JP2013162753A - 穀類加工食品のほぐれ改良剤 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】豆類由来の水溶性ヘミセルロース、及びHLBが8以上のショ糖脂肪酸エステルを含む穀類加工食品用ほぐれ改良剤を添加することにより、穀類加工食品のほぐれ性を改良することができる。
【選択図】なし
Description
そこで、本発明は、保存においてほぐれ性が悪くなるなどの品質低下を抑制し、効率的に美味しい穀類加工食品を製造する為のほぐれ改良剤及びそのほぐれ改良剤を使用した穀類加工食品を提供することを目的とした。
(1)豆類由来の水溶性ヘミセルロース、及びHLBが8以上のショ糖脂肪酸エステルを含むことを特徴とする穀類加工食品用ほぐれ改良剤。
(2)さらに、有機酸モノグリセリンエステルを含むことを特徴とする(1)に記載の穀類加工食品用ほぐれ改良剤。
(3)さらに、アラビアガム、ガティガム、カラヤガム及びトラガカントガムの群から選択される樹液由来の多糖類を1種または2種以上含むことを特徴とする、(1)または(2)に記載の穀類加工食品用ほぐれ改良剤。
(4)(1)〜(3)に記載のほぐれ改良剤を添加又は該ほぐれ改良剤で表面処理してなる穀類加工食品。
である。
本発明の穀類加工食品とは、穀類食品(米、小麦、大麦、稗、粟等)を1次加工又は更に2次加工した食品のことをいう。1次加工食品としては米飯、麦飯、粟餅、乾麺、生麺、パスタ等があり、2次加工食品としては1次加工食品を再調理した食品、例えば、おにぎり、寿司、ピラフ、チャーハン、炊き込みご飯、混ぜご飯、そば、うどん、中華麺、パスタ、素麺、即席麺等がある。
本発明のほぐれ改良剤は、豆類由来の水溶性ヘミセルロース及びHLBが8以上のショ糖脂肪酸エステルを含む。水溶性ヘミセルロース及びショ糖脂肪酸エステルの他、さらに、アラビアガム、ガティガム、カラヤガム、トラガカントガムの群から選択される樹液由来の多糖類や、有機酸モノグリセリンエステルを配合すると、さらにほぐれ性が良好となり好ましい。
豆類由来の水溶性ヘミセルロースは、大豆,小豆,エンドウ豆等を原料として得られるが、溶解性や工業性の面から、大豆またはエンドウ豆が好ましく、中でも子葉由来のものがより好ましい。
豆類由来の水溶性ヘミセルロースは、ヘミセルロースを含む原料から水抽出や熱水抽出する方法、酸、アルカリ条件下で加熱抽出する方法、酵素分解により抽出する方法等により得ることができる。
豆類由来の水溶性ヘミセルロースの製造法の好ましい一例を示すと以下の通りである。豆類の原料を酸性乃至アルカリ性の条件下、好ましくは各々の蛋白質の等電点付近のpHで、好ましくは80℃以上130 ℃以下、より好ましくは100℃を超え、130 ℃以下にて加熱分解し、遠心分離等で水溶性画分を分画した後、そのまま乾燥するか、例えば活性炭処理或いは樹脂吸着処理或いはエタノール沈澱処理して疎水性物質あるいは低分子物質を除去し乾燥することによって、豆類由来の水溶性ヘミセルロースを得ることができる。
本発明において用いられるショ糖脂肪酸エステルの種類は、その使用状態や配合量によって大きく影響されるので規定するのは難しいが、HLBの高いもので、よりほぐれ性が向上する傾向にある。ほぐれ性を発揮するのにはショ糖脂肪酸エステルのHLBが8以上が必要であり、より好ましくはHLBが10以上であることが望ましい。
このようなショ糖脂肪酸エステルとして、ショ糖ステアリン酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖オレイン酸エステル、ショ糖ラウリン酸エステル、ショ糖ミリスチン酸エステル、ショ糖エルカ酸エステル、ショ糖ベヘニン酸エステル等が例示できる。
これらのショ糖脂肪酸エステルは1種または2種以上を併用して使用することができる。
樹液由来の多糖類として、アラビアガム、ガティガム、カラヤガム、トラガカントガム等が挙げられる。この中でも、ほぐれ性の効果が高い点からアラビアガム、ガティガムが好ましい。
これらの多糖類は1種または2種以上を併用して使用することができる。
本発明において用いられる有機酸モノグリセリンエステルは、水に分散できるものであれば特に種類を制限されるものではないが、例えば、クエン酸モノグリセリンエステル,ジアセチル酒石酸モノグリセリンエステル,酢酸モノグリセリンエステル,コハク酸モノグリセリンエステル,乳酸モノグリセリンエステル等が例示できる。中でも食品に使用するため、風味の点でクエン酸モノグリセリンエステル、若しくはジアセチル酒石酸モノグリセリンエステルが好ましい。
これらの有機酸モノグリセリンエステルは1種または2種以上を併用して使用することができる。
穀類加工食品に対する添加量が少なすぎると、穀類加工食品に対して十分なほぐれ性を付与できない場合があり、多すぎると穀類加工食品の風味を変化させてしまう場合がある。
また、本ほぐれ改良剤で穀類加工食品を表面処理する方法として、(1)炊飯、蒸煮後の米飯や茹で上がった麺又はパスタに本ほぐれ改良剤の水溶液を絡ませて表面処理する。(2)蒸煮後の米飯や茹で上がった麺又はパスタに本ほぐれ改良剤の水溶液を噴霧する。(3)予め調味液に本ほぐれ改良剤を溶解しておき、パスタ、麺又は米飯にまぶして表面処理する。(4)本ほぐれ改良剤を粉末調味料と混合し、米飯、パスタ、麺にまぶして表面処理する。等の方法が例示できる。これらの方法は製造ライン、販売形態等の個々の食品特性により選択される。
また、良好なほぐれ性が付与されることにより、穀類加工食品の製造において混ぜやすい、潰れにくい等の優れた加工適正を有する。
表1の配合に基づき、水にHLBの異なるショ糖脂肪酸エステルを分散させ、水溶性大豆ヘミセルロースを添加した後加熱溶解することにより、ほぐれ改良剤A〜Kを調製した。
それぞれについて麺のほぐれ性評価を行った。
まず、強力粉600g、そば粉400g、食塩10g、水300gを配合し、ミキサーで15分間混捏し、常法に従って圧延、切り出し(切り歯#22角、麺線厚み1.3mm)を行って得られた麺を沸騰水中で3分間茹で上げ、流水で30秒水洗し、茹で麺を得た。次に、各ほぐれ改良剤を茹で麺200gあたり6g均一に噴霧し、容器に充填、密封し、1日冷蔵保存後のほぐれ性をパネラー10名で評価した。各パネラーは表2の基準に基づき1〜5点で評価し、その平均点をほぐれ性評価とした。平均点が4点以上であれば、ほぐれ性が良好と判断した。ほぐれ性の評価結果を表1に示した。
表3の配合に基づき、水にショ糖脂肪酸エステルを分散させ、樹液由来の多糖類として、アラビアガムまたはガティガム、及び水溶性大豆ヘミセルロースを添加した後加熱溶解することにより、ほぐれ改良剤L〜Mを調製した。
それぞれについて、実施例1に従い、麺のほぐれ性評価を行った。ほぐれ性の評価結果を表3に示した。
表4の配合に基づき、水にショ糖脂肪酸エステル及び有機酸モノグリセリンエステルを分散させ、水溶性大豆ヘミセルロースを添加した後加熱溶解することにより、ほぐれ改良剤N〜Qを調製した。それぞれについて、実施例1に従い、麺のほぐれ性評価を行った。ほぐれ性の評価結果を表4に示した。
準強力粉600g、澱粉67g、食塩10g、炭酸ナトリウム1g、炭酸カリウム1g、水230gを配合し、ミキサーで15分間混捏し、常法に従って圧延、切り出し(切り歯#22、麺線厚み1.7mm)を行って得られた麺を、1玉80gとして蒸煮し、中華麺を調製した。
次に、表5の配合に従って、ほぐれ改良剤Kを対麺重5%添加し、よく麺に絡ませた後80℃で1時間乾燥させ、即席麺を調製した。得られた即席麺1玉に対して400gの熱湯を加えて8分間湯戻しし、ほぐれ性を○:ほぐれる、△:ほぐれにくい、×:ほぐれない、の3段階で評価した。ほぐれ性の評価結果を表5に示した。
表6に示す配合にて、家庭用炊飯器を用いてご飯を炊いた。表6の配合に従って、炊き上がったご飯に水、或いはほぐれ改良剤Kを添加し、均一になるまで混ぜて室温になるまで放冷した。ご飯のほぐれ性を○:ほぐれる、△:ほぐれにくい、×:ほぐれない、の3段階で評価した。ほぐれ性の評価結果を表6に示した。
Claims (4)
- 豆類由来の水溶性ヘミセルロース、及びHLBが8以上のショ糖脂肪酸エステルを含むことを特徴とする穀類加工食品用ほぐれ改良剤。
- さらに、有機酸モノグリセリンエステルを含むことを特徴とする、請求項1に記載の穀類加工食品用ほぐれ改良剤。
- さらに、アラビアガム、ガティガム、カラヤガム及びトラガカントガムの群から選択される樹液由来の多糖類を1種または2種以上を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の穀類加工食品用ほぐれ改良剤。
- 請求項1〜3に記載のほぐれ改良剤を添加又は該ほぐれ改良剤で表面処理してなる穀類加工食品。
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