JP4453242B2 - リチウム二次電池及び正極 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウム二次電池に関し、詳しくは、生産安定性及び品質安定性に優れ、かつ電池特性に優れるリチウム二次電池及びリチウム二次電池用正極に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、カメラ一体型VTR装置、オーディオ装置、携帯型コンピュータ、携帯電話等様々な機器の小型化、軽量化が進んでおり、これら機器の電源としての電池に対する高性能化の要請が高まっている。中でも、高電圧、高エネルギー密度の実現が可能なリチウム二次電池の開発が盛んになっている。
【0003】
リチウム二次電池は、通常、正極、負極及び電解質を有する。そして、前記正極は、通常、正極を構成する材料を溶媒に分散させたスラリー(以下本明細書においては、これを正極製造用スラリーという場合がある。)を用いて、これを集電体上に塗布、乾燥することよって製造される。この製造方法は、一度に大面積の正極を製造することができるため、工業的に生産性が高く有用な方法である。
【0004】
しかしながら、一般に、前記正極製造用スラリーは、分散安定性が悪く、ゲル化しやすいという問題がある。前記スラリーがゲル化するとは、前記スラリーの粘度が増加することによりその流動性や均一性が失われることを指し、ゲル化が極度に進行すると集電体への塗布が不可能となる問題がある。また、ゲル化が比較的軽度で前記塗布自体は可能な場合においても、前記スラリーのゲル化によって正極の塗布均一性が不安定となり、一定の品質を満たす正極の生産が困難となる問題もある。このような正極製造用スラリーのゲル化の問題に対して、特開平10−74521号公報には、シュウ酸等の所定のカルボン酸を電極塗布用インクに含有させる技術が開示されている。また、特開平10−79244号公報には、トリフロロメタンスルホン酸等を正極に含有する技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、本発明者等の検討では、シュウ酸等のカルボン酸は正極製造用スラリーのゲル化抑制には効果があるものの、そのような正極を用いたリチウム二次電池は、正極と組合せる負極や電解質の組成によっては、電池特性が悪化する場合があることが判明した。また、トリフロロメタンスルホン酸等の化合物は、空気中の水分と反応して白煙を生じるなど取り扱いが難しく、工業生産に用いる化合物としては不向きである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記実情に鑑みて、本発明者等は、正極製造用スラリーのゲル化を抑制しつつも電池特性を悪化させず、さらには工業上の取り扱いが容易であるような化合物について鋭意検討した。その結果、本発明者等は、所定のスルホン酸及び/又はそのリチウム塩が取り扱いが容易で、これを正極製造用のスラリーに含有させると前記スラリーのゲル化が抑制され、かつ電池特性の悪化も抑制されることを見出した。
【0007】
すなわち、本発明の第一の要旨は、正極、負極、及び電解質を有するリチウム二次電池において、正極に下記一般式(I)及び/又は下記一般式(II)で表される化合物、及び下記一般式(III)で表されるリチウムニッケル複合酸化物を含有することを特徴とするリチウム二次電池に存する。
【0008】
【化4】
【0009】
【化5】
【0010】
(上記一般式(I)及び(II)中のR1、R2はそれぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アルケニル基からなる置換基を表す。但し、R1、R2の水素原子はそれぞれ独立して、アルコキシ基で置換されていてもよい。)
【化9】
(一般式(III)中、α、X、Y、Zは、それぞれ、0<α≦1.1、0.1≦X≦1、0.05≦Y≦0.9、0.01≦Z≦0.8、0.9≦X+Y+Z≦1.1を満たす数である。)
また、本発明の第二の要旨は、前記一般式(I)及び/又は前記一般式(II)で表される化合物、及び前記一般式(III)で表されるリチウムニッケル複合酸化物を含有することを特徴とするリチウム二次電池用正極に存する。
【0011】
本発明のリチウム二次電池は、正極、負極、及び電解質を有し、正極に下記一般式(I)及び/又は下記一般式(II)で表される化合物、及び後述の一般式(III)で表されるリチウムニッケル複合酸化物を含有する。
【0012】
【化6】
【0013】
【化7】
【0014】
ここで、上記一般式(I)及び(II)中のR1、R2はそれぞれ独立して、アルキル基、アリール基、アルケニル基からなる置換基を表すが、好ましくは炭素数1〜20個のアルキル基、炭素数1〜20個のアリール基、炭素数1〜20個のアルケニル基である。これらの置換基を用いれば、工業的に取り扱いが容易な化合物を得ることができる。
【0015】
ここで、正極製造用スラリーのゲル化を防止する化合物として従来から知られているトリフロロメタンスルホン酸は、不安定な化合物であり、空気中の水分と反応して激しく揮発する。従って、工業生産においては、作業員の人体への影響や環境への影響を十分注意し、揮発したトリフロロメタンスルホン酸の反応物を回収する装置等を導入する必要がある。一方、本件発明に用いる前記一般式(I)及び/又は前記一般式(II)で表される化合物は、上記のような注意をする必要がなく、工業生産に用いるには非常に有用な化合物である。
【0016】
さらに、正極製造用スラリーのゲル化を防止する化合物として従来から知られているシュウ酸等の所定のカルボン酸は、正極と組合せる負極や電解質の組成によっては、リチウム二次電池の電池特性が悪化する場合がある。一方、本件発明に用いる前記一般式(I)及び/又は前記一般式(II)で表される化合物は、電池特性を悪化させることがなく非常に有用な化合物である。
【0017】
炭素数1〜20のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、tert−ヘキシル基等の炭素数1〜20個の直鎖または分岐のアルキル基や、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、アダマンチル基等の炭素数6〜20個の環状アルキル基がある。これらアルキル基の中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が、入手が比較的容易な点、価格面で優位な点、分子量が比較的小さく同量添加する場合中和効率が高い点からより好ましい。
【0018】
炭素数1〜20のアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ジエチルフェニル基等がある。これらアリール基の中でも、フェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ジエチルフェニル基が、入手が比較的容易な点、価格面で優位な点、分子量が比較的小さく同量添加する場合中和効率が高い点からより好ましい。
【0019】
炭素数1〜20のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−プロぺニル基、2−プロぺニル基、イソプロぺニル基、ブチニル基、ペンチニル基、(1−ブチニル)ペンチル基等の炭素数1〜20個の直鎖あるいは分岐のアルケニル基がある。これらアルケニル基の中でも、ビニル基が、分子量が比較的小さく同量添加する場合中和効率が高い点からより好ましい。
【0020】
但し、前記置換基R1、R2の水素原子はそれぞれ独立して、さらにアルコキシ基で置換されていてもよい。置換する前記アルキル基としては、好ましくは炭素数1〜20個のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基等がある。これらアルコキシ基の中でも、メトキシ基、エトキシ基が、入手が比較的容易な点、価格面で優位な点、分子量が比較的小さく同量添加する場合中和効率が高い点からより好ましい。
【0021】
前記置換基R1、R2の水素原子をアルコキシ基で置換したものとしては、例えば、エトキシフェニル基、メトキシフェニル基を挙げることができる。
前記一般式(I)の具体的な化合物としては、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸等を挙げることができる。これら化合物の中でも、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸が、特に入手が比較的容易な点、価格面で優位な点、分子量が比較的小さく同量添加する場合中和効率が高い点からより好ましい。また、前記一般式(II)の具体的な化合物としては、上記の一般式(I)において挙げた具体的化合物のリチウム塩を挙げることができる。
【0022】
前記一般式(I)及び/又は前記一般式(II)で表される化合物は、後述する正極活物質に対して、通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%以上、一方、通常10重量%以下、好ましくは1重量%以下含有される。含有量をこの範囲とすることで、電池特性が良好で、かつ正極製造用スラリーのゲル化も特に有効に防止される。
【0023】
前記一般式(I)及び/又は前記一般式(II)で表される化合物は、正極製造用スラリーのゲル化を抑制するが、前記スラリー中へ前記化合物を含有させる方法は特に制限されない。このような方法として、例えば、前記化合物を正極製造用スラリーに用いる溶媒にあらかじめ溶解又は分散させておいた後、正極を構成するその他の材料を含有させる方法を挙げることができる。
【0024】
正極は、通常、集電体上に正極を構成する材料を含有する正極材料層が積層された構造を有する。正極がこのような構造を採る場合、前記一般式(I)及び/又は(II)で表される化合物は、通常、前記正極材料層に含有される。さらに正極材料層は、通常、正極活物質を含有する。
正極活物質としては、遷移金属酸化物、リチウムと遷移金属との複合酸化物、遷移金属硫化物等各種の無機化合物が挙げられる。ここで遷移金属としてはFe、Co、Ni、Mn等が用いられる。具体的には、MnO、V2 O5 、V6 O13、TiO2 等の遷移金属酸化物粉末、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムマンガン複合酸化物などのリチウムと遷移金属との複合酸化物粉末、TiS2 、FeS、MoS2 などの遷移金属硫化物粉末等が挙げられる。これらの化合物はその特性を向上させるために部分的に元素置換したものであっても良い。また、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセン、ジスルフィド系化合物、ポリスルフィド系化合物、N−フルオロピリジニウム塩等の有機化合物を用いることもできる。これらの無機化合物、有機化合物を混合して用いても良い。正極活物質の粒径は、通常1μm以上、一方、通常30μm以下、好ましくは10μm以下とする。粒径が大きすぎても小さすぎても、レート特性、サイクル特性等の電池特性が低下する傾向にある。
【0025】
これら正極活物質のうち、好ましいのは、リチウムと遷移金属との複合酸化物であり、具体的には、LiNiO2等のリチウムニッケル複合酸化物、LiCoO2等のリチウムコバルト複合酸化物、LiMn2O4等のリチウムマンガン複合酸化物である。
より好ましいのは、正極活物質として、リチウムニッケル複合酸化物を用いることである。リチウムニッケル複合酸化物は、単位重量あたりの電流容量が大きく、電池容量を高くすることができる一方で、リチウムニッケル複合酸化物を正極製造用スラリーに含有させるとゲル化が特に進行しやすい。従って、正極活物質として、リチウムニッケル複合酸化物を用いた場合に、前記一般式(I)及び/又は一般式(II)で表される化合物を前記スラリー中に含有させる効果が顕著に発揮される。
【0026】
リチウムニッケル複合酸化物は、少なくともリチウム及びニッケルを含有する酸化物である。リチウムニッケル複合酸化物としては、例えば、α−NaFeO2構造等の層状構造を有する、LiNiO2のようなリチウムニッケル複合酸化物が好ましい。具体的な組成としては、例えば、LiNiO2、LiNi2O4等を挙げることができる。この場合、リチウムニッケル複合酸化物は、Niが占めるサイトの一部をNi以外の元素で置換したものであってもよい。Niサイトの一部を他の元素で置換することによって、結晶構造の安定性を向上させることができ、繰り返し充放電する際のNi元素の一部がLiサイトに移動して発生する容量低下が抑制されるため、サイクル特性も向上する。さらに、Niサイトの一部をNi以外の元素で置換することによって、DSC(DifferentialScanning Calorimetry:示差走査熱量測定)の発熱開始温度が高温側にシフトするため、電池の温度が上昇した場合のリチウムニッケル複合酸化物の熱暴走反応も抑制され、結果として高温保存時の安全性の向上につながる。
【0027】
Niが占めるサイトの一部をNi以外の元素で置換する際の、該元素(以下、置換元素と表記する)としては、例えば、Al、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Li、Cu、Zn、Mg、Ga、Zr等が挙げられる。無論、Niサイトは2種以上の他元素で置換されていてもよい。好ましくはAl、Ti、Cr、Fe、Co、Li、Mg、Ga、Mnが挙げられ、更に好ましくはAl、Ti、Co、Mnが挙げられる。Ni元素の一部をAl、Ti、Co、Mnで置換することにより、サイクル特性、安全性の改善効果が大きくなる。
【0028】
置換元素によりNiサイトを置換する場合、その割合は通常Ni元素の2.5モル%以上、好ましくは5モル%以上であり、通常Ni元素の50モル%以下、好ましくは30モル%以下である。置換割合が少なすぎるとサイクル特性等の改善効果が充分ではない場合があり、多すぎると電池にした場合の容量が低下してしまう場合がある。
【0029】
尚、上記の組成において、少量の酸素欠損、不定比性を持っていてもよい。また、酸素サイトの一部が硫黄やハロゲン元素で置換されていてもよい。リチウムニッケル複合酸化物は、下記一般式(III)で表される、NiサイトがCo及びAlで置換される化合物である。
【0030】
【化8】
一般式(III)中、αは、電池内での充放電の状況により変化する数であり、αは、0より大きく、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.95以上であり、一方、1.1以下、好ましくは1.08以下である。この範囲とすれば、高容量を維持しつつ、繰り返し充放電特性(本明細書においては、サイクル特性という場合がある。)が良好となる。特にαを0.95以上とすれば、容量とサイクル特性のバランスがより良好に保たれる。
Xは、0.1以上、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.7以上であり、一方、1以下、好ましくは0.9以下である。この範囲とすれば、容量を高く保ちつつ、サイクル特性も良好となる。容量の点からは、Xは1に近いことが好ましいが、サイクル特性を考慮すると、Xを0.7以上0.9以下とすることが特に好ましい。
Yは、0.05以上、より好ましくは0.1以上であり、一方、0.9以下、好ましくは0.4以下、より好ましくは0.3以下である。この範囲とすればサイクル特性を良好に保ちつつ、リチウム二次電池としての安全性も確保されるようになる。
Zは、0.01以上、より好ましくは0.05以上であり、一方、0.8以下、好ましくは0.2以下、より好ましくは0.1以下である。この範囲とすれば、電池容量を落とさずに、リチウム二次電池としての安全性を確保することができるようになる。
尚、上記のX、Y、Zは、0.9≦X+Y+Z≦1.1の関係を満たすが、通常X+Y+Z=1.0である。本発明においては、Ni元素の一部をCoで置換することにより、前記した通り、サイクル特性、及び安全性の改善効果が大きくなるが、さらにNi元素の一部をAlで置換することによりサイクル特性、及び安全性の向上がさらに達成される。
【0031】
本発明で用いるリチウムニッケル複合酸化物の比表面積は、通常0.01m2/g以上、好ましくは0.1m2/g以上、より好ましくは0.5m2/g以上であり、また通常10m2/g以下、好ましくは5m2/g以下、より好ましくは2m2/g以下である。比表面積が小さすぎるとレート特性の低下、容量の低下を招き、大きすぎると電解液等と好ましくない反応を引き起こし、サイクル特性を低下させることがある。比表面積の測定はBET法に従う。
【0032】
本願発明で用いるリチウムニッケル複合酸化物の平均粒径は、通常0.1μm以上、好ましくは0.2μm以上、さらに好ましくは0.3μm以上、最も好ましくは0.5μm以上であり、通常300μm以下、好ましくは100μm以下、さらに好ましくは50μm以下、最も好ましくは20μm以下である。平均粒径が小さすぎると電池のサイクル劣化が大きくなったり、安全性に問題が生じたりする場合があり、大きすぎると電池の内部抵抗が大きくなり、出力が出にくくなる場合がある。
【0033】
正極活物質としては、リチウムニッケル複合酸化物を単独で用いても良いが、他のリチウム遷移金属複合酸化物をさらに併用しても良い。このようなリチウム遷移金属複合酸化物として、リチウムコバルト複合酸化物を挙げることができる。リチウムコバルト複合酸化物は、放電曲線が平坦であるためレート特性に優れる有用な正極材料である。リチウムコバルト複合酸化物としては、例えば、層状構造を有するLiCoO2等を挙げることができる。また、リチウムコバルト複合酸化物は、Coが占めるサイトの一部をCo以外の元素で置換したものであってもよい。Coサイトを他元素で置換することにより、電池のサイクル特性・レート特性が向上する場合がある。Coが占めるサイトの一部をCo以外の元素で置換する際の、置換元素としては、Al、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Li、Ni、Cu、Zn、Mg、Ga、Zr、Sn、Sb、Ge等が挙げられ、好ましくはAl、Cr、Fe、Li、Ni、Mg、Ga、Zr、Sn、Sb、Ge更に好ましくはAl、Mg、Zr、Snである。なお、Coサイトは2種以上の他元素で置換されていてもよい。
【0034】
置換元素によりCoサイトを置換する場合、その割合は通常Co元素の0.03モル%以上、好ましくは0.05モル%以上であり、通常Co元素の30モル%以下、好ましくは20モル%以下である。置換割合が少なすぎると結晶構造の安定性向上が充分ではない場合があり、多すぎると電池にした場合の容量が低下してしまう場合がある。
【0035】
リチウムコバルト複合酸化物は、通常、充電前の基本的な組成としてLiCoO2で表されるが、前記したようにCoサイトの一部を他の元素で置換してもよい。また、上記組成式において、少量の酸素欠損、不定性があっても良く、酸素サイトの一部が硫黄やハロゲン元素で置換されていてもよい。さらには、上記組成式において、リチウム量を過剰又は不足にしたりすることができる。
【0036】
リチウムコバルト複合酸化物の比表面積は、通常0.01m2/g以上、好ましくは0.1m2/g以上、より好ましくは0.4m2/g以上であり、また通常10m2/g以下、好ましくは5.0m2/g以下、より好ましくは2.0m2/g以下である。比表面積が小さすぎるとレート特性の低下、容量の低下を招き、大きすぎると電解液等と好ましくない反応を引き起こし、サイクル特性を低下させることがある。比表面積の測定はBET法に従う。
【0037】
リチウムコバルト複合酸化物の平均二次粒径は、通常0.1μm以上、好ましくは0.2μm以上、さらに好ましくは0.3μm以上、最も好ましくは0.5μm以上であり、通常300μm以下、好ましくは100μm以下、さらに好ましくは50μm以下、最も好ましくは20μm以下である。平均二次粒径が小さすぎると電池のサイクル劣化が大きくなったり、安全性に問題が生じたりする場合があり、大きすぎると電池の内部抵抗が大きくなり、出力が出にくくなる場合がある。
【0038】
本発明のリチウム二次電池に用いられる負極は、通常、集電体の上に負極材料層を形成してなり、前記負極材料層中に、Liを吸蔵・放出し得る負極活物質を通常含有する。
負極活物質としては、炭素系活物質を挙げることができる。炭素系活物質としては、例えば、黒鉛及び、石炭系コークス、石油系コークス、石炭系ピッチの炭化物、石油系ピッチの炭化物、あるいはこれらピッチを酸化処理したものの炭化物、ニードルコークス、ピッチコークス、フェノール樹脂、及び結晶セルロース等の炭化物等並びにこれらを一部黒鉛化した炭素材、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ピッチ系炭素繊維等を用いることができる。また、これら炭素系活物質は、金属やその塩、酸化物との混合体、被覆体の形であっても利用できる。上記炭素系活物質の他、負極活物質としては、けい素、錫、亜鉛、マンガン、鉄、ニッケルなどの酸化物、あるいは硫酸塩さらには金属リチウムやLi−Al、Li−Bi−Cd、Li−Sn−Cdなどのリチウム合金、リチウム遷移金属窒化物、けい素、錫などの金属なども使用できる。これら負極活物質の粒径は、通常1μm以上、好ましくは5μm以上であり、一方通常50μm以下、好ましくは30μm以下である。あまりに大きすぎても小さすぎても初期効率、レート特性、サイクル特性等の電池特性が低下する傾向にある。無論、上記した中から選ばれる2種以上の負極活物質を併用してもよい。
【0039】
正極材料層及び負極材料層には、上記の正極活物質、負極活物質の他にバインダーを含有しても良い。活物質100重量部に対するバインダーの場合は、通常0.01重量部以上、好ましくは0.1重量部以上、更に好ましくは1重量部以上、通常50重量部以下、好ましくは30重量部以下、更に好ましくは15重量部以下である。バインダーの量が少なすぎると強固な正極及び負極が形成させにくい。バインダーの量が多すぎると、エネルギー密度やサイクル特性が低下する場合がある。
【0040】
バインダーとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1,1−ジメチルエチレンなどのアルカン系ポリマー;ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの不飽和系ポリマー;ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリビニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリドンなどの環を有するポリマー;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミドなどのアクリル誘導体系ポリマー;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂;ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンシアニドなどのCN基含有ポリマー;ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール系ポリマー;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのハロゲン含有ポリマー;ポリアニリンなどの導電性ポリマーなど各種の樹脂が使用できる。また、上記のポリマーなどの混合物、変成体、誘導体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体などであっても使用できる。また、シリケートやガラスのような無機化合物を使用することもできる。本発明においては、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂を使用することが好ましい。
【0041】
バインダーの重量平均分子量は、通常1000以上、好ましくは10000以上、さらに好ましくは20000以上であり、通常5000000以下、好ましくは1000000以下、さらに好ましくは300000以下である。低すぎると電極の機械的強度が低下する場合がある。高すぎると、正極製造用スラリー(又は後述の負極製造用スラリー)を集電体に塗布することにより製造する際の、前記スラリーの粘度が高くなり正極材料層(又は負極材料層)の形成が困難になる。
【0042】
また正極材料層及び負極材料層には、必要に応じて導電材料、補強材など各種の機能を発現する添加剤、粉体、充填材などを含有しても良い。導電材料としては、上記活物質に適量混合して導電性を付与できるものであれば特に制限は無いが、通常、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛などの炭素粉末や、各種の金属ファイバー、箔などが挙げられる。補強材としては各種の無機、有機の球状、繊維状フィラーなどが使用できる。
【0043】
正極及び負極に使用される集電体の材料としては、通常、アルミニウム、銅、ニッケル、錫、ステンレス鋼等の金属、これら金属の合金等を用いることができる。この場合、正極の集電体としては、通常アルミニウムが用いられ、負極の集電体としては、通常銅が用いられる。集電体の形状は特に制限されず、例えば、板状やメッシュ状の形状を挙げることができる。集電体の厚みは通常1μm以上であり、一方通常50μm以下、好ましくは30μm以下である。薄すぎると機械的強度が弱くなるが、厚すぎると電池が大きくなり、電池の中で占めるスペースが大きくなってしまい、電池のエネルギー密度が小さくなる。
【0044】
正極及び負極の厚さは、それぞれ通常1μm以上、好ましくは10μm以上であり、通常は500μm以下、好ましくは200μm以下である。あまりに厚くても薄くても容量やレート特性等の電池性能が低下する傾向にある。
正極の製造方法は、前述の通り、正極製造用スラリーを集電体状に塗布・乾燥させることにより、集電体上に正極材料層を形成させる方法を用いることが好ましいが、負極の製造方法も正極同様の方法を用いることができる。つまり、前記負極活物質やバインダー等を溶媒に溶解又は分散させた負極製造用スラリーを集電体上に塗布・乾燥させることにより、集電体上に負極材料層が積層された構造を有する負極を得ることができる。
【0045】
ここで、正極製造用スラリー又は負極製造用スラリー用の溶媒としては、例えばN−メチルピロリドンや、ジメチルホルムアミドを挙げることができ、好ましくはN−メチルピロリドンである。塗料中の溶剤濃度は、少なくとも10重量%より大きくするが、通常20重量%以上、好ましくは30重量%以上、さらに好ましくは35重量%以上である。また、上限としては、通常90重量%以下、好ましくは80重量%以下である。溶剤濃度が低すぎると塗布が困難になることがあり、高すぎると塗布膜厚を上げることが困難になると共に正極製造用スラリー及び負極製造用スラリーの安定性が悪化することがある。
【0046】
また、正極活物質(負極活物質)やバインダー等を分散してスラリーを製造する際に用いる分散機は特に制限されず、例えば、プラネタリーミキサー、ボールミル、サンドミル、二軸混練機などを用いることができる。
正極製造用スラリー及び負極製造用スラリーをそれぞれ集電体上に塗布する際に用いる塗布装置に関しても特に限定されず、スライドコーティングやエクストルージョン型のダイコーティング、リバースロール、グラビアコーター、ナイフコーター、キスコーター、マイクログラビアコーター、ロッドコーター、ブレードコーターなどが挙げられるが、ダイコーティングが好ましく、前記スラリー粘度および塗布膜厚等を考慮するとエクストルージョン型のダイコーティングが最も好ましい。
【0047】
負極の製造方法としては、前記負極製造用スラリーを用いる他、例えば、溶媒を用いずに、負極活物質やバインダー等を混練後、集電体に圧着することにより製造することもできる。
本発明のリチウム二次電池に用いられる電解質は、通常、溶質と非水系溶媒を少なくとも有する電解液を含有し、正極と負極との間に電解質層として存在するのみならず、正極と負極の空隙中にも存在している。
【0048】
電解液中の非水系溶媒は、特に限定されないが、比較的高誘電率の溶媒が好適に用いられる。具体的にはエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどの非環状カーボネート類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のグライム類、γ−ブチルラクトン等のラクトン類、スルフォラン等の硫黄化合物、アセトニトリル等のニトリル類等を挙げることができる。中でも、リチウム二次電池の安全性を向上させることができる観点から、沸点が150℃以上、特に200℃以上の高沸点溶媒を使用するのが好ましい。このような高沸点溶媒としては、プロピレンカーボネート(沸点240℃)、エチレンカーボネート(沸点243℃)、ブチレンカーボネート(沸点240℃)、γ−ブチロラクトン(沸点204℃)等を挙げることができる。中でも高沸点溶媒としてプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトンを使用するのが好ましい。
【0049】
以上の非水系溶媒は、複数種を併用することができる。前記高沸点溶媒を使用する場合、使用する非水系溶媒に対する前記高沸点溶媒の割合は、好ましくは60体積%以上、さらに好ましくは70体積%以上、さらに好ましくは80体積%以上、最も好ましくは90体積%以上とする。また、複数の溶媒を併用する場合の非水系溶媒全体としての沸点を200℃以上とするのが好ましい。非水系溶媒全体としての沸点を200℃以上とすれば、リチウム二次電池の高温下での安全性が格段に向上する。なお、「沸点X℃以上」とは、圧力1atmのもとで室温からX℃まで加熱しても蒸気圧が1atmを越えないことを意味する。即ち、圧力1atmのもとで室温から200℃まで加熱した場合、常に蒸気圧が1atm以下であることを意味する。
【0050】
なお、非水系溶媒は、粘度が1mPa・s以上であることが好ましい。
電解質に使用する溶質としては、通常リチウム塩が用いられ、リチウム塩としては、例えば、LiPF6、LiAsF6、LiSbF6、LiBF4、LiClO4、LiI、LiBr、LiCl、LiAlCl、LiHF2、LiSCN、LiSO3CF2等を挙げることができる。これらのうちでは特にLiPF6、LiBF4及びLiClO4が好適である。これら溶質の電解液における含有量は、通常0.5〜2.5mol/lである。
【0051】
電解質は、非流動性を有するものが好ましい。非流動性電解質を用いることによって、電解液の液漏れ等が有効に防止され、リチウム二次電池の安全性をより高めることができる。このような非流動性電解質としては、具体的には、完全固体型の電解質の外、ポリマーにより前記電解液を保持した、いわゆるポリマー電解質が挙げられる。ポリマー電解質は、通常上記非水電解液をポリマーによって保持することによってゲル状を呈する。ポリマーの電解液に対する濃度は、使用するポリマーの分子量にもよるが、通常0.1〜30重量%である。濃度が低すぎるとゲルを形成しにくくなり、電解液の保持性が低下して流動、液漏れの問題が生じることがある。また濃度が高すぎると粘度が高くなりすぎて工程上困難を生じるとともに、電解液の割合が低下してイオン伝導度が低下しレート特性などの電池特性が低下する傾向にある。電解質を保持するポリマーとしては、アルキレンオキシドユニットを有するアルキレンオキシド系高分子や、ポリフッ化ビニリデンやフッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体のようなフッ素系高分子等、上記機能を有する各種のポリマーを挙げることができる。
【0052】
非流動性電解質を形成する方法としては、あらかじめポリマーを電解液に溶解させた電解質塗料として用いる方法、また電解液に重合性モノマーを含有させた電解質塗料を架橋反応させて非流動性電解質とする方法など必要に応じた材料・製法を採用し、電解質層を形成することができる。
本発明における非流動性電解質の形成を、電解液に重合性モノマーを含有させた塗料を架橋反応させて非流動化電解質とする方法で行う場合には、紫外線硬化や熱硬化などの重合処理を施すことによって高分子を形成するモノマーを重合性モノマーとして電解液に添加することにより塗料を調製する。
【0053】
重合性モノマーとしては、例えばアクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基等の不飽和二重結合を有するものが挙げられる。具体的には、例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、エトキシエチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、エトキシエチルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレート、エトキシエトキシエチルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、N、N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N、N−ジメチルアミノエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、アリルアクリレート等が挙げられる。
【0054】
他の使用可能な具体例としては、アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリアルキレングリコールジアクリレート、ポリアルキレングリコールジメタクリレート等が挙げられ、さらにトリメチロールプロパンアルコキシレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールアルコキシレートトリアクリレートなどの3官能モノマー、ペンタエリスリトールアルコキシレートテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンアルコキシレートテトラアクリレートなどの4官能以上のモノマー等も使用できる。これらの中から反応性、極性、安全性などから好ましいものを単独、または組み合わせて用いれば良い。これらの中で特に好ましくはエチレノキシド基を複数含有するジアクリレート、トリアクリレートである。これらのモノマーを熱、紫外線、電子線等によって重合させることにより、電解質を非流動性電解質とすることができる。電解液中における重合性モノマーの含有量は特に制限されないが、好ましくは塗料中に1重量%以上含有することが好ましい。含有量が低いと高分子の形成効率が低下し、電解液を非流動化しにくくなる。他方、あまりに多すぎると未反応モノマーの残留や電解質塗料としての操作性が悪くなるので、通常30重量%以下とする。
【0055】
非流動性電解質を、あらかじめポリマーを含有した電解質塗料を用いて生成する方法においては、ポリマーとして、高温で電解液に溶解し、常温でゲル状電解質を形成する高分子を使用するのが好ましい。この様な特性を持ち、電池材料として安定なものであればどのような高分子でも使用できるが、例えば、ポリビニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリドン等の環を有するポリマー;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミドなどのアクリル誘導体系ポリマー;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂;ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンシアニド等のCN基含有ポリマー;ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール系ポリマー;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン含有ポリマー等が挙げられる。これらの中、好ましくはポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリエチレノキシド、あるいはそれらの変性体である。
【0056】
また、上記のポリマー等の混合物、変成体、誘導体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体等であっても使用できる。後述するようにリチウム電池に使用される非水系溶媒、溶質が極性を有するものであるから、ポリマー(高分子)も有る程度の極性を有する方が好ましい。更に、これらのポリマーの重量平均分子量は、好ましくは10,000〜5,000,000の範囲である。分子量が低いとゲルを形成しにくくなり、他方、あまり分子量が高いと粘度が高くなりすぎて取り扱いが難しくなる。
【0057】
高温で電解液に溶解し、常温でゲル状電解質を形成するポリマーを使用した非流動化電解質の形成法では、ポリマーを電解液に加温して溶解する。加温温度としては通常50℃以上、好ましくは100℃以上であり、一方、通常200℃以下、好ましくは160℃以下である。あまりにも低温で溶解するようであると、非流動化電解質の安定性が低下する。溶解温度が高すぎると、電解液成分、ポリマー等の分解を引き起こすことがあり得る。非流動化の条件としては、ポリマー溶解電解液を室温で冷却することが好ましいが、強制冷却してもよい。
【0058】
電解質中には、必要に応じて、電池の性能向上のために各種の添加剤を添加することができる。
電解質層は、多孔質フィルムのような支持体を併用するのが好ましい。多孔質フィルムとしては、高分子樹脂からなるフィルムや、粉体とバインダーからなる薄膜が好ましく使用でき、より好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン等からなる多孔質膜である。
【0059】
通常、正極と負極は、前記電解質層を介して積層された状態(以下、この積層された状態を電池要素という場合がある。)でケースに収納される。長尺に形成された電池要素は巻回してケースに収納することができ、また、平板状に形成された電池要素をそのままケースに収納してもよいし、平板状に形成された電池要素を複数個積層した状態でケースに収納することもできる。
【0060】
電池要素を収納するケースとしては、例えば、金属ケースのように剛性の高いケースや、剛性は低いが軽量である形状可変性を有するケースを挙げることができる。本発明においては、リチウム二次電池のさらなる小型化、軽量化が可能となる観点から、形状可変性を有するケースを用いることが好ましい。
形状可変性ケースとは、柔軟性、屈曲性を有するケースを意味し、その具体例としては、ビニール袋の様な高分子フィルムからなる袋、高分子フィルムからなる真空包装用袋もしくは真空パック、金属箔と高分子フィルムとのラミネート素材からなる真空包装用袋もしくは真空パック、プラスチックで形成された缶、プラスチックの板で挟んで周囲を溶着、接着、はめ込み等で固定したケース等が挙げられる。これらの中では、気密性、形状可変性の点で高分子フィルムからなる真空包装用袋もしくは真空パック、または金属箔と樹脂(高分子フィルム)とのラミネート素材からなる真空包装用袋もしくは真空パックが好ましい。
【0061】
材質としては、プラスチック、高分子フィルム、金属フィルム、ゴム、薄い金属板、ガスバリア層と樹脂層とを有するラミネートフィルム等が挙げられる。ケースの材質として、特に好ましいのは、金属や金属酸化物からなるガスバリア層の両面に樹脂層を設けてなるラミネートフィルムである。ラミネートフィルムを電池要素の外装ケースとして用いれば、リチウム二次電池の軽量化・小型化が達成される。
【0062】
形状可変性ケースの部材厚さは、通常0.01μm以上、好ましくは0.02μm以上、さらに好ましくは0.05μm以上であり、通常5mm以下、好ましくは1mm以下、さらに好ましくは0.5mm以下、最も好ましくは0.3mm以下とする。薄いほど電池がより小型・軽量化できるが、あまりに薄いと、十分な剛性の付与ができなくなったり密閉性が低下する可能性がある。
【0063】
ケース内への電池要素の収納方法は任意であるが、例えば、フィルム状のケース部材をの両端を貼り合わせて筒状とし、内部に電池要素を収納した後、筒の上下をさらに貼り合わせる方法を例示することができる。また、2片のフィルム状のケース部材の間に電池要素を収納した後、周縁部を貼り合わせる方法も採用することができる。尚、電池要素は、上記ケース中に減圧状態で封入されるのが、装置の小型化及び電池要素の接触の面から好ましい。この場合、大気圧との差分が電池要素を押さえ付ける力となる。
【0064】
無論、電池の機器への装着等の利便を図るため、上記のケースに電池要素を封入した後、必要ならば複数のケースを、剛性を持つ外装ケースに収納することも可能である。
本発明のリチウム二次電池が電源として使用される電気機器としては特に限定されず、例えば、ノート型のパーソナルコンピュータ(本明細書においては、パーソナルコンピュータを単にパソコンという場合がある。)、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、ページャー、ハンディーターミナル、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、電気シェーバー、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、ロードコンディショナー、時計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機など)等を挙げることができる。
【0065】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例により何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更し実施することができる。なお組成中の部は、重量部を示す。
[実施例1]
[正極の作製]
最初に以下の組成で、正極製造用スラリーを調製した。
【0066】
【表1】
上記の原料をプラネタリーミキサータイプの混練機により2時間混練し正極製造用スラリーとした。メタンスルホン酸は、常温常湿で十分安定な化合物であるため、前記スラリーの調整作業中、その取り扱いに特別気をつかう必要はなかった。また、混練の際に、正極製造用スラリーがゲル化することもなかった。
【0067】
次に上記正極製造用スラリーを20μm厚のアルミニウム集電体基材上に、エクストルージョン型のダイコーティングによって塗布、乾燥し、集電体上に正極活物質、バインダー及び導電材を含有する正極材料層を形成した。ついで、ロールプレス(カレンダー)を用いて圧密することによって電極シートを作製した。この後、電極シートから電極を切り出し、正極とした。尚、使用したリチウムコバルト酸の二次粒子の平均粒径は5.0μm、比表面積は0.50m2/gであり、LiNi0.82Co0.15Al0.03O2の二次粒子の平均粒径は9.8μm、比表面積は0.39m2/gであった。
[負極の作製]
最初に以下の組成で、負極製造用スラリーを調整した。
【0068】
【表2】
負極製造用スラリーの組成
グラファイト(粒径15μm) 90部
ポリフッ化ビニリデン 10部
N−メチル−2−ピロリドン 100部
上記の原料を、プラネタリーミキサータイプの混練機により2時間混練し負極製造用スラリーとした。次に上記の負極製造用スラリーを10μm厚の銅集電体基材上にエクストルージョン型のダイコーティングによって塗布、乾燥し、集電体上に負極活物質、バインダーを含有する負極材料層を形成した。ついで、ロールプレス(カレンダー)を用い圧密することによって電極シートを作製した。この後、電極シートから電極を切り出し、負極とした。
[正極・負極材料層の膜厚比]
上記の正極・負極の製造例においては、(正極の充電容量)/(負極の充電容量)=0.93となるように、正極材料層及び負極材料層の膜厚を調整した。ここで、負極の充電容量は、対極Liを用い1.5V〜3mVまで充電したときの負極単位体積あたりの容量(mAh/g)を基準とした。
[電解質形成用の塗料の作製]
下記組成を混合・攪拌して、溶解し、電解質形成用塗料を作製した。
【0069】
【表3】
[リチウム二次電池の作製]
上記のようにして準備した正極、負極に電解質層形成用塗料を塗布し、別途電解質層形成用塗料に浸した高分子多孔質フィルム(スペーサ)を用意し、このフィルムを正極と負極との間に挟んだ後、90℃で10分加熱することにより、電解質層形成用塗料中のテトラエチレングルコールジアクリレート及びポリエチレンオキシドトリアクリレートを重合させた。これによって、活物質とバインダーを含み集電体上に形成された正極、負極を有し、該正極と負極との間に非流動化された電解質層を有する平板状の電池要素を作製した。
【0070】
上記の電池要素を20個作製し、これを負極同士、正極同士が接するように互い違いに積層後、正極同士ならびに負極同士の端子部を束ね、それぞれの端子部に電流を取り出すリード線を接続した。こうして得られた電池要素を、アルミニウム膜の両面を樹脂層で被覆したラミネートフィルムを対向成形した袋状ケースに収容後、テトラエチレングルコールジアクリレート133部、ポリエチレンオキシドトリアクリレート67部、重合開始剤1部からなる混合液を電極端子部に適量注入した(端子部の短絡防止のため)。ラミネートフィルムを真空シールで封入後、リード線を取り出した辺を除くシール部を電池外装材側面に沿うように折曲した。その後、電池を90℃で3分間加熱して、電極端子部に注入した前記混合液中のテトラエチレングルコールジアクリレート、ポリエチレンオキシドトリアクリレートを重合させた。折曲されたシール部は外装材被包部側面に市販のエポキシ系接着剤で接着して平板状のリチウム二次電池Aを作成した。この様に作成した電池の公称容量は750mAhであった。
[比較例1]
実施例1の正極製造用スラリーの作製において、メタンスルホン酸の代わりにシュウ酸を用いて正極製造用スラリーを作製した以外は実施例1と同様の方法でリチウム二次電池を作製した。尚、正極製造用スラリーの混練時に、前記スラリーがゲル化することはなかった。このようにして作製したリチウム二次電池をリチウム二次電池Bとする。
[比較例2]
実施例1の正極製造用スラリーの作製において、メタンスルホン酸を添加しなかった以外は実施例1と同様の方法で正極の作製を試みた。しかし正極製造用スラリーの混練時にゲル化が起こり、スラリーの粘度が激しく増加したため、エクストルージョン型のダイコーティングによって連続塗布することができなかった。
[比較例3]
実施例1の正極製造用スラリーの作製において、メタンスルホン酸の代わりにトリフロロメタンスルホン酸を用いて正極製造用スラリーを作製した以外は実施例1と同様の方法でリチウム二次電池を作製した。トリフロロメタンスルホン酸は空気中の水分と反応して激しく揮発する性質がある。従って、リチウム二次電池製造の際には前記反応を抑制すべく、水分を可能な限り除去した雰囲気中で電池製造を行った。尚、正極製造用スラリーの混練時に、前記スラリーがゲル化することはなかった。このようにして作製したリチウム二次電池をリチウム二次電池Cとする。
[サイクル容量維持試験]
上記のように作成したリチウム二次電池A、B、Cを、23℃のもと、0.6C定電流にて4.2Vまで充電し、その後4.2Vにて電流値が50mAに減衰するまで定電圧充電を行った。放電は、初回を0.2Cで3.0Vまで定電流放電を行い、初期の0.2C放電容量を計測した。これを「1サイクル目の0.2C放電容量」という。
【0071】
次に23℃のもと、0.6C定電流にて4.2Vまで充電し、その後4.2Vにて電流値が50mAに減衰するまで定電圧充電を行った。放電は1Cで3.0Vまで定電流放電を行った。これを1サイクルとして400サイクルの容量維持試験を行った。各リチウム二次電池において、400サイクル終了後に再び0.6C定電流にて4.2Vまで充電し、その後4.2Vにて電流値が50mAに減衰するまで定電圧充電を行い、引き続いて0.2Cで3.0Vまで定電流放電を行った。この400サイクル終了後の0.2C放電容量に対する、1サイクル目の0.2C放電容量との比(容量維持率)の測定結果を表―1に示す。
【0072】
【表4】
【0073】
実施例1、比較例1、2、3の結果から、メチルスルホン酸、シュウ酸及びトリフロロメタンスルホン酸のいずれも、正極製造用スラリーのゲル化の抑制効果を有することがわかる。しかし、シュウ酸及びトリフロロメタンスルホン酸を用いた場合は、リチウム二次電池の400サイクル後の容量維持率が、メチルスルホン酸を用いた場合と比較して劣ることがわかる。さらにトリフロロメタンスルホン酸は、リチウム二次電池製造における取扱いが容易でないという問題もある。以上から、メチルスルホン酸は取り扱いが容易であるだけでなく、メチルスルホン酸を用いれば、正極製造用スラリーのゲル化が抑制されるのみならず、電池特性も悪化することなく、良好なリチウム二次電池を得ることができるのである。
【0074】
【発明の効果】
本発明により、工業的に有利な正極の製造方法である、正極製造用スラリーを集電体に塗布する方法を用いた場合に従来問題であった、前記スラリーのゲル化を、取扱いが容易な化合物により有効に抑制することができ、生産安定性及び品質安定性に優れたリチウム二次電池及びリチウム二次電池用正極を得ることができる。さらには、本発明によれば、初期容量、レート特性、サイクル特性、安全性等の電池特性に優れたリチウム二次電池を得ることができる。
Claims (4)
- 正極、負極、及び電解質を有するリチウム二次電池において、正極に下記一般式(I)及び/又は下記一般式(II)で表される化合物、及び下記一般式(III)で表されるリチウムニッケル複合酸化物を含有することを特徴とするリチウム二次電池。
- 請求項1に記載の前記一般式(I)及び/又は下記一般式(II)で表される化合物が、正極活物質に対して0.01〜10重量%含有される請求項1に記載のリチウム二次電池。
- 電解質が、溶質と非水系溶媒とポリマーとを含有する請求項1又は2に記載のリチウム二次電池。
- 請求項1に記載の前記一般式(I)及び/又は前記一般式(II)、及び前記一般式(III)で表される化合物を含有することを特徴とするリチウム二次電池用正極
。
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