JP2007534565A - 断熱用カップラッパー及びラッパーで形成された断熱された容器 - Google Patents

Abstract

断熱されたカップが一重壁の紙又はプラスチックの内側カップ１０と、断熱用外側ラッパーとから形成される。断熱用外側ラッパーは、１つの側を任意選択で印刷された紙ベースのシート又は外側の側壁ブランク１２と波形の紙１４又は発泡プラスチックインサート１４Ｆとを含む。断熱用インサートは形状において外側の側壁ブランクに似ているが、寸法においてより小さい。インサートは中央位置で側壁ブランクの非印刷側に接着させられて、二重層の断熱用ラッパーを形成する。インサートの領域の２０％より小さい部分がベースシートに接着させられる。

Description

本出願は、２００４年４月２２日出願され現在は放棄された本発明者の特許出願第１０／８３１４４１号の一部継続出願である。

本発明は一般に断熱用使い捨てカップ及び容器に関し、詳細には断熱用ラッパー、断熱用ラッパーを作成する方法、及び断熱された容器を断熱用ラッパーで作る方法に関する。

他の特徴の中でも印刷品質、剛性、断熱、生分解性、再利用可能性、透明性、透過性、電子レンジ対応性、保管寿命に関する特定の組の特徴をそれぞれ備える多くのタイプのカップ及び容器が利用できる。多くのタイプのカップは、１つ又は複数の領域で望ましい特徴及び利点をもつが、他の領域で望ましくない特徴をもつ。

例えば、先行技術で公知の発泡ポリスチレン（ＥＰＳ）製のカップは、優れた断熱体であって、熱いものも冷たいものも、飲み物の温度を長時間維持する。さらに、これらは、内容物の持つ熱いか、冷たい温度と使用者の手の間のバリヤーの役を果たす。しかし、ＥＰＳカップは生物分解性ではないので、一般に環境に優しくないと考えられている。その結果、その使用が地方自治体で禁止されている所もある。さらに、ＥＰＳカップを印刷するのに、カップ形成後印刷しなければならないので、時間がかかり、高価なオフ・ライン印刷プロセスを使用しなければならないし、これらの比較的荒い表面では、高解像度印刷が出来ない。

従来の普通の単一層紙容器は、ＥＰＳカップに比してより環境に優しいと一般に考えられているが、その断熱性は悪い。そのため、多くのコーヒー店ではカップを二重にして幾らかでも断熱性を得るために、単一層紙コップを二つ積み重ねて熱い飲料を中に入れて出す。これは、非常に高価で不経済である。その代わりとして、飲料を高温に保ち、手を快適にしておくような断熱性を提供するために、単一層の紙コップの周りを巻き込むカップ用スリーブが多く考案されているが、例えば参照：米国特許第５，２０５，４７３号（１９９３，Ｃｏｆｆｉｎ）、５，７９４，８４３号（Ｓａｎｃｈｅｚ，１９９８）、６，２７７，４５４号（２００１，Ｎｅａｌｅ等）等がある。このカップスリーブの欠点の一つは、飲料を出す場合、スリーブを組み立てる、及び／又は、カップ上に置かなければならないことである。これには余分な手数がかかり、給仕する速度が遅くなる。さらに、カップとスリーブを追加・同時購入すること、貯蔵スペースの追加、及び在庫管理の追加が必要である。さらに、カップスリーブはカップからずり落ちる傾向があり、すべての車のカップホルダーに入るとは限らず、カップ上に印刷したる図柄を隠すことになる。

ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、ポリスチレン（ＰＳ）、ポリプロピレン（ＰＰ）及び高密度ポリエチレン（ＨＤＰＥ）のような材料で作られている単一層のプラスチックカップは、この技術分野では公知であり、熱成形あるいは射出成形法で形成されている。プラスチックカップは美匠性が高く、収納されている内容物の貯蔵寿命を延長するように高いバリヤープ性を持たせることができる。ＥＶＯＨと呼ばれるバリヤー材料も酸素バリヤー性を提供するために付加できる。ＨＤＰＥの厚い層で作られているカップはかなり湿気バリヤー性を与えるであろう。ＨＤＰＥ及びＥＶＯＨの両者で作られたプラスチックカップは、湿気及び酸素の両方に強く、収納してある内容物の貯蔵寿命を延長する。ポリプロピレン製のようなある種のプラスチックカップは、高熱に強く、そういうものとして電子レンジ加熱が可能である。さらに、プラスチックカップは継ぎ目部がないので比較的によい漏れ防止性を与える。しかし、プラスチックカップは、成形後にオフ−ラインで印刷しなければならなく、これは高価なプロセスで、図柄を制限する。別の問題は、これらのカップが貧弱な断熱体であることである。これらは、非常に速く熱を失うか冷えて、熱いか又は冷たい内容物の持ち運びとなり心地が悪い。別の欠点は、その側壁の剛性強さが貧弱であることである。

多層の紙コップは、断熱及び強さの向上を提供するように意図したものである。米国特許第３，９０８，５２３号（Ｓｈｉｋａｙａ，１９９８）、５，２０５，４７３号（Ｃｏｆｆｉｎ，１９９３），５，５４７，１２４号（Ｍｕｅｌｌｅｒ，１９７５）、５，６８５，４８０号（Ｃｈｏｉ，１９９７）、５，７６９，３１１号（森田等，１９９８）、５，７７５，５７７号（Ｔｉｔｕｓ，１９９８）、６，０３９，６８２号（Ｄｅｅｓ等，２０００）、６，２５３，９９５号（Ｂｌｏｋｅｔ等，２００１）等は、すべて、紙製内部カップ及び断熱性を提供する外部カバーかラッパーのある形式のもので、少なくとも３層を備えた多層のカップを開示する。ラッパーは、少なくとも１枚のベースシートと、該ベースシートに接着された少なくとも１枚の波形乃至エンボス加工シートとから成る多層のシートを含む。これらのカップは、熱的に断熱されており、強いが、波形乃至エンボス加工シートを積層プロセスでベースシートの全表面を覆うように接着しなければならないから製造するのに高価である。これは、ホトメルトあるいは加熱したポリエチレン、あるいは、澱粉系冷接着糊のような接着剤を、エンボス加工シート及び／又はベースシートの表面に塗布し、この２枚のシートをプレスして接合し、多層断熱シートを形成するプロセスである。その後、ラッパーは、この多層シートから打ち抜かれ（打抜加工と呼ばれるプロセス）、内部カップのまわりに巻き付け、接着される。シートを積層・接合するプロセスは、高価で不経済である。ラッパーを打ち抜く際に、かなりの量の付加価値のある多層シートの切れ端が無駄になる。又、エンボス加工シートをベースシートの全面に亘って接着させるのに、普通は、波形又はエンボス加工シートの頂点部分全部に沿って行うので、かなりの量の接着剤が使用される。印刷工程は高価であるが、それは、ベースシートの積層に先立って印刷しなければならなく、そうするとシートの積層接合後、かなりの位置合わせとゆがみ問題を引き起こすか、又はシート積層後の多層シートに印刷するかで、これは多層シートの厚み、曲げ剛性と、シートの過剰な圧縮性が原因で、困難であるからである。いずれにしても、これらのタイプの断熱カップ上にコスト実効価格で高品質な印刷をすることは非常に困難である。最後に、厚い積層板紙の柔軟性には制限があるので内部カップを多層・積層ラッパーで巻き付けたり、曲げることは困難である。

米国特許第５，６６０，３２６号（Ｖａｒａｎｏ及びＳａｄｌｉｅｒ，１９９７）及び６，０８５，９７０号（Ｓａｄｌｉｅｒ，２０００）に記載のものでは、これらの欠点が克服されている。
これらのカップは、市場で広範囲に受け入れられ、何百万も世界中で販売されてきた。この２つの特許によるカップは、抜本的な改良品であるが、本発明者はカップ及びその製造工程の両方をさらに改善できることを見出した。内側のカップ及び外層が長尺生地（ブランク）で作られているので、これらの両部品は同じ材料で作られている。その内層は、防水処理のために高価なポリエチレンをコートしたシートで作らなければならず、従って、外層もこの同じ高価な材料から作らなければならなくなるので、これは不利である。さらに、内層及び外層が同じ生地で作られているので、単に生地の外側の部分だけではなく、全生地を印刷機に通さなければならず、これは比較的高価な処理操作になる。同じ細長い生地からカップの内層及び外層を形成するために、側壁の生地も折り重ねられなければならない。生地を折り重ねるプロセスは、精密な位置合わせを要する、高価な余分の工程である。

米国特許第５，２０５，４７３号（１９９３，Ｃｏｆｆｉｎ）、 米国特許第５，７９４，８４３号（Ｓａｎｃｈｅｚ，１９９８）、 米国特許第６，２７７，４５４号（２００１，Ｎｅａｌｅ等） 米国特許第３，９０８，５２３号（Ｓｈｉｋａｙａ，１９９８）、 米国特許第５，５４７，１２４号（Ｍｕｅｌｌｅｒ，１９７５）、 米国特許第５，６８５，４８０号（Ｃｈｏｉ，１９９７）、 米国特許第５，７６９，３１１号（森田等，１９９８）、 米国特許第５，７７５，５７７号（Ｔｉｔｕｓ，１９９８）、 米国特許第６，０３９，６８２号（Ｄｅｅｓ等，２０００）、 米国特許第６，２５３，９９５号（Ｂｌｏｋｅｔ等，２００１） 米国特許第特許番号５，６６０，３２６号（Ｖａｒａｎｏ及びＳａｄｌｉｅｒ，１９９７） 米国特許第特許６，０８５，９７０号（Ｓａｄｌｉｅｒ，２０００）

従って、本発明の目的は、（ａ）断熱性及び剛性が改善されたカップを提供することである。亦、カップは、（ｂ）それはそれほど高価でない材料から作り、（ｃ）より漏れ防止性を持たせ、（ｄ）収納する飲料の貯蔵寿命を延長し、（ｅ）電子加熱を可能とし、（ｆ）リサイクル材料で作り、（ｇ）コストを下げるため各部品が最も経済的な材料で作り、（ｈ）より経済的に印刷し、（ｉ）折り重ねないで作り、そして（ｊ）高速組立て機械で非常に迅速な速度で組み立てることが出来る。さらに詳しくは、下記の記述及び添付の図面を考察すれば、明白になるであろう。

本発明の一態様によれば、断熱容器は、単一層の紙あるいはプラスチック製の内部カップと断熱外部ラッパーから形成される。断熱外部ラッパーは、任意に一面が印刷されていることもある、紙ベースシートあるいは外側の側壁生地と、波形紙インサートとから成る。波形インサートは、外側の側壁生地と形が類似しているが、その大きさは側壁生地のそれより小さい。インサートは、側壁生地の印刷されてない側の真中の位置に接着剤が付着され、二層断熱ラッパーを形成する。次いで、この二層ラッパーを、その波形インサート部分を生地の内側に、生地の印刷面を外側に向けて、成形機上に支持、配置された単一層内部カップの周囲に巻き付ける。ラッパーの両側エッジを重ね合わせ、側面の継ぎ目を形成するよう、両者をともに封止する。側面の継ぎ目自身は、内部カップにそれ自体接着、固定される。製造業者は、ラッパーを内部カップに接着するのに、他の方法を使用することができる、例えば、一個以上の常温接着剤（糊接着剤）のビードを使用することができる。さらに、側壁生地の内側のカットエッジにポリエチレン（あるいは同様の熱シール材）の薄い層を下塗りすることができる。次いで、内部のカップをラッパーで巻き付け、重ね合わせた側面の継ぎ目を内部カップの側壁に押し付け、その場で接着させる直前に熱活性化を行う。

図１は先行技術の紙又はプラスチックのカップの下からの図を示す。カップは側壁１０と上部リム１０Ｒと底１０Ｂとを含み、プラスチック又はプラスチックで被覆されたカップの一重壁から作られる。その結果それは劣った断熱品質をもつ。従って、それが熱い飲料（図示せず）を収納する場合、熱がカップを通って、それを保持する誰もの指を加熱し又はそれにやけどをさせる。カップを、厚い材料のようなフォーム、発泡ポリスチレン（ＥＰＳ）などの断熱材で作ることもできるが、ＥＰＳは、生分解性でないので環境的に有害であると一般に考えられており、従っていくつかの地域ではそれらの使用が禁止されてきた。又、製造業者には商標及び他の宣伝をその上に印刷するのが難しいことがわかった。カップを二重にすることができるが、これは費用がかかり無駄な行為である。カップスリーブをカップの上に滑り込ませることもできるが、これは追加の作業、時間、保管及び在庫管理を必要とし、スリーブはカップから抜け落ちる傾向があり、すべてのカップホルダ中には都合よく適合せず、カップ上に印刷された任意の図形表示を被覆する。複数層のカップが提供されたが、これらは上述のような多くの欠点をもつ。

紙製の場合、カップは、好ましくは、少なくとも１つの側で、ポリエチレン又は任意の他の適切な防水材料で被覆されるソリッドブリーチスルファイト（ＳＢＳ）ボール紙から作られる。一重壁の紙コップを作るプロセスは当技術分野ではよく知られている。それはカップの底から上面まで走る垂直な側部シーム（図示せず）をもつ。いくつかの特性を達成するために様々な材料の組み合わせ及び厚さを使用することができる。例えば、保管寿命の長い断熱されたカップが必要な場合、紙コップは内部をフォイルの層で被覆することができる。フォイルは、内部の液体の含有物を保存するために優れた湿気及び酸素の障壁を提供する。あるいは、様々な熱可塑性の障壁材料を紙の上に被覆することができ、例えばＨＤＰＥ及びＥＶＯＨはそれぞれ湿気及び酸素の障壁を提供する。さらに側壁の強度が必要な場合、紙をより厚くすることができる。断熱されたカップが電子レンジで加熱される場合、高密度ポリエチレンのような媒体など高い融点を有する防水材料を使用することができる。

プラスチック製の場合、カップは側部シームをもたず、多数の材料の任意のもの又はＰＥＴ、ＰＰ、ＰＳ及び／又はＨＤＰＥなどの材料の組み合わせから形成することができる。熱成形又は射出成形プロセスから一重壁のプラスチックカップを作るプロセスはよく知られている。いくつかの特性を達成するために様々な材料の組み合わせ及び厚さを使用することができる。例えば、長い保管寿命をもつ断熱されたカップが必要な場合、プラスチックカップをＨＤＰＥとＥＶＯＨの組み合わせから作ることができる。ＨＤＰＥは材料の厚さと共に増加する湿気の障壁を提供し、ＥＶＯＨは酸素の障壁を提供する。電子レンジ対応の容器が必要な場合、両方とも高レベルの熱に耐性があるＨＤＰＥ又はポリプロピレンを使用することができる。

（断熱用外側ラッパー；図２から４）
本発明によれば、本発明者は図１のカップと共に使用するための断熱用外側ラッパーを提供する。ラッパーはベースシート又は層１２（図２）と、ベースシートに取り付けられたインサートシート又は層１４（図３Ａ及び３Ｂ）とを含む。両方のシートは４つの境界エッジを備えるほぼ長方形の同じ形状をもつ。エッジの２つは、互いに鋭角に方向付けられて対向する側部エッジであり、一方、エッジの他の２つは湾曲し互いに同心円上に方向付けられて対向する上部エッジと下部エッジである。層１４は、その材料の基本的な厚さよりそれを厚くさせるような波形又は他の複数の歪曲をもち、それによって、その断熱特性を大幅に増加させ、断熱層をもたらす。

現在、本発明者はベースシート１２として、０．２０ｍｍから０．５０ｍｍの厚さのソリッドブリーチスルファイト（ＳＢＳ）紙を使用するほうを好む。ベースシートはより大きな初期シート又はロール（図示せず）から切られ、又は打ち抜かれ、上部及び底部の円弧に沿って並びに各側部に沿ってカットエッジをもつ。完成したカップが商標及び／又は他の印刷をもつ場合、より大きな初期シート又はロールから打ち抜かれる前に、ベースシート１２を印刷するべきである。印刷表面の平滑度及び光沢を改良するために、ベースシートを印刷側でよく知られている方法によってクレイで被覆することができる。

波形のインサート１４は、平らな紙のシート（好ましくは０．１５ｍｍから０．５０ｍｍの厚さで、示されたように金属化フィルム又はフォイルなどの反射材料の層で被任意選択で覆されたプレート・ストックのボール紙又は段ボール原紙）をエンボス加工又は波形成形ダイ（図示せず）を通って進ませることによって形成され、それからよく知られた方法で寸法に切られる。ベースシートと同じように、波形のインサートは、上部及び底部の円弧に沿って並びに各側部に沿ってカットエッジをもつ。本発明者は２．５ｍｍから７．６ｍｍのピッチ（隣接するリブの山の頂の間の間隔）をもつ波形を形成することを好む。波形の深さは０．５ｍｍから１．２７ｍｍである。インサート１４は、面積においてベースシート１２のものより約３０％小さい。インサートの寸法がより小さいので、高速組み立て装置でしばしば起こるように、それがベースシート上に正確に中心合わせされない場合、ベースシートがインサートのエッジを越えてさらに延びるので、断熱用外側ラッパーはなお使用可能である。

ベースシート１２及び波形のインサート１４が、少量の接着材１２Ｇをベースシートの中央領域に中心に合わされて配置し、インサートを取り付けることによって、断熱用外側ラッパー又はアセンブリを形成するために一緒に接着させられる（図４Ａ及び４Ｂ）。インサート材料が１つの側で反射被覆をもつ場合、反射側はベースシートに向かない方に配置されるであろう。好ましくは、インサートの領域の２０％より少ない部分がベースシートに接着的に取り付けられる。インサートシートがベースシートより小さいので、ベースシートのエッジ部分はインサートのエッジを越えて延びることに留意されたい。現在、本発明者は、その硬化時間が速いので、熱溶融型接着剤を使用するほうを好む。或いは、接着剤を波形のインサート上に配置することもできる。さらに別な方法では、高速装置に取り付けられるので、インサートにさらなる安定を提供するためにいくつかの接着剤のスポットを使用することもできる。従来の技術の波形のカップと違って、前述のように波形の先端部の各々をベースシートに接着させるために大量の接着剤を使用する必要はない。本発明者は、波形のインサートの２０％より少ない部分をベースシートに接着させるほうを好む。特に、インサートのカットエッジに隣接する領域には接着剤が塗られず、これらのエッジはそれ自体自由である。図４Ｂに示される完成した断熱用外側ラッパ−の全体の厚さは１ｍｍと２ｍｍの間の厚さである。

（断熱用外側ラッパーを備える容器；図５及び６）
図５に示されるように、断熱用外側ラッパ−、或いはベースシート１２及び波形のインサート１４のアセンブリは、カップをマンドレル（図示せず）上に配置し、カップの周りに断熱用外側ラッパ−に巻き付けることによって、図１のカップ１０の外側に組み立てられる。これは、よく知られている自動化された装置によって行うことができる。外側ラッパ−が図５に示されるように巻き付けられ、又はカールされるとき、内側又は上の層（インサート１４）の右及び左のカット側の端部が外側又は下の層（ベースシート１２）上で外向きに移動する。２つの層が全領域で接着されていたならば、アセンブリをカールすることは、インサートにねじれを生じさせ、ベース層を引き裂き、又は接着結合点を引き離すことになりがちである。インサート１４は、側部エッジに沿ってベースシート１２に取り付けられていないので、これらのエッジは自由に移動して、そのような望ましくない結果は起こらない。

図６Ａ及び６Ｂに示すように、断熱性外部のラッパーが完全にカップに巻き付けられると、ベースシート１２の固定されていない両切断縁は重なり合い、張り合わされている。これは、数ある中から任意の仕方で実施する。好ましくは、１個以上の玉状（ｂｅａｄｓ）糊接着剤かホットメルト接着剤をベースシートの重なり合う両縁に塗布し、圧着する。この代わりに、ポリエチレンのような熱活性接着剤の一層をあらかじめ、ベースシートの両カットエッジに隣接する範囲に適用し、両エッジを重ね合わせ、共に圧着、封止するよう活性化できる。糊接着剤、ホットメルト接着剤、あるいは下塗した熱活性化ポリエチレン層を側面の継ぎ目に適用するのと同様の手段によって、断熱外部ラッパー自体を、ラッパーの垂直側面の継ぎ目に沿ってカップ側壁に接着し、カップに直接取り付ける。

図６Ａ及び図６Ｂの完成した断熱性容器は熱い飲料を入れることができ、しかも素手で持てる。ラッパーの垂直の帯部分だけ（側面の継ぎ目に沿って）とカップが接着されるので、接着剤はほんの少量で足りる。留意することは、ベースシート１２の重なり合うエッジ部が互いに、しかもカップ１０と、接触していることである。波形インサートがベースシート１２より短いので、波形インサート１４のカットエッジは、ベースシート１２の重なり合う側面の継ぎ目とカップ１０の間に入りこまない。そのため、ベースシート１２をカップ１０に接着するのを妨げない。

この別の利点は、それによって、出来上がった断熱容器の側壁の全面的な厚さが減ることである。もし普通の波形板（段ボール）をカップに巻き付けると、重なり合う側面の継ぎ目は、波形板の２倍の厚さになる。この側面の継ぎ目の余分な厚さがあると、カップを重ね合わせるのに邪魔になることになる。しかし、ベースシートを側面の継ぎ目で単に重なり合わせることで、完成したカップ全体厚さは増加しない。さらに、メーカーは、剛性と強度を向上させるため、波形インサート、従って断熱ラッパーをカップのまわり、一つ以上の周縁の場所でカップ１０に、接着させることができる。

カップの頂部で、縁端から下のところに露出した領域を残すように、断熱外部ラッパーは、縁端１０Ｒから約１．６ｍｍ下で、カップ１０に取り付けることが望ましいが、ラッパーを縁端のすぐ下に付けてもよいし、あるいは、もっと下に間隔を置いてもよい。カップの縦の長さ全体をカバーしないように断熱ラッパーの寸法が設計してある。カップの基底部を露出させておくよう、ラッパーは、カップの底部からおよそ１．６ｃｍ上空けてある。この代わりに、縁端１０Ｒを除いて、ラッパーがカップ１０の外部全体をカバーするような寸法にしてもよい。ラッパーは、カップの周りに巻き付けたカップスリーブの外観に似たような寸法にしてもよいが、それによって、カップの側壁がラッパーの上及び下から露出することになる。ラッパーは、使用者が手に持つ範囲をカバーし、それによって断熱するのに十分なだけの大きさが必要である。

ベースシート１２だけを印刷機を通って進ませることが必要なので、容器の外側をより容易に印刷することができる。カップ１０は防水材料製（プラスチック又はプラスチックで被覆された紙）であるべきだが、外側の断熱用ラッパーは、液体に接触せず、カップ１０の部分ではないので、この高価な材料製である必要はない。

（発泡プラスチックインサート付き容器；図７）
波形紙インサート１４（図３Ａから図５及び６Ｂまで）の代わりに、図７に示すように、インサートを発泡プラスチック１４Ｆの層で作ることができる。好ましくは、層１４Ｆは、発泡ポリスチレンで作るが、又、発泡ポリエチレン、発泡ＰＥＴ（時にＰＥＴＥと呼ばれる）、あるいは他のどんな独立気泡、連続気泡発泡プラスチックでも作ることができる。独立気泡構造は連続気泡構造より断熱性がよい。従って、現在押し出し加工発泡ポリスチレンのような独立気泡材料を使用することが望ましい。又、気泡中の発泡剤（Ｃ０_２又はブタンなど）を変えて断熱性を達成できる。優れた断熱性を提供する発泡剤の使用が望ましい。層１４Ｆは、好ましくは厚さが０．５ｍｍから１．５ｍｍである。層１４Ｆの断熱性特質は、波形層１４のそれと同等あり、よりよい場合もあるが、それでも外部の層１２に接着し、層１４と同じ方式でカールできる。

従って、本発明によれば、断熱性及び剛性が改善された容器が提供されたこと、又、それが。よりコストが低い材料を使用し、製造費が安く、漏れ防止がよりよく、収納液体の貯蔵寿命を延長し、電子レンジ使用可能であり、リサイクル材料含量がより高く、且つコスト削減のために各部品を最も経済的な材料で作ることができ、折り重ねる必要がなく、又より経済的に印刷することができることが理解されるであろう。単一層プラスチックカップのまわりに断熱ラッパーを巻き付けることで、断熱カップが提供され、内部カップのプラスチック材料に依るが、これは、漏れ防止性があり、貯蔵寿命が延び、電子レンジ使用可能で、プラスチックカップに剛性を与え、プラスチックカップによりよい図柄を与えることが出来、更に単一層紙コップ（使用されるプラスチック材料及び厚さのタイプに依存する）にラッパーを巻き付けるより低廉になる可能性があるはずである。ベース層が重なり合っているので、断熱層は、ベース層をそれ自体に、あるいはカップに接着させるのを妨げない。

上の記述が多くの特定事項を含むが、これらは、発明の範囲に対する制限としてではなく、好ましい本態様の例証として解釈されるべきである。本発明の教示内で多くの他の波及効果及び変型が可能である。例えば、その必要はないが、断熱性インサート、従って断熱性ラッパーは、さらに１つ以上の場所で内部のカップの側壁に接着して取り付けることができ、出来上がったカップにより高い剛性を与える。断熱外部ラッパーは筒状に巻いて、その形で接着でき、次にこのラッパーの中にカップを挿入する。波形状の形態の代わりに、インサートは、くぼみ、水平波形、十字形エンボスなどでエンボス加工することができる。このように、インサートシートは、必要があれば、箔あるいは金属化フィルムのような反射材料でコートでき、内部のカップに向けて放射熱を反射し返すような位置に配置することにする。さらに、カップラッパーの外側に表面模様外観の感触と更に断熱性を付加するために、ベースシート１２（及びインサート１４も同様に、あるいはその代わりに）をエンボス加工、波形加工、あるいは、発泡プラスチックから形成できる。又、ラッパーは、一個以上の玉状常温の接着剤（糊接着剤）で、内部のカップに接着できるし、あるいはポリエチレン（又は同様のヒートシール材料）の薄い層をあらかじめ、ベースシートの切断縁に適用できる。次いで、内部のカップにラッパーを巻き付け、重なり合わせた側面の継ぎ目を内部のカップの側壁に押付け、その場で接着する直前に、これを熱活性化する。内部のカップ及び断熱性ラッパーは。異なる材料から作ることができるので、ベースシート及び／又は波形インサートは、印刷面改善用の粘土―コート再生紙を含む、再生紙で作ることができる。カップは液体と同様に熱いか冷たい固体を入れるためにも使用できる。ベースシート及び断熱インサートは、形が違ってもよい。例えば、カップがテーパー状（先細）でない場合、シートの相対する縁部とインサートは平行していてもよい。

従って、本発明の範囲は、与えられた例によってではなく、添付の特許請求の範囲及び法的に等価なものによって定められるべきである。

従来の技術の普通の一重壁の紙又はプラスチックのカップの斜視図である。 本発明による外側ラッパーに使用される平らな紙のベースシートの平面図である。 ベースシートに取り付けられた波形の紙のインサートの平面図である。 図３Ａの波形の紙のインサートの端面図である。 ベースシート及び波形のインサートの組み合わせからなる外側ラッパーの図である。 外側ラッパーの端面図である。 カップの周囲に外部ラッパーが巻付けられている斜視図である。 巻き付けられたカップの立面図である。 図６Ａの線６Ｂ―６Ｂによって示されたようにとられた断面図である。 発泡プラスチックインサートでカップの周りに巻き付けられる外側ラッパーの斜視図である。

符号の説明

１０ 側壁、カップ
１０Ｒ 上部リム
１０Ｂ 底
１２ ベース層のベースシート
１２Ｇ 接着剤のスポット
１４ 層、波形のインサート
１４Ｆ 発泡プラスチックインサート

Claims (27)

1. 断熱されたカップラッパーであって、
   複数の境界エッジ及びそれぞれ前記境界エッジに隣接する対応する複数のエッジ部分をもつ外側ベースシートと、
   複数のエッジをもつインサートシートとを含み、
   前記外側ベースシート及び前記インサートシートの少なくとも１つが断熱層を提供するために断熱材で作られ、
   前記インサートシートが断熱されたカップラッパーを形成するために前記外側ベースシートの１面に接着させられ、
   前記外側ベースシートの前記複数のエッジ部分が前記インサートシートの前記エッジを越えて延びるように、前記インサートシートが寸法において前記外側ベースシートより小さく、前記外側ベースシート上に配置され、
   それによって、断熱されたカップを形成するために一重壁カップの周りに巻き付けて接着することができる断熱されたカップラッパー。
2. 前記インサートシートが断熱材で作られている請求項１に記載の断熱されたカップラッパー。
3. 前記インサートシートが波形の材料及び発泡プラスチックからなるクラスから選択された材料で作られる請求項２に記載の断熱されたカップラッパー。
4. 前記ベースシート及び前記インサートシートそれぞれが、４つの境界カットエッジを備えたほぼ長方形の形状をもち、前記エッジの２つが互いに鋭角に方向付けられて対向する側部エッジであり、前記エッジの他の２つが湾曲し互いに同心円上に方向付けられて対向する上部エッジと下部エッジである請求項１に記載の断熱されたカップラッパー。
5. 前記ベースシート及び前記インサートシートが紙で作られている請求項１に記載の断熱されたカップラッパー。
6. 前記インサートシートがその少なくとも１つの側に反射材で被覆されている請求項１に記載の断熱されたカップラッパー。
7. 前記インサートシートが、波形の材料及び発泡プラスチックからなるクラスから選択される断熱材で作られ、前記ベースシート及び前記インサートシートそれぞれが４つの境界カットエッジを備え、前記エッジの２つが互いに鋭角に方向付けられて対向する側部エッジであり、前記エッジの他の２つが湾曲し互いに同心円上に方向付けられて対向する上部エッジと下部エッジであり、前記ベースシート及び前記インサートシートが紙から作られている請求項１に記載の断熱されたカップラッパー。
8. 底と側壁とをもつカップをさらに含み、前記カップの周りを包みかつそれに接着させられる請求項１に記載の断熱されたカップラッパー。
9. 断熱された容器であって、
   外面と内面を備える側壁をもつカップと、
   前記カップの前記側壁の前記外面の周りに巻き付けられ、それに接着させられる断熱されたカップラッパーとを含み、
   前記カップラッパーが外側ベースシートとインサートシートとを備える複数の層を含み、
   前記外側ベースシートが複数の境界エッジと、それぞれ前記境界エッジに隣接する対応する複数のエッジ部分とを有し、
   前記インサートシートが複数のエッジを有し、
   前記ベースシート及び前記インサートシートの少なくとも１つが断熱層であり、
   前記インサートシートが前記外側ベースシートの１つの側に接着させられ、
   前記外側ベースシートの前記複数のエッジ部分が前記インサートシートの前記エッジを越えて延びるように、前記インサートシートが寸法において前記外側ベースシートより小さく、前記外側ベースシート上に配置される断熱された容器。
10. 前記インサートシートが前記断熱材で作られている請求項９に記載の断熱されたカップ。
11. 前記断熱材が波形の材料及び発泡プラスチックからなるクラスから選択される請求項１０に記載の断熱されたカップ。
12. 前記ベースシート及び前記インサートシートが紙で作られている請求項９に記載の断熱されたカップ。
13. 前記インサートシートの少なくとも１つの側に反射材のコーティングをさらに含む請求項１２に記載の断熱されたカップ。
14. 前記ベースシート及び前記インサートシートそれぞれが４つの境界カットエッジを備え、前記エッジの２つが互いに鋭角に方向付けられて対向する側部エッジであり、前記エッジの他の２つが湾曲し互いに同心円上に方向付けられて対向する上部エッジと下部エッジである請求項９に記載の断熱されたカップ。
15. 前記インサートシートが、波形の材料及び発泡プラスチックからなるクラスから選択される断熱材から作られ、前記ベースシート及び前記インサートシートそれぞれが４つの境界カットエッジを備え、前記エッジの２つが互いに鋭角に方向付けられて対向する側部エッジであり、前記エッジの他の２つが湾曲し互いに同心円上に方向付けられて対向する上部エッジと下部エッジであり、前記ベースシート及び前記インサートシートが紙から作られている請求項９に記載の断熱されたカップ。
16. 断熱された容器を形成する方法であって、
    複数の境界エッジと、それぞれ前記境界エッジに隣接する対応する複数のエッジ部分とをもつ外側ベースシートを提供するステップと、
    複数のエッジをもつインサートシートを提供するステップであって、
    前記外側ベースシート及び前記インサートシートの少なくとも１つが断熱層を提供するために断熱材から作られるステップと、
    断熱されたカップラッパーを形成するために前記外側ベースシートの１つの側に前記インサートシートを接着させるステップと、
    前記外側ベースシートの前記複数のエッジ部分が前記インサートシートの前記エッジを越えて延びるように、寸法において前記外側ベースシートより小さく作り、前記外側ベースシート上に前記インサートシートを配置するステップと、
    閉じた底と側壁とをもつカップを提供するステップと、
    前記カップの前記側壁の周りに前記断熱されたカップラッパーを巻き付け、前記側壁に前記断熱されたカップラッパーを接着させるステップとを含む方法。
17. 前記インサートシートが前記断熱材から作られ、前記断熱材が波形の材料及び発泡プラスチックからなるクラスから選択され、前記ベースシート及び前記インサートシートそれぞれが４つのカットエッジを備え、前記エッジの２つが互いに鋭角に方向付けられて対向する側部エッジであり、前記エッジの他の２つが湾曲し互いに同心円上に方向付けられて対向する上部エッジと下部エッジであり、前記ベースシート及び前記インサートシートが紙から作られている請求項１６に記載された方法。
18. 請求項１６に記載された方法によって作製されたカップ。
19. 前記インサートシートが前記断熱材で作られている請求項１６に記載の断熱されたカップ。
20. 前記断熱材が波形の材料及び発泡プラスチックからなるクラスから選択される請求項１９に記載の断熱されたカップ。
21. 請求項１６に記載の断熱されたカップ。
22. 前記カップが実質的にプラスチック材料で作られている請求項１６に記載の断熱されたカップ。
23. 断熱された容器であって、
    側壁をもつカップと、
    前記カップの前記側壁の周りに巻き付けられる断熱用ラッパーであって、ベースシートと、断熱用インサートシートとからなり、前記ベースシート及び前記断熱用インサートシートがそれぞれカット側部エッジをもち、前記断熱用インサートシートが前記ベースシートより小さい表面積をもつ断熱用ラッパーとを含み、
    前記ベースシートの前記カット側部エッジが前記インサートシートの前記カット側部エッジを越えて延び、前記インサートシートの前記カット側部エッジに隣接する少なくとも１つの領域が前記ベースシートから自由であるように、前記断熱用インサートシートが前記ベースシートに接着させられ、
    前記ベースシートの前記カット側部エッジが側部シームを形成するために重ね合わされ互いに直接密封され、
    前記ベースシートが前記カップの前記側壁に接着される断熱された容器。
24. 前記断熱用インサートシートが波形の材料及び発泡プラスチックからなるクラスから選択された材料から作られる請求項２３に記載の断熱されたカップ。
25. 前記インサートシートの前記領域の２０％より少ない部分が前記ベースシートに接着的に取り付けられる請求項２３に記載の断熱されたカップ。
26. 前記カップが実質的にプラスチック材料で作られている請求項２３に記載された断熱されたカップ。
27. 前記カップが実質的に紙材料で作られている請求項２３に記載の断熱されたカップ。
    

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