JP2003173782A - リチウム二次電池及び正極 - Google Patents

リチウム二次電池及び正極

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JP2003173782A
JP2003173782A JP2002181037A JP2002181037A JP2003173782A JP 2003173782 A JP2003173782 A JP 2003173782A JP 2002181037 A JP2002181037 A JP 2002181037A JP 2002181037 A JP2002181037 A JP 2002181037A JP 2003173782 A JP2003173782 A JP 2003173782A
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 生産安定性及び品質安定性に優れ、かつ
電池特性に優れるリチウム二次電池及びリチウム二次電
池用正極を提供する。 【解決手段】 正極、負極、及び電解質を有するリチ
ウム二次電池において、正極に下記一般式(I)及び/
又は下記一般式(II)で表される化合物を含有すること
を特徴とするリチウム二次電池。 (上記一般式(I)及び(II)中のR1、R2はそれぞれ
独立して、アルキル基、アリール基、アルケニル基から
なる置換基を表す。但し、R1、R2の水素原子はそれぞ
れ独立して、アルコキシ基で置換されていてもよい。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、リチウム二次電池
に関し、詳しくは、生産安定性及び品質安定性に優れ、
かつ電池特性に優れるリチウム二次電池及びリチウム二
次電池用正極に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カメラ一体型VTR装置、オーデ
ィオ装置、携帯型コンピュータ、携帯電話等様々な機器
の小型化、軽量化が進んでおり、これら機器の電源とし
ての電池に対する高性能化の要請が高まっている。中で
も、高電圧、高エネルギー密度の実現が可能なリチウム
二次電池の開発が盛んになっている。
【0003】リチウム二次電池は、通常、正極、負極及
び電解質を有する。そして、前記正極は、通常、正極を
構成する材料を溶媒に分散させたスラリー(以下本明細
書においては、これを正極製造用スラリーという場合が
ある。)を用いて、これを集電体上に塗布、乾燥するこ
とよって製造される。この製造方法は、一度に大面積の
正極を製造することができるため、工業的に生産性が高
く有用な方法である。
【0004】しかしながら、一般に、前記正極製造用ス
ラリーは、分散安定性が悪く、ゲル化しやすいという問
題がある。前記スラリーがゲル化するとは、前記スラリ
ーの粘度が増加することによりその流動性や均一性が失
われることを指し、ゲル化が極度に進行すると集電体へ
の塗布が不可能となる問題がある。また、ゲル化が比較
的軽度で前記塗布自体は可能な場合においても、前記ス
ラリーのゲル化によって正極の塗布均一性が不安定とな
り、一定の品質を満たす正極の生産が困難となる問題も
ある。このような正極製造用スラリーのゲル化の問題に
対して、特開平10−74521号公報には、シュウ酸
等の所定のカルボン酸を電極塗布用インクに含有させる
技術が開示されている。また、特開平10−79244
号公報には、トリフロロメタンスルホン酸等を正極に含
有する技術が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、本発明者等の
検討では、シュウ酸等のカルボン酸は正極製造用スラリ
ーのゲル化抑制には効果があるものの、そのような正極
を用いたリチウム二次電池は、正極と組合せる負極や電
解質の組成によっては、電池特性が悪化する場合がある
ことが判明した。また、トリフロロメタンスルホン酸等
の化合物は、空気中の水分と反応して白煙を生じるなど
取り扱いが難しく、工業生産に用いる化合物としては不
向きである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記実情に鑑みて、本発
明者等は、正極製造用スラリーのゲル化を抑制しつつも
電池特性を悪化させず、さらには工業上の取り扱いが容
易であるような化合物について鋭意検討した。その結
果、本発明者等は、所定のスルホン酸及び/又はそのリ
チウム塩が取り扱いが容易で、これを正極製造用のスラ
リーに含有させると前記スラリーのゲル化が抑制され、
かつ電池特性の悪化も抑制されることを見出した。
【0007】すなわち、本発明の第一の要旨は、正極、
負極、及び電解質を有するリチウム二次電池において、
正極に下記一般式(I)及び/又は下記一般式(II)で
表される化合物を含有することを特徴とするリチウム二
次電池に存する。
【0008】
【化4】
【0009】
【化5】
【0010】(上記一般式(I)及び(II)中のR1
2はそれぞれ独立して、アルキル基、アリール基、ア
ルケニル基からなる置換基を表す。但し、R1、R2の水
素原子はそれぞれ独立して、アルコキシ基で置換されて
いてもよい。) また、本発明の第二の要旨は、前記一般式(I)及び/
又は前記一般式(II)で表される化合物を含有すること
を特徴とするリチウム二次電池用正極に存する。
【0011】本発明のリチウム二次電池は、正極、負
極、及び電解質を有し、正極に下記一般式(I)及び/
又は下記一般式(II)で表される化合物を含有する。
【0012】
【化6】
【0013】
【化7】
【0014】ここで、上記一般式(I)及び(II)中の
1、R2はそれぞれ独立して、アルキル基、アリール
基、アルケニル基からなる置換基を表すが、好ましくは
炭素数1〜20個のアルキル基、炭素数1〜20個のア
リール基、炭素数1〜20個のアルケニル基である。こ
れらの置換基を用いれば、工業的に取り扱いが容易な化
合物を得ることができる。
【0015】ここで、正極製造用スラリーのゲル化を防
止する化合物として従来から知られているトリフロロメ
タンスルホン酸は、不安定な化合物であり、空気中の水
分と反応して激しく揮発する。従って、工業生産におい
ては、作業員の人体への影響や環境への影響を十分注意
し、揮発したトリフロロメタンスルホン酸の反応物を回
収する装置等を導入する必要がある。一方、本件発明に
用いる前記一般式(I)及び/又は前記一般式(II)で
表される化合物は、上記のような注意をする必要がな
く、工業生産に用いるには非常に有用な化合物である。
【0016】さらに、正極製造用スラリーのゲル化を防
止する化合物として従来から知られているシュウ酸等の
所定のカルボン酸は、正極と組合せる負極や電解質の組
成によっては、リチウム二次電池の電池特性が悪化する
場合がある。一方、本件発明に用いる前記一般式(I)
及び/又は前記一般式(II)で表される化合物は、電池
特性を悪化させることがなく非常に有用な化合物であ
る。
【0017】炭素数1〜20のアルキル基としては、例
えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロ
ピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−
ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペン
チル基、tert−ペンチル基、tert−ヘキシル基
等の炭素数1〜20個の直鎖または分岐のアルキル基
や、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、アダマンチ
ル基等の炭素数6〜20個の環状アルキル基がある。こ
れらアルキル基の中でも、メチル基、エチル基、プロピ
ル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル
基、sec−ブチル基、tert−ブチル基が、入手が
比較的容易な点、価格面で優位な点、分子量が比較的小
さく同量添加する場合中和効率が高い点からより好まし
い。
【0018】炭素数1〜20のアリール基としては、例
えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル
基、ナフチル基、アントリル基、メチルフェニル基、エ
チルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル
基、ジメチルフェニル基、ジエチルフェニル基等があ
る。これらアリール基の中でも、フェニル基、メチルフ
ェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブ
チルフェニル基、ジメチルフェニル基、ジエチルフェニ
ル基が、入手が比較的容易な点、価格面で優位な点、分
子量が比較的小さく同量添加する場合中和効率が高い点
からより好ましい。
【0019】炭素数1〜20のアルケニル基としては、
例えば、ビニル基、1−プロぺニル基、2−プロぺニル
基、イソプロぺニル基、ブチニル基、ペンチニル基、
(1−ブチニル)ペンチル基等の炭素数1〜20個の直
鎖あるいは分岐のアルケニル基がある。これらアルケニ
ル基の中でも、ビニル基が、分子量が比較的小さく同量
添加する場合中和効率が高い点からより好ましい。
【0020】但し、前記置換基R1、R2の水素原子はそ
れぞれ独立して、さらにアルコキシ基で置換されていて
もよい。置換する前記アルキル基としては、好ましくは
炭素数1〜20個のアルコキシ基であり、例えば、メト
キシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブ
トキシ基等がある。これらアルコキシ基の中でも、メト
キシ基、エトキシ基が、入手が比較的容易な点、価格面
で優位な点、分子量が比較的小さく同量添加する場合中
和効率が高い点からより好ましい。
【0021】前記置換基R1、R2の水素原子をアルコキ
シ基で置換したものとしては、例えば、エトキシフェニ
ル基、メトキシフェニル基を挙げることができる。前記
一般式(I)の具体的な化合物としては、例えば、メタ
ンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン
酸、ブタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエン
スルホン酸等を挙げることができる。これら化合物の中
でも、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸が、特に
入手が比較的容易な点、価格面で優位な点、分子量が比
較的小さく同量添加する場合中和効率が高い点からより
好ましい。また、前記一般式(II)の具体的な化合物と
しては、上記の一般式(I)において挙げた具体的化合
物のリチウム塩を挙げることができる。
【0022】前記一般式(I)及び/又は前記一般式
(II)で表される化合物は、後述する正極活物質に対し
て、通常0.01重量%以上、好ましくは0.1重量%
以上、一方、通常10重量%以下、好ましくは1重量%
以下含有される。含有量をこの範囲とすることで、電池
特性が良好で、かつ正極製造用スラリーのゲル化も特に
有効に防止される。
【0023】前記一般式(I)及び/又は前記一般式
(II)で表される化合物は、正極製造用スラリーのゲル
化を抑制するが、前記スラリー中へ前記化合物を含有さ
せる方法は特に制限されない。このような方法として、
例えば、前記化合物を正極製造用スラリーに用いる溶媒
にあらかじめ溶解又は分散させておいた後、正極を構成
するその他の材料を含有させる方法を挙げることができ
る。
【0024】正極は、通常、集電体上に正極を構成する
材料を含有する正極材料層が積層された構造を有する。
正極がこのような構造を採る場合、前記一般式(I)及
び/又は(II)で表される化合物は、通常、前記正極材
料層に含有される。さらに正極材料層は、通常、正極活
物質を含有する。正極活物質としては、遷移金属酸化
物、リチウムと遷移金属との複合酸化物、遷移金属硫化
物等各種の無機化合物が挙げられる。ここで遷移金属と
してはFe、Co、Ni、Mn等が用いられる。具体的
には、MnO、V25 、V613 、TiO2 等の遷移
金属酸化物粉末、リチウムニッケル複合酸化物、リチウ
ムコバルト複合酸化物、リチウムマンガン複合酸化物な
どのリチウムと遷移金属との複合酸化物粉末、TiS
2 、FeS、MoS2 などの遷移金属硫化物粉末等が挙
げられる。これらの化合物はその特性を向上させるため
に部分的に元素置換したものであっても良い。また、ポ
リアニリン、ポリピロール、ポリアセン、ジスルフィド
系化合物、ポリスルフィド系化合物、N−フルオロピリ
ジニウム塩等の有機化合物を用いることもできる。これ
らの無機化合物、有機化合物を混合して用いても良い。
正極活物質の粒径は、通常1μm以上、一方、通常30
μm以下、好ましくは10μm以下とする。粒径が大き
すぎても小さすぎても、レート特性、サイクル特性等の
電池特性が低下する傾向にある。
【0025】これら正極活物質のうち、好ましいのは、
リチウムと遷移金属との複合酸化物であり、具体的に
は、LiNiO2等のリチウムニッケル複合酸化物、L
iCoO2等のリチウムコバルト複合酸化物、LiMn2
4等のリチウムマンガン複合酸化物である。より好ま
しいのは、正極活物質として、リチウムニッケル複合酸
化物を用いることである。リチウムニッケル複合酸化物
は、単位重量あたりの電流容量が大きく、電池容量を高
くすることができる一方で、リチウムニッケル複合酸化
物を正極製造用スラリーに含有させるとゲル化が特に進
行しやすい。従って、正極活物質として、リチウムニッ
ケル複合酸化物を用いた場合に、前記一般式(I)及び
/又は一般式(II)で表される化合物を前記スラリー中
に含有させる効果が顕著に発揮される。
【0026】リチウムニッケル複合酸化物は、少なくと
もリチウム及びニッケルを含有する酸化物である。リチ
ウムニッケル複合酸化物としては、例えば、α−NaF
eO2構造等の層状構造を有する、LiNiO2のような
リチウムニッケル複合酸化物が好ましい。具体的な組成
としては、例えば、LiNiO2、LiNi24等を挙
げることができる。この場合、リチウムニッケル複合酸
化物は、Niが占めるサイトの一部をNi以外の元素で
置換したものであってもよい。Niサイトの一部を他の
元素で置換することによって、結晶構造の安定性を向上
させることができ、繰り返し充放電する際のNi元素の
一部がLiサイトに移動して発生する容量低下が抑制さ
れるため、サイクル特性も向上する。さらに、Niサイ
トの一部をNi以外の元素で置換することによって、D
SC(DifferentialScanning C
alorimetry:示差走査熱量測定)の発熱開始
温度が高温側にシフトするため、電池の温度が上昇した
場合のリチウムニッケル複合酸化物の熱暴走反応も抑制
され、結果として高温保存時の安全性の向上につなが
る。
【0027】Niが占めるサイトの一部をNi以外の元
素で置換する際の、該元素(以下、置換元素と表記す
る)としては、例えば、Al、Ti、V、Cr、Mn、
Fe、Co、Li、Cu、Zn、Mg、Ga、Zr等が
挙げられる。無論、Niサイトは2種以上の他元素で置
換されていてもよい。好ましくはAl、Ti、Cr、F
e、Co、Li、Mg、Ga、Mnが挙げられ、更に好
ましくはAl、Ti、Co、Mnが挙げられる。Ni元
素の一部をAl、Ti、Co、Mnで置換することによ
り、サイクル特性、安全性の改善効果が大きくなる。
【0028】置換元素によりNiサイトを置換する場
合、その割合は通常Ni元素の2.5モル%以上、好ま
しくは5モル%以上であり、通常Ni元素の50モル%
以下、好ましくは30モル%以下である。置換割合が少
なすぎるとサイクル特性等の改善効果が充分ではない場
合があり、多すぎると電池にした場合の容量が低下して
しまう場合がある。
【0029】尚、上記の組成において、少量の酸素欠
損、不定比性を持っていてもよい。また、酸素サイトの
一部が硫黄やハロゲン元素で置換されていてもよい。リ
チウムニッケル複合酸化物は、下記一般式(III)で表
される、無置換又はNiサイトがCo及びAlで置換さ
れる化合物であることが特に好ましい。
【0030】
【化8】 LiαNiXCoYAlZ2 (III) 一般式(III)中、αは、電池内での充放電の状況によ
り変化する数であり、αは、通常0以上、好ましくは
0.2以上、より好ましくは0.95以上であり、一
方、通常1.1以下、好ましくは1.08以下である。
この範囲とすれば、高容量を維持しつつ、繰り返し充放
電特性(本明細書においては、サイクル特性という場合
がある。)が良好となる。特にαを0.95以上とすれ
ば、容量とサイクル特性のバランスがより良好に保たれ
る。Xは、通常0.1以上、好ましくは0.5以上、よ
り好ましくは0.7以上であり、一方、1以下、好まし
くは0.9以下である。この範囲とすれば、容量を高く
保ちつつ、サイクル特性も良好となる。容量の点から
は、Xは1に近いことが好ましいが、サイクル特性を考
慮すると、Xを0.7以上0.9以下とすることが特に
好ましい。Yは、0以上、好ましくは0.05以上、よ
り好ましくは0.1以上であり、一方、0.9以下、好
ましくは0.4以下、より好ましくは0.3以下であ
る。この範囲とすればサイクル特性を良好に保ちつつ、
リチウム二次電池としての安全性も確保されるようにな
る。Zは、0以上、好ましくは0.01以上、より好ま
しくは0.05以上であり、一方、0.8以下、好まし
くは0.2以下、より好ましくは0.1以下である。こ
の範囲とすれば、電池容量を落とさずに、リチウム二次
電池としての安全性を確保することができるようにな
る。尚、上記のX、Y、Zは、0.9≦X+Y+Z≦
1.1の関係を満たすが、通常X+Y+Z=1.0であ
る。本発明においては、Ni元素の一部をCoで置換す
ることにより、前記した通り、サイクル特性、及び安全
性の改善効果が大きくなるが、さらにNi元素の一部を
Alで置換することによりサイクル特性、及び安全性の
向上がさらに達成される。
【0031】本発明で用いるリチウムニッケル複合酸化
物の比表面積は、通常0.01m2 /g以上、好ましく
は0.1m2/g以上、より好ましくは0.5m2/g以
上であり、また通常10m2/g以下、好ましくは5m2
/g以下、より好ましくは2m2/g以下である。比表
面積が小さすぎるとレート特性の低下、容量の低下を招
き、大きすぎると電解液等と好ましくない反応を引き起
こし、サイクル特性を低下させることがある。比表面積
の測定はBET法に従う。
【0032】本願発明で用いるリチウムニッケル複合酸
化物の平均粒径は、通常0.1μm以上、好ましくは
0.2μm以上、さらに好ましくは0.3μm以上、最
も好ましくは0.5μm以上であり、通常300μm以
下、好ましくは100μm以下、さらに好ましくは50
μm以下、最も好ましくは20μm以下である。平均粒
径が小さすぎると電池のサイクル劣化が大きくなった
り、安全性に問題が生じたりする場合があり、大きすぎ
ると電池の内部抵抗が大きくなり、出力が出にくくなる
場合がある。
【0033】正極活物質としては、リチウムニッケル複
合酸化物を単独で用いても良いが、他のリチウム遷移金
属複合酸化物をさらに併用しても良い。このようなリチ
ウム遷移金属複合酸化物として、リチウムコバルト複合
酸化物を挙げることができる。リチウムコバルト複合酸
化物は、放電曲線が平坦であるためレート特性に優れる
有用な正極材料である。リチウムコバルト複合酸化物と
しては、例えば、層状構造を有するLiCoO2等を挙
げることができる。また、リチウムコバルト複合酸化物
は、Coが占めるサイトの一部をCo以外の元素で置換
したものであってもよい。Coサイトを他元素で置換す
ることにより、電池のサイクル特性・レート特性が向上
する場合がある。Coが占めるサイトの一部をCo以外
の元素で置換する際の、置換元素としては、Al、T
i、V、Cr、Mn、Fe、Li、Ni、Cu、Zn、
Mg、Ga、Zr、Sn、Sb、Ge等が挙げられ、好
ましくはAl、Cr、Fe、Li、Ni、Mg、Ga、
Zr、Sn、Sb、Ge更に好ましくはAl、Mg、Z
r、Snである。なお、Coサイトは2種以上の他元素
で置換されていてもよい。
【0034】置換元素によりCoサイトを置換する場
合、その割合は通常Co元素の0.03モル%以上、好
ましくは0.05モル%以上であり、通常Co元素の3
0モル%以下、好ましくは20モル%以下である。置換
割合が少なすぎると結晶構造の安定性向上が充分ではな
い場合があり、多すぎると電池にした場合の容量が低下
してしまう場合がある。
【0035】リチウムコバルト複合酸化物は、通常、充
電前の基本的な組成としてLiCoO2で表されるが、
前記したようにCoサイトの一部を他の元素で置換して
もよい。また、上記組成式において、少量の酸素欠損、
不定性があっても良く、酸素サイトの一部が硫黄やハロ
ゲン元素で置換されていてもよい。さらには、上記組成
式において、リチウム量を過剰又は不足にしたりするこ
とができる。
【0036】リチウムコバルト複合酸化物の比表面積
は、通常0.01m2/g以上、好ましくは0.1m2
g以上、より好ましくは0.4m2/g以上であり、ま
た通常10m2/g以下、好ましくは5.0m2/g以
下、より好ましくは2.0m2/g以下である。比表面
積が小さすぎるとレート特性の低下、容量の低下を招
き、大きすぎると電解液等と好ましくない反応を引き起
こし、サイクル特性を低下させることがある。比表面積
の測定はBET法に従う。
【0037】リチウムコバルト複合酸化物の平均二次粒
径は、通常0.1μm以上、好ましくは0.2μm以
上、さらに好ましくは0.3μm以上、最も好ましくは
0.5μm以上であり、通常300μm以下、好ましく
は100μm以下、さらに好ましくは50μm以下、最
も好ましくは20μm以下である。平均二次粒径が小さ
すぎると電池のサイクル劣化が大きくなったり、安全性
に問題が生じたりする場合があり、大きすぎると電池の
内部抵抗が大きくなり、出力が出にくくなる場合があ
る。
【0038】本発明のリチウム二次電池に用いられる負
極は、通常、集電体の上に負極材料層を形成してなり、
前記負極材料層中に、Liを吸蔵・放出し得る負極活物
質を通常含有する。負極活物質としては、炭素系活物質
を挙げることができる。炭素系活物質としては、例え
ば、黒鉛及び、石炭系コークス、石油系コークス、石炭
系ピッチの炭化物、石油系ピッチの炭化物、あるいはこ
れらピッチを酸化処理したものの炭化物、ニードルコー
クス、ピッチコークス、フェノール樹脂、及び結晶セル
ロース等の炭化物等並びにこれらを一部黒鉛化した炭素
材、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ピッチ
系炭素繊維等を用いることができる。また、これら炭素
系活物質は、金属やその塩、酸化物との混合体、被覆体
の形であっても利用できる。上記炭素系活物質の他、負
極活物質としては、けい素、錫、亜鉛、マンガン、鉄、
ニッケルなどの酸化物、あるいは硫酸塩さらには金属リ
チウムやLi−Al、Li−Bi−Cd、Li−Sn−
Cdなどのリチウム合金、リチウム遷移金属窒化物、け
い素、錫などの金属なども使用できる。これら負極活物
質の粒径は、通常1μm以上、好ましくは5μm以上で
あり、一方通常50μm以下、好ましくは30μm以下
である。あまりに大きすぎても小さすぎても初期効率、
レート特性、サイクル特性等の電池特性が低下する傾向
にある。無論、上記した中から選ばれる2種以上の負極
活物質を併用してもよい。
【0039】正極材料層及び負極材料層には、上記の正
極活物質、負極活物質の他にバインダーを含有しても良
い。活物質100重量部に対するバインダーの場合は、
通常0.01重量部以上、好ましくは0.1重量部以
上、更に好ましくは1重量部以上、通常50重量部以
下、好ましくは30重量部以下、更に好ましくは15重
量部以下である。バインダーの量が少なすぎると強固な
正極及び負極が形成させにくい。バインダーの量が多す
ぎると、エネルギー密度やサイクル特性が低下する場合
がある。
【0040】バインダーとしては、例えば、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ−1,1−ジメチルエチレン
などのアルカン系ポリマー;ポリブタジエン、ポリイソ
プレンなどの不飽和系ポリマー;ポリスチレン、ポリメ
チルスチレン、ポリビニルピリジン、ポリ−N−ビニル
ピロリドンなどの環を有するポリマー;ポリメタクリル
酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリメタクリル酸
ブチル、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリル酸エチ
ル、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリル
アミドなどのアクリル誘導体系ポリマー;ポリフッ化ビ
ニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチ
レン等のフッ素系樹脂;ポリアクリロニトリル、ポリビ
ニリデンシアニドなどのCN基含有ポリマー;ポリ酢酸
ビニル、ポリビニルアルコールなどのポリビニルアルコ
ール系ポリマー;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン
などのハロゲン含有ポリマー;ポリアニリンなどの導電
性ポリマーなど各種の樹脂が使用できる。また、上記の
ポリマーなどの混合物、変成体、誘導体、ランダム共重
合体、交互共重合体、グラフト共重合体、ブロック共重
合体などであっても使用できる。また、シリケートやガ
ラスのような無機化合物を使用することもできる。本発
明においては、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデ
ン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂を使
用することが好ましい。
【0041】バインダーの重量平均分子量は、通常10
00以上、好ましくは10000以上、さらに好ましく
は20000以上であり、通常5000000以下、好
ましくは1000000以下、さらに好ましくは300
000以下である。低すぎると電極の機械的強度が低下
する場合がある。高すぎると、正極製造用スラリー(又
は後述の負極製造用スラリー)を集電体に塗布すること
により製造する際の、前記スラリーの粘度が高くなり正
極材料層(又は負極材料層)の形成が困難になる。
【0042】また正極材料層及び負極材料層には、必要
に応じて導電材料、補強材など各種の機能を発現する添
加剤、粉体、充填材などを含有しても良い。導電材料と
しては、上記活物質に適量混合して導電性を付与できる
ものであれば特に制限は無いが、通常、アセチレンブラ
ック、カーボンブラック、黒鉛などの炭素粉末や、各種
の金属ファイバー、箔などが挙げられる。補強材として
は各種の無機、有機の球状、繊維状フィラーなどが使用
できる。
【0043】正極及び負極に使用される集電体の材料と
しては、通常、アルミニウム、銅、ニッケル、錫、ステ
ンレス鋼等の金属、これら金属の合金等を用いることが
できる。この場合、正極の集電体としては、通常アルミ
ニウムが用いられ、負極の集電体としては、通常銅が用
いられる。集電体の形状は特に制限されず、例えば、板
状やメッシュ状の形状を挙げることができる。集電体の
厚みは通常1μm以上であり、一方通常50μm以下、
好ましくは30μm以下である。薄すぎると機械的強度
が弱くなるが、厚すぎると電池が大きくなり、電池の中
で占めるスペースが大きくなってしまい、電池のエネル
ギー密度が小さくなる。
【0044】正極及び負極の厚さは、それぞれ通常1μ
m以上、好ましくは10μm以上であり、通常は500
μm以下、好ましくは200μm以下である。あまりに
厚くても薄くても容量やレート特性等の電池性能が低下
する傾向にある。正極の製造方法は、前述の通り、正極
製造用スラリーを集電体状に塗布・乾燥させることによ
り、集電体上に正極材料層を形成させる方法を用いるこ
とが好ましいが、負極の製造方法も正極同様の方法を用
いることができる。つまり、前記負極活物質やバインダ
ー等を溶媒に溶解又は分散させた負極製造用スラリーを
集電体上に塗布・乾燥させることにより、集電体上に負
極材料層が積層された構造を有する負極を得ることがで
きる。
【0045】ここで、正極製造用スラリー又は負極製造
用スラリー用の溶媒としては、例えばN−メチルピロリ
ドンや、ジメチルホルムアミドを挙げることができ、好
ましくはN−メチルピロリドンである。塗料中の溶剤濃
度は、少なくとも10重量%より大きくするが、通常2
0重量%以上、好ましくは30重量%以上、さらに好ま
しくは35重量%以上である。また、上限としては、通
常90重量%以下、好ましくは80重量%以下である。
溶剤濃度が低すぎると塗布が困難になることがあり、高
すぎると塗布膜厚を上げることが困難になると共に正極
製造用スラリー及び負極製造用スラリーの安定性が悪化
することがある。
【0046】また、正極活物質(負極活物質)やバイン
ダー等を分散してスラリーを製造する際に用いる分散機
は特に制限されず、例えば、プラネタリーミキサー、ボ
ールミル、サンドミル、二軸混練機などを用いることが
できる。正極製造用スラリー及び負極製造用スラリーを
それぞれ集電体上に塗布する際に用いる塗布装置に関し
ても特に限定されず、スライドコーティングやエクスト
ルージョン型のダイコーティング、リバースロール、グ
ラビアコーター、ナイフコーター、キスコーター、マイ
クログラビアコーター、ロッドコーター、ブレードコー
ターなどが挙げられるが、ダイコーティングが好まし
く、前記スラリー粘度および塗布膜厚等を考慮するとエ
クストルージョン型のダイコーティングが最も好まし
い。
【0047】負極の製造方法としては、前記負極製造用
スラリーを用いる他、例えば、溶媒を用いずに、負極活
物質やバインダー等を混練後、集電体に圧着することに
より製造することもできる。本発明のリチウム二次電池
に用いられる電解質は、通常、溶質と非水系溶媒を少な
くとも有する電解液を含有し、正極と負極との間に電解
質層として存在するのみならず、正極と負極の空隙中に
も存在している。
【0048】電解液中の非水系溶媒は、特に限定されな
いが、比較的高誘電率の溶媒が好適に用いられる。具体
的にはエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート
等の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート、ジエ
チルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどの非
環状カーボネート類、テトラヒドロフラン、2−メチル
テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン等のグライム
類、γ−ブチルラクトン等のラクトン類、スルフォラン
等の硫黄化合物、アセトニトリル等のニトリル類等を挙
げることができる。中でも、リチウム二次電池の安全性
を向上させることができる観点から、沸点が150℃以
上、特に200℃以上の高沸点溶媒を使用するのが好ま
しい。このような高沸点溶媒としては、プロピレンカー
ボネート(沸点240℃)、エチレンカーボネート(沸
点243℃)、ブチレンカーボネート(沸点240
℃)、γ−ブチロラクトン(沸点204℃)等を挙げる
ことができる。中でも高沸点溶媒としてプロピレンカー
ボネート、エチレンカーボネート、γ−ブチロラクトン
を使用するのが好ましい。
【0049】以上の非水系溶媒は、複数種を併用するこ
とができる。前記高沸点溶媒を使用する場合、使用する
非水系溶媒に対する前記高沸点溶媒の割合は、好ましく
は60体積%以上、さらに好ましくは70体積%以上、
さらに好ましくは80体積%以上、最も好ましくは90
体積%以上とする。また、複数の溶媒を併用する場合の
非水系溶媒全体としての沸点を200℃以上とするのが
好ましい。非水系溶媒全体としての沸点を200℃以上
とすれば、リチウム二次電池の高温下での安全性が格段
に向上する。なお、「沸点X℃以上」とは、圧力1at
mのもとで室温からX℃まで加熱しても蒸気圧が1at
mを越えないことを意味する。即ち、圧力1atmのも
とで室温から200℃まで加熱した場合、常に蒸気圧が
1atm以下であることを意味する。
【0050】なお、非水系溶媒は、粘度が1mPa・s
以上であることが好ましい。電解質に使用する溶質とし
ては、通常リチウム塩が用いられ、リチウム塩として
は、例えば、LiPF6、LiAsF6、LiSbF6
LiBF4、LiClO4、LiI、LiBr、LiC
l、LiAlCl、LiHF2、LiSCN、LiSO3
CF2等を挙げることができる。これらのうちでは特に
LiPF6、LiBF4及びLiClO4が好適である。
これら溶質の電解液における含有量は、通常0.5〜
2.5mol/lである。
【0051】電解質は、非流動性を有するものが好まし
い。非流動性電解質を用いることによって、電解液の液
漏れ等が有効に防止され、リチウム二次電池の安全性を
より高めることができる。このような非流動性電解質と
しては、具体的には、完全固体型の電解質の外、ポリマ
ーにより前記電解液を保持した、いわゆるポリマー電解
質が挙げられる。ポリマー電解質は、通常上記非水電解
液をポリマーによって保持することによってゲル状を呈
する。ポリマーの電解液に対する濃度は、使用するポリ
マーの分子量にもよるが、通常0.1〜30重量%であ
る。濃度が低すぎるとゲルを形成しにくくなり、電解液
の保持性が低下して流動、液漏れの問題が生じることが
ある。また濃度が高すぎると粘度が高くなりすぎて工程
上困難を生じるとともに、電解液の割合が低下してイオ
ン伝導度が低下しレート特性などの電池特性が低下する
傾向にある。電解質を保持するポリマーとしては、アル
キレンオキシドユニットを有するアルキレンオキシド系
高分子や、ポリフッ化ビニリデンやフッ化ビニリデン−
ヘキサフルオロプロピレン共重合体のようなフッ素系高
分子等、上記機能を有する各種のポリマーを挙げること
ができる。
【0052】非流動性電解質を形成する方法としては、
あらかじめポリマーを電解液に溶解させた電解質塗料と
して用いる方法、また電解液に重合性モノマーを含有さ
せた電解質塗料を架橋反応させて非流動性電解質とする
方法など必要に応じた材料・製法を採用し、電解質層を
形成することができる。本発明における非流動性電解質
の形成を、電解液に重合性モノマーを含有させた塗料を
架橋反応させて非流動化電解質とする方法で行う場合に
は、紫外線硬化や熱硬化などの重合処理を施すことによ
って高分子を形成するモノマーを重合性モノマーとして
電解液に添加することにより塗料を調製する。
【0053】重合性モノマーとしては、例えばアクリロ
イル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基等の不
飽和二重結合を有するものが挙げられる。具体的には、
例えば、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エ
チル、エトキシエチルアクリレート、メトキシエチルア
クリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、ポ
リエチレングリコールモノアクリレート、エトキシエチ
ルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレート、エ
トキシエトキシエチルメタクリレート、ポリエチレング
リコールモノメタクリレート、N、N−ジエチルアミノ
エチルアクリレート、N、N−ジメチルアミノエチルア
クリレート、グリシジルアクリレート、アリルアクリレ
ート等が挙げられる。
【0054】他の使用可能な具体例としては、アクリロ
ニトリル、N−ビニルピロリドン、ジエチレングリコー
ルジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレ
ート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリ
エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコ
ールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタ
クリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレー
ト、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリア
ルキレングリコールジアクリレート、ポリアルキレング
リコールジメタクリレート等が挙げられ、さらにトリメ
チロールプロパンアルコキシレートトリアクリレート、
ペンタエリスリトールアルコキシレートトリアクリレー
トなどの3官能モノマー、ペンタエリスリトールアルコ
キシレートテトラアクリレート、ジトリメチロールプロ
パンアルコキシレートテトラアクリレートなどの4官能
以上のモノマー等も使用できる。これらの中から反応
性、極性、安全性などから好ましいものを単独、または
組み合わせて用いれば良い。これらの中で特に好ましく
はエチレノキシド基を複数含有するジアクリレート、ト
リアクリレートである。これらのモノマーを熱、紫外
線、電子線等によって重合させることにより、電解質を
非流動性電解質とすることができる。電解液中における
重合性モノマーの含有量は特に制限されないが、好まし
くは塗料中に1重量%以上含有することが好ましい。含
有量が低いと高分子の形成効率が低下し、電解液を非流
動化しにくくなる。他方、あまりに多すぎると未反応モ
ノマーの残留や電解質塗料としての操作性が悪くなるの
で、通常30重量%以下とする。
【0055】非流動性電解質を、あらかじめポリマーを
含有した電解質塗料を用いて生成する方法においては、
ポリマーとして、高温で電解液に溶解し、常温でゲル状
電解質を形成する高分子を使用するのが好ましい。この
様な特性を持ち、電池材料として安定なものであればど
のような高分子でも使用できるが、例えば、ポリビニル
ピリジン、ポリ−N−ビニルピロリドン等の環を有する
ポリマー;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸
エチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリアクリル酸メチ
ル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸、ポリメタ
クリル酸、ポリアクリルアミドなどのアクリル誘導体系
ポリマー;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等
のフッ素系樹脂;ポリアクリロニトリル、ポリビニリデ
ンシアニド等のCN基含有ポリマー;ポリ酢酸ビニル、
ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール系ポリ
マー;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲ
ン含有ポリマー等が挙げられる。これらの中、好ましく
はポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポ
リエチレノキシド、あるいはそれらの変性体である。
【0056】また、上記のポリマー等の混合物、変成
体、誘導体、ランダム共重合体、交互共重合体、グラフ
ト共重合体、ブロック共重合体等であっても使用でき
る。後述するようにリチウム電池に使用される非水系溶
媒、溶質が極性を有するものであるから、ポリマー(高
分子)も有る程度の極性を有する方が好ましい。更に、
これらのポリマーの重量平均分子量は、好ましくは1
0,000〜5,000,000の範囲である。分子量が
低いとゲルを形成しにくくなり、他方、あまり分子量が
高いと粘度が高くなりすぎて取り扱いが難しくなる。
【0057】高温で電解液に溶解し、常温でゲル状電解
質を形成するポリマーを使用した非流動化電解質の形成
法では、ポリマーを電解液に加温して溶解する。加温温
度としては通常50℃以上、好ましくは100℃以上で
あり、一方、通常200℃以下、好ましくは160℃以
下である。あまりにも低温で溶解するようであると、非
流動化電解質の安定性が低下する。溶解温度が高すぎる
と、電解液成分、ポリマー等の分解を引き起こすことが
あり得る。非流動化の条件としては、ポリマー溶解電解
液を室温で冷却することが好ましいが、強制冷却しても
よい。
【0058】電解質中には、必要に応じて、電池の性能
向上のために各種の添加剤を添加することができる。電
解質層は、多孔質フィルムのような支持体を併用するの
が好ましい。多孔質フィルムとしては、高分子樹脂から
なるフィルムや、粉体とバインダーからなる薄膜が好ま
しく使用でき、より好ましくはポリエチレン、ポリプロ
ピレン等からなる多孔質膜である。
【0059】通常、正極と負極は、前記電解質層を介し
て積層された状態(以下、この積層された状態を電池要
素という場合がある。)でケースに収納される。長尺に
形成された電池要素は巻回してケースに収納することが
でき、また、平板状に形成された電池要素をそのままケ
ースに収納してもよいし、平板状に形成された電池要素
を複数個積層した状態でケースに収納することもでき
る。
【0060】電池要素を収納するケースとしては、例え
ば、金属ケースのように剛性の高いケースや、剛性は低
いが軽量である形状可変性を有するケースを挙げること
ができる。本発明においては、リチウム二次電池のさら
なる小型化、軽量化が可能となる観点から、形状可変性
を有するケースを用いることが好ましい。形状可変性ケ
ースとは、柔軟性、屈曲性を有するケースを意味し、そ
の具体例としては、ビニール袋の様な高分子フィルムか
らなる袋、高分子フィルムからなる真空包装用袋もしく
は真空パック、金属箔と高分子フィルムとのラミネート
素材からなる真空包装用袋もしくは真空パック、プラス
チックで形成された缶、プラスチックの板で挟んで周囲
を溶着、接着、はめ込み等で固定したケース等が挙げら
れる。これらの中では、気密性、形状可変性の点で高分
子フィルムからなる真空包装用袋もしくは真空パック、
または金属箔と樹脂(高分子フィルム)とのラミネート
素材からなる真空包装用袋もしくは真空パックが好まし
い。
【0061】材質としては、プラスチック、高分子フィ
ルム、金属フィルム、ゴム、薄い金属板、ガスバリア層
と樹脂層とを有するラミネートフィルム等が挙げられ
る。ケースの材質として、特に好ましいのは、金属や金
属酸化物からなるガスバリア層の両面に樹脂層を設けて
なるラミネートフィルムである。ラミネートフィルムを
電池要素の外装ケースとして用いれば、リチウム二次電
池の軽量化・小型化が達成される。
【0062】形状可変性ケースの部材厚さは、通常0.
01μm以上、好ましくは0.02μm以上、さらに好
ましくは0.05μm以上であり、通常5mm以下、好
ましくは1mm以下、さらに好ましくは0.5mm以
下、最も好ましくは0.3mm以下とする。薄いほど電
池がより小型・軽量化できるが、あまりに薄いと、十分
な剛性の付与ができなくなったり密閉性が低下する可能
性がある。
【0063】ケース内への電池要素の収納方法は任意で
あるが、例えば、フィルム状のケース部材をの両端を貼
り合わせて筒状とし、内部に電池要素を収納した後、筒
の上下をさらに貼り合わせる方法を例示することができ
る。また、2片のフィルム状のケース部材の間に電池要
素を収納した後、周縁部を貼り合わせる方法も採用する
ことができる。尚、電池要素は、上記ケース中に減圧状
態で封入されるのが、装置の小型化及び電池要素の接触
の面から好ましい。この場合、大気圧との差分が電池要
素を押さえ付ける力となる。
【0064】無論、電池の機器への装着等の利便を図る
ため、上記のケースに電池要素を封入した後、必要なら
ば複数のケースを、剛性を持つ外装ケースに収納するこ
とも可能である。本発明のリチウム二次電池が電源とし
て使用される電気機器としては特に限定されず、例え
ば、ノート型のパーソナルコンピュータ(本明細書にお
いては、パーソナルコンピュータを単にパソコンという
場合がある。)、ペン入力パソコン、モバイルパソコ
ン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォ
ン子機、ページャー、ハンディーターミナル、携帯ファ
ックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンス
テレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリ
ーナー、ポータブルCD、ミニディスク、電気シェーバ
ー、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカー
ド、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電
源、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、ロードコ
ンディショナー、時計、ストロボ、カメラ、医療機器
(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機など)等を挙げる
ことができる。
【0065】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細
に説明するが、本発明は下記実施例により何ら限定され
るものではなく、その要旨を変更しない範囲において適
宜変更し実施することができる。なお組成中の部は、重
量部を示す。 [実施例1] [正極の作製]最初に以下の組成で、正極製造用スラリ
ーを調製した。
【0066】
【表1】 正極製造用スラリーの組成 リチウムコバルト複合酸化物: リチウムコバルト酸(LiCoO2) 27部 LiNi0.82Co0.15Al0.032 63部 アセチレンブラック 5部 ポリフッ化ビニリデン 5部 N−メチル−2−ピロリドン 80部 メタンスルホン酸 0.25部 上記の原料をプラネタリーミキサータイプの混練機によ
り2時間混練し正極製造用スラリーとした。メタンスル
ホン酸は、常温常湿で十分安定な化合物であるため、前
記スラリーの調整作業中、その取り扱いに特別気をつか
う必要はなかった。また、混練の際に、正極製造用スラ
リーがゲル化することもなかった。
【0067】次に上記正極製造用スラリーを20μm厚
のアルミニウム集電体基材上に、エクストルージョン型
のダイコーティングによって塗布、乾燥し、集電体上に
正極活物質、バインダー及び導電材を含有する正極材料
層を形成した。ついで、ロールプレス(カレンダー)を
用いて圧密することによって電極シートを作製した。こ
の後、電極シートから電極を切り出し、正極とした。
尚、使用したリチウムコバルト酸の二次粒子の平均粒径
は5.0μm、比表面積は0.50m2/gであり、L
iNi0.82Co0.15Al0.032の二次粒子の平均粒径
は9.8μm、比表面積は0.39m2/gであった。 [負極の作製]最初に以下の組成で、負極製造用スラリ
ーを調整した。
【0068】
【表2】 負極製造用スラリーの組成 グラファイト(粒径15μm) 90部 ポリフッ化ビニリデン 10部 N−メチル−2−ピロリドン 100部 上記の原料を、プラネタリーミキサータイプの混練機に
より2時間混練し負極製造用スラリーとした。次に上記
の負極製造用スラリーを10μm厚の銅集電体基材上に
エクストルージョン型のダイコーティングによって塗
布、乾燥し、集電体上に負極活物質、バインダーを含有
する負極材料層を形成した。ついで、ロールプレス(カ
レンダー)を用い圧密することによって電極シートを作
製した。この後、電極シートから電極を切り出し、負極
とした。 [正極・負極材料層の膜厚比]上記の正極・負極の製造
例においては、(正極の充電容量)/(負極の充電容
量)=0.93となるように、正極材料層及び負極材料
層の膜厚を調整した。ここで、負極の充電容量は、対極
Liを用い1.5V〜3mVまで充電したときの負極単
位体積あたりの容量(mAh/g)を基準とした。 [電解質形成用の塗料の作製]下記組成を混合・攪拌し
て、溶解し、電解質形成用塗料を作製した。
【0069】
【表3】 電解質形成用塗料の組成 1M濃度のLiPF6を含有するエチレンカーボネート及びプロピレンカ ーボネートの混合液(体積比率;エチレンカーボネート:プロピレンカー ボネート=1:1) 925部 テトラエチレングルコールジアクリレート 44部 ポリエチレンオキシドトリアクリレート 22部 重合開始剤 2部 添加剤(無水コハク酸) 9部 [リチウム二次電池の作製]上記のようにして準備した
正極、負極に電解質層形成用塗料を塗布し、別途電解質
層形成用塗料に浸した高分子多孔質フィルム(スペー
サ)を用意し、このフィルムを正極と負極との間に挟ん
だ後、90℃で10分加熱することにより、電解質層形
成用塗料中のテトラエチレングルコールジアクリレート
及びポリエチレンオキシドトリアクリレートを重合させ
た。これによって、活物質とバインダーを含み集電体上
に形成された正極、負極を有し、該正極と負極との間に
非流動化された電解質層を有する平板状の電池要素を作
製した。
【0070】上記の電池要素を20個作製し、これを負
極同士、正極同士が接するように互い違いに積層後、正
極同士ならびに負極同士の端子部を束ね、それぞれの端
子部に電流を取り出すリード線を接続した。こうして得
られた電池要素を、アルミニウム膜の両面を樹脂層で被
覆したラミネートフィルムを対向成形した袋状ケースに
収容後、テトラエチレングルコールジアクリレート13
3部、ポリエチレンオキシドトリアクリレート67部、
重合開始剤1部からなる混合液を電極端子部に適量注入
した(端子部の短絡防止のため)。ラミネートフィルム
を真空シールで封入後、リード線を取り出した辺を除く
シール部を電池外装材側面に沿うように折曲した。その
後、電池を90℃で3分間加熱して、電極端子部に注入
した前記混合液中のテトラエチレングルコールジアクリ
レート、ポリエチレンオキシドトリアクリレートを重合
させた。折曲されたシール部は外装材被包部側面に市販
のエポキシ系接着剤で接着して平板状のリチウム二次電
池Aを作成した。この様に作成した電池の公称容量は7
50mAhであった。 [比較例1]実施例1の正極製造用スラリーの作製にお
いて、メタンスルホン酸の代わりにシュウ酸を用いて正
極製造用スラリーを作製した以外は実施例1と同様の方
法でリチウム二次電池を作製した。尚、正極製造用スラ
リーの混練時に、前記スラリーがゲル化することはなか
った。このようにして作製したリチウム二次電池をリチ
ウム二次電池Bとする。 [比較例2]実施例1の正極製造用スラリーの作製にお
いて、メタンスルホン酸を添加しなかった以外は実施例
1と同様の方法で正極の作製を試みた。しかし正極製造
用スラリーの混練時にゲル化が起こり、スラリーの粘度
が激しく増加したため、エクストルージョン型のダイコ
ーティングによって連続塗布することができなかった。 [比較例3]実施例1の正極製造用スラリーの作製にお
いて、メタンスルホン酸の代わりにトリフロロメタンス
ルホン酸を用いて正極製造用スラリーを作製した以外は
実施例1と同様の方法でリチウム二次電池を作製した。
トリフロロメタンスルホン酸は空気中の水分と反応して
激しく揮発する性質がある。従って、リチウム二次電池
製造の際には前記反応を抑制すべく、水分を可能な限り
除去した雰囲気中で電池製造を行った。尚、正極製造用
スラリーの混練時に、前記スラリーがゲル化することは
なかった。このようにして作製したリチウム二次電池を
リチウム二次電池Cとする。 [サイクル容量維持試験]上記のように作成したリチウ
ム二次電池A、B、Cを、23℃のもと、0.6C定電
流にて4.2Vまで充電し、その後4.2Vにて電流値
が50mAに減衰するまで定電圧充電を行った。放電
は、初回を0.2Cで3.0Vまで定電流放電を行い、
初期の0.2C放電容量を計測した。これを「1サイク
ル目の0.2C放電容量」という。
【0071】次に23℃のもと、0.6C定電流にて
4.2Vまで充電し、その後4.2Vにて電流値が50
mAに減衰するまで定電圧充電を行った。放電は1Cで
3.0Vまで定電流放電を行った。これを1サイクルと
して400サイクルの容量維持試験を行った。各リチウ
ム二次電池において、400サイクル終了後に再び0.
6C定電流にて4.2Vまで充電し、その後4.2Vに
て電流値が50mAに減衰するまで定電圧充電を行い、
引き続いて0.2Cで3.0Vまで定電流放電を行っ
た。この400サイクル終了後の0.2C放電容量に対
する、1サイクル目の0.2C放電容量との比(容量維
持率)の測定結果を表―1に示す。
【0072】
【表4】
【0073】実施例1、比較例1、2、3の結果から、
メチルスルホン酸、シュウ酸及びトリフロロメタンスル
ホン酸のいずれも、正極製造用スラリーのゲル化の抑制
効果を有することがわかる。しかし、シュウ酸及びトリ
フロロメタンスルホン酸を用いた場合は、リチウム二次
電池の400サイクル後の容量維持率が、メチルスルホ
ン酸を用いた場合と比較して劣ることがわかる。さらに
トリフロロメタンスルホン酸は、リチウム二次電池製造
における取扱いが容易でないという問題もある。以上か
ら、メチルスルホン酸は取り扱いが容易であるだけでな
く、メチルスルホン酸を用いれば、正極製造用スラリー
のゲル化が抑制されるのみならず、電池特性も悪化する
ことなく、良好なリチウム二次電池を得ることができる
のである。
【0074】
【発明の効果】本発明により、工業的に有利な正極の製
造方法である、正極製造用スラリーを集電体に塗布する
方法を用いた場合に従来問題であった、前記スラリーの
ゲル化を、取扱いが容易な化合物により有効に抑制する
ことができ、生産安定性及び品質安定性に優れたリチウ
ム二次電池及びリチウム二次電池用正極を得ることがで
きる。さらには、本発明によれば、初期容量、レート特
性、サイクル特性、安全性等の電池特性に優れたリチウ
ム二次電池を得ることができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 5H029 AJ01 AJ14 AK02 AK03 AK05 AK16 AK18 AL02 AL06 AL07 AL08 AL12 AL18 AM03 AM05 AM07 AM16 CJ08 DJ08 EJ07 HJ01 HJ02 5H050 AA01 AA19 BA18 CA02 CA05 CA08 CA09 CA11 CA20 CA26 CA29 CB02 CB07 CB08 CB09 CB12 CB29 DA09 EA15 GA10 HA01 HA02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極、負極、及び電解質を有するリチウ
    ム二次電池において、正極に下記一般式(I)及び/又
    は下記一般式(II)で表される化合物を含有することを
    特徴とするリチウム二次電池。 【化1】 【化2】 (上記一般式(I)及び(II)中のR1、R2はそれぞれ
    独立して、アルキル基、アリール基、アルケニル基から
    なる置換基を表す。但し、R1、R2の水素原子はそれぞ
    れ独立して、アルコキシ基で置換されていてもよい。)
  2. 【請求項2】 前記正極が、正極活物質としてリチウム
    ニッケル複合酸化物を含有する請求項1に記載のリチウ
    ム二次電池。
  3. 【請求項3】 前記リチウムニッケル複合酸化物が下記
    一般式(III)で表される請求項2に記載のリチウム二
    次電池。 【化3】 LiαNiXCoYAlZ2 (III) (一般式(I)中、α、X、Y、Zは、それぞれ、0<
    α≦1.1、0.1≦X≦1、0≦Y≦0.9、0≦Z
    ≦0.8、0.9≦X+Y+Z≦1.1を満たす数であ
    る。)
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の前記一般式(I)及び
    /又は下記一般式(II)で表される化合物が、正極活物
    質に対して0.01〜10重量%含有される請求項1乃
    至3のいずれかに記載のリチウム二次電池。
  5. 【請求項5】 電解質が、溶質と非水系溶媒とポリマー
    とを含有する請求項1乃至4のいずれかに記載のリチウ
    ム二次電池。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の前記一般式(I)及び
    /又は前記一般式(II)で表される化合物を含有するこ
    とを特徴とするリチウム二次電池用正極。
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