JP4288863B2 - リチウム二次電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、リチウム二次電池に関し、特に放電容量、サイクル特性及び低温での出力特性に優れるリチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
リチウム二次電池は、リチウムを吸蔵・放出できる電極活物質を含有する正極及び負極を有する電池要素を有する。電池要素は、通常、電極活物質を主成分とする正極及び負極と、溶質及び非水系有機溶媒を少なくとも含有する電解質とから構成される単位電池要素を基本として、該単位電池要素を長尺に形成してこれを捲き回したり、平板状に形成した該単位電池要素を複数積層したりすることにより形成される。そして、単位電池要素の積層数・捲回数を適宜選択することにより、高容量のリチウム二次電池を得ることができる。
【0003】
また、電池要素に用いられる正極の活物質として、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムニッケル複合酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物を用いると、エネルギー密度が高い電池が得られることが知られている。
このようにリチウム二次電池は、高容量かつエネルギー密度が高いため、電源としての用途が急速に広がりつつある。リチウム二次電池が電源として使用され、又今後使用されていくであろう電気機器としては、例えば、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、ページャー、ハンディーターミナル、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、電気シェーバー、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、ロードコンディショナー、時計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機など)等を挙げることができる。
【0004】
そして、用途が多岐にわたるにつれて、それぞれの用途に応じた電池特性の更なる改良が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、リチウム二次電池は、液漏れ、破裂、発火及び爆発等を起こしてはならず、安全であることが要求される。このような電池の安全性の向上は、電池に保護回路を接続することや、電池要素の組成改良等の技術を用いて実現される。これら技術のうち、電池要素の組成改良として有効なものとして、電解質にポリマーを含有させて非水系溶媒の保液性を上げたり、非水系溶媒として、沸点150℃以上の溶媒(以下、高沸点溶媒ということがある)を用いてガスの発生を抑制させる技術を挙げることができる。
【0006】
しかしながら、上記安全性を向上させるいずれの技術も、電池の低温での出力特性を低下させるという新たな問題を発生させるのである。即ち、上記技術はいずれも電解質の流動性を下げるものであるが、該流動性の低下は同時にリチウムイオンの伝導性の低下につながる。このリチウムイオンの伝導性の低下は、常温における電池特性に著しい影響は与えないものの、低温環境下では、電池の出力を極端に低下させるのである。
【0007】
前記のように、リチウム二次電池の用途が多岐にわたるにつれ、屋外で使用される機器の電源としての用途も広がりつつある(例えば、モバイルパソコン、携帯電話、カメラ、ゲーム機器等の用途を挙げることができる)が、このような用途においては特に、電池出力が低下する寒冷地等の低温環境下にさらされるので、低温で機器が十分駆動するような電池出力を有するリチウム二次電池の開発が特に望まれるところである。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明の目的はは、電解質にポリマーを含有させた場合や電解質の非水系溶媒として高沸点溶媒を用いた場合に問題となる、低温での出力特性が改良されたリチウム二次電池を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、正極活物質として、リチウムニッケル複合酸化物とリチウムコバルト複合酸化物との両者を用いることにより、低温特性が改良されたリチウム二次電池を得ることができること、また常温での放電容量・サイクル特性も向上することを見出し、本発明を完成した。
【0010】
即ち、本発明の第1の要旨は、沸点150℃以上の高沸点溶媒からなる非水系溶媒と溶質とを含有する電解液を有する電解質と、正極と、負極とを有する電池要素を有するリチウム二次電池において、前記正極がリチウムニッケル複合酸化物及びリチウムコバルト複合酸化物を含有するリチウム二次電池に存する。
さらに本発明の第2の要旨は、溶質及び非水系溶媒を含有する電解液とポリマーとを有する電解質と、正極と、負極とを有する電池要素を有するリチウム二次電池において、前記正極がリチウムニッケル複合酸化物及びリチウムコバルト複合酸化物を含有するリチウム二次電池に存する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に本発明をさらに詳述する。本発明の第一の態様においては、沸点150℃以上の高沸点溶媒からなる非水系溶媒と溶質とを含有する電解液を有する電解質と、正極と、負極とを有する電池要素を有するリチウム二次電池において、前記正極がリチウムニッケル複合酸化物及びリチウムコバルト複合酸化物を含有する。また本発明の第二の態様においては、溶質及び非水系溶媒を含有する電解液とポリマーとを有する電解質と、正極と、負極とを有する電池要素を有するリチウム二次電池において、前記正極がリチウムニッケル複合酸化物及びリチウムコバルト複合酸化物を含有する。
【0012】
前記の第一及び第二の態様に共通する、正極及び負極について以下に説明する。
正極は、通常、集電体上に正極材料層が形成されてなる構造であり、前記正極材料層中に正極活物質として、リチウムニッケル複合酸化物とリチウムコバルト複合酸化物とを共に含有する。
【0013】
リチウムニッケル複合酸化物は、少なくともリチウム、ニッケル、及び酸素を含有する酸化物である。リチウムニッケル複合酸化物は、単位重量あたりの電流容量が大きく、高容量化の観点から極めて有用な正極材料である。リチウムニッケル複合酸化物としては、α−NaCrO2構造等の層状構造を有する、LiNiO2のようなリチウムニッケル複合酸化物が好ましい。具体的な組成としては例えば、LiNiO2、Li2NiO2、LiNi24、等を挙げることができる。この場合、リチウムニッケル複合酸化物は、Niが占めるサイトの一部をNi以外の元素で置換したものであってもよい。Niサイトの一部を他の元素で置換することによって、結晶構造の安定性を向上させることができ、繰り返し充放電する際のNi元素の一部がLiサイトに移動して発生する容量低下が抑制されるため、サイクル特性も向上する。さらに、Niサイトの一部をNi以外の元素で置換することによって、電池の温度が上昇した場合のリチウムニッケル複合酸化物の暴走反応も抑制され、結果として安全性の向上につながる。
【0014】
Niが占めるサイトの一部をNi以外の元素で置換する際の、該元素(以下、置換元素と表記する)としては、例えば、Al、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Li、Cu、Zn、Mg、Ga、Zr等が挙げられる。好ましくはAl、Cr、Fe、Co、Li、Mg、Ga、Mnが挙げられ、更に好ましくはAl、Coが挙げられる。Ni元素の一部をCo、Alで置換することにより、サイクル特性、安全性の改善効果が大きくなる。無論、Niサイトは2種以上の他元素で置換されていてもよい。
【0015】
置換元素によりNiサイトを置換する場合、その割合は通常Ni元素の2.5モル%以上、好ましくは5モル%以上であり、通常Ni元素の50モル%以下、好ましくは30モル%以下である。置換割合が少なすぎるとサイクル特性等の改善効果が充分ではない場合があり、多すぎると電池にした場合の容量が低下してしまう場合がある。
【0016】
尚、リチウムニッケル複合酸化物は、少量の酸素欠損、不定比性を持っていてもよい。また、酸素サイトの一部が硫黄やハロゲン元素で置換されていてもよい。
本発明においては、リチウムニッケル複合酸化物は、下記一般式(I)で表される、無置換又はNiサイトがCo及びAlで置換される化合物であることが特に好ましい。
【0017】
【化2】
LiαNiXCoYAlZ2 (I)
一般式(I)中、αは電池内での充放電の状況により変化する数であり、通常、0≦α≦1.1、好ましくは、0.3≦α≦1.1の範囲の数である。また、Xは、通常、0.5≦X≦1、好ましくは、0.7≦X≦0.9の範囲の数である。Yは、通常、0≦Y≦0.5、好ましくは、0.1≦Y≦0.3の範囲の数である。Yをこの範囲以上とすると容量が低下する一方、この範囲以下とすると本発明の効果が不十分となる。Zは、通常、0≦Z≦0.1、好ましくは、0≦Z≦0.05の範囲の数である。この範囲以上とすると容量が低下する一方、この範囲以下とすると本発明の効果が不十分となる。尚、上記のX、Y、Zは、0.9≦X+Y+Z≦1.1の関係を満たすが、通常、1.0である。前記一般式(I)で表される組成においては、Niサイトの一部をCoで置換することにより、前記した通り、サイクル特性、及び安全性の改善効果が大きくなるが、さらにNiサイトの一部をAlで置換することによりさらなるサイクル特性、及び安全性の向上が達成される。
【0018】
本発明で用いるリチウムニッケル複合酸化物の比表面積は、通常0.01m2/g以上、好ましくは0.1m2/g以上、より好ましくは0.3m2/g以上であり、また通常10m2/g以下、好ましくは5.0m2/g以下、より好ましくは2.0m2/g以下である。比表面積が小さすぎるとレート特性の低下、容量の低下を招き、大きすぎると電解液等と好ましくない反応を引き起こし、サイクル特性を低下させることがある。比表面積の測定はBET法に従う。
【0019】
本発明で用いるリチウムニッケル複合酸化物の平均2次粒径は、通常0.1μm以上、好ましくは0.2μm以上、さらに好ましくは0.3μm以上、最も好ましくは0.5μm以上であり、通常300μm以下、好ましくは100μm以下、さらに好ましくは50μm以下、最も好ましくは20μm以下である。平均2次粒径が小さすぎると電池のサイクル劣化が大きくなったり、安全性に問題が生じたりする場合があり、大きすぎると電池の内部抵抗が大きくなり、出力が出にくくなる場合がある。
【0020】
リチウムコバルト複合酸化物は、少なくともリチウム、コバルト、及び酸素を含有する酸化物である。リチウムコバルト複合酸化物は、放電曲線の平坦であるためレート特性に優れる有用な正極材料である。リチウムコバルト複合酸化物としては、例えば、層状構造を有するLiCoO2等を挙げることができる。また、リチウムコバルト複合酸化物は、Coが占めるサイトの一部をCo以外の元素で置換したものであってもよい。Coサイトを他元素で置換することにより、電池のサイクル特性・レート特性が向上する場合がある。Coが占めるサイトの一部をCo以外の元素で置換する際の、置換元素としては、Al、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Li、Ni、Cu、Zn、Mg、Ga、Zr、Sn、Sb、Ge等が挙げられ、好ましくはAl、Cr、Fe、Li、Ni、Mg、Ga、Zr、Sn、Sb、Ge、更に好ましくはAl、Mg、Zr、Snである。なお、Coサイトは2種以上の他元素で置換されていてもよい。
【0021】
置換元素によりCoサイトを置換する場合、その割合は通常Co元素の0.03モル%以上、好ましくは0.05モル%以上であり、通常Co元素の30モル%以下、好ましくは20モル%以下である。置換割合が少なすぎると結晶構造の安定性向上が充分ではない場合があり、多すぎると電池にした場合の容量が低下してしまう場合がある。
【0022】
本発明で使用するリチウムコバルト複合酸化物は、通常、充電前の基本的な組成としてLiCoO2で表されるが、前記したようにCoサイトの一部を他の元素で置換してもよい。また、少量の酸素欠損、不定性があっても良く、酸素サイトの一部が硫黄やハロゲン元素で置換されていてもよい。さらには、リチウム量を過剰又は不足にしたりすることができる。
【0023】
本発明で用いるリチウムコバルト複合酸化物の比表面積は、通常0.01m2/g以上、好ましくは0.1m2/g以上、より好ましくは0.4m2/g以上であり、また通常10m2/g以下、好ましくは5.0m2/g以下、より好ましくは2.0m2/g以下である。比表面積が小さすぎるとレート特性の低下、容量の低下を招き、大きすぎると電解液等と好ましくない反応を引き起こし、サイクル特性を低下させることがある。比表面積の測定はBET法に従う。
【0024】
本発明で用いるリチウムコバルト複合酸化物の平均二次粒径は、通常0.1μm以上、好ましくは0.2μm以上、さらに好ましくは0.3μm以上、最も好ましくは0.5μm以上であり、通常300μm以下、好ましくは100μm以下、さらに好ましくは50μm以下、最も好ましくは20μm以下である。平均二次粒径が小さすぎると電池のサイクル劣化が大きくなったり、安全性に問題が生じたりする場合があり、大きすぎると電池の内部抵抗が大きくなり、出力が出にくくなる場合がある。
【0025】
本発明においては、正極にリチウムニッケル複合酸化物とリチウムコバルト酸複合酸化物とを含有させることにより、初期効率やエネルギー密度が高く、かつ放電曲線の傾きをある程度抑え、さらには低温の出力特性に優れるバランスのとれた電池を作成することができる。
ここで、リチウムニッケル複合酸化物とリチウムコバルト複合酸化物との重量比は特に制限されないが、リチウムニッケル複合酸化物とリチウムコバルト複合酸化物との総重量に対するリチウムニッケル複合酸化物の重量割合は、通常1〜99重量%であり、好ましくは40〜90重量%である。上記範囲とすることで本発明の効果が顕著に発揮される。
【0026】
正極活物質としては、上記リチウムニッケル複合酸化物及びリチウムコバルト複合酸化物以外の化合物を更に併用してもよい。このような化合物としては、例えば、リチウムニッケル複合酸化物及びリチウムコバルト複合酸化物以外のリチウム遷移金属複合酸化物(例えば、リチウムマンガン複合酸化物)や、LiFePO4等のリチウムイオンを吸蔵・放出しうる化合物、さらには、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセン、ジスルフィド系化合物、ポリスルフィド系化合物、N−フルオロピリジニウム塩等の有機化合物を挙げることができる。
【0027】
負極は、通常、集電体の上に負極材料層を形成してなり、前記負極材料層中に、Liを吸蔵・放出し得る負極活物質を通常含有する。負極活物質としては、炭素系活物質を挙げることができる。炭素系活物質としては、例えば、黒鉛及び、石炭系コークス、石油系コークス、石炭系ピッチの炭化物、石油系ピッチの炭化物、あるいはこれらピッチを酸化処理したものの炭化物、ニードルコークス、ピッチコークス、フェノール樹脂、及び結晶セルロース等の炭化物等並びにこれらを一部黒鉛化した炭素材、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ピッチ系炭素繊維等を用いることができる。また、これら炭素系活物質は、金属やその塩、酸化物との混合体、被覆体の形であっても利用できる。また、上記炭素系活物質の他、負極活物質として、けい素、錫、亜鉛、マンガン、鉄、ニッケルなどの酸化物、あるいは硫酸塩さらには金属リチウムやLi−Al、Li−Bi−Cd、Li−Sn−Cdなどのリチウム合金、リチウム遷移金属窒化物、シリコンなども使用できる。これら負極の活物質の平均粒径は、通常1〜50μm、好ましくは5〜30μmである。あまりに大きすぎても小さすぎても初期効率、レート特性、サイクル特性等の電池特性が低下する傾向にある。無論、上記した中から選ばれる2種以上の負極活物質を併用してもよい。
【0028】
正極材料層及び負極材料層は、上記の正極活物質、負極活物質の他に、通常バインダーを含有する。活物質100重量部に対するバインダーの場合は、通常0.01重量部以上、好ましくは0.1重量部以上、更に好ましくは1重量部以上、通常50重量部以下、好ましくは30重量部以下、更に好ましくは15重量部以下である。バインダーの量が少なすぎると強固な電極が形成させにくい。バインダーの量が多すぎると、エネルギー密度やサイクル特性が低下する場合がある。
【0029】
バインダーとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1,1−ジメチルエチレンなどのアルカン系ポリマー;ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの不飽和系ポリマー;ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリビニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリドンなどの環を有するポリマー;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミドなどのアクリル誘導体系ポリマー;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂;ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンシアニドなどのCN基含有ポリマー;ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール系ポリマー;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのハロゲン含有ポリマー;ポリアニリンなどの導電性ポリマーなど各種の樹脂が使用できる。また、上記のポリマーなどの混合物、変成体、誘導体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体などであっても使用できる。また、シリケートやガラスのような無機化合物を使用することもできる。本発明においては、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂を使用することが好ましい。
【0030】
バインダーの重量平均分子量は、通常1000以上、好ましくは10000以上、さらに好ましくは20000以上であり、通常5000000以下、好ましくは1000000以下、さらに好ましくは300000以下である。低すぎると電極の強度が低下する傾向にある。高すぎると活物質層の形成が困難になる傾向にある。
【0031】
また正極材料層及び負極材料層には、必要に応じて導電材料、補強材など各種の機能を発現する添加剤、粉体、充填材などを含有してもよい。導電材料としては、上記活物質に適量混合して導電性を付与できるものであれば特に制限は無いが、通常、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛などの炭素粉末や、各種の金属ファイバー、箔などが挙げられる。補強材としては各種の無機、有機の球状、繊維状フィラーなどが使用できる。
【0032】
正極及び負極に使用される集電体の材料としては、通常、アルミニウム、銅、ニッケル、錫、ステンレス鋼等の金属、これら金属の合金等を用いることができる。好ましくは、正極の集電体としてはアルミニウムが用いられ、負極の集電体としては銅が用いられる。集電体の形状は特に制限されず、例えば、板状やメッシュ状の形状を挙げることができる。集電体の厚みは通常1〜50μm、好ましくは1〜30μmである。薄すぎると機械的強度が弱くなるが、厚すぎると電池が大きくなり、機器の中で占めるスペースが大きくなってしまい、電池の小型化が図りにくくなる。
【0033】
正極及び負極の厚さは、それぞれ通常1μm以上、好ましくは10μm以上であり、通常は500μm以下、好ましくは200μm以下である。あまりに厚くても薄くても容量やレート特性等の電池性能が低下する傾向にある。
正極及び負極の製造方法に特に制限はなく、例えば、活物質及び必要に応じて用いられるバインダーや導電材等を溶媒に含有させたスラリーを集電体に塗布し、乾燥することにより製造することができる。また、例えば、溶媒を用いずに、活物質及び必要に応じて用いられるバインダーや導電材等を混練後、集電体に圧着することにより製造することもできる。
【0034】
尚、正極を製造する際の、リチウムニッケル複合酸化物及びリチウムコバルト複合酸化物の混合の方法は特に制限されない。例えば、上記のスラリーを集電体に塗布・乾燥する方法を用いる場合、リチウムニッケル複合酸化物とリチウムコバルト複合酸化物とを所望の割合で、乳鉢等を用いてあらかじめ混合しておき、これを溶媒に投入してスラリーとしてもよいし、リチウムニッケル複合酸化物とリチウムコバルト複合酸化物とを所望の割合になるようにして、それぞれ個々に溶媒に投入し溶媒中で混合してスラリーとしてもよい。
【0035】
本発明の第一の態様においては、電解質は溶質及び非水系溶媒を含有する電解液を有し、該非水系溶媒は沸点150℃以上の高沸点溶媒からなる。また本発明の第二の態様においては、電解質は、溶質び非水系溶媒を含有する電解液とポリマーを有する。本発明においては、無論、第一及び第二の態様両者を併用してもよい。即ち、電解質が、溶質、沸点150℃以上の高沸点溶媒からなる非水系溶媒、及びポリマーを含有するものであってもよい。高沸点溶媒を用いること、ポリマーを用いること、及び両者を併用することで、電池の安全性を高めることができる。
【0036】
第一の態様における電解質の溶質としては、特に制限はなく、従来公知のいずれもが使用できるが、リチウム塩であることが好ましい。リチウム塩としては、例えば、LiClO4、LiAsF6、LiPF6、LiBF4、LiB(C654 、LiI、LiCl、LiBr、LiSO3CF2、CH3SO3Li、CF3SO3Li、LiN(SO2CF32、LiN(SO2252、LiC(SO2CF33、LiN(SO3CF32、LiSbF6 、LiAlCl、LiHF2 、LiSCN等が挙げられ、これらのうち少なくとも1種以上のものを用いることができる。これらのうちでは、特にLiPF6 、LiClO4、LiBF4 が好適である。これら溶質の電解液における含有量は、通常0.5〜2.5mol/lである。
【0037】
第一の態様における電解質の非水系溶媒は、沸点が150℃以上の高沸点溶媒からなるが、好ましくは沸点が180℃以上、更に好ましくは沸点が200℃以上の高沸点溶媒である。このような溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(沸点238℃)、プロピレンカーボネート(沸点242℃)、ブチレンカーボネート(沸点240℃)及びγ−ブチロラクトン(沸点204℃)等を挙げることができるが、好ましくはエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート及びγ−ブチロラクトンである。これら高沸点溶媒を単独で使用してもよく、複数を併用してもよいし、さらには、低沸点溶媒(本発明においては、沸点が150℃以下のものをいう。)と併用して用いてもよい。尚、本発明において「沸点がX℃以上」とは、圧力1atmのもとで室温からX℃まで加熱しても蒸気圧が1atmを越えないことを意味する。尚、沸点の上限は、あまり高いのは現実的ではないので、通常は300℃、好ましくは270℃、より好ましくは250℃である。
【0038】
第二の態様における電解質の溶質としては、第一の態様におけるものと同様のものを用いることができる。
第二の態様における電解質の非水系溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート等の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどの非環状カーボネート類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のグライム類、γ−ブチルラクトン等のラクトン類、スルフォラン等の硫黄化合物、アセトニトリル等のニトリル類等の1種又は2種以上の混合物を挙げることができる。これらのうちでは、環状カーボネート類、非環状カーボネート類及びラクトン類から選ばれた1種又は2種以上の混合溶液が好適である。
【0039】
第二の態様における電解質のポリマーとしては、電解液の保液性をある程度確保できるもので有れば特に制限はなく、例えば、ポリメタクリル酸メチルのようなアクリル系高分子や、アルキレンオキシドユニットを有するアルキレンオキシド系高分子、ポリフッ化ビニリデンやフッ化ビニリデン−へキサフルオロプロピレン共重合体のようなフッ素系高分子等を挙げることができる。これらポリマーのうち電解液の保液性を十分に確保する観点から、架橋構造を有する高分子を用いることが好ましい(本明細書においては、これを「架橋性ポリマー」という)。
【0040】
架橋性ポリマーの基本骨格となる材料としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミドなどの重縮合によって生成させるもの、ポリウレタン、ポリウレアなどのように重付加によって生成されるもの、ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル系高分子やポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニルなどのポリビニル系高分子などの付加重合で生成されるもの等を挙げることができる。
【0041】
本発明においては、(後述する)スペーサに含浸させてから重合させるのが好ましいことから、架橋性ポリマーとして、重合の制御が容易で重合時に副生成物が発生しない付加重合により生成される高分子を使用することが望ましい。このようなポリマーとしては、アクリル系高分子を挙げることができる。アクリル系高分子は、電池容量やレート特性、機械的強度等の電池特性上からも好ましい材料である。
【0042】
アクリル系高分子しては、アクリロイル基を有するモノマーを重合することにより得られる高分子が特に好ましい。アクリロイル基を有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリルアミド、2−エトキシエチルアクリレート、ジエチレングリコールエチルエーテルアクリレート、ポリエチレングリコールアルキルエーテルアクリレート、ポリプロピレングリコールアルキルエーテルアクリレート、2―シアノエチルアクリレートなどモノアクリレート類や、1、2―ブタンジオールジアクリレート、1、3―ブタンジオールジアクリレート、1、4―ブタンジオールジアクリレート、ネオペンタンジオールジアクリレート、1、6―ヘキサンジオールジアクリレートなどのアルカンジオールジアクリレート類や、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレートなどのポリエチレングリコールジアクリレート類や、プロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラプロピレングリコールジアクリレートなどのポリプロピレングリコールジアクリレート類や、ビスフェノールFエトキシレートジアクリレート、ビスフェノールFエトキシレートジメタアクリレート、ビスフェノールAエトキシレートジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシレートトリアクリレート、トリメチロールプロパンプロポキシレートトリアクリレート、イソシアヌル酸エトキシレートトリアクリレート、グリセロールエトキシレートトリアクリレート、グリセロールプロポキシレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシレートテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンエトキリレートテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールエトキシレートヘキサアクリレート等を挙げることができる。
【0043】
これらの中でも、リチウムイオンの導電性の観点からエチレングリコールユニットを有するポリアクリレート系高分子が特に好ましい。
本発明においては、アクリル系高分子として上記のモノマー成分と他のモノマー成分との共重合体を用いることができる。即ち、モノマー成分として上記のモノマーの他に別の構造を有するモノマーを共存させて重合させてもよい。特に、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基等の不飽和二重結合を有する基を有するモノマーを共存させると電解液の保液性が向上する場合がある。このようなモノマーとしては、メタクリル酸メチル、メタクリルアミド、ブタジエン、アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニルなどの化合物が使用できる。
【0044】
アクリル系高分子を使用する場合の、アクリロイル基を有するモノマーの全モノマーに対する存在率は特に限定されないが、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上、特に好ましくは80重量%以上である。上記存在率が高い方が、重合速度が早く、電解質の生産性を高めることができる点で有利である。
架橋性ポリマーは、架橋結合を有する。架橋結合は、高分子間を架橋剤によって架橋反応させることによって製造することができる。また、高分子の原料として、反応点を複数有するモノマー(以下、「多官能モノマー」ということがある)を使用することによって製造することができる。好ましくは後者の方法である。
【0045】
後者の方法で架橋性ポリマーを製造する場合、原料として、多官能モノマーの外に、反応点を1つ有するモノマー(以下「単官能モノマー」ということがある)を併用することができる。多官能モノマーと単官能モノマーを併用する場合、多官能モノマーの官能基の当量比は、通常10%以上であり、好ましくは15%以上、更に好ましくは20%以上である。
【0046】
最も好ましい架橋性ポリマーの製造方法としては、アクリロイル基を複数有する多官能モノマーを、必要に応じて、アクリロイル基を1つ有する単官能モノマーと共に重合する方法である。
電解質を構成するポリマーの含量は、電解質の全重量に対して通常80重量%以下、好ましくは50重量%以下、さらに好ましくは20重量%以下である。ポリマー含量が多すぎると電解液の濃度低下によりイオン伝導度が低下してレート特性などの電池特性が低下する傾向がある。一方、ポリマーの割合が少な過ぎる場合は、ゲルの形成が困難となり溶媒の保持性が低下して流動及び液漏れが生じることがあるのみならず、電池の安全性を確保できない可能性もあるので、ポリマーの電解質に対する含有量は、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、更に好ましくは2重量%以上、最も好ましくは5重量%以上である。
【0047】
非水系溶媒に対するポリマーの割合は、ポリマーの分子量に応じて適宜選択されるが、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、通常50重量%以下、好ましくは30重量%以下である。ポリマーの割合が少な過ぎる場合は、ゲルの形成が困難となり電解液の保持性が低下して流動及び液漏れの問題が生じる傾向がある。ポリマーの割合が多過ぎる場合は、粘度が高くなり過ぎて取り扱いが困難となり、また、電解液の濃度低下によりイオン伝導度が低下してレート特性等の電池特性が低下する傾向にある。
【0048】
本発明では、電解質に架橋性ポリマーの原料となるモノマーを含有させた状態で、(後述する)スペーサの空隙に充填させ、その後前記モノマーを重合させる方法を用いるのが好ましい。
これらのモノマーを重合する方法としては、例えば、熱、紫外線、電子線などによる手法を挙げることができるが、本発明においては、製造上の容易性から加熱又は紫外線照射によってモノマーを重合させることが好ましい。熱による重合の場合、反応を効果的に進行させるため、含浸させる電解質に熱に反応する重合開始剤をいれておくこともできる。利用できる熱重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビスイン酪酸ジメチル等のアゾ系化合物、過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の過酸化物などが使用でき、反応性、極性、安全性などから好ましいものを単独、または組み合わせて用いればよい。尚、架橋性ポリマーを得るためには、モノマーの全官能基のうち、通常30%以上を反応させるが、40%以上を反応させることが好ましく、50%以上を反応させるのがより好ましい。
【0049】
尚、本発明の第一の態様及び第二の態様における電解質は、上記の溶質、非水系溶媒、及びポリマーの他に、安全性や電池特性(例えばサイクル特性)を確保するための添加剤をさらに含有してもよい。
本発明に用いられる電解質は、通常、正極と負極との間の電解質層に使用されるが、正極と負極との間だけではなく、正極及び負極中の空隙に存在していてもよい。電解質を正極及び負極の空隙に存在させることでLiイオンの導電率を上げることができる。
【0050】
電解質層は、通常、多孔性膜からなるスペーサを支持体とし、その空隙に電解質を含浸してなる。スペーサとして使用する材料としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン類や、これらの水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されたポリオレフィン類、ポリアクリロニトリル、ポリアラミド等の樹脂の多孔性膜が挙げられる。電解質に対する化学的安定性の点、印加される電圧に対する安定性の点から、好ましくは、ポリオレフィン又は、フッ素置換されたポリオレフィンであり、具体的には、ポリエチレンやポリプロピレン、これらの水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されたものを挙げることができる。これらの中でも特に好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及びポリフッ化ビニリデンであり、最も好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンである。無論これらの共重合体や混合物を使用することもできる。
【0051】
スペーサの原料として用いられる樹脂の数平均分子量は、通常1万以上、好ましくは10万以上であり、また通常1000万以下、好ましくは300万以下である。分子量が小さすぎると、その機械的強度が不十分となり、短絡が生じやすい傾向にある。また、分子量が大きすぎると、多孔性膜の空隙内への電解質の充填が困難になりがちであり、電池の生産効率を低下させ、またレート特性等の電池性能も低下させる傾向にある。さらに、分子量が大きすぎると、後述する可塑剤を混合した後延伸する方法等において製膜が困難になることもある。
【0052】
スペーサは多孔性膜であればよい。このような材料として、例えば、多孔性延伸膜、不織布などが挙げられるが、本発明においては延伸によって製造される延伸膜であることがより好ましい。多孔性延伸膜は、不織布よりもさらに膜内の抵抗がより均一になるため、局所的なリチウムの析出、すなわち電極間短絡の原因となるデンドライトの析出を抑制することができる。
【0053】
多孔性延伸膜の延伸は、一軸又は二軸延伸のいずれであってもよいが、二軸延伸のものを使用するのが好ましい。二軸延伸とすれば、膜の縦・横の機械的強度バランスがよいため、電池製造上の取り扱いが容易となる。
スペーサの空孔率は通常30%以上、好ましくは35%以上、通常80%以下、好ましくは75%以下、さらに好ましくは72%以下である。空孔率が小さすぎると膜抵抗が大きくなりレート特性が悪化する。特に、高レートで使用した際の容量が低下する。一方、空孔率が大きすぎると、膜の機械的強度が低下する結果、電池要素の形状が変化する際に短絡が生じやすくなる。本発明においては、空孔率が大きいほど低温出力が向上する。
【0054】
スペーサに存在する空孔の平均孔径は、通常0.2μm以下、好ましくは0.18μm以下、さらに好ましくは0.15μm以下であり、通常は0.01μm以上、好ましくは0.07μm以上である。孔径があまりに大きいと短絡が生じやすいくなる一方、孔径があまりに小さいと膜抵抗が大きくなり、レート特性等の電池性能が低下する傾向にある。本発明においては、平均孔径が大きいほど低温出力が向上する。
【0055】
スペーサの膜厚は通常5μm以上、好ましくは7μm以上、更に好ましくは8μm以上であり、通常50μm以下、好ましくは28μm以下、さらに好ましくは25μm以下であり、最も好ましくは20μm以下である。あまりに膜厚が小さいと、マイルドショート現象による自己放電が生じやすく、あまりに膜厚が大きいとレート特性等の電池特性が不十分になるばかりでなく、体積エネルギー密度が低下する傾向にある。本発明においては、スペーサが薄い程、低温出力が向上する。
【0056】
スペーサは、通常0.3kV以上、好ましくは0.5kV以上の耐電圧を有する。ここで、「XkVの耐電圧を有する」とは、スペーサを挟んでXkV以上の電圧を印加した場合、電極間に100mA以上の電流が流れないことを意味する。耐電圧が低すぎると、電池の充電時に何らかの理由で部分的に抵抗が上昇した場合、その結果温度が異常に上昇することがある。また、自己放電を有効に防止することが困難になる傾向にある。実用的な得やすさから、耐電圧は、通常1000kV以下、好ましくは100kV以下、さらに好ましくは10kV以下である。
【0057】
短絡をより有効に防止するため、スペーサを局部的に加圧した場合のピン刺し貫通強度は、通常200gf以上、好ましくは230gf以上、さらに好ましくは300gf以上とする。ただし、あまりにピン刺し貫通強度が大きいのは実用的ではないので、通常2000gf以下、好ましくは1500gf以下、より好ましくは1000gf以下である。
【0058】
また、スペーサを一定方向に0.1kg/cmの力で引っ張ったときに生じる歪みが1%以下となるスペーサを使用することが好ましい。その結果、さらに短絡を有効に防止できると共に、電池製造におけるスペーサの搬送工程及び積層工程時にスペーサの位置精度等を保ちやすく、歩留まりを向上させることができる。ただし、あまりに上記歪みが小さいものは実用上得がたいので、通常0.01%以上、好ましくは0.1%以上である。
【0059】
スペーサの100℃における熱収縮率は、1方向に対して、通常10%以下であり、好ましくは9%以下であり、より好ましくは7%以下である。ここで「1方向に対する熱収縮率」とは、例えば延伸膜においては、延伸方向及びその垂直方向での熱収縮率それぞれをいう。熱収縮率が大きすぎると、電池製造時の加熱や高温環境での放置等によって、電極端部での短絡がより発生しやすくなる。尚、延伸膜として二軸延伸膜を使用する場合、設計・製造上の容易性から、両延伸方向の熱収縮率を近い値とすることが好ましい。この場合、両延伸方向の熱収縮率の差は、通常7%以内とするが、5%以内とするのが好ましく、4.5%以内とすることが更に好ましい。
【0060】
また、スペーサの表面張力は、通常40dyne/cm 以上、好ましくは46dyne/cm以上、特に好ましくは48dyne/cm 以上とする。その結果、多孔性膜中の空隙に電解質を十分に充填させやすくなり、生産性の向上と、レート特性の向上を実現することが可能となる。このような表面張力を有する膜とするために、通常は、スペーサに、コロナ放電処理、プラズマ処理、フッ素ガス処理等の表面改質処理を施すのが好ましい。ただし、あまりに表面張力の大きな膜は得にくいので、表面張力は、通常60dyne/cm以下、好ましくは58dyne/cm以下である。
【0061】
スペーサは、例えば以下のようにして製造することができる。数平均分子量1 万〜1000万程度、好ましくは10万〜300万の樹脂に不均一分散媒としての可塑剤を混合し、混練した後にシート状に成膜する。さらにこれから溶媒で可塑剤を抽出する工程と所定の倍率で縦横方向いずれかまたは両方に延伸する工程を経ることにより、所望のスペーサを得ることが出来る。
【0062】
安全性確保の観点から、電解質層の面積を正極又は負極、好ましくはその両者の面積よりも大きくすることが好ましい。このときの面積比は特に限定されないが、電池の小型化を図る観点、及び支持体であるスペーサーの熱収縮を考慮すると、電解質層の面積を正極又は負極の面積の120%以下とすることが好ましく、115%以下とすることが更に好ましく、110%以下とすることが最も好ましい。尚、「電解質層の面積」とは、電解質層と正極又は負極との接触面における電解質層の面積をいい、「正極又は負極の面積」とは、該接触面における正極又は負極の面積をいう。
【0063】
また、電解質層の面積を正極又は負極の面積よりも大きくしても、電池要素に熱が加わることによってスペーサーが収縮する結果短絡が生じやすくなる。従って、スペーサーの熱収縮率が大きい程、電解質層の面積は相対的に大きくする必要がある。換言すれば、熱収縮率の小さいスペーサー程、電解質層の面積を小さくすることができ、その結果電池をより小型・軽量化できる。
【0064】
本発明のリチウム二次電池は、通常、電池要素を外装ケースに収納してなる。電池要素は、通常、活物質を主成分とする正極及び負極と、電解質とから構成される単位電池要素を基本として形成され、該単位電池要素を長尺に形成してこれを捲き回したり、平板状に形成した該単位電池要素を複数積層したりすることにより形成される。つまり、電池要素の形態としては、例えば、平板状の単位電池要素を複数枚積層した平板積層型、長尺に形成した単位電池要素を平板状となるように捲回した平板状捲回型、さらには、長尺に形成した単位電池要素を円筒状に捲回した円筒捲回型を挙げることができる。本発明においては、生産性及び小型化が可能である点から、電池要素の形態は、平板状捲回型又は平板積層型であることが好ましい。
【0065】
電池要素が平板状捲回型の形態を採る場合、単位電池要素の捲回数は、通常5以上、好ましくは6以上、更に好ましくは7以上であり、通常20以下、好ましくは15以下、更に好ましくは10以下である。捲回数が少ないと、電池の全体としての容量が少なくなる一方、捲回数が多すぎると、電池の小型化が図りにくくなる。
【0066】
電池要素が平板積層型の形態を採る場合、単位電池要素の積層数は、通常5層以上、好ましくは8層以上、更に好ましくは10層以上であり、通常50層以下、好ましくは30層以下、更に好ましくは25層以下である。積層数が少ないと、電池の全体としての容量が少なくなる一方、積層数が多すぎると、電池の小型化が図りにくくなる。
【0067】
本発明のリチウム二次電池で使用する外装ケースの形態は特に限定されないが、小型化が可能となる点から可撓性のある外装ケースが好ましい。可撓性のある外装ケースとは柔軟性、屈曲性等形状可変性を有するケースを意味し、その具体例としては、ビニール袋の様な高分子フィルムからなる袋、高分子フィルムからなる真空包装用袋もしくは真空パック、金属箔と高分子フィルムとのラミネート素材からなる真空包装用袋もしくは真空パック、プラスチックで形成された缶、プラスチックの板で挟んで周囲を溶着、接着、はめ込み等で固定したケース等が挙げられる。これらの中では、気密性、形状可変性の点で高分子フィルムからなる真空包装用袋もしくは真空パック、または金属箔と樹脂(高分子フィルム)とのラミネート素材からなる真空包装用袋もしくは真空パックが好ましい。
【0068】
材質としては、プラスチック、高分子フィルム、金属フィルム、ゴム、薄い金属板、ガスバリア層と樹脂層とを有するラミネートフィルム等が挙げられる。ケースの材質として、特に好ましいのは、金属や金属酸化物からなるガスバリア層の両面に樹脂層を設けてなるラミネートフィルムである。ラミネートフィルムを電池要素の外装ケースとして用いれば、電気機器の軽量化・小型化が達成される。その一方で、外装ケースとして金属缶を用いる場合と比較して、ラミネートフィルムは剛性等の機械的強度が劣る結果、加熱時に短絡が発生する可能性が相対的に高い。従って、可撓性のあるラミネートフィルムを外装ケースとするような電池においては、電池要素自体の安全性をより高くすることが必要となるが、本発明においては電解質の構成成分としてポリマー及び/又は沸点150℃以上の高沸点溶媒を用いるので、ラミネートフィルムを外装ケースとして用いた場合でも高度の安全性が付与できる。
【0069】
尚、電池要素は、上記ケース中に減圧状態で封入されるのが、装置の小型化及び電池要素の接触の面から好ましい。この場合、大気圧との差分が電池要素を押さえ付ける力となる。
特に好ましいのは、ガスバリア層の両面を樹脂層で被覆したラミネートフィルムからなるケースを使用して、この中に、電池要素を減圧状態で密封して収納することである。
【0070】
本発明においては、電池の軽量化、及び単位重量あたりのエネルギー効率の向上を図る観点から、電池収納体の重量に占める可撓性のある外装ケースの重量は、なるべく小さくすることが好ましい。具体的には、電池収納体の重量に対する可撓性のある外装ケースの重量が、10%以下であることが好ましく、8%以下であることが特に好ましく、6%以下とすることが最も好ましい。ここで、「電池収納体の重量」とは、電池要素が可撓性のある外装ケースに封入された状態における全重量をいい、外装ケース外部に設けられる安全性確保のための保護回路等は含まれない。但し、必要に応じて可撓性のある外装ケースの内部に収納される電極取り出し用のリード(この場合、リードの一部は可撓性のある外装ケース外部に取り出されることとなる)や絶縁性確保のための樹脂板等は、「電池収納体の重量」に含まれるものとする。
【0071】
尚、電池の装着等の利便を図るため、可撓性のある外装ケースに電池を封入し好ましい形状に成形後、必要に応じてこれら複数のケースをさらに剛性を持つ外装ケースに収納することも可能である。
本発明に係るリチウム二次電池の用途は特に限定されないが、屋外で使用される電気機器の電源として使用されることが好ましい。「屋外で使用される電気機器」とは、常時屋外で使用される電気機器は無論、屋外、屋内の両方で使用される電気機器をも含む意味である。屋外で使用される電気機器は、様々な環境下で、特に電池の出力が低下する低温環境下で使用される場合があるため、本発明の効果が顕著に発揮される。屋外で使用される電気機器としては、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、時計、ストロボ、カメラ等を挙げることができる。
【0072】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例により何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更し実施することができる。なお組成中の部は、重量部を示す。
[正極の製造例1]
最初に以下の組成で、正極塗料1を調製した。
【0073】
【表1】
正極塗料1の組成
コバルト酸リチウム(LiCoO2) 45部
LiNi0.82Co0.15Al0.032 45部
アセチレンブラック 5部
ポリフッ化ビニリデン 5部
N−メチル−2−ピロリドン 80部
上記の原料をプラネタリーミキサータイプの混練機により2時間混練し正極塗料1とした。次に上記の正極塗料1を15μm厚のアルミニウム集電体基材上に、エクストルージョン型のダイコーティングによって塗布、乾燥し、活物質がバインダーによって集電体上に結着された多孔質膜を作成した。ついで、ロールプレス(カレンダー)をもちいて圧密することによって電極シートを作製した。この後、電極シートから電極を切り出し、正極1とした。尚、使用したリチウムコバルト酸の二次粒子の平均粒径は5.0μm、比表面積は0.50m2/gであり、LiNi0.82Co0.15Al0.032の二次粒子の平均粒径は9.8μm、比表面積は0.39m2/gであった。
[正極の製造例2]
正極塗料1において、コバルト酸リチウム(LiCoO2)を27部、LiNi0.82Co0.15Al0.032を63部とした以外は、正極の製造例1と同様にして正極2を作製した。
[正極の製造例3]
正極塗料1において、コバルト酸リチウム(LiCoO2)を単独で90部として、LiNi0.82Co0.15Al0.032を使用しなかったこと以外は、正極の製造例1と同様にして正極3を作製した。
[正極の製造例4]
正極塗料1において、コバルト酸リチウム(LiCoO2)を使用せず、LiNi0.82Co0.15Al0.032を単独で90部としたこと以外は、正極の製造例1と同様にして正極4を作製した。
[負極の製造例]
最初に以下の組成で、負極塗料を調整した。
【0074】
【表2】
組成
グラファイト(粒径15μm) 90部
ポリフッ化ビニリデン 10部
N−メチル−2−ピロリドン 100部
上記の原料を、プラネタリーミキサータイプの混練機により2時間混練し負極塗料とした。次に上記の負極塗料を10μm厚の銅集電体基材上にエクストルージョン型のダイコーティングによって塗布、乾燥し、活物質がバインダーによって集電体上に結着された多孔質膜を作成した。ついで、ロールプレス(カレンダー)を用い圧密することによって電極シートを作製した。この後、電極シートから電極を切り出し、負極とした。
[正極・負極材料層の比]
上記の正極・負極の製造例においては、(正極の充電容量)/(負極の充電容量)=0.93となるように、正極材料層及び負極材料層の膜厚を調整した。ここで、負極の充電容量は、対極Liを用い1.5V〜3mVまで充電したときの負極単位重量あたりの容量(mAh/g)を基準として、この値により算出した。
[電解質層形成用の塗料の製造]
下記組成を混合・攪拌して、溶解し、電解質層形成用の塗料を製造した。
【0075】
【表3】
組成
1M濃度のLiPF6を含有するエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートの混合液(体積比率;エチレンカーボネート:プロピレンカーボネート=1:1) 925部
テトラエチレングルコールジアクリレート 44部
ポリエチレンオキシドトリアクリレート 22部
重合開始剤 2部
添加剤(無水コハク酸) 9部
[実施例1]
上記のようにして準備した正極1、負極1に電解質層形成用の塗料を塗布し、別途電解質層形成用の塗料に浸した高分子多孔質のポリエチレンフィルム(スペーサ)を用意し、このフィルムを正極1と負極2との間に挟んだ後、90℃で10分加熱することにより、電解質層形成用の塗料中のテトラエチレングルコールジアクリレート及びポリエチレンオキシドトリアクリレートを重合させた。これによって、活物質とバインダーを含み集電体上に形成された正極、負極を有し、該正極と負極との間に非流動化された電解質層を有する平板状の単位電池要素を作製した。
【0076】
上記の単位電池要素を20個作製し、これを負極同士、正極同士が接するように互い違いに積層後、正極同士ならびに負極同士の端子部を束ね、それぞれの端子部に電流を取り出すリード線を接続した。こうして得られた電池要素を、アルミニウム膜の両面を樹脂層で被覆したラミネートフィルムを対向成形した袋状ケースに収容後、端子部の短絡防止のためテトラエチレングルコールジアクリレート133部、ポリエチレンオキシドトリアクリレート67部、重合開始剤1部からなる混合液を電極端子部に適量注入した。ラミネートフィルムを真空シールで封止後、リード線を取り出した辺を除くシール部を電池外装材側面に沿うように折曲した。その後、電池を90℃で3分間加熱して、電極端子部に注入した前記混合液中のテトラエチレングルコールジアクリレート、ポリエチレンオキシドトリアクリレートを重合させた。折曲されたシール部は外装材被包部側面に市販のエポキシ系接着剤で接着して平板状のリチウム二次電池Aを作成した。この様に作成した電池の公称容量は700mAhであった。
[実施例2]
正極1の代わりに正極2を用いた以外は実施例1の平板電池Aの製造と同様の方法で平板電池Bを作成した。この様に作成した電池の公称容量は750mAhであった。
[比較例1]
正極1の代わりに正極3を用いた以外は実施例1の平板電池Aの製造と同様の方法で平板電池Cを作成した。この様に作成した電池の公称容量は650mAhであった。
[比較例2]
正極1の代わりに正極4を用いた以外は実施例1の平板電池Aの製造と同様の方法で平板電池Dを作成した。この様に作成した電池の公称容量は760mAhであった。
【0077】
このようにして得た、平板電池A〜Dについて、下記の電池特性評価試験を行った。
[サイクル容量維持試験]
上記のように作成した平板電池A〜Dを、23℃のもと、0.6C定電流にて4.2Vまで充電し、その後4.2Vにて電流値が50mAに減衰するまで定電圧充電を行った。放電は、1Cで3.0Vまで定電流放電を行った。これを1サイクルとして400サイクルの容量維持試験を行った。各平板電池における、400サイクル後の1C放電における容量と、1サイクル目の1C放電の容量との比(容量維持率)の測定結果を表―1に示す。
[低温特性試験]
上記のように作成した平板電池A〜Dを、23℃のもと、0.6C定電流にて4.2Vまで充電し、その後4.2Vにて電流値が50mAに減衰するまで定電圧充電をおこなった。放電は、23℃および−20℃で3.0VまでGSMパルス(ベース電流100mA、ピーク電流1700mA、平均電流308.7mA、4.6mSのパルス)放電にて行った。その際の23℃でのGSM放電容量に対する−20℃でのGSM放電容量維持率を測定した。各平板電池における、23℃でのGSM放電容量に対する−20℃でのGSM放電容量維持率の測定結果を表―1に示す。
【0078】
尚、GSMパルス放電とは、携帯電話の通話時の発振パターンと同一のパルス放電である。従って、23℃でのGSMパルス放電容量に対して、−20℃でのGSMパルス放電容量が大きいほど低温出力特性にすぐれ、低温における長時間通話が可能となる。
【0079】
【表4】
Figure 0004288863
【0080】
表−1から、正極中にリチウムニッケル複合酸化物とリチウムコバルト複合酸化物とを含有させることにより、常温でのサイクル特性が改善されるだけでなく、常温(23℃)に対する低温(−20℃)でのGSMパルス放電容量維持率も高くなることがわかる。
【0081】
【発明の効果】
本発明によれば、正極にリチウムニッケル複合酸化物及びリチウムコバルト複合酸化物を含有させることにより、初期容量、レート特性、サイクル特性、安全性、保存特性に優れるリチウム二次電池を得ることができる。特に、低温特性の改良されるリチウム二次電池を得ることができる。また安全性が向上したリチウム二次電池を得ることができる。さらには常温での放電特性やサイクル特性等の電池特性に優れるリチウム二次電池を得ることができる。

Claims (9)

  1. 溶質及び非水系溶媒を含有する電解液とポリマーを有する電解質と、正極と、負極とを有する電池要素を有するリチウム二次電池において、前記正極がリチウムニッケル複合酸化物及びリチウムコバルト複合酸化物を含有することを特徴とするリチウム二次電池。
  2. ポリマーが架橋性ポリマーである請求項1に記載のリチウム二次電池。
  3. 架橋性ポリマーがアクリル系高分子よりなる請求項2に記載のリチウム二次電池。
  4. 沸点150℃以上の高沸点溶媒からなる非水系溶媒と溶質とを含有する電解液を有する電解質と、正極と、負極とを有する電池要素を有するリチウム二次電池において、前記正極がリチウムニッケル複合酸化物及びリチウムコバルト複合酸化物を含有し、リチウムニッケル複合酸化物が下記一般式(I)で表される化合物であることを特徴とするリチウム二次電池。
    【化1】
    LiαNiCoAl
    (一般式(I)中、α、X、Y、Zは、それぞれ、0<α≦1.1、0.7≦X≦0.9、0.1≦Y≦0.3、0≦Z≦0.05、0.9≦X+Y+Z≦1.1を満たす数である。)
  5. 高沸点溶媒の沸点が300℃以下である請求項4に記載のリチウム二次電池。
  6. リチウムニッケル複合酸化物とリチウムコバルト複合酸化物との総重量に対するリチウムニッケル複合酸化物の重量割合が1〜99重量%である請求項1乃至5のいずれかに記載のリチウム二次電池。
  7. リチウムニッケル複合酸化物とリチウムコバルト複合酸化物との総重量に対するリチウムニッケル複合酸化物の割合が40〜90重量%である請求項1乃至5のいずれかに記載のリチウム二次電池。
  8. リチウム二次電池が、電池要素をガスバリア層の両面に樹脂層を設けてなるラミネートフィルムからなる外装ケースに収納してなる請求項1乃至7のいずれかに記載のリチウム二次電池。
  9. 屋外で使用される電気機器に搭載される請求項1乃至8のいずれかに記載のリチウム二次電池。
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