JP3996745B2 - 二次電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、二次電池に関し、特に安全性に優れる二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
二次電池は通常、正極、負極及び電解質を有する単位電池要素を基本として形成される。これら二次電池は、長尺に形成した単位電池要素を捲き回したものを複数並列に接続することにより、又は平板状に形成した複数の単位電池要素を並列に接続することにより容量を確保している。単位電池要素を捲回後平板状に形成し、又は単位電池要素を複数積層して平板状に形成し、これらを平板状ケースに収納してなる平板状二次電池は、例えばリチウム二次電池の分野において公知である。
【0003】
上記のリチウム二次電池においては、通常、正極はリチウムを吸蔵・放出することができるような物質(正極活物質)を含有する。このような正極活物質としては、重量あたりの容量が大きいことから、リチウム遷移金属複合酸化物が用いられる。リチウム遷移金属複合酸化物としては、層状リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO2)やリチウムニッケル複合酸化物(LiNiO2)等が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような二次電池の課題の一つに過充電時の二次電池の安全性を挙げることができる。例えば、二次電池がリチウム二次電池である場合においては、上記リチウム遷移金属複合酸化物を正極活物質に用いると、過充電の安全性に問題が生じる場合がある。それは、これらのリチウム遷移金属複合酸化物が、過充電状態(リチウムイオンがほとんど脱離した状態)において非常に不安定になり、電解液と急激な発熱反応を起こしたり、又は負極上にリチウム金属を析出させてしまい、最悪の場合電池の破裂・発火すら引き起こしかねないという点である。
【0005】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものである。即ち、本発明の目的は、過充電状態においても安全で、かつ高い電池性能を有する二次電池を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、単位電池要素を複数個並列に接続した形態を有する二次電池について、二次電池に流れ込む電流、二次電池の電圧変化、及び二次電池からの発熱挙動を鋭意検討し、複数の単位電池要素を並列に接続した場合に、それら単位電池要素の一部の単位電池要素に、過充電時に電流が集中する機構を設けることによって、上記目的が達成できることを見出し本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明の要旨は、正極、負極、及び電解質を有する単位電池要素を複数個並列に接続してなる二次電池において、前記二次電池が過充電状態となった場合に、前記複数の単位電池要素の一部の単位電池要素に、電流を集中させる電流集中機構が設けられていることを特徴とする二次電池に存する。
つまり、過充電時に二次電池に流れ込む電流を、単位電池要素の一部に集中して流すようにすれば、前記単位電池要素の一部が発熱を起こすものの、前記単位電池要素の一部以外の単位電池要素へ流れ込む電流が低減され、これら単位電池要素が危険な状態にさらされることがないので、二次電池の破裂・発火が有効に抑制されるのである。
【0008】
以下本発明を詳細に説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明における二次電池は、正極、負極、及び電解質を有する単位電池要素を複数個並列に接続してなる二次電池において、前記二次電池が過充電状態となった場合に、前記複数の単位電池要素の一部の単位電池要素に、電流を集中させる電流集中機構が設けられている。このような二次電池の概念図を図1(a)、(b)に示す。図1(a)、(b)には、(n+1)個の単位電池要素1を並列に接続してなる二次電池が示されている。図1(b)は、図1(a)の二次電池が過充電状態となったときの概念図である。図1中、1〜nまでの単位電池要素は、前記電流集中機構が設けられていないが、(n+1)の単位電池要素には前記電流集中機構が設けられている。通常の放電・充電条件下(図1(a))においては、各単位電池要素がそれぞれ二次電池の電池特性に寄与する。一方、過充電状態(図1(b))においてなお二次電池に流れ込む過電流Iαは、(n+1)の単位電池要素に集中して流れ込む。このため、過充電時に1〜nの各単位電池要素に流れる電流が低減されることになり、最終的に二次電池の破裂・発火につながる電解質の酸化分解等の副反応が効果的に抑制されることによって、過充電時の安全性が格段に向上するのである。尚、図1においては、説明の便宜上、前記電流集中機構は、(n+1)の単位電池要素にのみ(つまり、一つの単位電池要素にのみ)設けているが、当然ながら(n+1)個の単位電池要素のうちの複数の単位電池要素に前記電流集中機構を設けても良い。複数の単位電池要素に電流集中機構を設けることによって、過充電時に流れ込んでくる電流を上記複数の単位電池要素それぞれに分散することができるので、より高い安全性を有する二次電池を得ることができる。
【0010】
本発明の二次電池は、前記電流集中機構を有する単位電池要素に流れる、過充電時の電流と電圧との関係を比例近似した場合の傾きSlopeA((電圧の変化量)/(電流の変化量))と、前記電流集中機構を設けていない単位電池要素に流れる、過充電時の電流と電圧との関係を比例近似した場合の傾きSlopeB((電圧の変化量)/(電流の変化量))とが、0≦(SlopeA)/(SlopeB)≦1の関係を満たすことが好ましい。つまり、前記電流集中機構が設けられている単位電池要素に流れ込む電流の変化量に対する電圧の変化量が、前記電流集中機構を設けていない単位電池要素に流れ込む電流の変化量に対する電圧の変化量よりも小さくなることが好ましいのである。より好ましくは、0≦(SlopeA)/(SlopeB)≦0.7、特に好ましくは、0≦(SlopeA)/(SlopeB)≦0.3である。
【0011】
上記のように、SlopeAをSlopeBよりも小さくすることが好ましい理由を、図2を用いて説明する。図2は、過充電状態における、前記電流集中機構を設けた単位電池要素と、当該機構を設けていない単位電池要素とにおける電流と電圧との関係をそれぞれ示した模式図である。図2中、前記電流集中機構を設けた単位電池要素は、電流Iと電圧Vとの関係が、V=(SlopeA)×I+b1となる。一方、前記電流集中機構を設けていない単位電池要素は、電流Iと電圧Vとの関係が、V=(SlopeB)×I+b2となる。ここで、b1、b2は定数である。本発明の二次電池は、前記電流集中機構を設けた単位電池要素と前記電流集中機構を設けていない単位電池要素とが並列に接続して形成されているため、過充電状態において一定電圧が上記二次電池に印加された場合は、前記電流集中機構を設けた単位電池要素に流れる電流の方が、前記電流集中機構を設けていない単位電池要素に流れる電流よりも多くなる。
【0012】
以上を踏まえて、過充電状態の二次電池の現象を以下に説明する。過充電状態の初期においては、充電電流は、並列に接続された全ての単位電池要素にほぼ均等にが振り分けられる。しかし、過充電状態がしばらく続いて二次電池に印加される電圧が高くなってくると、前述のSlopeAとSlopeBとの関係があるため、前記電流集中機構を設けた単位電池要素の方に電流が集中して流れ込むようになる。このように電流が集中しても、SlopeAがSlopeBよりも相対的に小さいため、前記電流集中機構を設けた単位電池要素自体の電圧の上昇は小さい。これは二次電池に印加される電圧の上昇が小さくなることを意味し、ジュール熱による二次電池からの発熱の抑制につながる。
【0013】
すなわち、SlopeAとSlopeBとの関係を上記のようにすることによって、▲1▼電流集中機構を設けた単位電池要素に電流集中が起きることによって、他の当該機構を設けていない単位電池要素に流れ込む電流が抑制され、これら単位電池要素が危険な状態にさらされることが無くなることのみならず、▲2▼電流が集中しても二次電池の電圧上昇が抑制されるため、ジュール熱による二次電池からの発熱も小さくなり、二次電池の安全性がより確保されることとなる。
【0014】
特に好ましいのは、(SlopeA)が0の場合である。この場合、電流の変化によって電圧が全く変化しないため、過充電時の安全性が非常に高くなる。
過充電時に単位電池要素に電流を集中させるための一つの方法として、該単位電池要素に抵抗上昇抑制剤を含有させることが好ましい。本発明においては、抵抗上昇抑制剤とは、単位電池要素の内部抵抗値の上昇を抑制する機能を有する材料をいう。抵抗上昇抑制剤を含有させることにより、過充電の状態になった場合でも該単位電池要素の抵抗値は、抵抗上昇抑制剤を含有していない他の単位電池要素の抵抗値よりも相対的に低く抑えられる。このことにより、過充電状態において二次電池に流れ込む電流が、抵抗上昇抑制剤が含有された単位電池要素に集中するようになる。さらに、抵抗抑制剤が含有された単位電池要素の抵抗上昇が抑制される分、二次電池の電圧上昇も抑制されるため、ジュール熱による発熱も小さくなるのである。
【0015】
抵抗上昇抑制剤は単位電池要素内の正極、負極、電解質の何れに含有されていてもよいが、電解質に含有されていることが好ましい。電解質に含有させることよって抵抗上昇抑制剤として有効に機能することができる。
本発明の二次電池は、正極、負極、及び電解質を有する単位電池要素を複数個並列に接続してなる。本発明の二次電池が有する形態としては、例えば、平板状に形成した複数個の単位電池要素を、単位電池要素の厚さ方向に積層して並列に接続後、この積層した複数の単位電池要素を外装ケースに収納してなる形態(本発明においては、これを平板積層型と呼ぶ場合がある。)を挙げることができる。また、前記平板積層型の二次電池を複数個並列に接続する形態を挙げることもできる。これは大容量の二次電池が必要となる場合に有効な形態である。さらに、長尺に形成した単位電池要素を捲き回して円筒状又は平板状にした後これを外装ケースに収納(本発明においては、前者を円筒状捲回型、後者を平板状捲回型と呼ぶ場合がある。)し、該単位電池要素を並列に接続する形態を挙げることもできる。
【0016】
二次電池が平板積層型の形態を採る場合、単位電池要素の積層数は、通常5層以上、好ましくは8層以上、更に好ましくは10層以上であり、通常50層以下、好ましくは30層以下、更に好ましくは25層以下である。積層数が少ないと、平板積層型の二次電池としての容量が少なくなる一方、積層数が多すぎると、二次電池の小型化が図りにくくなる。
【0017】
二次電池が円筒状捲回型又は平板状捲回型の形態を採る場合、単位電池要素の捲回数は、通常2以上、好ましくは3以上、更に好ましくは4以上であり、通常20以下、好ましくは15以下、更に好ましくは10以下である。捲回数が少ないと、円筒状捲回型又は平板状捲回型の二次電池としての容量が少なくなる一方、捲回数が多すぎると、並列に接続する、円筒状捲回型又は平板状捲回型の二次電池の一つ一つが大きくなるため二次電池の小型化が図りにくくなる。
【0018】
二次電池が平板積層型の形態を取る場合は、前記電流集中機構を、外装ケース内に収納した前記複数積層した単位電池要素の一部に付与することができる。このような形態の二次電池の一例を図3に示す。図3は、平板積層型の二次電池の断面図である。
図3においては、外装ケース2の内部に、複数の単位電池要素10及び単位電池要素11がそれぞれ積層されて収納されている。単位電池要素10は、正極10Aと負極10Bとの間に、スペーサ(詳細は後述)を支持体とし該スペーサの空隙に電解質を含浸した電解質層10Cを挟んでなる。単位電池要素11は、正極11Aと負極11Bとの間に、スペーサを支持体とし該スペーサの空隙に、抵抗上昇抑制剤を含有する電解質を含浸した電解質層11Cを挟んでなる。各単位電池要素10の負極10Bと、単位電池要素11の負極11Bとに電気的に接続された負極用タブ13Bを束ねて、束ねたタブ13Bに電気的に接続された負極用リード14が外装ケース2外へ延出されている。尚、図3には図示されていないが、負極同様、正極10A及び正極11Aにおいても、これと電気的に接続されたタブを束ね、束ねたタブに電気的に接続されたリードが外装ケース2外へと延出されている。
【0019】
単位電池要素11の電解質層11Cには抵抗上昇抑制剤が含有されているため、過充電時に単位電池要素11に電流が集中する。図3においては、単位電池要素11は、積層された複数の単位電池要素10の最上段に設けられているが、最下段に設けられていてもよい。平板積層型の二次電池の最上段又は最下段の単位電池要素は、構造的に熱が逃げやすくなっているため、過充電時の電流集中により単位電池要素11から発生するジュール熱の放熱が促進されるため好ましい。また、最上段又は最下段の単位電池要素に熱伝導率の高い放熱板(図示略)等を接するようにすれば、過充電時の電流集中により単位電池要素11から発生するジュール熱の放熱をさらに促進させることも可能となる。
【0020】
本発明においては、過充電時に電流集中が起こるようにするための電流集中機構を外装ケース外部に設けてもよい。この場合、前記機構を設けた単位電池要素はその形状を自由に選ぶことができるため、二次電池の設計上の自由度が高くなる。このような二次電池の形態の例示を図4に示す。図4は、平板積層型の二次電池の外観を一部図示したものである。図4においては、平板積層型二次電池の外装ケース2外へと延出された負極用リード14、及び正極用リード15に、正極と負極と抵抗上昇抑制剤を含有する電解質とを有する単位電池要素16が接続されている。このような構造とすることで、図4の矢印17に示すように、過充電時に正極用リード15に流れ込む電流が単位電池要素16を伝って負極量リード14から二次電池外部へと流れるため、外装ケース2内に収納されている単位電池要素には過電流が流れない。従って、高い安全性が確保される。
【0021】
二次電池が、平板積層型の二次電池を複数個並列に接続する形態を有する場合には、それら複数の平板積層型の二次電池の一部の二次電池に前記電流集中機構を設ければよい。この形態は、被数の単位電池要素が並列に接続されてなる平板積層型の二次電池が、複数個さらに並列に接続されるものである。従って、前記複数個の平板積層型の二次電池の一部の二次電池に前記電流集中機構を設けることは、単位電池要素単位でみれば、「単位電池要素が複数個並列に接続してなる二次電池において、それら単位電池要素の一部の単位電池要素に、前記電流集中機構が設けられている」状態に相等しくなっている。このような二次電池の形態の例示を図5に示す。
【0022】
図5は、平板積層型の二次電池20、21の3つを並列に接続した二次電池の外観模式図である。図5においては、外装ケース2の中に平板状の単位電池要素が、単位電池要素の厚さ方向に複数積層されて収納され(図示略)、それそれの単位電池要素の負極に電気的に接続された負極用リード14と、それぞれの単位電池要素の正極に電気的に接続された正極用リード15とが、外装ケース2の外部へと延出されて、二次電池20、21が形成されている。そして、二次電池21の単位電池要素中に、抵抗上昇抑制剤が含有されている。従って、過充電状態における充電電流は二次電池21に集中して流れ込むため、二次電池20に流れ込む過電流が抑制され、二次電池の高い安全性が確保される。
【0023】
二次電池が円筒捲回型又は平板捲回型の形態を取る場合は、複数の円筒捲回型又は平板捲回型の単位電池要素のうちの一部に、過充電時に電流集中が起こるようにするための電流集中機構を付与すればよい。このような形態の例示を図6に示す。図6は、円筒捲回型の単位電池要素を複数並列に接続した二次電池の模式的な断面図である。
【0024】
図6においては、複数の外装ケース2のそれぞれの内部に、単位電池要素10、又は単位電池要素11が一つずつ収納されている。単位電池要素10は、長尺に形成した正極10Aと長尺に形成した負極10Bとの間に、長尺に形成したスペーサを支持体としスペーサの空隙に電解質を含浸した電解質層10Cを挟み、円筒状に捲回されている。単位電池要素11は、長尺に形成した正極11Aと長尺に形成した負極11Bとの間に、長尺に形成したスペーサを支持体としスペーサの空隙に、抵抗上昇抑制剤を含有してなる電解質を含浸した電解質層11Cを挟み、円筒状に捲回されている。単位電池要素10及び単位電池要素11それぞれの負極10B及び負極11Bには、それぞれタブ13Bが電気的に接続され、該タブ13Bが外装ケース2外へと延出される。そして、外装ケース外においてタブ13Bは束ねられ、これにリード14が電気的に接続されている。尚、図6には図示されていないが、負極同様、正極10A及び正極11Aと電気的に接続されたタブが外装ケース2外へとそれぞれ延出され、該タブが束ねられリードと電気的に接続されている。
【0025】
単位電池要素11の電解質層11Cには抵抗上昇抑制剤が含有されているため、過充電時に単位電池要素11に電流が集中する。図6に示した円筒捲回型の単位電池要素を複数並列に接続した二次電池においては、単位電池要素10は過充電による劣化の影響が少なくなるため、たとえ過充電により単位電池要素11が二次電池として作動しなくなった場合でも、単位電池要素11を外装ケース2及びリード13Bごと取り外して、新しいものに交換さえすれば、再度二次電池として作動させることができる利点がある。
【0026】
本発明においては、過充電状態で抵抗上昇抑制剤を有効に作用させるために、複数個並列に接続した前記単位電池要素に、直列に温度ヒューズを接続して二次電池を形成してもよい。単位電池要素に含有させる抵抗上昇抑制剤によっては、ある温度までは、上記単位電池要素の内部抵抗の上昇が有効に抑制されるものの、前記温度以上となると、逆に単位電池要素の内部抵抗が激しく上昇してしまう場合がある。このような場合に温度ヒューズを用いれば、高い安全性を二次電池に付与することができる。また、二次電池は、所定の温度となると熱的に不安定な電解液の気化や、電極成分の分解が発生し、電池として機能しなくなる場合があるので、このような観点からも温度ヒューズを接続することは好ましい。例えば、リチウム二次電池に対して抵抗上昇抑制剤として芳香族化合物を用いた場合、該芳香族化合物を含有する単位電池要素の内部抵抗の上昇は、90℃付近までは有効に抑制されるが、前記単位電池要素の温度が90℃以上となると、内部抵抗が急激に上昇する場合がある。この内部抵抗の上昇機構についての詳細は明らかではないが、前記抵抗上昇抑制剤の熱分解によるものか、又は、正極または負極上の皮膜成分が熱分解反応を起こすことに起因するものではないかと考えられる。ゆえに、このような場合、90℃付近で作動する温度ヒューズを、複数個並列に接続した単位電池要素に対して直列に接続してリチウム二次電池を形成すれば、リチウム二次電池が当該温度付近になった場合に、該二次電池に流れ込んでくる充電電流が遮断されるので、より高い安全性を二次電池に付与できる。
【0027】
温度ヒューズとしては、従来公知のものを使用できるが、例えば、PTC(Positive Temperature Coefficient)サーミスタ等の名称で市販されているものを使用することができる。PTCサーミスタは、所定の温度になると抵抗値が急激に上昇する正温度抵抗特性を有する素子である。PTCサーミスタとしては、所定温度到達による抵抗上昇の後、該サーミスタを冷却すると抵抗値が元の状態にもどる性質を有する「復帰型」と、該サーミスタを冷却しても抵抗値が元の状態に戻らない「遮断型(不可逆的遮断型)」とがあるが、本発明においては、「遮断型(不可逆的遮断型)」を用いることが好ましい。「遮断型(不可逆的遮断型)」のPTCサーミスタを用いれば、過充電時の電流復活がないため、二次電池に高度の安全性が付与される。
【0028】
本発明の二次電池は、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル亜鉛電池、ナトリウム硫黄電池、亜鉛ハロゲン電池、レドックスフロー電池等のいずれの二次電池であっても、過充電時の安全性を向上させる効果を発揮することができる。本発明の効果が顕著に発揮される点から好ましいのは、リチウムを起電力物質とするリチウムイオン電池、すなわちリチウム二次電池である。
【0029】
本発明の二次電池がリチウム二次電池である場合、前記抵抗上昇抑制剤は、下記一般式(1)乃至(7)で表される化合物から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。
一般式(1)の化合物は、下記構造を有するものである。
【0030】
【化8】
【0031】
ここで、一般式(1)中、R1は、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜4のアルコキシ基を表し、A2〜A6は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜4のアルコキシ基を表す。
R1及びA2〜A6に用いられる炭素数1〜5のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基等の炭素数1〜5の直鎖又は分岐のアルキル基を挙げることができる。これらアルキル基のうち、好ましいのは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基である。
【0032】
また、R1及びA2〜A6に用いられる炭素数1〜4のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−ブトキシ基等を挙げることができる。これらアルコキシ基のうち、好ましいのは、メトキシ基、エトキシ基である。
さらに、R1及びA2〜A6に用いられるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができる。これらハロゲン原子のうち、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が好ましく、フッ素原子が特に好ましい。
【0033】
一般式(1)の具体的な化合物としては、エチルベンゼン、1,3−ジエチルベンゼン、1,3,5−トリエチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン、ペンチルベンゼン、4−メチルアニソール、1,2−ジメトキシベンゼン、2,4−ジメチルアニソール、3,4−ジメチルアニソール、1,3,5−トリメトキシベンゼン、2,6−ジメトキシトルエン、3,4,5−トリメトキシトルエン、2,4,6−トリメトキシトルエン、2,6−ジメチルアニソール、ヘキサメチルベンゼン、ペンタメチルベンゼン、ヘキサフルオロベンゼン、1,4−ジクロロ−2,3,5,6−テトラメチルベンゼン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロアニソール、2,3,5,6−テトラフルオロ−p−キシレン、1,3,5−トリフルオロ−2,4,6−トリメチルオキシベンゼン、2−クロロ−p−キシレン、4−クロロアニソール、2,4−ジフルオロアニソール、3,5−ジフルオロアニソール、4−フルオロアニソール、4−ブロモアニソール、2−クロロアニソール、3−クロロアニソール、2,3,5,6−テトラフルオロ−4−メチルアニソール、4−クロロ−o−キシレン、4−ブロモ−m−キシレン、2−フルオロ−1,3,5−トリメチルベンゼン、1,2,4,5−テトラフルオロ−3,6−ジメチルオキシベンゼン、1,3,5−トリメチルベンゼン等を挙げることができる。これら化合物のうち、好ましいのは、エチルベンゼン、1,3−ジエチルベンゼン、1,3,5−トリエチルベンゼン、プロピルベンゼン、ブチルベンゼン、ペンチルベンゼン、4−メトキシトルエン、2,4−ジメチルアニソール、3,4−ジメチルアニソール、1,3,5−トリメトキシベンゼン、2,6−ジメトキシトルエン、3,4,5−トリメトキシトルエン、2,4,6−トリメトキシトルエン、2,6−ジメトキシトルエン、2,4−ジフルオロアニソールであり、特に好ましいのは、2,4−ジフルオロアニソールである。
【0034】
一般式(2)の化合物は、下記構造を有するものである。
【0035】
【化9】
【0036】
ここで、一般式(2)中、R2は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、又は炭素数1〜4のアルコキシ基を表し、R3は、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルキル基を置換基として有していてもよいフェニル基を表す。
R2に用いる炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4の直鎖又は分岐のアルキル基を挙げることができる。これらアルキル基のうち、好ましいのは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基である。
【0037】
R2に用いる炭素数1〜4のアルコキシ基としては、一般式(1)において説明したものと同様のものを用いることができる。また、R3に用いるハロゲン原子も、一般式(1)において説明したものと同様のものを用いることができるが、塩素原子、フッ素原子であることが好ましい。さらに、R3に用いる炭素数1〜4のアルキル基を置換基として有していてもよいフェニル基としては、メチルフェニル、エチルフェニル、プロピルフェニル等挙げることができるが、好ましいのは、メチルフェニル基である。
【0038】
一般式(2)の具体的な化合物としては、例えば、ビフェニル、4,4´−ジメトキシビフェニル、o−テルフェニル、m−テルフェニル、p−テルフェニル、2−メチル−o−テルフェニル、2,2″−ジメチル−o−テルフェニル等を挙げることができる。これら化合物のうち、好ましいのは、ビフェニル、4,4´−ジメトキシビフェニル、o−テルフェニル、m−テルフェニル、2−メチル−o−テルフェニル、2,2″−ジメチル−o−テルフェニルである。
【0039】
一般式(3)の化合物は、下記構造を有する。
【0040】
【化10】
【0041】
ここで、一般式(3)中、Xは硫黄原子又は酸素原子を表し、R4は水素原子又はハロゲン原子を表す。R4に用いるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を挙げることができるが、好ましいのは、臭素原子、塩素原子、フッ素原子である。
一般式(3)の具体的な化合物としては、例えば、チオフェン、フラン、3−ブロモチオフェン、3−クロロチオフェン、3−フルオロチオフェン、3−ブロモフラン、3−クロロフラン、3−フルオロフラン等を挙げることができる。これら化合物のうち、チオフェン、フラン、3−ブロモチオフェン、3−クロロチオフェン、3−フルオロチオフェンが好ましい。
【0042】
一般式(4)の化合物は、下記構造を有する。
【0043】
【化11】
【0044】
ここで、一般式(4)中、R5は、それぞれ独立にフェニル基を表す。
一般式(4)の具体的な化合物としては、例えば、1,4−ジフェノキシベンゼン、1,3−ジフェノキシベンゼン等を挙げることができる。
一般式(5)の化合物は、下記構造を有する。
【0045】
【化12】
【0046】
ここで、一般式(5)中、R6はフェニル基、又はビフェニリル基を表し、R7はフェニル基を表す。
一般式(5)の具体的な化合物としては、例えば、1,2−ジフェノキシエタン、1−(4−ビフェニリルオキシ)−2−フェノキシエタン、1−(2−ビフェニリルオキシ)−2−フェノキシエタン等を挙げることができる。
【0047】
一般式(6)の化合物は、下記構造を有する。
【0048】
【化13】
【0049】
ここで、一般式(6)中、R8はビフェニリル基を表し、R9は炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、又はベンジル基を表す。
R9に用いる炭素数1〜6のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、t−ヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖又は分岐のアルキル基を挙げることができる。これらアルキル基のうち、好ましいのは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基である。
【0050】
一般式(6)の具体的な化合物としては、例えば、4−ビフェニリルアセテート、4−ビフェニリルベンゾエート、4−ビフェニリルベンジルカルボキシレート、2−ビフェニリルプロピオネート等を挙げることができる。
一般式(7)の化合物は、下記構造を有する。
【0051】
【化14】
R10−Y−R11 (7)
ここで、一般式(7)中、Yは周期表第16族元素を表し、R10及びR11は、それぞれ独立に炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、アリル基、又はアルキルフェニル基を表すか、または、R10及びR11は、互いに連結されて5又は6員環エーテル化合物の一部を構成する。
【0052】
Yは、周期表第16族元素であるが、酸素原子又は硫黄原子が好ましく、酸素原子であることが特に好ましい。
R10及びR11に用いる炭素数1〜6のアルキル基としては、一般式(6)で説明したものと同様のものを用いることができる。また、R10及びR11の少なくとも一方はアリール基を表すことが好ましい。
【0053】
一般式(7)の具体的な化合物としては、例えば、ジアリルエーテル、ジアリルブチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジナフチルエーテル、ジフェニルスルフィド、ビス(p−トリル)エーテル、ビス(p−トリル)スルフィド、2,3−ベンゾフラン、3−フェノキシトルエン、ジベンゾフラン等を挙げることができる。これら化合物のうち、好ましいのは、ジアリルエーテル、ジフェニルエーテル、ジフェニルスルフィド、ビス(p−トリル)エーテル、2,3−ベンゾフラン、3−フェノキシトルエン、ジベンゾフランであり、特に好ましいのは、ジアリルエーテル、ジフェニルエーテル、ビス(p−トリル)エーテル、2,3−ベンゾフラン、3−フェノキシトルエンである。
【0054】
上記抵抗上昇抑制剤は、前述したように、電解質に含有されることが好ましい。この場合の抵抗上昇抑制剤の含有量は、電解液(詳細は後述)100重量部に対して、通常0.001重量部以上、好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは1重量部以上、最も好ましくは3重量部以上であり、一方、通常50重量部以下、好ましくは40重量部以下、より好ましくは35重量部以下、特に好ましくは20重量部以下、最も好ましくは10重量部以下である。この範囲以下の場合、本発明の効果が不十分となる場合があり、この範囲以上の場合は、電池容量や繰り返しのサイクル特性等の電池の基本特性が損なわれる場合がある。
【0055】
次に、リチウム二次電池の正極、負極、電解質、外装ケース等の材料について説明する。
リチウム二次電池の正極は、通常、集電体上に正極材料層が形成されてなる構造であり、前記正極材料層中に、通常、Liを吸蔵・放出し得る正極活物質を含有する。
【0056】
正極に使用する正極活物質としては、遷移金属酸化物、リチウムと遷移金属との複合酸化物、遷移金属硫化物等各種の無機化合物が挙げられる。ここで遷移金属としてはFe、Co、Ni、Mn等が用いられる。具体的には、MnO、V2 O5 、V6 O13、TiO2 等の遷移金属酸化物粉末、リチウムニッケル複合酸化物、リチウムコバルト複合酸化物、リチウムマンガン複合酸化物などのリチウムと遷移金属との複合酸化物粉末、TiS2 、FeS、MoS2 などの遷移金属硫化物粉末等が挙げられる。これらの化合物はその特性を向上させるために部分的に元素置換したものであっても良い。また、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセン、ジスルフィド系化合物、ポリスルフィド系化合物、N−フルオロピリジニウム塩等の有機化合物を用いることもできる。これらの無機化合物、有機化合物を混合して用いても良い。これら正極の活物質の粒径は、通常1〜30μm、好ましくは1〜10μmとする。粒径が大きすぎても小さすぎても、レート特性、サイクル特性等の電池特性が低下する傾向にある。
【0057】
本発明においては、正極活物質として、リチウム遷移金属複合酸化物を用いることが好ましい。これらリチウム遷移金属複合酸化物のうち、特に好ましいのは、リチウムコバルト複合酸化物(例えば、LiCoO2)、リチウムニッケル複合酸化物(例えば、LiNiO2)を正極活物質として用いることである。これらの正極活物質を用いたリチウム二次電池は、過充電状態で非常に不安定になり、電解液との急激な発熱反応が生じたり、負極上にリチウム金属が析出したりすることにより、安全性が問題となるので、本発明を採用することによる効果が大きい。
【0058】
リチウム二次電池に使用される負極は、通常、集電体の上に負極材料層を形成してなり、前記負極材料層中に、Liを吸蔵・放出し得る負極活物質を通常含有する。
負極活物質としては、炭素系活物質を挙げることができる。炭素系活物質としては、例えば、黒鉛及び、石炭系コークス、石油系コークス、石炭系ピッチの炭化物、石油系ピッチの炭化物、あるいはこれらピッチを酸化処理したものの炭化物、ニードルコークス、ピッチコークス、フェノール樹脂、及び結晶セルロース等の炭化物等並びにこれらを一部黒鉛化した炭素材、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ピッチ系炭素繊維等を用いることができる。また、これら炭素系活物質は、金属やその塩、酸化物との混合体、被覆体の形であっても利用できる。上記炭素系活物質の他、負極活物質としては、けい素、錫、亜鉛、マンガン、鉄、ニッケルなどの酸化物、あるいは硫酸塩さらには金属リチウムやLi−Al、Li−Bi−Cd、Li−Sn−Cdなどのリチウム合金、リチウム遷移金属窒化物、けい素、錫などの金属なども使用できる。これら負極活物質の粒径は、通常1〜50μm、好ましくは5〜30μmである。あまりに大きすぎても小さすぎても初期効率、レート特性、サイクル特性等の電池特性が低下する傾向にある。無論、上記した中から選ばれる2種以上の負極活物質を併用してもよい。
【0059】
正極材料層及び負極材料層には、上記の正極活物質、負極活物質の他にバインダーを含有しても良い。活物質100重量部に対するバインダーの場合は、通常0.01重量部以上、好ましくは0.1重量部以上、更に好ましくは1重量部以上、通常50重量部以下、好ましくは30重量部以下、更に好ましくは15重量部以下である。バインダーの量が少なすぎると強固な正極が形成させにくい。バインダーの量が多すぎると、エネルギー密度やサイクル特性が低下する場合がある。
【0060】
バインダーとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1,1−ジメチルエチレンなどのアルカン系ポリマー;ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの不飽和系ポリマー;ポリスチレン、ポリメチルスチレン、ポリビニルピリジン、ポリ−N−ビニルピロリドンなどの環を有するポリマー;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミドなどのアクリル誘導体系ポリマー;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂;ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンシアニドなどのCN基含有ポリマー;ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコール系ポリマー;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどのハロゲン含有ポリマー;ポリアニリンなどの導電性ポリマーなど各種の樹脂が使用できる。また、上記のポリマーなどの混合物、変成体、誘導体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重合体などであっても使用できる。また、シリケートやガラスのような無機化合物を使用することもできる。本発明においては、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂を使用することが好ましい。
【0061】
バインダーの重量平均分子量は、通常1000以上、好ましくは10000以上、さらに好ましくは20000以上であり、通常5000000以下、好ましくは1000000以下、さらに好ましくは300000以下である。低すぎると塗膜の強度が低下する場合がある。高すぎると粘度が高くなり活物質層の形成が困難になる。
【0062】
また正極材料層及び負極材料層には、必要に応じて導電材料、補強材など各種の機能を発現する添加剤、粉体、充填材などを含有しても良い。導電材料としては、上記活物質に適量混合して導電性を付与できるものであれば特に制限は無いが、通常、アセチレンブラック、カーボンブラック、黒鉛などの炭素粉末や、各種の金属ファイバー、箔などが挙げられる。補強材としては各種の無機、有機の球状、繊維状フィラーなどが使用できる。
【0063】
正極及び負極に使用される集電体の材料としては、通常、アルミニウム、銅、ニッケル、錫、ステンレス鋼等の金属、これら金属の合金等を用いることができる。この場合、正極の集電体としては、通常アルミニウムが用いられ、負極の集電体としては、通常銅が用いられる。集電体の形状は特に制限されず、例えば、板状やメッシュ状の形状を挙げることができる。集電体の厚みは通常1〜50μm、好ましくは1〜30μmである。薄すぎると機械的強度が弱くなるが、厚すぎると電池が大きくなり、電池の中で占めるスペースが大きくなってしまい、電池のエネルギー密度が小さくなる。
【0064】
正極及び負極の厚さは、それぞれ通常1μm以上、好ましくは10μm以上であり、通常は500μm以下、好ましくは200μm以下である。あまりに厚くても薄くても容量やレート特性等の電池性能が低下する傾向にある。
正極及び負極の製造方法には、特に制限はなく、例えば、活物質及び必要に応じて用いられるバインダーや導電材等を溶媒に含有させた電極製造用塗料を集電体に塗布し、乾燥することにより製造することができる。また、例えば、溶媒を用いずに、活物質及び必要に応じて用いられるバインダーや導電材等を十分混合してシート状に形成した後、集電体に圧着することにより製造することもできる。
【0065】
リチウム二次電池に用いられる電解質は、通常、溶質、非水系溶媒を含有する(本明細書においては、溶質及び非水系溶媒を合わせて電解液、又は非水電解液と呼ぶ場合がある)が、好ましいのは、電解質が、電解液及び前記抵抗上昇抑制剤を含有することであり、特に好ましいのは、電形質が、電解液、前記抵抗上昇抑制剤、及びポリマーを含有することである。抵抗上昇抑制剤とポリマーとを併用することで、電解質が非流動化して保液性が向上し液漏れを防止することができるようになるため、過充電時の安全性が一層改善される。
【0066】
溶質としては、従来公知のリチウム塩のいずれもが使用できる。例えば、LiClO4、LiAsF6、LiPF6、LiBF4、LiB(C6H5)4 、CH3SO3Li、CF3SO3Li、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、LiC(SO2CF3)3、LiSbF6 、LiSCN等が挙げられ、これらのうち少なくとも1種以上のものを用いることができる。これらのうちでは、本発明の効果が顕著となる点から、LiClO4、LiPF6 が特に好ましい。これら溶質の非水電解液に対する含有量は、通常0.5〜2.5mol/lである。
【0067】
非水系溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート等の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどの非環状カーボネート類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等のフラン類、ジメトキシエタン等のエーテル類、γ−ブチルラクトン等のラクトン類、アセトニトリル等のニトリル類等の1種又は2種以上の混合物を挙げることができる。これらのうちでは、環状カーボネート類、非環状カーボネート類及びラクトン類から選ばれた1種又は2種以上の混合溶液が好ましい。
【0068】
過充電時の安全性を確保する点から、本発明においては、非水系溶媒に高沸点溶媒を含有させることがより好ましい。高沸点溶媒を含有させておけば、過充電時に電流集中機構を設けた単位電池要素の温度が上昇しても、非水系溶媒の気化が抑制されるので、過充電時の安全性をより高くすることができる。高沸点溶媒とは、通常、沸点が150℃〜300℃の範囲にある溶媒をいうが、好ましくは、沸点が180℃〜270℃、より好ましくは、沸点が200℃〜250℃の範囲にある溶媒である。上記範囲の沸点を有する溶媒を使用することで、電池の高温保存時の安全性をより確実にすることができる。このような溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート(沸点243℃)、プロピレンカーボネート(沸点240℃)及びγ−ブチロラクトン(沸点204℃)等を挙げることができる。これら高沸点溶媒を単独で使用してもよく、複数を併用してもよいし、さらには、低沸点溶媒(本発明においては、沸点が150℃以下のものをいう。)と併用して用いても良い。尚、「沸点がX℃」とは、圧力1atmのもとで室温からX℃まで加熱しても蒸気圧が1atmを越えないことを意味する。
【0069】
尚、非水電解液は、上記溶質、非水系溶媒の他に、電池特性(例えばサイクル特性)を確保するための添加剤をさらに含有してもよい。
電解質に含有されるポリマーとしては、電解質の保液性をある程度確保できるもので有れば特に制限はなく、例えば、ポリメタクリル酸メチルのようなアクリル系高分子や、アルキレンオキシドユニットを有するアルキレンオキシド系高分子、ポリフッ化ビニリデンやフッ化ビニリデン−へキサフルオロプロピレン共重合体のようなフッ素系高分子等を挙げることができる。これらポリマーのうち電解質の保液性を十分に確保する観点から、鎖状に結合した原子からなる分子のうちの任意の2原子間に橋をかけるように形成された結合(架橋結合)を有する高分子を用いることが好ましい(本明細書においては、これを「架橋性ポリマー」という)。
【0070】
架橋性ポリマーの基本骨格となる材料としては、例えば、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミドなどの重縮合によって生成させるもの、ポリウレタン、ポリウレアなどのように重付加によって生成されるもの、ポリメタクリル酸メチルなどのアクリル系高分子やポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニルなどのポリビニル系高分子などの付加重合で生成されるもの等を挙げることができる。
【0071】
本発明の二次電池がリチウム二次電池である場合には、スペーサ(詳細は後述)に含浸させてから重合させるのが好ましいことから、重合の制御が容易で重合時に副生成物が発生しない付加重合により生成される高分子を使用することが望ましい。このようなポリマーとしては、アクリル系高分子を挙げることができる。アクリル系高分子は、電池容量やレート特性、機械的強度等の電池特性上からも好ましい材料である。
【0072】
アクリル系高分子しては、アクリロイル基を有するモノマーを重合することにより得られる高分子が特に好ましい。アクリロイル基を有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリルアミド、2−エトキシエチルアクリレート、ジエチレングリコールエチルエーテルアクリレート、ポリエチレングリコールアルキルエーテルアクリレート、ポリプロピレングリコールアルキルエーテルアクリレート、2―シアノエチルアクリレートなどモノアクリレート類;1、2―ブタンジオールジアクリレート、1、3―ブタンジオールジアクリレート、1、4―ブタンジオールジアクリレート、ネオペンタンジオールジアクリレート、1、6―ヘキサンジオールジアクリレートなどのアルカンジオールジアクリレート類;エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレートなどのポリエチレングリコールジアクリレート類;プロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラプロピレングリコールジアクリレートなどのポリプロピレングリコールジアクリレート類;ビスフェノールFエトキシレートジアクリレート、ビスフェノールFエトキシレートジメタアクリレート、ビスフェノールAエトキシレートジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシレートトリアクリレート、トリメチロールプロパンプロポキシレートトリアクリレート、イソシアヌル酸エトキシレートトリアクリレート、グリセロールエトキシレートトリアクリレート、グリセロールプロポキシレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールエトキシレートテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンエトキリレートテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールエトキシレートヘキサアクリレート等を挙げることができる。
【0073】
これらの中でも、リチウムイオンの導電性の観点からエチレングリコールユニットを有するポリアクリレート系高分子が特に好ましい。
アクリル系高分子として上記のモノマー成分と他のモノマー成分との共重合体を用いることができる。即ち、モノマー成分として上記のモノマーの他に別の構造を有するモノマーを共存させて重合させてもよい。特に、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基等の不飽和二重結合を有する基を有するモノマーを共存させると電解質の強度及び保液性が向上する場合がある。このようなモノマーとしては、メタクリル酸メチル、メタクリルアミド、ブタジエン、アクリロニトリル、スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニルなどの化合物が使用できる。
【0074】
アクリル系高分子を使用する場合の、アクリロイル基を有するモノマーの全モノマーに対する存在率は特に限定されないが、通常50重量%以上、好ましくは70重量%以上、特に好ましくは80重量%以上である。上記存在率が高い方が、重合速度が早く、電解質の生産性を高めることができる点で有利である。
架橋性ポリマーは、架橋結合を有する。架橋結合は、高分子間を架橋剤によって架橋反応させることによって製造することができる。また、高分子の原料として、反応点を複数有するモノマー(以下、「多官能モノマー」ということがある)を使用することによって製造することができる。好ましくは後者の方法である。
【0075】
後者の方法で架橋性ポリマーを製造する場合、原料として、多官能モノマーの外に、反応点を1つ有するモノマー(以下「単官能モノマー」ということがある)を併用することができる。多官能モノマーと単官能モノマーを併用する場合、多官能モノマーの官能基の当量比は、通常10%以上であり、好ましくは15%以上、更に好ましくは20%以上である。
【0076】
最も好ましい架橋性ポリマーの製造方法としては、アクリロイル基を複数有する多官能モノマーを、必要に応じて、アクリロイル基を1つ有する単官能モノマーと共に重合する方法である。
電解質に含有させるポリマーの含量は、電解質の全重量に対して通常80重量%以下、好ましくは50重量%以下、さらに好ましくは20重量%以下である。ポリマー含量が多すぎると非水電解液の濃度低下によりイオン伝導度が低下してレート特性などの電池特性が低下する傾向がある。一方、ポリマーの割合が少な過ぎる場合は、ゲルの形成が困難となり非水系溶媒の保持性が低下して流動及び液漏れが生じることがあるのみならず、電池の安全性を確保できない可能性もあるので、ポリマーの電解質に対する含有量は、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、更に好ましくは2重量%以上、最も好ましくは5重量%以上である。
【0077】
非水系溶媒に対するポリマーの割合は、ポリマーの分子量に応じて適宜選択されるが、通常0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、通常50重量%以下、好ましくは30重量%以下である。ポリマーの割合が少な過ぎる場合は、ゲルの形成が困難となり非水電解液の保持性が低下して流動及び液漏れの問題が生じる傾向がある。ポリマーの割合が多過ぎる場合は、粘度が高くなり過ぎて取り扱いが困難となり、また、非水電解液の濃度低下によりイオン伝導度が低下してレート特性等の電池特性が低下する傾向にある。
【0078】
本発明では、電解質にポリマーの原料となるモノマーを含有させた状態で、スペーサ(詳細は後述)の空隙に充填させ、その後前記モノマーを重合させることによって、ポリマーを形成させる方法を用いるのが好ましい。
これらのモノマーを重合する方法としては、例えば、熱、紫外線、電子線などによる手法を挙げることができるが、本発明においては、製造上の容易性から加熱又は紫外線照射によってモノマーを重合させることが好ましい。熱による重合の場合、反応を効果的に進行させるため、含浸させる電解質に熱に反応する重合開始剤をいれておくこともできる。利用できる熱重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビスイン酪酸ジメチル等のアゾ系化合物、過酸化ベンゾイル、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の過酸化物などが使用でき、反応性、極性、安全性などから好ましいものを単独、または組み合わせて用いれば良い。尚、ポリマーを得るためには、モノマーの全官能基のうち、通常30%以上を反応させるが、40%以上を反応させることが好ましく、50%以上を反応させるのがより好ましい。
【0079】
上記電解質は、リチウムイオンによるイオン伝導度の向上のために、正極、負極、及び正極・負極間に配置されることがあるスペーサに含浸させることが好ましい。
スペーサは、通常、正極・負極間の短絡を防止するために用いられる。スペーサは、通常多孔性膜からなる。スペーサとして使用する材料としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン類や、これらの水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されたポリオレフィン類、ポリアクリロニトリル、ポリアラミド等の樹脂の多孔性膜が挙げられる。電解質に対する化学的安定性の点、印加される電圧に対する安定性の点から、好ましくは、ポリオレフィン又は、フッ素置換されたポリオレフィンであり、具体的には、ポリエチレンやポリプロピレン、これらの水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されたものを挙げることができる。これらの中でも特に好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及びポリフッ化ビニリデンであり、最も好ましくは、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンである。無論これらの共重合体や混合物を使用することもできる。
【0080】
スペーサの原料として用いられる樹脂の数平均分子量は、通常1万以上、好ましくは10万以上であり、また通常1000万以下、好ましくは300万以下である。分子量が小さすぎると、その機械的強度が不十分となり、電極の短絡が生じやすい傾向にある。また、分子量が大きすぎると、多孔性膜の空隙内への電解質の含浸が困難になりがちであり、電池の生産効率を低下させ、またレート特性等の電池性能も低下させる傾向にある。さらに、分子量が大きすぎると、後述する可塑剤を混合した後延伸する方法等において製膜が困難になることもある。
【0081】
前述したように、通常、スペーサは多孔性膜である。多孔性膜としては、例えば、多孔性延伸膜、不織布などが挙げられるが、本発明においては延伸によって製造される延伸膜であることがより好ましい。多孔性延伸膜は、不織布よりもさらに膜内の抵抗がより均一になるため、局所的なリチウムの析出、すなわち電極間短絡の原因となるデンドライトの析出を抑制することができる。
【0082】
多孔性延伸膜の延伸は、一軸又は二軸延伸のいずれであってもよいが、二軸延伸のものを使用するのが好ましい。二軸延伸とすれば、膜の縦・横の機械的強度バランスがよいため、電池製造上の取り扱いが容易となる。
スペーサの空孔率は通常30%以上、好ましくは35%以上、通常80%以下、好ましくは75%以下、さらに好ましくは72%以下である。空孔率が小さすぎると膜抵抗が大きくなりレート特性が悪化する可能性がある。特に、高レートで使用した際の容量が低下する可能性がある。一方、空孔率が大きすぎると、膜の機械的強度が低下する結果、電池要素の形状が変化する際に短絡が生じやすくなる場合がある。本発明においては、空孔率が大きいほど架橋性ポリマー使用による電解質の保液性の効果が大きくなるため、高温保存での安全性が高くなる。
【0083】
スペーサに存在する空孔の平均孔径は、通常1.0μm以下、好ましくは0.2μm以下、より好ましくは0.18μm以下、最も好ましくは0.15μm以下であり、通常は0.01μm以上、好ましくは0.07μm以上である。孔径があまりに大きいと短絡が生じやすくなる一方、孔径があまりに小さいと膜抵抗が大きくなり、レート特性等の電池性能が低下する傾向にある。本発明においては、平均孔径が大きいほど架橋性ポリマー使用による電解質の保液性の効果が大きくなるため、高温保存での安全性が高くなる。
【0084】
スペーサの膜厚は通常5μm以上、好ましくは7μm以上であり、通常50μm以下、好ましくは28μm以下、さらに好ましくは25μm以下であり、最も好ましくは20μm以下である。あまりに膜厚が小さいと、マイルドショート現象による自己放電が生じやすく、あまりに膜厚が大きいとレート特性等の電池特性が不十分になるばかりでなく、体積エネルギー密度が低下する傾向にある。本発明においては、スペーサの膜厚が小さい場合に架橋性ポリマーを使用すると、自己放電が有効に防止される。
【0085】
スペーサは、例えば以下のようにして製造することができる。数平均分子量1 万〜1000万程度、好ましくは10万〜300万の樹脂に不均一分散媒としての可塑剤を混合し、混練した後にシート状に成膜する。さらにこれから溶媒で可塑剤を抽出する工程と所定の倍率で縦横方向いずれかまたは両方に延伸する工程を経ることにより、所望のスペーサを得ることが出来る。
【0086】
リチウム二次電池に使用する外装ケースの形態は特に限定されないが、小型化が可能となる点から可撓性のある外装ケースが好ましい。可撓性のある外装ケースとは柔軟性、屈曲性等形状可変性を有するケースを意味し、その具体例としては、ビニール袋の様な高分子フィルムからなる袋、高分子フィルムからなる真空包装用袋もしくは真空パック、金属箔と高分子フィルムとのラミネート素材からなる真空包装用袋もしくは真空パック、プラスチックで形成された缶、プラスチックの板で挟んで周囲を溶着、接着、はめ込み等で固定したケース等が挙げられる。これらの中では、気密性、形状可変性の点で高分子フィルムからなる真空包装用袋もしくは真空パック、または金属箔と樹脂(高分子フィルム)とのラミネート素材からなる真空包装用袋もしくは真空パックが好ましい。
【0087】
材質としては、プラスチック、高分子フィルム、金属フィルム、ゴム、薄い金属板、ガスバリア層と樹脂層とを有するラミネートフィルム等が挙げられる。ケースの材質として、特に好ましいのは、金属(例えば、アルミニウム)や金属酸化物からなるガスバリア層の両面に樹脂層(例えば、ポリエチレン、ポリアミド)を設けてなるラミネートフィルムである。ラミネートフィルムのような可撓性のある外装ケースを用いると、電気機器の軽量化・小型化が達成されるが、一方で、外装ケースとして金属缶を用いる場合と比較して剛性等の機械的強度が劣る結果、過充電時のリチウム二次電池の破裂・発火が発生する可能性が相対的に高い。従って、可撓性のある外装ケースを用いるリチウム二次電池においては、リチウム二次電池の安全性をより高くすることが必要となるが、本発明においては、過充電時に電流集中が起こるようにするための機構を一部の単位電池要素に設けることにより、ラミネートフィルムのような可撓性のある外装ケースを用いた場合でも高度の安全性が付与できる。
【0088】
尚、単位電池要素は、上記ケース中に減圧状態で封入されるのが、装置の小型化及び単位電池要素の接触の面から好ましい。この場合、大気圧との差分が単位電池要素を押さえ付ける力となる。
特に好ましいのは、ガスバリア層の両面を樹脂層で被覆したラミネートフィルムからなるケースを使用して、この中に、単位電池要素電を減圧状態で密封して収納することである。
【0089】
単数又は複数の単位電池要素がケースに収納されてなるリチウム二次電池全体の厚さは、通常5mm以下、好ましくは4.5mm以下、さらに好ましくは4mm以下である。このような薄型のリチウム二次電池に対して本発明の効果は特に大きい。ただし、あまりに薄い電池は、容量が小さすぎたり、製造が困難だったりするので、通常0.5mm以上、好ましくは1mm以上、さらに好ましくは2mm以上である。
【0090】
尚、電池の装着等の利便を図るため、可撓性のある外装ケースに単位電池要素を封入し好ましい形状に成形後、必要に応じてこれら複数のケースをさらに剛性を持つ外装ケースに収納することも可能である。
本発明の二次電池である場合の用途としては、例えば、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、ページャー、ハンディーターミナル、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、電気シェーバー、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、ロードコンディショナー、時計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機など)等を挙げることができる。
【0091】
【実施例】
以下、本発明の二次電池がリチウム二次電池である場合について、参考例、実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は下記実施例により何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更し実施することができる。なお組成中の部は、重量部を示す。
[参考例1]
まず、以下のようにして正極、負極、及び電解質塗料を作製した。
(1)正極
まず、コバルト酸リチウム(LiCoO2)90部、アセチレンブラック5部、ポリフッ化ビニリデン5部、及びN−メチル−2−ピロリドン80部を混練機により2時間混練し正極塗料とした。
【0092】
次に、上記正極塗料を20μm厚のアルミニウム箔集電体上に、エクストルージョン型のダイコーティングによって塗布、乾燥し、活物質がバインダーによって集電体上に結着された多孔質膜を作成した。ついで、ロールプレス(カレンダー)をもちいて圧密することによって電極シートを作製した。この後、電極シートから電極を矩形状に切断し、正極とした。この際、集電体の一部(この部分には活物質層が存在しない)を矩形部分から延出させるように切断を行い、この部分を正極タブとした。
(2)負極
まず、グラファイト(粒径15μm)90部、ポリフッ化ビニリデン10部及びN−メチル−2−ピロリドン100部を、混練機により2時間混練し負極用塗料とした。
【0093】
次に、上記負極塗料を20μm厚の銅箔集電体上にエクストルージョン型のダイコーティングによって塗布、乾燥し、活物質がバインダーによって集電体上に結着された多孔質膜を作成した。ついで、ロールプレス(カレンダー)をもちい圧密することによって電極シートを作製した。この後、電極シートから電極を矩形状に切断し、負極とした。この際、集電体の一部(この部分には活物質層が存在しない)を矩形部分から延出させるように切断を行い、この部分を負極タブとした。
(3)電解質塗料
抵抗上昇抑制剤として2,4−ジフルオロアニソールを用い、下記組成を混合・攪拌して溶解し、電解質形成用の塗料を製造した。
【0094】
【表1】
電解質形成用塗料の組成
・電解液 902部
1M濃度のLiPF6を含有するエチレンカーボネート、プロピレンカーボネートの混合液(体積比率;エチレンカーボネート:プロピレンカーボネート=1:1)
・2,4−ジフルオロアニソール 56部
・テトラエチレングルコールジアクリレート 44部
・ポリエチレンオキシドトリアクリレート 22部
・重合開始剤 2部
・添加剤(無水コハク酸) 9部
(4)単位電池要素1の作製
次に、上記記載の正極、及び負極に、上記記載の電解質塗料を塗布した後、これらの電極を、別途同様の電解質塗料を浸した、正極及び負極の矩形部分より大きく、はみ出し部が形成される大きさを有するポリエチレン製多孔性膜からなるスペーサを間に挟んで積層した。これを90℃で10分加熱することにより電解質を非流動化して、正極、負極及び非流動化電解質を有する平板状の単位電池要素1を作製した。
(5)Current Step Methodによる単位電池要素1の過充電域における電流と電圧の関係測定
単位電池要素1を充放電装置に接続し、1.8C(54mA)で、電池電圧がほぼ一定となる、充電深度300%の過充電状態まで充電した。この状態から、充電電流値を0A〜1Aの間でステップ状に変化させたときの単位電池要素1の電圧値を測定した。ここで、電圧値はすぐに一定値となるわけではなかったので、電圧が安定する(一定値となる)まで電流値を一定に保持した。本発明においては、このような測定方法をCurrent Step Methodという。
【0095】
尚、高電圧領域(約7V以上)においては、電圧が急激に増大する。電位がこの領域に達すると、電流値の変化に対する電位の可逆的な測定が困難になることから、過充電領域における電流と電圧の関係を測定する場合には、電位がこの領域に達しないように注意した。このような電圧の急激な上昇は、電解質成分の分解による気体発生等の副反応の進行が顕著になるためであると考えられる。さらに、高電圧領域となる敷居値は、用いる正極活物質の種類によって変化すると考えられる。
【0096】
しかしながら、前記気体発生などの影響は高電圧時でなくとも発生する場合があるので、それらの影響を加味した状態で電圧と電流との関係を測定することが現実的である。すなわち、抵抗上昇抑制剤を含有した単位電池要素は電流が集中することが期待されることから、電流値をステップ状に上昇させながら測定を行うことにより、上記の気体発生等による電圧の急激な増大を避けることができる。一方、抵抗上昇抑制剤を含有していない単位電池要素は、電流値をステップ状に下げながら測定することによって、上記の気体発生等による電圧の急激な増大を避けることができる。
【0097】
但し、本発明の参考例1、2の測定範囲においては、電流値をステップ状に上昇させながら測定しても、上記の気体発生等による電圧の急激な増大が観測されなかった。従って、抵抗上昇抑制剤の含有の有無に関わらず、電流値をステップ状に上げながら測定をすることができた。
Current step methodにより測定された単位電池要素1の過充電時の電流と電圧との関係を図7に示し、電流と電圧とを比例近似した場合のSlopeAの値を表−1に示す。
[参考例2] 参考例1において、電解質塗料の作製の際に、1M濃度のLiPF6を含有するエチレンカーボネート及びプロピレンカーボネートの混合液の量を958部としたこと、及び抵抗上昇抑制剤すなわち2,4−ジフルオロアニソールを使用しなかったこと、以外は参考例1と同様にして、単位電池要素2を作製し、Current Step Methodによる過充電時の電流と電圧との関係を測定した。その結果を図7に、電流と電圧とを比例近似して求めたSlopeBの値を表―1に示す。
【0098】
【表2】
【0099】
[実施例1〜3、比較例1、2]
単位電池要素1、単位電池要素2を表―2に記載の枚数をそれぞれ用意し、互いの正極タブ及び負極タブがそれぞれ重なるように、複数枚厚さ方向に積層した後、正極同士ならびに負極同士のタブを束ねて端子部とし、それぞれの端子部に電流を取り出すリード線を接続して電池要素とした。その後、形状可変性ケース(アルミニウム層の両面に合成樹脂層(内側:ポリエチレン、外側:ポリアミド)を設けてなるラミネートフィルム)に前記電池要素を収納し、ラミネートフィルムを真空シールで封入後、リード線を取り出した辺を除くシール部を電池外装材側面に沿うように折曲して平板積層型のリチウム二次電池(厚さ3.7mm)を作成した。
【0100】
上記方法で得られたリチウム二次電池の1.8C過充電試験の結果を表−2に示す。1.8C過充電試験は、リチウム二次電池の放電状態(3V)から、1.8C(1.08A)で10Vまで充電する際に、電池が発火、爆発・破裂をするか否かを観察することにより判断した。尚、リチウム二次電池の電圧が、10Vの上限電圧に達しない場合は、試験開始から3時間に達した時点で電流をカットし試験終了とした。
【0101】
【表3】
【0102】
表−2の結果から、抵抗上昇抑制剤を含む単位電池要素1の枚数を全体の積層枚数(20層)に対し1層挿入させるたけでも、過充電の安全性が十分確保されることがわかる。
過充電安全性を向上するためになんらかの添加剤を使用することは、従来から知られている(例えば、特開平7−302614号公報や、特開平9−50822号公報等)が、このような添加剤は、二次電池のサイクル特性・レート特性などの基本性能を悪化させる場合がある。すなわち上記添加剤は、その電池の性能に及ぼす特性を考慮しつつも、過充電時の安全性を十分確保できるようなものを選択する必要がある。また、添加剤の種類によっては、添加量が少量では電池特性には影響を与えない一方、過充電時の安全性確保が不十分となるものがある。このような添加剤は、添加量を増やせば過充電安全性を確保することができるものの、電池特性を悪化させる傾向がある。従って過充電安全性を向上させる添加剤の選択は容易ではなく、又、その添加量にも十分注意する必要がある。しかし、本発明で使用される抵抗上昇抑制剤は、一部の単位電池要素にのみ添加されるため、抵抗上昇を抑制する機能さえ発揮すれば、たとえその添加量を高濃度として前記基本性能が悪化することがあったとしても、(抵抗上昇抑制剤が含有されない)その他の単位電池要素は高性能なままであるため、二次電池全体の電池性能に及ぼす影響は微小であり高性能な電池特性が維持される。
【0103】
【発明の効果】
本発明によれば、正極、負極、及び電解質を有する単位電池要素を複数個並列に接続してなる二次電池において、前記二次電池が過充電状態となった場合に、前記複数の単位電池要素の一部に電流が集中するような電流集中機構が設けられているため、初期容量、レート特性、サイクル特性等の基本的な電池特性を損なうことなく、過充電時の安全性に優れるリチウム二次電池を得ることができる。また、前記電流集中機構を設けた単位電池要素は、その形状を自由に選ぶことができるため、本発明においては、二次電池の設計の自由度も高くなる。
さらに本発明においては、抵抗上昇抑制剤を用いて上記電流集中機構を実現する場合には、抵抗上昇抑制剤を単位電池要素の一部にのみ含有させるため、抵抗上昇抑制剤の材料選択の幅や、その添加量の選択の幅も広がるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の二次電池を示す概念図である。
【図2】電流集中機構が設けられた単位電池要素と前記機構が設けられていない単位電池要素の、過充電状態における電流と電圧の関係を示す模式図である。
【図3】本発明の二次電池を示す一実施態様である。
【図4】本発明の二次電池を示す、別の実施態様である。
【図5】本発明の二次電池を示す、さらに別の実施態様である。
【図6】本発明の二次電池を示す、さらに別の実施態様である。
【図7】実施例1における単位電池要素1と、比較例1における単位電池要素2との、Current Step methodによる過充電状態における電流と電圧の関係の測定結果である。
【符号の説明】
1、10、11、16 単電池要素
2 外装ケース
10A、11A 正極
10B、11B 負極
10C、11C 電解質層
13B 負極用タブ
14 負極用リード
15 正極用リード
17 過充電時の電流の流れを示す矢印
20、21 平板積層型の二次電池
Claims (3)
- 前記電流集中機構を設けた単位電池要素に流れる、過充電時の電流と電圧との関係を比例近似した場合の傾きSlopeA((電圧の変化量)/(電流の変化量))と、前記電流集中機構を設けていない単位電池要素に流れる、過充電時の電流と電圧との関係を比例近似した場合の傾きSlopeB((電圧の変化量)/(電流の変化量))とが、0≦(SlopeA)/(SlopeB)≦1の関係を満たす請求項1に記載のリチウム二次電池。
- 複数個並列に接続した前記単位電池要素に、直列に温度ヒューズを接続する請求項1又は2に記載のリチウム二次電池。
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