JP2005187349A - 口腔内崩壊錠 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 (A)芳香性健胃剤と、(B)平均粒子径が150μm以下である制酸剤と、(C)糖アルコールとを含有することを特徴とする口腔内崩壊錠。
【選択図】 なし
Description
従来、芳香性健胃剤は、芳香の香り立ちが良好である点から、散剤、顆粒剤などの粉薬として服用されることが多い。しかし、粉薬は、服用する際にむせるなど、服用性の点で問題がある。
しかし、このようなチュアブル錠では、芳香の強さや持続性が充分ではない。
しかし、生薬末の中にはケイヒやウイキョウ等のように結合性が低いものが多く、これらの生薬の錠剤中での配合量を単純に多くしても、錠剤硬度が低下し、脆くなってしまうため、1錠中の配合量には限界がある。
また、生薬の配合量を増やした錠剤の硬度を高くするために、生薬末を高分子結合剤により造粒したり被覆したりして粒子の結合性をあげると、崩壊性が悪くなり、芳香の香り立ち、強さ、持続性等の芳香性が損なわれてしまう。
したがって、芳香性を向上させるために錠剤中の生薬量を多くする処方は困難である。
しかし、これを打錠した錠剤は、崩壊時間は比較的短いものの、実際の口腔内での崩壊性は満足されるものではない。即ち、このような錠剤は、口腔内で、初めに粗い粒子に崩壊し、その後さらに小さい粒子に崩れる。そのため、舌の上で転がしたり舐めたりして崩壊させるタイプの崩壊錠とするには、舌触り等の触感が悪い。
さらに、口腔内で崩壊させ、飲みこんだ後の芳香の持続性も悪く、作用時間が短い。
したがって、口腔内で崩壊させるタイプの芳香性健胃剤とするには、さらなる改善の必要がある。
すなわち、本発明は、(A)芳香性健胃剤と、(B)平均粒子径が150μm以下である制酸剤と、(C)糖アルコールとを含有することを特徴とする口腔内崩壊錠である。
前記本発明の口腔内崩壊錠においては、芳香性健胃剤がウイキョウ、ケイヒ、ショウキョウ、キジツ、ウコン、チョウジからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
前記本発明の口腔内崩壊錠においては、制酸剤が水難溶性制酸剤であることが好ましい。
前記本発明の口腔内崩壊錠においては、水難溶性制酸剤が合成ヒドロタルサイト、炭酸マグネシウム、沈降炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムからなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本発明の口腔内崩壊錠は、(A)芳香性健胃剤(以下、(A)成分ということがある)と、(B)平均粒子径が150μm以下である制酸剤(以下、(B)成分ということがある)と、(C)糖アルコール(以下、(C)成分ということがある)とを含有することをを特徴とする。
(A)成分としては、一般に使用される芳香性健胃剤であれば特に制限はなく、例えばウイキョウ、ケイヒ、ショウキョウ、キジツ、ウコン、チョウジ、ガジュツ、セキショウコン、トウヒ、サンショウ、ゲッケイジュ、ショウガ、ニッケイ、ダイダイ、キッピ、リョウキョウなどの生薬が挙げられる。
これらの中でも、香り立ちがよいことから、ウイキョウ、ケイヒ、ショウキョウ、キジツ、ウコン、チョウジ、ガジュツが好ましい。
これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(B)成分としては、平均粒子径が150μm以下であれば特に制限はなく、一般に使用される制酸剤が使用でき、例えば合成ヒドロタルサイト、炭酸マグネシウム、炭酸水素ナトリウム、沈降炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、軽質無水ケイ酸等が挙げられる。
これらの中でも、水難溶性制酸剤、例えば水(20℃)への溶解度が1g/100g以下の制酸剤を配合すると、服用した際に口腔内で大きな粒子に割れにくく、さらに口腔内で崩壊する際の舌触りが向上するため好ましい。
水難溶性制酸剤としては、合成ヒドロタルサイト、炭酸マグネシウム、沈降炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムが好ましく挙げられる。
これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
平均粒子径の下限値としては、5μm以上が好ましく、10μm以上がさらに好ましい。平均粒子径が5μm未満では粉の流動性が悪くなり、打錠時の含量均一性の確保が難しくなるおそれがある。
(C)成分としては、一般に使用される糖アルコールであれば特に制限はなく、例えばソルビトール、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、マルチトールなどが挙げられる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、エリスリトール、マンニトール、キシリトールが好ましい。これらの糖アルコールは、吸湿性が低く、保存安定性がよい。また、崩壊時に大きな割れができにくく、錠剤の外側から徐々に細かく崩壊するなど、舌触りも良くなる。
結合剤としては、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、エチルセルロース等が上げられ、特に、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコールが好ましい。
また、口腔内崩壊錠中の(A)〜(C)成分の総量は、300〜1200mgが好ましい。300mg未満では有効性が低いおそれがあり、1200mgを超えると錠剤が大きくなりすぎるおそれがある。
他の有効成分としては、アズレンスルホン酸ナトリウム、アルジオキサ、グリチルリチン酸及びその類塩、L−グルタミン、銅クロロフィリンNa、銅クロロフィリンK、塩酸ヒスチジンなどの粘膜修復剤等が挙げられる。
他の任意成分として好ましいものとしては、高甘度甘味料、モノテルペン化合物、崩壊剤、賦形剤等が挙げられる。
高甘度甘味料の配合量は、口腔内崩壊錠の総質量(固形分)100質量%に対して、0.1〜6質量%が好ましく、0.2〜4質量%がより好ましく、0.3〜2質量%がさらに好ましい。この範囲の高甘度甘味料を配合することにより、口腔内崩壊錠に適度な甘味を付与することができる。
モノテルペン化合物の配合量は、口腔内崩壊錠の総質量(固形分)100質量%に対して、0.1〜3質量%が好ましく、0.25〜2質量%がより好ましく、0.5〜1質量%がさらに好ましい。この範囲のモノテルペン化合物を配合することにより、口腔内崩壊錠に適度な清涼感を付与することができる。
崩壊剤の配合量は、口腔内崩壊錠の総質量(固形分)100質量%に対して、0.5〜20質量%が好ましく、1〜15質量%がより好ましく、3〜10質量%がさらに好ましい。この範囲のモノテルペン化合物を配合することにより、口腔内崩壊錠に適度な崩壊性を付与することができる。
滑沢剤としては、ステアリン酸マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、タルク、ステアリン酸などが挙げられる。
打錠には、一般に錠剤の成型に用いられる装置が用いられる。例えば、単発錠剤機(菊水製作所製)、ロータリー式錠剤機(菊水製作所製)などが用いられる。
打錠の際の成型圧力は、成型物の硬度、口腔内の崩壊性、溶解性から任意に設定すればよい。例えば、後述するような錠剤硬度の範囲内とするためには、400〜3000kg/cm2が好ましく、600〜2000kg/cm2がより好ましく、1000〜1800kg/cm2がさらに好ましい。
ここで、錠剤硬度とは、モンサント型の錠剤強度試験機を用いて、常法に従って測定する錠剤硬度試験によって測定される値である。
また、本発明の口腔内崩壊錠は、上述のように、芳香性健胃剤の芳香の香り立ち、強さ、持続性等の芳香性が良好なものであることから、優れた芳香性健胃作用を有するものである。
さらに、本発明の口腔内崩壊錠は、このように優れた芳香性を有しつつ、製造時に崩れない適度の強度が維持される。
実施例1
表1に記載の粉体原料を以下のように調製し、錠剤を得た。なお、表1中の各成分の配合量は、錠剤1錠当たりの成分量(mg)である。
エリスリトール3000gをスパイラフローに入れ、ヒドロキシプロピルセルロースの6%水溶液3000gを噴霧し造粒した。
得られた造粒品572.4g、ケイヒ末405g、ウイキョウ末105g、アルジオキサ150g、合成ヒドロタルサイト(平均粒系50μm)750g、炭酸マグネシウム(平均粒子径20μm)150g、クロスポビドン240g、トウモロコシデンプン15g、アスパルテーム15g、l−メントール15g、ステアリン酸マグネシウム3gをV型混合機V−5型(徳寿製作所)にて混合し、混合物Aを得た。
得られた混合物Aをロータリー式錠剤機(菊水製作所製)で打錠し、直径15mm、厚さ5mmの口腔内崩壊錠を得た。
実施例1と同様の方法で、表1に記載の粉体原料を調製して口腔内崩壊錠を製造した。
なお、実施例2〜4では、実施例1のエリスリトールの造粒は、エリスリトールの代わりにキシリトール又はマンニトールを用いて行った。
また、比較例2では、実施例1のエリスリトールの造粒は、エリスリトールの代わりに白糖を用いて行った。
実施例1と同組成の粉薬を、以下の手順で製造した。
ケイヒ末2025g、ウイキョウ末525gにヒドロキシプロピルセルロース6%水溶液2550gを加えて芳香性健胃剤を製造し、造粒品を得た。造粒にはスパイラフロー(SFC−5型:フロイント産業(株)社製)を用いた。
得られた造粒品540.6gと、実施例1と同様にして調製したエリスリトールのヒドロキシプロピルセルロース造粒品と、残りの成分を混合し、粉薬を得た。
実施例1〜4及び比較例1〜2で得た口腔内崩壊錠、比較例3で得た粉薬について、以下の評価を行った。なお、粉薬については、錠剤硬度及び口中での溶け方の評価は行わなかった。
「錠剤硬度」
モンサント型の錠剤強度試験機(錠剤破壊硬度測定器(富山産業社製))を用いて、常法に従って測定した。表1に、n=20の平均値を示す。
錠剤を口腔内に入れ、舌で転がしながら錠剤を崩壊させ、口中での溶け方を評価した(成人男性4人、成人女性4人)。
評価は、錠剤が表面から崩れるように崩壊しざらつき感なく溶けるものを良いとし、逆に、錠剤が小塊または大きな粒単位に崩壊してからさらに細かく崩壊しざらつき感があるものを悪いとして、以下の基準で評価した。
◎:非常に良い
○:良い
△:どちらともいえない
×:悪い
錠剤を口腔内に入れてから、芳香性健胃剤の芳香の香り立ちを感じるまでの時間を測定した(成人男性4人、成人女性4人)。
◎:10秒未満で感じた場合
○:10秒以上30秒未満で感じた場合
△:30秒以上1分未満で感じた場合
×:1分以上の場合
錠剤を口腔内に入れ、舌で転がしながら錠剤を崩壊させてから15秒後の口中での芳香性健胃剤の芳香の強さを評価した(成人男性4人、成人女性4人)。なお、比較例3の粉薬は、水を用いて服用してから15秒後の口中での芳香性健胃剤の強さを評価した。
◎:非常に強い
○:強い
△:感じる
×:弱い
××:感じない
錠剤を口腔内に入れ、舌で転がしながら錠剤を崩壊させてから、口中での芳香性健胃剤の芳香が消失するまでの時間を測定した(成人男性4人、成人女性4人)。
◎:60秒以上持続した場合
○:50秒以上60秒未満持続した場合
△:40秒以上50秒未満持続した場合
×:40秒未満の場合
Claims (4)
- (A)芳香性健胃剤と、(B)平均粒子径が150μm以下である制酸剤と、(C)糖アルコールとを含有することを特徴とする口腔内崩壊錠。
- 芳香性健胃剤がウイキョウ、ケイヒ、ショウキョウ、キジツ、ウコン、チョウジからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1記載の口腔内崩壊錠。
- 制酸剤が水難溶性制酸剤である請求項1又は2記載の口腔内崩壊錠。
- 水難溶性制酸剤が合成ヒドロタルサイト、炭酸マグネシウム、沈降炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムからなる群から選択される少なくとも1種である請求項4記載の口腔内崩壊錠。
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