整数であり、m+n=1以上を満たす。]
  9. 着色剤粒子における共重合物(A)及び共重合物(B)の質量比率が、共重合物(A)/共重合物(B)=90/10〜30/70である請求項1〜8いずれか1項に記載の水性着色剤分散物。
  10. さらに架橋剤を含む、請求項1〜9いずれか1項に記載の水性着色剤分散物。
  11. 文具用着色剤、塗料用着色剤、印刷インク用着色剤、電子写真用着色剤、インクジェット記録用インク用着色剤又は捺染剤用着色剤に用いられる、請求項1〜10いずれか1項に記載の水性着色剤分散物。
  12. 請求項1〜11に記載の水性着色剤分散物を含む、インクジェット記録用インク。
  13. さらに、水溶性溶剤として、プロピレングリコールと、(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル及び炭素数3〜6のアルカンジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種とを含む、請求項12に記載のインクジェット記録用インク。
JP2017253547A 2017-12-28 2017-12-28 水性着色剤分散物、及びインクジェット記録用インク Active JP6402435B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017253547A JP6402435B1 (ja) 2017-12-28 2017-12-28 水性着色剤分散物、及びインクジェット記録用インク

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017253547A JP6402435B1 (ja) 2017-12-28 2017-12-28 水性着色剤分散物、及びインクジェット記録用インク

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6402435B1 JP6402435B1 (ja) 2018-10-10
JP2019119763A true JP2019119763A (ja) 2019-07-22

Family

ID=63788046

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017253547A Active JP6402435B1 (ja) 2017-12-28 2017-12-28 水性着色剤分散物、及びインクジェット記録用インク

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6402435B1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023092978A (ja) * 2021-12-22 2023-07-04 東洋インキScホールディングス株式会社 インクセット

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020203965A (ja) * 2019-06-14 2020-12-24 東洋インキScホールディングス株式会社 被覆着色剤、着色組成物、および被覆着色剤の製造方法
CN112759721B (zh) * 2021-01-20 2022-03-25 华南师范大学 一种温敏性聚乳酸高分子材料及其制备方法和应用
CN112898497B (zh) * 2021-01-21 2022-04-26 华南师范大学 一种聚乳酸基大分子单体及其制备方法和应用

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007169470A (ja) * 2005-12-22 2007-07-05 Ricoh Co Ltd 顔料分散体及び記録用インク、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
JP2007191556A (ja) * 2006-01-18 2007-08-02 Ricoh Co Ltd 記録用インク、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
JP2008050400A (ja) * 2006-08-22 2008-03-06 Ricoh Co Ltd 記録用インク及びインクメディアセット、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
JP2009079209A (ja) * 2007-09-07 2009-04-16 Mitsubishi Chemicals Corp 水性顔料分散液、インク組成物及びインクジェット記録方法
JP2009287014A (ja) * 2008-04-28 2009-12-10 Kao Corp インクジェット記録用水系インク
JP2010070749A (ja) * 2008-08-20 2010-04-02 Mitsubishi Chemicals Corp 顔料分散液、インク組成物及びインクジェット記録方法
JP2016183239A (ja) * 2015-03-26 2016-10-20 東洋インキScホールディングス株式会社 インクジェットインク用水性顔料分散体

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007169470A (ja) * 2005-12-22 2007-07-05 Ricoh Co Ltd 顔料分散体及び記録用インク、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
JP2007191556A (ja) * 2006-01-18 2007-08-02 Ricoh Co Ltd 記録用インク、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置
JP2008050400A (ja) * 2006-08-22 2008-03-06 Ricoh Co Ltd 記録用インク及びインクメディアセット、並びにインクカートリッジ、インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置
JP2009079209A (ja) * 2007-09-07 2009-04-16 Mitsubishi Chemicals Corp 水性顔料分散液、インク組成物及びインクジェット記録方法
JP2009287014A (ja) * 2008-04-28 2009-12-10 Kao Corp インクジェット記録用水系インク
JP2010070749A (ja) * 2008-08-20 2010-04-02 Mitsubishi Chemicals Corp 顔料分散液、インク組成物及びインクジェット記録方法
JP2016183239A (ja) * 2015-03-26 2016-10-20 東洋インキScホールディングス株式会社 インクジェットインク用水性顔料分散体

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2023092978A (ja) * 2021-12-22 2023-07-04 東洋インキScホールディングス株式会社 インクセット

Also Published As

Publication number Publication date
JP6402435B1 (ja) 2018-10-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101880494B (zh) 喷墨记录用墨液组合物
JP6402435B1 (ja) 水性着色剤分散物、及びインクジェット記録用インク
JP4642892B2 (ja) 顔料組成物、水性顔料分散物、水性顔料分散物の製造方法、インクジェット記録用水系インク
JP5512240B2 (ja) グラフトポリマー、水性分散物および水性インク組成物
WO2018173901A1 (ja) 被覆顔料、および顔料水性分散体、ならびにその用途、ならびにその製造方法
JP2009084494A (ja) 水系着色剤分散物、水系着色剤分散物の製造方法、及びインクジェット記録用水系インク
JP2016520445A (ja) 印刷方法
JP2011089114A (ja) 水系顔料分散物、インク組成物、及び画像形成方法
US11220611B2 (en) Water-based ink for ink-jet recording
EP2075269A1 (en) Self-dispersible polymer, water-based dispersion, water-based ink composition, ink set and image forming method
JP5538733B2 (ja) 水性インク組成物、インクセットおよび画像形成方法
JP2013095766A (ja) カプセル化顔料および水性インク並びにインクセット
US20220098415A1 (en) Coated colorant, coloring composition, and coated colorant manufacturing method
JP2007314651A (ja) インクジェット記録用油性インク組成物、インキ及びインクジェット記録方法
JP6296265B1 (ja) 着色剤分散物、着色剤分散物の製造方法及びインクジェット記録用インク
JP7162534B2 (ja) 顔料水分散体
JP6870890B2 (ja) 水系インク
US9303170B2 (en) Aqueous pigment dispersions with components to interact with cellulose
JP2009215407A (ja) 水系着色剤分散物、水系着色剤分散物の製造方法、及びインクジェット記録用水系インク
JP2010195933A (ja) 顔料組成物、水系顔料分散物の製造方法、およびインクジェット記録用水系インク
JP2010163580A (ja) 顔料分散液の製造方法、顔料分散液、及びインクジェット記録用インク
JP6954034B2 (ja) 水性着色剤分散体、水性着色剤分散体の製造方法及びインクジェット記録用インク
JP2022170110A (ja) 着色剤分散体、インキ、インキセット、および塗工物
JP2020094138A (ja) 被覆顔料、被覆顔料組成物およびその製造方法
JP2011074255A (ja) 顔料分散液、インク組成物、顔料分散液の製造方法、及び画像形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180302

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20180302

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180608

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20180611

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180619

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180730

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180821

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20180824

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180824

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20180824

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6402435

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250