JP2020099248A - グミ組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】弾力性に優れ、保存後も硬化が抑制されると共に、咀嚼回数が向上したグミ組成物を提供する。【解決手段】(A)ゼラチン、(B)還元水飴、及び(C)リゾレシチンを含有し、(C)成分の含有量が0.01〜5質量%であることを特徴とするグミ組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、弾力性に優れ、保存後も硬化が抑制されると共に、噛み切るまでの咀嚼回数が向上し、咀嚼機能向上用として好適なグミ組成物に関する。
グミキャンディ等のグミ製剤は、噛み応えのある食感を楽しむ菓子として親しまれており、近年ではより硬く弾力のあるハードグミキャンディが好まれるようになってきた。効果的に咀嚼トレーニング効果を上げるグミ組成物として、通常よりも硬いグミ組成物を本出願人は特許文献1(国際公開第2016/136869号)に提案した。
一方、咀嚼機能の衰えた者、例えば高齢者等に対しては、弾力を保ちながら咀嚼回数を増やすことにより、無理なく咀嚼筋への疲労感を与え、咀嚼トレーニングを行い、咀嚼機能を向上させることが求められていた。
国際公開第2016/136869号 特開2018−30795号公報 特開2015−208241号公報 特許第2794072号公報 特開平7−149619号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、弾力性に優れ、保存後も硬化が抑制されると共に、一食あたりの咀嚼回数が向上したグミ組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、ゼラチン及び還元水飴を含有するグミ組成物に、リゾレシチンを特定量で添加すると、高い弾力性を付与できる上に咀嚼回数を増やすことができることを知見した。即ち、本発明によれば、グミ組成物に(A)ゼラチン、(B)還元水飴及び(C)リゾレシチンを配合し、(C)成分の配合量が特定範囲内であることによって、弾力性に優れ、保存後も硬化が抑制されると共に、一食分のグミ製剤を口腔内に含んで咀嚼し、最初に噛み切るまでの咀嚼回数(以降、単に「咀嚼回数」と記載する)が増加したグミ製剤を得ることができ、咀嚼力等の咀嚼機能向上を目的とした咀嚼トレーニング用として好適に使用し得ることを知見し、本発明をなすに至った。
本発明では、(A)、(B)及び(C)成分の組み合わせにおいて、(C)成分がその配合量が特定範囲内で、咀嚼回数向上剤として特異的に作用し、上記格別な作用効果を付与することができる。
本発明の作用効果、特に咀嚼回数の向上効果は、(C)成分を含まない場合、あるいは(C)成分を含んでいても配合量が多すぎる場合や少なすぎる場合は、(A)及び(B)成分を含んでいても劣り、しかも、弾力性が高く、かつ経時での硬化が抑制されていても満足な咀嚼回数とはならないものであった。
後述の比較例からも明らかなように、(A)及び(B)成分が配合され、(C)成分が配合されていない比較例2、(C)成分が配合されていても配合量が少なすぎる比較例3は咀嚼回数が少なく(×)、また、(C)成分が配合されていても配合量が多すぎる比較例4でも咀嚼回数が少なかった(△)。これに対して、後述の実施例に示すように、本発明の(A)、(B)及び(C)成分を含有し、(C)成分量が特定範囲内であるグミ組成物は、弾力性及び硬化抑制効果が優れると共に、咀嚼回数が多く(○又は◎)、グミ製剤を口腔内で噛み続けて噛み切れるまでの咀嚼回数が20回を超えて25回以上、更には35回以上であり、十分であった。
なお、レシチンをグミ製剤に応用する技術として、特許文献2(特開2018−30795号公報)には、ゲルマトリクス中に主成分としてホスファチジルコリンを含む脳機能改善組成物が提案され、実施例としてホスファチジルコリン(レシチン)9重量部以上を含むグミ製剤が記載されている。また、大豆、卵黄等に含まれるリン脂質のレシチン類やリゾレシチン類、例えばホスファチジルコリン、リゾホスファチジルコリン等は、界面活性剤として口腔用組成物に用いられ、抗菌作用等を有するものもあることが知られている(特許文献3〜5;特開2015−208241号公報、特許第2794072号公報、特開平7−149619号公報)。
また、出願人は、特願2017−029928号に弾力性を保ちながら長時間咀嚼できるゼラチン系のグミ組成物を提案したが、これはアルギン酸ナトリウムによって弾力性を向上及び維持し、長時間咀嚼可能となったものである。
これに対して、本発明は、(C)成分による、グミ組成物の咀嚼回数の向上であり、(A)、(B)及び(C)成分を組み合わせ、(C)成分量を特定範囲とすることで、弾力性向上及び硬化抑制と共に咀嚼回数を増やし、咀嚼トレーニング機能を向上できたものである。
従って、本発明は、下記のグミ組成物を提供する。
〔1〕
(A)ゼラチン、
(B)還元水飴、及び
(C)リゾレシチン
を含有し、(C)成分の含有量が0.01〜5質量%であることを特徴とするグミ組成物。
〔2〕
(C)リゾレシチンが、リゾホスファチジン酸、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルセリン、リゾホスファチジルイノシトール及びこれらの塩から選ばれる1種以上である〔1〕に記載のグミ組成物。
〔3〕
(A)成分を5〜30質量%、(B)成分を30〜80質量%含有する〔1〕又は〔2〕に記載のグミ組成物。
〔4〕
咀嚼機能向上用である〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のグミ組成物。
本発明によれば、弾力性に優れ、保存後も硬化が抑制されると共に、一食あたりの咀嚼回数が向上したグミ組成物を提供できる。このグミ組成物は、例えば咀嚼トレーニングに使用すると、咀嚼回数が増えることで咀嚼機能を高めることが可能であり、咀嚼機能向上用として有効である。
以下、本発明につき、更に詳述する。本発明のグミ組成物は、(A)ゼラチン、(B)還元水飴、及び(C)リゾレシチンを含有する。
(A)ゼラチンは、弾力性付与作用を奏する。
(A)ゼラチンは、日本工業規格(JIS)のJISK6503−2001に規定されているゼリー強度が80〜350gであると好ましい。この範囲のものであると、適度な硬さのグミに調製しやすい。
このようなゼラチンは、市販品を使用可能であり、例えば、新田ゼラチン(株)製の商品名;BCN300S、BCN250SC、GBL−250等が挙げられる。
(A)ゼラチンの含有量は、組成物全体の5〜30%(質量%、以下同様)が好ましく、10〜28%がより好ましく、12〜25%が更に好ましい。この範囲内であると、十分な弾力性が得られる。
(B)還元水飴(別名;還元澱粉糖化物)は、硬化抑制作用を奏する。
還元水飴は、澱粉を酸や酵素で加水分解することで得られる水飴を原料とし、水素添加によって、水飴のグルコース末端を還元することにより製造される、単糖や多糖の糖アルコール混合物であり、構成する糖アルコールによって異なる特性を示すことがある。
還元水飴は、食用可能なものを使用することができるが、還元水飴中に含まれる単糖糖アルコールと二糖糖アルコール(マルチトール等)との合計含有量は、還元水飴全体の10〜90%であることが好ましく、より好ましくは12〜80%、更に好ましくは15〜75%である。還元水飴中の単糖糖アルコールと二糖糖アルコールの合計含有量が上記範囲内であると、特に良好な硬化抑制効果が得られる。
なお、還元水飴は、1種を単独で用いてもよいが、単糖糖アルコールと二糖糖アルコールの含有量が互いに異なる2種以上を併用してもよい。2種以上を併用する場合は、それぞれの還元水飴に含まれる単糖糖アルコールと二糖糖アルコールの含有量を合計し、その合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
還元水飴は、特に制限はないが、70%水溶液の25℃における粘度が、好ましくは0.15〜4.5Pa・sであり、0.2〜1.0Pa・sがより好ましい。上記還元水飴の粘度は、還元水飴の70%水溶液を用い、B型粘度計(東機産業(株)製)を使用し、測定時間1分、測定温度25℃で測定した値である(以下同様)。
このような還元水飴は、市販品を使用できる。具体的には、商品名;PO−20(三菱商事フードテック(株)製、単糖糖アルコールと二糖糖アルコールの含有量;10〜20%)、商品名;PO−30(三菱商事フードテック(株)製、単糖糖アルコールと二糖糖アルコールの含有量;15〜25%)、商品名;PO−60(三菱商事フードテック(株)製、単糖糖アルコールと二糖糖アルコールの含有量;65〜75%)、商品名;SQシロップ(三菱商事フードテック(株)製、単糖糖アルコールと二糖糖アルコールの含有量;35〜60%)、商品名;アマルティシロップ(三菱商事フードテック(株)製、単糖糖アルコールと二糖糖アルコールの含有量;75〜85%)を使用できる。
(B)還元水飴の含有量は、固形分換算で組成物全体の30〜80%が好ましく、40〜75%がより好ましく、45〜65%が更に好ましい。含有量が30%以上であると、十分な硬化抑制効果が得られる。80%以下であると、十分な弾力性が保持される。
(C)リゾレシチンは、(A)及び(B)成分と組み合わせることによって、咀嚼回数の向上作用を奏する。
(C)リゾレシチンとしては、下記構造式(1)で表される化合物又はその塩を用いることができる。
Figure 2020099248
(式(1)中、R1及びR2は、いずれか一方が−OH、他方が−OCOR(Rは、炭素数11〜23の飽和又は不飽和の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基)であり、X1は−H、−C24+(CH33、−C23(N+3)COOH、−C24+3、−C66(OH)5、又は−C23(OH)CH2(OH)である。)
上記式(1)中の−OCORにおいて、Rは炭素数11〜23、好ましくは15〜21の飽和又は不飽和の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基である。−OCORの具体例としては、ラウリン酸残基(CH3(CH210COO−)、ミリスチン酸残基(CH3(CH212COO−)、パルミチン酸残基(CH3(CH214COO−)、ステアリン酸残基(CH3(CH216COO−)、アラキジン酸残基(CH3(CH218COO−)、ベヘン酸残基(CH3(CH220COO−)、リグノセリン酸残基(CH3(CH222COO−)、パルミトレイン酸残基(CH3(CH25CH=CH(CH27COO−)、オレイン酸残基(CH3(CH27CH=CH(CH27COO−)、リノール酸残基(CH3(CH24(CH=CHCH22(CH26COO−)、γリノレン酸残基(CH3(CH24(CH=CHCH23(CH23COO−)、αリノレン酸残基(CH3(CH2)(CH=CHCH23(CH26COO−)、エルカ酸残基(CH3(CH27CH=CH(CH211COO−)、エイコペンタエン酸残基(CH3CH2(CH=CHCH25(CH22COO−)、ドコサヘキサエン酸残基(CH3CH2(CH=CHCH26CH2COO−)が挙げられ、特にパルミチン酸残基(CH3(CH214COO−)、ステアリン酸残基(CH3(CH216COO−)、オレイン酸残基(CH3(CH27CH=CH(CH27COO−)、リノール酸残基(CH3(CH24(CH=CHCH22(CH26COO−)が好ましい。
上記式(1)で表される化合物としては、具体的にリゾホスファチジン酸又はその誘導体が好ましく、例えばリゾホスファチジン酸(LPA、X1;−H)、リゾホスファチジルコリン(LPC、X1;−C24+(CH33)、リゾホスファチジルセリン(LPS、X1;−C23(N+3)COOH)、リゾホスファチジルエタノールアミン(LPE、X1;−C24+3)、リゾホスファチジルイノシトール(LPI、X1;−C66(OH)5)、リゾホスファチジルグリセリン(LPG、X1;−C23(OH)CH2(OH))等が挙げられる。これらは、1種単独でもよいが2種以上を組み合わせて使用してもよい。中でも、リゾホスファチジン酸(LPA)、リゾホスファチジルコリン(LPC)、リゾホスファチジルエタノールアミン(LPE)、リゾホスファチジルセリン(LPS)、リゾホスファチジルイノシトール(LPI)、特にリゾホスファチジン酸(LPA)、リゾホスファチジルコリン(LPC)、リゾホスファチジルエタノールアミン(LPE)、とりわけリゾホスファチジルコリン(LPC)が、咀嚼回数の向上効果の点で好ましい。
なお、上記化合物は塩であってもよく、塩としては、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩や、アンモニウム塩が挙げられる。
本発明において、(C)リゾレシチンの製法は、特に限定されるものではないが、例えば、レシチン(リン脂質)のアシル基におけるエステル結合の酵素的加水分解、アルカリ剤を作用させて脂肪酸基の一部の除去、白金触媒等による不飽和脂肪酸への水素添加処理等が挙げられ、これらの製法で通常、リン脂質混合物として得られる。
更に、(C)リゾレシチンは、少なくともリゾホスファチジルコリン含有量が20%以上であることが好ましく、25%以上であると更に好ましく、また、70%以上でもよく、100%でもよい。このようなリゾレシチンであると、一食あたりの咀嚼回数がより向上する。
(C)リゾレシチンは、アヴァンティポーラリピッド社製、シグマアルドリッチ社製等の市販品を使用できる。また、キューピー(株)製の卵黄リゾレシチンLPL−1、卵黄レシチンLPL−20W、卵黄レシチンLPL−20Sや、辻製油(株)製のSLP−ホワイトリゾ、SLP−LPC70、SLP−ホワイトリゾH、SLP−LPC70H、H.Holstein社製のLIPOID R LPC20等の市販品を用いることもできる。
(C)リゾレシチンの含有量は、組成物全体の0.01〜5%であり、好ましくは0.05〜2.0%、より好ましくは0.1〜1.0%である。上記範囲内において、咀嚼回数の向上効果が得られる。含有量が0.01%に満たないと、咀嚼回数の向上効果が発揮されず、5%を超えると、咀嚼回数の向上効果が低下する。
本発明のグミ組成物には、上記成分に加えて、本発明の効果を妨げない範囲で、任意成分として、グミ組成物に一般的に添加される公知成分を通常量で添加してもよい。
例えば、硬さを調整したり、噛み心地(チューイング性)を調整するために、(A)成分以外のゲル化剤、例えばアラビアガム、ジェランガム、キサンタンガム、カラギーナン、寒天、ペクチン、アルギン酸ナトリウムや、澱粉等の食感改良剤を添加できる。
グミ製剤の製品設計上、(B)成分以外に、他の糖アルコールの添加は必要ないが、任意に、他の糖アルコールを添加してもよい。具体的には、単糖類のエリスリトール、リビトール、ガラクチトールや、二糖類のラクチトール、パラチニットが挙げられる。これらを添加する場合、その添加量は組成物全体の0.1〜10%がよい。
更に、必要に応じて、味質向上のためにクエン酸等の酸味料を添加することができる。なお、グミ組成物のpHは特に制限はないが、25℃におけるpHは3〜7、好ましくは3〜4とすることができる。グミのpHは、グミを固める前のグミ組成液で測定することができる。また、グミ組成物用として一般的な香料、着色料、高甘味度甘味剤、食物繊維、ビタミン類、ミネラル類、油脂、乳化剤等を添加することもできる。残分は水とすることができ、水の含有量は、組成物全体の5〜50%、特に10〜45%が好ましい。
本発明のグミ組成物は、砂糖を添加しないシュガーレスのグミ製剤に調製することが好ましい。
本発明のグミ組成物には、任意の機能成分として、本発明の効果を妨げない範囲で、唾液分泌促進成分、口臭抑制成分等の口腔用機能成分を適量配合できる。口腔用機能成分の配合量は、有効量であり、例えば、組成物全体の0.1〜5%がよい。
具体例として、唾液分泌促進成分は、ポリグルタミン酸又はその塩、コラ・アクミナタ、コラ・ニティダ、ヤボランジ、シラカバ、スイカズラ、セイヨウニンジン、ドクダミ等の植物又はその抽出物、ガジュツ水分画抽出物、アオギリ科コーラノキ種子粉末抽出物、羅漢果チップ、テアニンが挙げられ、1種又は2種以上を使用し得る。
口臭抑制成分は、グルコン酸銅、クエン酸銅等の水溶性銅化合物、水溶性亜鉛化合物、サイクロデキストリン、クロモジ又はその亜種からの抽出物、シソ科植物又はその抽出物、ボタンピ抽出物、サンショウの種子又はその抽出物が挙げられ、1種又は2種以上を使用し得る。
本発明のグミ組成物は、公知の方法でグミキャンディ等のグミ製剤に調製できる。
具体的には、(B)還元水飴を、所定量の配合が可能となるよう適度に煮詰めて水分を低減させた後、水で膨潤、溶解させた(A)ゼラチンと(C)リゾレシチンとを混合し、必要に応じてクエン酸水溶液、香料等を加えて混合し、必要に応じて所定の水分に調整して(水添加又は乾燥)、グミ用混合液(グミ組成液)を得る。前記混合液を型取り容器に入れて固めることでグミ製剤を調製できる。グミ1個当たりの質量は、例えば0.5g以上、好ましくは0.5〜5gになるように型取り、あるいは切断することが好ましく、形状は特に限定されないが、最大厚が3mm以上であると特に好ましい。このようなグミを、一食あたり1〜3個を口腔内に含み咀嚼することが好ましい。
本発明のグミ組成物は、砂糖を使用した従来のグミキャンディ等のグミ製剤と比較して、低う蝕性を示す。また、本発明のグミ組成物は、咀嚼機能向上剤として好適である。
以下、実施例及び比較例、処方例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例、比較例]
表1〜3に示す組成のグミ組成物を用いて下記の方法によりグミ製剤(グミキャンディ)を調製し、これらグミ製剤をサンプルとして用いて下記方法で評価した。結果を表1〜3に併記した。
調製方法
(B)還元水飴を煮詰めた後、水を加えて膨潤、溶解させた(A)ゼラチンと(C)リゾレシチンを混合し、香料、クエン酸を加え、必要に応じて水分を調整後、表1〜3に示す組成の混合液(グミ組成液)を調製した。得られた混合液を、長径2cm、短径1.5cm、厚さ1cmのドーム型のくぼみ(型取り部)を有するプラスチック製のグミ型に入れ、室温(25℃)で固めて1粒あたり約3gのグミ製剤を得た。
なお、組成中の配合量を示す数値は質量%である。また、還元水飴の配合量を示す数値は固形分換算量であり、(C)リゾレシチンの配合量を示す数値は、純分換算量である(以下同様)。
使用原料の詳細を下記に示す。
(A)ゼラチン;製品名:BCN300S(新田ゼラチン(株)製)
(B)還元水飴;製品名:PO−60(三菱商事フードテック(株)製、単糖糖アルコール及び二糖糖アルコールの含有量70%)
(C)リゾレシチン;製品名:SLP−LPC70(辻製油(株)製、リゾホスファチジルコリン含有量69.5%)
(1)弾力性の評価方法
グミ製剤を口腔内に含んで噛んだときの弾力性について、専門パネラー3名による官能試験を行い、下記の評点基準に従って判定した。3名の合計点から下記の評価基準に従って評価し、◎又は○であるものを弾力に優れ、合格品であると判断した。
評点基準
3:弾力性が非常に強い
2:弾力性が強い
1:弾力性が弱い
0:弾力性がない
評価基準
◎:7点以上9点以下
○:4点以上6点以下
△:1点以上3点以下
×:0点
(2)硬化抑制効果の評価方法
グミ製剤を35℃で1ヶ月間保存した後の硬さについて、5℃で1ヶ月間保存品をコントロールとして、専門パネラー3名による官能試験を行い、下記の評点基準に従って硬さ(コントロール品に対する硬さ)を判定した。3名の合計点から下記の評価基準に従って評価し、◎又は○であるものを硬化抑制効果に優れ、保存安定性が良く合格品であると判断した。保存後のグミは、25℃に調整し、評価した。
評点基準
3:硬さが同レベル
2:やや硬い
1:硬い
0:非常に硬い
評価基準
◎:7点以上9点以下
○:4点以上6点以下
△:1点以上3点以下
×:0点
(3)咀嚼回数の評価方法
グミ製剤を口腔内に含んで噛んだときの咀嚼回数について、専門パネラー3名により評価した。グミ製剤を口腔内で咀嚼回数を数えながら噛み続け、噛み切れたところを咀嚼回数の終点とした。得られた咀嚼回数から、下記の評点基準に従って判定した。3名の合計点から下記の評価基準に従って評価した。◎又は○であるものを咀嚼回数が十分であり、咀嚼トレーニングに適しており、合格品であると判断した。
評点基準
3:咀嚼回数が35回以上
2:咀嚼回数が25回以上35回未満
1:咀嚼回数が20回以上25回未満
0:咀嚼回数が20回未満
評価基準
◎:7点以上9点以下
○:4点以上6点以下
△:1点以上3点以下
×:0点
Figure 2020099248
Figure 2020099248
Figure 2020099248
*;最初から硬く弾力性もないため、評価不可。
次に処方例を示す。処方例のグミ組成物は、上記実施例と同様の方法で調製した。なお、(A)ゼラチン(アルカリ処理)は、GBL−250(新田ゼラチン(株)製)を、(B)還元水飴は、PO−60(三菱商事フードテック(株)製、単糖及び二糖の含有量70%)を、(C)リゾレシチンはSLP−LPC70(辻製油(株)製、リゾホスファチジルコリン含有量69.5%)又はSLP−ホワイトリゾ(辻製油(株)製、リゾホスファチジルコリン含有量27.5%)を使用した。
処方例のグミ組成物は、いずれも弾力性、硬化抑制効果及び咀嚼回数に優れた。
[処方例1]
(A)ゼラチン(アルカリ処理) 14%
(B)還元水飴 60
(C)リゾレシチン(SLP−LPC70) 0.25
香料 0.50
着色料 0.25
甘味料(アスパルテーム) 0.25
増粘剤(ペクチン) 0.50
精製水 残
合計 100%
[処方例2]
(A)ゼラチン(アルカリ処理) 14%
(B)還元水飴 60
(C)リゾレシチン(SLP−ホワイトリゾ) 0.25
濃縮果汁 5
着色料 0.25
増粘剤(ペクチン) 0.50
炭酸カルシウム 0.50
精製水 残
合計 100%

Claims (4)

  1. (A)ゼラチン、
    (B)還元水飴、及び
    (C)リゾレシチン
    を含有し、(C)成分の含有量が0.01〜5質量%であることを特徴とするグミ組成物。
  2. (C)リゾレシチンが、リゾホスファチジン酸、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、リゾホスファチジルセリン、リゾホスファチジルイノシトール及びこれらの塩から選ばれる1種以上である請求項1記載のグミ組成物。
  3. (A)成分を5〜30質量%、(B)成分を30〜80質量%含有する請求項1又は2記載のグミ組成物。
  4. 咀嚼機能向上用である請求項1〜3のいずれか1項記載のグミ組成物。
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