JP2008011745A - 麺類改質剤及び麺類改良用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】麺の風味を損なうことなく、硬さ、弾力(粘弾性、コシ)、歯ごたえ及びなめらかさがあり、歯切れが良い食感でかつ湯のびしにくい麺類を作るための新規の麺類改質剤と麺類改良用組成物を提供する。
【解決手段】リゾホスファチジルグリセロールからなる麺類改質剤及びその麺類改質剤を含む麺類改良用組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、リゾホスファチジルグリセロールからなる麺類改質剤とその麺類改質剤を含む麺類改良用組成物、及び、リゾホスファチジルグリセロールを添加してなる麺類とその製造方法に関する。
麺類は、小麦粉、かん水、食塩、水といった比較的簡単な原料から作られるが、そのおいしさは非常に繊細であり、食感に負うところが大きい。これら麺類は、調理後において、適度な硬さ、弾力(粘弾性)、歯ごたえ及びなめらかさがあり、歯切れが良い食感でかつ湯のびしにくいことなどにより評価されている。これらの麺類を作るために、小麦粉、澱粉の選択、配合の調整、工程の改良、製めん機械の開発が行われたり、リン酸塩類、乳化剤、増粘剤等の食品添加物や、卵白粉末等の食品素材を添加したり、いろいろな試みがなされている。
例えば、乾燥食品の湯戻りを改善し、風味を高めるため、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン等のレシチンをホスホリパーゼAで部分加水分解した酵素改質レシチンからなる乳化剤を配合することが知られている(特許文献1参照)。
しかしながら、この酵素改質レシチンは、酵素分解により生じる脂肪酸や、未分解のレシチン、原料レシチン由来の中性脂質を含有するため、麺類の風味が落ちるという問題があり、また酵素改質レシチンのみでは効果が不充分であった。
この問題を改善するため、酵素改質レシチンをはじめとする各種レシチンと他の化合物を組み合わせた乳化剤が開発されている。このような乳化剤として、乳清蛋白濃縮物及び酵素分解レシチンからなるもの(特許文献2参照)、HLB11以上のショ糖脂肪酸エステル、レシチン及び酵素処理レシチンからなるもの(特許文献3参照)、蔗糖脂肪酸エステル、グリセリンモノ飽和脂肪酸エステルとレシチン類からなるもの(特許文献4参照)、ショ糖脂肪酸エステル、レシチン及び糖類化合物からなるもの(特許文献5参照)、グリセリン脂肪酸エステル類とレシチンからなるもの(特許文献6参照)等が知られている。
また、茹で麺・蒸し麺のほぐれ性を改善するため、油脂にポリグリセリン脂肪酸エステル、大豆レシチン及び酵素分解レシチンを含有させた油脂組成物を麺に噴霧する方法や、麺をこの油脂組成物に浸漬する方法が知られている(特許文献7参照)。
また、パン等の練り粉が硬くなったり、体積が減少したりするのを改善するため、糖脂質、レシチンと酵素を配合する方法が知られている(特許文献8参照)。
これらの乳化剤や油脂組成物は、麺類の硬さ、弾力(粘弾性)、歯ごたえ及びなめらかさといった課題を改善するものであったが、グリセリン脂肪酸エステル等の化学合成品を含むと麺の風味が落ちるという問題があった。また、これらの乳化剤を用いる場合、酵素改質レシチンやレシチンを麺類に対して0.01〜2%程度配合する必要があった。
特許第2726937号明細書 特許第3002932号明細書 特開平10−295297号公報 特許第3473078号明細書 特開平11−243884号公報 特開平11−178526号公報 特許第3205135号明細書 特表2005−508609号公報
本発明は、上記現状に鑑み、麺の風味を損なうことなく、硬さ、弾力(粘弾性、コシ)、歯ごたえ及びなめらかさがあり、歯切れが良い食感でかつ湯のびしにくい麺類を作るための新規の麺類改質剤と麺類改良用組成物を提供する。
本発明者らは、前述の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、リゾレシチンのひとつであるリゾホスファチジルグリセロールが優れた麺の改質作用を有することを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、リゾホスファチジルグリセロールからなる麺類改質剤と、上記麺類改質剤を含む麺類改良用組成物に関する。
本発明は、また、ホスファチジルグリセロール及びホスホリパーゼAからなる麺類改良用組成物に関する。
本発明は、また、麺類改質剤としてリゾホスファチジルグリセロールを麺類の主原料に対して0.001重量%以上添加してなる麺類に関する。
本発明は、また、上記麺類改良用組成物を添加することからなる麺類の製造方法に関する。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の麺類改質剤に含まれるリゾホスファチジルグリセロール(LPG)は、レシチンにホスホリパーゼA(PLA)を作用させて得られるリゾレシチンの一種である。LPGを得る方法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができ、例えば、大豆レシチン、卵黄レシチン等の天然物から抽出分離されたレシチンにホスホリパーゼDとグリセロールを作用させてホスファチジルグリセロール(PG)を得、得られたPGにPLAを作用させて、PGの2位の脂肪酸エステル結合を加水分解してLPGを製造する方法や、レシチンにPLAを作用させて得られる酵素分解レシチン中のLPGを抽出する方法等が挙げられる。レシチンにホスホリパーゼDやPLAを反応させる際、これらの反応系は水系であってもよいし、二相系でもよく、特に限定されない。
本発明の第一の麺類改良用組成物は、上記麺類改質剤を含むものである。
第一の麺類改良用組成物の形態としては特に限定されず、例えばLPGを油脂で分散させたものであってもよいし、粉末のLPGからなるものであってもよい。
LPGを油脂で分散させる場合、分散に用いる油脂としては大豆油、菜種油、パーム油、コーン油等の植物油、あるいは、魚油等の動物油及び、それらの硬化油、エステル交換油、分別油等の食用油脂が挙げられる。更に、乳化を安定させる等の目的で、液糖、蔗糖、オリゴ糖、澱粉分解糖化物、水飴等の糖類、ソルビトール、還元澱粉糖化物、グリセリン等の多価アルコール類、キサンタンガム、アラビアガム、ジェランガム、ペクチン、カラギーナン、セルロース、おから粉末、デキストリン等の増粘剤、あるいは、乳清タンパク質、卵黄、全卵、卵白、カゼインタンパク質、小麦蛋白、大豆蛋白、血漿蛋白、各種の蛋白分解物、蛋白酵素処理物等のタンパク質、ペプチド類等を1種または2種以上組み合わせて使用してもよい。
第一の麺類改良用組成物が粉末のLPGからなる場合、澱粉、デキストリン、トレハロースなどの一般的な賦形剤を含有していてもよい。上記賦形剤の種類は、本発明の効果に影響されない限り特に限定されない。
第一の麺類改良用組成物は、LPGをリン脂質中に10〜99.9重量%含むことが好ましい。リン脂質中のLPGの含量は「基準油脂分析試験法2003年版」(日本油化学会制定)4.3.3.1記載の方法に従って定量される。
第一の麺類改良用組成物は、LPG以外に、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン等のLPG以外のリゾレシチンや、PLAの加水分解により生じる脂肪酸、未反応のレシチン等を含んでいてもよい。但し、脂肪酸は、麺類の風味に悪影響を与えるため、その含有量は少ない方が望ましい。
第一の麺類改良用組成物は、リン脂質を10〜99.9%重量%含むことが好ましい。
本発明の第二の麺類改良用組成物は、ホスファチジルグリセロール(PG)及びPLAからなるものである。
第二の麺類改良用組成物は、麺を製造する際に他の材料と一緒に混合し、その後麺中でPGとPLAを反応させてLPGを生成させることを目的とするものである。
PGとしては、大豆レシチン、卵黄レシチン等の天然物から抽出分離したものを用いてもよいし、天然のレシチンにホスホリパーゼDとグリセロールを作用させて得られるもの等を用いてもよい。
PLAとしては、動物(例えば、ブタの膵臓)由来の酵素、微生物由来の酵素などが挙げられる。ブタ膵臓に由来する酵素としては、ノボザイムズジャパン社製のレシターゼ10Lが挙げられる。微生物由来の酵素としては、ナガセケムテックス社製のPLA2(商品名:ホスホリパーゼA2ナガセ)が挙げられる。これらの酵素の至適pHは7〜9、至適温度は40〜60℃である。
第二の麺類改良用組成物は、PGをリン脂質中に10〜99.9重量%含むことが好ましい。リン脂質中のPGの含量は「基準油脂分析試験法2003年版」(日本油化学会制定)4.3.3.1記載の方法に従って定量される。
また、第二の麺類改良用組成物中のPGとPLAの配合比は、PG1gあたりPLA10〜1000Uが好ましく、100〜300Uがより好ましい。
第二の麺類改良用組成物は、リン脂質を10〜99.9重量%含むことが好ましい。
本発明の麺類の製造方法は、上記の麺類改良用組成物を添加することからなる。
麺類改良用組成物を麺に添加する方法としては特に限定されず、第一の麺類改良用組成物を用いる場合は、麺を製造する際に他の材料と一緒に混合してもよいし、また、出来上がった麺を麺類改良用組成物に浸漬することもでき、出来上がった麺の表面に麺類改良用組成物をスプレーしてもよい。
第二の麺類改良用組成物を用いる場合は、麺を製造する際に他の材料と一緒に混合する。第二の麺類改良用組成物を用いる場合、麺中でPGとPLAを反応させてLPGを生成させるため、例えば5℃〜40℃で0.5〜4時間熟成させることが好ましい。この熟成条件は、麺中でPGがLPGに変換できればよく、上記条件に特に限定されない。
本発明の麺類改良用組成物は、第一の麺類改良用組成物と第二の麺類改良用組成物のいずれを用いる場合であっても、LPGに換算して、麺類の主原料に対して0.001重量%以上添加するのが好ましい。好ましい上限は1.0重量%である。麺類の主原料とは、麺を形作る材料を指し、小麦粉、馬鈴薯澱粉等がこれにあたる。
麺類改質剤としてLPGを麺類の主原料に対して0.001重量%以上添加してなる麺類も、本発明の一つである。
本明細書における麺類とは、小麦粉及びその他の原材料を加えて製麺したものであって、中華麺、うどん、和そば、そうめん、きしめん、スパゲッティー等を指し、生麺、蒸し麺、茹麺、即席麺、乾麺、冷凍麺のいずれであってもよい。即席麺や乾麺は、油で揚げたものであってもよいし、ノンフライであってもよい。また、上記麺類を製造する際に、必要に応じて大豆蛋白粉、グルテン粉末、卵白粉末、増粘剤、乳化剤、澱粉、アルコール、かんすい、リン酸塩、着色料を配合することも可能である。
本発明では、麺類の改質剤としてLPGを用いることにより、少量の添加量で、適度な硬さ、弾力(粘弾性、コシ)、歯ごたえ及びなめらかさがあり、歯切れが良い食感でかつ湯のびしにくい麺類を得ることが可能となった。本発明の改質剤は、添加量がごくわずかでも優れた効果を発揮するため、麺の風味を損なうことなく、また、成分のLPGが天然由来のものであるので、安全に食品に利用することができる。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
製造例1 リゾホスファチジルグリセロールの調製
原料レシチン(ツル−レシチン工業社製レシチンSLP−PC70:ホスファチジルコリン70%以上)27gをヘプタン/アセトン(80/20)混合溶液に溶解して300mlにして溶媒層を調製した。次に、グリセロール溶液(0.6M酢酸緩衝液(pH4)・7.2Mグリセロール混液)50mlにホスホリパーゼD(ナガセケムテックス社製)17,550Uを混合して水層を調製した。溶媒層と水層とを30℃で5時間、2相がよく混ざるように攪拌し処理を行った。
処理後、35gの食塩を添加・溶解して、溶媒層と水層を分離させ、溶媒層を分取した。
分取した溶媒層はエバポレータを用い、60℃にて溶媒を除去することにより、ホスファチジルグリセロール70〜90%を含有する固形物が得られた。
次いで、得られた固形物20gを、6mM CaClを含有するpH8、0.2Mトリス塩酸緩衝液に分散して80mlにし、ホスホリパーゼA2(ナガセケムテックス社製PLA2ナガセ:10,000〜13,000PLA2UN/L)24,000PLA2UNを加え、50℃で5時間の処理を行うことにより、90%以上のホスファチジルグリセロールがリゾ化したリゾホスファチジルグリセロール分散液が得られた。
この分散液に300mlのエタノールを加え、室温で30分間攪拌した後、セライト1gを添加した。No.2ろ紙を用いて吸引ろ過し、沈殿を除いた。ろ液を60℃で減圧濃縮し、約96mlの濃縮液を得た。この濃縮液に5倍容量のアセトンを加え、黄色のペーストを得た。さらに遊離脂肪酸を除くために同容量のアセトンを用い3回洗浄、ろ過し、浅黄色の粉末7.8gを得た。このリン脂質の組成成分を分析したところ、LPG80.4%、PG5.9%、リゾホスファチジルコリン0.1%、リゾホスファチジルエタノールアミン1.5%であった。
調製例1 乳化剤1の調製
製造例1で得られたLPGを含む粉末を、甘藷澱粉と1:4の配合比で混合し、乳化剤1を調製した(20%製剤)。
調製例2 乳化剤2の調製
製造例1で得られたLPGを含む粉末を、甘藷澱粉と15:100の配合比で混合し、乳化剤2を調製した(15%製剤)。
比較調製例1 比較乳化剤1の調製
エー・デイー・エム・ファーイースト社製のレシチン、Ultralec P(商品名)をそのまま用いた。
比較調製例2 比較乳化剤2の調製
エー・デイー・エム・ファーイースト社製のUltralec Pを出発原料として用い、10%の重量比になるように水に分散させた後、pH値を8.0に調整し、Ultralec P 1gあたり1200PLA2UNのPLA2ナガセ(ナガセケムテックス社製)を添加して、40℃で攪拌しながら5時間反応させた。反応後に、50%容積量のアセトンを加え、さらに1時間攪拌を続けて酵素を失活させた。その後、3倍容積量のアセトンを加え、酵素分解レシチンを沈殿させて、真空乾燥によって回収した。
実施例1〜4、比較例1〜3
表1に示す配合量で、原料をミキサーで18分間混涅し、常法により最終的な厚みが0.96ミリとなるように製麺して#10角刃で麺線を切り出した。切り出した麺線を蒸機で1分30秒蒸し、蒸した麺線を40cmに切断した。次いで、切断した麺線を一食分ずつ(約90g)計量し、金属製リテーナーに詰めて、150℃で1分間パーム油で揚げて、油揚げ麺(即席カップうどん)のサンプルを得た。なお、表1中の配合量はすべて重量部を示す。
Figure 2008011745
評価方法
実施例1〜4、比較例1〜3のサンプルの上に粉末スープを加え、沸騰した湯を規定量(400ml)注いで調理した。麺の湯戻りと弾力をパネラー11人で評価した。結果を表2に示す。
<湯戻り>
調理開始から5分後の麺を試食し、復元性を官能により評価した。
評価基準
○:設定時間で十分に戻る
△:やや戻り不十分
×:戻っていない
<弾力>
調理開始から6分後の麺を試食し、官能により評価した。
評価基準
○:コシ強い
△:ややコシ不足
×:弾力無く、柔らかい
Figure 2008011745
乳化剤として、本発明のLPGからなる組成物を用いた実施例1〜4は、乳化剤を添加しない比較例1、従来の乳化剤を用いた比較例2、3と比較して、湯戻り、弾力ともによい結果が得られた。また、LPGを0.02重量%以上添加した実施例1、2は、実施例3、4と比較して、やや麺の伸びが早かった。
実施例5〜9、比較例4〜5
表3に示す配合量で、原料をミキサーで18分間混涅し、常法により最終的な厚みが0.90ミリとなるように製麺して#20丸刃で麺線を切り出した。切り出した麺線を蒸機で1分30秒蒸し、蒸した麺線を40cmに切断した。次いで、切断した麺線を一食分ずつ(約80g)計量し、金属製リテーナーに詰めて、150℃で1分10秒間パーム油で揚げて、油揚げ麺(即席カップラーメン)のサンプルを得た。なお、表3中の配合量はすべて重量部を示す。
Figure 2008011745
評価方法
実施例5〜9、比較例4〜5のサンプルの上に粉末スープを加え、沸騰した湯を規定量(380ml)注ぎ、3分後液体スープを加えた。麺の湯戻りと弾力をパネラー11人で評価した。評価基準は上記と同様である。結果を表4に示す。
<湯戻り>
調理直後の麺を試食し、復元性を官能により評価した。
<弾力>
調理開始から4分後の麺を試食し、官能により評価した。
Figure 2008011745
乳化剤として、本発明のLPGからなる組成物を用いた実施例5〜9は、乳化剤を添加しない比較例4、従来の乳化剤を用いた比較例5と比較して、湯戻り、弾力ともによい結果が得られた。また、LPGを0.04重量%添加した実施例5は、実施例6〜9と比較して、やや麺の伸びが早かった。
実施例10〜11、比較例6〜7
表5に示す配合量で、原料を真空ミキサーで18分間混涅し、常法により最終的な厚みが0.90ミリとなるように製麺して#20丸刃で麺線を切り出した。切り出した麺線を蒸機で4分蒸し、蒸した麺線を40cmに切断した。次いで、切断した麺線を一食分ずつ(約90g)計量し、金属製リテーナーに詰めて、90℃で50分間熱風乾燥し、ノンフライ麺(即席カップノンフライラーメン)のサンプルを得た。なお、表5中の配合量はすべて重量部を示す。
Figure 2008011745
評価方法
実施例10〜11、比較例6〜7のサンプルの上に粉末スープを加え、沸騰した湯を規定量(380ml)注ぎ、4分後液体スープを加えた。麺の湯戻りと弾力をパネラー11人で評価した。評価基準は上記と同様である。結果を表6に示す。
<湯戻り>
調理直後の麺を試食し、復元性を官能により評価した。
<弾力>
調理開始から5分後の麺を試食し、官能により評価した。
Figure 2008011745
乳化剤として、本発明のLPGからなる組成物を用いた実施例10〜11は、乳化剤を添加しない比較例6、従来の乳化剤を用いた比較例7と比較して、湯戻り、弾力ともによい結果が得られた。また、酵素分解レシチンからなる比較乳化剤2を添加した比較例7は、麺の伸びがやや早かった。
実施例12〜13、比較例8〜10
表7に示す配合量で、原料をミキサーで15分間混涅し、常法により最終的な厚みが1.30ミリとなるように製麺して#20角刃で麺線を切り出した。切り出した麺線を40cmに切断し、打ち粉をして生麺(ラーメン)のサンプルを得た。
また麺線の一部を蒸機で4分蒸し、蒸した麺線を40cmに切断し、蒸し麺(ラーメン)のサンプルを得た。なお、表7中の配合量はすべて重量部を示す。
Figure 2008011745
評価方法
実施例12〜13、比較例8〜10の生麺サンプルを約1リットルの沸騰した湯で2分間茹で、湯切りした後、スープを入れた丼に麺を移した。麺の茹で伸びと弾力をパネラー11人で官能評価した。弾力についての評価基準は上記と同様である。結果を表8に示す。
<茹で伸び>
調理直後の麺を試食し、官能により評価した。
評価基準
○:伸び遅い
△:やや伸び早い
×:伸び早い
<弾力>
調理開始から4分後の麺を試食し、官能により評価した。
Figure 2008011745
また、実施例12〜13、比較例8〜10の蒸し麺サンプルを約1リットルの沸騰した湯で1分間茹で、湯切りした後、スープを入れた丼に麺を移した。麺の湯戻りと弾力をパネラー11人で官能評価した。評価基準は上記と同様である。結果を表9に示す。
<湯戻り>
調理直後の麺を試食し、復元性を官能により評価した。
<弾力>
調理開始から4分後の麺を試食し、官能により評価した。
Figure 2008011745
乳化剤として、本発明のLPGからなる組成物を用いた実施例12〜13は、乳化剤を添加しない比較例8、従来の乳化剤を用いた比較例9、10と比較して、生麺の茹で伸び、弾力、及び、蒸し麺の湯戻り、弾力ともによい結果が得られた。
本発明では、麺類の改質剤としてLPGを用いることにより、少量の添加量で、適度な硬さ、弾力(粘弾性、コシ)、歯ごたえ及びなめらかさがあり、歯切れが良い食感でかつ湯のびしにくい麺類を得ることが可能となった。本発明の改質剤は、添加量がごくわずかでも優れた効果を発揮するため、麺の風味を損なうことなく、また、成分のLPGが天然由来のものであるので、安全に食品に利用することができる。

Claims (5)

  1. リゾホスファチジルグリセロールからなる麺類改質剤。
  2. 請求項1記載の麺類改質剤を含む麺類改良用組成物。
  3. ホスファチジルグリセロール及びホスホリパーゼAからなる麺類改良用組成物。
  4. 麺類改質剤としてリゾホスファチジルグリセロールを麺類の主原料に対して0.001重量%以上添加してなる麺類。
  5. 請求項2又は3記載の麺類改良用組成物を添加することからなる麺類の製造方法。
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