JP2015198586A - 青汁食品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、青臭さ、エグ味及び苦味等が抑制された、摂取が容易で嗜好性に優れた青汁食品及びその製造方法を提供することである。
【解決手段】青汁食品に、構成脂肪酸として炭素数6〜12の中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドを1〜20質量%含有させる。好ましくは、前記トリグリセリドの構成脂肪酸は、炭素数6〜12の中鎖脂肪酸のみから構成されている。より好ましくは、前記トリグリセリドの構成脂肪酸は、炭素数8又は10の中鎖脂肪酸のみから構成されている。
【選択図】なし

Description

本発明は、青汁食品に関する。詳しくは、青臭さ、エグ味及び苦味等が抑制された、摂取が容易で嗜好性に優れた青汁食品及びその製造方法に関する。
人が健康を保持し、増進するためには、日頃から炭水化物、脂肪、蛋白質、ビタミン、ミネラル等の栄養素をバランスよく食事から摂取することが大事である。さらに、近年では、これらの栄養素に加えて、食物繊維を摂取することの重要性がうたわれている。
しかし、我が国では、食の欧米化が進み、主食としての穀物と、野菜等のグリーン食材の摂取が減少し、動物性食品の摂取量が増大している。このことが、生活習慣病である心臓病、糖尿病、癌等の疾病の増加を招いているといわれている。野菜類の摂取量の減少は、ビタミン、ミネラルのみならず、食物繊維の摂取不足をもたらすものである。他方、穀類の消費量が減少しつつある上に、食味の向上を狙って、精製度を上げていることから、食物繊維、ビタミン、ミネラルの摂取量はさらに減少する傾向がある。
このような傾向がある中、従来から、野菜類の摂取量を補う目的で、青汁食品が注目され利用されている(特許文献1)。例えば、青汁食品に用いられる素材としては、ケール、大麦若葉、明日菜、キャベツ等があるが、青臭さ、苦味、香り等、嗜好性の面で十分に満足できるものとは必ずしもいえず、これらの改良が望まれていた。
そこで、例えば、特許文献2には、所定量のコウジ酸とカルシウム化合物を添加することにより、青臭みが抑えられて風味に優れた飲みやすいケール青汁を得る技術が記載されている。そして、特許文献3には、ケール青汁特有の青臭さを改善するために、適宜の混合比率で大豆加工品を添加し、大豆に含まれるカルシウムの働きにより、青臭さを低減する技術が記載されている。また、特許文献4には、βグルカンを添加したことにより、青臭さや苦味等、摂取が困難となるような呈味が改善された青汁や野菜ジュース等を得る技術が記載されている。さらに、特許文献5には、ケール成分含有液に酢酸菌を接触させ、青臭さが低減されたケールを含有する青汁等の飲料を得る技術が記載されている。
しかし、これらの成分を添加するだけでは、消費者の需要を十分に満足できるものになっているとはいえず、より簡便にかつ効果的に、青汁食品特有の青臭さ、エグ味及び苦味等を抑制する技術が求められていた。
一方、中鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含むトリグリセリドは、体内に摂取されると速やかに吸収されかつ肝臓ですぐに燃やされエネルギー化されやすいため、例えば、特許文献6では、この中鎖脂肪酸及び/又は中鎖脂肪酸を含むトリグリセリドを含む様々な飲食物が提案されている。しかし、この中に、青汁食品についての報告はない。
また、例えば、特許文献7には、製薬上許容される油、脂肪、ワックス、脂肪アルコールまたは脂肪酸は、苦味−マスキング剤となり得ることが記載され、その中の1つとして、中鎖脂肪酸トリグリセリドが挙げられているが、青汁食品に含まれる苦味成分をマスキングする効果については何ら記載されておらず、青臭さやエグ味等、苦味以外の官能的に望ましくない呈味を低減する効果についても何ら記載されていない。
特開2002−051753号公報 特開2002−186442号公報 特開2004−215607号公報 特開2005−073508号公報 特開2006−320224号公報 特開2004−075653号公報 特開2005−082594号公報
本発明の課題は、青臭さ、エグ味及び苦味等が抑制された、摂取が容易で嗜好性に優れた青汁食品及びその製造方法を提供することである。
本発明者らは、様々な油脂を添加して、青臭さ、エグ味及び苦味等が抑制された青汁食品が得られるかどうかについて鋭意研究を行ったところ、驚くべきことに、炭素数6〜12の中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドを特定量配合することにより、本課題が解決できることを見いだした。
すなわち、本発明の一態様によれば、食用油脂を含む青汁食品であって、前記食用油脂には中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドが前記食用油脂の50質量%以上含まれていることを特徴とする、青汁食品を提供することができる。
本発明の好ましい態様によれば、上記中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドを含有する食用油脂が、1〜20質量%で含有されていることを特徴とする、青汁食品を提供することができる。
本発明の好ましい態様によれば、上記中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドが、中鎖脂肪酸のみからなるトリグリセリドであることを特徴とする、青汁食品を提供することができる。
本発明の好ましい態様によれば、上記中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドの構成脂肪酸の炭素数が、6〜12であることを特徴とする、青汁食品を提供することができる。
本発明の一態様によれば、上記青汁食品の原料となる植物が、ケールであることを特徴とする、青汁食品を提供することができる。
また、本発明の一態様によれば、青汁食品に食用油脂を含有させる工程を含み、前記食用油脂には中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドが50質量%以上含まれていることを特徴とする、青汁食品の製造方法を提供することができる。
本発明の好ましい態様によれば、上記中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドを含有する食用油脂を1〜20質量%含有させる工程を含む、青汁食品の製造方法を提供することができる。
本発明の好ましい態様によれば、上記中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドが、中鎖脂肪酸のみからなるトリグリセリドであることを特徴とする、青汁食品の製造方法を提供することができる。
本発明の好ましい態様によれば、上記中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドの構成脂肪酸の炭素数が、6〜12であることを特徴とする、青汁食品の製造方法を提供することができる。
本発明の一態様によれば、上記青汁食品の原料となる植物が、ケールであることを特徴とする、青汁食品の製造方法を提供することができる。
また、本発明の一態様によれば、青汁食品用呈味改良剤であって、炭素数6〜12の中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドを有効成分とする、青汁食品用呈味改良剤を提供することができる。
本発明の好ましい態様によれば、炭素数6〜12の中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドを用いて、青汁食品の呈味を改良する方法を提供することができる。
本発明の一態様によれば、上記青汁食品の原料となる植物にケールを用いる、青汁食品の呈味を改良する方法を提供することができる。
本発明によれば、青汁食品に、炭素数6〜12の中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドを含有させることにより、青汁食品に由来する、青臭さ、エグ味及び苦味が抑制された、摂取が容易で嗜好性に優れた青汁食品を簡便に製造することができる。本発明の青汁食品は、青汁食品に由来する、青臭さ、エグ味及び苦味が抑制された呈味を有するため、従来の青汁食品では満足できなかった人々の需要を満足することができる。また、中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドを含むため、効果的なエネルギー補給用の飲料として、又は中鎖脂肪酸が生体内で薬理作用を発揮するための飲料として利用することができる。
以下、本発明の青汁食品について順を追って記述する。
本発明において「青汁食品」とは、青汁の原料となる植物を細断、粉砕、磨砕等の微細化処理をしたもの、あるいは前記原料や前記微細化処理物を圧搾して得られる搾汁であって、その形状としては、微細固形状、半固形状、ペースト状、液状等である。さらに、これら形状のものを乾燥させた後、粉砕して得られる粉末状のものであっても良いし、カプセル状、剤状であっても良い。粉末状のものとしては、原料を細断せずそのまま乾燥させたものを粉砕しても良い。このような乾燥の方法としては、自然乾燥、加熱乾燥、噴霧乾燥等の方法が挙げられるがこれに限定されない。また、凍結乾燥法を用いると、熱による変質がなく、粉砕も容易であり、嗜好性に優れたものが得られるので好ましい。
なお、本発明の「青汁食品」には、青汁はもちろんのこと、青汁が、飴、アイス、焼き菓子等に配合された状態の青汁含有食品も含まれる。
本発明における青汁の原料は特に制限されないが、例えば、ケール、大麦若葉、明日菜、ゴーヤ、ブロッコリー、キャベツ、小松菜、ダイコン葉、クレソン、ナズナ、明日菜、セリ、パセリ、ニンジン、セロリ、アスパラガス、ホウレンソウ、ニガウリ、緑茶、シソ、春菊、ニワトコ、ハコベ、ヨモギ、桑、シモン葉、クマグサ、モロヘイヤ等が挙げられ、これらの1種、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、本発明では、特にケールが好ましい。
本発明において、青汁原料を微細化処理する方法は特に制限されないが、例えば、以下のような方法が採用できる。青汁原料を洗浄後、必要に応じてカッター、スライサー等を用いて、適当な大きさ、例えば5cm程度以下の大きさに細断する工程を行う。そしてなるべく時間を置かずに−20℃以下に設定された雰囲気下で凍結する工程を行う。この凍結工程においては、氷晶が生じないように、−30℃以下に設定された雰囲気下、さらに好ましくは−40℃以下に設定された雰囲気下で急速凍結することが好ましい。凍結後、真空乾燥により凍結乾燥する。真空度の条件は、1.0〜0.01mmHgの範囲とすることが好ましい。次に、得られた凍結乾燥品を粉砕するが、高速回転式ミルで粉砕すると、滑らかな食感の粉砕品が得られるので好ましい。
次に本発明で使用する「食用油脂」について説明する。
本発明の青汁食品に含まれる「食用油脂」の含量は、好ましくは1〜20質量%である。その理由は、食用油脂の含量が1質量%未満であると、青汁食品に含まれる青臭さ、エグ味及び苦み等を抑える効果が少ないものとなってしまうからである。また、食用油脂の含量が20質量%以上であると、食した時に油性感を呈してしまうからである。そして、食用油脂の含量は、1〜15質量%であることがより好ましく、3〜10質量%であることがさらに好ましい。
本発明の「食用油脂」は、青汁食品に含まれる青臭さ、エグ味及び苦味の抑制されたものとするため、前記食用油脂の50質量%以上が炭素数6〜12の中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドである食用油脂でなければならず、「食用油脂」についてそれ以外は特に制限されない。そして、食用油脂中の前記トリグリセリドの含量は、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である。また、食用油脂の全て(100質量%)が上記トリグリセリドであることが最も望ましい。
例えば、日清オイリオグループ(株)製の商品「MCT−C10R」を配合した食用油脂等が挙げられる。
本発明の青汁食品には、構成脂肪酸として炭素数6〜12の中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドが含まれているが、当該トリグリセリドは、構成脂肪酸を炭素数6〜12の中鎖脂肪酸のみとするトリグリセリドであってもよいし、構成脂肪酸として炭素数6〜12の中鎖脂肪酸と他の脂肪酸を含む混酸基トリグリセリドであってもよい。ここで、各々の中鎖脂肪酸のグリセリンへの結合位置は、特に限定されない。また、混酸基トリグリセリドである場合には、構成脂肪酸の一部に炭素数6〜12以外の脂肪酸を含んでいてもよく、例えば、炭素数が14以上の長鎖脂肪酸を含んでいてもよい。ここで、炭素数6〜12の中鎖脂肪酸は、直鎖状の飽和脂肪酸であることが好ましい。
また、本発明において用いられる上記トリグリセリドは、例えば、トリオクタノイルグリセリドとトリデカノイルグリセリドとの混合物等、複数の異なる分子種の油脂が混ざり合った混合物であってもよいし、液体状、固体状、又は粉末体状等、その形態は問わない。
本発明の青汁食品に含まれる中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドとしては、構成脂肪酸が炭素数6〜12の中鎖脂肪酸のみからなるトリグリセリド(以下「MCT」とも表す。)が好ましい。特に、構成脂肪酸が炭素数8〜10の中鎖脂肪酸のみからなるトリグリセリドがより好ましい。
本発明の青汁食品中に含まれるMCTは、従来公知の方法で製造できる。例えば、炭素数6〜12の脂肪酸とグリセロールとを、触媒下、好ましくは無触媒下で、また、好ましくは減圧下で、120〜180℃に加熱し、脱水縮合させることにより製造できる。
本発明の青汁食品に使用される食用油脂は、炭素数6〜12の中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドの含量が上記特定の範囲(配合する食用油脂の50質量%以上)を満たしている限り、他のどのような食用油脂原料をさらに含有していてもよい。例えば、ヤシ油、パーム核油、パーム油、パーム分別油(パームオレイン、パームスーパーオレイン等)、シア脂、シア分別油、サル脂、サル分別油、イリッペ脂、大豆油、菜種油、綿実油、サフラワー油、ひまわり油、米油、コーン油、ゴマ油、オリーブ油、乳脂、ココアバター等やこれらの混合油、加工油脂等をさらに使用することができる。
本発明の青汁食品は、上記トリグリセリド以外にも、青汁食品に一般的に配合される原材料を使用することができる。また、例えば、甘味、酸味、着香、保存を目的として、砂糖、ブドウ糖、果糖、はちみつ等の糖類、ソルビット、マルチトール、エリスリトール等の糖アルコール、キシロオリゴ糖、フラクトオリゴ糖、乳化オリゴ糖等のオリゴ糖類、アルギン酸ナトリウム、レモン果汁、オレンジ果汁、加糖練乳、抹茶、クエン酸、アスコルビン酸等を添加することが挙げられる。また、栄養成分強化、安定化を目的として、難消化性デキストリン、ポリデキストロース、イヌリン等の水溶性食物繊維、水溶性多糖類、カルシウム、ローヤルゼリー、ペクチン、大豆多糖類、カラギーナン等を添加することが挙げられる。その他として、各種食用界面活性剤、pH調整剤、着色料、エタノール、水等も使用しても良い。
本発明の青汁食品は、従来公知の方法に、炭素数6〜12の中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドを配合することにより製造することができる。具体的には、まず、従来公知の方法で青汁食品を用意する。そして、この青汁食品に、炭素数6〜12の中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドを添加し、例えば、良く撹拌混合して、前記トリグリセリドが乳化された状態の青汁食品を製造する方法等が挙げられる。また、この炭素数6〜12の中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドを含有した青汁溶液を調製し、噴霧乾燥により粉末状にした青汁食品の製造方法等が挙げられる。さらには、青汁の粉末に炭素数6〜12の中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドを含有する粉末油脂を混合することによる、粉末状の青汁食品を製造する方法等が挙げられる。
ところで、以上述べたように、炭素数6〜12の中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドを青汁食品に添加すると、青臭さ、エグ味及び苦味等が抑制され、摂取が容易で嗜好性に優れた青汁食品に改変できることから、本発明は、青汁食品用の呈味改良剤であって、炭素数6〜12の中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドを有効成分とする、該呈味改良剤にも関する。また、本発明は、炭素数6〜12の中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドを用いて、青汁食品の呈味を改良する方法にも関する。
以下に示すように、本発明の青汁食品用呈味改良剤を青汁食品の製造に用いることにより、従来の青汁食品を、青臭さ、エグ味及び苦味等が抑制され、摂取が容易で嗜好性に優れたものへと改良することができる。
また、本発明の青汁食品用呈味改良剤は、有効成分であると上述した炭素数6〜12の中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドを含有したものであればよく、この他に、本発明の効果を損なわない範囲で、大豆油、菜種油等の油脂、デキストリン、澱粉等の賦形剤、他の品質改良剤等を含有させたものであってもよい。
次に、実施例および比較例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに何ら制限されるものではない。
以下において「%」とは、特別な記載がない場合、質量%を示す。
<原料油脂>
〔MCT1〕: 食用油脂として、中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドは、トリグリセリドを構成する脂肪酸が、オクタン酸(炭素数8)とデカン酸(炭素数10)であり、トリグリセリドを構成する脂肪酸の割合がオクタン酸:デカン酸=30:70であるMCT(日清オイリオグループ株式会社製、商品名:MCT−C10R)をMCT1とした。
〔MCT2〕: 食用油脂として、中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドは、トリグリセリドを構成する脂肪酸が、オクタン酸(炭素数8)とデカン酸(炭素数10)であり、トリグリセリドを構成する脂肪酸の割合がオクタン酸:デカン酸=75:25であるMCT(日清オイリオグループ株式会社製、商品名:O.D.O)をMCT2とした。
〔米油〕:トリグリセリドを構成する脂肪酸が、パルミチン酸(炭素数16)、オレイン酸(炭素数18)、リノール酸(炭素数18)及びその他であり、トリグリセリドを構成する脂肪酸の割合がパルミチン酸:オレイン酸:リノール酸:その他=約17:42:36:5である米油(日清オイリオグループ株式会社製、商品名:日清おいしい米油)を米油とした。当該米油の中には、中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドの含有量が0質量%であった。
〔キャノーラ油〕:トリグリセリドを構成する脂肪酸が、パルミチン酸(炭素数16)、オレイン酸(炭素数18)、リノール酸(炭素数18)及びその他であり、トリグリセリドを構成する脂肪酸の割合がパルミチン酸:オレイン酸:リノール酸:その他=約4:61:20:15であるキャノーラ油(日清オイリオグループ株式会社製、商品名:日清キャノーラ油)をキャノーラ油とした。当該キャノーラ油の中には、中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドの含有量が0質量%であった。
<青汁食品の製造(実施例1及び実施例2)>
実施例1及び実施例2では、本発明の課題に対して、食用油脂を含有した青汁食品を製造した。
より具体的には、50mlの試験管内に上記MCT1又はMCT2を50g中の最終濃度が、0、0.5、1、3、7、10、15、20質量%となるようにそれぞれ分注した。そして、市販のケールを主原料とした粉末状青汁(商品名:青汁のめぐりケール、ヤクルトヘルスフーズ株式会社)37.5gを500mlの水に溶かし、これを試験管内の最終質量が50gとなるように注いだ。この溶液を良く撹拌混合して、試験用青汁を製造した。
<試験用青汁の評価方法>
上記で得られた試験用青汁について、経験豊富な10名のパネラーにより食味を評価した。具体的には、青臭さ、粉っぽさ、口当たり、苦味、エグ味、油性感及び総合評価の7項目について以下の評価基準に基づき評価を行った。食味の評価結果を表1及び表2に示す。
青臭さ、粉っぽさ、口当たり、苦味、エグ味及び油性感の評点は4点法で行った。
◎:非常に良い
○:良好
△:普通
×:不良
総合評価の評点は4点法で行った。
◎:風味が良くておいしい。
○:風味の良さをやや欠くがおいしく飲める
△:風味の良さを欠くが商品としては許容範囲である
×:不快な風味が強く飲用が容易ではない
Figure 2015198586
Figure 2015198586
上記表1及び表2の結果からもわかるように、中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドであるMCTを添加した試験用青汁は、MCT1又はMCT2のどちらを添加した場合であっても、青汁食品に含まれる特有の青臭さ、エグ味及び苦味が抑制されたものとなり、摂取が容易で嗜好性に優れたものとなった。このように、MCT1でもMCT2でも効果に有意な差がなかったことから、炭素数8の中鎖脂肪酸でも炭素数10の中鎖脂肪酸でも効果において大きな差がなく、どちらも有用であることが判明した。
<青汁食品の製造(比較例1及び比較例2)>
比較例1及び比較例2では、本発明の課題に対して、食用油脂を含有した青汁食品を製造した。
より具体的には、50mlの試験管内に上記米油又はキャノーラ油を50g中の最終濃度が、0、0.5、1、3、7、10、15、20質量%となるようにそれぞれ分注した。そして、市販のケールを主原料とした粉末状青汁(商品名:青汁のめぐりケール、ヤクルトヘルスフーズ株式会社)37.5gを500mlの水に溶かし、これを試験管内の最終質量が50gとなるように注いだ。この溶液を良く撹拌混合して、試験用青汁を製造した。
<試験用青汁の評価方法>
比較例1及び比較例2においても、上記段落[0025]と同じ官能評価を行った。食味の評価結果を表3及び表4に示す。
Figure 2015198586
Figure 2015198586
上記表3及び表4の結果からもわかるように、米油又はキャノーラ油を添加した青汁食品は、青汁食品に含まれる特有の苦味及びエグ味がある程度抑制されたものとなったが、青臭さはあまり抑制されなかった。また、米油又はキャノーラ油を添加した青汁は、独特の油性感があり、飲料としてはあまり適していなかった。なお、油性感は、米油の方がキャノーラ油よりもやや感じにくかった。

Claims (13)

  1. 食用油脂を含む青汁食品であって、前記食用油脂には中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドが前記食用油脂の50質量%以上含まれていることを特徴とする、青汁食品。
  2. 上記中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドを含有する食用油脂が、1〜20質量%で含有されていることを特徴とする、請求項1に記載の青汁食品。
  3. 上記中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドが、中鎖脂肪酸のみからなるトリグリセリドであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の青汁食品。
  4. 上記中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドの構成脂肪酸の炭素数が、6〜12であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の青汁食品。
  5. 上記青汁食品の原料となる植物が、ケールであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の青汁食品。
  6. 青汁食品に食用油脂を含有させる工程を含み、前記食用油脂には中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドが50質量%以上含まれていることを特徴とする、青汁食品の製造方法。
  7. 上記中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドを含有する食用油脂を1〜20質量%含有させる工程を含む、請求項6に記載の青汁食品の製造方法。
  8. 上記中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドが、中鎖脂肪酸のみからなるトリグリセリドであることを特徴とする、請求項6又は7に記載の青汁食品の製造方法。
  9. 上記中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドの構成脂肪酸の炭素数が、6〜12であることを特徴とする、請求項6〜8のいずれか1項に記載の青汁食品の製造方法。
  10. 上記青汁食品の原料となる植物が、ケールであることを特徴とする、請求項6〜9のいずれか1項に記載の青汁食品の製造方法。
  11. 青汁食品用呈味改良剤であって、炭素数6〜12の中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドを有効成分とする、青汁食品用呈味改良剤。
  12. 炭素数6〜12の中鎖脂肪酸を有するトリグリセリドを用いて、青汁食品の呈味を改良する方法。
  13. 上記青汁食品の原料となる植物にケールを用いる、請求項12に記載の青汁食品の呈味を改良する方法。
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