JP2021093972A - ほぐれの改良された穀類加工食品、その製造方法およびほぐれ改良剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】保存中のほぐれ性や食感の劣化等の品質低下が抑制された穀類加工食品、その製造方法およびその製造方法で用いられるほぐれ改良剤の提供。【解決手段】原料粉に、該原料粉1g当たり30〜300ppmのグリセロ糖脂質分解リパーゼが添加されてなる、ほぐれの改良された穀類加工食品。原料粉に、該原料粉1g当たり30〜300ppmのグリセロ糖脂質分解リパーゼを添加し、加水し混錬し、成形する、ほぐれの改良された穀類加工食品の製造方法。グリセロ糖脂質分解リパーゼを有効成分として含有する、穀類加工食品のほぐれ改良剤。【選択図】なし

Description

本発明は、ほぐれの改良された穀類加工食品、その製造方法およびほぐれ改良剤に関する。さらに詳しくは、本発明は、保存中にほぐれ性や食感が劣化するなどの品質低下が抑制された穀類加工食品、その製造方法およびその製造方法で用いられるほぐれ改良剤に関する。
穀類加工食品、特に茹で麺や蒸し麺などの麺類は、製造直後は良好なほぐれ性を有している。しかし、時間の経過と共に麺線表面の糊化したでん粉の粘着性により麺線同士が付着すると共に、でん粉の粒子から漏出したアミロースやアミロペクチンが水素結合により結合する老化によって麺線同士が強固に結着する。その結果、麺線全体が塊状に固着し、ほぐれ性が著しく損なわれると共に、でん粉の老化によりぼそつき感が発生して風味が損なわれるという課題がある。
麺線同士の付着を防止する方法は、麺の種類によって異なる。
生麺の場合には、カットされた麺線に直接、でん粉(打ち粉)をふりかける方法が一般的に採用されている。しかしながら、打ち粉を使用した生麺は、外観が悪く、かつカビが生え易く、腐敗し易いという欠点がある。
また、茹で麺や蒸し麺、ロングライフ麺(LL麺)などの場合には、仕上がった麺に食用油脂を噴霧する方法が一般的に採用されている。しかしながら、油が含まれていると食感に悪影響のある麺、例えばうどんやそばなどには、この方法は適していない。その上、麺にコーティングされる油脂が薄層であるため、高水分下において極めて酸化され易く、特に常温での流通時間が長いLL麺では、酸化された油脂が異臭を発するなど、麺類の商品価値を著しく損なうという欠点がある。
一方、有効成分を内添することにより麺類のほぐれ性を改良する様々な方法が提案されている。
例えば、特開平7−39332号公報(特許文献1)には、ポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する麺類品質改良剤のような乳化剤を添加する方法、特開2003−210125号公報(特許文献2)には、卵黄または全卵のホスホリパーゼ処理物を含有する麺類の品質改良剤のような酵素を添加する方法が開示されている。
また、国際公開第WO2016/056407号(特許文献3)には、1,3−位置特異性を有するリパーゼおよびアミラーゼを麺に添加する方法、特開2001−327257号公報(特許文献4)には、特定量のリパーゼを穀類加工食品に添加する方法が開示されている。
他方、対象食品が麺類ではないが、特開2012−135305号公報(特許文献5)には、本発明の有効成分であるグリセロ糖脂質リパーゼを用いる小麦製品の製造方法が開示されている。
特開平7−39332号公報 特開2003−210125号公報 国際公開第WO2016/056407号 特開2001−327257号公報 特開2012−135305号公報
しかしながら、特許文献1〜4の先行技術では、いずれもほぐれ効果が十分でないという課題がある。また、特許文献2の技術では、卵アレルギーには適切でなく、ホスホリパーゼ処理に手間が掛かるという課題もある。
さらに、特許文献5の先行技術は、本発明の有効成分であるグリセロ糖脂質リパーゼを用いる技術ではあるが、混捏性、伸展性、成形性、発酵性などの生地物性に優れ、体積増加および柔らかさに優れた食パンのような小麦粉製品の製造方法を提供することを課題としており、特許文献5には、麺の食感改良やほぐれ剤についての記載は一切ない。
そこで、本発明は、保存中にほぐれ性や食感が劣化するなどの品質低下が抑制された穀類加工食品、その製造方法およびその製造方法で用いられるほぐれ改良剤を提供することを課題とする。
本発明の発明者は、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、グリセロ糖脂質分解酵素、特にグリセロ糖脂質分解リパーゼを麺生地に添加することで、穀類加工食品の弾力性や粘りなどの食感および風味に影響することなく、保存中のほぐれ性の低下(劣化)が著しく改善された穀類加工食品が得られることを見出し、さらに穀類加工食品の調製後に冷蔵保存した後でも、麺の弾力感を維持し、でん粉の老化に伴うぼそつき感が抑制され、非常に食べ易く風味豊かな穀類加工食品が得られることを見出し、本発明を完成するに到った。
かくして、本発明によれば、原料粉に、該原料粉1g当たり30〜300ppmのグリセロ糖脂質分解リパーゼが添加されてなることを特徴とするほぐれの改良された穀類加工食品が提供される。
また、本発明によれば、原料粉に、該原料粉1g当たり30〜300ppmのグリセロ糖脂質分解リパーゼを添加し、加水し混錬し、成形することを特徴とするほぐれの改良された穀類加工食品の製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、グリセロ糖脂質分解リパーゼを有効成分として含有することを特徴とする穀類加工食品のほぐれ改良剤が提供される。
本発明によれば、保存中にほぐれ性や食感が劣化するなどの品質低下が抑制された穀類加工食品、その製造方法およびその製造方法で用いられるほぐれ改良剤を提供することができる。
このような優れた効果が得られるメカニズムは明らかではないが、原料粉中に含まれる油脂成分の内、極性脂質である糖脂質にグリセロ糖脂質分解リパーゼが選択的に作用して、より極性の強いジガラクトシルジグリセリドが生成し、より強い乳化作用が発揮されるためと考えられる。通常のリパーゼは、小麦脂質トリグリセリン脂肪酸エステルに作用して、モノグリセリン脂肪酸エステルやジグリセリン脂肪酸エステルを生成することが知られている。
[ほぐれの改良された穀類加工食品]
本発明のほぐれの改良された穀類加工食品は、原料粉に、該原料粉1g当たり30〜300ppmのグリセロ糖脂質分解リパーゼが添加されてなることを特徴とする。
(穀類加工食品)
本発明における穀類加工食品としては、中華麺、うどん、きしめん、蕎麦、素麺、冷や麦、パスタのように細長く成形した麺類、マカロニのように任意の形状に成形したもの、餃子やシュウマイの皮などが挙げられる。
穀類加工食品が麺類である場合、その形態は生麺、茹で麺、蒸し麺、ロングライフ麺(LL麺)、即席麺、冷凍麺、乾麺などいずれであってもよい。
(原料粉)
本発明に用いる原料粉は、所望の穀類加工食品に応じて適宜選択され、具体的には、小麦粉、そば粉、大麦粉、ライ麦粉、タピオカ加工でん粉およびそれらの混合粉などが挙げられる。
(糖脂質分解リパーゼ)
原料粉に添加されるグリセロ糖脂質分解リパーゼは、糖脂質に作用して、例えばジガラクトシルジグリセリドのエステル結合を加水分解してジガラクトシルモノグリセリドを生成する酵素であり、アスペルギルス・オリゼ(キコウジ菌:Aspergillus oryzae)からの生産が工業的に成立しており、入手も容易である。
本発明では、例えば、実施例で用いているようなノボザイムジャパン株式会社の「リポパンプライム」、「リポパンF」、さらに「リポパンElite」などを好適に用いることができる。
また、グリセロ糖脂質分解リパーゼは、例えば、特開2008−206515号公報、特表2007−528732号公報、特表2008−35867号公報および特表2009−527238号公報に記載の公知の方法により製造することもできる。
(糖脂質分解リパーゼの添加量)
糖脂質分解リパーゼの添加割合は、原料粉1g当たり30〜300ppm、より好ましくは30〜200ppm、さらに好ましくは30〜120ppmである。
糖脂質分解リパーゼの添加割合が30ppm未満では、十分なほぐれ改良効果が得られ難いため好ましくない。一方、糖脂質分解リパーゼの添加割合が300ppmを超えると、原料粉に含まれる基質となる糖脂質の含有量が限られているためそれ以上の効果は認められないことがある。原料粉が小麦粉である場合、添加割合は120ppm程度である。
(副原料)
本発明のほぐれの改良された穀類加工食品は、本発明の効果が阻害されない範囲で、当該技術分野で公知の他の品質改良剤などの副原料を含んでいてもよい。
副原料としては、卵白、卵白蛋白加水分解物、卵黄、卵黄蛋白加水分解物、鶏卵(全卵)、鶏卵蛋白加水分解物、ホエー蛋白、カゼイン、カゼインナトリウム、乳蛋白、コラーゲン、ゼラチン、血漿蛋白、小麦蛋白、グルテニン、グリアジン、大豆蛋白、エンドウ豆蛋白、キサンタンガム、ジェランガム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ローカストビーンガム、カラギーナン、グァーガム、グルコマンナン、カードラン、ペクチン、タマリンドシードガム、アラビアガム、カラヤガム、ガティガム、サイリウムシードガム、タラガム、プルラン、CMC、ポリアクリル酸ナトリウム、メチルセルロース、大豆多糖類、グリセリン脂肪酸エステル、有機酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン縮合リシノレイン酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、レシチン、酵素処理レシチン、酵素分解レシチン、融点が20℃以上の牛脂、豚脂などの動物性油脂を乳化被覆膜剤でO/W型に乳化した後、噴霧乾燥することにより得られる動物性粉末油脂、パーム油、ヤシ油、大豆油、綿実油などの植物性油脂を乳化被覆膜剤でO/W型に乳化した後、噴霧乾燥することにより得られる植物性粉末油脂などが挙げられる。
これらの副原料の中でも、卵白、卵白蛋白加水分解物、卵黄、卵黄蛋白加水分解物、鶏卵(全卵)、鶏卵蛋白加水分解物、ホエー蛋白、小麦蛋白、グリアジン、キサンタンガム、ジェランガム、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル、ローカストビーンガム、カラギーナン、グァーガム、グルコマンナン、カードラン、サイリウムシードガム、ペクチン、グリセリン脂肪酸エステル、酵素分解レシチン、融点が20℃以上の牛脂または豚脂を乳化被覆膜剤でO/W型に乳化した後、噴霧乾燥 することにより得られる動物性粉末油脂、パーム油、ヤシ油または大豆油を乳化被覆膜剤でO/W型に乳化した後、噴霧乾燥することにより得られる植物性粉末油脂が好ましい。
[ほぐれの改良された穀類加工食品の製造方法]
本発明のほぐれの改良された穀類加工食品は、原料粉に、原料粉1g当たり30〜300ppmのグリセロ糖脂質分解リパーゼを添加し、加水し混錬し、成形することにより製造することができる。
グリセロ糖脂質分解リパーゼの添加以外については、当該技術分野の公知の技術を適用すればよい。例えば、任意の添加剤(副原料)の内、水溶性のものは原料粉と混合すべき水に予め溶解して用いてもよく、水不溶性のものは原料粉と予め混合して用いてもよい。
また、加水量や加水方法、混錬方法やその条件、成形方法やその条件は、所望の穀類加工食品により適宜設定すればよい。
[穀類加工食品のほぐれ改良剤]
本発明の穀類加工食品のほぐれ改良剤は、グリセロ糖脂質分解リパーゼを有効成分として含有することを特徴とする。
本発明の穀類加工食品のほぐれ改良剤は、有効成分であるグリセロ糖脂質分解リパーゼとの共存することにより反応や変質を生じない、上記の副原料を含んでいてもよい。
本発明を実施例および試験例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
実施例および比較例においては、次のリパーゼA〜Eを用いた。
・リパーゼA:糖脂質分解リパーゼ
(ノボザイムズジャパン株式会社製、製品名:リポパンプライム)
・リパーゼB:糖脂質分解リパーゼ
(ノボザイムズジャパン株式会社製、製品名:リポパンF)
・リパーゼC:1,3−位置特異性リパーゼ
(ナガセケムテックス株式会社製、製品名:リリパーゼA−10D)
・リパーゼD:ホスホリパーゼ
(ナガセケムテックス株式会社製、製品名:PLA2ナガセ10P/R)
・リパーゼE:リパーゼ
(天野エンザイム株式会社製、製品名:リパーゼG「アマノ」50)
実施例、比較例および試験例においては、次の原料粉、添加剤および水を用いた。
・中力粉(日清製粉株式会社製、製品名:麺月)
・準強力粉(日清製粉株式会社製、製品名:特ナンバーワン)
・ヒドロキシプロピル化リン酸架橋タピオカ加工でん粉(松谷化学工業株式会社製、製品名:あさがお)
・かん粉(オリエンタル酵母工業株式会社製、製品名:粉末かん水赤)
・着色料(クチナシ色素、神戸化成株式会社製、製品名:KCイエローKP−150)
・食塩(公益財団法人塩事業センター製、製品名:並塩)
・水(水道水)
・めんつゆA(日本丸天醤油株式会社製、製品名:浪速うどんつゆ)
・めんつゆB(有限会社丸井食品三重工場製、製品名:冷やし中華スープ)
[実施例1](冷やしうどんの調製)
中力粉90質量部、タピオカ加工でん粉10質量部、リパーゼA0.003質量部(中力粉とタピオカ加工でん粉との合計の原料粉1g当たり30ppm)および食塩水41質量部(食塩3質量部+水道水38質量部)を、縦型ミキサー(エスケーミキサー株式会社製、型式:SK−25、容量:25L)を用いて回転数200rpmで15分間混錬した。
次いで、得られた混合物を、回転ローラー式製麺機(株式会社大和製作所製、型式:リッチメンI型LM−5062)を用いて圧延し、粗麺帯(厚さ4.0mm)を得た。
次いで、複合、圧延および12番角刃での切り出しを経て、総重量500gの生うどん生地を得た。
得られた生うどん生地を、容量5リットルの煮沸水中で約10分間茹で、氷水中で冷却、水洗、水切りを行い、冷やしうどんを得た。
得られた冷やしうどん80gをプラスチック製容器(80mm×70mm×高さ45mm)に入れて蓋をし、温度10℃の冷蔵庫で24時間静置した。
[実施例2]
リパーゼAを0.006質量部(中力粉とタピオカ加工でん粉との合計の原料粉1g当たり60ppm)用いること以外は、実施例1と同様にして冷やしうどんを得た。
[実施例3]
リパーゼAを0.012質量部(中力粉とタピオカ加工でん粉との合計の原料粉1g当たり120ppm)用いること以外は、実施例1と同様にして冷やしうどんを得た。
[実施例4]
リパーゼAの代わりにリパーゼBを用いること以外は、実施例1と同様にして冷やしうどんを得た。
[比較例1]
リパーゼAを用いないこと以外は、実施例1と同様にして冷やしうどんを得た。
[比較例2]
リパーゼAを0.0005質量部(中力粉とタピオカ加工でん粉との合計の原料粉1g当たり5ppm)用いること以外は、実施例1と同様にして冷やしうどんを得た。
[比較例3]
リパーゼAを0.0020質量部(中力粉とタピオカ加工でん粉との合計の原料粉1g当たり20ppm)用いること以外は、実施例1と同様にして冷やしうどんを得た。
[比較例4]
リパーゼAの代わりにリパーゼCを用いること以外は、実施例2と同様にして冷やしうどんを得た。
[比較例5]
リパーゼAの代わりにリパーゼDを用いること以外は、実施例2と同様にして冷やしうどんを得た。
[比較例6]
リパーゼAの代わりにリパーゼEを用いること以外は、実施例2と同様にして冷やしうどんを得た。
[実施例5](冷やし中華麺の調製)
準強力粉90質量部、タピオカ加工でん粉10質量部、リパーゼA0.003質量部(中力粉とタピオカ加工でん粉との合計の原料粉1g当たり30ppm)、かん粉1質量部、着色料0.07質量部および食塩水41質量部(食塩2質量部+水道水39質量部)を、縦型ミキサー(エスケーミキサー株式会社製、型式:SK−25、容量:25L)回転数200rpmで15分間混錬した。
次いで、得られた混合物を、回転ローラー式製麺機(株式会社大和製作所製、型式:リッチメンI型LM−5062)を用いて圧延し、粗麺帯(厚さ4.0mm)を得た。
次いで、複合、圧延および20番角刃での切り出しを経て、総重量500gの生中華麺生地を得た。
得られた生中華麺生地を、容量5リットルの煮沸水中で約2分間茹で、氷水中で冷却、水洗、水切りを行い、冷やし中華麺を得た。
得られた冷やし中華麺80gプラスチック製容器(80mm×70mm×高さ45mm)に入れて蓋をし、温度10℃の冷蔵庫で24時間静置した。
[実施例6]
リパーゼAを0.006質量部(準強力粉とタピオカ加工でん粉との合計の原料粉1g当たり60ppm)用いること以外は、実施例5と同様にして冷やし中華麺を得た。
[実施例7]
リパーゼAを0.012質量部(準強力粉とタピオカ加工でん粉との合計の原料粉1g当たり120ppm)用いること以外は、実施例5と同様にして冷やし中華麺を得た。
[実施例8]
リパーゼAの代わりにリパーゼBを用いること以外は、実施例5と同様にして冷やし中華麺を得た。
[比較例7]
リパーゼAを用いないこと以外は、実施例5と同様にして冷やし中華麺を得た。
[比較例8]
リパーゼAを0.0005質量部(準強力粉とタピオカ加工でん粉との合計の原料粉1g当たり5ppm)用いること以外は、実施例5と同様にして冷やし中華麺を得た。
[比較例9]
リパーゼAを0.0020質量部(準強力粉とタピオカ加工でん粉との合計の原料粉1g当たり20ppm)用いること以外は、実施例5と同様にして冷やし中華麺を得た。
[比較例10]
リパーゼAの代わりにリパーゼCを用いること以外は、実施例6と同様にして冷やし中華麺を得た。
[比較例11]
リパーゼAの代わりにリパーゼDを用いること以外は、実施例6と同様にして冷やし中華麺を得た。
[比較例12]
リパーゼAの代わりにリパーゼEを用いること以外は、実施例6と同様にして冷やし中華麺を得た。
[試験例1](冷やしうどんの評価)
静置した冷やしうどんに対して、めんつゆA(うどんつゆ)の4倍希釈品8gを麺表面に均一になるよう回し入れ、熟練した5名のパネラーが箸を用いて、下記の5段階の評価基準でほぐれ性および食感を官能評価(評点)した。それらの評点の平均値(少数点第2位以下を切り捨て)をほぐれ性および食感とした。
なお、ほぐれ性がかなり悪いもの、食感ではコシがなく、かつぼそつき感のあるものを1点として評点した。
(ほぐれ性の評価基準)
評価点 (平均値)
5 (5 ):とてもほぐれ易い
4 (4以上5未満):ほぐれ易い
3 (3以上4未満):少しほぐれ易い
2 (2以上3未満):ほぐれ難い
1 (1以上2未満):かなりほぐれ難い
(食感の評価基準)
評価点 (平均値)
5 (5 ):コシがあり、ぼそつき感がない
4 (4以上5未満):コシがややあり、ぼそつき感がない
3 (3以上4未満):コシがややあり、ぼそつき感が少ない
2 (2以上3未満):コシがややあり、ややぼそつき感がある
1 (1以上2未満):コシがなく、ぼそつき感がある
「コシ」とは、口中で噛んだときに感じる硬さと弾力の複合した食感を意味する。
「ぼそつき感」とは、でん粉の老化による脆い食感を意味する。
(総合評価)
ほぐれ性および食感の結果を下記の基準で総合評価した。
○(合格) :ほぐれ性、食感が共に3.0点以上である
×(不合格):ほぐれ性、食感のいずれか一方が3.0点未満である
冷やしうどんの評価において得られた結果を、用いたリパーゼおよびその添加量と共に表1に示す。
Figure 2021093972
[試験例2](冷やし中華麺の評価)
静置した冷やし中華麺に対して、めんつゆB(スープ)の3倍希釈品8gを麺表面に均一になるよう回し入れ、試験例1と同様にして麺のほぐれ性および食感を評価した。
冷やし中華麺の評価において得られた結果を、用いたリパーゼおよびその添加量と共に表2に示す。
Figure 2021093972
表1および表2の結果から、次のことがわかる。
(1)本発明のグリセロ糖脂質分解リパーゼが添加された穀類加工食品は、保存中の品質低下が抑制され、優れたほぐれ性および食感を有すること(実施例1〜8)
(2)本発明のグリセロ糖脂質分解リパーゼが添加された穀類加工食品であっても、添加量が規定量以下であれば、保存中に品質が低下し、ほぐれ性および食感が劣化すること(比較例2および3ならびに比較例8および9)
(3)従来の添加剤のリパーゼが添加された穀類加工食品は、リパーゼを添加しないブランク(比較例1および7)よりは保存中の品質低下が抑制されるものの、保存中に品質が低下し、ほぐれ性および食感が劣化すること(比較例4〜6および10〜12)
[実施例1](冷やしうどんの調製)
中力粉90質量部、タピオカ加工でん粉10質量部、リパーゼA0.003質量部(中力粉とタピオカ加工でん粉との合計の原料粉1g当たり30ppm)および食塩水41質量部(食塩3質量部+水道水38質量部)を、縦型ミキサー(エスケーミキサー株式会社製、型式:SK−25、容量:25L)を用いて回転数200rpmで15分間混錬した。
次いで、得られた混合物を、回転ローラー式製麺機(株式会社大和製作所製、型式:リッチメンI型LM−5062)を用いて圧延し、粗麺帯(厚さ4.0mm)を得た。
次いで、複合、圧延および12番角刃での切り出しを経て、総質量500gの生うどん生地を得た。
得られた生うどん生地を、容量5リットルの煮沸水中で約10分間茹で、氷水中で冷却、水洗、水切りを行い、冷やしうどんを得た。
得られた冷やしうどん80gをプラスチック製容器(80mm×70mm×高さ45mm)に入れて蓋をし、温度10℃の冷蔵庫で24時間静置した。
[実施例5](冷やし中華麺の調製)
準強力粉90質量部、タピオカ加工でん粉10質量部、リパーゼA0.003質量部(準強力粉とタピオカ加工でん粉との合計の原料粉1g当たり30ppm)、かん粉1質量部、着色料0.07質量部および食塩水41質量部(食塩2質量部+水道水39質量部)を、縦型ミキサー(エスケーミキサー株式会社製、型式:SK−25、容量:25L)回転数200rpmで15分間混錬した。
次いで、得られた混合物を、回転ローラー式製麺機(株式会社大和製作所製、型式:リッチメンI型LM−5062)を用いて圧延し、粗麺帯(厚さ4.0mm)を得た。
次いで、複合、圧延および20番角刃での切り出しを経て、総質量500gの生中華麺生地を得た。
得られた生中華麺生地を、容量5リットルの煮沸水中で約2分間茹で、氷水中で冷却、水洗、水切りを行い、冷やし中華麺を得た。
得られた冷やし中華麺80gプラスチック製容器(80mm×70mm×高さ45mm)に入れて蓋をし、温度10℃の冷蔵庫で24時間静置した。
かくして、本発明によれば、原料粉に、該原料粉1g当たり30〜300ppmのグリセロ糖脂質分解リパーゼが添加されてなり、前記グリセロ糖脂質分解リパーゼが、糖脂質分解リパーゼ(ノボザイムズジャパン株式会社製、製品名:リポパンプライム)、糖脂質分解リパーゼ(ノボザイムズジャパン株式会社製、製品名:リポパンF)および糖脂質分解リパーゼ(ノボザイムズジャパン株式会社製、製品名:リポパンElite)から選択されることを特徴とするほぐれの改良された穀類加工食品が提供される。
また、本発明によれば、原料粉に、該原料粉1g当たり30〜300ppmのグリセロ糖脂質分解リパーゼを添加し、加水し混錬し、成形することからなり、前記グリセロ糖脂質分解リパーゼが、糖脂質分解リパーゼ(ノボザイムズジャパン株式会社製、製品名:リポパンプライム)、糖脂質分解リパーゼ(ノボザイムズジャパン株式会社製、製品名:リポパンF)および糖脂質分解リパーゼ(ノボザイムズジャパン株式会社製、製品名:リポパンElite)から選択されることを特徴とするほぐれの改良された穀類加工食品の製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、糖脂質分解リパーゼ(ノボザイムズジャパン株式会社製、製品名:リポパンプライム)、糖脂質分解リパーゼ(ノボザイムズジャパン株式会社製、製品名:リポパンF)および糖脂質分解リパーゼ(ノボザイムズジャパン株式会社製、製品名:リポパンElite)から選択されるグリセロ糖脂質分解リパーゼを有効成分として含有することを特徴とする穀類加工食品のほぐれ改良剤が提供される。

Claims (3)

  1. 原料粉に、該原料粉1g当たり30〜300ppmのグリセロ糖脂質分解リパーゼが添加されてなることを特徴とするほぐれの改良された穀類加工食品。
  2. 原料粉に、該原料粉1g当たり30〜300ppmのグリセロ糖脂質分解リパーゼを添加し、加水し混錬し、成形することを特徴とするほぐれの改良された穀類加工食品の製造方法。
  3. グリセロ糖脂質分解リパーゼを有効成分として含有することを特徴とする穀類加工食品のほぐれ改良剤。
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