JP2011244777A - 食パン類の製造方法 - Google Patents

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徹也 小林
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Abstract

【課題】パン内相のキメを細かくし、ボリュームが大きく、食感の良好な食パン類をできるだけ安価に製造することができる食パン類の製造方法を提供する。
【解決手段】穀粉の質量に対して、アミラーゼを含有する油脂組成物を1〜5質量%使用することによって、加水量を穀粉の質量に対して70〜76質量%まで引き上げることができる。この製造方法によって、生地の嵩が増し、原材料原価のコストダウンとパン内相のキメを細かくすることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、パン生地製造時に添加する水の量を増加させることを可能にした食パン類の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、アミラーゼを含有する油脂組成物を使用することによって、製パン時の加水量を増加させることが可能な食パン類の製造方法である。本発明の製パン方法で製造すると、内相のキメが細かい食パン類を製造することができる。
パン生地は、通常、小麦粉を中心とした穀粉に水、イースト、食塩、場合によって糖類や乳製品、卵類、添加物などを加えて捏ね上げて製造される。パン生地を製造する際にできるだけ多くの水を加えることができれば、パン生地中に占める原材料原価を下げることができ、パン生地のコストを下げることができる。しかし、水を多く加えたパン生地は、生地の嵩増しはできるが、焼成後にパンが縮んでしわが寄ったり、食パンのように大きなものは腰折れしてしまうなど、外観や形状を悪くすることがある。これらのパンは、本来の食感も損なわれて商品価値が下がってしまう。このようなことが起こらないように、パン生地中に充分なグルテンを生じさせるための適度な硬さと、発酵工程で発生するガスを包含する適度な軟らかさのあるように捏ね上げる必要がある。パン生地の状態を決定づけるのは主に水の添加量であり、パン生地を良好な状態を保つために、製造毎に加水量を増減して調整する。パン生地の状態を良好に保つための適正な加水量の範囲は、パンに使用される穀粉やその他の原材料の種類や配合量、製造時の湿度などの作業環境によって変化する。非特許文献1によれば、パンの種類による加水量は、角(山)形食パンでは穀粉の質量に対して加水量は60〜65%、バターロール、バンズでは45〜55%、バケットでは62〜67%、あんパンでは40〜55%と言われている。
パンの種類によって大きく変わる加水量ではあるが、パン生地を良好な状態を保つための加水量は、実際は非常に狭い範囲にある。穀粉に対する加水量が1%違うだけで状態が変化する場合もあり、加水量を多くすることは実は意外に難しい。
特許文献1によると、アルギン酸プロピレングリコールエステルとグルコースオキシターゼを組み合わせることにより、パンの縮みやしわなどの防ぎ、パンの外観を改善することができるとしている。
しかしながらこの発明は、パンの外観を向上させる効果はあるものの、原材料原価を下げるという点については充分なものではなかった。
特開2010−98993
田中康夫、松本博編、「製パンの科学(1)製パンプロセスの科学」、第2版、株式会社光琳、平成9年10月、p.9
本発明の課題は、パン内相のキメが細かく、ボリュームが大きく、食感の良好な食パン類をできるだけ安価に製造する方法を提供することである。
本発明者らは、アミラーゼを含有する油脂組成物を使用した製パン方法では、生地の加水量を増やさない場合と比べて、加水量を増加させることにより、パン内相のキメが細かくなり、ボリュームと食感が改善されることを見いだし、本発明を完成させた。
本発明の穀粉に対する質量%とは、穀粉の合計量を100とした場合の他の材料の使用量を示す。例えば、穀粉に対して油脂組成物5質量%とは、穀粉1000gを使用するときの油脂組成物の使用量は50gである。穀粉に対して他の材料の配合量を示す方法は、パンの配合量を記載する場合によく使用され、ベーカーズパーセント、対粉パーセントなどと呼ばれている。
本発明の第1の発明は、穀粉の質量に対して、アミラーゼを含有する油脂組成物1〜5質量%、及び水70〜76質量%を使用した食パン類の製造方法である。
本発明の第2の発明は、前記アミラーゼを含有する油脂組成物が、油脂組成物中に油脂、アミラーゼ、水を含有することを特徴とする本発明第1の発明に記載の食パン類の製造方法である。
本発明の第3の発明は、前記アミラーゼが、αアミラーゼ、及びマルトース生成αアミラーゼから選ばれる1種又は2種以上のものである本発明第1又は2に記載の食パン類の製造方法である。
本発明の第4の発明は、前記アミラーゼが、αアミラーゼ及びマルトース生成αアミラーゼである本発明第1〜3のいずれか1つに記載の食パン類の製造方法である。
本発明の第5の発明は、前記食パン類が、ラスク又はクルトン加工用の食パン類である本発明1〜4のいずれか1つに記載の食パン類の製造である。
本発明の第6の発明は、本発明第5に記載の食パン類の製造方法によって製造されたラスク又はクルトンである。
本発明の第7の発明は、アミラーゼを含有する油脂組成物を、穀粉の質量に対して1〜5質量%添加することで、加水量を穀粉に対して1〜8質量%加配して生地の混捏を行うパンの製造方法である。
本発明の食パン類の製造方法によって製造された食パン類は、パン内相のキメが細かく、ソフトな食感で、もっちりとした口当たりの口溶けの良いものとなる。パン生地への加水量が増加しているため、パン生地の嵩が増し、原料原価を下げた食パン類を製造することができる。また、本発明の食パン類の製造方法で製造された食パン類を使ったラスク又はクルトンは、食感が軽く、歯ざわりの良い製品にすることができる。
(アミラーゼを含有した油脂組成物について)
本発明の食パン類の製造方法に使用するアミラーゼを含有した油脂組成物は、1種または2種以上の油脂にアミラーゼを分散させた油脂組成物である。油脂とアミラーゼ以外に後述する他の成分を含有していてもよく、通常の製菓製パンに使用されるマーガリン、ファットスプレッド、ショートニングなどの可塑性油脂組成物の形態として供給される。
油脂組成物に使用される油脂は特に限定されるものではないが、のぞましくは、可塑性を有する油脂を選択することが好ましい。より具体的には、パーム油、パーム核油、ヤシ油、大豆油、菜種油、ひまわり油、紅花油、米油、綿実油、コーン油、オリーブ油、牛脂、豚脂、乳脂、カカオ脂、シア脂、サル脂、マンゴー核油、イリッペ脂等の各種動植物性油脂、これらの各種動植物性油脂から選択された1種または2種以上の動植物性油脂を必要に応じて水素添加、エステル交換、分別等の加工をして得られる各種加工油脂、これら各種動植物性油脂及び各種加工油脂から選択された1種または2種以上の油脂を適宜配合することができる。
これらの油脂は油脂組成物中に水を含有しない場合は、50〜99.99質量%の範囲で含有するのが好ましく、好ましくは60〜99.99質量%、最も好ましくは70〜99.99質量%である。油脂組成物中に水を含有する場合は、50〜96.99質量%の範囲で含有するのが好ましく、好ましくは60〜94.99質量%、最も好ましくは70〜89.99質量%である。
油脂組成物に使用されるアミラーゼは、由来は特に限定されず、動植物、カビ、細菌、遺伝子組み換えなどから得られた市販の酵素製剤を用いることができる。至適温度が50〜80℃のアミラーゼが好ましい。アミラーゼの中でも好ましいものは、マルトース生成αアミラーゼや、至適温度が60℃以上80℃以下中温域活性型αアミラーゼ、50℃以上60℃未満の常温域活性のαアミラーゼである。
αアミラーゼ、及びマルトース生成αアミラーゼから選ばれる1種又は2種以上を含有することがより好ましく、αアミラーゼ及びマルトース生成αアミラーゼを含有することがさらに好ましい。
油脂組成物へのαアミラーゼの適正添加量は、油脂組成物1gに対して酵素活性30〜3000単位が好ましい。αアミラーゼの添加量がこの範囲にあると、適度な食感改質効果やボリュームアップ効果が期待できるので好ましい。添加量は、好ましくは40〜2800単位、最も好ましくは、50〜2616単位である。αアミラーゼの酵素活性の単位は、AZCL−アミロースを基質に酵素を作用させ、1分間に1マイクロモルのグルコースに相当する還元糖を生成する酵素量を1単位と定義する。還元糖の測定は、還元糖の定量法第2版(福井作蔵著 学会出版センター)を参照して行うことができる。
油脂組成物へ市販のαアミラーゼ酵素製剤を使用する場合は、原料となる酵素製剤の酵素活性の強さによって異なるが、油脂組成物中0.01〜10質量%の範囲で含有するのが好ましい。より好ましくは0.01〜5質量%、最も好ましくは0.017〜1.0質量%である。市販のαアミラーゼ酵素製剤として例えば、ナガセケムテックスジャパン(株)のαアミラーゼ(商品名:スピターゼCP3又はスピターゼL)、ノボザイムジャパン(株)のαアミラーゼ(商品名:FUNGAMYL又はFungamyl800L)、天野エンザイム(株)のαアミラーゼ(商品名:ビオザイムF10SD又はクライスターゼL1)が挙げられる。
油脂組成物へのマルトース生成αアミラーゼの適正添加量は、油脂組成物1gに対して酵素活性80〜1200単位が好ましい。マルトース生成αアミラーゼの添加量がこの範囲にあると、食感改質効果や老化防止効果が期待できるので好ましい。添加量は、より好ましくは90〜1000単位、最も好ましくは、100〜864単位である。マルトース生成αアミラーゼの酵素活性の単位は、マルトトリオースを基質に酵素を作用させ、1分間に1マイクロモルのマルトースを生成する酵素量を1単位と定義する。マルトースの測定は、還元糖の定量法第2版(福井作蔵著 学会出版センター)を参照して行うことができる。
油脂組成物へ市販のマルトース生成αアミラーゼを使用する場合は、原料となる酵素製剤の酵素活性の強さによって異なるが、油脂組成物中0.01〜10質量%の範囲で含有するのが好ましい。より好ましくは0.1〜5質量%、最も好ましくは0.15〜1.5質量%である。市販のマルトース生成αアミラーゼ酵素製剤として例えば、ノボザイムジャパン(株)のマルトースαアミラーゼ(商品名:NOVAMYLE又はNovamylL)が挙げられる。
油脂組成物中に酵素と油脂以外に含有される他の成分として、水が挙げられる。水は油脂組成物中3〜40質量%の範囲で含有するのが好ましく、より好ましくは5〜30質量%、最も好ましくは10〜20質量%である。
油脂組成物中にアミラーゼと油脂以外に含有される他の成分としてはまた、乳化剤が挙げられる。乳化剤を添加することにより、油脂組成物の乳化状態を安定させることができる。乳化剤の添加量は、油脂組成物中0.1〜10質量%の範囲で含有するのが好ましく、より好ましくは0.2〜7.5質量%、最も好ましくは0.3〜5質量%である。乳化剤は、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸、レシチン、ポリソルベートなどが挙げられる。
油脂組成物中には、アミラーゼと油脂、上述の水や乳化剤以外に含有される他の成分として、マーガリンやファットスプレッド、ショートニングに一般的に添加されるものを含有させることができる。他の成分としては、乳製品(牛乳、クリーム、粉乳など)、安定剤(寒天、カラギーナン、ペクチン、カゼインナトリウムなど)、塩味剤(食塩、塩化カリウムなど)、甘味料(ステビア、アスパルテームなど)、着色料(β−カロテン、カラメル、紅麹色素など)、酸化防止剤(トコフェロール、茶抽出物、アスコルビン酸など)、植物蛋白、卵及び各種卵加工品、香料、調味料、pH調整剤、植物ステロール、コーヒー、香辛料等の食品素材が挙げられる。これらの他の成分は油脂組成物中0.1〜10質量%の範囲で含有するのが好ましく、より好ましくは0.1〜8質量%、最も好ましくは0.1〜5質量%である。
油脂組成物の製造方法は、アミラーゼを含有させる以外は、通常、マーガリンやファットスプレッド、ショートニングなどの油脂組成物を製造する方法で製造することができる。一般的な水を含有する油脂組成物の製造方法としては、油脂を溶解し、油脂に溶解、分散する他の成分を混合して油相を調製する。さらに、水に溶解、分散する他の成分と水とを混合して水相を調製する。アミラーゼは油相、水相のどちらからでも添加することができる。次に、油相と水相を乳化させた後、冷却・結晶化させ、可塑性を有する油脂組成物とすることができる。水を含有しない油脂組成物とする場合は、油相にアミラーゼと他の成分を分散させて、冷却・結晶化させて油脂組成物とする。冷却・結晶化には、急冷混練できるコンビネーター、オンレーター、ボテーターなどで製造することができる。
(本発明の食パン類について)
一般に食パンと呼ばれるものは、パン生地を型に入れて焼成する型焼きパンを指す。例えば、四角の型に蓋をして焼成した角食パン、型に生地玉を2〜3個いれて山型に焼成したイギリスパン、1個の生地玉でまくら型をしたワンローフなどが挙げられる。本発明の食パン類は、こうした型焼きパンに適した生地を焼成したパンを指すものであり、型に入れて焼成した一般の食パンと型に入れずに焼成したパンの両方を含むものである。
本発明の食パン類に必須の原材料として、穀粉、アミラーゼを含有する油脂組成物、水、酵母、食塩が挙げられる。穀粉は小麦のふすま部分を除いた小麦粉が好ましい。酵母は、工業用に生産された生イースト、ドライイーストを用いてもよいし、果実やホップ等から種を起こしたいわゆる天然酵母でもよい。生イーストを用いる場合の添加量は、穀粉の質量に対して2〜3質量%が好ましい。食塩は、精製塩、にがりの多い海水塩、岩塩などを用いることができる。食塩の添加量は、穀粉の質量に対して、1.5〜2.0質量%が好ましい。アミラーゼを含有する油脂組成物、水については後述する。
本発明の食パン類に必須の原材料ではないが、砂糖、ブドウ糖、麦芽糖、水飴、蜂蜜、転化糖などの糖類を添加することが好ましい。糖類の添加量は、穀粉に対して18質量%以下が好ましい。より好ましくは1〜15質量%以下、最も好ましくは、4〜10質量%である。
本発明の食パン類の製造方法では、上述した以外にも、パン生地の状態を損なわない程度に、一般的に使用される製パン原材料を使用することができる。小麦のふすま部分を除いた小麦粉以外の穀粉として、たとえば米粉、とうもろこし、ライ麦、グラハム粉、そば、とうもろこし、大豆粉、全粒粉等を使用することができる。アミラーゼを含有した油脂組成物以外のマーガリン、ファットスプレッド、ショートニンなどの油脂類、脱脂粉乳、脱脂乳、牛乳などの乳製品、卵や冷凍液卵などの卵製品、ドライフルーツ類、種実類、乳化剤、香料、調味料などは適宜選択して使用することができる。卵製品を添加する場合の添加量は、穀粉に対して0〜6質量%以下が好ましい。
(本発明の食パン類の製造方法について)
本発明の食パン類の製造方法は、食パン類を調製するのに一般的な方法を用いることができる。パン生地の製造方法として、例えば、直捏法(ストレート法)、中種法、液種法、オールインミックス法、老麺法などの製法等を挙げることができる。本発明の食パン類の製造方法としては、中種法、直捏法(ストレート法)が好ましい。
本発明の食パン類の製造方法は、アミラーゼを含有する油脂組成物を使用することを特徴とする。アミラーゼを含有する油脂組成物は、上記食パン類の製造方法において、一般的にマーガリン、ファットスプレッド、ショートニングを添加するのと同様にパン生地に添加することができる。アミラーゼを含有する油脂組成物の使用量は、穀粉の質量に対して1〜5質量%の範囲である。好ましくは、2〜5質量%、最も好ましくは2〜4質量%である。アミラーゼを含有した油脂組成物がこの範囲にあると、食パン類のボリュームが大きくなり、老化防止効果が認められる。
本発明の食パン類の製造方法では、生地を適正な状態に保ちつつ、先に述べた一般的な食パン類の加水量(穀粉の質量に対して60〜65%)よりも、パン生地への加水量を多くすることができる。本発明の食パン類の製造方法は、穀粉の質量に対して水を70〜76質量%加えることができる。さらに好ましくは70〜73質量%、最も好ましくは71〜73質量%である。本発明の食パン類の製造方法における加水量は、穀粉の質量に対して加えた水の量であり、他の原材料に由来する水分は加水量から除外する。
また、食パン類以外のパンでも加水量を多くすることが可能である。先に述べたようにパンの種類によって水の加水量は異なるが、それぞれの適正な加水量に、穀粉の質量に対して1〜8質量%分の水を増やすことできる。例えばバターロール、バンズの一般的な加水量は穀粉の質量に対して45〜55%であるが、その加水量を56〜63%まで引き上げることができる。
食パン類を中種法で製造する場合は、中種に、穀粉、イースト、水を使用し、その他の材料は本捏時に使用することが好ましい。穀粉は、70質量%を中種に使用し、残りの30質量%を本捏時に使用することが好ましい。水は、40質量%を中種に使用し、残りは本捏時に使用することが好ましい。イーストは中種に全量使用することが好ましい。イーストフードを使用する場合は、中種に全量使用することが好ましい。イーストフードの使用は任意であり、使用しなくともよい。中種は、捏ね上げ温度が23〜28℃、発酵時間は120〜300分が好ましい。中種の発酵が終了した後に、残りの材料と中種を合わせてミキシングする本捏を行うことで、加水量の多い食パン類の生地を製造することができる。
食パン類を直捏法(ストレート法)で製造する場合は、中種法のように材料を分けて加える必要がないので、一般的に行われる方法で、順次材料をミキサーに投入してミキシングを行うことで、加水量の多い食パン類の生地を製造することができる。
本発明の食パン類の製造方法では、食パン類の生地は、発酵、分割、成形、焼成に関して前記の一般的な食パン類の製造方法と同様に行うことができる。生地の作業性を低下させることなく、嵩を増して原料原価を下げた食パン類の生地を製造することができ、焼成後の食パン類はキメが細かく、ソフトでもっちりとした口溶けの良いものとなる。
(ラスク又はクルトンへの加工について)
本発明の食パン類の製造方法によって得られた食パン類は、ラスクやクルトンへの加工に適している。ラスクやクルトンへの加工方法は一般的な方法で製造することができる。ラスクやクルトンは、食パン類を任意の厚さや大きさにカットした後、水分を除くためにオーブン乾燥やフライ処理を行ない、その後、調味料やシーズニング、砂糖、油脂などの味付け素材を表面にコーティングやスプレーすることが一般的な製造工程である。
本発明の食パン類の製造方法で製造された食パン類を使用したラスク又はクルトンは、食感が軽く、歯ざわりの良い、シーズニングの発現に優れた特徴を持つ。
次に例を挙げ、本発明を詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれらの例になんら制限されるものではない。
〔アミラーゼを含有した油脂組成物〕
表1の配合のとおり、油脂混合物を溶解し、乳化剤を溶解させて油相を調製した。水と食塩、酵素製剤A、Bを混合して水相を調整した。油相と水相を調合して両者をホモミキサーで混合乳化後、急冷混練してアミラーゼを含有した油脂組成物Aを得た。また油脂組成物1g中の酵素活性を測定した。
表中の油脂混合物は、下記の油脂を混合したものである。
パーム油(日清オイリオグループ(株)製、商品名:精製パーム)40質量%
大豆白絞油(日清オイリオグループ(株)製、商品名:日清大豆白絞油(S))35質量%
大豆硬化油(日清オイリオグループ(株)製、商品名:大豆硬化油34)25質量%

乳化剤、酵素製剤は下記のものを使用した。
レシチン:ペースト状レシチン(日清オイリオグループ(株)製、商品名:レシチンDX)
MG:モノグリセリン脂肪酸エステル(理研ビタミン(株)製、商品名:エマルジーP100)
酵素製剤A:αアミラーゼ酵素製剤(ノボザイムズジャパン(株)製、商品名:Fungamyl800L)
酵素製剤B:マルトース生成αアミラーゼ酵素製剤(ノボザイムズジャパン(株)製、商品名:NovamylL)
Figure 2011244777
〔製パン評価(70%中種法食パンの配合と製造方法)〕
表2の配合と工程のとおりの製造方法で、実施例1〜4と比較例1〜7の食パンを得た。表中の穀粉%は、穀粉の質量100に対する穀粉以外に加える材料の割合を示している。マーガリン、油脂組成物A、本捏時の加水量は、表3〜5に記載した。
Figure 2011244777
強力粉(日本製粉(株)製、商品名:イーグル)
イースト(オリエンタル酵母(株)製、商品名:レギュラーイースト)
マーガリン(日清オイリオグループ(株)製、商品名:日清ロイヤルワイド100)
〔製パン評価(70%中種法食パンの評価方法)〕
実施例1〜4と比較例1〜7の食パンについて、各項目を以下の基準にしたがって評価した。食感、内相のキメ、老化評価は通常程度の評価である△よりも効果のみられた○、◎を合格判定とし、比容積は、比較例1の比容積結果である5.57よりも大きいものを合格判定とした。結果は表3〜5に記載した。

(食感評価)
パンを食して判定した。
◎:非常に良好
○:良好
△:通常程度
×:不良

(内相のキメ評価)
パンを目視で判定した。
◎:キメ細かく非常に良好
○:キメ細かく良好
△:通常程度
×:キメ粗い

(比容積)
焼成後のパンの体積を株式会社アステックス製のSELNAC−WinVMで計測し、比容積を算出した。比容積の計算方法は、
比容積=焼成後のワンローフの体積(cm)/焼成後生地重量(g)である。
◎:比容積6.0以上
○:比容積5.8以上6.0未満
△:比容積5.7以上5.8未満
×:比容積5.7未満

(老化評価)
パンを食して判定した。
◎:焼成から72時間後でも老化は認められなかった
○:焼成48時間後には老化が認められず、72時間後に老化が認められた
△:焼成24時間後には老化が認められず、48時間後に老化が認められた
×:焼成24時間後に老化が認められた
〔製パン評価(70%中種法食パンの評価結果)〕
Figure 2011244777
Figure 2011244777
Figure 2011244777

Claims (7)

  1. 穀粉の質量に対して、アミラーゼを含有する油脂組成物1〜5質量%、及び水70〜76質量%を使用した食パン類の製造方法。
  2. 前記アミラーゼを含有する油脂組成物が、油脂組成物中に油脂、アミラーゼ、水を含有することを特徴とする請求項1に記載の食パン類の製造方法。
  3. 前記アミラーゼが、αアミラーゼ、及びマルトース生成αアミラーゼから選ばれる1種又は2種以上のものである請求項1又は2に記載の食パン類の製造方法。
  4. 前記アミラーゼが、αアミラーゼ及びマルトース生成αアミラーゼである請求項1〜3のいずれか1項に記載の食パン類の製造方法。
  5. 前記食パン類が、ラスク又はクルトン加工用の食パン類である請求項1〜4のいずれか1項に記載の食パン類の製造方法。
  6. 請求項5に記載の食パン類の製造方法によって製造されたラスク又はクルトン。
  7. アミラーゼを含有する油脂組成物を、穀粉の質量に対して1〜5質量%添加することで、加水量を穀粉に対して1〜8質量%加配して生地の混捏を行うパンの製造方法。
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