JP5875446B2 - 酸化抑制組成物及び固形状経口剤若しくは固形状食品 - Google Patents

酸化抑制組成物及び固形状経口剤若しくは固形状食品 Download PDF

Info

Publication number
JP5875446B2
JP5875446B2 JP2012083297A JP2012083297A JP5875446B2 JP 5875446 B2 JP5875446 B2 JP 5875446B2 JP 2012083297 A JP2012083297 A JP 2012083297A JP 2012083297 A JP2012083297 A JP 2012083297A JP 5875446 B2 JP5875446 B2 JP 5875446B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
component
oxidation
solid
unsaturated fatty
fatty acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012083297A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013213001A (ja
Inventor
渡邉知保
久高史朗
四條敦裕
白川浩二
小笠原智彦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aliment Industry Co Ltd
Original Assignee
Aliment Industry Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aliment Industry Co Ltd filed Critical Aliment Industry Co Ltd
Priority to JP2012083297A priority Critical patent/JP5875446B2/ja
Publication of JP2013213001A publication Critical patent/JP2013213001A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5875446B2 publication Critical patent/JP5875446B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Confectionery (AREA)
  • Food Preservation Except Freezing, Refrigeration, And Drying (AREA)
  • General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
  • Jellies, Jams, And Syrups (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Medicines Containing Plant Substances (AREA)

Description

本発明は、酸化抑制組成物及び固形状経口剤若しくは固形状食品に関し、更に詳細には、ショウガ科植物の含有物及び特定の「糖類又は糖アルコール類」を含有する酸化抑制組成物、及び、種々の性能の保存経時した後の安定性、耐ブロッキング性等が大幅に改善された「固形状経口剤又は固形状食品」に関するものである。
経口剤若しくは固形状食品は、表面が空気に接していることもあって酸化反応等の変質を受け易く、内容物によっては酸化反応等の変質の抑制が必要である。
特に、医薬品、飲食品、健康食品、動物飼料等の材料成分には、主成分、副成分、少量の添加成分等として変質し易い成分が含有されている場合があり、積極的な変質防止の対策を講じなければならない場合がある。
また、特に酸化等の反応を起こすことが知られていない、又は、変質するとは一般には言われていない材料成分(内容物)であっても、長期に保存した場合には、変質する可能性があり、種々の性質の保存安定性の確保は重要である。
特に、上記変質としては、酸化により別の物質ができる場合;酸化以外の反応により別の物質ができる場合;薬効が低下する場合、副産物による悪影響が出る場合;体内で溶け難くなる崩壊遅延が起こる場合等がある。
また、味、匂い、色等が変わるといった「広義には別物質ができている可能性が高いが該別物質が極めて微量な場合」等がある。
また、食感、表面の感触、複数の「経口剤若しくは固形状食品」を密集させて静置したときのくっつきが抑制された性質である耐ブロッキング性;表面若しくは内部の外観;等が変わる(特に悪化する)といった物理的な変化が生じる場合もある。
特に、「不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸エステル」を含有する「経口剤若しくは固形状食品」は極めて酸化反応を起こし易く、保存安定性を十分に確保しなければならないという問題点があった。
それらの問題点を解決するために、例えば、「不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸エステル」を含有する飲食品等の酸化防止に関しては、特許文献1〜4が知られているが、簡便かつ安全に酸化を防止するには十分ではなかった。
また、耐ブロッキング性の改良には、例えば、キシリトールを含有させて表面にキシリトールの微結晶を析出させる方法(特許文献5)、二酸化ケイ素微粉末を含有させて表面に出てくるようにする方法(特許文献6)、高湿雰囲気下で乾燥して結晶性の微粉末を表面に析出させる方法(特許文献7)等が知られている。
しかしながら、十分にブロッキングを抑制するためには、上記したような「微粉末」や「表面で析出した結果微粉末となる物質」を大量に用いなくてはならない、工程数が増える、耐ブロッキング性が十分ではない等の問題点があった。
特に、コラーゲン等の機能性成分を配合したグミ等の食品に対する消費者ニーズも高まっているが、機能性成分の必要量の配合は、表面に「ベタツキ」が生じる、該成分が酸化する、等の問題点があった。
近年、前記の問題点解決の要求は、ますます高くなってきており、かかる公知技術では不十分であり、更なる改善の余地があった。
特開2006−188672号公報 特開2008−013630号公報 特開2010−187584号公報 特表2010−528595号公報 国際公開WO2005/011402 特開2003−070880号公報 特開2001−089362号公報
本発明は上記背景技術に鑑みてなされたものであり、その課題は、固形状経口剤、固形状食品、ゲル状若しくは半固形状食品、ソフトカプセル、ハードカプセル等の化学的又は物理的な変質を抑制する酸化抑制組成物を見出すことにあり、かかる酸化抑制組成物を配合することによって、化学的又は物理的な変質が抑制された固形状経口剤若しくは固形状食品を提供することにある。
化学的な変質に関しては、特に、「不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸エステル」に加えて、その酸化反応を抑制する酸化抑制組成物を提供することにあり、また、該酸化抑制組成物が含有されることによって酸化が抑制された「固形状経口剤若しくは固形状食品」を提供することにある。
また、物理的な変質に関しては、特に、表面の「ベタツキ」や、耐ブロッキング性を改良する組成物を見出し、それが含有された結果、耐ブロッキング性が改良された「固形状経口剤若しくは固形状食品」を提供することにある。
本発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、主成分に、(A)ショウガ科植物の含有物、(B)融点が比較的低く、水に対する溶解度が比較的高い「糖類若しくは糖アルコール類」、(C)融点が比較的高く、水に対する溶解度が比較的低い「糖類若しくは糖アルコール類」の少なくとも3種類の成分を含有させることによって、上記課題が解決できることを見出して、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、少なくとも、下記成分(A)、成分(B)及び成分(C)
(A)ショウガ科植物の含有物
(B)融点が150℃以下であり、かつ、25℃の水100mLに対する溶解度が60g/100mL以上である、糖類若しくは糖アルコール類
(C)融点が160℃以上であり、かつ、25℃の水100mLに対する溶解度が30g/100mL以下である、糖類若しくは糖アルコール類
を含有することを特徴とする酸化抑制組成物を提供するものである。
また、本発明は、上記の酸化抑制組成物を含有することを特徴とする固形状経口剤若しくは固形状食品を提供するものである。
本発明によれば、前記問題点と課題を解決し、副作用等がなく摂取又は飲食する人に優しい、天然物等を含有する酸化抑制組成物を提供できる。
特に、固形状経口剤、固形状食品、ゲル状若しくは半固形状食品、ソフトカプセル、ハードカプセル等の化学的又は物理的な変質を抑制する酸化抑制組成物を提供できる。
ここで、化学的変質とは、酸化やその他の反応により別の物質ができる場合;薬効が低下する場合;副産物による悪影響が出る場合;体内で溶け難くなる崩壊遅延が起こる場合等がある。また、味、匂い、色等が変わるといった「別物質ができる化学反応が起きている可能性が高いが該別物質が極めて微量な場合」等がある。
また、物理的変化とは、食感、表面の感触、複数の「経口剤若しくは固形状食品」を密集させて静置したときの互いのくっつきが抑制される性質である耐ブロッキング性;表面若しくは内部の外観;等が変わる(特に悪化する)場合がある。
化学的変質に関しては、特に「不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸エステル」を含む「固形状経口剤又は固形状食品」に配合することによって、その酸化反応を効果的に抑制する酸化抑制組成物を提供することができる。
また、該酸化抑制組成物を含有することによって、特に内容物である「不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸エステル」の酸化が抑制された「固形状経口剤若しくは固形状食品」を提供することができる。
本発明によれば、後述する成分(A)、(B)及び(C)を含有させれば、不飽和脂肪酸類の酸化による劣化を含め種々の内容物の劣化を抑制できる。更に、不飽和脂肪酸の含有率が高く酸化され易い物質を内容物とした場合であっても、その生理的有効性と安全性を長期間維持できる。
すなわち、例えば、生理活性を有するドコサヘキサエン酸、エイコサペンタエン酸等の不飽和脂肪酸又はそれらが反応して得られる油脂類等は、空気中の酸素によって酸化を受け易いが、本発明の酸化抑制組成物を用いれば、かかる酸化を抑制できる。
更に、近年の精製技術の進歩により、種々の高級不飽和脂肪酸の含有率が高い(例えば70質量%以上の)もの、又は、それらのエステル類の「固形状経口剤又は固形状食品」内への含有が可能になったが、かかる機能性成分は、より一層酸化の影響を受け易い。
しかしながら、本発明の酸化抑制組成物を用いれば、酸化の影響を受け易い上記のような「不飽和脂肪酸の含有率が多い成分」であっても、十分に酸化を抑制できる。
また、「固形状経口剤又は固形状食品」に「不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸エステル」(以下、括弧内を単に「不飽和脂肪酸類」と略記する場合がある。)が含まれていると、該「固形状経口剤又は固形状食品」を保存し経時した際、該不飽和脂肪酸類と他の成分とが相互作用をし、摂取した後に不溶な成分や消化できない成分を生成したり、カプセル剤、固形状経口剤等の場合には、体内で崩壊遅延を起こし有効成分が放出され難くなったり、生成する反応物によっては健康被害を及ぼしたりする場合があるが、本発明によれば、そのような現象を抑制できる。
また、内容物同士の反応を抑制することができる。そのため、保存して経時させた場合であっても、崩壊遅延、褐変等を抑制できる。特に、ゼラチンが有するアミノ基と糖類等との反応を抑制でき、その結果、崩壊遅延や褐変を抑制できる。ゼラチンには、ゼラチンの構成成分であるリジン残基等にアミノ基があり、かかるアミノ基の反応性が問題になる場合がある。
また、物理的変質に関しては、配合することによって、表面の「ベタツキ」を抑制し、また、耐ブロッキング性を改良することができる。
本発明の酸化抑制組成物を配合すると、酸化を抑制すると同時に、「固形状経口剤又は固形状食品」の表面に、本発明の酸化抑制組成物の成分が析出し、耐ブロッキング性が改良される。
すなわち、複数個を容器等に収納しておいた場合、互いに付着する場合があり、たとえすぐ取れる(離れる)場合であっても、使用者にとっては印象の悪いものとなる。
しかしながら、本発明における成分(C)を含有させた場合には、「固形状経口剤又は固形状食品」の調製時等に、該成分(C)が表面に微粉末として析出し易くなるので、ブロッキングが起こり難くなる(以下、ブロッキングが起こり難くなる性質を、「耐ブロッキング性」と略記する)。
以下、本発明について説明するが、本発明は、以下の具体的形態に限定されるものではなく、技術的思想の範囲内で任意に変形することができる。
本発明の酸化抑制組成物は、少なくとも、下記成分(A)、成分(B)及び成分(C)
(A)ショウガ科植物の含有物
(B)融点が150℃以下であり、かつ、25℃の水100mLに対する溶解度が60g/100mL以上である、糖類若しくは糖アルコール類
(C)融点が160℃以上であり、かつ、25℃の水100mLに対する溶解度が30g/100mL以下である、糖類若しくは糖アルコール類
を含有することを特徴とする。
<1.成分(A)ショウガ科植物の含有物>
本発明における成分(A)である「ショウガ科植物の含有物」とは、ショウガ科(Zingiberaceae)に属する植物に含有される成分をいう。ショウガ科植物は、ショウガ属(Zingiber)に属する植物が好ましく、ショウガ(Zingiber officinale)が特に好ましい。ショウガであれば、その品種、産地等は問わない。
含有部位は特に限定はないが根茎が好ましい。
成分(A)である「ショウガ科植物の含有物」には、ショウガ科植物(好ましくはショウガ科植物の根茎)を、粉末状にしたもの、すり潰したもの、ショウガ科植物(好ましくはショウガ科植物の根茎)から抽出したもの、該抽出物を乾燥させたもの等が含まれる。
ここで、「抽出物」には、搾って抽出したもの、及び、溶媒で抽出したものの両方が含まれる。
抽出溶媒としては、エタノール又は「エタノールと水との混合溶媒」が好ましい。エタノール又は「エタノールと水との混合溶媒」によって抽出されたショウガ科植物の含有物は、後述する成分(B)及び(C)と併用されることによって酸化抑制効果を顕著に発揮する。エタノール又は「エタノールと水との混合溶媒」で抽出すると、本発明において効果を発揮するショウガの成分が好適に抽出されるために好ましい。
好ましい物として、「エタノール又はエタノールと水の混合溶媒によって抽出された物」と同一であれば、実際に抽出した溶媒の種類は問わない。また、エタノールと水との比については限定がなく、任意の比率によって抽出されたものが含まれる。
「ショウガ科植物の含有物」は、ショウガを乾燥したものから抽出することが好ましい。
ショウガの根茎からの抽出物としては、6−ギンゲロールと6−ショーガオールが知られているが、「ショウガ科植物の含有物」に代えて、6−ギンゲロール及び/又は6−ショーガオールを用いて評価したところ、何れも前記した本発明の効果を示さなかった。
従って、本発明における「ショウガ科植物の含有物」に、6−ギンゲロール及び/又は6−ショーガオールが含有されることは排除されないが、本発明における「ショウガ科植物の含有物」は、6−ギンゲロールでも6−ショーガオールでもないものが効果を発揮していると考えられる。
実施例に示した通り、成分(A)は、成分(B)と成分(C)とを併用することによって、酸化抑制効果を効果的に発揮する。
また、成分(A)ショウガ科植物の含有物を使用した場合、酸化を抑制するのみならず、崩壊遅延の抑制にも極めて効果的である。
更に、ショウガ科植物の含有物が存在すると、「固形状経口剤若しくは固形状食品」の調製時に、成分(C)が表面に析出してくる量や速度が上昇し、結果として、成分(C)の量が一定の場合であっても、極めて耐ブロッキング性に優れたものを調製することができる。
<2.成分(B)及び(C)糖類若しくは糖アルコール類>
本発明における「糖類」とは、生物の内部に存在する「アルデヒド基又はケトン基を有する環状化合物」(以下、「単糖類」と略記する)、又は、それらが複数個、グリコシド結合によって結合した化合物(以下、「多糖類」)を言う。「多糖類」には「二糖」も含まれ、還元性はあってもなくてもよい。
本発明における「糖類」は、ヒトの体内で消化されるものであっても、消化されない又は消化され難いものであってもよく、甘いものであるか否かは問わない。
本発明における「糖アルコール類」とは、糖類から誘導される水酸基を有する化合物を言う。自然界において天然に存在する微生物によって糖類から誘導されたものであってもよく、人工的に糖類を発酵させたものであっても、糖類から人工的に合成されたものであってもよい。本発明における「糖アルコール類」は、ヒトの体内で消化されるものであっても、消化されない又は消化され難いものであってもよい。
本発明における「糖類」と「糖アルコール類」とは重複していてもよい。すなわち、上記定義から、両方に属する化合物が存在する場合がある。
その場合も、成分(B)と成分(C)には重複部分がないから、少なくとも2種の「糖類若しくは糖アルコール類」が含有されることになる。
<2−1.成分(B)糖類若しくは糖アルコール類>
本発明における成分(B)は、「融点が150℃以下であり、かつ、25℃の水100mLに対する溶解度が60g/100mL以上である、糖類若しくは糖アルコール類」である。
以下、25℃の水100mLに対する溶解度を、単に「溶解度」と略記する場合がある。
成分(B)の融点は150℃以下が必須であるが、130℃以下が好ましく、110℃以下がより好ましく、100℃以下が特に好ましい。下限は特に限定はないが、60℃以上が好ましく、70℃以上が特に好ましい。
融点が高すぎても低過ぎても、後述する成分(C)が微粉末として表面に析出することに影響し、また、成分(C)が表面に層形成することに影響し、本発明の上記効果を発揮できない場合がある。
成分(B)の25℃の水に対する溶解度は、60g/100mL以上が必須であるが、62g/100mL以上が好ましく、64g/100mL以上がより好ましく、66g/100mL以上が特に好ましい。上限は特に限定はないが、90g/100mL以下が好ましく、80g/100mL以下が特に好ましい。
成分(B)は可塑剤として機能するが、成分(B)の溶解度が低すぎると、可塑剤としての十分な量を配合できないことで、脆い「固形状経口剤又は固形状食品」しかできない場合がある。
上記成分(B)が、還元性を有さない二糖以上の糖類であることが特に好ましい。還元性を有する「糖類若しくは糖アルコール類」の場合、成分(B)を内容物に含有させると、内容物と成分(B)とが相互作用をして不溶化を起こしたり、崩壊遅延を生じたりする場合があり、更には健康被害がある場合もある。
成分(B)としては、具体的には、例えば、トレハロース(融点97℃、溶解度69g/100mL)、マルトース(融点102〜108℃、溶解度72g/100mL)、エリスリトール(融点121〜123℃、溶解度60g/100mL)、マルチトール(融点145℃、溶解度114g/100mL)等が挙げられる。
成分(B)として、上記物質を用いると、中でも特にトレハロースを用いると、成分(A)及び(C)と併用することによって、例えば不飽和脂肪酸類に対する酸化抑制作用が大きい酸化抑制組成物が得られる。
<2−2.成分(C)糖類若しくは糖アルコール類>
本発明における成分(C)は、「融点が160℃以上であり、かつ、25℃の水100mLに対する溶解度が30g/100mL以下である、糖類若しくは糖アルコール類」である。
成分(C)の融点は160℃以上が必須であるが、180℃以上が好ましく、190℃以上がより好ましく、210℃以上が特に好ましい。
融点が低すぎると、固形状経口剤若しくは固形状食品を調製時に、その表面に微粉末として析出しても、耐ブロッキング性が劣る場合がある。
一方、成分(C)の融点が高すぎる場合も、本発明の上記効果を発揮できない場合がある。
成分(C)の25℃の水に対する溶解度は、30g/100mL以下が必須であるが、25g/100mL以下が好ましく、20g/100mL以下がより好ましく、15g/100mL以下が特に好ましい。下限は特に限定はないが、0.1g/100mL以上が好ましく、1g/100mL以上がより好ましく、10g/100mL以上が特に好ましい。
溶解度が高すぎる場合は、成分(C)が、固形状経口剤若しくは固形状食品の表面に微粉末として析出し難い場合や析出しない場合があり、また、表面に層を形成し難い場合や層を形成しない場合があり、その結果、「ベタツキ」が抑制されなかったり、耐ブロッキング性に劣るものしかできなかったりする場合がある。
一方、溶解度が低すぎる場合も、本発明の上記効果を発揮できない場合がある。
成分(C)としては、具体的には、例えば、イノシトール(融点225〜227℃、溶解度14g/100mL)、ラクトース(融点202〜223℃、溶解度22g/100mL)、マンニトール(融点166〜168℃、溶解度18g/100mL)、ペンタエリスリトール(融点260℃、溶解度5.5g/100mL)等が挙げられる。
また、成分(C)は、シクリトール類であることが好ましい。「シクリトール類」とは、シクロアルカンの環を構成する3個以上の炭素原子に水酸基がそれぞれ1個結合した化合物を言う。
成分(C)がシクリトール類であると、成分(A)、(B)と併用して、例えば不飽和脂肪酸類に対する酸化抑制作用が大きく、また、「固形状経口剤若しくは固形状食品」調製時に、表面に微粉末として析出し易く、耐ブロッキング性に優れたものが得られる。
シクリトール類としては、皮膜の表面に微粉末として析出して耐ブロッキング性に優れた「固形状経口剤若しくは固形状食品」が得られる点でイノシトールが特に好ましい。
イノシトールは、成分(A)及び(B)と併用されることによって、酸化抑制効果が顕著に発揮される。
<3.酸化抑制組成物に含有される他の成分>
本発明の酸化抑制組成物には、成分(A)、(B)及び(C)以外にその他の成分を含有させることができる。
「その他の成分」としては特に限定はなく、公知の酸化抑制剤、ショウガ科植物の含有物の分散剤等が挙げられる。
酸化抑制剤としては特に限定はないが、天然物が本発明の人に優しいという効果を維持できるために好ましい。そのような酸化抑制剤としては、ビタミンC(L−アスコルビン酸)、ビタミンE等のビタミン類;クエン酸等のカルボン酸類;ローズマリーエキス等が挙げられる。
「固形状経口剤若しくは固形状食品」を溶液又は分散液から調製する場合、上記ショウガ科植物の含有物を溶媒又は分散媒に分散させるために、分散剤を使用することが好ましい。
また、「固形状経口剤若しくは固形状食品」の主成分に、上記ショウガ科植物の含有物を分散させるために、分散剤を併用することも好ましい。
該分散剤としては特に限定はないが、ショ糖脂肪酸エステル、ポリオール脂肪酸エステル(例えば、脂肪酸のグリセリンエステル)等の脂肪酸エステル;ダイズサポニン等のサポニン類;卵黄レシチン等のレシチンを主成分とするリン脂質及びレシチンのエステル結合を酵素により加水分解して得られるレゾレシチン;等が好ましい。
また、該分散剤は乳化分散剤であることが特に好ましい。
<4.固形状経口剤若しくは固形状食品>
本発明は、上記の酸化抑制組成物を含有することを特徴とする固形状経口剤若しくは固形状食品、でもある。
また、本発明の酸化抑制組成物は、前記した通り、特に「不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸エステル」(不飽和脂肪酸類)の酸化抑制に効果的であるため、本発明は、不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸エステルを含有する上記の「固形状経口剤若しくは固形状食品」でもある。
本発明における「不飽和脂肪酸」とは、炭素間二重結合又は三重結合を有する脂肪酸を言い、天然に存在するものか否かは問わず、天然物であっても天然物を変性したものであってもよい。また、炭素間二重結合又は三重結合の数は限定がなく、1個でも2個以上であってもよい。本発明における「不飽和脂肪酸」は、分子内に分岐を有していてもよく、また、水酸基等の有機基を有していてもよい。
本発明における「不飽和脂肪酸」は、高級脂肪酸であっても高級脂肪酸でなくてもよいが、高級脂肪酸であることが、機能性食品に多く含有されるため等の点から好ましい。本発明における「高級脂肪酸」とは、カルボキシル基の炭素を含め炭素数12個以上の脂肪酸を言う。
本発明における「不飽和脂肪酸エステル」とは、不飽和脂肪酸のカルボキシル基と水酸基を有する化合物の該水酸基とがエステル結合をしてなる化合物を言う。特に限定はないが、「水酸基を有する化合物」はグリセリンであることが好ましい。以下、「不飽和脂肪酸エステル」を、単に「油脂類」と略記することがある。
本発明における「不飽和脂肪酸」は、具体的には特に限定はないが、例えば、クロトン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、ネルボン酸等のモノ不飽和脂肪酸;リノール酸、エイコサジエン酸、ドコサジエン酸等のジ不飽和脂肪酸;リノレン酸、ピノレン酸、エレオステアリン酸、ミード酸、ジホモ−γ−リノレン酸、エイコサトリエン酸等のトリ不飽和脂肪酸;ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサテトラエン酸、アドレン酸等のテトラ不飽和脂肪酸;ボセオペンタエン酸、エイコサペンタエン酸(以下、「EPA」と略記する場合がある)、ドコサペンタエン酸、オズボンド酸、イワシ酸、テトラコサペンタエン酸等のペンタ不飽和脂肪酸;ドコサヘキサエン酸(以下、「DHA」と略記する場合がある)、ニシン酸等のヘキサ不飽和脂肪酸;等が挙げられる。
本発明における「不飽和脂肪酸」の炭素間二重結合の数は、2個以上が好ましく、3個以上がより好ましく、4個〜7個が特に好ましく、5個又は6個が更に好ましい。
炭素間二重結合の数が少な過ぎると、酸化による変質の程度が減少するので、本発明の酸化を抑制する効果を十分に発揮できない場合がある。
炭素数12個以上の高級不飽和脂肪酸が好ましく、炭素数14個以上がより好ましく、炭素数16個〜24個が特に好ましく、炭素数18個〜22個が更に好ましい。炭素数がこの範囲であると、本発明の酸化を抑制する効果を十分に発揮できる。
本発明における「不飽和脂肪酸エステル」は、上記した不飽和脂肪酸のカルボキシル基と「水酸基を有する化合物」の水酸基とがエステル結合してなる化合物を言うが、該「水酸基を有する化合物」としては、1価アルコール、2価アルコール又は3価アルコールが挙げられる。また、不飽和脂肪酸が結合されるものとしては、上記アルコール以外に、糖、アミノ酸、リン酸等が挙げられる。
上記3価アルコールとしては特に限定はないがグリセリンが好ましい。すなわち、「不飽和脂肪酸エステル」は、グリセリンエステルである「油脂類」が好ましい。油脂類は、天然に存在する機能性物質として種類が多いからである。
具体的には、例えば、EPA及び/又はDHAが結合してなる「モノグリセリド、ジグリセリド若しくはトリグリセリド」;EPAエチルエステル、DHAエチルエステル、EPAメチルエステル、DHAメチルエステル等の「EPA若しくはDHAの1価アルキルエステル」;EPA及び/又はDHAを含有したリン脂質;等を挙げることができる。
本発明の「固形状経口剤若しくは固形状食品」は、その内容物が不飽和脂肪酸類を含有するときに、空気中の酸素による自動酸化を抑制する効果を発揮し易い。そして、高級不飽和脂肪酸の含有率が高い場合に特に効果を発揮する。具体的には、高級不飽和脂肪酸の含有率が、内容物全体に対して、好ましくは60質量%以上、より好ましくは70質量%以上、特に好ましくは80質量%以上のときに特に効果を発揮する。
酸化抑制効果は、3日〜3週間、好ましくは1日〜3年間に亘り、過酸化物価(POV)の推移(変化)や、初期からの変化幅を測定することによって評価できる。本発明にける「酸化抑制」は、そのようにして評価したものとして定義される。
過酸化物価は、対象物が自動酸化して生成するヒドロペルオキシドの量を対象物1kg当たりのミリ当量で表したものであり、日本農林規格測定法に準じたヨウ素滴定法に従って測定する。
具体的には、対象物に、酸性でヨウ化カリウムを作用させ、遊離してくるヨウ素を、チオ硫酸ナトリウム溶液を用いて滴定法で求め、ヒドロペルオキシドのミリ当量に換算する。
なお、比色法等、他の方法で測定した値との相関を予めとっておいて、内挿によって求めてもよい。また、柴田科学器械工業株式会社製等の「POV分析キット」を用いてもよい。
本発明の「固形状経口剤若しくは固形状食品」は特に限定はないが、錠剤、チュアブル錠、グミカプセル、グミキャンディー、グミ、飴、チョコレート、チューインガム、羊羹等であるときに、本発明の効果を発揮し易い。これらの剤や食品は、酸化を受け易いものである場合があり、ベタツキが問題になり易く、ブロッキングし易いものである場合があるからである。
以下、実施例(実験例)を用いて本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限りこれらに限定されるものではない。
実験例1
「不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸エステル」として、DHAを50質量部、「成分(A)ショウガ科植物の含有物」として、ショウガエキスパウダーHI(日本粉末薬品株式会社社製)2.5質量部、成分(B)として、トレハロース(株式会社林原社製)22質量部、成分(C)として、イノシトール10質量部、サフラワー油12質量部、及び、分散剤として「ポエムJ−0381V」(理研ビタミン株式会社社製、グリセリン脂肪酸エステル)4質量部を撹拌溶解又は分散させて評価サンプルを調製した。それを、「サンプル01」とする。
ショウガエキスパウダーHI(日本粉末薬品株式会社社製)は、ショウガ(Zingiber officinales R.)の根茎から、水/エタノール混合溶媒で抽出した後に、溶媒を留去して粉末化したものである。
上記サンプルをサンプル瓶に入れ、60℃の恒温槽に7日間保存後、過酸化物価の変化を測定して、耐酸化性を評価した。
「過酸化物価」は、日本農林規格測定法に準じたヨウ素滴定法に従って測定した。具体的には、前記した方法で測定した。
実験例2
実験例1において、各成分の有無又は量を、表1に記載したように変化させた以外は、実験例1と同様にサンプル02〜12を得て、同様に過酸化物価の経時変化を測定して、耐酸化性を評価した。表1中の数値は質量部である。
「過酸化物価(POV)」は、前記した通り、日本農林規格測定法に準じたヨウ素滴定法に従って測定し、下記の「消費者団体による油菓子の実態調査での評価基準」に従って評価した。
結果を表2にまとめて示す。
過酸化物価(POV)
(mg等量/kg)
0以上10未満:ほとんど酸化していない
10以上30未満:酸化が進みかけている
30以上40未満:酸化臭を感じはじめる
40以上50未満:食べない方がよい
50以上 :酸化がひどい。中毒の危険性がある。
Figure 0005875446
Figure 0005875446
成分(A)、(B)及び(C)を全て含有するサンプルNo.01、02及び03では、60℃、7日後の過酸化物価(POV)が何れも10(mg等量/kg)未満と小さかったが、成分(A)、(B)及び(C)のうちの1種だけ含有するもの(内容物No.05〜09)、及び、1種を欠くもの(内容物No.10〜12)では、60℃、7日後の過酸化物価(POV)が何れも10(mg等量/kg)以上と大きく酸化が進んでいた。
これより、成分(A)、(B)及び(C)を全て含有すると、相乗的にDHAの酸化が抑制されることが分かった。
実験例3
成分(A)、(B)、(C)の何れか一つを除いたサンプルを調製した。成分(A)、(B)及び(C)の成分量の総和を、サンプル01、02に合わせて34.5質量部とし、含有されていない成分を除いて含有されている成分のみのそれぞれの成分の比率をサンプル01の各成分の比率に合わせて内容物を調製した。全ての内容物において、DHAは50質量部、サフラワー油は11.5質量部に統一して配合した。
実験例1と同様に評価したところ、実験例1、2と同様の結果が得られ、特に量のみを多くしても酸化抑制効果が顕著に表れないことが分かった。また、成分(A)、(B)及び(C)を全て含有した場合に、相乗的にDHAの酸化が抑制されることが分かった。
実験例4
<コラーゲン高含量グミカプセル>
成分(A)ショウガ科植物の含有物としてショウガエキスパウダーHI(日本粉末薬品株式会社社製)2.0質量部、成分(B)としてトレハロース(株式会社林原社製)22.6質量部、成分(C)としてイノシトール10.0質量部、DHA50.0質量部、グリセリン脂肪酸エステル(ポエムJ−0381V)(理研ビタミン株式会社社製、グリセリン脂肪酸エステル)4.0質量部、l−メントール0.08質量部、クエン酸1.3質量部、ネオテーム(ミラスイー200)0.8質量部、スクラロース0.2質量部、レモンフレーバー8.3質量部、グレープフルーツフレーバー0.7質量部の割合で秤量し、ホモミキサーで3000rpm、15分間混合撹拌後、真空脱泡してカプセル内容液(懸濁液)を得た。
別に、成分(A)ショウガ科植物の含有物としてショウガエキスパウダーHI(日本粉末薬品株式会社社製)2.5質量部、成分(B)としてトレハロース(株式会社林原社製)22質量部、成分(C)としてイノシトール10質量部、水100質量部に、グリセリン50質量部、グリセリン脂肪酸エステル(ポエムJ−0381V)(理研ビタミン株式会社社製、グリセリン脂肪酸エステル)5質量部を加えて88℃に加温した後、ローカストビーンガム(ビストップD−6)18質量部、ジェランガム(LT−100)3.5質量部、ペクチン(121−J Slow set)3質量部、コラーゲンペプチド(Peptan P 2000HD)40質量部、ゼラチン(APH−150)85質量部を加えて溶かし、スクラロース0.5質量部、ネオテーム(ミラスイー200)1質量部、クエン酸3質量部、リンゴ酸5質量部及び香料2質量部を加えて撹拌混合した。
続いて緩やかに撹拌しながら減圧脱法して皮膜溶液を得た。ロータリーダイ式ソフトカプセル製造機で、OVAL No.5.5型のグミカプセルの評価サンプルを調製した。それを、「サンプル21」とした。
上記で調製した「サンプル21」において、内容液からも、被膜溶液からも成分(A)のみを除いて「サンプル22」を調製した。
上記で調製した「サンプル21」において、内容液からも、被膜溶液からも成分(B)のみを除いて「サンプル23」を調製した。
上記で調製した「サンプル21」において、内容液からも、被膜溶液からも成分(C)のみを除いて「サンプル24」を調製した。
<耐ブロッキング性の評価方法>
サンプルビンにサンプル21、22、23、24を、それぞれ八分目まで入れ、50℃の恒温槽の中に入れ、3時間後、1日後、7日後に恒温槽から取り出し、室温に戻した後、サンプル同士のブロッキング状態を観察し、以下の基準で判定した。
○:サンプルにベタツキがなく、サンプル同士が全くくっつかない。
△:サンプルにややベタツキがあり、サンプル同士がくっついて団子状になるが、軽く解すだけで個々のサンプルに離れる。
×:サンプルのベタツキが大きく、サンプル同士がくっついて団子状態となり、個々のサンプルに離すことができない。
Figure 0005875446
サンプル24以外は、表面に成分(C)が析出し、耐ブロッキング性が改善したが、サンプル22、23は、サンプル21より劣っていた。成分(A)又は成分(B)の何れかが含有されていないと、意外にも耐ブロッキング性が不良であった。
実験例5
実験例4で製造したサンプル21、22、23及び24を用い、「サンプルの耐酸化性」を評価した。
<耐酸化性の評価方法>
サンプルの耐酸化性は、実験例1と同様に過酸化物価の経時変化を測定することによって評価した。60℃で21日後、60℃で2ヶ月後を評価し、以下の基準で判定した。結果を以下の表4に示す。
過酸化物価(POV)
◎:10(mg等量/kg)未満
○:10(mg等量/kg)以上20(mg等量/kg)未満
×:20(mg等量/kg)以上
Figure 0005875446
成分(A)、(B)及び(C)が含有されているサンプル21では、耐酸化性が優れていたが、成分(A)、(B)、(C)の何れかが含有されていないサンプル22〜24では、何れも耐酸化性に劣っていた。
成分(A)、(B)及び(C)が含有されていると、耐ブロッキング性と耐酸化性の両方が良好になることが分かった。
実験例5
<チョコレート含有グミキャンディー>
砂糖27.6質量部、水飴36.6質量部、カカオエキスパウダー3.8質量部、脱脂粉乳2.3質量部、乳化剤0.3質量部を混合し、100℃で加熱溶解させ、105℃でBrix82〜87.5まで煮詰めた糖液を得た。
次いで、90℃に温度を下げて、ゼラチン2.4質量部、チョコレート12.8質量部、成分(A)ショウガ科植物の含有物としてショウガエキスパウダーHI(日本粉末薬品株式会社社製)1質量部、成分(B)としてトレハロース(株式会社林原社製)30質量部、成分(C)としてイノシトール10質量部を添加し、全体が均一になるまで92℃で混合した。
得られた液を、表面が平滑で離型が容易なプラスチックトレーに移して厚さ5mmのシート状に広げ、放冷、乾燥固化した後、型から取り出し、15mm幅に断裁した。
更に、トレイ上で、温度20〜30℃、相対湿度30〜40%の作業環境下で、水分値9〜20%まで乾燥した。得られた評価サンプルを「サンプル25」とした。
成分(A)ショウガ科植物の含有物、成分(B)トレハロース及び成分(C)イノシトールに代えて、フォンダン(結晶化促進種)を配合し、常法であるスターチモールド方式に従い、グミキャンディーを製造した。
砂糖27.6質量部、水飴36.6質量部、カカオエキスパウダー3.8質量部、脱脂粉乳2.3質量部、乳化剤0.3質量部を混合し、100℃で加熱溶解させ105℃でBrix82〜87.5まで煮詰めた糖液を得た。
次いで、90℃に温度を下げて、ゼラチン2.4質量部、チョコレート12.8質量部を加え、全体が均一になるまで92℃で混合し、Brix70〜85に調整後、これをスターチモールドに充填し、水分値9〜20%まで40℃の保温庫で48時間乾燥とエージングを行った。
乾燥固化した後、型から取り出し、15mm幅に断裁して、更に、トレイ上で、温度20〜30℃、相対湿度30〜40%の通常の作業環境下で、水分値9〜20%まで乾燥した。得られた評価サンプルを「サンプル26」とした。
<べたつきの評価方法>
それぞれのサンプルを40℃に保存し、3時間後、1日後、7日後にベタツキを観察して、以下の基準で判定した。
○:サンプルにベタツキがない
△:サンプルにややベタツキがある
×:サンプルに強いベタツキがある
Figure 0005875446
成分(A)、(B)及び(C)が含有されているサンプル25では、それらを含有しないサンプル26に比較して「ベタツキ」が良好になることが分かった。
温度によってベタツキが出易いチョコレートを含有し、かつ高糖度のゼリー菓子であっても、ベタツキが抑えられた。
実験例6
実験例4において、成分(B)トレハロースに代えて同量のキシリトール(融点92〜96℃、25℃の水に対する溶解度10g/100mL)を用いた以外は実験例4と同様に評価サンプルを製造した。それを「サンプル31」とする。
また、実験例4において、成分(C)イノシトールに代えて同量のキシリトール(融点92〜96℃、25℃の水に対する溶解度10g/100mL)を用いた以外は実験例4と同様に評価サンプルを製造した。それを「サンプル32」とする。
上記実験例5と同様に、耐酸化性を評価したが、サンプル31は成分(B)を含有させないサンプルと、サンプル32は成分(C)を含有させないサンプルと同程度の結果であった。
本発明の特定の成分を含有する酸化抑制組成物は、酸化抑制、崩壊遅延の抑制、ベタツキの抑制、ブロッキングの抑制、褐変抑制等、保存性に関して極めて良好であるので、種々の固形状経口剤若しくは固形状食品に広く配合して利用されるものである。

Claims (5)

  1. 少なくとも、下記成分(A’)、成分(B’)及び成分(C’
    (A’)ショウガの根茎からの抽出物
    (B’)トレハロース
    (C’)イノシトール
    を含有することを特徴とする酸化抑制組成物。
  2. 上記成分(A’)が、ショウガの根茎から、水/エタノールの混合溶媒で抽出され、溶媒が留去されて粉末化された状態のものである請求項1に記載の酸化抑制組成物。
  3. 請求項1又は請求項に記載の酸化抑制組成物を含有することを特徴とする固形状経口剤若しくは固形状食品。
  4. 少なくとも、下記成分(A’)、成分(B)、成分(C)及び成分(D)
    (A’)ショウガの根茎からの抽出物
    (B)融点が150℃以下であり、かつ、25℃の水100mLに対する溶解度が60g/100mL以上である、糖類若しくは糖アルコール類
    (C)融点が160℃以上であり、かつ、25℃の水100mLに対する溶解度が30g/100mL以下である、糖類若しくは糖アルコール類
    (D)不飽和脂肪酸又は不飽和脂肪酸エステル
    を含有することを特徴とする固形状経口剤若しくは固形状食品。
  5. 上記固形状経口剤若しくは固形状食品が、錠剤、チュアブル錠、グミキャンディー、グミ、飴、チョコレート、チューインガム又は羊羹である請求項又は請求項に記載の固形状経口剤若しくは固形状食品。
JP2012083297A 2012-03-30 2012-03-30 酸化抑制組成物及び固形状経口剤若しくは固形状食品 Active JP5875446B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012083297A JP5875446B2 (ja) 2012-03-30 2012-03-30 酸化抑制組成物及び固形状経口剤若しくは固形状食品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012083297A JP5875446B2 (ja) 2012-03-30 2012-03-30 酸化抑制組成物及び固形状経口剤若しくは固形状食品

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013213001A JP2013213001A (ja) 2013-10-17
JP5875446B2 true JP5875446B2 (ja) 2016-03-02

Family

ID=49586645

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012083297A Active JP5875446B2 (ja) 2012-03-30 2012-03-30 酸化抑制組成物及び固形状経口剤若しくは固形状食品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5875446B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5925559B2 (ja) * 2012-03-30 2016-05-25 アリメント工業株式会社 ソフトカプセル

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11209266A (ja) * 1998-01-22 1999-08-03 Taisho Pharmaceut Co Ltd 苦味が低減された内服液剤
JP2001346537A (ja) * 2000-06-07 2001-12-18 Sansei Shokuhin Kk 果実外皮を用いた機能性食品およびその製造方法
JP4456785B2 (ja) * 2001-01-30 2010-04-28 丸善製薬株式会社 月桃葉及び茎抽出物組成物、月桃葉及び茎抽出物含有飲食物、並びに月桃葉及び茎抽出物の呈味改善方法
JP4321193B2 (ja) * 2003-09-19 2009-08-26 大正製薬株式会社 ニンジン配合液剤組成物
JP2005187349A (ja) * 2003-12-24 2005-07-14 Lion Corp 口腔内崩壊錠
US9247765B2 (en) * 2004-01-14 2016-02-02 Omniactive Health Technologies Limited Stable beadlets of lipophilic nutrients
JP2006188672A (ja) * 2004-12-06 2006-07-20 Hayashibara Biochem Lab Inc ラジカル生成抑制剤
KR100796773B1 (ko) * 2006-10-18 2008-01-22 전북대학교산학협력단 흡습 및 갈변방지를 위한 편강의 제조방법
JP5925559B2 (ja) * 2012-03-30 2016-05-25 アリメント工業株式会社 ソフトカプセル

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013213001A (ja) 2013-10-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1424907B1 (en) Oil composition
JP4157765B2 (ja) 粉末油脂
CN100448358C (zh) 油/脂组合物
TWI331902B (ja)
US20070141220A1 (en) Composition enriched in diglyceride with conjugated linoleic acid
AU2013234036B2 (en) Oxidixable fatty acid composition delivery form
JP6490361B2 (ja) コンニャク流動材料の用途
JP2020062006A (ja) 口腔内抗菌用機能性食品組成物
US10874116B2 (en) Fortified jelly confectionery
JPH1156245A (ja) 油脂含有ゼリー状キャンディー及びその製造法
JP2015198586A (ja) 青汁食品及びその製造方法
JP2017158526A (ja) グミ状可食性組成物
JP4732408B2 (ja) 徐放性乾燥物
JP4420658B2 (ja) 糖衣掛け方法並びにそれに用いられる乳化香料及びシロップ
JP5875446B2 (ja) 酸化抑制組成物及び固形状経口剤若しくは固形状食品
JP5925559B2 (ja) ソフトカプセル
JP6831558B2 (ja) 脳機能改善組成物
JPH1156315A (ja) γ−リノレン酸含有飲料
JP2974204B2 (ja) γ−リノレン酸含有ゼリー状キャンディー及びその製造法
JP2014141433A (ja) 持続性唾液分泌促進組成物及びそれを内溶液とする軟カプセル剤
JP2005089374A (ja) 血糖値上昇抑制機能性飲食品
US20220225648A1 (en) Food compositions with microalgal extracts
WO2023275190A1 (en) Soft gel capsule
TW202027731A (zh) 膠囊劑及皮膜的不溶化抑制方法
JP6371627B2 (ja) 粉末状唾液分泌促進剤

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150129

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150828

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150902

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150929

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160105

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160119

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5875446

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250