JPH07107927A - 乳化組成物 - Google Patents

乳化組成物

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JPH07107927A
JPH07107927A JP5278911A JP27891193A JPH07107927A JP H07107927 A JPH07107927 A JP H07107927A JP 5278911 A JP5278911 A JP 5278911A JP 27891193 A JP27891193 A JP 27891193A JP H07107927 A JPH07107927 A JP H07107927A
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JP
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water
oil
flavor
soluble
product
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Mitsuru Waku
充 和久
Yoshiaki Chino
善明 知野
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T Hasegawa Co Ltd
Original Assignee
T Hasegawa Co Ltd
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  • General Preparation And Processing Of Foods (AREA)
  • Non-Alcoholic Beverages (AREA)
  • Colloid Chemistry (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 可食性油性材料に水溶性大豆多糖類と水及び
/又は多価アルコール類を添加して乳化した、異味異臭
の問題のまったくない、香気、フレーバー、色調、混濁
などの嗜好性の高い香味及び外観を与える長期間安定な
乳化組成物。 【効果】 飲食品に広く利用されているアラビアガムよ
り強い乳化力を有する水溶性大豆多糖類を用いて異味異
臭の無い安定な乳化組成物が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、香気、フレーバー、色
調、混濁などの嗜好性の高い香味及び外観を飲料、その
他の食品に長期間安定に付与することのできる乳化組成
物に関し、さらに詳しくは、(1) 油性着香料、油溶
性色素類、動植物油脂類、中鎖飽和脂肪酸トリグリセラ
イド類、油溶性ビタミン類及び天然樹脂よりなる群から
選ばれる少なくとも1種の可食性油性材料、(2) 水
溶性大豆多糖類、及び(3) 水及び/又は多価アルコ
ール類からなることを特徴とする乳化組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】飲料、その他の食品に好ましい香気、フ
レーバー、混濁、色調を付与する目的で、油性着香料、
油溶性色素類、動植物油脂類などの油性材料を植物性天
然ガム質であるアラビアガムと共に用いて乳化物を調製
し、それを飲料、その他の食品に添加することは公知で
ある。アラビアガムはマメ科アカシア属Acacia Senegal
の幹から分泌される粘液の乾燥物であり、現在その生産
量の約80〜90%はスーダン産である。その生産量は
年間2〜3万トンといわれ、日本にはそのうち2〜3千
トンが輸入され使用されているが、主として生産地の政
情不安による原料不足が毎年問題となっている。
【0003】そのため、ショ糖脂肪酸エステル、グリセ
リン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステルな
どの合成界面活性剤を用いる乳化も行われているが、安
全性をはじめとする消費者の強い天然志向とアラビアガ
ムを使用して得られる乳化物のマイルドで自然なフレー
バーに対する根強い嗜好とに支えられ、原料不足で高価
という問題を抱えながらも、依然としてこれと代替しう
るあるいはこれを上回る乳化剤は開発されていないのが
現状である。
【0004】このような背景の下に、高価なアラビアガ
ムに代わる天然由来の乳化剤を用いた乳化組成物に関す
るいくつかの提案がなされている。例えば、澱粉と置換
ジカルボン酸とのエステルを加水分解した澱粉誘導体を
用いて食用脂肪を乳化し粉末乾燥したコーヒークリーム
の製造法(特開昭58−212743号公報)、水に不
溶性乃至難溶性の香料を水溶性蛋白質、蛋白質分解物ま
たは/および界面活性剤の存在下にポリヒドロキシ化合
物とともに乳化した組成物(特開昭58−63365号
公報)、ヒドロキシレシチンと2個以上の水酸基を有す
る多価アルコールと油相成分とを含むことを特徴とする
乳化組成物(特開昭62−95131号公報)、リゾレ
シチンと2個以上の水酸基を有する多価アルコールと油
相成分とを含むことを特徴とする乳化組成物(特開昭6
2−95132号公報)、サポニンまたはその塩と2個
以上の水酸基を有する多価アルコールと油相成分とを含
むことを特徴とする水中油型乳化組成物の製造法(特公
平3−64185号公報)、キトサン及びその塩及びキ
トサングリコール誘導体及びその塩からなる群より選ば
れる1種または2種以上と2個以上の水酸基を有する多
価アルコールと油相成分とを含むことを特徴とする水中
油型乳化組成物(特公平4−5489号公報)、グリシ
ルリチンまたはその塩と2個以上の水酸基を有する多価
アルコールと油相成分とを含むことを特徴とする水中油
型乳化組成物の製造法(特公平4−35211号公報)
などが提案されている。
【0005】しかしながら、例えば澱粉カルボン酸エス
テル分解物を乳化剤として用いる場合には、乳化力は強
いものの乳化組成物及び飲料に分散したときの粒子の安
定性においてアラビアガムに劣るという欠点があり、ま
た、例えば水溶性蛋白質を用いた場合には、酸性飲料に
おいて沈殿を生ずるという欠点がある。さらに、例えば
キトサン、キトサングリコールを用いる場合には、粘度
が非常に高いという欠点があり、また、例えばヒドロキ
シレシチン、リゾレシチン、サポニン、グリシルリチン
を用いた乳化物は乳化剤自身に異味異臭があるという欠
点がある。その上、アラビアガムを用いた乳化物を飲食
品に添加した場合はマイルドで自然なフレーバーが付与
されるのに対し、上記した如き乳化剤にはこれに及ぶも
のはないなど解決すべき多くの問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、アラ
ビアガムを用いた場合に匹敵するかそれ以上の香気、フ
レーバー、色調、混濁などの嗜好性の高い香味及び外観
を飲料、その他の食品に長期間安定に付与することので
きる乳化組成物を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは上
記のごとき多くの欠点を解決するために鋭意研究を行っ
た。その結果、従来、乳化剤として利用されたことのな
い大豆から豆腐を製造した際に副生するオカラや脱脂大
豆を原料とし、それらを加水分解して得られる水溶性大
豆多糖類が意外にもアラビアガムより数段強い乳化力を
有するという事実を見いだし、さらに研究を続けた結
果、該水溶性大豆多糖類と水及び/又は多価アルコール
類を併用して油性着香料、油溶性色素類、動植物油脂類
などの可食性油性材料の乳化を行ったところ、異味異臭
の問題のまったくない、香気、フレーバー、色調、混濁
などの嗜好性の高い香味及び外観を飲料、その他食品に
付与することのできる長期間安定な乳化組成物が得られ
るという事実を見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】かくして、本発明によれば、(1)油性着
香料、油溶性色素類、動植物油脂類、中鎖飽和脂肪酸ト
リグリセライド類、油溶性ビタミン類及び天然樹脂より
なる群から選ばれる少なくとも1種の可食性油性材料
に、(2)水溶性大豆多糖類と(3)水及び/又は多価
アルコール類を添加して乳化した、異味異臭の問題のま
ったくない、香気、フレーバー、色調、混濁などの嗜好
性の高い香味及び外観を飲料、その他の食品に長期間安
定に付与することのできる乳化組成物が提供される。以
下、本発明について更に詳細に述べる。
【0009】本発明において使用する可食性油性材料
(1)のうち、油性着香料としては、例えば、オレン
ジ、レモン、ライム、グレープフルーツなどの柑橘類精
油;花精油、ペパーミント油、スペアミント油、スパイ
ス油などの植物精油;コーラナッツエキストラクト、コ
ーヒーエキストラクト、ワニラエキストラクト、ココア
エキストラクト、紅茶エキストラクト、スパイス類エキ
ストラクトなどの油性のエキストラクト及びこれらのオ
レオレジン類;合成香料化合物、油性調合香料組成物及
びこれらの任意の混合物等が挙げられ、油溶性色素類と
しては、例えば、β−カロチン、パプリカ色素、アナト
ー色素、クロロフィルなどの油溶性天然色素類が挙げら
れ、油溶性ビタミン類としては、例えば、肝油、ビタミ
ンA、ビタミンA油、ビタミンD3、ビタミンB2酪酸エ
ステル、天然ビタミンE混合物などが挙げられ、また、
動植物油脂類には、例えば、大豆油、ナタネ油、コーン
油、オリーブ油、ヤシ油、サフラワー油、ヒマワリ油、
米油、牛脂、豚脂、魚油などが包含され、天然樹脂とし
ては、例えば、ロジン、コーバル、ダンマル、エレミ、
エステルガムなどの植物性樹脂類が挙げられ、そして、
中鎖飽和脂肪酸トリグリセライドとしては炭素数6〜1
2のもので加工食用油として用いられるものが好まし
い。これら可食性油性材料はそれぞれ単独で使用するこ
とができ、あるいは2種以上の混合物の形で用いること
ができる。
【0010】また、本発明で利用することのできる水溶
性大豆多糖類(2)としては、例えば、大豆から豆腐を
製造した際や脱脂大豆から大豆蛋白を抽出した際に副生
するオカラをホモゲナイザー等で均質化し、プロテアー
ゼによる蛋白質の分解、酸による繊維分解、例えば、p
H約3〜約7、好ましくはpH約4〜約5の範囲内及び
約100〜約150℃、好ましくは約110〜約120
℃の範囲内において加水分解を行った後、水溶性部分を
遠心分離、濾過工程を経て噴霧乾燥などの乾燥手段によ
り粉末化したもの、及びこれをゲル濾過などの分離手段
により低分子画分を除去したもの等を例示することがで
きる。また、水溶性大豆多糖類は市販品を利用してもよ
い。
【0011】上記した如き方法により得られる水溶性大
豆多糖類は構成糖としてラムノース、フコース、アラビ
ノース、キシロース、ガラクトース、グルコース及びウ
ロン酸を含み、その他マンノース、フラクトースを含む
こともできる。その構成糖の含量は特に制限されるもの
でないが、水溶性大豆多糖類は通常、ラムノース1〜4
重量%、フコース2〜8重量%、アラビノース15〜5
0重量%、キシロース4〜10重量%、ガラクトース2
5〜50重量%、グルコース4重量%以下、ウロン酸1
5〜25重量%を含有するのが適当である。また、該水
溶性大豆多糖類は、標準プルランを用いた極限粘度法に
より測定した場合、一般に約5万ないし約100万の範
囲内の平均分子量を有することができる。
【0012】水溶性大豆多糖類の使用量は厳密に制限さ
れるものではなく、油性材料(1)の種類や本発明の乳
化組成物の使用目的等に応じて変えうるが、一般には、
油性材料1重量部に対し約0.1重量部〜約5重量部、
好ましくは約0.2重量部〜約2重量部の範囲内を例示
することができる。
【0013】次に本発明で利用することのできる水及び
/又は多価アルコール類(3)において、水は特に限定
されるものではなく、食品製造で使用される程度の処理
をしたものならよい。また、多価アルコール類として
は、例えば、グリセリン、プロピレングリコール、ソル
ビトール、マルチトール、澱粉分解還元物、グルコー
ス、ショ糖、マルトースなどの糖類及びこれらの2種以
上の混合物を例示することができる。水の使用量は、通
常、油性材料1重量部に対し0重量部〜約80重量部、
好ましくは約2重量部〜約50重量部の範囲内を例示す
ることができ、そして、多価アルコール類の使用量は、
一般に油性材料1重量部に対し0重量部〜約20重量
部、好ましくは約2重量部〜約10重量部の範囲内とす
ることができる。ただし、水と多価アルコールの合計の
使用量は油性材料1重量部に対して少なくとも0.5重
量部であるものとする。
【0014】本発明の乳化組成物の調製法の好ましい一
実施態様を例示すれば、まず前記した如き油性材料1重
量部に対し、例えば、水溶性大豆多糖類約0.5重量部
を水約2.5重量部に混合溶解した溶液及び多価アルコ
ール約2.5重量部を混合し、ホモミキサー、コロイド
ミル、高圧ホモジナイザー等を用いて乳化処理すること
により、粒子径約0.2〜約1ミクロンの極めて微細で
安定性の優れた乳化液を得ることができる。
【0015】所望により乳化前の混合物にポリグリセリ
ン脂肪酸エステル、シヨ糖脂肪酸エステル、ソルビタン
脂肪酸エステルなどの親水性界面活性剤;アラビアガ
ム、トラガントガム、キサンタンガム、CMCなどの天
然及び合成糊料;ゼラチン、カゼインなどの蛋白質;更
には、保存性を向上させる目的で乳酸、クエン酸、リン
ゴ酸、酒石酸などの有機酸を配合することもできる。ま
た一方、前記油性材料には所望により予め、グリセリン
脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルの如き親油
性の乳化剤を添加混合することもできる。
【0016】さらに、本発明の乳化組成物を飲料、例え
ば果汁飲料、醗酵乳飲料、発泡性清涼飲料などに使用す
る場合には、飲料中で安定な乳化粒子を得るために油性
材料にあらかじめ比重調整剤であるシュークロース・ジ
アセテート・ヘキサイソブチレート(SAIB)を添加
して乳化後の組成物を添加しようとする飲料の比重に合
致するようにすることもできる。
【0017】次に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。
【0018】
【実施例】
実施例1 レモン油10g、SAIB91g、中鎖飽和脂肪酸トリ
グリセライド48g及び天然ビタミンE1gを混合溶解
して均一な油性材料混合物(d20 201.048)を得
た。この混合物をグリセリン350g、水溶性大豆多糖
類75g及び水425gを混合溶解した溶液に加えて予
備撹拌して分散させた後、T.K.ホモミキサー(特殊機
化工業製)を用い5000rpmにて10分間乳化し、粒子径
約0.2〜約0.5ミクロンの均一な乳化組成物を得た
(本発明品No.1)。 比較例1 実施例1において水溶性大豆多糖類75gにかえてアラ
ビアガム185g、さらに水425gにかえて水315
gを使用するほかは実施例1と同じ条件によって乳化物
を得た(比較品No.1)。
【0019】比較例2 実施例1において水溶性大豆多糖類75gにかえて精製
大豆レシチン20g、さらに水425gにかえて水48
0gを使用するほかは実施例1と同じ条件によって乳化
物を得た(比較品No.2)。
【0020】実施例2 β−カロチン5g、SAIB54g、中鎖飽和脂肪酸ト
リグリセライド40g及び天然ビタミンE1gを混合溶
解して均一な油性材料混合物(d20 201.048)を得
た。この混合物をグリセリン500g、水溶性大豆多糖
類50g及び水350gを混合溶解した溶液に加えて予
備撹拌して分散させた後、T.K.ホモミキサーにて5000
rpmにて5分間予備乳化する。これを二段式の圧力式ホ
モジナイザーで一段目200kg/cm2、二段目50kg/c
m2の条件で乳化し、更にもう一回くりかえし乳化して、
粒子径約0.1〜約0.3ミクロンの均一な乳化組成物
を得た(本発明品No.2)。 比較例3 実施例2において水溶性大豆多糖類50gにかえてアラ
ビアガム120g、さらに水350gにかえて水280
gを使用するほかは実施例2と同じ条件によって乳化物
を得た(比較品No.3)。
【0021】比較例4 実施例2において水溶性大豆多糖類50gにかえて精製
大豆レシチン20g、さらに水350gにかえて水38
0gを使用するほかは実施例2と同じ条件によって乳化
物を得た(比較品No.4)。
【0022】実施例3 オレンジ油20g、SAIB98g、精製ヤシ油31g
及び天然ビタミンE1gを混合溶解して均一な油性材料
混合物(d20 201.048)を得た。この混合物をグリ
セリン400g、水溶性大豆多糖類50g及び水400
gを混合溶解した溶液に加えて予備撹拌して分散させた
後、T.K.ホモミキサー(特殊機化工業製)にて5000rp
mにて10分間乳化し、粒子径約0.2〜約0.5ミク
ロンの均一な乳化組成物を得た(本発明品No.3)。 比較例5 実施例3において水溶性大豆多糖類50gにかえてアラ
ビアガム120g、さらに水400gにかえて水330
gを使用するほかは実施例3と同じ条件によって乳化物
を得た(比較品No.5)。
【0023】比較例6 実施例3において水溶性大豆多糖類50gにかえて精製
大豆レシチン20g、さらに水400gにかえて水43
0gを使用するほかは実施例3と同じ条件によって乳化
物を得た(比較品No.6)。
【0024】参考例1 グラニュー糖240g、クエン酸8g及びビタミンC
0.5gを適量の水に溶解し、クエン酸ナトリウムを用
いてpH3.0に調整した後全体を2リットルとして酸性
飲料用シロップを調製した。このシロップ各200mlに実
施例1、比較例1、比較例2で得られた乳化物をそれぞ
れ0.2mlを添加し、ビンに充填後打栓し、85℃にて
15分間殺菌後冷却し、飲料を得た。これを室温で3ケ
月間静置保存し、外観の経時変化を比較した。その結果
を表1に示す。
【0025】
【表1】 表1:外観の経時変化(肉眼による観察) 保存日数 7日 14日 30日 90日 本発明品No.1 − − − − 比較品No.1 − − − ± 比較品No.2 ++ ++ +++ +++ 但し、表中の各記号は下記の意味を有する。
【0026】− ネックリングの発生は認められな
い。
【0027】± ネックリングを僅かに認める。
【0028】+ 明瞭なネックリングを認める。
【0029】++ 著しいネックリングを認める。
【0030】+++ ネックリングが層状となるほど激
しくなる。
【0031】表1の結果から明らかなとおり、本発明品
No.1は、90日後においても全く安定で沈殿、凝集、ネ
ックリング(油分が分離して液面にリング状に浮遊する
現象)などの相分離がなく良好な乳化状態を保持したの
に対し、比較品No.1は90日後にネックリングを僅かに
認めた。また比較品No.2は7日後著しいネックリングを
発生し乳化状態は不安定であった。
【0032】参考例2 実施例2、比較例3、比較例4で得られた乳化組成物2
0gを50mlガラス容器に入れ密栓後、35℃恒温器
内に振幅70mm、振盪回数120/分で7時間振盪し
た。顕微鏡による粒子の大きさの観察結果を表2に、粒
度分布計(大塚電子製LPA3000S/3100)で測定した平均
粒径を表3に示す。
【0033】
【表2】 表2:乳化組成物の安定性(顕微鏡観察) 調製直後の粒子径 振盪後の粒子径 本発明品No.2 0.3〜0.5μ 0.3〜0.5μ 比較品No.3 0.5〜0.8μ 0.5〜1.5μ 比較品No.4 0.3〜3.0μ 0.3〜5.0μ 表2に示すとおり、本発明品No.2は、調製直後の粒子径
は0.3〜0.5μの範囲であり粒子の大きさは均一であっ
た。また振盪後も粒子径の変化はなく安定であった。一
方、比較品No.3は、調製直後の粒子径は本発明品No.2の
調製直後の粒子径と同等であったが、振盪後は0.5〜1.5
μとやや粒子は大きくなる傾向が見られた。さらに比較
品No.4は、調製直後の粒子径が0.3〜3.0μの範囲であ
り、粒子の大きさにバラツキが見られた。また振盪後の
粒子径も0.3〜5.0μと粒子の凝集によりバラツキがさら
に大きくなる傾向が見られるなど乳化状態は不安定であ
った。
【0034】
【表3】 表3:乳化組成物の安定性(粒度分布計による測定) 調製直後の平均粒子径(nm) 振盪後の平均粒子径(nm) 本発明品No.2 321 415 比較品No.3 610 1020 比較品No.4 1255 2113 表3に示すとおり、本発明品No.2は、調製直後の平均粒
子径は321nmであった。また振盪後の平均粒子径は415nm
とやや大きくなった。これに対し、比較品No.3は、調製
直後の平均粒子径が610nmと本発明品No.2に比べ大きな
値であり、振盪後は1020nmとさらにその差が大きくなっ
た。さらに比較品No.4では、本発明品No.2との平均粒径
の差は比較品No.3よりさらに大きくなる傾向が見られる
など顕微鏡観察の結果と同様、本発明品No.2が一番安定
な粒子であることが示された。
【0035】参考例3 グラニュー糖240g、クエン酸8g及びビタミンC
0.5gを適量の水に溶解し、クエン酸ナトリウムを用
いてpH3.0に調整した後全体を2リットルとして酸性
飲料用シロップを調製した。このシロップ各200mlに実
施例3、比較例5、比較例6で得られた乳化物をそれぞ
れ0.2mlを添加し、ビンに充填後打栓し、85℃にて
15分間殺菌後冷却し、飲料を得た。これを室温および
40℃で14日間保存し、風味の経時変化を官能的に観
察した。その結果を表4に示す。
【0036】
【表4】 表4:風味の経時変化(官能評価) 保存日数 調製時 3日 7日 14日 本発明品No.3(室温保存) − − − − 本発明品No.3(40℃保存) − − − − 比較品No.5(室温保存) − − − − 比較品No.5(40℃保存) − − − ± 比較品No.6(室温保存) ± + + ++ 比較品No.6(40℃保存) ± + ++ +++ 但し、表中の各記号は下記の意味を有する。
【0037】− 異味異臭およびフレーバーの劣化
は認められない。
【0038】± 異味異臭が僅かに認められる。
【0039】+ やや不快な異味異臭が認められ
る。
【0040】++ かなり不快な異味異臭およびフレ
ーバーの劣化が認められる。
【0041】+++ 著しく不快な異味異臭およびフレ
ーバーの劣化が認められる。
【0042】表4の結果から明らかなとおり、本発明品
No.3は、室温、40℃いずれの場合においても観察期間中
全く異味異臭は認められなかった。一方、比較品No.5
は、室温保存の場合は、変化はなく良好であったが、40
℃保存の場合は14日目に異味異臭がわずかに認められ
た。さらに比較品No.6では、調製時においてもレシチン
に由来する異味が僅かに認められ、その後経時的に異味
異臭が強くなりフレーバーの劣化も著しかった。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、香気、フレーバー、色
調、混濁などの嗜好性の高い香味及び外観を与える長期
間安定な乳化組成物の製造が可能となり、供給が不安定
なアラビアガムの代わりに飲食品等、広い分野への用途
が開けるなど極めて有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1) 油性着香料、油溶性色素類、動植
    物油脂類、中鎖飽和脂肪酸トリグリセライド類、油溶性
    ビタミン類及び天然樹脂よりなる群から選ばれる少なく
    とも1種の可食性油性材料、(2) 水溶性大豆多糖
    類、及び(3) 水及び/又は多価アルコール類からな
    ることを特徴とする乳化組成物。
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