JP2008016210A - 二次電池及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 大きな放電容量を実現できるとともに、充放電時の負極の膨張収縮にともなって二次電池の各部材に加わる応力を緩和することによって構造破壊を抑制し、初期容量およびサイクル特性を向上させた二次電池を提供すること。
【解決手段】 負極活物質層1b中に活物質としてリチウムの単体、ケイ素やスズの単体及びその化合物などのエネルギー容量の大きな物質が含まれるリチウムイオン二次電池を作製する。この際、負極1と正極2とが対向し合う充放電領域4に位置するセパレータの厚さをT1、非充放電領域5に位置するセパレータの厚さをT2とするとき、T1 ≦ 0.90T2であるようにする。この主旨は、予めセパレータに加工を施し、充放電領域4の負極1の上部に空隙部6を形成しておき、充電時に膨張する負極1を収容するか、または、圧縮されやすい材料からなるセパレータの圧縮によって、膨張する負極1を収容する領域を生み出すということである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池などの二次電池及びその製造方法に関するものであり、詳しくは、セパレータによる初回放電容量および充放電サイクル特性の改善に関するものである。
近年、モバイル機器は高性能化および多機能化されてきており、これらに伴い、モバイル機器に電源として用いられる二次電池にも、小型化、軽量化および薄型化が要求され、高容量化が求められている。
この要求に応え得る二次電池としてリチウムイオン二次電池がある。リチウムイオン二次電池の電池特性は、用いられる電極活物質などによって大きく変化する。現在実用化されている代表的なリチウムイオン二次電池では、正極活物質としてコバルト酸リチウムが用いられ、負極活物質として黒鉛が用いられているが、このように構成されたリチウムイオン二次電池の電池容量は理論容量に近づいており、今後の改良で大幅に高容量化することは難しい。
そこで、充電の際にリチウムと合金化するケイ素やスズなどを負極活物質として用いて、リチウムイオン二次電池の大幅な高容量化を実現することが検討されている。しかし、ケイ素やスズなどを負極活物質として用いた場合、充電および放電に伴う膨張および収縮が大きいため、充放電に伴う膨張収縮によって活物質が微粉化したり、集電体から脱落したりして、サイクル特性が低下するという問題がある。
これに対し、近年、気相法などによってケイ素などの負極活物質層を負極集電体に積層して形成した負極が提案されている(例えば、特開平8−50922号公報、特許第2948205号公報、および特開平11−135115号公報)。このようにすれば、負極活物質層と負極集電体とを一体化し、充放電に伴う膨張収縮によって活物質が細分化されることを抑制できるとされている。また、負極における電子伝導性を向上させる効果も得られる。
また、後述の特許文献1〜3には、リチウムイオン二次電池などにおいて負極と正極との接触を防止するために用いられるセパレータに関し、電池性能の向上のために好適なセパレータの材質や厚さ、セパレータに形成されている空孔の孔径や空隙率、およびセパレータに含有させる絶縁性フィラーについて、提案がなされている。
特開2000−11984号公報(第3頁) 特開2000−195491号公報(第3及び4頁、図1) 特開2001−23602号公報(第2及び3頁)
しかしながら、リチウムイオン二次電池などにおいては、上記のように負極活物質層と負極集電体とを一体化した二次電池も含めて、充放電にともなう負極の膨張収縮が激しいことから、電池を組み立てた後に行う最初の充放電、もしくは充放電の繰り返しによって、電池内部の部材に不均一な圧力が加わり、電極の部分的な亀裂や断裂が発生すること、或いはその他の部材の変形や挫屈が発生すること等により、電池の変形、充放電サイクルの繰り返しにともなう容量の低下、負荷特性の低下、および安全性の低化等が生じる。
また、特許文献1〜3では、セパレータについて種々の提案はなされているものの、負極の膨張収縮にともなって電池内部の部材に加わる応力を緩和するのに有効な提案は、なされていない。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、大きな放電容量を実現できるとともに、充放電時の負極の膨張収縮にともなって二次電池の各部材に加わる応力を緩和することによって構造破壊を抑制し、初期容量およびサイクル特性を向上させた二次電池を提供することにある。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、充放電時の負極の膨張収縮にともなって生じる電池の劣化は、負極と正極との接触を防止するために従来から用いられてきたセパレータの形状、およびそれに関わる二次電池の組み立て方を工夫することによって、大きく抑制できることを発見し、本発明を完成させるに到った。
即ち、本発明は、正極、電解質、負極、および前記正極と前記負極との接触を防止するセパレータを備え、前記負極を構成する負極活物質層中に、リチウムの単体、ケイ素の単体及びその化合物、並びにスズの単体及びその化合物のうちの1種以上が負極活物質として含まれている二次電池において、
前記正極と前記負極とが対向し合い、充放電反応が実質的に行なわれる領域に位置す るセパレータの厚さをT1、充放電反応が実質的に行なわれない領域に位置するセパレ ータの厚さをT2とするとき、
1/T2 ≦ 0.90
である
ことを特徴とする、二次電池に係るものである。
また、前記二次電池の製造方法であって、前記正極と前記負極とが対向し、充放電反応が実質的に行なわれる領域に位置するセパレータ材料の厚さを、前記充放電反応が実質的に行なわれない領域に位置するセパレータ材料の厚さより小さくしたセパレータを形成する工程と、このセパレータを前記正極と前記負極との間に配置する工程とを有する、二次電池の第1の製造方法に係り、また、前記二次電池の製造方法であって、セパレータ材料として厚さが実質的に一定の材料を用い請求項1〜9のいずれか1項に記載した二次電池の製造方法であって、セパレータ材料として、厚さが実質的に一定であるが、前記負極の膨張によって容易に圧縮される材料を用いる、二次電池の第2の製造方法に係わるものである。
上述したように、本発明者は、負極と正極との接触を防止するために従来から用いられてきたセパレータの形状、およびそれに関わる二次電池の組み立て方を工夫して、前記正極と前記負極とが対向し合い、充放電反応が実質的に行なわれる領域に位置するセパレータの厚さT1と、前記充放電反応が実質的に行なわれない領域に位置するセパレータの厚さT2とが、
1/T2 ≦ 0.90
の関係を満たすようにすれば、充放電時の負極の膨張収縮にともなって生じる電池の劣化は大きく抑制されることを発見した。
上記の関係式の主旨は、前記正極と前記負極とが対向し合い、充放電反応が実質的に行なわれる領域に位置するセパレータに予め加工を施し、前記正極と前記負極とが対向し合う位置に十分な大きさの空隙部を形成しておくこと、或いは、セパレータに十分な圧縮性をもたせること等によって、充電時に増加する負極の体積の逃げ場となる領域を確保するということである。この際、T1/T2 ≦ 0.90であれば効果が高く、負極の膨張の度合いにもよるが、T1/T2 ≦ 0.88であればより好ましく、T1/T2 ≦ 0.85であれば更に好ましい。
本発明の二次電池によれば、充電時に増加する負極の体積を収容する上記領域が確保されているため、負極の体積が膨張しても電池の各部材に加わる応力は上記領域によって緩和され、各部材の構造破壊が抑えられ、初期容量およびサイクル特性が向上する。この結果、前記負極活物質として前記ケイ素の単体及びその化合物、並びに前記スズの単体及びその化合物のうちの1種以上を用いることが可能になり、二次電池の高容量化を実現することができる。
また、本発明の二次電池の第1の製造方法によれば、前記正極と前記負極とが対向し、充放電反応が実質的に行なわれる領域に位置するセパレータ材料の厚さを、前記充放電反応が実質的に行なわれない領域に位置するセパレータ材料の厚さより小さくしたセパレータを形成する工程を有するので、二次電池を組み立てた時点で、前記充放電反応が実質的に行なわれる領域に位置する前記負極活物質層に面して、充電時に増加する負極の体積を収容する上記領域として機能する上記空隙部が形成される。
また、本発明の二次電池の第2の製造方法によれば、セパレータ材料として厚さが実質的に一定の材料を用いるものの、前記負極の膨張によって容易に圧縮される材料によって前記セパレ−タを形成する。このため、前記セパレータが圧縮される余地が大きい。この結果、前記セパレータ材料は、充電時の負極の体積膨張によって容易に圧縮され、膨張する負極の体積のを収容する上記領域を生み出すことができる。
本発明の二次電池は、前記第1の製造方法及び前記第2の製造方法のいずれの方法によっても確実に製造することができる。但し、前記第1の製造方法には、前記セパレ−タを成形する工程が必要であるものの、前記セパレータ材料として、例えば硬度の高いものなど、広い範囲の材料を選択できる利点がある。前記第2の製造方法には、前記負極の膨張によって容易に圧縮される材料によって前記セパレ−タを形成する必要があるものの、前記セパレ−タを成形する工程が不要であり、製造工程が簡易になる利点がある。
なお、本発明は、前記負極を構成する負極活物質層中に、リチウムの単体、ケイ素の単体及びその化合物、並びにスズの単体及びその化合物のうちの1種以上が負極活物質として含まれている場合に有効である。例えば、現在普及しているカーボン材料を負極活物質として用いた場合、充放電にともなう負極の体積変化が小さいので、本発明に記載した前記セパレ−タを用いても、電極の亀裂や断裂の発生の防止、およびサイクル特性の向上等に関して、大きな効果は得られない。
本発明の二次電池において、
0.55 ≦ T1/T2 ≦ 0.90
であるのがよい。1枚のセパレータ3の中で位置によって大き過ぎる厚さの差がある場合、負極1とセパレータ3との間の空隙部6が大きすぎるためか、負極1の膨張収縮とは異なる原因で電池の変形が発生することが確認されており、
0.55 ≦ T1/T2
であることが好ましい。
また、前記充放電反応が実質的に行なわれる領域に位置するセパレータの厚さT1が、前記充放電反応が実質的に行なわれない領域に位置するセパレータの厚さT2より、予め小さくなっているのがよい。
また、前記充放電反応が実質的に行なわれる領域に位置するセパレータの空隙率が25%以上であるのがよい。
また、前記セパレータがポリエチレン又は/及びポリプロピレンを主成分とする微多孔膜であるのがよい。
また、前記セパレータ表面に、前記セパレータの中心部をなす材料とは異なる材料からなる高分子層が存在するのがよい。前記高分子層が、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリエーテル、アクリル酸樹脂、及びフッ素樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種の材料からなるのがよい。
また、前記セパレータの内部又は/及び表面に、ガラス材料又は/及びセラミックス材料からなるスペーサを含有するのがよい。
前記スペーサが、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、及び酸化ジルコニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種の材料からなるのがよい。
本発明の二次電池の第1の製造方法において、前記充放電反応が実質的に行なわれる領域に位置する前記セパレータ材料の厚さをプレス加工によって小さくするのがよい。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
実施の形態1
実施の形態1では、主として、請求項1に記載した二次電池および請求項10に記載した二次電池の製造方法に係わる例として、リチウムイオン二次電池として構成された二次電池およびその製造方法について説明する。
図1は、実施の形態1に基づくリチウムイオン二次電池の電気化学部の構成を示す部分断面図である。図1(a)は電池を組み立てる前の各部材を示し、図1(b)は電池を組み立てた時点での状態を示し、図1(c)は、組み立て後に電池を充電した時点での状態を示している。
図1に示すように、この二次電池では負極1と正極2とがセパレータ3を介して対向するように配置されているが、負極1は正極2に比べ幾分か大きめに作られている。これは、充電時に正極2側から負極1側へ移動したリチウムイオンが、負極1以外の領域で還元され、そこに金属リチウムとして析出し、放電容量の低下や短絡等の事故を生じさせることを防止するためである。
この結果、正極2は全領域が充放電に関与するが、負極1およびセパレータ3には、正極2の正面に位置し、充放電が実質的に行われる領域(以下、充放電領域と略記することがある。)4と、正極2の正面から外れた位置に位置し、充放電が実質的に行われない領域(以下、非充放電領域と略記することがある。)5とが生じることになる。図1(C)に示すように、正極2の正面に位置し、充放電領域4にある負極活物質1bは、充電時にリチウムと反応してこれを取り込み、体積が大きく膨張する。
従来のリチウムイオン二次電池では、負極活物質1bにセパレータ3が密着しているため、膨張した負極活物質1bの体積の逃げ場がなく、膨張した負極活物質1bが周囲の部材を圧迫し、周囲の部材に大きな応力を発生させる。
これに対し、本実施の形態に基づくリチウムイオン二次電池では、図1(a)に示すように、充放電領域4に位置するセパレータ3の厚さT1が、非充放電領域5に位置するセパレータ3の厚さT2よりも、例えばプレス加工などによって、予め薄く形成されている。従って、図1(b)に示すように、電池を組み立てた時点では、充放電領域4に位置する負極活物質1bの上部には空隙部6が存在している。このため、図1(c)に示すように、充電時に膨張する負極活物質1bの体積は、空隙部6に逃げることができる。この結果、リチウムイオン二次電池10では、充放電時の負極活物質1bの膨張収縮にともなって電池の各部材に加わる応力が緩和され、各部材の構造破壊が抑えられ、初期容量およびサイクル特性が向上する。
後述する実施の形態2のように、厚さが一定であるが、負極の膨張によって容易に圧縮される材料によってセパレータを形成する場合に比べて、本実施の形態による製造方法では、セパレ−タ3の一部の領域の厚さを薄くする工程が必要であるものの、セパレータ3の材料として、例えば硬度の高い材料など、広い範囲の材料から選択できる利点がある。セパレータ3の材料としては、負極1と正極2との短絡を防止し、電解液を適切に保持できる材質および構造のものであれば、有機材料と無機材料の別を問わず、限定されることなく、用いることができる。
セパレータ3は、負極1と正極2の短絡を防止する一方、適量の電解液を保持する性能を有する必要がある。このため、充放電領域4に位置するセパレ−タ3において、空隙率が25%以上であるように作製されることが好ましい。電池の実使用時の電流値、およびセパレ−タ3の空孔構造等の特性や厚さなどにもよるが、空隙率が25%以下になると、一般的に負荷特性の低下が無視できず、大きな放電電流を取り出す時に十分な容量を取り出すことが難しくなるからである。後述する実施例でも、その傾向が確認された。
上記したように、セパレータ3の特徴は、形状による効果を有する点にあるが、ポリエチレンまたはポリプロピレンを主体とする微多孔膜を用いるのが好ましいことが、これまでの研究で判明している。この理由は、これらの材料は、電解液との反応性が低く、膨潤しにくく、機械的強度が保てるなど、耐薬品性に優れるとともに、機械的強度や柔軟性もほどよく有しており、電極間の絶縁性を保ちつつ、十分な量の電解液を空孔内に保持して、良好な電池特性を実現できる材料であるからである。従って、セパレータ3の材料は、特に限定されるものではないが、ポリエチレンおよびポリプロピレンを主体としたものが好ましく、両者を混合した組成のもの、あるいはポリエチレン層とポリプロピレン層を多層化した構造のものを用いてもよい。
但し、セパレータ3の本来の最も重要な役割は、負極1と正極2との短絡を防止することである。本実施の形態のように、充放電領域4に位置するセパレ−タ3が十分に圧縮されることを期待する場合には、長期間の充放電サイクルの繰り返しや、高温保存等の周囲環境によっては、充放電領域4において負極1と正極2とが短絡を起こす可能性もあり、その場合にはこれを未然に防止する対策をとる必要がある。例えば、極めて空隙率の大きいセパレ−タ材料を用いたり、あるいはセパレータ3の厚さの変化が充放電にともなう内部応力に任されたりする場合である。
このような場合、セパレータ3の内部又は/及び表面に、絶縁性のガラス材料又は/及びセラミックス材料からなるスペーサを含有させるのがよい。このようにすれば、セパレ−タ3の強度を向上させ、負極1と正極2との短絡を防止することができる。スペーサの材料は、特に限定されるものではないが、例えば、化学的安定性、絶縁性、および入手の容易さ等から、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、およびチタン酸バリウムからなる群から選ばれた少なくとも1種の材料からなることが好ましい。
図2は、実施の形態1の変形例に基づくリチウムイオン二次電池の電気化学部の構成を示す部分断面図である。
図2(a)は、セパレータ7の表面部に、セパレータ7の中心部をなすセパレータ7aの材料とは異なる材料からなる高分子層をセパレータ7bとして形成した例である。本実施の形態では、充放電領域4に位置するセパレ−タと非充放電領域5に位置するセパレ−タとの間に厚さの差があるということが本質的であるので、セパレータ7aの厚さの変化が大きく、セパレータ7bの厚さの変化が小さい構成でもよいし、セパレータ7aの厚さの変化が小さく、セパレータ7bの厚さの変化が大きい構成でもよい。
セパレータ7aは、ポリエチレンまたはポリプロピレンを主成分とする材料からなるのがよい。セパレータ7bを構成する高分子材料は、特に限定されるものではないが、例えば接着性や耐酸化還元性の観点から、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリエーテル、アクリル酸樹脂、及びフッ素樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種の材料からなるのがよい。セパレータ7bは、セパレータ7aの表裏両面、もしくはいずれか一方の面に設けられるのがよく、セパレータ7aに内包されていてもよい。なお、セパレータ7bはセパレ−タ7の一部であり、これまで一般的に報告されている、充放電にともない電極表面に形成される高分子状皮膜とは異なり、充放電領域4以外の非充放電領域5にも設けられる。
図2(b)は、負極1側ばかりでなく正極2側にも凹部を形成し、充放電領域4の厚さを減少させたセパレータ8の例である。二次電池10では、正極2でも、正極活物質層2bが形成されている領域(充放電領域4)と、活物質層2bがなく正極集電体2aのみの領域(非充放電領域5)とでは、厚さに違いがある。充電時の負極1の膨張によってセパレータが押しつぶされる場合、圧力は電池内部全体に加わることになるので、領域によって厚さの異なる正極2に押しつけられたセパレータ3の表面にも、正極2の厚さの違いに対応して凹凸が形成される。この結果、均一な厚さのセパレータを充電時の負極膨張による圧力で押しつぶした場合、セパレータは充放電領域4において両側から押しつぶされた形状になることが多い。また、図1に示した片面をプレス加工などで押しつぶしたセパレータ3の場合でも、(図1(c)にはそこまで示していないが、)最終的には両側から押しつぶされた形状になることが多い。図2(b)に示したセパレータ8は、そのような実例をふまえて、負極1側ばかりでなく正極2側にも凹部を形成した例である。
本実施の形態に基づく二次電池の構造は特に限定されるものではなく、電極1および2をセパレ−タ3を挟んで積層したスタック型や、長尺形状の電極1および2をセパレ−タ3を介して巻回した巻回型や、その他の構造にも応用可能である。特に巻回型では、負極1の体積変化による内部応力が巻回体の内側と外側で異なること、負極1の体積変化にともなって正極2やセパレ−タ3が追随変形することが困難であること等の理由により、本発明の効果が著しい。
上記二次電池の形状は、現在ノートPC(Personal Computer)等によく用いられている円筒型や、携帯電話等に主に用いられている角型(角筒型)、それ以外の形状にも特に限定されず適応可能である。但し、負極1の体積変化が電池の厚み増に影響を及ぼしやすい角型や実質的な角型で、特に効果が高い。
上記二次電池の外装材としては、従来のアルミ缶、ステンレス鋼缶、ラミネートフィルム、その他のいずれも用いることができるが、より強度が高く、電池の体積変化を押さえ込むことが可能な、鉄を主体とする外装缶を用いることがより好ましい。但し、これは活物質層中のケイ素やスズの含有量等による負極1の膨張収縮の度合いに依存し、外装材が特に限定されるものではない。
図3は、本実施の形態に基づくリチウムイオン二次電池の構成の一例を示す斜視図(A)および断面図(B)である。図3に示すように、二次電池10は角型の電池であり、電極巻回体19が電池缶13の内部に収容され、電解液が電池缶13に注入されている。電池缶13の開口部は、電池蓋14により封口されている。電極巻回体19は、帯状の負極1と帯状の正極2とをセパレータ(および電解質層)3を間に挟んで対向させ、長手方向に巻回したものである。負極1から引き出された負極リード端子11は電池缶13に接続され、電池缶13が負極端子を兼ねている。正極2から引き出された正極リード端子12は正極端子15に接続されている。
電池缶13および電池蓋14の材料としては、鉄やアルミニウムなどを用いることができる。但し、アルミニウムからなる電池缶13および電池蓋14を用いる場合には、リチウムとアルミニウムとの反応を防止するために、正極リード端子12を電池缶13と溶接し、負極リード端子11を端子ピン15と接続する構造とする方が好ましい。
図4は、本実施の形態に基づくリチウムイオン二次電池の別の構成を示す分解斜視図である。図4に示すように、二次電池20はラミネート型の電池であり、負極リード端子21および正極リード端子22が取り付けられた電極巻回体29が、フィルム状の外装部材25および26からなる外装ケースの内部に収容されており、小型化,軽量化および薄型化が可能となっている。
負極リード端子21および正極リード端子22は、それぞれ、外装部材25および26の内部から外部に向かい、例えば互いに同一方向に導出されている。リード端子21および22は、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、あるいはステンレスなどの金属材料によって形成されており、薄板状または網目状に成形されている。
外装部材25および26は、例えば、ナイロンフィルムとアルミニウム箔とポリエチレンフィルムとをこの順に貼り合わせたアルミラミネートフィルムである。外装部材25は矩形状に成形され、外装部材26は断面が浅い逆台形形状に成形され、外縁部が設けられている。外装部材25と外装部材26とは、それぞれの外縁部において融着、あるいは接着剤による接着によって互いに密着され、外装ケースを形成している。外装部材25および26は、例えば、ポリエチレンフィルム側が電極巻回体29と対向するように配設されている。
外装部材25および26とリード端子21および22との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム24が挿入されている。密着フィルム24は、リード端子21および22に対して密着性を有する材料、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレン、あるいは変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されている。
なお、外装部材25および26は、上述したアルミラミネートフィルムに代えて、他の構造を有するラミネートフィルム、ポリプロピレンなどの高分子フィルム、あるいは金属フィルムによって構成するようにしてもよい。
図5は、図4に5A−5A線で示した位置における電極巻回体29の断面構造を示すものである。電極巻回体29は、負極1と正極2とをセパレータ(および電解質層)3を間に挟んで対向させ、巻回したものであり、最外周部は保護テープ23によって保護されている。
スペーサ3以外の部材に関しては、従来のリチウムイオン二次電池と同様であるが、以下に詳述する。
負極1は、負極集電体1aと、負極集電体1aに設けられた負極活物質層1bとによって構成されている。
負極集電体1aは、リチウム(Li)と金属間化合物を形成しない金属材料によって形成されているのがよい。負極集電体1aがリチウムと金属間化合物を形成する材料であると、充放電に伴うリチウムとの反応によって負極集電体1aが膨張収縮する。この結果、負極集電体1aの構造破壊が起こって集電性が低下する。また、負極活物質層1bを保持する能力が低下して、負極活物質層1bが負極集電体1aから脱落しやすくなる。
リチウムと金属間化合物を形成しない金属元素としては、例えば、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、あるいはクロム(Cr)などが挙げられる。なお、本明細書において、金属材料とは、金属元素の単体だけではなく、2種以上の金属元素、あるいは1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とからなる合金も含むものとする。
また、負極集電体1aは、負極活物質層1bと合金化する金属元素を含む金属材料によって構成されているのがよい。このようであれば、合金化によって負極活物質層1bと負極集電体1aとの密着性が向上し、充放電に伴う膨張収縮によって負極活物質が細分化されることが抑制され、負極集電体1aから負極活物質層1bが脱落するのが抑えられるからである。また、負極1における電子伝導性を向上させる効果も得られる。
負極集電体1aは、単層であってもよいが、複数層によって構成されていてもよい。複数層からなる場合、負極活物質層1bと接する層がケイ素と合金化する金属材料からなり、他の層がリチウムと金属間化合物を形成しない金属材料からなるのがよい。
負極集電体1aの、負極活物質層1bが設けられる面は、粗化されていることが好ましく、例えば、負極集電体1aの表面粗さRa値が0.1μm以上であるのがよい。このようであれば、負極活物質層1bと負極集電体1aとの密着性が向上するからである。一方、Ra値は3.5μm以下、より好ましくは3.0μm以下であるのがよい。表面粗さが大きすぎると、負極活物質層1bの膨張に伴って負極集電体1aに亀裂が生じやすくなるおそれがあるからである。なお、表面粗さRaは、JIS B0601で規定されている算術平均粗さRaのことである。負極集電体1aのうち、負極活物質層1bが設けられている領域の表面粗度Raが上記の範囲内であればよい。
負極活物質層1b中には、負極活物質としてケイ素の単体及びその化合物、並びにスズの単体及びその化合物のうちの1種以上が含まれている。このうち、とくにケイ素が含まれているのがよい。ケイ素はリチウムイオンを合金化して取り込む能力、および合金化したリチウムをリチウムイオンとして再放出する能力に優れ、リチウムイオン二次電池を構成した場合、大きなエネルギー密度を実現することができる。ケイ素は、単体で含まれていても、合金で含まれていても、化合物で含まれていてもよく、それらの2種以上が混在した状態で含まれていてもよい。
負極活物質層1bは、厚さが70〜80μm程度の塗布型であっても、厚さが5〜6μm程度の薄膜型であってもよい。
塗布型である場合には、負極活物質層1bは、ケイ素の単体及びその化合物、並びにスズの単体及びその化合物のうちの1種以上からなる負極活物質微粒子と、必要に応じて、炭素材料などの導電材、およびポリイミドやポリフッ化ビニリデンなどの結着材(バインダー)とによって、負極集電体1a上に形成されている。
薄膜型である場合には、負極活物質層1bは、ケイ素の単体及びその化合物、並びにスズの単体及びその化合物のうちの1種以上からなる負極活物質層1bが、負極集電体1a上に形成されている。
この際、前記ケイ素又はスズの単体の一部又は全部が、前記負極を構成する集電体と合金化しているのがよい。既述したように、負極活物質層1bと負極集電体1aとの密着性を向上させることができるからである。具体的には、界面において負極集電体1aの構成元素が負極活物質層1bに、または負極活物質層1bの構成元素が負極集電体1aに、またはそれらが互いに拡散していることが好ましい。充放電により負極活物質層1bが膨張収縮しても、負極集電体1aからの脱落が抑制されるからである。なお、本願では、上述した元素の拡散も合金化の一形態に含める。
負極活物質層1bがスズの単体を含む場合、スズ層の上にコバルト層が積層され、積層後の加熱処理によって両者が合金化されていてもよい。このようにすると、充放電効率が高くなり、サイクル特性が向上する。この原因の詳細は不明であるが、リチウムと反応しないコバルトを含有することで、充放電反応を繰り返した場合のスズ層の構造安定性が向上するためと考えられる。
負極活物質層1bがケイ素の単体を含む場合には、リチウムと金属間化合物を形成せず、負極活物質層1b中のケイ素と合金化する金属元素として、銅、ニッケル、および鉄が挙げられる。中でも、銅を材料とすれば、十分な強度と導電性とを有する負極集電体1aが得られるので、特に好ましい。
また、負極活物質層1bを構成する元素として、酸素が含まれているのがよい。酸素は負極活物質層1bの膨張および収縮を抑制し、放電容量の低下および膨れを抑制することができるからである。負極活物質層1bに含まれる酸素の少なくとも一部は、ケイ素と結合していることが好ましく、結合の状態は一酸化ケイ素でも二酸化ケイ素でも、あるいはそれら以外の準安定状態でもよい。
負極活物質層1bにおける酸素の含有量は、3原子数%以上、45原子数%以下の範囲内であることが好ましい。酸素含有量が3原子数%よりも少ないと十分な酸素含有効果を得ることができない。また、酸素含有量が45原子数%よりも多いと電池のエネルギー容量が低下してしまうほか、負極活物質層1bの抵抗値が増大し、局所的なリチウムの挿入により膨れたり、サイクル特性が低下してしまうと考えられるからである。なお、充放電により電解液などが分解して負極活物質層1bの表面に形成される被膜は、負極活物質層1bには含めない。よって、負極活物質層1bにおける酸素含有量とは、この被膜を含めないで算出した数値である。
また、負極活物質層1bは、酸素の含有量が少ない第1層と、酸素の含有量が第1層よりも多い第2層とが交互に積層されていることが好ましく、第2層は少なくとも第1層の間に1層以上存在することが好ましい。この場合、充放電に伴う膨張および収縮を、より効果的に抑制することができるからである。例えば、第1層におけるケイ素の含有量は90原子数%以上であることが好ましく、酸素は含まれていても含まれていなくてもよいが、酸素含有量は少ない方が好ましく、全く酸素が含まれないか、または、酸素含有量が微量であるのがより好ましい。この場合、より高い放電容量を得ることができるからである。一方、第2層におけるケイ素の含有量は90原子数%以下、酸素の含有量は10原子数%以上であることが好ましい。この場合、膨張および収縮による構造破壊をより効果的に抑制することができるからである。第1層と第2層とは、負極集電体1aの側から、第1層、第2層の順で積層されていてもよいが、第2層、第1層の順で積層されていてもよく、表面は第1層でも第2層でもよい。また、酸素の含有量は、第1層と第2層との間において段階的あるいは連続的に変化していることが好ましい。酸素の含有量が急激に変化すると、リチウムイオンの拡散性が低下し、抵抗が上昇してしまう場合があるからである。
なお、負極活物質層1bは、ケイ素および酸素以外の他の1種以上の構成元素を含んでいてもよい。他の元素としては、例えば、コバルト(Co)、鉄(Fe)、スズ(Sn)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、マンガン(Mn)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、銀(Ag)、チタン(Ti)、ゲルマニウム(Ge)、ビスマス(Bi)、アンチモン(Sb)、あるいはクロム(Cr)が挙げられる。
正極2は、正極集電体2aと、正極集電体2aに設けられた正極活物質層2bとによって構成されている。
正極集電体2aは、例えば、アルミニウム,ニッケルあるいはステンレスなどの金属材料によって構成されているのがよい。
正極活物質層2bは、例えば、正極活物質として、充電時にリチウムイオンを放出することができ、かつ放電時にリチウムイオンを再吸蔵することができる材料を1種以上含んでおり、必要に応じて、炭素材料などの導電材およびポリフッ化ビニリデンなどの結着材(バインダー)を含んでいるのがよい。
リチウムイオンを放出および再吸蔵することが可能な材料としては、例えば、一般式LixMO2で表される、リチウムと遷移金属元素Mからなるリチウム遷移金属複合酸化物が好ましい。これは、リチウム遷移金属複合酸化物は、リチウムイオン二次電池を構成した場合、高い起電力を発生可能であると共に、高密度であるため、二次電池の更なる高容量化を実現することができるからである。なお、Mは1種類以上の遷移金属元素であり、例えば、コバルトおよびニッケルのうちの少なくとも一方であるのが好ましい。xは電池の充電状態(放電状態)によって異なり、通常、0.05≦x≦1.10の範囲内の値である。このようなリチウム遷移金属複合酸化物の具体例としては、LiCoO2あるいはLiNiO2などが挙げられる。
なお、正極活物質として、粒子状のリチウム遷移金属複合酸化物を用いる場合には、その粉末をそのまま用いてもよいが、粒子状のリチウム遷移金属複合酸化物の少なくとも一部に、このリチウム遷移金属複合酸化物とは組成が異なる酸化物、ハロゲン化物、リン酸塩、硫酸塩からなる群のうちの少なくとも1種を含む表面層を設けるようにしてもよい。安定性を向上させることができ、放電容量の低下をより抑制することができるからである。この場合、表面層の構成元素と、リチウム遷移金属複合酸化物の構成元素とは、互いに拡散していてもよい。
また、正極活物質層2bは、長周期型周期表における2族元素,3族元素または4族元素の単体および化合物からなる群のうちの少なくとも1種を含有することが好ましい。安定性を向上させることができ、放電容量の低下をより抑制することができるからである。2族元素としてはマグネシウム(Mg),カルシウム(Ca)あるいはストロンチウム(Sr)などが挙げられ、中でもマグネシウムが好ましい。3族元素としてはスカンジウム(Sc)あるいはイットリウム(Y)などが挙げられ、中でもイットリウムが好ましい。4族元素としてはチタンあるいはジルコニウム(Zr)が挙げられ、中でもジルコニウムが好ましい。これらの元素は、正極活物質中に固溶していてもよく、また、正極活物質の粒界に単体あるいは化合物として存在していてもよい。
セパレータ3は、負極1と正極2とを隔離し、両極の接触による電流の短絡を防止しつつ、かつ、リチウムイオンを通過させるものである。セパレータ3の材料としては、例えば、微小な空孔が多数形成された微多孔性のポリエチレンやポリプロピレンなどの薄膜がよい。
電解液は、例えば、溶媒と、この溶媒に溶解した電解質塩とで構成され、必要に応じて添加剤を含んでいてもよい。
電解液の溶媒としては、例えば、1,3−ジオキソラン−2−オン(炭酸エチレン;EC)や4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン(炭酸プロピレン;PC)などの環状炭酸エステル、および、炭酸ジメチル(DMC)や炭酸ジエチル(DEC)や炭酸エチルメチル(EMC)などの鎖状炭酸エステルなど、非水溶媒が挙げられる。溶媒はいずれか1種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いるのがよい。例えば、炭酸エチレンや炭酸プロピレンなどの高誘電率溶媒と、炭酸ジメチルや炭酸ジエチルや炭酸エチルメチルなどの低粘度溶媒とを混合して用いることにより、電解質塩に対する高い溶解性と、高いイオン伝導度とを実現することができる。
また、溶媒はスルトンを含有していてもよい。電解液の安定性が向上し、分解反応などによる電池の膨れを抑制することができるからである。スルトンとしては、環内に不飽和結合を有するものが好ましく、特に、下記に構造式を示す1,3−プロペンスルトンが好ましい。より高い効果を得ることができるからである。
Figure 2008016210
また、溶媒には、1,3−ジオキソール−2−オン(炭酸ビニレン;VC)あるいは4−ビニル−1,3−ジオキソラン−2−オン(VEC)などの不飽和結合を有する環状炭酸エステルを混合して用いることが好ましい。放電容量の低下をより抑制することができるからである。特に、VCとVECとを共に用いるようにすれば、より高い効果を得ることができるので好ましい。
更に、溶媒には、ハロゲン原子を有する炭酸エステル誘導体を混合して用いるようにしてもよい。放電容量の低下を抑制することができるからである。この場合、不飽和結合を有する環状炭酸エステルと共に混合して用いるようにすればより好ましい。より高い効果を得ることができるからである。ハロゲン原子を有する炭酸エステル誘導体は、環状化合物でも鎖状化合物でもよいが、環状化合物の方がより高い効果を得ることができるので好ましい。このような環状化合物としては、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(FEC)、4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ブロモ−1,3−ジオキソラン−2−オン、あるいは4,5−ジフルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(DFEC)などが挙げられ、中でもフッ素原子を有するDFECやFEC、特にDFECが好ましい。より高い効果を得ることができるからである。
電解液の電解質塩としては、例えば、ヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)やテトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF4)などのリチウム塩が挙げられる。電解質塩は、いずれか1種を単独で用いてもよいが、2種以上を混合して用いてもよい。
なお、電解液はそのまま用いてもよいが、高分子化合物に保持させていわゆるゲル状の電解質としてもよい。その場合、電解質はセパレータ3に含浸されていてもよく、また、セパレータ3と負極1または正極2との間に層状に存在していてもよい。高分子材料としては、例えば、フッ化ビニリデンを含む重合体が好ましい。酸化還元安定性が高いからである。また、高分子化合物としては、重合性化合物が重合されることにより形成されたものも好ましい。重合性化合物としては、例えば、アクリル酸エステルなどの単官能アクリレート、メタクリル酸エステルなどの単官能メタクリレート、ジアクリル酸エステル,あるいはトリアクリル酸エステルなどの多官能アクリレート、ジメタクリル酸エステルあるいはトリメタクリル酸エステルなどの多官能メタクリレート、アクリロニトリル、またはメタクリロニトリルなどがあり、中でも、アクリレート基あるいはメタクリレート基を有するエステルが好ましい。重合が進行しやすく、重合性化合物の反応率が高いからである。
リチウムイオン二次電池10は、例えば、次のようにして製造することができる。
まず、負極集電体1aに負極活物質層1bを形成し、負極1を作製する。
塗布型の負極活物質層1bを形成する場合には、例えば、まず、ケイ素の単体及びその化合物、並びにスズの単体及びその化合物のうちの1種以上が含まれる負極活物質を、微粒子状に粉砕し、必要に応じて導電材および結着剤(バインダー)と混合し、合剤を調製する。次に、この合剤をN−メチルピロリドン(NMP)などの分散媒に分散させてスラリー状にし、この合剤スラリーを負極集電体1aに塗布した後、分散媒を蒸発させ、圧縮成型することにより、負極1を作製する。
薄膜型の負極活物質層1bを形成する場合には、まず、負極集電体1aに、例えば、気相法、焼成法あるいは液相法により、ケイ素の単体及びその化合物、並びにスズの単体及びその化合物のうちの1種以上が含まれる負極活物質層1bを成膜する。気相法としては、例えば、物理堆積法あるいは化学堆積法が挙げられ、具体的には、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、レーザーアブレーション法、CVD法(Chemical Vapor Deposition ;化学気相成長法)、あるいは溶射法などのいずれを用いてもよい。液相法としては、例えば鍍金が挙げられる。また、それらの2つ以上の方法、更には他の方法を組み合わせて負極活物質層1bを成膜するようにしてもよい。
負極活物質層1bに酸素を含有させる場合、酸素の含有量は、例えば、負極活物質層1bを形成する際の雰囲気中に酸素を含有させたり、焼成時あるいは熱処理時の雰囲気中に酸素を含有させたり、または用いる負極活物質粒子の酸素含有量により調節する。
また、前述したように、酸素の含有量が少ない第1層と、酸素の含有量が第1層よりも多い第2層とを交互に積層して負極活物質層1bを形成する場合には、雰囲気中における酸素濃度を変化させることにより調節するようにしてもよく、また、第1層を形成したのち、その表面を酸化させることにより第2層を形成するようにしてもよい。
なお、負極活物質層1bを形成したのちに、真空雰囲気下または非酸化性雰囲気下で熱処理を行い、負極集電体1aと負極活物質層1bとの界面をより合金化させるようにしてもよい。
次に、正極集電体2aに正極活物質層2bを形成する。例えば、正極活物質と、必要に応じて導電材および結着剤(バインダー)とを混合して合剤を調製し、これをNMPなどの分散媒に分散させてスラリー状にして、この合剤スラリーを正極集電体2aに塗布した後、圧縮成型することにより正極2を形成する。
次に、負極1と正極2とをセパレータ3を間に挟んで対向させ、短辺方向を巻軸方向として巻回することにより、電極巻回体19を形成する。この際、負極1と正極2とは、負極活物質層1bと正極活物質層2bとが対向するように配置する。次に、この電極巻回体19を角型形状の電池缶13に挿入し、電池缶13の開口部に電池蓋14を溶接する。次に、電池蓋14に形成されている電解液注入口から電解液を注入した後、注入口を封止する。以上のようにして、角型形状のリチウムイオン二次電池10を組み立てる。
また、電解液を高分子化合物に保持させる場合には、ラミネートフィルムなどの外装材からなる容器に電解液とともに重合性化合物を注入し、容器内において重合性化合物を重合させることにより、電解質をゲル化する。また、電極の大きな膨張収縮に対応するために、容器として金属缶を用いてもよい。また、負極1と正極2とを巻回する前に、負極1または正極2に塗布法などによってゲル状電解質を被着させ、その後、セパレータ3を間に挟んで負極1と正極2とを巻回するようにしてもよい。
組み立て後、リチウムイオン二次電池10を充電すると、正極2からリチウムイオンが放出され、電解液を介して負極1側へ移動し、負極1において還元され、生じたリチウムは負極活物質と合金を形成し、負極1に取り込まれる。放電を行うと、負極1に取り込まれていたリチウムがリチウムイオンとして再放出され、電解液を介して正極2側へ移動し、正極2に再び吸蔵される。
この際、リチウムイオン二次電池10では、負極活物質層1b中に負極活物質としてケイ素の単体及びその化合物、並びにスズの単体及びその化合物のうちの1種以上が含まれているため、二次電池の高容量化が可能になる。
実施の形態2
実施の形態2では、主として、請求項1に記載した二次電池および請求項12に記載した二次電池の製造方法に係わる例として、リチウムイオン二次電池として構成された二次電池およびその製造方法について説明する。
図6は、実施の形態2に基づくリチウムイオン二次電池の電気化学部の構成を示す部分断面図である。図6(a)は電池を組み立てる前の各部材を示し、図6(b)は電池を組み立てた時点での状態を示し、図6(c)は、組み立て後に電池を充電した時点での状態を示している。
図1(a)に示した実施の形態1に基づくリチウムイオン二次電池では、電池組み立て前のセパレータ3に厚さの大きい領域と厚さの小さい領域とを予め形成しておくことで、充電時に膨張する負極の体積を収容する領域を確保する。これに対し、本実施の形態に基づくリチウムイオン二次電池では、図6(a)に示すように、セパレータ33の材料として厚さが実質的に一定の材料を用いる点が異なっている。但し、この際、セパレータ33を、空隙率が大きく、負極の膨張によって容易に圧縮される材料によって形成する。
このようにすると、従来の電池に比べてセパレータ材料が圧縮される割合が大きいので、充電時の負極の体積膨張によってセパレータ33が容易に圧縮され、膨張する負極の体積を収容する領域を、セパレータ33の圧縮によって生み出すことができる。
この製造方法では、予め負極1の厚さの変化を予測し、充放電領域4に位置するセパレ−タの厚さや空隙率などの特性が、負極の膨張によって圧縮された後に所定の範囲内に収まるように、セパレ−タ33の材料を選択する。実施の形態1で示した製造方法と比べると、予めセパレータ材料の厚さを変更する工程が不要であるので、製造工程が簡易になる利点がある。この場合のセパレータ33の材料としては、圧力により体積変化が起こりやすい、空隙率の大きい、微多孔性のポリエチレン膜やポリプロピレン膜を主体とした材料が好ましい。
但し、セパレータ3の本来の最も重要な役割は、負極1と正極2との短絡を防止することである。本実施の形態のように、充放電領域4に位置するセパレ−タ3が十分に圧縮されることを期待する場合には、長期間の充放電サイクルの繰り返しや、高温保存等の周囲環境によっては、充放電領域4において負極1と正極2とが短絡を起こす可能性もあり、その場合にはこれを未然に防止する対策をとる必要がある。例えば、極めて空隙率の大きいセパレ−タ材料を用いたり、あるいはセパレータ3の厚さの変化が充放電にともなう内部応力に任されたりする場合である。
このような場合、セパレータ33の内部又は/及び表面に、絶縁性のガラス材料又は/及びセラミックス材料からなるスペーサを含有させるのがよい。このようにすれば、セパレ−タ33の強度を向上させ、負極1と正極2との短絡を防止することができる。スペーサの材料は、特に限定されるものではないが、例えば、化学的安定性、絶縁性、および入手の容易さ等から、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、およびチタン酸バリウムからなる群から選ばれた少なくとも1種の材料からなることが好ましい。
以下、本発明の具体的な実施例について詳細に説明する。なお、下記の説明では、実施の形態において用いた符号および記号をそのまま対応させて用いる。
実施例1-1と1-2、および比較例1-1と1-2
本実施例は、実施の形態2に対応し、厚さが一定であるが、空隙率が大きく、負極の膨張によって容易に圧縮される材料によってセパレータ33を形成し、セパレータ材料を圧縮してしまわないように、負極1、正極2、セパレータ33をゆるく巻いた状態で二次電池を組み立てる例である。この製造方法では、負極1の膨張による内部応力で圧縮された後に、充放電領域4に位置するセパレ−タの厚さや空隙率などの特性が所定の範囲内に収まるように、セパレ−タ33の材料を選択する
本実施例および本比較例では、ポリエチレン製で、厚さが16μmで同一であるが、空隙率が26、35、39、45各%と異なる4種類のセパレ−タ33を用いて、同一の電極および電池構造からなる4種類の二次電池10を作製した。これらの電池に充放電サイクルを行わせ、サイクル特性を測定した後、二次電池10を解体してセパレータの厚さT1およびT2などを測定した。
<リチウムイオン二次電池10の作製>
まず、表面粗度がRa値で0.4μmである銅箔上に、原料として純度99%のシリコン(ケイ素の単体;Si)を用い、微量の酸素ガスをチャンバー内に流入させながら、電子ビーム蒸着法によって、厚さ5μmの部分酸化非晶質シリコン層を形成した。この電極構造体をアルゴン雰囲気中にて280℃で6時間加熱処理した後、負極リード端子11を取り付け、試験用の負極1を形成した。
次に、正極活物質であるコバルト酸リチウム(LiCoO2)と、導電材であるカーボンブラックと、結着材であるポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを混合して合剤を調製し、この合剤を分散媒であるNMPに分散させてスラリー状とし、この合剤スラリーをアルミニウム箔からなる正極集電体2aに塗布し、分散媒を蒸発させ乾燥させた後、圧縮成型することにより、正極活物質層2bを形成した。その後、正極リード端子12を取り付け、正極2を形成した。
次に、負極1と正極2とを微多孔性フィルムからなるセパレータ3を間に挟んで対向させ、巻き回し、電極巻回体19を作製した。次に、この電極巻回体19を角型形状の電池缶13に挿入し、電池缶13の開口部に電池蓋14を溶接する。次に、電池蓋14に形成されている電解液注入口から電解液を注入した後、注入口を封止して、図3に示した電極巻回式の鉄缶角型のリチウムイオン二次電池10を組み立てた。
電解液は、炭酸エチレン(EC)と炭酸ビニレン(VC)と炭酸ジエチル(DEC)とを、EC:VC:DEC=30:10:60の質量比で混合した混合溶媒に、電解質塩としてLiPF6を1mol/dm3の濃度で溶解させた溶液を用いた。
<リチウムイオン二次電池の負荷特性の評価>
作製した実施例および比較例の二次電池について、サイクル試験を行い、容量維持率を測定した。このサイクル試験の1サイクルは、まず、2mA/cm2の定電流で電池電圧が4.2Vに達するまで充電を行い、引き続き4.2Vの定電圧で電流値が0.2mA/cm2になるまで充電を行う。次に、2mA/cm2の定電流で電池電圧が2.5Vになるまで放電を行うものである。この充放電サイクルを室温にて10サイクル行った。次に、上記と同じ条件で充電を行った後、5倍大きな10mA/cm2の大電流密度による11サイクル目の放電を行った。負荷特性(%)のデータは、下記の式で定義される、10サイクル目の放電容量を基準(100%)とした場合の、大電流密度で放電した11サイクル目の放電容量とした。
負荷特性(%)
=(11サイクル目の放電容量/10サイクル目の放電容量)×100(%)
負荷特性の測定結果を、その他の測定値とともに表1に示す。
Figure 2008016210
本発明では、特に初期の数サイクルで発生する電池性能の低下に注目しているので、例えば100サイクル目の容量維持率などの、長期的な充放電サイクル特性ではなく、上記のように定義される負荷特性を測定した。初期の数サイクルで発生する性能低下の原因としては、負極の激しい膨張収縮によって、電極に亀裂が発生したり、電池が膨れたりすることによって、電極間の距離が増大することが考えられる。電極間の距離が増大すると、電極間の抵抗が増加し、負荷特性およびサイクル特性が低下する。従って本実施例では、負荷特性の他に、初期数サイクルでの亀裂発生の頻度やセル膨張率も調べた。表1中の負荷特性以外の測定値についての説明は、次の通りである。
セパレータの厚さT1およびT2
・・・充放電サイクル後に電池を解体し、セパレ−タ3を取り出し、充放電領域4のセパレータの厚さT1および非充放電領域5のセパレータの厚さT2とを、ハイトゲージを用いて測定した。この際、測定対象の全面に対し長手方向に等間隔に10点を選び、この10点を短手方向に等間隔ずつ前後にずらした位置に各10点を取り、計30点における厚さを平均して、本実施例による厚さの測定値とした。
セパレータの空隙率S1およびS2
・・・非充放電領域5のセパレータの空隙率S2は、組み立て前のセパレ−タの空隙率のままとした。充放電領域4のセパレータの空隙率S1は、組み立て前のセパレ−タの空隙率S2をもとに、T1およびT2から算出した。
亀裂箇所
・・・サイクル終了後、セルを解体し、目視で正極、負極のそれぞれの電極に関して、亀裂(裂け目)発生箇所をチェックした。亀裂は正極側に発生する場合が多いが、データの亀裂数は正極と負極とを合わせた数である。亀裂と判断する基準は、特に余分な力を加えずに、慎重に巻回体を解体し、電極の端部から1mm以上の亀裂が発生している箇所を亀裂発生箇所と判定した。このような亀裂(裂け目)が発生する電池は、負極の膨張によって、正極と負極とで構成される電極巻回体内部に不均一な応力がかかるため、電極が変形を起こす頻度の高い電池であり、電極の変形もセル厚み増の大きな原因のひとつになっていることを確認している。
セル膨張率
・・・電池のほぼ中央部にて電池の厚さを1サイクル目と10サイクル目とで測定し、下記の式で定義されるセル膨張率を計算した。
セル膨張率(%)
=(10サイクル目の電池の厚さ/1サイクル目の電池の厚さ)×100(%)
セル膨張率が小さいことは、高性能の電池である条件の一つである。
表1に示すように、充放電にともなう負極1の膨張収縮による内部圧力で充放電領域4のセパレ−タ3の厚さが減少していることが確認された。この減少の度合いは、用いたセパレ−タ3の空隙率に依存し、
1/T2 ≦ 0.90
の条件が満たされるとき、電極の亀裂箇所が大きく減少し、負荷特性が大きく向上し、セル膨張率も小さく、セルの厚み増加傾向が抑制された。
実施例2-1および2-2
本実施例は、実施の形態1に対応し、電池組み立て前にセパレータ3に(充放電領域4に対応する)厚さの小さい領域をロールプレス法によって予め形成しておくことで、充電時に膨張する負極の体積を収容する領域を確保する例である。
本実施例では、比較例1−2と同じ、ポリエチレン製で、厚さが16μm、空隙率が35%のセパレ−タ材料を用いたが、充放電領域4における厚さをロールプレス法によって予め14.0μmおよび12.0μmに圧縮し、セパレ−タ3のこの部分が正極1に対向するように配置した。
その他は実施例1と同様にして、同一の電極および電池構造からなる電極巻回式の鉄缶角型のリチウムイオン二次電池10を作製した。これらの電池に充放電サイクルを行わせ、負荷特性を測定した後、二次電池10を解体してセパレータの厚さT1およびT2などを測定した。測定結果を表2−1に示す。
Figure 2008016210
表2−1で、厚さT0は、プレス加工した時点での充放電領域4のセパレータの厚さである。充放電サイクル後、電池を解体してセパレータの厚さを測定すると、予め圧縮していた程度によって、厚さの変化が異なる傾向があった。すなわち、大きく圧縮しておいたものは、充放電サイクル後の厚さ変化は無いか、あるいは小さい。他方、圧縮の程度の小さいものは、充放電サイクル後の厚さ変化が大きくなる傾向があった。この場合、単純な比例関係はなく、各電池の仕様によって厚さの変化は少しずつ異なる。
表2−1に示すように、同じセパレータ材料を用いても、負極の膨張によって自然に圧縮されるのに任されている比較例1−2と異なり、予めプレス加工する実施例2−1および2−2では、セパレ−タ3の圧縮の度合いを所定の大きさに制御できる利点がある。比較例1−2、実施例2−1および2−2を比べると、圧縮の度合いが大きいほど、亀裂箇所が少なく、セル膨張率も小さく、負極の膨張を緩和する効果が高いことがわかった。一方、負荷特性は実施例2−1に比べ実施例2−2で悪化しているが、これは圧縮によって空隙率が減少しすぎたためである。この問題点は、セパレータ材料としてもっと空隙率の大きい材料を用いることで改善することができる。
比較例2
比較例2では、平均粒径6μmの人造黒鉛と固形分比で3%のポリアミド酸/NMP溶液から構成されるスラリーをRa値で0.4ミクロンの銅箔上へ塗布し、これを乾燥後、プレス加工して電極構造体を形成した。この電極構造体を400℃で3時間加熱処理した後、負極リード端子11を取り付け、試験用の負極1を形成した。この際、スラリーの組成を調整し、黒鉛とポリイミドの質量比が95:5である負極活物質層1bを形成した。その他は実施例2と同様にして、電極巻回式の鉄缶角型のリチウムイオン二次電池10を作製した。これらの電池に充放電サイクルを行わせ、負荷特性を測定した後、二次電池10を解体してセパレータの厚さT1およびT2などを測定した。測定結果を表2−2に示す。
Figure 2008016210
比較例2−1〜2−4において亀裂箇所がなく、また、セル膨張率が小さく、比較例2−1〜2−4でほとんど変化していないことから、負極の膨張は小さく、セル膨張の原因は負極の膨張によるものではないことがわかる。このような場合、空隙率の大き過ぎるセパレータ材料を用いることは、電池の体積エネルギー密度を低下させることになり、むしろデメリットの方が大きい。
実施例3−1〜3−3、および比較例3
まず、Ra値が0.4μmの銅箔上に電子ビーム加熱真空蒸着法によって、厚さ4μmのスズ層と厚さ1μmのコバルト層を積層して形成した。この電極構造体をアルゴン雰囲気中にて280℃で12時間熱処理した後、負極リード端子21を取り付け、試験負極1を形成した。
その他は実施例2と同様にして他の部材を形成し、アルミラミネートフィルムを外装材とする電極巻回式ラミネート型の二次電池20を作製し、電池特性を測定した。測定結果を表3に示す。
Figure 2008016210
表3から、負極活物質層としてスズ−コバルト合金層を用いた負極でも、シリコンを用いた負極と同様の傾向が見られることがわかる。但し、T1/T2比が0.56である場合に関しては、負荷特性の低下が著しく、セル膨張率も増加傾向した。これは、セル内部に空隙を作りすぎたために、別の要因で電池特性が低下し始めたためであることを確認した。また、例3では、T1/T2比が0.84であり、0.90よりも小さいが、亀裂箇所も多く、負荷特性およびセル膨張率とも、満足できるものではなかった。
実施例4-1、4−2および比較例4
Ra値が0.05μmの銅箔上に抵抗加熱蒸着法によって、厚さ3μmの金属リチウム層を形成し、これを負極活物質層1bとした以外は、実施例4と同様にしてアルミラミネートフィルムを外装材とする電極巻回式ラミネート型の二次電池20を作製し、電池特性を測定した。測定結果を表4に示す。
Figure 2008016210
表4から、負極活物質として金属リチウムを用いた負極でも、シリコンを用いた負極と同様の傾向が見られることがわかる。
実施例5-1、5−2および比較例5
負極活物質として平均粒径1μmの微粒子状のシリコンを用い、塗布型の負極活物質層1bを形成し、電極巻回式の筒型リチウムイオン二次電池を作製した。
まず、チップ状に砕いたシリコン(純度99%)を、ジェットミルを用いて粉砕し、分級して、平均粒径1μmのシリコン粉末を得た。このシリコン粉末と、結着材(バインダー)であるポリイミドとを、90:10の質量比で混合した負極活物質層1bを、電解銅箔からなる負極集電体1a上に形成し後、負極リード端子21を取り付け、負極1を形成した。その他は比較例2と同様にして電池特性を測定した。結果を表5に示す。
Figure 2008016210
表5から、負極活物質として粉末状のシリコンを用いた負極でも、蒸着で形成したシリコン層を用いた負極と同様の傾向が見られることがわかる。
実施例6−1、6−2および比較例6
実施例6−1では、厚さ16μmのポリエチレンフィルムの両面に、それぞれ厚さ3μmのポリフッ化ビニリデン(PVdF)フィルムが形成された複合フィルムを、試験セパレ−タ3として用いた。複合フィルムを作製するには、希釈したNMPにPVdFを溶解させ、スプレーコーターを用いてこの溶液をポリエチレンフィルムの両面に噴き付けて塗布し、これを水洗後、真空中で90℃に保って乾燥させた。乾燥後の厚さを測定し、データとした。
実施例6−2では、同様の方法で作製した、厚さ16μmのポリエチレンフィルムの両面に、それぞれ厚さ3μmのポリアミドイミド(PAI)フィルムが形成された複合フィルムを、試験セパレ−タ3として用いた。
PVdFやPAIとの複合フィルムは、充放電後のセルを解体すると、電極との接着性が強く、他のセパレータのように、解体分離後に厚さ測定を行うことが困難であった。このため、電極巻回体をエポキシ樹脂で埋包固定し、これを切断して断面を切り出し、断面の走査型電子顕微鏡(SEM)による観察像からセパレータの厚さを算出した。このとき、一部のPVdFまたはPAIが活物質層中の空孔内に侵入している状態を確認した。活物質層間には異常な空隙はほぼ見られず、複合フィルムのほとんどの領域で基材フィルムと表面に積層したフィルムが均一に充填されていることを確認した。そこで、セパレータの厚さとしては、この侵入部分を除外して、層構造をなしている活物質層表面から、対極側の活物質層表面までの距離を厚さとした。複合フィルムからなるセパレータでは、各フィルムの強度の違いで、組み立て前後の圧縮される部位が異なる。表面層の強度が高い場合、内部層の厚さが主として減少する場合もある。
その他は実施例1と同様にして二次電池を作製し、電池性能を測定した。結果を表6に示す。
Figure 2008016210
表6に示すように、空隙率の高いフィルムを表面に積層することによって、主としてこのフィルムが圧縮され、その厚さが変化することによって電極構造の破壊を防止して、負荷特性が優れ、亀裂箇所が少なく、セル膨張率の小さい電池を実現できた。
実施例7-1および7−2
実施例7-1および比較例7-1では、ポリエチレン樹脂に粒径1μmの酸化ジルコニウム(ZrO2)微粒子を15質量%の割合で混合した樹脂を作製し、この樹脂を二軸延伸機を用いて引き延ばし、厚さ16μmの複合材料フィルムを作製し、このフィルムを試験セパレ−タ3として用いた。実施例7−2および比較例7-2では、粒径0.8μmの酸化シリコン(SiO2)微粒子を用いて、実施例7-1と同様に厚さ16μmの複合材料フィルムを作製し、試験セパレ−タ3として用いた。
その他は実施例1−2と同様にして二次電池を作製し、10サイクル後の容量維持率を測定した。結果を表7に示す。
Figure 2008016210
表7中の容量維持率は、下記の式で定義される。
容量維持率(%)
=(保存後の放電容量/10サイクル目の放電容量)×100(%)
この容量維持率は、11サイクル目の充電を行い、その後、長期間保存した後に放電容量を測定し、10サイクル目の放電容量を基準(100%)とし表したものである。実際の測定は、充放電を10サイクル繰り返した後、充電電圧4.2Vで満充電の状態とし、その後、電池を23℃の下で1ヶ月間保存してから、充放電サイクルと同じ条件で放電させ、容量維持率を測定した。
表7に示すように、酸化物粒子を含有するセパレータを用いた実施例7−1および7−2では、実施例1−2と同様のT1およびT2でありながら、セル膨張率が若干抑制され、特に微小な内部ショートが酸化物粒子によって防止されることによって、容量維持率が大きく向上した。他方、酸化物粒子を含有するセパレータを用いていても、セパレータの圧縮率の小さい比較例7−1および7−2では、酸化物粒子を含有していないセパレータを用いた比較例1−1と比べて、大きな差を見出すことはできなかった。
実施例8-1〜8−3
実施例8は、実施例2と同様、電池組み立て前にセパレータ3に(充放電領域4に対応する)厚さの小さい領域をロールプレス法によって予め形成しておくことで、充電時に膨張する負極の体積を逃がすスペースを確保する例である。
本実施例では、ポリエチレン製で、厚さが12.1±0.1μm、空隙率が49%のセパレ−タ材料を用い、充放電領域4における厚さをロールプレス法によって予め10.7μm、9.2μmおよび8.1μmに圧縮し、セパレ−タ3のこの部分が正極1に対向するように配置した。
その他は実施例2と同様にして、同一の電極および電池構造からなる電極巻回式の鉄缶角型のリチウムイオン二次電池10を作製した。これらの電池に充放電サイクルを行わせ、負荷特性を測定した後、二次電池10を解体してセパレータの厚さT1およびT2などを測定した。測定結果を表8に示す。
Figure 2008016210
実施例8−2および8−3の電池では、負極1と正極2の短絡が発生し、満充電後の保管による開放端子電圧(OCV)の低下が見られるものがあった。従って、充放電領域4におけるセパレータの厚さT1は、9μm以上がより好ましい範囲であると考えられる。
以上、実施の形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態および実施例に限定されるものではなく、種々に変形可能である。
例えば、上記の実施の形態および実施例では、外装部材として角型缶を用いる場合、およびフィルム状の外装材を用いるラミネート型の場合について説明したが、本発明の電池の形状は、円筒型、角型、コイン型、ボタン型、薄型、あるいは大型など、どのようなものでもよい。
また、少なくとも初回充電の段階において、何らかの方法を用いて、二次電池の外装材に膨張を抑制する高い外圧をかけておくことが好ましい。例えば、セル形状が角型であると、円筒形と比較して面積の広い平坦部分が内部応力に対する強度が弱い。また、外装材が、特に強度の弱いラミネートフィルム等であれば、セパレータの変形よりも先に二次電池自体が膨れてしまい、初めから商品とはならないレベルに変形する。このような場合、少なくとも初回充放電時に治具を用いて外装材を固定し、電池が膨らまずにセパレータが圧縮されたり、その他のセル内部の空隙にうまく電極膨張分が収まったりするように工夫してやれば、その後の充放電時に外装固定治具を取り外しても、良好な電池特性が維持される。外装材を固定する治具としては、種々の形状が考えられるが、基本的には、万力のように平面状の金属ブロックで挟み込んで、角型の二次電池を固定する方法などが考えられる。
また、負極1および正極2を巻回した電極巻回体19を備える場合について説明したが、本発明は、負極と正極とを1層または複数層積層した積層型のものについても同様に適用することができる。
本発明に係る二次電池は、ケイ素およびスズの単体などを負極活物質として用いて、大きなエネルギー容量と良好なサイクル特性を実現し、モバイル型電子機器の小型化、軽量化、および薄型化に寄与し、その利便性を向上させる。
本発明の実施の形態1に基づくリチウムイオン二次電池の電気化学部の構成を示す部分断面図である。 同、変形例に基づくリチウムイオン二次電池の電気化学部の構成を示す部分断面図である。 同、リチウムイオン二次電池の構成を示す斜視図(a)および断面図(b)である。 同、リチウムイオン二次電池の構成を表す分解斜視図である。 同、図4に示した5A−5A線の位置における断面図である。 本発明の実施の形態2に基づくリチウムイオン二次電池の電気化学部の構成を示す部分断面図である。
符号の説明
1…負極、1a…負極集電体、1b…負極活物質層1b、2…正極、
2a…正極集電体、2b…正極活物質層、3…セパレータ、
4…充放電が実質的に行われる領域(充放電領域)、
5…充放電が実質的に行われない領域(非充放電領域)、6…空隙部、
7、7a、7b…セパレータ、10…リチウムイオン二次電池、11…負極リード端子、
12…正極リード端子、13…電池缶、14…電池蓋、15…正極端子、
19…電極巻回体、20…リチウムイオン二次電池、21…負極リード端子、
22…正極リード端子、23…保護テープ、24…密着フィルム、
25、26…外装部材、29…電極巻回体、33…セパレータ

Claims (12)

  1. 正極、電解質、負極、および前記正極と前記負極との接触を防止するセパレータを備え、前記負極を構成する負極活物質層中に、リチウムの単体、ケイ素の単体及びその化合物、並びにスズの単体及びその化合物のうちの1種以上が負極活物質として含まれている二次電池において、
    前記正極と前記負極とが対向し合い、充放電反応が実質的に行なわれる領域に位置す るセパレータの厚さをT1、充放電反応が実質的に行なわれない領域に位置するセパレー タの厚さをT2とするとき、
    1/T2 ≦ 0.90
    である
    ことを特徴とする、二次電池。
  2. 0.55 ≦ T1/T2 ≦ 0.90
    である、請求項1に記載した二次電池。

  3. 前記充放電反応が実質的に行なわれる領域に位置するセパレータの厚さT1が、前記充放電反応が実質的に行なわれない領域に位置するセパレータの厚さT2より、予め小さくなっている、請求項1に記載した二次電池。
  4. 前記充放電反応が実質的に行なわれる領域に位置するセパレータの空隙率が25%以上である、請求項1に記載した二次電池。
  5. 前記セパレータがポリエチレン又は/及びポリプロピレンを主成分とする微小多孔膜である、請求項1に記載した二次電池。
  6. 前記セパレータ表面に、前記セパレータの中心部をなす材料とは異なる材料からなる高分子層が存在する、請求項5に記載した二次電池。
  7. 前記高分子層が、ポリフッ化ビニリデン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリエーテル、アクリル酸樹脂、及びフッ素樹脂からなる群から選ばれた少なくとも1種の材料からなる、請求項6に記載した二次電池。
  8. 前記セパレータの内部又は/及び表面に、ガラス材料又は/及びセラミックス材料からなるスペーサを含有する、請求項5に記載した二次電池。
  9. 前記スペーサが、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、及び酸化ジルコニウムからなる群から選ばれた少なくとも1種の材料からなる、請求項8に記載した二次電池。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載した二次電池の製造方法であって、前記正極と前記負極とが対向し、充放電反応が実質的に行なわれる領域に位置するセパレータ材料の厚さを、前記充放電反応が実質的に行なわれない領域に位置するセパレータ材料の厚さより小さくしたセパレータを形成する工程と、このセパレータを前記正極と前記負極との間に配置する工程とを有する、二次電池の製造方法。
  11. 前記充放電反応が実質的に行なわれる領域に位置する前記セパレータ材料の厚さをプレス加工によって小さくする、請求項10に記載した二次電池の製造方法。
  12. 請求項1〜9のいずれか1項に記載した二次電池の製造方法であって、セパレータ材料として厚さが実質的に一定であるが、前記負極の膨張によって容易に圧縮される材料を用いる、二次電池の製造方法。
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