JPH07147914A - 加工穀物のバラケ剤 - Google Patents

加工穀物のバラケ剤

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JPH07147914A
JPH07147914A JP5325756A JP32575693A JPH07147914A JP H07147914 A JPH07147914 A JP H07147914A JP 5325756 A JP5325756 A JP 5325756A JP 32575693 A JP32575693 A JP 32575693A JP H07147914 A JPH07147914 A JP H07147914A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ゆで麺の冷却時に冷却水に添加したり、冷凍
米飯の炊飯時に炊き水に添加することにより、加工穀物
に優れたバラケ性を付与する水中油滴型エマルジョンか
らなる加工穀物のバラケ剤を提供する。 【構成】 ゆで麺や米飯に使用される加工穀物のバラケ
剤であって、食用油脂100重量部、HLB12〜16
のポリグリセリン脂肪酸エステル0.3〜5重量部、酵
素処理レシチン0.2〜3重量部、クエン酸モノグリセ
リン脂肪酸エステル、モノグリセリン脂肪酸エステル及
びレシチンからなる群より選ばれる1種以上の乳化剤1
〜15重量部および水、糖質または両者の混合物50〜
100重量部を混合して得た水中油滴型乳化剤を主成分
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、そば、うどん、ラーメ
ンなどのゆで麺、米飯、凍結米飯、団子類などの加工穀
物のバラケ性を改良して取扱い性を向上させ、その際、
油浮きや食感の低下を起こさない加工穀物のバラケ剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ラーメン、うどん、そば等のゆで
麺を調理する場合に、麺線同士が付着してバラケ性が悪
く、団塊状のまま残り、結果的に調理食品の味を低下さ
せる現象があった。また、炊飯または蒸煮した米飯類、
或いは更に調味加工した米飯類の冷凍品は、凍結時にお
ける凍結効率の良さ、充填包装時の計量し易さ、解凍時
の均一な熱伝導による品質の向上、解凍時間短縮による
熱量の節減、使用時における分割し易さなどが要求され
ることから、米粒が個々にほぐれた、いわゆるバラケ状
態で凍結されることが望ましい。そこで、バラケ状態の
米粒を得るため種々の方法が提案されている。
【0003】袋タイプなどのゆで麺のバラケ性を改良す
るため、食用油脂をゆで上げて冷却した後の麺に散布す
る方法があった。この方法を用いるとバラケ性の優れた
麺を得ることができるが、中華麺以外の麺、すなわち、
そばやうどん等の和風麺類においては、麺が油っぽく、
麺つゆ上に油浮きを生じて品質の低下をもたらす。ま
た、麺に乳化剤を練り込む方法が提案されているが、こ
の方法では麺のバラケ性、食味において満足できるもの
が得られていない。この他、特開昭58−175461
号公報には、有機酸モノグリセリド類と食用油脂の乳化
液を散布したり浸漬する方法が提案されているが、この
方法においてもバラケ性において満足すべきものが得ら
れていない。
【0004】一方、米飯類に関しては、米飯を霧状のド
ライアイス等の寒剤と共に撹拌する方法や、薄くならし
た米飯を凍結後、機械的な衝撃を与える方法がある。し
かしながら、これらの方法では粘性の高いもち米等を使
用している場合バラケ状態を得ることが困難である。ま
た、後者の方法では米粒が損傷、破砕することがあるた
め品質の低下をもたらして好ましくない。
【0005】この他、油脂を炊飯液に添加して炊飯する
方法もある。しかし、この方法では米飯の上層部の米粒
は油脂の添加効果によってバラケ状態となり得るが、下
層部では油脂が行き渡らないため全く効果が得られな
い。また、冷凍白飯や冷凍和風米飯類に対しては、ご飯
が油っぽくなったり、温水を加えた際に油浮きを起こす
場合があり、商品価値を著しく低下させる。特公昭60
−8103号公報には、高HLB蔗糖脂肪酸エステルを
含む炊飯液で米を炊飯する方法が提案されている。しか
しながら、この方法を用いると確かにバラケ状態の良い
炊飯米粒を得ることができるが、米自体の持つ光沢が失
われて、外観が低下し、商品価値を著しく低下させる。
更に、特開昭59−109144号公報には、食用油脂
と水を乳化剤により乳化させた液に、米粒を浸漬した後
炊飯する方法が提案されているが、油脂の分散性、炊飯
後或いは解凍後の米粒のバラケ、光沢、食味のすべてに
おいて満足すべきものが得られていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、麺や米飯等の
加工穀物に添加して食味や外観を低下させず、前もって
存在する或いは加工した個々の形状に容易にバラケ、水
分を添加した場合にも油浮きを生ぜず、食味にも油っぽ
さを感じさせない加工穀物のバラケ剤が求められてい
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
することを目的とし、その構成は、HLB12〜16の
ポリグリセリン脂肪酸エステル0.3〜5.0重量部、
ホスホリパーゼ処理レシチン0.2〜3.0重量部、ク
エン酸モノグリセリン脂肪酸エステル、モノグリセリン
脂肪酸エステル及びレシチンからなる群より選ばれる1
種以上の乳化剤1〜15重量部および水、糖質または両
者の混合物50〜100重量部を混合して得た水中油滴
型乳化剤を主成分とすることを特徴とする。
【0008】本発明に用いる食用油脂は、常温で液状或
いは固形状の油脂が使用できる。常温で液状の油脂とし
ては、大豆油、ナタネ油、コーン油、綿実油、ヌカ油、
サフラワー油、ヒマワリ油等を挙げることができる。ま
た、固形の油脂としては、パーム油、豚脂、牛脂等の
他、上記液状の食用油脂を常法により水素添加して得ら
れた硬化油が挙げられる。また、使用にあたってはこれ
ら液状或いは固形状の食用油脂の1種或いは2種以上を
混合して使用することができる。
【0009】本発明に使用するポリグリセリン脂肪酸エ
ステルのHLBは12〜16、好ましくは13〜15で
ある。グリセリンの重合度は2〜10であり、脂肪酸と
しては、ステアリン酸、オレイン酸、ラウリン酸、ミリ
スチン酸、パルミチン酸などが挙げられ、これらの1種
或いは2種以上を使用することができる。ポリグリセリ
ン脂肪酸エステルは水中油滴型乳化液の乳化安定性を向
上させる効果を有する。その使用量は食用油脂100重
量部に対し0.3〜5.0重量部、好ましくは0.4〜
4.5重量部である。0.3重量部未満では乳化安定性
が劣り、5.0重量部を越えると食味が低下する。
【0010】酵素処理レシチンはレシチンをホスホリパ
ーゼで酵素処理することにより得られる。ホスホリパー
ゼによりレシチンのジアシルグリセロリン脂質のβ位の
エステル結合が加水分解され、α−モノアシルグリセロ
リン脂質(リゾレシチン)が生成する。生成したリゾレ
シチンはもとのレシチンに比してかなり親水性が増して
いるため、これをポリグリセリン脂肪酸エステルと組合
わせることにより、これらの相乗効果で高い乳化安定性
が得られる。本発明に用いる酵素処理レシチンの反応の
進行度は、機能面より考えると全レシチンに対するリゾ
レシチンのモル比で40%以上が好ましい。酵素処理レ
シチンは、食用油脂100重量部に対して0.2〜3.
0重量部、好ましくは0.25〜2.5重量部である。
0.2重量部未満では乳化安定性が劣り、3.0重量部
を越えると風味に影響を及ぼす。
【0011】本発明に用いるクエン酸モノグリセリン脂
肪酸エステル、モノグリセリン脂肪酸エステル及びレシ
チンからなる群から選ばれた1種以上の乳化剤は、主と
して加工穀物のバラケ性を向上させるために使用され
る。これらの乳化剤の使用量は食用油脂100重量部に
対して1〜15重量部、好ましくは3〜13重量部であ
る。1重量部未満ではその効果が充分でなく、15重量
部を越えると乳化安定性に悪影響を及ぼす。
【0012】本発明に用いる糖質は特に限定となく、例
えばブドウ糖、ショ糖、果糖、乳糖、転化糖、異性化
糖、デキストリン、ソルビトール、マルチトール、グリ
セリン等、各種の単糖類、二糖類、寡糖類、糖アルコー
ル、多価アルコール等が挙げられ、これらの1種または
2種以上を混合して用いることができる。水または糖質
の使用量は食用油脂100重量部に対し50〜100重
量部、好ましくは70〜90重量部である。50重量部
未満では乳化安定性が劣り、100重量部を越えるとバラ
ケ剤としての効果を充分に発現させることができない。
【0013】本発明の水中油滴型乳化物の製造方法は常
法に従って行う。例えば、親水性成分を溶解した中に、
親油性成分を徐々に添加しながら混合する方法がある。
この場合、乳化剤は多く親水性成分中に溶解させるが、
親油性成分中に溶解させてもよい。また、全成分を一挙
に混合してもよい。例えば、ポリグリセリン脂肪酸エス
テル、酵素処理レシチン、糖質を水に溶解し、これにク
エン酸モノグリセリン脂肪酸エステル、モノグリセリン
脂肪酸エステル、レシチンを溶解した食用油脂を添加、
混合して粗乳化した後ホモミキサー、圧力式ホモジナイ
ザー、コロイドミルなどの乳化手段で微細に乳化して製
品化することができる。
【0014】得られたバラケ剤は麺類に使用する場合
は、麺類をゆでた後の冷却水に添加して使用するのが好
ましく、その使用量は冷却水100重量部あたり2〜2
0重量部、好ましくは1.6〜15重量部添加する。冷却
水に対する本発明乳化剤の添加量が2重量部未満である
と本発明の効果が得られ難く、20重量部を越えると効
果は平衡に達し、バラケの効果は使用量を増加してもそ
れ以上に向上しない。米飯類に使用する場合は、炊飯す
る水に本発明バラケ剤を添加して炊飯するのが好まし
く、また、蒸煮する場合には蒸煮前の米を膨潤させる水
に添加することが好ましい。その使用量は精白米100
重量部あたり2〜20重量部、好ましくは1.6〜15
重量部である。精白米に対する本発明乳化剤の添加量が
2重量部未満であると本発明の効果が得られ難く、20
重量部を越えると効果は平衡に達し、バラケの効果は使
用量を増加してもそれ以上に向上しない。
【0015】
【作用】本発明はゆで麺、米飯などの加工穀物の味を低
下させることなく、加工性、取扱い性を向上させるた
め、食用油脂に対して特定のポリグリセリン脂肪酸エス
テルと酵素処理レシチンを用い、更に特定の乳化剤を使
用することにより水中油滴型の乳化剤を製造し、これを
適正量加工穀類に添加することにより食味の低下がな
く、油浮きすることなく、バラケ性が改良される事実を
見出して完成したものである。
【0016】
【実施例】以下の実施例及び比較例において使用した薬
品は下記の通りである。 ポリグリセリン脂肪酸エステル(HLB15)……SY
グリスターML750(阪本薬品工業(株)製) ポリグリセリン脂肪酸エステル(HLB11)……SY
グリスターMO500(阪本薬品工業(株)製) 酵素処理レシチン……エルマイザーA(協和醗酵(株)
製) クエン酸モノグリセリン脂肪酸エステル……ポエムK−
37(理研ビタミン(株)製) モノグリセリン脂肪酸エステル……エマルジーMS(理
研ビタミン(株)製) レシチン……レシチンDX(日清製油(株)製) 還元澱粉糖化物……アマミール(東和化成工業(株)
製)
【0017】実施例1 表1に示した配合の乳化液を製造した。すなわち水相部
に糖質を用いたものはアジホモミキサー(特殊機化工業
(株)製)に50℃の水相部を仕込み、100rpmで
撹拌しながら50℃の油相部を徐々に添加し20分間乳
化後、30℃以下まで冷却して本発明の水中油滴型の乳
化剤からなるバラケ剤を製造した。また、水相部を水ま
たは水と糖質の混合物としたものは、65℃の水相部に
同温度の油相部を徐々に添加し、全量添加したところで
20分間乳化後、圧力式ホモジナイザーを用いて圧力1
00kg/cm2 で均質化した。次いで30℃以下まで冷
却して水中油滴型の本発明バラケ剤を得た。
【0018】別に、小麦粉から生うどんを製造し、この
生うどん100gをゆで水1kgを用いて5分間ゆで
た。20℃の冷却水1kgに対して得られたバラケ剤を
50g添加し、これにゆで上げた上記麺を1分間浸漬
後、ざるで水切りしてゆで麺を得た。その時の残水の温
度は30℃であった。得られたゆで麺を5℃の冷蔵庫で
24時間保存した後、そのバラケ性を評価した。更に、
このゆで麺に5倍重量の80℃の温水を加えた時の油浮
きを肉眼観察した。これらの評価結果を表1に併記し
た。
【0019】バラケ性の評価基準は次の通りである(比
較例1も同様である)。 ◎ …… 麺線が1本ずつ完全にほぐれていて非常に取
扱い易い。 ○ …… 麺線がほとんどほぐれていて取扱い易い。 △ …… 麺線の付着があり取扱い難い。 × …… 麺線が大きな塊になり非常に取扱い難い。
【0020】温水を加えたときの油浮きの評価基準は次
の通りである(以下の実施例、比較例も同様である)。 ◎ …… 油浮きなし。 ○ …… 微量微細の油浮きがある。 △ …… やや目立つ油浮きがある。 × …… 目立つ油浮きがある。
【0021】
【表1】
【0022】比較例1 表2に示した配合の乳化剤を用いた以外は実施例1と同
様にしてバラケ剤を得た。更に実施例1と同様の方法で
バラケ性及び油浮きを評価し、表2に併記した。
【0023】
【表2】
【0024】表1及び表2より、HLB15のポリグリ
セリン脂肪酸エステル、酵素処理レシチンの使用量が低
いものは、バラケ性は優れているが乳化状態が不安定な
ため、温水を加えた時の油浮きがみられた(比較例1の
実験番号1、2)。クエン酸モノグリセリン脂肪酸エス
テル、モノグリセリン脂肪酸エステル、レシチンの使用
量が指定範囲に満たないものは、油浮きはないもののバ
ラケ性が劣っていた(比較例1の実験番号3、4、5、
6、11)。HLB11のポリグリセリン脂肪酸エステ
ルを用いたものは、乳化状態が不安定なため温水を加え
たときの油浮きが顕著であった(比較例1の実験番号
7、12)。食用油脂100重量部に対する水の比率が
50重量部に満たないものは、油浮きが顕著であった
(比較例1の実験番号8)。一方、水の比率が100重
量部を越えたものはバラケ性が劣っていた(比較例1の
実験番号9)。また、クエン酸モノグリセリン脂肪酸エ
ステル、モノグリセリン脂肪酸エステル、レシチンの使
用量が指定範囲を越えたものは油浮きが顕著であった
(比較例1の実験番号10)。これらに対して、本発明
による水中油滴型乳化剤を使用したもの(実施例1)は
麺線のバラケが良好で温水を加えた際の油浮きもみられ
なかった。
【0025】比較例2および比較例3 水100重量部あたり、実施例1の実験番号4のバラケ
剤1.5gを添加した冷却水を用いた以外は実施例1と
同様にしてゆで麺を得た。このゆで麺を比較例2とし
た。別に、水100重量部あたり、実施例1の実験番号
4のバラケ剤20gを添加した冷却水を用いた以外は実
施例1と同様にしてゆで麺を得た。このゆで麺を比較例
3とした。比較例2のゆで麺はバラケ性が劣り、比較例
3のゆで麺はバラケ性もよく、温水を加えたときの油浮
きもなかったが、実施例1の結果と比較して大量のバラ
ケ剤の使用に伴う効果はみられなかった。
【0026】実施例2 表3に示した乳化液を常法に従って調製した。すなわ
ち、水相部に糖質を用いたものはアジホモミキサー(特
殊機化工業(株)製)に50℃の水相部を仕込み、10
0rpmで撹拌しながら50℃の油相部を徐々に添加し
20分間乳化後、30℃以下まで冷却して水中油滴型加
工穀物のバラケ剤を得た。また、水相部を水または水と
糖質としたものは、65℃の水相部に同温度の油相部を
徐々に添加し、全量添加したところで20分間乳化後圧
力式ホモジナイザーを用いて圧力100kg/cm2
均質化した後、30℃以下まで冷却して本発明水中油滴
型加工穀物のバラケ剤を得た。得られたバラケ剤を精白
米100g、水130gに対して2g添加して、常法に
従い炊飯した。
【0027】炊飯後、−30℃の冷凍庫で24時間凍結
保存した米飯と、この米飯を電子レンジで解凍した際の
米粒のバラケ性について評価した。米飯のバラケ性の評
価基準は次の通りである(比較例4も同様である)。 ◎ …… 米粒がバラケ状態で作業し易い。 ○ …… 米粒のほとんどがバラケ状態であり、作業で
きる。 △ …… 米粒の塊があり作業し難い。 × …… 米粒の大きな塊があり作業性が非常に悪い。 また、解凍された米飯は10倍重量の50℃の温水を加
え、油浮きを実施例1の基準に従い肉眼観察した。更に
凍結後解凍した米飯に付きその食味を実施例1の基準に
従って評価した。これらの結果を表3に併記した。な
お、炊飯後、凍結後及び解凍後のバラケ性は同一であっ
たのでまとめて記載した(比較例4についても同様であ
る)。
【0028】食したときの食味はパネラー10名により
評価した。評価基準は次の通りである(以下の実施例、
比較例も同様である)。「全く油の存在を感じない」を
+1点、「普通」を0点、「油くさい」を−1点として
10名の平均点を算出した。
【0029】
【表3】
【0030】比較例4 表4に示した配合の乳化剤を用いた以外は実施例1と同
様にしてバラケ剤を得た。更に実施例2と同様の方法で
バラケ性、油浮き及び食味を評価し、表4に併記した。
【0031】
【表4】
【0032】表3及び表4より、HLB15のポリグリ
セリン脂肪酸エステル、酵素処理レシチンの使用量が低
いものは、バラケ性は優れているが乳化状態が不安定な
ため、温水を加えた時の油浮きがみられた(比較例4の
実験番号1、2)。クエン酸モノグリセリン脂肪酸エス
テル、モノグリセリン脂肪酸エステル、レシチンの使用
量が指定範囲に満たないものは、油浮きはないもののバ
ラケ性が劣っていた(比較例4の実験番号3、4、5、
6、11)。HLB11のポリグリセリン脂肪酸エステ
ルを用いたものは、乳化状態が不安定なため温水を加え
たときの油浮きが顕著であった(比較例4の実験番号
7、12)。食用油脂100重量部に対する水の比率が
50重量部に満たないものは、油浮きが顕著であった
(比較例4の実験番号8)。一方、水の比率が100重
量部を越えたものはバラケ性が劣っていた(比較例4の
実験番号9)。また、クエン酸モノグリセリン脂肪酸エ
ステル、モノグリセリン脂肪酸エステル、レシチンの使
用量が指定範囲を越えたものは油浮きが顕著であった
(比較例4の実験番号10)。これらに対して、本発明
による水中油滴型乳化剤を使用したもの(実施例2)は
炊飯後、凍結後、解凍後のいずれの場合もバラケ性が良
好で、温水を加えた際の油浮きもみられなかった。
【0033】比較例5および比較例6 精白米100g、水130gに対して、実施例2の実験
番号4のバラケ剤1.5gを添加して炊飯した以外は実
施例2と同様にして凍結し、解凍した。これを比較例5
とした。別に、精白米100g、水130gに対して、
実施例2の実験番号4のバラケ剤20gを添加して炊飯
した以外は実施例2と同様にして凍結し、解凍した。こ
れを比較例6とした。比較例5および比較例6について
炊飯後、凍結後および解凍後のバラケ性を試験した。比
較例5の米飯はバラケ性が劣り、比較例6の米飯はバラ
ケ性もよく、温水を加えたときの油浮きもなかったが、
実施例2の結果と比較して大量のバラケ剤の使用に伴う
効果はみられなかった。
【0034】
【発明の効果】本発明の水中油滴型乳化物を主成分とす
る加工穀物のバラケ剤は、ゆで麺の冷却時に冷却水に添
加したり、冷凍米飯の炊飯時に炊き水に添加する水中油
滴型エマルジョンであり、分散性が良く、加工穀物に優
れたバラケ性を付与する。しかも油っぽさや、温水を加
えた際の油浮きがないため、そばやうどん等の和風麺類
や白飯や和風米飯に使用することができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食用油脂100重量部、HLB12〜1
    6のポリグリセリン脂肪酸エステル0.3〜5.0重量
    部、酵素処理レシチン0.2〜3.0重量部、クエン酸
    モノグリセリン脂肪酸エステル、モノグリセリン脂肪酸
    エステル及びレシチンからなる群より選ばれる1種以上
    の乳化剤1〜15重量部および水、糖質または両者の混
    合物50〜100重量部を混合して得た水中油滴型乳化
    剤を主成分とする加工穀物のバラケ剤。
  2. 【請求項2】 酵素がホスホリパーゼである酵素処理レ
    シチンを使用する請求項第1項記載の加工穀物のバラケ
    剤。
  3. 【請求項3】 加工穀物がゆで麺類である請求項第1項
    または第2項記載の加工穀物のバラケ剤。
  4. 【請求項4】 加工穀物が米飯である請求項第1項また
    は第2項記載の加工穀物のバラケ剤。
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