JPH09323033A - 乳化剤の製造法及び乳化組成物 - Google Patents

乳化剤の製造法及び乳化組成物

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JPH09323033A
JPH09323033A JP8145823A JP14582396A JPH09323033A JP H09323033 A JPH09323033 A JP H09323033A JP 8145823 A JP8145823 A JP 8145823A JP 14582396 A JP14582396 A JP 14582396A JP H09323033 A JPH09323033 A JP H09323033A
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hemicellulose
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soluble
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Teruhiro Nakamura
彰宏 中村
Masayoshi Kato
昌芳 加藤
Taro Takahashi
太郎 高橋
Yuichi Maeda
裕一 前田
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Fuji Oil Co Ltd
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    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12PFERMENTATION OR ENZYME-USING PROCESSES TO SYNTHESISE A DESIRED CHEMICAL COMPOUND OR COMPOSITION OR TO SEPARATE OPTICAL ISOMERS FROM A RACEMIC MIXTURE
    • C12P19/00Preparation of compounds containing saccharide radicals
    • C12P19/14Preparation of compounds containing saccharide radicals produced by the action of a carbohydrase (EC 3.2.x), e.g. by alpha-amylase, e.g. by cellulase, hemicellulase
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
    • A23LFOODS, FOODSTUFFS, OR NON-ALCOHOLIC BEVERAGES, NOT COVERED BY SUBCLASSES A21D OR A23B-A23J; THEIR PREPARATION OR TREATMENT, e.g. COOKING, MODIFICATION OF NUTRITIVE QUALITIES, PHYSICAL TREATMENT; PRESERVATION OF FOODS OR FOODSTUFFS, IN GENERAL
    • A23L27/00Spices; Flavouring agents or condiments; Artificial sweetening agents; Table salts; Dietetic salt substitutes; Preparation or treatment thereof
    • A23L27/60Salad dressings; Mayonnaise; Ketchup
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A23FOODS OR FOODSTUFFS; TREATMENT THEREOF, NOT COVERED BY OTHER CLASSES
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    • A23L27/80Emulsions
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J13/00Colloid chemistry, e.g. the production of colloidal materials or their solutions, not otherwise provided for; Making microcapsules or microballoons
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K23/00Use of substances as emulsifying, wetting, dispersing, or foam-producing agents

Abstract

(57)【要約】 【課題】低粘度で乳化性、乳化安定性に優れた乳化剤の
製造法及びそれを使用した乳化組成物を提供することを
目的とする。 【解決手段】水溶性ヘミセルロースを精製ラムノガラク
ツロナーゼで加水分解することを特徴とする乳化剤の製
造法、及び当該乳化剤を使用して成る乳化組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は乳化剤の製造法及び
当該乳化剤を使用して成る乳化組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、乳化剤は低分子系乳化剤と高分
子系乳化剤に大別することができる。低分子系乳化剤は
所謂界面活性剤であり、脂肪酸石鹸やグリセリンエステ
ル、シュガーエステル等がある。高分子系乳化剤にはア
ラビアガムに代表されるガム質やカゼインのような天然
物、或いはアクリル酸塩やポリビニールアルコールのよ
うな合成品がある。
【0003】これらの乳化剤は用途により適当に配合し
て使用しているが、低分子系乳化剤は一般にpHの変化に
弱かったり、塩の添加や希釈による濃度の変化によって
乳化性が失われるという問題を残している。
【0004】天然高分子であるアラビアガムは、安定な
乳化状態を得るために高濃度の使用が必要な上、その供
給量が生産国の天候に左右され易く、価格の変動が激し
いため最近では安定な供給が可能な天然高分子系乳化剤
が望まれている。一方、ポリアクリル酸塩やポリビニー
ルアルコールのような合成品もあるが、乳化性に問題が
あったり用途が限られる場合が多い。また、一般に天然
高分子系乳化剤は低濃度でも粘度が高く乳化物を調製す
る際の作業性を悪くするという問題もある。
【0005】
【発明が解決すべき課題】上記のように、種々の用途に
用いられている乳化剤は、当該乳化剤を使用した乳化物
が長期にわたって安定した乳化状態を維持し、食品に利
用した場合は食感を満足させる必要がある。
【0006】例えば、乳化香料用の乳化剤としてアラビ
アガムが広く用いられているが、上述したような問題を
抱えている。また、マヨネーズやドレッシング等に用い
る乳化剤にはキサンタンガム等が広く用いられるが、非
常に粘度の高い物となり、必ずしも食感が満足できるも
のではない。さらに、コーヒークリームのようなクリー
ム類にはカゼインが用いられているが、pHの変化に弱か
ったり、希釈されると乳化が破壊されるなど、必ずしも
現状で満足されている訳ではない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、如上の点
に鑑み鋭意研究した結果、水溶性ヘミセルロースをある
特定の酵素で分解して得た分解産物を乳化剤として用い
たとき、乳化性、保存安定性、pH耐性、塩耐性、温度耐
性の強い乳化組成物が得られるなどの知見を得た。本発
明はかかる知見に基づいて、完成されたものである。
【0008】すなわち本発明は、水溶性ヘミセルロース
を精製ラムノガラクツロナーゼで加水分解することを特
徴とする乳化剤の製造法、及び当該乳化剤を使用して成
る乳化組成物、である。
【0009】原料の水溶性ヘミセルロースは、その分子
量がどの様な物でも使用可能であるが、好ましくは平均
分子量が数千〜数百万、具体的には5千〜百万であるの
が好ましい。分子量が大き過ぎると粘度が上がりすぎて
作業性が悪くなる。なお、この水溶性ヘミセルロースの
平均分子量は標準プルラン(昭和電工(株)製)を標準
物質として0.1 M のNaNO3 溶液中の粘度を測定する極限
粘度法で求めた値である。また、ウロン酸の測定は Blu
menkrantz 法により、中性糖の測定はアルジトールアセ
テート化した後に GLC法により測定した。
【0010】水溶性ヘミセルロースは、ヘミセルロース
を含む原料から水抽出や場合によっては酸、アルカリ条
件下で加熱溶出させるか、酵素により分解溶出させるこ
とができる。水溶性ヘミセルロース製造法の一例を示す
と以下のようである。
【0011】先ず原料としては、油糧種子、例えば大
豆、パーム、ヤシ、コーン、綿実などの油脂や蛋白質を
除去した殻、或いは穀類、例えば、米、小麦及びビート
等の根菜類の澱粉や砂糖等を除いた粕等の植物が適する
が、特に豆類由来、特に大豆、なかでも子葉由来のもの
が好ましく、豆腐や豆乳、分離大豆蛋白を製造するとき
に副生するオカラを利用することができる。
【0012】これらの原料を酸性乃至アルカリ性の条件
下、好ましくは各々の等電点付近のpHで、好ましくは13
0 ℃以下80℃以上、より好ましくは130 ℃以下100 ℃以
上にて加熱分解して水溶性画分を分画した後、そのまま
乾燥するか、例えば活性炭処理或いは樹脂処理或いはエ
タノール沈殿処理して疎水性物質或いは低分子物質を除
去し乾燥することによって、水溶性ヘミセルロースを得
ることができる。
【0013】この水溶性ヘミセルロースは、構成糖とし
てガラクトース、アラビノース、キシロース、ラムノー
ス、フコース、グルコース及びガラクツロン酸を含む多
糖類である。なお、加水分解で得られる水溶性ヘミセル
ロースの構成成分の分析結果の詳細は特開平4-325058号
公報に記載されている。
【0014】このガラクツロン酸にはカルボキシル基が
メチルエステル結合したものと遊離のものの2種類が存
在するが、脱メトキシル化されているものが好ましく、
この点から、エステル化度は50% 以下であることが好ま
しく、20% 以下であることがより好ましい。
【0015】本発明において用いる精製ラムノガラクツ
ロナーゼは、ラムノガラクツロナンを選択的に分解する
酵素であり可及的精製されたものが好ましい。本発明に
おいて精製ラムノガラクツロナーゼとは、ラムノガラク
ツロナーゼの活性値が他の酵素、例えばβ−ガラクトシ
ダーゼ、β−グルコシダーゼ又はα−アラビノシダーゼ
等に対し卓越した活性値を示すもので、これらに対し少
なくとも10倍、好ましくは100 倍以上の活性値を示す。
このようなラムノガラクツロナーゼの純度は蛋白質当た
りの酵素活性値が20 unit/mg以上、好ましくは25 unit/
mg以上である。
【0016】ラムノガラクツロナーゼの供給源として
は、例えば Aspergillus aculeatusであり、ノボ・ノル
ディスク・ジャパンより市販されている酵素製剤である
ペクチネックス・ウルトラ・SP-L(粗酵素)が好適であ
って、この粗酵素を精製することにより、本発明におい
て使用可能なラムノガラクツロナーゼを得ることができ
る。なお、当該酵素に関する詳細な説明は特表平6-5068
31号公報に記載されている。
【0017】酵素分解した水溶性ヘミセルロース溶液の
粘度は、例えば10% 水溶液の場合、50センチポイズ以下
が好ましく、より好ましくは30センチポイズ以下、さら
に好ましくは15センチポイズ以下が好適である。当該水
溶性ヘミセルロースは、酵素未分解の水溶性ヘミセルロ
ースに比べ、水溶液での粘度が低いため乳化物を調製す
る際の作業性に優れている。
【0018】本発明において、精製ラムノガラクツロナ
ーゼで加水分解して得られる水溶性ヘミセルロースは単
独で乳化剤として使用することが出来るが、既存の乳化
剤を併用することにより既存の乳化剤の欠点を補うこと
ができる。
【0019】既存の低分子系乳化剤としては、脂肪酸石
鹸に代表される各種アニオン界面活性剤や四級アンモニ
ウム塩等のカチオン界面活性剤、グリセリン脂肪酸エス
テル、シュガーエステル等の非イオン界面活性剤、レシ
チンのような両性界面活性剤、またサポニンのような天
然界面活性剤等が挙げられる。
【0020】一方、既存の高分子系乳化剤としては、天
然型乳化剤、例えば布海苔、寒天、カラギーナン、ファ
ーセレラン、タマリンド種子多糖類、タラガム、カラヤ
ガム、ペクチン、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウ
ム、トラガカントガム、グアーガム、ローカストビーン
ガム、プルラン、ジェランガム、アラビアガム、ゼラチ
ン、ホエー等のアルブミン、カゼインナトリウム、各種
澱粉等が挙げられる。また、半合成糊剤としては、カル
ボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース
(MC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ア
ルビン酸プロピレングリコールエステル及び、可溶性澱
粉に代表される加工澱粉等が例示でき、合成糊剤として
は、ポリビニルアルコールやポリアクリル酸ナトリウム
等が例示できる。また、既存の分散剤としてはハイメト
キシルペクチン(HMペクチン)、カルボキシメチルセ
ルロースナトリウム又はアルギン酸プロピレングリコー
ルエステル等の糊料(シックナー)等が例示できる。
【0021】本発明において、水溶性ヘミセルロースを
精製ラムノガラクツロナーゼで加水分解して得られる乳
化剤は、それを乳化香料の製造に使用した場合、アラビ
アガムや加工澱粉を使用したときよりも、更に耐熱性、
耐酸性、耐塩性、耐アルコール性等の安定性及び懸濁安
定性に優れた乳化状態が得られ、さらにマヨネーズ・ド
レッシングに用いた場合、キサンタンガムや澱粉を使用
したときよりも、かなり粘度の低いサッパリしたマヨネ
ーズ・ドレッシングを得ることができる。また、当該乳
化剤をコーヒーホワイトナーのようなクリーム類に使用
することにより、pHの変化や希釈に対しても乳化破壊を
起こし難い安定なクリーム類を得ることができる。
【0022】また、水相に蔗糖または水飴に代表される
糖類、あるいはグリセリン、D−ソルビトール、プロピ
レングリコールなどの多価アルコール類、更に例えば乳
酸、食酢、クエン酸、リンゴ酸等の有機酸等を添加すれ
ば、安定性が向上する場合がある。更に、L−アスコル
ビン酸、その誘導体、アミノカルボニル反応生成物など
の退色防止剤や防腐剤等の添加物を添加することができ
る。
【0023】一方、本発明における、水溶性ヘミセルロ
ースを精製ラムノガラクツロナーゼで加水分解して得ら
れる乳化剤は、以上のような飲食品への用途以外に、例
えばハンドクリームや塗り薬のような化粧品や医薬品用
クリーム等、種々の用途に乳化剤あるいは分散剤として
も用いることができる。また、水中油型エマルジョンタ
イプの殺虫剤や除草剤等の農薬にも利用することがで
き、長期間安定な乳化状態ないし分散状態が得られると
共に、散布した後も安定で、効果の持続性にも優れる。
【0024】なお、乳化組成物に使用される油相は、水
に難溶性の油性物質であれば何でも良く、一般の油脂類
や油溶性香料、或いは油溶性色素、ワックス、殺虫剤、
除草剤、油溶性医薬、油溶性試薬等が挙げられる。従っ
て、本発明における乳化剤は、乳化香料やマヨネーズ・
ドレッシング或いはクリーム類等の食品や、ハンドクリ
ーム等の化粧品、塗り薬等の医薬品、殺虫剤等の農薬類
に代表される生活産業全般に広く利用できる。
【0025】
【実施例】以下、実施例により本発明の実施態様を説明
するが、本発明はこれらの例示によって制限されるもの
ではない。なお、例中の、部及び% は何れも重量基準を
意味する。
【0026】○ ラムノガラクツロナーゼの調製 市販酵素製剤、ペクチネックス・ウルトラSP-Lの酵素溶
液100 mlを分取し、Amicon(Amicon PM-10膜使用)の限
外濾過装置を用いて、緩衝液を20m M酢酸緩衝液(pH
5.0) に交換した。こうして得たものを粗酵素液とし、
以下に示すようにして、本発明に使用したラムノガラク
ツロナーゼを精製した。なお、精製の各ステップについ
てクロマトグラムを図1〜図4に示した。
【0027】 ペクチネックス・ウルトラSP-L粗酵素液 ↓ 1):GFC :TSKgel HW-50S (Super fine)・・・図1 (カラム:2.6 × 75 cm, 流速 0.3 ml / 分) 溶離液=20 mM Acetate, pH 5.5 . ↓ 2):IEC :DEAE-Toyopearl 650M ・・・図2 (カラム:4.0 × 21.0 cm, 流速 1.0 ml / 分) 溶離液=20 mM Acetate, pH 5.5, 増加型 NaCl 勾配 0.0 M - 直線 - 0.15 M - 段階 - 0.5 M ↓ 3):限外濾過 - 透析 Amicon PM-10, 濾過面積1400 cm2, 膜NMWL 10,000 20 mM Acetate, pH 4.2 ; 10 X 容量 ↓ 4):IEC :CM-Toyopearl 650M ・・・図3 (カラム:1.0 × 17.0 cm, 流速 0.3 ml / 分) 溶離液=20 mM Acetate, pH 4.2, 増加型 NaCl 勾配 0.0 M - 直線 - 0.2 M ↓ 5):限外濾過 - 透析 Amicon PM-10, 濾過面積1400 cm2, 膜NMWL 10,000 20 mM Acetate, pH 4.2 ; 10 X 容量 ↓ 6):AC:CLRG(Cross linked rhamnogalacturonan) ・・・図4 (カラム:1.5 × 5.0 cm, 流速 0.2 ml / 分) 溶離液=10 mM Acetate, pH 4.5, 増加型 NaCl 勾配 0.0 M - 直線 - 0.5 M ↓ 精製ラムノガラクツロナーゼ
【0028】1)について:GFC はゲル濾過クロマトグラ
フィーを意味する。粗酵素液中にある低分子量の糖質、
塩類及び褐色の色素成分を完全に除去し、同時に段階2)
で試料がカラムに吸着するように緩衝液を交換した。 2)について:IEC はイオン交換クロマトグラフィーを意
味する。0.05-0.07 MNaCl溶出画分をラムノガラクツロ
ナーゼ画分としてプールした。 3)について:段階4)への準備のために緩衝液を交換し
た。 4)について:IEC はイオン交換クロマトグラフィーを意
味する。0.09-0.12 MNaCl画分をラムノガラクツロナー
ゼ画分としてプールした。 5)について:段階6)への準備のために緩衝液を交換し
た。 6)について:ACはアフィニティ・クロマトグラフィーで
ある、架橋ラムノガラクツロナンを意味する。本アフィ
ニティカラムは水溶性の大豆ヘミセルロースを基材とし
て、S. Inoueらの方法(S. Inoue, et al, Agric. Bio
l. Chem., 48 (1984) 764 に記載のアフィニティ担体
調製法)に則り、作成した。本カラム処理によりラムノ
ガラクツロナーゼと混在するβ- ガラクトシダーゼを完
全に分離除去した。0.22-0.30 M NaCl溶出画分をラムノ
ガラクツロナーゼ画分としてプールした。
【0029】上記の方法により精製したラムノガラクツ
ロナーゼの諸性質について、検討したところ至適 pH は
4.5 〜5.0 付近であった。pH 安定性は35℃で2時間各
種pHで処理した後、残存活性を測定したところ、pH 3.5
〜7.5 の範囲で80% 以上の活性を保持していた。また、
至適温度は50〜60℃と高く、20〜45℃の温度範囲で80%
以上の残存活性を示した。また、分子量はSDS-PAGEで分
析したところ60,000であり、等電点は4.90であった。以
上のことから、本酵素は特表平 6-506831 号公報に記載
されているラムノガラクツロナーゼと同一の酵素である
と考えられた。
【0030】本発明に使用可能なラムノガラクツロナー
ゼは酵素的に単一であることが望ましい。上記で調製し
たラムノガラクツロナーゼにペクチナーゼ及びヘミセル
ラーゼが混在しているかを分析した結果を以下に示し
た。この結果より、当該酵素中にラムノガラクツロナー
ゼ以外の酵素の活性は殆ど認められなかった。なお、当
該酵素の蛋白質当たりの酵素活性値は 25 unit/mg であ
った。また当該活性値は20 unit/mg 以上が有効である
ことも確認している。
【0031】 分析結果 酵素名 活性 (units/ml) ─────────────────────────────────── ペクチナーゼ 1) 0.0 ヘミセルラーゼ 2) α- グルコシダーゼ 0.0 β- グルコシダーゼ 0.021 α- マンノシダーゼ 0.0 α- キシロシダーゼ 0.0 β- キシロシダーゼ 0.0 α- フコシダーゼ 0.0 α- ガラクトシダーゼ 0.0 β- ガラクトシダーゼ 0.036 α- アラビノシダーゼ 0.011 α- ラムノシダーゼ 0.0 ラムノガラクツロナーゼ 3) 135.0 ───────────────────────────────────
【0032】注1):市販のペクチンを基質(反応液中0.
1 重量%)に用い、35℃で2時間分解した後、還元力の増
加を Somogyi-Nelson 法で測定した。 注2):市販の合成基質である p-nitrophenyl-glycoside
s を用い、35℃で30分間分解した後、遊離したフェノー
ルの量を405 nmの吸光値で定量した。反応時間1分間当
たりAbs at 405 nm の吸光値1.0 のフェノールを遊離す
る酵素量を1unitと定義した。 注3):J.A.De Vries, F. M. Rombouts, A. G. J. Vorag
en and W. Pilink, Carbohydr. Res., 2 (1982) 25-33.
の方法に則り、市販のペクチンよりラムノガラクツロナ
ンを調製し、これを基質として注 1) の方法に従って活
性を測定した。
【0033】○水溶性大豆ヘミセルロースの調製 分離大豆蛋白製造時に生ずるオカラを原料とし、これに
2倍量の水を加え、塩酸にてpH4.5 に調製し、120 ℃で
1.0 時間加熱し、水溶性大豆ヘミセルロースの抽出を行
った。抽出後、遠心分離し(5000G、10分)、水溶性大
豆ヘミセルロースを主に含む水溶性画分を分離した。こ
うして得られた水溶性大豆ヘミセルロースを含む水溶液
に水酸化ナトリウムを加え、pH 12 に調製した。その
後、70℃、30分間加熱した。加熱して生じた沈殿を取り
除き、塩酸で中和した(pH 7) 。こうして得られた水溶
性大豆ヘミセルロース溶液を透析により脱塩後、活性炭
カラム処理した後、乾燥して水溶性大豆ヘミセルロース
(A) を調製した。
【0034】実施例1 水溶性大豆ヘミセルロース(A) を5%になるように20mMの
酢酸緩衝液(pH5.0)に溶解し、前記で調製した精製ラム
ノガラクツロナーゼを水溶性大豆ヘミセルロースの1/10
量添加して、40℃で24時間撹拌しながら分解した。酵素
分解後、90℃5分間の加熱処理により酵素を失活させ、
遠心分離し(5000G、10分)て、酵素分解水溶性大豆ヘ
ミセルロースを含む水溶性画分を分離した。こうして得
られた酵素分解水溶性大豆ヘミセルロース水溶液を、セ
ロハンチューブに移し、透析して脱塩した後、乾燥し
て、酵素分解した水溶性大豆ヘミセルロース(B) を得
た。
【0035】以上で得た水溶性大豆ヘミセルロース(B)1
0 部を水80部に溶解し、SAIB(蔗糖酢酸イソ酪酸エステ
ル)6.5 部とオレンジオイル3.5 部の混合油を分散させ
100部となし、50% クエン酸溶液でpHを4.0 に調整後、
ホモゲナイザーで乳化(300kgf/cm2)した。この乳化物
は低粘度であるため作業性が良好で、他の乳化剤の添加
が無いにもかかわらず安定な乳化状態が保たれており、
3ヶ月間冷蔵保存しても変化なく乳化状態は極めて安定
であった。次にショ糖8.7%、クエン酸0.3%を水100ml に
溶解し、続いて先の乳化物0.1%を添加しオレンジ様清涼
飲料を得た。この飲料に2.2ml/分の流速で空気をBubbli
ngし、その前後での濁度を吸光度620nmで測定し、Bubbl
ing前の濁度に対するBubbling後の濁度の割合をBubblin
g耐性として求めたところ88.3% であった。このBubblin
g耐性は高い方が希釈溶液における乳化安定性が高い事
を示す。また、当該懸濁液は3ケ月間経過後も全く乳化
粒子の変化が認められず安定であった。
【0036】なお対照として、酵素未分解の水溶性大豆
ヘミセルロース(A) を用いて同様に実施したところ、Bu
bbling耐性が78.5% で若干劣り、乳化状態は水溶性大豆
ヘミセルロース(B) を用いて実施したものの方がより良
好であった。
【0037】比較例1 水溶性大豆ヘミセルロース(A) を5%に成るように20mMの
酢酸緩衝液(pH5.0)に溶解し、ラムノガラクツロナーゼ
を含む粗酵素液であるペクチネックス・ウルトラ・SP-L
(蛋白質当たりの酵素活性値0.1 unit/mg)を水溶性大豆
ヘミセルロースの1/10量添加して、40℃で6時間撹拌し
ながら分解した。酵素分解後、90℃5分間の加熱処理に
より酵素を失活させ、遠心分離し(5000G、10分)て、
酵素分解水溶性大豆ヘミセルロースを含む水溶性画分を
分離した。こうして得られた酵素分解水溶性大豆ヘミセ
ルロース水溶液を、セロハンチューブに移し、透析して
脱塩した後、乾燥して、酵素分解した水溶性ヘミセルロ
ース(C) を得た。
【0038】実施例1において、水溶性大豆ヘミセルロ
ース(B) を用いる代わりに、以上で得た水溶性大豆ヘミ
セルロース(C) を使用した以外は実施例1と全く同様に
して乳化香料を試作したところ、低粘度であるため作業
性は良かったが、乳化物の粒子が凝集してしまい、Bubb
ling耐性も23.7% と低く、良好な乳化香料は得られなか
った。
【0039】比較例2 水溶性大豆ヘミセルロース(A) を5%に成るように20mMの
酢酸緩衝液(pH5.0 )に溶解し、ラムノガラクツロナー
ゼを含む粗酵素液であるペクチネックス・ウルトラ・SP
-Lを水溶性大豆ヘミセルロースの1/10量添加して、40℃
で24時間撹拌しながら分解した。酵素分解後、90℃5分
間の加熱処理により酵素を失活させ、遠心分離し(5000
G、10分)て、酵素分解水溶性大豆ヘミセルロースを含
む水溶性画分を分離した。こうして得られた酵素分解し
た水溶性大豆ヘミセルロース水溶液を、セロハンチュー
ブに移し、透析して脱塩した後、乾燥して、酵素分解し
た水溶性大豆ヘミセルロース(D) を得た。
【0040】実施例1において、水溶性大豆ヘミセルロ
ース(B) を用いる代わりに、以上で得た水溶性大豆ヘミ
セルロース(D) を使用した以外は実施例1と全く同様に
して乳化香料を試作したところ、低粘度であるため作業
性は良かったが、乳化物の粒子が凝集してしまい、Bubb
ling耐性も25.4% と低く、良好な乳化香料は得られなか
った。
【0041】各水溶性大豆ヘミセルロース(A) 〜(D) の
組成割合をまとめると、以下の通りである。 各水溶性大豆ヘミセルロースの組成割合(重量% ) ─────────────────────────────────── (A) (B) (C) (D) ─────────────────────────────────── 水分 5.4 9.7 9.3 8.4 粗蛋白 9.1 8.4 7.5 4.1 粗灰分 6.3 3.7 3.5 2.6 多糖類 79.0 78.1 79.6 84.9 ─────────────────────────────────── 平均分子量 207,000 128,000 51,000 13,000 ─────────────────────────────────── 粘度1) 56.8 27.1 10.3 4.2 ───────────────────────────────────
【0042】注1)粘度: cPs、10% 水溶液 本発明の酵素分解した水溶性大豆ヘミセルロース(B) 、
(C) および(D) は、従来の酵素未分解の水溶性大豆ヘミ
セルロース(A) と比べて平均分子量が小さく、低粘度で
あるという特性を有する。また、水溶性大豆ヘミセルロ
ース(C) および(D) は、酵素液中のペクチナーゼ、ヘミ
セルラーゼおよびプロテアーゼにより、水溶性大豆ヘミ
セルロースの糖鎖と蛋白質が分解され、水溶性大豆ヘミ
セルロース(B) と比べてさらに低分子量かつ低粘度にな
る。
【0043】次に、(A) 〜(D) の水溶性大豆ヘミセルロ
ースの糖組成について、つぎの方法で分析した。ウロン
酸の測定は Blumenkrantz 法により、中性糖の測定はア
ルジトールアセテート化した後に GLC法により行った。
結果は以下の通りである。
【0044】 各水溶性大豆ヘミセルロースの糖組成(重量% ) ─────────────────────────────────── (A) (B) (C) (D) ──────────────────────────────────── ガラクツロン酸 17.6 12.5 19.6 29.8 ラムノース 2.6 10.8 16.3 22.9 フコース 1.9 1.3 2.4 0.0 アラビノース 20.5 19.7 14.8 8.5 ガラクトース 49.9 47.3 28.9 12.1 キシロース 6.4 6.8 10.4 12.4 グルコース 1.1 1.6 7.6 14.3 ───────────────────────────────────
【0045】比較例3 実施例1において、水溶性大豆ヘミセルロース(B) を用
いる代わりに、アラビアガムを使用した以外は実施例1
と全く同様にして乳化香料を試作したところ、Bubbling
耐性は45.6% と低く、1ケ月後で既に分離が認められ
た。
【0046】比較例4 実施例1において、水溶性大豆ヘミセルロース(B) を用
いる代わりに、加工澱粉(ピュリティーガム、王子ナシ
ョナル(株))を使用した以外は実施例1と全く同様に
して乳化香料を試作したところ、Bubbling耐性は35.6%
と低く、1ヶ月後で既に分離沈殿やゲル化が認められ
た。
【0047】以上の各例の乳化香料およびオレンジ様清
涼飲料を5℃で30日間貯蔵した後の乳化状態を観察し
た。結果を以下に示す。 ─────────────────────────────────── 乳化香料 オレンジ様清涼飲料 Bubbling 耐性 乳化状態1) 粒子径(0日)2) 乳化状態1) 香り1) (%)3) ──────────────────────────────────── 対 照 ○ 0.6 (0.5 ) ○ ○ 78.5 実施例1 ◎ 0.4 (0.4 ) ◎ ◎ 88.3 比較例1 × ─ (4.6 ) ─ ─ 23.7 比較例2 × ─ (12.5) ─ ─ 25.4 比較例3 △ 2.3 (0.7 ) ○ ○ 45.6 比較例4 × 2.3 (0.7 ) △ ○ 35.6 ─────────────────────────────────── 注1)◎極めて良好, ○良好, △やや悪い, ×悪い, ─測定不可 注2)レーザー回折式粒度分布測定装置(LA-500:HORIBA 株製) で測定。また括弧 内の数値(0日保存) は乳化香料調製直後の粒子径を意味する。単位:μm 注3) Bubbling 耐性は数値が大きい程、希釈溶液で保存した場合の乳化安定性が高い ことを意味する。
【0048】以上のように、水溶性大豆ヘミセルロース
をラムノガラクツロナーゼで分解する場合、蛋白質当た
りの酵素活性値が0.1 unit/mg の粗酵素を用いるとヘミ
セルロースと蛋白質の両者が分解され、乳化性を損なう
結果となった。一方、当該粗酵素液中のラムノガラクツ
ロナーゼを精製した、蛋白質当たりの酵素活性値が25un
it/mgの酵素を用いて水溶性大豆ヘミセルロースを分解
したところ、その分解物は酵素未分解水溶性大豆ヘミセ
ルロース以上の乳化性を示した。なお、該乳化性の効果
は、水溶性大豆ヘミセルロースを分解して蛋白質当たり
の酵素活性値が20 unit/mgの分解物を使用したものであ
っても良好な結果が得られた。従って、精製して蛋白質
当たりの酵素活性値が20 unit/mg以上、好ましくは 25
unit/mg以上のラムノガラクツロナーゼで水溶性大豆ヘ
ミセルロースを分解して得た分解物を用いることによ
り、低粘度で、乳化安定性の良好な乳化香料が調製で
き、飲料に使用しても安定な乳化剤が得られる。また、
酵素分解した水溶性大豆ヘミセルロース(B) は、同じく
低粘度の乳化剤であるアラビアガムおよび加工澱粉より
も乳化性、乳化安定性ともに優れていた。
【0049】実施例2 酵素分解した水溶性大豆ヘミセルロース(B)30 部を水30
部に溶解し、SAIB(蔗糖酢酸イソ酪酸エステル)28.5部
とオレンジオイル11.5部の混合油を分散させて100 部と
なし、50% クエン酸溶液でpHを4.0 に調整後、ホモゲナ
イザーで乳化(300kgf / cm2)した。この乳化物は水溶
性大豆ヘミセルロース(B) が高濃度であるにもかかわら
ず低粘度のため作業性が良好で、且つ他の乳化剤の添加
が無くとも安定な乳化状態が保たれており、3ヶ月間冷
蔵保存しても極めて安定であった。次にショ糖120 部、
クエン酸2部を水880 部に溶解し、続いて先の乳化物1
部を添加しオレンジ様清涼飲料を得た。この飲料のBubb
ling耐性は87.4% と高く、3ヶ月間経過後も全く安定で
あった。なお対照として、酵素未分解の水溶性大豆ヘミ
セルロース(A) を用いて同様に実施したところ、粘度が
高いため若干作業性が悪く、またBubbling耐性は78.7%
と若干劣り、乳化状態は水溶性大豆ヘミセルロース(B)
を用いて実施したものの方がより良好であった。
【0050】比較例5 実施例2において、水溶性大豆ヘミセルロース(B) を用
いる代わりに、アラビアガムを使用した以外は実施例2
と全く同様にして乳化香料を試作したところ、低粘度で
あるため作業性は良いが、乳化性は劣り、1ヶ月後で既
に分離が認められた。なお、Bubbling耐性は74.6% であ
った。
【0051】比較例6 実施例2において、水溶性大豆ヘミセルロース(B) を用
いる代わりに、加工澱粉(ピュリティーガム、王子ナシ
ョナル(株))を使用し、実施例2と全く同様にして乳
化香料を試作したところ、低粘度であるため作業性は良
いが、澱粉の老化により、2週間後既に分離沈殿やゲル
化が認められた。
【0052】以上の各例の乳化香料およびオレンジ様清
涼飲料を5℃で30日間貯蔵した後の乳化状態を観察し
た。結果を以下に示す。 ─────────────────────────────────── 乳化香料 オレンジ様清涼飲料 Bubbling 耐性 乳化状態1) 粒子径(0日)2) 乳化状態1) 香り1) (%)3) ─────────────────────────────────── 対 照 ○ 0.9 (0.5 ) ○ ○ 78.7 実施例2 ◎ 0.5 (0.4 ) ◎ ◎ 87.4 比較例5 ○ 0.9 (0.6 ) ○ ○ 74.6 比較例6 × 17.8 (0.9 ) × △ ── ─────────────────────────────────── 注1)◎極めて良好, ○良好, △やや悪い, ×悪い, ─測定不可 注2)レーザー回折式粒度分布測定装置(LA-500:HORIBA 株製) で測定。また括弧 内の数値(0日保存) は乳化香料調製直後の粒子径を意味する。単位:μm 注3) Bubbling 耐性は数値が大きい程、希釈溶液で保存した場合の乳化安定性が高い ことを意味する。
【0053】実施例3 水40部と醸造酢18部に砂糖3.6 部、食塩3部、L−グル
タミン酸ナトリウム0.3 部、及び酵素分解した水溶性大
豆ヘミセルロース(B)10 部を添加し完全に溶解した。そ
こへサラダ油15部を徐々に添加し、ホモミキサーで予備
乳化後、ホモゲナイザーで乳化(400kgf/cm2)し、低粘
度で食感の良い乳化ドレッシングを得た。
【0054】比較例7 実施例3において、酵素分解した水溶性大豆ヘミセルロ
ース(B) を用いる代わりに、キサンタンガム0.4%を使用
し、少なくなった分を水で補った以外は実施例3と全く
同様にして乳化ドレッシングを試作したが、非常に粘度
の高いものであった。
【0055】実施例4 酵素分解した水溶性ヘミセルロース(B) 4部を水75部に
溶解した。これに、市販のミルクフレーバー(ミルクFT
-013、高砂香料(株)製)0.1 部を添加した精製椰子油
20部を70℃で加え、ホモミキサーにて予備乳化を行っ
た。次いで高圧のホモゲナイザーにて乳化(500kgf/cm
2)して、コーヒー用ホワイトナーを得た。このホワイ
トナーは、安定な乳化状態を保っており、1ヶ月保存し
ても安定であった。また、砂糖5%を含むコーヒー(80
℃、pH5.3)に加えたところ、全くフェザリングを起こさ
ず、マイルドな風味のコーヒーが得られた。
【0056】実施例5 酵素分解した水溶性大豆ヘミセルロース(B) 5部を水60
部に溶解し、プロピレングリコール11部、トリエタノー
ルアミン0.5 部、油性香料0.5 部、防腐剤適量を加え水
相とした。一方、ステアリン酸5部、蜜蝋2部、セタノ
ール6部、スクワラン10部、ラノリン1部を混合して油
相を調製し、先の水相に加えて、ホモミキサーで予備乳
化した。次いでこの予備乳化物を、ナノマイザーで乳化
(750kgf/cm2)した。この乳化物は安定な乳化状態を保
っており、6ヶ月保存しても安定であった。また、ハン
ドクリームとして手に塗ったところ、サッパリとした感
触が良く、いつまでもシットリとした状態が保たれた。
【0057】
【発明の効果】以上のように、本発明における乳化剤は
低粘度で作業性に優れた特性を有し、本発明品を用いて
乳化香料を調製することにより、最終製品の飲料でも、
長期間にわたって乳化が安定し、またマヨネーズ・ドレ
ッシング等に用いたときは、キサンタンガムのように粘
度の高いものとならず、非常にサラッとした乳化ドレッ
シングを得ることができる。更には、pHの変化に強いク
リーム類の製造が可能になった。また、化粧品、農薬等
の乳化にも有効に利用できる、という種々の効果を有す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】GFC:TSKgel HW-50S (Super fine) (東ソー製,
ゲル濾過クロマトグラフィー用充填剤) を用いた、ラム
ノガラクツロナーゼ粗酵素液のゲル濾過クロマトグラフ
ィーのゲルクロマトグラムを示し、──は蛋白質(Abs a
t 280nm)を、■はラムノシダーゼを、━━はラムノガラ
クツロナーゼ回収画分をそれぞれ示す。
【図2】IEC:DEAE-Toyopearl 650M (東ソー製,陰イオ
ン交換クロマトグラフィー用充填剤)カラムを用いたGF
C 処理ラムノガラクツロナーゼ画分のイオン交換クロマ
トグラフィーのクロマトグラムを示し、──は蛋白質(A
bs at 280nm)を、■はラムノシダーゼを、●はラムノガ
ラクツロナーゼを、──はNaCl濃度勾配を、━━はラム
ノガラクツロナーゼ回収画分をそれぞれ示す。
【図3】CM-Toyopearl(東ソー製,陽イオン交換クロマ
トグラフィー用充填剤)カラムを用いたDEAE-Toyopearl
650M 処理ラムノガラクツロナーゼ画分のイオン交換ク
ロマトグラフィーのクロマトグラムを示し、──は蛋白
質(Abs at280nm)を、■はラムノシダーゼ、△はβ- ガ
ラクトシダーゼ、●はラムノガラクツロナーゼを、──
はNaCl濃度勾配を、━━はラムノガラクツロナーゼ回収
画分をそれぞれ示す。
【図4】AC: 大豆ペクチン由来のラムノガラクツロナン
を、架橋して調製した架橋ラムノガラクツロナン(CLR
G:Cross linked rhamnogalacturonan) を用いたアフィ
ニティークロマトグラフィーのクロマトグラムを示し、
──は蛋白質(Abs at 280nm)を、■はラムノシダーゼ、
△はβ- ガラクトシダーゼ、●はラムノガラクツロナー
ゼを、──はNaCl濃度勾配を、━━はラムノガラクツロ
ナーゼ回収画分をそれぞれ示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 太郎 茨城県筑波郡谷和原村絹の台4丁目3番地 不二製油株式会社つくば研究開発センタ ー内 (72)発明者 前田 裕一 茨城県筑波郡谷和原村絹の台4丁目3番地 不二製油株式会社つくば研究開発センタ ー内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶性ヘミセルロースを精製ラムノガラク
    ツロナーゼで加水分解することを特徴とする、乳化剤の
    製造法。
  2. 【請求項2】水溶性ヘミセルロースが大豆由来である、
    請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】請求項1記載の乳化剤を使用して成る乳化
    組成物。
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