JP2023092978A - インクセット - Google Patents

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JP2023092978A
JP2023092978A JP2021208324A JP2021208324A JP2023092978A JP 2023092978 A JP2023092978 A JP 2023092978A JP 2021208324 A JP2021208324 A JP 2021208324A JP 2021208324 A JP2021208324 A JP 2021208324A JP 2023092978 A JP2023092978 A JP 2023092978A
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Sota Tanaka
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Abstract

【課題】本発明は、種々の印刷基材への密着性が良好であり、耐擦過性が良好であり、印刷物上での凝集物が発生し難く、良好な画像を形成できるインクセットの提供を目的とする。【解決手段】少なくとも第一インクと第二インクとを有するインクセットであって、第一インクは、樹脂改質剤による変性樹脂被覆着色剤粒子(A)、および分散媒(C)を含み、第二インクは、樹脂被覆着色剤粒子(B)、および分散媒(C)を含むインクセット。【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェットインクやグラビアインク等に使用できるインクセットに関する。
着色剤に顔料を使用するインクジェットインクは、例えば、以下のインクセットが開示されている。
特許文献1では、黒インク及びカラーインクを有するインクセットであって、各インクは、顔料をポリマーで水系媒体に分散させた水系インクであり、黒インクに使用するポリマーは、酸価が70~140mgKOH/gのポリマーを架橋してなる架橋ポリマー(A)であり、該架橋ポリマー(A)の残酸価aが30~60mgKOH/gであり、カラーインクに使用するポリマーは、酸価が180~250mgKOH/gのポリマーを架橋してなる架橋ポリマー(B)であり、該架橋ポリマー(B)の残酸価bが55~110mgKOH/gであるインクセットが開示されている。
特許文献2には、複数種のインクを含むインクセットであって、前記インク中には、それぞれ樹脂で覆われた複数の顔料粒子が分散しており、前記複数種のインクとして、前記樹脂の酸価が100mgKOH/g以上180mgKOH/g以下である第1インクと、前記樹脂の酸価が60mgKOH/g以上90mgKOH/g以下である第2インクと、を含む、インクセットが開示されている。
特開2021-11515号公報 特開2016-199684号公報
しかし特許文献1のインクセットは、ポリマーを架橋剤で変性することで、遊離のポリマーが少なく、基材への密着性が悪化するという課題があった。また、特許文献2のインクセットは、樹脂を改質剤で変性していないため、遊離のポリマーが多かった。すなわち着色剤に吸着しているポリマーが少ないため、耐擦過性が悪い課題があった。
本発明は、種々の印刷基材への密着性が良好であり、耐擦過性が良好であり、印刷物上での凝集物が発生し難く、良好な画像を形成できるインクセットの提供を目的とする。
本発明のインクセットは、下記を備える、インクセットである。
少なくとも第一インクと第二インクとを有し、
前記第一インクは、樹脂改質剤による変性樹脂被覆着色剤粒子(A)、および分散媒(C)を含み、前記第二インクは、樹脂被覆着色剤粒子(B)、および分散媒(C)を含むインクセット。
上記の本発明によれば、種々の印刷基材への密着性が良好であり、耐擦過性が良好であり、印刷物上での凝集物が発生し難く、良好な画像を形成できるインクセットを提供できる。
本発明における用語を定義する。「C.I.」は、カラーインデックス番号である。「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートを含む。「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸を含む。「(無水)マレイン酸」とは、無水マレイン酸及びマレイン酸を含む。「(ポリ)アルキレンオキシ基」とは、アルキレンオキシ基及びポリアルキレンオキシ基を含む。単量体は、重合前のエチレン性不飽和基含有化合物であり、モノマーとも呼ばれる。単量体単位は、単量体の重合後に樹脂に組み込まれた状態である。樹脂被覆着色剤粒子は、樹脂で被覆された着色剤粒子である。着色剤粒子に対する樹脂の被覆は、本明細書の課題を解決できる範囲内であれば、粒子表面を全部または一部を被覆すればよい。
本発明のインクセットは、下記を備える、インクセットである。
少なくとも第一インクと第二インクとを有するインクセットであって、
前記第一インクは、樹脂改質剤による変性樹脂被覆着色剤粒子(A)、および分散媒(C)を含み、前記第二インクは、樹脂被覆着色剤粒子(B)、および分散媒(C)を含むインクセット。
本発明のインクセットは、種々の印刷基材に対して密着性が良好であり、耐擦過性が良好であり、印刷物上での凝集異物の発生が抑制され、良好な画像を形成できる。その理由は以下の通りである。
第一インクに含まれる樹脂改質剤による変性樹脂被覆着色剤粒子(A)を構成する樹脂は、樹脂改質剤による変性で樹脂の極性が低下しているため、樹脂がより着色剤に吸着しやすくなり、着色剤粒子を効果的に被覆するため耐擦過性が向上する。しかし、樹脂が着色剤へ吸着しやすいため、第一インク中の遊離樹脂が減少する。これにより印刷基材と着色剤粒子とを仲介する成分が減少するため、密着性が不足する。これはプラスチックフィルム、金属、ガラス等の非浸透性基材で特に顕著である。
一方、第二インクに含まれる樹脂被覆着色剤粒子(B)を構成する樹脂は、樹脂改質剤によって変性されていないため、第一インクに含まれる樹脂改質剤による変性樹脂被覆着色剤粒子(A)と比較して極性が高く、遊離樹脂が多い。そのため遊離樹脂が印刷基材と着色剤粒子とを仲介し、密着性が向上する。しかし、第一インクに含まれる樹脂改質剤による変性樹脂被覆着色剤粒子(A)と比較して、着色剤に吸着している樹脂が少ないため、耐擦過性が不足する。
本明細書では、耐擦過性が良好で、密着性に難がある第一インクと、密着性が良好で、耐擦過性に難がある第二インクを併用することで、それぞれのインクの短所を補うことで密着性と耐擦過性を両立した良好な画像を形成できるインクセットが得られると推測する。
<着色剤>
本明細書で着色剤は樹脂で被覆できる粒子である。本明細書では、インクセットを構成する樹脂改質剤による変性樹脂被覆着色剤粒子(A)と樹脂被覆着色剤粒子(B)は着色剤を含む。着色剤は、水性媒体に不溶の顔料、染料である。なお、水溶性染料を併用できる。以下、着色剤をカラーインデックス番号で例示する。
顔料は、例えば、C.I.ピグメント レッド 3,5,19,22,31,38,42,43,48:1,48:2,48:3,48:4,48:5,49:1,53:1,57:1,57:2,58:4,63:1,81,81:1,81:2,81:3,81:4,88,104,108,112,122,123,144,146,147,149,150,166,168,169,170,176,177,178,179,184,185,202,208,216,226,242,254,255,257,269,291;
C.I.ピグメント グリーン 7,26,36,50,58,59,62,63;
C.I.ピグメント ブルー 1,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,17,17:1,22,27,28,29,36,60;
C.I.ピグメント オレンジ 13,16,20,34,36,38,43,62,64,71,73;
C.I.ピグメント イエロー 1,3,12,13,14,17,34,35,37,55,74,81,83,93,94,95,97,108,109,110,120,128,137,138,139,150,153,154,155,157,166,167,168,174,180,185,193,213,234;
C.I.ピグメント バイオレット 3,19,23,29,30,37,50,88;
C.I.ピグメント ブラック 7,28,26;
C.I.ピグメント ホワイト 6,18,21;等が挙げられる。
分散染料は、例えば、C.I.ディスパース レッド 11,50,53,54,55,55:1,59,60,65,70,72,73,75,86,88,91,92,93,111,126,127,134,135,143,145,146,152,153,154,158,159,164,167:1,177,181,190,190:1,204,206,207,221,239,240,258,277,278,283,311,323,343,348,356,362;
C.I.バットレッド41;
C.I.ディスパース グリーン 6:1,9;
C.I.ディスパース ブルー 19,26,26:1,35,55,56,58,60,64,64:1,72、72:1,73,81,81:1,87,91,95,108,113,128,131,141,143,145,148,154,158,165,165:1,165:2,176,183,185,197,198,201,214,224,225,257,266,267,287,354,358,359,360,365,368;
C.I.ディスパース オレンジ 1,1:1,5,13,20,25,25:1,29,31:1,33,49,54,55,56,66,73,76,118,119,163;
C.I.ディスパース イエロー 3,5,7,8,23,39,42,51,54,60,64,71,79,82,83,86,93,99,100,119,122,124,126,160,184:1,186,198,199,201,204,224,237;
C.I.ディスパース バイオレット 8,17,23,27,28,29,33,36,57;
C.I.ディスパース ブラウン2;等が挙げられる。
水溶性染料は、直接染料、酸性染料、食用染料、塩基性染料、反応性染料等が挙げられる。例えば、C.I.ダイレクト レッド 2,4,9,23,26,31,39,62,63,72,75,76,79,80,81,83,84,89,92,95,111,173,184,207,211,212,214,218,223,224,225,226,227,232,233,240,241,242,243,247;
C.I.ダイレクト バイオレット 7,9,47,48,51,66,90,93,94,95,98,100,101;
C.I.ダイレクト イエロー 8,9,11,12,27,28,29,33,35,39,41,44,50,53,58,59,68,86,87,93,95,96,98,100,106,108,109,110,130,132,142,144,161,163;
C.I.ダイレクト ブルー 1,10,15,22,25,55,67,68,71,76,77,78,80,84,86,87,90,98,106,108,109,151,156,158,159,160,168,189,192,193,194,199,200,201,202,203,207,211,213,214,218,225,229,236,237,244,248,249,251,252,264,270,280,288,289,291;
C.I.ダイレクト ブラック 9,17,19,22,32,51,56,62,69,77,80,91,94,97,108,112,113,114,117,118,121,122,125,132,146,154,166,168,173,199
C.I.アシッド レッド 35,42,52,57,62,80,82,111,114,118,119,127,128,131,143,151,154,158,249,254,257,261,263,266,289,299,301,305,336,337,361,396,397;
C.I.アシッド バイオレット 5,34,43,47,48,90,103,126;
C.I.アシッド イエロー 17,19,23,25,39,40,42,44,49,50,61,64,76,79,110,127,135,143,151,159,169,174,190,195,196,197,199,218,219,222,227;
C.I.アシッド ブルー 9,25,40,41,62,72,76,78,80,82,92,106,112,113,120,127:1,129,138,143,175,181,205,207,220,221,230,232,247,258,260,264,271,277,278,279,280,288,290,326
C.I.アシッド ブラック 7,24,29,48,52:1,172;
C.I.リアクティブ レッド 3,13,17,19,21,22,23,24,29,35,37,40,41,43,45,49,55;
C.I.リアクティブ バイオレット 1,3,4,5,6,7,8,9,16,17,22,23,24,26,27,33,34;
C.I.リアクティブ イエロー 2,3,13,14,15,17,18,23,24,25,26,27,29,35,37,41,42;
C.I.リアクティブ ブルー 2,3,5,8,10,13,14,15,17,18,19,21,25,26,27,28,29,38;
C.I.リアクティブ ブラック 4,5,8,14,21,23,26,31,32,34;
C.I.ベーシック レッド 12,13,14,15,18,22,23,24,25,27,29,35,36,38,39,45,46;
C.I.ベーシック バイオレット 1,2,3,7,10,15,16,20,21,25,27,28,35,37,39,40,48;
C.I.ベーシック イエロー 1,2,4,11,13,14,15,19,21,23,24,25,28,29,32,36,39,40;
C.I.ベーシック ブルー 1,3,5,7,9,22,26,41,45,46,47,54,57,60,62,65,66,69,71;
C.I.ベーシック ブラック 8;等が挙げられる。
着色剤は、インクごとにそれぞれ単独または2種以上を併用して使用できる。
<被覆用樹脂>
第一インクおよび第二インクの樹脂被覆着色剤粒子は、着色剤粒子を被覆用樹脂(以下、樹脂ともいう)で被覆している。樹脂は、インクごとに同一または異なっていてもよい。前記樹脂は、疎水性を有する単量体単位、および酸基を有する単量体単位を含むことが好ましい。疎水性を有する単量体単位は、着色剤に吸着し、酸基を有する単量体単位が電荷反発により着色剤粒子同士の凝集を抑制することで保存安定性が向上する。
[疎水性基を有する単量体単位]
疎水性基を有する単量体単位は、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位、芳香族単量体単位、複素環単量体単位、およびα-オレフィン単量体単位からなる群より選択される1種以上を含む単量体単位が好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体は、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、シクロヘキサン(メタ)アクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンタン(メタ)アクリレート、2-メチルアダマンタン(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
芳香族単量体は、例えば、スチレン、αメチルスチレン、スチレンマクロマー、2-メチルスチレン、4-メチルスチレン、4-n-オクチルスチレン、4-メトキシスチレン、4-アミノスチレン、4-ニトロスチレン、4-ビニルフェニルアセテート、2-ビニルキノリン、2-ビニルナフタレン、4-ビニルビフェニル、9-ビニルアントラセン、9-ビニルフェナントレン、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ペンタフロロフェニル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシエチル-フタル酸、ネオペンチルグリコール(メタ)アクリル酸安息香酸エステル、4-[(6-(メタ)アクリロイルオキシ)ヘキシルオキシ]-4’-シアノビフェニル、N-フェニル(メタ)アクリルアミド、アリルフェニルアセテート、アリルフェニルエーテル、アリルフェノキシアセテート等が挙げられる。
複素環単量体は、例えば、4-ビニルピリジン、ビニルイミダゾール、1-ビニル-1H-インドール等が挙げられる。
α-オレフィン単量体は、例えば、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン等が挙げられる。
疎水性基を有する単量体単位を有することで、樹脂が着色剤に吸着することで粘度安定性が向上する。疎水性基を有する単量体単位は、アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル単量体単位、芳香族単量体単位、複素環単量体単位およびα-オレフィン単量体単位が好ましく、α-オレフィン単量体単位がより好ましい。
疎水性基を有する単量体単位は、単独または2種以上を併用して使用できる。
[酸基を有する単量体単位]
酸基を有する単量体単位は、例えば、酸基にカルボキシ基、スルホ基、またはリン酸基を有する単量体単位である。
カルボキシ基を有する単量体は、(メタ)アクリル酸単量体、(無水)マレイン酸単量体等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸単量体は、例えば、メタクリル酸、アクリル酸、メタクリル酸ダイマー、アクリル酸ダイマー、エチレンオキサイド変性コハク酸(メタ)アクリレート、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、及びω-カルボキシポリカプロラクトン(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルフタレート、2-(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタレート、2-(メタ)アクリロイロキシプロピルヘキサヒドロフタレート;およびこれらの塩等が挙げられる。
(無水)マレイン酸単量体は、例えば、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸ハーフエステル(マレイン酸モノノルマルブチルエステル、マレイン酸モノイソプロピルエステル等)、マレイン酸ハーフアミド(マレイン酸モノアミド、マレイン酸モノラウリルアミド、マレイン酸モノステアリルアミド等);およびこれらの塩等が挙げられる。
上記に属さないカルボキシ基を有する単量体単位は、例えば、クロトン酸、フマル酸、フマル酸ハーフエステル、フマル酸ハーフアミド、イタコン酸、イタコン酸ハーフエステル、イタコン酸ハーフアミド、テトラヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸ハーフエステル、テトラヒドロフタル酸ハーフアミド、ベタイン構造を有する化合物等のカルボキシ基含有単量体;およびこれらの塩等が挙げられる。
スルホ基を有する単量体は、例えば、ビニルスルホン酸、アクリルアミドターシャリーブチルスルホン酸、(メタ)アクリル酸2-スルホエチル、(メタ)アクリル酸3-スルホプロピル、スチレンスルホン酸;およびこれらの塩等が挙げられる。
リン酸基を有する単量体は、例えば、ビス(メタクリロキシエチル)ホスフェート、ジフェニル-2-アクリロイルオキシエチルホスフェート、ジフェニル-2-メタクリロイルオキシエチルホスフェート、及びジブチル-2-アクリロイルオキシエチルホスフェート;およびこれらの塩等が挙げられる。
酸基を有する単量体単位として、無水マレイン酸等の酸無水物基を有する単量体単位を用いる場合、水またはアルコールを反応させることにより、樹脂にCOOH基および/またはCOOR基を導入することも好ましい。なお、前記Rは、アルコール残基である。反応は、極性有機溶媒中で、ジアザビシクロウンデセンなどの塩基性触媒の存在下で反応を行うなど、適切な反応条件を選択する必要がある。
また、アミンを反応させることにより、樹脂にCOOH基およびCONHR基を導入することも好ましい。なお、前記Rは、アミン残基である。反応は、N,N-ジメチルホルムアミド等のプロトン性極性溶媒中で反応を行うなど、適切な反応条件を選択する必要がある。
アルコールは、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、デカノールおよびこれらの構造異性体等、シクロヘキサノール、フェノール、ベンジルアルコール等が挙げられる。
アミンは、例えば、アンモニア、ヒドラジン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、アミルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ラウリルアミン、ミリスチルアミン、セチルアミン、ステアリルアミン、オレイルアミン、アニリン、o-トルイジン、2-エチルアニリン、2-フルオロアニリン、o-アニシジン、m -トルイジン、m-アニシジン、m-フェネチジン、p-トルイジン、2,3-ジメチルアニリン、5-アミノインダン、アスパラギン酸、グルタミン酸、γ-アミノ酪酸等が挙げられる。
1分子中にアミノ基と水酸基を有する化合物は、例えば、メタノールアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、ヘキサノールアミン、2-アミノフェノール、4-アミノフェノール、アミノシクロヘキサノール等が挙げられる。
アルコール、アミン、1分子中にアミノ基と水酸基を有する化合物は、単独または2種以上を併用して使用できる。また、水を併用することもできる。
酸基を有する単量体単位は、カルボキシ基を有する単量体単位が好ましく、無水マレイン酸単量体単位、マレイン酸単量体単位、マレイン酸ハーフエステル単量体単位、マレイン酸ハーフアミド単量体単位、(メタ)アクリル酸単量体単がより好ましく、無水マレイン酸単量体単位、マレイン酸単量体単位、マレイン酸ハーフエステル単量体単位、マレイン酸ハーフアミド単量体単位がより好ましい。
酸基を有する単量体単位は、単独または2種以上を併用して使用できる。
樹脂を合成する際に用いる酸基を有する単量体は、樹脂の全単量体単位中、10~100質量%が好ましく、20~80質量%がより好ましく、30~70質量%がさらに好ましい。カルボキシ基、スルホ基またはリン酸基を有する単量体の含有量を上記範囲とすることで、電荷反発により粘度安定性が向上するため好ましい。これらの中でもカルボキシ基は、電荷反発による粘度安定性が特に向上するため好ましい。
疎水性を有する単量体単位、および酸基を有する単量体単位を含む共重合物の市販品は、BASFジャパン社製Joncryl67、586、611、678、680、682、683、690、693、HPD671、HPD696(スチレン-アクリル酸共重合体)、NUCERA社製セラマー67、1608、1251(α-オレフィン-無水マレイン酸-マレイン酸ハーフエステル重合体)、CrayValley社製SMA1000、2000、3000、3000H、EF30、EF40、EF60、EF80、1400、17352、2625、3840(スチレン-無水マレイン酸重合体)、Polyscope Polymers BV社製XIRAN1000、2000、2500、3000、3000P、3500、3600、4000、6000、9000(スチレン-無水マレイン酸共重合体)、Polyscope Polymers BV社製XIRAN1440、2625、17352、3840(スチレン-無水マレイン酸エステル変性重合体)、荒川化学社製アラスターシリーズ(スチレン-無水マレイン酸ハーフエステル重合体)等が挙げられる。
[その他単量体単位]
その他単量体単位として、疎水性基を有する単量体単位および酸基以外の親水性基を有する単量体単位を含んでもよい。酸基以外の親水性基を有する単量体単位は、水酸基または(ポリ)アルキレンオキシ基を有する単量体単位が挙げられる。
〔水酸基を有する単量体単位〕
水酸基を有する単量体は、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2(又は3)-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2(又は3又は4)-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート及びシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、あるいはヒドロキシ基を有する(メタ)アクリルアミド系単量体、例えば、N-(2-ヒドロキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシプロピル)(メタ)アクリルアミド、N-(2-ヒドロキシブチル)(メタ)アクリルアミドなどのN-(ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミド、あるいは、ヒドロキシ基を有するビニルエーテル系単量体、例えば、2-ヒドロキシエチルビニルエーテル、2-(又は3-)ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2-(又は3-又は4-)ヒドロキシブチルビニルエーテルなどのヒドロキシアルキルビニルエーテル、あるいはヒドロキシ基を有するアリルエーテル系単量体、例えば、2-ヒドロキシエチルアリルエーテル、2-(又は3-)ヒドロキシプロピルアリルエーテル、2-(又は3-又は4-)ヒドロキシブチルアリルエーテルなどのヒドロキシアルキルアリルエーテル、さらに、上記のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、N-(ヒドロキシアルキル)(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシアルキルビニルエーテルあるいはヒドロキシアルキルアリルエーテルにアルキレンオキサイド及び/ 又はラクトンを付加して得られるエチレン性不飽和単量体等のヒドロキシ基含有単量体;等が挙げられる。
〔(ポリ)アルキレンオキシ基を有する単量体単位〕
(ポリ)アルキレンオキシ基を有する単量体は、例えば、例えば、ポリエチレングリコールアリルエーテル、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールアリルエーテル、ポリプロピレングリコールアリルエーテル、メトキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシ(ポリ)エチレングリコール(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(ポリ)エチレングリコールアクリレート、メトキシ(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシ(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシ(ポリ)エチレン(ポリ)プロピレングリコール(メタ)アクリレート;等が挙げられる。
これらの中でも下記式(1)で表されるポリエチレングリコールアリルエーテル、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールアリルエーテル、ポリプロピレングリコールアリルエーテルが好ましい。
式(1)
Figure 2023092978000001
(式(1)中、mは0または1以上の整数、nは0または1以上の整数であり、m+n≧1である。Rは、水素原子またはメチル基を表す。Rは、置換基を有しても良い炭素数1~30のアルキル基、アリール基を表す。また、m≧1、n≧1、m+n≧2の時、CHCHO基(エチレンオキシ基)と、CH(CH)CHO基(プロピレンオキシ基)の結合順番は、ランダムでも良いし、交互でも良いし、ブロックでも良い。)
式(1)中、mは0~20が好ましい。nは0~20が好ましい。m+nは1~40が好ましい。Rは、水素原子またはメチル基が好ましい。Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、デシル基、フェニル基、フェニルカルボキシ基、フェノール基が好ましい。
水酸基またはアルキレンオキシ基を有する単量体単位は、単独または2種以上を併用して使用できる。
酸基を有する単量体単位の含有量は、樹脂の全単量体単位中、10~100質量%が好ましく、20~80質量%がより好ましく、30~70質量%がさらに好ましい。酸基を有する単量体の含有量を上記範囲とすることで、電荷反発により粘度安定性が向上するため好ましい。これらの中でもカルボキシ基は、電荷反発による粘度安定性が特に向上するため好ましい。
酸基以外の親水性基を有する単量体の含有量は、樹脂の全単量体単位中、1~50質量%が好ましく、2~30質量%がより好ましく、3~20質量%がさらに好ましい。
疎水性基含有単量体単位の含有量は、樹脂の全単量体単位中、1~60質量%が好ましく、15~60質量%がより好ましく、35~55質量%がさらに好ましい。
本明細書で被覆用樹脂の重合方法は、ランダム重合、ブロック重合、リビングラジカル重合、交互共重合など、従来公知のいずれの重合方法も採用できる。
樹脂の酸価は、1~400mgKOH/gが好ましく、50~350mgKOH/gがより好ましく、100~250mgKOH/gがさらに好ましい。酸価を上記範囲とすることで、電荷反発により十分な分散安定性が得られる。
樹脂の数平均分子量(Mn)は、1,000~1,000,000が好ましく、3,000~80,000がより好ましく、4,000~30,000がさらに好ましい。また、重量平均分子量(Mw)を数平均分子量(Mn)で除した多分散度(Mw/Mn)は、5.0以下が好ましく、3.0以下がより好ましく、2.0以下がさらに好ましく、1.5以下が最も好ましい。
樹脂は、融点を有する樹脂が好ましい。融点は100℃未満が好ましく、90℃以下がより好ましく、80℃以下がさらに好ましい。100℃以上であると、水系媒体中で分散する際に高温で分散する必要性が生じる場合があり、水の蒸発が激しく分散体を作製することが困難となる場合がある。
樹脂の添加量は、着色剤100質量部に対して、1~200質量部が好ましく、10~100質量部がより好ましい。樹脂は、本願の課題を解決できる範囲で着色剤の一部または全部を被覆する。
[樹脂改質剤]
本発明の第一インクに含まれる変性樹脂被覆着色剤粒子(A)は、樹脂改質剤により変性されている。樹脂改質剤は、樹脂の官能基と反応可能な官能基を有する化合物である。このような化合物を添加することで、樹脂の極性を抑制できる。
樹脂の、樹脂改質剤の官能基と反応可能な官能基は、例えばカルボキシ基等の酸基が挙げられる。
樹脂改質剤は、従来公知のいずれの化合物も使用できる。例えば、エポキシ基、オキセタニル基、イソシアネート基、アンモニア、アミノ基、第四級アンモニウム塩、チオール基、アジリジニル基、カルボジイミド基、オキサゾリン基等を有する化合物が挙げられる。これらの中でもエポキシ基が好ましい。
樹脂改質剤1分子中に含まれる、樹脂の官能基と反応可能な官能基の数は、1個または2個以上が好ましい。
反応可能な官能基の数が1個の場合、この化合物は末端キャップ剤(エンドキャップ剤)とも呼ばれる。例えば、樹脂のカルボキシ基と、アルキル基や芳香族基等の疎水性基とエポキシ基を1個有する末端キャップ剤が反応することで、樹脂のカルボキシ基がエポキシ基と反応することにより、カルボキシ基のモル数が減少し、同時にアルキル基や芳香族基等の疎水性基を導入することにより、樹脂を疎水性に改質することができる。同様に、親水性基とエポキシ基を1個有する末端キャップ剤が反応することで、樹脂を親水性に改質することもできる。
反応可能な官能基の数が2個以上の場合、この化合物は架橋剤とも呼ばれる。例えば樹脂のカルボキシ基と、アルキル基や芳香族基等の疎水性基とエポキシ基を2個以上有する架橋剤が反応することで、樹脂のカルボキシ基がエポキシ基と反応することにより、カルボキシ基のモル数が減少し、同時にアルキル基や芳香族基等の疎水性基を導入することにより、樹脂を疎水性に改質することができる。同様に、親水性基とエポキシ基を2個以上有する架橋剤が反応することで、樹脂を親水性に改質することもできる。また、架橋剤を用いた場合、架橋剤1分子中に含まれる官能基の一部または全部が、樹脂の官能基2か所以上と反応し、樹脂を分子間または分子内で架橋することで、強固な三次元構造を形成する場合がある。
樹脂改質剤は、架橋剤が好ましい。樹脂は、疎水性に変性することが好ましい。特に、樹脂改質剤として架橋剤を用い、樹脂を疎水性に変性することがより好ましい。樹脂が疎水性に変性され、かつ、架橋されることで、樹脂がより強固に着色剤に吸着し、耐擦過性が向上し、着色剤分散体やインク、インクセットとした時の保存安定性が向上するため好ましい。
樹脂改質剤の重量平均分子量または式量は、100~2,000が好ましく、120~1,500がより好ましく、150~1,000がさらに好ましい。
樹脂改質剤の添加量は、樹脂中の官能基モル数に対し、樹脂改質剤の官能基のモル数が0.1~3.0当量が好ましく、0.4~1.5当量がより好ましい。樹脂改質剤の添加量を前記範囲とすることで、着色剤の粒子表面に吸着した樹脂の一部または全部が変性される。また架橋剤を使用した場合は、強固な三次元構造を形成した樹脂により被覆されるため好ましい。
樹脂改質剤は、例えば、トリメチロールプロパンモノグリシジルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、p-tert-ブチルフェニルグリシジルエーテル、ラウリルアルコール(EO)15 グリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、フェノール(EO)5グリシジルエーテル、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、C12-C13混合アルコールグリシジルエーテル、N-グリシジルフタルイミド;等の1分子中にエポキシ基を1個有する化合物、
エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ジグリシジルオルトフタレート、水添ビスフェノールA型ジグリシジルエーテル等のポリグリシジルエーテル;等の1分子中にエポキシ基を2個以上有する化合物、
4,4’-(3-エチルオキセタン-3-イルメチルオキシメチル)ビフェニル(OXBP)、3-エチル-3-ヒドロキシメチルオキセタン(EHO)、1,4-ビス[{(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシ}メチル]ベンゼン(XDO)、ジ[1-エチル(3-オキセタニル)]メチルエーテル(DOX)、ジ[1-エチル(3-オキセタニル)]メチルエーテル(DOE)、1,6-ビス[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシ]ヘキサン(HDB)、9,9-ビス[2-メチル-4-{2-(3-オキセタニル)}ブトキシフェニル]フルオレン、9,9-ビス[4-[2-{2-(3-オキセタニル)}ブトキシ]エトキシフェニル]フルオレン;等のオキセタニル基を有する化合物、
有機ポリイソシアネート又はイソシアネート基末端プレポリマー、有機ポリイソシアネートは、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;トリレン-2,4-ジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;脂環式ジイソシアネート; 芳香族トリイソシアネート;等の(ブロック)イソシアネート基を有する化合物、またはそれらのウレタン変性体;
ヒドラジド、カルボジヒドラジド、チオカルボヒドラジド、オキサリルジヒドラジド等の、ジアミン;
エチレンジアミン、1,3-プロパンジアミン、1,2-プロパンジアミン、1,4-ブタンジアミン、1,6-ヘキサメチレンジアミン、1,8-オクタメチレンジアミン、1,11-ジアミノウンデカン、1,12-ジアミノドデカン、2-ブチル-2-エチル-1,5-ペンタンジアミン、1,5-ジアミノ-2-メチルペンタン、2,2-ジメチル-1,3-プロパンジアミン、2,4,4-トリメチル-1,6-ジアミノヘキサン、ラウリルプロピレンジアミン、エチレングリコールビス(2-アミノエチル)エーテル、1,4-ブタンジオールビス(3-アミノプロピル)エーテル、1,13-ジアミノ-4,7,10-トリオキサトリデカン、ポリオキシプロピレンジアミン、メタントリアミン、1,2,3-プロパントリアミン、1,8-ジアミノ-4-アミノメチルオクタン、3-(2-アミノエチル)ペンタン-1,5-ジアミン、1,4,7-トリアミノシクロノナン-1,4,7-トリイド、ブタン-1,1,4,4-テトラアミン、2,4-ジメチル-4-エチルアミノ-2,3,5-トリアミノヘキサン、2,3-ビス(ジアミノメチル)ブタン-1,1,4,4-テトラアミン、1,2-ビス(メチルアミノ)エタン、2,5-ジアミノ-2,5-ジメチルヘキサン、ブタン-1,1,4-トリメチルアミン、ブタン-1,1,4,4-テトラメチルアミン、1,2-ビス(ジメチルアミノ)エタン、ブタン-1,1,4-トリジメチルアミン、ブタン-1,1,4,4-テトラジメチルアミン、ヘキサメチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、ビスヘキサメチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、アジピン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、エイコサン二酸ジヒドラジド、バリンジヒドラジド、テトラエチレンペンタミン、3,3’-ジアミノ-N-メチルジプロピルアミン、トリス(2-アミノエチル)アミン、トリス(4-アミノエチル)アミン、3,3’-ジアミノ-N-メチルジプロピルアミン、トリス(2-アミノエチル)アミン、トリス(4-アミノエチル)アミン、1-メチルアミノ-2-ジメチルアミノエタン、直鎖ポリエチレンイミン、分岐鎖ポリエチレンイミン等の、アルキレンジアミン;
1,2-シクロヘキサンジアミン、1,4-シクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン、1,3-ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、3(4),8(9)-ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン(TCDジアミン)、イソプロピル-2,4-ジアミノシクロヘキサン、イソプロピル-2,6-ジアミノシクロヘキサン、4,4’-メチレンビス(シクロヘキシルアミン)、4,4’-メチレンビス(2-メチルシクロヘキシルアミン)、アダマンタン-1,3-ジアミン、シクロヘキサン-1,3,5-トリアミン、2,3,5-トリアミノビシクロ[2.2.1]ヘプタン、ピペラジン、2,5-ジメチルピペラジン、N-シクロヘキシル-1,3-プロパンジアミン等の、脂環ジアミン;
o-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、2,4-トルエンジアミン、2,6-トルエンジアミン、2,2’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルメタン、4,4’-ジアミノジフェニルエーテル、3,3’-ジアミノジフェニルスルホン、キシリレンジアミン、トリス(4-アミノフェニル)メタン、1,2,4-ベンゼントリアミン、メラミン、ベンゼン-1,2,4,5-テトラアミン、ピリミジン-2,4,5,6-テトラアミン、3,3’-ジアミノベンジジン、テトラアミノフタロシアニン、イソフタル酸ジヒドラジド等の、芳香環ジアミン;
ブタン-1,4-ビスアンモニウムクロライド;等のアミノ基または第四級アンモニウム塩を有する化合物、
メタンチオール、エタンチオール、チオフェノール;等のチオール基を有する化合物、
N,N’-ジフェニルメタン-4,4’-ビス(1-アジリジンカルボキサイト)、N,N’-トルエン-2,4-ビス(1-アジリジンカルボキサイト)、ビスイソフタロイル-1-(2-メチルアジリジン)、トリ-1-アジリジニルホスフィンオキサイド、N,N’-ヘキサメチレン-1,6-ビス(1-アジリジンカルボキサイト)、2,2’-ビスヒドロキシメチルブタノール-トリス[3-(1-アジリジニル)プロピオネート]、トリメチロールプロパントリ-β-アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタントリ-β-アジリジニルプロピオネート、トリス-2,4,6-(1-アジリジニル)-1,3,5-トリアジン、4,4’-ビス(エチレンイミノカルボニルアミノ)ジフェニルメタン;等のアジリジニル基を有する化合物、
カルボジイミド化触媒の存在下でジイソシアネート化合物を脱炭酸縮合反応させることによって生成した高分子量ポリカルボジイミド;等のカルボジイミド基を有する化合物、
脂肪族基又は芳香族基に2個以上、好ましくは2~3個のオキサゾリン基が結合した化合物、2,2-ビス(2-オキサゾリン)、1,3-フェニレンビスオキサゾリン、1,3-ベンゾビスオキサゾリン等のビスオキサゾリン化合物、該化合物と多塩基性カルボン酸とを反応させて得られる末端オキサゾリン基含有化合物;等のオキサゾリン基を有する化合物が挙げられる。
これらの中でもエポキシ基を有する化合物が好ましく、トリメチロールプロパンモノグリシジルエーテル、2-エチルヘキシルグリシジルエーテル、p-tert-ブチルフェニルグリシジルエーテル、ラウリルアルコール(EO)15 グリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、フェノール(EO)5グリシジルエーテル、ジブロモフェニルグリシジルエーテル、C12-C13混合アルコールグリシジルエーテル、N-グリシジルフタルイミド、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、ジグリシジルオルトフタレート、ソルビトールポリグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、水添ビスフェノールA型ジグリシジルエーテルが好ましく、トリメチロールプロパンモノグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルがより好ましく、トリメチロールプロパンモノグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルがより好ましい。これらは、単独または2種類以上を併用して使用できる。なお、樹脂改質剤は、処理効率の観点から、適度に水に溶解することが好ましい。市販品は、ナガセケムテックス社製デナコールEX321、EX321L、EX810、EX811、EX850、EX850L、ADEKA社製アデカグリシロールED-505等が挙げられる。
樹脂改質剤は、単独または2種以上を併用して使用できる。
<分散媒(C)>
本発明のインクセットは、分散媒(C)を含む。分散媒(C)は、水、水溶性溶媒、水不溶性溶媒が挙げられる。
[水]
水は、通常の水道水でも良いが、イオン交換水、蒸留水、精製水が好ましい。水が含有する金属イオン量の総量は、10ppm以下が好ましく、1ppm以下がより好ましく、100ppb以下がさらに好ましい。特にカルシウム、マグネシウム等の2価金属イオンは、樹脂中のカルボキシ基等の酸基2か所と反応することで、意図しない架橋構造を形成してしまうため、可能な限り抑制することが好ましい。
[水溶性溶媒]
水溶性溶剤は、水と混和する水溶性溶媒が挙げられる。水溶性溶剤は、例えば、モノアルコール類、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、その他水溶性溶剤等が挙げられる。
モノアルコール類は、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、3-メトキシ-3-メチルブタノール;等が挙げられる。
多価アルコール類は、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、1,4-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,2,6-ヘキサントリオール、1,2,4-ブタントリオール、1,2,3-ブタントリオール、ペトリオール、2-エチル-2-メチル-1,3-プロパンジオール、3,3-ジメチル-1,2-ブタンジオール、2,2-ジエチル-1,3-プロパンジオール、2-メチル-2-プロピル-1,3-プロパンジオール、2,4-ジメチル-2,4-ペンタンジオール、2,5-ジメチル-2,5-ヘキサンジオール、5-ヘキセン-1,2-ジオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール;等が挙げられる。
多価アルコールアルキルエーテル類は、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル;等が挙げられる。
多価アルコールアリールエーテル類は、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル;等が挙げられる。
含窒素複素環化合物は、例えば、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-ヒドロキシエチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチルイミイダゾリジノン、ε-カプロラクタム、γ-ブチロラクトン;等が挙げられる。
アミド類は、例えば、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド;等が挙げられる。
アミン類は、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン;等が挙げられる。
含硫黄化合物類は、例えば、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール;等が挙げられる。
[水不溶性溶媒]
水不溶性溶媒は、水と混和しない、またはほとんど混和しない溶媒が挙げられる。
例えば、ヘキサン、ジクロロメタン、クロロホルム、ジエチルエーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート;等が挙げられる。
分散媒(C)は、単独または2種以上を併用して使用できる。
<その他の添加剤>
本発明のインクセットは、その他の添加剤を含有できる。添加剤は、例えば、塩基性化合物、酸性化合物、バインダー樹脂、界面活性剤、防腐防黴剤、キレート化剤、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤、色素誘導体等が挙げられる。
[塩基性化合物]
塩基性化合物は、樹脂に含まれるカルボキシ基、スルホ基、リン酸基等の酸基を中和できる化合物である。塩基性化合物は、樹脂の酸基を中和できる化合物であれば特に限定されない。塩基性化合物は、無機塩基、有機塩基が挙げられる。
無機塩基は、例えば、水酸化リチウム,水酸化ナトリウム,水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、オルソ珪酸ナトリウム,メタ珪酸ナトリウム,セスキ珪酸ナトリウム等の珪酸のアルカリ金属塩、リン酸三ナトリウム等のリン酸のアルカリ金属塩、炭酸二ナトリウム,炭酸水素ナトリウム,炭酸二カリウム等の炭酸のアルカリ金属塩、ホウ酸ナトリウム等のホウ酸のアルカリ金属塩、アンモニア;
有機塩基は、例えば、メチルアミン、エチルアミン、アニリン等の1級アミン;
エタノールアミン等の1級アミノアルコール;
ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン等の2級アミン;
ブチルアミノエタノール、ジエタノールアミン等の2級アミノアルコール;
トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等の3級アミン;
トリメタノールアミン、トリエタノールアミン、トリブタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、ジエチルアミノエタノール、ジメチルアミノプロパノール、ジブチルアミノプロパノール、メトキシポリ(オキシエチレン/ オキシプロピレン)-2-プロピルアミン、N-メチルジエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミン、N-ペンチルジブタノールアミン等の3級アミノアルコール;等が挙げられる。
[酸性化合物]
酸性化合物は、インクのpHを調整するために用いることができる。酸性化合物は、無機酸、有機酸が挙げられる。
無機酸は、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、亜リン酸、亜ホスホン酸、亜ホスフィン酸、ホスフィン、硝酸;等が挙げられる。
有機酸は、ギ酸、酢酸、酪酸、乳酸、クエン酸、シュウ酸、リンゴ酸、ベンゼンスルホン酸;等が挙げられる。
[バインダー樹脂]
バインダー樹脂は、樹脂種で言うと、例えば、アクリル樹脂、オレフィン樹脂、エステル樹脂、エーテル樹脂、ウレタン樹脂、ウレア樹脂等が挙げられる。また、バインダー樹脂は水への溶解性の面からいうと、水溶性樹脂、水不溶性樹脂等が挙げられる。なお、水不溶性樹脂は、エマルジョンや樹脂粒子を含む。
バインダー樹脂の含有量は、組成物の不揮発分100質量%中、2~30質量%が好ましく、3~20質量%がより好ましい。
[糖類]
糖類は、従来公知の種々の糖類を使用できる。糖類は極性基を有するため、分散助剤として着色剤表面に吸着し、着色剤同士の凝集を抑制できる。また、多糖類の場合は、極性基の効果に加え、三次元構造による立体障害効果により着色剤同士の凝集を抑制できる。
糖類は、例えば、グリセリルアルデヒド、トレオース、キシロース、グルコース、マンノース、ガラクトース等の単糖類;
スクロース、ラクツロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、セロビオース等の二糖類;
アミロース、アミロペクチン、グリコーゲン、セルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、セルロースナノファイバー、セルロースナノクリスタル、セルロースナノウィスカー、TEMPO酸化セルロースナノファイバー、キチン、ガラギーナン、アルギン酸、ヘパリン、ヒアルロン酸、ペクチン、キサンタンガム、タマリンドシードガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、グアーガム、アラビアガム、寒天、カラヤガム、スクシノグリカン、デキストリン等の多糖類;等が挙げられる。
市販品は、例えば、日本製紙社製サンローズAPP-84、A02SH、A01MC、F04HC、A20SH、SN30C、F120MC、F350HC、F1000LC(カルボキシメチルセルロース)、ユニテックフーズ社製ヒートゲル極、超、超CL、堅、堅SL、(メチルセルロース)、日新化成社製エトセルSTD、MED(エチルセルロース)、ユニテックフーズ社製ヒートゲル柔、柔L、柔SL、緩、緩L、緩MH(メチルヒドロキシプロピルセルロース)、住友精化社製AL-15、AL-15F、A-15F、AH-15F、AV-15F、AW-15F、AX-15、SW-25F、SZ-25F、CF-G、CF-V、CF-W、CF-X、CF-Y(ヒドロキシエチルセルロース)等が挙げられる。
[界面活性剤]
界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
〔アニオン性界面活性剤〕
アニオン性界面活性剤は、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えばNH、Na、Ca等)、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩(例えばNH、Na、Ca等)、ナフタレンスルホン酸フォルマリン縮合物及びその塩、ジアルキルサクシネートスルホン酸Na塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩、グリセロールボレイト脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセロール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩(例えばNH、Na等)、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート塩、オレイン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルリン酸エステルの塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤の塩における対イオンは、例えば、Li、Na、K、NH、NHCHCHOH、NH(CHCHOH)、NH(CHCHOH)等が挙げられる。
〔カチオン性界面活性剤〕
カチオン性界面活性剤は、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルイミダゾリウム塩等が挙げられる。
〔ノニオン性界面活性剤〕
ノニオン系界面活性剤は、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、アセチレングリコール、ポリオキシエチレンアルキルアミン、フッ素系、シリコーン系等のノニオン性活性剤が挙げられる。特にアセチレングリコール系界面活性剤は、例えば、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7-ジオール、3,6-ジメチル-4-オクチン-3,6-ジオール、3,5-ジメチル-1-ヘキシン-3-オール等が挙げられる。アセチレングリコール系界面活性剤の市販品は、例えば、エアープロダクツ社製(米国)のサーフィノール104、82、465、485、TG、DF110D等が挙げられる。
また、フッ素系界面活性剤も使用できる。例えば、サーフロンS-111、S-112、S-113、S-121、S-131、S-132、S-141、S-145(いずれもAGC社製)、フルラードFC-93、FC-95、FC-98、FC-129、FC-135、FC-170C、FC-430、FC-431(いずれも住友スリーエム社製)、メガファックF-470、F1405、F-474(いずれもDIC社製)、ZonylTBS、FSP、FSA、FSN-100、FSN、FSO-100、FSO、FS-300、UR(いずれもDuPont社製)、FT-110、FT-250、FT-251、FT-400S、FT-150、FT-400SW(いずれもネオス社製)、PF-151N(オムノバ社製)等が挙げられる。
〔両イオン性界面活性剤〕
両イオン性界面活性剤は、アルキルベタイン、アルキルアミンオキサイド、ホスファジルコリン等が挙げられる。例えば、ラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキシド、ミリスチルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、ジヒドロキシエチルラウリルアミンオキシド、ポリオキシエチレンヤシ油アルキルジメチルアミンオキシド、ヤシ油アルキルベタイン、ジメチルラウリルベタイン等が挙げられる。
[防腐防黴剤]
防腐防黴剤は、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2-ピリジンチオール-1-オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、メチルイソチアゾリノン、ベンズイソチアゾリノン、オクチルイソチアゾリノン等が挙げられる。
[キレート化剤]
キレート化剤は、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等が挙げられる。
[防錆剤]
防錆剤は、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライト、ベンゾトリアゾール等が挙げられる。
[酸化防止剤]
酸化防止剤は、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤は、例えば、ブチル化ヒドロキシアニソール、2,6-ジ-tert-ブチル-4-エチルフェノール、ステアリル-β-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート、2,2-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、2,2-メチレンビス(4-エチル-6-tert-ブチルフェノール)、4,4-ブチリデンビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、3,9-ビス[1,1-ジメチル-2-[β-(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロピオニルオキシ]エチル]2,4,8,10-テトライキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)ブタン、1,3,5-トリメチル-2,4,6-トリス(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン-3-(3’,5’-ジ-tert-ブチル-4’-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン等が挙げられる。
アミン系酸化防止剤は、例えば、フェニル-β-ナフチルアミン、α-ナフチルアミン、N,N-ジ-sec-ブチル-p-フェニレンジアミン、フェノチアジン、N,N-ジフェニル-p-フェニレンジアミン、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレゾール、2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、2,4-ジメチル-6-tert-ブチル-フェノール、ブチルヒドロキシアニソール、2,2-メチレンビス(4-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、4,4-ブチリデンビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、4,4-チオビス(3-メチル-6-tert-ブチルフェノール)、テトラキス[メチレン-3(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ジヒドロキフェニル)プロピオネート]メタン、1,1,3-トリス(2-メチル-4-ヒドロキシ-5-tert-ブチルフェニル)ブタン等が挙げられる。
硫黄系酸化防止剤は、例えば、ジラウリル3,3-チオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、ラウリルステアリルチオジプロピオネート、ジミリスチル-3,3-チオジプロピオネート、ジステアリル-β,β-チオジプロピオネート、2-メルカプトベンゾイミダゾール、ジラウリルサルファイド等が挙げられる。
リン系酸化防止剤は、トリフェニルフォスファイト、オクタデシルフォスファイト、トリイソデシルフォスファイト、トリラウリルトリチオフォスファイト、トリノニルフェニルフォスファイト等が挙げられる。
[紫外線吸収剤]
紫外線吸収剤は、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤等が挙げられる。
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤は、例えば、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-n-ドデシルオキシベンゾフェノン、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2,4,4-テトラヒドロキシベンゾフェノン等が挙げられる。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤は、例えば、2-(2’-ヒドロキシ-5’-tert-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-4’-オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’-tert-ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール等が挙げられる。
サリチレート系紫外線吸収剤は、例えば、フェニルサリチレート、p-tert-ブチルフェニルサリチレート、p-オクチルフェニルサリチレート等が挙げられる。
シアノアクリレート系紫外線吸収剤は、例えば、エチル-2-シアノ-3,3’-ジフェニルアクリレート、メチル-2-シアノ-3-メチル-3-(p-メトキシフェニル)アクリレート、ブチル-2-シアノ-3-メチル-3-(p-メトキシフェニル)アクリレート等が挙げられる。
ニッケル錯塩系紫外線吸収剤は、例えば、ニッケルビス(オクチルフェニル) サルファイド、2,2-チオビス(4-tert-オクチルフェレート)-n-ブチルアミンニッケル(II)、2,2-チオビス(4-tert-オクチルフェレート)-2-エチルヘキシルアミンニッケル(II)、2,2-チオビス(4-tert-オクチルフェレート)トリエタノールアミンニッケル(II)等が挙げられる。
[色素誘導体]
本発明に用いる被覆顔料や水系顔料分散体には、必要に応じて色素誘導体を添加することができる。
色素誘導体は、有機色素残基に酸性基、塩基性基、中性基などを有する化合物である。色素誘導体は、例えば、スルホ基、カルボキシ基、リン酸基などの酸性置換基を有する化合物及びこれらのアミン塩や、スルホンアミド基や末端に3級アミノ基などの塩基性置換基を有する化合物、フェニル基やフタルイミドアルキル基などの中性置換基を有する化合物が挙げられる。
有機色素は、例えばジケトピロロピロール系顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チアジンインジゴ系顔料、トリアジン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、ベンゾイソインドール等のインドール系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、ナフトール系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、等が挙げられる。
その他添加剤は、それぞれ単独または2種以上を併用して使用できる。
<インクの製造>
本明細書でインクの製造は、例えば、以下の工程を有することが好ましい。
工程I:樹脂を、着色剤を含む粒子の表面に被覆する工程
工程II:分散媒(C)を加え、混合・撹拌する工程
工程III:改質剤により樹脂を変性する工程
工程IIII:得られた着色剤組成物に添加剤を加え、インク化する工程
[工程I:樹脂を、着色剤を含む粒子の表面に被覆する工程]
樹脂を、着色剤を含む粒子の表面に被覆する工程は、従来公知の製造方法を採用することができるが、中でも着色剤により強固に樹脂を被覆することができるソルトミリング法が好ましい。尚、着色剤を含む粒子の表面に樹脂を被覆できればこの工程に用いられる製造方法はソルトミリング法でなくてもよい。
〔ソルトミリング法〕
ソルトミリング法は、以下の工程を有することが好ましい。
工程I-1:着色剤、および樹脂に、少なくとも水溶性無機塩と水溶性溶媒を加えて摩砕混練する工程
工程I-2:水溶性無機塩および水溶性溶媒を除去する工程
前記製造方法は、着色剤が有機顔料の場合、特に有効である。
まず、顔料、樹脂、水溶性無機塩及び水溶性溶媒を混練機で混合する工程(ソルトミリング処理)を行い(工程I-1)、水溶性無機塩及び水溶性溶媒を洗浄して除去する工程(洗浄処理)を行うことが好ましい(工程I-2)。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性溶媒との混合物を、例えばニーダー、トリミックス、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル、または、プラネタリー型ミキサー等のバッチ式又は連続式混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性溶媒を除去する処理である。水溶性無機塩は破砕助剤として働くものであり、水溶性溶媒は粒子成長剤として働くものである。ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料の一次粒子が破砕される。また、顔料は水溶性溶媒と接触することで一次粒子が成長する。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、この破砕と成長が繰り返され、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料粒子を得ることができる。また、一次粒子形状も、一次粒子の全方位から均一に破砕と成長が繰り返されるため、扁平な粒子形状にはならず、真球に近い一次粒子が得られる。
ソルトミリングの際の混練温度は、-10℃~300℃が好ましく、30℃~90℃がより好ましい。適切な温度でソルトミリングを行う事により、顔料の一次粒子が微細化され、および樹脂が着色剤粒子を被覆することができる。
ソルトミリングの際の混練時間は、0.1~100時間が好ましく、3~24時間がより好ましい。適切な混練時間でソルトミリングを行う事により、顔料の一次粒子が微細化され、および樹脂が着色剤粒子を被覆することができる。混練時に掛かる負荷を表す瞬時電力は、混練機の混練速度や、顔料、水溶性無機塩、水溶性溶媒の混合物の粘度等を調整することで任意に設定できる。
〔水溶性無機塩〕
水溶性無機塩は、例えば、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等が挙げられる。価格の点から塩化ナトリウム(食塩)が好ましい。水溶性無機塩(X)の使用量は、処理効率と生産効率の両面から、顔料100質量部に対し、50~2,000質量部が好ましく、300~1,000質量部がより好ましい。水溶性無機塩の粒子径は、0.001~100μmが好ましく、0.1~10μmがより好ましい。なお、工業的に用いられる塩化ナトリウムは海水などの天然物から製造される事があるため、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム等の不純物を0.01~30質量%程度含んでいても良い。
〔水溶性溶媒〕
水溶性溶媒は、上段で説明した多価アルコール類が好ましい。水溶性溶媒の使用量は、顔料100質量部に対し5~1,000質量部が好ましく、50~500質量部がより好ましい。水溶性溶媒の使用量を適切に選択することで、混練物をソルトミリング処理に適した粘度にすることができる。
洗浄処理は、摩砕混練機から着色剤と、樹脂と、水溶性無機塩と、水溶性溶媒とを含む混合物を取り出し、溶媒を投入して撹拌を行い、懸濁液を得る。加える溶媒の種類は、水溶性無機塩と水溶性溶媒を溶解することができれば、特に限定されるものではないが、水道水、塩酸水溶液などの酸水溶液、イオン交換水が好ましい。加える溶媒の分量は、懸濁液を得るのに充分な量であればよく、特に限定されない。例えば、10~10,000倍の質量の溶媒を加えて混合撹拌する。必要に応じて加温してもよい。このときの混合撹拌条件は特に限定されないが、温度5~100℃で行うことが好ましい。続いて、ろ過等の操作によりろ液を除去することで、混練機で用いた水溶性無機塩及び水溶性溶媒を除去することができ、樹脂被覆着色剤粒子を得ることができる。
洗浄処理後、溶媒を除去する工程を行ってもよい。好適な方法は、例えば、乾燥処理を行う方法を挙げることができる。乾燥条件は、例えば、常圧下、80~120℃の範囲で12~48時間程度の乾燥を行う方法、減圧下、-180~80℃ の範囲で12~60時間程度の乾燥を行う方法等が挙げられる。乾燥処理は特に限定されないが、スプレードライ装置を利用する方法も挙げられる。乾燥処理と同時もしくは乾燥処理後に粉砕処理を行ってもよい。
顔料などの着色剤の平均一次粒子径は、ソルトミリング前の顔料の平均一次粒子径は10nm~10,000nm程度が好ましく、ソルトミリング後の顔料の平均一次粒子径は5nm~200nm程度が好ましく、ソルトミリング前の顔料の平均一次粒子径>ソルトミリング後の顔料の平均一次粒子径となる事が好ましい。平均一次粒子径が小さくなる事で着色力や透明性が向上するため好ましい。平均一次粒子径は、透過型電子顕微鏡にて倍率10,000倍で撮影した複数枚の写真より抽出した顔料の一次粒子100個について、一次粒子の長径を算術平均することにより求めることができる。一次粒子の長径を短径で除したアスペクト比は、1.0~5.0が好ましく、1.0~3.0がより好ましい。インクジェットインクとして用いる場合、ソルトミリング後の平均一次粒子径は100nm以下、好ましくは60nm以下とすることが好ましい。
[工程II:分散媒(C)を加え、混合・撹拌する工程]
次いで、洗浄処理後の樹脂被覆着色剤粒子に対し、分散媒(C)および任意に塩基性化合物を添加し、必要に応じ加温または冷却しながら混合する工程を行う。混合方法は、従来公知の方法を採用できるところ、例えば、ハイスピードミキサー、ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、シルバーソンミキサー、プラネタリーミキサー、トリミックス、ニーダー、エクストルーダー、横型サンドミル、縦型サンドミル又は/及びアニューラ型ビーズミル、ペイントシェイカー、ボールミル、超音波発振子を具備する分散機、高圧分散機、対向衝突型分散機、斜向衝突型分散機、バッチ型ローターステーター、インライン型ローターステーター、2本ロールミル、3本ロールミル等が挙げられる。これらの工程により、顔料粒子の凝集が一次粒子レベルにまで解砕され、着色剤組成物を作製できる。
具体的には、パウレック社製マイクロフルイダイザー(インターアクションチャンバー:Zタイプ、Yタイプ)、スギノマシン社製スターバースト(チャンバー形状:斜向衝突チャンバー、ボール衝突チャンバー、分離チャンバー、シングルノズルチャンバー、スリット式チャンバー、循環冷却式チャンバー、多液噴射反応チャンバー)、アシザワ・ファインテック社製スターミルLMZ(ビーズミル)、浅田鉄工社製ピコミル、シルバーソン社製インライン型ハイシアミキサー(ローターステーター)、シルバーソン社製バッチミキサー(ローターステーター)などが挙げられ、求める物性に応じ適宜選定できる。
工程IIは、複数の装置を組み合わせて処理しても良い。複数の装置を用いることにより、粗大粒子個数が低減し、よりシャープな粒度分布を有するインクが得られるため好ましい。例えば、以下の組み合わせが好ましい。
・シルバーソン社製インライン型ハイシアミキサー(ローターステーター)を用いて混合し、スギノマシン社製スターバースト(斜向衝突チャンバー)を用いてさらに混合する方法。
・シルバーソン社製バッチミキサー(ローターステーター)を用いて混合し、スギノマシン社製スターバースト(斜向衝突チャンバー)を用いてさらに混合する方法、
・アシザワ・ファインテック社製スターミルLMZ(ビーズミル)を用いて混合し、スギノマシン社製スターバースト(斜向衝突チャンバー)を用いてさらに混合する方法。
・スギノマシン社製スターバースト(斜向衝突チャンバー)を用いて混合し、アシザワ・ファインテック社製スターミルLMZ(ビーズミル)を用いてさらに混合する方法。
[工程III:改質剤により樹脂を変性する工程]
工程IIIは、工程IIで得られた着色剤組成物に改質剤を添加し、樹脂を変性する工程である。第一インクを製造する際に、必須となる。
改質剤は、撹拌しながら添加することが好ましい。
改質剤を添加する温度は、樹脂と改質剤との反応温度以上で添加しても良いし、反応温度以下で添加しても良い。反応温度以下で添加した場合は、その後、反応温度以上に昇温することが好ましい。
改質剤は、一括添加しても良いし、例えば、2~100回に分割して添加しても良いし、断続的に添加しても良い。
樹脂と改質剤を反応させた際、混合物のpHが変動する場合があるため、前記した塩基性化合物や酸性化合物を添加し、pHを調整しても良い。
樹脂と改質剤を混合してから反応する前、反応中、または反応後に、再度、工程IIを行っても良い。その場合は、工程IIで用いた装置と一部または全部が同じ装置を用いることが好ましい。例えば、工程IIでアシザワ・ファインテック社製スターミルLMZ(ビーズミル)、およびスギノマシン社製スターバースト(斜向衝突チャンバー)を用いた場合、樹脂と改質剤を混合してから反応する前、反応中、または反応後に、アシザワ・ファインテック社製スターミルLMZ(ビーズミル)を用いて撹拌・混合しても良いし、スギノマシン社製スターバースト(斜向衝突チャンバー)を用いて撹拌・混合しても良いし、アシザワ・ファインテック社製スターミルLMZ(ビーズミル)とスギノマシン社製スターバースト(斜向衝突チャンバー)の両方を用いて撹拌・混合しても良い。
[後処理工程]
混合・撹拌終了後に、pHの調整が必要であれば、前記した酸性化合物または塩基性化合物を添加し、目的のpHに調整することができる。酸性化合物の具体例は、リン酸、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸、酢酸、クエン酸等の有機酸が挙げられる。塩基性化合物の具体例は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基、ジメチルアミノエタノール、ジブチルアミノプロパノール、トリエタノールアミン等の有機塩基が挙げられる。また、不揮発分を調整するため、分散媒(C)を添加しても良い。また、品質を向上させるため、前記したその他添加剤を添加しても良い。
[工程IIII]
工程IIまたはIIIで得られた着色剤組成物に対して分散媒や添加剤を加え、混合することでインクが得られる。分散媒としては前述の水、水溶性溶媒、水不溶性溶媒が挙げられ、添加剤は、前述の塩基性化合物、酸性化合物、バインダー樹脂、界面活性剤、防腐防黴剤、キレート化剤、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤、色素誘導体等が挙げられる。
混合方法は、従来公知の方法を採用できるところ、例えば、ハイスピードミキサー、ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、シルバーソンミキサー、プラネタリーミキサー、トリミックス、ニーダー、エクストルーダー、横型サンドミル、縦型サンドミル又は/及びアニューラ型ビーズミル、ペイントシェイカー、ボールミル、超音波発振子を具備する分散機、高圧分散機、対向衝突型分散機、斜向衝突型分散機、バッチ型ローターステーター、インライン型ローターステーター、2本ロールミル、3本ロールミル等が挙げられる。
具体的には、パウレック社製マイクロフルイダイザー(インターアクションチャンバー:Zタイプ、Yタイプ)、スギノマシン社製スターバースト(チャンバー形状:斜向衝突チャンバー、ボール衝突チャンバー、分離チャンバー、シングルノズルチャンバー、スリット式チャンバー、循環冷却式チャンバー、多液噴射反応チャンバー)、アシザワ・ファインテック社製スターミルLMZ(ビーズミル)、浅田鉄工社製ピコミル、シルバーソン社製インライン型ハイシアミキサー(ローターステーター)、シルバーソン社製バッチミキサー(ローターステーター)などが挙げられ、必要な物性に応じ適宜選定できる。
pH調整後のインクのpHは、7~10が好ましく、7.1~9.5がより好ましい。
得られたインクは、ろ過、遠心分離、マグネットフィルターによる磁性異物の除去、陽イオン交換樹脂・陰イオン交換樹脂・キレート剤等による不純物イオンの除去を行う事が好ましい。ろ過または遠心分離を行う事で粗大粒子を除去する事ができ、マグネットフィルターにより磁性異物が除去され、さらにイオン交換樹脂等によりカルシウムイオンやマグネシウムイオンを始めとする不純物イオンが除去され、インクジェットインクとした時に吐出性が良好となる。ろ過、遠心分離、マグネットフィルターによる磁性異物の除去、イオン交換樹脂等による不純物イオン除去は、従来公知のいずれの方法も採用できるが、例えばろ過ではメンブレンフィルター、デプスフィルター、限外ろ過フィルターなどを採用することができる。フィルターの目開きは、0.1μm~10μmが好ましい。遠心分離では円筒型遠心分離機、バスケット型遠心分離機などを採用することができる。マグネットフィルターでは日本マグネティックス社製高勾配磁選機CS-X、前田シェルサービス社製マグキャッチフィルターMGCF-100、MGCF-125、エイシン社製高効率マグ・フィルター(1.0T~1.35T)、高磁力マグ・フィルター(1.7T)などを採用することができる。不純物イオンの除去は、例えば特開2002-179961号公報、特開2003-277672号公報に記載の方法などを採用することができる。
インク中に含まれる着色剤の体積平均粒子径D50は、5nm~200nmが好ましい。また、インク中に含まれる着色剤の体積平均粒子径D50と、ソルトミリング後の着色剤の平均一次粒子径は、インク中に含まれる着色剤の体積平均粒子径D50≧ソルトミリング後の着色剤の平均一次粒子径であることが好ましい。上記範囲となる事で、インク中の着色剤は凝集が少なく一次粒子レベルにまで分散されており、着色力や透明性が向上するため好ましい。インク中の着色剤の体積平均粒子径D50は、大塚電子社製FPAR-1000を用いて測定した体積基準の粒子径分布から求められる。インクジェットインクは、体積平均粒子径D50は10~150nmが好ましく、30~90nmがより好ましい。
得られたインク中に含まれる着色剤を含む粒子の平均円形度は、0.60~1.00程度が好ましい。平均円形度の値が大きくなる事で真球に近い粒子形状となり、インクとした時に着色剤の一次粒子同士の接触が点接触になりやすく、接触面積が低下し、これにより粘度が低下するため好ましい。平均円形度は、透過型電子顕微鏡にて倍率10,000倍で撮影した複数枚の写真より抽出した着色剤の一次粒子100個について、一次粒子の周囲長および面積を算出し、以下の式で求めた円形度を算術平均することにより求めることができる。なお、平均円形度は顔料粒子を上から見た時の形状を表すため、着色剤粒子の三次元形状を直接観測していないが、測定時に顔料粒子は様々な方向を向いており、また前記した通りソルトミリング製法は顔料粒子が全方位から均一に破砕と成長が繰り返されるため、扁平な粒子形状にはならず、真球に近い一次粒子が得られるため、着色剤粒子100個の算術平均とすることで、顔料粒子の三次元形状を近似的に求める事ができる。
円形度=4π×(面積)÷(周囲長)^2
インクの製造は、本願の課題を解決できる範囲であれば、上記製造方法以外にも、特開2018-028080号公報の明細書[0034]から[0048]に記載されたビーズ分散機等を用いた分散処理法、特開2020-143201号公報の明細書[0025]から[0029]に記載された水と有機溶媒の混合溶液中で着色剤を分散処理した後に有機溶媒を留去する転相乳化法、特開2020-015893号公報の明細書[0119]に記載された水溶性無機塩を使用しない混練法などにより、着色剤に樹脂を被覆できる。
<インクセット>
本発明のインクセットは、少なくとも第一インクと第二インクとを有するインクセットである。第一インクは、樹脂改質剤による変性樹脂被覆着色剤粒子(A)、および分散媒(C)を含み、第二インクは、樹脂被覆着色剤粒子(B)、および分散媒(C)を含む。
本発明の第一インクと、第二インクのインクセットとすることで、前記した、印刷基材への密着性と、耐擦過性を両立した画像形成物を製造することが可能となる。
本発明のインクセットは、2色以上のインクを含むインクセットとすることができる。
具体的には、シアン色インク、マゼンタ色インク、イエロー色インクを含む、3色インクセットが挙げられる。また、これにブラック色を加えた、いわゆる4色プロセスカラーのインクセットや、レッド色インク、オレンジ色インク、グリーン色インク等の特色インクを加え、色再現領域を広げたインクセット等も挙げられる。インクセットのうち少なくとも1色が第一インク、他の1色が第二インクである必要がある。さらに、インクセットの態様として、前記着色用インクに加え、塗り層としてのホワイト色インクや、カルシウムイオン、酸性化合物、ポリマー凝集剤などのインクを凝集させる成分を含む前処理液等を含むインクセットも挙げられる。
<インクセットの用途>
本発明のインクセットは、活版印刷、フレキソ印刷等に用いる凸版印刷用インク、グラビア印刷等に用いる凹版印刷用インク、オフセット印刷等に用いる平版印刷用インク、スクリーン印刷等に用いる孔版印刷用インク、インクジェット印刷、静電荷現像トナー印刷に用いるオンデマンド印刷用インク等が挙げられる。その他、建材や自動車用などの塗料、筆記具用インク、カラーフィルター、固体撮像素子、LiDAR等のセンサー等の用途が挙げられる。
これらの中でも、インクジェット印刷に用いるインクジェットインクが好ましい。
[インクジェットインク]
インクジェットインクは、水と混和する水溶性溶媒として、好ましくは多価アルコールや多価アルコールアルキルエーテル等が挙げられる。これらの溶剤は基材への浸透が非常に速く、コート紙、アート紙といった低吸液性基材に対しても、浸透が速い。そのため、印刷時の乾燥が速く、正確な印字を実現することができる。また、沸点が高いため、湿潤剤としての働きは十分である。
水溶性溶媒は、既に説明した溶媒を使用できる。これらの中でも多価アルコールまたは多価アルコールアルキルエーテルが好ましい。
水溶性溶媒は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
水溶性溶媒の含有量は、インクジェットインク中、3~60質量%が好ましく、3~50質量%がより好ましい。また、水溶性溶媒と水の含有量の合計は、インクジェットインク中、10~95質量%が好ましく、30~80質量%がより好ましい。
本発明のインクジェットインクは、その他の添加剤として、前記したバインダー樹脂等の添加剤を含有できる。
インクジェットインクは、ろ過、遠心分離、マグネットフィルターによる磁選、陽イオン交換樹脂・陰イオン交換樹脂・キレート剤等による不純物イオンの除去を行うことが好ましい。これによりインクジェットプリンタからの吐出性が良好となる。ろ過、遠心分離、マグネットフィルター、陽イオン交換樹脂・陰イオン交換樹脂・キレート剤等は、既に説明した材料を採用できる。
インクジェットインクは、各種のインクジェットプリンタに好適に用いることができる。インクジェットプリンタのインク吐出方式は、例えば、荷電制御型、スプレー型等の連続噴射型、ピエゾ方式、サーマル方式、静電吸引方式等が挙げられる。また、インクジェットプリンタの印刷方式は、例えば、インクジェットヘッドを左右に往復させながら基材へ印刷するマルチパス方式(シリアルヘッド方式)、インクジェットヘッドを固定して印刷するシングルパス方式(ラインヘッド方式)等が挙げられる。
<印刷物>
本発明の印刷物は、基材、およびインクセットから形成してなる画像を備える。なお、インクセットがインクジェット用途の場合、印刷物を画像形成物ともいう。
例えば、本発明のインクジェットインクセットは、各種のインクジェットプリンタに搭載する際、例えば、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインクとのセットで搭載することができる。いわゆるプロセスカラーと呼ばれる4色のインクセットと共に搭載し、各色の印刷量などを調整することで、基材(被印刷物)上に様々な色相の印刷部(画像)を形成できる。また、必要に応じ、レッドインク、グリーンインクなどプロセスカラー以外のインクを搭載することで、より色再現性の高い印刷部(画像)を形成できる。各インクの顔料濃度、粘度、動的粘弾性、表面張力、印刷順番、揮発分の蒸発速度などは設計事項であり、求める特性に応じて適宜調整することができる。印刷層の厚さは、0.01μm~1cmが好ましい。また基材への印刷は、基材を水平にして塗工しても良いし、垂直にして塗工しても良い。
[基材]
本発明のインクセットは、従来公知の種々の基材へ印刷できる。基材は、普通紙、布帛、ニットなどの高吸水性基材、アート紙、コート紙、塩化ビニル、木材、コンクリート、卵殻、錠剤、食品、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどの低吸水性基材、金属(アルミ、ステンレス、銅、ニッケル、チタン等)、ガラスなどの非吸水性基材が挙げられる。基材は、平滑でも良いし、凹凸を有していても良いし、平面でも良いし、曲面でも良い。基材の厚さは、0.01mm~1cmが好ましい。建材などに用いる基材であれば、1cm~1mが好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は、実施例に限定されない。なお、「部」は質量部、「%」は質量%、NVは不揮発分(Nonvolatile content)、Mwは重量平均分子量、Mnは数平均分子量、Tgはガラス転移温度を意味する。
実施例中の略号や製品名は、以下を意味する。
MALAH:無水マレイン酸
MAA:メタクリル酸
MMA:メタクリル酸メチル
St:スチレン
AS-6:東亜合成社製スチレンマクロマー(数平均分子量6,000)
PEMA:フェノキシエチルメタクリレート
LA:ラウリルアクリレート
VI:ビニルイミダゾール
ライトアクリレート130A:共栄社化学社製メトキシポリエチレングリコールアクリレート
モノマー1:式(1)、m=6~14(平均10)、n=0、R=H、R=メチル基
モノマー2:式(1)、m=0、n=6~14(平均10)、R=メチル基、R=メチル基
モノマー3:式(1)、m=4~12(平均8)、n=0~6(平均2)、R=H、R=メチル基
モノマー4:式(1)、m=10~20(平均15)、n=0、R=メチル基、R=n-ブチル基
モノマー5:式(1)、m=0、n=10~20(平均15)、R=H、R=n-ブチル基
モノマー6:式(1)、m=0~8(平均3)、n=6~18(平均12)、R=メチル基、R=n-ブチル基
モノマー7:式(1)、m=15~25(平均20)、n=0、R=H、R=n-ヘキシル基
モノマー8:式(1)、m=0、n=15~25(平均20)、R=メチル基、R=n-ヘキシル基
モノマー9:式(1)、m=5~15(平均10)、n=5~10(平均10)、R=H、R=n-ヘキシル基
樹脂改質剤:ADEKA社製アデカグリシロールED-505(トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンモノグリシジルエーテルの混合物)
MEK:メチルエチルケトン
MeOH:メタノール
IPA:イソプロピルアルコール
樹脂(B-1):NUCERA社製セラマー1608(無水マレイン酸-マレイン酸モノイソプロピルエステル-オレフィン共重合体、酸価160mgKOH/g)
樹脂(B-2): BASFジャパン社製Joncryl611(スチレン-アクリル酸共重合体、酸価53mgKOH/g、Mw8,100、Tg50℃)
樹脂(B-3):BASFジャパン社製Joncryl683(スチレン-アクリル酸共重合体、酸価165mgKOH/g、Mw8,000、Tg75℃)
樹脂(B-4):BASFジャパン社製Joncryl690(スチレン-アクリル酸共重合体、酸価240mgKOH/g、Mw16,500、Tg84℃)
樹脂(B-5):Polyscope Polymers BV社製XIRAN3000P(スチレン-無水マレイン酸共重合体、酸価285mgKOH/g、Mw10,000、Tg125℃)
樹脂(B-6):CrayValley社製SMA3000H(スチレン-マレイン酸共重合体アンモニウム塩水溶液、酸価265~305mgKOH/g、Mw9,500、Tg125℃)
樹脂(B-7):荒川化学社製マルキードNo.32(マレイン化ロジン樹脂、酸価120~140mgKOH/g、軟化点130~140℃
J-780:BASFジャパン社製Joncryl 780(ポリアクリルエマルジョン、NV48%)
W-5030:三井化学社製タケラックW-5030(ポリウレタンエマルジョン、NV30%)
S-DF110D:エボニックインダストリーズ社製サーフィノールDF110D(アセチレン系界面活性剤)
Proxel GXL:Lonza社製防腐剤(1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン)
PG:プロピレングリコール
BDG:ブチルジグリコール
PB15:3:C.I.ピグメント ブルー15:3(RAMDEV CHEMICAL INDUSTRIES社製Ramafast Blue WP/L-143)
PY74:C.I.ピグメント イエロー74(山陽色素社製FAST YELLOW 7416)
PY12:C.I.ピグメント イエロー12(トーヨーカラー社製LIONOL YELLOW TCH1205)
PY14:C.I.ピグメント イエロー14(DIC社製SYMULER FAST Yellow 4400)
PY138:C.I.ピグメント イエロー138(BASFジャパン社製Paliotol Yellow L0960HD)
PY155:C.I.ピグメント イエロー155(Cappelle Pigments NV社製LYSOPAC YELLOW 5513P)
PY180:C.I.ピグメント イエロー180(クラリアントケミカルズ社製Novoperm Yellow P-HG)
PR122:C.I.ピグメント レッド122(BASFジャパン社製Cinquasia Pink K4410)
PV19:C.I.ピグメント バイオレット19(クラリアントケミカルズ社製Inkjet Magenta E5B02)
PR122+PV19:C.I.ピグメント レッド122とC.I.ピグメント バイオレット19の固溶体(チバ・ジャパン社製クロモフタルジェットマゼンタ2BC)
PR31:C.I.ピグメント レッド31(東京色材工業社製Toshiki Red 31N)
PR150:C.I.ピグメント レッド150(東京色材工業社製Toshiki Red 150TR)
PR150+PR31:PR150とPR31の混合物(混合比75:25)
PR254:C.I.ピグメント レッド254(CINIC Chemicals社製Cinilex DPP Red SR2P)
PG36:C.I.ピグメント グリーン36(トーヨーカラー社製LIONOL GREEN 8390)
PO34:C.I.ピグメント オレンジ34(クラリアントケミカルズ社製Permanent Orange RL01-MX)
PO43:C.I.ピグメント オレンジ43(クラリアントケミカルズ社製PV Fast Orange GRL)
PBk7:C.I.ピグメント ブラック7(オリオン・エンジニアドカーボンズ社製PRINTEX85)
物性値は、以下の方法に従って求めた。
(数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw))
RI検出器を装備したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した。装置としてHLC-8220GPC(東ソー社製)を用い、分離カラムを2本直列に繋ぎ、両方の充填剤には「TSK-GEL SUPER HZM-N」を2連でつなげて使用し、オーブン温度40℃、溶離液としてTHF溶液を用い、流速0.35ml/minで測定した。サンプルは1%の上記溶離液からなる溶剤に溶解し、20マイクロリットル注入した。分子量はポリスチレン換算値である。
(酸価)
単量体組成から樹脂1g中に含まれる酸基のモル数を算出した。この酸基のモル数が、中和するために必要な水酸化カリウム(分子量56.1)のモル数と等しいとして、酸価(mgKOH/g)の理論値を算出した。なお、無水マレイン酸は、全てマレイン酸に加水分解しているものとして理論値を算出した。
(NV測定)
NVは、測定対象0.5gを精秤し、180℃乾燥機に20分間入れた時の乾燥減量から求めた。
・樹脂(B-8)の合成
Polyscope Polymers BV社製XIRAN3000Pを100部と、MEK200部、IPAを15部、触媒としてジアザビシクロウンデセンを0.1部添加し、温度を85℃に保ったままリフラックス状態で6時間撹拌して反応させ、無水マレイン酸のうち96モル%を開環しハーフエステル化した。続いて、イオン交換水20部を添加し、残存した無水マレイン酸をマレイン酸に加水分解した。得られた生成物を減圧濃縮し、樹脂(B-8)(重量平均分子量(Mw)10,000、酸価125mgKOH/g)を得た。
・樹脂(B-9)の合成
Polyscope Polymers BV社製XIRAN3000Pを100部と、N,N-ジメチルホルムアミド200部、ラウリルアミンを46部添加し、温度を85℃で6時間撹拌して反応させ、無水マレイン酸のうち96モル%を開環しハーフアミド化した。続いて、イオン交換水20部を添加し、残存した無水マレイン酸をマレイン酸に加水分解した。得られた生成物を減圧濃縮し、樹脂(B-9)(重量平均分子量(Mw)10,000、酸価100mgKOH/g)を得た。
・樹脂(B-10)の合成
[第一反応]
ガス導入管、温度計、コンデンサー、滴下ロート、および撹拌機を備えた反応容器に、モノマー混合物として、MALAHを49部(50モル%)、α-オレフィンとして1-オクタデセンを126部(50モル%)、MEKを100部、連鎖移動剤としてチオグリコール酸オクチルを0.5部仕込み、窒素置換した後、撹拌しながら105℃に加熱した。そこへラジカル重合開始剤としてアソビスイソ酪酸ジメチル(富士フイルム和光純薬社製、商品名:V-601)2.0部とMEK5部との混合物を、1時間かけて滴下した。その後、温度85℃でリフラックス状態で撹拌しながら、V-601を5部とMEK12部との混合物を6時間かけて滴下し、温度85℃に保ったまま1時間反応させ、酸無水物基として無水マレイン酸を有する重合体を得た。
[第二反応]
続いて、メタノールを16部(50モル%)、触媒としてジアザビシクロウンデセンを0.1部添加し、温度を85℃に保ったままリフラックス状態で6時間撹拌して反応させ、無水マレイン酸を開環しハーフエステル化した。得られた生成物を減圧濃縮し、MEKとメタノールを除去し、樹脂(B-10)(数平均分子量(Mn):4,500、重量平均分子量(Mw)11,000、酸価147mgKOH/g)を得た。
・樹脂(B-11)~(B-18)の合成
単量体組成および数平均分子量、重量平均分子量を表1に示す通りに変更した以外は樹脂(B-10)と同様にして、樹脂(B-11)~(B-18)を得た。なお、分子量の調整はV-601の添加量を変更し、適宜調整した。また、無水マレイン酸を使用していない樹脂は、第二反応を行っていない。
Figure 2023092978000002
・樹脂(C-1)の合成
[第一反応]
ガス導入管、温度計、コンデンサー、滴下ロート、および撹拌機を備えた反応容器に、モノマー混合物として、MALAHを59部(60モル%)、α-オレフィンとして1-ヘキサデセンを81部(36モル%)、ユニルーブPKA-5013(4モル%)MEKを100部、連鎖移動剤としてチオグリコール酸オクチルを0.5部仕込み、窒素置換した後、撹拌しながら105℃に加熱した。そこへラジカル重合開始剤としてアソビスイソ酪酸ジメチル(富士フイルム和光純薬社製、商品名:V-601)2.0部とMEK5部との混合物を、1時間かけて滴下した。その後、温度85℃で撹拌しながら、V-601を5部とMEK12部との混合物を6時間かけて滴下し、温度85℃に保ったままリフラックス状態で1時間反応させ、酸無水物基として無水マレイン酸を有する重合体を得た。
[第二反応]
続いて、メタノールを19部(60モル%)、触媒としてジアザビシクロウンデセンを0.1部添加し、温度を85℃に保ったままリフラックス状態で6時間撹拌して反応させ、無水マレイン酸を開環しハーフエステル化した。得られた生成物を減圧濃縮し、MEKとメタノールを除去し、樹脂(C-1)(数平均分子量(Mn):4,400、重量平均分子量(Mw)10,500、酸価188mgKOH/g)を得た。
・樹脂(C-2)~(C-17)の合成
単量体組成および数平均分子量、重量平均分子量を表1に示す通りに変更した以外は樹脂(C-1)と同様にして、樹脂(C-2)~(C-17)を得た。なお、分子量の調整はV-601の添加量を変更し、適宜調整した。また、無水マレイン酸を使用していない樹脂は、第二反応を行っていない。
Figure 2023092978000003
Figure 2023092978000004
<着色剤分散体の作製>
[製造例1]
・着色剤分散体(1)の製造
PB15:3を80部、樹脂(B-1)を不揮発分として20部、塩化ナトリウム450部、ジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、75℃で3時間混練し、混練物を得た。
得られた混練物を、イオン交換水2,000部に投入し、撹拌・ろ過・水洗を行い、この工程を繰り返し、塩化ナトリウムとジエチレングリコールを除去することで、PB15:3の粒子を樹脂(B-1)で被覆した着色剤を含むウェットケーキを得た。
得られたウェットケーキに、塩基性化合物としてジメチルアミノエタノールを、樹脂(B-1)のカルボキシ基の80モル%となるよう加え、さらにイオン交換水を加えNVが34質量%となるよう調整し、ディスパーで撹拌・混合し、混合物を得た。
得られた混合物を、アシザワ・ファインテック社製スターミルLMZ(0.5mmφジルコニアビーズ90%充填)を用いて40℃で滞留時間15分の条件で分散し、プレ分散物を得た。
得られたプレ分散物を、高圧ホモジナイザー(スギノマシン社製スターバーストラボHJP-25005、斜向衝突チャンバー装備、処理圧力200MPa)を用い、混合物100kgを、分散中の液温30~80℃(装置出口温度が60~80℃、循環タンクで冷却され30~50℃となる)にて5時間の循環分散を行った。
後処理工程として、前田シェルサービス社製マグキャッチフィルターMGCF-125を用いて分散体から磁性異物を除去した。続いて30~70℃の温度範囲にて、円筒型遠心分離機(超遠心分離機ASM260FH、ローター容積7.7L、巴工業社製)に1.0L/分の送液速度で供給し、20000Gの遠心加速度で連続的に遠心分離処理を行った。
防腐剤としてProxel GXLを1.0部加え、pH調整剤として48wt%水酸化カリウム水溶液および35%塩酸水溶液を用いてpH9.0±0.5となるよう調整し、NVが27質量%となるようイオン交換水を加え、均一になるよう撹拌し、ロキテクノ社製ポリプロピレンロールデプスフィルター750L-SLS-050(ろ過精度:5μm)を用いてろ過を行い、着色剤分散体(1)を得た。
[製造例2~34、69~101]
・着色剤分散体(2)~(34)、(69)~(101)の製造
使用する着色剤、樹脂を表3-1~表3-4に示す通りに変更した以外は製造例1と同様にして、着色剤分散体(2)~(34)、(69)~(101)を得た。
[製造例35]
・着色剤分散体(35)の製造
PB15:3を80部、樹脂(B-1)を不揮発分として20部、塩化ナトリウム450部、ジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、80℃で3時間混練し、混練物を得た。
得られた混練物を、イオン交換水2,000部に投入し、撹拌・ろ過・水洗を行い、この工程を繰り返し、塩化ナトリウムとジエチレングリコールを除去することで、PB15:3の粒子を樹脂(B-1)で被覆した着色剤を含むウェットケーキを得た。
得られたウェットケーキに、塩基性化合物として48wt%水酸化カリウム水溶液を、樹脂(B-1)のカルボキシ基の80モル%となるよう加え、さらにイオン交換水を加えNVが34質量%となるよう調整し、ディスパーで撹拌・混合し、混合物を得た。
得られた混合物を、アシザワ・ファインテック社製スターミルLMZ(0.5mmφジルコニアビーズ90%充填)を用いて40℃で滞留時間15分の条件で分散し、プレ分散物を得た。
得られたプレ分散物を、高圧ホモジナイザー(スギノマシン社製スターバーストラボHJP-25005、斜向衝突チャンバー装備、処理圧力200MPa)を用い、混合物100kgを、分散中の液温30~80℃(装置出口温度が60~80℃、循環タンクで冷却され30~50℃となる)にて5時間の循環分散を行い、分散物を得た。
得られた分散物を45℃に冷却後、樹脂改質剤を、樹脂(B-1)中のカルボキシ基のモル数に対し樹脂改質剤の官能基のモル数が0.9当量となるよう添加・撹拌し、75℃に昇温させ、4時間撹拌を行う事で、樹脂(B-1)中のカルボキシ基を樹脂改質剤で改質した。
後処理工程として、前田シェルサービス社製マグキャッチフィルターMGCF-125を用いて分散体から磁性異物を除去した。続いて30~70℃の温度範囲にて、円筒型遠心分離機(超遠心分離機ASM260FH、ローター容積7.7L、巴工業社製)に1.0L/分の送液速度で供給し、20000Gの遠心加速度で連続的に遠心分離処理を行った。
防腐剤としてProxel GXLを1.0部加え、pH調整剤として48wt%水酸化カリウム水溶液および35%塩酸水溶液を用いてpH9.0±0.5となるよう調整し、NVが27質量%となるようイオン交換水を加え、ロキテクノ社製ポリプロピレンロールデプスフィルター750L-SLS-050(ろ過精度:5μm)を用いてろ過を行い、着色剤分散体(35)を得た。
[製造例36~68、102~134]
・着色剤分散体(36)~(68)、(102)~(134)の製造
使用する着色剤、樹脂を表2に示す通りに変更した以外は製造例35と同様にして、着色剤分散体(36)~(68)、(102)~(134)を得た。
Figure 2023092978000005
Figure 2023092978000006
Figure 2023092978000007
Figure 2023092978000008
[製造例201]
・インク(1)の製造
着色剤分散体(1)以外の材料について、ディスパーで均一になるまで撹拌・混合した。この混合物を、ディスパーで撹拌している着色剤分散体(1)中に滴下し、十分に均一になるまで撹拌した。その後、孔径1μmメンブランフィルターでろ過を行い、インク(1)を得た。
着色剤分散体(1) 20部
J-780 8部
W-5030 5部
W400S 3部
S-DF110D 0.5部
トリエタノールアミン 0.5部
ブチルジエタノールアミン 1部
1-ジブチルアミノ-2-プロパノール 0.4部
トリエチルアミン 0.1部
水酸化ナトリウム 0.2部
エチレングリコール 0.01部
ジエチレングリコール 0.5部
ジプロピレングリコール 0.1部
PG 10部
BDG 1部
エタノール 1部
グリセリン 1部
Proxel GXL 0.05部
イオン交換水 47.64部
[製造例202~334]
・インク(2)~(134)の製造
着色剤分散体を表4-1、表4-2に示す通りに変更した以外は製造例201と同様にして、インク(2)~(134)を得た。
Figure 2023092978000009
Figure 2023092978000010
[実施例1]
・インクセット(1)の作製
セイコーエプソン社製PX-105(ピエゾ型インクジェットプリンタ)に搭載可能なインクジェットインク容器に、インク(1)、(2)、(109)、(118)をそれぞれ充填し、インクセット(1)を得た。
[実施例2~168]
・インクセット(2)~(168)の作製
インクの組み合わせを以下の通り変更した以外は実施例1と同様にして、インクセット(2)~(168)を得た。
[比較例1~10]
・インクセット(169)~(178)の作製
インクの組み合わせを以下の通り変更した以外は実施例1と同様にして、インクセット(169)~(178)を得た。
Figure 2023092978000011
Figure 2023092978000012
Figure 2023092978000013
Figure 2023092978000014
<密着性評価>
各インクセットを、セイコーエプソン社製PX-105(ピエゾ型インクジェットプリンタ)に搭載し、3M社製親水化ポリエステルフィルム#9901PをA4普通紙に貼り付け装填し、カラー画像(日本画像学会発行テストチャートNo.7(2008年版)(ベタ塗り画像と、人物画像を有する))を印刷し、印刷面から熱風を吹き付け、同時に印刷裏面から加熱されたローラーを当てて乾燥した。印刷面にカッターナイフを用いて、2mm間隔で素地に達する11本の切り傷をつけ100個の碁盤目を作った。この碁盤目部分に持ち手を2cm残してセロハンテープを張り付け、テープの端を45度の角度で一気に引き剥がし、碁盤目の状態を観察し以下のように評価した。
◎:100個の碁盤目のうちすべてはがれていない(優良)
○:碁盤目の角など切り傷の交差個所が欠けているのみ(良)
△: 塗膜がカットの線に沿って、交差点においてはがれている。5%以上10%未満(実用上問題なし)
×:100個の碁盤目のうち半分以上がはがれている(不良)
<耐擦過性評価>
密着性評価と同様の方法で試験片を作成し、これを福田器械工業 学振型摩擦試験機 RT300にセットし、綿布をセットした平面型摩擦子に2Nの荷重をかけ50往復研磨後の綿布と試験片の状態を目視観察し以下のように評価した。
◎:綿布の着色、試験片の摩耗痕共に認められない(優良)
○:綿布に若干の着色は認められるものの、試験片に摩耗痕は認められない(良)
△:綿布の着色は認められるものの、試験片に摩耗痕は認められない(実用上問題なし)
×:綿布は着色し、試験片の印刷画像が損なわれ紙面が露出している(不良)
<凝集異物評価>
密着性評価と同様の方法で試験片を作成し、人物画像の印刷部分を、ルーペを用いて任意の10か所を拡大観察し、次の4段階評価でブリード性を評価した。
◎:すべての箇所で凝集異物と異物の脱落による色抜けは認められない(優良)
○:1か所で凝集異物が認められる(良)
△:1か所で凝集異物の脱落による色抜けが認められる(実用上問題なし)
×:凝集異物、または凝集異物の脱落による色抜けが2か所以上の箇所で認められる(不良)
評価結果を表6-1、表6-2、表6-3、表6-4に示す。
Figure 2023092978000015
Figure 2023092978000016
Figure 2023092978000017
Figure 2023092978000018
表6-1、表6-2、表6-3、表6-4の結果から、第一インクは、樹脂改質剤による変性樹脂被覆着色剤粒子(A)、および分散媒(C)を含み、第二インクは、樹脂被覆着色剤粒子(B)、および分散媒(C)を含むインクセットは、浸透性、低浸透性印刷基材のいずれに対しても、密着性が良好であり、凝集物の発生も抑制されている。特に、樹脂(B)および樹脂(C)の疎水性基含有モノマーとして、αオレフィンを使用したインクセットは、評価結果が特に良好である。
また、基材として、A4サイズ普通紙、コート紙、ポリエチレンテレフタレートフィルム、アルミ箔に変更したところ、同様の結果が得られた。なお、基材が紙でない場合は、A4普通紙に基材を張り付けて使用した。
また、これらのインクセットを、キヤノン社製MAXIFYMB5430(サーマル型インクジェットプリンタ)に搭載し、基材としてA4サイズ普通紙、コート紙、ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)、ポリエチレンテレフタレートフィルム、アルミ箔に対して同様に印刷し、熱風乾燥し、評価したところ、同様の結果が得られた。
また、これらのインクジェットインクを、EFI社製EFI Nozomi C18000 Plus(シングルパス型インクジェットプリンタ)に搭載し、基材としてA4サイズ普通紙、コート紙、ポリプロピレンフィルム(OPPフィルム)、ポリエチレンテレフタレートフィルム、アルミ箔に対して同様に印刷し、熱風乾燥し、評価したところ、同様の結果が得られた。
[実施例2~168]
・インクセット(2)~(168)の作製
インクの組み合わせを以下の通り変更した以外は実施例1と同様にして、インクセット
(2)~(168)を得た。
ただし、実施例89~91、94、105~108、111、122、130、146は参考例である。

Claims (6)

  1. 少なくとも第一インクと第二インクとを有するインクセットであって、
    第一インクは、樹脂改質剤による変性樹脂被覆着色剤粒子(A)、および分散媒(C)を含み、第二インクは、樹脂被覆着色剤粒子(B)、および分散媒(C)を含むインクセット。
  2. 架橋樹脂被覆着色剤粒子(A)中の樹脂および非架橋樹脂被覆着色剤粒子(B)中の樹脂が、疎水性基含有単量体単位、および酸基含有単量体単位を含む樹脂である、請求項1~3のいずれか1項に記載のインクセット。
  3. 前記疎水性基含有単量体単位が、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体単位、芳香族単量体単位、複素環単量体単位、およびα-オレフィン単量体単位から選択する1種以上の単位を含む、請求項1~4のいずれか1項に記載のインクセット。
  4. 前記酸基含有単量体単位が、(無水)マレイン酸単量体単位、および(メタ)アクリル酸単位から選択する1種以上の単位を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のインクセット。
  5. 非架橋樹脂被覆着色剤微粒子(B)中の樹脂が酸基以外の親水性基含有単量体単位を含む請求項1~6のいずれか1項に記載のインクセット。
  6. 基材、および請求項1~7のいずれか1項に記載のインクセットから形成してなる画像を備える、印刷物。
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