JP3157558B2 - 光コネクタ用フェルール - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、光ファイバ同士を接続
する際に使用される光コネクタ用フェルールに関する。

【従来の技術】

【０００２】データ伝送媒体として使用される光ファイ
バの接続用コネクタにおいては、接続される光ファイバ
端部をフェルールに挿入して取り付け、このフェルール
同士を当接させて光ファイバの先端端面を当接接続させ
るようになっている。このような光コネクタでは、光フ
ァイバがフェルールから抜けないように固定する必要が
ある。その固定方法としては、接着剤を用いて各部材を
接着する方法、フェルール上からその半径方向にカシメ
る方法（特開昭５７−１３８６１１号公報参照）等があ
る。

【０００３】また、特開平３−１６７５０６号公報に
は、長手方向貫通孔を有したアウターフェルールと、光
ファイバを保持してこの貫通孔内に圧入されるインナー
フェルールとからフェルールを構成し、インナーフェル
ールに圧入方向後端から前端に向かって軸方向に延びる
スリットを設けたものが提案されている。このフェルー
ルを用いれば、インナーフェルールをアウターフェルー
ルに圧入したときに、スリットがあるためにインナーフ
ェルールが径方向内方に変形し、圧入力が光ファイバの
挟持力として作用するので、接着、カシメ等を行うこと
なく光ファイバの固定を行うことができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ここで、接着剤による
方法では、接着剤の硬化にかなりの時間を要するため、
多数の光コネクタを生産するについては生産性があまり
良くないという問題がある。また、カシメによる方法で
は、カシメ量（力）を適正に設定しないと光ファイバが
変形したりスリーブから容易に抜けてしまう等、カシメ
量の設定が難しいという問題がある。特に、人手により
多数の光コネクタについてカシメを行う場合には、それ
らの全てを均一にカシメるためには、作業の慎重を要し
作業性が悪い。

【０００５】一方、インナーフェルールにスリットを設
ける方法の場合には、このような問題は生じないのであ
るが、インナーフェルールによる光ファイバの挟持力に
バラツキがでやすく、光ファイバの挟持が不安定となり
やすいという問題がある。特に、インナーフェルールを
アウターフェルールに圧入したときに、インナーフェル
ールの変形にともなってスリット面同士が当接してそれ
以上の変形を阻止し、十分な光ファイバ挟持力が得られ
ないことがあるという問題がある。本発明はこのような
問題に鑑みてなされたものであり、接着、カシメ等を必
要とせず、容易かつ確実に光ファイバをフェルールによ
り挟持、固定することができるようにした光コネクタ用
フェルールを提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の光コネクタ用フェルールは、長手方向に
延びる貫通孔を備えたアウターフェルールと、中心軸に
沿って貫通形成された挿入孔内に光ファイバを挿入させ
て前記貫通孔に圧入されるインナーフェルールとから構
成され、インナーフェルールはその挿入孔を通って径方
向に貫通するとともに軸方向に延びて形成されたスリッ
トを有している。そして、この挿入孔に光ファイバを挿
入させた状態でインナーフェルールをアウターフェルー
ルの貫通孔内に圧入したときに、スリットが形成された
部分がこの圧入力を受けて光ファイバを挟持するように
なっており、且つ、このときスリットを形成する対向ス
リット面が相互に非接触状態となるように構成されてい
る。さらに、光ファイバはファイバ素線を被覆部材が覆
って形成されたファイバ芯線から構成され、インナーフ
ェルールの挿入孔を、先端部においてファイバ素線が露
出した状態でこの光ファイバを受容するように、素線受
容孔と芯線受容孔とから形成し、インナーフェルールに
は、素線受容孔を通って径方向に貫通する第１スリット
と、芯線受容孔を通って径方向に貫通する第２スリット
とを形成している。

【０００７】なお、インナーフェルールは角柱状でも円
筒状でも良い（このとき、アウターフェルールの貫通孔
もこれに対応した形状となる）のであるが、これを円筒
状に形成する場合には、インナーフェルールにおけるス
リットが形成された部分の横断面形状を、挿入孔を要と
して広がり互いに対向する一対の扇形にするのが好まし
い。

【０００８】このような構成の光コネクタ用フェルール
では、インナーフェルールはその挿入孔に光ファイバを
挿入させた状態でアウターフェルールの貫通孔内に圧入
される。このため、スリットが形成された部分がこの圧
入力を受けて光ファイバを挟持するのであるが、このと
きスリットを形成する対向スリット面が相互に非接触状
態となるように構成されているので、上記圧入により生
じた圧縮力の全てが、光ファイバの挟持力として集中的
に作用する。これにより、光ファイバはフェルールにし
っかり挟持されて固定される。さらに、インナーフェル
ールの挿入孔を素線受容孔と芯線受容孔とから形成する
とともにこれら受容孔をそれぞれ貫通する第１スリット
および第２スリットを形成しており、このインナーフェ
ルールを貫通孔に圧入すれば、素線受容孔において光フ
ァイバ素線が挟持されるとともに芯線受容孔において光
ファイバ芯線が挟持される、すなわち、光ファイバ素線
と芯線とがそれぞれ独立してしっかりと固定保持され
る。

【０００９】

【実施例】以下、本発明の好ましい実施例について図面
を参照しながら説明する。まず、図１には、本発明に係
る光コネクタ用フェルール１を示す。このフェルール１
は、先端に向かって径が小さくなる段付円柱状に形成さ
れたアウターフェルール２と、光ファイバ５を保持して
アウターフェルール２に圧入されるインナーフェルール
３とから構成されている。

【００１０】アウターフェルール２は図２にその側面断
面を示すように、樹脂製アウタ部材２１と、金属製チュ
ーブ２２とから構成されている。アウタ部材２１内に
は、その先端部付近から後端付近まで長手方向に延びる
圧入孔２ａが形成されている。この圧入孔２ａの先方に
は、長手方向に延び、かつ圧入孔２ａ側に開くロウト状
部分を有するガイド孔２ｂが形成されている。このガイ
ド孔２ｂの先端はアウタ部材２１の先端面において開口
している。また、圧入孔２ａの後方にはその圧入孔２ａ
よりも大きな径を有して後端面において開口する位置決
め孔２ｃが形成されている。さらに、圧入孔２ａ内には
上記チューブ２２が圧入されている。

【００１１】インナーフェルール３は、樹脂により成形
される。このインナーフェルール３は、図３および図４
に示すようにほぼ円筒状の長手形状をしており、比較的
小径で先端側に位置する圧入部３１と、大径フランジ状
で中央に位置する位置決め部３２と、小径で後端側に位
置するエンド部３３とから形成されている。圧入部３１
の外周面には２箇所の円周溝３１ｃ，３１ｃが形成され
て、圧入部３１の外周面は第１および第２圧入外周面３
１ａ，３１ｂに分割されている。また、圧入部３１の先
端にはテーパ部を有して先細りとなったガイド部３１ｃ
が形成されている。

【００１２】このインナーフェルール３には、その中心
軸に沿って長手方向に貫通する挿入孔３５が形成されて
いる。但し、この挿入孔３５は、先端側に位置する小径
の素線受容孔３５ａと、後端側に位置する大径の芯線受
容孔３５ｂとからなる。さらに、図３の矢印Ａ−Ａに沿
った断面を示す図６（Ａ）に示すように、素線受容孔３
５ａを通って径方向に貫通するとともに軸方向に延びた
第１スリット３６と、図３の矢印Ｂ−Ｂに沿った断面を
示す図６（Ｂ）に示すように、芯線受容孔３５ｂを通っ
て径方向に貫通するとともに軸方向に延びた第２スリッ
ト３７とがインナーフェルール３に形成されている。図
６に示すように、これら第１および第２スリット３６，
３７はともに、中心部から外方に広がるように形成され
ている。このため、これらスリット３６，３７が形成さ
れた部分の横断面形状はそれぞれ素線受容孔３５ａ，芯
線受容孔３５ｂを要とする一対の扇形をしており、その
スリット面３６ａ，３７ａは相互に離れて対向する。

【００１３】光ファイバ５は、図５に示すように、中央
に光信号が流れる光ファイバ素線５ａを有するととも
に、この素線５ａを被覆して芯線５ｂが形成されてい
る。この光ファイバ５は、先端部において素線５ａが露
出した状態で（図５に示すような状態で）フェルール１
に取り付けられる。この取付に際しては、まず、光ファ
イバ５の先端をインナーフェルール３の挿入孔３５内に
インナーフェルール３の後端側から挿入する。これによ
り、先端部において露出した光ファイバ素線５ａは図６
（Ａ）に示すように素線受容孔３５ａ内に入り込むとと
もにその先端がインナーフェルール３の先端面から突出
し（図７参照）、光ファイバ芯線５ｂは図６（Ｂ）に示
すように芯線受容孔３５ｂ内に入り込む。

【００１４】次に、このようにして光ファイバ５の先端
部を挿入孔３５内に受容した状態のインナーフェルール
３を、アウターフェルール２の金属製チューブ２２の圧
入孔２２ａ（図２参照）内に、図７に示すように圧入す
る。このとき、インナーフェルール３のアウターフェル
ール２に対する圧入深さの位置決めは、インナーフェル
ール３の位置決め部３２の先端側端面がアウターフェル
ール２の位置決め孔２ｃの端面に当接することにより行
われる。なお、上記圧入の際、インナーフェルール３の
先端から突出した光ファイバ素線５ａの先端は、アウタ
ーフェルール２に形成されたガイド孔２ｂ内に入り込む
とともにアウターフェルール２の先端外方に突出する。

【００１５】上記圧入は、インナーフェルール３の第１
および第２圧入外周面３１ａ，３１ｂが金属製チューブ
２２の圧入孔２２ａ内に圧入されて行われる。このた
め、両圧入外周面３１ａ，３１ｂには図６に矢印で示す
ように、径方向内方への圧縮力が作用する。上記のよう
に第１および第２圧入外周面３１ａ，３１ｂを有する部
分に上記第１および第２スリット３６，３７が形成され
ているため、上記圧縮力を受けてこの部分が内方に押圧
され、この部分において光ファイバ５がインナーフェル
ール３により挟持される。具体的には、素線受容孔３５
ａ内に挿入された光ファィバ素線５ａがこの部分におい
てしっかりと挟持され、芯線受容孔３５ｂに挿入された
光ファイバ芯線５ｂがこの部分においてしっかりと挟持
される。

【００１６】このように第１および第２スリット３６，
３７が形成された部分が上記圧縮力を受けて内方に変形
して光ファイバ５を挟持するのであるが、このときに、
この変形によっても相互に対向するスリット面３６ａ，
３７ａ同士は非接触状態となるようにスリット３６，３
７の大きさが設定されている。このため、圧入による圧
縮力はすべて、インナーフェルール２を介して光ファイ
バ５（素線５ａおよび芯線５ｂ）を挟持する力として作
用し、光ファイバ５を確実にフェルール１に固定保持さ
せることができる。この圧入による圧縮力の大きさは、
インナーフェルール３の第１および第２圧入外周面３１
ａ，３１ｂを金属製チューブ２２の圧入孔２２ａへ圧入
するときの圧入代を変えることにより任意に設定可能で
ある。このため、光ファイバ５の寸法、材質等に適した
所定の挟持力を設定すれば、光ファイバ５を圧縮変形さ
せることなく、且つフェルールから抜け出すこともない
ような適切な挟持力を設定することができる。

【００１７】なお、上記フェルール１のアウターフェル
ール２からの突出部分は、アウターフェルール２の先端
面に沿って切断される。こうしてフェルール１の組み立
てが完了する。

【００１８】上記実施例では、第１および第２スリット
３６，３７はともに、図６に示すように中心部から外方
に広がるように形成され、これらスリット３６，３７が
形成された部分の横断面形状はそれぞれ素線受容孔３５
ａ，芯線受容孔３５ｂを要とする一対の扇形に形成され
ていた。本発明はこのようなものに限られるものではな
く、例えば、図８に示すように、一定の間隔をおいて平
行に延びるスリット面３６ａ′，３７ａ′を有したスリ
ット３６′，３７′を形成しても良い。但し、この場合
においても、相互に対向するスリット面同士は、圧入時
の圧縮力を受けても非接触状態を保つような間隔を有す
る。また、上記実施例では、素線受容孔３５ａに対応す
る第１スリット３６と芯線受容孔３５ｂに対応する第２
スリット３７とが形成されているが、１つのスリットの
みを設けるようにしても良い。

【００１９】上記実施例では、アウターフェルール２を
樹脂製アウタ部材２１とこれに圧入された金属製チュー
ブ２２とから構成することにより、インナーフェルール
３の圧入力を金属製チューブ２２により受け止め、樹脂
製アウタ部材２１が破損しないようにしている。このよ
うな構成の場合には、同じ樹脂製アウタ部材２１に対し
て内径の異なる金属製チューブに交換することにより、
光ファイバ５の挟持力を調節したり、異なる径の光ファ
イバを取り付けたりすることができる。その一方、図９
に示すように、アウターフェルール２′を金属により一
体成形することもできる。これにより、フェルール１′
の組立において、上記実施例のようにアウタ部材２１に
対するチューブ２２の圧入という作業を不要とすること
ができる。さらに、十分な強度を得ることもできる。

【００２０】上記実施例ではインナーフェルール３は円
筒状に形成されているが、これを角柱状に形成しても良
い。但し、この場合には、このインナーフェルール３が
圧入されるアウターフェルール２の圧入孔２２ａもイン
ナーフェルール３の外形に対応させた形状にする必要が
ある。

【００２１】ところで、以上のように構成され、組み立
てられたフェルール１は、例えば、図１０および図１１
に示すように、二芯コネクタハウジング１２０に取り付
けられる。二芯コネクタハウジング１２０は、本体ハウ
ジング１２１と、カバーハウジング１２２とからなる。
本体ハウジング１２１は、二芯コネクタハウジング１２
０の下半分を形成するとともに、その先端に２つのコネ
クタ受容口１２１ａ，１２１ａを設けてなる。各コネク
タ受容口１２１ａにはフェルール１が、本体ハウジング
１２１の内方から先端方向に向けて挿入される。本体ハ
ウジング１２１に対するフェルール１の挿入位置決め
は、そのアウターフェルール２における後端の段付部分
における先端側端面がコネクタ受容口１２１ａの挿入口
周囲に当接することにより行われる。さらにアウターフ
ェルール２は、その後端段付部分の後端側端面と、本体
ハウジング１２１の内部壁との間に取り付けられたバネ
１２３により本体ハウジング１２１の先端方向に付勢さ
れる。これにより、フェルール１はコネクタ受容口１２
１ａに対して、バネ１２３の付勢力に抗しての引っ込み
移動が許容された状態で保持される。なお、本体ハウジ
ング１２１に保持された２つのフェルール１から延びる
光ファイバ５（芯線部分５ｂ）は、本体ハウジング１２
１の後端部に固定されたカバーケーブル１２５内を通っ
て本体ハウジング１２１の外部に延びている。

【００２２】カバーハウジング１２２は、本体ハウジン
グ１２１からコネクタ受容口１２１ａを除いたように形
成されており、本体ハウジング１２１にかぶせることに
より二芯コネクタハウジング１２０の上半分を形成す
る。なお、このカバーハウジング１２２は、本体ハウジ
ング１２１に対してネジ１２６により固定される。ま
た、このカバーハウジング１２の先端中央部（２つのコ
ネクタ受容口１２１ａ，１２１ａに挟まれる位置）には
弾性係止部１２２ａが設けられている。この弾性係止部
１２２ａは、本二芯コネクタハウジング１２０を相手側
の二芯コネクタハウジング（図示せず）に接続するとき
に、その弾性力を用いてこれらコネクタハウジングをし
っかり係止させる。

【００２３】このように本二芯コネクタハウジング１２
０を相手側の二芯コネクタハウジングに接続することに
より、本二芯コネクタハウジング１２０側のフェルール
１における各アウターフェルール２と相手側の光コネク
タのアウターフェルールの先端面同士を突合せて当接さ
せることができる。その当接力はフェルール１のコネク
タ受容口１２１ａに対する引っ込み移動により自動的に
適当に調節される。こうして２本の光ファイバ間の突合
せ接続が行われるのである。

【００２４】

【発明の効果】以上のように本発明の光コネクタ用フェ
ルールでは、インナーフェルールはその挿入孔を通って
径方向に貫通するとともに軸方向に延びて形成されたス
リットを有しており、この挿入孔に光ファイバを挿入さ
せた状態でインナーフェルールをアウターフェルールの
貫通孔内に圧入したときに、スリットが形成された部分
がこの圧入力を受けて光ファイバを挟持するようになっ
ている。このときスリットを形成する対向スリット面が
相互に非接触状態となるように構成されているので、上
記圧入により生じた圧縮力の全てが、光ファイバの挟持
力として集中的に作用し、光ファイバをフェルールにし
っかり挟持、固定させることができる。

【００２５】特に本発明では、光ファイバはファイバ素
線を被覆部材が覆って形成されたファイバ芯線から構成
され、インナーフェルールの挿入孔を、先端部において
ファイバ素線が露出した状態でこの光ファイバを受容す
るように、素線受容孔と芯線受容孔とから形成し、イン
ナーフェルールには、素線受容孔を通って径方向に貫通
する第１スリットと、芯線受容孔を通って径方向に貫通
する第２スリットとを形成しているので、上記圧入時の
圧縮力を素線受容孔内の光ファイバ素線と芯線受容孔内
の光ファイバ芯線とに集中して且つそれぞれ独立して作
用させることができ、光ファイバ素線および芯線をとも
にしっかりと挟持、固定させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る光コネクタ用フェルールの斜視図
である。

【図２】上記光コネクタ用フェルールを構成するアウタ
ーフェルールの側面断面図である。

【図３】上記光コネクタ用フェルールを構成するインナ
ーフェルールの側面図である。

【図４】上記光コネクタ用フェルールを構成するインナ
ーフェルールの断面図である。

【図５】上記光コネクタ用フェルールが取り付けられる
光ファイバの側面図である。

【図６】図３における矢印Ａ−ＡおよびＢ−Ｂに沿った
インナーフェルールの断面図である。

【図７】上記光ファイバが取り付けられた状態の上記光
コネクタ用フェルールの断面図である。

【図８】インナーフェルールの異なる例を示す断面図で
ある。

【図９】光ファイバが取り付けられた光コネクタ用フェ
ルールの異なる例を示す断面図である。

【図１０】上記光コネクタ用フェルールを用いた二芯コ
ネクタハウジングの平面図（一部断面図）である。

【図１１】上記二芯コネクタハウジングの側面図であ
る。

【符号の説明】

１，１′ 光コネクタ用フェルール ２，２′ アウターフェルール ２１ 樹脂製アウタ部材 ２２ 金属製チューブ ３ インナーフェルール ３１ 圧入部 ３５ａ 素線受容孔 ３５ｂ 芯線受容孔 １２０ 二芯コネクタハウジング

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 長手方向に延びる貫通孔を備えたアウタ
   ーフェルールと、中心軸に沿って貫通形成された挿入孔
   内に光ファイバを挿入させて前記貫通孔に圧入されるイ
   ンナーフェルールとからなる光コネクタ用フェルールに
   おいて、 前記インナーフェルールは、前記挿入孔を通って径方向
   に貫通するとともに軸方向に延びて形成されたスリット
   を有し、前記挿入孔に前記光ファイバを挿入させた前記
   インナーフェルールを前記アウターフェルールの貫通孔
   内に圧入したときに、前記スリットが形成された部分が
   この圧入力を受けて前記光ファイバを挟持するようにな
   っており、且つ、このとき前記スリットを形成する対向
   スリット面が相互に非接触状態となるように構成し、 前記光ファイバがファイバ素線を被覆部材が覆って形成
   されたファイバ芯線から構成されており、前記インナー
   フェルールの挿入孔は、先端部において前記ファイバ素
   線が露出した状態の光ファイバを受容するように、素線
   受容孔と芯線受容孔とからなり、 前記インナーフェルールには、前記素線受容孔を通って
   径方向に貫通する第１スリットと、前記芯線受容孔を通
   って径方向に貫通する第２スリットとが形成されている
   ことを特徴とする光コネクタ用フェルール。
2. 【請求項２】 前記インナーフェルールが円筒状に形成
   されており、このインナーフェルールの前記スリットが
   形成された部分の横断面形状が、前記挿入孔を要として
   広がり互いに対向する一対の扇形をしていることを特徴
   とする請求項１に記載の光コネクタ用フェルール。