JP2003197264A - ポリマー電解質電池およびその製造方法 - Google Patents

ポリマー電解質電池およびその製造方法

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JP2003197264A
JP2003197264A JP2001398757A JP2001398757A JP2003197264A JP 2003197264 A JP2003197264 A JP 2003197264A JP 2001398757 A JP2001398757 A JP 2001398757A JP 2001398757 A JP2001398757 A JP 2001398757A JP 2003197264 A JP2003197264 A JP 2003197264A
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polymer electrolyte
separator
monomer
polymer
electrolyte battery
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Akira Saito
彰 斉藤
Hitoshi Maro
整 麿
Yoshio Kawakami
義雄 川上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 漏液がなく、安全性に富んだポリマー電解質
電池を提供する。 【解決手段】 ジペンタエリスリトールアクリレート系
モノマーと、直鎖のポリエチレングリコールジアクリレ
ート系モノマーと、環式炭化水素基を複数含んだ10時
間半減期温度が35〜50℃のパーオキサイドである重
合開始剤と、電解質とを混合し、モノマー含有電解質液
を作成する。これを、厚みが5μm〜20μmで、ガー
レ通気時間が30〜500秒であるシャットダウン型セ
パレータに含浸させた後、重合させたポリマー電解質電
池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリマー電解質電
池にかかり、特に、漏液がなく、安全性に富んだポリマ
ー電解質電池とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯用電子機器の普及に伴い、軽量、小
型でかつ長時間連続駆動が可能な二次電池が求められて
いる。
【0003】二次電池の軽量化対策として、外装体の材
料を金属から薄く軽いフィルム材に変更する事例が増加
してきた。この材料変更により、軽量化と共に形状の自
由度がもたらされた。
【0004】フィルム外装体を用いた電池は安全性の面
に問題がある。フィルム外装体を用いた電池は柔軟な反
面、機械的に脆弱であり、外装体の破損によって電解液
の漏洩が生じやすい。電解質の種類によっては、漏洩時
に熱あるいはガス等が発生することがある。最悪の場合
は破裂や発火に至る恐れもある。
【0005】このため、電解液に代えてポリマー電解質
を使用した、ポリマー電解質電池が注目されている。こ
こでいうポリマー電解質には、電解質をPVdF(ポリ
ビニリデンフルオライド)のごときポリマー基材に含浸
させた材料や、PEO(ポリエチレンオキシド)のごと
き完全固体電解質の材料が知られている。これらは、電
解液のみを用いた場合に比べ、安全性が著しく向上す
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、二次電池の安
全性と電池特性とを両立させることは、以下のようには
なはだ困難である。
【0007】前記PVdFでは、温度上昇に伴って電解
質の保持能力が低下することが知られている。電解質は
液体であるため漏洩等の完全な解決は困難である。した
がって、完全固体電解質であるPEOを用いた場合は、
安全性に優れた二次電池が得られると考えられてきた。
【0008】一般にPEOなどの完全固体電解質は、イ
オン伝導度が低いという欠点を有する。ポリマー電解質
においては、10-3S/cmオーダー以上の高いイオン
伝導度が要求される。完全固体電解質の場合、電解質中
のポリマー基材濃度を10%以下とすればイオン伝導度
を高めることは出来る。しかし、これでは物理的性質が
液体ないしゲルと等しく、漏洩性の改善はほとんど期待
できない。
【0009】ポリマー二次電池における安全性確保の手
段として、セパレータと称する膜材料が、正極と負極の
間に設けられている。これは、正負両極の短絡を防止す
る機能を有する。ポリマー電解質をセパレータと組み合
わせると、安全性が向上する反面、イオン導電性は極端
に低下する場合が多い。イオン伝導性を低下させないた
めにセパレータとして不織布をもちいたり、空孔径の大
きなポリオレフィンセパレータを使用すると、逆に安全
性が損なわれてしまう。
【0010】以上のように、ポリマー電解質電池におけ
る電池特性向上と、安全性確保の両立は、現状では実現
が困難である。
【0011】本発明は、この問題点を鑑みてなされたも
のである。すなわち本発明は、ポリマー電解質電池にお
いて、高い化学的安定性を有するポリマー電解質を提供
することにより、優れた電池特性と高い安全性を有する
ポリマー電解質電池を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明のポリマー電解質電池は、対向した正極電極板
および負極電極板と、対向した正極電極板および負極電
極板との間にセパレータとポリマー電解質とを備え、ポ
リマー電解質は、ジペンタエリスリトールアクリレート
系モノマーと直鎖のポリエチレングリコールアクリレー
ト系モノマーとの重合体に、電解質が含浸されているこ
とを特徴とする。
【0013】このような構成により、ポリマー電解質電
池中の電解質はポリマー骨格中に安定に保持され、同時
に高いイオン伝導度を示す。したがって、高イオン伝導
度と優れた安全性の両立が可能となる。
【0014】ポリマー電解質は、分子量が700以上1
300以下で、かつ、アクリル当量が110以上160
以下であるジペンタエリスリトールアクリレート系モノ
マーを含むことが望ましい。
【0015】また、ポリマー電解質は、分子量が700
以上1300以下でアクリル当量が110以上160以
下であるジペンタエリスリトールアクリレート系モノマ
ーを含むことが望ましい。
【0016】また、セパレータは、95〜160℃に閉
塞温度を有するシャットダウン型であることが望まし
い。
【0017】また、セパレータの厚みは、5〜20μm
であることが望ましい。
【0018】また、セパレータのガーレ通気時間は、3
00〜500秒であることが望ましい。
【0019】また、ポリマー電解質電池は、前記ポリマ
ー電解質を前記セパレータに含浸させた構造を有するこ
とが望ましい。
【0020】また、ポリマー電解質電池は、正電極板、
セパレータ、負電極板の組み合わせを複数積層した構造
を有することが望ましい。
【0021】上記課題を解決するための本発明のポリマ
ー電解質電池の製造方法は、ジペンタエリスリトールア
クリレート系モノマーと、直鎖のポリエチレングリコー
ルアクリレート系モノマーと、電解質と、重合開始剤と
を混合させ、モノマー含有電解液を作成する工程と、対
向した正極電極板および負極電極板との間にセパレータ
を備えた電極構造を複数積層した電池素体を作成する工
程と、電池素体のセパレータに、上記のモノマー含有電
解液を含浸させる工程と、電池素体を加熱して、セパレ
ータに含浸されたモノマー含有電解液を重合させ、ポリ
マー電解質を作成する工程とを有することを特徴とす
る。
【0022】上記の重合開始剤は、パーオキサイドであ
ることが望ましい。また、重合開始剤は、環式炭化水素
基を複数含んでいることが好ましく、さらに10時間半
減期温度が35℃〜50℃であることが好ましい。
【0023】上記の電解質は、リチウム塩と電解液から
なることが望ましい。ここで、リチウム塩はLiPF6
またはLiBF4であることが望ましい。また、電解液
は極性有機溶剤であることが望ましい。
【0024】本発明では、少ないモノマー量で効率よく
電解液をポリマー化することが望ましい。モノマー量を
多く必要とする場合は、ポリマー電解質における電解液
の濃度が低下することになり、ポリマー電解質のイオン
導電性が低下してしまうからである。
【0025】本発明者らの検討によれば、ポリマー電解
質の基本骨格構造モノマーとしてジペンタエリスリトー
ルアクリレート系モノマーを、硬化助剤として直鎖のポ
リエチレングリコールジアクリレート系モノマーを用
い、これらを、電解質と共に、環式炭化水素基を複数含
むパーオキサイドを重合開始剤として重合させることが
好ましい。これらの材料を組み合わせて使用することに
より、イオン導電性に富み、かつ電解液の保液性が高い
ポリマー電解質が得られる。
【0026】少ないモノマー量で効率良くポリマー電解
質用の重合を行うには、モノマーが次の2つの条件を備
えている事が望ましい。 (1)モノマーがエーテル結合を有すること。 (2)モノマーの官能基が多いこと、好ましくは6個で
あること。
【0027】重合特性を考えるにおいて特に重要なのは
(2)の条件である。モノマーの官能基数は、多い方が
反応性に富むが、多すぎた場合には必要以上にアクリル
当量が増え、重合後のポリマーが柔軟性を失ったり、電
解液の保持能を失う場合も有る。
【0028】これらを鑑み、本発明者らはモノマーの分
子量及びアクリル当量に適切な範囲が存在すること、ジ
ペンタエリスリトールを基本骨格とするのが好ましいこ
とを見出した。このとき、ジペンタエリスリトールとア
クリルをつなぐ部分の分子量を変化させることで、分子
量とアクリル当量を上記(2)に記載の好ましい範囲に
調節することが可能となる。
【0029】例えば、ペンタエリスリトールの側鎖6個
の内、4個にはそのままアクリレート系モノマーが結合
し、残りの2個は開環重合させたカプロラクトンを介し
てアクリレート系モノマーと結合することにより、分子
量780でアクリル当量130のモノマーが得られる。
このとき、アクリレートとして直鎖のポリエチレンオキ
シドジアクリレートを使えば、さらに低いモノマー濃度
でポリマー電解質を作ることが可能になる。同時に、直
鎖を分子量200程度にすることで、電解液の粘度を変
化させず、かつポリマーに柔軟性を持たせることができ
る。直鎖で無い多官能アクリレートを使用した場合、モ
ノマー自体が非常に剛直で分子量も比較的小さいために
反応性が低下し、モノマー濃度を低く出来ない場合があ
る。
【0030】この組み合わせにより、電解液に対して
1.5〜3%程度のモノマー量で十分な硬化度合と電解
質含浸性を有するポリマー電解質が得られる。このポリ
マー電解質により、イオン導電性に優れ、安全性の高い
ポリマー電解質電池を得ることが可能となる。
【0031】重合開始剤はモノマーの重合方法によって
適宜選択される。モノマーの重合方法は、熱硬化や光も
しくは電子線による重合など、さまざまな方法から選択
することができる。生産性を考慮すると熱硬化が好まし
い。熱硬化で使用する重合開始剤としては、一般に有機
過酸化物が用いられる。
【0032】ポリマー電解質の重合開始剤は、以下の条
件を備えることが望ましい。 (1)シャットダウン型セパレータを用いた場合、セパ
レータがシャットダウンしない温度で重合反応を開始で
きること。 (2)重合開始剤の残渣が、電池特性に悪影響を及ぼさ
ないこと。 (3)保存安定性が高く、有機過酸化物の含有量が多い
こと。
【0033】通常、過酸化物の10時間半減温度に対
し、概ね+20℃が硬化温度である。(1)を考慮する
と、10時間半減時間が50℃以下である事が望まし
い。
【0034】また、(2)および(3)の問題を考慮す
ると、分子中に環式炭化水素基が複数個導入されている
ことが望ましい。環式炭化水素基は電位差に対して安定
であり、また過酸化物そのものも安定となる。したがっ
て、希釈液ないし安定化剤を添加しなくても保存は比較
的容易である。希釈液および安定化剤を多く含む過酸化
物は、たとえ低半減温度でもモノマーの重合を妨げてし
まう場合がある。
【0035】これらの条件に合致する過酸化物として、
例えば化薬アクゾ(株)のパーカドックス16(10時
間半減温度44℃、貯蔵温度25℃以下、含有量95%
以上)が挙げられる。
【0036】本発明で用いるセパレータは、所謂シャッ
トダウン型セパレータである。シャットダウン型セパレ
ータは、電池温度の上昇につれて内部の微細孔が閉じる
機構を有する。この機構によりイオンの導通を抑制して
電流を制御し、熱暴走を防止することができる。なお、
シャットダウン型セパレータの基本的な製造方法は、特
許第2642206号公報、特許第3107403号公
報、特開平5−25305号公報、特開平9−2191
84号公報、特開2000−223107号公報、特開
2000−100408号公報等に記載がある。
【0037】セパレータの選択においては、主に厚みと
ガーレ通気時間およびシャットダウン温度等が考慮され
る。
【0038】セパレータの厚みは、5〜20μm好まし
くは10〜20μmの範囲であることが望ましい。5μ
m以下になると、(1)シャットダウン効果の持続時間
の短縮、(2)高温時に正負電極間の短絡が生ずる、
(3)電池作製時の歩留まり低下を引き起こす、などの
問題点が生じる。他方、20μm以上になると、(1)
電池厚みの増大、(2)レート特性の悪化などの問題点
が生じる。
【0039】セパレータのガーレ通気時間は、300〜
500秒であることが好ましい。ここでガーレ通気時間
とは、JIS−P8117に規定されている方法で測定
した通気時間をいう。ガーレ通気時間が300秒以下と
なるとシャットダウン効果が期待できなかったり、シャ
ットダウン状態の保持時間が短かくなったりする。この
場合、比較的短時間でセパレータのメルトダウンが生
じ、危険なハードショートを誘発する場合がある。
【0040】他方、ガーレ通気時間が500秒以上の場
合はイオン導電性が妨げられ、電池特性、特にレート特
性が悪化する。これは電解質がポリマー電解質である場
合において顕著である。
【0041】上記のポリマー電解質およびセパレータと
組み合わせて使用する電極は、リチウム二次電池の電極
として公知のものから適宜選択して使用することができ
る。特に、電極活物質とバインダーからなる組成物を、
集電体上に塗布した電極が好ましい。この組成物電極に
は必要に応じて導電助剤を添加してもよい。
【0042】電極に使用される集電体の材質と形状は、
電極の極性、使用する形状、ケース内への配置方法によ
って適宜選択することができる。集電体材質としては、
正極集電体にはアルミニウム、負極集電体には銅やニッ
ケルを用いるのが好ましい。集電体形状としては、通常
は金属箔や金属メッシュが使用される。金属箔でも十分
小さな接触抵抗が得られるが、金属メッシュにした場合
は接触抵抗をさらに小さくできる。
【0043】正極活物質には、リチウムイオンがインタ
ーカレートおよびデインターカレート可能な酸化物また
は炭素材料を用いることが好ましい。
【0044】リチウムイオンがインターカレートおよび
デインターカレート可能な酸化物としては、リチウムを
含む複合酸化物が好ましい。それら酸化物の粉末を用い
ると、集電体の作成は容易となる。酸化物の例として、
LiCoO2、LiMn24、LiNiO2、LiV22
などが挙げられる。これら酸化物の粉末における平均粒
子径は1〜40μm程度であることが好ましい。
【0045】負極活物質には、炭素材料、リチウム金
属、リチウム合金あるいは酸化物材料を用いるのが好ま
しい。このような電極を用いることによって、良好な特
性のポリマーリチウム電解質電池を得ることができる。
【0046】負極活物質として用いる炭素材料は、例え
ばメソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、天然ある
いは人造の黒鉛、樹脂焼成炭素材料、カーボンブラッ
ク、炭素繊維などから適宜選択することができる。特に
黒鉛は好ましい材料であり、その平均粒径は1〜30μ
m、特に5〜25μmであることが好ましい。平均粒径
が1μm未満の場合、充放電サイクル寿命が短くなり、
また容量のバラツキが大きくなる傾向がある。平均粒径
が30μmを超えた場合にも、容量のバラツキが著しく
大きくなる他、容量が低下してしまう。
【0047】電極活物質と組み合わせるバインダーとし
ては、フッ素系樹脂、ポリオレフィン樹脂、スチレン系
樹脂、アクリル系樹脂のような熱可塑性エラストラマー
系樹脂、またはフッ素ゴムのようなゴム系樹脂を用いる
ことができる。例えばポリテトラフルオロエチレン、ポ
リフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリアクリロニト
リル、ニトリルゴム、ポリブタジエン、ブチレンゴム、
ポリスチレン、スチレン−ブタジエンゴム、多硫化ゴ
ム、ニトロセルロース、シアノエチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロースなどが挙げられる。これらのバ
インダーは、単独もしくは複数を混合して用いることが
できる。また、正極と負極で異なるバインダーを用いて
もよい。
【0048】電極活物質には、必要に応じて導電助剤が
添加してもよい。導電助剤としては黒鉛、カーボンブラ
ック、炭素繊維、さらにはニッケル、アルミニウム、
銅、銀などの金属が挙げられる。特に黒鉛、カーボンブ
ラックが好ましい。
【0049】電極の作製は、以下の手順で行なわれる。
【0050】まず活物質と、必要に応じて導電助剤を、
バインダー溶液に分散して電極塗布液を調整する。バイ
ンダー溶液への分散方法は特に限定されず、一般的な混
合分散方法が使用できる。たとえばハイパーミキサ、デ
ィゾルバ、ヘンシェルミキサ、プラネタリミキサ、メデ
ィア型ミル、ホモミキサなどの混合分散装置を、単独も
しくは組み合わせて使用することが出来る。
【0051】得られた電極塗布液は集電体に塗布され
る。集電体への塗布方法は特に限定されるものではな
く、集電体の材質あるいはその形状によって適宜選択す
ることができる。例えば、メタルマスク印刷法、静電塗
布法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコ
ート法、ドクターブレード法、グラビアコート法、スク
リーン印刷法などが使用できる。
【0052】その後、溶媒を蒸発させて電極を作製す
る。溶媒蒸発後の塗布厚みは、正極および負極とも50
〜400μm程度が好ましい。
【0053】電極活物質のローディングは、正極では1
0〜25mg/cm2が、負極では5〜15mg/cm2
がそれぞれ好ましい。ローディングが低すぎる場合には
電極の容量不足が生じるが、安全性を高めるためには可
能な限り低いことが望ましい。
【0054】電極活物質の空孔率は、正極では20〜4
0%が、負極では5〜15mg/cm2がそれぞれ好ま
しい。電池の薄型化に際し電極の厚みを低下させるため
には、空孔率は低いほうが有利である。しかしその場合
は空孔への電解液の含浸量が制限される。したがって、
空孔率は電池厚みの設計値と含浸量のバランスから検討
される。
【0055】得られた電極に厚み調整が必要な場合、平
板プレスやカレンダーロールなどを用いて圧延処理を行
なってもよい。
【0056】上記作製した正極および負極をセパレータ
と組み合わせて電池素体を形成する。
【0057】電池素体の構成は、所望の容量が得られる
構造であれば自由に選択できる。正極および負極をセパ
レータと組み合わせる際は、最終的に正極、セパレー
タ、負極の順に積層状態となればよい。例えば、正極、
セパレータ、負極を重ね合わせてロール状に捲回しても
よい。または正極、セパレータ、負極を重ね合わせて適
宜折り曲げてもよい。あるいは適当な大きさの正極、セ
パレータ、負極を順次積層して板状に形成してもよい。
薄型ポリマー電解質電池を形成するには、順次積層によ
る電池素体の作製がより好ましい。
【0058】本発明者らの検討では、袋状に加工したセ
パレータで電極を包み込み、これを順次積層する方法が
より好ましい。これにより、工程作業中のセパレータ収
縮にともなう電極の露出を押さえることができる。この
ときセパレータのシャットダウン効果をより良く発揮さ
せることが可能となる。
【0059】上記作製した電池素体は外装体に収められ
る。外装体は、ステンレスやアルミ合金あるいはアルミ
ニウム等による缶を用いることができる。また外装体
は、ラミネートフィルムで作製された外装袋を用いるこ
ともできる。この場合ラミネートフィルムには、アルミ
ニウム等の金属箔両面に、熱硬化性樹脂であるポリプロ
ピレンやポリエチレンなどのポリオレフィン樹脂層およ
び耐熱性のポリエステル樹脂層が積層されたフィルムを
用いることが好ましい。外装袋は予め2枚のラミネート
フィルムを、それらの3辺端面の熱接着性樹脂層を熱接
着して第一シール部を作り、1辺が開口した袋状に形成
するのが好ましい。あるいは1枚のラミネートフィルム
を折り返して両辺の端面を熱接着してシール部を形成
し、袋状としても良い。
【0060】次に、電池素体を収めた外装体にポリマー
電解質溶液を所定量注液して含浸させる。
【0061】外装体への注液段階では、ポリマー電解質
溶液は上述のモノマーおよび上述の重合開始剤と電解質
からなる。さらに電解質は電解質塩と電解液からなる。
【0062】電解質中の電解質塩としては、LiB
4、LiPF6、LiAsF6、LiSO3CF3、Li
ClO4、LiN(SO2CF32などのリチウム塩を用
いるのが好ましい。特に本発明の形態によるポリマー骨
格を用いる場合、LiPF6を電解質塩として用いるの
がより好ましい。なお、本発明にLiPF6を用いた場
合も、他の電解質塩を用いた場合も、同様な硬化度合が
得られる。
【0063】電解液としては、前記のポリマーや電解質
塩との相溶性が良好なものであれば特に制限されない
が、リチウム電池での高い動作電圧でも分解の起こらな
い極性有機溶剤が好ましい。例えばエチレンカーボネー
ト、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、
ジメチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、エチ
ルメチルカーボネート等のカーボネート類、あるいはテ
トラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の
環式エーテル、あるいは1,3−ジオキソラン、4−メ
チルジオキソランなどの環式エーテル、γ−ブチルラク
トン等のラクトン、スルホラン等が好適に用いられる。
3−メチルスルホラン、ジメトキシエタン、ジエトキシ
エタン、エチルジグライム等を用いてもよい。
【0064】電解質における電解質塩の濃度は、0.3
〜5mol/リットルが好ましい。より好ましい濃度は
0.8〜1.5mol/リットルであり、電解質はこの
濃度範囲で大きなイオン伝導度を示す。
【0065】ポリマー電解質溶液の注液および含浸の際
は、水分および重合の阻害剤となる酸素を電池内部に取
りこまないよう、不活性ガスによる置換を行なうことが
望ましい。注液および含浸の後、外装体の開口部分をシ
ールして電池となる。
【0066】以上の手順で作製された電池は、モノマー
を重合させるため加熱処理される。
【0067】加熱温度は80℃以下が好ましく、より好
ましくは70℃以下が望ましい。80℃以上の場合は、
セパレータに熱収縮が生じ、孔径が小さくなる場合があ
る。これは擬似的なシャットダウン反応であり、電池特
性低下の原因となる。加熱処理時間は重合開始剤を十分
に失活させる意味で長いほうが望ましいが、上記のセパ
レータの不必要な熱収縮、および生産効率を考慮し、適
切な時間が設定される。
【0068】
【実施例】以下、実施例および比較例によって、本発明
をより詳細に説明する。
【0069】実施例1において、680mAhの容量を
ポリマー電解質電池の設計値とし、それに準じたサイ
ズ、および電極の積層枚数を設定した。その他の実施例
および比較例では、実施例1のサイズ、および電極の積
層枚数を踏襲し、その他の条件を必要に応じて変更し
た。
【0070】実施例1および比較例1〜3では、ポリマ
ー電解質電池におけるポリマー骨格の出発原料であるモ
ノマー化合物を、電池特性の見地から比較検討した。具
体的には、3種類のモノマー化合物を出発原料とするポ
リマー電解質前駆体を合成し、電池素体を作成して比較
した。 (実施例1)下記の手順でモノマー含有電解液を作成し
た。
【0071】モノマーとして、カプロラクトン変性ジペ
ンタエリスリトールテトラアクリレート(分子量78
0。以下「化合物A」という)をモノマー含有電解液全
体に対し3wt%、硬化助剤としてポリエチレングリコ
ールジアクリレート(分子量200)を同じく0.18
wt%、それぞれ規定量秤量してビーカー中に入れた。
化合物Aの構造を、下記化1に示す。
【0072】
【化1】
【0073】そこに電解液として1M LiPF6(E
C/DEC=3/7)をモノマー含有電解液全体に対し
96.62wt%加え、マグネットスターラーを用いて
攪拌し、モノマーと硬化助剤を電解液中に完全に溶解さ
せた。
【0074】重合開始剤としてビス(4−t−ブチルシ
クロヘキシル)パーオキシジカーボネートを0.20w
t%添加し、同じくマグネットスターラーで十分に攪拌
し、モノマー含有電解液を得た。
【0075】次に、下記の手順で正極を作成した。
【0076】プラネタリーミキサを用いて、ポリフッ化
ビニリデン(PVdF:呉羽化学製KF−1300)を
4重量部、LiCoO2(セイケミカル製 C016)
を90重量部、カーボンブラック(電気化学工業製 H
S−100)を3重量部、グラファイト(TIMCAL
製 KS−6)を3重量部、混合分散し、適量のNMP
(N−メチル−2−ピロリドン)で粘度調整して正極活
物質を得た。
【0077】得られた正極活物質を、焦電体であるアル
ミニウム箔(20μm)の上に、ドクターブレード法に
より塗布して乾燥させた。正極活物質の塗布は、焦電体
の両面に行った。ただし、集積構造において最外層とな
る2枚の正極用焦電体のみ、正極活物質を片面に塗布し
た。
【0078】作成した正極を、空孔率31%、ローディ
ング19.1mg/cm2になるようにプレスした後、
所定の大きさに打ちぬき、正極を得た。
【0079】次に、下記の手順で負極を作成した。
【0080】プラネタリーミキサにて、ポリフッ化ビニ
リデン(PVdF:呉羽化学製 KF−1100)を6
重量部、人造グラファイト(日立化成工業製 MAG)
を94重量部、混合分散し、適量のNMPで粘度調整し
て負極活物質を得た。
【0081】得られた負極活物質を、ドクターブレード
法で焦電体である銅箔(15μm)の上に塗布し、乾燥
させた。負極活物質は全ての負極用焦電体の両面に塗布
した。
【0082】作成した負極を、空孔率20%、ローディ
ング8.6mg/cm2になるようにプレスした後、所
定の大きさに打ちぬき、負極を得た。
【0083】正負両電極の形状と大きさは、必要な設計
仕様に応じて任意に決定することが出来る。本実施例で
は、所謂3562サイズの電極を作成した。図2に、本
実施例における正負両電極板の断面図を示す。電極
(1)には、図2に示すように正極または負極活物質
(2)が層形成されており、電気接続端子(3)のが設
置されている。該端子部分の形状や接続方式はリード線
を接続したり、電極(1)の一部を延長するなど、さま
ざまな方法から選択することが出来る。
【0084】前記モノマー含有電解液と前記正負両極電
極、およびセパレータにより、下記の手順で積層型ポリ
マー電解質二次電池を作成した。
【0085】規定サイズの負極を、ポリオレフィンセパ
レーター(厚み16μm、ガーレ通気時間380秒)を
用いて包装し、袋状負極を作成した。図3に、本実施例
において作成した袋状負極の断面図を示す。包装の方式
はセパレータ(4)を折り曲げて負極(1)を挟みこむ
方法や、セパレータ(4)を2枚用いて負極(1)を挟
みこむ方法などを自由に選ぶことができる。この後セパ
レータ(4)の四方を熱融着し、袋状負極を9枚作成し
た。
【0086】この袋状負極と、規定サイズに打ち抜いた
正極を合計10枚積層し、最後に両端面を熱圧着し電池
素体を得た。なお、正極の内訳は正極活物質を両面塗布
したものが8枚、片面塗布したものが2枚である。図4
に本実施例における電池素体の断面図を示す。本実施例
では、図4に示すように電気接続端子(3)はセパレー
タ(4)の外部に露出した構成とした。
【0087】図5に外装体に挿入した本実施例における
電池素体の断面図を示す。ここでは、上記電池素体の正
極・負極からそれぞれ延長されている電極接続端子にリ
ード線を接続し、一部シールして袋状とした外装体
(6)に、電気接続端子(3)が外部に出るような構成
で挿入した。
【0088】この外装体(6)に包まれた電池素体を6
0℃、6Torrの真空雰囲気中で36時間乾燥させ
た。
【0089】乾燥後の電池素体を、露点−50℃のAr
雰囲気ドライボックス中に保持し、モノマー含有電解液
を電池素体に含侵させた。
【0090】モノマー含有電解液の含侵が完了した後、
外装体(6)の未シール部分をシールした。この後、モ
ノマー含有電解液の重合反応のため、オーブン中70℃
において2時間の加熱処理を行なった。
【0091】加熱処理の後、プリ充電、エージング、保
存を行ない、積層型ポリマー電解質二次電池を得た。図
1に、本実施例において作成した積層形ポリマー二次電
池の模式図を示す。ここでは、リード線を省略し、電極
接続端子(3)のみとして示している。
【0092】この他、モノマー含有電解液の一部を分取
し、ゲル状態の比較サンプルを作成した。化合物の相違
による硬化の度合を比較するためである。
【0093】また、ゲル状態の比較サンプルの一部を用
いて、重合開始剤の残留状態を評価した。FTIR法を
用いて(1)アクリレート二重結合の存在、(2)残留
パーオキサイド量を評価し、重合開始剤の残留状態を評
価したが、いずれも検出限界以下であった。これによ
り、重合開始剤の残渣は電池特性に影響をおよぼす量で
はないことが確認された。 (比較例1)モノマーとしてトリメチロールプロパンポ
リアルキレンオキサイド変性トリアクリレート(分子量
約1000 以下「化合物B」という)を用い、実施例
1と同じ方法で積層型ポリマー電解質二次電池およびゲ
ル状態の確認用サンプルを作成した。化合物Bの構造式
を化2に示す。
【0094】
【化2】
【0095】(比較例2)モノマーとしてポリアルキレ
ンオキサイドアリルグリシジルエーテル(分子量約10
0万 以下「化合物C」という)を用い、実施例1と同
じ方法で積層型ポリマー電解質二次電池およびゲル状態
の確認用サンプルを作成した。化合物Cの構造式を化3
に示す。
【0096】
【化3】
【0097】(比較例3)モノマー化合物を添加せず、
実施例1と同じ方法で積層型ポリマー電解質二次電池お
よびゲル状態の確認用サンプルを作成した。
【0098】実施例1および比較例1〜3の手順で得ら
れたポリマー電解質前駆体溶液およびポリマー二次電池
について以下の比較評価を行なった。結果を表1に示
す。
【0099】
【表1】
【0100】(評価結果1 硬化度合)モノマー化合物
の種類と有無について、モノマー含有電解液の硬化度合
を比較した。実施例1および比較例1〜3におけるモノ
マー含有電解液の一部を分取し、以下の手順でゲル状態
の確認用サンプルを作成した。
【0101】Ar雰囲気中のドライボックス(露点−5
0℃)にて、上記前駆体溶液を蓋付きのガラス瓶に入
れ、密封した。このサンプルを70℃のオーブンに入れ
て2時間保持し、硬化させた。その後、サンプルの硬化
度合を目視で観察した。判定の基準は下記の通りであ
る。
【0102】 ○:完全にゲル化し、液余りも無い状態 ○〜△:完全にゲル化しているが、液余りがある状態 △:全体的にゲル化が不充分な状態 △〜×:粘度の上昇が見とめられる状態 ×:ほとんど変化無し 観察結果を表1中の硬化度合の欄に記述した。化合物A
を用いた実施例1の場合、試料は完全にゲル化して電解
液余りも無い状態であることが観察された。それに対し
て、比較例1(化合物B)および比較例2(化合物C)
では、処理により粘度が上昇する傾向は認められたもの
の、硬化が確認されるには至らなかった。また、モノマ
ー化合物を添加しなかった比較例3の試料では、処理に
よる外観上の何らかの変化は観測されなかった。この結
果から、アクリレート系モノマーを用いた場合、好まし
い重合度が得られることが確認された。 (評価結果2 1C容量)負荷特性試験の一種であり、
電流を大きくしたときに基準容量の何%が取り出せるか
を評価するものである。ここでCレートとは電池の大き
さに無関係に電流の相対的大きさを知るための基準で、
その電池の容量を1時間で放電する電流を1C放電とい
い、10時間で放電することを0.1C放電という。一
般に電池は0.1Cから1Cの範囲で放電されることが
多いので、負荷のより大きな1C放電特性が重視され
る。
【0103】定電流(0.2C相当)で充電終止電圧
4.2Vまで充電し、1Cの定電圧で放電終止電圧3.
0Vまでの放電容量を測定した。
【0104】測定結果は、上記結果表の1C容量の欄に
記載した。化合物Aを用いた実施例1の場合、1C容量
は670mAhが得られたのに対し、比較例1(化合物
B)および比較例2(化合物C)では、645mAhお
よび630mAhであり、実施例1に比べて低い値であ
った。比較例3ではモノマー化合物を添加しなかったと
ころ、690mAhという高い値が得られた。しかし比
較例3はモノマー化合物を添加しておらず、したがって
ポリマー骨格を持たない試料である。ポリマー骨格に起
因するイオン伝導率の低下が存在しないものであり、本
発明の趣旨から逸脱するものである。この結果から、ア
クリレート系モノマーを用いた場合は、好ましい容量が
得られることが確認された。 (評価結果3 膨れ試験)充放電プロセスに起因する電
池素体の膨れは、電池の機械的強度を低下させる原因と
なる。膨れ評価は、電池試料を1Cで4.2V満充電に
した後90℃で4時間保管し、保管前後の電池厚さ変化
量をもって評価した。この数値は出来る限り低く押さえ
られるべきであり、実用的には90℃で4時間保管前後
の膨れが0.1mm以下であるのが望ましい。
【0105】評価結果を表1の膨れ量の欄に示す。実施
例1において、+0.1mmという値が得られた。この
結果は、アクリレート系モノマーを出発原料とするポリ
マー電解質が、使用環境において安定した形状を保持し
うることを意味している。
【0106】次に、実施例2、3および比較例4、5に
おいて、ポリマー骨格内部に保持される電解液量の減少
量を比較した。
【0107】ポリマー骨格内部における電解液の保持容
積および保持能は、アクリル当量の増減により変化させ
た。アクリル当量は、ジペンタエリスリトール骨格とア
クリレート間の炭素鎖の長さを変化させることにより調
整した。異なるアクリル当量を有する、ジペンタエリス
リトールアクリレート系モノマーを用意し、アクリル当
量が電解液減少量に及ぼす影響を比較した。 (実施例2)アクリル当量130のジペンタエリスリト
ールアクリレート系モノマーを用いた以外は、実施例1
と同様の方法でポリマー電解質前駆体を作成した。 (実施例3)アクリル当量200のジペンタエリスリト
ールアクリレート系モノマーを用いた以外は、実施例1
と同様の方法でポリマー電解質前駆体を作成した。 (比較例4)アクリル当量300のジペンタエリスリト
ールアクリレート系モノマーを用いた以外は、実施例1
と同様の方法でポリマー電解質前駆体を作成した。 (比較例5)アクリル当量110のジペンタエリスリト
ールアクリレート系モノマーを用いた以外は、実施例1
と同様の方法でポリマー電解質前駆体を作成した。
【0108】上記実施例2、3および比較例4、5で得
られたポリマー電解質前駆体溶液を用い、アクリル当量
がポリマー骨格に保持された電解液量の減少に及ぼす影
響を、得られたポリマーの硬化度と併せて評価した。
【0109】実施例2、3および比較例4、5において
得られたポリマー電解質前駆体を、Ar雰囲気のドライ
ボックス中でそれぞれ50ccビーカーに20gずつ秤
量分取し、蓋をした上で、70℃の恒温槽中に2時間保
持し熱硬化させた。熱硬化後、室温まで冷却後の重量を
測定した。その後、25℃のドライボックス中で蓋を取
り、24時間放置した。熱硬化直後の重量と、24時間
経過後の重量を比較し、重量変化の割合を求めた。評価
結果を表2に示す。
【0110】
【表2】
【0111】ポリマー電解液の重量減少は、ポリマー骨
格の電解液保持能を超えた電解液が揮発することによ
る。即ち、ポリマー骨格に保持しきれない電解液が存在
していることになる。残留電解液は、電池において電解
液漏洩の原因となる。また、電池が昇温した場合は、電
解液の蒸発による電池の膨張が生ずる。一般にポリマー
電解液の重量減少率は、10%以下に押さえられること
が望ましい。
【0112】実施例2、3および比較例4、5で得られ
たポリマー電解質を評価したところ、モノマーのアクリ
ル当量は、ポリマー骨格における電解液の保持能に影響
すること、アクリル当量には最適範囲が存在することが
明らかになった。アクリル当量が小さすぎた場合、ポリ
マーの硬化度は高くなるが液余りが生じ、その結果電解
液量の減少率が実質的に大きくなる。逆にアクリル当量
が大きすぎた場合、ポリマー全体の硬化度が低下し、同
様に電解液量の減少率が増大する。
【0113】本実施例と比較例との結果より、ジペンタ
エリスリトールをモノマーに用いた場合、好ましい電解
液保持能が得られるアクリル当量の範囲は110から2
00、好ましくは110から160の範囲に有ることが
わかった。
【0114】次に、実施例4および比較例6、7におい
て、硬化助剤の分子量がポリマー骨格の電解液保持能に
及ぼす影響を検討した。実施例1における硬化剤を別途
変更し、実施例1と同様の手順でポリマー電解質の前駆
体を作成した。 (実施例4)実施例1において、硬化助剤である分子量
200のポリエチレングリコールジアクリレートを、分
子量258のポリエチレングリコールジアクリレート
(以下、硬化助剤D)に変更し、ポリマー電解質前駆体
を作成した。化4に硬化助剤Dの構造式を示す。
【0115】
【化4】
【0116】(比較例6)実施例1において、硬化助剤
を分子量428.48のトリメチロールプロパンEO変
性トリアクリレート(以下、硬化助剤E)に変更し、ポ
リマー電解質前駆体を作成した。化5に硬化助剤Eの構
造式を示す。
【0117】
【化5】
【0118】(比較例7)実施例1において、硬化助剤
を分子量249.27のトリアリルイソシアヌレート
(以下、硬化助剤F)に変更し、ポリマー電解質前駆体
を作成した。化6に硬化助剤Fの構造式を示す。
【0119】
【化6】
【0120】上記実施例4および比較例6、7で得られ
たポリマー電解質前駆体溶液を用い、硬化助剤の相違が
ポリマー骨格に保持された電解液量の減少に及ぼす影響
を、得られたポリマーの硬化度と併せて評価した。実施
例2、3および比較例4、5と同様の手順で、熱硬化後
の重量と24時間経過後の重量を測定し、重量変化割合
を比較した。評価結果を表3に示す。
【0121】
【表3】
【0122】実施例4および比較例6、7で得られたポ
リマー電解質を評価したところ、ポリマー骨格における
電解液の保持能は、硬化助剤における分子量の相違に影
響されることが明らかになった。該述の様に、ポリマー
電解液の重量減少率は、10%以下に押さえられること
が望ましい。本実施例と比較例の結果より、ジペンタエ
リスリトールをモノマーに用いた場合、その効果が得ら
れる硬化助剤分子量の範囲は、150から400、好ま
しくは150から350の範囲に有ることがわかった。
【0123】次に、実施例5および比較例8、9におい
て、重合開始剤の10時間半減期温度および含有率が、
ポリマー骨格の電解液保持能に及ぼす影響を検討した。
【0124】本実施例では、重合開始剤として有機過酸
化物を用いる。10年半減期温度は、重合開始剤として
機能する遊離ラジカルの生成量の指標となる。過酸化物
の10時間半減温度+20℃が硬化温度の目安である。
実施例5では、10時間半減温度が50℃以下の有機過
酸化物を選択した。それに対し、比較例8では、より高
い10時間半減温度を有する有機過酸化物を選択した。
【0125】一般に、有機過酸化物の保管・管理の際、
希釈剤および安定剤の添加が行なわれる。このような希
釈剤や安定化剤を多く含む有機過酸化物は、モノマーの
重合反応を妨げる恐れがある。しかし、有機過酸化物の
分子内に複数個の環式炭化水素基を導入することによっ
て、安定度が増す事が知られている。この場合、希釈剤
や安定化剤の添加はほとんど必要ない。実施例5の有機
過酸化物では環式炭化水素基を含む物質を重合開始剤と
して選択した。これに対し、比較例9では希釈剤と安定
化剤が添加された有機過酸化物を重合開始剤として用い
た。 (実施例5)実施例1と同様に、ビス(4−t−ブチル
シクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(10時間
半減期温度44℃、有機過酸化物の含有率95%以上)
を重合開始剤として用い、ポリマー電解質前駆体を作成
した。作成方法は実施例1と同様である。化7にビス
(4−t−ブチルシクロヘキシル)の構造式を示す。
【0126】
【化7】
【0127】(比較例8)実施例1において、重合開始
剤を1、1、3、3−テトラメチルブチルパーオキシ−
2−エチルヘキサネート(10時間半減期温度65℃、
有機過酸化物の含有率97%)に変更し、ポリマー電解
質前駆体を作成した。重合開始剤の選択以外の作成方法
は実施例1と同様である。化8に1、1、3、3−テト
ラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサネートの
構造式を示す。
【0128】
【化8】
【0129】(比較例9)実施例1において、重合開始
剤をジ(3−メトキシブチルパーオキシカーボネート)
(10時間半減期温度43℃、有機過酸化物の含有率5
0%)に変更し、ポリマー電解質前駆体を作成した。重
合開始剤の選択以外の作成方法は実施例1と同様であ
る。化9にジ(3−メトキシブチルパーオキシカーボネ
ート)の構造式を示す。
【0130】
【化9】
【0131】実施例5および比較例8、9で得られたポ
リマー電解質前駆体溶液を用い、重合開始剤の相違が、
ポリマー骨格に保持された電解液量の減少に及ぼす影響
を評価した。熱硬化後と24時間経過後の重量変化を、
実施例2、3、および比較例4、5と同じ手順で比較し
た。評価結果を表4に示す。
【0132】
【表4】
【0133】実施例5では、重量減少量が5%という低
い値が得られている。該述のように、重量減少量は10
%以下であることが望ましい。実施例5の結果は、重合
開始剤の選定が適切であること、および実施例1の結果
は再現性を有するものであることを意味している。それ
に対して、比較例8および9で得られたポリマー電解質
の重量減少量はどちらも20%を上回っている。本実施
例と比較例の結果から、本発明の実施の形態において、
10時間半減温度が50℃以下であり、環式炭化水素基
を含む有機過酸化物を重合開始剤に選定することが適切
であることがわかった。
【0134】次に、実施例6、7および比較例10、1
1、12において、セパレータ厚みおよびガーレ通気時
間を比較検討した。セパレータは電池において正極と負
極を分離し、特にポリマー電池において機械的強度を保
持する意味も有する。セパレータの物性は、電池特性と
安全性に対して影響を及ぼす。また、セパレータ厚みお
よびガーレ通気時間は電解質塩の移動にも影響を及ぼす
ため、電解質塩の相違についても検討した。 (実施例6)実施例6では、実施例1と同一のセパレー
タおよび電解質塩を用い、同一の作成方法でポリマー電
解質二次電池を作成した。 (実施例7)実施例7では、実施例1と同一のセパレー
タを用いてポリマー電解質二次電池を作成した。ただ
し、電解質塩は1M LiBF4とした。その他の作成
方法は実施例1と同じである。 (比較例10)比較例10では、ガーレ通気時間が23
0秒、厚みが15μmのセパレータを用いてポリマー電
解質二次電池を作成した。電解質塩は実施例1および6
と同一の1M LiPF6とした。その他の作成方法は
実施例1と同じである。 (比較例11)比較例11では、ガーレ通気時間が25
0秒、厚みが9μmのセパレータを用いてポリマー電解
質二次電池を作成した。電解質塩は実施例1および6と
同一の1M LiPF6とした。その他の作成方法は実
施例1と同じである。 (比較例12)比較例12では、ガーレ通気時間が60
0秒、厚みが25μmのセパレータを用いてポリマー電
解質二次電池を作成した。電解質塩は実施例1および6
と同一の1M LiPF6とした。その他の作成方法は
実施例1と同じである。
【0135】以上の評価結果を表5に示す。
【0136】
【表5】
【0137】実施例6と比較例10および11では、セ
パレータのガーレ通気時間を比較した。実施例6の試料
が過充電時にも安定であったのに対し、比較例10の試
料では過充電時に破裂が生じ、十分な機械特性が維持で
きなかった。比較例11のようにセパレータ厚みを減少
させた場合も、同様に機械的強度の低下が生じた。
【0138】一方、比較的大きな厚みと高いガーレ通気
時間を有する比較例12の試料では、十分な機械的強度
は得られたものの、レート特性が78%と著しく低下
し、同時に容量も低下した。
【0139】以上の結果、本発明の実施の形態における
セパレータの厚みは5〜20μm、好ましくは10〜2
0μmが好ましく、セパレータのガーレ通気時間は30
0〜500秒が好ましいことがわかった。
【0140】実施例6と実施例7では、同一のセパレー
タにおいて異なった電解質塩を用いて特性を比較した。
電解質塩としてLiPF6を用いた実施例6も、LiB
4を用いた実施例7でも、共に90%以上の実用的な
レートが得られた。
【0141】以上の結果、本発明の実施例においては、
電解質塩を変更した場合も、良好な特性が得られること
が確認できた。
【0142】以上本発明の実施例について説明してきた
が、本発明はこれに限定されることなく、請求項の範囲
内において各種の変形が可能なことは当業者には自明で
あろう。
【0143】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、優れた電
池特性を有し、高い安全性を有するポリマー電解質電池
を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるポリマー二次電池の模式図であ
る。
【図2】本実施例によるセパレータを設けた負極電極板
の断面図である。
【図3】本実施例による電池素体の断面図である。
【図4】本実施例による外装体に挿入された電池素体の
断面図である。
【図5】本実施例による正負両電極板の断面図である。
【符号の説明】
1 集電体(正・負) 2 電極活物質層(正・負) 3 電極接続端子 4 シャットダウン型セパレータ 6 外装体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H021 BB09 BB12 CC04 EE02 HH00 HH03 HH06 5H029 AJ01 AJ06 AJ12 AK03 AL06 AL12 AM02 AM03 AM04 AM05 AM07 AM16 BJ04 BJ12 CJ11 CJ23 DJ09 EJ04 EJ12 HJ00 HJ04 HJ11 HJ14

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向した正極電極板および負極電極板
    と、前記対向した正極電極板および負極電極板との間に
    セパレータとポリマー電解質とを備えたポリマー電解質
    電池であって、 前記ポリマー電解質は、ジペンタエリスリトールアクリ
    レート系モノマーと直鎖のポリエチレングリコールアク
    リレート系モノマーとの重合体に電解質が含浸されてい
    ることを特徴とするポリマー電解質電池。
  2. 【請求項2】 前記ポリマー電解質は、 分子量が700以上1300以下で、かつ、アクリル当
    量が110以上160以下であるジペンタエリスリトー
    ルアクリレート系モノマーを含むことを特徴とする請求
    項1に記載のポリマー電解質電池。
  3. 【請求項3】 前記ポリマー電解質は、 分子量が150以上400以下である直鎖のポリエチレ
    ングリコールジアクリレート系モノマーを含むことを特
    徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載のポリ
    マー電解質電池。
  4. 【請求項4】 前記セパレータは、 95〜160℃に閉塞温度を有するシャットダウン型で
    あることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか1
    項に記載のポリマー電解質電池。
  5. 【請求項5】 前記セパレータは、 5〜20μmの厚みであることを特徴とする請求項1〜
    4のうちのいずれか1項に記載のポリマー電解質電池。
  6. 【請求項6】 前記セパレータのガーレ通気時間は、 300〜500秒であることを特徴とする請求項1〜5
    のうちのいずれか1項に記載のポリマー電解質電池。
  7. 【請求項7】 前記ポリマー電解質は、 前記セパレータに含浸されていることを特徴とする請求
    項1〜6のうちのいずれか1項に記載のポリマー電解質
    電池。
  8. 【請求項8】 前記ポリマー電解質電池は、 前記対向した正極電極板および負極電極板との間にセパ
    レータとポリマー電解質とを備えた電極構造を、複数積
    層した構造であることを特徴とする請求項1〜7のうち
    のいずれか1項に記載のポリマー電解質電池。
  9. 【請求項9】 ジペンタエリスリトールアクリレート系
    モノマーと、直鎖のポリエチレングリコールアクリレー
    ト系モノマーと、電解質と、重合開始剤とを混合させ、
    モノマー含有電解液を作成する工程と、 対向した正極電極板および負極電極板との間にセパレー
    タを備えた電極構造を複数積層した電池素体を作成する
    工程と、 前記電池素体のセパレータに、前記モノマー含有電解液
    を含浸させる工程と、 前記電池素体を加熱し、前記セパレータに含浸された前
    記モノマー含有電解液を重合させて、ポリマー電解質を
    作成する工程とを有することを特徴とするポリマー電解
    質電池の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記重合開始剤は、 パーオキサイドであることを特徴とする請求項9に記載
    のポリマー電解質電池の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記重合開始剤は、 環式炭化水素基を複数含むことを特徴とする請求項9ま
    たは10のいずれか1項に記載のポリマー電解質電池の
    製造方法。
  12. 【請求項12】 前記重合開始剤は、 10時間半減期温度が35℃〜50℃であることを特徴
    とする請求項9〜11のうちのいずれか1項に記載のポ
    リマー電解質電池の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記電解質は、 リチウム塩と電解液からなることを特徴とする請求項9
    〜12のうちのいずれか1項に記載のポリマー電解質電
    池の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記リチウム塩は、 LiPF6またはLiBF4であることを特徴とする請求
    項9〜13のうちのいずれか1項に記載のポリマー電解
    質電池の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記電解液は、 極性有機溶剤であることを特徴とする請求項9〜14の
    うちのいずれか1項に記載のポリマー電解質電池の製造
    方法。
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