JP2002373649A - 電池およびその製造方法 - Google Patents

電池およびその製造方法

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JP2002373649A
JP2002373649A JP2001183026A JP2001183026A JP2002373649A JP 2002373649 A JP2002373649 A JP 2002373649A JP 2001183026 A JP2001183026 A JP 2001183026A JP 2001183026 A JP2001183026 A JP 2001183026A JP 2002373649 A JP2002373649 A JP 2002373649A
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Kazunori Oshima
一典 大島
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電池の製造時や使用時に電極間の短絡やマイ
ルドショートが発生する可能性を低減する。 【解決手段】 正極2と、負極3と、正負の電極2,3
の間に介設されたセパレータ4とを有する基本電池要素
1を、少なくとも1つそなえて構成される電池10であ
って、正負の電極2,3のうちの少なくとも一方の電極
の切断辺におけるバリの高さが、セパレータ4の厚さの
0.1〜1.1倍となるように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、正負の電極間にセ
パレータが介設された電池に関し、特に、原反を切断し
て製造された電極を用いた電池およびその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】電池は、一般に、集電体の上に正極活物
質を含有する正極活物質層を設けた正極、および、同じ
く集電体の上に負極活物質を含有する負極活物質層を設
けた負極という、二種類の電極を有するとともに、これ
らの電極の間が電解質によって満たされた構成をとる。
このような電池では、正負の電極活物質に蓄積されてい
る化学エネルギーが、電解質を介して生じる化学反応を
通じて電気エネルギーに変換され、この電気エネルギー
が外部に取り出されて起電力として利用される。
【0003】また、正負の電極の間には、両電極の短絡
を防ぐために、通常はセパレータが介設される。正負の
電極はこのセパレータによって互いに絶縁されつつも、
電解質を介して通電可能な状態となるように構成され
る。
【0004】正負一対の電極およびその間を満たす電解
質、並びに電極間に介設されるセパレータは、電池を構
成する基本的な要素であることから、以下の記載ではこ
れらを併せて「基本電池要素」と呼ぶこととする。な
お、電解質は、液状の電解液である場合にはセパレータ
を浸潤するように構成され、ポリマー状電解質の場合に
はセパレータと一体に構成される。
【0005】この基本電池要素は、多くの場合、正負の
電極の間にセパレータを挟むようにこれらを積層して形
成された、平板状の形態を有するものが用いられる。そ
して、正負の各電極は、通常、集電体の上に正負の活物
質層を設けた大判の平板状原反から、個々の電極を切り
出して得られる。また、セパレータも、通常、平板状の
原反を所望の大きさに切り出して得られる。
【0006】この平板状の基本電池要素を長尺に形成し
て巻回したり、または、平板状の基本電池要素を複数作
成して積層したりすることにより、電池の基本構造とな
る電池要素が形成される。ここで基本電池要素の巻回数
や積層数を適宜選択することにより、電池の容量を調節
することができる。こうして形成された電池要素を外装
ケースで被包し、電池要素が非水系の場合は水の浸入を
防止するために外装ケースを密閉して、最終的な電池が
作成される。
【0007】こうして作成される電池は、その機能面か
ら「一次電池」と「二次電池」との2種類に分類するこ
とが可能であり、放電のみを行なって不可逆的に使用さ
れる電池を「一次電池」、充放電を繰り返して可逆的に
使用することができる電池を「二次電池」、または「蓄
電池」と呼ぶ。
【0008】また、正負の電極(正負の極活物質)や電
解質の材質およびその組み合わせによって、一次電池お
よび二次電池をさらに細かく分類することも可能であ
る。例えば一次電池は、マンガン電池、アルカリマンガ
ン電池、酸化銀電池、水銀電池、リチウム電池、水素亜
鉛電池等に、また二次電池は、鉛蓄電池、アルカリ二次
電池、ニッケル水素電池、リチウム二次電池、亜鉛ハロ
ゲン電池、レドックスフロー電池、ナトリウム硫黄電池
等に、それぞれ分類することができる。
【0009】中でも、起電力物質としてリチウムを用い
る二次電池であるリチウム二次電池は、大幅な高容量化
や高エネルギー密度化が可能であると見込まれることか
ら、小型・軽量かつ高性能の電源として研究開発が進め
られており、その用途は急速に広がりつつある。例えば
ノートパソコン、モバイルパソコン、携帯電話、ハンデ
ィーターミナル、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッド
フォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンデ
ィークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、電気
シェーバー、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリ
ーカード、携帯レコーダー、ラジオ、バックアップ電
源、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、時計、ス
トロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、
肩もみ機など)等の幅広い分野に、このリチウム二次電
池が既に用いられており、または今後用いられていくも
のと期待されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】ところで、正負の電極
間には、前述したように、該電極同士の短絡を防止する
ためのセパレータが設けられている。そして、このセパ
レータは、通常、少なくとも正負のいずれかの電極の面
積よりも大きくなるように形成され、電極同士の短絡を
有効に防止し得るような電池構造となっている。
【0011】ところが、こうした構造上の工夫にも関わ
らず、従来の電池は、製造時に何らかの原因で正極と負
極とが短絡してしまい、製造された電池が不良品となる
場合がある。また、製造された時点では短絡していなく
とも、電池を使用しているうちに正極と負極とのマイル
ドショートが発生して、充放電の繰り返しに伴い電池の
容量低下が大きくなってしまう場合がある。このような
電極間の短絡やマイルドショートは、電池の製造におけ
る歩留りやコストの観点から、無視できない問題である
にも関わらず、その原因は突き止められていないのが現
状である。
【0012】さらに、小型の情報機器や電気製品の開発
に伴い、電池の小型化は今後も一層進むことが予想され
る。しかし、小型になっても一定の電池容量は要求され
るため、小型化に併せて電池のエネルギー密度の向上が
求められることになる。電池の電気容量は正負電極の体
積に比例するため、近年では電池の体積に対する電極の
体積の割合を増やして、エネルギー密度をできるだけ高
くしようとする傾向がある。その結果、セパレータの体
積は逆に小さくなり、セパレータの厚さは薄くなること
から、製造時や使用時における上記原因不明の電極間の
短絡やマイルドショートは、より発生しやすくなると予
想できる。従って、電極間の短絡の発生を防止する必要
性は今後ますます高くなっていくことが予想される。
【0013】本発明は、上述の課題に鑑みてなされたも
のである。すなわち、本発明の目的は、電池の製造時や
使用時に電極間の短絡やマイルドショートが発生する可
能性の少ない電池を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
電池の製造過程、正極や負極の材料、セパレータや電解
質の材料、製造された電池の特徴等について鋭意検討し
た結果、上記原因不明の電極間の短絡やマイルドショー
トは、電極を原反から切断して製造する際に切断辺にバ
リが生じ、このバリがセパレータを突き破ってしまうこ
とが、直接の原因となっていることを見出した。そし
て、電極の各切断辺におけるバリの高さとセパレータの
厚さの比を一定の範囲内に収まるように制御することに
よって、上記課題が効果的に解消されることを見出し、
本発明に至った。
【0015】なお、前記バリのほとんどは、電極の平面
形状に対して平行な方向に生じる。すなわち、前記バリ
は、通常、セパレータと平行(セパレータの厚さ方向に
対して垂直)な方向に形成されることになり、セパレー
タを突き破る原因になるとは考え難い。それにもかかわ
らず、前記バリが、電池の製造時の電極間の短絡や、電
池の使用時のマイルドショートの原因となっているとい
うのは、驚くべき知見である。
【0016】すなわち、本発明の要旨は、正負一組の電
極と該正負の電極の間に介設されたセパレータとを有す
る基本電池要素を、少なくとも1つそなえて構成される
電池であって、該正負の電極のうちの少なくとも一方の
電極の切断辺におけるバリの高さが、該セパレータの厚
さの0.1〜1.1倍であることを特徴とする、電池に
存する。
【0017】また、本発明の別の要旨は、正負一組の電
極と該正負の電極の間に介設されたセパレータとを有す
る基本電池要素を、少なくとも1つそなえて構成される
電池であって、該正負の電極のうちの少なくとも一方の
電極の切断辺におけるバリの高さが、5μm以下である
ことを特徴とする、電池に存する。
【0018】さらに、本発明の別の要旨は、正負一組の
電極と該正負の電極間に介設されたセパレータとを有す
る基本電池要素を、少なくとも1つそなえた電池の製造
方法であって、該正負の電極のうち少なくとも一方の電
極を、集電体上に活物質層を設けた平板状原反から、該
電極の切断辺におけるバリの高さが該セパレータの厚さ
の0.1〜1.1倍となるように、せん断による方法を
用いて切り出す工程と、前記工程により切り出された該
電極を少なくとも用いて電池を製造する工程とを有する
ことを特徴とする、電池の製造方法に存する。
【0019】また、本発明の別の要旨は、正負一組の電
極と該正負の電極間に介設されたセパレータとを有する
基本電池要素を、少なくとも1つそなえた電池の製造方
法であって、該正負の電極のうち少なくとも一方の電極
を、集電体上に活物質層を設けた平板状原反から、該電
極の切断辺におけるバリの高さが5μm以下となるよう
に、せん断による方法を用いて切り出す工程と、前記工
程により切り出された該電極を少なくとも用いて電池を
製造する工程とを有することを特徴とする、電池の製造
方法に存する。
【0020】なお、該切断辺に沿う方向に引いた直線を
基準線として定義するとともに該基準線と直交する方向
を該切断辺の高さ方向として定義した場合に、該切断辺
の一部もしくは全部における最大高さと最小高さとの差
を前記バリの高さとする。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の実施の形態について詳細に説明する。 (1)電池の種類 本発明の電池は、正負一組の電極と該正負の電極の間に
介設されたセパレータとを有する基本電池要素を、少な
くとも1つそなえたものである。ここで、正負の電極
は、電池の起電力の元となる化学エネルギーを蓄えるも
ので、通常、その少なくとも一方は、集電体の上に活物
質層を設けて形成される。また、セパレータは、両電極
間の短絡を防ぐもので、多孔性の絶縁物質により形成さ
れる。さらに、電極に存在する空隙およびセパレータの
空隙を含む両電極の間には電解質が含潤され、両電極
は、セパレータによって互いに絶縁されつつも、電解質
を介して通電可能な状態となるように構成される。こう
した構成の電池では、正負の電極活物質に蓄積されてい
る化学エネルギーが、電解質を介して生じる化学反応を
通じて電気エネルギーに変換され、この電気エネルギー
が外部に取り出されて起電力として利用される。
【0022】前述したように、こうした構成は殆ど全て
の電池が採るところであり、故に本発明の適用は、電池
の種類に拠って特に制限されない。即ち、対象となる電
池が「一次電池」か「二次電池」かに拠らず、または、
マンガン電池、アルカリマンガン電池、酸化銀電池、水
銀電池、リチウム電池、水素亜鉛電池、鉛蓄電池、アル
カリ二次電池、ニッケル水素電池、リチウム二次電池、
亜鉛ハロゲン電池、レドックスフロー電池、ナトリウム
硫黄電池等の分類に拠らず、前記構成の基本電池要素を
有する電池であれば、本発明の適用は可能である。
【0023】ただし、本発明の電池は、二次電池である
ことが好ましい。二次電池においては、充放電に伴うマ
イルドショートによる電池の容量低下が起こる場合があ
るので、本発明を適用して得られる効果が大きくなる。
【0024】以下の説明においては、便宜上、先に挙げ
た各種電池の中でも、特に本発明の適用による効果が顕
著であると推測されるリチウム二次電池を例として説明
する。勿論、以下の記載に拘わらず、本発明はリチウム
二次電池に限定されるものではなく、その要旨を越えな
い限りにおいて、上述の基本電池要素を有する他の様々
な種類の電池にも、広く適用することが可能である。
【0025】(2)電池の材料 図1は、本発明の一実施形態としてのリチウム二次電池
に使用される基本電池要素の構成を示す模式的な斜視図
である。図1に示すように、リチウム二次電池の基本電
池要素1は、正極集電体2aの表面に正極活物質層2b
を設けて構成された正極(電極)2と、負極集電体3a
の表面に負極活物質層3bを設けて構成された負極(電
極)3、および、これら正負一組の電極2,3の間に介
設されたセパレータ4から構成される。また、正極およ
び負極の各集電体2a,3aからは、後述するリード端
子接続用のタブ2’,3’が延設されている。さらに、
正負の電極2,3の内部およびセパレータ4の内部に
は、電解質(図示略)が含潤されている。以下、リチウ
ム二次電池の基本電池要素1を構成する各部位の材料に
ついて説明する。
【0026】(2−1)電極(正極、負極) 図2は、本発明の一実施形態としてのリチウム二次電池
に使用される電極(正極・負極)の構成を示す模式的な
斜視図である。図2に示すように、リチウム二次電池の
正極2は、通常、正極集電体2a上に正極活物質層2b
を設けて構成され、この正極活物質層2b中に、Liを
吸蔵・放出し得る正極活物質を含有する。
【0027】正極活物質としては、リチウムニッケル複
合酸化物、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムマン
ガン複合酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物や、L
iFePO4等のリチウムイオンを吸蔵・放出しうる化
合物、さらには、ポリアニリン、ポリピロール、ポリア
セン、ジスルフィド系化合物、ポリスルフィド系化合
物、N−フルオロピリジニウム塩等の有機化合物が挙げ
られる。無論、上記した中から選ばれる2種以上の正極
活物質を併用してもよい。これらの正極活物質の粒径
は、それぞれ電池の他の構成要素とのかねあいで適宜選
択すればよいが、初期効率やサイクル特性等の電池特性
の向上という観点から、通常は1〜100μm、特に2
〜60μmとするのが好ましい。
【0028】また、正極2と同様、図2に示すように、
リチウム二次電池の負極3は、通常、集電体3aの上に
負極活物質層(負極材料層)3bを設けた構成を採る。
そしてこの負極活物質層3b中に、Liを吸蔵・放出し
得る負極活物質を含有する。
【0029】負極活物質としては、例えば黒鉛、石炭系
コークス、石油系コークス、石炭系ピッチの炭化物、石
油系ピッチの炭化物、あるいはこれらピッチを酸化処理
したものの炭化物、ニードルコークス、ピッチコーク
ス、フェノール樹脂および結晶セルロース等の炭化物等
並びにこれらを一部黒鉛化した炭素材、ファーネスブラ
ック、アセチレンブラック、ピッチ系炭素繊維等の炭素
系活物質を挙げることができる。これら炭素系活物質
は、金属やその塩、酸化物との混合体、被覆体の形であ
っても利用できる。また、けい素、錫、亜鉛、マンガ
ン、鉄、ニッケル等の酸化物あるいは硫酸塩、さらには
金属リチウムやLi−Al、Li−Bi−Cd、Li−
Sn−Cd等のリチウム合金、リチウム遷移金属窒化
物、シリコンなども使用できる。無論、上記した中から
選ばれる2種以上の負極活物質を併用してもよい。これ
らの負極活物質の粒径は、通常は1〜50μm、好まし
くは2〜30μmである。あまりに大きすぎても、また
あまりに小さすぎても、初期効率、レート特性、サイク
ル特性等の電池特性が低下するので好ましくない。
【0030】正極活物質層2bおよび負極活物質層3b
には、上記の正極活物質及び負極活物質を対応する集電
体2a,3aに対して相互に結着させるため、さらにバ
インダを含有しても良い。バインダを含有する場合、活
物質100重量部に対するバインダの量は、通常は0.
01重量部以上、好ましくは0.1重量部以上、さらに
好ましくは1重量部以上であり、また、通常は50重量
部以下、好ましくは30重量部以下、さらに好ましくは
15重量部以下である。バインダの量が少なすぎると強
固な電極の形成が困難となり、バインダの量が多すぎる
とエネルギー密度やサイクル特性が低下する場合があ
る。
【0031】バインダとしては、例えばポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリ−1,1−ジメチルエチレンなど
のアルカン系ポリマー;ポリブタジエン、ポリイソプレ
ン等の不飽和系ポリマー;ポリスチレン、ポリメチルス
チレン、ポリビニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリ
ドン等の環を有するポリマー;ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチ
ル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポ
リアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド
等のアクリル誘導体系ポリマー;ポリフッ化ビニル、ポ
リフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等の
フッ素系樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリビニリデン
シアニド等のCN基含有ポリマー;ポリ酢酸ビニル、ポ
リビニルアルコール等のポリビニルアルコール系ポリマ
ー;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン
含有ポリマー;ポリアニリン等の導電性ポリマーといっ
た、各種のポリマーが使用できる。また、上記の各種ポ
リマーの混合物、変成体、誘導体、ランダム共重合体、
交互共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体等
も使用できる。さらに、シリケートやガラス等の無機化
合物を使用することもできる。
【0032】バインダの重量平均分子量は、通常は1千
以上、好ましくは1万以上、さらに好ましくは2万以上
であり、また、通常は500万以下、好ましくは100
万以下、さらに好ましくは30万以下である。重量平均
分子量が低すぎると塗膜の強度が低下して好ましくな
く、高すぎると粘度が高くなり活物質層の形成が困難に
なる。
【0033】また、正負の活物質層2b,3bには、活
物質層内でのイオンの移動を容易にすべく、後述する電
解質層に使用するものと同様の電解質を混合するのが好
ましい。活物質層2b,3b中の電解質の割合は、10
〜50体積%とすることが好ましい。混合される電解質
が多いほど、活物質層2b,3b中においてイオンの移
動が容易になるのでレート特性上は好ましいが、その一
方、電解物質が少ないほどエネルギー密度は高くなる。
【0034】さらに、正極活物質層2bおよび負極活物
質層3bには、必要に応じて導電材料、補強材等の各種
の機能を発現する添加剤、粉体、充填材などを含有して
も良い。導電材料としては、上記活物質に適量混合して
導電性を付与できるものであれば特に制限は無いが、通
常用いられるものとして、アセチレンブラック、カーボ
ンブラック、黒鉛等の炭素粉末や、各種の金属ファイバ
ー、金属箔等が挙げられる。補強材としては、各種の無
機、有機の球状、繊維状フィラー等が使用できる。
【0035】正極2および負極3に使用される集電体2
a,3aの材料としては、通常、アルミニウム、銅、ニ
ッケル、錫、ステンレス鋼等の金属、これら金属の合金
等を用いることができる。この場合、正極集電体2aと
しては、通常はアルミニウムが用いられ、負極集電体3
aとしては、通常は銅が用いられる。
【0036】正極2および負極3の厚さは、それぞれ通
常1μm以上、好ましくは10μm以上であり、通常は
500μm以下、好ましくは200μm以下である。あ
まりに厚くても、またあまりに薄くても、電池容量やレ
ート特性等の電池性能が低下する傾向にある。
【0037】具体的に述べると、正負の各集電体2a,
3aの厚さは、通常は1〜50μm、好ましくは1〜3
0μmである。薄すぎると電極2,3の機械的強度が弱
くなってしまい、電池として構成した際に実用的でな
い。また、厚すぎると電池が大きくなり、機器の中で占
めるスペースが大きくなってしまい、電池の小型化が図
りにくくなる。
【0038】また、各集電体2a,3a上に設けられる
正負の各活物質層2b,3bの厚さは、下限として通常
は20μm以上、好ましくは30μm以上、さらに好ま
しくは50μm以上、最も好ましくは80μm以上であ
り、一方、上限として通常は200μm以下、好ましく
は150μm以下である。容量的には厚い方が好ましい
一方、レート特性上は薄い方が好ましいので、双方の条
件の兼ね合いから上記範囲が導き出される。
【0039】電極2,3の平面形状には特に制限はな
く、製造対象となる電池の形状や性質、他の構成要素の
選択等に合わせて、任意の形状とすることができるが、
一般的には、図1および図2に示すように、方形等の多
角形状を有するとともに、集電体2a,3aからリード
端子接続用のタブ2’,3’が延設されたものが使用さ
れる。なお、リード端子については後述する。
【0040】なお、正極2と負極3の形状や面積は同じ
でもよいが、異なっていても構わない。後者の場合に
は、後述するように、一方の電極の他方の電極から張り
出した部分の切断辺に存在するバリが他方の電極と接近
するため、電極2,3間の短絡が発生する危険性が高
く、本発明を適用して得られる効果が大きくなる。
【0041】ここで、正極2と負極3の面積を異なるも
のとする場合には、負極の面積を正極の面積よりも大き
くすることが好ましい。負極の面積を正極の面積よりも
大きくすることで、負極表面でのリチウムの析出に伴う
両電極間の短絡を有効に防止することができる。
【0042】電極2,3の製造方法には特に制限はない
が、製造コストに優れている点および本発明の適用によ
る効果が顕著に得られる点から、長尺状または平板状の
集電体上に正または負の活物質層を設けて形成した長尺
状または平板状の電極原料(電極原反)から、上記任意
の平面形状の電極を複数個切断することにより作成する
のが好ましい。
【0043】具体的には、まず、板状部材や網状部材ま
たはパンチングメタル等により形成した長尺状または平
板状の集電体を準備し、この少なくとも一方の面に正ま
たは負の活物質層を形成する。
【0044】活物質層を集電体上に形成する手法として
は、例えば、粉体状の正または負の活物質をバインダお
よび導電材料等の添加剤とともに溶剤と混合し、これを
ボールミルやサンドミルや二軸混練機等を用いて分散塗
料化したものを、集電体上に塗布して乾燥する方法があ
る。この場合、用いられる溶剤の種類は、活物質に対し
て不活性であり且つバインダを溶解しうるものであれば
特に制限されず、例えばN−メチルピロリドン等の一般
的に使用される有機溶剤または無機溶剤のいずれもが使
用できる。
【0045】また、活物質をバインダおよび導電材料等
の添加剤と混合し、加熱して軟化させた状態で集電体上
に圧着し、または吹き付けることにより、集電体上に活
物質層を形成することもできる。あるいは、バインダを
混合させずに、活物質を単独で集電体上に焼成すること
によって、集電体上に活物質層を形成することもでき
る。
【0046】ここで、活物質層と集電体との接着強度を
高めるべく、活物質を塗布する前に、集電体の表面を予
め粗面化処理しておくことが好ましい。このような表面
の粗面化方法としては、例えば、機械的研磨法,電解研
磨法,化学研磨法等がある。機械的研磨法としては、例
えば、研磨剤粒子を固着した研磨布紙,砥石,エメリバ
フ,鋼線等を備えたワイヤーブラシで、集電体表面を研
磨する方法が挙げられる。
【0047】続いて、上述の方法で作成した長尺状また
は平板状の電極原料(電極原反)から、任意の平面形状
の電極を複数個切断する。電極の切断方法としては、特
に限定されるものではなく、電極の形状、サイズ、生産
規模、生産工程等に応じて種々の方法から選択すること
ができる。但し、本発明の趣旨に鑑みて、電極の切断辺
に生じるバリが少なく、バリの高さも小さくなるような
方法が望ましい。なお、切断辺のバリおよびその高さの
定義については後述する。
【0048】中でも、一般的に用いられる切断方法とし
て、圧延による方法とせん断による方法とが挙げられ
る。これらの切断方法について、以下、図3(a)〜
(c)を用いて説明する。
【0049】圧延による方法は、図3(a)に示すよう
に、切断対象としての電極原反2”,3”の片面のみに
存在する刃先Cが、反対側に存在する対向面Sに電極原
反2”,3”を押し付けて切る原理であるため、刃先C
を受ける対向面Sや電極原反2”,3”自身が硬い場合
には、刃先Cが傷みやすく、結果として切断後の電極
2,3の切断辺にバリが発生し易くなる傾向にある。一
方、せん断による方法は、図3(b)および(c)に示
すように、切断対象2”,3”の両面に向かい合わせに
存在する一組の刃先C,C’または刃先Cと角部Eとが
切断対象2”,3”を鋏み込んで切る原理であるため、
圧延による方法のような問題がなく、切断後の電極2,
3の切断辺にバリが発生し難い傾向にある。従って、電
極の切断方法としては、圧延による方法よりもせん断に
よる方法の方が好ましい。
【0050】せん断による方法の具体例としては、スリ
ッターやギロチン刃を用いた方法、プレス打ち抜き機を
用いた方法等が挙げられるが、以下では特に、プレス打
ち抜き機を用いた方法について、図を用いて説明する。
【0051】図4は、プレス打ち抜き機の構成を模式的
に示す斜視図である。図4に示すように、プレス打ち抜
き機7は、垂直軸に沿って上下に配置された上刃部材7
1と下刃部材72とを有し、これらの部材71,72の
間を矢印方向に通過する電極原反2”(3”)から、電
極2(3)を切断するように構成される。
【0052】上刃部材71は、切断対象の電極原反2”
(3”)に対して垂直方向に刃先が突き出してなる切断
刃71aを有する。切断刃71aの稜線が描く形状は、
切断で得られる電極2(3)の平面形状と同一となって
いる。切断刃71aの周囲には、枠部71bが回装され
る。枠部71bには、切断刃71aの水平断面形状より
も若干大きな水平断面形状を有する空隙71cが、枠部
71bを垂直方向に貫通するように形成され、切断刃7
1aはこの空隙71c内に収納される。切断刃71aは
動力軸71dを介して図示しない動力装置に連結され、
空隙71cに沿って上下に移動可能に構成され、電極原
反2”(3”)に対して垂直に進行することにより電極
2(3)の切断を行なうようになっている。また、枠部
71bも図示しない動力装置に連結され、切断刃71a
とは独立して上下に移動可能なように構成される。ま
た、電極原反2”(3”)に対向する枠部71bの下面
は略平面となっており、電極原反2”(3”)を挟んで
反対側に配置される下刃部材72の上面と協働して、切
断刃71aによる電極2(3)の切断時に、電極原反
2”(3”)を狭持し得るように構成されている。
【0053】下刃部材72は、電極原反2”(3”)を
挟んで上刃部材71と対向する位置に設けられる。下刃
部材72の基部72bは、図示しない動力装置に連結さ
れ、切断刃71aとは独立して上下に移動可能なように
構成される。この基部72bには、上刃部材71の空隙
71cと同じ水平断面形状を有する空隙72cが、上刃
部材71の空隙71cと同軸に沿って、基部72bを垂
直に貫通するように形成されており、上刃部材71の切
断刃71aが電極原反2”(3”)を切断した後、この
空隙72cに沿ってさらに下方に進行し得るようになっ
ている。また、電極原反2”(3”)に対向する基部7
2bの上面は略平面となっており、電極原反2”
(3”)を挟んで反対側に配置される上刃部材72の下
面と協働して、切断刃71aによる電極2(3)の切断
時に、電極原反2”(3”)を狭持し得るように構成さ
れている。さらに、基部72b上面における空隙72c
形成基端の垂直角部が、上刃部材71の切断刃71aと
協働して電極2(3)の切断を行なうための押さえ刃7
2aとして機能する。
【0054】次に、プレス打ち抜き機7の動作につい
て、図5(a),(b),(c)を参照しながら説明す
る。まず、図5(a)に示すように、上刃部材71と下
刃部材72との間に電極原反2”(3”)が存在する状
態で、上刃部材71の枠部71bおよび下刃部材72の
基部72bが、いずれも図示しない動力装置によって、
それぞれ図中の矢印AおよびBの方向に進行し、上刃部
材71の枠部71bの下面と下刃部材72の基部72b
の上面との間で、電極原反2”(3”)を両側から狭持
する。続いて、図5(b)に示すように、上刃部材71
の切断刃71aが、動力軸71dを介して連結された図
示しない動力装置によって、図中の矢印Cの方向に進行
し、下刃部材72の押さえ刃72aと協働して、上刃部
材71の枠部71bと下刃部材72の基部72bとの間
に狭持された電極原反2”(3”)を切断する。その
後、図5(c)に示すように、上刃部材71の切断刃7
1aは、上刃部材71の空隙71cを超えて下刃部材7
2の空隙72cに進入し、電極原反2”(3”)から電
極2(3)を完全に切断する。切断された電極2(3)
は図中の矢印Dの方向に落下し、所定のマガジン(図示
せず)に格納される。
【0055】上述したせん断による方法は、何れもバリ
が発生し難いという利点を有している。なお、スリッタ
ーやギロチン刃を用いる場合、単純な形状の場合には切
断が容易で生産性が高いという利点があるが、直線上の
一方向に沿ってしか切断ができないため、多角形状等複
雑な形状の電極を切り出すのは困難な上に、こうした形
状の場合には却って生産性が劣るという問題がある。一
方、プレス打ち抜き機を用いる場合、切断対象の両側か
ら切断形状に合わせた刃先で打ち抜くため、対向する刃
の形状を精密に構成する必要がありコストが掛かるもの
の、複雑な形状の電極を正確に切断することが可能で、
さらに切断する形状の複雑さに関わらず生産性が高い。
【0056】一方、圧延による方法の具体例としては、
ロータリーダイカッターを用いた方法が挙げられるる
が、以下では特に、ロータリーダイカッターを用いた方
法について、図を用いて説明する。
【0057】図6は、ロータリーダイカッターの構成を
模式的に示す斜視図である。図6に示すように、ロータ
リーダイカッター8は、ダイロール81とアンビルロー
ル82とを有する。
【0058】ダイロール81は、超硬合金からなる円筒
状の基体81aを有し、基体81aの円周面上には切断
刃81bが設けられる。基体81aは、基体の中心軸に
沿って設けられた回転軸81cを中心に回転する。回転
方向は、アンビルロール82との最近接位置において電
極原反2”(3”)の搬送方向(後述する図7の左から
右に向かう方向)と一致する方向である。基体81aの
円筒部分の左右側端には、中央付近よりも若干大きな直
径を有する環部81dが設けられている。環部81d
は、アンビルロール82の側面と接触し、間隙Gの大き
さを一定に保つ。切断刃81bは、基体81aの側面か
らその直径方向に突き出してなり、その稜線が描く形状
は、切断で得られる電極2(3)が隣接する辺を共有し
ながら複数個連続した形状となっている。
【0059】アンビルロール82はダイロール81の下
方に設けられ、超硬合金からなる円筒状の基体82a
が、中心軸に沿って設けられた回転軸82cを中心に回
転するように構成される。回転軸82cは、ダイロール
の中心軸81cと平行に設けられる。アンビルロール8
2の回転方向は、ダイロール81との最近接位置におい
て、電極原反2”(3”)の搬送方向(後述する図7の
左から右に向かう方向)およびダイロール81の進行方
向と一致する方向である。即ち、ダイロール81とアン
ビルロール82とは互いに逆方向に回転する。アンビル
ロール82の側面には、ダイロール81の切断刃81b
に対向する位置に、多数の空隙を有する吸着部82eが
複数個(ダイロール81の切断刃81bが有する電極2
(3)の形状の個数と同数)設けられ、図示しない減圧
装置により内側から減圧することによって、切断で得ら
れる電極2(3)が吸着できるようになっている。
【0060】ダイロール81とアンビルロール82との
間には、所定の空隙Gが設けられる。一方、ダイロール
81の環部81dはアンビルロール82の両端部分と接
するので、上記空隙の大きさは一定に規制される。ダイ
ロール81の切断刃の稜線で描かれる個々の電極部材の
中心位置とアンビルロール82の個々の吸着部82eの
中心位置とは、空隙Gに移動した際に互いにほぼ対向す
るように、位相制御される。ダイロール81の環部81
dにおける直径とアンビルロール82の直径とは同じ大
きさであり、且つそれぞれの回転速度も同一である。
【0061】図7は、ロータリーダイカッターの動作を
説明するための図である。図7に示すように、電極原反
2”(3”)は長尺方向(図7の矢印方向)に搬送さ
れ、互いに逆向きに回転するダイロール81とアンビル
ロール82との間の空隙Gを通過する。通過の際、ダイ
ロール81に設けられた切断刃81bによって、切断刃
切断刃81bの形状に合わせ、順次電極2(3)が切り
出される。一方、アンビルロール82の吸着部82e
は、減圧装置によって内部から減圧されているので、電
極原反2”(3”)から電極2(3)が切り出されて切
断が進行すると同時に、電極2(3)は吸着部82eに
吸着する。
【0062】アンビルロール82の吸着部82eでの吸
着は、吸着された電極部材がアンビルロール82のほぼ
最下端に達するまで継続される。即ち、間隙部Gの直前
で減圧装置による減圧が開始され、アンビルロール82
の最下端で終了される。その結果、最下端において、電
極2(3)は下方に落下し、所定のマガジン(図示せ
ず)に格納される。なお、電極原反2”(3”)の切断
残部Rは引き続き長尺方向に搬送される。
【0063】上述のロータリーダイカッターを用いた手
法は、ローラの回転によって連続的に多数の複雑な形状
の電極を製造することができ、コスト面および製造時間
の面で利点を有する。しかし、基本的に圧延による方法
のため刃先が傷みやすく、また、刃がローラの円周面上
に設けられるため刃の形状の精密な制御が難しく、さら
に切断時における刃の動きが切断対象に対して垂直では
ないなどの理由から、電極の切断辺にバリが発生し易
い。ゆえに、本方法を使用する場合には、切断後の電極
に対してバリを削る等の後処理を施すことが好ましい。
【0064】なお、上述のいずれの切断方法を選択する
にせよ、切断を続けるうちに刃先が磨耗によって劣化
し、それが電極の切断面にバリを生じさせる原因とな
る。よって、いずれの切断方法を使用する場合でも、刃
先の切断履歴を常に正確に把握して、摩耗による寿命が
来る前に新たな刃先と交換し、常に刃先を磨耗の少ない
状態に保つ必要がある。
【0065】また、上述のいずれの切断方法において
も、切断の際に少なからず活物質の脱落を伴うので、脱
落した活物質の吸引による除去を行なうのが賢明であ
る。切断された電極上に脱落した活物質が存在すると、
セパレータの機能が低下するので短絡し易くなり、電池
製造上好ましくない。
【0066】なお、基本電池要素を積層して電池要素を
作成する場合には、集電体の片面のみに正または負の活
物質層を設けるのではなく、集電体の両面に活物質層を
設けてもよい。集電体の両面にともに正活物質層を設け
た電極と、ともに負活物質層を設けた電極とを作成し
て、セパレータを間に挿みながら交互に複数積層すれ
ば、容量の大きい電池を効率的に製造することができ
る。ただし、集電体の片面のみに活物質層を設けた電極
を用いる方が、電極の積層時または巻回時に電極の位置
ずれが起こって正極と負極が接近する場合が多く、電極
間の短絡が発生する危険性が高いため、本発明を適用し
て得られる効果が大きくなる。
【0067】(2−2)セパレータ リチウム二次電池のセパレータ(図1の符号4参照)に
使用される材料としては、例えば、ポリエチレンやポリ
プロピレンなどのポリオレフィン類や、これらの水素原
子の一部または全部がフッ素原子で置換されたポリオレ
フィン類、ポリアクリロニトリル、ポリアラミド等の樹
脂の多孔性膜が挙げられる。電解質に対する化学的安定
性や印加される電圧に対する安定性の観点から、好まし
くは、ポリオレフィンまたはフッ素置換されたポリオレ
フィンであり、具体的には、ポリエチレンやポリプロピ
レン、これらの水素原子の一部または全部がフッ素原子
で置換されたもの等を挙げることができる。これらの中
でも、特に好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレン
等のポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン(P
TFE)およびポリフッ化ビニリデンであり、最も好ま
しくは、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフ
ィンである。勿論、これらの共重合体や混合物を使用す
ることもできる。
【0068】セパレータの材料として用いられる樹脂の
数平均分子量は、通常1万以上、好ましくは10万以上
であり、また通常1000万以下、好ましくは300万
以下である。分子量が小さすぎると、セパレータの機械
的強度が不十分となり、短絡が生じやすい傾向にある。
一方、分子量が大きすぎると、多孔性膜の空隙内への電
解質の充填が困難になりがちであり、電池の生産効率が
低下するとともに、レート特性等の電池性能も低下する
傾向がある。また、分子量が大きすぎると、後述する可
塑剤を混合した後延伸する方法等において、製膜が困難
になる場合もある。
【0069】セパレータは多孔性膜であればよい。この
ような材料として、例えば、多孔性延伸膜、不織布など
が挙げられるが、本発明においては延伸によって製造さ
れる延伸膜であることがより好ましい。多孔性延伸膜
は、不織布よりもさらに膜内の抵抗がより均一になるた
め、局所的なリチウムの析出、すなわち電極間短絡の原
因となるデンドライトの析出を抑制することができる。
【0070】セパレータの空孔率は、下限として通常は
30%以上、好ましくは35%以上であり、また、上限
として通常は80%以下、好ましくは75%以下、さら
に好ましくは72%以下である。空孔率が小さすぎる
と、膜抵抗が大きくなりレート特性が悪化する。特に、
高レートで使用した際の容量が低下する。一方、空孔率
が大きすぎると、膜の機械的強度が低下する結果、電池
要素の形状が変化する際に短絡が生じやすくなる。本発
明では空孔率が大きいほど、電極のバリ高さとセパレー
タの厚さとの関係を制御することによる効果が大きくな
る。
【0071】セパレータに存在する空孔の平均孔径は、
上限として通常は1.0μm以下、好ましくは0.2μ
m以下、さらに好ましくは0.18μm以下、最も好ま
しくは0.15μm以下であり、また、下限として通常
は0.01μm以上、好ましくは0.07μm以上であ
る。孔径があまりに大きいと短絡が生じやすくなる一
方、孔径があまりに小さいと膜抵抗が大きくなり、レー
ト特性等の電池性能が低下する傾向にある。本発明では
平均孔径が大きいほど、電極のバリ高さとセパレータの
厚さとの関係を制御することによる効果が大きくなる。
【0072】セパレータの厚さは、上限として通常は3
0μm以下、好ましくは20μm以下、さらに好ましく
は18μm以下であり、また、下限として通常は3μm
以上、好ましくは5μm以上、さらに好ましくは7μm
以上である。あまりに膜厚が小さいと、マイルドショー
ト現象による自己放電が生じやすくなる。一方、あまり
に膜厚が大きいと、レート特性等の電池特性が不十分に
なるばかりでなく、体積エネルギー密度が低下する傾向
にある。本発明においては、セパレータが薄い程、電極
のバリ高さとセパレータの厚さとの関係を制御すること
による効果が大きくなる。
【0073】セパレータの100℃における熱収縮率
は、1方向に対して、通常10%以下であり、好ましく
は9%以下であり、より好ましくは7%以下である。こ
こで「1方向に対する熱収縮率」とは、例えば延伸膜に
おいては、延伸方向およびその垂直方向での熱収縮率そ
れぞれをいう。熱収縮率が大きすぎると、電池製造時の
加熱や高温環境での放置等によって、電極端部での短絡
がより発生しやすくなる。
【0074】セパレータの製造方法には特に制限はない
が、例えば以下のようにして製造することが好ましい。
数平均分子量1万〜1000万程度、好ましくは10万
〜300万の樹脂に、不均一分散媒としての可塑剤を混
合し、混練した後にシート状に成膜する。作成された膜
から溶媒で可塑剤を抽出した後、所定の倍率で縦横方向
いずれかまたは両方に延伸する工程を経ることにより、
所望のセパレータを得ることができる。
【0075】(2−3)電解質 リチウム二次電池の電解質層は、通常、上述したセパレ
ータを支持体として、これに電解質を含浸して形成され
る。電解質は通常、電解液を含有し、この電解液は通
常、溶質と必要により所望の添加剤とを非水系溶媒に溶
解してなる。ここで、電解質は、セパレータの空隙を含
む正極と負極との間だけではなく、正極および負極の中
の空隙に存在していてもよい。電解質を正極・負極中の
空隙に存在させることで、Liイオンの導電率を上げる
ことができる。
【0076】溶質としては特に制限はなく、従来公知の
いずれもが使用できるが、リチウム塩であることが好ま
しい。リチウム塩としては、例えば、LiClO4、L
iAsF6、LiPF6、LiBF4、LiB(C
654、CH3SO3Li、CF3SO3Li、LiN
(SO2CF32、LiN(SO2252、LiC
(SO2CF33、LiSbF6、LiSCN等が挙げら
れ、これらのうち少なくとも1種以上のものを用いるこ
とができる。これらの中では、特にLiPF6、LiC
lO4が好適である。これら溶質の電解液(溶質と非水
系溶媒との総量)における含有量は、通常0.5〜2.
5mol/lである。
【0077】非水系溶媒としては、例えば、エチレンカ
ーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボ
ネート等の環状カーボネート類、ジメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート
などの非環状カーボネート類、テトラヒドロフラン、2
−メチルテトラヒドロフランなどのフラン類、ジメトキ
シエタン等のエーテル類、γ−ブチルラクトン等のラク
トン類、スルフォラン等の硫黄化合物、アセトニトリル
等のニトリル類等の1種または2種以上の混合物を挙げ
ることができる。これらのうちでは、環状カーボネート
類、非環状カーボネート類およびラクトン類から選ばれ
た1種または2種以上の混合溶液が好適である。
【0078】電解液は、上記溶質および非水系溶媒の他
に、安全性や電池特性(例えばサイクル特性)を確保す
るための添加剤(例えば、りん含有化合物、窒素含有化
合物、無水カルボン酸類等)をさらに含有してもよい。
【0079】また、電解質層の保液性を上げ、かつ、電
極間の短絡をより有効に防止する等の観点から、電解質
に電解液の他に、さらにポリマーを含有させてもよい。
ポリマーとしては、電解質層の保液性をある程度確保で
きるものであれば特に制限はなく、例えば、ポリメタク
リル酸メチルのようなアクリル系高分子や、アルキレン
オキシドユニットを有するアルキレンオキシド系高分
子、ポリフッ化ビニリデンやフッ化ビニリデン−へキサ
フルオロプロピレン共重合体のようなフッ素系高分子等
を挙げることができる。これらのポリマーの中でも、電
解質層の保液性を十分に確保する観点から、鎖状に結合
した原子からなる分子のうちの任意の2原子間に橋を掛
けるように結合された結合(架橋結合)を有する高分子
を用いることが好ましい(本明細書においては、これを
「架橋性ポリマー」という)。
【0080】架橋性ポリマーの基本骨格となる材料とし
ては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボ
ネート、ポリイミドなどの重縮合によって生成させるも
の、ポリウレタン、ポリウレアなどのように重付加によ
って生成されるもの、ポリメタクリル酸メチルなどのア
クリル系高分子やポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニルなど
のポリビニル系高分子などの付加重合で生成されるもの
等を挙げることができる。
【0081】本発明においては、セパレータに含浸させ
てから重合させるのが好ましいことから、重合の制御が
容易で重合時に副生成物が発生しない付加重合により生
成される高分子を使用することが望ましい。このような
ポリマーとしては、アクリル系高分子を挙げることがで
きる。アクリル系高分子は、電池容量やレート特性、機
械的強度等の電池特性上からも、好ましい材料である。
【0082】アクリル系高分子しては、アクリロイル基
を有するモノマーを重合することにより得られる高分子
が特に好ましい。アクリロイル基を有するモノマーとし
ては、アクリロイル基を含有しているものであれば特に
限定はされないが、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、アクリルアミド、2−エトキシ
エチルアクリレート、ジエチレングリコールエチルエー
テルアクリレート、ポリエチレングリコールアルキルエ
ーテルアクリレート、ポリプロピレングリコールアルキ
ルエーテルアクリレート、2―シアノエチルアクリレー
トなどモノアクリレート類;1,2―ブタンジオールジ
アクリレート、1,3―ブタンジオールジアクリレー
ト、1,4―ブタンジオールジアクリレート、ネオペン
タンジオールジアクリレート、1,6―ヘキサンジオー
ルジアクリレートなどのアルカンジオールジアクリレー
ト類;エチレングリコールジアクリレート、ジエチレン
グリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジ
アクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレー
トなどのポリエチレングリコールジアクリレート類;プ
ロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリ
コールジアクリレート、トリプロピレングリコールジア
クリレート、テトラプロピレングリコールジアクリレー
トなどのポリプロピレングリコールジアクリレート類;
ビスフェノールFエトキシレートジアクリレート、ビス
フェノールFエトキシレートジメタアクリレート、ビス
フェノールAエトキシレートジアクリレート、トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロ
パンエトキシレートトリアクリレート、トリメチロール
プロパンプロポキシレートトリアクリレート、イソシア
ヌル酸エトキシレートトリアクリレート、グリセロール
エトキシレートトリアクリレート、グリセロールプロポ
キシレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールエ
トキシレートテトラアクリレート、ジトリメチロールプ
ロパンエトキリレートテトラアクリレート、ジペンタエ
リスリトールエトキシレートヘキサアクリレート等を挙
げることができる。
【0083】これらの中でも、リチウムイオンの導電性
の観点から、エチレングリコールユニットを有するポリ
アクリレート系高分子が特に好ましい。本発明において
は、アクリル系高分子として上記のモノマー成分と他の
モノマー成分との共重合体を用いることができる。即
ち、モノマー成分として上記のモノマーの他に、別の構
造を有するモノマーを共存させて重合させてもよい。特
に、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基等の不飽和
二重結合を有する基を有するモノマーを共存させると、
電解質層の強度および保液性が向上する場合がある。こ
のようなモノマーとしては、メタクリル酸メチル、メタ
クリルアミド、ブタジエン、アクリロニトリル、スチレ
ン、酢酸ビニル、塩化ビニルなどの化合物が使用でき
る。
【0084】アクリル系高分子を使用する場合、アクリ
ロイル基を有するモノマーの全モノマーに対する存在率
は特に限定されないが、通常は50重量%以上、好まし
くは70重量%以上、特に好ましくは80重量%以上で
ある。上記存在率が高い方が、重合速度が早く、ゲル電
解質の生産性を高めることができる点で有利である。
【0085】架橋性ポリマーは、架橋結合を有する。架
橋結合は、高分子間を架橋剤によって架橋反応させるこ
とによって製造することができる。また、高分子の原料
として、反応点を複数有するモノマー(以下、「多官能
モノマー」ということがある)を使用することによって
製造することができる。好ましくは後者の方法である。
【0086】後者の方法で架橋性ポリマーを製造する場
合、原料として、多官能モノマーの外に、反応点を1つ
有するモノマー(以下「単官能モノマー」ということが
ある)を併用することができる。多官能モノマーと単官
能モノマーを併用する場合、多官能モノマーの官能基の
当量比は、通常10%以上であり、好ましくは15%以
上、さらに好ましくは20%以上である。
【0087】最も好ましい架橋性ポリマーの製造方法と
しては、アクリロイル基を複数有する多官能モノマー
を、必要に応じて、アクリロイル基を1つ有する単官能
モノマーと共に重合する方法である。
【0088】電解質に含有させるポリマーの含量は、電
解質の全重量に対して、通常は80重量%以下、好まし
くは50重量%以下、さらに好ましくは20重量%以下
である。ポリマー含量が多すぎると電解液の濃度低下に
よりイオン伝導度が低下してレート特性などの電池特性
が低下する傾向がある。一方、ポリマーの割合があまり
に少ない場合は、ゲルの形成が困難となり溶媒の保持性
が低下して、流動や液漏れが生じることがあるのみなら
ず、電池の安全性を確保できない可能性もあるので、ポ
リマーの電解質に対する含有量は、通常は0.1重量%
以上、好ましくは1重量%以上、さらに好ましくは2重
量%以上、最も好ましくは5重量%以上である。
【0089】非水系溶媒に対するポリマーの割合は、ポ
リマーの分子量に応じて適宜選択されるが、通常は0.
1重量%以上、好ましくは1重量%以上、通常50重量
%以下、好ましくは30重量%以下である。ポリマーの
割合が少な過ぎる場合は、ゲルの形成が困難となり電解
液の保持性が低下して、流動や液漏れの問題が生じる傾
向がある。ポリマーの割合が多過ぎる場合は、粘度が高
くなり過ぎて取り扱いが困難となり、また、電解液の濃
度低下によりイオン伝導度が低下して、レート特性等の
電池特性が低下する傾向にある。
【0090】本発明では、電解質にポリマーの原料とな
るモノマーを含有させた状態で、セパレータの空隙に充
填させ、その後前記モノマーを重合させることによっ
て、ポリマーを形成させる方法を用いるのが好ましい。
【0091】これらのモノマーを重合する方法として
は、例えば、熱、紫外線、電子線などによる手法を挙げ
ることができるが、本発明においては、製造上の容易性
の観点から、加熱または紫外線照射によってモノマーを
重合させることが好ましい。熱による重合の場合には、
重合反応を効果的に進行させるために、含浸させる電解
質に熱に反応する重合開始剤をいれておくこともでき
る。利用できる熱重合開始剤としては、アゾビスイソブ
チロニトリル、2,2’−アゾビスイン酪酸ジメチル等
のアゾ系化合物、過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパ
ーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキ
サノエート等の過酸化物などが使用でき、反応性、極
性、安全性などから好ましいものを単独、または組み合
わせて用いれば良い。なお、ポリマーを得るためには、
モノマーの全官能基のうち、通常30%以上を反応させ
るが、40%以上を反応させることが好ましく、50%
以上を反応させるのがより好ましい。
【0092】(3)電池の構造 図8は、本発明の一実施形態としてのリチウム二次電池
に使用される電池要素の構成を模式的に示す斜視図、図
9(a),(b)はいずれも、本発明の一実施形態とし
てのリチウム二次電池の構造を模式的に示す斜視図で、
図9(a)は電池の分解図、図9(b)は電池の組立図
である。例えば図8および図9(a),(b)に示すよ
うに、本発明を適用した電池(リチウム二次電池)10
は、上述した基本電池要素1から形成した電池要素1’
(これらの図には、電池要素1’の例として、複数の基
本電池要素1を積層してなる積層型の電池要素1’を示
す。なお、電池要素1’の種類については、図10
(a),(b)を参照しながら後述する)を、一または
複数の外装部材6a,6bからなる所定の外装ケース6
に収納して構成される。また、電池要素1’に含まれる
正極2および負極3の各々のタブ2’,3’にはリード
端子5が接続され、このリード端子5が外装ケース6の
外部に取り出された状態で、外装ケース6の縁が封止さ
れて外装ケース6が密閉される。さらに必要に応じて、
図9(b)に示すように、封止された外装ケース6の縁
の部分が、外装ケース6の外形に沿うように折り曲げて
成形される。
【0093】図10(a),(b)はいずれも、本発明
の一実施形態としてのリチウム二次電池に使用される電
池要素1’の構成を模式的に示す図である。電池要素
1’の形態は、主なものとして、図10(a)に示すよ
うに、平板状に形成した基本電池要素1を複数積層した
積層型や、図10(b)に示すように、長尺に形成した
基本電池要素1を巻き回した巻回型を挙げることができ
る。前者としては、平板状の基本電池要素1を複数枚積
層した平板積層型が挙げられ、後者としては、長尺に形
成した基本電池要素1を平板状となるように巻回した平
板状巻回型や、長尺に形成した基本電池要素1を円筒状
に巻回した円筒状巻回型を挙げることができる。特に積
層型の場合、基本電池要素1の積層方向に正極2と負極
3とがセパレータ4を挟んで複数個交互に並ぶので、正
極2と負極3との積層ずれによる短絡の危険性が高く、
後述するように、本発明を適用した場合の効果がより大
きくなる。
【0094】電池要素1’が平板状巻回型の形態を採る
場合、基本電池要素1の巻回数は、通常は2以上、好ま
しくは3以上、さらに好ましくは4以上であり、通常2
0以下、好ましくは15以下、さらに好ましくは10以
下である。巻回数が少ないと、電池の全体としての容量
が少なくなる一方、巻回数が多すぎると、電池の小型化
が図りにくくなる。
【0095】電池要素1’が平板積層型の形態を採る場
合、基本電池要素1の積層数は、下限として通常は5層
以上、好ましくは8層以上、さらに好ましくは10層以
上であり、上限として通常は50層以下、好ましくは3
0層以下、さらに好ましくは25層以下である。積層数
が少ないと、電池の全体としての容量が少なくなる一
方、積層数が多すぎると、電池の小型化が図りにくくな
る。
【0096】なお、各基本電池要素1の正極2と負極3
との間に介挿されるセパレータ4の面積は、電極2,3
間の短絡を防ぐ安全性確保の観点から、正極2および負
極3のいずれか、または好ましくは両者の面積よりも大
きくすることが好ましい。このときの面積比は特に限定
されないが、電池の小型化を図る観点およびセパレータ
の熱収縮を考慮すると、セパレータ4の面積を正極2ま
たは負極3の面積の125%以下とすることが好まし
く、123%以下とすることがさらに好ましく、120
%以下とすることが最も好ましい。なお、「セパレータ
の面積」とは、セパレータ4と正極2または負極3との
接触面におけるセパレータ4の面積をいい、「正極また
は負極の面積」とは、該接触面における正極2または負
極3の面積をいう。
【0097】また、セパレータ4の面積を正極2または
負極3の面積よりも大きくしても、電池要素1’に熱が
加わることによってセパレータ4が収縮する結果、短絡
が生じやすくなる。従って、セパレータ4の熱収縮率が
大きい程、セパレータ4の面積は相対的に大きくする必
要がある。換言すれば、熱収縮率の小さいセパレータ4
ほど面積を小さくすることができ、その結果より電池を
小型・軽量化できる。
【0098】一方、上述の電池要素1’を収納する外装
ケース6としては、特に限定されないが、可撓性のある
外装ケースが好ましい。ここで、可撓性のある外装ケー
スとは、柔軟性や屈曲性等の形状可変性を有するケース
を意味する。こうした可撓性のある外装ケース6に電池
要素1’を収納し、減圧状態で密閉することにより、各
基本電池要素1間や電池要素1’と外装ケース6との間
の密着性が向上し、電池10の小型化が可能となる。ま
た、こうした構造の電池は、外装ケース6が大気圧によ
って押圧されて内部の電池要素1’を圧迫するので、製
造時や使用時に電極2,3が、短絡やマイルドショート
を起こす可能性も高くなるため、本発明を適用した場合
の効果が大きい。
【0099】可撓性のある外装ケースの具体例として
は、ビニール袋の様な高分子フィルムからなる袋、高分
子フィルムからなる真空包装用袋もしくは真空パック、
金属箔と高分子フィルムとのラミネート素材からなる真
空包装用袋もしくは真空パック、プラスチックで形成さ
れた缶、プラスチックの板で挟んで周囲を溶着、接着、
はめ込み等で固定したケース等が挙げられる。これらの
中でも、気密性や形状可変性の面から、高分子フィルム
からなる真空包装用袋もしくは真空パック、または金属
箔と樹脂(高分子フィルム)とのラミネート素材からな
る真空包装用袋や真空パックが好ましい。
【0100】上記外装ケースの材質としては、プラスチ
ック、高分子フィルム、金属フィルム、ゴム、薄い金属
板、ガスバリア層と樹脂層とを有するラミネートフィル
ム等が挙げられるが、特に好ましいのは、金属や金属酸
化物からなるガスバリア層の両面に樹脂層を設けてなる
ラミネートフィルムである。ラミネートフィルムを電池
要素の外装ケースとして用いれば、電気機器の軽量化・
小型化が達成される。
【0101】一方、こうしたラミネートフィルム等の可
撓性のある外装ケースは、一般に金属等と比較して剛性
等の機械的強度が劣る結果、外部からの衝撃によって電
極間の短絡やマイルドショートが発生する可能性も相対
的に高い。従って、可撓性のある外装ケース6を用いる
電池においては、外部衝撃等による電池要素1’の電極
間の短絡やマイルドショートの発生をも防止する必要が
あるが、本発明では電極2,3の切断辺におけるバリ高
さとセパレータ4の厚さとの関係を制御することによ
り、製造時や使用時における電池要素1’の電極間の短
絡やマイルドショートの発生を防ぐことができるのに加
えて、外部衝撃等による電極間の短絡やマイルドショー
トをも有効に防止でき、高度の安全性が付与される。換
言すれば、ラミネートフィルムのような形状可変性ケー
スを電池要素1’の外装ケース6として用いた場合に、
後述するように、本発明の効果がより顕著となる。
【0102】また、図8、図9では複数の外装部材6
a,6bからなる外装ケース6を使用したが、勿論、単
一の外装部材からなる外装ケースを使用しても良い。さ
らに、外装ケースは、電池要素を収納するための形状を
最初から有している専用の部材を用いなくとも、フィル
ム状の形状可変性ラミネートフィルムを一枚または二枚
以上張り合わせて使用することにより、本発明の外装部
材として利用することも十分可能である。
【0103】なお、上述したように、上記外装ケース6
中に電池要素1’を減圧状態で封入するのが、電池10
全体の小型化および基本電池要素1と外装ケース6との
密着性の向上の面から好ましい。この場合、上述のよう
に可撓性のある外装ケース6を用いれば、外装ケース6
内部の圧力と大気圧との差分が、外装ケース6を介して
電池要素1’を押さえ付ける力となる。中でも、金属層
の両面を樹脂層で被覆したラミネートフィルムからなる
ケースを外装ケース6として使用し、この中に電池要素
1’を減圧状態で密封して収納するのが、電池10の小
型化・軽量化を達成する観点から好ましい。
【0104】また、電池の装着等の利便を図るため、上
述のように可撓性のある外装ケース6に電池要素1’を
封入し、好ましい形状に成形して電池10を作成した上
で、必要に応じてこれらの電池10を一個ないしは複数
個、剛性を持つ外装ケースにさらに収納することも可能
である。
【0105】(4)電極の切断辺におけるバリの高さと
セパレータの厚さとの関係 本発明の電池(図9の符号10)は、正負の電極2,3
のうち少なくとも一方の電極の切断辺におけるバリの高
さが、セパレータの厚さの0.1〜1.1倍であること
を特徴としている。
【0106】ここで、本明細書における「バリ」とは、
電極の切断辺に存在する凹凸を指す。図11(a)に、
本発明の一実施形態にかかる電極の平面形状と、電極の
一切断辺の部分拡大図を示す。電極2,3の「切断辺」
とは、電極2,3を切断する際に生じた、電極2,3の
タブ2’,3’を含めた平面形状における端面の全体を
指す。原反から電極2,3を切り出す際に、電極2,3
の切断辺において、拡大図に示すようなバリが生じるの
である。
【0107】なお、図11(b)は、本発明の一実施形
態にかかる電極2,3の端部形状を示すものであるが、
同図に示すように、上述のバリのほとんどは、電極2,
3の平面形状に対して平行な平面(すなわち、図中のx
軸およびy軸によって規定される二次元平面)上に生じ
る。しかしながら、場合によっては、電極2,3の平面
形状に対して垂直な方向をも含めた空間(すなわち、図
中のx軸、y軸およびz軸によって規定される三次元空
間)に延出して生じることもある。よって本明細書で
は、電極2,3の平面形状に対して平行な平面における
凹凸に限らず、垂直な方向をも含めた空間において生じ
る凹凸も含めて、「バリ」と呼ぶこととし、後述する測
定方法により、これらバリの高さを測定することとす
る。
【0108】また、「バリの高さ」とは、切断辺に沿う
方向に引いた直線を基準線として定義するとともに基準
線と直交する方向を該切断辺の高さ方向として定義した
場合に、該切断辺の一部もしくは全部における最大高さ
と最小高さとの差と定義する。この値が大きいほど、バ
リの頂点がセパレータを突き破って電極2,3間の短絡
を引き起こす危険性が高くなる。
【0109】電極2,3の切断辺におけるバリの高さ
は、様々な手法により測定可能であるが、定義の明確性
を担保するため、本発明においては、例えば以下の手順
で測定する。
【0110】まず、CCD顕微鏡を用いて、電極の切断
辺の拡大画像を撮影する。具体的には、まず、CCD顕
微鏡の試料用ステージに所定のピッチを有する方眼紙を
セットする。このとき、水平に置かれた画面モニターに
対して、方眼紙の横線が水平に、縦線が垂直になるよう
に調整する。次に、裁断された電極を顕微鏡の試料用ス
テージ上に、目視で切断辺が方眼紙の縦横線に沿うよう
に静置する。次いで、静置された電極の切断辺における
任意の裁断部位について拡大画像を撮影し、この画像を
パソコンに入力する。
【0111】続いて、画像解析用ソフトウェアを用いて
入力画像を解析することにより、各裁断部位の最大バリ
高さを測定する。具体的には、まず、図12(a)に示
すように、測定画面Dの両端と電極の切断線(電極の切
断辺の輪郭に当たる線)とが交差する2点(L点,R
点)を求め、これらの2点を結ぶ直線を基準線1として
設定する。次に、測定画面D内における最も高いバリの
頂点(基準線に対して垂直方向に最も離れたバリ頂点)
から基準線1に向かって垂線を引き、この垂線の長さを
最大バリ高さとする。
【0112】図12(a)においては、測定画面D内の
切断線が全て基準線1よりも上に存在しているが、図1
2(b)に示すように、測定画面D内において一以上の
バリの底部がこの基準線1よりも下にある場合には、測
定画面D内における最も低いバリの底部(基準線1に対
して垂直方向に最も離れたバリ底部)から基準線1に向
かって垂線2を引き、この垂線2の長さを上述の最大の
バリ頂点から基準線1までの垂線1の長さに加え、これ
を最大バリ高さとする。
【0113】なお、バリの底部が基準線1よりも下にあ
る場合、図12(c)に示すように、測定範囲D内にお
いて最も低いバリの底部に接し、且つ基準線1に対して
平行な基準線2を得た上で、測定範囲D内において最も
高いバリの頂点から基準線2に対して垂線を引き、その
垂線の長さを測定して最大バリ高さとしても良い。
【0114】また、本発明においては、「バリの高さ」
は上述の方法で測定されるが、本発明ではセパレータを
突き破って電極間の短絡を引き起こす原因として、電極
の切断辺に存在するバリに着目しているので、セパレー
タを突き破る危険性を表わす指標となりえる定義であれ
ば、その他の測定方法を挙げることも可能である。
【0115】例えば、電極の切断辺に存在するバリの個
々の凸部に着目し、これらの凸部の高さの最大値をバリ
の高さとして、この高さを測定してもよい。この測定方
法は、上述した測定方法に比べ客観性に劣るが、セパレ
ータを実際に突き破るのはバリ中の凸部であると考えら
れるので、適切な手法で測定すれば、セパレータを突き
破る危険性をより直接的に反映した指標として用いるこ
とができる。
【0116】具体的な測定方法としては、図13に示す
ように、まず、上述と同様の方法を用いて電極の切断辺
の拡大画像を撮影し、得られた画像に基づき、測定画面
内のバリにおける明確な一の底部とそれに隣接した明確
な他の底部との間に存在する部分を凸部として定義す
る。次いで、上述と同様の方法を用いて基準線を作成し
た上で、基準線に対して垂直な方向における凸部の根元
と頂点との距離を、凸部の高さとして測定する。測定画
面内に存在する主な凸部について同様の手法により凸部
の高さを測定し、測定画面内の凸部の高さの最大値、若
しくは上位幾つかの値の平均値を求め、測定部位におけ
る最大バリ高さとする。
【0117】なお、電極の切断辺全部について測定を行
なうのが確実であるが、測定に非常に手間が掛かってし
まうので、電極の切断辺の一部について測定を行なえ
ば、実用的には十分であると考えられる。測定箇所とし
ては、一箇所ではなく複数箇所について測定を行なうこ
とが好ましく、その複数箇所を電極の切断辺の広い範囲
に渡って選択するのが好ましい。具体的に挙げると、図
14に示す電極2,3は基本形状が方形で、その一辺か
らタブ2’,3’が延出しているが、このような電極
2,3の場合、例えば、切断辺上におけるA,B,C,
D,Eの5箇所を測定箇所として選択すればよい。な
お、A,B,C,Dは、電極2,3の基本形状である方
形の各辺の概ね中央を、Eは、タブ2’,3’が電極
2,3から延出する根元付近を指す。勿論、その他の選
択も可能であり、電極2,3の形状が異なれば、測定箇
所の選択には無限の組み合わせが存在する。
【0118】本発明に使用される電極2,3の切断辺に
おけるバリ高さは、通常は22μm以下、好ましくは1
0μm以下、より好ましくは5μm以下である。バリ高
さがあまりに大きいと、バリがセパレータを突き破って
しまう危険性が高くなり、短絡を有効に防止することが
できない。特に、正負の電極2,3のうちの少なくとも
一方の切断辺におけるバリの高さを5μm以下とすれ
ば、特にセパレータの厚さとの関係について留意しなく
とも、通常のセパレータと使用する限りにおいて、十分
な短絡防止の効果を得ることが可能となる。
【0119】また、前述のバリ高さは、通常は0.1μ
m以上、好ましくは1μm以上、より好ましくは2μm
以上、特に好ましくは3μm以上である。バリ高さを必
要以上に小さくすると、電極の切断に過大な手間を要
し、電池の工業生産が困難となるのに比して、それに応
じた短絡防止効果の向上が得られないので、実用的では
ない。
【0120】本発明に使用される電極の切断辺における
バリ高さの、セパレータの厚さに対する比は、通常は
1.1以下、好ましくは0.8以下、より好ましくは
0.5以下である。前述の比の値があまりに大きいと、
バリがセパレータを突き破ってしまう危険性が高くな
り、短絡を有効に防止することができない。また、前述
の比の値は、通常は0.1以上、好ましくは0.2以
上、より好ましくは0.4以上である。前述の比の値を
必要以上に小さくすると、電極の切断に過大な手間を要
し、電池の工業生産が困難となるのに比して、それに応
じた短絡防止効果の向上が得られないので、実用的では
ない。
【0121】(5)その他 本発明は任意の構造のリチウム二次電池に適用でき、い
ずれの場合も電極間の短絡を防止するという効果を期待
できるが、適応対象のリチウム二次電池が特定の構造を
有する場合には、その効果はより顕著なものとなる。
【0122】例えば、図15に示すように、正極2と負
極3の形状や面積が異なっている場合には、一方の電極
(図15では正極2)の切断辺に存在するバリが、セパ
レータ4を挟んで他方の電極(図15では負極3)と接
近するため、電極2,3間の短絡が発生する危険性が高
く、本発明を適用して得られる効果が大きくなる。特
に、図15の拡大図に示すように、一方の電極2から延
出するタブ2’の周囲の切断辺にバリが存在する場合、
この部分は後述するように外装ケース6(図8,図9,
図17,図18参照)によって直接押圧されるので、バ
リがセパレータ4を突き破って電極2,3間の短絡を引
き起こす危険性がより高く、ひいては本発明を適用した
場合の効果もより大きくなる。
【0123】また、集電体2a,3a(図1,図2参
照)の片面のみに活物質層2b,3b(図1,図2参
照)を設けた電極2,3を用いた場合には、基本電池要
素1(図1,図2参照)の積層時や巻回時に電極2,3
の位置ずれが起こって正極2と負極3が接近する場合が
多く、電極2,3間の短絡が発生する危険性が高いた
め、本発明を適用して得られる効果が大きくなる。
【0124】さらに、図16に示すように、電池要素
1’が積層型の構造を有する場合には、基本電池要素1
の積層方向に正極2と負極3とがセパレータ4を挟んで
交互に並ぶため、積層された電極2,3間の位置ずれが
起こりやすくなる。その結果として、正負の電極2,3
が互いに接近するため、図16中に拡大して示すよう
に、一方の電極2,3に存在するバリがセパレータ4を
突き破って他方の電極2,3と接触してしまい、正極2
と負極3とが短絡する危険性が高くなる。従って、切断
辺のバリ高さを制御することによる本発明の効果がより
大きくなる。
【0125】加えて、外装ケース6としてラミネートフ
ィルムを用い、電池要素1’を収納して外装ケース6を
減圧封止した場合、図17に示すように、外装ケース6
が大気圧によって押圧されて内部の電池要素1’を圧迫
するので、外部からの衝撃等によって電極2,3が短絡
する可能性が高く、本発明を適用した場合の効果が大き
い。特に、図18に示すように、電極のタブ(図18で
は負極タブ3’)に接続されたリード5が外装ケース6
の封止部から取り出される電池側面部では、導電性のタ
ブ2’,3’やリード5を外装ケース6が直接押圧する
ことになるので、図18中に拡大して示すように、正極
2と負極3とが短絡する危険性が高く、切断辺のバリ高
さを制御することによる本発明の効果がより大きくな
る。
【0126】以上、前述したように、特に本発明の適用
による効果が顕著であると予想されるリチウム二次電池
を例として、本発明につき具体的に説明したが、勿論、
本発明はリチウム二次電池に限定されるものではなく、
その要旨を越えない限りにおいて、上述の基本電池要素
を有する他の様々な種類の電池にも、広く適用すること
が可能である。
【0127】本発明に係る電池の用途は特に限定されな
いが、ノートパソコン、モバイルパソコン、携帯電話、
ハンディーターミナル、携帯コピー、携帯プリンター、
ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、
ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディス
ク、電気シェーバー、トランシーバー、電子手帳、電
卓、メモリーカード、携帯レコーダー、ラジオ、バック
アップ電源、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、
時計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、
補聴器、肩もみ機など)等の電源としての用途を挙げる
ことができる。
【0128】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに具体的に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
【0129】・実施例1 電池幅35mm、長さ62mm、厚さ3.7mmである
設計容量630mAhの積層型リチウム二次電池を、以
下の手順に従って組み立てた。電極の裁断機としてはプ
レス打ち抜き機を用いた。本プレス打ち抜き機の裁断履
歴は、概ね20万回である。(a)および(b)におけ
る裁断工程、ならびに(c)〜(e)の作業は、露点−
45℃より水分の低い環境下で実施した。
【0130】 (a)正極の作製 正極活物質 LiCoO2 90部 導電材 アセチレンブラック 5部 結着材 ポリフッ化ビニリデン 5部 溶剤 N−メチルピロリドン 80部 上記材料を混合攪拌し、厚さ20μmのアルミニウム箔
(集電体)の片面に塗布・乾燥して、ロールプレスで加
圧成形することにより、集電体の片面に正極活物質層を
有する正極原反を得た。この正極原反をプレス打ち抜き
機で裁断し、正極を作製した。正極の基本形状は31×
50mmの方形で、短辺外側にアルミニウム箔が延出し
て形成された、リード端子接続用の5×6mmのタブを
有している。
【0131】 (b)負極の作製 負極活物質 グラファイト 90部 結着材 ポリフッ化ビニリデン 10部 溶剤 N−メチルピロリドン 100部 上記材料を混合攪拌し、厚さ10μmの銅箔(集電体)
の片面に塗布・乾燥して、ロールプレスで加圧成形する
ことにより、集電体の片面に負極活物質層を有する負極
原反を得た。この負極原反をプレス打ち抜き機で裁断
し、負極を作製した。負極の基本形状は33×52mm
の方形で、短辺外側に銅箔が延出して形成された、リー
ド端子接続用の5×5mmのタブを有している。
【0132】 (c)硬化前非水電解液の調製 LiPF6 10.5 部 エチレンカーボネート 43.3 部 プロピレンカーボネート 39.2 部 ポリエチレングリコールジアクリレート 4.67部 ポリエチレンオキシドトリアクリレート 2.33部 重合開始剤 0.2 部 上記材料を混合攪拌し、硬化前非水電解液(電解質)を
得た。
【0133】(d)セパレータの裁断 厚さ16μmのポリエチレン製微多孔膜を34.5×5
4mmの方形に裁断し、セパレータを作成した。
【0134】(e)電池の組立 上述の正極、負極、セパレータの各々に硬化前非水電解
液を含浸させた後、各々の電極活物質がセパレータを挟
んで対向するように、正極および負極をセパレータに対
して貼り合わせた。次いで90℃、10分の加熱を行な
い、アクリレートを硬化させることにより、基本電池要
素を作成した。この基本電池要素を、同極同士が背中合
わせになるよう互い違いに重ね、20層の積層型電池要
素を作製した。この積層型電池要素の各正極および各負
極から延出するタブをそれぞれまとめ、正極のタブの集
合には厚さ80μm、幅5mmのアルミニウム製のリー
ド端子を、負極のタブの集合には厚さ80μm、幅5m
mの銅製のリード端子を、それぞれ溶着した。次に、こ
の積層型電池要素をアルミラミネートフィルムに収納
し、各リード端子をアルミラミネートフィルムの一辺か
ら延出させた状態で、真空下でアルミラミネートフィル
ムのシールを行なった。その際、各リード端子とアルミ
ラミネートの内側樹脂部との間に、封止強化の目的で熱
可塑性樹脂シートを介在させた。さらに、リード端子の
無い電池の両側面のシール部を、電池側面に沿って折り
曲げることにより、幅35mm、長さ62mmの積層型
リチウム二次電池を作製した。作製した電池は100個
である。
【0135】(f)充放電サイクル試験 作製された電池を用いて、温度25℃、湿度50%の環
境下で充放電サイクル試験を行なった。各電池に対し
て、充電電流密度1mA/cm2で4.2Vまで充電し
た後、放電電流密度1mA/cm2で2.7Vまで放電
させる充放電を、2回ずつ繰り返した。初回充放電効率
が95%以上且つ放電容量が630mAh以上である電
池は、100個中100個であった。次いで、各電池に
対して、充電電流密度1mA/cm2で4.2Vまで充
電した後、放電電流密度2mA/cm2で2.7Vまで
放電させる充放電を、400回ずつ繰り返した。400
回充放電後における各電池の放電容量維持率(初回サイ
クル時の放電容量に対する400回充放電後の放電容量
の比)を求めたところ、80%を越えた電池は100個
中100個であり、充放電を繰り返した後でも電池性能
に問題が生じていないことが確認された。また、各電池
の充放電曲線を調べた結果、いずれの電池にも短絡が発
生していないことが確認された。
【0136】(g)バリ高さの測定およびバリ高さとセ
パレータ厚さとの比率 方形に裁断された電極の切断辺におけるバリ高さを、以
下の手順に従い、真上からの形状観察によって測定し
た。まず、CCD顕微鏡(モリテックス社 inf−5
00)を用いて、電極の切断辺の拡大画像を撮影した。
具体的には、まず、CCD顕微鏡の試料用ステージにピ
ッチ1mmの方眼紙をセットした。このとき、水平に置
かれた画面モニターに対して、方眼紙の横線が水平に、
縦線が垂直になるように調整した。次に、裁断された電
極を顕微鏡の試料用ステージ上に、目視で、切断辺が方
眼紙の縦横線に沿うように静置した。次いで、静置され
た電極の切断辺における任意の裁断部位について300
倍の拡大画像を撮影し、この画像をパソコンに入力し
た。
【0137】続いて、画像解析用ソフトウェアである
「Win ROOF」(三谷商事(株))を用いて入力
画像を解析することにより、各裁断部位の最大バリ高さ
を測定した。具体的には、図12(a)を用いて上述し
たように、まず、測定画面の両端と電極の裁断線とが交
差する2点を求め、この2点を結ぶ直線を基準線として
設定した。次に、測定画面内における最も高いバリの頂
点(基準線に対して垂直方向に最も離れたバリ頂点)か
ら基準線に向かって垂線を引き、この垂線の長さを最大
バリ高さとした。また、図12(b)を用いて上述した
ように、測定画面内において一以上のバリの底部がこの
基準線よりも下にある場合には、測定画面内における最
も低いバリの底部(基準線に対して垂直方向に最も離れ
たバリ底部)から基準線に向かって垂線を引き、この垂
線の長さを上述の最大のバリ頂点から基準線までの垂線
の長さに加え、これを最大バリ高さとした。
【0138】なお、CCD顕微鏡や画像解析ソフトはこ
こに記載したものだけでなく、各社より販売されている
各種の顕微鏡やソフトを用いて行なうことも可能であ
る。使用する顕微鏡やソフトの機能によっては、図12
(c)を用いて上述したように、バリの底部が基準線よ
りも下にある場合、まず該測定範囲内において最も低い
バリの底部に接するように基準線を平行に移動させた
後、該測定範囲内において最も高いバリの頂点から基準
線に対して垂線を引き、その垂線の長さを測定して最大
バリ高さとしても良い。
【0139】各電極におけるバリ高さの測定箇所は、図
14を用いて上述したように、電極の切断辺上における
A,B,C,D,Eの5箇所とした。これら5箇所のう
ちA,B,C,Dについては、各電極の基本形状である
方形の四辺の各々の概ね中央を指定して、CCD顕微鏡
の倍率300倍の視野で観察される範囲内における最高
バリ高さを測定した。また、Eにおいては、各電極のタ
ブの根元から0.1〜1mmの距離の付近のバリについて
最高バリ高さを測定した。各電極について、これらA,
B,C,D,Eの5箇所における最高バリ高さを測定
し、これらの平均を採って各電極の最高バリ高さとし
た。
【0140】上述の100個の電池に使用した各電極に
ついて、以上の手順に従ってバリ高さを測定したとこ
ろ、正極のバリ高さの平均が4.1μm、負極のバリ高
さの平均が3.6μmであった。上述したようにセパレ
ータの厚さは16μmなので、正極および負極のバリ高
さとセパレータの厚さとの比率は、各々0.26および
0.22であった。以上の結果から、実施例1の電池
は、電極のバリ高さとセパレータの厚さとの比率が所定
の範囲にあることが確認された一方、充放電サイクル試
験において短絡の発生や電池性能の低下等の問題が見ら
れなかった。
【0141】・実施例2 セパレータとして厚さが9μmのポリエチレン製微多孔
膜を用いた点以外は実施例1の手順に準じて、積層型電
池100個を作製した。正極の平均バリ高さが4.1μ
m、負極のバリ高さが平均3.6μmで、バリ高さとセ
パレータ厚さとの比率は各々、0.46と0.4となっ
た。
【0142】作製した電池を実施例1と同様の充放電サ
イクル試験に供した。初回充放電効率が95%以上、且
つ放電容量が630mAh以上である電池は100個中
100個であった。次いで、各電池に対して、充電電流
密度1mA/cm2で4.2Vまで充電した後、放電電
流密度2mA/cm2で2.7Vまで放電させる充放電
を400回繰り返した。400回後の放電容量維持率を
求めたところ、80%を越えるものは100個中100
個であった。
【0143】以上の結果から、実施例2の電池も、電極
のバリ高さとセパレータの厚さとの比率が所定の範囲に
あることが確認された一方、充放電サイクル試験におい
て短絡の発生や電池性能の低下等の問題が発生していな
いことも確かめられた。
【0144】・比較例1 電極の裁断機としてロータリーダイカッターを用いた点
以外は実施例1の手順に準じて、積層型電池100個を
作製した。使用したロータリーダイカッターの裁断履歴
は概ね20万回である。作製された電池の正極の平均バ
リ高さは24.3μm、負極のバリ高さは平均22.2
μmであった。また、正極および負極のバリ高さとセパ
レータ厚さとの比率は、各々1.52および1.39で
あった。
【0145】作製された電池を実施例1と同様の充放電
サイクル試験に供した。初回充放電効率が95%以上且
つ放電容量が630mAh以上である電池は、100個
中98個であった。これら98個の電池の各々につい
て、充電電流密度1mA/cm 2で4.2Vまで充電し
た後、放電電流密度2mA/cm2で2.7Vまで放電
させる充放電を400回繰り返した。400回後の放電
容量維持率を求めたところ、80%を越えるものは98
個中97個であった。初回充放電で不良であった2個の
電池については、その充放電曲線から短絡が発生してい
ることが確認された。また、サイクル試験で不良であっ
た1個の電池は、102回目の充放電サイクルにおい
て、放電容量維持率が80%以下となった。
【0146】以上の結果から、比較例1の電池は、電極
のバリ高さとセパレータの厚さとの比率が所定の範囲外
であることが確認された一方、電池の製造時や充放電サ
イクル試験時に、短絡の発生や性能の低下等の問題を伴
う不良品の電池が発生する可能性があることが確かめら
れた。
【0147】・比較例2 電極の裁断機としてロータリーダイカッターを用いたこ
と以外は実施例2の手順に準じて、積層型電池100個
を作製した。使用したロータリーダイカッターの裁断履
歴は概ね20万回である。作製された電池の正極のバリ
高さの平均は24.3μm、負極のバリ高さの平均は2
2.2μmで、正極および負極のバリ高さとセパレータ
厚さとの比率は、各々2.7および2.47となった。
【0148】作製された電池について実施例2と同様の
充放電サイクル試験に供した。初回充放電効率が95%
以上且つ放電容量が630mAh以上である電池は、1
00個中96個であった。これら96個の電池の各々に
ついて、充電電流密度1mA/cm2で4.2Vまで充
電した後、放電電流密度2mA/cm2で2.7Vまで
放電させる充放電を、400回繰り返した。400回後
の放電容量維持率を求めたところ、80%を越えるもの
は96個中95個であった。初回充放電で不良であった
4個の電池については、その充放電曲線から短絡が発生
していることが確認された。また、サイクル試験で不良
であった1個の電池は、53回目の充放電サイクルにお
いて、放電容量維持率が80%以下となった。
【0149】以上の結果から、比較例2の電池も、電極
のバリ高さとセパレータの厚さとの比率が所定の範囲外
であることが確認された一方、電池の製造時や充放電サ
イクル試験時に、短絡の発生や性能の低下等の問題を伴
う不良品の電池が発生する可能性があることが確かめら
れた。
【0150】・分析 比較例1および2で確認された電極間の短絡は、電池要
素をアルミラミネートフィルムに収納して真空シールす
る際に、サイズの小さい正極の切断辺に存在するバリが
折れ曲がり、サイズの大きい負極と接触して発生したも
のと推察される。
【0151】裁断機種の違いにより電極のバリ高さに差
違が生じた理由は明らかでない。ただし、ロータリーダ
イカッターのように電極を押し切る裁断では、集電体と
して用いた金属箔が薄く伸ばされて切断されるために、
バリの高さが大きくなりやすいものと推察される。一
方、プレス打ち抜き機ではせん断の原理により切断する
ために、バリが生じ難いものと推察される。
【0152】しかしながら、バリ高さは裁断機種にのみ
依存するのではなく、刃先の状態にも依存していると考
えられる。ほとんど全ての刃には寿命があり、切断時に
生じるバリの程度も刃の使用頻度に応じて悪化するのが
一般的であるから、いずれの裁断機種を選択するかに関
係なく、裁断に使用する刃の状態を常に良好に保って、
バリ高さとセパレータ厚さとの比率が所定範囲に収まる
ように制御するのが、電池の製造上好ましい。
【0153】
【発明の効果】本発明の電池によれば、電極の切断辺に
おけるバリの高さが、セパレータの厚さの0.1〜1.
1倍になるように構成されているので、電極のバリがセ
パレータを突き破って電極が互いに接触する可能性が少
なく、外部からの衝撃等によって電極間の短絡が発生す
る危険性が低減される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのリチウム二次電池
に使用される基本電池要素の構成を示す模式的な斜視図
である。
【図2】本発明の一実施形態としてのリチウム二次電池
に使用される電極(正極・負極)の構成を示す模式的な
斜視図である。
【図3】(a),(b),(c)はいずれも本発明の一
実施形態にかかる電極の製造に使用される切断方法を説
明するための図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかる電極の製造に使用
されるプレス打ち抜き機の構成を模式的に示す斜視図で
ある。
【図5】(a),(b),(c)はいずれも本発明の一
実施形態にかかる電極の製造に使用されるプレス打ち抜
き機の動作を説明するための図である。
【図6】本発明の一実施形態にかかる電極の製造に使用
されるロータリーダイカッターの構成を模式的に示す斜
視図である。
【図7】本発明の一実施形態にかかる電極の製造に使用
されるロータリーダイカッターの動作を説明するための
図である。
【図8】本発明の一実施形態としてのリチウム二次電池
に使用される電池要素の構成を模式的に示す斜視図であ
る。
【図9】(a),(b)はいずれも本発明の一実施形態
としてのリチウム二次電池の構造を模式的に示す斜視図
である。
【図10】(a),(b)はいずれも本発明の一実施形
態としてのリチウム二次電池に使用される電池要素の構
成を模式的に示す図である。
【図11】(a),(b)はいずれも本発明の一実施形
態にかかる電極の切断辺に存在するバリを説明するため
の図である。
【図12】(a),(b),(c)はいずれも本実施形
態におけるバリの高さの測定方法を説明するための図で
ある。
【図13】本実施形態におけるバリの高さの測定方法の
他の例を説明するための図である。
【図14】本発明の一実施形態にかかる電極について、
バリの高さの測定箇所の例を説明するための図である。
【図15】本発明の一実施形態にかかる正極と負極の大
きさが異なる場合の位置関係を説明するための図であ
る。
【図16】本発明の一実施形態にかかる積層型の電池要
素において生じる電極間の位置ずれを説明するための図
である。
【図17】本発明の一実施形態にかかるリチウム二次電
池のリード端子が存在しない部分における側断面を模式
的に示す図である。
【図18】本発明の一実施形態にかかるリチウム二次電
池のリード端子が取り出される部分における側断面を模
式的に示す図である。
【符号の説明】
1 基本電池要素 1’ 電池要素 10 電池 2 正極(電極) 2a 正極の集電体 2b 正極活物質層 2’ 正極のタブ 3 負極(電極) 3a 負極の集電体 3b 負極活物質層 3’ 負極のタブ 4 セパレータ 5 リード 6 外装ケース 6a,6b 外装部材 7 プレス打ち抜き機 71 上刃部材 72 下刃部材 8 ロータリーダイカッター 81 ダイロール 82 アンビルロール
フロントページの続き Fターム(参考) 5H029 AJ14 AK03 AL06 AL07 AL08 AL11 AL12 AM02 AM03 AM04 AM05 AM07 CJ04 DJ04 DJ07 DJ12 HJ04 5H050 AA15 AA19 BA17 DA04 DA19 FA02 FA05 GA04 HA04

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正負一組の電極と該正負の電極間に介設
    されたセパレータとを有する基本電池要素を、少なくと
    も1つそなえて構成される電池であって、 該正負の電極のうちの少なくとも一方の電極の切断辺に
    おけるバリの高さが、該セパレータの厚さの0.1〜
    1.1倍であることを特徴とする、電池。なお、該切断
    辺に沿う方向に引いた直線を基準線として定義するとと
    もに該基準線と直交する方向を該切断辺の高さ方向とし
    て定義した場合に、該切断辺の一部もしくは全部におけ
    る最大高さと最小高さとの差を前記バリの高さとする。
  2. 【請求項2】 前記バリの高さが、該セパレータの厚さ
    の0.1〜0.8倍であることを特徴とする、請求項1
    記載の電池。
  3. 【請求項3】 該セパレータの厚さが20μm以下であ
    ることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の
    電池。
  4. 【請求項4】 正負一組の電極と該正負の電極間に介設
    されたセパレータとを有する基本電池要素を、少なくと
    も1つそなえて構成される電池であって、 該正負の電極のうちの少なくとも一方の電極の切断辺に
    おけるバリの高さが、5μm以下であることを特徴とす
    る、電池。なお、該切断辺に沿う方向に引いた直線を基
    準線として定義するとともに該基準線と直交する方向を
    該切断辺の高さ方向として定義した場合に、該切断辺の
    一部もしくは全部における最大高さと最小高さとの差を
    前記バリの高さとする。
  5. 【請求項5】 該基本電池要素が巻回されてなることを
    特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電
    池。
  6. 【請求項6】 該基本電池要素が複数積層されてなるこ
    とを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    電池。
  7. 【請求項7】 該正極および該負極の少なくとも一方の
    電極が、平板状の集電体と、該集電体の片面に設けられ
    た活物質層とを有することを特徴とする、請求項1〜6
    のいずれか1項に記載の電池。
  8. 【請求項8】 起電力物質としてリチウムを用いること
    を特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電
    池。
  9. 【請求項9】 該基本電池要素が形状可変性ケースに収
    納されていることを特徴とする、請求項1〜8のいずれ
    か1項に記載の電池。
  10. 【請求項10】 該基本電池要素が該形状可変性ケース
    に収納された状態で減圧封止されていることを特徴とす
    る、請求項9記載の電池。
  11. 【請求項11】 正負一組の電極と該正負の電極間に介
    設されたセパレータとを有する基本電池要素を、少なく
    とも1つそなえた電池の製造方法であって、 該正負の電極のうち少なくとも一方の電極を、集電体上
    に活物質層を設けた平板状原反から、該電極の切断辺に
    おけるバリの高さが該セパレータの厚さの0.1〜1.
    1倍となるように、せん断による方法を用いて切り出す
    工程と、 前記工程により切り出された該電極を少なくとも用いて
    電池を製造する工程とを有することを特徴とする、電池
    の製造方法。なお、該切断辺に沿う方向に引いた直線を
    基準線として定義するとともに該基準線と直交する方向
    を該切断辺の高さ方向として定義した場合に、該切断辺
    の一部もしくは全部における最大高さと最小高さとの差
    を前記バリの高さとする。
  12. 【請求項12】 正負一組の電極と該正負の電極間に介
    設されたセパレータとを有する基本電池要素を、少なく
    とも1つそなえた電池の製造方法であって、 該正負の電極のうち少なくとも一方の電極を、集電体上
    に活物質層を設けた平板状原反から、該電極の切断辺に
    おけるバリの高さが5μm以下となるように、せん断に
    よる方法を用いて切り出す工程と、 前記工程により切り出された該電極を少なくとも用いて
    電池を製造する工程とを有することを特徴とする、電池
    の製造方法。なお、該切断辺に沿う方向に引いた直線を
    基準線として定義するとともに該基準線と直交する方向
    を該切断辺の高さ方向として定義した場合に、該切断辺
    の一部もしくは全部における最大高さと最小高さとの差
    を前記バリの高さとする。
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