JP6954034B2 - 水性着色剤分散体、水性着色剤分散体の製造方法及びインクジェット記録用インク - Google Patents

水性着色剤分散体、水性着色剤分散体の製造方法及びインクジェット記録用インク Download PDF

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Description

本発明は、浸透性の高い溶剤と、沸点が高い溶剤とが共存しても分散安定性及び印刷性に優れる水性着色剤分散体、水性着色剤分散体の製造方法、及びインクジェット記録用インクに関する。
インクジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液滴を記録媒体に直接吐出し、付着させて、文字や画像を得る記録方式である。この方式は、フルカラー化が容易で、かつ安価であり、記録媒体として普通紙が使用可能、被印字物に対して非接触、という数多くの利点があるため普及が著しく、特に安全性と環境負荷の少なさから水性インクが主流となっている。
近年、低吸液性のコート紙、又はポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂等の非吸液性樹脂のフィルムを用いた商業印刷向けの記録媒体への印刷のニーズが高まっている。一般に、基材に水性インクが着弾した後の乾燥機構は、基材への浸透と蒸発とに分類され、浸透の寄与が非常に大きいことが知られている。したがって、低吸液性のコート紙、又はポリ塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエステル樹脂等の非吸液性樹脂のフィルムは、水性インクの浸透が遅く、これらの基材に対して、水性インクを用いた印刷を良好に実施することは難しかった。また、水性インクは、ノズルの乾燥防止を目的として、沸点が高く、かつ水への溶解性が高い水溶性溶剤を添加する必要があり、溶剤インクやUVインクを使用した場合と比べて、乾燥性に劣り印刷速度が著しく低下してしまうという課題があった。
そこで、これらの課題を解決するには、浸透性が高く、かつ沸点が高い水溶性溶剤をインクに添加し、インクの乾燥性の向上を図る方法が考えられる。例えば、特許文献1には、ポリシロキサン系界面活性剤と特定の沸点及び表面張力を有する有機溶剤とを含む水性インクが開示されている。また、特許文献2には、特定構造の親水性モノマーを含む水不溶性ポリマーと、特定の沸点を有する有機溶媒とを組み合わせた水性インクが開示されている。また、特許文献3には、ベタイン構造を有する界面活性剤を用いた、水性インクが開示されている。
しかしながら、上記特許文献1〜3に記載の技術は、使用する水溶性溶剤に制限があり、近年の多様な要求特性を満足しうるインク設計を行う上で問題があった。また、使用する着色剤や溶剤種によっては、分散安定性及び印刷性が不十分であった。即ち、浸透性の高い溶剤と、沸点が高い溶剤とが共存してもより分散安定性及び印刷性に優れる水性着色剤分散体、水性着色剤分散体の製造方法、及びインクジェット記録用インクの提供が望まれていた。
特開2014−205768号公報 特開2014−139298号公報 特開2015−067778号公報
本発明は、低吸液性の記録媒体用に好適に使用され、浸透性の高い溶剤と、沸点が高い溶剤とが共存してもより分散安定性及び印刷性に優れる水性着色剤分散体、水性着色剤分散体の製造方法、及びインクジェット記録用インクを提供すること課題とする。
上記目的は、以下の本発明によって達成される。
即ち本発明は、着色剤粒子、塩基性化合物及び水を含む水性着色剤分散体であって、
前記着色剤粒子が、少なくとも下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する樹脂(P)を含む、水性着色剤分散体に関する。
一般式(1)
Figure 0006954034

[一般式(1)において、R11は水素原子又はメチル基を表し、R12及びR13は、それぞれ独立に、2価の連結基を表し、Xは、カチオン性の2価の連結基を表し、Yは、アニオン性の1価の基を表す。]
また、本発明は、一般式(1)におけるXが下記一般式(2)又は下記一般式(3)で表される2価の連結基である、前記水性着色剤分散体に関する。
一般式(2)
Figure 0006954034

[一般式(2)において、R21及びR22は、それぞれ独立に、1価の有機基を表す。
はR12との結合手を表し、*はR13との結合手を表す。]

一般式(3)
Figure 0006954034

[一般式(3)において、R31及びR32は、それぞれ独立に、1価の有機基を表す。
はR12との結合手を表し、*はR13との結合手を表す。]
また、本発明は、一般式(1)におけるXが前記一般式(3)で表される2価の連結基である、前記水性着色剤分散体に関する。
また、本発明は、樹脂(P)の重量平均分子量が5,000〜20,000である、前記水性着色剤分散体に関する。
また、本発明は、樹脂(P)の酸価が120〜350mgKOH/gである、前記水性着色剤分散体に関する。
また本発明は、樹脂(P)が、さらに、炭素原子数1〜6のアルキレンオキシ基及びカルボキシル基を有する前記水性着色剤分散体に関する。
また、本発明は、さらに架橋剤を含む、前記水性着色剤分散体に関する。
また、本発明は、架橋剤が、イソシアネート基、アジリジン基、カルボジイミド基、オキセタン基、オキサゾリン基及びエポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一種の基を含む、前記水性着色剤分散体に関する。
また、本発明は、動的光散乱法による体積メディアン径が20〜100nmである、前記水性着色剤分散体に関する。
また、本発明は、着色剤粒子が、樹脂(P)が着色剤表面に吸着し、かつ、着色剤粒子中の着色剤に対する樹脂(P)の吸着量(未中和樹脂吸着率)が30質量%以上の着色剤粒子である、前記水性着色剤分散体に関する。
また、本発明は、文具用着色剤、塗料用着色剤、印刷インク用着色剤、電子写真用着色剤、インクジェット記録用インク用着色剤又は捺染剤用着色剤に用いられる、前記水性着色剤分散体に関する。
また、本発明は前記水性着色剤分散体を含む、インクジェット記録用インクに関する。
さらに、本発明は、下記工程が順次行われることを特徴とする前記水性着色剤分散体の製造方法に関する。
工程1)着色剤、下記一般式(1)で表される繰り返し単位と炭素原子数1〜6のアルキレンオキシ基とカルボキシル基とを有する樹脂(P)、水溶性無機塩、及び水溶性有機溶剤を含有する混合物を混練して微細化する工程
工程2)水溶性無機塩及び水溶性有機溶剤を除去する工程
工程3)塩基性化合物及び水を添加して樹脂(P)のカルボキシル基を中和する工程
工程4)架橋剤を添加して架橋剤と樹脂(P)とを架橋させる工程
一般式(1)
Figure 0006954034

[一般式(1)において、R11は水素原子又はメチル基を表し、R12及びR13は、それぞれ独立に、2価の連結基を表し、Xは、カチオン性の2価の連結基を表し、Yは、アニオン性の1価の基を表す。]
本発明によれば、浸透性の高い溶剤と、沸点が高い溶剤とが共存してもより分散安定性及び印刷性に優れる水性着色剤分散体、水性着色剤分散体の製造方法、及びインクジェット記録用インクが提供される。
<水性着色剤分散体>
本発明の水性着色剤分散体は、 着色剤粒子、塩基性化合物及び水を含む水性着色剤分散体であって、前記着色剤粒子が、少なくとも上述の一般式(1)で表される繰り返し単位を有する樹脂(P)を含む、水性着色剤分散体であることを特徴とする。
本発明の水性着色剤分散体は、浸透性の高い溶剤と、沸点が高い溶剤とが共存してもより分散安定性及び印刷性に優れる効果を有する。その理由は定かではないが、以下のように考えられる。水性着色剤分散体が着色剤粒子、塩基性化合物及び水を含み、着色剤粒子が、少なくとも一般式(1)で表される繰り返し単位を有する樹脂(P)を含むことで、着色剤への電荷の付与が効果的に行われ、また、樹脂(P)が着色剤をより強固に被覆することができる。これによって、浸透性の高い溶剤と、沸点が高い溶剤とが共存しても、安定な分散体の提供が可能になる。また、樹脂(P)が着色剤を強固に被覆しているため、経時での安定性にも優れ、従来無しえなかった、分散安定性と印刷性との両立が達成できる。
以下、本発明の構成要件について詳細に説明する。
なお、本願では、「(メタ)アクリロイル」、「(メタ)アクリル」、「(メタ)アクリル酸」、又は「(メタ)アクリレート」と表記した場合には、特に説明がない限り、それぞれ、「アクリロイル及び/又はメタクリロイル」、「アクリル及び/又はメタクリル」、「アクリル酸及び/又はメタクリル酸」、又は「アクリレート及び/又はメタクリレート」を表すものとする。また、本明細書に挙げる「C.I.」は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
<着色剤粒子>
本発明の着色剤粒子は、着色剤の他に、少なくとも下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する樹脂(P)を含む。
<一般式(1)で表される繰り返し単位を含む樹脂(P)>
本発明の樹脂(P)は一般式(1)で表される繰り返し単位を有し、同一分子内にカチオン性部位とアニオン性部位を含む両性イオン構造を有する。
一般式(1)
Figure 0006954034

[一般式(1)において、R11は水素原子又はメチル基を表し、R12及びR13は、それぞれ独立に、2価の連結基を表し、Xは、カチオン性の2価の連結基を表し、Yは、アニオン性の1価の基を表す。]
(R12及びR13:2価の連結基)
一般式(1)R12及びR13における2価の連結基としては、
2価の炭化水素基、2価の炭化水素基と炭素原子及び水素原子以外の原子を含む連結基とを組み合わせてなる基、又は、これらの基の水素原子の一部がハロ基で置換された基等を挙げることができる。なお、ハロ基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。このような2価の連結基としては、例えば、炭素数1〜10のアルカンジイル基、炭素数6〜20のアリーレン基、炭素数7〜20のアリーレンアルカンジイル基、又は、炭素数1〜10のアルカンジイル基及び炭素数6〜20のアリーレン基から選ばれる少なくとも1種と、−O−、−S−、−COO−、−CONRb−(Rbは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。)及び−SO2−から選ばれる少なくとも1種とを組み合わせてなる基等が挙げられる。
炭素数1〜10のアルカンジイル基は、直鎖でも分岐鎖でもよく、例えば、メチレン基、エチレン基、エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基、ブタン−1,2−ジイル基、ブタン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基等の炭素数1〜10のアルカンジイル基を挙げることができる。
炭素数6〜10アリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、アントリレン基等を挙げることができる。
アリーレンアルカンジイル基とは、アリーレン基とアルカンジイル基とを組み合わせてなる2価の基であり、例えば、フェニレンメチレン基、フェニレンジメチレン基、フェニレントリメチレン基、フェニレンテトラメチレン基、フェニレンペンタメチレン基、フェニレンヘキサメチレン基等のフェニレンC1-6アルカンジイル基を挙げることができる。
また、炭素数1〜10のアルカンジイル基及び炭素数6〜20のアリーレン基から選ばれる少なくとも1種と、−O−、−S−、−COO−、−CONRb−(Rbは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を示す。)及び−SO2−から選ばれる少なくとも1種とを組み合わせてなる基としては、炭素数1〜10のアルカンジイル基及び炭素数6〜20のアリーレン基から選ばれる少なくとも1種と、−O−、−COO−及び−SO2−から選ばれる少なくとも1種とを組み合わせてなる基が好ましく、炭素数1〜10のアルカンジイル基及び炭素数6〜20のアリーレン基から選ばれる少なくとも1種と、−O−及び−SO2−から選ばれる少なくとも1種とを組み合わせてなる基がより好ましい。なお、Rbに係る炭素数1〜8のアルキル基の具体例は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等を挙げることができる。
12における2価の連結基としては、炭素数1〜10のアルカンジイル基、炭素数6〜20のアリーレン基、又は、炭素数1〜10のアルカンジイル基及び炭素数6〜20のアリーレン基から選ばれる少なくとも1種と、−O−、−S−、−COO−、−CONRb−及び−SO2−から選ばれる少なくとも1種とを組み合わせてなる基が好ましく、炭素数6〜10のアリーレン基、又は、炭素数1〜8のアルカンジイル基及び炭素数6〜10のアリーレン基から選ばれる少なくとも1種と−O−、−COO−、−CONRb−及び−SO2−から選ばれる少なくとも1種とを組み合わせてなる基がより好ましく、特に好ましくは、炭素数1〜8のアルカンジイル基と、−COO−又は−CONRb−と、を組み合わせてなる基である。
中でも、R12における2価の連結基としては、−COOCHCH−*、−CONHCHCH−*が最も好ましい。*は、Xとの結合手を表す。
なお、炭素数1〜10のアルカンジイル基又は炭素数6〜20のアリーレン基がXに結合することが好ましい。
また、R13における2価の連結基としては、炭素数1〜10のアルカンジイル基、炭素数6〜20のアリーレン基、又は、炭素数7〜20のアリーレンアルカンジイル基が好ましく、炭素数1〜5のアルカンジイル基がより好ましく、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基が更に好ましい。
(X:カチオン性の2価の連結基)
一般式(1)のXにおけるカチオン性の2価の連結基としては、下記一般式(2)、下記一般式(3)又は−P(R201)(R202)−、等で表される基が挙げられる。R201及びR202は、それぞれ独立に1価の有機基を表す。
一般式(2)
Figure 0006954034

[一般式(2)において、R21及びR22は、それぞれ独立に、1価の有機基を表す。
はR12との結合手を表し、*はR13との結合手を表す。]
一般式(3)
Figure 0006954034

[一般式(3)において、R31及びR32は、それぞれ独立に、1価の有機基を表す。
はR12との結合手を表し、*はR13との結合手を表す。]
21、R22、R31、R32、R201及びR202における1価の有機基としては、
1価の炭化水素基が挙げられ、このような1価の炭化水素基としては、1価の脂肪族炭化水素基、1価の脂環式炭化水素基及び1価の芳香族炭化水素基のいずれであってもよい。また、1価の脂肪族炭化水素基は、直鎖状及び分岐状のいずれの形態であってもよく、1価の脂肪族炭化水素基及び1価の脂環式炭化水素基は、飽和炭化水素基でも不飽和炭化水素基でもよい。なお、不飽和炭化水素基の不飽和結合の位置は、分子鎖内及び分子鎖末端のいずれでもよく、任意の位置に有することができる。ここで、本明細書において「脂環式炭化水素基」とは、環状構造を有さない脂肪族炭化水素基を除く概念である。また、本明細書において「脂環式炭化水素基」、「芳香族炭化水素基」とは、環構造のみからなる基だけでなく、当該環構造に更に2価の脂肪族炭化水素基が置換した基をも包含する概念であり、その構造中に少なくとも脂環式炭化水素又は芳香族炭化水素を含んでいればよい。また、1価の炭化水素基は、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で置換基を有していてもよい。置換基の位置及び数は任意であり、置換基を2以上有する場合、当該置換基は同一でも異なっていてもよい。置換基としては、ハロ基、シアノ基、ホルミル基、ニトロ基、トリアルキルシリル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、複素環基等を挙げることができる。ハロ基としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。
1価の脂肪族炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられる。脂肪族炭化水素基の炭素数は、好ましくは1〜30、より好ましくは1〜20、更に好ましくは1〜12である。アルキル基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、1−メチルデシル基、ドデシル基、1−メチルウンデシル基、1−エチルデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、tert−ドデシル基、ペンタデシル基、1−ヘプチルオクチル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基等を挙げることができる。アルケニル基の具体例としては、例えば、エテニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−エチル−2−ブテニル基、2−オクテニル基、(4−エテニル)−5−ヘキセニル基、2−デセニル基等を挙げることができる。また、アルキニル基の具体例としては、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、1−ペンチニル基、3−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、2−エチル-2−ブチニル基、2−オクチニル基、(4−エチニル)−5−ヘキシニル基、2−デシニル基等を挙げることができる。
1価の脂環式炭化水素基としては、例えば、シクロアルキル基、シクロアルケニル基、縮合多環炭化水素基、橋かけ環炭化水素基、スピロ炭化水素基、環状テルペン炭化水素基等を挙げることができる。脂肪族炭化水素基の炭素数は、好ましくは3〜30、より好ましくは3〜20、更に好ましくは3〜12である。シクロアルキル基の具体例としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、t−ブチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が挙げられ、シクロアルケニル基の具体例としては、例えば、1−シクロヘキセニル基等が挙げられる。また、縮合多環炭化水素基の具体例としては、例えば、トリシクロデカニル基、デカヒドロ−2−ナフチル基、アダマンチル基等が挙げられ、橋かけ環炭化水素基の具体例としては、例えば、トリシクロ[5.2.1.0<2,6>]デカン−8−イル基、ペンタシクロペンタデカニル基、イソボニル基、ジシクロペンテニル基、トリシクロペンテニル基等が挙げられる。更に、スピロ炭化水素基としては、例えば、スピロ[3,4]ヘプタン、スピロ[3,4]オクタンから水素原子を1つ除いた1価の基等が挙げられ、環状テルペン炭化水素基としては、例えば、p−メンタン、ツジャン、カラン等から水素原子を1つ除いた1価の基等が挙げられる。
1価の芳香族炭化水素基としては、例えば、アリール基、アラルキル基等を挙げることができる。芳香族炭化水素基の炭素数は、好ましくは6〜20、より好ましくは6〜14、更に好ましくは6〜10である。アリール基の具体例としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニレン基、アズレニル基、9−フルオレニル基等が挙げられ、アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、トリチル基等が挙げられる。
におけるカチオン性の二価の連結基としては、好ましくは、一般式(2)又は一般式(3)で表される基であり、より好ましくは一般式(3)で表される基である。また、R21、R22、R31及びR32は、好ましくは1価の脂肪族炭化水素基であり、より好ましくはメチル基又はエチル基あり、特に好ましくはメチル基である。
(Y:アニオン性の1価の基)
一般式(1)のYにおけるアニオン性の1価の基としては、CO 、SO 又はHPO 等が挙げられるが、原料の入手容易性及び耐熱性の観点から、CO 又はSO が好ましく、CO が特に好ましい。
樹脂(P)は、一般式(1)で表される繰り返し単位以外の、その他の繰り返し単位を含んでもよい。その他の繰り返し単位は、炭素原子数1〜6のアルキレンオキシ基及びカルボキシル基を有することが好ましい。
また、樹脂(P)の着色剤への吸着率を高める観点から芳香族基含有エチレン性不飽和単量体もしくはアルキル基含有エチレン性不飽和単量体に由来する繰り返し単位を20質量%以上含むことが好ましい。
本発明の樹脂(P)は、重量平均分子量が2,000〜70,000の範囲であることが好ましく、更には、重量平均分子量が3,000〜50,000の範囲であることが好ましく、重量平均分子量が5,000〜20,000の範囲のものが最も好ましい。樹脂(P)の重量平均分子量が、5,000より小さいと顔料との相互作用が低くなり、着色剤への十分な吸着量が得られずに分散安定性が低下する。また、樹脂(P)の重量平均分子量が、70,000よりも大きいと水性着色剤分散体の粘度が上昇する傾向がある。
また、本発明の樹脂(P)は、酸価をもち、その範囲は50〜400mgKOH/gの範囲であることが好ましく、更には、75〜375mgKOH/gの範囲であることが好ましく、120〜350mgKOH/gの範囲であることが最も好ましい。樹脂(P)の酸価が50mgKOH/gよりも低いと水性着色剤分散体の分散安定性が低下し、インクジェット記録用インクの吐出安定性が悪化する傾向がある。また、酸価が400mgKOH/gよりも高いと、顔料表面に対する樹脂(P)の吸着力が低下し、水性着色剤分散体の保存安定性が低下する場合がある。尚、本発明における樹脂(P)の重量平均分子量や酸価は、実施例に示す方法によって測定することができる。
[樹脂(P)の製造方法]
一般式(1)で表される繰り返し単位を含む樹脂(P)は、公知の合成方法を用いて得ることができ製造方法は特に限定されない。好ましい製造方法としては、下記方法(i)(ii)が挙げられる。
≪製造方法(i)≫
一般式(1)で表される繰り返し単位の前駆体であるエチレン性不飽和単量体(b1)と、その他エチレン性不飽和単量体(b3)とを公知の重合反応により重合する方法。
≪製造方法(ii)≫
変性種(b4)と反応可能なエチレン性不飽和単量体(b2)と、その他エチレン性不飽和単量体(b3)とを公知の重合反応により得られた中間体ポリマー(a)に、変性種(b4)を反応させる方法。
以下に各製造方法について説明する。
≪製造方法(i)≫
一般式(1)で表される繰り返し単位の前駆体であるエチレン性不飽和単量体(b1)としては下記一般式(5)で表されるモノマーが挙げられる。
(エチレン性不飽和単量体(b1))
一般式(5)
Figure 0006954034

〔一般式(5)において、R41は、水素原子又はメチル基を表し、R42及びR43は、それぞれ独立に、2価の連結基を表し、Xは、下記一般式(6)又は一般式(7)で表される基を表し、Yは、CO 又はSO を表す。〕
一般式(6)
Figure 0006954034
〔一般式(6)において、R51及びR52は、それぞれ独立に、1価の有機基を表す。*はR42との結合手を表し、*はR43との結合手を表す。〕
一般式(7)
Figure 0006954034
〔一般式(7)において、R61及びR62は、それぞれ独立に、1価の有機基を表す。
はR42との結合手を表し、*はR43との結合手を表す。〕
一般式(5)のR42及びR43における2価の連結基は、一般式(1)のR12及びR13における2価の連結基と同義である。
一般式(6)のR51及びR52における1価の有機基は、一般式(2)のR21及びR22における1価の有機基と同義である。
一般式(7)のR61及びR62における1価の有機基は、一般式(3)のR31及びR32における1価の有機基と同義である。
一般式(5)で表される化合物としては例えば以下の(5−1〜5−24)のような化合物が挙げられる。
Figure 0006954034
Figure 0006954034
Figure 0006954034
Figure 0006954034
中でも化合物(5−1)、(5−2)、(5−9)、(5−10)、(5−17)、(5−18)、(5−21)、(5−22)が好ましく、より好ましくは(5−1)、(5−9)、(5−17)、(5−18)、(5−21)、(5−22)であり、さらに好ましくは(5−17)、(5−18)、(5−21)、(5−22)であり、最も好ましくは(5−17)である。
(その他エチレン性不飽和単量体(b3))
その他エチレン性不飽和単量体(b3)は従来公知の単量体から選択することができ、(メタ)アクリレート単量体であることが好ましい。中でも、炭素原子数1〜6のアルキレンオキシ基含有単量体(以下、単量体Aとする)又はカルボキシル基含有単量体(以下、単量体Bとする)を含むことがより好ましい。
≪単量体A≫
本発明で好適に使用される単量体Aとしては、具体的には、下記一般式(4)で表されるものが好ましい。これらは溶媒揮発時のインク粘度を低くし、低吸液性基材への印字性を向上させ、水性着色剤分散体及び、それを用いたインクジェット記録用インクの保存安定性及び吐出性を向上させる効果がある。
一般式(4)
Figure 0006954034
[一般式(4)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、Rは炭素数1〜6のアルキレン基を示し、Rは水素原子、炭素数1以上20以下のアルキル基又は水素原子が炭素数1以上9以下のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基を示し、mはアルキレンオキシ基の平均付加モル数を示し、1以上100以下の数である。]
上記一般式(4)において、R1は水素原子又はメチル基であり、水性着色剤分散体の分散安定性及びそれを用いたインクジェット記録用インクの保存安定性を向上させる観点から、メチル基が好ましい。Rは炭素原子数1〜6のアルキレン基であり、未中和樹脂のインク中での水及び水溶性溶剤との親和性向上に寄与する。また、水性着色剤分散体では、アルキレンオキシ基がインク中で拡がりを持ち、立体障害基として働き、水性着色剤分散体の安定化に寄与する。工業的な観点より、エチレンオキシ基が特に好ましい。Rは水素原子、炭素数1 以上20以下のアルキル基又は水素原子が炭素数1以上9以下のアルキル基で置換されていてもよいフェニル基であり、水性着色剤分散体の分散安定性及びそれを用いたインクジェット記録用インクの保存安定性を向上させる観点から、水素原子、炭素数1以上20以下のアルキル基が好ましく、炭素数1以上3以下のアルキル基がより好ましく、メチル基が更に好ましい。
上記一般式(4)において、mは1以上100以下である。mは溶媒揮発時のインク粘度を低くし、疎水性の高い基材への印字性を向上させ、顔料インクの保存安定性及び吐出性を向上させる観点から、4以上が好ましく、9以上が更に好ましい。また、mは、70以下が好ましく、40以下がより更に好ましい。また、mが9〜40の範囲にあると、水性着色剤分散体並びにそれを用いたインクジェット記録用インク製造時の分散安定性が向上するため好ましい。
上記一般式(4)で表されるモノマーの好適例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、及びステアロキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートから選ばれる1種又は2種以上が挙げられるが、上記観点よりメトキシポリエチレングリコールモノメタクリレートが最も好ましい。商業的に入手しうる一般式(4)のモノマーの具体例としては、ブレンマーPME100、同PME400、同PME1000(以上、日油株式会社製)が挙げられる。
≪単量体B≫
本発明で好適に使用される単量体Bとしては、具体例としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、又は、これらのアルキルもしくはアルケニルモノエステル、フタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、イソフタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、テレフタル酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、コハク酸β−(メタ)アクリロキシエチルモノエステル、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、けい皮酸などが挙げられる。保存安定性の向上をより高度に図るためには、カルボキシル基含有(メタ)アクリレートが好ましく、この中でもアクリル酸やメタクリル酸を含む事がより好しい。カルボキシル基をもつことで、着色剤に吸着した樹脂(P)が、塩基性化合物などで中和されイオン化させた際に電荷反発の効果を得ることができ、水性溶媒中で着色剤粒子同士の電荷反発が起こり、水性着色剤分散体の分散安定性が向上する。
≪その他単量体≫
樹脂(P)は、その他エチレン性不飽和単量体(b3)として、単量体A、単量体Bの他に、アルキル基含有エチレン性不飽和単量体、水酸基含有エチレン性不飽和単量体、窒素含有エチレン性不飽和単量体、芳香環基含有エチレン性不飽和単量体等を含んでいても構わない。以下に具体例を挙げて説明する。
(アルキル基含有エチレン性不飽和単量体)
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、もしくはベヘニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(水酸基含有エチレン性不飽和単量体)
水酸基含有エチレン性不飽和単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4 −ヒドロキシビニルベンゼン等が挙げられる。
(窒素含有エチレン性不飽和単量体)
窒素含有エチレン性不飽和単量体としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、メチルエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノスチレン、ジエチルアミノスチレン、(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル−(メタ)アクリルアミド等のモノアルキロール(メタ)アクリルアミド、N ,N−ジ(メチロール)アクリルアミド、N−メチロール−N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N ,N−ジ(メトキシメチル)アクリルアミド等が挙げられる。
(芳香環基含有エチレン性不飽和単量体)
芳香環基含有エチレン性不飽和単量体としては、スチレン、α -メチルスチレン、2-メチルスチレン、クロロスチレン、ベンジル(メタ)アクリレート、ビニルナフタレン、ビニルカルバゾール等が挙げられる。
樹脂(P)中に、上記芳香環基含有エチレン性不飽和単量体やアルキル系エチレン性不飽和単量体を含む事で、樹脂(P)が親疎水相互作用によって顔料への高い親和性を得る事ができ、顔料に対して良好な吸着状態を形成する事が可能となる。このような観点から、樹脂(P)は芳香環基含有エチレン性不飽和単量体やアルキル系エチレン性不飽和単量体を含むことが好ましく、その中でもベンジル(メタ)アクリレート、炭素数が10以上のアルキル系エチレン性不飽和単量体を含むことがより好ましく、ベンジル(メタ)アクリレート、ベヘニルアクリレートの少なくとも1つを含むことが特に好ましい。
樹脂(P)において、上記一般式(1)で表される繰り返し単位の総含有量は、特に制限はないが、樹脂(P)に含有される全繰り返し単位を100質量%とした場合に、着色剤の微細化とインクの経時安定性の観点から、上記一般式(1)で表される繰り返し単位の総含有量は、5質量%以上であることが好ましく、10〜50質量%であることがより好ましく、20〜40質量%であることが特に好ましい。
樹脂(P)における、それぞれの単量体量としては、樹脂(P)中の単量体Aに由来する構成単位の含有量は得られるインクジェット記録用インクの印刷適性の観点から5〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がさらに好ましく、5〜30質量%が特に好ましい。
樹脂(P)中の単量体Bに由来する構成単位の含有量は、得られる水性着色剤分散体の保存安定性の観点から5〜50質量%が好ましく、5〜40質量%がさらに好ましく、5〜30質量%が特に好ましい。
≪製造方法(ii)≫
変性種(b4)と反応可能なエチレン性不飽和単量体(b2)としては、下記一般式(8)で表されるモノマー等が挙げられる。
(エチレン性不飽和単量体(b2))
一般式(8)
Figure 0006954034

〔一般式(8)において、
71は、水素原子又はメチル基を表し、R72は、2価の有機基を表す。
Zは、−N(R73)(R74)、又は−P(R75)(R76)、又は下記一般式(9)で表される基を表し、 R73〜R76は、それぞれ独立に、1価の有機基を示す。〕
一般式(9)
Figure 0006954034

[一般式(9)において、R81及びR82は、それぞれ独立に、1価の有機基を表す。]
一般式(8)のR72における2価の有機基は、一般式(1)のR12における2価の連結基と同義である。
一般式(8)のR73〜R76における1価の有機基は、一般式(2)及び(3)における1価の有機基と同義である。
一般式(9)のR81及びR82における1価の有機基は、一般式(3)のR31及びR32における1価の有機基と同義である。
一般式(8)で表されるエチレン性不飽和単量体(b2)の具体例としては、
N ,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(
メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−
ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジルメタクリレート、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジルメタクリレート等の二級又は三級アミノ基を有する(メタ)アクリレート類;
N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、及
びN,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等の三級アミノ基を有する(
メタ)アクリルアミド類;
等が挙げられ、好ましくはN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタアクリレート)、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジルメタクリレートであり、特に好ましくは1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジルメタクリレートである。
(その他のエチレン性不飽和単量体(b3))
その他のエチレン性不飽和単量体(b3)は、製造方法(i)におけるエチレン性不飽和単量体(b3)と同義である。
(変性種(b4))
変性種(b4)としては、重合中間ポリマー(a)の構成モノマーである一般式(8)中のZと反応が可能であり、反応後、一般式(1)の構造を与えるものであれば特に制限はなく、例えば下記一般式(10)で示される化合物、又は下記一般式(11)で示される化合物などがあげられる。
一般式(10) X−(CH−Q
[一般式(10)中、Xはハロゲン原子を表し、nは1〜4の整数を表し、QはCO 、SO 又はPO を表す。]
一般式(11)
Figure 0006954034
[一般式(11)中、R101は炭素又はS=Oを表し、nは2〜6の整数を表す。]
一般式(10)で表される化合物としては
例えばクロロ酢酸、フッ化酢酸、ブロモ酢酸、ヨード酢酸、クロロプロピオン酸、フッ化プロピオン酸、ブロモプロピオン酸、ヨードプロピオン酸、クロロブタン酸、フッ化ブタン酸、ブロモブタン酸、ヨードブタン酸
クロロメタンスルホン酸、フッ化メチルスルホン酸、ブロモメタンスルホン酸、ヨードメタンスルホン酸、クロロプロパンスルホン酸、フッ化プロパンスルホン酸、ブロモプロパンスルホン酸、ヨードプロパンスルホン酸、クロロブタンスルホン酸、フッ化ブタンスルホン酸、ブロモブタンスルホン酸、ヨードブタンスルホン酸
クロロメタンホスホン酸、フッ化メチルホスホン酸、ブロモメタンホスホン酸、ヨードメタンホスホン酸、クロロプロパンホスホン酸、フッ化プロパンホスホン酸、ブロモプロパンホスホン酸、ヨードプロパンホスホン酸、クロロブタンホスホン酸、フッ化ブタンホスホン酸、ブロモブタンホスホン酸、ヨードブタンホスホン酸
等が挙げられるが、
ブロモ酢酸、クロロプロピオン酸、クロロ酢酸が好ましく、中でもクロロ酢酸が特に好ましいものとして挙げられる。
一般式(11)で表される化合物としては
例えばプロパンスルトン、ブタンスルトン、α-アセトラクトン、β-プロピオラクトン、γ-ブチロラクトン及びδ-バレロラクトンε-カプロラクトン等が挙げられるが、中でもプロパンスルトン、ブタンスルトンが好ましい。
<樹脂(P)及び中間ポリマー(a)の合成方法>
次に、樹脂(P)及び中間ポリマー(a)の製造方法について説明する。
前記樹脂(P)及び中間ポリマー(a)は、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等の公知の重合法により、前述したモノマー混合物を共重合させることによって製造される。これらの重合法の中では、溶液重合法が好ましい。溶液重合法で用いる溶媒としては、特に限定されないが、極性有機溶媒が好ましい。極性有機溶媒が水混和性を有する場合には、水と混合して用いることもできる。極性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の炭素数1 〜 4 の脂肪族アルコール; アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類; 酢酸エチル等のエステル類等が挙げられる。これらの中では、ジエチレングリコール、メタノール、エタノール、1−ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン又はこれらの1 種以上と水との混合溶媒が好ましい。なお、後述するが本発明では摩砕混練方法によって着色剤粒子を得ることが好ましく、その場合は、樹脂(P)及び中間ポリマー(a)は摩砕混練方法で使用される水溶性有機溶剤中で合成するか、合成溶媒を除き溶剤を含まないことが好ましい。重合の際には、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 等のアゾ化合物や、t−ブチルペルオキシオクトエート、ジベンゾイルオキシド等の有機過酸化物等の公知のラジカル重合開始剤を用いることができる。ラジカル重合開始剤の量は、モノマー混合物1モルあたり、好ましくは0.001〜5モル、より好ましくは0.01〜2モルである。重合の際には、さらに、オクチルメルカプタン、2−メルカプトエタノール等のメルカプタン類、チウラムジスルフィド類等の公知の重合連鎖移動剤を添加してもよい。
樹脂(P)の重合条件は、使用する重合開始剤、モノマー、溶媒の種類等によって異なるので一概には決定することができない。通常、重合温度は、好ましくは30〜150℃、より好ましくは50〜130℃であり、重合時間は、好ましくは1〜20時間である。また、重合雰囲気は、窒素ガス雰囲気、アルゴン等の不活性ガス雰囲気であることが好ましい。重合反応の終了後、必要に応じて反応溶液から再沈澱、溶媒留去等の公知の方法により、生成した樹脂(P)を単離することができる。また、得られた樹脂(P)は、再沈澱を繰り返したり、膜分離、クロマトグラフ法、抽出法等により、未反応のモノマー等を除去して精製することができる。
本発明の樹脂(P)は、単独で使用しても良いし、別の樹脂を併用して使用しても良い。併用する樹脂は、カルボキシル基を持つことが好ましく、例えば、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、マレイン酸樹脂、スチレンマレイン酸樹脂、αオレフィンマレイン酸樹脂、ウレタン樹脂、エステル樹脂等が挙げられる。なかでも、αオレフィンマレイン酸樹脂を併用することが好ましい。疎水性の高いαオレフィンマレイン酸樹脂を併用することで、着色剤への樹脂吸着量が向上し、水性着色剤分散体及びインクジェット記録用インクの分散安定性が向上する。
<着色剤>
着色剤粒子を得るための着色剤としては特に制限はなく、顔料、疎水性染料、水溶性染料(酸性染料、反応染料、直接染料等)等を用いることができるが、耐水性、保存安定性及び耐擦過性の観点から、顔料及び疎水性染料が好ましい。顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれであってもよい。また、必要に応じて、それらと体質顔料(シリカ、炭酸カルシウム、タルク等)を併用することもできる。無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、金属酸化物、金属硫化物、金属塩化物等が挙げられる。これらの中では、特に黒色水性インクにおいては、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、サーマルランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。有機顔料としては、例えば、アゾ顔料、ジアゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、イソインドリノン顔料、ジオキサジン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、チオインジゴ顔料、アンソラキノン顔料、キノフタロン顔料等が挙げられる。
具体的には、例えば、
C.I.Pigment Red 1、2、3、4、5、6、7、9、10、14、17、22、23、31、32、38、41、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、52:1、52:2、53:1、57:1、60:1、63:1、66、67、81:1、81:2、81:3、83、88、90、105、112、119、122、123、144、146、147、148、149、150、155、166、168、169、170、171、172、175、176、177、178、179、184、185、187、188、190、200、202、206、207、208、209、210、216、220、224、226、242、246、254、255、264、266、269、270、272、279、
C.I.Pigment Yellow 1、2、3、4、5、6、10、11、12、13、14、15、16、17、18、20、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、86、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、125、126、127、128、129、137、138、139、147、148、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、199、213、214、C.I. Pigment Orange 2、5、13、16、17:1、31、34、
36、38、43、46、48、49、51、52、55、59、60、61、62、64、71、73、
C.I.Pigment Green 7、10、36、37、58、62、63、
C.I.Pigment Blue 1、2、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、66、79、79、80
C.I.Pigment Violet 1、19、23、27、32、37、42C.I.Pigment Brown 25、28
C.I.Pigment Black 1、7等を挙げることができる。
これらの中で好ましく用いることができる顔料として、以下のものを挙げることができる。
C.I.Pigment Red 48:1、48:2、48:3、48:4、57:1、122,146、147、148、150、170、176、177、184、185、242、254、255、264、266、269、
C.I.Pigment Yellow 12、13、14、17、74、83、108、109、120、150、151、154、155、180、185、213
C.I.Pigment Orange 36,38、43、64
C.I.Pigment Green 7、36、37、58、62、63、
C.I.Pigment Blue 15:1、15:3、15:6、16、22、60、66、
C.I.Pigment Violet 19、23、32、
C.I.Pigment Brown 25、
C.I.Pigment Black 1、7
これらの顔料であれば、インクジェット記録用インクとして十分な色再現性及び(又は)耐光性を保持することができる。但し、本発明においてはこれらに限定されるものではない。
微細化する顔料の平均一次粒子径は、用途により変動し得るが、通常5〜1,000nmである。ここで用いる顔料は、通常、未処理の粗顔料が用いられるが、何らかの処理工程を経た顔料を用いてもよい。また、用いる顔料は、単一種類でも複数種類でもよい。
<着色剤粒子の製造方法>
本発明の着色剤粒子は、具体的には、以下の工程(1)及び工程(2)を順次行うことで得ることが好ましい。
「工程(1):着色剤、樹脂(P)、水溶性無機塩及び水溶性有機溶剤を含有する混合物を混練して微細化する工程。」
「工程(2):水溶性無機塩及び水溶性有機溶剤を除去する工程。」
工程(1)の着色剤の微細化方法は、特に限定されず任意の方法を適用できるが、ソルトミリング処理による摩砕混練工程等が好適である。
例えば、少なくとも着色剤、樹脂(P)、水溶性無機塩及び水溶性有機溶剤を含有する混合物を、ニーダー、自転公転ミキサー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、横型サンドミル、縦型サンドミル及び/又はアニューラ型ビーズミル等の混練機を用いて摩砕混練を行うことができる。また着色剤の種類や、求められている微細化の程度等に応じて、処理条件等を適宜調整することができ、機械的に混練する際に加熱を行うことが好ましい。これらの摩砕混練方法の中でも、樹脂(P)の着色剤への吸着量を飛躍的に向上させるために、ニーダーを使用することが好ましい。
水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、水溶性無機塩の硬度の高さを利用して着色剤を破砕する。摩砕混練方法で使用する水溶性無機塩は、その名称の如く水溶性を示す無機塩であればよく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で限定されない。好ましい例として、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等が挙げられる。価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いることが好ましい。
摩砕混練方法で使用する水溶性有機溶剤は、着色剤及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、且つ用いる水溶性無機塩を実質的に溶解しないものである必要がある。更に、樹脂(P)と適度に親和性がある必要がある。
そのような水溶性有機溶剤としては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなどのグリコール類;ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、及びこれらと同族のジオールなどのジオール類; ラウリン酸プロピレングリコールなどのグリコールエステル;ジエチレングリコールモノエチル、ジエチレングリコールモノブチル、ジエチレングリコールモノヘキシルの各エーテル、プロピレングリコールエーテル、ジプロピレングリコールエーテル、及びトリエチレングリコールエーテルを含むセロソルブなどのグリコールエーテル類;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、ブチルアルコール、ペンチルアルコール、及びこれらと同族のアルコールなどのアルコール類;あるいは、スルホラン;γ−ブチロラクトンなどのラクトン類;N−(2−ヒドロキシエチル)ピロリドンなどのラクタム類;グリセリン及びその誘導体など、水溶性有機溶剤として知られる他の各種の溶剤などを挙げることができる。これらの水溶性有機溶剤は1種又は2種以上混合して用いることができる。
中でも、高沸点、低揮発性で、高表面張力の多価アルコール類が好ましく、特にジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール類が好ましい。
また、水溶性有機溶剤の加える量は特に限定されないが、着色剤100質量部に対し、5〜1,000質量部用いることが好ましく、50〜500質量部用いることがより好ましい。また、水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、着色剤100質量部に対し、50〜2,000質量部用いることが好ましく、300〜1,000質量部用いることがより好ましい。また、樹脂(P)は、印字濃度及び保存安定性の観点から、固形分換算で着色剤100質量部に対し、5〜100質量部用いることが好ましく、10〜80質量部用いることが好ましい。
工程(2)は、例えば工程(1)を行った後、摩砕混練機から着色剤を含む混合物を取り出し、イオン交換水を投入して撹拌を行い、懸濁液を得る。加える水の分量は、懸濁液を得るのに充分な量であればよく、特に限定されない。必要に応じて加温してもよい。例えば、工程(1)の重量の10〜10,000倍の重量の水を加えて混合撹拌する。このときの混合撹拌条件は特に限定されないが、温度25〜90℃で行うことが好ましい。ついで、ろ過等の操作により、ろ液を除去することで、摩砕混練機で用いた水溶性有機溶剤、水溶性無機塩を除去することができ、着色剤が樹脂(P)で被覆された着色剤粒子を得ることができる。厳密に言えば、上記着色剤粒子はイオン交換水を含むので、さらに水を除去する工程を行ってもよい。水を除去する方法であれば限定されないが、好適な方法としては、乾燥処理を行う方法を挙げることができる。乾燥条件としては、例えば、常圧下、80〜120℃の範囲で12〜48時間程度の乾燥を行う方法、減圧下、25〜80℃ の範囲で12〜60時間程度の乾燥を行う方法などが例示できる。乾燥処理は特に限定されないが、スプレードライ装置を利用する方法も例示できる。乾燥処理と同時もしくは乾燥処理後に粉砕処理を行ってもよい。
[樹脂吸着量]
着色剤粒子表面への樹脂吸着率は、浸透性の高い溶剤と、沸点が高い溶剤を添加した際の分散安定性の観点から、30質量%以上である。樹脂吸着率が30質量%未満であると、着色剤表面への樹脂の吸着及び被覆が不十分であり、着色剤に吸着した樹脂と後述の架橋剤との反応が効果的に進まず、水性着色剤分散体の分散安定性が悪くなる。また、未吸着の樹脂との架橋反応が進み、経時安定性も悪くなる。
樹脂吸着率は、好ましく45質量%以上であり、特に好ましくは60質量%以上である。なお、樹脂吸着率の測定方法は、実施例で詳細に記載する。
<塩基性化合物>
本発明の水性着色剤分散体は、塩基性化合物を添加し、樹脂(P)の一般式(1)もしくはカルボキシル基を中和することで、着色剤粒子の分散安定化を図ることができる。
このために、水性着色剤分散体及びそれを用いたインクジェット記録用インクは中性又はアルカリ性に調整されたものであることが好ましい。但し、アルカリ性が強過ぎると、インクジェット記録装置に使われている種々の部材の腐食の原因となる場合があるので、7〜10のpH範囲とするのが好ましい。この際に使用されるpH調整剤としては、下記のものが挙げられる。例えば、アンモニア水、ジメチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン等の各種有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等の無機アルカリ剤、有機酸や鉱酸等を使用することができる。
樹脂(P)の中和度は、水性着色剤分散体の保存安定性の観点から、10〜100モル%であることが好ましく、30〜100モル%であることがより好ましく、50〜100モル%であることが特に好ましい。ここで中和度は、下記式によって求めることができる。
{[中和剤の重量(g)/中和剤の当量]/[樹脂(P)の酸価(KOHmg/g)×樹脂(P)の重量(g)/(56×1000)]}×100
<架橋剤>
本発明の分散体は、架橋剤を含んでもよい。架橋剤としては、樹脂(P)を適度に架橋するため、分子中に2つ以上のカルボキシル基と反応しうる反応性官能基を有する化合物が好ましく用いられる。具体的には、イソシアネート基、アジリジン基、カルボジイミド基、オキセタン基、オキサゾリン基及びエポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一種の基が好ましく挙げられ、より好ましくはエポキシ基である。
架橋剤の重量平均分子量(Mw)は、反応のし易さ、及び保存安定性の観点から、100〜2,000が好ましく、120〜1,500が更に好ましく、150〜1,000が特に好ましい。架橋剤に含まれる反応性官能基の数は、架橋後の樹脂(P)の分子量を制御して保存安定性を向上する観点から、2〜6が好ましい。
本発明に用いられる架橋剤の具体例としては、下記が挙げられる。
分子中に2以上のイソシアネート基を有する化合物:例えば、有機ポリイソシアネート又はイソシアネート基末端プレポリマー。
有機ポリイソシアネートとしては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;トリレン−2,4−ジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート; 脂環式ジイソシアネート;芳香族トリイソシアネート;それらのウレタン変性体等の変性体が挙げられる。イソシアネート基末端プレポリマーは、有機ポリイソシアネート又はその変性体と低分子量ポリオール等とを反応させることにより得ることができる。
分子中に2つ以上のアジリジン基を有する化合物:例えば、N,N'−ジフェニルメタン−4,4'−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、N,N'−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、ビスイソフタロイル−1−(2−メチルアジリジン)、トリ−1−アジリジニルホスフィンオキサイド、N,N'−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、2,2'−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、トリメチロールプロパントリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタントリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリス−2,4,6−(1−アジリジニル)−1、3、5−トリアジン、4,4'−ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン等が挙げられる。
分子中に2つ以上のカルボジイミド基を有する化合物:例えば、カルボジイミド化触媒の存在下でジイソシアネート化合物を脱炭酸縮合反応させることによって生成した高分子量ポリカルボジイミドが挙げられる。このような高分子量ポリカルボジイミドとしては、日清紡績株式会社のカルボジライトシリーズが挙げられる。
分子中に2つ以上のオキセタン基を有する化合物:例えば、4,4'−(3−エチルオキセタン−3−イルメチルオキシメチル)ビフェニル(OXBP)、3−エチル−3−ヒドロキシメチルオキセタン(EHO)、1,4−ビス[{(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ}メチル]ベンゼン(XDO)、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル(DOX)、ジ[1−エチル(3−オキセタニル)]メチルエーテル(DOE)、1,6−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]ヘキサン(HDB)、9,9−ビス[2−メチル−4−{2−(3−オキセタニル)}ブトキシフェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−[2−{2−(3−オキセタニル)}ブトキシ]エトキシフェニル]フルオレン等が挙げられる。
分子中に2以上のオキサゾリン基を有する化合物: 例えば、脂肪族基又は芳香族基に2個以上、好ましくは2〜3個のオキサゾリン基が結合した化合物、より具体的には2, 2’−ビス(2−オキサゾリン)、1,3−フェニレンビスオキサゾリン、1,3−ベンゾビスオキサゾリン等のビスオキサゾリン化合物、該化合物と多塩基性カルボン酸とを反応させて得られる末端オキサゾリン基を有する化合物。
分子中に2つ以上のエポキシ基を有する化合物: 例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールA 型ジグリシジルエーテル等のポリグリシジルエーテル。
これらの中では、分子中に2以上のエポキシ基を有する化合物が好ましく、特にエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテルが好ましい。
架橋剤は、水中で効率よく樹脂(P)のカルボキシル基と反応する観点から、適度に水溶性があることが好ましく、例えば架橋剤を25℃の水100gに溶解させたときに、その溶解量が0.1〜50gが好ましく、0.2〜40gがさらに好ましく、更に好ましくは0.5〜30gが最も好ましい。
架橋剤の添加量は、前記樹脂(P)のカルボキシル基を10〜100モル%反応させる量であることが好ましい。中でも30〜100モル%反応させる量を添加することがより好ましく、30〜90モル%反応させる量を添加することが好ましい。
<水性着色剤分散体の製造>
本発明の水性着色剤分散体は、少なくとも着色剤粒子、塩基性化合物及び水を含む。これらの水性着色剤分散体の製造方法としては、水性着色剤分散体の保存安定性の観点から、以下の工程(3)及び工程(4)を順次行うことが好ましい。
「工程(3):着色剤粒子と、塩基性化合物と水を添加して、樹脂(P)のカルボキシル基を中和する工程。」
「工程(4):架橋剤を添加して樹脂(P)と架橋させる工程。」
樹脂(P)のカルボキシル基を中和する工程と架橋剤を添加して樹脂(P)と架橋させる工程では、温度、時間は適宜選択して決定することができる。中和工程の時間は、好ましくは0 .5〜10時間、更に好ましくは1〜5 時間、中和工程の温度は、好ましくは40〜95℃ である。架橋工程の時間は、好ましくは0 .5〜10時間、更に好ましくは1〜5 時間、架橋工程の温度は、好ましくは40〜95℃ である
水性着色剤分散体中の着色剤粒子の含有量は、印字濃度と保存安定性の観点から、5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%以下がより好ましい。また着色剤粒子の体積メディアン径は、プリンターのノズルの目詰まり防止及び保存安定性の観点から、20〜100nmが好ましく、25〜95nmがより好ましく、30〜90nmが最も好ましい。なお、体積メディアン径の測定は、レーザー回折・散乱法を用いる。
水性着色剤分散体中の水の含有量は、保存安定性の観点から、30〜85質量%が好ましく、30〜80質量%がより好ましい。水としては、種々のイオンを含有する一般の水ではなく、イオン交換水(脱イオン水)を使用するのが好ましい。以下、特に断らない限り、水はイオン交換水を指す。
本発明の水性着色剤分散体は、文具用着色剤、塗料用着色剤、印刷インク用着色剤、電子写真用着色剤、インクジェット記録用インク用着色剤又は、捺染材用着色剤に用いることができ、特にインクジェット記録用インク用着色剤として用いるのが好ましい。
<インクジェット記録用インク>
次に、本発明の水性着色剤分散体を用いて、インクジェット記録用インクを形成する場合について説明する。
(水溶性溶剤)
インクジェット記録用インクは、印刷適性を付与するために、水と混合して使用される水溶性溶剤を含む。これらの溶剤としては、グリコールエーテル類、ジオール類が良く、中でも(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル、炭素数3〜6のアルカンジオールが効果的である。これらの溶剤は基材への浸透が非常に速く、コート紙、アート紙や塩化ビニルシート、フィルムといった低吸液性の基材に対しても、浸透が速い。そのため、印刷時の乾燥が速く、正確な印字を実現することができる。また、沸点が高いため、湿潤剤としての働きは十分である。
グリコールエーテル類の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルジグリコール)、ジエチレングリコールモノペンチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
ジオール類の具体例としては、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール等が挙げられる。
この中でも効果が高いのは、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルジグリコール)、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、1,2−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオールである。これらの溶剤は単独で使用しても良く、複数を混合して使用することもできる。
さらに印刷する基材の種類によっては、その溶解性の向上を目的に、2−ピロリドン、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、N−メチルオキサゾリジノン、N−エチルオキサゾリジノンなどの水溶性の含窒素複素環化合物を添加することもできる。
上記したような水溶性溶剤のインクジェット記録用インク中における含有量は、一般的には、インクの全重量の3〜60質量%が好ましく、3〜50質量%がより好ましい。また、水の含有量としては、インクの全重量の10〜90質量%が好ましく、30〜80質量%がより好ましい。
(水性エマルション樹脂)
さらに、本発明の水性着色剤分散体を用いたインクジェット記録用インクは、水性のエマルション樹脂を含有することが好ましい。水性エマルションを含有することで、粘度を上させずに、印字した塗膜の耐性を向上させることができる。これにより、耐水性、耐溶剤性、耐擦過性などが向上する。水溶性の樹脂を添加しても、ある程度耐性の向上は期待できるが、粘度が上昇してしまう傾向にある。インクジェット記録用インクの場合、ノズルからインクを吐出できる粘度にはある範囲があり、あまり粘度が高いとインクを吐出することができなくなることがあるため、粘度の上昇を抑えることは重要である。
上記したような水性エマルションのインク中における含有量は、固形分で、インクの全重量の2質量%以上30質量%以下の範囲であり、より好ましくは、3質量%以上20質量%以下の範囲である。また、本発明の水性着色剤分散体を用いたインクジェット記録用インクは、上記の成分の他に、必要に応じて所望の物性値を持つインクとするために、界面活性剤、消泡剤、防腐剤等の添加剤を適宜に添加することができる。これらの添加剤の添加量の例としては、インクの全重量に対して、0.05質量%以上10質量%以下が好ましく、0.2質量%以上5質量%以下がさらに好ましい。
このように作製したインクジェット記録用インクは、各種のインクジェット用プリンターに好適に用いることができる。適用可能なインクジェットの方式は特に限定するものではないが、荷電制御型、スプレー型等の連続噴射型、ピエゾ方式、サーマル方式、静電吸引方式等のオンデマンド型の公知のものを例示することができる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、以下の記載において、「部」及び「%」とあるものは、「質量部」及び「質量%」を表す。
(重量平均分子量(Mw))
重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソ−社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソ−社製、HLC−8320GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
(酸価)
三角フラスコ中に試料、約1gを精密に量り採り、蒸留水/ジオキサン(重量比:蒸留水/ジオキサン=1/9)混合液50mlを加えて溶解する。上記試料溶液に対して、電位差測定装置(京都電子工業株式会社製、装置名「電位差自動滴定装置 AT−710M」)を用いて、0.1mol/L水酸化カリウム・エタノール溶液(力価F)で滴定を行い、滴定終点までに必要な水酸化カリウム・エタノール溶液の量(a(mL))を測定した。乾燥状態の樹脂の値として、酸価(mgKOH/g)を次式により求めた。
酸価(mgKOH/g)={(5.611×a×F)/S}/(不揮発分濃度/100)
ただし、S:試料の採取量(g)
a:0.1mol/L水酸化カリウム・エタノール溶液の消費量(ml)
F:0.1mol/L水酸化カリウム・エタノール溶液の力価
(アミン価)
三角フラスコ中に試料、約1gを精密に量り採り、蒸留水/ジオキサン(重量比:蒸留水/ジオキサン=1/9)混合液50mlを加えて溶解する。上記試料溶液に対して、電位差測定装置(京都電子工業株式会社製、装置名「電位差自動滴定装置 AT−710M」)を用いて、0.02mol/L過塩素酸・ジオキサン溶液(力価f)で滴定を行い、滴定終点までに必要な過塩素酸・ジオキサン溶液の量(b(mL))を測定した。乾燥状態の樹脂の値として、アミン価(mgKOH/g)を次式により求めた。
アミン価(mgKOH/g)={(5.611×b×f)/S}/(不揮発分濃度/100)
ただし、S:試料の採取量(g)
b:0.02mol/L過塩素酸・ジオキサン溶液の消費量(ml)
f:0.02mol/L過塩素酸・ジオキサン溶液の力価
<樹脂(P)の製造>
(樹脂P−1)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にブタノール100.0部、アデカスタブLA−82(株式会社ADEKA製)20.0部、ベンジルメタクリレート40.0部、単量体A1 20.0部、メタクリル酸20.0部、チオグリセロール2.0部を仕込み、反応容器内を窒素置換した。反応容器内を110℃に加熱して、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.3部を添加したのち、7時間反応させた。続いて変性種として1,3−プロパンスルトンを10.2部、ブタノール50.0部を上記容器内に投入し、110℃で7時間反応を続けアミン価が消失したところで、室温まで冷却し反応を終了した。得られた溶液を40℃真空で24時間乾燥させ、重量平均分子量7,000、酸価161mgKOH/gの樹脂P−1を得た。
(樹脂P−2〜P−19の調製)
表1に記載の様に原料を変更した以外は樹脂P−1と同様にして合成し、樹脂P−2〜P−19を得た。
(樹脂P’−1)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にブタノール100.0部、N−ジメチルアミノエチルメタクリレート10.0部、n−ブチルアクリレート40.0部、ベヘニルアクリレート20.0部、ベンジルメタクリレート10.0部、単量体A2を20.0部、チオグリセロール0.4部を仕込み、反応容器内を窒素置換した。反応容器内を110℃に加熱して、2,2'−アゾビスイソブチロニトリル0.3部を添加したのち、7時間反応させた。得られた溶液を40℃真空で24時間乾燥させ、重量平均分子量40,000、酸価0の樹脂P’−1を得た。
(樹脂P’−2〜P’−3の調製)
表1に記載の様に原料を変更した以外は樹脂P’−1と同様にして合成し、樹脂P’−2〜P’−3を得た。
Figure 0006954034
以下に、表1中の略称を示す。
DMAEMA:N−ジメチルアミノエチルメタクリレート
DMAPMA:N−(3−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド
LA82:アデカスタブLA−82(株式会社ADEKA製)
BA:n−ブチルアクリレート
VA:ベヘニルアクリレート
BzMA:ベンジルメタクリレート
単量体A1:一般式(4)において、R=メチル基、R=エチレン基、R=メチル基、m=23である単量体
単量体A2:一般式(4)において、R=メチル基、R=エチレン基、R=メチル基、m=4である単量体
MAA:メタクリル酸
<着色剤粒子の製造>
(着色剤粒子Z−1)
着色剤としてC.I.ピグメント レッド122(DIC社製「FASTOGENSuperMagentaRG T」)(以下、PR122と示す)35.0部、樹脂(P)としてP−1を12.25部、水溶性無機塩として塩化ナトリウム175.0部、水溶性有機溶剤としてジエチレングリコール6.4部をステンレス製ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、80℃で3時間混練した。この混合物を室温に冷却し、水1,000部に投入し、約40℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及び水溶性有機溶剤を除き、減圧下40℃で乾燥して着色剤粒子を得た。
(着色剤粒子Z−2〜Z−21、Z−23〜Z−26)
表2に記載の様に原料を変更した以外は着色剤粒子Z−1と同様にして調製し、着色剤粒子Z−2〜Z−21、Z−23〜Z−26を得た。
(着色剤粒子Z−22)
着色剤としてPR122 35.0部、樹脂(P)としてP−1を12.25部、水溶性有機溶剤としてジエチレングリコール20.0部を、ハイスピードミキサーで10分間攪拌した。この混合物を水1,000部に投入し、約40℃に加熱しながらハイスピードミキサーで約1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して水溶性有機溶剤を除き、減圧下40℃で乾燥して着色剤粒子Z−22を得た。
Figure 0006954034
以下に、表2中の略称を示す。
PR122: C.I.ピグメント レッド122、DIC社製、「FASTOGENSuperMagentaRG T」
PY180: C.I.ピグメントイエロー180、クラリアントジャパン社製、「NOVOPERM Yellow P−HG」
<水性着色剤分散体の製造>
[実施例1]
(水性着色剤分散体C−1)
着色剤粒子Z−1を20.0部、塩基性化合物として10%水酸化カリウム水溶液を、用いた樹脂(P)の酸価から中和度が100%になるように19.7部、防腐剤としてPROXEL GXL(S)(Lonza製)を0.03部、さらに不揮発分が22%になるようにイオン交換水を加え、70℃のオイルバスで加温しながらディスパーで約1時間撹拌し、その後室温まで冷却した。次いで超音波照射機(商品名「UP400S」、hielscher社製)を使用し、氷冷下で10分間超音波照射させた。なお、超音波照射機の振幅は70%とした。
次いで、架橋剤としてデナコールEX321(エポキシ架橋剤、ナガセケムテックス製、不揮発分100%、エポキシ当量140g/eq)を着色剤粒子に使用した樹脂(P)のカルボン酸/架橋剤モル比で0.5eqになるように、1.81部(不揮発分100%換算で1.81部)加え70℃に昇温させ、さらに約1時間撹拌し、再度不揮発分が22%になるようにイオン交換水で調整し、水性着色剤分散体C−1を得た。
[実施例2〜21、23、25〜31、比較例2〜3]
(水性着色剤分散体C−2〜C−21、C−23、C−25〜31、C−33〜34)
使用する着色剤粒子、塩基性化合物、架橋剤を表3に従って変更した以外は、実施例1と同様にして水性着色剤分散体C−2〜C−21、C−23、C−25〜31、C−33〜34を得た。
[実施例22]
(水性着色剤分散体C−22)
着色剤粒子(Z−22)を20.0部、用いた樹脂(P)の酸価から中和度が100%になるように塩基性化合物として10%水酸化カリウム水溶液を19.7部、防腐剤としてPROXEL GXL(S)(Lonza製)を0.03部、さらに不揮発分が22%になるようにイオン交換水を加え、均一になるようにハイスピードミキサーで予備分散した後、直径0.5mmジルコニアビーズ1800gを充填した容積0.6Lのダイノーミルを用いて2時間本分散を行った。
次いで、架橋剤としてデナコールEX321(エポキシ架橋剤、ナガセケムテックス製、不揮発分100%、エポキシ当量140g/eq)を着色剤粒子に使用した樹脂(P)のカルボン酸/架橋剤モル比で0.5eqになるように、1.81部(不揮発分100%換算で1.81部)加え70℃に昇温させ、さらに約1時間撹拌し、再度不揮発分が22%になるようにイオン交換水で調整し、水性着色剤分散体C−22を得た。
[実施例24]
(水性着色剤分散体C−24)
着色剤粒子(Z−1)を20.0部、塩基性化合物として10%水酸化カリウム水溶液を、用いた樹脂(P)の酸価から中和度が100%になるように19.7部、防腐剤としてPROXEL GXL(S)(Lonza製)を0.03部、さらに不揮発分が22%になるようにイオン交換水を加え、70℃のオイルバスで加温しながらディスパーで約1時間撹拌し、その後室温まで冷却した。次いで超音波照射機(商品名「UP400S」、hielscher社製)を使用し、氷冷下で10分間超音波照射し、水性着色剤分散体C−24を得た。なお、超音波照射機の振幅は70%とした。なお、本明細書で実施例24は参考例である。さらに実施例24の水性着色剤分散体C−24を使用した実施例55も参考例である。
[比較例1]
(水性着色剤分散体C−32)
着色剤粒子(Z−24)を20.0部、防腐剤としてPROXEL GXL(S)(Lonza製)を0.03部、さらに不揮発分が22%になるようにイオン交換水を加え、70℃のオイルバスで加温しながらディスパーで約1時間撹拌した。次いで超音波照射機(商品名「UP400S」、hielscher社製)を使用し、氷冷下で10分間超音波照射し、水性着色剤分散体C−32を得た。なお、超音波照射機の振幅は70%とした。
[比較例4]
(水性着色剤分散体C−35)
使用する着色剤を表3に従って変更した以外は、比較例1と同様にして水性着色剤分散体C−35を得た。
<着色剤粒子の評価>
(樹脂吸着率の測定)
得られた水性着色剤分散体を、超遠心分離機で100,000rpmで6時間遠心分離を行い、着色剤粒子を沈降させた。その後上澄みが透明であることを確認して上澄み液を採取し、上澄み液の不揮発分を測定し、吸着されなかった樹脂量(カリウムイオンとイオン結合した状態のもの)を算出した。この時、着色剤に吸着し着色剤を被覆した樹脂は、着色剤粒子とともに沈降し、着色剤に吸着されていない樹脂は上澄み液中に溶解することから、樹脂吸着量を下記の式に従い算出した。
樹脂吸着率(%)=(初期の樹脂量−上澄みの樹脂量)×100/初期の樹脂量
初期の樹脂量:着色剤粒子使用量×樹脂(P)の対顔料比
上澄みの樹脂量:(上澄みの不揮発分×(試験用水性着色剤分散体全重量―試験用水性着色剤分散体の固形分量)
<水性着色剤分散体の評価>
得られた水性着色剤分散体について、以下の評価を行った。結果を表3に示す。
(体積メディアン径D50)
得られた水性着色剤分散体を500倍に水希釈し、該希釈液約5mlを動的光散乱測定法(測定装置はマイクロトラック(株)日機装製)により測定をおこなった。この時、得られた体積粒子径分布データ(ヒストグラム)のピークを(D50)とした。
(経時保存安定性60℃)
水性着色剤分散体を60℃の恒温機に2週間保存・経時促進させた後、体積メディアン径D50を測定し、その変化率を算出し、以下の基準で評価した。
◎ :D50変化率が±10%未満(きわめて良好)
○ :D50変化率が±10%以上±20%未満(良好)
○△:D50変化率が±20%以上±30%未満(実用上問題なし)
△ :D50変化率が±30%以上±50%未満(実用上問題なし)
× :D50変化率が±50%以上(不良)
Figure 0006954034
表3中の略称を以下に示す。
KOH:水酸化カリウム
DMAE:N−ジメチル−2−アミノエタノール
NaOH:水酸化ナトリウム
Tris:トリスヒドロキシメチルアミノメタン
EX321:ナガセケムテックス製、デナコールEX321、エポキシ架橋剤、不揮発分100%、エポキシ当量140g/eq
DZ−22E:日本触媒製、ケミタイトDZ−22Eアジリジン架橋剤、不揮発分30%、アジリジン当量168g/eq
V02:日清紡製、カルボジライトV02カルボジイミド架橋剤、不揮発分40%、カルボジイミド当量590g/eq
<インクジェット記録用インクの製造>
[実施例32]
(インクジェット記録用インクJ−1)
実施例1で得られた水性着色剤分散体C−1を33.3部、プロピレングリコールを16.65部、1,2−ヘキサンジオールを16.65部、イオン交換水を33.3部、レベリング剤としてサーフィノールDF110D(エアープロダクツジャパン製)を0.1部、消泡剤として2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールを0.1部混合し、インクジェット記録用インキJ−1を作製した。
[実施例33〜64、比較例5〜8]
(インクジェット記録用インクJ−2〜37)
使用する水性着色剤分散体、混合溶媒を表4に従って変更した以外は、実施例32と同様にしてインクジェット記録用インクJ−2〜J−37を得た。
<インクジェット記録用インクの評価>
得られたインクジェット記録用インクについて、以下の評価を行った。結果を表4に示す。
(体積メディアン径D50)
得られたインクジェット記録用インキを100倍に水希釈し、該希釈液約5mlを動的光散乱測定法(測定装置はマイクロトラック(株)日機装製)により測定をおこなった。この時、得られた体積粒子径分布データ(ヒストグラム)のピークを(D50)μmとした。
(経時保存安定性25℃)
インクジェット記録用インクを25℃の恒温機に9か月間保存し、先述の体積メディアン径D50の測定と同様に測定、評価を行った。経時保存前のインクジェット記録用インキのD50値と比較して変化率を算出し、以下の基準で評価した。
◎:D50変化率が±5%未満(非常に良好)
○:D50変化率が±5%以上±15%未満(特に良好)
△:D50変化率が±15%以上±25%未満(実用上問題無し)
×:D50変化率が±25%以上(不良)
(経時保存安定性60℃)
インクジェット記録用インクを60℃の恒温機に2週間保存・経時促進させた後、先述の体積メディアン径D50の測定と同様に測定、評価を行った。経時保存前のインクジェット記録用インキのD50値と比較して変化率を算出し、以下の基準で評価した。
◎:D50変化率が±10%未満(きわめて良好)
○:D50変化率が±10%以上±30%未満(良好)
△:D50変化率が±30%以上50%未満(実用上問題なし)
×:D50変化率が±50%以上(不良)
(印刷評価_ドットつながり/印刷ムラ)
得られたインクジェット記録用インクをインクジェットプリンター(エプソン社製「PM−750C」)のカートリッジに詰めて、コート紙(王子製紙製OKトップコート+、米坪104.7g/m)に印刷した。印刷したサンプルをルーペで観察し、ドットのつながりと色のムラを目視で観察し、以下の基準で評価した。
<ドットつながり>
◎:ドットのつながりが全くない(非常に良好)、
○:ドットのつながりがわずかにある(実用上問題なし)
×:ドットのつながりがある(不良)
<印刷ムラ>
◎:色のムラが全くない(非常に良好)、
○:色のムラがわずかにある(実用上問題なし)
×:色のムラがある(不良)
Figure 0006954034
表3、4の結果から明らかなように、一般式(1)の骨格をもつ樹脂を用いると、比較例1のように類似の塩基骨格をもつ樹脂、比較例2や比較例6で用いた樹脂P′−2のように酸・塩基のモノマーを混合して共重合した樹脂と比べて、体積メディアン径の微細化、経時安定性、印刷適性が好ましい結果が得られた。これは、一般式(1)の構造のような、極端に電荷が密集した構造がポリマーの一部に組み込まれることで、樹脂を含有する着色剤粒子の電荷反発や、樹脂と着色剤の吸着に効果的に機能したと考えられる。
また、実施例6〜9、実施例37〜40のように、一般式(1)の骨格をもつ樹脂の重量平均分子量が5000〜20,000であると、着色剤の微細化、分散安定化が好ましくなることが分かる。着色剤の分散には、着色剤と樹脂との相互作用や、樹脂同士の立体反発が重要であり、重量平均分子量が5000以上であるとこれらの効果が顕著になるためと想像される。また、重量平均分子量が20,000以下であると、樹脂そのものの粘度が下がり、着色剤と樹脂の親和性が向上し、分散安定化に適切な着色剤粒子が形成されると考えられる。
実施例1、実施例10〜12、実施例32、実施例41〜43のように、樹脂の構成成分として一般式(1)の骨格に加え、カルボキシル基や炭素原子数のアルキレンオキサイド骨格を含む場合、塩基性化合物との中和塩形成による電荷反発がより強くなるほか、着色剤粒子の水への親和性が向上し、着色剤の微細化、分散安定性が向上する。
実施例1、実施例24、実施例32、実施例55のように、水性着色剤分散体に架橋剤が含まれると、より着色剤の微細化や分散安定化が向上する。これは、着色剤粒子に含まれる樹脂が架橋剤により架橋され、着色剤との吸着がより強固となるためである。一般式(1)の構造は電荷が密集した構造をもっており、架橋剤と組み合わせることで樹脂が着色剤から離脱することを効果的に防ぐことができると共に、高分子鎖が密集することで一般式(1)の構造の効果を高めることができる。
実施例1、実施例22、実施例32、実施例53のように、樹脂吸着率が30%以上であると、経時保存安定性や印刷適性に特に優れる水性着色剤分散体及びインクジェット記録用インクが得られることがわかった。これは、着色剤表面への樹脂の吸着及び被覆が十分であり、着色剤に吸着した樹脂と架橋剤との反応が効果的に進み、着色剤が強固に樹脂被覆されることで、浸透性の高い溶剤や沸点が高い溶剤を添加しても安定性が保たれると考えられる。

Claims (11)

  1. 着色剤粒子、架橋剤、塩基性化合物及び水を含む水性着色剤分散体であって、
    前記着色剤粒子が、少なくとも下記一般式(1)で表される繰り返し単位を有する樹脂(P)を含み、
    前記架橋剤が、イソシアネート基、アジリジン基、カルボジイミド基、オキセタン基、オキサゾリン基及びエポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一種の基を含む、水性着色剤分散体水性着色剤分散体。
    一般式(1)
    Figure 0006954034

    [一般式(1)において、R11は水素原子又はメチル基を表し、R12及びR13は、それぞれ独立に、2価の連結基を表し、Xは、カチオン性の2価の連結基を表し、Yは、アニオン性の1価の基を表す。]
  2. 一般式(1)におけるXが下記一般式(2)又は下記一般式(3)で表される2価の連結基である、請求項1に記載の水性着色剤分散体。
    一般式(2)
    Figure 0006954034

    [一般式(2)において、R21及びR22は、それぞれ独立に、1価の有機基を表す。
    はR12との結合手を表し、*はR13との結合手を表す。]

    一般式(3)
    Figure 0006954034

    [一般式(3)において、R31及びR32は、それぞれ独立に、1価の有機基を表す。
    はR12との結合手を表し、*はR13との結合手を表す。]
  3. 一般式(1)におけるXが前記一般式(3)で表される2価の連結基である、請求項2に記載の水性着色剤分散体。
  4. 樹脂(P)の重量平均分子量が5,000〜20,000である、請求項1〜3いずれか1項に記載の水性着色剤分散体。
  5. 樹脂(P)の酸価が120〜350mgKOH/gである、請求項1〜4いずれか1項に記載の水性着色剤分散体。
  6. 樹脂(P)が、さらに、炭素原子数1〜6のアルキレンオキシ基及びカルボキシル基を有する請求項1〜5いずれか1項に記載の水性着色剤分散体。
  7. 動的光散乱法による体積メディアン径が20〜100nmである、請求項1〜いずれか1項に記載の水性着色剤分散体。
  8. 着色剤粒子が、樹脂(P)が着色剤表面に吸着し、かつ、着色剤粒子中の着色剤に対する樹脂(P)の吸着量(未中和樹脂吸着率)が30質量%以上の着色剤粒子である、請求項1〜いずれか1項に記載の水性着色剤分散体。
  9. 文具用着色剤、塗料用着色剤、印刷インク用着色剤、電子写真用着色剤、インクジェットインク用着色剤又は捺染剤用着色剤に用いられる、請求項1〜のいずれか1項に記載の水性着色剤分散体。
  10. 請求項1〜いずれか1項に記載の水性着色剤分散体を含む、インクジェット記録用インク。
  11. 下記工程が順次行われることを特徴とする水性着色剤分散体の製造方法。
    工程1)着色剤、下記一般式(1)で表される繰り返し単位と炭素原子数1〜6のアルキレンオキシ基とカルボキシル基とを有する樹脂(P)、水溶性無機塩、及び水溶性有機溶剤を含有する混合物を混練して微細化する工程
    工程2)水溶性無機塩及び水溶性有機溶剤を除去する工程
    工程3)塩基性化合物及び水を添加して樹脂(P)のカルボキシル基を中和する工程
    工程4)イソシアネート基、アジリジン基、カルボジイミド基、オキセタン基、オキサゾリン基及びエポキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一種の基を含む架橋剤を添加して架橋剤と樹脂(P)とを架橋させる工程
    一般式(1)
    Figure 0006954034

    [一般式(1)において、R11は水素原子又はメチル基を表し、R12及びR13は、それぞれ独立に、2価の連結基を表し、Xは、カチオン性の2価の連結基を表し、Yは、アニオン性の1価の基を表す。]
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