JP2003223926A - リチウムポリマー二次電池の製造方法 - Google Patents

リチウムポリマー二次電池の製造方法

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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性が高く、かつ高性能なリチウムポリマ
ー二次電池の生産方法を提供する。 【解決手段】 プレゲル電解質溶液に界面活性剤を含
有させることにより、電池積層体又は電池捲回体へのプ
レゲル電解質溶液の減圧雰囲気下での一括含浸が可能と
なり、初期容量、ハイレート特性、レート特性、及びサ
イクル特性に優れる高性能なリチウムポリマー二次電池
を得ることができるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリチウムポリマー二
次電池の製造方法に関し、特に生産性が高く高性能なリ
チウムポリマー二次電池を提供する製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】カメラ一体型VTR装置、オーディオ機
器、携帯型コンピュータ、携帯電話等様々な機器の小型
化、軽量化が進んでおり、これら機器の電源としての電
池に対する高性能化の要請が高まっている。中でも高電
圧、高エネルギー密度の実現が可能なリチウム二次電池
の開発が盛んになっている。
【0003】リチウム二次電池は、一般に、正極、負極
及び正極と負極との間に介設されたセパレータ中のそれ
ぞれに電解質を含浸した電池要素を、円筒型又は直方体
の金属製の外装体や、ラミフィルム等の形状可変性を有
する外装体に収納した形態を有する。そして、前記電池
要素を構成する要素のうち、正極、負極及びセパレータ
は、平板状の正極、平板状の負極及び正極と負極との間
に介設された平板状のセパレータとを有する単位電池積
層体を複数個積層した形態(本明細書においては、これ
を「平板積層型電池積層体」又は単に「電池積層体」と
呼ぶ場合がある。)又は、長尺に形成した正極、負極及
びセパレータを捲回した形態(以下これを「電池捲回
体」と呼ぶ場合がある。)を有するのが一般的である。
【0004】ところで、前記電池要素の構成要素のう
ち、電解質の種類からリチウム二次電池を分類すると、
電解質が電解液のみからなるいわゆる液系リチウム二次
電池と、前記電解質が電解液の他ポリマーを含有しその
性状が固体状又はゲル状である、いわゆるリチウムポリ
マー二次電池とに大別できる。これらリチウム二次電池
のうち、リチウムポリマー二次電池は、電解質が固体状
又はゲル状であるため電解質に含有される電解液の保液
性がよく、安全性に優れるという利点を有する。
【0005】リチウムポリマー二次電池におけるゲル状
の電解質(以下、これをゲル状電解質ということがあ
る。)の形成方法としては、例えば、電解液、加熱によ
って重合可能な重合性化合物、及び重合開始剤を含有す
るプレゲル電解質溶液を、正極、負極及びセパレータに
含浸させた後、加熱することによって前記重合性化合物
を重合させて電解質をゲル化する方法を挙げることがで
きる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】高性能なリチウムポリ
マー二次電池を得るためには、前記電解質を正極、負極
及びセパレータに十分含浸させる必要がある。特に正・
負極中に存在する空隙に電解質を十分含浸させることが
重要である。電解質が正・負極中に十分含浸されれば、
リチウムポリマー二次電池における電気の運び手となる
リチウムイオンの正・負極での吸蔵放出が効率よく行わ
れるようになるため、レート特性や繰り返し充放電した
場合の容量維持率が改善される。
【0007】電解質を正・負極に十分に含浸させること
は、電解質が電解液のみからなるいわゆる液系リチウム
二次電池においても重要ではある。しかし、リチウムポ
リマー二次電池の製造において用いるプレゲル電解質溶
液は、電解液のみならず、重合性化合物や重合開始剤等
の材料をさらに含有し電解液単独よりも粘度が高くなる
ため、電解液を単独で用いる場合よりも正・負極に含浸
しにくくなる。従って、いわゆる液系リチウム二次電池
と比較して、リチウムポリマー二次電池においては、電
解質の正・負極への含浸が不十分となりやすいのであ
る。換言すれば、リチウムポリマー二次電池において
は、上記電解質の含浸を十分に行うことは特に重要とな
るのである。
【0008】リチウムポリマー二次電池において、電解
質を正・負極に十分に含浸させるための有効な方法とし
て、正極、負極、セパレータそれぞれにプレゲル電解質
溶液をまず十分含浸させた後、正極、セパレータ、負極
を積層してリチウムポリマー二次電池を製造する方法を
挙げることができる。すなわち、大気圧下、プレゲル電
解質溶液を、正極、セパレータ及び負極のそれぞれにま
ず含浸させた後、この正極、負極及びセパレータを、正
極と負極との間にセパレータを介設するように積層して
単位電池要素を製造し、この単位電池要素を加熱するこ
とにより、プレゲル電解質溶液に含有される重合性化合
物を重合させてゲル状電解質を形成させるという方法で
ある。この方法は、上述の通り、電解質の含浸を確実に
行うという点からは有効であるものの、前記積層前に正
極、負極、セパレータそれぞれの部材に電解質を含浸さ
せる工程を経るため、積層工程が1回に対し含浸工程が
3回と電解質含浸工程の工程数が増加し、生産効率が高
い方法とは必ずしもいえなかった。
【0009】従って、リチウムポリマー二次電池におい
ては、電解質を正・負極に十分含浸させることが重要で
あるに加え、この含浸工程を効率よく、例えば短時間で
行うことも非常に重要なのである。プレゲル電解質溶液
を平板積層型電池積層体又は電池捲回体に含浸させる技
術としては、以下のものが知られている。
【0010】特開平11−214038号公報、特開平
11−283673号公報には、単位電池積層体を2つ
積層した後に、大気圧下、この平板積層型電池積層体に
所定のプレゲル電解質溶液を含浸させた後、前記積層体
を加熱する方法が記載されている。この方法は、積層工
程が1回に対して含浸工程も1回ではあるものの、これ
らの公報で開示されている単位電池積層体の積層数は2
層と少ないため、プレゲル電解質溶液が比較的含浸しや
すい平板積層型電池積層体の構成となっている(上記公
報それぞれの実施例参照)。このため、含浸工程を工夫
することなくプレゲル電解質溶液の含浸を行うことがで
きると推測されるが、電池を高容量化するために単位電
池積層体の積層数を多く又は電池捲回体の捲回数を多く
すると、含浸工程に何らの工夫もない上記公報に記載の
方法では、電解質の十分な含浸を効率よく行うことは困
難となる。
【0011】一方、電解質の十分な含浸を効率よく行う
べく電解質の含浸を減圧雰囲気下で行う方法も知られて
おり(特許3141021号、特開2000−3116
61号公報、特開2001−15099号公報)、リチ
ウムポリマー二次電池においても、減圧雰囲気下まず電
解液を含浸させた後、次にプレゲル電解質溶液を含浸さ
せるという方法が知られている(特開2001−283
916号公報)。
【0012】しかし、特開2001−283916号公
報においては、プレゲル電解質溶液を一度に含浸させよ
うとする(本明細書においては、これを一括含浸とい
う。)と良好な性能を有するリチウムポリマー二次電池
を得ることができないため(同公報の例えば比較例の電
池Z2〜Z4を参照)、まず電解液を含浸させ、その後
にプレゲル電解質溶液を含浸させるという2段階で電解
質の含浸を行う手法を用いている。この方法は、2回の
含浸工程を経る必要があるのみならず、電解質を形成す
るための材料として電解液とプレゲル電解質溶液とを用
意する必要があるため、工程が煩雑となり、生産効率の
高い方法であるとはとてもいえない。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記実情の下、本発明者
は、プレゲル電解質溶液を用いた場合においても平板積
層型電池積層体又は電池捲回体に前記プレゲル電解質溶
液を十分含浸でき、かつ生産効率の高いリチウムポリマ
ー二次電池の製造方法について鋭意検討した。その結
果、電極やセパレータへの含浸を助長する材料をプレゲ
ル電解質溶液中に含有させてやれば、従来高性能なリチ
ウムポリマー二次電池の製造が困難といわれている、減
圧雰囲気下でのプレゲル電解質溶液の一括含浸が可能と
なり、高性能なリチウムポリマー二次電池を生産効率よ
く製造できることを見出し本発明を完成した。
【0014】即ち本発明の要旨は、平板状の正極、平板
状の負極、及び正極と負極との間に介設された平板状の
セパレータにゲル状電解質を含浸してなる単位電池要素
を複数積層した平板積層型電池要素を外装体に収納した
リチウムポリマー二次電池の製造方法において、平板状
の正極、平板状の負極、及び正極と負極との間に介設さ
れた平板状のセパレータからなる単位電池積層体を複数
積層した平板積層型電池積層体に、電解液と重合性化合
物と重合開始剤と界面活性剤とを含有するプレゲル電解
質溶液を含浸させた後に、前記プレゲル電解質溶液をゲ
ル化してゲル状電解質を形成する際に、下記(1)、
(2)の各工程を行うことを特徴とするリチウムポリマ
ー二次電池の製造方法に存する。 (1)外装体に収納した平板積層型電池積層体を減圧雰
囲気下に保持し、これに電解液と重合性化合物と重合開
始剤と界面活性剤とを含有するプレゲル電解質溶液を注
液して含浸させる工程 (2)前記外装体を加熱して前記平板積層型電池積層体
に含浸されたプレゲル電解質溶液をゲル化させてゲル状
電解質を形成する工程 また本発明の他の要旨は、平板状の正極、平板状の負
極、及び正極と負極との間に介設された平板状のセパレ
ータにゲル状電解質を含浸してなる単位電池要素を複数
積層した平板積層型電池要素を外装体に収納したリチウ
ムポリマー二次電池の製造方法において、平板状の正
極、平板状の負極、及び正極と負極との間に介設された
平板状のセパレータからなる単位電池積層体を複数積層
した平板積層型電池積層体に、電解液と重合性化合物と
重合開始剤と界面活性剤とを含有するプレゲル電解質溶
液を含浸させた後に、前記プレゲル電解質溶液をゲル化
してゲル状電解質を形成する際に、下記(1)〜(4)
の各工程を行うことを特徴とするリチウムポリマー二次
電池の製造方法に存する。 (1)容器内に設置した平板積層型電池積層体を減圧雰
囲気下に保持し、これに電解液と重合性化合物と重合開
始剤と界面活性剤とを含有するプレゲル電解質溶液を注
液して含浸させる工程 (2)前記容器から前記平板積層型電池積層体を取り出
す工程 (3)取り出した前記平板積層型電池積層体を外装体に
収納する工程 (4)前記外装体を加熱して前記平板積層型電池積層体
に含浸されたプレゲル電解質溶液をゲル化させてゲル状
電解質を形成する工程 本発明のさらに他の要旨は、長尺の正極、長尺の負極及
び正極と負極との間に介設された長尺のセパレータを捲
回した電池捲回体にゲル状電解質を含浸してなる捲回型
電池要素を外装体に収納したリチウムポリマー二次電池
の製造方法において、電池捲回体に、電解液と重合性化
合物と重合開始剤と界面活性剤とを含有するプレゲル電
解質溶液を含浸させた後に、前記プレゲル電解質溶液を
ゲル化してゲル状電解質を形成する際に、下記(1)、
(2)の各工程を行うことを特徴とするリチウムポリマ
ー二次電池の製造方法に存する。 (1)外装体に収納した電池捲回体を減圧雰囲気下に保
持し、これに電解液と重合性化合物と重合開始剤と界面
活性剤とを含有するプレゲル電解質溶液を注液して含浸
させる工程 (2)前記外装体を加熱して前記電池捲回体に含浸され
たプレゲル電解質溶液をゲル化させてゲル状電解質を形
成する工程 本発明のさらに他の要旨は、長尺の正極、長尺の負極及
び正極と負極との間に介設された長尺のセパレータを捲
回した電池捲回体にゲル状電解質を含浸してなる捲回型
電池要素を外装体に収納したリチウムポリマー二次電池
の製造方法において、電池捲回体に、電解液と重合性化
合物と重合開始剤と界面活性剤とを含有するプレゲル電
解質溶液を含浸させた後に、前記プレゲル電解質溶液を
ゲル化してゲル状電解質を形成する際に、下記(1)〜
(4)の各工程を行うことを特徴とするリチウムポリマ
ー二次電池の製造方法に存する。 (1)容器内に設置した電池捲回体を減圧雰囲気下に保
持し、これに電解液と重合性化合物と重合開始剤と界面
活性剤とを含有するプレゲル電解質溶液を注液して含浸
させる工程 (2)前記容器から前記電池捲回体を取り出す工程 (3)取り出した前記電池捲回体を外装体に収納する工
程 (4)前記外装体を加熱して前記電池捲回体に含浸され
たプレゲル電解質溶液をゲル化させてゲル状電解質を形
成する工程 本発明において、高性能なリチウムポリマー二次電池を
生産効率の非常に高い方法で製造することができるよう
になる理由は、プレゲル電解質溶液に界面活性剤を含有
させることにより、粘度の高いプレゲル電解質溶液が電
極やセパレータ中へ含浸されやすくなるためであると考
えられる。
【0015】一方、プレゲル電解質溶液に含有される重
合性化合物は、一般に周囲環境の酸素濃度がある程度以
上低くなる、換言すれば周囲環境の真空度が高くなる
と、重合を開始する性質を有する。従って、減圧雰囲気
下でプレゲル電解質溶液を平板積層型電池積層体等に含
浸させる場合、含浸を長時間行ったり、真空度の高い雰
囲気下で行うと、前記重合性化合物が重合を開始し、プ
レゲル電解質溶液の平板積層型電池積層体等への含浸が
阻害されるようになる。これに対し本発明の生産方法に
おいては、プレゲル電解質溶液が界面活性剤を含有する
ことによって含浸性が向上するようになるため、重合性
化合物が重合を開始する前の短時間の間に一括含浸を終
了させることができるようになる。さらには、短時間で
一括含浸することができるようになるため、真空度を上
げても前記重合性化合物の重合が進まないため、真空度
の高い環境下で含浸を行うことができるようになる。そ
して、この高真空の環境下で含浸が行える点と先の短時
間での含浸が可能となる点との相乗効果によって、プレ
ゲル電解質溶液の含浸性が飛躍的に向上し、高性能なリ
チウムポリマー二次電池を得ることができるようにな
る。
【0016】また、本発明のリチウムポリマー二次電池
の製造方法によれば、減圧雰囲気下におけるプレゲル電
解質溶液の一括含浸ができるようになるため、工程数が
少なくなるのみならず、前記の通り含浸工程を短時間化
できるので、生産効率が飛躍的に向上する。
【0017】
【発明の実施の形態】(I)本発明の第一の態様 本発明に係るリチウムポリマー二次電池の製造方法の第
一の態様は、平板状の正極、平板状の負極、及び正極と
負極との間に介設された平板状のセパレータにゲル状電
解質を含浸してなる単位電池要素を複数積層した平板積
層型電池要素を外装体に収納したリチウムポリマー二次
電池の製造方法において、平板状の正極、平板状の負
極、及び正極と負極との間に介設された平板状のセパレ
ータからなる単位電池積層体を複数積層した平板積層型
電池積層体に、電解液と重合性化合物と重合開始剤と界
面活性剤とを含有するプレゲル電解質溶液を含浸させた
後に、前記プレゲル電解質溶液をゲル化してゲル状電解
質を形成する際に、下記(1)、(2)の各工程を行う
ことを特徴とする。 (1)外装体に収納した平板積層型電池積層体を減圧雰
囲気下に保持し、これに電解液と重合性化合物と重合開
始剤と界面活性剤とを含有するプレゲル電解質溶液を注
液して含浸させる工程 (2)前記外装体を加熱して前記平板積層型電池積層体
に含浸されたプレゲル電解質溶液をゲル化させてゲル状
電解質を形成する工程 以下(1)、(2)の各工程について詳細に説明する。 (A)工程(1) 本工程においては、外装体に収納した平板積層型電池積
層体を減圧雰囲気下に保持し、これに電解液と重合性化
合物と重合開始剤と界面活性剤とを含有するプレゲル電
解質溶液を注液して、平板積層型電池積層体にプレゲル
電解質溶液を含浸させる。
【0018】平板積層型電池積層体は、平板状の正極、
平板状の負極及び正極と負極との間に介設された平板状
のセパレータからなる単位電池積層体を複数積層したも
のである。単位電池積層体は、平板状の正極、平板状の
負極及び正極と負極との間に介設された平板状のセパレ
ータからなる。この単電池積層体の構成の一例を示す模
式的な斜視図を図1に示す。図1に示すように、単位電
池積層体1は、正極集電体2aの表面に正極活物質層2
bを設けて構成された正極2と、負極集電体3aの表面
に負極活物質層3bを設けて構成された負極3、およ
び、これら正負一組の電極2,3の間に介設されたセパ
レータ4から構成される。また、正極および負極の各集
電体2a,3aからは、後述するリード端子接続用のタ
ブ2’,3’が延設されている。
【0019】以下、単位電池積層体1を構成する各部材
について説明する。図2は、正極及び負極(以下まとめ
て「電極」という場合がある。)の構成の一例を示す模
式的な斜視図である。図2に示すように、リチウム二次
電池の正極2は、通常、正極集電体2a上に正極活物質
層2bを設けて構成され、この正極活物質層2b中に、
通常、Liを吸蔵・放出し得る正極活物質を含有する。
尚、本明細書においては、正極集電体及び負極集電体を
まとめて集電体と、正極活物質層及び負極活物質層をま
とめて活物質層と呼ぶ場合がある。
【0020】正極活物質としては、リチウムと遷移金属
との複合酸化物や、LiFePO4等のリチウムイオン
を吸蔵・放出しうる化合物、さらには、ポリアニリン、
ポリピロール、ポリアセン、ジスルフィド系化合物、ポ
リスルフィド系化合物、N−フルオロピリジニウム塩等
の有機化合物が挙げられる。無論、上記した中から選ば
れる2種以上の正極活物質を併用してもよい。これらの
正極活物質の粒径は、それぞれ電池の他の構成要素との
かねあいで適宜選択すればよいが、初期効率やサイクル
特性等の電池特性の向上という観点から、通常は1〜1
00μm、特に2〜60μmとするのが好ましい。
【0021】これら正極活物質の中でも、リチウムと遷
移金属との複合酸化物、すなわちリチウム遷移金属複合
酸化物がリチウム二次電池の正極活物質として好ましく
用いられる。リチウム遷移金属複合酸化物としては、具
体的には、LiNiO2、LiNiCoO2等のリチウム
ニッケル複合酸化物、LiCoO2等のリチウムコバル
ト複合酸化物、LiMn24等のリチウムマンガン複合
酸化物が挙げられる。これら複合酸化物の遷移金属サイ
トの一部は他の元素で置換されていてもよい。遷移金属
の一部を他の元素で置換することにより、結晶構造の安
定性を向上させることができる。この際の該遷移金属サ
イトの一部を置換する他元素(以下、置換元素と表記す
る)としては、Al、Ti、V、Cr、Mn、Fe、C
o、Li、Ni、Cu、Zn、Mg、Ga、Zr等が挙
げられ、好ましくはAl、Cr、Fe、Co、Li、N
i、Mg、Ga、更に好ましくはAlである。なお、遷
移金属サイトは2種以上の他元素で置換されていてもよ
い。置換元素による置換割合は通常ベースとなる遷移金
属元素の2.5モル%以上、好ましくはベースとなる遷
移金属元素の5モル%以上であり、通常ベースとなる遷
移金属元素の30モル%以下、好ましくはベースとなる
遷移金属元素の20モル%以下である。置換割合が少な
すぎると結晶構造の安定化が十分図れない場合があり、
多すぎると電池にした場合の容量が低下してしまう場合
がある。リチウム遷移金属複合酸化物のうち、より好ま
しくはリチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケル
複合酸化物であり、特に好ましくはLiCoO2であ
る。リチウム遷移金属複合酸化物を用いる場合、その粒
径は、レート特性、サイクル特性等の電池特性が優れる
点で1〜30μmとするのが好ましく、1〜10μmと
するのが特に好ましい。
【0022】また、正極2と同様、図2に示すように、
リチウム二次電池の負極3は、通常、集電体3aの上に
負極活物質層3bを設けた構成を採る。そしてこの負極
活物質層3b中に、通常、Liを吸蔵・放出し得る負極
活物質を含有する。負極活物質としては、例えば黒鉛、
石炭系コークス、石油系コークス、石炭系ピッチの炭化
物、石油系ピッチの炭化物、あるいはこれらピッチを酸
化処理したものの炭化物、ニードルコークス、ピッチコ
ークス、フェノール樹脂および結晶セルロース等の炭化
物等並びにこれらを一部黒鉛化した炭素材、ファーネス
ブラック、アセチレンブラック、ピッチ系炭素繊維等の
炭素系活物質を挙げることができる。これら炭素系活物
質は、金属やその塩、酸化物との混合体、被覆体の形で
あっても利用できる。また、けい素、錫、亜鉛、マンガ
ン、鉄、ニッケル等の酸化物あるいは硫酸塩、さらには
金属リチウムやLi−Al、Li−Bi−Cd、Li−
Sn−Cd等のリチウム合金、リチウム遷移金属窒化
物、シリコンなども使用できる。無論、上記した中から
選ばれる2種以上の負極活物質を併用してもよい。これ
らの負極活物質の粒径は、通常は1〜50μm、好まし
くは2〜30μmである。あまりに大きすぎても、また
あまりに小さすぎても、初期効率、レート特性、サイク
ル特性等の電池特性が低下するので好ましくない。
【0023】正極活物質層2bおよび負極活物質層3b
には、上記の正極活物質及び負極活物質を対応する集電
体2a,3aに結着させるため、さらにバインダを含有
しても良い。バインダを含有する場合、活物質100重
量部に対するバインダの量は、通常は0.01重量部以
上、好ましくは0.1重量部以上、さらに好ましくは1
重量部以上であり、また、通常は50重量部以下、好ま
しくは30重量部以下、さらに好ましくは15重量部以
下である。バインダの量が少なすぎると強固な電極の形
成が困難となり、バインダの量が多すぎるとエネルギー
密度やサイクル特性が低下する場合がある。
【0024】バインダとしては、例えばポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ−1,1−ジメチルエチレンなど
のアルカン系ポリマー;ポリブタジエン、ポリイソプレ
ン等の不飽和系ポリマー;ポリスチレン、ポリメチルス
チレン、ポリビニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリ
ドン等の環を有するポリマー;ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチ
ル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポ
リアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド
等のアクリル誘導体系ポリマー;ポリフッ化ビニル、ポ
リフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等の
フッ素系樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニリデン
シアニド等のCN基含有ポリマー;ポリ酢酸ビニル、ポ
リビニルアルコール等のポリビニルアルコール系ポリマ
ー;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン
含有ポリマー;ポリアニリン等の導電性ポリマーといっ
た、各種のポリマーが使用できる。また、上記の各種ポ
リマーの混合物、変成体、誘導体、ランダム共重合体、
交互共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体等
も使用できる。さらに、シリケートやガラス等の無機化
合物を使用することもできる。
【0025】バインダの重量平均分子量は、通常は1千
以上、好ましくは2千以上、より好ましくは1万以上、
さらに好ましくは2万以上であり、また、通常は500
万以下、好ましくは100万以下、さらに好ましくは3
0万以下である。重量平均分子量が低すぎると活物質層
の強度が低下して好ましくなく、高すぎると粘度が高く
なり活物質層の形成が困難になる。
【0026】さらに、正極活物質層2bおよび負極活物
質層3bには、必要に応じて導電材料、補強材等の各種
の機能を発現する添加剤、粉体、充填材などを含有して
も良い。導電材料としては、上記活物質に適量混合して
導電性を付与できるものであれば特に制限は無いが、通
常用いられるものとして、アセチレンブラック、カーボ
ンブラック、黒鉛等の炭素粉末や、各種の金属ファイバ
ー、金属箔等が挙げられる。補強材としては、各種の無
機、有機の球状、繊維状フィラー等が使用できる。
【0027】正極2および負極3に使用される集電体2
a,3aの材料としては、通常、アルミニウム、銅、ニ
ッケル、錫、ステンレス鋼等の金属、これら金属の合金
等を用いることができる。この場合、正極集電体2aと
しては、通常はアルミニウムが用いられ、負極集電体3
aとしては、通常は銅が用いられる。正極2および負極
3の厚さは、それぞれ通常1μm以上、好ましくは10
μm以上であり、通常は500μm以下、好ましくは2
00μm以下である。あまりに厚くても、またあまりに
薄くても、電池容量やレート特性等の電池性能が低下す
る傾向にある。
【0028】具体的に述べると、正負の各集電体2a,
3aの厚さは、通常は1〜50μm、好ましくは1〜3
0μmである。薄すぎると電極2,3の機械的強度が弱
くなってしまい、電池として構成した際に実用的でな
い。また、厚すぎると電池が大きくなり、機器の中で占
めるスペースが大きくなってしまい、電池の小型化が図
りにくくなる。
【0029】また、各集電体2a,3a上に設けられる
正負の各活物質層2b,3bの厚さは、下限として通常
は20μm以上、好ましくは30μm以上、さらに好ま
しくは50μm以上、最も好ましくは80μm以上であ
り、一方、上限として通常は200μm以下、好ましく
は150μm以下である。容量的には厚い方が好ましい
一方、レート特性上は薄い方が好ましいので、双方の条
件の兼ね合いから上記範囲が導き出される。
【0030】電極2,3の平板形状には特に制限はな
く、製造対象となる電池の形状や性質、他の構成要素の
選択等に合わせて、任意の形状とすることができるが、
一般的には、図2に示すように、直方体の形状有すると
ともに、集電体2a,3aからリード端子接続用のタブ
2’,3’が延設されたものが使用される。なお、リー
ド端子については後述する。
【0031】なお、正極2と負極3の形状や面積は同じ
でもよいが、異なっていても構わない。図2において
は、集電体上2a、3aの片面にのみ活物質層2b、3
bを設けているが、正極及び/又は負極が、活物質層、
集電体、活物質層をこの順に積層した構造を有していて
もよい。つまり、図3に示すように、集電体2a、3a
の両面に活物質層2b、3bが設けられていても良い。
活物質層を両面に設けることによって、集電体の厚みの
分だけ電極が薄くなり、単位体積当たりのエネルギー密
度を高くすることができる。
【0032】電極2、3の製造方法には特に制限はない
が、製造コストに優れている点および本発明の適用によ
る効果が顕著に得られる点から、平板状の集電体上に正
または負の活物質層を設けて形成した平板状の電極原料
(電極原反)から、上記任意の平面形状の電極を複数個
切断することにより作成するのが好ましい。具体的に
は、まず、板状部材や網状部材またはパンチングメタル
等により形成した長尺状の集電体を準備し、この一方又
は両方の面に正または負の活物質層を形成する。
【0033】活物質層を集電体上に形成する手法として
は、例えば、粉体状の正または負極活物質をバインダお
よび導電材料等の添加剤とともに溶剤と混合し、これを
ボールミルやサンドミルや二軸混練機等を用いて分散塗
料化したものを、集電体上に塗布して乾燥する方法があ
る。この場合、用いられる溶剤の種類は、活物質に対し
て不活性であり且つバインダを溶解しうるものであれば
特に制限されず、例えばN−メチルピロリドン等の一般
的に使用される有機溶剤または無機溶剤のいずれもが使
用できる。
【0034】また、活物質をバインダおよび導電材料等
の添加剤と混合し、加熱して軟化させた状態で集電体上
に圧着し、または吹き付けることにより、集電体上に活
物質層を形成することもできる。あるいは、バインダを
混合させずに、活物質を単独で集電体上に焼成すること
によって、集電体上に活物質層を形成することもでき
る。
【0035】ここで、活物質層と集電体との接着強度を
高めるべく、活物質を塗布する前に、集電体の表面を予
め粗面化処理しておくことが好ましい。このような表面
の粗面化方法としては、例えば、機械的研磨法,電解研
磨法,化学研磨法等がある。機械的研磨法としては、例
えば、研磨剤粒子を固着した研磨布紙,砥石,エメリバ
フ,鋼線等を備えたワイヤーブラシで、集電体表面を研
磨する方法が挙げられる。
【0036】続いて、上述の方法で作成した長尺状また
は平板状の電極原料(電極原反)から、任意の平面形状
の電極を複数個切断する。電極の切断方法としては、特
に限定されるものではなく、電極の形状、サイズ、生産
規模、生産工程等に応じて種々の方法から選択すること
ができる。中でも、一般的に用いられる切断方法とし
て、圧延による方法とせん断による方法とが挙げられ
る。
【0037】正極と負極との間に介設される平板状のセ
パレータ(図1の符号4参照)に使用される材料として
は、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリ
オレフィン類や、これらの水素原子の一部または全部が
フッ素原子で置換されたポリオレフィン類、ポリアクリ
ロニトリル、ポリアラミド等の樹脂の多孔性膜が挙げら
れる。電解質に対する化学的安定性や印加される電圧に
対する安定性の観点から、好ましくは、ポリオレフィン
またはフッ素置換されたポリオレフィンであり、具体的
には、ポリエチレンやポリプロピレン、これらの水素原
子の一部または全部がフッ素原子で置換されたもの等を
挙げることができる。これらの中でも、特に好ましく
は、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)およびポ
リフッ化ビニリデンであり、最も好ましくは、ポリエチ
レン、ポリプロピレン等のポリオレフィンである。勿
論、これらの共重合体や混合物を使用することもでき
る。
【0038】セパレータの材料として用いられる樹脂の
数平均分子量は、通常1万以上、好ましくは10万以上
であり、また通常1000万以下、好ましくは300万
以下である。分子量が小さすぎると、セパレータの機械
的強度が不十分となり、短絡が生じやすい傾向にある。
一方、分子量が大きすぎると、多孔性膜の空隙内への電
解質の充填が困難になりがちであり、電池の生産効率が
低下するとともに、レート特性等の電池性能も低下する
傾向がある。また、分子量が大きすぎると、後述する可
塑剤を混合した後延伸する方法等において、製膜が困難
になる場合もある。
【0039】セパレータは多孔性膜であればよい。この
ような材料として、例えば、多孔性延伸膜、不織布など
が挙げられるが、本発明においては延伸によって製造さ
れる延伸膜であることがより好ましい。多孔性延伸膜
は、不織布よりもさらに膜内の抵抗がより均一になるた
め、局所的なリチウムの析出、すなわち電極間短絡の原
因となるデンドライトの析出を抑制することができる。
【0040】セパレータの空孔率は、下限として通常は
30%以上、好ましくは35%以上であり、また、上限
として通常は80%以下、好ましくは75%以下、さら
に好ましくは72%以下である。空孔率が小さすぎる
と、膜抵抗が大きくなりレート特性が悪化する。特に、
高レートで使用した際の容量が低下する。一方、空孔率
が大きすぎると、膜の機械的強度が低下する結果、電池
要素の形状が変化する際に短絡が生じやすくなる。本発
明では空孔率が大きいほど、プレゲル電解質溶液の含浸
が促進されるので好ましい。
【0041】セパレータに存在する空孔の平均孔径は、
上限として通常は1.0μm以下、好ましくは0.2μ
m以下、さらに好ましくは0.18μm以下、最も好ま
しくは0.15μm以下であり、また、下限として通常
は0.01μm以上、好ましくは0.07μm以上であ
る。孔径があまりに大きいと短絡が生じやすくなる一
方、孔径があまりに小さいと膜抵抗が大きくなり、レー
ト特性等の電池性能が低下する傾向にある。本発明では
平均孔径が大きいほど、プレゲル電解質溶液の含浸が促
進されるので好ましい。
【0042】セパレータの厚さは、上限として通常は3
0μm以下、好ましくは20μm以下、さらに好ましく
は18μm以下であり、また、下限として通常は3μm
以上、好ましくは5μm以上、さらに好ましくは7μm
以上である。あまりに膜厚が小さいと、マイルドショー
ト現象による自己放電が生じやすくなる。一方、あまり
に膜厚が大きいと、レート特性等の電池特性が不十分に
なるばかりでなく、体積エネルギー密度が低下する傾向
にある。
【0043】セパレータの製造方法には特に制限はない
が、例えば以下のようにして製造することが好ましい。
数平均分子量1万〜1000万程度、好ましくは10万
〜300万の樹脂に、不均一分散媒としての可塑剤を混
合し、混練した後にシート状に成膜する。作成された膜
から溶媒で可塑剤を抽出した後、所定の倍率で縦横方向
いずれかまたは両方に延伸する工程を経ることにより、
所望のセパレータを得ることができる。
【0044】電池積層体は、単位電池積層体を複数積層
してなる。図4は、電池積層体の構成の一例を模式的に
示す斜視図である。図4に示すように、電池積層体1’
は、図2に示すような集電体の片面にのみ活物質層を設
けた電極のみを用いた単位電池積層体(図1参照)を、
正極同士及び負極同士が接するように互い違いに複数積
層することによって形成されている。
【0045】図5には、図4とは異なる態様の電池積層
体の断面図を示す。図5においては、電池積層体1’
は、図3に示すような集電体の両面に活物質層を設けた
電極のみを用いた単位電池積層体1を積層することによ
って形成されている。尚、図5のように集電体の両面に
活物質層が設けられた電極のみを用いる場合は、平板積
層型電池積層体の最外に位置する単位電池積層体1a以
外の単位電池積層体1とは、正極2の中央部に位置する
正極集電体2aの厚みの略半分の位置から、前記正極2
とセパレータ4を介して相対する負極3の中央部に位置
する負極集電体3aの略半分の位置までの間をいう。
【0046】このようにして形成された電池積層体1’
は、図4の電池積層体と比較して、最外に位置する電極
(図5においては、最上及び最下に位置する正極2をい
う。)以外の電極において、集電体の体積が一枚分ずつ
減少する分、体積エネルギー密度が向上する利点があ
る。また、最外の電極における最外の活物質層200b
は電池特性には寄与しないが、活物質層が電池の最外部
分に存在することにより、電池積層体の機械的強度が向
上する利点がある。
【0047】図6には、図5とは若干異なる態様の電池
積層体の断面積を示す。図6においては、最外に位置す
る電極(図6においては、最上及び最下に位置する正極
2をいう。)は、図2に示すような集電体の片面にのみ
活物質層を設けた電極を用いているが、それ以外の電極
は、図3に示すような集電体の両面に活物質層を設けた
電極を用いている。この電池積層体は、上記図4、図5
の電池積層体と比較して、体積エネルギー密度を大きく
することができる利点がある。尚図6においても、図5
同様、平板積層型電池積層体の最外に位置する単位電池
積層体1a以外の単位電池積層体1とは、正極2の中央
部に位置する正極集電体2aの厚みの略半分の位置か
ら、前記正極2とセパレータ4を介して相対する負極3
の中央部に位置する負極集電体3aの略半分の位置まで
をいう。
【0048】図4に示す電池積層体1’に含まれる正極
2および負極3の各々のタブ2’,3’には、その後の
工程における扱い易さを向上させるべく、通常リード端
子5が接続される。負極3のリード端子5の材質は、通
常銅が、正極2のリード端子5の材質は、通常アルミが
用いられる。これらリードは、通常超音波溶接でタブ
2’、3’と接合する。
【0049】単位電池積層体は、通常4個以上、好まし
くは6個以上、より好ましくは8個以上積層されて電池
積層体を構成する。積層する単位電池積層体の数は、実
用的な放電容量の下限と通常用いられる電極の大きさを
考慮して4個以上とするが、6個以上用いれば容量をよ
り高くすることができるので好ましい。より好ましく
は、単位電池積層体を8個以上用いることである。8個
以上とすれば、さらに放電容量の高い電池が高い生産性
で得られるようになる。
【0050】上記のようにして得た平板積層型電池積層
体は、外装体に収納され、減圧雰囲気下に保持される。
外装体としては、特に限定されないが、可撓性のある外
装体が好ましい。ここで、可撓性のある外装体とは、柔
軟性や屈曲性等の形状可変性を有するケースを意味す
る。可撓性のある外装体の具体例としては、ビニール袋
の様な高分子フィルムからなる袋、高分子フィルムから
なる真空包装用袋もしくは真空パック、ガスバリア層と
高分子フィルムとのラミネート素材からなる真空包装用
袋もしくは真空パック、プラスチックで形成された缶、
プラスチックの板で挟んで周囲を溶着、接着、はめ込み
等で固定したケース等が挙げられる。これらの中でも、
気密性や形状可変性の面から、高分子フィルムからなる
真空包装用袋もしくは真空パック、またはガスバリア層
と樹脂(高分子フィルム)とのラミネート素材からなる
真空包装用袋や真空パックが好ましい。
【0051】上記外装体の材質としては、プラスチッ
ク、高分子フィルム、金属フィルム、ゴム、薄い金属
板、ガスバリア層と樹脂層とを有するラミネートフィル
ム等が挙げられるが、特に好ましいのは、金属や金属酸
化物からなるガスバリア層の両面に樹脂層を設けてなる
ラミネートフィルムである。ラミネートフィルムを電池
要素の外装体として用いれば、電気機器の軽量化・小型
化が達成される。
【0052】外装体への電池積層体の収納方法は、特に
制限されない。図7は、電池積層体を外装体に収容する
方法の一例を模式的に示す斜視図である。図7におい
て、外装体6は、形状可変性を有する前記ラミネートフ
ィルムからなる外装部材6a、6bとからなる。電池積
層体1’の外装体6への収納は、電池積層体1’を2枚
の外装部材6aと外装部材6bとの間に挟むように設置
して、前記外装部材の周縁部60a及び周縁部60bと
を熱融着等により貼り合わせることによって行われる。
図8は、外装体6内に電池積層体1’を収納した後の状
態を模式的に示す斜視図である。外装体6は、外装部材
6a、6bの3辺の周縁部60a、60b(図8中では
不図示。図7を参照)を貼り合わせて形成されているた
め、外装体上部に開口部7を有した状態となっている。
そしてこの開口部7を介してプレゲル電解質溶液を外装
体内へ注液し、減圧雰囲気下でプレゲル電解質溶液を電
池積層体に含浸させる。
【0053】ここで、平板積層型電池積層体を上記外装
体内に収納し、外装体にあらかじめプレゲル電解質溶液
を注液した状態とした後に、これを減圧雰囲気下に保持
してもよい。すなわち、工程(1)の代わりに下記工程
(1)’を行ってもよい。 工程(1)’ 外装体に収納した平板積層型電池積層体に、電解液と重
合性化合物と重合開始剤と界面活性剤とを含有するプレ
ゲル電解質溶液を満たした状態とした後に、これを減圧
雰囲気下に保持して、プレゲル電解質溶液を平板積層型
電池積層体に含浸させる工程。
【0054】上記工程(1)についての説明では、電池
積層体を外装体に収納した後これを減圧雰囲気下に保持
し、プレゲル電解質溶液の注液を行う操作について説明
したが、工程(1)’では、外装体内への注液操作を電
池積層体の外装体内への収納の操作の前、収納の操作と
同時、又は収納の操作の後に行い、その後にこれを減圧
雰囲気下に保持する。
【0055】プレゲル電解質溶液は、電解液と重合性化
合物と重合開始剤と界面活性剤とを含有する。電解液
は、通常、非水系溶媒及び溶質から構成される。非水系
溶媒としては特に限定されないが、比較的高誘電率の溶
媒が好適に用いられる。具体的にはエチレンカーボネー
ト、プロピレンカーボネート等の環状カーボネート類、
ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチル
メチルカーボネートなどの非環状カーボネート類、テト
ラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメ
トキシエタン等のグライム類、γ−ブチルラクトン等の
ラクトン類、スルフォラン等の硫黄化合物、アセトニト
リル等のニトリル類等を挙げることができる。
【0056】中でも、沸点が150℃以上、特に200
℃以上の高沸点溶媒を使用すると、本発明の効果が顕著
に発揮される。これは以下のような理由による。すなわ
ち、高沸点溶媒は一般に粘度が高いので、高沸点溶媒を
含有する電解液も粘度が一般的に高くなるため、結果的
にプレゲル電解質溶液が電極やセパレータに含浸されに
くくなる。その一方で、沸点150℃以上の高沸点溶媒
を電解液に含有させることにより、リチウム二次電池が
高温下に放置された場合においても前記溶媒が揮発しに
くいため、リチウム二次電池の安全性が向上する。従っ
て、電解液に高沸点溶媒を含有させる場合に本発明の製
造方法を用いると、安全性が高いのみならず、電解質の
含浸性が高い電池性能に優れるリチウムポリマー二次電
池を得ることができるようになる。
【0057】前記高沸点溶媒としては、プロピレンカー
ボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネー
ト、γ−ブチロラクトン等を挙げることができる。中で
も高沸点溶媒としてプロピレンカーボネート、エチレン
カーボネート、γ−ブチロラクトンを使用するのが好ま
しい。以上の非水系溶媒は、複数種を併用することがで
きる。前記高沸点溶媒を使用する場合、使用する非水系
溶媒に対する前記高沸点溶媒の割合は、好ましくは60
体積%以上、さらに好ましくは70体積%以上、さらに
好ましくは80体積%以上、最も好ましくは90体積%
以上とする。また、複数の溶媒を併用する場合の非水系
溶媒全体としての沸点を200℃以上とするのが好まし
い。高沸点溶媒を使用することによって、リチウム二次
電池要素を形状可変性ケースに収納しても、高温下等で
の電池の形状変化(変形)を抑制することができる。な
お、「沸点X℃以上」とは、圧力1atmのもとで室温
からX℃まで加熱しても蒸気圧が1atmを越えないこ
とを意味する。即ち、例えば、「沸点200℃以上」と
いう場合、圧力1atmのもとで室温から200℃まで
加熱した場合、常に蒸気圧が1atm以下であることを
意味する。
【0058】なお、非水系溶媒は、粘度が1mPa・s
以上であることが好ましい。電解液に含有する溶質は、
通常リチウム塩が用いられる。リチウム塩としては、L
iPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiBF4、Li
ClO4、LiI、LiBr、LiCl、LiAlC
l、LiHF2、LiSCN、LiSO3CF2等を挙げ
ることができる。これらのうちでは特にLiPF6及び
LiClO4が好適である。これら溶質の電解液におけ
る含有量は、通常0.5〜2.5mol/lである。
【0059】プレゲル電解質溶液に含有される重合性化
合物は、重合可能である化合物であれば特に制限はない
が、不飽和二重結合を有するモノマーであることが好ま
しい。このようなモノマーとしては、例えばアクリロイ
ル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基等の不飽
和二重結合を有するものが挙げられる。具体的には、例
えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、エトキシエチルアクリレート、メトキシエチルアク
リレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、ポリ
エチレングリコールモノアクリレート、エトキシエチル
メタクリレート、メトキシエチルメタクリレート、エト
キシエトキシエチルメタクリレート、ポリエチレングリ
コールモノメタクリレート、N、N−ジエチルアミノエ
チルアクリレート、N、N−ジメチルアミノエチルアク
リレート、グリシジルアクリレート、アリルアクリレー
ト等が挙げられる。
【0060】他の使用可能な具体例としては、アクリロ
ニトリル、N−ビニルピロリドン、ジエチレングリコー
ルジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレ
ート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリ
エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコ
ールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタ
クリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレー
ト、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリア
ルキレングリコールジアクリレート、ポリアルキレング
リコールジメタクリレート等が挙げられ、さらにトリメ
チロールプロパンアルコキシレートトリアクリレート、
ペンタエリスリトールアルコキシレートトリアクリレー
トなどの3官能モノマー、ペンタエリスリトールアルコ
キシレートテトラアクリレート、ジトリメチロールプロ
パンアルコキシレートテトラアクリレートなどの4官能
以上のモノマー等も使用できる。これらの中から反応
性、極性、安全性などから好ましいものを単独、または
組み合わせて用いれば良い。これらの中で特に好ましい
のは、エチレノキシド基を複数含有するジアクリレー
ト、トリアクリレートである。
【0061】重合開始剤は、上記の重合性化合物の重合
反応を効果的に進行させるために用いられる。重合開始
剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、
2,2’−アゾビスイン酪酸ジメチル等のアゾ系化合
物、過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキサイ
ド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート
等の過酸化物などが使用でき、反応性、極性、安全性な
どから好ましいものを単独、または組み合わせて用いれ
ば良い。なお、重合性化合物として、前記不飽和二重結
合を有する化合物を重合させてポリマーを得るために
は、モノマーの全官能基のうち、通常30%以上を反応
させるが、40%以上を反応させることが好ましく、5
0%以上を反応させるのがより好ましい。
【0062】本発明においては、プレゲル電解質溶液に
界面活性剤を含有させる。界面活性剤は、プレゲル電解
質溶液の電極やセパレータへの含浸を助長する材料とし
て働く。このため、粘度が高くなる点や重合性化合物が
重合を開始してしまうという点から、高性能なリチウム
ポリマー二次電池の製造が困難であった、減圧雰囲気下
でのプレゲル電解質溶液の一括含浸が可能となる。そし
てこの結果、電解質の含浸性を高く、良好な初期効率、
レート特性等を有するリチウム二次電池を得ることがで
きるようになる。
【0063】界面活性剤としては、例えばアニオン系界
面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性
剤等を挙げることができる。これら界面活性剤のうち、
ノニオン系界面活性剤を用いることが好ましい。ノニオ
ン系界面活性剤は、リチウム二次電池内でのイオン移動
や酸化還元反応を阻害する傾向が小さいので、電解質に
含有させても良好な電池特性が維持される。
【0064】ノニオン系界面活性剤は疎水基と極性基を
有する。疎水基としては、例えば、芳香族基、アルキル
基、フッ素置換されたアルキル基、アルキル置換芳香族
基等を挙げることができる。これら疎水基の中でも好ま
しいのは、フルオロアルキル基である。一方、極性基と
しては、例えば、エチレンオキシド等のエーテル基、リ
ン酸エステル等のエステル基等を挙げることができる。
これら極性基の中でも好ましいのは、エチレンオキシド
基である。本発明に用いる界面活性剤として好ましいの
はフッ素系界面活性剤であり、より具体的には、例えば
パーフルオロアルキルスルホン酸イミドエチレンオキシ
ド付加物を挙げることができる。
【0065】工程(1)においては、外装体に収納した
平板積層型電池積層体を減圧雰囲気下に保持する。減圧
雰囲気下とは、大気圧よりも圧力の低い雰囲気をいう
が、通常12000Pa(1.2×104Pa)以下、
好ましくは10000Pa(1.0×104Pa)以
下、より好ましくは5000(0.5×104Pa)P
a以下である。12000Pa以下とすれば、電池積層
体内に残存する気泡を容易に取り除けるようになるが、
10000Pa以下、さらには5000Pa以下とする
ことによって前記気泡の除去がさらに進み、プレゲル電
解質溶液が電池積層体内に十分含浸されるようになる。
【0066】次に、電池積層体が収納された外装体中に
プレゲル電解質溶液を注液し、減圧雰囲気下でプレゲル
電解質溶液を前記電池積層体に含浸させる操作を行うた
めの具体的な装置の一例について説明する。図9は上記
操作を行うため装置の一例の模式図であり、図9に示す
ように、前記装置は、電解液漕10と減圧含浸装置14
が注液ノズル11に接続され、注液ノズル11の先は、
外装体の開口部7を通して外装体内へと入れられてお
り、外装体内の電池積層体1’にプレゲル電解質溶液1
9を注液できるようになっている。また、前記装置にお
いては、減圧含浸装置14内の雰囲気を減圧するための
真空圧力調整器17と真空ポンプ18とが減圧含浸装置
に接続されている。
【0067】プレゲル電解液の注液操作は、保持具15
で支えた電池積層体1’を収納した外装体6を、減圧含
浸装置14の中にセットした後、注液バルブ12及びパ
ージバルブ13を閉、真空バルブ16を開の状態で真空
ポンプ18を作動させる。そして、真空圧力調整器17
により減圧含浸装置14内の圧力を所望の真空度に調整
した後、その状態で注液バルブ12を開とし、電解液漕
のプレゲル電解質溶液を注液ノズル11を通して、外装
体6中へ注液する。注液量は特に制限されないが、好ま
しいのは、外装体6内に収納された電池積層体1’がプ
レゲル電解質溶液に完全に浸かるまで、プレゲル電解質
溶液を注液することである。すなわち、工程(1)にお
けるプレゲル電解質溶液の平板積層型電池積層体への含
浸を、平板積層型電池積層体がプレゲル電解質溶液に完
全に浸かった状態で行う事が好ましい。
【0068】ここで「電池積層体がプレゲル電解質溶液
に完全に浸かった状態」について、図10を用いて具体
的に説明する。図10は、電池積層体1’が収納された
外装体6にプレゲル電解質溶液をどの程度まで注液する
かを示すための模式図であり、同図においては、外装体
6内の電池積層体1’の位置をわかりやすくするため
に、電池積層体1’及びそれに接続されたリード端子5
の一部をそれぞれ点線で示してある。図9を用いて先に
説明したように、減圧雰囲気下でプレゲル電解液は外装
体6内へ注液されていくが、電池積層体1’がプレゲル
電解質溶液に完全に浸かった状態とは、図10におい
て、プレゲル電解質溶液が注液線20位の位置まで注液
されることを意味する。一方、工程(1)の代わりに工
程(1)’を行う場合には、「電池積層体がプレゲル電
解質溶液に完全に浸かった状態」となるような注液量を
あらかじめ測定しておき、電池積層体を収納する前、収
納と同時、又は収納の後に前記所定量のプレゲル電解質
溶液を外装体に注液すればよい。そして、その後この電
池積層体及びプレゲル電解質溶液の入った外装体を減圧
雰囲気下に保持すればよい。
【0069】「電池積層体がプレゲル電解質溶液に完全
に浸かった状態」で含浸を行うことにより、プレゲル電
解質溶液は、電池積層体に実際に含浸される量よりも少
し多めに注液されることになる。これは、電池積層体が
完全にプレゲル電解質溶液に浸からずに、電池積層体が
プレゲル電解質溶液から露出するような注液量では、プ
レゲル電解質溶液の含浸が不十分となる場合があるから
である。また、電池積層体とプレゲル電解質溶液とを接
触させると、プレゲル電解質溶液と電池積層体の電極と
の反応によって気体が発生し激しい発泡が観察される場
合がある。プレゲル電解質溶液は、上記反応によりその
一部が消費されてしまうため、その消費分を考慮して、
実際に電池積層体に含浸されるよりも多くプレゲル電解
質溶液を注液する必要があるのである。好ましいのは、
プレゲル電解質溶液の液面が、電池積層体から上方へ5
〜10mmの位置となる程度のプレゲル電解質溶液の液
量を用いることである。
【0070】さて、プレゲル電解質溶液の電池積層体へ
の減圧含浸は、図9において外装体6中へプレゲル電解
質溶液を所定液量注液後、注液バルブ12を閉とし、こ
の状態で所定時間保持することによって行われる。減圧
雰囲気下での保持により、プレゲル電解質溶液が電池積
層体内へと含浸されていく。ここで、前記所定時間(本
明細書においては、この時間を「減圧含浸時間」という
場合がある。)は、プレゲル電解質溶液が十分含浸され
るような時間であればよく特に制限はされないが、10
秒以上3分以下とすることが好ましい。減圧含浸の時間
が10秒以上必要な理由は、前述の通り減圧雰囲気下で
電池積層体へプレゲル電解質溶液の注液を行うと、注液
と同時に激しい発泡が観察される場合があるため、この
発泡がある程度収まるまで待つ必要があるからである。
この発泡現象は、プレゲル電解質溶液と電極との間にな
んらかの反応が進行し、気体発生に至るためと推察され
るが、通常、最初の10秒間が最も激しく、注液から1
分以内で概ね収まり、10分以上経過するとほとんど観
察されなくなる。従って、減圧含浸の時間が10秒より
短いと、この泡を電池積層体に巻き込んだ状態で含浸を
終了することになるために含浸不良となる場合があるの
である。減圧含浸時間の下限値は、より好ましくは15
秒である。上記時間以上減圧含浸を行えば、プレゲル電
解質溶液を十分電池積層体に含浸することができるよう
になる。
【0071】一方、減圧含浸の時間は3分以下とするこ
とが好ましい。減圧含浸時間を3分以下とすれば、生産
性が高く、サイクル特性に優れるリチウムポリマー二次
電池を得ることができる。また、減圧含浸の時間をあま
りに長く取りすぎると、プレゲル電解質溶液の一部が変
質し出来上がり電池の性能に支障を来すことがある。よ
り具体的に説明すれば、重合性化合物と重合開始剤とを
含有するプレゲル電解質溶液は、周囲環境の酸素濃度が
薄くなる、換言すれば真空度が高くなると、重合性化合
物が重合を開始する性質を有する。従って、減圧含浸時
間が3分より長くなると、前記重合が進むことによるプ
レゲル電解質溶液の粘度の上昇が発生し、電極やセパレ
ータ内へのプレゲル電解質溶液の含浸が不十分となる場
合がある。減圧含浸の時間の上限は、より好ましくは6
0秒以下、特に好ましくは40秒以下である。減圧含浸
時間が60秒以下とすれば充分な電池性能が得られ、4
0秒以下であれば、電池特性、生産性をさらに向上させ
ることができる。
【0072】プレゲル電解質溶液の電池積層体への減圧
含浸を所定時間行った後、図9において、真空バルブ1
6を閉じて、パージバルブ13を開とすることで系内を
大気圧に戻す。これで減圧含浸工程が完了する。尚、工
程(1)又は工程(1)’を行った後、上記減圧含浸に
おいて前記電池積層体に含浸されなかったプレゲル電解
質溶液が外装体内に残っている場合は、前記含浸されな
かった余分のプレゲル電解質溶液を排出することが好ま
しい。つまり、減圧雰囲気下での含浸において平板積層
型電池積層体に含浸されなかったプレゲル電解質溶液を
外装体から取り出す操作を行うことが好ましい。
【0073】前述の通り、工程(1)又は工程(1)’
においては、外装体内に収納された電池積層体がプレゲ
ル電解質溶液に完全に浸かった状態でプレゲル電解質溶
液の含浸を行うことが好ましい。つまり、プレゲル電解
質溶液を電池積層体に含浸される実際の量よりも多く注
液しておくことが好ましいので、減圧含浸後、余剰のプ
レゲル電解質溶液が外装体内に存在する場合がある。上
記操作では、この余剰のプレゲル電解質溶液を外装体の
外へと排出する。
【0074】上記操作を行うための具体的な方法の一例
を、図11に示す。図11は、余剰のプレゲル電解質溶
液を外装体の外に取り出す排出装置の構成の模式図であ
り、排出液ノズル22を、プレゲル電解質を含浸した電
池積層体1’と外装体6との隙間に挿入した後、過剰な
プレゲル電解質溶液を、真空ポンプ18で排出液ノズル
22を通して排出液タンク23へと排出することができ
るようになっている。
【0075】必要に応じ余剰のプレゲル電解質を外装体
の外に取り出した後、開口部7を真空シールして工程
(2)に進むことが好ましい。真空シールしておけば、
プレゲル電解質溶液を含浸した電池積層体が外装体を介
して大気圧で押さえつけられることとなるため、工程
(2)でプレゲル電解質溶液をゲル化する際に電極とセ
パレータとの密着性を向上させることができる。 (B)工程(2) 工程(2)においては、前記外装体を加熱して前記プレ
ゲル電解質溶液をゲル化させてゲル状電解質を形成す
る。
【0076】ゲル化は、通常、40℃から110℃の間
の温度で加熱することにより行われる。加熱重合による
ゲル化時間は、その温度により異なるが、低温ほど長時
間が必要である。生産性を考えると高温短時間となるが
過度な高温は、電解液の変質を来すので好ましくない。
好ましくは温度が50℃から100℃の間で、時間は2
分から30分の間である。より好ましくは、60℃から
90℃の温度範囲において2分から10分の間である。
この条件は、電池性能を引き出すための最適なゲル化条
件と生産性を考慮して導き出される。
【0077】また、工程(2)を行う前に外装体の開口
部を真空シールしておけば、工程(2)における加熱重
合は酸素遮断状況で行うことになるので、酸素共存下に
比べ重合性化合物が重合し易くなるので、加熱条件を緩
和することが可能となる。さらに、あらかじめ前記真空
シールを行っておけば、ゲル化工程からの作業は、通常
の生活環境下、例えば室温25℃、湿度50%で実施す
ることができるようになる。その方が設備コストが安価
になる利点がある。すなわちプレゲル電解質溶液を含浸
した電池積層体をラミネートフィルムの様な水分やガス
を遮断出来る外装体に収納しているので、水分量の多い
環境でも加熱重合によるゲル化が可能となるのである。
【0078】この後、リチウムポリマー二次電池完成ま
では、従来公知の方法を用いることができる。具体的に
は、熱重合処理を終え作製されたリチウムポリマー二次
電池は、充電することにより最終的な製品となる。この
ときの充電条件としては、例えば、未充電電池に対し
て、充電電流密度1mA/cm2で4.2Vまで充電し
た後、4.2Vの定電圧にて1時間充電する条件を挙げ
ることができる。これで最終製品としてのリチウムポリ
マー二次電池が完成する。 (II)本発明の第二の態様 本発明に係るリチウムポリマー二次電池の製造方法の第
二の態様は、平板状の正極、平板状の負極、及び正極と
負極との間に介設された平板状のセパレータにゲル状電
解質を含浸してなる単位電池要素を複数積層した平板積
層型電池要素を外装体に収納したリチウムポリマー二次
電池の製造方法において、平板状の正極、平板状の負
極、及び正極と負極との間に介設された平板状のセパレ
ータからなる単位電池積層体を複数積層した平板積層型
電池積層体に、電解液と重合性化合物と重合開始剤と界
面活性剤とを含有するプレゲル電解質溶液を含浸させた
後に、前記プレゲル電解質溶液をゲル化してゲル状電解
質を形成する際に、下記(1)〜(4)の各工程を行う
ことを特徴とする。 (1)容器内に設置した平板積層型電池積層体を減圧雰
囲気下に保持し、これに電解液と重合性化合物と重合開
始剤と界面活性剤とを含有するプレゲル電解質溶液を注
液して含浸させる工程 (2)前記容器から前記平板積層型電池積層体を取り出
す工程 (3)取り出した前記平板積層型電池積層体を外装体に
収納する工程 (4)前記外装体を加熱して前記平板積層型電池積層体
に含浸されたプレゲル電解質溶液をゲル化させてゲル状
電解質を形成する工程 この第二の態様は、工程(1)で電池積層体を外装体に
収納するのではなく容器に収納する点、工程(2)で前
記容器から電池積層体を取り出す工程を有する点、及び
工程(3)でプレゲル電解質溶液を含浸した電池積層体
を外装体に収納する工程を有する点で、上記(I)の第
一の態様と異なる。その他の点、例えば含浸時間等の製
造方法に関する事項や用いる材料は、前記第一の態様と
同様にすればよい。以下、本発明の第二の態様につい
て、第一との相違点を中心に説明する。
【0079】上述の通り、工程(1)において、電池積
層体を専用の容器に設置した状態で、電池積層体へのプ
レゲル電解質溶液の含浸が行われる。ここで、上記専用
の容器へのプレゲル電解質溶液の注液は、電池積層体を
容器内に設置する前、設置と同時、又は設置の後のいず
れかで行えばよい。工程(1)は、電池積層体を容器内
に設置した後に注液を行う態様である。注液と減圧雰囲
気下に保持するタイミングは、製造装置の形状や操作の
利便性を考慮して選べばよく、工程(1)の代わりに下
記工程(1)’を行ってもよい。 工程(1)’ 容器内に設置した平板積層型電池積層体に、電解液と重
合性化合物と重合開始剤と界面活性剤とを含有するプレ
ゲル電解質溶液を満たした状態とした後に、これを減圧
雰囲気下に保持して、プレゲル電解質溶液を平板積層型
電池積層体に含浸させる工程。
【0080】第二の態様においては、専用の容器を用い
る。これにより、前記容器の大きさを調節して複数個の
電池積層体に一度にプレゲル電解質溶液を含浸する事が
可能となり、生産性が向上する利点がある。また、第二
の態様においても、その工程(1)において、プレゲル
電解質溶液の平板積層型電池積層体への含浸を、平板積
層型電池積層体がプレゲル電解質溶液に完全に浸かった
状態で行うことが好ましい(理由は上記(I)において
述べた通り)が、専用の容器を用いることにより、工程
(1)において電池積層体に含浸されなかった余剰のプ
レゲル電解質溶液を取り出す操作が不要となる利点もあ
る。
【0081】そして、工程(1)において、プレゲル電
解質溶液の電池捲回体への含浸を10秒以上3分以下の
時間行うことが好ましい点も、前記第一の態様において
説明したものと同様である。第二の態様で用いる専用の
容器の大きさは、電池積層体の大きさに併せて作製すれ
ばよく、複数の電池積層体へのプレゲル電解質溶液の含
浸をまとめて行う場合は、それら複数個の電池積層体を
収納できるような大きさとすればよい。また容器の材質
も、プレゲル電解質溶液に対して腐食する等の問題がな
く化学的に安定なものであればよい。このような材質と
しては、例えば、ポリプロピレン、ステンレス、ガラス
等を挙げることができる。
【0082】第二の態様では、工程(1)の減圧含浸工
程の後、工程(2)において上記容器からプレゲル電解
質溶液を含浸した電池積層体を取り出す。工程(2)の
具体的な方法の一例を図12を用いて説明する。図12
は、専用の容器31に収納された、リード端子5が接続
された電池積層体1’にプレゲル電解質溶液19を注液
した状態を表す模式図である。工程(2)を行うには、
プレゲル電解質溶液を含浸した電池積層体1’を、単に
容器31から引き上げればよい。尚、引き上げの際、電
池積層体に過剰なプレゲル電解質溶液が含浸されている
ような場合は、プレゲル電解質溶液を含浸した電池積層
体の両側面を軽く圧迫してやることによりこれを排除す
ることができる。
【0083】その後、工程(4)に進む前に、取り出し
たプレゲル電解質溶液を含浸した電池積層体を外装体に
収納する(工程(3))。具体的には、ラミネートフィ
ルムにプレゲル電解質溶液を含浸した電池積層体を収納
し三辺をシール、さらに残りの開口部を真空シールする
ことが好ましい。これは、第一の態様においても説明し
た通り、第一に、真空シールしておけば、プレゲル電解
質溶液を含浸した電池積層体が外装体を介して大気圧で
押さえつけられることとなるため、工程(4)でプレゲ
ル電解質溶液をゲル化する際に電極とセパレータとの密
着性を向上させることができるためである。そして第二
に、あらかじめプレゲル電解質溶液を含浸した電池積層
体を外装体に収納して真空シールしておけば、工程
(4)における加熱重合は酸素遮断状況で行うことにな
るので、酸素共存下にくらべ加熱条件を緩和することが
可能となるからである。さらに第三に、あらかじめ前記
真空シールを行っておけば、ゲル化工程からの作業は、
通常の生活環境下、例えば室温25℃、湿度50%で実
施することができるようになり、設備コストが安価にな
る利点もあるからである。すなわち電池要素をラミネー
トフィルムの様な水分やガスを遮断出来る外装体に収納
しているので、水分量の多い環境でも加熱重合によるゲ
ル化が可能となるのである。
【0084】尚、工程(4)以降の作業も第一の実施態
様と同様にすればよい。 (III)本発明の第三の態様 本発明に係るリチウムポリマー二次電池の製造方法の第
三の態様は、長尺の正極、長尺の負極及び正極と負極と
の間に介設された長尺のセパレータを捲回した電池捲回
体にゲル状電解質を含浸してなる捲回型電池要素を外装
体に収納したリチウムポリマー二次電池の製造方法にお
いて、電池捲回体に、電解液と重合性化合物と重合開始
剤と界面活性剤とを含有するプレゲル電解質溶液を含浸
させた後に、前記プレゲル電解質溶液をゲル化してゲル
状電解質を形成する際に、下記(1)、(2)の各工程
を行うことを特徴とする。 (1)外装体に収納した電池捲回体を減圧雰囲気下に保
持し、これに電解液と重合性化合物と重合開始剤と界面
活性剤とを含有するプレゲル電解質溶液を注液して含浸
させる工程 (2)前記外装体を加熱して前記電池捲回体に含浸され
たプレゲル電解質溶液をゲル化させてゲル状電解質を形
成する工程 この第三の態様は、単位電池積層体を複数積層した平板
積層型電池積層体を用いる代わりに、長尺の正極、長尺
の負極及び正極と負極との間に介設された長尺のセパレ
ータを捲回した電池捲回体を用いる点が第一の態様と異
なるのみであり、その他の点、例えば含浸時間等の製造
方法に関する事項や使用する材料は第一の態様と同様に
すればよい。そこで、上記相違点を中心に説明する。
【0085】電池捲回体は、長尺の正極、長尺の負極及
び正極と負極の間に介設された長尺のセパレータを捲回
したものである。この長尺の正極及び長尺の負極の一例
を図13に示す。図13において、正極2は、長尺に形
成した正極集電体2a上に正極活物質層2bを長尺に形
成してなる。そして正極集電体2aの端部にリード端子
5が、超音波融着等により接続されている。負極3も正
極の場合と同様であり、長尺に形成した負極集電体3a
上に負極借る物質層3bを長尺に形成してなる。そし
て、負極集電体3aの端部にリード端子5が接続された
形態を有する。そしてこれら正極2、負極3は矢印32
a又は矢印32bの方向に捲回されるようになってい
る。
【0086】これら正極、負極及びセパレータは、それ
ぞれが長尺に形成されていること、つまり捲回する回数
に合わせた長さを確保している点が単位電池積層体の場
合と異なるのみであり、使用する材料や製造方法は、図
1〜3において説明した単位電池積層体の場合と同じで
ある。図14に、電池捲回体の一例を示す。図14の電
池捲回体100は、先に説明した長尺の正極2、長尺の
負極3及び正極と負極との間に長尺のセパレータ4を介
設し、これを捲回することによって製造することができ
る。ここで捲回する回数は、通常2回以上である。実用
的な放電容量の下限と、通常用いられる電極の大きさを
考慮して捲回は通常2回以上とするが、容量をより高く
するには回数が3回以上であればよく、回数が4回以上
とすれば、より放電容量が高くしかも体積エネルギ−密
度の電池が高い生産性で得られるようになる。
【0087】また、工程(1)の代わりに下記工程
(1)’を行ってもよいことは前記第一の態様において
説明したものと同様である。 工程(1)’ 外装体に収納した電池捲回体に、電解液と重合性化合物
と重合開始剤と界面活性剤とを含有するプレゲル電解質
溶液を満たした状態とした後に、これを減圧雰囲気下に
保持して、プレゲル電解質溶液を電池捲回体に含浸させ
る工程。
【0088】そして、工程(1)におけるプレゲル電解
質溶液の電池捲回体への含浸を、電池捲回体がプレゲル
電解質溶液に完全に浸かった状態で行うことが好ましい
点は、前記第一の態様において説明したものと同様であ
る。そして、工程(1)において、プレゲル電解質溶液
の電池捲回体への含浸を10秒以上3分以下の時間行う
ことが好ましい点も、前記第一の態様において説明した
ものと同様である。
【0089】さらに、工程(1)の後、減圧雰囲気下で
の含浸において電池捲回体に含浸されなかったプレゲル
電解質溶液を外装体から取り出す工程をさらに有する事
が好ましい点も、前記第一の態様において説明したもの
と同様である。 (IV)本発明の第四の態様 本発明に係るリチウムポリマー二次電池の製造方法の第
四の態様は、長尺の正極、長尺の負極及び正極と負極と
の間に介設された長尺のセパレータを捲回した電池捲回
体にゲル状電解質を含浸してなる捲回型電池要素を外装
体に収納したリチウムポリマー二次電池の製造方法にお
いて、電池捲回体に、電解液と重合性化合物と重合開始
剤と界面活性剤とを含有するプレゲル電解質溶液を含浸
させた後に、前記プレゲル電解質溶液をゲル化してゲル
状電解質を形成する際に、下記(1)〜(4)の各工程
を行うことを特徴とする。 (1)容器内に設置した電池捲回体を減圧雰囲気下に保
持し、これに電解液と重合性化合物と重合開始剤と界面
活性剤とを含有するプレゲル電解質溶液を注液して含浸
させる工程 (2)前記容器から前記電池捲回体を取り出す工程 (3)取り出した前記電池捲回体を外装体に収納する工
程 (4)前記外装体を加熱して前記電池捲回体に含浸され
たプレゲル電解質溶液をゲル化させてゲル状電解質を形
成する工程 この第四の態様は、単位電池積層体を複数積層した電池
積層体を用いる代わりに、長尺の正極、長尺の負極及び
正極と負極との間に介設された長尺のセパレータを捲回
した電池捲回体を用いる点が第二の態様と異なるのみで
あり、その他の点、例えば含浸時間等の製造方法に関す
る事項や使用する材料は第二の態様と同様にすればよ
い。また電池捲回体については、上記第三の態様におい
て説明したものと同様のものを用いることができる。
【0090】また、工程(1)の代わりに下記工程
(1)’を行ってもよいことは前記第一の態様において
説明したものと同様である。 工程(1)’ 容器内に設置した電池捲回体に、電解液と重合性化合物
と重合開始剤と界面活性剤とを含有するプレゲル電解質
溶液を満たした状態とした後に、これを減圧雰囲気下に
保持して、プレゲル電解質溶液を電池捲回体に含浸させ
る工程。
【0091】そして、工程(1)において、プレゲル電
解質溶液の電池捲回体への含浸を、電池捲回体がプレゲ
ル電解質溶液に完全に浸かった状態で行う事が好ましい
点は、前記第一の態様において説明したものと同様であ
る。さらに、工程(1)において、プレゲル電解質溶液
の電池捲回体への含浸を10秒以上3分以下の時間行う
ことが好ましい点も、前記第一の態様において説明した
ものと同様である。 (V)本発明のリチウムポリマー二次電池の用途 本発明のリチウムポリマー二次電池が電源として使用さ
れる電気機器としては特に限定されず、例えば、ノート
パソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子
ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、
ページャー、ハンディーターミナル、携帯ファックス、
携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、
ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、
ポータブルCD、ミニディスク、電気シェーバー、トラ
ンシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テ
ープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、モータ
ー、照明器具、玩具、ゲーム機器、ロードコンディショ
ナー、時計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメー
カー、補聴器、肩もみ機など)等を挙げることができ
る。
【0092】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて具体的に説明
するが、本発明はそれらの実施例に限定されるものでは
ない。 (実施例1) (a)正極の作製
【0093】
【表1】 正極活物質 LiCoO2 90部 導電材 アセチレンブラック 5部 結着材 ポリフッ化ビニリデン 5部 溶剤 N−メチルピロリドン 80部 上記材料を混合攪拌し、20μm厚みのアルミニウム箔
の両面に均一塗布、乾燥した。ついでロールプレスで加
圧成形することにより、集電体の両面に正極活物質層を
有する厚み140μmの正極原反を得た。この正極原反
をプレス打ち抜き機で裁断し、両面塗布正極を10枚作
製した。正極の基本形状は28mm×28mmの正方形
で、一辺外側にアルミニウム箔が延出して形成された、
リ−ド端子接続用の5mm×7mmのタブ部を有してい
る。正極活物質層の塗布面積は、表裏合計で156.8
cm2である。 (b)負極
【0094】
【表2】 負極活物質 グラファイト 90部 結着材 ポリフッ化ビニリデン 10部 溶剤 N−メチルピロリドン 100部 上記材料を混合攪拌し、10μm厚みの銅箔の両面に均
一に塗布、乾燥した。ついでロールプレスで加圧成形す
ることにより集電体の両面に負極活物質層を有する厚み
116μmの負極原反を得た。この負極原反をプレス打
ち抜き機で裁断し、両面塗布負極を9枚作製した。同様
に上記スラリ−を、10μm厚みの銅箔の片面に均一塗
布、乾燥した。ついでロールプレスで加圧成形すること
により集電体の片面に負極活物質層を有する厚み64μ
mの負極原反を得た。この負極原反をプレス打ち抜き機
で裁断し、片面塗布負極を2枚作製した。負極の基本形
状は29mm×29mmの正方形で、一辺外側に銅箔が
延出して形成された、リ−ド端子接続用の5mm×8m
mのタブ部を有している。 (c)プレゲル電解質溶液の調製
【0095】
【表3】 LiPF6 10.5部 エチレンカーボネート 43.3部 プロピレンカーボネート 39.2部 ポリエチレングリコールジアクリレート(重合性化合物) 4.67部 ポリエチレンオキシドトリアクリレート(重合性化合物) 2.33部 重合開始剤 0.2部 界面活性剤 0.5部 上記材料を混合攪拌し、プレゲル電解質溶液を得た。
尚、界面活性剤は、フッ素系界面活性剤(パーフルオロ
アルキルスルホン酸イミドエチレンオキサイド付加物、
大日本インキ化学工業株式会社製、商品名:メガファッ
クF142P)を用いた。 (d)セパレータの裁断 厚さ16μのポリエチレン製微多孔膜を、31mm×3
1mmの正方形に20枚裁断し、セパレータを作成し
た。 (e)電池の組立 上記(a)、(b)で得られた電極は、露点−45℃の
環境下にある乾燥機を用い110℃、30分の乾燥を行
った後に組立に供した。片面塗布負極の上にセパレ−
タ、両面塗布正極、セパレ−タ、両面塗布負極を順次積
層することを繰り返した。最後に両面塗布負極の代わり
に片面塗布負極を積層し、単位電池積層体を20層有す
る電池積層体(図6参照)を作製した。この電池積層体
の各単位電池積層体の正極及び負極から延出するタブを
それぞれまとめ、幅5mmのリード端子を超音波溶接機
で溶接した。次に、この電池積層体を図7のように2枚
のラミネートフィルムに収納し、各リ−ド端子をラミネ
ートフィルムの一辺から延出させた状態で周縁部を熱シ
−ルした。その際、リード端子とラミネートフィルムの
内側樹脂部との間に、熱可塑性樹脂シートを封止強化の
ために介在させた。さらにリ−ド端子の無い電池積層体
の両側面もシ−ルし、図8に示すように一辺のみを開口
状態とした。
【0096】これを図9に示すような減圧含浸装置の内
部に置いた。減圧含浸装置内部が、1000Paになる
まで真空排気した後、注液バルブ12を開き、注入ノズ
ル11よりプレゲル電解質溶液を注入した後、真空を2
0秒間保持した。減圧含浸後、真空バルブ16を閉じ、
パージバルブ13を開き減圧含浸装置を大気圧に戻し
た。(本発明の第一の態様の工程(1))。次に真空シ
−ル装置を用いて外装体の開口部を真空シールした後、
90℃10分の加熱により重合性化合物であるアクリレ
−トを加熱重合させ(本発明の第一の態様の工程
(2))、リチウムポリマー二次電池を作製した。 (f)電池特性試験 (f−1)ハイレート試験及びサイクル試験 25℃、湿度50%の環境下で、上記(a)〜(e)の
手順で作製されたリチウムポリマー二次電池のハイレ−
ト試験およびサイクル試験を行った。
【0097】ハイレート試験は以下の手順で行った。す
なわち、充電電流密度1mA/cm 2で4.2Vまで充
電した後、4.2Vの定電圧にて1時間充電を続け、そ
の後、放電電流密度0.4mA/cm2で2.7Vまで
放電させ、その放電容量を初期放電容量とした。次いで
同一条件で充電し、放電電流密度4mA/cm2で2.
7Vまで放電させた時のハイレート放電容量を測定し
た。そして、初期放電容量に対するハイレート放電容量
の割合を算出することによりハイレ−ト試験を行った。
【0098】次に、サイクル試験は、電流密度1.2m
A/cm2の充電と電流密度2mA/cm2の放電を30
0回繰り返すことにより行った。そして、300回後の
放電容量維持率(初回サイクル時の放電容量と比較)を
求めサイクル試験とした。これら電池特性の結果を表−
1に示した。 (f−2)0.2C〜2.0Cのレート試験 作成されたリチウムポリマー二次電池を25℃、湿度5
0%の環境下で0.2C〜2.0Cのレート試験を行っ
た。尚、1Cの値は、1mA/cm2である。具体的に
は、以下の(イ)〜(ヘ)の操作をこの順に行い、0.
2C、0.5C、1.0C、1.5C及び2Cの各放電
レートでの放電容量を測定した。測定した放電容量を表
−2に示す。 (イ)充電電流密度1mA/cm2で4.2Vまで充電
した後、4.2Vの定電圧にて1時間充電する。その後
0.2Cにて2.7Vまで放電させ、その放電容量を測
定する。 (ロ)上記(イ)と同様の条件で充電した後、0.5C
にて2.7Vまで放電させ、その放電容量を測定する。 (ハ)上記(イ)と同様の条件で充電した後、1.0C
にて2.7Vまで放電させ、その放電容量を測定する。 (ニ)上記(イ)と同様の条件で充電した後、1.5C
にて2.7Vまで放電させ、その放電容量を測定する。 (ホ)上記(イ)と同様の条件で充電した後、2.0C
にて2.7Vまで放電させ、その放電容量を測定する。 (ヘ)上記(イ)と同様の条件で充電した後、0.2C
にて2.7Vまで放電させ、その放電容量を測定する。 (比較例1)実施例1の(c)プレゲル電解質溶液の調
製において、界面活性剤を使用しなかったこと以外は実
施例1と同様にしてリチウムポリマー二次電池を作製し
た。このようにして得たリチウムポリマー二次電池の
0.2C〜2.0Cのレート試験を実施例1と同様にし
て測定した。その結果を表−2に示す。測定結果から明
らかなように、界面活性剤を用いないプレゲル電解質溶
液を電池積層体に含浸させると、レート試験における放
電容量が大幅に低下する。これは、減圧雰囲気下での一
括含浸においてプレゲル電解質溶液が電池積層体内に十
分含浸されない結果、電解質がセパレータ及び正極・負
極の空隙内に十分含浸されず、リチウムイオンの移動及
び吸蔵放出が良好に行われなくなるために他ならない。 (実施例2〜3)実施例1における電池の組立の電解液
含浸工程において、電池積層体にプレゲル電解質溶液を
注液した後の、減圧含浸時間を変更する事以外は実施例
1に準じてリチウムポリマー二次電池を作製した。各リ
チウムポリマー二次電池の減圧含浸時間と得られた電池
特性とを表−1に示す。表−1に示した結果からわかる
ように、減圧含浸時間20〜180秒において、良好な
初期容量、ハイレート性能、及び300回充・放電後の
放電容量維持率を有するリチウムポリマー二次電池を得
ることができる。 (実施例4)実施例1における電池の組立工程におい
て、電池積層体の天地面すなわち積層1枚目の電極と最
終積層の電極とに両面塗布電極を用いること(電池積層
体を図5のような形態としたこと)以外は、実施例1に
準じてリチウムポリマー二次電池を作製した。すなわ
ち、両面塗布負極の上にセパレ−タ、両面塗布正極、セ
パレ−タ、両面塗布負極を順次積層することを繰り返し
20層の電池積層体を作製した以外は実施例1と同様に
してリチウムポリマー二次電池を作製したのである。こ
のようにして得たリチウムポリマー二次電池の電池特性
を表−1に示す。表−1に示す結果から、電池積層体の
形状を変更しても良好なリチウムポリマー二次電池を得
ることができることがわかる。
【0099】
【表4】
【0100】
【表5】
【0101】(実施例5)実施例4に準じて電池積層体
を作製した点、減圧含浸の際に外装体に電池積層体を収
納せず、図12に示すような角形容器31(ポリプロピ
レン製)内にリード端子5が上になるよう挿入した点以
外は、実施例1と同様にしてリチウムポリマー二次電池
を作製した。尚、前記リチウムポリマー二次電池作製の
際に、減圧含浸を終えた電池積層体は、ビニールシート
で挟んで両サイドより圧迫することで過剰なプレゲル電
解質溶液を念のために排出した。
【0102】このようにして得たリチウムポリマー二次
電池について、実施例1と同じ電池特性試験を行い、初
期容量324mAh、ハイレート試験の容量維持率9
6.2% サイクル試験の容量維持率89.8%の結果
を得た。複数個の平板積層型電池積層体を1つの容器に
設置して含浸することが可能な、本発明の第二の態様の
製造方法においても高性能なリチウムポリマー二次電池
が得られることが分かる。 (実施例6)加熱重合の際の温度を90℃から70℃と
したこと以外は実施例5と同様の方法で、リチウムポリ
マー二次電池を得た。
【0103】このようにして得たリチウムポリマー二次
電池の電池特性試験を実施例1と同様にして行い、初期
容量326mAh、ハイレート試験の容量維持率96.
4%サイクル試験の容量維持率89.4%の結果を得
た。加熱温度を90℃から70℃に変更しても、良好な
電池特性が得られる。 (実施例7、8)実施例1における減圧時の圧力100
0Pa(0.1×104Pa)を、実施例7では500
0Pa(0.5×104Pa)、実施例8では1000
0Pa(1.0×104Pa)で実施した。圧力以外の
操作条件、各工程は実施例1と同様にして、リチウムポ
リマー二次電池を得た。電池特性試験の結果を表−3に
示す。表−3に示す結果から、減圧時の圧力1000〜
10000Paにおいて、良好な電池性能を示すリチウ
ムポリマー二次電池を得ることができることがわかる。
【0104】
【表6】
【0105】(実施例9)電池積層体を電池捲回体に変
えて、減圧含浸を行いリチウムポリマー二次電池を作製
した。詳細を以下に説明する。 (a)正極の作製 実施例1の正極原反を回転刃で裁断し、両面塗布正極を
1枚作製した。正極の形状は28mm×285mmの長
方形で、リ−ド端子接続用に28mm×5mmの正極活
物質層剥離部を有している。正極活物質層の塗布面積
は、表裏合計で156.8cm2である。剥離された部
分にアルミニウムのリード端子を溶接した。 (b)負極 実施例1の負極原反を、30mm×376mmの長方形
となるよう回転刃で裁断した。捲回時に正極活物質面に
必ず負極活物質面が対向し、正極活物質が存在しない面
は、負極電極より負極活物質の剥離を行った。負極活物
質層の塗布面積は、表面、裏面ともに30mm×285
mmとなっている。負極の端面の銅箔部分に銅のリード
端子を溶接した。 (c)プレゲル電解質溶液の調製 実施例1と同様に調製した。 (d)セパレータ 厚さ16μ、幅32mmのポリエチレン製微多孔膜を使
用した。 (e)電池の組立 工程(a)(b)で得られた電極は、露点−45℃の環
境下にある乾燥機を用い110℃30分の乾燥を行った
後、組立に供した。捲回機を用いて捲回する時は、幅が
22mmである捲き芯をセットし、リード端子溶接側か
らを捲き始めた。セパレータを介して正極と負極が対向
するよう捲回し、最外周はセパレータを1巡させ、終端
をテープで固定することで、電池捲回体を得た。
【0106】次に、この電池捲回体をラミネートフィル
ムに収納し、各リ−ド端子をラミネートフィルムの一辺
から延出させた状態でシ−ルを行った。その際、リード
端子とラミネートフィルムの内側樹脂部との間に、熱可
塑性樹脂シートを封止強化のために介在させた。さらに
リ−ド端子の無い電池要素の両側面もシ−ルし、一辺の
みを開口状態とした。
【0107】これを図9に示した減圧含浸装置の内部に
置いた。これ以降の操作は、すべて実施例1と同じとし
た。得られたリチウムポリマー二次電池を、実施例1に
準じて電池特性試験を行ったところ、初期容量324m
Ah、ハイレート試験の容量維持率95.9% サイク
ル試験の容量維持率89.2%の結果を得た。
【0108】本発明の第三の態様の製造方法を用いた場
合においても良好なリチウムポリマー二次電池が得られ
ることが分かる。
【0109】
【発明の効果】本発明によれば、初期容量、ハイレート
特性、レート特性、及びサイクル特性に優れる高性能な
リチウムポリマー二次電池を生産効率の高い方法で製造
することができるようになる。特に、プレゲル電解質溶
液に界面活性剤を含有することにより、減圧雰囲気下で
のプレゲル電解質溶液の電極内等への含浸を一括でかつ
十分に行うことができるようになり、生産性が高く、高
性能なリチウムポリマー二次電池を得ることができるよ
うになる。そして、本発明の製造方法は、高性能なリチ
ウムポリマー二次電池を得るための製造方法として用い
るには従来困難と考えられていた、減圧雰囲気下でのプ
レゲル電解質溶液一括含浸を可能とするものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】単位電池積層体の一例を示す斜視図である。
【図2】電極の一例を示す斜視図である。
【図3】電極の他の一例を示す斜視図である。
【図4】平板積層型電池積層体の具体例を示すものであ
る。
【図5】平板積層型電池積層体の他の具体例を示すもの
である。
【図6】平板積層型電池積層体のさらに他の具体例を示
すものである。
【図7】平板積層型電池積層体が外装体に収納される直
前の斜視図である。
【図8】平板積層型電池積層体が外装体に収納され、外
装体の一端が開口されている状態を示す斜視図である。
【図9】減圧雰囲気下でのプレゲル電解質溶液を含浸す
るための装置の一例を示す模式図である。
【図10】外装体に収納された平板積層型電池積層体へ
のプレゲル電解質溶液の注液量を示す模式図である。
【図11】減圧含浸後の余剰のプレゲル電解質溶液を取
り除くための装置の一例を示す模式図である。
【図12】専用容器に収納された平板積層型電池積層体
にプレゲル電解質溶液が注液された状態を示す模式図で
ある。
【図13】電池捲回体に用いる電極の一例を示す平面図
である。
【図14】電池捲回体の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 単位電池積層体 1a 平板積層型電池積層体の最外に位置する単位電
池積層体 1’ 平板積層型電池積層体(電池積層体) 2 正極 2a 正極集電体 2b 正極活物質層 2’ タブ 3 負極 3a 負極集電体 3b 負極活物質層 3’ タブ 4 セパレータ 5 リード端子 6 外装体 6a、6b 外装部材 60a、60b 外装部材の周縁部 60 外装部材の周縁部を貼り合わせた部分 7 外装体の開口部 10 電解液漕 11 注液ノズル 12 注液バルブ 13 パージバルブ 14 減圧含浸装置 15 保持具 16 真空バルブ 17 真空圧力調整器 18 真空ポンプ 19 プレゲル電解質溶液 20 注液線 21 排出液バルブ 22 排出液ノズル 23 排出液タンク 30 排出されたプレゲル電解質溶液 31 容器 32a、32b 捲回方向を示す矢印 100 電池捲回体 200b 最外の正極活物質層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H028 BB03 BB05 BB07 BB10 BB15 CC12 EE06 HH08 HH09 5H029 AJ01 AJ05 AJ14 AK03 AK16 AL02 AL06 AL07 AL08 AL11 AL12 AM02 AM03 AM04 AM05 AM07 AM16 BJ14 CJ02 CJ11 CJ13 CJ28 DJ09 EJ04 EJ12 HJ14 HJ15

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平板状の正極、平板状の負極、及び正極
    と負極との間に介設された平板状のセパレータにゲル状
    電解質を含浸してなる単位電池要素を複数積層した平板
    積層型電池要素を外装体に収納したリチウムポリマー二
    次電池の製造方法において、平板状の正極、平板状の負
    極、及び正極と負極との間に介設された平板状のセパレ
    ータからなる単位電池積層体を複数積層した平板積層型
    電池積層体に、電解液と重合性化合物と重合開始剤と界
    面活性剤とを含有するプレゲル電解質溶液を含浸させた
    後に、前記プレゲル電解質溶液をゲル化してゲル状電解
    質を形成する際に、下記(1)、(2)の各工程を行う
    ことを特徴とするリチウムポリマー二次電池の製造方
    法。 (1)外装体に収納した平板積層型電池積層体を減圧雰
    囲気下に保持し、これに電解液と重合性化合物と重合開
    始剤と界面活性剤とを含有するプレゲル電解質溶液を注
    液して含浸させる工程 (2)前記外装体を加熱して前記平板積層型電池積層体
    に含浸されたプレゲル電解質溶液をゲル化させてゲル状
    電解質を形成する工程
  2. 【請求項2】 請求項1の工程(1)の代わりに下記工
    程(1)’を行う請求項1に記載のリチウムポリマー二
    次電池の製造方法。 (1)’外装体に収納した平板積層型電池積層体に、電
    解液と重合性化合物と重合開始剤と界面活性剤とを含有
    するプレゲル電解質溶液を満たした状態とした後に、こ
    れを減圧雰囲気下に保持して、プレゲル電解質溶液を平
    板積層型電池積層体に含浸させる工程。
  3. 【請求項3】 平板状の正極、平板状の負極、及び正極
    と負極との間に介設された平板状のセパレータにゲル状
    電解質を含浸してなる単位電池要素を複数積層した平板
    積層型電池要素を外装体に収納したリチウムポリマー二
    次電池の製造方法において、平板状の正極、平板状の負
    極、及び正極と負極との間に介設された平板状のセパレ
    ータからなる単位電池積層体を複数積層した平板積層型
    電池積層体に、電解液と重合性化合物と重合開始剤と界
    面活性剤とを含有するプレゲル電解質溶液を含浸させた
    後に、前記プレゲル電解質溶液をゲル化してゲル状電解
    質を形成する際に、下記(1)〜(4)の各工程を行う
    ことを特徴とするリチウムポリマー二次電池の製造方
    法。 (1)容器内に設置した平板積層型電池積層体を減圧雰
    囲気下に保持し、これに電解液と重合性化合物と重合開
    始剤と界面活性剤とを含有するプレゲル電解質溶液を注
    液して含浸させる工程 (2)前記容器から前記平板積層型電池積層体を取り出
    す工程 (3)取り出した前記平板積層型電池積層体を外装体に
    収納する工程 (4)前記外装体を加熱して前記平板積層型電池積層体
    に含浸されたプレゲル電解質溶液をゲル化させてゲル状
    電解質を形成する工程
  4. 【請求項4】 請求項3の工程(1)の代わりに下記工
    程(1)’を行う請求3に記載のリチウムポリマー二次
    電池の製造方法。 (1)’容器内に設置した平板積層型電池積層体に、電
    解液と重合性化合物と重合開始剤と界面活性剤とを含有
    するプレゲル電解質溶液を満たした状態とした後に、こ
    れを減圧雰囲気下に保持して、プレゲル電解質溶液を平
    板積層型電池積層体に含浸させる工程。
  5. 【請求項5】 長尺の正極、長尺の負極及び正極と負極
    との間に介設された長尺のセパレータを捲回した電池捲
    回体にゲル状電解質を含浸してなる捲回型電池要素を外
    装体に収納したリチウムポリマー二次電池の製造方法に
    おいて、電池捲回体に、電解液と重合性化合物と重合開
    始剤と界面活性剤とを含有するプレゲル電解質溶液を含
    浸させた後に、前記プレゲル電解質溶液をゲル化してゲ
    ル状電解質を形成する際に、下記(1)、(2)の各工
    程を行うことを特徴とするリチウムポリマー二次電池の
    製造方法。 (1)外装体に収納した電池捲回体を減圧雰囲気下に保
    持し、これに電解液と重合性化合物と重合開始剤と界面
    活性剤とを含有するプレゲル電解質溶液を注液して含浸
    させる工程 (2)前記外装体を加熱して前記電池捲回体に含浸され
    たプレゲル電解質溶液をゲル化させてゲル状電解質を形
    成する工程
  6. 【請求項6】 請求項5の工程(1)の代わりに下記工
    程(1)’を行う請求項5に記載のリチウムポリマー二
    次電池の製造方法。 (1)’外装体に収納した電池捲回体に、電解液と重合
    性化合物と重合開始剤と界面活性剤とを含有するプレゲ
    ル電解質溶液を満たした状態とした後に、これを減圧雰
    囲気下に保持して、プレゲル電解質溶液を電池捲回体に
    含浸させる工程。
  7. 【請求項7】 長尺の正極、長尺の負極及び正極と負極
    との間に介設された長尺のセパレータを捲回した電池捲
    回体にゲル状電解質を含浸してなる捲回型電池要素を外
    装体に収納したリチウムポリマー二次電池の製造方法に
    おいて、電池捲回体に、電解液と重合性化合物と重合開
    始剤と界面活性剤とを含有するプレゲル電解質溶液を含
    浸させた後に、前記プレゲル電解質溶液をゲル化してゲ
    ル状電解質を形成する際に、下記(1)〜(4)の各工
    程を行うことを特徴とするリチウムポリマー二次電池の
    製造方法。 (1)容器内に設置した電池捲回体を減圧雰囲気下に保
    持し、これに電解液と重合性化合物と重合開始剤と界面
    活性剤とを含有するプレゲル電解質溶液を注液して含浸
    させる工程 (2)前記容器から前記電池捲回体を取り出す工程 (3)取り出した前記電池捲回体を外装体に収納する工
    程 (4)前記外装体を加熱して前記電池捲回体に含浸され
    たプレゲル電解質溶液をゲル化させてゲル状電解質を形
    成する工程
  8. 【請求項8】 請求項7の工程(1)の代わりに下記工
    程(1)’を行う請求7に記載のリチウムポリマー二次
    電池の製造方法。 (1)’容器内に設置した電池捲回体に、電解液と重合
    性化合物と重合開始剤と界面活性剤とを含有するプレゲ
    ル電解質溶液を満たした状態とした後に、これを減圧雰
    囲気下に保持して、プレゲル電解質溶液を電池捲回体に
    含浸させる工程。
  9. 【請求項9】 プレゲル電解質溶液の平板積層型電池積
    層体又は電池捲回体への含浸を10秒以上3分以下の時
    間行う請求項1乃至8のいずれかに記載のリチウムポリ
    マー二次電池の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれかに記載のリ
    チウムポリマー二次電池の製造方法における減圧雰囲気
    が、12000Pa以下の減圧雰囲気であるリチウムポ
    リマー二次電池の製造方法。
  11. 【請求項11】 電解液と重合性化合物と重合開始剤と
    界面活性剤とを含有するプレゲル電解質溶液に含有され
    る電解液が非水系溶媒と溶質とを含有し、前記非水系溶
    媒が沸点150℃以上の高沸点溶媒を含有する請求項1
    乃至10のいずれかに記載のリチウムポリマー二次電池
    の製造方法。
  12. 【請求項12】 電解液と重合性化合物と重合開始剤
    と界面活性剤とを含有するプレゲル電解質溶液に含有さ
    れる重合性化合物が不飽和二重結合を有するモノマーで
    ある請求項1乃至11のいずれかに記載のリチウムポリ
    マー二次電池の製造方法。
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