JPH06121922A - 乳化剤及び乳化組成物 - Google Patents

乳化剤及び乳化組成物

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JPH06121922A
JPH06121922A JP4317827A JP31782792A JPH06121922A JP H06121922 A JPH06121922 A JP H06121922A JP 4317827 A JP4317827 A JP 4317827A JP 31782792 A JP31782792 A JP 31782792A JP H06121922 A JPH06121922 A JP H06121922A
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water
emulsifier
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emulsion
soluble
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JP4317827A
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Yuichi Maeda
裕一 前田
Hitoshi Furuta
均 古田
Taro Takahashi
太郎 高橋
Chiemi Takei
千恵美 武井
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Fuji Oil Co Ltd
Original Assignee
Fuji Oil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】乳化安定性に優れる乳化剤を開発し、従来から
の問題点を解決すると共に、従来にない乳化組成物を得
る。 【構成】水溶性ヘミセルロースを有効成分とする乳化剤
及びそれを使用して成る乳化組成物。 【効果】本発明における乳化剤を使用することにより、
従来以上の安定性の良い乳化組成物を得ることができ、
かつ低粘度で従来にない乳化組成物を得ることが可能と
なった。さらに、化粧品、医薬品、農薬等の乳化にも有
効に利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、乳化性及び乳化安定性
が非常に良好な乳化剤及びそれを使用して成る乳化組成
物に関し、詳細には水溶性ヘミセルロースを有効成分と
する乳化剤及びそれを使用して成る乳化組成物に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、乳化剤は、単分子系乳化剤と高
分子系乳化剤に大別することができる。単分子系乳化剤
は所謂界面活性剤であり、脂肪酸石鹸やグリセリンエス
テル、シュガーエステル等がある。高分子系乳化剤には
アラビアガムに代表されるガム質やカゼインのような天
然物、或いはアクリル酸塩やポリビニルアルコールのよ
うな合成品がある。
【0003】これらの乳化剤は用途によって適当に配合
して使用しているが、単分子系乳化剤は一般にpHの変化
に弱かったり、塩の添加や希釈による濃度の変化によっ
て乳化性が失われるという問題を残している。
【0004】天然の高分子であるアラビヤガムのような
ものでは、安定な乳化状態を得るには高濃度の使用が必
要な上、その供給量が生産国の天候に左右され易く価格
の変動が激しく、最近では安定供給可能な天然の高分子
乳化剤が望まれている。一方、ポリアクリル酸塩やポリ
ビニルアルコールの様な合成品もあるが、乳化性に問題
があったり、使用用途が限られる場合が多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、種々の
用途に用いられる乳化剤は、最終製品で使用した場合
も、長期にわたって乳化が安定しており、食品に利用し
た場合は食感を満足させる必要がある。
【0006】例えば、乳化香料用の乳化剤としてアラビ
アガムが広く用いられているが、上述したような問題を
抱えている。マヨネーズ・ドレッシング等に用いる乳化
剤にはキサンタンガム等が広く用いられるが、非常に粘
度の高いものとなり、必ずしも食感が満足できるもので
はなかった。さらに、コーヒークリームのようなクリー
ム類にはカゼインが用いられているが、pHの変化に弱か
ったり、希釈されると乳化が破壊されるなど、必ずしも
現状で満足されている訳ではない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、如上の点
に鑑み鋭意研究した結果、水溶性ヘミセルロース、特に
豆類由来の水溶性ヘミセルロースを乳化剤として用いた
とき、乳化性、保存安定性、pH耐性、塩耐性、温度耐性
の強い乳化組成物が得られるなどの知見を得た。本発明
はかかる知見に基づいて、完成されたものである。
【0008】即ち、本発明は水溶性ヘミセルロースを有
効成分とする乳化剤及び当該乳化剤を使用して成る乳化
組成物、である。
【0009】本発明における水溶性ヘミセルロースは豆
類由来、特に大豆、なかでも子葉由来のものが好まし
い。
【0010】水溶性ヘミセルロースは、その分子量がど
の様な値のものでも使用可能であるが、好ましくは平均
分子量が数千〜数百万、具体的には5千〜100 万である
のが好ましい。分子量が大き過ぎると粘度が上がり過ぎ
て乳化しにくくなる。なお、この水溶性ヘミセルロース
の平均分子量は標準プルラン(昭和電工(株)販)を標
準物質として0.1 MのNaNO3 溶液中の粘度を測定する極
限粘度法で求めた値である。また、ウロン酸の測定は B
lumenkrantz 法により、中性糖の測定はアルジトールア
セテート化した後にGLC法により行った。
【0011】水溶性ヘミセルロースは、ヘミセルロース
を含む原料から水抽出や場合によっては酸、アルカリ条
件下で加熱溶出させるか、酵素により分解溶出させるこ
とができる。水溶性ヘミセルロース製造法の一例を示す
と以下のようである。
【0012】油糧種子、例えば大豆、パーム、ヤシ、コ
ーン、綿実などの油脂や蛋白質を除いた殻、あるいは穀
類、例えば米、小麦などの澱粉等を除いた粕等の植物を
原料とすることができる。原料が大豆であれば、豆腐や
豆乳、分離大豆蛋白を製造するときに副生するオカラを
利用することができる。
【0013】これらの原料を酸性乃至アルカリ性の条件
下、好ましくは各々の蛋白質の等電点付近のpHで、好ま
しくは130 ℃以下80℃以上、より好ましくは130 ℃以下
100℃以上にて加熱分解し、水溶性画分を分画した後、
そのまま乾燥するか、例えば活性炭処理或いは樹脂吸着
処理或いはエタノール沈澱処理して疎水性物質あるいは
低分子物質を除去し乾燥することによって、水溶性ヘミ
セルロースを得ることができる。
【0014】また、粘度が高過ぎると、良好な乳化が得
られない場合がある。そこで、水溶性ヘミセルロースの
分子量が大きく粘度が高過ぎる時には、脱色・脱臭や乾
燥する以前に、更に低分子化する処理が有効な場合が多
い。低分子化処理は、加熱分解する時に加熱条件を強く
する事によっても可能であるが、ヘミセルロースの分解
抽出溶液をアルカリ・酸・熱・酵素等の処理によって行
う事も出来る。
【0015】水溶性ヘミセルロース溶液の粘度は、例え
ば、10%水溶液の場合、150 センチポイズ以下が良く、
より好ましくは、60センチポイズ以下、更に好ましく
は、30センチポイズ以下が良い。
【0016】現在、乳化香料にはアラビヤガムが使用さ
れるが、供給に不安がある。そこで、化工澱粉のような
ものも開発されているが、経時的な状態変化が大きく、
安定性の面で必ずしも満足されるものではない。
【0017】本発明における水溶性ヘミセルロースを、
乳化香料の乳化剤として使用した場合、アラビヤガムや
化工澱粉を使用したときよりも、更に耐熱性・耐酸性・
耐塩性・耐アルコール性等の安定性及び懸濁安定性に優
れた乳化状態が得られる。
【0018】また、本発明における水溶性ヘミセルロー
スを、マヨネーズ・ドレッシングに用いた場合、キサン
タンガムや澱粉を使用したときよりも、かなり粘度の低
いサッパリしたマヨネーズ・ドレッシングを得ることが
できる。
【0019】さらに、本発明における水溶性ヘミセルロ
ースをコーヒーホワイトナーのようなクリーム類に使用
することにより、pHの変化や希釈に対しても乳化破壊を
起こし難いクリーム類を得ることができる。
【0020】一方、食品以外の用途にも広く用いること
ができる。ハンドクリームや塗り薬の様な化粧品や医薬
品用クリームにも利用出来る。また、水中油型エマルジ
ョンタイプの殺虫剤や除草剤等の農薬にも利用する事が
できる。水溶性ヘミセルロースを乳化剤として使用した
場合、長期間安定な乳化状態が得られると共に、散布し
た後も安定で、効力の持続性に優れる。
【0021】本発明において、水溶性ヘミセルロース
は、単独で乳化剤として使用することができるが、既存
の乳化剤と併用することにより、既存の乳化剤の欠点を
補うことができる。
【0022】既存の単分子乳化剤としては、脂肪酸石鹸
に代表される各種アニオン界面活性剤や4級アンモニウ
ム塩等のカチオン界面活性剤、グリセリン脂肪酸エステ
ル、シュガーエステル等の非イオン界面活性剤、レシチ
ンの様な両性界面活性剤等が挙げられる。
【0023】一方、既存の高分子乳化剤としては、天然
系乳化剤、例えば、布海苔、寒天、カラギーナン、ファ
ーセレラン、タマリンド種子多糖類、タラガム、カラヤ
ガム、ペクチン、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウ
ム、トラガカントガム、グワーガム、ローカストビーン
ガム、プルラン、ジェランガム、アラビアガム、ゼラチ
ン、ホエー等のアルブミン、カゼインナトリウム、各種
澱粉等が挙げられる。また、半合成糊剤としては、カル
ボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース
(MC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ア
ルギン酸プロピレングリコールエステルおよび可溶性澱
粉に代表される化工澱粉等が例示でき、合成糊剤として
はポリビニルアルコールやポリアクリル酸ナトリウム等
が例示できる。
【0024】本発明における乳化剤は、上記する各種乳
化剤の一種または二種以上と併用することにより一層効
果が向上する場合があり、各種乳化剤の欠点を補うこと
ができる。
【0025】また、水相に蔗糖や水飴の代表される糖類
や、グリセリン、D−ソルビトール、プロピレングリコ
ールなどの多価アルコール類や、例えば、乳酸、食酢、
クエン酸、りんご酸等の酸味料等を添加すれば、安定性
が向上する場合がある。更に、L−アスコルビン酸、そ
の誘導体、アミノカルボニル反応生成物などの退色防止
剤や防腐剤等の添加物を入れることができる。
【0026】また、本発明の乳化組成物に使用される油
相は、水に難溶性の油性物質であれば何でもよく、一般
の油脂類や油溶性香料、或いは油溶性色素、ワックス、
殺虫剤、除草剤、油溶性医薬、油溶性試薬等が挙げられ
る。従って、本発明は乳化香料やマヨネーズ・ドレッシ
ングあるいはクリーム類等の食品や、ハンドクリーム等
の化粧品、塗り薬等の医薬品、殺虫剤等の農薬等に代表
される生活産業全般に広く利用できる。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明の実施態様を説明
するが、これは例示であって本願発明の精神がこれらの
例示によって制限されるものではない。なお、例中、部
および%は何れも重量基準を意味する。
【0028】○ 大豆ヘミセルロースの調製 分離大豆蛋白製造工程において得られた生オカラに2倍
量の水を加え、塩酸にてpHを4.5 に調製し、120 ℃で1.
5 時間加水分解した。冷却後遠心分離し(10000 G ×30
分)、上澄と沈澱部に分離した。こうして分離した沈澱
部を更に等重量の水で水洗し、遠心分離し、上澄を先の
上澄と一緒にして活性炭カラム処理した後、乾燥して水
溶性ヘミセルロース(イ)を得た。
【0029】更に、この水溶性ヘミセルロースを0.5 %
食塩水に溶解し、エタノール濃度が50%となるように再
沈澱を3回繰り返し、イオン交換樹脂(オルガノ(株)
製「アンバーライトIR−120 B」)を用いて脱塩して
水溶性ヘミセルロース(ロ)を得た。
【0030】一方、前記方法において活性炭カラム処理
をしないで同様に水溶性ヘミセルロース(ハ)を得た。
【0031】以上の結果をまとめると以下のとおり。 組成割合(%) ─────────────────────────────────── 成 分 (イ) (ロ) (ハ) ───────────────────────────────── 水 分 5.71 7.75 5.10 粗蛋白 1.93 1.03 5.43 粗灰分 5.29 0.22 5.30 多糖類 87.07 91.00 84.17 ──────────────────────────────── 平均分子量 178,000 207,000 114,000 ───────────────────────────────────
【0032】1次に、(イ)、(ロ)及び(ハ)の水溶
性ヘミセルロースの糖組成を次の方法で分析した。ウロ
ン酸の測定は Blumenkrantz 法により、また中性糖はア
ルジトールアセテート法によりGLCを用いて測定し
た。
【0033】結果は以下のとおり。 糖組成(重量%) ─────────────────────────────────── 糖の種類 (イ) (ロ) (ハ) ───────────────────────────────── ウロン酸 20.4 16.9 19.4 ラムノース 1.6 2.7 2.1 フコース 2.7 5.2 3.9 アラビノース 19.9 19.2 23.1 キシロース 6.4 8.4 5.8 ガラクトース 47.3 46.8 43.4 グルコース 1.8 0.9 2.3 ───────────────────────────────────
【0034】実施例1 水溶性大豆ヘミセルロース(イ)10部を水80部に溶解
し、SAIB(ショ糖酢酸イソ酪酸エステル)6.5 部と
オレンジオイル3.5 部の混合油を分散させ100 部とな
し、50%クエン酸溶液でpHを4.0 に調製後、ホモゲナイ
ザーで乳化(300kgf/cm2 )した。この乳化物は他の乳化
剤の添加が無いのにもかかわらず安定な乳化状態が保た
れており、3ケ月間冷蔵保存しても安定であった。次
に、グラニュー糖120 部、クエン酸2部を水880 部に溶
解し、続いて先程の乳化物1部を添加しオレンジ様清涼
飲料を得た。この飲料は3ケ月経過後も全く安定であっ
た。
【0035】実施例2 実施例1において、水溶性大豆ヘミセルロース(イ)を
用いる代わりに、水溶性大豆ヘミセルロース(ロ)を使
用した以外は実施例1と全く同様にして乳化香料を試作
したところ、乳化安定性良好であった。また、この香料
で作ったオレンジ様清涼飲料の安定性も良好であった。
【0036】実施例3 実施例1において、水溶性大豆ヘミセルロース(イ)を
用いる代わりに、水溶性大豆ヘミセルロース(ハ)を使
用した以外は実施例1と全く同様にして乳化香料を試作
したところ、乳化安定性良好であった。また、この香料
で作ったオレンジ様清涼飲料の安定性も良好であった。
【0037】比較例1 実施例1において、水溶性大豆ヘミセルロース(イ)を
用いる代わりに、アラビアガムを使用した以外は実施例
1と全く同様にして乳化香料を試作したところ、1ケ月
で既に分離が認められた。
【0038】比較例2 実施例1において、水溶性大豆ヘミセルロース(イ)を
用いる代わりに、化工澱粉 (ピュリティーガム,王子ナ
ショナル(株)) を使用した以外は実施例1と全く同様
にして乳化香料を作製したところ、1ケ月で既に分離沈
澱やゲル化が認められた。
【0039】以上の実施例および比較例の乳化香料及び
オレンジ様清涼飲料を5℃で90日間貯蔵した後の乳化状
態を観察した。結果を比較して示した。 ◎極めて良好 ○良好 △やや悪い ×悪い 注)平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(L
A−500 :HORIBA製)で測定した。
【0040】以上の様に、水溶性大豆ヘミセルロースを
用いた場合、乳化安定性良好な乳化香料が調製でき、飲
料に使用しても安定であった。
【0041】実施例4 水40部と醸造酢18部に砂糖3.6 部、食塩3部、L−グル
タミン酸ナトリウム0.3 部、及び水溶性大豆ヘミセルロ
ース(イ)10部を添加し完全に溶解した。そこにサラダ
油15部を徐々に添加し、ホモミキサーで予備乳化後、ホ
モゲナイザーで乳化(400kgf/cm2 )し、低粘度の乳化ド
レッシング様物質を得た。
【0042】比較例3 実施例4において、水溶性大豆ヘミセルロース(イ)を
用いる代わりに、キサンタンガム0.4 %を使用し、少な
くなった分を水で補った以外は実施例4と全く同様にし
て乳化ドレッシングを試作したが、非常に粘度の高いも
のであった。
【0043】実施例5 水溶性大豆ヘミセルロース(ロ)10部を水45部に溶解し
クエン酸にてpHを4.0に調整し水相とした。一方、精製
椰子油7部、SAIB(ショ糖酢酸イソ酪酸エステル)
6.4 部、ダンマル樹脂1.0 部、β−カロチン0.4 部、ソ
ルビタンモノステアレート0.2 部を混合して油相を調製
し、先の水相に油相を加え、ホモミキサーにて予備乳化
をおこなった。次いで、この予備乳化物にグリセリン30
部を加え均一に混合した後、高圧ホモゲナイザーで乳化
(300kgf/cm2 )した。この乳化物は安定な乳化状態を保
っており、3ケ月冷蔵保存しても安定であった。
【0044】次に、グラニュー糖120 部、クエン酸2部
を水880 部に溶解し、続いて先程の乳化物1部を添加し
て、懸濁した清涼飲料を得た。この飲料は3ケ月経過後
も全く安定であった。
【0045】実施例6 水溶性大豆ヘミセルロース(ハ)5部を水75部に溶解し
た。これに、市販のミルクフレーバー(ミルクFT−01
3 、高砂香料(株)製)0.1 部を添加した精製椰子油20
部を70℃で加え、ホモミキサーにて予備乳化をおこなっ
た。次いで、高圧ホモゲナイザーにて乳化(500kgf/c
m2 )して、コーヒー用ホワイトナーを得た。このホワ
イトナーは、安定な乳化状態を保っており、1ケ月保存
しても安定であった。また、砂糖5%を含むコーヒー
(80℃、pH値5.3)に加えたところ、全くフェザリングを
起こさず、マイルドな風味のコーヒーが得られた。
【0046】実施例7 水溶性大豆ヘミセルロース(イ)4部と市販カゼインナ
トリウム2部を水75部に溶解した。これに、市販のミル
クフレーバー(ミルクFT−013 、高砂香料(株)製)
0.1 部を添加した精製椰子油20部を70℃で加え、ホモミ
キサーにて予備乳化をおこなった。次いで、高圧ホモゲ
ナイザーにて乳化(500kgf/cm2 )して、コーヒー用ホワ
イトナーを得た。このホワイトナーは、平均粒径0.5 μ
m であり、安定な乳化状態を保っており、1ケ月保存し
ても安定であった。また、砂糖8%を含むコーヒー(炭
酸水素ナトリウムでpHを6.8 に調製) に加え、121 ℃、
15分殺菌した後、60℃で3ケ月保存したが、懸濁状態は
良好であった。
【0047】実施例8 グラニュー糖15部を水15部に溶解した糖液と、ポリグリ
セリン縮合リシノレイン酸エステル1部をオレンジオイ
ル20部に溶解した油相とを、ホモゲナイザーを用いて乳
化し、W/O型乳化物を得た。水溶性大豆ヘミセルロー
ス(ロ)50部を水450 部に溶解しクエン酸でpH4.0 に調
整した液と、先に得たW/O型乳化物全量とをホモミキ
サーで予備乳化した後、ホモゲナイザーを用いて乳化混
合し、W/O/W型乳化物を得た。この乳化物の内相で
ある、W/O型乳化物の比重は1.036 であった。
【0048】次に、グラニュー糖120 部、クエン酸2部
を水880 部に溶解し、続いて先程の乳化物1部を添加し
懸濁した清涼飲料を得た。この飲料は3ケ月経過後も全
く安定であった。
【0049】実施例9 水溶性大豆ヘミセルロース(ハ)6部を水60部に溶解
し、プロピレングリコール10部、トリエタノールアミン
0.5 部、油性香料0.5 部、防腐剤適量を加え水相とし
た。一方、ステアリン酸5部、蜜蝋2部、セタノール5
部、スクワラン10部、ラノリン1部を混合して油相を調
製し、先の水相に油相を加え、ホモミキサーにて予備乳
化をおこなった。次いで、この予備乳化物を、ナノマイ
ザーで乳化 (750kgf/cm2)した。この乳化物は安定な乳
化状態を保っており、6ケ月保存しても安定であった。
また、ハンドクリームとして手に塗ったところ、サッパ
リとした感触が良く、いつまでもシットリとした状態が
保たれた。
【0050】実施例10 水溶性大豆ヘミセルロース(ハ)10部を水70部に溶解し
水相とし、殺虫成分であるO,O−ジメチル−O−(3
−メチル−4−ニトロフェニル)フォスホロチオエート
20部を加え、ホモミキサーにて予備乳化をおこなった。
次いで、この予備乳化物を、ホモゲナイザーで乳化(300
kgf/cm2 )した。この乳化物は、平均粒径0.6 μm であ
り、安定な乳化状態を保っており、40℃で6ケ月保存し
ても安定であった。また、有効成分の分解は殆ど起こっ
ておらず、有効成分濃度250ppmまで希釈しナスの完全展
開葉に塗布し、テントウムシで試験したところ、効力の
持続性が良く満足な結果が得られた。
【0051】実施例11 除草成分であるO−エチル−O−(3−メチル−6−ニ
トロフェニル)−N−Sec−ブチルホスホチオアミデ
ート10部を水溶性大豆ヘミセルロース(イ)10重量%水
溶液40部に加え、ホモミキサーにて10000 rpm で乳化を
おこなった。更に、レオジック250H(日本純薬株式会社
製)の0.8 %水溶液50g を加えて緩やかに攪拌した。こ
の乳化物は、平均粒径2.8 μm であり、安定な乳化状態
を保っており、6ケ月保存しても安定であった。また、
有効成分の分解は殆ど起こっておらず、希釈し土壌処理
後に除草効果を調べた所、満足の行く結果が得られた。
【0052】
【発明の効果】このように、本発明における乳化剤を用
いて乳化香料を試作すると、最終製品の飲料でも、長期
にわたって乳化が安定しており、また、マヨネーズ・ド
レッシング等に用いる場合は、キサンタンガムのように
粘度の高いものとならず、非常にサラッとした乳化ドレ
ッシングを得ることができる。更に、pHの変化に強いク
リーム類の作成が可能となった。一方、化粧品、医薬
品、農薬等の乳化に有効に利用できる事が判った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武井 千恵美 茨城県北相馬郡守谷町松前台1−12−4 E−201

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性ヘミセルロースを有効成分とする
    乳化剤。
  2. 【請求項2】 水溶性ヘミセルロースが大豆由来であ
    る、請求項1に記載の乳化剤。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の乳化剤を使用し
    て成る乳化組成物。
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