JP2008046433A - 光コネクタの光ファイバ固定機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】光コネクタの小型化を図れると共に、接着剤を介してフェルールに挿入固定する光ファイバのカット端面に接着剤が付着してしまうのを未然に防止できるようにする。
【解決手段】被覆を除去した光ファイバPのカット端面部分を挿入して接着剤により固定可能とした中心細孔2Aを有するフェルール2を備え、該フェルール2の中心細孔2Aに光ファイバPを挿入した状態でフェルール2の外周面から接着剤aを注入可能とするようフェルール2の外周面から中心細孔2Aに達する接着剤注入用のフェルール側横孔6を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は、現場組立式の簡易フェルールユニットを形成可能とし、またプラグの受け側を形成すべくレセプタクルの現場組立を可能にし、さらに現場組立式以外の通常のプラグを形成可能にした光コネクタの光ファイバ固定機構に関する。
現在の現場組立式光コネクタは、下記の特許文献1のように、工場で組み立てた光ファイバを内蔵した研磨済みフェルール部分とメカニカルスプライス構造の心線調心及び把持部の後半部分より構成されている。
ところで、従来の現場組立光コネクタの光ファイバ固定機構としては、フェルールの中心細孔(ファイバ孔)に、当該中心細孔の後端部より瞬間接着剤等を予め充填しておき、その後に中心細孔の後端側から光ファイバを挿入することで、当該光ファイバをフェルールに固定するものとしていた。
特開平9−127371号公報
しかしながら、従来による光ファイバ固定機構を備えた光コネクタ、特に現場組立式光コネクタでは、工場で組み立てられた光ファイバ内蔵部、突き当て接続の心線調心および把持部から構成されるため、全体として大型なものとなる上に、光ファイバ(接続部において)の光伝送特性が低下する問題がある。
また、従来の光ファイバ固定機構では、フェルールの中心細孔(ファイバ孔)に接着剤を予め充填してから中心細孔の後端側から前端側まで光ファイバを挿入するため、挿入される光ファイバのカット端面に接着剤が付着してしまうことになり、その結果、カット端面の有効利用ができないものであった。
そこで、本発明は、光ファイバ固定部を小さくすることによって小型で、光伝送特性が向上し、かつ光ファイバ端面の研磨仕上げを不要とした現場組立式、その他の光コネクタの光ファイバ固定機構を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明にあっては、被覆を除去した光ファイバのカット端面部分が挿入されて接着剤により固定可能とした中心細孔を有するフェルールを備えた光コネクタの光ファイバ固定機構であって、該フェルールの中心細孔に光ファイバを挿入した状態でフェルールの外周面から接着剤を注入可能とするようフェルールの外周面から中心細孔に達する接着剤注入用のフェルール側横孔を設けたことを特徴とする。
前記した構成において、フェルール側横孔は、外周面から内端部に行くに従って内径が次第に細くなるテーパ状の孔によって形成されているものとすることができる。
以上のように構成された本発明に係る光コネクタの光ファイバ固定機構にあって、フェルール側横孔は、フェルールの中心細孔に光ファイバのカット端面を挿入して位置合わせした状態でフェルール横側から接着剤を注入可能にさせ、これによって光ファイバのカット端面に接着剤が付着してしまうのを未然に防止させ、当該端面の有効利用が可能な簡易フェルールユニットを形成させる。
また、テーパ状の孔によって形成されているフェルール側横孔は、フェルールの中心細孔内への接着剤の充填作業を容易にさせる。
本発明によれば、従来の現場組立光コネクタのように、フェルール内部での工場での組み立て済みファイバとの突き当て接続部が無くなり、これによって光コネクタ全体の小型化が可能なものとなる上に、光コネクタ全体での光伝送特性が向上する。
また、本発明によれば、接着剤を介してフェルールに挿入し固定される光ファイバのカット端面に接着剤が付着してしまうのを未然に防止することができ、これによって光ファイバ端面の有効利用が可能となる。
さらに、前記フェルール側横孔は、外周面から内端部に行くに従って内径が次第に細くなるテーパ状の孔によって形成されているので、フェルールの中心細孔内へ向けて接着剤をスムーズに充填することができる。
以下、本発明を実施する最良の形態を図面を参照して説明すると、図に示される符号1は、現場組立式の光コネクタに使用される簡易フェルールユニットであり、該簡易フェルールユニット1は、図1および図2に示すように、被覆を除去した光ファイバPのカット端面側部分を挿入して瞬間接着剤により固定可能とした中心細孔2Aを有する細長円柱状のフェルール2と、該フェルール2の後端部分が挿入されるフェルール挿入孔4、該フェルール挿入孔4に連通され、光ファイバPの中間部分が挿入される中心細孔5それぞれを有する略T字形円柱状のフランジ3とによってユニット構成されている。
フェルール2は、当該フェルール2の外周面から中心細孔2Aに達する接着剤注入用のフェルール側横孔6を、上下側対称箇所および左右側対称箇所において前後一対にして合計6個が設けられ、上下側対称箇所にある前後一対のフェルール側横孔6位置に対し、左右側対称箇所にある前後一対のフェルール側横孔6位置を後方側にずらしてある。そして、図2に示すように、フェルール2の中心細孔2Aに光ファイバPのカット端面側部分を挿入した状態でフェルール2のフェルール側横孔6を介して外周面から瞬間接着剤が注入可能となるようにしてある。
また、フランジ3は、扁平円筒状の大径胴部3Aと、当該大径胴部3A一端から段差胴部3Cを介して延設した細長円筒状の小径胴部3Bとから成り、大径胴部3Aから段差胴部3Cにかけて、フェルール2の後端部分が挿入されるフェルール挿入孔4が形成され、小径胴部3B側には、光ファイバPの中間部分が挿通されるよう該フェルール挿入孔4に連通する中心細孔5を形成してある。
また、フェルール側横孔6は、外周面から内端部に行くに従って内径が次第に細くなるテーパ状の孔によって形成されている。
さらに、図2に示すように、フランジ3の段差胴部3Cと小径胴部3Bとの間には、環状の掛架溝部7を形成し、光ファイバPに予め挿入されているブーツ8の前端に形成された内方突起状の環状係止部9が掛架溝部7に掛架させられることで当該ブーツ8が簡易フェルールユニット1に固定されるようにしてある。
また、図3に示すように、現場組付による光ファイバPがフェルール2先端に直接突出させるものとしてあるため、従来の現場組み立てコネクタのように、フェルール2内部での工場で組み立て済みファイバとの突き当て接続部が無くなり、これによってプラグ全体の光伝送特性が向上する。
さらに、図4に示すように、フェルール2端面における光ファイバPのカット端面に、屈折率整合剤を塗布してから、割スリーブ10を挿入し、図5に示すように、レセプタクル11に組み込むことでプラグの受け側が形成される。このレセプタクル11は、筒体12内周の中央に、フェルール2を挿入して前端の係止部13Aで係止可能とする内筒部13が形成されており、該内筒部13の長手方向に沿って突設した後方にある係止爪13Bをフランジ3の大径胴部3Aに掛架して固定できるようにしてある。
尚、長めの状態の光ファイバPを簡易フェルールユニット1に挿入して接着固定してから、光ファイバPのカット端面に研磨仕上げを施すことも可能であり、これによって現場組立式以外の通常のプラグとして使用することができる。
次に、以上のように構成された最良の形態についての使用、組立の一例を説明するに、先ず、図1に示すように、フランジ3のフェルール挿入孔4に、フェルール2の一端側を挿入しておく。
そして、図2に示すように、被覆を除去した光ファイバPを、長さを設定してファイバカッタで切断してから、このカット端面部分を、フランジ3の中心細孔5からフェルール2の中心細孔2Aにかけて挿入する。そして、フェルール側横孔6から瞬間接着剤aを注入することで、光ファイバPが簡易フェルールユニット1に固定される。この後、光ファイバPに予め挿入されているブーツ8の前端にある環状係止部9を掛架溝部7に掛架することで当該ブーツ8が簡易フェルールユニット1に固定される。
また、図3には、本発明に係る簡易フェルールユニット1を、フェルール2内に挿入された光ファイバPとの接続を行うための略矩形状を呈する現場組立式の光コネクタ21に使用した一例が示されている。すなわち、光コネクタ21は、図3に示すように、簡易フェルールユニット1のフェルール2の後端部分が挿入されるフランジ3が前後方向で僅かに移動可能となるように挿入された保持部材22と、保持部材22に嵌合するフレーム23と、フレーム23の外側を被覆する摘み部24と、ブーツ8とから概ね構成されている。
保持部材22の前端部、フランジ3前端部の外面側に形成された大径胴部3Aそれぞれの間に形成されている矩形環状の空間部には、弾性部材25としての例えばコイルスプリングがフランジ3の段差胴部3C、小径胴部3Bそれぞれを巻装させるようにした状態で介在配置させてある。
また、この光コネクタ21に使用される簡易フェルールユニット1においても前記と同様に現場組付による光ファイバPがフェルール2先端に直接突出させることで、従来の現場組み立てコネクタのように、フェルール2内部での工場で組み立て済みファイバとの突き当て接続部が無くなり、これによってプラグ全体の光伝送特性が向上する。そして、このように組立てられた光コネクタにあっては、カット端面の接続部に屈折率整合剤もしくは同等の特性のものを介して相手側と接続を行う。
尚、フェルール2側横孔6の数は、既述した実施形態に限られるものでないことは勿論であり、単数であっても、また、複数であってもよい。
本発明を実施するための最良の形態における光コネクタのフェルールとフランジの一例を示すもので、(a)はフェルールの一部切欠断面図、(b)はフランジの一部切欠断面図、(c)はフェルールをフランジに組み付けて現場組立式の簡易フェルールユニットを形成した状態の一部切欠断面図である。 同じく簡易フェルールユニットに光ファイバを組み付ける工程の一例を示し、(a)は簡易フェルールユニットのフランジ側から光ファイバを挿入する直前の状態を示す一部切欠断面図、(b)は簡易フェルールユニットのフランジ側から光ファイバを挿入した後に、フェルール側横孔に接着剤を充填した状態を示す一部切欠断面図、(c)はフランジ側にブーツを装着した状態を示す一部切欠断面図である。 光コネクタにケーブルクランプユニットを接続した状態の一例を示す一部切欠断面図である。 スリーブに割りスリーブを挿入する前の状態の一部切欠断面図である。 簡易レセプタクルとして組立てた状態の一部切欠断面図である。
符号の説明
P 光ファイバ
a 瞬間接着剤
1 簡易フェルールユニット
2 フェルール
2A 中心細孔(ファイバ孔)
3 フランジ
4 フェルール挿入孔
5 中心細孔(ファイバ孔)
6 フェルール側横孔
7 掛架溝部
8 ブーツ

Claims (2)

  1. 被覆を除去した光ファイバのカット端面部分が挿入されて接着剤により固定可能とした中心細孔を有するフェルールを備えた光コネクタの光ファイバ固定機構であって、該フェルールの中心細孔に光ファイバを挿入した状態でフェルールの外周面から接着剤を注入可能とするようフェルールの外周面から中心細孔に達する接着剤注入用のフェルール側横孔を設けたことを特徴とする光コネクタの光ファイバ固定機構。
  2. 前記フェルール側横孔は、外周面から内端部に行くに従って内径が次第に細くなるテーパ状の孔によって形成されている請求項1記載の光コネクタの光ファイバ固定機構。
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